JPWO2013153632A1 - コンデンサー - Google Patents

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JPWO2013153632A1
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久志 白鳥
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Abstract

本発明のコンデンサーは、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層130と、当該誘電体層130を挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備えるコンデンサー10。イオン性液晶は、下記の一般式(1)で表されるイオン性スメクチック液晶からなる。【化1】但し、一般式(1)中、R1は炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、R2は炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、A2−は陰イオンを示す。なお、A1は省略されることもある。【化2】本発明のコンデンサーによれば、従来のフィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能となる。

Description

本発明は、コンデンサーに関する。
従来、周波数特性に優れ、安定で寿命が長いコンデンサーとして、積層セラミックコンデンサー及びフィルムコンデンサーが知られている。これらのうち積層セラミックコンデンサーは、形状自由度が低く、また、温度特性及び直流バイアス特性を有することから、形状自由度を要求する用途、広い温度範囲で使用する用途又は直流バイアスが印加される条件で使用する用途には、もっぱらフィルムコンデンサーが使用されている。
フィルムコンデンサーは、例えば、有機誘電体フィルムの片面に金属薄膜が形成された片面金属化誘電体フィルムを順次重ねて積層又は巻回した構造、または、有機誘電体フィルムの両面に金属薄膜が形成された両面金属化誘電体フィルムと非金属化誘電体フィルムとを順次重ねて積層又は巻回した構造を有する(例えば、特許文献1の図4参照。)。
特開2004−314980号公報 特開2004−250687号公報 特開2001−60537号公報 国際公開99/22388号明細書
しかしながら、フィルムコンデンサーは、誘電体が有機誘電体フィルムからなるため、誘電体の比誘電率が低く(高々3〜6程度)であり、単位体積当たりの容量を大きくすることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することを目的とする。
[1]本発明のコンデンサーは、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層と、当該誘電体層を挟んで対向する一対の電極層とを備えることを特徴とする。
本発明のコンデンサーによれば、誘電体層として、フィルムコンデンサーに用いる有機誘電体材料よりも高い比誘電率(10〜1000000)を有するイオン性液晶を用いているため、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。
また、本発明のコンデンサーによれば、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
なお、比誘電率の高い液晶材料をコンデンサーの誘電体材料として用いること自体は知られている(例えば、上記した特許文献2〜4参照。)。例えば、特許文献2には、高誘電フィラー(液晶ポリマーの例示あり)と樹脂とを含有した高誘電樹脂組成物を支持体上に流延し溶媒を除去して得られる高誘電樹脂フィルムを誘電体層として用いたコンデンサーが開示されている。また、特許文献3には、電解液に強誘電性液晶を含有させた電気二重層コンデンサーが開示されている。また、特許文献4には、液体誘電体として比誘電率の高い液晶材料を用いたコンデンサーが開示されている。
しかしながら、これらのコンデンサーにおいて用いられる液晶材料の比誘電率は高くても10000程度であるため、これらの液晶材料を用いて、従来のセラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを実現することはできない。
これに対して、イオン性液晶においては、比誘電率を10000〜1000000程度とすることが可能であるため、このようなイオン性液晶を用いることにより、従来のセラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを実現することが可能となる。
イオン性液晶が、比誘電率の高い通常の液晶材料(例えばスメクチック液晶)よりも格段に高い比誘電率を有し得るのは以下の理由による。すなわち、比誘電率の高い通常の液晶材料(例えばスメクチック液晶)においては、分極が部分的(分極電荷量:δ(0<δ<1))かつ比較的短距離(隣接する結合原子間の距離程度)に生じていることから、比較的小さい双極子モーメントを有するのに対して、イオン性液晶においては、分極が完全に(分極電荷量δ:δ=1,2,・・・)かつ比較的長距離(正イオン・陰イオン間の距離/隣接する結合原子間の距離よりも長い)に生じていることから、比較的大きい双極子モーメントを有するからである。
[2]本発明のコンデンサーにおいては、前記イオン性液晶が、下記の一般式(1)で表されるイオン性スメクチック液晶からなることが好ましい。
Figure 2013153632
但し、一般式(1)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、Rは炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、A2は陰イオンを示す。なお、A1は省略されることもある。
Figure 2013153632
上記した構造を有するイオン性スメクチック液晶は極めて高い比誘電率を有するため、このような構成とすることにより、極めて単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを提供することが可能となる。
また、元来、イオン性スメクチック液晶は長軸に沿った軸を中心にして比較的高速に回転可能であるため、このような構成とすることにより充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。
上記した構造を有するイオン性スメクチック液晶は、2環のもの(すなわち、A1が省略されていないもの)が好ましい。2環のものは、1環のものや3環のものに比べて液晶となる温度範囲が室温に近いからである。
なお、本発明のコンデンサーにおいて、A1が省略される場合とは、一般式(1)で表されるイオン性液晶におけるピリジン環の4位にRが直接結合されている場合のことである。
[3]本発明のコンデンサーにおいては、前記Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、前記Rは炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示し、前記A2はハロゲンイオンを示すことが好ましい。
及びRを上記したものとすることにより、上記した構造を有するイオン性スメクチック液晶を、配向性に優れたイオン性スメクチック液晶とすることができる。また、A2を分子半径の小さいハロゲンイオンにすることにより、充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。
[4]本発明のコンデンサーにおいては、前記イオン性液晶が、下記の一般式(2)で表されるイオン性スメクチック液晶からなることもまた好ましい。
Figure 2013153632
但し、一般式(2)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、nは1〜20の整数を示し、A3は陰イオン基を示す。なお、A1は省略されることもある。
