JPWO2013108324A1 - 電力供給システム - Google Patents

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小林  直樹
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博 鳥屋尾
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Abstract

無線給電において、所望の受電装置の位置に選択的に効率良く電力を供給できる電力供給システムを提供することを課題とする。本発明にかかる電力供給システム(200)では、送電部(210)は、複数の共鳴体(211)が一次元的または二次元的に周期構造をなすように配列され、共振作用によって電力を隣の共鳴体(211)に伝搬させていくとともに、周囲に電磁界を漏洩させることによって無線による送電を行う。給電部(220)は、送電部(210)の一または複数の前記共鳴体(211)に電力を供給する。受電装置(280)は、送電部(210)からの送電電力を受電する。送電部(210)には、前記受電装置(280)の位置に応じて電磁伝搬の定在波を発生させる。

Description

本発明は、電力供給システムに関し、具体的には、送電線を介さずに非接触で受電装置に電力を供給するシステムに関する。特に、伝送電力波の波長以下である中距離程度に送電装置と受電装置とが離間している状態において、所望の受電装置の位置に選択的に効率良く電力を供給できる電力供給システムに関する。
離間した受電装置に対し無線で電力を供給する方法が知られている。例えば、特開2008-66841号公報では、電磁波伝送シートのなかを電磁波を伝搬させ、シートから漏出する電磁界を受電装置に供給するという構成が開示されている(他に、特開2007-281678号公報)。
また、例えば、特開平7-322534号公報にあるように、電源側の一次コイルから負荷側の二次コイルに磁気結合で電力を伝送する方式がある(他に、US7825543B2)。これは、家庭用の小型電子機器、例えば、シェーバーや電動歯ブラシなどの充電によく使用されている。
あるいは、特開2008-259392号公報は、マイクロ波ビームを利用した送電方法が開示されている。これは、例えば、衛生軌道上で太陽光発電を行い、そのエネルギーをマイクロ波ビームで地上に送る。そして、地上の受電システムでマイクロ波を電力に再変換するというものである。
さらに、近年では、室内に置かれた様々な電子機器に対して無線で給電する方法も探求されてきている。
(例えば、澤上、川原他「電磁共鳴式無線電力伝送のマルチホップ性能評価」、電子情報通信学会総合大会、2010年3月、B-20-38、通信講演論文集2、pp.622)
このコンセプトを東京大学大学院情報理工学系研究科の浅見教授、川原講師の研究紹介から引用する(http://www.akg.t.u-tokyo.ac.jp/labintro1004.pdf)。
浅見教授、川原講師らが研究する「電磁共鳴式マルチホップ無線電力伝送方式の提案と評価」のコンセプトは、図27に示すように、室内等のある程度の広がりをもったエリアに配置されている複数の電子機器に電力を給電するというものである。
ここでいう電子機器には、例えば電力伝送シートも含まれ、この電力伝送シートからさらに小型電子機器に給電するといった利用もある。
図26において、部屋の壁や床には複数のコイルが面状に配列されている。そして、中心軸に対して直交する方向で隣接しているコイル同士でも共振することを利用する。つまり、いずれかのコイルに給電すれば、電力が隣接するコイルにホッピングしていく。隣接するコイルに電力を伝搬させていき、そして、電磁界をコイルから部屋のなかに漏洩させる。すると、部屋という広いエリアに配置されている複数の電子機器に給電できるというわけである。これにより、電源線の配線、充電、電池交換等の作業が不要になることが期待できる。
特開2008-66841号公報 特開2007-281678号公報 特開平7-322534号公報 US7825543B2 特開2008-259392号公報
澤上、川原他「電磁共鳴式無線電力伝送のマルチホップ性能評価」、電子情報通信学会総合大会、2010年3月、B-20-38、通信講演論文集2、pp.622 東京大学大学院情報理工学系研究科 浅見研究室の研究紹介(http://www.akg.t.u-tokyo.ac.jp/labintro1004.pdf)
上記の方法によれば、部屋のなかの電子機器に無線給電できる可能性がある。
しかしながら、ある特定の位置にある電子機器だけに向けて伝送電力を絞る技術が現在のところ無いという問題がある。
部屋全体に満遍なく給電(送電)し続けることは明らかにエネルギーの無駄である。
また、電子機器に対して不要な電磁界を照射すると、電磁ノイズとなり、誤作動等を招く不都合も考えられる。
そこで、本発明の目的は、無線給電において、所望の受電装置の位置に選択的に効率良く電力を供給できる電力供給システムを提供することにある。
本発明の電力供給システムは、
複数の共鳴体が一次元的または二次元的に周期構造をなすように配列され、共振作用によって電力を隣の共鳴体に伝搬させていくとともに、周囲に電磁界を漏洩させることによって無線による送電を行う送電部と、
前記送電部の一または複数の前記共鳴体に電力を供給する給電部と、を備え、
前記送電部には、前記受電装置の位置に応じて電磁伝搬の定在波を発生させる
ことを特徴とする。
