JPWO2013183383A1 - インフルエンザウイルスに結合する核酸分子およびその用途 - Google Patents

インフルエンザウイルスに結合する核酸分子およびその用途 Download PDF

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Abstract

インフルエンザウイルスの検出に利用可能な核酸分子を提供する。下記(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドを含む核酸分子を、インフルエンザウイルスに結合する核酸分子とする。(a)配列番号1〜30のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチド(b)前記(a)のいずれかの塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド(c)前記(a)のいずれかの塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド(d)前記(a)のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに、相補的な塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド

Description

本発明は、インフルエンザウイルスに結合する核酸分子およびその用途に関する。
近年、季節性インフルエンザウイルスおよび新型インフルエンザウイルスの感染が拡大しており、その検出が重要視されている。
インフルエンザウイルスの検出には、例えば、遺伝子増幅を利用する方法や、抗体を用いる方法が採用されている。前者の方法は、サンプル中の核酸について、PCR等により、インフルエンザウイルスに特有の塩基配列を増幅させ、増幅の有無によって、インフルエンザウイルスへの感染を判断する方法である。しかしながら、遺伝子増幅を行うには、例えば、人体から採取したサンプルについて前処理を行う必要があるため、手間がかかる。また、類似する配列等が増幅されることによる擬陽性の問題もある。
また、抗体に関しては、例えば、その調製作業が煩雑でありコストもかかる。また、抗体は、目的の抗原以外に対する非特異的結合の点から、検出精度の問題がある。このような問題から、近年、抗体に代えて、抗原と特異的に結合する核酸分子が注目されている(非特許文献1、2)。しかしながら、これまでに報告されているインフルエンザウイルスに対する核酸分子は、その結合能が不十分であることから、新たな核酸分子の提供が求められている。
Jeonら、J. Biol Chem. 2004 279(46)、48410−48419 Chengら、Biochem Biophys Res Commun. 2008 366(3)、670−674
そこで、本発明の目的は、インフルエンザウイルスの検出等に利用可能な核酸分子を提供することにある。
本発明の核酸分子は、下記(a)〜(d)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含むことを特徴とするインフルエンザウイルスに結合する核酸分子である。
(a)配列番号1〜30のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)前記(a)のいずれかの塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
(c)前記(a)のいずれかの塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
(d)前記(a)のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに、相補的な塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
本発明の結合剤は、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とする、インフルエンザウイルスに対する結合剤である。
本発明の核酸分子は、インフルエンザウイルスに結合可能である。このため、本発明の核酸分子によれば、例えば、インフルエンザウイルスを検出できる。したがって、本発明の核酸分子は、例えば、臨床分野、畜産分野等におけるインフルエンザウイルスの検出に極めて有用なツールとなる。
図1は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図2は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図3は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図4は、本発明の実施例A1において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図5は、本発明の実施例A1において、抗体に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図6は、本発明の実施例A4において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図7は、本発明の実施例A4において、抗体に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図8は、本発明の実施例A6において、核酸分子とHAと抗体との結合能を示すグラフである。 図9は、本発明の実施例B1において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例B2において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図11は、本発明の実施例B3において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図12は、本発明の実施例B4において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図13は、本発明の実施例B5において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図14は、本発明の実施例B5において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図15は、本発明の実施例B6において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図16は、本発明の実施例B7において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図17は、本発明の実施例C1において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図18は、本発明の実施例C2において、標的タンパク質に対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図19は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図20は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図21は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図22は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図23は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図24は、本発明におけるポリヌクレオチドの推定二次構造を示す模式図である。 図25は、本発明の実施例D1において、インフルエンザウイルスに対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図26は、本発明の実施例D1において、インフルエンザウイルスに対する核酸分子の結合能を示すグラフである。 図27は、本発明の実施例D2において、インフルエンザウイルスに対する核酸分子の結合能を示すグラフである。
本発明の核酸分子は、前述のように、下記(a)〜(d)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含むことを特徴とするインフルエンザウイルスに結合する核酸分子である。
(a)配列番号1〜30のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)前記(a)のいずれかの塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
(c)前記(a)のいずれかの塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
(d)前記(a)のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに、相補的な塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
本発明において、「インフルエンザウイルスに結合する」とは、例えば、インフルエンザウイルスに対する結合能を有している、または、インフルエンザウイルスに対する結合活性を有しているともいう。本発明の核酸分子とインフルエンザウイルスとの結合は、例えば、表面プラズモン共鳴分子相互作用(SPR;Surface Plasmon resonance)解析等により決定できる。前記解析は、例えば、ProteON(商品名、BioRad)が使用できる。
本発明において、対象となるインフルエンザウイルスの種類は、何ら制限されない。インフルエンザウイルスは、例えば、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス等があげられる。A型インフルエンザウイルスは、ヘマグルチニン(HA)の16種類(H1〜H16)と、ノイラミニダーゼ(NA)の9種類(N1〜N9)の組合せにより、144種類の亜型が存在し、特に制限されない。中でも、例えば、H5N1、H1N1、H3N2があげられる。具体例として、H5N1は、例えば、A/Anhui/1/2005およびA/goose_Guiyang/337/2006、A/Japanese white eye/Hong Kong/1038/2006等があげられ、H1N1は、例えば、A/California/04/2009、A/Brisbane/59/2007、A/Georgia/20/2006等があげられ、H3N2は、例えば、A/Aichi/2/1968、A/Wisconsin/67/2005、A/Brisbane/59/2007、A/Moscow/10/1999等があげられる。B型インフルエンザウイルスは、1種類のHAと1種類のNAとの組合せである。前記B型インフルエンザとしては、例えば、B/Florida/4/2006、B/Malaysia/2506/2004等があげられる。
また、本発明の核酸分子は、例えば、インフルエンザウイルス由来のヘマグルチニン(HA)に結合可能であり、具体的には、例えば、前記HA、前記HAのサブユニットであるHA1、HA1とH2との複合体に結合可能である。本発明において、「インフルエンザウイルス由来HAに結合する」とは、例えば、前記HAに対する結合能を有している、または、前記HAに対する結合活性を有しているともいう。本発明の核酸分子と前記HAとの結合は、前述と同様の解析により決定できる。前記HAの由来となるインフルエンザウイルスは、特に制限されず、前述のインフルエンザウイルスがあげられる。本発明において、以下、「インフルエンザウイルスに結合」は、例えば、「インフルエンザウイルス由来HAに結合」に読み替え可能である。
本発明の核酸分子において、前記(a)〜(d)のポリヌクレオチドの構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基があげられる。前記ポリヌクレオチドは、例えば、後述するように、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNA、リボヌクレオチド残基を含むDNAであり、例えば、さらに、非ヌクレオチド残基を含んでもよい。本発明の核酸は、例えば、以下、DNAアプタマーともいう。
本発明の核酸分子は、例えば、前記(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドからなる分子でもよいし、前記ポリヌクレオチドを含む分子でもよい。後者の場合、本発明の核酸分子は、例えば、後述するように、前記(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドを2つ以上含んでもよい。前記2つ以上のポリヌクレオチドは、同じ配列でもよいし、異なる配列でもよい。また、後者の場合、本発明の核酸分子は、例えば、さらに、リンカーおよび/または付加配列等を有してもよい。
前記(a)のポリヌクレオチドは、前記配列番号1〜30のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
