JPWO2013186989A1 - 移動計画処理システム、移動計画処理方法および移動計画処理プログラム - Google Patents

移動計画処理システム、移動計画処理方法および移動計画処理プログラム Download PDF

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Abstract

注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機を高速に特定することができる移動計画処理システムを提供する。周辺機選別手段74は、区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像する。そして、周辺機選別手段74は、その結果得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する。

Description

本発明は、移動体の移動計画に基づいて、注目機と異常接近する可能性のある周辺機を特定する移動計画処理システム、移動計画処理方法および移動計画処理プログラムに関する。
「定められた位置(通過指定位置)」を「定められた予定時刻(通過予定時刻)」に通過する移動体(例えば、航空機、電車、バス等)に対して、移動体同士が異常接近しないように移動計画を決定する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1には、シミュレーションに基づく異常接近の検知技術が記載されている。非特許文献1には、先行機と後続機との間で距離間隔等の通過条件が満たされているか否かを時刻順に検査することが記載されている。そして、条件を満足しない場合には、航空機の通過時刻を遅くすることが記載されている。
航空機の移動計画には、「通過指定位置(緯度・経度)」および「通過予定時刻」が、複数の通過指定位置に関して記載されている。そして、航空機は、出発空港で取得する移動計画に従って通過指定位置を通過予定時刻に通過し、目的空港まで航行する。しかし、実際の航行では天候変動等の影響により、航空機が通過指定位置を通過予定時刻に通過できない場合がある。このような場合に、航空管制スケジューリングシステムは、出発空港で航空機が取得する移動計画を調整し、異常接近を誘発しない新たな移動計画を決定する。このような調整後の移動計画を調整移動計画と記す場合がある。また、移動体同士の異常接近をコンフリクトと称する場合がある。
福田豊、岡恵、山本哲士、「航空管制の時間管理ツールの試作」、電子情報通信学会技術研究報告宇宙・航空エレクトロニクス、社団法人電子情報通信学会、2008年7月18日、108巻、169号、pp.23−28
複数の移動体のうち1つの移動体に着目し、その移動体(以下、注目機と記す。)と、他の移動体(以下、周辺機と記す。)との間の異常接近を検知して、調整移動計画を決定する場合に、非特許文献1の技術を適用することが考えられる。この場合、個々の周辺機について、時刻順に、注目機との異常接近の有無を判定する処理を行う必要がある。そのため、異常接近の検出の処理時間が長くなってしまう。特に、周辺機の数が多くなるほど処理時間が増加してしまう。
調整移動計画を決定する際に、注目機の障害物となり得る周辺機(換言すれば、注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機)を選別できれば、その周辺機および注目機の移動計画を用いて、移動計画を調整すればよい。従って、注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機を高速に選別できることが好ましい。
そこで、本発明は、注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機を高速に特定することができる移動計画処理システム、移動計画処理方法および移動計画処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明による移動計画処理システムは、移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報の集合を作成する区間情報作成手段と、注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出する到着時刻算出手段と、注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列を算出する射影行列算出手段と、区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する周辺機選別手段を備えることを特徴とする。
また、本発明による移動計画処理方法は、移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報の集合を作成し、注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出し、注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列を算出し、区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別することを特徴とする。
また、本発明による移動計画処理プログラムは、コンピュータに、移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報の集合を作成する区間情報作成処理、注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出する到着時刻算出処理、注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列を算出する射影行列算出処理、および、区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する周辺機選別処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機を高速に特定することができる。
本発明の第1の実施形態の移動計画処理システムの構成例を示すブロック図である。 各通過点における通過時刻を示す模式図である。 3次元空間およびリンクの始点時刻における2次元平面を示す説明図である。 周辺機移動計画選別手段32による判定処理の具体例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。 リンクFP,FP,FP,FPを3次元空間で表した模式図である。 領域Lを示す模式図である。 領域Lを示す模式図である。 本発明の第2の実施形態の移動計画処理システムの構成例を示すブロック図である。 異常接近の回避速度の算出を幾何的に示す模式図である。 本発明の第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。 速度を速めた場合の到着時刻および速度を遅くした場合の到着時刻の例を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態の移動計画処理システムの構成例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。 計算平面を示す模式図である。 第3の実施形態の効果の具体例を示す模式図である。 注目機および周辺機の経路が、互いに同一直線上に存在するか、あるいは、平行である場合における周辺機のリンクFBから定まる斜柱体Hと平面との交差を示す模式図である。 周辺機が形成する直線の代用となる直線を示す模式図である。 本発明の最小構成の例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下に示す各実施形態では、移動体が航空機である場合を例にして説明するが、移動体は航空機に限定されない。
また、以下の各実施形態では、移動計画の調整対象である航空機を注目機とし、注目機以外の航空機を周辺機とする。
ここで、移動計画について説明する。移動計画は、移動体(本例では航空機)の2次元平面上の通過点の座標およびその通過時刻のリストの集合として記述される。各通過点の座標は、2次元平面のx座標およびy座標で表される。以下に示す各実施形態では、経度をx座標とし、緯度をy座標とする場合を例にして説明する。また、1つの移動体の移動計画において、通過時刻順に隣接する1組の通過点によって規定される区間をリンクと記す。移動計画はリンクの集合を表しており、各リンクの始点座標およびその通過時刻と、終点座標およびその通過時刻が移動計画で定められていると言える。このような移動計画が移動体毎に定められる。そして、注目機の移動計画を注目機移動計画と記す。また、周辺機の移動計画を周辺機移動計画と記す。
また、移動体同士の異常接近が発生したか否かの判定基準となる距離の閾値を安全間隔と呼ぶ。すなわち、移動体同士の距離が安全間隔未満であれば異常接近が生じていることになり、移動体同士の距離が安全間隔以上であれば異常接近が生じていないことになる。航空管制において、安全間隔は洋上管制間隔と称される。
実施形態1.
図1は、本発明の第1の実施形態の移動計画処理システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の移動計画処理システムは、注目機移動計画入力装置1と、周辺機移動計画入力装置2と、データ処理装置3と、記憶装置4と、出力装置5とを備える。
注目機移動計画入力装置1は、注目機移動計画の入力インタフェースである。周辺機移動計画入力装置2は、周辺機移動計画の入力インタフェースである。注目機移動計画入力装置1および周辺機移動計画入力装置2が同一の入力装置によって実現されていてもよい。
記憶装置4は、例えば、光ディスク装置や磁気ディスク装置等によって実現される。記憶装置4は、移動モデル記憶部41と、移動条件記憶部42とを備えている。
