JPWO2014077096A1 - ベクターワクチンおよび生ワクチンの併用による感染症の予防方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕感染因子の感染防御抗原が組み込まれた組換えベクターウイルス(ベクターワクチン)及び弱毒化した該感染因子(生ワクチン)を併用することを特徴とする、ヒト以外の感染症の予防方法。
〔2〕前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、混合された一つのワクチンである、〔1〕に記載の予防方法。
〔3〕前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、独立した二つのワクチンである、〔1〕に記載の予防方法。
〔4〕前記ベクターワクチンと前記生ワクチンを混合して投与することを特徴とする、〔3〕に記載の予防方法。
〔5〕前記ベクターワクチンを投与した後に、前記生ワクチンを投与することを特徴とする、〔3〕に記載の予防方法。
〔6〕前記生ワクチンを、ベクターワクチン投与後、1-200日の間に投与することを特徴とする、〔5〕に記載の予防方法。
〔7〕前記ベクターワクチンと前記生ワクチンの混合比が、1:1-10である、〔2〕又は〔4〕に記載の予防方法。
〔8〕前記ベクターウイルスが、ヘルペスウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、ポックスウイルス及びアデノウイルスからなる群より選ばれる、〔1〕ないし〔7〕のいずれか一項に記載の予防方法。
〔9〕前記ベクターウイルスが、マレック病ウイルスである、〔1〕ないし〔7〕のいずれか一項に記載の予防方法。
〔10〕前記感染因子が、鶏に感染する因子(鶏感染因子)である、〔1〕ないし〔9〕のいずれか一項に記載の予防方法。
〔11〕前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質又はHNタンパク質、鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質、マレック病ウイルスのgBタンパク質、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのVP2タンパク質、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルスのgBタンパク質、七面鳥鼻気管炎ウイルスのFタンパク質、トリ白血病ウイルスのEnvタンパク質、細網内皮症ウイルスのEnvタンパク質、鶏貧血ウイルスのVP1+VP2タンパク質、トリインフルエンザウイルスのHAタンパク質、マイコプラズマ・ガリセプティカムのp29タンパク質、及びロイコチトゾーン・カウレリーのMSA1タンパク質からなる群より選ばれる、〔10〕に記載の予防方法。
〔12〕前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質若しくはHNタンパク質、又は鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質である、〔10〕に記載の予防方法。
〔13〕感染因子の感染防御抗原が組み込まれた組換えベクターウイルス(ベクターワクチン)及び弱毒化した該感染因子(生ワクチン)を有効成分とすることを特徴とする、ワクチン。
〔14〕前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、混合された一つのワクチンである、〔13〕に記載のワクチン。
〔15〕前記ベクターワクチンと前記生ワクチンの混合比が、1:1-10である、〔14〕に記載のワクチン。
〔16〕前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、独立した二つのワクチンである、〔13〕に記載のワクチン。
〔17〕前記ベクターウイルスが、ヘルペスウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、ポックスウイルス及びアデノウイルスからなる群より選ばれる、〔13〕ないし〔16〕のいずれか一項に記載のワクチン。
〔18〕前記ベクターウイルスが、マレック病ウイルスである、〔13〕ないし〔16〕のいずれか一項に記載のワクチン。
〔19〕前記感染因子が、鶏に感染する因子(鶏感染因子)である、〔13〕ないし〔18〕のいずれか一項に記載のワクチン。
