JPWO2013145749A1 - カプセル製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水に接するとゲル化する化合物を医薬有効成分として含む固形製剤における医薬有効成分の溶出性を改善できる新規な技術を提供する。【解決手段】カプセルと、カプセルに充填される、医薬有効成分及び単糖アルコールを含有するカプセル充填用組成物とを備え、医薬有効成分が、水に接するとゲル化する性質を有する化合物である水ゲル化化合物であり、単糖アルコールとして、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールを含むカプセル製剤。【選択図】 図2

Description

本発明は経口投与用のカプセル製剤に関する。より詳細には、水に接するとゲル化する化合物を医薬有効成分として含有する経口投与用のカプセル製剤に関する。
医薬有効成分として作用する化合物の中には、一定の条件に賦されるとゲル化するものが知られている(特許文献1〜7、非特許文献1〜2)。通常、固形製剤を経口投与すると、胃腸管内で速やかに崩壊し、医薬有効成分が溶出して体内に吸収される。しかしながら、水に接するとゲル化する化合物を医薬有効成分として含有する固形製剤を投与した場合には、医薬有効成分のゲル化により、固形製剤の崩壊遅延がおき、医薬有効成分の溶出が遅れるという問題が生じていた。
そのため、ゲル化による崩壊遅延を抑制して医薬有効成分の溶出性を改善する方法が提案されている。具体的には、シクロデキストリンを添加し、ゲル形成を抑制またはゲル層の水透過性を確保する方法(非特許文献1〜2)、崩壊剤を添加する方法(非特許文献1)、ケイ酸類を加える方法(特許文献1〜3)、薬物を微小化しキャリアに吸着させる方法(特許文献4)、フィルム被膜を迅速に破壊させ、ゲル化が生じる前に薬物含有芯を崩壊させる方法(特許文献5)、酸または塩基性添加剤を使用する方法(特許文献6)、薬物をポリマー中に分散させる等の、分子分散の形態をとらせる方法(特許文献7)が提案されている。
特開2006−298811号公報 国際公開第2006/030826号 特表2002−505290号公報 特表2004−522782号公報 特開昭62−123118号公報 国際公開第2006/059716号 特表2002−530338号公報
薬剤学 Vol.55,No.3(1995),175−182. Pharm Tech Japan,vol.17,No4(2001)87−100(619−632).
本発明は水に接するとゲル化する化合物を医薬有効成分として含む固形製剤における医薬有効成分の溶出性を改善できる新規な技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールを、医薬有効成分であり、水に接するとゲル化する化合物とともに混合してカプセル充填用組成物とし、当該組成物をカプセルに充填してカプセル製剤とすることで、ゲル化による崩壊遅延が抑制されることを見出し、本願発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕カプセルと、
前記カプセルに充填される、医薬有効成分及び単糖アルコールを含有するカプセル充填用組成物とを備え、
前記医薬有効成分が、水に接するとゲル化する性質を有する化合物である水ゲル化化合物であり、前記単糖アルコールとして、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールを含むカプセル製剤。
〔2〕25℃における水への溶解度が25%以上である前記単糖アルコールとして、25℃における臨界相対湿度が75%RH以上の単糖アルコールを含む、〔1〕に記載のカプセル製剤。
〔3〕前記単糖アルコールとして、ソルビトール、キシリトールおよびエリスリトールからなる群より1種または2種以上選ばれる単糖アルコールを含む、〔1〕に記載のカプセル製剤。
〔4〕前記単糖アルコールとして、キシリトールを含む、〔1〕乃至〔3〕のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
〔5〕前記水ゲル化化合物1質量部に対し、前記単糖アルコールを0.3質量部以上30質量部以下含用する〔1〕乃至〔4〕のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
〔6〕前記単糖アルコールの含有率が、前記カプセル充填用組成物全体の20質量%以上97質量%以下である〔1〕乃至〔5〕のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
〔7〕前記水ゲル化化合物が、一般式(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体またはその塩である、〔1〕乃至〔6〕のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
Figure 2013145749
