JPWO2014061491A1 - 電池用電極体、アノードおよび金属空気電池 - Google Patents

電池用電極体、アノードおよび金属空気電池 Download PDF

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Abstract

本発明の電池用電極体は、電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部と、第1金属部の表面の一部に接触する第1構造部材と、第1金属部の表面の他の部分に接触する被覆部材とを備え、第1金属部、第1構造部材および前記被覆部材は、第1金属部に含まれる金属が露出するように、第1構造部材と前記被覆部材との間で第1金属部を分割すること又は前記被覆部材を第1金属部から離脱させることができるように設けられたことを特徴とする。

Description

本発明は、電池用電極体、アノードおよび金属空気電池に関する。
金属からなる電極活物質を有する金属電極をアノードとし、空気極をカソードとする金属空気電池は、高いエネルギー密度を有するため、次世代の電池として注目されている。
金属空気電池を二次電池として用いると充電時に電池内部において金属電極から空気極に向けて樹枝状のデンドライトが生成し短絡の原因となる場合がある。このため、金属空気電池を一次電池として用い、副生成物である金属酸化物などを還元処理することにより、金属からなる電極活物質を製造し金属空気電池に供給するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一次電池として用いられる金属空気電池として亜鉛空気電池が挙げられる。図26は亜鉛空気電池の放電反応を説明するための模式的な断面図である。亜鉛空気電池は、図26に示すようにアルカリ性電解液103中に電極活物質である金属亜鉛を含む亜鉛電極101を設け、空気極105を電解液103と接するアニオン交換膜106上に設けた構造を有しており、放電反応が進行することにより亜鉛電極101と空気極105とから電力を出力する。なお、空気極105は、一般的にカーボン担体に空気極触媒を担持したものが用いられる。
亜鉛空気電池の放電反応において、亜鉛電極101の金属亜鉛がアルカリ性電解液103中の水酸化物イオンと反応し、水酸化亜鉛となり亜鉛電極101中に電子を放出する。その後、この水酸化亜鉛は脱水して酸化亜鉛が電解液中に析出する。また、空気極105において、電子と水と酸素が反応することにより水酸化物イオンが生成され、この水酸化物イオンは、アニオン交換膜106を伝導し、アルカリ性電解液103に移動する。このような放電反応が進行すると、亜鉛電極101の金属亜鉛が消費されるため、亜鉛空気電池に電極活物質である金属亜鉛を供給する必要がある。
また、複数の金属電極を電解液槽中に挿入することにより、金属空気電池に金属からなる電極活物質を供給する金属空気電池が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−45270号公報 特表2005−509262号公報
しかし、従来の金属空気電池を一次電池として用いるシステムでは、製造した金属からなる電極活物質を金属空気電池の設置場所まで運搬する必要があり、運搬中に電極活物質の表面が空気酸化され、酸化被膜が形成される。表面に酸化被膜が形成されたまま電極活物質を金属空気電池に供給して発電させると、酸化被膜により放電反応が阻害されるため、電池性能が低下するという問題がある。このため、電極活物質を金属空気電池内に供給する前に表面の酸化被膜を除去する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金属からなる電極活物質の表面に酸化被膜が形成されることを抑制して電極活物質を貯蔵・運搬することができ、かつ、酸化被膜が形成されていない分割面を有するアノード又は酸化被膜が形成されていない表面を有するアノードを形成することができる電池用電極体を提供する。
本発明は、電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部と、第1金属部の表面の一部に接触する第1構造部材と、第1金属部の表面の他の部分に接触する被覆部材とを備え、第1金属部、第1構造部材および前記被覆部材は、第1金属部に含まれる金属が露出するように、第1構造部材と前記被覆部材との間で第1金属部を分割すること又は前記被覆部材を第1金属部から離脱させることができるように設けられたことを特徴とする電池用電極体を提供する。
本発明によれば、電池用電極体は電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部を備えるため、電池用電極体を貯蔵・運搬することにより、電極反応を進行させる表面に酸化被膜が形成すること無く、電極活物質を貯蔵・運搬することができる。
本発明によれば、第1金属部の表面の一部に接触する第1構造部材と、第1金属部の表面の他の部分に接触する被覆部材とを備えるため、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。また、第1構造部材および被覆部材と接触する第1金属部の表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。
本発明によれば、第1金属部、第1構造部材および前記被覆部材は、第1金属部に含まれる金属が露出するように、第1構造部材と前記被覆部材との間で第1金属部を分割すること又は前記被覆部材を第1金属部から離脱させることができるように設けられるため、第1金属部の内部又は表面の電極活物質である金属を露出させた表面を有する電極を得ることができる。得られた電極をアノードとして金属空気電池本体に組み込み、金属空気電池により発電すると、電極活物質である金属を露出させた表面には酸化被膜が形成されていないため、電極反応をスムーズに進行させることができ、発電性能が低下することを抑制することができる。また、電極表面の酸化被膜を除去する工程を行う必要がなく、コストを低減することができる。
本発明によれば、第1金属部上に配置されるように設けられた第1構造部材を備えるため、第1金属部を損傷することなく取り扱うことができる。また、第1構造部材を介して第1金属部から集電することも可能である。
本発明の一実施形態の電池用電極体の構成を示す概略斜視図である。 (a)〜(c)は、それぞれ図1の一点鎖線A−Aにおける概略断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図である。 (a)〜(f)は、それぞれ本発明の一実施形態の電池用電極体の概略斜視図である。 本発明の一実施形態のアノードの作製方法の説明図である。 本発明の一実施形態のアノードの作製方法の説明図である。 本発明の一実施形態のアノードの作製方法の説明図である。 本発明の一実施形態のアノードの作製方法の説明図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の電池用電極体の構成を示す概略斜視図である。 (a)は図1の一点鎖線A−Aにおける電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、(b)は(a)の電池用電極体から作製したアノードである。 (a)〜(f)は、それぞれ本発明の一実施形態の電池用電極体の概略斜視図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 亜鉛空気電池の放電反応を説明するための模式的な断面図である。
本発明の電池用電極体は、電極活物質である金属を主成分として含む金属部と、前記金属部の表面に接触する第1構造部材および第2構造部材(被覆部材)とを備え、前記金属部は、前記金属部の内部の金属が露出するように第1および第2電極活物質部へ分割できるように設けられ、第1構造部材は、第1電極活物質部上に配置されるように設けられ、第2構造部材は、第2電極活物質部上に配置されるように設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、金属部は内部の金属が露出するように第1および第2電極活物質部へ分割できるように設けられるため、分割面の金属が露出した第1および第2電極活物質部を得ることができる。得られた第1および第2電極活物質部をアノードとして金属空気電池本体に組み込み、金属空気電池により発電すると、第1および第2電極活物質部の分割面には酸化被膜が形成されていないため、電極反応をスムーズに進行させることができ、発電性能が低下することを抑制することができる。また、電極活物質部の酸化被膜を除去する工程を行う必要がなく、コストを低減することができる。
本発明によれば、第1電極活物質部上に配置されるように設けられた第1構造部材を備えるため、金属部を分割することにより得られる第1電極活物質部を損傷することなく取り扱うことができる。また、第1構造部材を介して第1電極活物質部から集電することも可能である。
本発明によれば、第2電極活物質部上に配置されるように設けられた第2構造部材を備えるため、金属部を分割することにより得られる第2電極活物質部を損傷することなく取り扱うことができる。また、第2構造部材を介して第2電極活物質部から集電することも可能である。
本発明において、電池用電極体とは、電池の電極活物質である金属を含むものであり、主に電極活物質を輸送するときや貯蔵するときに形成される。
本発明の電池用電極体において、第1および第2構造部材は、実質的に前記金属部の表面の全体を覆うことが好ましい。また、第1および第2構造部材は、金属部の表面と向かい合うすべての表面において、金属部と接触している又は密着していることが好ましい。さらに、第1構造部材の端部と第2構造部材の端部とは接触または密着し、金属部は、この接触または密着している部分を含む面において分割できるように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。また、第1および第2構造部材と接触する金属部の表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。
本発明の電池用電極体において、第1および第2構造部材は、それぞれ導電性材料からなることが好ましい。
このような構成によれば、電池用電極体からアノードを形成した際に、第1構造部材または第2構造部材を集電体として機能させることができる。
本発明の電池用電極体において、第1および第2構造部材は、それぞれ前記金属部の表面に接触する導電性の集電部と、絶縁性の絶縁部とを備えていてもよい。