移動モデル記憶部41は、移動体がリンクを移動する場合の移動態様を示すデータ(以下、移動モデルと記す。)を記憶する。移動計画処理システムの管理者は、予め移動モデルを移動モデル記憶部41に記憶させておく。移動モデルの例として、等速度移動や等加速度移動等が挙げられる。各実施形態では、移動モデル記憶部41において、等速度移動を示す移動モデルが記憶されているものとする。すなわち、移動体は各リンクにおいて、リンクの始点から終点まで等速直線運動をするものとする。
移動条件記憶部42は、移動体がリンクを移動する際の速度の制約となる移動条件を予め記憶する。具体的には、移動条件記憶部42は、移動条件として、移動体の速度として許容される上限速度および下限速度を記憶する。また、移動条件記憶部42は、安全間隔も記憶する。移動計画処理システムの管理者は、予め移動条件および安全間隔を移動条件記憶部42に記憶させておく。
図2は、各通過点における通過時刻を示す模式図である。図2に示す横軸は移動体の通過位置を示し、縦軸は時刻を示す。i=0,1,2,3,4とすると、各位置pの通過時刻はtである。tは、移動計画で定められた通過時刻である。図2では、移動体が上限速度(vmax)で移動した場合の各位置pの通過時刻をt と表している。また、移動体が下限速度(vmin)で移動した場合の各位置pの通過時刻をt と表している。t はtよりも早い時刻であり、t はtよりも遅い時刻である。
データ処理装置3は、例えば、プログラムに従って動作するコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、あるいはワークステーション等)である。そして、データ処理装置3は、リンク作成手段31と、周辺機移動計画選別手段32と、幾何モデル生成手段30とを含む。
リンク作成手段31は、注目機移動計画入力装置1を介して入力される注目機移動計画、および、周辺機移動計画入力装置2を介して入力される個々の周辺移動計画を対象にして、移動計画毎にリンクの集合を作成する。リンク作成手段31は、1つの移動計画に関して、通過点となる2次元平面の位置座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を、通過時刻の昇順に並べる。そして、リンク作成手段23は、隣接する3次元座標同士の組を1つのリンクとし、リンクの集合を作成する。リンク作成手段31は、この処理を移動計画毎に行う。
各リンクの始点および終点の情報は、通過点となる2次元平面の位置座標(x座標、y座標)と、時刻の情報を含む。従って、各リンクの始点および終点の情報は、2次元平面のx軸、y軸に、第3の軸として時間軸(以下、t軸と記す。)を追加した3次元空間内の点を表しているということができる。
また、リンク作成手段31は、各リンクにおいて、移動条件として定められた上限速度または下限速度で移動する場合におけるリンクの終点時刻を算出する機能を有する。
周辺機移動計画選別手段32は、移動条件を満たす速度で注目機が航行した場合に、異常接近が生じる可能性がある周辺機移動計画を選別する。周辺機移動計画選別手段32は、移動計画によって規定される始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分がある注目機の1つのリンクと、周辺機の1つのリンクとの組をそれぞれ抽出する。そして、周辺機移動計画選別手段32は、時刻の昇順にそれらの組に対する処理を行って、注目機と周辺機とが異常接近する可能性があるか否かを判定する。
周辺機移動計画選別手段32は、注目機の1つのリンクおよび周辺機の1つのリンクとの組をそれぞれ幾何モデル生成手段30に入力する。以下、注目機の1つのリンクおよび周辺機の1つのリンクとの組をリンク対と記す場合がある。幾何モデル生成手段30は、リンク対に基づいて、x軸、y軸、t軸で定められる3次元空間(以下、単に3次元空間と記す。)から2次元平面への写像を表す射影行列を算出する。この2次元平面は、リンク対をなす2つのリンクの始点時刻のうち、遅い方の時刻における2次元平面である。以下、説明を簡単にするためにリンク対をなす2つのリンクで始点時刻が共通である場合を例にして説明する。
図3は、3次元空間およびリンクの始点時刻における2次元平面を示す説明図である。図3に示すリンクFAは注目機のリンクである。また、リンクFBは周辺機のリンクである。図3に示す例では、2つのリンクFA,FBの始点時刻はt=0で共通である。従って、2つのリンクの始点時刻のうち遅い方の時刻はt=0であると言える。図3に示すリンク対(FA,FB)が入力された場合、幾何モデル生成手段30は、3次元空間からt=0の2次元平面への写像を表す射影行列を算出する。以下、3次元空間からの写像先となる2次元平面を計算平面と記す。3次元空間から計算平面への写像は、周辺機のリンクFBに沿った方向への写像である。
図3に示す例において、注目機の速度を速めた場合には、リンクFAの終点時刻は早まり、注目機の速度を遅くした場合には、リンクFAの終点時刻は遅くなる。図3示す点Eは注目機移動計画から規定されるリンクFAの終点を表す。また、点Eは、注目機が上限速度で移動し、終点時刻が早くなった場合のリンクの終点を表す。点Eは、注目機が下限速度で移動し、終点時刻が遅くなった場合のリンクの終点を表す。このように、注目機の速度を変化させることで、リンクFAの始点0,E,Eを含む平面が規定される。以下、リンクFAの始点0,E,Eに囲まれた領域(面分)をPと記す。
また、周辺機のリンクFB上の点毎に、リンクFB上の点を中心とし、半径が安全間隔である円を定めた状態を仮定する。ただし、この円は、計算平面Pに平行な円であるものとする。すると、図3に示すように、底面が円の斜柱体Hが定まる。なお、以下の説明では、安全間隔を洋上管制間隔と記す。
周辺機のリンクおよび洋上管制間隔によって定まる斜柱体Hの内部を注目機のリンクが通過すれば、注目機はその周辺機と異常接近することになる。そして、領域Pを含む平面と斜柱体Hとの交差は、図3に示すように楕円dで表される。3次元空間内で、楕円dと注目機のリンクFAが交差していれば、異常接近が生じることを意味し、交差していなければ、異常接近が生じないことを意味する。ただし、本発明では、3次元空間における交差判定を行うのではなく、領域Pを計算平面Pに写像して得られる領域(図3において図示略)を利用して異常接近が生じる可能性があるか否かを判定する。
周辺機移動計画選別手段32は、幾何モデル生成手段30が算出した射影行列を用いて、3次元空間内の領域Pを計算平面P上に写像する。そして、周辺機移動計画選別手段32は、周辺機のリンクの始点を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面P内の円(cと記す。図3参照。)と、領域Pの写像後の領域(Lと記す。)とが重なるか否かを判定することによって、注目機と周辺機とが異常接近する可能性があるか否かを判定する。すなわち、周辺機移動計画選別手段32は、計算平面において、円cと領域Lとが一部分でも重なれば、注目機と周辺機とが異常接近する可能性があると判定する。また、円cと領域Lとが重ならなければ、注目機と周辺機とが異常接近する可能性はないと判定する。
円cは、3次元空間内の楕円dを、リンクFBの方向に沿って計算平面上に写像した円に相当する。
周辺機移動計画選別手段32は、始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分があるリンク対毎に、上記の処理を行い、注目機と異常接近する可能性があると判定した周辺機のリンクを選別し、その周辺機のリンクのリストを出力装置5に入力する。
図4は、周辺機移動計画選別手段32による判定処理の具体例を示す模式図である。図4は、図3と同様に、移動体の移動平面に対して、時間軸を追加した3次元空間を表している。また、注目機の出発位置を原点としているが、これは基本的なアフィン変換によって得ることができる。注目機Aは、地点(139°45’ 00.00’’, 35°41’ 00.00’’)を時刻12:00に出発し、地点(142°23’ 41.54’’, 38°19’ 17.67’’)に時刻13:00に到着する。周辺機Bは、地点(141°4’ 20.77’’, 35°41’ 00.00’’)を時刻12:00に出発し、地点(141°4’ 20.77’’, 38°19’ 17.67’’)に時刻13:00に到着する。注目機が上限速度で移動した場合、地点(142°23’ 41.54’’, 38°19’ 17.67’’)に時刻12:36に到着する。また、注目機が下限速度で移動した場合の到着時刻は13:24である。
3次元空間内の座標(142°23’ 41.54’’, 38°19’ 17.67’’, 12:36)および(142°23’ 41.54’’, 38°19’ 17.67’’, 13:24)をそれぞれ、計算平面に写像すると、計算平面内での座標は(142°23’ 41.54’’, 36°32’ 46.80’’)および(142°23’ 41.54’’, 34°49’ 13.20’’)となる。周辺機移動計画選別手段32は、写像後のこれらの座標、および注目機のリンクFAの始点(139°45’ 00.00’’, 35°41’ 00.00’’)を結ぶ各線分で囲まれる領域Lと、周辺機Bの出発地点を中心とし、洋上管制間隔を半径とする円cとの共通部分(重なり)の有無を判定することによって、注目機Aの速度変更に伴って、注目機Aと周辺機Bとが異常接近する可能性があるか否かを判定する。
幾何モデル生成手段30は、リンク対を入力されると、そのリンク対において始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分があるか否かを判定し、共通部分があることを条件に、そのリンク対を用いて、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列を算出する。
出力装置5は、入力された情報を出力する。出力装置5の出力態様は限定されない。例えば、出力装置5は、表示出力を行うディスプレイ装置であってもよい。
