JPWO2013094685A1 - タングステン合金、およびそれを用いたタングステン合金部品、放電ランプ、送信管並びにマグネトロン - Google Patents

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Abstract

放射性物質であるトリウムを使用せずに、トリウム含有タングステン合金と同等以上のエミッション特性を有するタングステン合金を得ること、及び、該タングステン合金を用いる放電ランプ、送信管及びマグネトロンを提供することを目的とする。
本発明は、タングステン合金において、TaCを含むTa成分をTaC換算で0.1wt%以上3wt%以下の範囲で含有させる。

Description

本発明の実施形態は、タングステン合金、およびそれを用いたタングステン合金部品、放電ランプ用電極部品、放電ランプ、送信管並びにマグネトロンに関する。
タングステン合金部品は、タングステンの高温強度を利用して様々な分野に使われている。その一例として、放電ランプ、送信管、マグネトロンが挙げられる。放電ランプ(HIDランプ)では、カソード電極、電極支持棒、コイル部品などにタングステン合金部品が使われている。また、送信管では、フィラメントやメッシュグリットなどにタングステン合金部品が使われている。また、マグネトロンでは、コイル部品などにタングステン合金部品が使われている。これらタングステン合金部品は、所定の形状を有する焼結体、線材、線材をコイル状にしたコイル部品の形状を取っている。
従来、これらタングステン合金部品には、特開2002−226935号公報(特許文献1)に記載されたようにトリウム(またはトリウム化合物)を含有したタングステン合金が用いられている。特許文献1のタングステン合金は、トリウム粒子およびトリウム化合物粒子の平均粒径を0.3μm以下と微細分散させることにより、耐変形性を向上させるものである。トリウム含有タングステン合金は、エミッタ特性や高温での機械的強度に優れていることから、前述の分野に使われている。
しかしながら、トリウムまたはトリウム化合物は放射性物質であることから、環境への影響を考慮してトリウムを使わないタングステン合金部品が望まれている。特開2011−103240号公報(特許文献2)では、トリウムを使わないタングステン合金部品として、ホウ化ランタン(LaB)を含有するタングステン合金部品が開発されている。
一方、特許文献3には、酸化ランタン(La23)と、HfO2またはZrO2とを含むタングステン合金を用いたショートアーク型高圧放電ランプが記載されている。特許文献3に記載のタングステン合金によると、十分なエミッション特性が得られない。これは、酸化ランタンの融点が2300℃程度と低いため、印加電圧または電流密度を上げることにより部品が高温になったときに酸化ランタンが早期に蒸発してしまい、エミッション特性が低下するためである。
特開2002−226935号公報 特開2011−103240号公報 特許第4741190号特許公報
例えば、タングステン合金部品の用途の一種である放電ランプは、大きく分けて低圧放電ランプと高圧放電ランプの2種類に分けられる。低圧放電ランプは、一般照明、道路やトンネルなどに使われる特殊照明、塗料硬化装置、UV硬化装置、殺菌装置、半導体などの光洗浄装置など様々なアーク放電型の放電ランプが挙げられる。また、高圧放電ランプは、上下水の処理装置、一般照明、競技場などの屋外照明、UV硬化装置、半導体やプリント基板などの露光装置、ウエハ検査装置、プロジェクタなどの高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプなどが挙げられる。
放電ランプは、その用途に応じて、10V以上の電圧が印加される。特許文献2に記載されたホウ化ランタンを含有したタングステン合金では、電圧が100V未満ではトリウム含有タングステン合金と同等の寿命が得られていた。しかしながら、電圧が100V以上と大きくなるにつれエミッション特性が低下し、その結果、寿命も大きく低下した。
送信管やマグネトロンに関しても、同様に印加電圧が上がるにつれて十分な特性が得られないと言った問題があった。
本発明は、このような問題に対応するためのものであり、放射性物質であるトリウムを使用せず、トリウム含有タングステン合金と同等以上のタングステン合金、タングステン合金を用いるタングステン合金部品、放電ランプ、送信管及びマグネトロンを提供することを目的とするものである。
実施形態によれば、W成分と、TaCを含むTa成分とを含有するタングステン合金が提供される。Ta成分の量は、TaC換算で0.1wt%以上5wt%以下の範囲であり、さらに好ましくはTaC換算で0.1wt%以上3wt%以下の範囲である。また、TaC粒子の平均一次粒子径は15μm以下である。
実施形態のタングステン合金部品は、TaをTaC換算で0.1〜3wt%含有するタングステン合金部品において、Ta、TaC、Cの少なくとも2種以上を含有するものである。
また、Ta、TaCおよびCの合計量をTaC換算したとき、x<1であることが好ましい。また、Ta、TaCおよびCの合計量をTaC換算したとき、0<x<1であることが好ましい。また、Ta、TaCおよびCの合計量をTaC換算したとき、0.001<x<0.5であることが好ましい。
また、タングステン合金部品の表面部の炭素量をC1(wt%)、中心部の炭素量をC2(wt%)としたとき、C1<C2であることが好ましい。また、K、Si、Alの少なくとも1種を0.01wt%以下含有したことが好ましい。また、Ta含有量を100質量部としたときNb含有量が5質量部以下であることが好ましい。また、タングステンの平均結晶粒径は1〜100μmであることが好ましい。
また、放電ランプ用部品、送信管用部品、マグネトロン用部品の少なくとも1種に用いられるが好ましい。
また、実施形態の放電ランプは、実施形態のタングステン合金部品を具備するものである。また、実施形態の送信管は、実施形態のタングステン合金部品を具備するものである。また、実施形態のマグネトロンは、実施形態のタングステン合金部品を具備するものである。
実施形態の放電ランプ用電極部品は、タングステン合金からなる放電ランプ用電極部品において、タングステン合金はTa成分をTaC換算で0.1〜5wt%含有すると共に、Ta成分の中でTaC粒子は平均粒径15μm以下であることを特徴とするものである。