このような構成によれば、電池用電極体からアノードを形成した際に、集電部を集電体として機能させることができ、絶縁部により短絡電流が流れることを抑制することができる。
本発明の電池用電極体において、前記絶縁部の一部は、前記集電部の外側に設けられていてもよい。この場合、前記絶縁部と前記集電部とが直接向かい合う全ての面で接触していることが好ましく、前記絶縁部と前記集電部とが直接向かい合う全ての面で密着していることがより好ましい。
このような構成によれば、絶縁部により短絡電流が流れることを抑制することができる。
本発明の電池用電極体において、第1および第2構造部材は、それぞれ接続端子を備えることが好ましい。
このような構成によれば、第1構造部材または第2構造部材を集電体として機能させたとき、接続端子を介して電極活物質部が外部回路と電気的に接続することができる。
本発明の電池用電極体において、前記金属部は、第1および第2主要面が前記金属と接触する膜部を備え、かつ、前記膜部を前記金属から剥がすことにより第1および第2電極活物質部へ分割できるように設けられていてもよい。
このような構成によれば、金属部を構成する金属を膜部から剥がすことにより、金属部を第1および第2電極活物質部へ容易に分割することができる。
本発明の電池用電極体において、前記金属は、金属亜鉛、金属カルシウム、金属マグネシウム、金属アルミニウム、金属鉄、金属リチウムまたは金属ナトリウムであることが好ましい。
このような構成によれば、表面に酸化被膜が形成すること無く電極活物質となる金属を貯蔵・輸送することができる。
本発明は、本発明の電池用電極体を分割することにより得られる第1電極活物質部および第1構造部材を備えるアノードも提供する。
本発明のアノードによれば、本発明の電池用電極体を分割することにより得られる第1電極活物質部および第1構造部材を備えるため、電池用電極体として貯蔵・輸送し、分割して得られた酸化被膜が形成されていない分割面を有する電極活物質を直接電池に組み込むことができる。
本発明は、本発明の電池用電極体を分割することにより得られる第1電極活物質部および第1構造部材と、第2電極活物質部および第2構造部材とを備え、第1構造部材と第2構造部材とが接合するアノードも提供する。
本発明のアノードによれば、本発明の電池用電極体を分割することにより得られる第1電極活物質部および第1構造部材と、第2電極活物質部および第2構造部材とを備えるため、電池用電極体として貯蔵・輸送し、分割・接合して得られた酸化被膜が形成されていない分割面を有する電極活物質を直接電池に組み込むことができる。このような構成によれば、第1構造部材と第2構造部材とを接合することにより、より多くの電極活物質を一度に電池に組み込むことができるため、長時間の発電が可能になり、新たな電極活物質の電池への組み込みの回数を低減することができる。また、このような構成によれば、第1構造部材と第2構造部材とを接合することにより、第1電極活物質部の表面および第2電極活物質部の表面の両方を電極反応が進行する表面とすることができるため、裏表を区別する必要が無く、組み込む際に向きの間違いを防止することができる。
本発明は、本発明のアノードと、電解液を溜める電解液槽と、カソードとなる空気極とを備え、前記アノードは、前記電解液槽内に挿入することができ、かつ、前記電解液槽内から抜き出すことができるように設けられた金属空気電池も提供する。
本発明の金属空気電池によれば、電池用電極体として貯蔵・輸送し、分割して得られた電極活物質を金属空気電池に供給することにより、発電することができる。また、電極活物質部は表面に酸化被膜が形成されていない分割面を有する状態で金属空気電池に供給され、分割面において電極反応をすぐに進行させることができるため、本発明の金属空気電池は、優れた初期特性を有している。
本発明の金属空気電池において、前記アノードは、第1電極活物質部の分割面または第2電極活物質部の分割面が前記空気極側となるように配置されることが好ましい。
このような構成によれば、電極活物質の表面に酸化被膜が形成されていない分割面と空気極との距離を短くすることができ、発電効率を高くすることができる。
本発明の金属空気電池において、前記アノードと前記空気極との間に設けられたイオン交換膜をさらに備え、前記イオン交換膜は、第1主要面が前記電解液槽に溜める電解液に接触し、第2主要面が前記空気極と接触することが好ましい。
このような構成によれば、空気極と電解液との間を移動するイオン種を限定することができ、空気極において金属や炭酸化合物が析出することを抑制することができる。
また、本発明の電池用電極体は、電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部と、第1金属部の表面の一部に接触する第1構造部材と、電極表面となる第1金属部の表面に接触するカバー部材(被覆部材)とを備え、前記カバー部材は、第1金属部の表面の金属が露出するように第1金属部から離脱させることができるように設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、電池用電極体は電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部を備えるため、電池用電極体を貯蔵・運搬することにより、表面に酸化被膜が形成すること無く電極活物質を貯蔵・運搬することができる。
本発明によれば、第1金属部の表面の一部に接触する構造部材と、電極表面となる第1金属部の表面に接触するカバー部材とを備えるため、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。また、構造部材およびカバー部材と接触する第1金属部の表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。
本発明によれば、第1金属部の表面の金属が露出するように第1金属部から離脱させることができるように設けられたカバー部材(被覆部材)を備えるため、カバー部材を第1金属部から離脱させることにより、電極表面となる第1金属部の表面の金属を露出させたアノードを製造することができる。得られたアノードを金属空気電池本体に組み込み、発電させると、第1金属部の露出させた表面には酸化被膜が形成されていないため、電極反応をスムーズに進行させることができ、発電性能が低下することを抑制することができる。また、第1金属部の酸化被膜を除去する工程を行う必要がなく、コストを低減することができる。
本発明によれば、第1金属部の表面に接触する構造部材を備えるため、構造部材を介して第1金属部から集電することが可能である。
本発明の電池用電極体において、第1構造部材および前記カバー部材の両方は、実質的に第1金属部の表面の全体を覆うことが好ましい。また、第1構造部材およびカバー部材は、第1金属部と向かい合うすべての表面において、第1金属部と接触している又は密着していることが好ましい。さらに、第1構造部材の端部とおよびカバー部材の端部とは接触又は密着していることが好ましい。
このような構成によれば、第1金属部の表面の実質的な全体において、酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。
本発明の電池用電極体において、電極活物質である金属を主成分として含む第2金属部をさらに備え、第1構造部材は、2つの主要面を有し、かつ、一方の主要面が第1金属部の表面の一部に接触し、他方の主要面が第2金属部の表面の一部に接触し、前記カバー部材は、電極表面となる第2金属部の表面に接触し、かつ、第2金属部の表面の金属が露出するように第2金属部から離脱させることができるように設けられたことが好ましい。また、構造部材と金属部とが接触している部分および金属部とカバー部材とが接触している部分は、それぞれ密着していることがより好ましい。
このような構成によれば、第1構造部材の両面上に金属部を設けることができるため、この電池用電極体から作製したアノードにおいて電極反応が進行する表面を広くすることができる。また、第1構造部材の両面上に金属部を設けることができるため、この電池用電極体から作製したアノードにおいて長時間の発電が可能になり、新たな電極活物質の電池への組み込みの回数を低減することができる。さらに、第1構造部材の両面上に金属部を設けることができるため、第1金属部および第2金属部の両方がアノードの表面になるため、裏表を区別する必要が無く、組み込む際に向きの間違いを防止することができる。加えて、第1構造部材を集電体として機能させた場合、第1構造部材は金属部から効率よく集電することができる。
本発明の電池用電極体において、第1構造部材および前記カバー部材の両方は、実質的に第2金属部の表面の全体を覆うことが好ましい。
このような構成によれば、第2金属部の表面の実質的な全体において、酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。
本発明の電池用電極体において、電極活物質である金属を主成分として含む第2金属部と、第2金属部の表面の一部に接触する第3構造部材とをさらに備え、前記カバー部材は、電極表面となる第2金属部の表面に接触し、かつ、第2金属部の表面の金属が露出するように第2金属部から離脱させることができるように設けられたことが好ましい。また、構造部材と金属部とが接触している部分および金属部とカバー部材とが接触している部分は、それぞれ密着していることがより好ましい。
このような構成によれば、1つの電池用電極体から第1金属部および第1構造部材を有するアノードと、第2金属部および第3構造部材を有するアノードとを作製することができる。また、1つのカバー部材により第1金属部の表面と第2金属部の表面の両方を覆うことができるため、部品数を低減することができる。
本発明の電池用電極体において、第3構造部材および前記カバー部材の両方は、実質的に第2金属部の表面の全体を覆うことが好ましい。
このような構成によれば、第2金属部の表面の実質的な全体において、酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。
本発明の電池用電極体において、電極活物質である金属を主成分として含む第2金属部と、第2金属部の表面の一部に接触する第3構造部材とをさらに備え、第1構造部材は、電極表面となる第2金属部の表面に接触し、かつ、第2金属部の表面の金属が露出するように第2金属部から離脱させることができるように設けられたことが好ましい。また、構造部材と金属部とが接触している部分および金属部とカバー部材とが接触している部分は、それぞれ密着していることがより好ましい。