リンク作成手段31、周辺機移動計画選別手段32および幾何モデル生成手段30は、例えば、移動計画処理プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。例えば、CPUが、移動計画処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体から移動計画処理プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、リンク作成手段31、周辺機移動計画選別手段32および幾何モデル生成手段30として動作すればよい。また、リンク作成手段31、周辺機移動計画選別手段32および幾何モデル生成手段30が別々のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、第1の実施形態の処理経過について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。注目機移動計画入力装置1には、移動計画処理システムの管理者から注目機移動計画が入力される。注目機移動計画入力装置1は、その注目機移動計画をリンク作成手段31に送る。また、周辺機移動計画入力装置2には、管理者から各周辺移動体の周辺機移動計画が入力される。周辺機移動計画入力装置2は、その周辺機移動計画をリンク作成手段31に送る。
リンク作成手段31は、入力された全ての全ての移動計画(注目機移動計画および全ての周辺機移動計画)を対象にして、移動計画毎にリンクの集合を作成する(ステップA1)。
そして、リンク作成手段31は、移動条件記憶部42から移動体の上限速度および下限速度を読み込み、注目機に関して、各リンクの終点を通過する際の下限到着時刻および上限到着時刻を算出する(ステップA2)。すなわち、リンク作成手段31は、リンクの始点が示す位置からその始点時刻に出発した注目機が上限速度で移動した場合におけるリンクの終点への到着時刻(下限到着時刻)を算出する。同様に、リンク作成手段31は、リンクの始点が示す位置からその始点時刻に出発した注目機が下限速度で移動した場合におけるリンクの終点への到着時刻(上限到着時刻)を算出する。
次に、周辺機移動計画選別手段32は、始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分がある注目機の1つのリンクと、周辺機の1つのリンクとのリンク対をそれぞれ抽出する。周辺機移動計画選別手段32は、それぞれのリンク対を幾何モデル生成手段30に入力する。幾何モデル生成手段30は、入力されたリンク対毎に、リンク対に基づいて、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列を算出する(ステップA3)。射影行列の計算例については、後述する。幾何モデル生成手段30は、各リンク対に対応する各射影行列を周辺機移動計画選別手段32に返す。
周辺機移動計画選別手段32は、周辺機毎に、リンク対の示す時刻(例えば、始点時刻)の昇順に、リンクを選択する。そして、周辺機移動計画選別手段32は、選択したリンク対に関して、3次元空間における注目機のリンクの始点座標、および下限到着時刻、上限到着時刻に対応する点によって囲まれる領域Pを計算平面に写像する。さらに、周辺機移動計画選別手段32は、写像後の領域Lと、周辺機のリンクの始点を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面P内の円cとが重なるか否かを判定することによって、注目機と周辺機との間に異常接近が生じる可能性があるか否かを判定する。周辺機移動計画選別手段32は、この判定処理を、周辺機毎に、各リンク対に関して行う(ステップA4)。
周辺機移動計画選別手段32は、注目機と異常接近する可能性があると判定した周辺機のリンクを出力装置5に入力し、出力装置5は、そのリンクを出力する。
次に、具体例を用いて、本実施形態の動作を説明する。以下の具体例では、注目機の経路と周辺機の経路とが、互いに同一直線上になく、また、平行でもない場合を例にする。また、1つのリンクを、[(始点のx座標、始点のy座標、始点のt座標),(終点のx座標、終点のy座標、終点のt座標)]という形式で表すものとする。
注目移動計画から作成された注目機のリンクの集合に、リンクFP=[(139°45’ 00.00’’, 35°41’ 00.00’’, 12:00),(142°23’ 41.54’’, 38°19’ 17.67’’, 13:00)]が含まれているものとする。
また、周辺機Bの周辺機移動計画から作成されたリンクの集合に、リンクFP=[(141°4’ 20.77’’, 35°41’ 00.00’’, 12:00),(141°4’ 20.77’’, 38°19’ 17.67’’, 13:00)]が含まれているものとする。
同様に、周辺機Cの周辺機移動計画から作成されたリンク集合に、リンクFP=[(141°43’ 46.08’’, 35°41’ 00.00’’, 12:00),(141°43’ 46.08’’, 38°58’ 52.09’’, 13:00))]が含まれているものとする。
同様に、周辺機Dの周辺機移動計画から作成されたリンク集合に、リンクFP=[(142°23’ 41.54’’, 35°41’ 00.00’’, 12:00),(142°23’ 41.54’’, 76°38’ 35.34’’, 13:00)]が含まれているものとする。
図6は、これらのリンクFP,FP,FP,FPを3次元空間で表した模式図である。また、本例では、移動条件記憶部42に、洋上管制間隔“24km”、上限速度“640km/h”、および下限速度“240km/h”が記憶されているものとする。
リンク作成手段31は、移動計画毎にリンクの集合を作成する(ステップA1)。ここでは、注目機AのリンクFP、周辺機B,C,DのリンクFP,FP,FPに着目して説明する。
リンク作成手段31は、移動条件記憶部42から移動体の上限速度および下限速度を読み込み、リンクFPに関する下限到着時刻および上限到着時刻を算出する(ステップA2)。本例では、下限到着時刻は12:36と算出され、上限到着時刻は13:24と算出される。リンク作成手段31は、作成した移動体毎のリンクの集合、および、算出した下限到着時刻、上限到着時刻を周辺機移動計画選別手段32に入力する。
注目機のリンクFPと、周辺機の各リンクFP,FP,FPとにおいて、始点から終点までの時間に共通部分がある。従って、周辺機移動計画選別手段32は、(FP,FP)、(FP,FP)、(FP,FP)等のリンク対を幾何モデル生成手段30に入力する。
幾何モデル生成手段30は、始点から終点までの時間に共通部分があるリンク対毎に、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列を算出する(ステップA3)。以下、この射影行列をmとする。
リンク対における注目機のリンクを一般化して、FA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]と表す。すなわち、リンクFAの始点におけるx座標をxA1と表し、y座標をyA1と表し、注目機がその位置を通過する時刻をtA1と表す。そして、リンクFAの終点におけるx座標をxA2と表し、y座標をyA2と表し、注目機がその位置を通過する時刻をtA2と表す。
同様に、リンク対における周辺機のリンクを一般化して、FB=[(xB1,yB1,tB1),(xB2,yB2,tB2)]と表す。すなわち、リンクFBの始点におけるx座標をxB1と表し、y座標をyB1と表し、周辺機がその位置を通過する時刻をtB1と表す。そして、リンクFBの終点におけるx座標をxB2と表し、y座標をyB2と表し、周辺機がその位置を通過する時刻をtB2と表す。
注目機の経路と周辺機の経路とが、互いに同一直線上になく、また、平行でもない場合、幾何モデル生成手段30は、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列mを、以下の式(1)の計算によって求めることができる。
Figure 2013186989
幾何モデル生成手段30は、リンク対毎に算出した各射影行列mを周辺機移動計画選別手段32に返す。幾何モデル生成手段30は、リンク対毎に、リンクFPの始点(FPA0とする。)、リンクFPの終点のx,y座標および下限到着時刻を座標値とする点FPA1(図6参照)、リンクFPの終点のx,y座標および上限到着時刻を座標値とする点FPA2(図6参照)によって囲まれる領域Pを計算平面上に写像する。この写像においては、点FPA1,FPA2をそれぞれ計算平面に写像し、その写像によって得られた2点と、リンクFPの始点のx,y座標を座標値とする点によって囲まれる三角形を導出すればよい。
3次元空間の点FPA1,FPA2を計算平面に写像する計算について説明する。ここでは、リンク対(FP,FP)を用いて、注目機Aと周辺機Bとの間に異常接近が生じるか否かを判定する場合を例にして説明する。上記のように、注目機のリンクを[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]として一般化して表すとする。このとき、点FPA1は、(xA2,yA2,tAmin)と表すことができる。tAminは、下限到着時刻である。また、点FPA2は、(xA2,yA2,tAmaxと表すことができる。tAmaxは、上限到着時刻である。
また、射影行列mの第1行をm1と記し、射影行列の第2行をm2と記す。ここでは、リンク対(FP,FP)に関して算出された射影行列mを用いる。
周辺機移動計画選別手段32は、点FPA1を写像する場合、(xA2,yA2,0,1)とm1(射影行列mの第1行)の内積をx座標とし、(xA2,yA2,tAmin,1)とm2(射影行列mの第2行)の内積をy座標とする点に写像する。点FPA2を写像する場合には、tAminの代わりにtAmaxを用いて同様の計算を行えばよい。