本発明が実現したい給電システムの一例を示す図。 本発明が実現したい給電システムの一例を示す図。 共鳴体周期構造に電磁伝搬波が生じている様子の一例を示す図。 共鳴体周期構造に発生しうる電磁伝搬波の周波数(f)と波数(k)との関係を表す分散曲線を示す図。 入力ポートを有する単一のコイルを示す図。 図4の回路の等価回路図。 二つのコイルを並べたモデルを示す図。 複数のコイルを一定のピッチで配列した回路の等価回路図。 周期構造の一単位の等価回路図。 9個のコイルを並べた一例を示す図。 すべてのコイルが同相で振動している状態を示す図。 すべてのコイルが逆相で振動している状態を示す図。 分散曲線を示す図。 周波数と各コイルの振動状態との関係を示す図。 コイル(共鳴体)のインピーダンスを可変として分散曲線をシフトさせる様子を示す図。 第1実施形態として、周波数可変方式による電力供給システムを示す図。 第2実施形態として、インピーダンス可変方式による電力供給システムを示す図。 第3実施形態として、インピーダンス可変方式による電力供給システムを示す図。 平面波源(near-field focusing plate)と観測面(focal plane)とを示す図。 平面波源として、振動しながら中心から徐々に減衰する電磁界分布を示す図。 観測面で観測される中心付近にのみ著しく大きくその他の領域では急速に減衰する電界分布の一例を示す図。 第4実施形態を示す図。 第4実施形態において、周波数と各コイルの振動状態との関係を示す図。 第5実施形態を示す図。 第5実施形態において、振動パターンの他の例を示す図。 第5実施形態において、振動パターンの他の例を示す図。 第6実施形態を示す図。 変形例として、一つの送電部に複数の波を発生させた様子を示す図。 平面スパイラル状のコイルの一例を示す図。 プリント基板の裏面に実装されるコイルの一例を示す図。 背景技術としての電磁共鳴式マルチホップ無線電力伝送方式の概念を示す図。
本発明を順を追って説明していく。
(基本コンセプト)
まず、本発明が実現したい給電システム100の例を図1A、図1Bに示す。
図1Aにおいて、受電装置120は、送電部110からある程度の距離をもって離間している。離間距離としては、数cmから数m程度とする。
すなわち、この離間距離は、近接対向する一次コイルと二次コイルとで磁気結合できるような密接した距離ではない。
また、指向性アンテナが指向性を発揮できるような電磁波の波長程度、もしくはそれ以上の遠く離れた離間距離でもない。
本発明が想定する離間距離は、電磁波の波長よりも短い距離である。
送電部110は、複数の共鳴体111によって構成されており、複数の共鳴体111は二次元的(平面的)に配列されている。
共鳴体111としては、例えば導体コイルが典型的である。図1A、図1Bでは、共鳴体をスパイラル型のコイル112としている。
共鳴体111としては、導体コイルの他、例えば、誘電体共振器としてもよい。
誘電体共振器の型も限定されず、矩形や円柱形など種々様々な形状を採用できる。
送電部110は、例えば部屋の壁や床そのものであってもよい。
すなわち、部屋の床や壁の一面に複数の共鳴体111(コイル112)を埋設して、これを送電部110とすることが例として挙げられる。
給電部130は、一つまたは複数の共鳴体111に電力を供給する。共鳴体111がコイル112である場合には、コイル112に交流電流を流してもよい。あるいは、コイル112に振動磁界を与えてもよい。
この構成において、給電部130から一つまたは複数の共鳴体111に電力を供給したときに、隣接する共鳴体間を電力がホッピングし、電力が送電部110を伝搬していく。そして、図1A、図1Bに示すように送電部110から電磁波が漏洩する。
このとき、漏洩する電磁波の電磁界分布が所望の受電装置120の位置のみでピークを形成し、かつ、その他の場所では強度が弱くなる、というようにしたい。
例えば図1Aにおいては、給電したい受電装置120が3つあるとする。
この場合、この3つの受電装置120のところで電磁界強度がピークになり、その他の場所では強度が弱くなる、というようにしたい。
または、三つの受電装置120のすべてに電力供給するのではなく、例えば、そのうちの一つだけに電力を供給したい場合もある。
例えば、図1Bのように真ん中の受電装置120にだけ電力を供給したい場合には、この一つの受電装置だけに電界を集中させ、その他の場所では電界強度が弱くなる、というようにしたい。
このような給電が可能になる理論的背景、および、具体的な構成を以下に説明する。
(着想)
本発明者らは、鋭意研究の末、複数の共鳴体を配列して周期構造となし、これを電磁界の伝送線路とみなすことに着想した。
さらに、この周期構造を特定の周波数帯域で共鳴させたとき、この構造自体がメタマテリアルとして扱えることに着想した。そこで、この周期構造(伝送線路)に生じる電磁界分布を解析的に取り扱う方法を追求し、これをなし得た。つまり、共鳴体の周期構造にどのような波の伝搬モードが生じるかを解析的に求める方法を開発した。
これによって、例えば、図2のように共鳴体であるコイルを配列した時に、そこに電磁界のホッピングでどのようなモードの波が発生するかを求めることができるようになった。
以後、この波を"電磁伝搬波"と称することにする。
すなわち、本発明者らは、コイルの周期構造に発生しうる電磁伝搬波の周波数(f)と波数(k)との関係を図3のような分散曲線として表した。
dは、周期構造の一周期長を表し、例えば、隣接するコイル同士の中心間距離である。