〔20〕前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質又はHNタンパク質、鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質、マレック病ウイルスのgBタンパク質、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのVP2タンパク質、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルスのgBタンパク質、七面鳥鼻気管炎ウイルスのFタンパク質、トリ白血病ウイルスのEnvタンパク質、細網内皮症ウイルスのEnvタンパク質、鶏貧血ウイルスのVP1+VP2タンパク質、トリインフルエンザウイルスのHAタンパク質、マイコプラズマ・ガリセプティカムのp29タンパク質、及びロイコチトゾーン・カウレリーのMSA1タンパク質からなる群より選ばれる、〔19〕に記載のワクチン。
〔21〕前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質若しくはHNタンパク質、又は鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質である、〔19〕に記載のワクチン。
本願発明の生ワクチンには、鶏に対して毒性や副作用の弱い、弱毒化鶏感染因子(鶏感染症を引き起こす感染因子)が用いられる。鶏感染因子は、該鶏感染因子が感染した鶏から単離し、これを発育鶏卵、鶏初代細胞(例えば、CEF、腎細胞)、株化細胞(LMH、DT40)等に接種・培養して増殖させることにより得られる。発育鶏卵を用いる場合は、鶏感染因子を8-12日齢発育鶏卵に接種した後、34-37℃、2-4日間の培養が行われる。
本願発明のベクターワクチンには、ベクターウイルスに鶏感染因子由来の感染防御抗原が組み込まれた組換ベクターウイルスが用いられる。ベクターウイルスの弱毒化は、生ワクチンの弱毒化と同じ方法が取られる。ベクターウイルスに利用できるウイルスとして、MDV、鶏痘ウイルス及びトリアデノウイルス等が報告されているが(非特許文献2参照)、いずれのウイルスも本願発明に使用できる。好ましくは、弱毒化したMDV、例えば、CVI-988株、61-554株(特開平6-22757号)、Md11/75C株(R.L. Witter;AVIAN DISEASE 31:752-765、1987)が使用される。ベクターウイルスに鶏感染因子由来の感染防御抗原を組み込む場合は、該感染防御抗原をコードするDNA断片がベクターウイルスの複製に影響しないゲノム内の特定領域に挿入される。斯かる特定領域は、転写、翻訳のいずれにも関与しない非翻訳領域内であれば、特に限定されるものではない。オープンリーディングフレーム内に外来遺伝子が挿入される場合においても、例えば、MDVを使用する場合、US10遺伝子(特許第3428666号)、HVTを使用する場合、TK遺伝子(Ross、J Gen Virol., 1993)、等の領域を用いれば良い。
まず、生ワクチンと同様の方法によるベクターウイルスの調製、ウイルスゲノムの抽出、該ウイルスゲノムのBAC配列を有するプラスミド(BACmid;ニュー・イングランド・バイオラボ社)への挿入、及び大腸菌での該BACmidのクローニングと量産が行われる。次に、大腸菌から該BACmidを抽出し、これをBAC配列切断酵素産生細胞中で培養することにより、BAC配列が除去されたベクターウイルスゲノムが抽出される。この一連の操作は、添付のプロトコールに従って行われる。こうして得られたベクターウイルスゲノムは、組換えベクターウイルスの調製に使用される。本願発明のMDVゲノムは、より具体的には、Messerleら(Proc Natl Acad Sci U S A., 1997)、Wussowら(PLoS One, 2009)報告等に開示されている方法に従って調製される。
鶏感染因子由来の感染防御抗原をコードする遺伝子(以下、「感染防御遺伝子」と称することもある)は、ベクターウイルスゲノムの調製と同様の方法により、鶏感染因子のゲノムを抽出した後、例えば、該ゲノムを鋳型としてPCR法により感染防御遺伝子を増幅・クローニングすることにより得られる。このとき、感染防御抗原遺伝子が鶏体内で作用するように、例えば、SV40初期、SV40後期、サイトメガロウイルスIE、βアクチン等のプロモーターが付加され、更にベクターウイルスゲノム内で鶏感染因子由来の感染防御抗原遺伝子の相同組換えが行われるように、該感染防御抗原遺伝子の両末端にベクターウイルスゲノムの挿入部位の塩基配列(以下、「相同組換え配列領域」と称することもある)が付加される。また、発現量や組換え体構築の利便性を上げることを目的として、エンハンサー配列、シグナル配列、制限酵素認識配列、トランスメンブレン領域の付加や宿主依存性の塩基配列への置換が行われることもある。前記の塩基配列の置換(変異)には、サイトダイレクティドミュータジェネシス法を用いるのが一般的である。鶏感染因子の感染防御抗原遺伝子は、例えば、IBVのS1タンパク質は文献(Songら、J Gen Virol., 1998)、NDVのFタンパク質は文献(Morganら、Avian Disease, 1992)、等に開示されている方法に従ってプラスミド等にクローニングされる。目的のDNA断片の確認は、DNAシークエンサー(ABI Prism 377 アプライドバイオシステムズ社)により塩基配列を決定し、既存の塩基配列と比較することにより行われる。なお、ここでいう既存の配列は、NCBI(National Center for Biotechnology Information:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore)等のデータベースで検索を行うことにより、容易に入手することができる。