Figure 2013153632
上記した構造を有するイオン性スメクチック液晶も極めて高い比誘電率を有するため、このような構成とすることにより、極めて単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを提供することが可能となる。
また、元来、イオン性スメクチック液晶は長軸に沿った軸を中心にして比較的高速に回転可能であるため、このような構成とすることにより充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。
上記した構造を有するイオン性スメクチック液晶は、2環のもの(すなわち、A1が省略されていないもの)が好ましい。2環のものは、1環のものや3環のものに比べて液晶となる温度範囲が室温に近いからである。
なお、本発明のコンデンサーにおいて、A1が省略される場合とは、一般式(2)で表されるイオン性液晶におけるピリジン環の4位にRが直接結合されている場合のことである。
[5]本発明のコンデンサーにおいては、前記Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、前記nは1〜10の整数を示し、前記A3はSO 、COO−、PO 又はPO 2−を示すことが好ましい。
を上記したものとするとともに、nを1〜10の範囲内にすることにより、上記した構造を有するイオン性スメクチック液晶を、配向性に優れたイオン性スメクチック液晶とすることができる。また、nを1〜10の範囲内にするとともに、A2をSO 、COO−、PO 又はPO 2−にすることにより、比較的充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。
[6]本発明のコンデンサーにおいては、前記液晶組成物は、前記イオン性液晶として、複数種類のイオン性液晶を含むことが好ましい。
このような構成とすることにより、液晶組成物における液晶となる温度範囲を広くすることが可能となる。
[7]本発明のコンデンサーにおいては、前記液晶組成物は、前記イオン性液晶に加えて、非イオン性の強誘電性スメクチック液晶を含むことが好ましい。
このような、非イオン性の強誘電性スメクチック液晶を含むことにより、イオン性液晶のみを含む場合と比較して、液晶組成物における液晶となる温度範囲を広くする際の材料選択の自由度を高くすることができる。
[8]本発明のコンデンサーにおいては、前記一対の電極層のうちの一方の電極層と前記誘電体層との間及び前記一対の電極層のうちの他方の電極層と前記誘電体層との間には、それぞれ絶縁層が配設されていることが好ましい。
イオン性液晶は、非イオン性液晶と比較して絶縁性に劣ることから、コンデンサーとしたときにリーク電流が増大する可能性がある。しかしながら、このような構成とすることにより、コンデンサーとしたときのリーク電流を低減することが可能となる。
[9]本発明のコンデンサーにおいては、前記一対の電極層はいずれも金属からなり、前記絶縁層は、前記一対の電極層の表面を酸化又は窒化することにより形成されたものであることが好ましい。
このような構成とすることにより、絶縁性の高い絶縁層を比較的容易に製造することが可能となる。また、絶縁層の厚さを極めて薄くすることが可能となることから、絶縁層を配設することに起因して比誘電率がそれほど低下することもなくなる。
[10]本発明のコンデンサーにおいては、前記一対の電極層はいずれも金属からなり、前記絶縁層は、前記一対の電極層の表面を酸化又は窒化することにより形成された第1の絶縁層と、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層とからなることもまた好ましい。
このような構成とすることにより、極めて絶縁性の高い絶縁層を比較的容易に製造することが可能となる。その結果、リーク電流が極めて低くかつ信頼性が高いコンデンサーを提供することが可能となる。
[11]本発明のコンデンサーにおいては、前記絶縁層は、有機樹脂の薄膜からなることもまた好ましい。
このような構成とすることにより、絶縁性の高い絶縁層を比較的容易に製造することが可能となる。
[12]本発明のコンデンサーにおいては、前記絶縁層における前記誘電体層と接する面には、配向処理が施されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、液晶組成物の配向性を高くすることができることから、誘電体層の比誘電率を高くすることが可能となるため、より一層単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを提供することが可能となる。また、液晶分子の軸に沿った回転速度を速くすることが可能となるため、充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。さらにまた、液晶組成物の配向状態を安定に保つことが可能となるため、信頼性の高いコンデンサーを提供することが可能となる。
[13]本発明のコンデンサーにおいては、前記誘電体層は、多数の連通孔を有する多孔性セパレーターをさらに含み、前記液晶組成物は、前記多孔性セパレーターにおける多数の連通孔の中に存在することが好ましい。
このような構成とすることにより、上記した本発明のコンデンサーを実現することができる。
[14]本発明のコンデンサーにおいては、前記誘電体層は、前記一対の電極層の間に前記多孔性セパレーターと前記液晶組成物とを配置した状態で前記液晶組成物を少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱して前記液晶組成物を前記多孔性セパレーターにしみ込ませることにより形成されたものであることが好ましい。
このような構成とすることにより、比較的容易な製造工程で本発明のコンデンサーを実現することができる。
[15]本発明のコンデンサーにおいては、前記誘電体層は、前記一対の電極層の間の空隙に封入された前記液晶組成物からなることもまた好ましい。
このような構成とすることによっても、本発明のコンデンサーを実現することができる。
[16]本発明のコンデンサーにおいては、前記誘電体層は、少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の前記液晶組成物を前記一対の電極層の間の空隙に封入することにより形成されたものであることが好ましい。
このような構成とすることにより、比較的容易な製造工程で本発明のコンデンサーを実現することができる。
[17]本発明のコンデンサーにおいては、前記誘電体層は、前記一対の電極層のうち一方の電極層上に、少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の前記液晶組成物を塗布して前記液晶組成物からなる層を形成した後、当該液晶組成物からなる層上に前記一対の電極層のうち他方の電極層を載置することにより形成されたものであることもまた好ましい。
このような構成とすることによっても、比較的容易な製造工程で本発明のコンデンサーを実現することができる。
[18]本発明のコンデンサーにおいては、前記誘電体層は、基材上に前記一対の電極層のうち一方の電極層を形成した後に、当該一方の電極層上に少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の前記液晶組成物を塗布して前記液晶組成物からなる層を形成し、さらにその後、当該液晶組成物からなる層上に前記一対の電極層のうち他方の電極層を形成することにより形成されたものであることもまた好ましい。
このような構成とすることによっても、比較的容易な製造工程で本発明のコンデンサーを実現することができる。
[19]本発明のコンデンサーにおいては、前記一対の電極層の間には、当該一対の電極間の間隔を一定に保つためのスペーサーが配設されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、一対の電極間の間隔が一定で、均一な容量を有するコンデンサーを実現することができる。