このような構成によれば、1つの電池用電極体から第1金属部および第1構造部材を有するアノードと、第2金属部および第3構造部材を有するアノードとを作製することができる。また、第1構造部材により第2金属部を覆うことができるため、部品数を低減することができる。さらに、カバー部材は、第2金属部の表面を覆わず、第1金属部の表面を覆うように設けることができるため、カバー部材を小さくすることができる。
本発明の電池用電極体において、第1および第3構造部材の両方は、実質的に第2金属部の表面の全体を覆うことが好ましい。
このような構成によれば、第2金属部の表面の実質的な全体において、酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、電極活物質を貯蔵・運搬する際に、電極活物質が破損したり、電極活物質に不純物が混入したりすることを防止することができる。
本発明の電池用電極体において、第1または第3構造部材は、導電性材料からなることが好ましい。
このような構成によれば、本発明の電池用電極体から作製したアノードにおいて、第1または第3構造部材を集電体として機能させることができる。
本発明の電池用電極体において、第1または第3構造部材は、第1または第2金属部の表面に接触する導電性の集電部と、絶縁性の絶縁部とを備えていてもよい。
このような構成によれば、本発明の電池用電極体から作製したアノードにおいて、集電部を集電体として機能させることができる。また、絶縁部により短絡電流が生じることを抑制することができる。
本発明の電池用電極体において、前記絶縁部の一部は、前記集電部の外側に設けられていてもよい。この場合、前記絶縁部と前記集電部とが直接向かい合う全ての面で接触していることが好ましく、前記絶縁部と前記集電部とが直接向かい合う全ての面で密着していることがより好ましい。
このような構成によれば、絶縁部により短絡電流が生じることを抑制することができる。
本発明の電池用電極体において、第1または第3構造部材は、接続端子を備えることが好ましい。
このような構成によれば、第1または第3構造部材が接続端子を介して外部回路に接続することができる。
本発明の電池用電極体において、前記金属は、金属亜鉛、金属カルシウム、金属マグネシウム、金属アルミニウム、金属鉄、金属リチウムまたは金属ナトリウムであることが好ましい。
このような構成によれば、第1または第2電極活物質部を構成する金属を、金属空気電池などの電極活物質とすることができる。
本発明は、本発明の電池用電極体から作製したアノードであって、第1電極活物質部と、第1構造部材とを備え、第1金属部は、前記カバー部材を第1金属部から離脱させることにより表面の金属を露出させたアノードも提供する。
本発明のアノードによれば、前記カバー部材を第1金属部から離脱させることにより表面の金属を露出させた第1金属部を備えるため、酸化被膜が形成されていない表面を有するアノードを金属空気電池などに直接組み込むことができ、組み込んだ際この表面においてすぐに電極反応を進行させることができる。また、第1金属部から離脱させたカバー部材は、回収することにより再利用することができる。
本発明は、本発明の電池用電極体から作製したアノードであって、第2金属部と、第3構造部材とを備え、第2金属部は、前記カバー部材または第1構造部材を第2金属部から離脱させることにより表面の金属を露出させたアノードも提供する。
本発明のアノードにおいて、前記カバー部材または第1構造部材を第2金属部から離脱させることにより表面の金属を露出させた第2金属部を備えるため、酸化被膜が形成されていない表面を有するアノードを金属空気電池などに直接組み込むことができ、組み込んだ際この表面においてすぐに電極反応を進行させることができる。また、第2金属部から離脱させたカバー部材は、回収することにより再利用することができる。
本発明は、本発明のアノードと、電解液を溜める電解液槽と、カソードとなる空気極とを備え、前記アノードは、前記電解液槽内に挿入することができ、かつ、前記電解液槽内から抜き出すことができるように設けられた金属空気電池も提供する。
本発明の金属空気電池によれば、電池用電極体として貯蔵・輸送し、カバー部材を離脱して得られた電極活物質を金属空気電池に供給することにより発電することができる。また、金属部は表面に酸化被膜が形成されていない金属露出面を有する状態で金属空気電池に供給され、金属露出面において電極反応をすぐに進行させることができるため、本発明の金属空気電池は、優れた初期特性を有している。
本発明の金属空気電池において、前記アノードは、第1または第2金属部の表面の金属を露出させた面が前記空気極側となるように配置されることが好ましい。
このような構成によれば、電極活物質の表面に酸化被膜が形成されていない金属露出面と空気極との距離を短くすることができ、発電効率を高くすることができる。
本発明の金属空気電池において、前記アノードと前記空気極との間に設けられたイオン交換膜をさらに備え、前記イオン交換膜は、第1主要面が前記電解液槽に溜める電解液に接触し、第2主要面が前記空気極と接触することが好ましい。
このような構成によれば、空気極と電解液との間を移動するイオン種を限定することができ、空気極において金属や炭酸化合物が析出することを抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
電池用電極体およびアノード(第1実施形態)
図1は、本実施形態の電池用電極体の構成を示す概略斜視図であり、図2(a)〜(c)は、それぞれ図1の一点鎖線A−Aにおける概略断面図である。図3(a)〜(c)は、それぞれ本実施形態の電池用電極体の概略断面図であり、図1の一点鎖線A−Aにおける概略断面図に対応する。図4(a)〜(f)は、それぞれ本実施形態の電池用電極体の概略斜視図である。図5〜8は、それぞれ本実施形態のアノードの作製方法の説明図である。
本実施形態の電池用電極体5は、電極活物質である金属を主成分として含む金属部1と、金属部1の表面に接触する第1構造部材2aおよび第2構造部材2b(被覆部材)とを備え、金属部1は、金属部1の内部の金属が露出するように第1および第2電極活物質部3a、3bへ分割できるように設けられ、第1構造部材2aは、第1電極活物質部3a上に配置されるように設けられ、第2構造部材2bは、第2電極活物質部3b上に配置されるように設けられたことを特徴とする。
また、本実施形態のアノード8は、本実施形態の電池用電極体5を分割することにより得られる第1電極活物質部3aおよび第1構造部材2aを備える。
電池用電極体5は、電池の電極活物質である金属を含むものであり、主に電極活物質を輸送するときや貯蔵するときに形成される。また、電池用電極体5から、金属空気電池、アルカリ・マンガン電池、マンガン電池などの電池に組み込まれるアノード8が形成される。
電池用電極体5に含まれる金属部1は、電極活物質である金属を主成分として含む。金属部1を有する電池用電極体5を輸送、貯蔵することにより、電極活物質を輸送、貯蔵することができる。
金属部1を構成する金属は、金属空気電池などの電極活物質となる金属であれば特に限定されないが、例えば、金属亜鉛、金属アルミニウム、金属鉄、金属マグネシウム、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カルシウムなどである。
また、金属部1は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、金属部1は合金からなっていてもよく、無機物や有機物を含んでいてもよい。
なお、金属部1を構成する金属が金属リチウム、金属ナトリウムなどの大気中の水分との反応性が高い金属の場合、金属部1と大気中の水分とを第1構造部材2aおよび第2構造部材2bにより遮断することにより、金属部1を構成する金属が大気中の水分と反応することを抑制することができる。
これらの電極活物質は、アノード8が金属空気電池などに組み込まれ電池反応が進行すると、電極反応により消費される。
金属部1を構成する金属は、例えば、鉱石などの精錬や、金属酸化物の乾式法や湿式法などによる還元などにより製造される。なお、電極活物質となる金属を電解析出により製造する場合、構造部材2上に金属を電解析出させてもよい。
また、金属部1は、構造部材2上に電解析出させた金属層であってもよく、金属スラリーを乾燥させることにより成型した金属塊であってもよく、粉末状の金属を押し固めることにより成型した金属塊であってもよい。
第1構造部材2aおよび第2構造部材2bは、それぞれ金属部1の表面に接触し、金属部1の表面を覆う。このことにより、第1および第2構造部材2a、2bと接触する金属部1の表面が大気に露出することを防止することができ、この表面に酸化被膜が形成されることを抑制することができる。また、金属部1に不純物が混入することを防止することができる。さらに、構造部材2を貯蔵・輸送用ケースとして使用できるため、輸送用ケースが不要であり、コストを低減することができる。
また、第1構造部材2aおよび第2構造部材2bにより、金属部1の表面の全体を実質的に覆うことができる。このことにより、金属部1の表面に酸化被膜が形成されることを抑制することができる。また、集電体と電極活物質部3との電気的接触が酸化被膜により阻害されることを抑制することができる。また、金属部1に不純物が混入することを防止することができる。
第1構造部材2aおよび第2構造部材2bは、例えば、板部材または膜部材で構成される。このことにより、電池用電極体5に占める電極活物質の割合を多くすることができ、電池用電極体5を貯蔵、輸送することにより、多くの電極活物質を貯蔵・輸送することができる。第1構造部材2aおよび第2構造部材2bが板部材から構成される場合、第1構造部材2aおよび第2構造部材2bの形状は、内部に金属部1を収容することができる容器状とすることができる。また、容器状の第1構造部材2aおよび第2構造部材2bはそれぞれ開口を有することができる。
また、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とを合わせることにより、内部空間と外部空間とを実質的に分離できるように第1構造部材2aおよび第2構造部材2bを設けることができる。このことにより、金属部1を第1構造部材2aと第2構造部材2bの内部に配置することができ、金属部1の表面が大気に露出することを防止することができる。このことにより、金属部1の表面に酸化被膜が形成されることを抑制することができる。