式(I)中、Rは1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基、またはハロゲン原子及びアミノ基から選択される同一もしくは異なる1もしくは2以上の置換基で置換されていてもよい、アリール基もしくはヘテロアリール基を、Rは水素原子または炭素数1から3のアルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基または炭素数1から3のアルキル基を、Rは水素原子またはハロゲン原子を、Rはフッ素原子を、Rは水素原子またはフッ素原子を、Aは窒素原子または=C−Xを示す。=C−XにおけるXは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、またはハロゲン原子で1もしくは2以上置換されていてもよい、炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基を示す。
〔8〕前記カプセル充填用組成物中に、さらに流動化剤を含有する、〔1〕乃至〔7〕のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
〔9〕前記流動化剤として、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム及び重質無水ケイ酸からなる群より1種または2種以上選ばれる流動化剤を含む、〔8〕に記載のカプセル製剤。
〔10〕前記流動化剤として、軽質無水ケイ酸を含む、〔8〕に記載のカプセル製剤。
〔11〕25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールと流動化剤とを混合することにより第1の混合物を得、
得られた前記第1の混合物に、医薬有効成分としての、水に接するとゲル化する化合物である水ゲル化化合物を混合することにより第2の混合物を得、
得られた前記第2の混合物をカプセルに充填することを含む、カプセル製剤の製造方法。
本発明によれば、水に接するとゲル化する化合物を医薬有効成分として含む固形製剤における医薬有効成分の溶出性を改善できる新規な技術を提供することができる。
7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩A型結晶(以下、化合物1とも称す)の粉末X線回折パターンを例示する図である。 実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたカプセル製剤についての溶出試験結果であり、化合物1の溶出図である。 実施例4で得られたカプセル製剤及び比較例4で得られた錠剤についての溶出試験結果であり、化合物1の溶出図である。
本実施形態は、カプセルと、当該カプセルに充填される、医薬有効成分としての水ゲル化化合物と、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールとを含有するカプセル充填用組成物とを備えるカプセル製剤に関する。
本明細書において、「カプセル製剤」とは、医薬有効成分や必要に応じて配合される賦形剤などの他の成分を含む組成物がカプセル内に充填されている剤形をいう。本実施形態において、使用できるカプセルは特に限定されず、例えば、ゼラチンカプセル、HPMCカプセル(ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル)、またはプルランカプセル等の一般に市販されているカプセルを使用することができる。
本明細書において、「水ゲル化化合物」とは、水や、水分を含む唾液または胃液等の体液と接した場合にゲル化を起こす化合物をいう。
また、本明細書において、「医薬有効成分」とは、医薬がその作用を発揮するための主要成分を構成する、化学的に合成された、或いは天然由来の化合物をいう。
本実施形態のカプセル製剤に含有される水ゲル化化合物の量は、特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
本実施形態のカプセル製剤においてカプセル充填用組成物中に医薬有効成分として含有される水ゲル化化合物は特に限定されないが、例えば、βラクタム系抗生物質、マクロライド系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、ポリペプチド系抗生物質、ニューキノロン系抗生物質、抗真菌剤のうち、ゲル化を起こす化合物が挙げられる。
カプセル充填用組成物中に含有される水ゲル化化合物として、好ましくは、ニューキノロン系抗生物質を含有し、より好ましくは、一般式(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体またはその塩を含有する。
Figure 2013145749
式(I)中、Rは1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基、またはハロゲン原子及びアミノ基から選択される同一もしくは異なる1もしくは2以上の置換基で置換されていてもよい、アリール基もしくはヘテロアリール基を、Rは水素原子または炭素数1から3のアルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基または炭素数1から3のアルキル基を、Rは水素原子またはハロゲン原子を、Rはフッ素原子を、Rは水素原子またはフッ素原子を、Aは窒素原子または=C−Xを示す。=C−XにおけるXは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、または1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基を示す。
