JPWO2014115764A1 - 乳酸脱水素酵素阻害剤およびそれを含有する医薬品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、がん治療薬や代謝疾患治療薬の有効成分となり得るヒトへの副作用が軽微な乳酸脱水素酵素阻害剤、およびそれを用いた医薬品を提供することを目的とする。本発明により、式(I)で表される化合物(式中、R1およびR2は、一方が水素でもう一方が水酸基を表すか、一緒になって二重結合で炭素原子に結合した酸素を表す。)、特に式(II)で表される化合物(スチリペントール)を含有することを特徴とする乳酸脱水素酵素(LDH)の阻害剤、ならびに当該乳酸脱水素酵素を有効成分として含有することを特徴とする抗がん剤および代謝疾患治療薬が提供される。

Description

本発明は、スチリペントールに代表される化合物を有効成分とする乳酸脱水素酵素阻害剤およびその医薬用途に関する。
悪性腫瘍(がん)は、いまだに死亡率が高い疾患であり、新しい治療薬の開発が望まれている。ヒトのがんでは、解糖系の代謝酵素である乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase; LDH)が高発現しており、特にそのアイソフォーム5(LDH-5; 別名としてLDH-A, M-LDH)の発現亢進が顕著である(非特許文献1)。さらにこのがん細胞における LDH-5 の発現量を、遺伝子サイレンシング法により減らすと、がん細胞の増殖が抑えられることも示されている(非特許文献2)。すなわち、乳酸脱水素酵素 LDH-5 という生体内酵素が、がん増殖制御タンパク質であるのは今や周知の事実となっている。
これらの知見に基づき、乳酸脱水素酵素の阻害剤が最近になって開発されている(非特許文献3〜6)。これらの阻害剤は、実験レベルにおいてがん細胞の増殖を阻害することも示されている。ただし、これらの化合物がヒトに臨床応用された報告例は未だ無い。
また乳酸脱水素酵素は、解糖系の代謝酵素であるため、エネルギー産生や脂質代謝にも関わる酵素である。実際、脳内の乳酸脱水素酵素の阻害は、血糖値や中性脂肪(トリグリセリド)等の代謝制御に関与していることが知られている(非特許文献7〜8)。すなわち、乳酸脱水素酵素の阻害剤は、各種代謝疾患(肥満・糖尿病・高脂血症など)の制御にも関与する。
一方、てんかんは、罹患率が総人口の約1%と高い神経疾患である。しかもてんかん患者の3割に対し、既存のてんかん治療薬が奏功しない。このような背景により、様々なてんかん治療薬が開発されており、現在てんかん治療薬として使用されている有効成分は20種類以上にのぼる。
多くのてんかん治療薬の開発の結果、てんかん治療薬(化合物)が異なる疾患にも有効性を示す「第二医薬用途」の例が、幾つか報告されている。例えば、ゾニサミド(CAS: 68291-97-4)は、元来てんかん治療薬として開発されたが(特許文献1)、その後虚血性脳障害治療薬(特許文献2)や神経変性疾患治療薬(特許文献3)としての有用性が示されている。特に、神経変性疾患治療薬としてのゾニサミドは、パーキンソン病治療薬として現在実際に使用されていることを鑑みると、てんかん治療薬の第二医薬用途は産業的利用価値が高い。
スチリペントール(CAS: 49763-96-4、4-ジメチル-1-[(3,4-メチレンジオキシ)-フェニル]-1-ペンテン-3-オール、下記式(II)参照)は、最初に中枢作用薬として開発され(特許文献4)、その後難治性てんかん(Dravet 症候群)の抑制作用が認められ(非特許文献9,10)、現在てんかん治療薬として欧州や日本にて使用されている新薬である。また最近では神経保護作用剤としての有用性が示されている(特許文献5)。しかしながら、神経疾患以外の医薬用途に関する報告は示されていない。
特開昭53-077057号公報 特開平03-007226号公報 国際公開WO99/33465 米国特許3,910,959 米国特許出願公開2010/0240588