第1構造部材2aおよび第2構造部材2bは、例えば、剛性材料からなる。このことにより、金属部1が損傷することを抑制することができる。また、電池用電極体5の取り扱いが容易になる。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、全体またはその一部が導電性材料から構成されてもよい。このことにより、電池用電極体5からアノード8を形成した際、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bを集電体として機能させることができる。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bのうち導電性材料からなる部分の表面が金属部1と接触していてもよい。このことにより、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bを集電体として機能させることができる。また、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bと金属部1とが接触する面は、平面であってもよく凹凸が形成された面であってもよい。
電池用電極体5は、例えば、図1に示した電池用電極体5のように、直方体の金属部1と、金属部1の表面を覆う第1および第2構造部材2a、2bとを有することができる。
第1または第2構造部材2a、2bは、それぞれ金属板などの導電性の板部材から構成され、長方形の底面と、4つの側壁とからなり、上面に開口を有している。また、第1構造部材2aと第2構造部材2bとは実質的に同じ形状をしており、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされている。
金属部1は、直方体に成型された金属亜鉛などの金属であり、表面が第1構造部材2aおよび第2構造部材2bの内壁に接触している。また、第1構造部材2aと第2構造部材2bの内部空間は、金属部1で満たされており、金属部1の表面の実質的に全体が第1構造部材2aおよび第2構造部材2bで覆われている。
なお、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面が、電池用電極体5を分割する面となり、電池用電極体5がこの面で分割されてアノード8が形成される。
金属部1は、例えば、図2(a)のように、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面に、2つの金属塊の接合面を有することができる。このことにより、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面において電池用電極体5を分割する際、分割面において金属部1を容易に分離することができ、金属部1の内部の金属を露出させることができる。このような金属部1は、2つの金属塊を押し合わせて接合することにより形成することができる。
また、金属部1は、例えば、図2(b)のように、1つの金属塊からなってもよい。この場合、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面において、刃等により金属部1を分離することができ、金属部1の内部の金属を露出させることができる。
また、金属部1は、例えば、図2(c)のように、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面に、膜部4を有することができる。膜部4は、例えば、プラスチックフィルム、樹脂フィルムなどからなる。このような膜部4を有することにより、膜部4の両面からそれぞれ金属部1を構成する金属をはがすことにより、金属部1を分離することができ、金属部1の内部の金属を露出させることができる。
第1構造部材2aおよび第2構造部材2bは、図2(a)〜(c)のように金属板などの導電性材料からなってもよく、図3(a)〜(c)のように金属板などの導電性材料からなる集電部6と絶縁性材料からなる絶縁部7とからなってもよい。
また、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、金属部1と接触する表面が導電性材料からなるように設けることができる。このことにより、電池用電極体5を分割しアノード8を形成した際、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bの導電性材料からなる部分を集電体として機能させることができる。
また、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、絶縁部7を有することにより、電池用電極体5を分割しアノード8を形成した際、短絡電流が流れることを抑制することができる。例えば、図3(a)のように電池用電極体5の下部に絶縁部7を設けた場合、アノード8を形成し、電池に組み込んだ際、アノード8の下部において短絡電流が流れることを抑制することができる。図3(b)のように電池用電極体5の上部および下部に絶縁部7を設けた場合、アノード8を形成し、電池に組み込んだ際、アノード8の下部および上部において短絡電流が流れることを抑制することができる。また、図3(c)のように金属部1の主要面上に集電部6を設け、電池用電極体5の下部、側部、上部に絶縁部7を設けた場合、アノード8を形成し、電池に組み込んだ際、アノード8の下部、上部および側部において短絡電流が流れることを抑制することができる。
導電性材料からなる構造部材2または集電部6は、例えば、鉄、ニッケル、スズ、鉛、銅、銀、白金、金、ステンレス鋼、黄銅(銅―亜鉛)、亜鉛、炭素、導電性ポリマー(ポリチオフェン系等)、導電性セラミックス(導電性ジルコニア等)などにより構成することができる。
絶縁部7は、例えば、金属酸化物(シリカなど)、セラミックス、高分子化合物(ゴム状の重合体、プラスチック)などにより構成することができる。
図1〜3では、電池用電極体5および金属部1が直方体の場合について説明したが、電池用電極体5および金属部1の形状は、特に限定されない。例えば、図4(a)のように、球状の金属部1を第1構造部材2a、第2構造部材2bが覆うような構成でもよく、図4(b)のように円柱状の金属部1を第1構造部材2a、第2構造部材2bが覆うような構成でもよく、図4(c)のように三角柱の金属部1を第1構造部材2a、第2構造部材2bが覆うような構成でもよく、図4(e)のように五角柱の金属部1を第1構造部材2a、第2構造部材2bが覆うような構成でもよく、図4(f)のように六角柱の金属部1を第1構造部材2a、第2構造部材2bが覆うような構成でもよい。
次に、電池用電極体5を分割し、アノード8を形成する方法について図5〜8を用いて説明する。なお、電池用電極体5の分割は、不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。このことにより、分割面に酸化被膜が形成されることを抑制することができる。
図5は、1つの電池用電極体5から2つのアノード8a、8bを形成する方法の説明図である。図5の左側に示した電池用電極体5は、図1、図2(a)に示したような電池用電極体5であり、接続端子14を備えている。このような電池用電極体5を、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面において2つに分割する。このことにより、金属部1が分割され形成された第1電極活物質部3aおよび第1構造部材2aを備える第1アノード8aと、金属部1が分割され形成された第2電極活物質部3bおよび第2構造部材2bを備える第2アノード8bとを形成することができる。
なお、接続端子14は、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bの導電性を有する部分と接触するように設けられ、その位置は特に限定されない。例えば、接続端子14は、アノード8を電池に組み込む際に支持部材16に接続しやすい位置に設けることができる。図1に示した電池用電極体5では、上面または下面の第1構造部材2aと接触する部分および上面または下面の第2構造部材2bと接触する部分に接続端子14を設けることができる。
また、図5に示した電池用電極体5に含まれる接続端子14のように、電池用電極体5から複数のアノード8を形成した際、複数のアノード8において接続端子14が同じ位置になるように、電池用電極体5に接続端子14を設けることができる。このことにより、アノード8ごとに支持部材16と接続端子14の接続位置を変更する必要がなく、金属空気電池45へのアノード8の供給を容易にすることができる。また、2つのアノード8がそれぞれ備える接続端子14に1つの支持部材16を接続し、この2つのアノード8をまとめて金属空気電池45へ供給することができる。このことにより、2つのアノード8を接合する工程を省略することが可能となる。
1つの電池用電極体5を分割し形成するアノード8の数は、2つに限定されず、例えば、3つ、4つ、5つ、6つなどであってもよい。この場合、電池用電極体5は分割数と同じ数の構造部材2を有することができる。
電池用電極体5を分割する方法は、例えば、金属部1が有する接合面を剥がすことにより金属部1を第1電極活物質部3aと第2電極活物質部3bとに分割して行ってもよく、第1構造部材2aの開口の縁と第2構造部材2bの開口の縁とが合わされた部分を含む面に刃等を入れることにより金属部1を第1電極活物質部3aと第2電極活物質部3bとに分割して行ってもよく、図2(c)のような膜部4を金属部1を構成する金属から剥がすことにより金属部1を第1電極活物質部3aと第2電極活物質部3bとに分割して行ってもよい。
また、電池用電極体5を分割する面は、平面であってもよく、凹凸が形成された面であってもよく、ステップが形成された面であってもよい。
このように金属部1を第1電極活物質部3aと第2電極活物質部3bとに分割し、第1アノード8aと第2アノード8bとを形成すると、第1アノード8aに含まれる第1電極活物質部3aの分割面12a、および第2アノード8bに含まれる第2電極活物質部3bの分割面12bでは、金属部1の内部の金属が露出しており、表面に酸化被膜が形成されていない。このため、第1アノード8aまたは第2アノード8bを金属空気電池などの電池に組み込むと、分割面12においてすぐに電池反応を進行させることができる。従って、電池の初期特性を向上させることができる。
なお、第1アノード8a、第2アノード8bにおいて、第1構造部材2a、第2構造部材2bは集電体として機能させることができる。