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。また、炭素数1から6のアルキル基とは、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基またはヘキシル基を示す。炭素数3から6のシクロアルキル基とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基を示す。炭素数1から3のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基または2−プロピル基を示す。炭素数1から3のアルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−プロポキシ基またはシクロプロピルオキシ基を示す。アリール基とは、フェニル基またはナフチル基を示す。ヘテロアリール基とは、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基またはイミダゾイル基を示す。
なお、一般式(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体またはその塩は、例えば国際公開第2005/026147号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
本実施形態のカプセル製剤は、一般式(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体のうち、好ましくは、7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸またはその塩を医薬有効成分としてカプセル充填用組成物中に含有する。
塩としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、メタンスルホン酸、乳酸、蓚酸、酢酸等の有機酸との塩、またはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、セシウム、クロム、コバルト、銅、鉄、亜鉛、白金、銀等の金属との塩が挙げられる。
このうち、本実施形態のカプセル製剤は、特に好ましくは、7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸の塩酸塩をカプセル充填用組成物中に医薬有効成分として含有する。
さらに、最も好適な態様としては、本実施形態のカプセル製剤は、粉末X線回折パターンにおいて、回折角を2θとして10.8度、12.9度、および24.7度(それぞれ±0.2度)で表されるピークを有する7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩A型結晶(化合物1)をカプセル充填用組成物中に医薬有効成分として含有する。化合物1の粉末X線回折パターンを、図1に例示する。
なお、化合物1は、例えばPCT/JP2012/007195の明細書に記載の方法により製造することができる。
本実施形態のカプセル製剤は、カプセル内に充填される組成物に、医薬有効成分としての水ゲル化化合物とともに、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールを含有する。なお、以下の説明においては、25℃における水への溶解度を、単に溶解度とも称す。
本明細書において、「水への溶解度」とは、水100gに対し溶質が溶解する質量(g)に基づき、以下の式(A)を用いた計算によって得られる値をいう。

MW={C/(100+C)}×100 (A)
式(A)中、MWは水への溶解度(%)を、Cは水100gに対し溶質が溶解する質量(g)を示す。
本実施形態のカプセル製剤において、カプセル充填用組成物中に含有される単糖アルコールとしては、医薬有効成分の溶出性の改善の観点から、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールが好ましい。より好ましくは溶解度が25%以上80%以下である単糖アルコールであり、特に好ましくは溶解度が50%以上75%以下の単糖アルコールであり、より一層好ましくは溶解度が60%以上75%以下の単糖アルコールである。
当該溶解度が25%以上80%以下の単糖アルコールとしては、ソルビトール、キシリトールまたはエリスリトールが挙げられる。当該溶解度が60%以上75%以下の単糖アルコールとしては、ソルビトールまたはキシリトールが挙げられ、特に好ましくは、溶出性改善の観点から、キシリトールが挙げられる。
したがって、本実施形態のカプセル製剤は、カプセル充填用組成物中に、水ゲル化化合物とともに、ソルビトール、キシリトール、およびエリスリトールからなる群より1種または2種以上選ばれる単糖アルコールを含有することが好ましい。
より好ましくは、本実施形態のカプセル製剤は、カプセル充填用組成物中に、水ゲル化化合物とともに、ソルビトール、キシリトールまたはこれらの混合物を含有する。