したがって、図3のグラフの横軸である「波数(k)×一周期長(d)」は、一周期長あたりの位相変化を意味する。
図3の分散曲線で、fmaxとfminとの間の周波数fにおいて、コイル周期構造は、この構造をメタマテリアルとみたてた場合の電磁波の伝播領域、すなわち伝送線路として扱えるということがわかる。
そして、この周期構造(伝送線路)に随意の電界分布を生じさせる構成に想到した。
(電磁伝搬波の分散曲線を求める理論)
共鳴体を周期的に配列した共鳴体周期構造をメタマテリアルとして扱い、そこに生じる電磁伝搬波の分散曲線を求める方法を説明する。
ここでは、共鳴体としては、スプリング型コイルを例にする。
単一のコイルの共鳴周波数fres、インダクタンスL、容量C、および、抵抗Rを求め、さらに、二つのコイルを隣接配置した際の結合定数Mを求める。
まず、単一のコイルの特性は、図4のようにコイル112内に入力ポート113を設けて、インピーダンスZの周波数依存性から算出できる。すなわち、図4の回路を、容量成分および抵抗成分を取り出した図5の等価回路に置き換える。そして、電磁界解析もしくは実測によってRe(Z)およびIm(Z)の周波数依存性を得る。
Figure 2013108324
Im(Z)となる点から共鳴周波数fresを求める。
共鳴周波数fresの極近辺の2点を用い、以下の式によってインダクタンスLと容量Cとを求める。
共鳴周波数fresの極近辺の2点を(f1、Im(Z1))と(f2、Im(Z2))とする。
Figure 2013108324
さて次に、2つのコイル112、112の相互インダクタンスを求める。
図6のように二つのコイル112、112を並べたモデルを用いて、共鳴周波数の分裂を確認する。
図6において、一方のコイル112に入力ポート113から電力を供給し、その電力が他方のコイル112にホッピングし、この他方のコイル112の電力を出力ポート114から得る。
二つのコイル112、112の結合が弱くて分裂が確認できないときは、入出力ポート113、114の内部抵抗を変更することによって、分裂させることができる。
ここでは、共鳴周波数fresが周波数faと周波数fbとに分裂したとする。すると、分裂した二つの周波数fa、fbから、次の式により結合定数kを算出することができる。
Figure 2013108324
相互インダクタンスMは、結合定数kとインダクタンスLとから次の関係式によって求まる。
Figure 2013108324
次に、複数のコイル112を横に一定のピッチで配列した場合、その等価回路を図7のように描くことができる。
図7では、一つのコイル112を二つのコイル成分112h、112hに分けたように描いている。
従って、一方のコイル成分112hのインダクタンスはL/2である。
なお、この場合は、抵抗Rは無視している。
さらに、この周期構造の一単位(一ユニット)は、図8の等価回路に描き直すことができる。
すると、周期構造の一単位(一ユニット)を、Tマトリクスによって次のように表すことができる。
Figure 2013108324
この周期構造の周期間隔(コイルの中心間距離)をdとする。
また、周期構造をメタマテリアルとしたとき、このメタマテリアルを進行する電磁伝搬波の進行方向の波数をkxとする。すると、kx×dは、一周期ごとの波の位相を表し、次の式が成立する。
Figure 2013108324
上記の式を用いて、位相(kx×d)と周波数f(=ω/2π)との関係をプロットすることにより分散関係が求まる。
これにより、メタマテリアルに生じる(電磁界の)波の周波数帯域(fmin<f<fmax)が求まる。すなわち、周波数帯域(fmin<f<fmax)において図3の分散曲線を描くことができる。
ここまででコイル周期構造をメタマテリアルとした場合の分散曲線が求められた。
このコイル周期構造になんらかの給電を行った場合、電磁界がホッピングして伝わり、コイル周期構造が電磁伝搬波の伝送線路となる。
さらに、伝送線路の損失が小さければ、伝送線路上の電磁界分布は、いわゆる定在波分布となる。
(構成の例示)
ここまでで、コイル周期構造を伝送線路とし、これに定在波を発生させることができることがわかった。
さらに、コイル周期構造の共振条件を満たすような波を発生させれば、定在波(電磁伝搬波)の腹の数をコントロールできることになる。
コイル数をn、コイル間隔をd、隣接コイル間の位相(分散曲線におけるある周波数fに対する位相)をX(=kx×d)[radian]とする。
共振条件を満たすとすると次の式が成立することになる。
(n-1)X=mπ (mは整数)
ここで、位相Xは、0≦X≦πであるので、上記式を満たすmは、m=0、1、・・・・n-1、のn個である。
図9のように、コイルの個数が9個である場合(n=9)、m=0、1、・・・8、の9個の共振状態を満たす位相Xがあることになる。
図9では、9つのコイルを一定ピッチで一列に配列し、真ん中のコイルに給電した場合を示している。
説明のため、左から順にコイルの番号を1から9までつけると、真ん中の5番コイルが給電部からの給電を受けるコイルである。
この給電部からの給電電力の周波数(例えば交流電流の周波数)を制御して共振状態とし、コイル周期構造に電磁伝搬波の定在波を発生させる。
図9では、1番、3番、5番、7番、9番のコイルの位置が定在波の腹となり、2番、4番、6番、8番のコイルの位置が定在波の節となっている。
なお、m=0とは、図10のように、すべてのコイルが同相であるということである。
この場合、腹の数は1(節の数は0)である。
また、例えば、m=8とは、図11のように、すべてのコイルで逆相になっていることをいう。