また、TaC粒子は平均粒径5μm以下、かつ最大径15μm以下であることが好ましい。また、Ta成分は、TaCおよび金属Taの2種類存在することが好ましい。また、Ta成分は、TaC粒子の表面に金属Taが存在することが好ましい。または、Ta成分のうち、金属Taの一部または全部はタングステンに固溶していることが好ましい。また、Ta成分の全含有量を100質量部としたとき、TaC粒子になっているTaの割合は0.1〜50質量であることが好ましい。また、タングステン合金は、K、Si、Alの少なくとも1種からなるドープ材を0.01wt%以下含有したことが好ましい。また、タングステン合金は、Ti、Zr、V、Nb、Hf、Mo、希土類元素の少なくとも1種を2wt%以下含有することが好ましい。また、線径が0.1〜30mmであることが好ましい。また、タングステン合金は、ビッカース硬度がHv330〜700の範囲内であることが好ましい。また、放電ランプ用電極部品は先端をテーパ形状とした先端部と円柱状の胴体部を有することが好ましい。
また、胴体部の円周方向断面の結晶組織を観察したとき、単位面積300μm×300μmあたりタングステン結晶は1〜80μmが面積率90%以上であることが好ましい。また、胴体部の側面方向断面の結晶組織を観察したとき、単位面積300μm×300μmあたりタングステン結晶は2〜120μmが面積率90%以上であることが好ましい。
また、実施形態の放電ランプは、実施形態の放電ランプ用電極部品を用いたことを特徴とするものである。また、放電ランプの印加電圧が100V以上であることが好ましい。
実施形態のタングステン合金は、放射性物質であるトリウム(酸化トリウム含む)を含有していないことから環境への悪影響がない。その上で、トリウム含有タングステン合金と同等以上の特性を有している。そのため、それを使ったタングステン合金部品、放電ランプ用電極部品、放電ランプ、送信管、マグネトロンは環境にやさしい製品とすることができる。
第1の実施形態のタングステン合金部品の一例を示す図である。 第1の実施形態のタングステン合金部品の他の一例を示す図である。 第1の実施形態の放電ランプの一例を示す図である。 第1の実施形態のマグネトロン用部品の一例を示す図である。 第2の実施形態の放電ランプ用電極部品の一例を示す図である。 第2の実施形態の放電ランプ用電極部品の他の一例を示す図である。 第2の実施形態の放電ランプ用電極部品の胴体部の円周方向断面の一例を示す図である。 第2の実施形態の放電ランプ用電極部品の胴体部の側面方向断面の一例を示す図である。 第2の実施形態の放電ランプの一例を示す図である。 実施例1および比較例1のエミッション電流密度−印加電圧の関係を示す図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によれば、W成分と、TaCを含むTa成分とを含有するタングステン合金が提供される。Ta成分の量は、TaC換算で0.1wt%以上3wt%以下の範囲である。Ta成分は、少なくともTaCを含むもので、TaC以外のTa含有化合物、Ta単体等を含んでいても良い。Ta含有化合物の例には、Ta23が含まれる。
実施形態のタングステン合金部品は、Ta成分をTaC換算で0.1〜3wt%含有するタングステン合金部品において、Ta、TaC、Cの少なくとも2種以上を含有することを特徴とするものである。
Ta(タンタル)成分をTaC(炭化タンタル)換算で0.1〜3wt%含有することにより、エミッション特性や強度などの特性を向上させることができる。つまり、Ta成分含有量がTaC換算で0.1wt%未満であると添加の効果が不十分であり、3wt%を超えると特性が低下する。また、Ta成分含有量はTaC換算で0.5〜2.5wt%であることが好ましい。
また、タングステン合金に含有されているTaC成分は、Ta、TaC、Cの少なくとも2種以上含有していることが必要である。つまり、TaC成分として、TaとTaCの組合せ、TaとC(炭素)の組合せ、TaCとC(炭素)の組合せ、TaとTaCとC(炭素)の組合せのいずれかでTaC成分を含有しているのである。それぞれ融点を比較すると、金属Taは2990℃、TaCは3980℃、タングステンは3400℃である(岩波書店「理化学事典」参照)。また、金属トリウムの融点は1750℃、酸化トリウム(ThO2)の融点は3220±50℃である。タンタルはトリウムと比べて高融点であることから、トリウム含有タングステン合金と比較して、高温強度を同等以上にすることができる。
また、Ta、TaCおよびC(炭素)の合計量をTaC換算したとき、x<1であることが好ましい。x<1であるということは、タングステン合金中に含有するTaC成分がすべてTaCで存在するわけではなく、その一部が金属Taになっていることを意味する。金属Taの仕事関数は4.25であり、金属Thの仕事関数3.4と比べて大きいことからエミッション特性は低下すると考えられるが、放電ランプ用などの用途においては特に問題となるものではない。また、金属タンタルはタングステンと固溶体を形成するので強度向上に有効な元素である。
また、Ta、TaCおよびCの合計量をTaCx換算したとき、0<x<1であることが好ましい。x<1は前述の通りである。また、0<xであるということは、タングステン合金中に含有するTaC成分としてTaCまたはCのいずれかが存在することを意味している。TaCまたはCは、タングステン合金に含まれる不純物酸素を取り除く脱酸効果がある。不純物酸素を低減することにより、タングステン部品の電気抵抗値を下げることができるので電極としての特性が向上する。また、Ta、TaCおよびCの合計量をTaCx換算したとき、0.001<x<0.5であることが好ましい。この範囲であると、金属Ta、TaCまたはCがバランスよく存在し、エミッション特性、強度、電気抵抗、寿命などの特性が向上する。さらに好ましくは0.010≦x≦0.050である。
また、タングステン合金部品中のTa、TaC、Cの含有量の測定方法はICP分析法および燃焼−赤外線吸収法を用いるものとする。ICP分析法であれば、TaのTa量とTaCのTa量を合計したTa量を測定することができる。また、燃焼−赤外線吸収法によりTaCの炭素量と単独で存在する炭素量もしくは他の炭化物として存在する炭素量を合計した炭素量を測定することができる。実施形態ではICP分析法および燃焼−赤外線吸収法によりTa量、C量を測定し、TaCに換算するものとする。
また、K、Si、Alの少なくとも1種を0.01wt%以下含有してもよい。K(カリウム)、Si(珪素)、Al(アルミニウム)はいわゆるドープ材であり、これらドープ材を添加することにより再結晶特性を向上させることができる。再結晶特性を向上させることにより、再結晶熱処理を行った際に均一な再結晶組織を得易くなる。また、ドープ材の含有量の下限は特に限定されるものではないが、0.001wt%以上であることが好ましい。0.001wt%未満では添加の効果が小さく、また、0.01wt%を超えると焼結性や加工性が悪くなり量産性が低下する恐れがある。