Goldman et al, Cancer Res 24: 389-399, 1964 Fantin et al, Cancer Cell 9: 425-434, 2006 Le et al, Proc Natl Acad Sci USA 107: 2037-2042, 2010 Granchi et al, J Med Chem 54: 1599-1612, 2011 Granchi et al, Eur J Med Chem 46: 5398-5407, 2011 Farabegoli et al, Eur J Pharm Sci 47: 729-738, 2012 Lam et al, Science 309: 943-947, 2005 Lam et al, Nat Med 13: 171-180, 2007 Perez et al, Epilepsia 40: 1618-1626, 1999 Chiron et al, Lancet 356: 1638-1642, 2000
従来技術に示されているように、乳酸脱水素酵素はがんや代謝疾患を制御する生体内タンパク質である。乳酸脱水素酵素の阻害剤も、複数開発されている。しかしながら、ヒトへの安全性が明らかにされている乳酸脱水素酵素阻害剤は存在しない。というのも乳酸脱水素酵素は、エネルギー代謝経路で非常に重要な解糖系の酵素であるため、その阻害剤をヒトに投与した場合に重大な副作用(例えば栄養不全やそれに伴う各種臓器異常、最悪は死)が容易に想定されるからである。実際、LDH-5(LDH-A)を遺伝子欠損したマウスは、胎児致死性(lethal)であることが知られており(http://www.sanger.ac.uk/mouseportal/phenotyping/MBCB/viability-at-weaning/)、生命体にとって極めて重要なタンパク質である。このような背景から、これまで報告されている乳酸脱水素酵素の阻害剤は、実験室レベルではがん細胞増殖抑制作用などが観察されているが、現在の技術水準では重大な副作用が想定されるため、ヒトへの治療薬としては現実的ではない。
すなわち、ヒトへの副作用が軽微な乳酸脱水素酵素阻害剤が存在すれば、がん治療薬や代謝疾患治療薬等その産業用途は計り知れないが、そのような阻害剤の報告例は無い。本発明は、がん治療薬や代謝疾患治療薬の有効成分となり得る、ヒトへの副作用が軽微な乳酸脱水素酵素阻害剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、ヒトへの副作用が限定されている医薬品(詳しくはてんかん治療薬)の中に、乳酸脱水素酵素阻害作用を持つ化合物が存在するという大胆な仮説を立てた。もし存在すれば、副作用の軽微な乳酸脱水素酵素阻害剤の発明となる。てんかんは脳電気活動の過剰興奮に特徴づけられる脳疾患であるため、抗てんかん薬のほとんどはチャネル・シナプス・トランスポーターといった電気活動の制御タンパク質に作用する。一方で、乳酸脱水素酵素は解糖系の代謝酵素である。すなわち、抗てんかん薬と乳酸脱水素酵素阻害剤は、現在の技術水準では想定し難い組み合わせである。しかしながら本発明者らは、てんかん治療薬であるスチリペントール(欧州では 2007年承認。日本では 2012年9月28日に承認)が、乳酸脱水素酵素(LDH-5など)の阻害剤であること、そして実際に抗がん作用を持つことを見出し、本発明を完成させた。
本発明は一つの側面において、特定の化合物を有効成分として含有する乳酸脱水素酵素阻害剤を提供し、さらなる側面において、当該乳酸脱水素酵素阻害剤を有効成分として含有する医薬品を提供する。かかる本発明には下記の発明が包含される。
[1] 式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする、乳酸脱水素酵素(LDH)の阻害剤。
式(I)中、R1およびR2は、一方が水素でもう一方が水酸基を表すか、一緒になって二重結合で炭素原子に結合した酸素を表す。
[2] 前記式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物(スチリペントール)である、[1]に記載の阻害剤。
[3] 前記乳酸脱水素酵素がアイソフォーム1(LDH−1)またはアイソフォーム5(LDH−5)である、[1]または[2]に記載の阻害剤。
[4] 前記乳酸脱水素酵素がヒト由来のものである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の阻害剤。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の乳酸脱水素酵素を有効成分として含有することを特徴とする抗がん剤。