この場合、腹の数は9(節の数は8)である。
このような現象を利用することにより、コイル周期構造を送電部110とし、この送電部110から近距離にある位置においてビーム(電磁界強度が強くなる箇所)の個数をコントロールできることになる。
ここで、腹の数をコントロールにあたっては、二通りの方法がある。
一つは、周波数可変方式である。
例えば、図12Aの分散曲線から定在波が存在する位相と周波数との組を求め、そして、図12Bのように腹が所望の数になる周波数を選択すればよい。
もう一つは、インピーダンス可変方式である。
すなわち、周波数を固定しておいて、コイル(共鳴体)のインピーダンスを可変とし、図13のように分散曲線をシフトさせる方法である。
(第1実施形態)
図14は、周波数可変方式による電力供給システムである。
図14において、電力供給システム200は、送電部210と、給電部220と、受電装置280と、を備えている。
送電部210は、これまで説明してきたように、共鳴体としてのコイルによって構成され、複数のコイル211が周期構造をなすように配列されている。
送電部210がコイルの一次元的配列で構成されていてもよいが、コイルを面状に並べて二次元的な周期構造とし、これを送電部としてもよいことはもちろんである。
給電部220は、電源221と、電力印加部222と、周波数制御部223と、調整手段224と、を備える。
電力印加部222は、送電部210の一つまたは複数のコイル211に選択的に電力を印加できるようになっている。
コイル211に電力を印加するにあたっては、コイル211の巻線に入力ポート(不図示)を設けて、入力ポート(不図示)から電流を供給するようにしてもよい。
この場合、電力印加部222から各コイル211に向けて配線し、かつ、電力(電流)を供給するコイルを選択するスイッチ(不図示)を前記配線中に設けておく。
あるいは、磁気カップリングによってコイルの中心に交流磁界を与えてもよい。
周波数制御部223は、コイルに印加する電流または磁界の周波数を例えばスイッチングなどによって制御する。
周波数制御部223には調整手段224が付設され、ユーザが手動で周波数を調整できるようになっている。
調整手段224は、ユーザが周波数値を直接操作できるような入力項目を有するユーザインターフェースであってもよい。あるいは、ユーザが給電対象としたい受電装置280を選択できるようにしてもよい。そして、調整手段224は選択された受電装置280の数や位置に基づいて印加すべき電力の周波数を自動的に算出し、算出された周波数値を周波数制御部223に出力するようになっていてもよい。
このような構成において、受電装置280の個数および位置に応じた腹の数の定在波ができるように調整された周波数で電力をコイル211に印加する。すなわち、周波数制御部223による周波数制御によって供給電力の周波数を制御する。
電力を印加するコイルは、定在波の形に応じて適宜選択される。
繰り返しになるが、周波数は、送電部210をメタマテリアルとして扱える周波数の範囲、すなわち、fmaxとfminとの間から選択されるのであり、さらに、共振状態を満たす位相Xになるように調整される。
このように周波数制御によって共振状態を作り出すことにより、所望の受電装置280の位置に応じて電磁伝搬波の腹ができ、その他の場所で漏洩する電磁界は弱くなる。
これにより、受電装置280に効率的に電力を供給できる。
(第2実施形態)
図15は、インピーダンス可変方式による電力供給システムである。
図15において、電力供給システム300は、送電部310と、インピーダンス制御部330と、給電部320と、受電装置280と、を備えている。
送電部310は、共鳴体としてのコイル311によって構成され、複数のコイル311が周期構造をなすように配列されている。
ここで、コイル311には可変インピーダンス312が付加されている。
そして、インピーダンス制御部330は、コイル311の可変インピーダンス312のインピーダンス値を制御する。具体的には、インピーダンス虚部、すなわち、リアクタンスの値を制御する。
インピーダンス制御部330は、各コイルのインピーダンス値を個別に制御できるようになっていてもよいが、ここでは、分散曲線をシフトさせるようにすべてのコイル311の可変インピーダンス312のインピーダンス値を一斉に同じように変化させるものとする。
インピーダンス制御部330には調整手段331が付設され、ユーザが手動でコイル311のインピーダンスを制御するようになっている。
調整手段331は、ユーザがインピーダンス値を直接操作できるような入力項目を有するユーザインターフェースであってもよい。あるいは、ユーザが給電対象としたい受電装置280を選択できるようにしてもよい。そして、調整手段331は選択された受電装置280の数や位置に基づいてコイルのインピーダンス値を求め、算出されたインピーダンス値をインピーダンス制御部330に出力するようになっていてもよい。
給電部320は、電源321と、電力印加部322と、周波数制御部323と、を備える。
電力印加部322の構成は、第1実施形態と同じである。
周波数制御部323は、送電部310をメタマテリアルとして扱えるように、周波数をfmaxとfminとの間の所定値に固定するために設けられているものである。
このような構成において、fmaxとfminとの間の所定周波数の電力を選択されたコイル311に印加する。そして、インピーダンス制御部330によりコイル311のインピーダンス312を変化させる。すると、分散曲線がシフトして、前記所定周波数で所望の共振状態になるようにできる。