RHA0023(配列番号1)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACCTTGGGGTCTTTGGGTGGGGTTGGTGTGGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0030(配列番号2)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACGGTCTCGGCTCGGTTCTTTCGGAAATGTTGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0013(配列番号3)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACGGGTTTCGACTTGATCGGACTTAAGCACCGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0009(配列番号4)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACGGGTGGTTGGGGGGGCCTTTTCTGGTTTTGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0058(配列番号5)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCTCGGCTTGGTTCGTCTGCGAAATGTTACTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0099(配列番号6)
CCTGCACCCAGTGTCCCACACGTGTATGGGTTTTTTATGGTTAGGTAGGGGCGGCTTGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0110(配列番号7)
CCTGCACCCAGTGTCCCCGGCGTTTGGTTGGCGTGAACCATTTTTAAGTTCTGCGTGTGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0098(配列番号8)
CCTGCACCCAGTGTCCCGTCGTTGGTGTTTTTTTGGCTTTTAGGGTAGGTGTGGCTTGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0144(配列番号9)
CCTGCACCCAGTGTCCCTCGCTTCTTTTTTTGGGTTGGGGTGGGCGGGTTCCTGTCGGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0133(配列番号10)
CCTGCACCCAGTGTCCCCCTCTGTGTCGGGCGGGCCGTTCAGGGTTTTGGGTGGGGGTGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0020(配列番号11)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACCTGTGTTGGGGGTGGGAGGGTTTTTGGGGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0002(配列番号12)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGGGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0002_s16(配列番号13)
GGTTTGGTCTGGTTGG
RHA0002_s20(配列番号14)
GTGGTTTGGTCTGGTTGGAC
RHA0002_s26(配列番号15)
CGTTTGGTTTGGTCTGGTTGGCAACG
RHA0002_s28(配列番号16)
CGTTATGGTTTGGTCTGGTTGGCTAACG
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
RHA0006(配列番号18)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGTGTGTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0006_s19(配列番号19)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA1634(配列番号20)
ATATATATGCCCACCCTCTCGCTGTACGGTTGATGCGCGTTTCTTTCTCTTTATATTGCTGGGTGCCGCCTCCAAGGTCAAAAAAAA
RHA1634_s60(配列番号21)
GGGCACCCTCTCGCTGTACGGTTGATGCACGTTTCTTTCTCTTTATATTGCTGGGTGCCC
RHA1635(配列番号22)
ATATATATGCCCACCCTCTCGCTGGCGGCTCTGTTCTGTTCTCGTCTCCTTGATTTCTGTGGGCAGCCGCCTCCAAGGTCAAAAAAAA
RHA1635_s62(配列番号23)
GGGGCCCACCCTCTCGCTGGCGGCTCTGTTCTGTTCTCGTCTCCTTGATTTCTGTGGGCCCC
RHA0385(配列番号24)
ATATATATCCTGCACCCAGTGTCCCGTGTGCAATTCAGTTGGGGTTATTTTGGGAGGGCGGGGGTTGACGGAGAGGAGGACGGAAAAAAAA
RHA0385_s28(配列番号25)
TTGGGGTTATTTTGGGAGGGCGGGGGTT
RHA0471(配列番号26)
CTGCACCCAGTGTCCCTTTCCTCGTTGGGGGTGGTGGTGGGTTTCGGTTCATGGGTGGGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0471_s51(配列番号27)
TCCTCGTTGGGGGTGGTGGTGGGTTTCGGTTCATGGGTGGGACGGAGAGGA
RHA0111(配列番号28)
CCTGCACCCAGTGTCCCGTGCTCCGGGGGTTGGGCGTGGTGGGTCTGTCGGGTTTCGGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0127(配列番号29)
CCTGCACCCAGTGTCCCTGGGTCGGCTAATTTGGCATTTGGGGTGGTTTGGGGGGGGGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0124(配列番号30)
CCTGCACCCAGTGTCCCTGTGTGCTGGTGTGGGGTGGTTTGGGGGGGGGACGGAGAGGAGGACGG
前記(b)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(b)のポリヌクレオチドが、前記インフルエンザウイルスまたはHAに結合する範囲であればよい。前記「1もしくは数個」は、前記(a)のいずれかの塩基配列において、例えば、1〜60個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜15個、さらに好ましくは1〜5個、特に好ましくは1または2個である。
前記(c)において、「同一性」は、例えば、前記(c)のポリヌクレオチドが、前記インフルエンザウイルスまたはHAに結合する範囲であればよい。前記同一性は、例えば、80%以上、85%以上であり、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上、96%以上、97%以上さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上である。前記同一性は、例えば、BLAST、FASTA等の解析ソフトウェアを用いて、デフォルトのパラメータにより算出できる(以下、同様)。
前記(d)において、「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」は、例えば、前記(a)のポリヌクレオチドに対して、完全または部分的に相補的なポリヌクレオチドである。前記ハイブリダイズは、例えば、各種ハイブリダイゼーションアッセイにより検出できる。前記ハイブリダイゼーションアッセイは、特に制限されず、例えば、ザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載されている方法を採用することもできる。
前記(d)において、「ストリンジェントな条件」は、例えば、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件、高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。ストリンジェンシーの程度は、当業者であれば、例えば、温度、塩濃度、プローブの濃度および長さ、イオン強度、時間等の条件を適宜選択することで、設定可能である。「ストリンジェントな条件」は、例えば、前述したザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載の条件を採用することもできる。
前記(b)〜(d)のポリヌクレオチドは、特に制限されない。前記(a)のポリヌクレオチドが、配列番号12(RHA0002)の塩基配列の場合、前記(b)〜(d)のポリヌクレオチドとして、例えば、配列番号13〜17の塩基配列からなるポリヌクレオチドが例示できる。前記(a)のポリヌクレオチドが、配列番号17(RHA0002_s33)の塩基配列の場合、前記(b)〜(d)のポリヌクレオチドとして、例えば、配列番号13〜16の塩基配列からなるポリヌクレオチドが例示できる。
RHA0002_s16(配列番号13)
GGTTTGGTCTGGTTGG
RHA0002_s20(配列番号14)
GTGGTTTGGTCTGGTTGGAC
RHA0002_s26(配列番号15)
CGTTTGGTTTGGTCTGGTTGGCAACG
RHA0002_s28(配列番号16)
CGTTATGGTTTGGTCTGGTTGGCTAACG
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
本発明の核酸分子は、例えば、前記(a)〜(d)のポリヌクレオチドの配列を1つ含んでもよいし、前記ポリヌクレオチドの配列を複数含んでもよい。後者の場合、複数のポリヌクレオチドの配列が連結して、一本鎖のポリヌクレオチドを形成していることが好ましい。前記複数のポリヌクレオチドの配列は、例えば、それぞれが直接的に連結してもよいし、リンカーを介して、それぞれが間接的に連結してもよい。前記ポリヌクレオチドの配列は、それぞれの末端において、直接的または間接的に連結していることが好ましい。前記複数のポリヌクレオチドの配列は、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記複数のポリヌクレオチドの配列は、例えば、同じであることが好ましい。前記ポリヌクレオチドの配列を複数含む場合、前記配列の数は、特に制限されず、例えば、2以上であり、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、より好ましくは、2または3である。
前記リンカーは、特に制限されない。前記リンカーの長さは、特に制限されず、例えば、1〜200塩基長であり、好ましくは1〜20塩基長であり、より好ましくは3〜12塩基長であり、さらに好ましくは5〜9塩基長である。前記リンカーの構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基等があげられる。前記リンカーは、特に制限されず、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNA、リボヌクレオチド残基を含むDNA等のポリヌクレオチドがあげられる。前記リンカーの具体例として、例えば、ポリデオキシチミン(ポリdT)、ポリデオキシアデニン(ポリdA)、AとTの繰り返し配列であるポリdAdT等があげられ、好ましくはポリdT、ポリdAdTである。
前記(a)〜(d)のポリヌクレオチドの配列を2つ含む一本鎖ポリヌクレオチドとして、例えば、リンカーを介して、配列番号19(RHA0006_s19)または配列番号17(RHA0002_s33)の塩基配列が2つ連結されているポリヌクレオチドがあげられる。前記一本鎖ポリヌクレオチドの配列の例を、配列番号31および配列番号45に示す。下記配列において、下線部が、配列番号19または配列番号33の配列に該当し、その間の配列-(N)n-がリンカーに該当する。Nは、ヌクレオチド残基を示す。前記ヌクレオチド残基Nは、特に制限されず、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基があげられ、好ましくはデオキシリボヌクレオチド残基である。前記ヌクレオチド残基における塩基は、特に制限されず、例えば、A、G、C、Tおよび/またはUがあげられる。下記配列において、nは、前記ヌクレオチド残基の塩基数を示し、整数である。nは、好ましくは正の整数であり、例えば、1〜200塩基であり、好ましくは5−20塩基である。
RHA0006_s19_d(配列番号31)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGG-(N)n-GGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0002_s33_d(配列番号45)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC-(N)n-GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
前記配列番号31は、具体例として、例えば、n=5、n=9およびn=20である以下の配列が例示できる。