図5では、1つの電池用電極体5を分割し2つのアノード8a、8bを形成する方法について説明したが、図6のように、1つの電池用電極体5を2つに分割し、分割した電池用電極体をそれぞれ反転させ第1構造部材2aと第2構造部材2bとを貼り合わせることにより、1つのアノード8を形成してもよい。
また、図7のように第1電池用電極体5a、第2電池用電極体5bをそれぞれ分割し、第1電池用電極体5aを分割した電池用電極体と第2電池用電極体5bを分割した電池用電極体とを貼り合わせてアノード8を形成してもよい。
図6、7では、分割した電池用電極体を2つ貼り合わせて1つのアノード8を形成する方法について説明したが、図8のように分割した電池用電極体を4つ貼り合わせて1つのアノード8を形成してもよい。また、同様に、分割した電池用電極体を6つ、8つ、10つ貼り合わせて1つのアノード8を形成してもよい。
電池用電極体およびアノード(第2実施形態)
図10は、本実施形態の電池用電極体の構成を示す概略斜視図であり、図11(a)は図10の一点鎖線A−Aにおける電池用電極体の概略断面図であり、図11(b)は、図11(a)に示した電池用電極体に含まれるカバー部材を金属部から離脱させることにより作製したアノードの概略断面図である。図12〜23は、本実施形態の電池用電極体の概略断面図とその電池用電極体から作製したアノードの概略断面図である。図24(a)〜(f)は、それぞれ本実施形態の電池用電極体の概略斜視図である。
本実施形態の電池用電極体5は、電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部1aと、第1金属部1aの表面に接触する第1構造部材2aと、第1金属部1aの表面に接触するカバー部材21(被覆部材)とを備え、カバー部材21は、第1金属部1aの表面の金属が露出するように第1金属部1aから離脱させることができるように設けられたことを特徴とする。また、構造部材2と金属部1とが接触している部分および金属部1とカバー部材21とが接触している部分は、それぞれ密着していることがより好ましい。
また、本実施形態の電池用電極体5は、第2金属部1bおよび第2構造部材2bをさらに備えてもよい。
本実施形態のアノード8aは、第1金属部1aと、第1構造部材2aとを備え、第1金属部1aは、カバー部材21を第1金属部1aから離脱させることにより表面の金属を露出させている。
本実施形態のアノード8bは、第2金属部1bと、第2構造部材2bとを備え、第2金属部1bは、カバー部材21または第1構造部材2aを第2金属部1bから離脱させることにより表面の金属を露出させている。
電池用電極体5、金属部1、金属部1を構成する金属および電極活物質についての説明は、矛盾がない限り、上述の第1実施形態の電池用電極体と同様である。
第1構造部材2aおよびカバー部材21は、第1金属部1aの表面に接触し、第1金属部1aの表面を覆う。また、金属部1とカバー部材21とが接触している部分は、密着していることがより好ましい。このことにより、第1構造部材2aおよびカバー部材21と接触する第1金属部1aの表面が大気に露出することを防止することができこの表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、第1金属部1aに不純物が混入することを防止することができる。さらに、第1構造部材2a、カバー部材21を貯蔵・輸送用ケースとして使用できるため、輸送用ケースが不要であり、コストを低減することができる。
また、第1構造部材2aおよびカバー部材21により、第1金属部1aの表面の全体を実質的に覆うことができる。このことにより、第1金属部1aの表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、集電体と金属部1との電気的接触が酸化被膜により阻害されることを抑制することができる。また、第1金属部1aに不純物が混入することを防止することができる。
カバー部材21は、第1金属部1aの表面の金属が露出するように第1金属部1aから離脱させることができるように設けられる。カバー部材21を離脱させることにより露出させた第1金属部1aの表面には酸化被膜がほとんど形成されていないため、カバー部材21を第1金属部1aから離脱させることにより作製したアノード8を組み込んだ電池は優れた初期特性を有することができる。
第2構造部材2bおよびカバー部材21、または、第2構造部材2bおよび第1構造部材2aは、第2金属部1bの表面に接触し、第2金属部1bの表面を覆う。また、構造部材2と金属部1とが接触している部分および金属部1とカバー部材21とが接触している部分は、それぞれ密着していることがより好ましい。このことにより、第2構造部材2bおよびカバー部材21、または、第2構造部材2bおよび第1構造部材2aと接触する第2金属部1bの表面が大気に露出することを防止することができこの表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、第2金属部1bに不純物が混入することを防止することができる。さらに、第2構造部材2bおよびカバー部材21、または、第2構造部材2bおよび第1構造部材2aを貯蔵・輸送用ケースとして使用できるため、輸送用ケースが不要であり、コストを低減することができる。
また、第2構造部材2bおよびカバー部材21、または、第2構造部材2bおよび第1構造部材2aにより、第2金属部1bの表面の全体を実質的に覆うことができる。このことにより、第2金属部1bの表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。また、集電体と金属部1との電気的接触が酸化被膜により阻害されることを抑制することができる。また、第1金属部1aに不純物が混入することを防止することができる。
カバー部材21または第1構造部材2aは、第2金属部1bの表面の金属が露出するように第2金属部1bから離脱させることができるように設けられる。カバー部材21または第1構造部材2aを離脱させることにより露出させた第2金属部1bの表面には酸化被膜がほとんど形成されていないため、カバー部材21または第1構造部材2aを第2金属部1bから離脱させることにより作製したアノード8を組み込んだ電池は優れた初期特性を有することができる。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、例えば、板部材または膜部材で構成される。このことにより、電池用電極体5に占める電極活物質の割合を多くすることができ、電池用電極体5を貯蔵、輸送することにより、多くの電極活物質を貯蔵・輸送することができる。第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、例えば、金属板などから構成される。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bが板部材から構成される場合、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bの形状は、内部に金属部1を収容することができる箱状とすることができる。また、箱状の第1構造部材2aまたは第2構造部材2bはそれぞれ開口を有することができる。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、例えば、剛性材料からなる。このことにより、金属部1が損傷することを抑制することができる。また、電池用電極体5の取り扱いが容易になる。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、全体またはその一部が導電性材料から構成されてもよい。このことにより、電池用電極体5からアノード8を作製した際、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bを集電体として機能させることができる。また、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bは、導電性材料から構成される集電部6と絶縁性材料から構成される絶縁部7とを有することができる。
第1構造部材2aまたは第2構造部材2bのうち導電性材料からなる部分の表面が金属部1と接触していてもよい。このことにより、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bを集電体として機能させることができる。また、第1構造部材2aまたは第2構造部材2bと金属部1とが接触する面は、平面であってもよく凹凸が形成された面であってもよい。
導電性材料からなる構造部材2または集電部6は、例えば、鉄、ニッケル、スズ、鉛、銅、銀、白金、金、ステンレス鋼、黄銅(銅―亜鉛)、亜鉛、炭素、導電性ポリマー(ポリチオフェン系等)、導電性セラミックス(導電性ジルコニア等)などにより構成することができる。
絶縁部7は、例えば、金属酸化物(シリカなど)、セラミックス、高分子化合物(ゴム状の重合体、プラスチック)などにより構成することができる。
カバー部材21は、例えば、板部材または膜部材で構成される。このことにより、電池用電極体5に占める電極活物質の割合を多くすることができ、電池用電極体5を貯蔵、輸送することにより、多くの電極活物質を貯蔵・輸送することができる。
カバー部材21は、例えば、金属板、プラスチック板、樹脂板、プラスチックフィルム、樹脂フィルム、金属箔などから構成される。
本実施形態の電池用電極体5の形状は特に限定されず、例えば、図24(a)に示した電池用電極体5のように球状の金属部1を構造部材2およびカバー部材21で覆った形状でもよく、図24(b)に示した電池用電極体5のように円柱状の金属部1を構造部材2およびカバー部材21で覆った形状でもよく、図24(c)に示した電池用電極体5のように三角柱状の金属部1を構造部材2およびカバー部材21で覆った形状でもよく、図24(d)に示した電池用電極体5のように四角柱状の金属部1を構造部材2およびカバー部材21で覆った形状でもよく、図24(e)に示した電池用電極体5のように五角柱状の金属部1を構造部材2およびカバー部材21で覆った形状でもよく、図24(f)に示した電池用電極体5のように六角柱状の金属部1を構造部材2およびカバー部材21で覆った形状でもよい。
ここでは、本実施形態の電池用電極体5が、四角柱状の金属部1を有する場合について説明する。