[6] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の乳酸脱水素酵素を有効成分として含有することを特徴とする代謝疾患治療薬。
なお、上述したような発明が、前記特定の化合物を反応させる乳酸脱水素酵素の阻害方法、前記乳酸脱水素酵素阻害剤を投与する治療方法、前記特定の化合物の乳酸脱水素酵素阻害剤としての使用、前記乳酸脱水素酵素阻害剤の医薬品の有効成分としての(医薬品の製造における)使用などとして表現される発明に転換することが可能であることは、当業者にとって自明である。
従来技術では、乳酸脱水素酵素阻害剤はともすれば生命の危険をも脅かす、重大な副作用が想定される化合物であった。しかしながら本発明において、実際の医薬品としてヒトに投与されているスチリペントールが乳酸脱水素酵素阻害剤であることが見出された。スチリペントールには、傾眠・食欲減衰・運動失調などの副作用が報告されているが(抗てんかん薬であるディアコミット[スチリペントール商品名]の添付文書より)限定的なものである。すなわち、従来技術からは想定できなかった「副作用の限定された乳酸脱水素酵素阻害剤」が提供される。
乳酸脱水素酵素 LDH-5 はがん細胞の増殖に関与している生体内タンパク質であり、その活性を阻害することによってがん細胞の増殖は抑制されるので、本発明の効果として「抗がん剤としてのスチリペントールの利用(第二医薬用途)」が容易に想定されるところであり、実際に抗がん作用を持つことも確認された。その高い死亡率から新しい抗がん剤の誕生が強く望まれている社会背景を考えると、すでにスチリペントールはてんかん治療薬としてヒトへの安全性が確認されているので、抗がん剤としてのスチリペントールは産業上の利用価値が極めて高いと考えられる。また、乳酸脱水素酵素は代謝経路上の分子であるため、代謝疾患治療薬としても期待できる。
図1は、20種類のてんかん治療薬を作用させたときの、乳酸脱水素酵素活性(LDH)の酵素活性を表すグラフである(実施例参照)。いずれのてんかん治療薬も用いなかった場合の酵素活性(コントロール値)を100%とした。 図2は、スチリペントールを作用させたときの、LDH−1およびLDH−5による乳酸からピルビン酸の生成速度を表すグラフである(実施例参照)。A,B:ミカエリス・メンテンプロット。C,D:ラインウィーバー・バークプロット。 図3は、スチリペントールを作用させたときの、LDH−1およびLDH−5によるピルビン酸から乳酸の生成速度を表すグラフである(実施例参照)。A,B:ミカエリス・メンテンプロット。C,D:ラインウィーバー・バークプロット。 図4は、各種の培養細胞(癌細胞および正常細胞)にスチリペントールを投与したときの増殖抑制作用を示すグラフである(実施例参照)。
−乳酸脱水素酵素阻害剤−
本発明の乳酸脱水素酵素阻害剤は、式(I)で表される化合物を有効成分として含有する。
式(I)中、R1およびR2は、一方が水素でもう一方が水酸基を表すか、一緒になって二重結合で炭素原子に結合した酸素を表す。具体的には、式(I)で表される化合物には、式(II)で表される化合物および式(III)で表される化合物が包含される。
本発明において特に好ましい化合物は、式(II)で表される化合物、すなわちスチリペントールである。スチリペントールには、式(IIa)および式(IIb)で表される立体異性体が存在する。本発明において、スチリペントールは両方の立体異性体の混合物(ラセミ体)であってもよいし、いずれか一方の立体異性体の精製物であってもよい。
なお、式(I)で表される化合物、特にスチリペントールのアナログ(誘導体、類似化合物)も、本発明による乳酸脱水素酵素阻害剤として用いることができる可能性がある。乳酸脱水素酵素(由来する生物種やアイソザイムによって、タンパク質のアミノ酸配列や立体構造が幾分相違することがある)に対する阻害活性や投与対象に対する毒性は公知の手法により評価することができるので、その結果を考慮しながら好適なアナログを選択してもよい。
式(I)で表される化合物は公知の方法にしたがって合成することができる(たとえば特許文献1参照)。抗てんかん剤の有効成分として用いられているスチリペントールは、容易に入手することができる。
本発明の乳酸脱水素酵素阻害剤を調製する際には、必要に応じて乳酸脱水素酵素の活性阻害を有する他の化合物を併用することも可能であるが、式(I)で表される化合物のみ、特に安全性の高いスチリペントールのみを用いることが好適である。