この結果、周辺機移動計画選別手段32は、リンクFPの始点(計算平面における点(xA1,yA1))と、点FPA1,FPA2の写像によって得られた2点とを頂点とする計算平面内の三角形を特定することができる。
具体的には、点FPA1の写像により、図4に示す(142°23’ 41.54’’, 36°32’ 46.80’’)が得られ、点FPA2の写像により、図4に示す(142°23’ 41.54’’, 34°49’ 13.20’’)が得られる。そして、計算平面内に、図4に示す三角形の領域Lを特定することができる。
周辺機移動計画選別手段32は、周辺機Bの出発地点を中心とし、洋上管制間隔を半径とする円と、三角形の領域Lとの重なりの有無を判定することによって、注目機Aと周辺機Bとが異常接近する可能性があるか否かを判定する。本例では、三角形の領域Lに円が包含される。従って、周辺機移動計画選別手段32は、注目機Aと周辺機Bとが異常接近する可能性があると判定する(ステップA4)。
周辺機移動計画選別手段32は、周辺機C,Dに関しても同様の判定処理を行う。図7は、(FP,FP)を用いて、注目機Aと周辺機Cとの異常接近の有無を判定する場合における領域Lを示す模式図である。図8は、(FP,FP)を用いて、注目機Aと周辺機Dとの異常接近の有無を判定する場合における領域Lを示す模式図である。
図7に示すように、周辺機Cに関する判定では、領域Lに円が含まれる。従って、周辺機移動計画選別手段32は、注目機Aと周辺機Cとが異常接近する可能性があると判定する。また、図8に示すように、周辺機Dに関する判定では、領域Lと円とは重ならない。従って、周辺機移動計画選別手段32は、注目機Aと周辺機Dとが異常接近する可能性がないと判定する。
従って、本例では、周辺機移動計画選別手段32は、リンクFP,FPを出力装置5に送り、出力装置5は周辺機B,CのリンクFP,FPを出力する。
本実施形態によれば、時間軸を含む3次元空間における、注目機のリンクの始点、下限到着時刻に対応する点、上限到着時刻に対応する点によって定まる領域Pを周辺機移動計画選別手段32が計算平面上に写像する。そして、周辺機移動計画選別手段32は、周辺機のリンクの始点を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面の円cと、写像により得られた領域Lとが重なるか否かによって、注目機とその周辺機が異常接近する可能性があるか否かを判定する。すなわち、本発明によれば、注目機と周辺機との異常接近の可能性について時刻毎に判定する必要がなく、計算平面上での領域同士の重なりの有無を判定することで、注目機と周辺機が異常接近する可能性を判定することができる。また、3次元空間から計算平面への写像は簡単な行列の計算によって行うことができる。よって、注目機と周辺機が異常接近する可能性の有無を高速に判定することができる。その結果、注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機を高速に特定することができる。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
周辺機移動計画選別手段32は、領域Pを計算平面に写像する際、射影行列mの第1行(m1)および第2行(m2)を用いる。従って、幾何モデル生成手段30は、算出した射影行列mのうち、第1行および第2行のみを周辺機移動計画選別手段32に返してもよい。
また、上記の実施形態では、注目機のリンクの始点時刻と、周辺機のリンクの始点時刻が共通である場合を例にして説明した。注目機および周辺機のリンク対において、2つのリンクの始点時刻が異なる場合には、始点時刻が早い方のリンク始点座標(x,y,t)を、ステップA3,A4の処理で便宜的に置き換えればよい。具体的には、始点時刻が早い方のリンク始点座標(x,y,t)を、始点時刻がもう一方のリンクの始点時刻と揃うように置き換えればよい。例えば、注目機のリンクFA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]と、周辺機のリンクFB=[(xB1,yB1,tB1),(xB2,yB2,tB2)]が与えられたとする。tA1がtB1よりも早い時刻である場合、幾何モデル生成手段30は、リンクFAと計算平面(t=tB1)との交点座標で、リンクFAの始点を置き換え、その始点を用いて射影行列mを算出すればよい。また、周辺機移動計画選別手段32は、リンクFAと計算平面(t=tB1)との交点を、リンクFAの始点とみなし、その点を領域Lの1つの頂点とすればよい。この場合、置き換え後のリンクFAの始点を元にして、リンク作成手段31が下限到着時刻および上限到着時刻を再計算すればよい。また、tB1がtA1よりも早い時刻である場合、リンクFBと計算平面(t=tA1)との交点座標をリンクFBの始点とみなして、その交点を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面の円cを定めればよい。その他の動作は、上記の第1の実施形態と同様である。
実施形態2.
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理によって注目機と異常接近する可能性があると判定した周辺機を対象にして、注目機と周辺機とが異常接近するか否かを判定する。そして、注目機と異常接近する周辺機が存在する場合、その異常接近を回避するように注目機の移動計画を変更する。
図9は、本発明の第2の実施形態の移動計画処理システムの構成例を示すブロック図である。第1の実施形態の構成要素と同様の要素については、図1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態では、データ処理装置3が、リンク作成手段31と、周辺機移動計画選別手段32と、幾何モデル生成手段30と、リンク調整幅計算手段33と、調整移動計画決定手段34とを備える。
第2の実施形態では、幾何モデル生成手段30は、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列mだけでなく、その逆写像(計算平面から3次元空間への写像)を表す射影行列(Mとする。)も算出する。第2の実施形態においても、注目機の経路と周辺機の経路とが、互いに同一直線上になく、また、平行でもない場合を例にして説明する。
リンク対における注目機のリンクを一般化して、FA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]と表し、リンク対における周辺機のリンクを一般化して、FB=[(xB1,yB1,tB1),(xB2,yB2,tB2)]と表すものとする。この場合、幾何モデル生成手段30は、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列mを前述の式(1)の計算で算出することができる。また、幾何モデル生成手段30は、その逆写像を表す射影行列Mを以下の式(2)の計算によって求めることができる。
Figure 2013186989
本実施形態では、周辺機移動計画選別手段32は、注目機と異常接近する可能性があると判定した周辺機のリンクのリストを、リンク調整幅計算手段33に入力する。また、周辺機移動計画選別手段32は、それらのリンクと対になっていた注目機のリンクもリンク調整幅計算手段33に入力する。リンク調整幅計算手段33は、周辺機移動計画選別手段32から入力されたリンクに基づいて、注目機と周辺機が異常接近するか否かを判定し、異常接近が発生する場合には、異常接近を回避する注目機の速度を算出する。なお、リンク調整幅計算手段33は、異常接近を回避できないと判定する場合もある。
図10は、異常接近の回避速度の算出を幾何的に示す模式図である。図10では、図3と同様の注目機のリンクFAおよび周辺機のリンクFBを示す。ただし、FA,FBの始点時刻は12:00であり、FA,FBの終点時刻は13:00である。本例では、注目機および周辺機は12:24に衝突することになる。
第1の実施形態で説明したように、楕円dは、注目機の速度を変化させることで規定される平面と、周辺機のリンクFBおよび洋上管制間隔により規定される斜柱体H(図3参照)との交差である。そして、円cは、3次元空間内の楕円dを、リンクFBの方向に沿って計算平面上に写像した円に相当する。この円cは、楕円dを写像しなくても、周辺機のリンクの始点を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面内の円として定めることができる。
リンク調整幅計算手段33は、リンクFAの始点を通過し、円cに接する接線を求める。そして、その接線と円cの接点を3次元空間に写像し、注目機のリンクの始点と、その点とを通過する直線(図10に示すl,l)の傾きにより、異常接近を回避する注目機の速度(回避速度)を算出する。なお、l,lは楕円dに接する。
図10に示す例では、到着時刻が12:47:45.1536以前になるような速度で注目機が移動すれば、注目機と周辺機の異常接近を回避できる。また、到着時刻が13:12:45.1536以後になるような速度で注目機が移動した場合にも、注目機と周辺機の異常接近を回避できる。
リンク調整幅計算手段33は、回避速度を算出し、その速度で移動可能かを判定することを繰り返し、どの周辺機とも異常接近しない速度を決定する。ただし、異常接近の回避が不可能である旨の判定を行う場合もある。
調整移動計画決定手段34は、リンク調整幅計算手段33によって算出された注目機の回避速度を参照し、その回避速度に基づいて、周辺機と異常接近すると判定された注目機のリンク以降の各リンクを時系列順に走査し、注目機の通過時刻(リンクの始点時刻、終点時刻)を修正する。