より一層好ましくは、本実施形態のカプセル製剤は、カプセル充填用組成物中に、水ゲル化化合物とともに、キシリトールを含有する。
25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールと、医薬有効成分としての水ゲル化化合物を混合して得られた組成物を充填したカプセル製剤は、例えば経口投与されたときに、医薬有効成分である水ゲル化化合物の体内におけるゲル化が抑制される。その結果、カプセル内に充填されている組成物が速やかに崩壊し、医薬有効成分の溶出性を改善することができる。また、医薬有効成分の溶出性を改善することができる結果、医薬有効成分の吸収性も改善することができる。
本実施形態のカプセル製剤は、溶出性改善の観点から、水ゲル化化合物1質量部に対し、溶解度が25%以上である単糖アルコールを0.3質量部以上30質量部以下含有することが好ましい。さらに好ましくは0.5質量部以上2.0質量部以下、特に好ましくは1.0質量部以上1.5質量部以下が挙げられる。また、本実施形態のカプセル製剤においては、溶出性改善の観点から、溶解度が25%以上である単糖アルコールの含有率が、カプセルに充填されるカプセル充填用組成物全体(全内容物の合計重量)の20質量%以上97質量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、カプセル充填用組成物全体の40質量部以上75質量部以下、特に好ましくは50質量部以上65質量部以下が挙げられる。
また、本実施形態のカプセル製剤においては、溶解度が25%以上である単糖アルコールとして、25℃における臨界相対湿度が75%RH以上の単糖アルコールを使用することが好ましく、より好ましくは、25℃における臨界相対湿度が75%RH以上95%RH以下の単糖アルコールを使用することが好ましい。
本明細書において、「臨界相対湿度」とは、水溶性化合物において一定の温度で相対湿度を上げていったときに、急激に重量が増加し始めるときの相対湿度をいう。(出典:最新薬剤学第7版)。臨界相対湿度は、吸湿性のパラメーターとして周知であり、臨界相対湿度が低い物質は吸湿性が高く、臨界相対湿度が高い物質は吸湿性が低いことを意味する。臨界相対湿度が高い単糖アルコールを使用することにより、吸湿性の低いカプセル製剤が得られ、医薬有効成分の安定性が向上する。なお、25℃における臨界相対湿度が75%RH以上95%RH以下の単糖アルコールとして、エリスリトール(85%RH)、キシリトール(80%RH)が挙げられる。
本実施形態のカプセル製剤は、カプセル充填用組成物中に、水ゲル化化合物、および溶解度が25%以上である単糖アルコールに加えて、他の成分を含んでいてもよい。カプセル充填用組成物に含まれてもよい当該他の成分としては、例えば、流動化剤が挙げられる。
本明細書において、「流動化剤」とは、単糖アルコールに流動性を付与する作用を有する添加剤をいう。流動化剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、重質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン水酸化アルミナマグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、タルク、トウモロコシデンプン、濃グリセリン、またはリン酸水素カルシウム造粒物が挙げられる。本実施形態のカプセル剤には、1種または2種以上の流動化剤として作用する化合物がカプセル充填用組成物中に含まれていてもよい。
好ましくは、本実施形態のカプセル製剤は、水ゲル化化合物、溶解度が25%以上である単糖アルコールとともに、流動化剤として作用するケイ酸誘導体をカプセル充填用組成物中に含む。当該ケイ酸誘導体としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムまたは重質無水ケイ酸などが挙げられ、これらの1種または2種以上が本実施形態に係るカプセル充填用組成物中に含有されていてもよい。特に好ましくは、本実施形態のカプセル製剤は、水ゲル化化合物、溶解度が25%以上である単糖アルコールとともに、流動化剤として作用する軽質無水ケイ酸をカプセル充填用組成物中に含む。
本実施形態のカプセル製剤に混合性の悪い単糖アルコールを使用する場合でも、流動化剤を使用することにより、カプセル充填用組成物の混合性を上げることができる。
特に、本実施形態のカプセル充填用組成物中における単糖アルコールの含有率が高い場合には、本実施形態のカプセル製剤は、当該組成部中に流動化剤を含むことが好ましい。
ここで、本明細書において、単糖アルコールの含有率が高い場合とは、単糖アルコールの含有率が、カプセル充填用組成物全体の20質量%以上である場合を意味する。
本実施形態のカプセル製剤は、流動化剤を、単糖アルコール1質量部に対し、0.001質量部以上0.01質量部以下含有することが好ましい。より好ましくは、本実施形態のカプセル製剤は、流動化剤を、単糖アルコール1質量部に対し、0.004質量部以上0.006質量部以下含有する。