RHA0006_s19_d9(配列番号32)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d5(配列番号33)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d9_AT(配列番号46)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGATATATATAGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d_R20(配列番号47)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGGATTGGAATTAAGGCGTGTGGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
配列番号45は、具体例として、例えば、n=9およびn=5の以下の配列が例示できる。
RHA0002_s33_d9(配列番号48)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACTTTTTTTTTGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
RHA0002_s33_d5(配列番号49)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACTTTTTGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
前記(a)〜(d)のポリヌクレオチドの配列を3つ含む一本鎖ポリヌクレオチドとして、例えば、リンカーを介して、配列番号19(RHA0006_s19)の塩基配列が3つ連結されているポリヌクレオチドがあげられる。前記一本鎖ポリヌクレオチドの配列の例を、配列番号50に示す。下記配列において、下線部が、配列番号19の配列に該当し、その間の配列-(N)n-がリンカーに該当する。Nおよびnは、前述と同様である。下記配列において、2つのリンカーは、例えば、それぞれ同じ配列でもよいし、異なる配列でもよい。
RHA0006_s19_t(配列番号50)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGG-(N)n-GGGTTTGGGTTGGGTTGGG-(N)n-GGGTTTGGGTTGGGTTGGG
前記配列番号50は、具体例として、例えば、n=9の以下の配列が例示できる。
RHA0006_s19_t9(配列番号51)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
本発明の核酸分子において、前記ポリヌクレオチドは、一本鎖ポリヌクレオチドであることが好ましい。前記一本鎖ポリヌクレオチドは、例えば、自己アニーリングによりステム構造およびループ構造を形成可能であることが好ましい。前記ポリヌクレオチドは、例えば、ステムループ構造、インターナルループ構造および/またはバルジ構造等を形成可能であることが好ましい。
本発明の核酸分子は、例えば、二本鎖でもよい。二本鎖の場合、例えば、一方の一本鎖ポリヌクレオチドは、前記(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドを含み、他方の一本鎖ポリヌクレオチドは、制限されない。前記他方の一本鎖ポリヌクレオチドは、例えば、前記(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドがあげられる。本発明の核酸分子が二本鎖の場合、例えば、使用に先立って、変性等により、一本鎖ポリヌクレオチドに解離させることが好ましい。また、解離した前記(a)〜(d)のいずれかの一本鎖ポリヌクレオチドは、例えば、前述のように、ステム構造およびループ構造を形成していることが好ましい。
本発明において、「ステム構造およびループ構造を形成可能」とは、例えば、実際にステム構造およびループ構造を形成すること、ならびに、ステム構造およびループ構造が形成されていなくても、条件によってステム構造およびループ構造を形成可能なことも含む。「ステム構造およびループ構造を形成可能」とは、例えば、実験的に確認した場合、および、コンピュータ等のシミュレーションで予測した場合の双方を含む。
前記ポリヌクレオチドの推定二次構造を、図1〜3および図19〜24に例示する。なお、本発明は、これには制限されない。図1は、RHA0002(配列番号12)、RHA0002_s16(配列番号13)、RHA0002_s20(配列番号14)、RHA0002_s26(配列番号15)、RHA0002_s28(配列番号16)、RHA0002_s33(配列番号17)の推定二次構造を示す。図2は、RHA0006(配列番号18)、RHA0006_s19(配列番号19)、リンカーが9塩基のポリdTであるRHA0006_s19_d9(配列番号32)の推定二次構造を示す。図3は、RHA0020(配列番号11)、RHA0111(配列番号28)、RHA0127(配列番号29)、RHA0124(配列番号30)の推定二次構造を示す。
図19は、RHA0023(配列番号1)、RHA0030(配列番号2)、RHA0013(配列番号3)、RHA0009(配列番号4)、図20は、RHA0058(配列番号5)、RHA0099(配列番号6)、RHA0110(配列番号7)、RHA0098(配列番号8)、図21は、RHA0144(配列番号9)、RHA0133(配列番号10)、RHA0002_s33_d9(配列番号48)、RHA0006_s19_d9_AT(配列番号46)、図22は、RHA0006_s19_d_R20(配列番号47)、RHA0006_s19_t9(配列番号51)、RHA0006_s19_d5(配列番号33)、RHA1634(配列番号20)、図23は、RHA1634_s60(配列番号21)、RHA1635(配列番号22)、RHA1635_s62(配列番号23)、RHA0385(配列番号24)、図24は、RHA0385_s28(配列番号25)、RHA0471(配列番号26)、RHA0471_s51(配列番号27)の推定二次構造を、それぞれ示す。
本発明の核酸分子の構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基である。前記ヌクレオチド残基は、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基があげられる。本発明の核酸分子は、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基のみから構成されるDNA、1もしくは数個のリボヌクレオチド残基を含むDNA等があげられる。後者の場合、「1もしくは数個」は、特に制限されず、例えば、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜15個、さらに好ましくは1〜7個、特に好ましくは1〜3個、最も好ましくは1または2個である。
本発明の核酸分子は、例えば、1もしくは数個の修飾化ヌクレオチド残基を含んでもよい。前記「1もしくは数個」は、特に制限されず、例えば、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜15個、さらに好ましくは1〜7個、特に好ましくは1〜3個、最も好ましくは1または2個である。
前記修飾化ヌクレオチド残基は、例えば、修飾化デオキシリボヌクレオチド残基および修飾化リボヌクレオチド残基があげられる。前記修飾化ヌクレオチド残基は、例えば、前記ヌクレオチド残基における糖残基が修飾されたものがあげられる。前記糖残基は、例えば、デオキシリボース残基またはリボース残基があげられる。前記ヌクレオチド残基における修飾部位は、特に制限されず、例えば、前記糖残基の2’位および/または4’位があげられる。前記修飾は、例えば、メチル化、フルオロ化、アミノ化、チオ化等があげられる。前記修飾化ヌクレオチド残基は、例えば、塩基としてピリミジン塩基(ピリミジン核)を有するヌクレオチド残基が修飾されたもの、または、塩基としてプリン塩基(プリン核)を有するヌクレオチド残基が修飾されたものがあげられ、好ましくは前者である。以下、ピリミジン塩基を有するヌクレオチド残基をピリミジンヌクレオチド残基といい、修飾されたピリミジンヌクレオチド残基を修飾化ピリミジンヌクレオチド残基といい、プリン塩基を有するヌクレオチド残基をプリンヌクレオチド残基といい、修飾されたプリンヌクレオチド残基を修飾化プリンヌクレオチド残基という。前記ピリミジンヌクレオチド残基は、例えば、ウラシルを有するウラシルヌクレオチド残基、シトシンを有するシトシンヌクレオチド残基、チミンを有するチミンヌクレオチド残基等があげられる。前記修飾化ヌクレオチド残基において、塩基がピリミジン塩基の場合、例えば、前記糖残基の2’位および/または4’位が修飾されていることが好ましい。前記修飾化ヌクレオチド残基の具体例は、例えば、リボース残基の2’位が修飾された、2’−メチル化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−メチル化−シトシンヌクレオチド残基、2’−フルオロ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−フルオロ化−シトシンヌクレオチド残基、2’−アミノ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−アミノ化−シトシンヌクレオチド残基、2’−チオ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−チオ化−シトシンヌクレオチド残基等があげられる。
前記ヌクレオチド残基における塩基は、例えば、アデニン(a)、シトシン(c)、グアニン(g)、チミン(t)およびウラシル(u)の天然塩基(非人工塩基)でもよいし、非天然塩基(人工塩基)でもよい。前記人工塩基は、例えば、修飾塩基および改変塩基等があげられ、前記天然塩基(a、c、g、tまたはu)と同様の機能を有することが好ましい。前記同様の機能を有する人工塩基は、例えば、グアニン(g)に代えて、シトシン(c)に結合可能な人工塩基、シトシン(c)に代えて、グアニン(g)に結合可能な人工塩基、アデニン(a)に代えて、チミン(t)またはウラシル(u)に結合可能な人工塩基、チミン(t)に代えて、アデニン(a)に結合可能な人工塩基、ウラシル(u)に代えて、アデニン(a)に結合可能な人工塩基等があげられる。前記修飾塩基は、例えば、メチル化塩基、フルオロ化塩基、アミノ化塩基、チオ化塩基等があげられる。前記修飾塩基の具体例としては、例えば、2’−メチルウラシル、2’−メチルシトシン、2’−フルオロウラシル、2’−フルオロシトシン、2’−アミノウラシル、2’−アミノシトシン、2−チオウラシル、2−チオシトシン等があげられる。本発明において、例えば、a、g、c、tおよびuで表わされる塩基は、前記天然塩基の他に、前記天然塩基のそれぞれと同様の機能を有する前記人工塩基の意味も含む。
本発明の核酸分子は、例えば、1もしくは数個の人工核酸モノマー残基を含んでもよい。前記「1もしくは数個」は、特に制限されず、例えば、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜15個、さらに好ましくは1〜7個、特に好ましくは1〜3個、最も好ましくは1または2個である。前記人工核酸モノマー残基は、例えば、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、ENA(2’−O,4’−C−Ethylenebridged Nucleic Acid)等があげられる。前記モノマー残基における核酸は、例えば、前述と同様である。
本発明の核酸分子は、例えば、ヌクレアーゼ耐性であることが好ましい。本発明の核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性のため、例えば、前記修飾化ヌクレオチド残基および/または前記人工核酸モノマー残基を有することが好ましい。本発明の核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性のため、例えば、5’末端または3’末端に、数10kDaのPEG(ポリエチレングリコール)またはデオキシチミジン等が結合してもよい。
本発明の核酸分子は、例えば、さらに付加配列を有してもよい。前記付加配列は、例えば、前記核酸分子の5’末端および3’末端の少なくとも一方に結合していることが好ましく、より好ましくは3’末端である。前記付加配列は、特に制限されない。前記付加配列の長さは、特に制限されず、例えば、1〜200塩基長であり、好ましくは1〜50塩基長であり、より好ましくは1〜25塩基長、さらに好ましくは18〜24塩基長である。前記付加配列の構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基等があげられる。前記付加配列は、特に制限されず、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNA、リボヌクレオチド残基を含むDNA等のポリヌクレオチドがあげられる。前記付加配列の具体例として、例えば、ポリdT、ポリdA等があげられ、好ましくはポリdT、ポリdAである。