リンク調整幅計算手段33、調整移動計画決定手段34は、例えば、移動計画処理プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。リンク調整幅計算手段33、調整移動計画決定手段34は、それぞれ他の要素とは別のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、第2の実施形態の処理経過について説明する。図11は、本発明の第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。ステップA1〜A4の処理は、第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、本実施形態では、幾何モデル生成手段30は、ステップA3において、射影行列mだけでなく、計算平面から3次元空間への写像を表す射影行列Mも計算する。また、周辺機移動計画選別手段32は、ステップA4で、注目機と異常接近する可能性があると判定した周辺機のリンクのリストを、リンク調整幅計算手段33に入力する。また、周辺機移動計画選別手段32は、それらのリンクと対になっていた注目機のリンクもリンク調整幅計算手段33に入力する。
以下、本実施形態においても、説明を簡単にするため、注目機のリンクおよび各周辺機のリンクにおいて、始点時刻が共通であるものとする。
リンク調整幅計算手段33は、例えば、入力された注目機のリンクにおける注目機の速度を算出する。この速度は、注目機移動計画に従って移動した場合における元々の注目機の移動速度である。リンク調整幅計算手段33は、注目機の変更後の速度(以下、変更速度と記す。)を、この元々の注目機の速度で初期化し、変更速度候補キューに追加する(ステップB5)。例えば、注目機が(139°45’ 00.00’’, 35°41’ 00.00’’)の地点から(142°23’ 41.54’’, 38°19’ 17.67’’)の地点へ1時間で移動する場合、注目機の移動速度は340(km/h)である。この場合、リンク調整幅計算手段33は、変更速度を340(km/h)として変更速度候補キューに追加し、変更速度候補キューを{340(km/h)}と初期化する。ステップB5の後、ステップB6に移行する。
ステップB6において、リンク調整幅計算手段33は、変更速度候補キューから変更速度を1つ取り出す。なお、リンク調整幅計算手段33は、取り出した変更速度を変更速度候補キューから削除する。リンク調整幅計算手段33は、取り出した変更速度で移動した場合の注目機のリンクと、個々の周辺機のリンクとを用いて、注目機と周辺機とが異常接近するか否かを判定する(ステップB6)。例えば、例示した340(km/h)を取り出した場合、リンク調整幅計算手段33は、340(km/h)の導出に用いた注目機のリンクと、周辺機のリンクとを用いて、ステップB6の判定処理を行う。ステップB6では、各周辺機のリンク毎に判定処理を行う。
ステップB6の判定は、注目機と周辺機とが異常接近する可能性があるか否かの判定ではなく、注目機と周辺機とが異常接近するか否かの判定である。そのため、リンク調整幅計算手段33は、領域Lと円cとの交差を判定するのではなく、注目機のリンクを3次元空間から計算平面に写像し、その写像によって得られた線分と円cとの交差判定によって、注目機と周辺機とが異常接近するか否かを判定する。リンク調整幅計算手段33は、線分と円cとが交差すれば、異常接近が生じると判定し、線分と円cとが交差しなければ異常接近は生じないと判定する。
3次元空間から計算平面への注目機のリンクの写像について説明する。注目機のリンクをFA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]と表すものとする。この場合、リンクFAの写像の結果となる線分は、以下のように定めることができる。リンク調整幅計算手段33は、(xA1,yA1)を線分の始点とする。また、リンク調整幅計算手段33は、(xA2,yA2,0,1)とm1(射影行列mの第1行)の内積をx座標とし、(xA2,yA2,tA2,1)とm2(射影行列mの第2行)の内積をy座標とする点を、線分sの終点とする。
また、周辺機のリンクをFB=[(xB1,yB1,tB1),(xB2,yB2,tB2)]と表すものとする。円cは、(xB1,yB1)を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面の円である。
図10に示すリンクFAが、図6に示すリンクFPであり、図10に示すリンクFBが、図6に示すリンクFPであるものとする。すると線分sおよび円cは、図10に示す通りである。具体的には、線分sは、(139°45’ 00.00’’, 35°41’ 00.00’’)および(142°23’ 41.54’’, 35°41’ 00.00’’)を端点として持つ。また、円cは、中心が(141°4’ 20.77’’, 35°41’ 00.00’’)を中心とし、半径が24kmの円である。
注目機と各周辺機の間に異常接近が生じないと判定した場合(ステップB7におけるNO)、リンク調整幅計算手段33は、ステップB6で取り出した注目機の速度を調整移動計画決定手段34に入力する。調整移動計画決定手段34は、その変更速度に基づいて、ステップB6で用いた注目機のリンク(リンク調整幅計算手段33から入力されたリンク)以降の各リンクを時系列順に走査し、注目機の通過時刻(注目機のリンクの始点時刻、終点時刻)を修正する(ステップB8)。そして、リンク調整幅計算手段33は、修正した注目機のリンクを出力装置5に出力させる。なお、変更速度が元々の注目機の速度(上記の例では、340(km/h))である場合、修正前後で注目機の通過時刻は変化しない。
また、注目機といずれかの周辺機の間に異常接近が生じると判定した場合(ステップB7におけるYES)、リンク調整幅計算手段33は、注目機の回避速度を計算し、その回避速度を変更速度候補キューに追加する(ステップB9)。以下、回避速度の計算方法について説明する。
リンク調整幅計算手段33は、線分sの始点を通る円cの接線と円cとの接点の座標を算出する。リンク調整幅計算手段33は、計算平面から3次元空間への写像を表す射影行列Mを用いて、その接点の座標を3次元空間に写像する。接点の座標を(x,y)と表す。リンク調整幅計算手段33は、(x,y,tA1,1)というベクトルを定める。このベクトルをpとする。tA1は注目機のリンクの始点時刻であるが、本実施形態では、注目機および周辺機の始点時刻が共通である。また、射影行列Mの第1行をM1とし、第2行をM2とし、第3行をM3とする。
リンク調整幅計算手段33は、p=(x,y,tA1,1)とM1との内積p・M1、ベクトルpとM2との内積p・M2、および、ベクトルpとM3との内積p・M3を計算する。このとき(p・M1,p・M2,p・M3)を座標値として持つ3次元空間内の点が、計算平面内の接点を3次元空間に写像した点である。
リンク調整幅計算手段33は、注目機のリンクの始点と、この写像後の点を通過し、注目機のリンクの終点におけるx座標xA2、y座標yA2に対応するt座標を算出する。このt座標は、円cの接線に基づいて算出した注目機の終点到着時刻である。リンク調整幅計算手段33は、この終点到着時刻と注目機のリンクの始点時刻との時間差と、2次元平面における注目機のリンクの始点から終点までの距離とに基づいて、注目機の変更速度を算出する。
なお、図10に示すように円cの接線は2つ得られるので、注目機の変更速度も2つ得られる。リンク調整幅計算手段33は、円cの接線毎に注目機の変更速度を算出する。図10に示す例では、回避速度として、到着時刻を12:47:45.1536に早めた場合の速度として427.2022(km/h)が算出され、到着時刻を13:12:45.1536に遅くした場合の速度として280.4025(km/h)が算出される。
ステップB9において、リンク調整幅計算手段33は、算出した変更速度のうち、移動条件として定められた上限速度を超える速度、および下限速度より低い速度を除外し、除外されずに残った変更速度を変更速度候補キューに追加する。前述の例のように上限速度“640km/h”および下限速度“240km/h”が定められているとする。そして、上記のように427.2022(km/h)、280.4025(km/h)が算出された場合、これらの変更速度は、下限速度から上限速度までの範囲内に該当する。従って、これらの変更速度は除外されることなく、変更速度候補キューに追加される。この結果、変更速度候補キューは{427.2022(km/h),280.4025(km/h)}となる。
ステップB9の後、リンク調整幅計算手段33は、変更速度候補キューが空であるか否かを判定する(ステップB10)。ステップB10において、変更速度候補キューが空であるということは、注目機といずれかの周辺機の間に異常接近が生じるが、その異常接近を回避可能な変更速度は下限速度から上限速度までの範囲内にないことを意味する。変更速度候補キューが空である場合(ステップB10におけるYES)、リンク調整幅計算手段33は、速度変更では注目機と周辺機との異常接近を回避できない旨を出力装置5に送り、出力装置5はその旨のメッセージを出力し、処理を終了する。
変更速度候補キューが空でない場合、リンク調整幅計算手段33は、前回のステップB6で注目機と異常接近すると判定された周辺機のリンクを、周辺機移動計画選別手段32から入力されたリンクの中から除去する(ステップB12)。
ステップB12の後、リンク調整幅計算手段33は、ステップB6以降の処理を繰り返す。ただし、ステップB12からステップB6に移行した場合、リンク調整幅計算手段33は、ステップB12で除去されずに残った各周辺機毎に、注目機との間に異常接近が生じるか否かを判定する。
また、ステップB12の後、ステップB6を実行する場合、リンク調整幅計算手段33は、前回のステップB9で追加された2つの変更速度のうち、前回のステップB6で取り出した変更速度に近い方の変更速度を優先的に取り出す。例えば、前回のステップB9の結果、変更速度候補キューが{427.2022(km/h),280.4025(km/h)}となっていて、前回のステップB6で取り出した変更速度が340(km/h)である場合、リンク調整幅計算手段33は、340(km/h)により近い280.4025 (km/h)を取り出す。