これにより、所望の受電装置280の位置に電磁伝搬波の腹ができ、その他の場所で漏洩する電磁界は弱くなる。
その結果、受電装置280に効率的に電力を供給できる。
(第3実施形態)
図16は、インピーダンス可変方式による電力供給システムである。
第3実施形態の基本的構成は第2実施形態と同様であるが、芯(コイルコア)412を制御することによってコイル411のインピーダンスを変化させるようにしている点が第2実施形態と異なっている。
送電部410において、コイル412の巻線は、芯(コイルコア)412を取り囲むように配設されている。そして、インピーダンス制御部430は、コイルコア412をコイル411に対して相対的に移動させる。
これによって、コイル411を通る磁束または電束を変化させ、これによってコイル411のインピーダンスを変化させる。
給電部320の構成は第2実施形態と同様であり、fmaxとfminとの間の所定値で固定された周波数の電力を選択されたコイル411に印加するようになっている。
このような構成において、インピーダンス制御部430によりコイルコアを変位させてコイルのインピーダンスを変化させると、それに合わせて分散曲線がシフトし、所定周波数で所望の共振状態になる。
これにより、所望の受電装置280に効率よく電力を供給できる。
(さらなるビーム集中の実現)
上記第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態においては、送電部に生じる電磁伝搬波を定在波になるようにし、この定在波の腹の数をコントロールすることによって所望の受電装置にのみ効率よく給電できるようにした。
本発明者らは、鋭意研究によりアイデアを進展させ、所望の受電装置にさらに効率よくビームを集中させる方法を探求し、これを成した。
(理論的背景)
本発明者らは、もっとも参考になる直近の知見として、Anthony Grbicらの研究に着目した。
(A. Grbic, et. al., Near-Field Beam Focusing Plates and Their Designs," IEEE Trans.on AP. Vol.56, No.10, pp.3158-3165, Oct. 2008)
この文献の概要を簡単に説明する。
図17に示すように、xy面に平面波源(near-field focusing plate)を設定し、前記平面波源から距離Lだけ離れたところに観測面(focal plane)を設定する。そして、平面波源に、図18のように、振動しながら中心から徐々に減衰する電磁界分布を作ったとする。すなわち、電磁界分布を次の近似式で表されるようにする。
ここで、q0は波数であって、自由空間における波数k0よりも十分に大きい値であるとする。
q0>>k0。
Figure 2013108324
このような電界分布を持つ平面波源から電磁伝搬が生じる。
このような平面波源を、近傍場フォーカシング波源と称することにする。すると、特定の観測面(focal plane)において、図19のように中心付近にのみ著しく大きく、その他の領域では急速に減衰するような電界分布が得られる。観測される電界分布を式で表すと、次のようになる。
Figure 2013108324
したがって、もし前記の平面波源を実現させることができれば、図1で説明した給電システムも実現できる。
なお、平面波源の電磁界分布を数7の様に表したが、この形状にのみ限定されるものではなく、振動しながら中心から徐々に減衰する電磁界分布であれば、図19のように中心にエネルギーが集中する電磁界分布が得られると考えられる。
ここで解決すべき課題となるのは、前記の平面波源(近傍場フォーカシング波源)をどのように実現するかである。
そこで、共鳴体周期構造をメタマテリアルとして利用することにより、前記平面波源(近傍場フォーカシング波源)を実現する。
(第4実施形態)
第4実施形態を図20に示す。
図20の構成自体は、第2実施形態の図15と同じである。
すなわち、電力供給システム500は、送電部510と、インピーダンス制御部530と、給電部520と、調整手段540と、受電装置280と、を備えている。
そして、送電部510は共鳴体としてのコイル511によって構成され、コイル511には可変抵抗512が付加されている。
コイル511の可変抵抗512は、インピーダンス制御部530によってその抵抗値が個別に制御されるようになっている。
調整手段540は、ユーザの操作に応じて、給電するコイルの選定、給電電力の周波数値、および、各コイルのインピーダンス、を調整する。
この構成において、例えば、図20のように三つある受電装置280のうちの真ん中にだけ給電したいとする。
ユーザが調整手段540にて給電対象の受電装置280を選択する。そして、給電部520から送電部510のコイル511に給電を行うのであるが、このとき、給電部520は、給電対象である受電装置280の直下に位置するコイル511に給電する。
また、給電部520は、送電部510の共鳴体周期構造をメタマテリアルとして扱える範囲の周波数(fmax>f>fmin)を印加する。そして、インピーダンス制御部530は、給電を受けるコイルを振動の中心として、中心から離れるに従って定在波(電磁伝搬波)の振幅が減衰するように各コイルのインピーダンスを設定する。
例えば、送電部での伝送損失をある程度大きく、例えば、Q値が100以下になるようにする。