本発明の乳酸脱水素酵素阻害剤の用途は特に限定されるものではないが、後述するように、特定の疾患を治療するための医薬品の有効成分として用いることが好適である。その他の目的の下、インビボ、エキソビボ、インビトロにおいて、任意の細胞における乳酸脱水素酵素の活性を阻害するために用いてもよい。たとえば、医薬品の開発や、乳酸脱水素酵素が関与する生体反応の研究のために、本発明の乳酸脱水素酵素をインビトロで培養した細胞に添加するようにして使用することも、本発明の乳酸脱水素酵素阻害剤の用途に包含される。
乳酸脱水素酵素(LDH)は分子量約140kDのタンパク質であり、M(muscle,またはA)とH(heart,またはB)の2種類のサブユニットからなる四量体である。それらの結合様式から、乳酸脱水素酵素にはLDH−1(H4)、LDH−2(H3M1)、LDH−3(H2M2)、LDH−4(H1M3)およびLDH−5(M4)の5つのアイソザイムが存在する。本発明の乳酸脱水素酵素阻害剤は上記いずれの乳酸脱水素酵素を対象とすることも可能であり、Hのみの四量体であるLDH−1(LDH−B)およびMのみの四量体であるLDH−5(LDH−A)のどちらに対しても阻害活性を示すが、LDH−5に対してより高い阻害活性を示す。
また、本発明の乳酸脱水素酵素阻害剤は、ヒト由来の乳酸脱水素酵素のみならず、乳酸脱水素酵素を有するその他の動物、たとえばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ネコ、イヌ、ブタ、サルなどの哺乳類由来の乳酸脱水素酵素を対象とすることができる。
乳酸脱水素酵素は乳酸とピルビン酸の相互変換を触媒し、そのときにNADHとNAD+の相互変換も同時に起こる(下記式参照)。なお、生体内に通常存在するものはL−乳酸である。脳では、アストロサイト(星状細胞)においてピルビン酸からL−乳酸への変換がLDH−5(LDH−A)によって行われ、ニューロン(神経細胞)において取り込まれたL−乳酸からピルビン酸への変換がLDH−1(LDH−B)によって行われている。また、がん細胞ではピルビン酸から乳酸への変換によるエネルギー(ATP)の産生が活発に行われている。
スチリペントールが乳酸脱水素酵素の阻害剤に該当するか否かは、その乳酸脱水素酵素と反応させたときに乳酸脱水素酵素の酵素活性が(通常は統計学的有意差をもって)低下するか否かによって確認することができる。ここで、スチリペントールは乳酸脱水素酵素に対して非競合(非拮抗)阻害を起こすので、ミカエリス・メンテン式の反応速度論に基づけば、阻害剤の有無によって、Vmax(基質濃度を無限大にしたときの反応速度)は低下する一方、Km(Vmax/2に達するときの基質の濃度)は変わらない。VmaxおよびKmは公知の手法によって求めることができる。たとえば、ピルビン酸から乳酸への変換に伴って生成したNAD+の反応溶液中の濃度、またはそれとは逆に乳酸からピルビン酸への変換に伴って生成したNADHの反応溶液中の濃度を吸光光度計を用いて測定し、ミカエリス・メンテン式に当てはめることによりそれぞれの反応速度を算出することができる。また、ミカエリス・メンテン式をラインウィーバー・バーク式に変換し、そのプロットを作成することにより、Vmax(1/Vmax:y切片)およびKm(-1/Km:x切片)を算出することもできる。
−医薬品−
本発明の医薬品は、乳酸脱水素酵素阻害剤が治療ないし(再発)予防の効果を奏する疾患、すなわち乳酸脱水素酵素の発現ないし活性の亢進が原因となっており、乳酸脱水素酵素の活性を阻害することによってその疾患の病変組織や症状に治療、改善、緩和、予防等の効果が表れるものを対象とすることができる。