実施形態1に係るコンデンサー10を説明するために示す図である。 実施形態1に係るコンデンサー10の動作を説明するために示す図である。 実施形態1に係るコンデンサー10を製造する方法を説明するために示す図である。 実施形態2に係るコンデンサー12の断面図である。 実施形態3に係るコンデンサー14の断面図である。 実施形態4に係るコンデンサーを説明するために示す図である。 実施形態5に係るコンデンサー18の断面図である。 実施形態6に係るコンデンサー20の断面図である。 実施形態7に係るコンデンサー22の断面図である。 実施形態8に係るコンデンサー24の断面図である。 実施形態9に係るコンデンサー26の断面図である。 実施形態10に係るコンデンサー28の断面図である。 実施形態11に係るコンデンサー30を製造する方法を説明するために示す図である。 実施形態12に係るコンデンサー32を製造する方法を説明するために示す図である。 実施形態13に係るコンデンサー34を製造する方法を説明するために示す図である。 実施形態14に係るコンデンサー36を説明するために示す図である。 実施例の結果を示す図表である。
以下、本発明のコンデンサーを、図に示す実施形態に基づいてさらに詳細に説明する。
[実施形態1]
1.コンデンサーの構成
図1は、実施形態1に係るコンデンサー10を説明するために示す図である。図1(a)はコンデンサー10の断面図であり、図1(b)はコンデンサー10の平面図であり、図1(c)は図1(b)の符号Aで示す部分における誘電体層130の要部拡大断面図である。
実施形態1に係るコンデンサー10は、図1(a)に示すように、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層130と、当該誘電体層130を挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備える。
実施形態1に係るコンデンサー10においては、一対の電極層110a,110bはいずれも金属(例えばアルミニウム箔)からなる。一対の電極層110a,110bの表面には、一対の電極層110a,110bの表面を酸化又は窒化することにより形成された絶縁層120a,120bが形成されている。従って、実施形態1に係るコンデンサー10においては、図1(a)に示すように、一対の電極層110aのうちの一方の電極層110aと誘電体層130との間及び一対の電極層110a,110bのうちの他方の電極層110bと誘電体層130との間には、それぞれ絶縁層120a,120bが配設されている。
実施形態1に係るコンデンサー10においては、誘電体層130は、図1(c)に示すように、多数の連通孔を有する多孔性セパレーター132をさらに含み、上記した液晶組成物134は、多孔性セパレーター132における多数の連通孔の中に存在している。
実施形態1に係るコンデンサー10においては、多孔性セパレーター132は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)からなる。多孔性セパレーター132の厚さは、例えば0.1μm〜100μmである。
実施形態1に係るコンデンサー10においては、上記したイオン性液晶は、下記の一般式(1)で表されるイオン性スメクチック液晶からなる。
Figure 2013153632
但し、一般式(1)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、Rは炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、A2は陰イオンを示す。なお、A1は省略されることもある。
Figure 2013153632
実施形態1に係るコンデンサー10においては、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示し、A2は陰イオンとしてのハロゲンイオンを示す。
実施形態1に係るコンデンサー10においては、誘電体層130は、一対の電極層1101,110bの間に多孔性セパレーター132と液晶組成物134とを配置した状態で液晶組成物134を少なくとも「液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱して液晶組成物134を多孔性セパレーター132にしみ込ませることにより形成することができる。具体的には後述する。
2.コンデンサーの動作
図2は、実施形態1に係るコンデンサー10の動作を説明するために示す図である。図2(a)はイオン性液晶の長軸方向に垂直な方向から見たときのイオン性液晶の配向状態を模式的に示す図であり、図2(b)はイオン性液晶の長軸方向に沿った方向から見たときのイオン性液晶の配向状態を模式的に示す図である。図2(a)及び図2(b)のそれぞれについて、左側の図面は一方の電極層110aに正電位を与え他方の電極層110bに負電位を与えたときの図であり、中央の図面は一方の電極層110a及び他方の電極層110bに等電位を与えたときの図であり、右側の図面は一方の電極層110aに負電位を与え他方の電極層110bに正電位を与えたときの図である。
実施形態1に係るコンデンサー10は、図2に示すように、一方の電極層110a及び他方の電極層110bに等電位を与えたときには、イオン性液晶の本体からなる正イオン(+)とハロゲンイオン(−)とが、イオン性液晶の本体からなる正イオン(+)とハロゲンイオン(−)とから形成される多数の双極子モーメントが全体として双極子モーメントを打ち消し合う位置に配置されるようになるため、蓄積される電荷量は0となる(図2中、中央の図面参照。)。一方、一方の電極層110aに正電位を与え他方の電極層110bに負電位を与えたときには、イオン性液晶の本体からなる正イオン(+)が他方の電極層110b側に偏倚し、ハロゲンイオン(−)が一方の電極層110a側に偏倚するため、所定の電荷量が蓄積される(図2中、左側の図面参照。)。また、一方の電極層110aに負電位を与え他方の電極層110bに正電位を与えたときには、イオン性液晶の本体からなる正イオン(+)が一方の電極層110a側に偏倚し、ハロゲンイオン(−)が他方の電極層110b側に偏倚するため、所定の電荷量が蓄積される(図2中、右側の図面参照。)。
これにより、実施形態1に係るコンデンサー10においては、一対の電極層110a,110b間に所定の電圧を印加したときには、コンデンサーが充電され(図2中、左側の図面又は右側の図面参照。)、その後、一対の電極層110a,110b間を所定の負荷を介して短絡したときには、コンデンサーが放電する(図2中、中央の図面参照。)。
3.コンデンサーの製造方法
図3は、実施形態1に係るコンデンサー10を製造する方法を説明するために示す図である。図3(a)〜図3(f)は各工程を示す図である。
実施形態1に係るコンデンサー10は、以下の工程により製造することができる。
(1)部材準備工程
ガラス基板180,182、アルミニウム箔からなる第1電極層110a及び第2電極層110b、PPSからなる多孔性セパレーター132並びに上記した液晶組成物134を準備する。第1電極層110aとしては、表面を自然酸化して絶縁層120aが形成されたものを用いる。第2電極層110bとしても、表面を自然酸化して絶縁層120bが形成されたものを用いる。
(2)部材載置工程
次に、図3(a)に示すように、ガラス基板180上に、絶縁層120aを上方に向けた状態の第1電極層110aを載置する。その後、第1電極層110aにおける絶縁層120a上に多孔性セパレーター132を載置する。さらにその後、多孔性セパレーター132上に粉末状の液晶組成物134を載置する。
次に、図3(b)に示すように、絶縁層120bを下方に向けた状態の第2電極層110bを、粉末状の液晶組成物134を介して、多孔性セパレーター132上に載置する。次に、第2電極層110b上にガラス基板182を載置する。
(3)加圧及び加温工程
次に、図3(c)に示すように、ガラス基板180とガラス基板182との間に圧力を印加した状態で、液晶組成物134を少なくとも「液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」に系全体を加温することにより、液晶組成物134を多孔性セパレーター132にしみ込ませる。