さらに、調整手段540により、電磁伝搬波が、定在波となり、かつ、中心から離れるに従って減衰するように、周波数およびインピーダンスを調整する。すると、図12Bに示した定在波のパターンに比べ、図21に示すように、中心から離れるに従って振幅が減衰する定在波(電磁ホッピング波)が得られる。
このようにして共鳴体周期構造を用いて、前記近傍場フォーカシング波源を実現することができる。
これにより、所望の受電装置280にだけ効率よく給電を集中させる電力供給システムを実現することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
第5実施形態の基本コンセプトは第4実施形態と同じであるが、近傍場フォーカシング波源を実現させるための構成に違いがある。
第5実施形態を図22に示す。
図22において、電力供給システム600は、送電部610と、インピーダンス制御部630と、給電部620と、調整手段640と、振動パターン設定部650と、受電装置280と、を備える。
送電部610は、共鳴体としてのコイル611によって構成されており、各コイル611には可変抵抗612が組み込まれている。
この可変抵抗612は、オープン(ハイインピーダンス)と、ショート(ローインピーダンス)と、ON(中間インピーダンス)と、の3状態を切り換えできるようになっている。
振動パターン設定部650は、送電部610における電磁界の振動パターンを設定する。
ここで、振動パターンは、電磁界が存在して振動の腹となる部分と、電磁界が存在せず振動の節となる部分と、の繰り返しで構成される。
すなわち、振動パターン設定部650は、どのコイル611が振動の腹となり、どのコイル611が振動の節となるか、のパターンを設定する。
例えば、図22では、送電部610のコイル611を、三つずつのコイルで構成されるユニット613Aと、ユニット613Aとユニット613Aとの間に挟まれる一つのコイルの部分613Nと、に分けた例を示している。
そして、三つのコイルからなるユニット613Aを振動の腹とし、その間のコイル(613N)を振動の節とする。
図23Aおよび図23Bは、振動パターンの他の例である。
図23Aでは、送電部610のコイル611を、5つずつのコイルで構成されるユニット614と、ユニット614とユニット614との間に挟まれる二つのコイルと、に分けた例である。
なお、振動の腹となるユニットが二つのコイルで構成されてもよく、あるいは4つや5つ以上のコイルで構成されてもよい。
振動の節となるコイルが二つ以上であってもよい。
または、図23Bのように、振動の腹となるコイルと、振動の節となるコイルと、が一つずつ交互になるようにしてもよい。
以後、振動の腹となるコイルのユニットを腹部ユニットとし、振動の節となるコイルのユニットを節部ユニットとする。
繰り返しになるが、腹部ユニットが一つのコイルで構成されてもよく、また、節部ユニットが一つのコイルで構成されてもよい。
給電部620の電力印加部622は、振動の腹となる腹部ユニット613Aに給電する。
このとき、電力印加部622は、振動の節となる節部ユニット613Nには給電しない。
また、隣り合う腹部ユニット613A同士は逆相になるように給電する。
また、給電するコイル611ごとに電力の大小を制御できるようになっている。
インピーダンス制御部630は、各コイル611の可変抵抗612の抵抗値を制御する。
ここで、給電を受けるコイル611と同じユニット613Aに含まれるが給電を受けないコイル611については、その抵抗値をロー(ショート)にする。
また、振動の節となる節部ユニット613Nのコイル611については、その抵抗値をハイ(オープン)にする。
調整手段640は、ユーザの操作に応じて、振動パターンの設定、給電するコイルの選定、給電電力の周波数値、および、各コイルのインピーダンス、を調整する。
このような構成において、所望の受電装置280に給電する場合について説明する。
ユーザが調整手段640にて給電対象の受電装置280を選択する。
まず、振動パターン設定部650が送電部610のコイルを腹部ユニット613Aと節部ユニット613Nとに分ける。
このとき、給電対象である受電装置280の直下に一つの腹部ユニット613Aがくるようにする。
この腹部ユニット613Aが近傍focusing波源の中心になる。
そして、インピーダンス制御部630が、腹部ユニット613Aのうちのいずれかのコイル611、好ましくは真ん中のコイル611を給電用のコイルとしてインピーダンスをONにする。
さらに、給電を受けるコイルの両隣のコイル611の抵抗値をショート(ロー)にする。
さらに、節部ユニット613Nのコイル611の抵抗値をオープン(ハイ)にする。
そして、電力印加部622から給電用のコイルに給電する。
このとき、受電装置280の直下の腹部ユニット613Aが振動の中心になり、この中心から離れるに従って振動の振幅が減衰するように腹部ユニットごとの供給電力を調整する。
さらに、供給する電力の周波数としては、一つの腹部ユニットで定在波が生じるように調整する。
図22では三つのコイルで定在波が生じるようにする。
ここで、一つの腹部ユニットを構成する三つのコイルが同相になる(節の数がゼロ)ようにしてもよい。
そしてさらに、隣同士の腹部ユニット613Aで逆相になるようにする。これにより、近傍focusing波源のパターンが実現できる。
このとき、隣り合う腹部ユニット613Aの間には節部ユニット613Nとしてオープンにされたコイル611が存在する。
したがって、隣り合う腹部ユニット間で電磁ホッピングが生じず、腹部ユニット613Aごとに給電の電力によって振幅および位相を随意にコントロールすることができる。