本実施形態のカプセル製剤の製法は特に限定されない。例えば本実施形態のカプセル製剤は、水ゲル化化合物と溶解度が25%以上である単糖アルコールとを混合することにより調製されるカプセル充填用組成物を、ゼラチンカプセル、HPMCカプセル、またはプルランカプセル等のカプセルに充填することにより製造することができる。カプセル充填用組成物は、例えば粉末状または顆粒状とすることができる。また、本実施形態のカプセル製剤は、特に限定されないが、例えば硬カプセル剤とすることができる。
例えば、本実施形態のカプセル製剤は、溶解度が25%以上である単糖アルコールと流動化剤とを混合することにより第1の混合物を得、
得られた第1の混合物に水ゲル化化合物を混合することにより、第2の混合物(カプセル充填用組成物)を得、
得られた第2の混合物をカプセルに充填することを含む製造方法により製造することができる。
当該製法によれば、医薬有効成分の溶出性の向上したカプセル製剤を、特殊な装置を必要とせず、安価で簡便に製造することができる。
本実施形態のカプセル製剤は、カプセルが水に溶解して、カプセルに充填されていた組成物が外部に露出したときの、水ゲル化化合物のゲル化を抑制することができる。その結果、本実施形態のカプセル製剤によれば、カプセル溶解後の内容物の崩壊遅延が抑制されるので、医薬有効成分の溶出性が改善されたカプセル製剤を提供することができる。
以下に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって本発明の範囲が限定されるものではない。
以下の実施例において、NMRスペクトルは、日本電子JNM−EX400型核磁気共鳴装置を使用し、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を使用して測定した。MSスペクトルは、日本電子JMS−T100LP型及びJMS−SX102A型質量分析計を用いて測定した。元素分析は、ヤナコ分析CHN CORDER MT−6元素分析装置を用いて行った。
また、粉末X線回折は、理学電機製RINT2200を使用して行なった。銅放射線を放射線として用い、測定条件は、管電流36mA、管電圧40kV、発散スリット1度、散乱スリット1度、受光スリット0.15mm、走査範囲1〜40度(2θ)、走査速度毎分2度(2θ)とした。
(参考例1)
ビス(アセタト−O)−{6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシラト−O ,O }ボロン
窒素雰囲気下、無水酢酸21.4L(225mol)に、ホウ酸(触媒作成用)103g(1.67mol)を加え、70.0〜76.9°Cで30分間加熱撹拌した(撹拌速度69.5rpm)。当該混合液を内温24.6°Cまで冷却した。その後、混合液に1回目のホウ酸1.01kg(16.3mol)を加え、24.6〜27.4°Cで30分撹拌した。混合液に2回目のホウ酸1.01kg(16.3mol)を加え、24.7〜27.5°Cで30分撹拌した。混合液に3回目のホウ酸1.01kg(16.3mol)を加え、24.7〜27.7°Cで30分撹拌した。混合液に4回目のホウ酸1.01kg(16.3mol)を加え、25.4〜29.4°Cで30分撹拌した。さらに、混合液を50.0〜56.9°Cで30分撹拌し、ホウ酸トリアセテート調整液とした。
当該調整液に、6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸エチルエステル5.50kg(16.7mol)を加え、54.7〜56.9°Cで3時間撹拌した。その後、調整液を30.0°Cまで冷却し、室温で一夜放置した。続いて、調整液を58.6°Cまで加熱し析出物を溶解させ、アセトン16.5 Lを加え、反応液(1)とした。
窒素雰囲下、常水193L及びアンモニア水(28%)33.7 L(555mol)の混合液を、−0.6°Cまで冷却した。当該混合液に、前述の反応液(1)を添加し、アセトン11.0Lで洗い込み、反応液(2)とした。反応液(2)を15.0°Cまで冷却後、4.3〜15.0°Cで1時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、常水55.0Lで洗浄し、湿潤粗結晶を14.1kg得た。得られた湿潤粗結晶を設定温度65.0°Cで約22時間減圧乾燥し、粗結晶を6.93kg得た(収率96.7%)。
得られた粗結晶に、窒素雰囲下、アセトン34.7Lを加え混合液とし、当該混合液を加熱溶解した(温水設定温度57.0°C)。加熱時、ジイソプロピルエーテル69.3Lを晶析するまで当該混合液に滴下した(滴下量12.0 L)。晶析確認後、混合液を48.3〜51.7°Cで15分撹拌し、残りのジイソプロピルエーテルを混合液に滴下し、45.8〜49.7°Cで15分撹拌した。混合液を15°Cまで冷却後、6.5〜15.0°Cで30分撹拌した。析出した結晶をろ取し、アセトン6.93L及びジイソプロピルエーテル13.9Lで洗浄し、湿潤結晶を7.41kg得た。湿潤結晶を設定温度65.0°Cで約20時間減圧乾燥し、ビス(アセタト−O)−{6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシラト−O,O}ボロンを6.47kg得た(収率90.3%)。
元素分析(%):C1715BFNOとして
計算値:C,47.58;H,3.52;N,3.26.