本発明の医薬品の適用対象となる疾患の代表例として悪性腫瘍(がん)が挙げられる。すなわち、本発明の医薬品は一実施形態において抗がん剤となる。がん細胞のエネルギー生産は、低酸素状態でなくてもピルビン酸から乳酸への代謝に大きく依存しており、そのために乳酸脱水素酵素、特にLDH−5の発現が顕著に亢進している。したがって、乳酸脱水素酵素阻害剤を投与してLDH−5の酵素活性を阻害することにより、がん細胞の殺傷ないし増殖の抑制が可能となる。悪性腫瘍(がん)の種類としては、たとえば、悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫など)、胃がん、陰茎がん、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんなど)、外陰がん、下垂体線腫、肝細胞がん、胸腺腫、菌状息肉症、原発不明がん、骨髄異形成症候群、子宮がん(子宮頚部がん、子宮体部がん、子宮肉腫など)、絨毛性疾患、食道がん、腎孟がん、尿管がん、神経膠腫、腎細胞がん、膵がん、膵内分泌腫瘍、精巣腫瘍、前立腺がん、大腸がん(盲腸がん、結腸がん、直腸がんなど)、多発性骨髄腫、胆管がん、胆嚢がん、膣がん、中皮腫、聴神経鞘腫、軟部肉腫、乳がん、脳腫瘍、肺がん、白血病(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、成人T細胞白血病リンパ腫、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病など)、皮膚がん(悪性黒色腫など)、膀胱がん、慢性骨髄増殖性疾患、卵巣がん、卵巣胚細胞腫瘍などが挙げられるが、上記のような作用機序により有効性が示されるものである限り特に限定されるものではない。一例として、本発明による抗がん剤は、多発性骨髄腫や白血病といった血液がんに対して優れた抗がん作用を示す。
本発明の医薬品の適用対象となる疾患のもう一方の代表例として、肥満、糖尿病、高脂血症など、解糖系(ピルビン酸、乳酸)を介するエネルギー生産や脂質代謝が関わる代謝疾患が挙げられる。
医薬品は通常、医薬組成物として調製される。本発明の医薬品(医薬組成物)は、有効成分として少なくとも乳酸脱水素酵素阻害剤を含有するが、必要に応じてその他の薬剤ないし機能性成分をさらに含有してもよい。たとえば、抗がん剤であれば、乳酸脱水素酵素阻害剤とともに、抗がん活性を有する他の化合物を併用してもよい。また、必要に応じて、医薬品を調製する上での適切な担体(賦形剤、希釈剤)やその他の各種の添加剤を含有してもよい。
医薬品の剤型や投与方法は特に限定されるものではなく、医薬品の用途に応じて適切なものとすればよい。たとえば、錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、(ドライ)シロップ、溶液剤、懸濁剤などの経口投与用の剤型、ならびに皮下、筋肉内もしくは静脈内投与用の注射剤、点滴剤、坐剤など非経口投与用の剤型の中から選択することが可能である。
また、特定の組織において乳酸脱水素酵素阻害剤が作用するよう、ターゲティング型の薬剤として調製することも好ましい。たとえば抗がん剤であれば、がん細胞に選択的に送達されるよう設計されたリポソーム製剤として調製してもよい。
このような剤型の医薬組成物は、一般的な製造方法により製造することができる。たとえば、経口投与用の剤型であれば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、等張化剤、乳化剤、甘味料、香料、着色料などの添加剤と上記の有効成分とを常法により混合して成形することにより製造することができる。このうち賦形剤としては、セルロース誘導体(たとえば結晶セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ポリビニルピロリドン、デキストリン、デンプン、乳糖、マニトール、ソルビトール、植物油(たとえばトウモロコシ油、綿実油、ココナッツ油、アーモンド油、オリーブ油、落花生油等)、中鎖脂肪酸グルセリド油等の油状エステル、鉱物油、トリカプリリン、トリアセチン等のグリセリンエステル類、エタノール等のアルコール類、生理食塩水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、動物油脂、ワセリンなどが挙げられる。
一方、注射剤であれば、適切な希釈剤(生理食塩水、ブドウ糖注射液、乳糖注射液、マンニット注射液等)に上記の有効成分を溶解し、濾過滅菌等の滅菌処理を施してアンプル等の密封容器に充填することにより製造できる他、日本薬局方に基づいて凍結乾燥した形態の注射剤や塩化ナトリウムと混合した粉末注射剤として製造することもできる。また、添加剤としては、ポリエチレングリコール、界面活性剤等の補助剤、エタノール、リポソーム、シクロデキストリン等の担体を用いることもできる。