(1)BAC配列をMDV1(CVI988株)に挿入するためのプラスミドpUC-nTK-gpt-BACの構築
下記(イ)〜(ホ)の工程により、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子の下流にgpt(xanthine-guanine phosphoribosyl transferase)遺伝子、その下流にBAC配列をpUC119に挿入したプラスミドpUC-nTK-BACを構築した。
5'側:ATGGTGTTTTAAGCTTGGTGATTAC(下線部はHindIII認識配列)(配列番号1)
3'側:CCCAAGCTTCTCCCCGGCCAATCATACA(下線部はHindIII認識配列)(配列番号2)
5'側:TTAATTAATACCCATTCATATCGCGCTTCTA(下線部はPacI認識配列)(配列番号3)
3'側:GTTTTACATAGCCATCTCTTTATTATAGG(配列番号4)
5'側:TGGGACACAGCTGATGAGCGAAAAATACATCGT(下線部はPvuII認識配列)(配列番号5)
3'側:CGGGATCCTTAGCGACCGGAGATTGGC(下線部はBamHI認識配列)(配列番号6)
該断片をPvuIIおよびBamHIで切断後、予め同じ制限酵素で切断したpCEP4(インビトロジェン社、製品コード;V044-50)に挿入し、プラスミドpCEP4-gptを得た(図1−2)。
5'側:
(下線部はSacII認識配列、二重下線部はloxP配列(34bp))(配列番号7)
3'側:TCCCCGCGGCGCATCGAATATAACTTCGTA(下線部はSacII認識配列)(配列番号8)
該断片をSacIIで切断後に平滑末端処理を行い、予めPacIで切断後に平滑末端処理した前記(イ)のpUC-nTKに挿入し、gpt-BACの両末端にloxP配列を有するプラスミドpUC-nTK-gpt-BACを得た(図1−4)。
前記(1)で得たpUC-nTK-gpt-BACとMDV1感染細胞を用いて相同組換えを行うことにより、BAC配列が挿入された組換えMDV1ゲノムDNA(rMDV1-BACmid)を有する細胞を作製した(Messerleら、Proc Natl Acad Sci U S A., 1997)。具体的には、HindIIIで線状化したpUC-nTK-BACとMDV1(CVI988株)を感染させたCEF細胞をジーンパルサー用キュベット内で混合し、ジーンパルサー(バイオラッド社)を用いてパルスを行った後、該MDV1感染細胞を25μg/mLミコフェノール酸を含むGPT Selection Reagent(Chemicon International社)添加培地で培養し、環状のrMDV1-BACmidを保持する細胞を選択した。
前記(2)で得たrMDV1-BACmid保持細胞からHirt法(Hirt、J Mol Biol., 1967)によりrMDV1-BACmidを抽出し、該DNAをエレクトロポレーション法により大腸菌DH10B(インビトロジェン社、製品コード;18290-015)に導入した。該大腸菌をクロラムフェニコール添加培地で培養し、rMDV1-BACmidを保持する大腸菌をクローニングした。rMDV1-BACmid中のMDV1ゲノムDNAは、該rMDV1-BACmidと親株MDV1のゲノムDNAの制限酵素(EcoRI、BamHI、HindIII)切断パターンを比較することにより同定した。その結果、BACmid挿入領域を除く両者の切断パターンが一致し、全長MDV1ゲノムのBACmidへの挿入が確認された。
(1)IBV-S1遺伝子を有するプラスミドpKA4BPKmI-LgAsGC292Ftmの構築
IBV-S1(TM86株)を発現するプラスミドpKA4BP-LgAsS1Ftm(特許4691495号参照)を用いて、配列番号9及び10のプライマーを用いたPCRを行い、IBV-S1遺伝子上のATリッチな領域におけるGC含量が高くなるようにコドンを最適化したDNA断片を得た。
5'側:ACATGCATGCGTGAACAACTATACATCTGTCTATTTGAATGG(下線部はSphI認識配列)(配列番号9)
3'側:CGAGCTCCGAGATACGTATATGATTCCGTGGAAC(下線部はSacI認識配列)(配列番号10)