また、例えば、図12に例示するように、速度を速めた場合の到着時刻が12:41:32.5392が算出され、速度を遅くした場合の到着時刻が13:12:45.1536であるとする。この場合にも、これら2つの到着時刻に対応する2つの速度が得られる。これらの2つの速度が変更速度候補キューに追加され、その後、再度ステップB6を実行する場合にも、リンク調整幅計算手段33は、前回のステップB6で取り出した変更速度に近い方の変更速度を優先的に取り出す。
また、2回目以降のステップB9の処理では、算出した速い側の変更速度が、前回のステップB9において速い側の変更速度として算出した速度より遅い場合、その変更速度は変更速度候補キューに追加しない。同様に、算出した遅い側の変更速度が、前回のステップB9において遅い側の変更速度として算出した速度より速い場合、その変更速度は変更速度候補キューに追加しない。
注目機と各周辺機の間に異常接近が生じないとステップB6で判定した場合(ステップB7におけるNO)、リンク調整幅計算手段33は、ステップB6で取り出した注目機の速度を調整移動計画決定手段34に入力する。調整移動計画決定手段34は、その変更速度に基づいて、ステップB6で用いた注目機のリンク以降の各リンクを時系列順に走査し、注目機の通過時刻を修正する(ステップB8)。リンク調整幅計算手段33は、修正した注目機のリンクを出力装置5に出力させる。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の処理で注目機と異常接近する可能性のある周辺機のリンクを特定する。そして、その周辺機のリンクと、注目機のリンクを用いて、注目機と周辺機との間に異常接近が生じるか否かを判定し、異常接近が生じる場合には、注目機の回避速度を算出して注目機の通過時刻を修正する。従って、注目機との間に異常接近が生じるか否かの判定対象となる周辺機のリンクを絞り込むことができ、注目機と周辺機との間に異常接近が生じるか否かの判定回数や、回避速度の算出回数を削減することができる。その結果、注目機の移動計画の調整を高速に行うことができる。
次に、第2の実施形態の変形例を示す。
上記の第2の実施形態では、周辺機と異常接近する注目機のリンクに関して回避速度を決定した場合、その回避速度で、そのリンク全体を移動するように移動計画を調整することになる。注目機のリンクにおいて、移動速度の変更位置を外部から指定し、その位置から速度を変更するように移動計画を調整する構成であってもよい。例えば、ステップA1の後、リンク作成手段31が作成した注目機のリンクの集合に含まれるいずれかのリンクに関して、管理者から速度変更開始位置を入力された場合、リンク作成手段31は、指定された速度変更開始位置でその注目機のリンクを分割し、1つのリンクを2つのリンクに分ける。そして、ステップA2以降の処理を行えばよい。このように、1つのリンクを指定された位置で分割することによって、分割前の元のリンクにおける途中の位置から回避速度を適用することができる。
また、ステップB6〜B12の繰り返し処理において、注目機のリンクと周辺機のリンクの始点時刻が異なる場合には、第1の実施形態の変形例で示したように、便宜的に、始点時刻が早いリンクの始点座標を置き換えればよい。すなわち、始点時刻が早いリンク始点座標(x,y,t)を、始点時刻が最も遅いリンクの始点時刻と揃うように置き換えればよい。そして、上記のステップB6〜B12の処理を行えばよい。
実施形態3.
注目機の1つのリンク全体に渡って回避速度を適用し、そのリンクにおいて注目機が回避速度で等速直線移動した場合、ある1つの周辺機Bとの異常接近を回避できても、別の周辺機Cとの異常接近を回避できない場合があり得る。第2の実施形態の変形例では、管理者が注目機のリンクにおいて速度変更開始位置を指定し、その速度変更開始位置で注目機のリンクを2つのリンクに分割することで、元のリンクにおける途中の位置(速度変更開始位置)からの回避速度を求める場合を示した。第3の実施形態では、注目機のリンクにおいて速度変更開始位置をデータ処理装置3自身が特定する。そして、その速度変更開始位置で注目機のリンクを2つのリンクに分割することで、元のリンクにおける途中の位置からの回避速度を求める。
図13は、本発明の第3の実施形態の移動計画処理システムの構成例を示すブロック図である。第2の実施形態の構成要素と同様の要素については、図9と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態では、データ処理装置3が、リンク作成手段31と、周辺機移動計画選別手段32と、幾何モデル生成手段30と、リンク調整幅計算手段33と、調整移動計画決定手段34と、速度変更開始位置算出手段36とを備える。
幾何モデル生成手段30は、与えられたリンク対に対して、第2の実施形態と同様に射影行列m,Mを算出する。
本実施形態では、周辺機移動計画選別手段32は、始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分がある注目機の1つのリンクと、周辺機の1つのリンクとのリンク対をそれぞれ抽出する。そして、周辺機移動計画選別手段32は、その各リンク対を幾何モデル生成手段30に入力して、幾何モデル生成手段30からリンク対毎の行列m,Mを得る。そして、周辺機移動計画選別手段32は、リンク対および行列m,Mの組み合わせ毎に、注目機と周辺機が異常接近するかを判定する。さらに、周辺機移動計画選別手段32は、異常接近時刻が最も早い注目機および周辺機のリンク対を特定する。
速度変更開始位置算出手段36は、注目機との異常接近時刻が最も早い周辺機のリンクにおける円cを利用して、注目機のリンクにおける速度変更開始位置を算出し、その注目機のリンクを速度変更開始位置で分割し、分割後の注目機のリンクを周辺機移動計画選別手段32に送る。
なお、本実施形態においても、説明を簡単にするために、注目機のリンクおよび各周辺機のリンクにおいて、始点時刻が共通であるものとして各処理を説明する。注目機のリンクと周辺機のリンクの始点時刻が異なる場合には、第1の実施形態や第2の実施形態の変形例で示したように、便宜的に、始点時刻が早いリンクの始点座標を置き換えればよい。すなわち、始点時刻が早いリンク始点座標(x,y,t)を、始点時刻が最も遅いリンクの始点時刻と揃うように置き換えればよい。
速度変更開始位置算出手段36は、例えば、移動計画処理プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。速度変更開始位置算出手段36は、他の要素とは別のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、第3の実施形態の処理経過について説明する。図14は、本発明の第3の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。ステップA1〜A3の処理は、第2の実施形態と同様であり、説明を省略する。
ステップA3の後、周辺機移動計画選別手段32は、始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分があるリンク対および射影行列m,Mの組み合わせ毎に、注目機と周辺機が異常接近するか否かを判定する。そして、周辺機移動計画選別手段32は、注目機と異常接近する周辺機のうち、異常接近時刻が最も早い周辺機を特定する(ステップC1)。
1つのリンク対を対象にして注目機と周辺機が異常接近するか否かを判定する処理は、第2の実施形態におけるステップB6の判定処理と同様である。すなわち、周辺機移動計画選別手段32は、注目機のリンクをFA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]とした場合、(xA1,yA1)が始点であり、(xA2,yA2,0,1)とm1(射影行列mの第1行)の内積をx座標とし、(xA2,yA2,tA2,1)とm2(射影行列mの第2行)の内積をy座標とする点が終点である線分sを算出する。周辺機のリンクをFB=[(xB1,yB1,tB1),(xB2,yB2,tB2)]とした場合、(xB1,yB1)を中心とし、半径が洋上管制間隔である計算平面の円を円cとする。周辺機移動計画選別手段32は、線分sと円cが交差すれば注目機と周辺機が異常接近すると判定し、交差しなければ異常接近しないと判定すればよい。
そして、周辺機移動計画選別手段32は、異常接近が生じると判定したリンク対の中から、線分sの始点から、線分sと円cとの交点までの距離が最も短いリンク対を特定する。周辺機移動計画選別手段32は、そのリンク対、およびそのリンク対に対して算出された射影行列m,Mを速度変更開始位置算出手段36に入力する。
注目機と異常接近する周辺機が存在しない場合(ステップC2におけるYES)、周辺機移動計画選別手段32は、注目機の移動計画を修正する必要がない旨の情報を移動計画決定手段34に送り、移動計画決定手段34は、注目機の移動計画を修正しないことを決定する(ステップB8)。
注目機と異常接近する周辺機が存在する場合(ステップC2におけるNO)、速度変更開始位置算出手段36は、ステップC1で周辺機移動計画選別手段32から入力されたリンク対(すなわち、最も早い時刻に異常接近する注目機および周辺機のリンク対)およびそのリンク対の射影行列m,Mを利用して速度変更開始位置を算出する(ステップC3)。
速度変更開始位置算出手段36は、入力されたリンク対における注目機のリンクの終点時刻を下限到着時刻(上限到着時刻でもよい。)で置き換えたリンクを生成する。図3を参照して説明すると、速度変更開始位置算出手段36は、注目機のリンクFAの終点をE(Eでもよい。)に置き換えたリンクを生成する。ここでは、注目機のリンクの終点時刻を下限到着時刻または上限到着時刻で置き換えたリンクを生成する場合を示したが、他の所定の速度で移動した場合の到着時刻で終点時刻を置き換えたリンクを生成してもよい。下限到着時刻または上限到着時刻を用いる場合、ステップA2で算出された下限到着時刻または上限到着時刻を利用することができる。以下、注目機のリンクの終点時刻を下限到着時刻で置き換えたリンク(すなわち、注目機が上限速度で移動する場合のリンク)を生成した場合を例にする。