医薬組成物中の有効成分の含有量は適切な範囲で調整すればよいが、医薬組成物の総重量に対して、通常0.05〜99重量%、好ましくは0.1〜70重量%、より好ましくは0.1〜50重量%の量である。また、薬学的に許容し得る担体を、通常1〜99.95重量%、好ましくは30〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.9重量%の量で含んでいてもよい。
このような本発明の医薬品は、目的、投与対象(患者)の年齢、体重、疾患の重篤度、投与経路、薬物動態などを考慮しながら、適切な有効成分量および回数で投与すればよい。
方法
乳酸脱水素酵素の活性は、NADHの光吸収に基づく汎用的手法により測定した。乳酸脱水素酵素は、ピルビン酸と乳酸を相互変換する酵素である。その際、NADHとNADも相互変換する。乳酸からピルビン酸への乳酸脱水素酵素活性では、乳酸(1 - 20 mM) とNAD(200 μM)と乳酸脱水素酵素を加え、生成されるNADHの反応速度を測定した。一方、ピルビン酸から乳酸への乳酸脱水素酵素活性では、ピルビン酸(0.05 - 1.0 mM) とNADH(200 μM)と乳酸脱水素酵素を加え、減少するNADHの反応速度を測定した。両反応ともに、100 mM のリン酸緩衝生理食塩水 (pH 7.4) で 37℃ の条件下で行い、NADHが持つ 340 nm の光吸収に関して吸光光度計を用いて石英セル(全量 3 ml)で 30秒間隔で3.5分間測定することにより、反応速度を求めた。乳酸脱水素酵素として、哺乳類の乳酸脱水素酵素(ブタ心臓由来; 0.03 units)でまずスクリーニングし、ヒットした化合物に関し2種類のヒト乳酸脱水素酵素(human LDH-1, LDH-5)で詳細に検討した。乳酸脱水素酵素量は、2種類の乳酸脱水素酵素の最大速度がほぼ同じになるように設定し、乳酸→ピルビン酸の活性に関しては LDH-1 が 0.01units で LDH-5 が 0.03 units、ピルビン酸→乳酸の活性に関しては LDH-1 が 0.005 units で LDH-5 が 0.01 units とした。これらの酵素反応系に対し、各種抗てんかん作用化合物 (500 μM) を加えることにより、乳酸脱水素酵素の阻害作用を検討した。解析は Igor Pro 6 を用いて行い、反応速度はミカエリス・メンテン式で、ラインウィーバー・バークプロットは直線で回帰分析した。
さらに、培養細胞に対する抗がん活性に関して、以下の方法で検討した。多発性骨髄腫細胞由来細胞株(KMS11、KMS12PE)、ヒト急性T細胞性白血病細胞由来細胞株(Jurkat)、慢性骨髄性白血病細胞由来細胞株(K562)、バーキットリンパ腫患者のBリンパ球由来細胞株(Raji)、非がん細胞由来細胞の繊維芽細胞株(Hs27)に対してスチリペントールの効果を検討した。96穴マルチプレート1穴あたり、浮遊系細胞は1x105細胞、接着細胞は5x104細胞を撒いた。次の日、スチリペントールを最終濃度250 μM、125 μM、62.5 μM、31.5 μMになるよう添加した(溶媒である DMSO は0.2%)。また、スチリペントールを含まない溶媒のみを加える control も作成した。これらを2日間培養し、それぞれの細胞数を計測した。2日間培養後の control の細胞数を100 %とし、各スチリペントール添加濃度群の細胞数を規格化することにより、細胞増殖抑制作用を評価した。
結果
まず、20種類のてんかん治療薬(アセタゾラミド、カルバマゼピン、ジアゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ブロマイド、ラモトリジン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、ルフィナミド、スチリペントール、チアガビン、トピラメート、バルプロ酸、ビガバトリン、ゾニサミド)に関し、乳酸からピルビン酸への乳酸脱水素酵素活性の阻害効果を調べた。ブタ心臓由来の乳酸脱水素酵素を用い、乳酸濃度は 20 mM でスクリーニングした。その結果、ほとんどの抗てんかん化合物は作用を示さなかったものの、唯一スチリペントールのみが阻害活性を示した(図1;それぞれの抗てんかん薬に対して n = 4 - 5。縦軸の 100% は薬が無い場合の酵素活性[コントロール値])。