5'側:CTATGAAGAACGGCTCGCTGTTCTACAACCTGACGATCAGCGTGTCCAAGCACCCTAAGTTCAAGTCGTT CCAGTGCATG(配列番号11)
3'側:CACTGGAACGACTTGAACTTAGGGTGCTTGGACACGCTGATCGTCAGGTTGTAGAACAGCGAGCCGTTCT
TCATAGAGCT(配列番号12)
5'側:
(下線部は挿入領域の5’末端の相同配列、二重下線部はI-SceI認識配列)(配列番号13)
3’側:CAACCAATTAACCAATTCTGATTAGA(配列番号14)
実施例1-(3)で得たrMDV1-BACmidを保持する大腸菌(DH10B)からrMDV1-BACmidを抽出し、λ-Red組換え酵素および制限酵素I-SceI遺伝子が組み込まれたゲノムを有する大腸菌GS1783に導入し、rMDV1-BACmidを有する大腸菌GS1783(GS1783/rMDV1-BACmid)をクローニングした(Wussowら、PLoS One, 2009)。該GS1783/rMDV1-BACmidを増殖後、培養温度を32℃から42℃にシフトし、λ-Red組換え酵素を発現させた状態で定法に従ってコンピテントセルを調製した。
実施例2-(2)のMDV1-BACmid/S1からgpt-BAC配列を除くためにCre酵素処理を行った。具体的には、実施例2-(2)で得たGS1783/MDV1-BACmid/S1からPureYield Maxiprep Kit(プロメガ社、製品コード;A2393)を用いてrMDV1-BACmid/S1を 抽出し、この1μgをCre酵素を発現するプラスミドpCAGGS-Cre(Proc Natl Acad Sci U S A. 1995 Jan 3;92(1):160-4.)30ng、Fugene HD Transfection Reagent(プロメガ社、製品コード;E2311)3.3μLと混合し、CEF細胞に添加し、37℃、5%CO2条件下にてMDV1特有のプラークが出現するまで培養した。
実施例3で得た24/gBGC292Ftm(3200 PFU/羽)を有効成分とするベクターワクチン(以下、「rMDV1、rMDV1-S1」と称することもある。)を、孵化場より購入した19日齢発育鶏卵(ジュリア種、坪井種鶏孵化場、山鹿市)(各群5羽)に接種し、孵化後18週齢時の雛にIBV生ワクチン3株(AK01株;化学及血清療法研究所、練馬株;化学及血清療法研究所、C78株;日生研株式会社)をそれぞれ追加的に点眼接種した。コントロールとして、rMDV1-S1のみを卵内接種した群(1群5羽)、孵化後18週齢時の雛に生ワクチンのみを投与した群(各群4羽)、非免疫群(1群4羽)を設定した。生ワクチン接種時を0ウイーク(0W)として、経時的に採血し、IBV各株(TM86株、AK01株、練馬株、C78株)に対する中和抗体価を調べることで評価を行った。表1は、使用したIBVワクチン株と群編成を示す。
実施例3で得たrMDV1-S1(2040 PFU/羽)を、18日齢発育鶏卵(SPF、化学及血清療法研究所)(19羽)に接種し、孵化後4日齢または21日齢時の雛にIBV生ワクチンAK01株(化学及血清療法研究所)を追加的に点眼接種した(それぞれ1群5羽、1群4羽)。コントロールとして、rMDV1-S1のみを卵内接種した群、孵化後4日齢時の雛に生ワクチンのみを投与した群を設定した(各群5羽)。経時的に採血し、IBV各株(TM86株、AK01株、練馬株、C78株)に対する中和抗体価を調べることで評価を行った。
ニューカッスル病(ND)ウイルスのFタンパク質(NDV-F)がMDV1のUS10遺伝子領域に挿入された組換えベクターウイルス207株(Journal of Virology, 2000, 74, 3217-26)を有効成分とするベクターワクチンとND生ワクチンB1株(化学及血清療法研究所)を表2に記載の割合で混合して、この0.2ml/羽(一群21羽)を、孵化場より購入した一日齢ヒナ(イサブラウン、坪井種鶏孵化場、山鹿市)の頸部皮下に接種した。経時的に採血し、得られた血清についてELISAにより、NDV-Fに対する抗体価を測定した。
Claims (21)
- 感染因子の感染防御抗原が組み込まれた組換えベクターウイルス(ベクターワクチン)及び弱毒化した該感染因子(生ワクチン)を併用することを特徴とする、ヒト以外の感染症の予防方法。
- 前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、混合された一つのワクチンである、請求項1に記載の予防方法。
- 前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、独立した二つのワクチンである、請求項1に記載の予防方法。
- 前記ベクターワクチンと前記生ワクチンを混合して投与することを特徴とする、請求項3に記載の予防方法。