図10は、四角柱状の第1金属部1aを板状の第1構造部材2aおよび板状のカバー部材21で覆った電池用電極体5の概略斜視図であり、図11(a)は図10の一点鎖線A−Aにおける概略断面図である。この電池用電極体5では、箱状の第1構造部材2a中に第1金属部1aが収容され、箱状の第1構造部材2aの開口をカバー部材21が塞いでいる。また、第1構造部材2a上に接続端子14が設けられている。このような電池用電極体5を貯蔵・輸送することにより、第1金属部1aを構成する金属が大気に接することを抑制することができる。このことにより、第1金属部1aの表面に酸化被膜が形成されることを防止して電極活物質を貯蔵・輸送することができる。
なお、接続端子14は、第1構造部材2aの導電性を有する部分と接触するように設けられ、その位置は特に限定されない。また、接続端子14を第2構造部材2bに設ける場合も同様である。
図11(b)は、図10、図11(a)に示した電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。図11(b)に示したアノード8は、図10、図11(a)に示した電池用電極体5に含まれるカバー部材21を第1金属部1aから離脱させることにより作製することができる。このことにより、第1金属部1aの表面のうち、カバー部材21で覆われていた表面(金属露出面15)を露出させることができる。
図11(b)に示したアノード8は、アノード8を金属空気電池本体に組み込む直前に作製することができる。このことにより、アノード8の露出した第1金属部1aの表面に酸化被膜が形成されることを防止することができる。
図11(b)に示したアノード8を金属空気電池本体に組み込み、金属空気電池45により発電すると、アノード8の金属露出面15には酸化被膜がほとんど形成されていないため、金属露出面15においてすぐに電極反応を進行させることができる。このことにより、金属空気電池45の初期特性を向上させることができる。
また、このような構成によると、アノード8において電極反応を進行させた際に、電極活物質の大きな塊が剥落することを抑制することができる。
図12(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図12(b)は、図12(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5では、カバー部材21が箱状であり、カバー部材21の内部に第1金属部1aが収容されている。
このような構成によると、アノード8において電極反応が生じる金属部1の表面を広くすることができる。
図13(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図13(b)は、図13(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5では、第1構造部材2aは、下部が絶縁部7で構成され、側部および上部が集電部6で構成されている。
このような構成によると、アノード8において電極反応を生じさせた際、アノード8と金属空気電池45の電解液槽11の底とが電気的に接続することを抑制することができ、短絡電流が流れることを抑制することができる。
図14(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図14(b)は、図14(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5では、第1構造部材2aは、上部および下部が絶縁部7で構成され、側部が集電部6で構成されている。
このような構成によると、アノード8において電極反応を生じさせた際、アノード8と金属空気電池45の電解液槽11の底または上部とが電気的に接続することを抑制することができ、短絡電流が流れることを抑制することができる。
図15(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図15(b)は、図15(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5では、第1構造部材2aは、第1金属部1aの側面上に設けられた導電部6と、導電部6の外側、第1金属部1aの上面上、および第1金属部1aの下面上に設けられた絶縁部7とからなる。
このような構成によると、アノード8において電極反応を生じさせた際、アノード8と金属空気電池45の電解液槽11とが電気的に接続することを抑制することができ、短絡電流が流れることを抑制することができる。
図16(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図16(b)は、図16(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5は、第1金属部1aおよび第2金属部1bを備え、第1構造部材2aの一方の主要面が第1金属部1aの表面を覆い、第1構造部材2bの他方の主要面が第2金属部1bの表面を覆う。また、カバー部材21が第1金属部1aおよび第2金属部1bを包囲するように設けられている。
このような構成によると、アノード8において電極反応を生じさせた際、電極反応が生じる金属部1の表面を広くすることができる。なお、このような構成の場合、カバー部材21は、プラスチックフィルム、樹脂フィルムまたは金属箔を材料とした柔軟性を有するものとすることができる。
また、このような構成において第1金属部1aと第2金属部1bとが第1構造部材2aの下部などで接合し一体となっていてもよい。
図17(a)〜(c)は、それぞれ電池用電極体5の概略断面図である。図17(a)〜(c)では、電池用電極体5が第1金属部1aおよび第2金属部1bを備え、第1構造部材2aの一方の主要面が第1金属部1aの表面を覆い、第1構造部材2bの他方の主要面が第2金属部1bの表面を覆う。また、電池用電極体5が、第1金属部1aの表面を覆う第1カバー部材21aと第2金属部1bの表面を覆う第2カバー部材21bとを備えている。また、図17(a)に示した電池用電極体5が備える第1構造部材2aは、板状である。図17(b)に示した電池用電極体5が備える第1構造部材2aは、上部および下部にそれぞれ張り出し部を有するH字状であり、金属部1の上面および下面も第1構造部材2aにより覆われている。図17(c)に示した電池用電極体5が備える第1構造部材2aは、下部に張り出し部を有するT字状であり、金属部1の下面も第1構造部材2aにより覆われている。なお、図17(b)、図17(c)に示した第1構造部材2aの張り出し部は、絶縁性材料からなってもよい。また、図17の断面図に垂直な方向の金属部1の表面は、カバー部材21により覆われていてもよく、第1構造部材2aが張り出し部を有しこの張り出し部で覆われていてもよい。
このように第1カバー部材21aにより第1金属部1aの表面を覆い、第2カバー部材21bにより第2金属部1bの表面を覆うことにより、カバー部材21が剛性材料からなる場合でも容易にカバー部材21を金属部1から離脱させることができる。
図18(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図18(b)は、図18(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5では、箱状であり、側面の一部に開口を有する第1構造部材2aと、第1構造部材2aの内部に収容された第1金属部1aと、第1構造部材2aの開口に嵌合するように開口を塞ぐカバー部材21とからなる。
このような構成によると、アノード8において電極反応を進行させた際に、電極活物質の大きな塊が剥落することを抑制することができる。
図19(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図19(b)は、図19(a)の電池用電極体5から作製したアノード8の概略断面図である。この電池用電極体5では、箱状であり、側面の一部に開口を有する第1構造部材2aと、第1構造部材2aの内部に収容された第1金属部1aと、第1構造部材2aの開口を覆うように開口を塞ぐカバー部材21とからなる。
このような構成によると、アノード8において電極反応を進行させた際に、電極活物質の大きな塊が剥落することを抑制することができる。
図20(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図20(b)は、図20(a)の電池用電極体5から作製したアノード8a、8bの概略断面図である。この電池用電極体5は、箱状の第1構造部材2aと、箱状の第2構造部材2bと、箱状の第1構造部材2aの内部に収容された第1金属部1aと、箱状の第2構造部材2bの内部に収容された第2金属部1bと、第1構造部材2aの開口を塞ぎ第1金属部1aと接触するカバー部材21とを備える。また、第2構造部材2bの開口は、第2金属部1bに接触する第1構造部材2aにより塞がれている。
このような構成によると、1つの電池用電極体5から2つのアノード8を作製することができ、効率よく電極活物質を貯蔵・輸送することができる。また、第1構造部材2aにより第2構造部材2bの開口を塞ぐことができるため、部品数を低減することができる。
ここでは、2つの金属部1を有する電池用電極体5を示したが、本実施形態の電池用電極体5を構成する金属部1は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、10つであってもよい。この場合も金属部1はそれぞれ対応する構造部材内に収容され、数珠繋ぎ的に接合される。
図21(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図21(b)は、図21(a)の電池用電極体5から作製したアノード8a、8bの概略断面図である。この電池用電極体5は、箱状の第1構造部材2aと、箱状の第2構造部材2bと、箱状の第1構造部材2aの内部に収容された第1金属部1aと、箱状の第2構造部材2bの内部に収容された第2金属部1bと、一方の主要面で第1構造部材2aの開口を塞ぎ、他方の主要面で第2構造部材2bの開口を塞ぐカバー部材21とを備える。
このような構成によると、1つの電池用電極体5から2つのアノード8を作製することができ、効率よく電極活物質を貯蔵・輸送することができる。また、1つのカバー部材21により、第1構造部材2aの開口および第2構造部材2bの開口の両方を塞ぐことができるため、部品数を低減することができる。