(4)取り外し工程
次に、図3(d)に示すように、ガラス基板180とガラス基板182を取り外すことにより、積層構造体10’を形成する。
(5)打ち抜き工程
次に、積層構造体10’を丸型に打ち抜くことにより、実施形態1に係るコンデンサー10が完成する。
4.コンデンサーの効果
上記のように構成された実施形態1に係るコンデンサー10によれば、誘電体層130として、フィルムコンデンサーに用いる有機誘電体材料よりも高い比誘電率(10〜1000000)を有するイオン性液晶を用いているため、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。
また、実施形態1に係るコンデンサー10によれば、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、一般式(1)で表されるイオン性スメクチック液晶は極めて高い比誘電率を有するため、このような構成とすることにより、極めて単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを提供することが可能となる。
また、元来、イオン性スメクチック液晶は長軸に沿った軸を中心にして比較的高速に回転可能であるため、このような構成とすることにより、充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。
また、実施形態1に係るコンデンサー10によれば、イオン性液晶が、Rが炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、Rが炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示し、A2がハロゲンイオンを示すイオン性液晶であることから、イオン性液晶を、配向性に優れたイオン性液晶とすることができる。また、陰イオンA2が分子半径の小さいハロゲンイオンであることから、充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。
また、実施形態1に係るコンデンサー10によれば、一方の電極層110aと誘電体層130との間及び他方の電極層110bと誘電体層130との間には、それぞれ絶縁層120a,120bが配設されているため、非イオン性液晶と比較して絶縁性に劣るイオン性液晶を用いながらも、コンデンサーとしたときのリーク電流を低減することが可能となる。
また、実施形態1に係るコンデンサー10によれば、一対の電極層110a,110bはいずれも金属からなり、絶縁層120a,120bは、一対の電極層110a,110bの表面を酸化することにより形成されたものであるため、絶縁性の高い絶縁層(例えば酸化アルミニウム)を比較的容易に製造することが可能となる。また、絶縁層の厚さを極めて薄くすることが可能となることから、絶縁層を配設することに起因して比誘電率がそれほど低下することもない。
また、実施形態1に係るコンデンサー10によれば、誘電体層130は、多数の連通孔を有する多孔性セパレーター132をさらに含み、液晶組成物134は、多孔性セパレーター132における多数の連通孔の中に存在するため、本発明のコンデンサーを実現することができる。
また、実施形態1に係るコンデンサー10によれば、誘電体層130は、一対の電極層110a,110bの間に多孔性セパレーター132と液晶組成物134とを配置した状態で液晶組成物134を少なくとも「液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱して液晶組成物134を多孔性セパレーター132にしみ込ませることにより形成されたものであるため、比較的容易な製造工程で本発明のコンデンサーを実現することができる。
[実施形態2]
図4は、実施形態2に係るコンデンサー12の断面図である。
実施形態2に係るコンデンサー12は、基本的には、実施形態1に係るコンデンサー10と同様の構成を有するが、絶縁層の構成が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係るコンデンサー12においては、図4に示すように、絶縁層が、一対の電極層110a,110bの表面を酸化することにより形成された第1の絶縁層120a,120bと、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層122a,122bとからなる。有機樹脂は、例えばポリイミド樹脂からなり、第2の絶縁層122a,122bの厚さは、例えば0.1μm〜10μmの範囲内にある。
このように、実施形態2に係るコンデンサー12は、絶縁層の構成が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なるが、実施形態1に係るコンデンサー10と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物134を含む誘電体層130と、当該誘電体層130を挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態2に係るコンデンサー12によれば、絶縁層が、一対の電極層110a,110bの表面を酸化することにより形成された第1の絶縁層120a,120bと、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層122a,122bとからなることから、絶縁性の高い絶縁層を比較的容易に製造することが可能となる。また、絶縁層の厚さを極めて薄くすることが可能となることから、絶縁層を配設することに起因して比誘電率がそれほど低下することもなくなる。
なお、実施形態2に係るコンデンサー12は、絶縁層の構成以外の点においては実施形態1に係るコンデンサー10の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係るコンデンサー10が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態3]
図5は、実施形態3に係るコンデンサー14の断面図である。
実施形態3に係るコンデンサー14は、基本的には、実施形態1に係るコンデンサー10と同様の構成を有するが、絶縁層の構成が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係るコンデンサー14においては、図5に示すように、絶縁層が、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層122a,122bからなる。有機樹脂は、例えばポリイミド樹脂からなり、第2の絶縁層122a,122bの厚さは、例えば0.1μm〜10μmの範囲内にある。
このように、実施形態3に係るコンデンサー14は、絶縁層の構成が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なるが、実施形態1に係るコンデンサー10と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物134を含む誘電体層130と、当該誘電体層130を挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態3に係るコンデンサー14によれば、絶縁層が、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層122a,122bからなることから、絶縁性の高い絶縁層を比較的容易に製造することが可能となる。
なお、実施形態3に係るコンデンサー14は、絶縁層の構成以外の点においては実施形態1に係るコンデンサー10の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係るコンデンサー10が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態4]