また、Ta含有量を100質量部としたときNb含有量が5質量部以下であることが好ましい。このTa含有量はTaおよびTaCの合計のTa量を示すものである。Nb(ニオブ)は、融点が2470℃と高いことからタングステン部品に含有されていたとしても悪影響は少ない。また、市販のTa粉などには、粉のグレードによってはNbが数%含まれていることもある。不純物を除去した高純度Ta粉または高純度TaC粉を使うことは特性向上のためには有効である。一方で原料の高純度化はコストアップの要因となる。Ta100重量部としたとき、Nb(ニオブ)含有量は5質量部以下であれば、特性を必要以上に低下させずに済む。
また、タングステン合金部品の表面部の炭素量をC1(wt%)、中心部の炭素量をC2(wt%)としたとき、C1<C2であることが好ましい。表面部とはタングステン合金の表面から20μmまでの部分を示す。また、中心部とはタングステン合金部品の断面における中心部分である。また、この炭素量は、TaCなどの炭化物の炭素と単独で存在する炭素の両方を合計した値であり、燃焼−赤外線吸収法で分析するものとする。表面部の炭素量C1<中心部の炭素量C2、であるということは表面部の炭素が脱酸によりCOとなって系外に出て行ったことを示す。また、表面部の炭素量が減るということは表面部のTa量が相対的に増える状態となる。このため、Taをエミッタ材として使用する場合に特に有効である。
また、タングステンの平均結晶粒径は1〜100μmであることが好ましい。タングステン合金部品は焼結体であることが好ましい。焼結体であると、成型工程を利用することにより様々な形状の部品を作製することができる。また、焼結体を鍛造工程、圧延工程、線引き工程などを行うことにより、線材(フィラメント含む)、コイル部品などへの加工を行い易い。
また、タングステン結晶は、焼結体のときはアスペクト比3未満の結晶が90%以上の等方結晶組織となる。また、線引き加工を行うとアスペクト比3以上の結晶が90%以上の扁平結晶組織となる。また、タングステン結晶の粒径の求め方は、金属顕微鏡などの拡大写真により結晶組織を撮る。そこに写るタングステン結晶一つにて最大フェレー径を測定し、粒径とする。この作業を任意の100粒について行い、その平均値を平均結晶粒径とする。
また、タングステンの結晶の最大フェレー径の平均が1μm未満と小さいと、Ta、TaCまたはCといった分散成分の分散状態を均一にするのが困難となる。分散成分は、タングステン結晶同士の粒界に存在する。そのため、タングステンの結晶の最大フェレー径の平均が1μm未満と小さいと粒界が小さくなるため、分散成分を均一分散させるのが困難となる。一方、タングステンの結晶の最大フェレー径の平均が100μmを超えて大きいと、焼結体としての強度が低下する。そのため、タングステンの結晶の最大フェレー径の平均が1〜100μm、さらには10〜60μmであることが好ましい。
また、均一分散の観点からTa、TaCまたはCといった分散成分の最大フェレー径の平均値は、タングステンの最大フェレー径の平均値よりも小さいことが好ましい。また、タングステンの結晶の最大フェレー径の平均値をA(μm)、分散成分の最大フェレー径の平均値をB(μm)としたとき、B/A≦0.5であることが好ましい。Ta、TaCまたはCといった分散成分は、タングステン結晶同士の粒界に存在し、エミッタ材や粒界強化材として機能する。分散成分の平均粒径をタングステンの平均結晶粒径の1/2以下に小さくすることにより、分散成分がタングステン結晶粒界に均一分散し易くすることができ、特性バラツキを低減することができる。
以上のようなタングステン合金及びタングステン合金部品は、放電ランプ用部品、送信管用部品、マグネトロン用部品の少なくとも1種に用いることが好ましい。
放電ランプ用部品とは、放電ランプに用いるカソード電極、電極支持棒、コイル部品が挙げられる。図1および図2に放電ランプ用カソード電極の一例を示した。図中、1はカソード電極、2は電極胴体部、3は電極先端部、である。カソード電極1はタングステン合金の焼結体で形成されている。また、電極先端部3は図1のように先端が台形状(円錐台形状)であってもよいし、図2のように先端が三角状(円錐形状)であってもよい。必要に応じ、先端部は研磨加工を行うものとする。また、電極胴体部2は直径2〜35mmの円柱状、また、電極胴体部2の長さは10〜600mmであることが好ましい。
図3に放電ランプの一例を示した。図中、1はカソード電極、4は放電ランプ、5は電極支持棒、6はガラス管、である。放電ランプ4は、一対のカソード電極1を電極先端部を向い合せになるように配置する。カソード電極1は電極支持棒5に接合されている。また、ガラス管6の内部には、図示しない蛍光体層が設けられている。また、ガラス管の内部には、必要に応じ、水銀、ハロゲン、アルゴンガス(またはネオンガス)などが封入されている。
また、実施形態のタングステン合金部品を電極支持棒5として使う場合、電極支持棒全体が実施形態のタングステン合金であってもよいし、カソード電極と接合する部分について実施形態のタングステン合金を使い、残りの部分を他のリード材と接合する形状であってもよい。
また、放電ランプは、その種類によっては、電極支持棒にコイル部品を取り付けて電極とするものもある。このコイル部品に実施形態のタングステン合金を適用することも可能である。
また、実施形態の放電ランプは、実施形態のタングステン合金またはタングステン合金部品を用いたものである。放電ランプの種類は特に限定されるものではなく、低圧放電ランプと高圧放電ランプのどちらにも適用できる。また、低圧放電ランプは、一般照明、道路やトンネルなどに使われる特殊照明、塗料硬化装置、UV硬化装置、殺菌装置、半導体などの光洗浄装置など様々なアーク放電型の放電ランプが挙げられる。また、高圧放電ランプは、上下水の処理装置、一般照明、競技場などの屋外照明、UV硬化装置、半導体やプリント基板などの露光装置、ウエハ検査装置、プロジェクタなどの高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプなどが挙げられる。
また、実施形態のタングステン合金部品は、送信管用部品にも好適である。送信管用部品としては、フィラメントまたはメッシュグリッドが挙げられる。また、メッシュグリッドは線材をメッシュ状に編んだものや、焼結体板に複数の穴を形成したものであってもよい。実施形態の送信管は、送信管用部品として実施形態のタングステン合金部品を使用しているのでエミッション特性などがよい。