実測値:C,47.41;H,3.41;N,3.20.
H−NMR(CDCl,400 MHz)δ:2.04(6H,s),4.21(3H, d,J=2.9Hz),4.88(2H,dt,J=47.0,4.4Hz),5.21(2H,dt,J=24.9,3.9Hz),8.17(1H,t,J=8.8Hz),9.10(1H,s).
ESI MS(positive) m/z:430(M+H)
(参考例2)
7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩
窒素雰囲気下、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン3.56kg(15.4mol)、トリエチルアミン11.7 L(84.2mol)及びジメチルスルホキシド30.0Lを混合し、反応液とした。反応液を、23.0〜26.3°Cで15分撹拌した。反応液に23.0〜26.3°Cでビス(アセタト−O){6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキシラト−O,O}ボロン6.00kg(14.0mol)を加え、23.7〜26.3°Cで2時間撹拌した。続いて、反応液に酢酸エチル120Lを加え、さらに常水120Lを加えた後、水酸化ナトリウム960g(2mol/Lとする量)及び常水12.0Lの溶液を加え、5分間撹拌後、水層を分取した。水層に、酢酸エチル120Lを加え、5分間撹拌後、酢酸エチル層を分取した。
酢酸エチル層を合わせて、常水120Lを加え、5分間撹拌後、静置し、水層を廃棄した。酢酸エチル層を減圧留去した。得られた残留物を、2−プロパノール60.0Lに溶解させ、室温で一夜放置した。得られた2−プロパノール溶液に塩酸5.24L(62.9mol)及び常水26.2L(2mol/Lとする量)の溶液を加え、28.2〜30.0°Cで30分撹拌した。混合液を外温55.0°Cで加熱し、溶解後(47.1°Cで溶解確認)、冷却し晶析させた。混合液を39.9〜41.0°Cで30分撹拌し、冷却後(目安:20.0°Cまでは設定温度7.0°C、それ以下は−10.0°C)、2.2〜10.0°Cで1時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、2−プロパノール60Lで洗浄し、7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩の湿潤粗結晶を9.57kg得た。
(参考例3)
7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩A型結晶(化合物1)
7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩の湿潤粗結晶9.57kgをエタノール60L、精製水10.8Lの混合溶媒に添加し、加熱溶解した。この溶解液を、フィルターを通しろ過し、エタノール24.0L及び精製水1.20Lの混合溶媒で洗い込んだ。溶解を確認し、加熱したエタノール(99.5)96.0Lを71.2〜72.6°Cで溶解液に添加した。その溶解液を冷却し(温水設定温度60.0°C)晶析確認後(晶析温度61.5°C)、59.4〜61.5°Cで30分撹拌した。溶解液を段階的に冷却し(50.0°Cまで温水設定温度40.0°C、40.0°Cまで温水設定温度30.0°C、30.0°Cまで温水設定温度20.0°C、20.0°Cまで設定温度7.0°C、15.0°Cまで設定温度−10.0°C、これ以降溜置き)、4.8〜10.0°Cで1時間撹拌した。析出した結晶をろ取し、エタノール30.0Lで洗浄し、7−[(3S,4S)−3−{(シクロプロピルアミノ)メチル}−4−フルオロピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩の湿潤結晶を5.25kg得た。得られた湿潤結晶を設定温度50.0°Cで約13時間減圧乾燥し、化合物1を4.83kg得た(収率72.6%)。
粉末X線回折の結果を図1に示す。図1から理解できるように4.9度、10.8度、12.9度、18.2度、21.7度、24.7度および26.4度にピークが見られ、10.8度、12.9度、および24.7度に特徴的なピークが確認できる。
元素分析値(%):C2124HClとして
計算値:C,53.00;H,5.30;N,8.83.