本発明の核酸分子は、例えば、担体に固定化して使用できる。前記本発明の核酸分子は、例えば、5’末端および3’末端のいずれかを固定化することが好ましく、より好ましくは3’末端である。本発明の核酸分子を固定化する場合、例えば、前記核酸分子は、前記担体に、直接的に固定化してもよいし、間接的に固定化してもよい。後者の場合、例えば、前記付加配列を介して固定化することが好ましい。前記固定化の方法は、特に制限されず、例えば、担体と前記核酸分子または前記付加配列のいずれか一方に、ストレプトアビジンまたはアビジンを結合させ、他方に、ビオチンを結合させ、前者と後者との結合を利用して固定化することができる。前記担体は、特に制限されず、例えば、プレート、シート、フィルム、フィルター、チューブ、ビーズ等の基材があげられる。
本発明の核酸分子の製造方法は、特に制限されず、例えば、化学合成を利用した核酸合成方法等、遺伝子工学的手法、公知の方法により合成できる。
本発明の核酸分子は、インフルエンザウイルスまたは前記HAとの解離定数が、例えば、30nmol/L以下であり、好ましくは10nmol/L以下であり、より好ましくは1nmol/L以下であり、さらに好ましくは0.1nmol/L以下であり、特に好ましくは0.01nmol/L以下である。
本発明の核酸分子は、前述のように、インフルエンザウイルスまたはインフルエンザウイルス由来HAに結合性を示す。このため、本発明の核酸分子の用途は、インフルエンザウイルスおよび前記HAへの結合性を利用する用途であれば、特に制限されない。本発明の核酸分子は、例えば、インフルエンザウイルスおよび前記HAに対する抗体に代えて、種々の方法に使用できる。
本発明の核酸分子によれば、例えば、前記核酸分子とインフルエンザウイルスとの結合を検出することで、インフルエンザウイルスについて、定性または定量等の分析を行うことができる。すなわち、本発明のインフルエンザウイルスの分析方法は、前記本発明の核酸分子と試料とを接触させ、前記核酸分子とインフルエンザウイルスとの結合を検出する工程を含むことを特徴とし、具体的には、前記検出工程において、例えば、前記核酸分子とインフルエンザウイルスとの結合の有無を検出することで、前記試料中のインフルエンザウイルスの有無を分析でき、または、前記核酸分子と前記試料中のインフルエンザウイルスとの結合量を測定することで、前記試料中のインフルエンザウイルスの量を分析できる。この方法の場合、例えば、前記本発明の核酸分子は、インフルエンザウイルスと結合するため、ウイルスを破壊する等の前処理を試料に施すことなく、前記試料中のインフルエンザウイルスを分析できる。
また、本発明の核酸分子によれば、例えば、前記核酸分子とインフルエンザウイルス由来HAとの結合を検出することで、前記HAについて、または、間接的にインフルエンザウイルスについて、定性または定量等の分析を行うことができる。すなわち、本発明のインフルエンザウイルス由来のHAの分析方法は、前記本発明の核酸分子と試料とを接触させ、前記核酸分子と前記HAとの結合を検出する工程を含むことを特徴とし、具体的には、前記検出工程において、例えば、前記核酸分子と前記HAとの結合の有無を検出することで、前記試料中の前記HAの有無を分析でき、または、前記核酸分子と前記試料中の前記HAとの結合量を測定することで、前記試料中の前記HAの量を分析できる。さらに、このHAの検出方法を利用して、インフルエンザウイルスの検出を行うこともできる。本発明のインフルエンザウイルスの検出方法は、例えば、前記HAの分析方法を含み、前記核酸分子と前記HAとの結合を検出することにより、前記試料中のインフルエンザウイルスを分析する方法である。具体的には、前記検出工程において、前記核酸分子と前記HAとの結合の有無を検出することで、前記試料中のインフルエンザウイルスの有無を分析でき、または、前記核酸分子と前記試料中のHAとの結合量を測定することで、前記試料中のインフルエンザウイルスの量を分析できる。前記HAの量とインフルエンザウイルスの量とは、通常、相対関係にあるため、例えば、予め、インフルエンザウイルスの量と前記HAの量との相対関係を求めておき、これに基づき、前記HAの量からインフルエンザウイルスの量を分析できる。前記相対関係は、例えば、検量線等で示すことができる。この方法の場合、例えば、前記試料にウイルスを破壊する前処理を施してから、前記試料と前記核酸分子とを接触させてもよいし、前記前処理を施すことなく、前記試料と前記核酸分子とを接触させてもよい。
本発明の核酸分子は、前述のように、インフルエンザウイルスに結合可能であることから、例えば、前記インフルエンザウイルスの検出や前記HAの検出の他に、両者の結合を利用する用途に広く利用できる。具体例としては、例えば、前記核酸分子を有する、フィルター、マスク、ふき取り剤、うがい剤、トローチ等の製品があげられる。前記フィルターは、例えば、空気用フィルターおよび液体用フィルター等があげられ、前記核酸分子がインフルエンザウイルスと結合することによって、例えば、空気中や液体中からのインフルエンザウイルスの除去、拡散の防止が可能となる。前記マスクは、例えば、前記核酸分子がインフルエンザウイルスと結合することにより、インフルエンザウイルスの体内への侵入を阻害し、感染を防止できる。前記ふき取り剤は、例えば、前記核酸分子がインフルエンザウイルスに結合するため、ふきとり処理の対象からインフルエンザウイルスを除去できる。また、前記うがい剤は、例えば、前記核酸分子がインフルエンザウイルスに結合するため、口内や咽頭に付着したインフルエンザウイルスを除去できる。
<結合剤>
本発明の結合剤は、前述のように、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とするインフルエンザウイルスに対する結合剤である。本発明の結合剤は、前記本発明の核酸分子を含んでいればよく、その他の構成は何ら制限されない。本発明の結合剤を使用すれば、前述のように、例えば、インフルエンザウイルスの検出等を行うことができる。また、本発明の結合剤は、前述のように、例えば、インフルエンザウイルス由来HAに対する結合剤ということもでき、例えば、前記HAの検出により、インフルエンザウイルスの検出を行うことができる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコールに基づいて使用した。
[実施例A1]
インフルエンザウイルスに結合可能なアプタマーを作製し、各アプタマーについて、インフルエンザウイルス由来HAに対する結合能を確認した。
(1)アプタマー
下記ポリヌクレオチドを合成し、実施例のアプタマーとした。
RHA0002(配列番号12)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGGGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0006(配列番号18)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGTGTGTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0111(配列番号28)
CCTGCACCCAGTGTCCCGTGCTCCGGGGGTTGGGCGTGGTGGGTCTGTCGGGTTTCGGACGGAGAGGAGGACGG
RHA0127(配列番号29)
CCTGCACCCAGTGTCCCTGGGTCGGCTAATTTGGCATTTGGGGTGGTTTGGGGGGGGGACGGAGAGGAGGACGG
30塩基長のランダム配列(N)30を含む配列番号34で表わされるオリゴヌクレオチドからなるDNAを複数含むDNAライブラリーを、比較例N30とした。40塩基長のランダム配列(N)40を含む配列番号35で表わされるオリゴヌクレオチドからなるDNAを複数含むDNAライブラリーを、比較例N40とした。下記配列において、「N」は、デオキシリボヌクレオチド残基であり、その核酸は、アデニン、グアニン、シトシンおよび/またはチミンとした。
N30(配列番号34)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAAC-(N)30-CTTAACACACGGCGGCTGTAG
N40(配列番号35)
ACCCAGTGTCCC-(N)40-GACGGAGAGGAGGACGG
非特許文献2(BBRC)に記載されている下記配列のポリヌクレオチドを合成し、比較例のアプタマーA10とした。
アプタマーA10(配列番号52)
GAATTCAGTCGGACAGCGGGGTTCCCATGCGGATGTTATAAAGCAGTCGCTTATAAGGGATGGACGAATATCGTCTCCC
前記アプタマーは、その3’末端に、24塩基長のポリデオキシアデニン(ポリdA)を付加し、ポリdA付加アプタマーとして、後述するSPRに使用した。
(2)標的タンパク質
標的タンパク質として、以下のタンパク質を使用した。A/Anhui/1/2005由来HA1とA/goose_Guiyang/337/2006由来HA1とは、アミノ酸437残基のうち24アミノ酸残基が異なる配列である(5.49%)。配列番号36と37とにおいて、異なるアミノ酸に下線を付した。A/Anhui/1/2005由来HAの配列番号38において、A/goose_Guiyang/337/2006由来HAと異なるアミノ酸に下線を付した。
BSA
ウシ血清アルブミン
日本ジーン社
His−MIF
ヒスチジンタグを付加したMIF(マクロファージ遊走阻止因子)
ATGen Co., Ltd. Gyeonggi-do社
HA1Anhui
A/Anhui/1/2005由来HA1
Sino Biological Inc.社 (#11048−V08H2)
配列番号36
MEKIVLLLAIVSLVKSDQICIGYHANNSTEQVDTIMEKNVTVTHAQDILE
KTHNGKLCDLDGVKPLILRDCSVAGWLLGNPMCDEFINVPEWSYIVEKAN
PANDLCYPGNFNDYEELKHLLSRINHFEKIQIIPKSSWSDHEASSGVSSA
CPYQGTPSFFRNVVWLIKKNNTYPTIKRSYNNTNQEDLLILWGIHHSNDA
AEQTKLYQNPTTYISVGTSTLNQRLVPKIATRSKVNGQSGRMDFFWTILK
PNDAINFESNGNFIAPEYAYKIVKKGDSAIVKSEVEYGNCNTKCQTPIGA
INSSMPFHNIHPLTIGECPKYVKSNKLVLATGLRNSP
HA1Guiyang
A/goose_Guiyang/337/2006由来HA1
Sino Biological Inc.社 (#11690−V08H1)
配列番号37
MEKIVLLLAIISLVKSDQICIGYHANNSTVQVDTIMEKNVTVTHAQDILE
KTHNGKLCSLDGVKPLILRDCSVAGWLLGNPMCDEFINVPEWSYIVEKAS
PANDLCYPGDFNDYEELKHLLSRINHFEKIQIIPKSSWPNHEASLGVSSA
CPYQGESSFFRNVVWLIKKNSSYPTIKRSYNNTNQEDLLVLWGIHHPNDA
AEQIKLYQNPNTYISVGTSTLNQRLVPTIATRSKVNGQSGRMEFFWTILK
PNDAINFESNGNFIAPEYAYKIVKKGDSAIMKSELEYGNCNTKCQTPMIGA
INSSMPFHNIHPLTIGECPKYVKSNRLVLATGLRNTL
HAAnhui
A/Anhui/1/2005由来HA
Sino Biological Inc.社 (#11048−V08H1)
配列番号38
MEKIVLLLAIVSLVKSDQICIGYHANNSTEQVDTIMEKNVTVTHAQDILE
KTHNGKLCDLDGVKPLILRDCSVAGWLLGNPMCDEFINVPEWSYIVEKAN
PANDLCYPGNFNDYEELKHLLSRINHFEKIQIIPKSSWSDHEASSGVSSA
CPYQGTPSFFRNVVWLIKKNNTYPTIKRSYNNTNQEDLLILWGIHHSNDA
AEQTKLYQNPTTYISVGTSTLNQRLVPKIATRSKVNGQSGRMDFFWTILK
PNDAINFESNGNFIAPEYAYKIVKKGDSAIVKSEVEYGNCNTKCQTPIGA
INSSMPFHNIHPLTIGECPKYVKSNKLVLATGLRNSP
RGLFGAIAGFIEGGWQGMVDGWYGYHHSNEQGSGYAADKESTQKAIDGVT
NKVNSIIDKMNTQFEAVGREFNNLERRIENLNKKMEDGFLDVWTYNAELL
VLMENERTLDFHDSNVKNLYDKVRLQLRDNAKELGNGCFEFYHKCDNECM
ESVRNGTYDYPQYSEEARLKREEISGVKLESIGTYQ
(3)SPRによる結合能の解析
結合能の解析には、ProteON XPR36(BioRad社)を、その使用説明書にしたがって使用した。
まず、前記ProteON専用のセンサーチップとして、ストレプトアビジンが固定化されたチップ(商品名ProteOn NLC Sensor Chip、BioRad社)を、前記ProteON XPR36にセットした。前記センサーチップのフローセルに、超純水(DDW)を用いて、5000nmol/Lのリガンドをインジェクションし、シグナル強度(RU:Resonance Unit)が約1000RUになるまで結合させた。前記リガンドは、24塩基長のデオキシチミジンの5’末端をビオチン化した、ビオチン化ポリdTを使用した。そして、前記チップの前記フローセルに、SPRバッファーを用いて、400nmol/Lの前記ポリdA付加アプタマーを、流速25μL/minで80秒間インジェクションし、シグナル強度が約700RUになるまで結合させた。続いて、500nmol/Lの前記標的タンパク質を、SPRバッファーを用いて、流速50μL/minで120秒間インジェクションし、引き続き、同じ条件で、SPRバッファーを流して洗浄を行った。前記標的タンパク質のインジェクションおよび前記SPRバッファーによる洗浄に並行して、シグナル強度の測定を行った。