また、実施形態のタングステン合金部品は、マグネトロン用部品にも好適である。マグネトロン用部品としては、コイル部品が挙げられる。図4にマグネトロン用部品の一例として、マグネトロン用陰極構体を示した。図中、7はコイル部品、8は上部支持部材、9は下部支持部材、10は支持棒、11はマグネトロン用陰極構体、である。上部支持部材8と下部支持部材9は支持棒10を介して一体化されている。また、支持棒10の周囲にはコイル部品7が配置され、上部支持部材8と下部支持部材9に一体化されている。このようなマグネトロン用部品は、電子レンジに好適である。また、コイル部品は、用いるタングステン線材の線径0.1〜1mmが好ましい。また、コイル部品としての直径は2〜6mmが好ましい。実施形態のタングステン合金部品は、マグネトロン用部品に用いたとき、優れたエミッション特性と高温強度を示す。そのため、それを用いたマグネトロンの信頼性を向上させることができる。
次に実施形態のタングステン合金及びタングステン合金部品の製造方法について説明する。実施形態のタングステン合金及びタングステン合金部品は前述の構成を有すればその製造方法は特に限定されるものではないが、効率のよい製造方法として以下の方法が挙げられる。
まず、原料となるタングステン粉末を用意する。タングステン粉末は平均粒径1〜10μmが好ましい。平均粒径が1μm未満では、タングステン粉末が凝集し易く、TaC成分を均一分散させ難い。また、10μmを超えると焼結体としての平均結晶粒径が100μmを超えてしまう恐れがある。また、純度は、目的とする用途にもあるが99.0wt%以上、さらには99.9wt%以上の高純度タングステン粉末であることが好ましい。
次に、TaC成分として、TaC粉末を用意する。また、TaC粉末の代わりに、Ta粉末および炭素粉末の混合物を用いてもよい。また、TaC粉末単独ではなく、TaC粉末に、Ta粉末または炭素粉末の1〜2種を混合したものであってもよい。この中では、TaC粉末を用いることが好ましい。TaC粉末は、焼結工程において、一部の炭素が分解してタングステン粉末中の不純物酸素と反応し、二酸化炭素となって系外に放出され、タングステン合金の均一化に貢献するので好ましい。Ta粉末と炭素粉末の混合粉末で対応した場合、Ta粉末と炭素粉末の両方を均一混合しないといけないので製造工程の負荷が増える。また、金属Taは酸化し易いのでTaC粉末を用いることが好ましい。
また、TaC成分粉末は、平均粒径0.5〜5μmであることがこのましい。平均粒径が0.5μm未満ではTaC粉末の凝集が大きく均一分散させ難い。また、5μmを超えるとタングステン結晶の粒界に均一分散させ難くなる。また、均一分散という観点からすると、TaC粉末の平均粒径≦タングステン粉末の平均粒径、であることが好ましい。
また、TaC粉末またはTa粉末は、そのTa量を100質量部としたとき、Nbが5質量部以下であることが好ましい。TaC粉末またはTa粉末にはNb成分が不純物として含まれる場合がある。Ta量に対し、Nb量が5質量部以下であればTa成分の特性に良さを阻害しないで済む。また、Nb量は少ないほど好ましいが、原料の高純度化はコストアップの要因となる。そのため、Nb量は0.1〜3質量部がさらに好ましい範囲である。
また、必要に応じ、K、Si、Alから選ばれる少なくとも1種以上のドープ材を添加するものとする。添加量は0.01wt%以下が好ましい。
次に、各原料粉末を均一混合する。混合工程は、ボールミルなどの混合機を用いて行うことが好ましい。混合工程は8時間以上、さらには20時間以上行うことが好ましい。また、必要に応じ、有機バインダーや有機溶媒と混合してスラリーとしてもよい。また、必要に応じ、造粒工程を行ってもよい。
次に、金型でプレスし、成形体を作製する。必要に応じ、成形体に脱脂工程を行う。次に、焼結工程を行う。焼結工程は、水素、窒素などの不活性雰囲気または真空中で行うことが好ましい。また、焼結条件は温度1400〜3000℃にて1〜20時間で行うことが好ましい。焼結温度が1400℃未満または焼結時間が1時間未満では焼結が不十分であり、焼結体の強度が低下する。また、焼結温度が3000℃を超えるまたは焼結時間が20時間を超えるとタングステン結晶が粒成長し過ぎる恐れがある。また、水素、不活性雰囲気または真空中で焼結を行うことにより、焼結体表面部の炭素を系外に放出し易くできる。また、焼結工程は、通電焼結、常圧焼結、加圧焼結など特に限定されるものではない。
次に、焼結体を部品に加工するための工程を行う。部品に加工するための工程は、鍛造工程、圧延工程、線引き工程、切断工程、研磨工程などが挙げられる。また、コイル部品にする場合はコイリング工程が挙げられる。また、送信管用部品としてメッシュグリッドを作製する場合は、フィラメントをメッシュ状に組み上げる工程が挙げられる。
次に、部品に加工した後、必要に応じ、歪取り熱処理を行うものとする。歪取り熱処理は、不活性雰囲気または真空中で、1300〜2500℃の範囲で行うことが好ましい。歪取り熱処理を行うことにより、部品への加工工程で発生した内部応力を緩和し、部品の強度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によれば、W成分と、TaC粒子を含むTa成分とを含有するタングステン合金、タングステン合金を用いたタングステン合金部品、放電ランプ、送信管並びにマグネトロンが提供される。Ta成分の量は、TaC換算で0.1wt%以上5wt%以下の範囲である。Ta成分は、少なくともTaCを含むもので、TaC以外のTa含有化合物、Ta単体等を含んでいても良い。Ta含有化合物の例には、Ta23が含まれる。また、TaC粒子の平均一次粒子径は15μm以下である。
実施形態の放電ランプ用電極部品は、タングステン合金からなる放電ランプ用電極部品において、タングステン合金はTa成分をTaC換算で0.1〜5wt%含有すると共に、Ta成分の中でTaC粒子の一次粒子径は平均粒径15μm以下であることを特徴とするものである。
図5および図6に、実施形態の放電ランプ用電極部品の一例を示した。図中、21は放電ランプ用電極部品、22はテーパ形状の先端部を有する放電ランプ用電極部品、23は先端部、24は胴体部、である。放電ランプ用電極部品21は円柱状であり、その先端部23をテーパ形状に加工して放電ランプ用電極部品22にする。なお、テーパ形状に加工する前の放電ランプ用電極部品21は、通常、円柱形状であるが、四角柱形状であってもよい。
まず、タングステン合金は、Ta成分をTaC換算で0.1〜5wt%含有するものである。Ta成分は、TaC、Taの2種が挙げられる。TaC(炭化ハフニウム)の場合、C/Taの原子比が1に限るものではなく、C/Taの原子比が0.75〜1の範囲のものを含むものとする。また、Ta成分は、TaC(C/Ta原子比=1)換算で0.1〜5wt%含有するものである。Ta成分は放電ランプ用電極部品においてエミッタ材として機能する成分である。Ta成分の含有量がTaC換算で0.1wt%未満ではエミッション特性が不十分である。一方、5wt%を超えると強度低下などを招く恐れがある。そのため、Ta成分はTaC換算で0.3〜3.0wt%、さらには0.5〜2.5wt%が好ましい。