図6は、実施形態4に係るコンデンサーにおける誘電体層130aの構造を説明するために示す図である。
実施形態4に係るコンデンサーは、基本的には、実施形態1に係るコンデンサー10と同様の構成を有するが、誘電体層の構造が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係るコンデンサーにおいては、図6に示すように、誘電体層130aが、極細繊維からなる多孔性セパレーター132aにおける多数の連通孔の中に存在する構造を有する。
このように、実施形態4に係るコンデンサーは、誘電体層の構成が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なるが、実施形態1に係るコンデンサー10と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物134を含む誘電体層130aと、当該誘電体層130aを挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態4に係るコンデンサーによれば、誘電体層130aが、極細繊維からなる多孔性セパレーター132aにおける多数の連通孔の中に存在する構造を有することから、空隙率の大きく容量の大きいコンデンサーを提供することが可能となる。
なお、実施形態4に係るコンデンサーは、誘電体層の構成以外の点においては実施形態1に係るコンデンサー10の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係るコンデンサー10が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態5]
図7は、実施形態5に係るコンデンサー18の断面図である。
実施形態5に係るコンデンサー18は、基本的には、実施形態3に係るコンデンサー14と同様の構成を有するが、誘電体層の構成が実施形態3に係るコンデンサー14の場合とは異なる。すなわち、実施形態5に係るコンデンサー18においては、図7に示すように、誘電体層230は、一対の電極層210a,210bの間の空隙に導入された液晶組成物からなる。一対の電極層210a,210bは、各ガラス基板240a,240bの内面に形成されている。そして、誘電体層230は、少なくとも「液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の液晶組成物を一対の電極層210a,210bの間の空隙に封入することにより形成されたものである。誘電体層230の厚さは、例えば0.1μm〜10μmの範囲内にある。
このように、実施形態5に係るコンデンサー18は、誘電体層の構成が実施形態3に係るコンデンサー14の場合とは異なるが、実施形態3に係るコンデンサー14と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層230と、当該誘電体層230を挟んで対向する一対の電極層210a,210bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態5に係るコンデンサー18によれば、誘電体層230が、一対の電極層210a,210bの間の空隙に導入された液晶組成物からなることから、本発明のコンデンサーを実現することができる。また、実施形態5に係るコンデンサー18によれば、誘電体層230が、少なくとも「液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の液晶組成物を一対の電極層210a,210bの間の空隙に封入することにより形成されたものであることから、比較的容易な製造工程で本発明のコンデンサーを実現することができる。
なお、実施形態5に係るコンデンサー18は、誘電体層の構成以外の点においては実施形態3に係るコンデンサー14の場合と同様の構成を有するため、実施形態3に係るコンデンサー14が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態6]
図8は、実施形態6に係るコンデンサー20の断面図である。
実施形態6に係るコンデンサー20は、基本的には、実施形態5に係るコンデンサー18と同様の構成を有するが、一対の電極層の間にスペーサーが配設されている点で実施形態5に係るコンデンサー18の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係るコンデンサー20においては、図8に示すように、一対の電極層210a,210bの間には、当該一対の電極210a,210b間の間隔を一定に保つためのスペーサー260が配設されている。スペーサー260は、均一な直径を有する球状のギャップ材からなる。ギャップ材の平均直径は、0.1μm〜10μmの範囲内にある。
このように、実施形態6に係るコンデンサー20は、一対の電極層の間にスペーサーが配設されている点で実施形態5に係るコンデンサー18の場合とは異なるが、実施形態5に係るコンデンサー18と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層230と、当該誘電体層230を挟んで対向する一対の電極層210a,210bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態6に係るコンデンサー20によれば、一対の電極層の間には、当該一対の電極間の間隔を一定に保つためのスペーサー260が配設されていることから、一対の電極間の間隔が一定で、均一な容量を有するコンデンサーを実現することができる。
なお、実施形態6に係るコンデンサー20は、誘電体層の構成以外の点においては実施形態5に係るコンデンサー18の場合と同様の構成を有するため、実施形態5に係るコンデンサー18が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態7]
図9は、実施形態7に係るコンデンサー22の断面図である。
実施形態7に係るコンデンサー22は、基本的には、実施形態6に係るコンデンサー20と同様の構成を有するが、スペーサーの構成が実施形態6に係るコンデンサー20の場合とは異なる。すなわち、実施形態7に係るコンデンサー22においては、図9に示すように、スペーサー270は、多数の貫通孔を有し、均一な高さを有するスペーサーからなる。スペーサーの平均高さは、0.1μm〜10μmの範囲内にある。
このように、実施形態7に係るコンデンサー22は、スペーサーの構成が実施形態6に係るコンデンサー20の場合とは異なるが、実施形態6に係るコンデンサー20と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層230と、当該誘電体層230を挟んで対向する一対の電極層210a,210bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態7に係るコンデンサー22によれば、一対の電極層の間には、当該一対の電極間の間隔を一定に保つためのスペーサー260が配設されていることから、一対の電極間の間隔が一定で、均一な容量を有するコンデンサーを実現することができる。
なお、実施形態7に係るコンデンサー22は、スペーサーの構成以外の点においては実施形態6に係るコンデンサー20の場合と同様の構成を有するため、実施形態6に係るコンデンサー20が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態8]
図10は、実施形態8に係るコンデンサー24の断面図である。
実施形態8に係るコンデンサー24は、基本的には、実施形態6に係るコンデンサー20と同様の構成を有するが、絶縁層の構成が実施形態6に係るコンデンサー20の場合とは異なる。すなわち、実施形態8に係るコンデンサー24においては、図10に示すように、絶縁層が、一対の電極層210a,210bの表面を酸化することにより形成された第1の絶縁層220a,220bと、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層222a,222bとからなる。有機樹脂は、例えばポリイミド樹脂からなり、第2の絶縁層222a,222bの厚さは、例えば0.1μm〜10μmの範囲内にある。