速度変更開始位置算出手段36は、射影行列mを用いて、そのリンクを計算平面上の線分に写像する。また、速度変更開始位置算出手段36は、注目機の元のリンクも計算平面上の線分に写像する。リンクを計算平面上に写像する処理については、既に説明したので、ここでは説明を省略する。
図15は、計算平面を示す模式図である。すなわち、図3等に示した例では、図示した立方体の底面を含む平面が計算平面に該当し、図15では、そのような計算平面を図示している。図15に示すpA1は、2次元平面における注目機の始点であり、pA2は、2次元平面における注目機の終点である。pA1,p maxを端点とする線分は、注目機が上限速度で移動する場合のリンクを計算平面上に写像した結果得られる線分である。以下、この線分をsと記す。
A1およびp A2を端点とする線分sは、注目機の元のリンクを計算平面上に写像した結果得られる線分である。
また、xB1は、周辺機Bの始点である。円cは、この始点xB1を中心とし、半径が洋上管制間隔の円である。速度変更開始位置算出手段36は、線分sに平行な直線であって、円cに接する直線sを算出し、直線sと線分sとの交点pを算出する。線分sに平行な直線であって、円cに接する直線は2つ存在するので、その直線と線分sとの交点も2点存在し得るが、速度変更開始位置算出手段36は、線分sの始点sA1に近い方の点pを算出する。
そして、速度変更開始位置算出手段36は、射影行列Mを用いて、計算平面上の点pを3次元空間に写像する。pは線分s上の点であるので、3次元空間へのpの写像結果は注目機のリンク上に存在する。計算平面上の点を3次元空間に写像する処理は、第2の実施形態で説明したステップB9においてリンク調整幅計算手段33が計算平面上の接点を3次元空間に写像する処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
点pを3次元空間に写像した結果得られる注目機のリンク上の点が速度変更開始位置である。
次に、速度変更開始位置算出手段36は、その注目機のリンクを速度変更開始位置で2つに分割する。例えば、注目機のリンクがFA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]であるとし、速度変更開始位置が(xA3,yA3,tA3)であるとすれば、分割前のリンクの始点から速度変更開始位置までのリンク[(xA1,yA1,tA1),(xA3,yA3,tA3)]と、速度変更開始位置から分割前のリンクの終点までのリンク[(xA3,yA3,tA3),(xA2,yA2,tA2)]とに分割すればよい。そして、速度変更開始位置算出手段36は、分割後のリンクについて、それぞれ上限到着時刻および下限到着時刻を算出する(ステップC4)。
速度変更開始位置算出手段36は、注目機の分割後のリンク、および分割後のリンクの限到着時刻および下限到着時刻を周辺機移動計画選別手段32に入力する。
次に、周辺機移動計画選別手段32は、注目機と異常接近する可能性のある周辺機を判定する(ステップA4’)。この処理は、第1および第2の実施形態におけるステップA4と同様の処理である。ただし、ステップC4における分割によって生成された注目機のリンクについては、始点時刻から終点時刻までの時間に共通部分がある周辺機のリンクを探索し直し、その結果得られたリンク対に関しては、幾何モデル生成手段30に射影行列m,Mを算出させる。その上で、第1および第2の実施形態におけるステップA4と同様の処理を行う。
ステップA4’に続くステップB5以降の処理は、第2の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、注目機のリンクに関して、そのリンクの途中の点から所定の変更速度(例えば、上限速度または下限速度)で移動した場合に、最も早い時刻に異常接近する周辺機を回避し得る速度変更開始位置を算出する。その結果、その周辺機よりも遅い時刻に異常接近する予定であった周辺機との異常接近も回避することができ、異常接近する可能性がある周辺機の数を少なくすることができる。
図16は、第3の実施形態の効果の具体例を示す模式図である。図16に示す注目機Aのリンクおよび周辺機Bのリンクは、図4に示すリンクと同一である。また、図16に示す周辺機C’のリンクがFPC’=[(141°43’ 46.08’’, 35°41’ 00.00’’, 12:00), (141°43’ 46.08’’, 38°19’ 17.67’’, 12:36)]であるとする。この場合、第3の実施形態の処理で算出される速度変更開始位置の時刻(t座標)は、13:13:50.6712となり、注目機がこの時刻から上限速度で航行した場合、12:41:32.2692に終点に到着する。この場合、周辺機移動計画選別手段32は、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の中から周辺機C’を除外することができる。
上記の各実施形態では、注目機の経路と周辺機の経路とが、互いに同一直線上になく、また、平行でもない場合を示した。以下、注目機および周辺機の経路が、互いに同一直線上に存在するか、あるいは、平行である場合における射影行列について示す。図17は、注目機および周辺機の経路が、互いに同一直線上に存在するか、あるいは、平行である場合における周辺機のリンクFBから定まる斜柱体Hと、領域P(図17において図示略。図3参照。)を含む平面との交差を示す模式図である。図17では、斜柱体Hの断面となる円Hを示している。図17に示すように、この場合、斜柱体Hと平面の交差は、楕円ではなく、平行四辺形dとなる。なお、注目機のリンクは、FA=[(xA1,yA1,tA1),(xA2,yA2,tA2)]であるとする。
このような場合、周辺機が形成する直線の代用として、点(xA2,yA2,tA2)を通り、計算平面と交差する任意の直線を用いることができる。ここでは、以下に示す式(3)で表される直線を用いるものとする。
(yA2−yA1)x+(−xA2+xA1)y+xA2A1−xA1A2=0
式(3)
この直線は、図18に示すように、点(xA2,yA2,tA2)を通り、平面t=tA1と45°をなす直線である。
この場合、幾何モデル生成手段30は、計算平面から3次元空間への写像を表す射影行列Mとして、以下の式(4)で定まる行列を算出すればよい。
Figure 2013186989
ただし、Dは、以下の式(5)の計算によって求められる値である。
Figure 2013186989
また、c,c,cは、それぞれ、以下の式(6)から式(8)の計算によって求められる値である。
=y/D 式(6)
=x/D 式(7)
=t/D 式(8)
また、D、x,y,tは、それぞれ、以下の式(9)から式(12)の計算によって求められる値である。
=x +y 式(9)
=xA2−xA1 式(10)
=yA2−yA1 式(11)
=tA2−tA1 式(12)
また、幾何モデル生成手段21は、3次元空間から計算平面への写像を表す射影行列mとして、以下の式(13)で定まる行列を算出すればよい。
Figure 2013186989
ただし、c,cは、それぞれ、以下の式(14)、式(15)の計算によって求められる値である。
=y/t 式(14)
=−x/t 式(15)
注目機および周辺機の経路が互いに同一直線上に存在するか、あるいは、平行である場合には、幾何モデル生成手段30は、例えば、式(4)、式(13)で求められる射影行列M,mを算出する。射影行列M,mの算出以外については、既に説明した各実施形態と同様である。
次に、本発明の最小構成について説明する。図19は、本発明の最小構成の例を示すブロック図である。本発明の移動計画処理システムは、区間情報作成手段71と、到着時刻算出手段72と、射影行列算出手段73と、周辺機選別手段74とを備える。
区間情報作成手段71(例えば、リンク作成手段31)は、移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報(例えば、リンク)の集合を作成する。
到着時刻算出手段72(例えば、ステップA2を実行するリンク作成手段31)は、注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出する。
射影行列算出手段73(例えば、幾何モデル生成手段30)は、注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対(例えば、リンク対)に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列(例えば、射影行列m)を算出する。
周辺機選別手段74(例えば、周辺機移動計画選別手段32)は、区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域(例えば、図3に例示する領域P)を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域(例えば、領域L)と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する。
このような構成によって、注目機との間に異常接近が生じる可能性がある周辺機を高速に特定することができる。
また、射影行列算出手段が、区間情報対に基づいて、2次元平面から3次元空間への写像を表す第2の射影行列(例えば、射影行列M)を算出し、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって線分を定め、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の通過位置を中心とし、閾値を半径とする円とその線分とが交差する場合に、その線分の始点を通過する円の接線と円との接点の座標を算出し、第2の射影行列を用いて、当該接点の座標を3次元空間内の点に写像し、当該点の座標に基づいて、変更後の速度に対応する注目機の区間情報および変更後の速度を算出することを繰り返すことによって、注目機と異常接近する可能性があると判定された各周辺機との異常接近を回避する回避速度を求める回避速度導出手段(例えば、リンク調整幅計算手段33)を備える構成であってもよい。