また、Ta成分は前述のようにTaCまたはTaとして存在する。このうち、TaCの一次粒子径は平均粒径15μm以下の粒子であることが必要である。つまり、TaCはTaC粒子であることが重要である。TaC粒子はタングステン結晶粒子同士の粒界に存在する。そのため、TaC粒子があまり大きいとタングステン結晶粒子同士の隙間を大きくしてしまい、密度低下や強度低下の原因となる。また、タングステン結晶粒子同士の粒界に存在することにより、TaC粒子がエミッション材としてだけでなく、分散強化材としても機能するため電極部品の強度向上も得られる。
また、TaC粒子の一次粒子径は平均粒径5μm以下、かつ最大径15μm以下であることが好ましい。また、TaC粒子は平均粒径0.1〜3μmであることが好ましい。また、最大径は1〜10μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満または最大径が1μm未満と小さなTaC粒子ではエミッションによる消耗により早く消滅してしまう恐れがある。電極としての長寿命化を図るためには、TaC粒子は、平均粒径0.1μm以上または最大径1μm以上であることが好ましい。
また、TaC粒子の分散状態は、任意の直線200μm上に2〜30個の範囲であることが好ましい。TaC粒子の個数が直線200μmあたり2個未満(0〜1個)であると部分的にTaC粒子が少なくなりエミッションのばらつきが大きくなる。一方、TaC粒子の個数が直線200μmあたり30個を超えて多い(31個以上)と、部分的にTaC粒子が多くなりすぎ、強度低下などの悪影響がでる恐れがある。なお、TaC粒子の分散状態の測定方法は、タングステン合金の任意の断面を拡大撮影する。拡大写真は、1000倍以上とする。拡大写真上に、任意の直線200μm(線の太さ0.5mm)を引き、その線上に存在するTaC粒子の個数をカウントするものとする。
また、TaC粒子の二次粒子は最大径100μm以下であることが好ましい。TaC粒子の二次粒子とは、一次粒子の凝集体のことである。二次粒子が100μmを超えて大きいとタングステン合金部品の強度が低下する。そのため、TaC粒子の二次粒子の最大径は100μm以下、50μm以下、さらには20μm以下と小さいことが好ましい。
また、Ta成分のうち、Ta(金属Ta)に関しては、様々な分散状態がある。
第一の分散状態は、金属Ta粒子として存在するものである。金属Ta粒子はTaC粒子と同様にタングステン結晶粒子同士の粒界に存在する。タングステン結晶粒子同士の粒界に存在することにより、金属Ta粒子もエミッション材および分散強化材として機能する。そのため、金属Ta粒子の一次粒子径は、平均粒径15μm以下、さらには10μm以下、0.1〜3μmが好ましい。また、最大径は15μm以下、さらには10μm以下が好ましい。また、金属Ta粒子は、タングステン合金を作製する場合に、予めTaC粒子と金属Ta粒子を混合してもよいし、TaC粒子を製造工程中に脱炭する方法でもよい。なお、脱炭する方法を使えば、タングステン中の酸素と反応して二酸化炭素として系外に放出する脱酸効果も得られることから好ましい。脱酸ができれば、タングステン合金の電気抵抗を下げることができるので電極として導電性が向上する。また、金属Ta粒子の一部はTa23粒子になってもよい。
また、第二の分散状態は、TaC粒子の表面に金属Taが存在するものである。第一の分散状態と同様にタングステン合金の焼結体を作製する場合にTaC粒子表面から炭素が脱炭されて、表面に金属Ta被膜が形成された状態となる。金属Ta被膜付きTaC粒子であっても、すぐれたエミッション特性を示す。また、金属Ta被膜付きTaC粒子は、平均粒径15μm以下、さらには10μm以下、0.1〜3μmが好ましい。また、最大径は15μm以下、さらには10μm以下が好ましい。
また、第三の分散状態は、金属Taの一部または全部はタングステンに固溶しているものである。金属Taはタングステンと固溶体を形成する組合せである。固溶体を形成することでタングステン合金の強度を向上させることができる。また、固溶の有無の測定方法は、XRD分析によって可能である。まず、Ta成分および炭素の含有量を測定する。また、Ta成分中のTa量と炭素量からTaC換算し、TaCx,x<1であることを確認する。次にXRD分析を行い金属Taのピークが検出されないことを確認する。TaCx、x<1と炭化タンタルになっていないタンタルが存在するにも関わらず、金属Taのピークが検出されないということは金属Taがタングステンに固溶していることを意味する。
一方、TaCx、x<1と炭化タンタルになっていないタンタルが存在し、その上で金属Taのピークが検出されるということは金属Taが固溶せずタングステン結晶同士の粒界に存在する第一の分散状態であることを意味するものである。また、EPMA(電子線マイクロアナライザ)やTEM(透過型電子顕微鏡)を使うことにより第二の分散状態であることは分析できる。
金属Taの分散状態は、第一の分散状態、第二の分散状態、第三の分散状態のいずれか1種または2種以上の組合せであってもよい。
また、Ta成分の全含有量(Ta含有量)を100質量部としたとき、TaC粒子になっているTaの割合は0.1〜50質量部であることが好ましい。Ta成分は、当然ながら、そのすべてがTaC粒子であってもよい。TaC粒子であれば、エミッション特性は得られる。一方、金属Taを分散させることにより、タングステン合金の導電性や強度を向上させることができる。しかしながら、Ta成分すべてが金属Taであるとエミッション特性や高温強度が低下する。金属Taは融点2990℃、TaCの融点3980℃、金属タングステンの融点3400℃である。TaCの方が融点が高いことから、TaCを所定量含有した方が高温強度が向上する。
なお、TaCと金属Taの含有量を分析する方法は、ICP分析法によりタングステン合金中の全Ta量を測定する。次に、燃焼−赤外線吸収法によりタングステン合金中の全炭素量を測定する。タングステン合金がTa成分とW成分との2元系である場合、測定された全炭素量すべてがTaCになっていると考えて良い。そのため、測定された全Ta量と全炭素量の比較でTa成分中のTaC量を測定することができる。なお、この方法の場合は、C/Ta=1にてTaC量を計算するものとする。