図22(a)、(b)は、それぞれ電池用電極体5の概略断面図である。図22(a)に示した電池用電極体5は、2つのアノード8が作製できるように構成される。この電池用電極体5は、H字状の第1構造部材2aと、H字状の第2構造部材2bと、第1構造部材2aの張り出し部に挟まれるように設けられた第1金属部1a、第2金属部1bと、第2構造部材2bの張り出し部に挟まれるように設けられた第3金属部1c、第4金属部1dと、第2金属部1bと第3金属部1cとに挟まれるように設けられた第1カバー部材21aと、第1金属部1aの側面を覆う第2カバー部材21bと、第4金属部1dの側面を覆う第3カバー部材21cとを備える。
このような構成によると、1つの電池用電極体5から2つのアノード8を作製することができ、効率よく電極活物質を貯蔵・輸送することができる。
図22(b)に示した電池用電極体5は、3つのアノード8が作製できるように構成される。この電池用電極体5は、箱状の第1構造部材2aと、箱状の第2構造部材2bと、H字状の第3構造部材2iと、箱状の第1構造部材2aの内部に収容された第1金属部1aと、箱状の第2構造部材2bの内部に収容された第2金属部1bと、第3構造部材2iの張り出し部に挟まれるように設けられた第3金属部1cおよび第4金属部1dと、第1金属部1aと第3金属部1cとに挟まれるように設けられた第1カバー部材21aと、第2金属部1bと第4金属部1dとに挟まれるように設けられた第2カバー部材21bとを備える。
このような構成によると、1つの電池用電極体5から3つのアノード8を作製することができ、効率よく電極活物質を貯蔵・輸送することができる。
図23(a)は、電池用電極体5の概略断面図であり、図23(b)は、図23(a)の電池用電極体5から作製したアノード8a、8bの概略断面図である。この電池用電極体5は、箱状の第1構造部材2aと、箱状の第2構造部材2bと、箱状の第1構造部材2aの内部に収容された第1金属部1aと、箱状の第2構造部材2bの内部に収容された第2金属部1bと、一方の主要面で第1構造部材2aの開口および第2構造部材2bの開口の両方を塞ぐカバー部材21とを備える。
このような構成によると、1つの電池用電極体5から2つのアノード8を作製することができ、効率よく電極活物質を貯蔵・輸送することができる。また、1つのカバー部材21により、第1構造部材2aの開口および第2構造部材2bの開口の両方を塞ぐことができるため、部品数を低減することができる。
金属空気電池
図9および図25は、本実施形態の金属空気電池45の概略断面図である。なお、図9に示した金属空気電池45は、第1実施形態のアノード8を組み込んだ金属空気電池45であり、図25に示した金属空気電池45は、第2実施形態のアノード8を組み込んだ金属空気電池45である。
本実施形態の金属空気電池45は、第1実施形態または第2実施形態のアノード8と、電解液13を溜める電解液槽11と、カソードとなる空気極10とを備え、アノード8は、電解液槽11内に挿入することができ、かつ、電解液槽11内から抜き出すことができるように設けられる。
また、本実施形態の金属空気電池45は、アノード8と空気極10との間に設けられたイオン交換膜9をさらに備えてもよく、イオン交換膜9は、第1主要面が電解液槽11に溜める電解液に接触し、第2主要面が空気極10と接触するように設けられてもよい。
1.金属空気電池
本実施形態の金属空気電池45は、例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。また、本実施形態の金属空気電池45は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、一次電池がより好ましい。本実施形態の金属空気電池45が一次電池の場合、本実施形態のアノード8を金属空気電池本体に組み込むことにより、電極活物質を金属空気電池45に供給することができる。
2.電解液槽、電解液
電解液槽11は、電解液13を溜める電解槽であり、 電解液に対して耐食性を有する材料からなる。また、電解液槽11は、その中にアノード8を設置することができる構造を有する。また、電解液槽11は、溜めた電解液13に含まれるイオンが空気極10に移動できる構造を有する。このことにより電解液槽11に溜める電解液13を介してアノード8と空気極10との間をイオンが伝導することができる。
電解液13は、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する液体である。電解液13の種類は、電極活物質部3又は金属部1を構成する金属の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよく、有機溶媒を用いた電解液(有機電解液)であってもよい。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合、電解液には塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。また、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、有機電解液を用いることができる。
また、電解液槽11が固体電解質からなる隔壁を有し、隔壁で仕切られた一方側に電解質水溶液が溜められ、他方側に有機電解液が溜められてもよい。
3.アノード
アノード8は、上述したように第1実施形態又は第2実施形態の電池用電極体5から作製することにより得ることができ、電極活物質部3又は金属部1と構造部材2とを有する。電極活物質部3又は金属部1は、電極活物質である金属を主成分として含み、構造部材2は少なくともその一部が集電体として機能する。
なお、図25では、図11(b)、図20(b)、図21(b)、図23(b)に示したアノード8を金属空気電池本体に組み込んだ金属空気電池45を示したが、金属空気電池本体に組み込むアノード8は、図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図18(b)、図19(b)に示したアノード8であってもよい。
電極活物質部3又は金属部1は、例えば、亜鉛空気電池の場合、金属亜鉛からなり、アルミニウム空気電池の場合、金属アルミニウムからなり、鉄空気電池の場合、金属鉄からなり、マグネシウム空気電池の場合、金属マグネシウムからなる。
また、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、電極活物質部3又は金属部1はそれぞれ、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カルシウムからなる。
また、電極活物質部3又は金属部1は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、電極活物質部3又は金属部1は合金からなってもよく、無機物や有機物を含んでいてもよい。
アノード8は、電解液槽11内に挿入することができ、かつ、電解液槽11内から抜き出すことができるように設けられる。例えば、図9又は図25に示した金属空気電池45により発電を行うと、電池反応により電極活物質部3又は金属部1を構成する金属が消費される。この金属が消費されたアノード8を蓋部材17、支持体16と共に電解液槽11内から抜き出す。その後、電池用電極体5から形成した新たなアノード8の接続端子14に蓋部材17が接続された支持体16を接続し、新たなアノード8を電解液槽11内に挿入する。
このように、電極活物質が消費されたアノード8を電解液槽11内から抜き出し、新たなアノード8を電解液槽11内に挿入することにより、金属空気電池45に電極活物質を供給することができる。
電解液槽11に挿入した新たなアノード8では、分割面12又は金属露出面15に酸化被膜が形成されていないため、アノード8を挿入してすぐに分割面12又は金属露出面15において電極反応を進行させることができる。このことにより、金属空気電池45の初期特性を向上させることができる。また、新たなアノード8を電解液槽11に挿入するとき、分割面12又は金属露出面15が空気極10側となるように挿入することができる。このことにより、アノードの電極反応が進行する分割面12又は金属露出面15とカソードの電極反応が進行する空気極10との距離を短くすることができ、発電効率を高くすることができる。
アノード8が備える構造部材2は、集電体として機能する。構造部材2が金属板などの導電性材料からなる場合、電極活物質部3又は金属部1は、構造部材2および支持部材16を介して外部回路と電気的に接続することができる。このことにより、金属空気電池45は、電力を出力することができる。
アノード8が図3(a)に示したような電池用電極体5から形成される場合又は図13(b)に示したようなアノード8を用いた場合、アノード8の側部および上部の集電部6が集電体として機能する。また、アノード8の下部の絶縁部7が電解液槽11の底とアノード8とを絶縁し、短絡電流が流れることを抑制する。
アノード8が図3(b)に示したような電池用電極体5から形成される場合又は図14(b)に示したようなアノード8を用いた場合、アノード8の側部の集電部6が集電体として機能する。また、アノード8の下部および上部の絶縁部7が電解液槽11の底および上部とアノード8とを絶縁し、短絡電流が流れることを抑制する。
アノード8が図3(c)に示したような電池用電極体5から形成される場合又は図15(b)に示したようなアノード8を用いた場合、電極活物質部3又は金属部1の側部表面に接触するように設けられた集電部6が集電体として機能し、アノード8の下部、上部に設けられた絶縁部7および集電部6の外側に設けられた絶縁部7が、電解液槽11とアノード8とを絶縁し、短絡電流が流れることを抑制する。
また、構造部材2がアノード8の下部に設けられることにより、電極活物質部3又は金属部1を構成する金属が、電極反応の進行により消費され大きな塊としてアノード8から剥落することを抑制することができる。
なお、ここでは、図5の右側に示したようなアノード8、図11(b)に示したアノード8などを組み込んだ金属空気電池45を用いて説明したが、金属空気電池45に組み込むアノード8は、図6の右側や図7の右側に示したような、分割した電池用電極体を2つ貼り合わせたアノード8を金属空気電池45に組み込んでもよく、図8の右側に示したような、分割した電池用電極体を4つ貼り合わせたアノード8を金属空気電池45に組み込んでもよい。また、金属空気電池45に組み込むアノード8は、分割した電池用電極体を6つ、8つ、10つ貼り合わせたアノードであってもよい。
4.空気極、イオン交換膜