また、区間情報作成手段71が、注目機の区間情報を、外部から指定された点を境界として2つの区間情報に分割する構成であってもよい。
また、周辺機選別手段74が、注目機との異常接近時刻が最も早い周辺機を特定し、
その周辺機の通過位置を中心とし、閾値を半径とする円と、移動体の所定の速度とに基づいて、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報が示す区間における速度変更点を算出し、その注目機の区間情報を当該速度変更点(例えば、速度変更開始位置)を境界として2つの区間情報に分割し、分割後の区間情報における上限到着時刻および下限到着時刻を算出する区間情報分割手段を備える構成であってもよい。
この出願は、2012年6月13日に出願された日本特許出願2012−133865を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、移動体の移動計画に基づいて、注目機と異常接近する可能性のある周辺機を特定するシステムに好適に適用される。
30 幾何モデル生成手段
31 リンク作成手段
32 周辺機移動計画選別手段
33 リンク調整幅計算手段
34 調整移動計画決定手段
36 速度変更開始位置算出手段

Claims (12)

  1. 移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報の集合を作成する区間情報作成手段と、
    注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出する到着時刻算出手段と、
    注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列を算出する射影行列算出手段と、
    区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、前記第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する周辺機選別手段を備える
    ことを特徴とする移動計画処理システム。
  2. 射影行列算出手段は、区間情報対に基づいて、2次元平面から3次元空間への写像を表す第2の射影行列を算出し、
    注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって線分を定め、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の通過位置を中心とし、前記閾値を半径とする円と前記線分とが交差する場合に、前記線分の始点を通過する前記円の接線と前記円との接点の座標を算出し、前記第2の射影行列を用いて、当該接点の座標を3次元空間内の点に写像し、当該点の座標に基づいて、変更後の速度に対応する注目機の区間情報および変更後の速度を算出することを繰り返すことによって、注目機と異常接近する可能性があると判定された各周辺機との異常接近を回避する回避速度を求める回避速度導出手段を備える
    請求項1に記載の移動計画処理システム。
  3. 区間情報作成手段は、注目機の区間情報を、外部から指定された点を境界として2つの区間情報に分割する
    請求項2に記載の移動計画処理システム。
  4. 周辺機選別手段は、注目機との異常接近時刻が最も早い周辺機を特定し、
    前記周辺機の通過位置を中心とし、前記閾値を半径とする円と、移動体の所定の速度とに基づいて、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報が示す区間における速度変更点を算出し、前記注目機の区間情報を当該速度変更点を境界として2つの区間情報に分割し、分割後の区間情報における上限到着時刻および下限到着時刻を算出する区間情報分割手段を備える
    請求項2に記載の移動計画処理システム。
  5. 移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報の集合を作成し、
    注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出し、
    注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列を算出し、
    区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、前記第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する
    ことを特徴とする移動計画処理方法。
  6. 区間情報対に基づいて、2次元平面から3次元空間への写像を表す第2の射影行列を算出し、
    注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって線分を定め、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の通過位置を中心とし、前記閾値を半径とする円と前記線分とが交差する場合に、前記線分の始点を通過する前記円の接線と前記円との接点の座標を算出し、前記第2の射影行列を用いて、当該接点の座標を3次元空間内の点に写像し、当該点の座標に基づいて、変更後の速度に対応する注目機の区間情報および変更後の速度を算出することを繰り返すことによって、注目機と異常接近する可能性があると判定された各周辺機との異常接近を回避する回避速度を求める
    請求項5に記載の移動計画処理方法。
  7. 注目機の区間情報を、外部から指定された点を境界として2つの区間情報に分割する
    請求項6に記載の移動計画処理方法。
  8. 注目機との異常接近時刻が最も早い周辺機を特定し、
    前記周辺機の通過位置を中心とし、前記閾値を半径とする円と、移動体の所定の速度とに基づいて、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報が示す区間における速度変更点を算出し、前記注目機の区間情報を当該速度変更点を境界として2つの区間情報に分割し、分割後の区間情報における上限到着時刻および下限到着時刻を算出する
    請求項6に記載の移動計画処理方法。
  9. コンピュータに、
    移動計画の調整対象となる移動体である注目機の移動計画、および、注目機以外の移動体である周辺機毎の移動計画からそれぞれ、始点および終点の情報として移動体の通過位置の2次元座標およびその通過時刻を座標値とする3次元座標を有する区間情報の集合を作成する区間情報作成処理、
    注目機の各区間情報に対して、上限速度で移動した場合の終点到着時刻である下限到着時刻および下限速度で移動した場合の終点到着時刻である上限到着時刻を算出する到着時刻算出処理、
    注目機の1つの区間情報と周辺機の1つの区間情報とを有する区間情報対に基づいて、3次元空間から2次元平面への写像を表す第1の射影行列を算出する射影行列算出処理、および、
    区間情報対毎に、注目機の区間情報の始点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および下限到着時刻を座標値とする点と、当該区間情報の終点の通過位置座標および上限到着時刻を座標値とする点とによって規定される3次元空間内の領域を、前記第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって得られる領域と、周辺機の通過位置を中心とし、異常接近が生じるか否かの判定基準となる閾値を半径とする円との交差判定を行うことによって、注目機と異常接近する可能性がある周辺機を選別する周辺機選別処理
    を実行させるための移動計画処理プログラム。
  10. コンピュータに、
    射影行列算出処理で、区間情報対に基づいて、2次元平面から3次元空間への写像を表す第2の射影行列を算出させ、
    注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報を、第1の射影行列を用いて2次元平面に写像することによって線分を定め、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の通過位置を中心とし、前記閾値を半径とする円と前記線分とが交差する場合に、前記線分の始点を通過する前記円の接線と前記円との接点の座標を算出し、前記第2の射影行列を用いて、当該接点の座標を3次元空間内の点に写像し、当該点の座標に基づいて、変更後の速度に対応する注目機の区間情報および変更後の速度を算出することを繰り返すことによって、注目機と異常接近する可能性があると判定された各周辺機との異常接近を回避する回避速度を求める回避速度導出処理
    を実行させる請求項9に記載の移動計画処理プログラム。
  11. コンピュータに、
    区間情報作成処理で、注目機の区間情報を、外部から指定された点を境界として2つの区間情報に分割させる
    請求項10に記載の移動計画処理プログラム。
  12. コンピュータに、
    周辺機選別処理で、注目機との異常接近時刻が最も早い周辺機を特定させ、
    前記周辺機の通過位置を中心とし、前記閾値を半径とする円と、移動体の所定の速度とに基づいて、注目機と異常接近する可能性がある周辺機の区間情報と対になる注目機の区間情報が示す区間における速度変更点を算出し、前記注目機の区間情報を当該速度変更点を境界として2つの区間情報に分割し、分割後の区間情報における上限到着時刻および下限到着時刻を算出する区間情報分割処理を実行させる
    請求項10に記載の移動計画処理プログラム。
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