また、TaC粒子のサイズの測定は、タングステン合金焼結体の任意の断面において拡大写真を撮り、そこに写るTaC粒子のもっとも長い対角線をTaC粒子の粒径として測定する。この作業をTaC粒子50個分を測定し、その平均値をTaC粒子の平均粒径とする。また、TaC粒子の粒径(もっとも長い対角線)の中で一番大きな値をTaC粒子の最大径とする。
また、タングステン合金は、K、Si、Alの少なくとも1種からなるドープ材を0.01wt%以下含有してもよい。K(カリウム)、Si(珪素)、Al(アルミニウム)はいわゆるドープ材であり、これらドープ材を添加することにより再結晶特性を向上させることができる。再結晶特性を向上させることにより、再結晶熱処理を行った際に均一な再結晶組織を得易くなる。また、ドープ材の含有量の下限は特に限定されるものではないが、0.001wt%以上であることが好ましい。0.001wt%未満では添加の効果が小さく、また、0.01wt%を超えると焼結性および加工性が悪くなり量産性が悪くなる。
また、タングステン合金は、Ti、Zr、V、Nb、Hf、Mo及び希土類元素よりなる群から選択される少なくとも1種を2wt%以下含有してもよい。Ti、Zr、V、Nb、Hf、Mo、希土類元素は、それぞれ、金属単体、酸化物、炭化物のいずれか1種の形態が挙げられる。また、2種以上を含有してもよい。なお、2種以上を含有する場合であっても、その合計は2wt%以下が好ましい。これらの含有成分は、主に分散強化材として機能するものである。TaC粒子はエミッション材として機能するものであるから、放電ランプを長時間使用していると消耗してくる。Ti、Zr、V、Nb、Hf、Mo、希土類元素はエミッション特性が弱いため、エミッションによる消耗が少ないため長期に渡り分散強化材としての機能を維持することができる。含有量の下限は特に限定されるものではないが、0.01wt%以上であることが好ましい。また、これらの成分の中では、Zr、Hf、希土類元素が好ましい。これら成分は原子半径が0.16nm以上と大きな原子であるため、表面電流密度が大きい成分である。言い換えれば、原子半径が0.16nm以上の元素を含む金属単体またはその化合物が好ましいと言える。
また、放電ランプ用電極部品は先端をテーパ形状とした先端部と円柱状の胴体部を有することが好ましい。テーパ形状、つまりは先端部を尖らせた形状とすることにより放電ランプ用電極部品としての特性が向上する。図6に示したように、先端部23と胴体部24の長さの割合は特に限定されるものではなく、用途に応じて決めるものとする。
また、放電ランプ用電極部品の線径φは0.1〜30mmであることが好ましい。0.1mm未満では電極部品としての強度が保てず、放電ランプに組み込む際に折れたり、先端部をテーパ加工する際に折れたりする恐れがある。また、30mmを超えて大きいと後述するようなタングステン結晶組織の均一性を制御し難くなる。
また、胴体部の円周方向断面(横断面)の結晶組織を観察したとき、単位面積300μm×300μmあたりタングステン結晶は結晶粒径が1〜80μmのものが面積率90%以上であることが好ましい。図7に胴体部の円周方向断面の一例を示した。図中、24は胴体部、25は円周方向断面、である。円周方向断面の結晶組織を測定する際は、胴体部の長さの中心の断面を拡大写真にて撮影するものとする。また、線径が細く、一視野で単位面積300μm×300μmが測定できないときは、任意の円周方向断面を複数回撮影するものとする。拡大写真において、そこに写るタングステン結晶粒子の最も長い対角線を最大径とし、その最大径が1〜80μmの範囲内に入っているものの面積%を測定するものとする。
胴体部の円周方向断面のタングステン結晶が単位面積あたり結晶粒径が1〜80μmのものが面積率90%以上であるということは、結晶粒径が1μm未満の小さなタングステン結晶および80μmを超える大きなタングステン結晶が少ないことを示す。1μm未満のタングステン結晶が多すぎるとタングステン結晶粒子同士の粒界が小さくなり過ぎてしまう。粒界中にTaC粒子の割合が増えてしまうと、エミッションによりTaC粒子が消耗した場合に大きな欠陥となりタングステン合金の強度が低下する。一方、80μmを超えて大きなタングステン結晶粒子が多いと、粒界が大きくなり過ぎてタングステン合金の強度が低下する。より好ましくは結晶粒径が1〜80μmのものが面積率96%以上、さらには面積率100%である。
また、円周方向断面のタングステン結晶粒子の平均粒径は50μm以下、さらには20μm以下が好ましい。また、タングステン結晶粒子の平均アスペクト比は3未満であることが好ましい。なお、アスペクト比を測定する際は、単位面積300μm×300μmの拡大写真を撮影し、そこに写るタングステン結晶粒子の最大径(フェレー径)を長径L、長径Lの中心から垂直に伸ばした粒径を短径Sとし、長径L/短径S=アスペクト比とする。この作業を50粒行い、その平均値を平均アスペクト比とする。また、平均粒径を求める際は、(長径L+短径S)/2=粒径とし、50粒の平均値を平均粒径とする。
また、胴体部の側面方向断面(縦断面)の結晶組織を観察したとき、単位面積300μm×300μmあたりタングステン結晶は結晶粒径が2〜120μmのものが面積率90%以上であることが好ましい。図8に側面方向断面の一例を示した。図中、24は胴体部、26は側面方向断面、である。側面方向断面の結晶組織を測定する際は、胴体部の線径の中心を通る断面を測定するものとする。また、一視野で単位面積300μm×300μmが測定できないときは、任意の側面方向断面を複数回撮影するものとする。拡大写真において、そこに写るタングステン結晶粒子の最も長い対角線を最大径とし、その最大径が2〜120μmの範囲内に入っているものの面積%を測定するものとする。
胴体部の側面方向断面のタングステン結晶が単位面積あたり結晶粒径が2〜120μmのものが面積率90%以上であるということは、結晶粒径が2μm未満の小さなタングステン結晶および120μmを超える大きなタングステン結晶が少ないことを示す。2μm未満のタングステン結晶が多すぎるとタングステン結晶粒子同士の粒界が小さくなり過ぎてしまう。粒界中にTaC粒子の割合が増えてしまうと、エミッションによりTaC粒子が消耗した場合に大きな欠陥となりタングステン合金の強度が低下する。一方、120μmを超えて大きなタングステン結晶粒子が多いと、粒界が大きくなり過ぎてタングステン合金の強度が低下する。より好ましくは結晶粒径が2〜120μmのものが面積率96%以上、さらには面積率100%である。
また、側面方向断面のタングステン結晶粒子の平均粒径は70μm以下、さらには40μm以下が好ましい。また、タングステン結晶粒子の平均アスペクト比は3以上であることが好ましい。なお、平均粒径や平均アスペクト比の測定方法は円周方向断面と同じである。