空気極10は、大気中の酸素ガスと水と電子から水酸化物イオン(OH-)を生成する電極である。空気極10は、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒からなる。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスと水と電子を共存させることが可能になり、電極反応を進行させることが可能になる。電極反応に使われる水は、大気中から供給されてもよく、電解液から供給されてもよい。
多孔性担体には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒には、たとえば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、たとえば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。
また、空気極10に含まれる多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
また、空気極10は、多孔性担体に担持されたアニオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、アニオン交換樹脂を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
空気極10は、大気に直接接するように設けてもよく、空気流路26に接して設けてもよい。このことにより、空気極10に酸素ガスを供給することができる。また、空気流路26を設ける場合、空気流路26に加湿された空気を流すことにより、空気極10に酸素ガスと共に水も供給できる。空気流路26は、例えば、図9又は図25に示した金属空気電池45に含まれる集電部材25に設けることができる。このことにより、空気流路26を形成することができると共に集電部材25を介して空気極10と外部回路とを接続することができ、金属空気電池45の電力を外部回路に出力することができる。
空気極10は電解液槽11に溜める電解液13に接触するように設けてもよい。このことにより、空気極10で生成した水酸化物イオンが容易に電解液13へ移動することができる。また、空気極10における電極反応に必要な水が電解液13から空気極10に供給されやすくなる。
また、空気極10は、電解液槽11に溜める電解液13と接触するイオン交換膜9と接触するように設けてもよい。イオン交換膜9は、アニオン交換膜であってもよい。このことにより、空気極10で発生した水酸化物イオンがアニオン交換膜を伝導し、電解液へ移動することができる。
イオン交換膜9を設けることにより、空気極10と電解液13との間を移動するイオン種を限定することができる。イオン交換膜9がアニオン交換膜である場合、アニオン交換膜は、固定イオンである陽イオン基を有するため、電解液中の陽イオンは空気極10に伝導することはできない。これに対し、空気極10で生成した水酸化物イオンは陰イオンであるため、電解液へと伝導することができる。このことにより、金属空気電池45の電池反応が進行させることができ、かつ、電解液13中の陽イオンが空気極10に移動するのを防止することができる。このことにより、空気極10における金属や炭酸化合物の析出を抑制することができる。
また、イオン交換膜9を設けることにより、電解液に含まれる水が空気極10に過剰に供給されることを抑制することができる。
イオン交換膜9としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。
空気極10をイオン交換膜9に接触するように設ける場合、例えば、図9のように、空気極10をイオン交換膜9の上に形成し、これを電解液槽11と集電部材25とで挟むように設けることができる。
1、1a、1b、1c、1d:金属部 2:構造部材 2a、2c、2e、2g:第1構造部材 2b、2d、2f、2h:第2構造部材 2i:第3構造部材 3:電極活物質部 3a、3c、3e、3g:第1電極活物質部 3b、3d、3f、3h:第2電極活物質部 4:膜部 5、5a、5b、5c、5d:電池用電極体 6:集電部 6a:第1集電部 6b:第2集電部 7:絶縁部 7a:第1絶縁部 7b:第2絶縁部 8:アノード 8a:第1アノード 8b:第2アノード 9:イオン交換膜 10:空気極 11: 電解液槽 12:分割面 12a:第1分割面 12b:第2分割面 13:電解液 14:接続端子 15:金属露出面 16:支持部材 17:蓋部材 18:第1主要面 19:第2主要面 21:カバー部材 21a:第1カバー部材 21b:第2カバー部材 21c:第3カバー部材 25:集電部材 26:空気流路 28:スペーサー 31:ボルト 32:ナット 45:金属空気電池
101:亜鉛電極 103:アルカリ性電解液 105:空気極 106:アニオン交換膜

Claims (24)

  1. 電極活物質である金属を主成分として含む第1金属部と、第1金属部の表面の一部に接触する第1構造部材と、第1金属部の表面の他の部分に接触する被覆部材とを備え、
    第1金属部、第1構造部材および前記被覆部材は、第1金属部に含まれる金属が露出するように、第1構造部材と前記被覆部材との間で第1金属部を分割すること又は前記被覆部材を第1金属部から離脱させることができるように設けられたことを特徴とする電池用電極体。
  2. 前記被覆部材は、第2構造部材であり、
    第1金属部は、第1金属部の内部の金属が露出するように第1および第2電極活物質部へ分割できるように設けられ、
    第1構造部材は、第1電極活物質部上に配置されるように設けられ、
    第2構造部材は、第2電極活物質部上に配置されるように設けられた請求項1に記載の電池用電極体。
  3. 第1および第2構造部材は、実質的に第1金属部の表面の全体を覆う請求項2に記載の電池用電極体。
  4. 第1金属部は、第1および第2主要面が前記金属と接触する膜部を備え、かつ、前記膜部を前記金属から剥がすことにより第1および第2電極活物質部へ分割できるように設けられた請求項1〜3のいずれか1つに記載の電池用電極体。
  5. 前記被覆部材は、カバー部材であり、
    前記カバー部材は、電極表面となる第1金属部の表面の金属が露出するように第1金属部から離脱させることができるように設けられた請求項1に記載の電池用電極体。
  6. 第1構造部材および前記カバー部材の両方は、実質的に第1金属部の表面の全体を覆う請求項5に記載の電池用電極体。
  7. 電極活物質である金属を主成分として含む第2金属部をさらに備え、
    第1構造部材は、2つの主要面を有し、かつ、一方の主要面が第1金属部の表面の一部に接触し他方の主要面が第2金属部の表面の一部に接触し、
    前記カバー部材は、電極表面となる第2金属部の表面に接触し、かつ、第2金属部の表面の金属が露出するように第2金属部から離脱させることができるように設けられた請求項5または6に記載の電池用電極体。
  8. 第1構造部材および前記カバー部材の両方は、実質的に第2金属部の表面の全体を覆う請求項7に記載の電池用電極体。
  9. 電極活物質である金属を主成分として含む第2金属部と、第2金属部の表面の一部に接触する第3構造部材とをさらに備え、
    前記カバー部材は、電極表面となる第2金属部の表面に接触し、かつ、第2金属部の表面の金属が露出するように第2金属部から離脱させることができるように設けられた請求項5または6に記載の電池用電極体。
  10. 第3構造部材および前記カバー部材の両方は、実質的に第2金属部の表面の全体を覆う請求項9に記載の電池用電極体。
  11. 電極活物質である金属を主成分として含む第2金属部と、第2金属部の表面の一部に接触する第3構造部材とをさらに備え、
    第1構造部材は、電極表面となる第2金属部の表面に接触し、かつ、第2金属部の表面の金属が露出するように第2金属部から離脱させることができるように設けられた請求項5または6に記載の電池用電極体。
  12. 第1および第3構造部材の両方は、実質的に第2金属部の表面の全体を覆う請求項11に記載の電池用電極体。
  13. 第1構造部材は、導電性材料からなる請求項1〜12のいずれか1つに記載の電池用電極体。
  14. 第1構造部材は、第1金属部の表面に接触する導電性の集電部と、絶縁性の絶縁部とを備える請求項1〜12のいずれか1つに記載の電池用電極体。
  15. 前記絶縁部は、前記集電部の外側に設けられた請求項14に記載の電池用電極体。
  16. 第1構造部材は、接続端子を備える請求項13〜15のいずれか1つに記載の電池用電極体。
  17. 前記金属は、金属亜鉛、金属カルシウム、金属マグネシウム、金属アルミニウム、金属鉄、金属リチウムおよび金属ナトリウムのうちいずれか1つである請求項1〜16のいずれか1つに記載の電池用電極体。
  18. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の電池用電極体を分割することにより得られる第1電極活物質部および第1構造部材を備えるアノード。
  19. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の電池用電極体を分割することにより得られる第1電極活物質部および第1構造部材と、第2電極活物質部および第2構造部材とを備え、
    第1構造部材と第2構造部材とが接合するアノード。
  20. 請求項5〜12のいずれか1つに記載の電池用電極体から作製したアノードであって、
    第1金属部と、第1構造部材とを備え、
    第1金属部は、前記カバー部材を第1金属部から離脱させることにより表面の金属を露出させたアノード。
  21. 請求項9〜12のいずれか1つに記載の電池用電極体から作製したアノードであって、
    第2金属部と、第3構造部材とを備え、
    第2金属部は、前記カバー部材または第1構造部材を第2金属部から離脱させることにより表面の金属を露出させたアノード。
  22. 請求項18〜21のいずれか1つに記載のアノードと、電解液を溜める電解液槽と、カソードとなる空気極とを備え、
    前記アノードは、前記電解液槽内に挿入することができ、かつ、前記電解液槽内から抜き出すことができるように設けられた金属空気電池。
  23. 前記アノードは、前記金属を露出させた面が前記空気極側となるように配置される請求項22に記載の金属空気電池。
  24. 前記アノードと前記空気極との間に設けられたイオン交換膜をさらに備え、
    前記イオン交換膜は、第1主要面が前記電解液槽に溜める電解液に接触し、第2主要面が前記空気極と接触する請求項22または23に記載の金属空気電池。
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