前記セレクションバッファーの組成は、50mmol/L Tris、0.1mol/L NaCl、0.01% Tween(登録商標)、5mmol/L K、1mmol/L Mg2+とし、pHは、7.4とした。前記SPRバッファーの組成は、50mmol/L Tris、0.1mol/L NaCl、0.01% Tween(登録商標)、10mmol/L Kとし、pHは、7.4とした。
これらの結果を図4に示す。図4は、各標的タンパク質に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図4のグラフにおいて、縦軸は、前記Prote ON(登録商標)XRP36で測定したシグナル強度(RU)の相対値である。前記相対値は、洗浄開始時(標的タンパク質のインジェクション終了時)のシグナル強度を、標的タンパク質のインジェクション開始前(ポリdA付加アプタマーのインジェクション終了時)のシグナル強度で割った値として算出した。図4において、「0-pool」は、前記N30の結果を示す。
図4に示すように、比較例のアプタマーは、いずれもHA1anhui、HA1guiyang、HAanhuiに対する結合能を示さなかった。これに対して、実施例のアプタマーは、いずれもBSAおよびHis−MIFに結合することなく、HA1anhui、HA1guiyang、HAanhuiに結合能を示した。
(4)交差反応
つぎに、前記アプタマーについて、抗体との交差反応を確認した。前記標的タンパク質として、HA1Anhuiおよび下記抗体を使用した以外は、前記(3)と同様にしてSPRを行った。
Rabbit IgG
ウサギ イムノグロブリン
Beckman Coulter, Inc.社 (#731642)
Mouse IgG
マウス イムノグロブリン
Beckman Coulter, Inc.社 (#731620)
Rat IgG
ラット イムノグロブリン
Beckman Coulter, Inc.社 (#731628)
Goat IgG
ヤギ イムノグロブリン
Beckman Coulter, Inc.社 (#731635)
Chicken IgG
トリ イムノグロブリン
Immunology Consultants Laboratory(ICL), Inc.社 (#CGHL−10A)
これらの結果を図5に示す。図5は、各抗体に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図5のグラフにおいて、縦軸は、図4と同様にシグナル強度(RU)の相対値を示す。相対値は、前記(3)と同様にして求めた。図5において、「0-pool」は、前記N30の結果を示す。
図5に示すように、実施例のアプタマーは、いずれの抗体に対しても結合能を示すことなく、HA1anhuiに強い結合能を示した。このため、例えば、本発明のアプタマーを使用してインフルエンザウイルスまたはHAを検出する際、抗体との併用が可能であることがわかった。
[実施例A2]
RHA0002(配列番号12)の小型化アプタマーについて、HAに対する結合能を確認した。
(1)アプタマー
RHA0002(配列番号12)、および以下に示すその小型化アプタマーを合成した。
RHA0002(配列番号12)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGGGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
(2)SPRによる結合能の解析
前記アプタマーを使用した以外は、前記実施例A1と同様にして標的タンパク質に対する結合能を解析した。これらの結果を下記表1に示す。表1において、相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。
前記表1に示すように、小型化したアプタマーは、それぞれ標的タンパク質に結合能を示し、中でもRHA0002_s33(配列番号17)は、小型化により結合能が向上した。
[実施例A3]
RHA0006(配列番号18)、その小型化アプタマー、その小型化配列を2つ有するアプタマーについて、HAに対する結合能を確認した。
(1)アプタマー
RHA0006(配列番号18)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGTGTGTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0006_s19(配列番号19)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d9(配列番号32)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
(2)SPRによる結合能の解析
前記アプタマーを使用した以外は、前記実施例A1と同様にして標的タンパク質に対する結合能を解析した。これらの結果を下記表2に示す。表2において、相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。
前記表2に示すように、小型化アプタマーおよび小型化配列を2つ有するアプタマーは、それぞれ標的タンパク質に結合能を示した。中でも小型化配列を2つ有するアプタマーRHA0006_s19_d9(配列番号32)は、結合能がさらに向上した。
[実施例A4]
各アプタマーについて、HAに対する結合能を確認した。
(1)アプタマー
下記ポリヌクレオチドを合成し、実施例のアプタマーとした。
RHA0002(配列番号12)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGGGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
RHA0006(配列番号18)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGTGTGTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGGTCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0006_s19(配列番号19)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d9(配列番号32)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
比較例のアプタマーとして、前記実施例A1における比較例のアプタマーA10と、非特許文献2(BBRC)に記載されている下記配列のアプタマーA05を使用した。
比較例 A05(配列番号53)
GAATTCAGTCGGACAGCGGGGGGGAATTCTAGCAGTACACCTCGAGAATTATAGCCAGGATGGACGAATATCGTCTCCC
(2)SPRによる結合能の解析
前記アプタマーを使用した以外は、前記実施例A1と同様にして標的タンパク質に対する結合能を解析した。これらの結果を図6に示す。図6は、各標的タンパク質に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図6のグラフにおいて、縦軸は、前記ProteON(登録商標)XRP36で測定したシグナル強度(RU)の相対値である。相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。図6において、「0-pool」は、前記N30の結果を示す。
図6に示すように、実施例のアプタマーは、いずれもBSAおよびHis−MIFに結合することなく、HA1Anhui、HA1GuiyangおよびHAAnhuiに結合能を示した。中でも、RHA0002_s33(配列番号17)およびRHA0006_s19_d9(配列番号32)が高い結合能を示した。
(3)交差反応
前記アプタマーについて、前記実施例A1と同様にして、交差反応を確認した。これらの結果を図7に示す。図7は、各抗体に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図7のグラフにおいて、縦軸は、図6と同様にシグナル強度(RU)の相対値を示す。
図7に示すように、実施例のアプタマーは、いずれの抗体に対しても結合能を示すことなく、HA1Anhuiに強い結合能を示した。このため、例えば、本発明のアプタマーを使用してHAを検出する際、抗体との併用が可能であることがわかった。
[実施例A5]
RHA0002_s33(配列番号17)およびRHA0006_s19_d9(配列番号32)のアプタマーについて、HAに対する解離定数を確認した。
前記ビオチン化ポリTの濃度を100nmol/Lとし、HA1Anhui、HA1GuiyangおよびHAAnhuiを、それぞれ所定濃度(15.6、31.3、62.5、125、250nmol/L)とした以外は、前記実施例A1と同様にして、SPRを行った。そして、その結果から、解離定数を算出した。これらの結果を下記表3に示す。
前記表3に示すように、RHA0002_s33(配列番号17)およびRHA0006_s19_d9(配列番号32)の解離定数は、いずれの標的タンパク質に対しても極めて低く、非常に優れた結合能を示した。
[実施例A6]
本発明のアプタマー、HA1またはHA、および抗体を、この順序で結合させ、SPRにより結合能の解析を行った。
前記アプタマーは、RHA0002_s33(配列番号17)およびRHA0006_s19_d9(配列番号32)を使用した。HA1は、HA1Anhuiを使用し、HAは、HAAnhuiを使用した。抗体は、コントロール抗体であるControl Ab(ウサギ イムノグロブリン、Beckman Coulter, Inc.社、#731642)、およびAnti HA Ab(ウサギ抗HA抗体、Sino Biological Inc.社、#11048−RP02)を使用した。
そして、以下のような条件に設定した以外は、前記実施例A1(3)と同様にしてSPRを行った。はじめにセンサーチップのフローセルに、超純水(DDW)を用いて、5000nmol/Lのリガンドをインジェクションし、シグナル強度(RU:Resonance Unit)が約1000RUになるまで結合させた。前記リガンドは、24塩基長のデオキシチミジンの5’末端をビオチン化したビオチン化ポリdTを使用した。そして、前記チップの前記フローセルに、SPRバッファーを用いて、 400nmol/Lの前記ポリdA付加アプタマーを流速25μL/minで80秒間インジェクションし、シグナル強度が約700RUになるまで結合させた。続いて、500nmol/Lの前記標的タンパク質を、SPRバッファーを用いて、流速25μL/minで80秒間インジェクションし、引き続き、1μmol/Lの検出抗体を流速50μL/minで120秒間インジェクションし、最後に、SPRバッファーを流して洗浄を行った。
これらの結果を図8に示す。図8は、アプタマーと標的タンパク質と抗体との結合能を示すグラフである。図8のグラフにおいて、縦軸は、前記ProteON(登録商標)XRP36で測定したシグナル強度(RU)の相対値である。相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。
図8に示すように、いずれのアプタマーを使用した場合も、アプタマーとHAまたはHA1とコントロール抗体との結合が生じることなく、アプタマーとHAまたはHA1と抗HA抗体との結合が確認された。この結果から、本発明のアプタマーが抗体と併用可能であることがわかった。
[実施例B1]
アプタマーについて、SPRによりHAに対する結合能を確認した。
(1)アプタマー
下記ポリヌクレオチドを合成し、実施例のアプタマーとした。
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
RHA0006_s19_d5(配列番号33)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA1634_s60(配列番号21)
GGGCACCCTCTCGCTGTACGGTTGATGCACGTTTCTTTCTCTTTATATTGCTGGGTGCCC
RHA1635_s62(配列番号23)
GGGGCCCACCCTCTCGCTGGCGGCTCTGTTCTGTTCTCGTCTCCTTGATTTCTGTGGGCCCC
RHA0385_s28(配列番号25)
TTGGGGTTATTTTGGGAGGGCGGGGGTT
RHA0471_s51(配列番号27)
TCCTCGTTGGGGGTGGTGGTGGGTTTCGGTTCATGGGTGGGACGGAGAGGA
HAに結合性を示さないコントロールの核酸分子、HAに結合性を示すことが報告されている非特許文献1のアプタマーA22および非特許文献2の前記A05を合成した。
コントロール(配列番号39)
CGGCGTTTGGTTGGCGTGAACCATTTTTAAGTT
比較例 A22(配列番号40)
AATTAACCCTCACTAAAGGGCTGAGTCTCAAAACCGCAATACACTGGTTGTATGGTCGAATAAGTTAA
比較例 A05(配列番号53)
GAATTCAGTCGGACAGCGGGGGGGAATTCTAGCAGTACACCTCGAGAATTATAGCCAGGATGGACGAATATCGTCTCCC
前記アプタマーは、その3’末端に、24塩基長のデオキシアデニン(ポリdA)を付加し、ポリdA付加アプタマーとして、後述するSPRに使用した。
(2)標的タンパク質
標的タンパク質として、前記実施例A1におけるA/Anhui/1/2005由来HA1(HA1Anhui:配列番号36)、以下に示す、A/California/04/2009由来HA1、A/Brisbane/59/2007由来HA1、A/Aichi/2/1968由来HA1を使用した。