以上のように、タングステン結晶粒子のサイズ、Ta成分のサイズや割合を制御することにより、放電特性に優れ、かつ強度、特に高温強度のタングステン合金を提供することが可能となる。そのため、放電ランプ用電極部品の特性も向上する。
また、タングステン合金は、相対密度は95.0%以上、さらには98.0%以上であることが好ましい。相対密度が95.0%未満であると気泡が増えて強度低下や部分放電などの悪影響がでる恐れがある。なお、相対密度の求め方は、アルキメデス法による実測密度を理論密度で割った値である。(実測密度/理論密度)×100(%)=相対密度、となる。また、理論密度は、タングステンの理論密度19.3g/cm、タンタルの理論密度16.65g/cm、炭化タンタルの理論密度13.9g/cm、としてそれぞれ質量比に応じて計算により求めるものとする。例えば、TaCを1wt%、Taを0.2wt%、残部タングステンからなるタングステン合金の場合、16.65×0.01+13.9×0.002+19.3×0.988=19.2627g/cmが理論密度になる。また、理論密度を計算する場合は、不純物の存在は考慮しなくてよい。
また、タングステン合金は、ビッカース硬度HV330以上であることが好ましい。さらにはHv330〜700の範囲内であることが好ましい。ビッカース硬度がHv330未満ではタングステン合金が柔らか過ぎて強度が低下する。一方、Hv700を超えるとタングステン合金が硬過ぎて先端部をテーパ形状に加工し難くなる。また、硬過ぎると胴体部の長い電極部品の場合に柔軟性がなく折れやすくなる恐れがある。また、タングステン合金の3点曲げ強度を400MPa以上と高くすることができる。
また、放電ランプ用電極部品の表面粗さRaが5μm以下であることが好ましい。特に、先端部に関しては表面粗さRaは5μm以下、さらには3μm以下と小さいことが好ましい。表面凹凸が大きいとエミッション特性が低下する。
以上のような放電ランプ用電極部品であれば、様々な放電ランプに適用することができる。そのため、印加電圧が100V以上と大きな電圧をかけても長寿命を成し得ることができる。また、前述のような低圧放電ランプや高圧放電ランプなど、特に使用制限を受けるものではなく。また、胴体部の線径が0.1〜30mmと、線径が0.1mm以上3mm以下の細いサイズ、3mmを超えて10mm以下の中くらいのサイズ、10mmを超えて30mm以下の太いものまで適用可能である。また、電極胴体部の長さは10〜600mmであることが好ましい。
図9に放電ランプの一例を示した。図中、22は電極部品(先端部をテーパ加工済み)、27は放電ランプ、28は電極支持棒、29はガラス管、である。放電ランプ27は、一対の電極部品22を電極先端部を向い合せになるように配置する。電極部品22は電極支持棒28に接合されている。また、ガラス管29の内面には、図示しない蛍光体層が設けられている。また、ガラス管の内部には、必要に応じ、水銀、ハロゲン、アルゴンガス(またはネオンガス)などが封入されている。
また、実施形態の放電ランプは、実施形態の電極部品を用いたものである。放電ランプの種類は特に限定されるものではなく、低圧放電ランプと高圧放電ランプのどちらにも適用できる。また、低圧放電ランプは、一般照明、道路やトンネルなどに使われる特殊照明、塗料硬化装置、UV硬化装置、殺菌装置、半導体などの光洗浄装置など様々なアーク放電型の放電ランプが挙げられる。また、高圧放電ランプは、上下水の処理装置、一般照明、競技場などの屋外照明、UV硬化装置、半導体やプリント基板などの露光装置、ウエハ検査装置、プロジェクタなどの高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプなどが挙げられる。また、タングステン合金の強度を向上させているので、自動車用放電ランプのように移動(振動)を伴う分野にも適用できる。
次に、製造方法について説明する。実施形態のタングステン合金及び放電ランプ用電極部品は、前述の構成を有すれば製造方法は特に限定されるものではないが、効率よく得るための製造方法として次のものが挙げられる。
まず、タングステン合金の製造方法として、Ta成分を含有したタングステン合金粉末の調製を行う。
まず、Ta成分として、TaC粉末を用意する。TaC粒子は一次粒子径が平均粒径15μm以下、さらには平均粒径5μm以下が好ましい。また、篩を使用して最大径15μmを超えるものを予め除去することが好ましい。また、最大径を10μm以下にしたいときは目的のメッシュ径を有する篩を使って大きなTaC粒子を除去する。また、小さな粒径のTaC粒子を除去したい場合も目的のメッシュ径を有する篩を使って除去するものとする。また、篩通しを行う前に、TaC粒子をボールミル等により粉砕工程を行うことが好ましい。粉砕工程を行うことにより、凝集体を破壊できるので篩通しによる粒径制御を行い易くなる。
次に、金属タングステン粉末を混合する工程を行う。また、金属タングステン粉末は平均粒径0.5〜10μmのものが好ましい。また、タングステン純度98.0wt%以上、酸素含有量1wt%以下、不純物金属成分1wt%以下のタングステン粉末がよい。また、TaC粒子と同様に、予めボールミル等により粉砕し、篩通し工程により、小さな粒子および大きな粒子を除去しておくことが好ましい。
TaC換算したときに目的とするTa成分量(TaC換算0.1〜5wt%)になるように金属タングステン粉末を添加するものとする。TaC粒子と金属タングステン粉末の混合粉末を混合容器に入れ、混合容器を回転させ均一に混合させる。このとき、混合容器を円筒形状とし、円周方向に回転させることにより、スムーズに混合させることができる。この工程により、TaC粒子を含有するタングステン粉末を調製することができる。また、後述の焼結工程時に脱炭することを考慮して炭素粉末を微量添加してもよい。このとき、脱炭する炭素量と同量以下にするものとする。
次に、得られたTaC粒子を含有するタングステン粉末を使って成形体を調製する。成形体を形成する際は、必要に応じ、バインダーを使うものとする。また、成形体は円柱形状であるときは直径0.1〜40mmの円柱形状であることが好ましい。また、後述するように板状の焼結体から切り出す場合は、成形体のサイズは任意である。また、成形体の長さ(厚さ)は任意である。
次に、成形体を予備焼結する工程を行う。予備焼結は1250〜1500℃で行うことが好ましい。この工程により、予備焼結体を得ることができる。次に、予備焼結体を通電焼結する工程を行う。通電焼結は、焼結体が2100〜2500℃の温度になるように通電することが好ましい。温度が2100℃未満では十分な緻密化ができず強度が低下する。また、2500℃を超えると、TaC粒子およびタングステン粒子が粒成長し過ぎて目的とする結晶組織が得られない。