実測値:C,53.04;H,5.18;N,8.83.
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ(ppm):0.77−0.81(2
H,m),0.95−1.06(2H,m),2.80−2.90(2H,m),3.21−3.24(1H,m),3.35−3.39(1H,m),3.57(3H,s),3.65−3.78(3H,m),4.13(1H,dd,J=41.8,13.1Hz),4.64−4.97(3H,m),5.14(1H,dd,J=32.7,15.6Hz), 5.50(1H,d,J=53.7Hz),7.80(1H,d,J=13.7Hz), 8.86(1H,s),9.44(2H,brs),15.11(1H,brs).
ESI MS(positive) m/z:440(M+H)
(実施例)
(実施例1)
表1記載の処方に従い、ワンダーブレンダー(WB−1、大阪ケミカル社製)を用いて45秒間粉砕した化合物1と、単糖アルコールとしてのソルビトールを、乳鉢及び乳棒を用いて3分間混合し、粉末状のカプセル充填用組成物を得た。得られた粉末状のカプセル充填用組成物を1号HPMCカプセルに250mg充填した。
(実施例2)
単糖アルコールとしてソルビトールの代わりに、キシリトールを用い、実施例1と同様の方法でカプセル製剤を作製した。
(実施例3)
単糖アルコールとしてソルビトールの代わりに、エリスリトールを用い、実施例1と同様の方法でカプセル製剤を作製した。
(比較例1)
化合物1のみを1号HPMCカプセルに充填したカプセル製剤を作製した。
(比較例2)
表1記載の処方に従い、ワンダーブレンダー(WB−1、大阪ケミカル社製)を用いて45秒間粉砕した化合物1と、部分アルファー化デンプン及び軽質無水ケイ酸を、乳鉢及び乳棒を用いて3分間混合し、粉末状のカプセル充填用組成物を得た。得られた粉末状のカプセル充填用組成物を1号HPMCカプセルに250mg充填した。
(比較例3)
単糖アルコールとしてD−マンニトールを用いて実施例1と同様の方法によりカプセル製剤を作製した。
Figure 2013145749
(試験例1)
実施例1〜3及び比較例1〜3のカプセル製剤を評価するために第十五改正日本薬局方溶出試験法第2法に準じて溶出試験を実施した。溶出試験の詳細な条件は下記の通りである。
パドル回転数: 50rpm
試験液の温度: 37℃
試験液 : 第十五改正日本薬局方 崩壊試験法 第1液 900mL
溶出試験の結果を図2に示す。実施例1〜3は、単糖アルコールを使用していない比較例1に比べ、溶出率が改善されている。一方、ゲル化による崩壊遅延を改善する従来技術として知られていたケイ酸塩類の添加によっては(特許文献1〜3)、ゲル化を抑制することはできず溶出率は低下する結果となった(比較例2)。25℃における水への溶解度は、実施例1のソルビトールが71.0%、実施例2のキシリトールが63.8%であり、実施例3のエリスリトールは35.8%である。実施例3に比べ、実施例1および実施例2ではより溶出率が改善されていることから、当該溶解度の高い単糖アルコールを用いるほど、溶出率が改善されることが分かる。また、当該溶解度が17.6%と、溶解度が25%より低いD−マンニトールを用いた比較例3では、実施例1〜3のように溶出率が改善することはなく、溶出率は低下する結果となった。
(実施例4)
表2記載の処方に従い、単糖アルコールとしてのキシリトールと、軽質無水ケイ酸を、メカノミル(MM−10N、岡田精工社製)を用いて300rpmで5分間混合した。得られた混合物をワンダーブレンダー(WB−1、大阪ケミカル社製)を用いて45秒間粉砕した化合物1と、メカノミル(MM−10N、岡田精工社製)を用いて300rpmで40分間混合し、粉末状のカプセル充填用組成物を得た。得られたカプセル充填用組成物を1号HPMCカプセルに250mg充てんした。
(比較例4)
表2記載の処方に従い、単糖アルコールとしてのキシリトールと、軽質無水ケイ酸及びワンダーブレンダー(WB−1、大阪ケミカル社製)を用いて粉砕した化合物1を、ガラス瓶を用いて3分間混合した。次いで、得られた混合物を打錠した。具体的には、打錠機(HT−AP−18−SSII、畑鉄工所社製)において直径8.5mmの臼、曲率半径10mmのR面杵を用いて質量250mg、打圧1100〜1200kgで得られた混合物を打錠した。
Figure 2013145749
(試験例2)
実施例4のカプセル製剤及び比較例4の錠剤を評価するために第十五改正日本薬局方溶出試験法第2法に準じて溶出試験を実施した。溶出試験の詳細な条件は下記の通りである。
パドル回転数: 50rpm
試験液の温度: 37℃
試験液 : 第十五改正日本薬局方 崩壊試験法 第1液 900mL