HA1California
A/California/04/2009由来HA1
Sino Biological Inc. 社#1055−V08H4
配列番号41
MKAILVVLLYTFATANADTLCIGYHANNSTDTVDTVLEKNVTVTHSVNLL
EDKHNGKLCKLRGVAPLHLGKCNIAGWILGNPECESLSTASSWSYIVETP
SSDNGTCYPGDFIDYEELREQLSSVSSFERFEIFPKTSSWPNHDSNKGVT
AACPHAGAKSFYKNLIWLVKKGNSYPKLSKSYINDKGKEVLVLWGIHHPS
TSADQQSLYQNADTYVFVGSSRYSKKFKPEIAIRPKVRDQEGRMNYYWTL
VEPGDKITFEATGNLVVPRYAFAMERNAGSGIIISDTPVHDCNTTCQTPK
GAINTSLPFQNIHPITIGKCPKYVKSTKLRLATGLRNIPSIQSR
HA1Brisbane
A/Brisbane/59/2007由来HA1
Sino Biological Inc.社 #11052−V08H1
配列番号42
MKVKLLVLLCTFTATYADTICIGYHANNSTDTVDTVLEKNVTVTHSVNLL
ENSHNGKLCLLKGIAPLQLGNCSVAGWILGNPECELLISKESWSYIVEKP
NPENGTCYPGHFADYEELREQLSSVSSFERFEIFPKESSWPNHTVTGVSA
SCSHNGESSFYRNLLWLTGKNGLYPNLSKSYANNKEKEVLVLWGVHHPPN
IGDQKALYHTENAYVSVVSSHYSRKFTPEIAKRPKVRDQEGRINYYWTLL
EPGDTIIFEANGNLIAPRYAFALSRGFGSGIINSNAPMDKCDAKCQTPQG
AINSSLPFQNVHPVTIGECPKYVRSAKLRMVTGLRNIPSIQSR
HA1Aichi
A/Aichi/2/1968由来HA1
Sino Biological Inc. 社#11707−V08H1
配列番号43
MKTIIALSYIFCLALGQDLPGNDNSTATLCLGHHAVPNGTLVKTITDDQI
EVTNATELVQSSSTGKICNNPHRILDGIDCTLIDALLGDPHCDVFQNETW
DLFVERSKAFSNCYPYDVPDYASLRSLVASSGTLEFITEGFTWTGVTQNG
GSNACKRGPGSGFFSRLNWLTKSGSTYPVLNVTMPNNDNFDKLYIWGIHH
PSTNQEQTSLYVQASGRVTVSTRRSQQTIIPNIGSRPWVRGLSSRISIYW
TIVKPGDVLVINSNGNLIAPRGYFKMRTGKSSIMRSDAPIDTCISECITP
NGSIPNDKPFQNVNKITYGACPKYVKQNTLKLATGMRNVPEKQTR
(3)SPRによる結合能の解析
前記アプタマーおよび前記標的タンパク質を使用した以外は、前記実施例A1(3)と同様にして行った。これらの結果を図9に示す。図9は、各標的タンパク質に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図9のグラフにおいて、縦軸は、前記ProteON(登録商標)XRP36で測定したシグナル強度(RU)の相対値である。相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。
図9に示すように、実施例のいずれのアプタマーも、各種HA1に対して、比較例のアプタマーよりも優れた結合能を示した。
[実施例B2]
アプタマーを用いて、ELAA(Enzyme−linked Aptamer Assay)により、固定化したHAの検出を行った。
(1)アプタマー
前記実施例B1で合成したRHA0006_s19_d5(配列番号33)、RHA1634_s60(配列番号21)、RHA1635_s62(配列番号23)、RHA0385_28(配列番号25)、RHA0471_s51(配列番号27)を使用した。また、前記実施例B1と同じ、コントロールの核酸分子および比較例のアプタマーを使用した。これらのアプタマーの3’末端を、それぞれビオチン化し、ビオチン化アプタマー(検出用アプタマー)として、後述するELAAに使用した。
(2)標的タンパク質
標的タンパク質として、実施例A1および実施例B1のA/Anhui/1/2005由来HA(HA/H5N1)およびA/California/04/2009由来HA(HA/H1N1)を使用した。
(3)ELAA(直接法)
ウェルにターゲットを固定化し、前記固定化ターゲットに前記検出用アプタマーを接触させ、前記固定化ターゲットに結合した前記検出用アプタマーを検出することによって、固定化したターゲットの検出を行った。この方法を、以下、ELAAの直接法という。
まず、96穴プレート(商品名Immuno 96 Microwell Plates MaxiSorp:Nunc社)に、炭酸バッファー(pH9.6)で希釈した10μg/mLの前記HAを、ウェルあたり100μL添加し、4℃で一晩吸着させた。前記ウェルを200μLの洗浄バッファー(50mmol/L Tris、100mmol/L NaCl、5mmol/L KCl、1mmol/L MgCl、0.01% Tween(登録商標)20,pH7.4)で洗浄後、ブロッキングバッファー(Protein−Free(TBS) blocking buffer,#37570、PIERCE社)を200μL加え、室温で1時間インキュベートした。インキュベート後、前記ウェルを200μLの前記洗浄バッファーで3回洗浄し、前記HAを固定化したプレートを作製した。
そして、反応溶液(50mmol/L Tris、100mmol/L NaCl、5mmol/L KCl、1mmol/L MgCl、0.01% Tween(登録商標)20、0.05% BSA、pH7.4)で、前記ビオチン化アプタマーを1μmol/Lに希釈した後、前記ウェルに、ウェルあたり100μL添加し、室温で1時間インキュベートした。続いて、前記ウェルを前記洗浄液で洗浄した後、1000倍希釈したストレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ(SA−HRP:GE社、#RPN1231_2ML)を100μL添加し、室温で30分間反応させた。さらに、前記ウェルを前記洗浄液で洗浄した後、TMB−E基質(Moss Inc.製)100μLを添加し、室温で20分間反応(発色)させた。その後、前記ウェルに100μLの0.5mol/L 硫酸を加え、反応を停止した後、プレートリーダーで波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)を測定した。
また、ブランクとして、HAを固定化していない96穴プレートについて、同様にELAAを行った。
これらの結果を、図10に示す。図10は、アプタマーに結合したHAの量を示すグラフである。図10において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)である。
図10に示すように、実施例のいずれのアプタマーも、各種HAに対して、比較例のアプタマーよりも優れた結合能を示した。また、ブランクについて、吸光度は検出限界未満であった。これらの結果から、実施例のアプタマーは、プレートではなく、固定化されたHA1に結合性を示すことがわかった。このような方法によれば、測定された吸光度は、固定化されたHAに結合したアプタマーの量を示すことから、間接的に、HAを定性および定量できる。また、HAの定性および定量をできることから、さらに、インフルエンザウイルスの定性および定量も可能である。
[実施例B3]
アプタマーを用いて、ELAA(Enzyme−linked Aptamer Assay)により、固定化抗体により捕捉したHAの検出を行った。
(1)アプタマー
前記実施例B1で合成したRHA0002_s33(配列番号17)、RHA0006_s19_d5(配列番号33)、RHA1634_s60(配列番号21)、RHA1635_s62(配列番号23)を使用した。また、前記実施例B1と同じ、コントロールの核酸分子を使用した。これらのアプタマーの3’末端を、それぞれビオチン化し、ビオチン化アプタマーとして、後述するELAAに使用した。
(2)標的タンパク質
標的タンパク質として、前記実施例B1のA/Anhui/1/2005由来HA(HA1/H5N1)を使用した。
(3)抗体
HA/H5N1に結合性を示すポリクローナル抗体として、ウサギ抗ヘマグルチニン(H5N1)pAb(Sino Biological Inc.、#11048−RP2)を使用した。
(4)ELAA
96穴プレート(商品名Immuno 96 Microwell Plates MaxiSorp、Nunc社)に、1ウェルあたり抗体1μgを添加し、4℃で一晩インキュベートして、前記抗体を固定化した。ブロッキングバッファーは、商品名Protein−Free(TBS)blocking buffer(#37570、PIERCE社)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。そして、前記プレートに、ウェルあたり1μgの前記HAを添加し、室温で2時間インキュベートして、前記プレート上の固定化抗体に前記HAを結合させた。続いて、前記プレートに、ウェルあたり1μmol/Lのビオチン化アプタマー100μLを添加し、室温で1時間インキュベートした後、ストレプトアビジン−HRP(×1000)による発色反応を行って、吸光度を測定した。なお、特に示さない限りは、前記実施例B2におけるELAAと同様の条件で処理を行った。
また、ブランクとして、前記HAを未添加とした系、前記抗体を固定化していない系についても、吸光度の測定を行った。
これらの結果を、図11に示す。図11は、アプタマーに結合したHAの量を示すグラフである。図11において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)である。
図11に示すように、実施例のいずれのアプタマーも、各種HAに対して、コントロールの核酸分子よりも高い吸光度を示し、特に、RHA0006_s19_d5(配列番号33)は、極めて高い吸光度を示した。また、ブランクについて、HA未添加の系および抗体を固定化していない系のいずれにおいても、吸光度は検出限界未満であった。これらの結果から、実施例のアプタマーは、前記抗体または前記プレートではなく、プレート上に抗体を介して結合しているHAに対して、結合性を示すことがわかった。このような方法(Sandwich−ELAA)によれば、測定された吸光度は、アプタマーに捕捉されたHAに結合した抗体の量を示すことから、間接的に、HAを定性および定量できる。
[実施例B4]
固定化したアプタマーによりHAを捕捉し、一次抗体および二次抗体により前記HAの検出を行った。
(1)アプタマー
前記実施例B1で合成したRHA0002_s33(配列番号17)を使用した。また、前記実施例B1と同じ、コントロールの核酸分子を使用した。これらのアプタマーの3’末端、それぞれアミノ基(−NH)を導入し、アミノ化アプタマーとして使用した。
(2)標的タンパク質
標的タンパク質として、前記実施例B1のA/Anhui/1/2005由来HA(HA/H5N1)を使用した。
(3)抗体
一次抗体は、HA/H5N1に結合性を示すポリクローナル抗体として、ウサギ抗ヘマグルチニン(H5N1)pAb(Sino Biological Inc、#11048−RP2)を使用した。二次抗体は、前記一次抗体に結合可能なポリクローナル抗体として、HRP標識された抗ウサギIgG抗体(α−Rabit IgG−HRP、#NA934−1ML,GE社)を使用した。
(4)ELAA
96穴プレート(商品名immobilized Amino plate、#436006、Nunc社)に、炭酸バッファー(pH9.6)で希釈した前記アミノ化アプタマーを添加し、4℃で一晩インキュベートして、前記アミノ化アプタマーを固定化した。前記ウェルに対する前記アミノ化アプタマーの濃度は、0、0.002、0.02、0.2、2μMとした。1回目のブロッキングは、1mol/L Tris(pH7.4)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。2回目のブロッキングは、ブロッキングバッファーとして、商品名Protein−Free(TBS)blocking buffer(#37570、PIERCE社)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。そして、前記プレートに、ウェルあたり1μgの前記HAを添加し、室温で2時間インキュベートして、前記プレート上の固定化アプタマーに前記HAを結合させた。続いて、前記プレートに、ウェルあたり100nμMの前記一次抗体100μLを添加し、室温で1時間インキュベートした後、洗浄を行い、さらに、前記二次抗体(×5000)を添加して、室温で30分インキュベートした。そして、TMB−E基質を用いた発色反応により、吸光度を測定した。なお、特に示さない限りは、前記実施例B2におけるELAAと同様の条件で処理を行った。
また、ブランクとして、前記一次抗体に代えて、コントロール抗体として、ウサギ イムノグロブリン(Beckman Coulter, Inc.社、#731642)を使用した系についても、吸光度の測定を行った。
これらの結果を、図12に示す。図12は、アプタマーに結合したHAの量を示すグラフである。図12において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)である。