ここで、例えば第4実施形態(図20)のように、中央のコイルに給電することと、各コイルの損失(インピーダンス)を制御することと、によって中心から離れるに従って振幅が減衰する波を実現したいとしても、コイル間距離が近いとコイル間結合が強すぎて波の形を制御することが存外に難しくなってくる。
この点、本第5実施形態においては、腹部ユニット613A同士の間に節部ユニット613Nとしてオープン(インピーダンス大)のコイルが存在するようにする。
これにより、腹部ユニット613A間のコイル間結合を切り、腹部ユニット613Aごとに振幅の大きさおよび位相を意のままにコントロールすることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態を説明する。
第6実施形態の基本的構成は第5実施形態と同じであるが、腹部ユニットだけが配置され、節部には共鳴体(コイル)が配置されず隙間になっている点に違いがある。
図24に示すように、第6実施形態の電力供給システム700においては、送電部710に腹部ユニット713Aとなるコイルだけが配置され、隣の腹部ユニットとの間に所定の隙間が設けられている。
この隙間を挟むコイル同士で電磁ホッピングが生じない程度に隙間の間隔は設計されている。そして、この隙間が波の節になる。
このように第6実施形態では、振動の腹になる部分と節になる部分とがコイルの配置によって規定されている。
したがって、逐一振動パターンを設定するための振動パターン設定部650は必要がなく、調整手段740の中にコイルの配置構造が振動パターンとして予め設定記憶されている。
また、電力印加部722が電力を供給するコイル(電力供給用コイル)も予め固定的に決まっている。
また、各腹部ユニットでの振動の大きさは給電する電力(電流)の大きさでコントロールするので、各コイルのインピーダンスを制御するインピーダンス制御部は基本的には必要ない。
なお、コイルのインピーダンスも使って振動の大きさも制御したい場合にはもちろんインピーダンス制御部があってもよい。
このような構成において、所望の受電装置280に給電する場合、ユーザが調整手段740にて給電対象の受電装置280を選択する。すると、給電対象である受電装置280の直下にある一つの腹部ユニット713Aを近傍focusing波源の中心に設定する。
そして、電力印加部622から給電用のコイルに給電する。
このとき、受電装置280の直下の腹部ユニット713Aが振動の中心になり、この中心から離れるに従って振動の振幅が減衰するように腹部ユニットごとの供給電力を調整する。
ここで、隣り合う腹部ユニット713Aの間には隙間714が存在するので、隣り合う腹部ユニット間で電磁ホッピングが生じず、腹部ユニット713Aごとに給電の電力によって振幅および位相を随意にコントロールすることができる。
(変形例)
上記実施形態においては、主として、送電部に一つの定在波を発生させる場合を示した。
(第5実施形態における波の数の数え方は、いろいろ考えられるところであるが、本明細書では、腹部ユニットごとに一つ、二つと数えるのではなく、中心から端に向けて減衰する一連の波を一つと数えた。)
ここで、送電部を構成する各コイルに付加した可変抵抗や可変容量、あるいはスイッチを制御して、どのコイルに電磁ホッピングを生じさせるかを選択できる。
したがって、どのコイルからどのコイルまでに一つ定在波を生じさせるかは任意に選択できるし、送電部を伝わる電力の方向もルーティングできる。
例えば、図25に示すように、一つの送電部に、複数の定在波を様々な方向に同時に発生させることもできるのであり、所望の位置、所望の個数の受電装置に対して的確に効率よく給電を行うことができる。
コイルのインピーダンスを制御するにあたっては、コイルコアの誘電率または透磁率を制御してもよく、コイルに可変容量を付加して可変容量の容量値を変化させてもよい。
上記実施形態においては、共鳴体としてスプリング型のコイルを例示した。
共鳴体としては、例えば、図26Aに示す平面スパイラル状のコイルを用いてもよい。
平面スパイラル状のコイル201は、従来のプリント回路基板に実装できるという利点がある。
すなわち、プリント基板のおもて面または裏面にスパイラルコイル201を一つ実装しておいてもよい。
または、平面スパイラル状のコイルをプリント基板の両面に実装してもよい。例えば、図26Aの平面スパイラル状のコイル201をプリント基板の表側に実装する。そして、図26Bのコイル202をプリント基板の裏面に実装する。図26Bは、プリント基板の裏面に実装されるコイル202を表面側から透視したものである。
このとき、接合点203で表面側コイル201と裏面側コイル202とを導体接続することにより、両面実装として一続きのスパイラル形状を構成することができる。
ここでは表面実装と両面実装との場合を説明したが、多層基板においても各々の層のスパイラル導体と層間を接続する導体とにより、多層基板上で様々なスパイラル導体実装が可能となる。
また、図26A、図26Bでは、矩形であって矩形の各辺が直線的形状であるスパイラルコイルを例示したが、曲線のスパイラルであっても良いことは言うまでもない。
また、スパイラル状コイルが高誘電体基板に実装されていてもよい。
または、スパイラル状コイルが磁性体上に実装されていてもよい。
これにより、磁束密度を高め、共鳴体(コイル)の小型化を図ることができる。
共鳴体の構造は、コイルに限らず、例えば、誘電体共振器であってもよく、あるいは、ダイポールアンテナ構造やモノポールアンテナ構造であってもよい。