このように、実施形態8に係るコンデンサー24は、絶縁層の構成が実施形態6に係るコンデンサー20の場合とは異なるが、実施形態6に係るコンデンサー20と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層230と、当該誘電体層230を挟んで対向する一対の電極層210a,210bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態8に係るコンデンサー24によれば、絶縁層が、一対の電極層210a,210bの表面を酸化することにより形成された第1の絶縁層220a,220bと、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層222a,222bとからなることから、絶縁性の高い絶縁層を比較的容易に製造することが可能となる。また、絶縁層の厚さを極めて薄くすることが可能となることから、絶縁層を配設することに起因して比誘電率がそれほど低下することもなくなる。
なお、実施形態8に係るコンデンサー24は、絶縁層の構成以外の点においては実施形態6に係るコンデンサー20の場合と同様の構成を有するため、実施形態6に係るコンデンサー20が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態9]
図11は、実施形態9に係るコンデンサー26の断面図である。
実施形態9に係るコンデンサー26は、基本的には、実施形態6に係るコンデンサー20と同様の構成を有するが、絶縁層における誘電体層と接する面に配向処理が施されている点で実施形態6に係るコンデンサー20の場合とは異なる。すなわち、実施形態9に係るコンデンサー26においては、図11に示すように、絶縁層における誘電体層と接する面に配向処理が施されている。配向処理としては、ラビング処理を用いる。
このように、実施形態9に係るコンデンサー26は、絶縁層における誘電体層と接する面に配向処理が施されている点で実施形態6に係るコンデンサー20の場合とは異なるが、実施形態6に係るコンデンサー20と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層230と、当該誘電体層230を挟んで対向する一対の電極層210a,210bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
また、実施形態9に係るコンデンサー26によれば、絶縁層における誘電体層と接する面に配向処理が施されていることから、液晶組成物の配向性を高くすることができる。その結果、誘電体層の比誘電率を高くすることが可能となるため、より一層単位体積当たりの容量が大きいコンデンサーを提供することが可能となる。また、液晶分子の軸に沿った回転速度を速くすることが可能となるため、充放電速度の速いコンデンサーを提供することが可能となる。さらにまた、液晶組成物の配向状態を安定に保つことが可能となるため、信頼性の高いコンデンサーを提供することが可能となる。
なお、実施形態9に係るコンデンサー26は、絶縁層における誘電体層と接する面に配向処理が施されている点以外の点においては実施形態6に係るコンデンサー20の場合と同様の構成を有するため、実施形態6に係るコンデンサー20が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態10]
図12は、実施形態10に係るコンデンサー28の断面図である。
実施形態10に係るコンデンサー28は、基本的には、実施形態9に係るコンデンサー26と同様の構成を有するが、配向処理の内容で実施形態9に係るコンデンサー26の場合とは異なる。すなわち、実施形態10に係るコンデンサー28においては、配向処理としては、斜め蒸着処理を用いる。
このように、実施形態10に係るコンデンサー28は、配向処理の内容が実施形態9に係るコンデンサー26の場合とは異なるが、実施形態9に係るコンデンサー26と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層230と、当該誘電体層230を挟んで対向する一対の電極層210a,210bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
なお、実施形態10に係るコンデンサー28は、配向処理の内容以外の点においては実施形態9に係るコンデンサー26の場合と同様の構成を有するため、実施形態9に係るコンデンサー26が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態11]
図13は、実施形態11に係るコンデンサー30を製造する方法を説明するために示す図である。図13(a)〜図13(f)は各工程を示す図である。
実施形態11に係るコンデンサー30は、実施形態9に係るコンデンサー26と同様の構造を有する(図11参照。)。実施形態11に係るコンデンサー30は、以下の工程により製造することができる。
(1)部材準備工程
一方の表面に第1電極層210aが形成されたガラス基板240aと、一方の表面に第2電極層210bが形成されたガラス基板240bとを準備する(図13(a)参照。)。
(2)絶縁層形成工程
ガラス基板240aにおける第1電極層210aの表面にポリイミド樹脂からなる絶縁層222aを形成するとともに、ガラス基板240bにおける第2電極層210bの表面にポリイミド樹脂からなる絶縁層222bを形成する(図13(b)参照。)。
(3)配向処理工程
ラビング処理を用いて、絶縁層222aの表面及び絶縁層222bの表面に配向処理を施す(図13(c)参照。)。
(4)セル組み立て工程
間に球状のスペーサー260を散布した状態でシール部材250を用いることにより、ガラス基板240a及びガラス基板240bを貼り付けてコンデンサー用セル30’を組み立てる。(図13(d)参照。)。
(5)液晶封入工程
液晶組成物を少なくとも「液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した後、当該液晶組成物を前記一対の電極層の間の空隙に封入する(図13(e)参照。)。
(6)液晶封入工程
シール剤252を用いて封入用孔を閉じることにより、実施形態11に係るコンデンサー10が完成する。
[実施形態12]
図14は、実施形態12に係るコンデンサー32を製造する方法を説明するために示す図である。図14(a)〜図14(f)は各工程を示す図である。
実施形態12に係るコンデンサー32は、実施形態11に係るコンデンサー30と同様の構造を有する。実施形態12に係るコンデンサー32は、以下の工程により製造することができる。
(1)部材準備工程
一方の表面に第1電極層210aが形成されたガラス基板240aと、一方の表面に第2電極層210bが形成されたガラス基板240bとを準備する(図14(a)参照。)。
(2)絶縁層形成工程
ガラス基板240aにおける第1電極層210aの表面にポリイミド樹脂からなる絶縁層222aを形成するとともに、ガラス基板240bにおける第2電極層210bの表面にポリイミド樹脂からなる絶縁層222bを形成する(図14(b)参照。)。
(3)配向処理工程
ラビング処理を用いて、絶縁層222aの表面及び絶縁層222bの表面に配向処理を施す(図14(c)参照。)。
(4)液晶組成物の塗布
ガラス基板240aにおける第1電極層210aの上面に、スペーサー260を含む液晶組成物を印刷する(図14(d)参照。)。
(5)セル組み立て工程
ガラス基板240a及びガラス基板240bをシール部材(図示せず。)を用いることにより貼り付けてコンデンサー用セル32’’を組み立てる(図14(e)参照。)。これにより、実施形態11に係るコンデンサー10が完成する(図14(f)参照。)。
[実施形態13]
図15は、実施形態13に係るコンデンサー32を製造する方法を説明するために示す図である。図15(a)〜図15(f)は各工程を示す図である。