図12に示すように、プレートに固定化した前記RHA0002_s33(配列番号17)の濃度に依存的に吸光度が増加した。この結果から、固定化した実施例のアプタマーによって、HAを濃度依存的に捕捉できることがわかった。このような方法(Sandwich−ELAA)によれば、測定された吸光度は、捕捉されたHAに結合した抗体の量を示すことから、間接的に、HAを定性および定量できる。
[実施例B5]
固定化した捕捉用アプタマーによりHAを捕捉し、検出用アプタマーにより前記HAの検出を行った。
(1)アプタマー
前記実施例B1で合成したRHA0002_s33(配列番号17)、RHA0006_s19_d5(配列番号33)、RHA0385_s28(配列番号25)、RHA0471_s51(配列番号27)を使用した。プレートに固定化する捕捉用アプタマーは、3’末端にアミノ基(−NH)を導入した。また、検出用アプタマーは、3’末端をビオチン化した。また、前記実施例B1と同じ、コントロールの核酸分子を使用した。前記捕捉用アプタマーと前記検出用アプタマーの組合せを、以下に示す。
(2)標的タンパク質
標的タンパク質として、前記実施例B1のA/California/04/2009由来HA(HA1/H1N1)を使用した。
(3)ELAA(サンドイッチ法)
ウェルに捕捉用アプタマーを固定化し、前記捕捉用アプタマーにターゲットを接触させ、さらに、前記捕捉用アプタマーに結合した前記ターゲットに対して、前記検出用アプタマーを接触させ、前記捕捉用アプタマーと前記検出用アプタマーで前記ターゲットをサンドイッチした。そして、この複合体における前記検出用アプタマーを検出することによって、ターゲットを検出した。この方法を、以下、ELAAのサンドイッチ法という。
まず、96穴プレート(商品名immobilized Amino plate、#436006、Nunc社)に、ウェルあたり0.2μmol/Lの前記捕捉用アプタマー100μLを添加し、室温で2時間インキュベートして、前記アミノ化アプタマーを固定化した。1回目のブロッキングは、1mol/L Tris(pH7.4)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。2回目のブロッキングは、ブロッキングバッファーとして、商品名Protein‐Free(TBS)blocking buffer(#37570、PIERCE社)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。そして、前記プレートに、ウェルあたり1μgの前記HAを添加し、室温で2時間インキュベートして、前記プレート上の前記捕捉用アプタマーに前記HAを結合させた。続いて、前記プレートに、ウェルあたり1μmol/Lの前記検出用アプタマー100μLを添加し、室温で1時間インキュベートした後、ストレプトアビジン−HRP(×1000)による発色反応を行って、吸光度を測定した。なお、特に示さない限りは、前記実施例B2におけるELAAと同様の条件で処理を行った。
これらの結果を、図13に示す。図13は、捕捉用アプタマーで捕捉されたHAに結合した前記検出用アプタマーに結合したHAの量を示すグラフである。
図13に示すように、実施例のアプタマーを捕捉用アプタマーおよび検出用アプタマーとして使用することによって、コントロールよりも高い吸光度を示した。特に、捕捉用アプタマーと検出用アプタマーとの組合せが、RHA0385_s28(配列番号25)とRHA0006_s19_d5(配列番号33)との組合せ、RHA0006_s19_d5(配列番号33)とRHA0006_s19_d5(配列番号33)またはRHA0385_s28(配列番号25)の組合せの場合、極めて高い吸光度を示した。このような方法(Sandwich−ELAA)によれば、測定された吸光度は、捕捉用アプタマーに捕捉されたHAに結合した検出用アプタマーの量を示すことから、間接的にHAを定性および定量できる。
また、標的タンパク質として、前記A/California/04/2009由来HA(HACalifornia)に加え、A/Anhui/1/2005由来HA(HAAnhui)を使用し、捕捉用アプタマーと検出用アプタマーとの組合せを、RHA0006_s19_d5(配列番号33)とRHA0385_s28(配列番号25)との組合せを採用した以外は、前述と同様にして、ELLAを行った。これらの結果を、図14に示す。図14は、捕捉用アプタマーで捕捉されたHAに結合した前記検出用アプタマーに結合したHAの量を示すグラフである。図14に示すように、HACaliforniaに加え、HAAnhuiに対しても高い吸光度を示したことから、捕捉用アプタマーと検出用アプタマーとを使用することで、HAを間接的に定性および定量できることがわかった。
[実施例B6]
(1)アプタマー
前記実施例B1で合成したRHA0006_s19_d5(配列番号33)を使用した。前記アプタマーの3’末端に、24塩基長のポリデオキシアデニン(ポリdA)を付加し、さらに、前記ポリdAの3’末端をビオチン化した。これをビオチン化ポリdA付加アプタマーとして、使用した。
(2)アンチセンスおよびポリdT
前記アプタマーと相補的な配列であるアンチセンス(配列番号44)を合成し、5’末端をアミノ化した。
アンチセンス(配列番号44)
CCCAAACCCAACCCAACCCAAAAACCCAAACCCAACCCAACCCTTTTT
(3)標的タンパク質
標的タンパク質として、前記実施例B1のA/California/04/2009由来HA(HA/H5N1)を使用した。
(4)ELAA
96穴プレート(商品名immobilized Amino plate、#436006、Nunc社)に、ウェルあたり0.02μmol/Lの前記アミノ化アンチセンス100μLを添加し、室温で2時間インキュベートして、前記アミノ化アンチセンスを固定化した。1回目のブロッキングは、1mol/L Tris(pH7.4)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。2回目のブロッキングは、ブロッキングバッファーとして、商品名Protein−Free(TBS)blocking buffer(#37570、PIERCE社)を使用し、処理条件は、室温で1時間とした。
他方、所定濃度(0、0.0002、0.002、0.02、0.2、2μmol/L)の前記HAと、2nmol/Lのビオチン化ポリdA付加アプタマーとを混合し、4℃で一晩インキュベートし、前記HAと前記アプタマーとを結合させた。そして、この混合液を1nmol/Lとなるように、前記ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした後、洗浄し、ストレプトアビジン(SA)−HRP(×1000)による発色反応を行って、吸光度を測定した。なお、特に示さない限りは、前記実施例B2におけるELAAと同様の条件で処理を行った。
比較例として、前記アミノ化アンチセンスに代えて、5’末端をアミノ化した24塩基長のポリdTを使用した以外は、同様にして吸光度の測定を行った。
これらの結果を、図15に示す。図15は、固定化したアンチセンスに結合したアプタマーの量を示すグラフである。図15において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)である。
図15に示すように、前記アンチセンスと前記アプタマーとを組み合わせた場合、HAの濃度が増加するにしたがって、吸光度が相関性をもって減少した。これは以下の理由による。HAが非存在の場合、前記アプタマーは、プレートに固定化された前記アンチセンスと結合できる。このため、前記アンチセンスを介して前記プレートに捕捉された前記アプタマーのビオチンと、SA−HRPが結合して、発色が生じる。しかしながら、HAが存在する場合、前記アプタマーは、前記HAと結合するため、前記プレートに固定化された前記アンチセンスと結合できず、前記プレートに捕捉されない。このため、SA−HRPによる発色反応が生じない。したがって、HAの濃度の増加に相関的に、吸光度が減少する。なお、ポリdTを用いた場合、前記アプタマーに付加されたポリdAと結合できるため、HAの増加によっても吸光度の減少は見られなかった。このような方法(Competitive−ELAA)によれば、測定された吸光度は、アンチセンスに捕捉された、HAと未結合のアプタマーの量を示すことから、間接的にHAを定性および定量できる。
[実施例B7]
アプタマーについて、抗体との交差反応を確認した。特に示さない限り、前記実施例A1(4)と同様にして行った。
標的タンパク質は、前記A/California/04/2009由来HA1(HA1California)に代えて、A/Anhui/1/2005由来HA1(HA1Anhui)、BSA、His−MIFを使用した。抗体は、前記実施例A1(4)に記載した、Rabbit IgG、Mouse IgG、Chicken IgG、Rat IgG、Goat IgGを使用した。
これらの結果を図16に示す。図16は、各抗体に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図16のグラフにおいて、縦軸は、図4と同様にシグナル強度(RU)の相対値を示す。前記各アプタマーの9種類のバーは、左から、BSA、Rabbit IgG、Mouse IgG、Chicken IgG、Rat IgG、Goat IgG、His−MIF、HA1/H1N1、HA1/H5N1の結果を示す。
図16に示すように、実施例のアプタマーは、いずれの抗体に対してもほとんど結合能を示すことなく、HAに強い結合能を示した。このため、例えば、本発明のアプタマーを使用してインフルエンザウイルスまたはHAを検出する際、抗体との併用が可能であることがわかった。
[実施例C1]
下記アプタマーについて、標的タンパク質への結合能を確認した。特に示さない限り、前記実施例A1(3)と同様にして行った。
(1)アプタマー
RHA0002(配列番号12)
GGTTAGCCCGTCCCGAGATAACTCGGGGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACACGGCGGCTGTAG
RHA0002_s16(配列番号13)
GGTTTGGTCTGGTTGG
RHA0002_s20(配列番号14)
GTGGTTTGGTCTGGTTGGAC
RHA0002_s26(配列番号15)
CGTTTGGTTTGGTCTGGTTGGCAACG
RHA0002_s28(配列番号16)
CGTTATGGTTTGGTCTGGTTGGCTAACG
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
(2)標的タンパク質
標的タンパク質は、前記HA1Anhuiを使用した。
これらの結果を図17に示す。図17は、標的タンパク質に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図17のグラフにおいて、縦軸は、シグナル強度(RU)の相対値を示す。相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。図17において、「0-pool」は、前記N30の結果を示す。図17に示すように、実施例のアプタマーは、いずれもHA1Anhuiに結合能を示した。
[実施例C2]
下記アプタマーについて、標的タンパク質および抗体への結合能を確認した。特に示さない限り、前記実施例A1(4)と同様にして行った。
(1)アプタマー
RHA0002_s33(配列番号17)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
RHA0002_s33_d9(配列番号48)
GTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACACTTTTTTTTTGTGTTTGATGGTTTGGTCTGGTTGGCTTAACAC
RHA0006_s19(配列番号19)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d9(配列番号32)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d9_AT(配列番号46)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGATATATATAGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d5(配列番号33)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_d_R20(配列番号47)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGGATTGGAATTAAGGCGTGTGGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
RHA0006_s19_t9(配列番号51)
GGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGGTTTTTTTTTGGGTTTGGGTTGGGTTGGG
(2)標的タンパク質
標的タンパク質は、前記HA1Anhuiおよび前記HAAnhuiを使用し、抗体は、前記実施例A1(4)に記載したRabbit IgGを使用した。
これらの結果を図18に示す。図18は、標的タンパク質および抗体に対する各アプタマーの結合能を示すグラフである。図18のグラフにおいて、縦軸は、シグナル強度(RU)の相対値を示す。相対値は、前記実施例A1(3)と同様にして求めた。図18において、「control」は、前記N30の結果を示す。