そこで次に、スチリペントールがヒトの乳酸脱水素酵素に対しても阻害作用を示すかどうか、詳細な速度論的解析を含めて検討した。まず、乳酸 (1 - 20 mM) からピルビン酸への乳酸脱水素酵素活性に対するスチリペントールの作用を検討したところ、human LDH-1, human LDH-5 ともにスチリペント−ルが阻害作用を示すことが明らかとなった(図2A,B;各点において n = 3 - 7)。特に、human LDH-5 に対する阻害効果が顕著であった。さらにこれらのデータからラインウィーバー・バークプロットを作成することにより、スチリペントールによる乳酸→ピルビン酸変換阻害様式が非競合阻害であることも明らかとなった(図2C,D)。次に、ピルビン酸(0.05 - 1.0 mM) から乳酸への乳酸脱水素酵素活性に関し、スチリペントールの作用を検討した。この逆方向の酵素活性(ピルビン酸→乳酸)に関しても、human LDH-1, human LDH-5 ともにスチリペント−ルが阻害作用を示すことが明らかとなった(図3A,B;各点において n = 3 - 8)。この逆方向の酵素活性に関しても、human LDH-5 に対するスチリペントールの阻害効果の方が顕著であった。さらにこれらのデータからラインウィーバー・バークプロットを作成することにより、スチリペントールによるピルビン酸→乳酸変換阻害様式も非競合阻害であることも明らかとなった(図3C,D)。
上記のことより、スチリペントールが乳酸脱水素酵素(LDH-1, LDH-5)の阻害剤であることが明らかとなった。
乳酸脱水素酵素の阻害剤(特に LDH-5 阻害剤)が、抗がん作用をもつのは周知の事実である (Le et al, Proc Natl Acad Sci USA 107: 2037-2042, 2010; Granchi et al, J Med Chem 54: 1599-1612, 2011; Granchi et al, Eur J Med Chem 46: 5398-5407, 2011; Farabegoli et al, Eur J Pharm Sci 47: 729-738, 2012)。そこで、スチリペントールによる抗がん作用を、癌由来培養細胞を用いて調べた(図4)。正常細胞として、線維芽細胞 Hs27 に対してスチリペントールを投与しても、250 μM までの濃度において顕著な増殖抑制作用は見られなかった(図4A; n = 9)。一方で、複数種の癌細胞に対してスチリペントールを投与したところ、図4Aで示した正常細胞に比べると、より低濃度のスチリペントールで明らかな増殖抑制作用が観察された(図4B−F;各細胞種において n = 6 - 9)。特に、白血病細胞である Jurkat(図4B; n = 9)、および多発性骨髄腫細胞である KMS11(図4E; n = 6), KMS12PE(図4F; n = 9)に対して強力な増殖抑制作用が観察された。
上記をまとめると、スチリペントールは乳酸脱水素酵素の阻害剤であるだけでなく、抗がん作用を持つことも明らかとなった。

Claims (6)

  1. 式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする、乳酸脱水素酵素(LDH)の阻害剤。
    式(I)中、R1およびR2は、一方が水素でもう一方が水酸基を表すか、一緒になって二重結合で炭素原子に結合した酸素を表す。
  2. 前記式(I)で表される化合物が、式(II)で表される化合物(スチリペントール)である、請求項1に記載の阻害剤。
  3. 前記乳酸脱水素酵素がアイソフォーム1(LDH−1)またはアイソフォーム5(LDH−5)である、請求項1または2に記載の阻害剤。
  4. 前記乳酸脱水素酵素がヒト由来のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の阻害剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳酸脱水素酵素を有効成分として含有することを特徴とする抗がん剤。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳酸脱水素酵素を有効成分として含有することを特徴とする代謝疾患治療薬。
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