- 前記ベクターワクチンを投与した後に、前記生ワクチンを投与することを特徴とする、請求項3に記載の予防方法。
- 前記生ワクチンを、ベクターワクチン投与後、1-200日の間に投与することを特徴とする、請求項5に記載の予防方法。
- 前記ベクターワクチンと前記生ワクチンの混合比が、1:1-10である、請求項2又は4に記載の予防方法。
- 前記ベクターウイルスが、ヘルペスウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、ポックスウイルス及びアデノウイルスからなる群より選ばれる、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の予防方法。
- 前記ベクターウイルスが、マレック病ウイルスである、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の予防方法。
- 前記感染因子が、鶏に感染する因子(鶏感染因子)である、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の予防方法。
- 前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質又はHNタンパク質、鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質、マレック病ウイルスのgBタンパク質、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのVP2タンパク質、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルスのgBタンパク質、七面鳥鼻気管炎ウイルスのFタンパク質、トリ白血病ウイルスのEnvタンパク質、細網内皮症ウイルスのEnvタンパク質、鶏貧血ウイルスのVP1+VP2タンパク質、トリインフルエンザウイルスのHAタンパク質、マイコプラズマ・ガリセプティカムのp29タンパク質、及びロイコチトゾーン・カウレリーのMSA1タンパク質からなる群より選ばれる、請求項10に記載の予防方法。
- 前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質若しくはHNタンパク質、又は鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質である、請求項10に記載の予防方法。
- 感染因子の感染防御抗原が組み込まれた組換えベクターウイルス(ベクターワクチン)及び弱毒化した該感染因子(生ワクチン)を有効成分とすることを特徴とする、ワクチン。
- 前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、混合された一つのワクチンである、請求項13に記載のワクチン。
- 前記ベクターワクチンと前記生ワクチンの混合比が、1:1-10である、請求項14に記載のワクチン。
- 前記ベクターワクチン及び前記生ワクチンが、独立した二つのワクチンである、請求項13に記載のワクチン。
- 前記ベクターウイルスが、ヘルペスウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、ポックスウイルス及びアデノウイルスからなる群より選ばれる、請求項13ないし16のいずれか一項に記載のワクチン。
- 前記ベクターウイルスが、マレック病ウイルスである、請求項13ないし16のいずれか一項に記載のワクチン。
- 前記感染因子が、鶏に感染する因子(鶏感染因子)である、請求項13ないし18のいずれか一項に記載のワクチン。
- 前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質又はHNタンパク質、鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質、マレック病ウイルスのgBタンパク質、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルスのVP2タンパク質、鶏伝染性喉頭気管炎ウイルスのgBタンパク質、七面鳥鼻気管炎ウイルスのFタンパク質、トリ白血病ウイルスのEnvタンパク質、細網内皮症ウイルスのEnvタンパク質、鶏貧血ウイルスのVP1+VP2タンパク質、トリインフルエンザウイルスのHAタンパク質、マイコプラズマ・ガリセプティカムのp29タンパク質、及びロイコチトゾーン・カウレリーのMSA1タンパク質からなる群より選ばれる、請求項19に記載のワクチン。
- 前記鶏感染因子の感染防御抗原が、ニューカッスル病ウイルスのFタンパク質若しくはHNタンパク質、又は鶏伝染性気管支炎由来のS1タンパク質である、請求項19に記載のワクチン。
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