実施形態13に係るコンデンサー34は、実施形態11に係るコンデンサー30と同様の構造を有する。実施形態13に係るコンデンサー34は、以下の工程により製造することができる。
(1)ガラス基板準備工程
ガラス基板240を準備する(図15(a)参照。)。
(2)第1電極層形成工程
ガラス基板240の一方の表面に第1電極層210を形成する(図15(b)参照。)。
(3)絶縁層形成工程
ガラス基板240における第1電極層210の表面にポリイミド樹脂からなる絶縁層222aを形成する(図15(c)参照。)。
(4)配向処理工程
ラビング処理を用いて、絶縁層222の表面に配向処理を施す(図15(d)参照。)。
(5)液晶組成物の塗布
ガラス基板240における第1電極層210の上面に、液晶組成物からなる誘電体層230を印刷する(図15(e)参照。)。
(5)第2電極層形成工程
誘電体層230の上方に、第2電極層210bを形成する(図15(f)参照。)。
[実施形態14]
図16は、実施形態14に係るコンデンサー36の断面図である。
実施形態14に係るコンデンサー36は、基本的には、実施形態1に係るコンデンサー10と同様の構成を有するが、巻回型のコンデンサーである点で実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なる。すなわち、実施形態14に係るコンデンサー36においては、図16に示すように、一対の電極層110a,110bと、各電極層の間に配設された2枚の誘電体層130a,130bとが巻回された状態で金属ケースに封入された構造を有する。
このように、実施形態14に係るコンデンサー36は、巻回型のコンデンサーである点で実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なるが、実施形態1に係るコンデンサー10と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層130a,130bと、当該誘電体層130a,130bを挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
なお、実施形態14に係るコンデンサー36は、巻回型のコンデンサーである点以外の点においては実施形態1に係るコンデンサー10の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係るコンデンサー10が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施形態15]
実施形態15に係るコンデンサーは、基本的には、実施形態1に係るコンデンサー10と同様の構成を有するが、イオン性液晶の種類が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なる。すなわち、実施形態15に係るコンデンサーにおいては、イオン性液晶が、下記の一般式(2)で表されるイオン性スメクチック液晶からなる。
Figure 2013153632
但し、一般式(2)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、nは1〜20の整数を示し、A3は陰イオン基を示す。なお、A1は省略されることもある。
Figure 2013153632
このように、実施形態15に係るコンデンサーは、イオン性液晶の種類が実施形態1に係るコンデンサー10の場合とは異なるが、実施形態1に係るコンデンサー10と同様に、イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層130a,130bと、当該誘電体層130a,130bを挟んで対向する一対の電極層110a,110bとを備えることから、フィルムコンデンサーよりも単位体積当たりの容量を大きくすることが可能なコンデンサーを提供することが可能となる。また、イオン性液晶として、極めて高い比誘電率(10000〜1000000)を有するイオン性液晶を用いることとすれば、セラミックコンデンサーよりも単位体積当たりの容量が大きくすることが可能なコンデンサーを提供することも可能となる。
なお、実施形態15に係るコンデンサーは、イオン性液晶の種類以外の点においては実施形態1に係るコンデンサー10の場合と同様の構成を有するため、実施形態1に係るコンデンサー10が有する効果のうち該当する効果を有する。
[実施例]
本実施例は、本発明のコンデンサーが単位体積当たりの容量が大きいことを示すための実施例である。図17は、実施例の結果を示す図表である。
1.試料の調整
基本的には、実施形態1に係るコンデンサー10を製造する方法と同様の方法によって、実施例1〜4及び比較例1に係るコンデンサーを作製した。
但し、実施例1においては、液晶組成物として、以下の化学式(3)で表されるイオン性液晶を用いてコンデンサーを作製した。また、実施例2においては、液晶組成物として、以下の化学式(4)で表されるイオン性液晶を用いてコンデンサーを作製した。また、実施例3においては、液晶組成物として、以下の化学式(5)で表されるイオン性液晶を用いてコンデンサーを作製した。また、実施例4においては、液晶組成物として、以下の化学式(6)で表されるイオン性液晶を用いてコンデンサーを作製した。一方、比較例1においては、液晶組成物その他の封入物質を用いることなくコンデンサーを作製した。
Figure 2013153632
なお、実施例1〜4及び比較例1に係るコンデンサーを作製するに当たり、ガラス基板としては、市販のスライドグラスを用いた。また、第1電極層及び第2電極層としては、厚さ30μmのアルミニウム箔を用いた。また、第1電極層及び第2電極層の表面に形成される絶縁層としては自然酸化膜(酸化アルミニウム膜)を用いた。また、多孔性セパレーターとしては、株式会社東レ製のPPSセパレーター(PS0060S、層厚72μm)を用いた。
また、スライドグラスに圧力を印加する方法としては、スライドグラスの周囲を複数のクリップで挟み込む方法を用いた。また、液晶組成物を加熱する方法としては、スライドグラスごとにオーブンに入れる方法を用いた。加熱温度としては、実施例1においては、160℃、実施例2においては、170℃、実施例3においては、170℃、実施例4においては、158℃とした。比較例1においては、加熱自体を行わなかった。
その後、円筒状に打ち抜き加工を行って、実施例1〜4及び比較例1に係るコンデンサーを完成させた。
作製された各試料についての、一対の電極間の間隔及び封入物質の重量は、図17に示すとおりである。
2.評価方法
実施例1〜4及び比較例1に係るコンデンサーについて、LCRメーター(アジレントテクノロジー株式会社製、4294A)を用いて、第1電極層及び第2電極層に端子を当てて、等価直列容量を測定した。また、得られた等価直列容量の値並びに第1電極層と第2電極層との間隔及び第1電極層の面積を用いて比誘電率を算出した。
3.評価結果
図17からも明らかなように、実施例1〜4に係るコンデンサーは、大きな等価直列容量及び大きな比誘電率を有することがわかった。特に、実施例1〜3に係るコンデンサーは、特に大きな等価直列容量及び特に大きな比誘電率を有することがわかった。
以上、本発明のコンデンサーを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
(1)上記実施形態1〜12においては、一方の電極層と誘電体層との間及び他方の電極層と誘電体層との間にはそれぞれ絶縁層が配設されているが、本発明はこれに限定されるものではない。一方の電極層と誘電体層との間及び他方の電極層と誘電体層との間の両方に絶縁層が配設されていなくてもよい。一般式(2)で表されるイオン性液晶を用いた場合には、一般式(2)で表されるイオン性液晶を用いた場合と比較してリーク電流が小さいことから、特に有効である。
(2)上記実施形態1〜14においては、液晶組成物として、単一のイオン性液晶を含む液晶組成物を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。液晶組成物として、複数種類のイオン性液晶を含む液晶組成物を用いてもよい。このようにすることにより、液晶組成物における液晶となる温度範囲を広くすることが可能となる。