送電部と受電装置との間は一般的には空気であるが、送電部と受電装置との間に、水、海水、土、壁があってもよい。
送電部の共鳴体(コイル)を剛性を有する二枚の基板で挟んで、送電部が曲がらないように剛性を持たせてもよい。
または、送電部の共鳴体(コイル)を柔軟性を有する二枚のシートで挟んで、送電部が柔軟に曲がるようにしておいてもよい。
上記第4、第5、第6実施形態において、近傍focusing波源の振動中心は受電装置の直下に位置するコイルである、と表現したが、これは、送電部が天井や側壁に設けられている場合を考慮すると、給電対象となる受電装置に対向する位置にあるコイルのことである。より正確に表現すると、給電対象となる受電装置から送電部に下ろした垂線の足に位置するコイルを近傍focusing波源の振動中心とする、ということである。
本明細書において"周期構造"の用語を用い、送電部が複数の共鳴体による周期構造で構成されている、と表現した。
ここで、周期構造とは、厳密な一定ピッチの配列構造だけに限定解釈されるべきではない。
厳密に一定周期でなくてもよく、本発明の全趣旨からみて送電部をメタマテリアルとして扱える範囲で共鳴体の配列ピッチがずれることは許容される。
また、実際の製品とする場合にあっては、製造上の制約も考慮したうえで共鳴体の配列ピッチが設計されるので、製造条件に応じて配列周期がずれることは許容される。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2012年1月17日に出願された日本出願特願2012−006930を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100・・・給電システム、110・・・送電部、111・・・共鳴体、112・・・コイル、112h・・・コイル成分、113・・・入力ポート、114・・・出力ポート、120・・・受電装置、130・・・給電部、200・・・電力供給システム、201・・・コイル(表面側コイル)、202・・・コイル(裏面側コイル)、203・・・接合点、210・・・送電部、211・・・コイル、220・・・給電部、221・・・電源、222・・・電力印加部、223・・・周波数制御部、224・・・調整手段、280・・・受電装置、300・・・電力供給システム、310・・・送電部、311・・・コイル、312・・・可変インピーダンス、320・・・給電部、321・・・電源、322・・・電力印加部、323・・・周波数制御部、330・・・インピーダンス制御部、331・・・調整手段、410・・・送電部、411・・・コイル、412・・・コイル、412・・・コイルコア、430・・・インピーダンス制御部、500・・・電力供給システム、510・・・送電部、511・・・コイル、512・・・可変抵抗、520・・・給電部、530・・・インピーダンス制御部、540・・・調整手段、600・・・電力供給システム、610・・・送電部、611・・・コイル、612・・・可変抵抗、613A・・・ユニット(腹部ユニット)、613N・・・節部ユニット、614・・・ユニット、620・・・給電部、622・・・電力印加部、630・・・インピーダンス制御部、640・・・調整手段、650・・・振動パターン設定部。

Claims (6)

  1. 複数の共鳴体が一次元的または二次元的に周期構造をなすように配列され、共振作用によって電力を隣の共鳴体に伝搬させていくとともに、周囲に電磁界を漏洩させることによって無線による送電を行う送電手段と、
    前記送電手段の一または複数の前記共鳴体に電力を供給する給電手段と、を備え、
    前記送電手段には、前記送電手段からの送電電力を受電する受電装置の位置に応じて電磁伝搬の定在波を発生させる
    ことを特徴とする電力供給システム。
  2. 請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
    前記給電手段は、前記送電手段に供給する電力の周波数を可変制御する周波数制御手段を有し、前記周波数制御手段により前記送電手段に電磁伝搬の定在波が生じるように給電電力の周波数を制御する
    ことを特徴とする電力供給システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力供給システムにおいて、
    前記共鳴体にはインピーダンスを可変にする素子が付加され、
    当該電力供給システムは、さらに、各共鳴体のインピーダンスを可変制御するインピーダンス制御手段を備え、
    前記インピーダンス制御手段は、前記送電手段に電磁伝搬の定在波が生じるように各共鳴体のインピーダンスを制御する
    ことを特徴とする電力供給システム。
  4. 請求項3に記載の電力供給システムにおいて、
    前記共鳴体は、可変抵抗を一部に有するコイルである
    ことを特徴とする電力供給システム。
  5. 請求項3または請求項4に記載の電力供給システムにおいて、
    前記共鳴体は、誘電体または磁性体からなるコイルコアを有するコイルである
    ことを特徴とする電力供給システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の電力供給システムにおいて、
    さらに、前記送電手段からの送電電力を受電する受電装置を備える
    ことを特徴とする電力供給システム。
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