図3に示す試験結果から明らかなように、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールを用いた実施例4のカプセル製剤は、比較例4の錠剤と比較して、高い溶出性を示した。一方、錠剤では、溶解度が25%以上である単糖アルコールの添加によっては、溶出性の改善について、カプセル製剤と比較して十分な効果が得られないことが分かる。
水に接するとゲル化する医薬有効成分のゲル化を抑制することにより、崩壊遅延が抑制され、溶出性の向上したカプセル製剤を提供できる。また、本実施形態のカプセル製剤は、特殊な装置を必要とせず、安価で簡便な製造方法により製造可能である。

Claims (11)

  1. カプセルと、
    前記カプセルに充填される、医薬有効成分及び単糖アルコールを含有するカプセル充填用組成物とを備え、
    前記医薬有効成分が、水に接するとゲル化する性質を有する化合物である水ゲル化化合物であり、前記単糖アルコールとして、25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールを含むカプセル製剤。
  2. 25℃における水への溶解度が25%以上である前記単糖アルコールとして、25℃における臨界相対湿度が75%RH以上の単糖アルコールを含む、請求項1に記載のカプセル製剤。
  3. 前記単糖アルコールとして、ソルビトール、キシリトールおよびエリスリトールからなる群より1種または2種以上選ばれる単糖アルコールを含む、請求項1に記載のカプセル製剤。
  4. 前記単糖アルコールとして、キシリトールを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
  5. 前記水ゲル化化合物1質量部に対し、前記単糖アルコールを0.3質量部以上30質量部以下含用する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
  6. 前記単糖アルコールの含有率が、前記カプセル充填用組成物全体の20質量%以上97質量%以下である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
  7. 前記水ゲル化化合物が一般式(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体またはその塩である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
    Figure 2013145749

    式(I)中、Rは1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基、またはハロゲン原子及びアミノ基から選択される同一もしくは異なる1もしくは2以上の置換基で置換されていてもよい、アリール基もしくはヘテロアリール基を、Rは水素原子または炭素数1から3のアルキル基を、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基または炭素数1から3のアルキル基を、Rは水素原子またはハロゲン原子を、Rはフッ素原子を、Rは水素原子またはフッ素原子を、Aは窒素原子または=C−Xを示す。=C−XにおけるXは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、または1もしくは2以上のハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1から3のアルキル基もしくは炭素数1から3のアルコキシ基を示す。
  8. 前記カプセル充填用組成物中に、さらに流動化剤を含有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカプセル製剤。
  9. 前記流動化剤として、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム及び重質無水ケイ酸からなる群より1種または2種以上選ばれる流動化剤を含む、請求項8に記載のカプセル製剤。
  10. 前記流動化剤として、軽質無水ケイ酸を含む、請求項8に記載のカプセル製剤。
  11. 25℃における水への溶解度が25%以上である単糖アルコールと流動化剤とを混合することにより第1の混合物を得、
    得られた前記第1の混合物に、医薬有効成分としての、水に接するとゲル化する性質を有する化合物である水ゲル化化合物とを混合することにより、第2の混合物を得、
    得られた前記第2の混合物をカプセルに充填することを含む、カプセル製剤の製造方法。

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