(3)上記実施形態1〜14においては、液晶組成物として、イオン性液晶のみを含む液晶組成物を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。液晶組成物として、イオン性液晶に加えて、非イオン性の強誘電性スメクチック液晶を含む液晶組成物を用いてもよい。このようにすることにより、液晶組成物における液晶となる温度範囲を広くすることが可能となる。
(4)上記実施例においては、1kHzにおける比誘電率として、14〜560000の値が得られているが、本発明はこれに限定されるものではない。1kHzにおける比誘電率として、560000〜1000000又はそれ以上の値も得ることができる。なお、1kHよりも低い周波数における比誘電率としてはもっと高い値(例えば、0.1kHzで1300000)を得ることができる。また、1kHよりも高い周波数における比誘電率としてもそれなりに高い値(例えば、10kHzで220000、100kHzで17000)を得ることができる。
10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36…コンデンサー、110,110a,110b,210a,210b…電極、120,120a,120b,210a,220b…絶縁層、130,130a,130b,230…誘電体層、132…セパレーター、134…液晶組成物、180,182…ガラス基板、240a,240b…ガラス基板、250…シール材、252…封止材、260,270…スペーサー

Claims (19)

  1. イオン性液晶を含む液晶組成物を含む誘電体層と、
    当該誘電体層を挟んで対向する一対の電極層とを備えることを特徴とするコンデンサー。
  2. 前記イオン性液晶が、下記の一般式(1)で表されるイオン性スメクチック液晶からなることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサー。
    Figure 2013153632
    但し、一般式(1)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、Rは炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、A2は陰イオンを示す。なお、A1は省略されることもある。
    Figure 2013153632
  3. 前記Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、前記Rは炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示し、前記A2はハロゲンイオンを示すことを特徴とする請求項2に記載のコンデンサー。
  4. 前記イオン性液晶が、下記の一般式(2)で表されるイオン性スメクチック液晶からなることを特徴とする請求項2に記載のコンデンサー。
    Figure 2013153632
    但し、一般式(2)中、Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基を示し、A1は下記の式(A1−1)〜(A1−10)のいずれかで表される2価の基を示し、nは1〜20の整数を示し、A3は陰イオン基を示す。なお、A1は省略されることもある。
    Figure 2013153632
  5. 前記Rは炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、前記nは1〜10の整数を示し、前記A3はSO 、COO−、PO 又はPO 2−を示すことを特徴とするコンデンサー。
  6. 前記液晶組成物は、前記イオン性液晶として、複数種類のイオン性液晶を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサー。
  7. 前記液晶組成物は、前記イオン性液晶に加えて、非イオン性の強誘電性スメクチック液晶を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサー。
  8. 前記一対の電極層のうちの一方の電極層と前記誘電体層との間及び前記一対の電極層のうちの他方の電極層と前記誘電体層との間には、それぞれ絶縁層が配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンデンサー。
  9. 前記一対の電極層はいずれも金属からなり、
    前記絶縁層は、前記一対の電極層の表面を酸化又は窒化することにより形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載のコンデンサー。
  10. 前記一対の電極層はいずれも金属からなり、
    前記絶縁層は、前記一対の電極層の表面を酸化又は窒化することにより形成された第1の絶縁層と、有機樹脂の薄膜からなる第2の絶縁層とからなることを特徴とする請求項8に記載のコンデンサー。
  11. 前記絶縁層は、有機樹脂の薄膜からなることを特徴とする請求項8に記載のコンデンサー。
  12. 前記絶縁層における前記誘電体層と接する面には、配向処理が施されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のコンデンサー。
  13. 前記誘電体層は、多数の連通孔を有する多孔性セパレーターをさらに含み、
    前記液晶組成物は、前記多孔性セパレーターにおける多数の連通孔の中に存在することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のコンデンサー。
  14. 前記誘電体層は、前記一対の電極層の間に前記多孔性セパレーターと前記液晶組成物とを配置した状態で前記液晶組成物を少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱して前記液晶組成物を前記多孔性セパレーターにしみ込ませることにより形成されたものであることを特徴とする請求項13に記載のコンデンサー。
  15. 前記誘電体層は、前記一対の電極層の間の空隙に導入された前記液晶組成物からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のコンデンサー。
  16. 前記誘電体層は、少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の前記液晶組成物を前記一対の電極層の間の空隙に封入することにより形成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のコンデンサー。
  17. 前記誘電体層は、前記一対の電極層のうち一方の電極層上に、少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の前記液晶組成物を塗布して前記液晶組成物からなる層を形成した後、当該液晶組成物からなる層上に前記一対の電極層のうち他方の電極層を載置することにより形成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のコンデンサー。
  18. 前記誘電体層は、基材上に前記一対の電極層のうち一方の電極層を形成した後に、当該一方の電極層上に少なくとも「前記液晶組成物が固相から液晶相に変化する温度T1」を超える温度まで加熱した状態の前記液晶組成物を塗布して前記液晶組成物からなる層を形成し、さらにその後、当該液晶組成物からなる層上に前記一対の電極層のうち他方の電極層を形成することにより形成されたものであることを特徴とする請求項15に記載のコンデンサー。
  19. 前記一対の電極層の間には、当該一対の電極間の間隔を一定に保つためのスペーサーが配設されていることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載のコンデンサー。
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