図18に示すように、実施例のアプタマーは、いずれも、抗体に対してほとんど結合能を示さなかったのに対して、HA1AnhuiおよびHAAnhuiに結合能を示した。また、アプタマー内のリンカーの長さを変化させた結果、リンカー長が9塩基であるRHA0006_s19_d9(配列番号32)よりも、リンカー長が5塩基であるRHA0006_s19_d5(配列番号33)の方が、より優れた結合能を示した。
[実施例D1]
アプタマーを用いて、ELAAにより、固定化したインフルエンザウイルスの検出を行った。
(1)ウイルス
インフルエンザウイルスは、以下のものを使用し、対照例のウイルスとして、以下の非インフルエンザウイルスを使用した。
(インフルエンザウイルス)
H1N1
A/Brisbane/10/07
A/California/04/09
A/Georgia/20/06
H3N2
A/Wisconsin/67/05
A/Brisbane/59/07
A/Moscow/10/99
H5N1
A/Japanese white eye/Hong Kong/38/06
(非インフルエンザウイルス)
Sindbis virus
(2)ウイルスストックの調製1
前記H1N1、前記H3N2および前記非インフルエンザウイルスについて、以下の方法によりウイルスストックを調製した。
ウイルスの研究用細胞として、イヌの腎臓から樹立されたMDCK(Madin Darby Canine Kidney)セルライン(ATCC(登録商標) CCL−34(商標))を使用した。生育培地は、下記組成(終濃度)とした。前記生育培地の成分として、ウシ胎児血清(FBS)は、商品名DFBS(Mediatech社)を使用し、その他の成分は、Invitrogen社の製品を使用した。培養条件は、37℃±2℃、加湿下、5% CO、一晩とした。また、培養プレートは、使用前に、培養密度が80%であることを確認した。
(生育培地)
1× 最小必須培地(MEM)
5% FBS
2mmol/L L−グルタミン
3% NaHCO
1× MEM Vitamins Solution
フラスコ内で、コンフルエントな前記MCDK細胞(約9.6×10細胞/mL)に各ウイルスを感染させた。前記細胞の培養には、下記組成(終濃度)の感染培地を使用した。前記感染培地の成分は、特に示す他は、Life Technologiesの製品を使用した。そして、A/Brisbane/59/07およびA/California/04/09については、感染効率(MOI)を0.01PFU/細胞とした。A/Brisbane/10/07、A/Wisconsin/67/05、A/Moscow/10/99、A/Georgia/20/06およびSinbisについては、感染効率(MOI)を0.05PFU/細胞とした。PFUは、プラーク形成単位を示す。
(感染培地)
1× MEM
3% NaHCO
1× MEM Vitamins solution(Sigma社)
1× L−グルタミン
100U/mL ペニシリン
100μg/mL ストレプトマイシン
50μg/mL ゲンタマイシン
前記細胞に前記ウイルスを1時間感染させた後、前記フラスコに、2μg/mLとなるように、改変トリプシンを添加した。前記改変トリプシンは、L−(トシルアミド-2-フェニル) エチル クロロメチル ケトン(TPCK)で処理したトリプシン(商品名TPCK treated trypsin、USB社)を使用した。
そして、細胞変性効果(CPE)が約100%となった時点で、ウイルスを含む培養上清を、遠心分離(200×G、10分、4℃)により回収した。前記上清の残りを、前記上清を、限外ろ過膜を用いた遠心分離によって、100kDa以下のタンパク質の除去とウイルスの濃縮を行った。前記限外ろ過膜は、商品名Amicon Ultra centrifugal filter devices 100,000 NMWL(Millipore)を使用し、遠心分離の条件は、3000×G、4℃、30分とした。この操作を繰り返し行い、前記上清全てを濃縮した。この濃縮物を半精製のウイルスストックとした。前記ウイルスストックの一部を採取し、これに含まれるウイルスをUV照射で不活性化し、その濃度をBCA assay(商品名、Pierce)を用いて決定した。前記ウイルスストックは、−65℃以下で保存した。
(3)ウイルスストックの調製2
トリインフルエンザウイルスである前記H5N1について、以下の方法によりウイルスストックを調製した。
弱毒化された rg A/Japanese White Eye/Hong Kong/38/06を、特定病原体がフリー(SPF)である鶏卵に接種し、前記鶏卵を生育させてウイルス感染を行い、48時間後に、ウイルスを含む漿尿液画分を採取した。そして、回収した前記画分を、希釈液で希釈した。前記希釈液は、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび50μg/mLゲンタマイシンを含む1×PBS(pH7.4)を使用した。前記(2)に示す濃縮を行うことなく、前記画分の希釈物を、ウイルスストックとした。前記ウイルスストックは、−65℃以下で保存した。
なお、前記H5N1は、前述のように鶏卵で増殖させているため、鶏卵由来タンパク質を多く含むため、前記「(2)ウイルスストックの調製1」における、カラムによる精製工程は行わなかった。そこで、前記H5N1のウイルスストックに関しては、使用量を、ウイルス濃度ではなく、前記タンパク質濃度で示した。なお、前記H5N1は、固定化するウイルス数を、他のウイルスと同程度の条件とするために、他のウイルスのウイルス濃度(V μg/well)に対して、100〜1000倍のタンパク質濃度(100×V μg/well〜1000×V μg/well)となるように使用した。
(4)ELAA(直接法)
アプタマーとして、前記実施例A3に示すRHA0006_s19(配列番号19)、前記実施例B1に示すRHA1635_s62(配列番号23)、RHA0385_s28(配列番号25)、RHA0006_s19_d5(配列番号33)を使用した。そして、前記標的タンパク質に代えて、前記ウイルスを固定化した以外は、前記実施例B2と同様にして、ELAAを行った。また、コントールとして、前記実施例B1と同じコントロールの核酸分子(配列番号39)を使用した。
(5)ウイルスに対する結合能
各アプタマーについて、各種ウイルスに対する結合能の結果を以下に示す。
(5−1)H5N1
RHA1635_s62(配列番号23)、RHA0006_s19_d5(配列番号33)およびRHA0385_s28(配列番号25)について、H5N1であるA/Japanese white eye/Hong Kong/38/06への結合能を確認した。前記各アプタマーの濃度は、0.2μmol/Lとした。これらの結果を、図25に示す。図25は、ウイルスに結合したアプタマーの量を示すグラフである。図25において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)であり、横軸は、固定化したウイルスの量に対応するタンパク質量(μg/well)を示す。
図25に示すように、前記コントロールの核酸分子は、インフルエンザウイルスH5N1にほとんど結合性を示さなかった。これに対して、前記各アプタマーは、インフルエンザウイルスH5N1に優れた結合性を示した。
なお、RHA0006_s19_d5について、H1N1(ウイルス:1μg/well)に対する結合性を示す吸光度(図示せず)と、図25に示す前記H5N1(タンパク質:100μg/well)に対する結合性を示す吸光度は、同程度であった。この結果に基づき、前述のように、以下の実験においては、H5N1以外のウイルスのウイルス濃度(V μg/well)に対して、H5N1は、100倍のタンパク質濃度(100×V μg/well)となるように、固定化した。
(5−2)H1N1、H3N2およびH5N1
RHA1635_s62(配列番号23)およびRHA0006_s19_d5(配列番号33)について、インフルエンザウイルスH1N1、H3N2、H5N1および非インフルエンザウイルスであるSindbis virusへの結合能を確認した。前記各アプタマーの濃度は、0.2μmol/Lとした。また、H5N1以外のウイルスは、固定化ウイルス量を1μg/wellとし、H5N1は、固定化ウイルス量に代えて、これに対応するタンパク質量を100μg/wellとした。これらの結果を、図26に示す。図26は、ウイルスに結合したアプタマーの量を示すグラフである。図26において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)である。
図26に示すように、前記コントロールの核酸分子は、非インフルエンザウイルスとインフルエンザウイルスのいずれにもほとんど結合性を示さなかった。これに対して、前記各アプタマーは、非インフルエンザウイルスには結合性を示さず、インフルエンザウイルスのみに優れた結合性を示した。また、この結果から、本発明のアプタマーは、インフルエンザウイルスの検出において、直接法にも適用できることがわかった。
[実施例D2]
固定化した捕捉用アプタマーによりインフルエンザウイルスを捕捉し、検出用アプタマーにより前記インフルエンザウイルスの検出を行った。
(1)ウイルス
前記実施例D1で調製した以下のウイルスを使用した。
(インフルエンザウイルス)
H1N1
A/California/04/09
A/Georgia/20/06
H3N2
A/Moscow/10/99
H5N1
A/Japanese white eye/Hong Kong/38/06
(非インフルエンザウイルス)
Sindbis virus
(2)ELAA(サンドイッチ法)
捕捉アプタマーとして、RHA0385_s28(配列番号25)、RHA0006_s19_d5(配列番号33)を使用し、検出用のビオチン化アプタマーとして、RHA0006_s19_d5(配列番号33)を使用した。そして、前記標的タンパク質に代えて、前記ウイルスを使用し、前記H5N1は、タンパク質量を1μg/wellとし、それ以外のウイルスは、ウイルス量を1μg/wellとし、前記捕捉用アプタマーの濃度を0.1μmol/L、前記ビオチン化アプタマーの濃度を0.1μmol/Lとした以外は、前記実施例B3と同様にして、ELAAを行った。また、ブランクとして、インフルエンザウイルスに代えて、バッファーを添加した系、コントロールとして、前記アプタマーに代えて、前記実施例B1のコントロールの核酸分子(配列番号39)を使用した系について、同様にELAAを行った。
これらの結果を、図27に示す。図27は、アプタマーに結合したインフルエンザウイルスの量を示すグラフである。図27において、縦軸は、前記結合能を示す波長450nmの吸光度(参照波長は620nm)である。
図27に示すように、前記コントロールの核酸分子は、非インフルエンザウイルスとインフルエンザウイルスのいずれにもほとんど結合性を示さなかった。これに対して、前記各アプタマーは、非インフルエンザウイルスには結合性を示さず、インフルエンザウイルスのみに優れた結合性を示した。また、この結果から、本発明のアプタマーは、インフルエンザウイルスの検出において、サンドイッチ法にも適用できることがわかった。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
この出願は、2012年6月4日に出願された日本出願特願2012−12861を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明の核酸分子によれば、インフルエンザウイルスに結合可能であるため、例えば、インフルエンザを検出できる。このため、本発明の核酸分子は、例えば、臨床分野、畜産分野等におけるインフルエンザウイルスの検出等に、極めて有用なツールとなる。

Claims (7)

  1. 下記(a)〜(d)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含むことを特徴とするインフルエンザウイルスに結合する核酸分子。
    (a)配列番号1〜30のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチド
    (b)前記(a)のいずれかの塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
    (c)前記(a)のいずれかの塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
    (d)前記(a)のいずれかの塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに、相補的な塩基配列からなり、インフルエンザウイルスに結合するポリヌクレオチド
  2. 前記ポリヌクレオチドを、2つ以上含む、請求項1記載の核酸分子。
  3. 前記2つ以上のポリヌクレオチドが、リンカーを介して連結している、請求項2記載の核酸分子。
  4. 配列番号19の塩基配列からなるポリヌクレオチド(RHA0006_s19)または配列番号17の塩基配列からなるポリヌクレオチド(RHA0002_s33)を、2つ含み、前記2つのポリヌクレオチドが、リンカーを介して連結している、請求項2または3記載の核酸分子。
  5. リンカーを介して連結した2つのポリヌクレオチドの全体の塩基配列が、配列番号31または配列番号45の塩基配列である、請求項4記載の核酸分子。
  6. 前記ポリヌクレオチドが、DNAである、請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸分子。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の核酸分子を含むことを特徴とする、インフルエンザウイルスに結合する結合剤。
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