また、別の方法では、成形体を温度1400〜3000℃で1〜20時間で行うこと方法がある。焼結温度が1400℃未満または焼結時間が1時間未満では焼結が不十分であり、焼結体の強度が低下する。また、焼結温度が3000℃を超えるまたは焼結時間が20時間を超えるとタングステン結晶が粒成長し過ぎる恐れがある。
また、焼結雰囲気は、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気中、水素などの還元雰囲気中、真空中が挙げられる。これらの雰囲気であれば焼結工程時に、TaC粒子の炭素が脱炭する。脱炭の際にタングステン粉末中の不純物酸素を一緒に除去するので、タングステン合金中の酸素含有量を1wt%以下、さらには0.5wt%以下と小さくすることができる。タングステン合金中の酸素含有量が減ると導電性が向上する。
この焼結工程により、Ta成分含有タングステン焼結体を得ることができる。また、予備焼結体が円柱形状であれば焼結体も円柱状焼結体(インゴット)になる。また、板状焼結体の場合は、所定のサイズに切り出す工程を行う。この切り出し工程により円柱状焼結体(インゴット)になる。
次に、円柱状焼結体(インゴット)を、鍛造加工、圧延加工、線引加工などにより、線径を調製していく工程を行うものとする。その際の加工率は30〜90%の範囲であることが好ましい。この加工率とは、加工前の円柱状焼結体の断面積をA、加工後の円柱状焼結体の断面積をBとしたとき、加工率=[(A−B)/A]×100%、により求めるものである。また、線径の調製は複数回の加工により行うことが好ましい。複数回の加工を行うことにより、加工前の円柱状焼結体のポアをつぶし密度の高い電極部品を得ることができる。
例えば、直径25mmの円柱状焼結体を直径20mmの円柱状焼結体に加工した場合を使って説明する。直径25mmの円の断面積Aは460.6mm、直径20mmの円の断面積Bは314mmであるから加工率は32%=[(460.6−314)/460.6]×100%となる。このとき直径25mmから直径20mmへの加工を複数回の線引加工などにより加工することが好ましい。
また、加工率が30%未満と低いと、結晶組織が加工方向に十分延ばされず、タングステン結晶およびトリウム成分粒子が目的とするサイズになり難くなる。また、加工率が30%未満と小さいと加工前の円柱状焼結体内部のポアが十分につぶれず、そのまま残存する恐れがある。内部ポアが残存するとカソード部品の耐久性などが低下する原因となる。一方、加工率が90%を超えて大きいと、加工し過ぎにより断線して歩留まりが低下する恐れがある。このため、加工率は30〜90%、好ましくは35〜65%である。
なお、焼結上がりのタングステン合金の相対密度が95%以上の場合は、必ずしも所定の加工率で加工しなくてもよい。
また、線径を0.1〜30mmに加工した後、必要な長さに切断することにより、電極部品となる。また、必要に応じ、先端部をテーパ形状に加工する。また、必要に応じ、研磨加工、熱処理(再結晶熱処理など)、形状加工を行うものとする。
また、再結晶熱処理は還元雰囲気、不活性雰囲気または真空中で、1300〜2500℃の範囲で行うことが好ましい。再結晶熱処理を行うことにより、電極部品への加工工程で発生した内部応力を緩和する歪取り熱処理の効果が得られ、部品の強度を向上させることができる。
以上のような製造方法によれば、実施形態のタングステン合金及び放電ランプ用電極部品を効率的に製造することができる。
第1の実施形態のタングステン合金において、第2の実施形態で挙げた物性を特定するか、第2の実施形態のタングステン合金において、第1の実施形態で挙げた物性を特定することにより、エミッション特性のさらなる向上を期待できる。例えば、第1の実施形態のタングステン合金において、TaC粒子の一次粒子径及び二次粒子径、TaC粒子の分散状態、金属Taの分散状態、TaCになっているTaの割合、分散強化材、相対密度、ビッカース硬度のうちいずれかを第2の実施形態のように特定することで、エミッション特性を向上することができる。また、第1の実施形態のタングステン合金部品において、断面の結晶組織、表面粗さRaを第2の実施形態のように特定することで、エミッション特性を向上することができる。
(実施例1)
原料粉末として、平均粒径2μmのタングステン粉末(純度99.99wt%)に、平均粒径2μmのTaC粉末(純度99.0%)を1.5wt%となるように添加した。なお、TaC粉末にはTa量を100質量部としたとき不純物Nb量は0.5質量部であった。
原料粉末をボールミルにより10時間混合して混合原料粉末を調製した。次に、混合原料粉末を金型に入れて、成形体を作製した。得られた成形体を水素中で1800℃×10時間の炉焼結を行った。この工程により、縦16mm×横16mm×長さ420mmの焼結体を得た。
鍛造加工などにより径が断面四角形状の棒を作成し、次に、直径2.4mm×長さ150mmの円柱体の試料を切り出した。試料に対し、センタレス研磨加工を施し、表面粗さRaを5μm以下にした。次に、歪取り熱処理として、水素中にて1600℃の熱処理を施した。
これにより、実施例1に係るタングステン合金部品としてエミッション特性測定用電極を作成し、エミッション電流測定を行った。
(比較例1)
ThOを2wt%含有するタングステン合金からなる同サイズの放電ランプ用カソード部品を作製した。
実施例1に係るタングステン合金部品に関して、TaC成分の含有量、Ta、TaCおよびCの合計量をTaCx換算した時のx値、表面部と中心部の炭素量、タングステン結晶の平均粒径を調べた。TaC成分の含有量の分析は、ICP分析、燃焼−赤外線吸収法により、Ta量、炭素量を分析し、TaCx換算した。また、表面部と中心部の炭素量の分析は、表面から10μmの範囲および円柱断面から測定用試料を切り取り、それぞれ炭素量を測定した。また、タングステンの平均結晶粒径は、任意の断面組織において最大フェレー径を100粒測定し、その平均値を平均結晶粒径とした。その結果を表1に示す。
Figure 2013094685
次に、実施例1および比較例1に係る放電ランプ用カソード部品のエミッション特性を調べた。エミッション特性の測定は、印加電圧(V)を100V、200V、300V、400Vと変化させ、エミッション電流密度(mA/mm2)を測定した。カソード部品への印加電流負荷18±0.5A/W、印加時間20msで測定した。その結果を図10に示す。
図10から分かる通り、実施例1は比較例1と比べて、エミッション特性が優れていることが分かった。この結果、実施例1の放電ランプ用カソード部品は放射性物質である酸化トリウムを使わずに、優れたエミッション特性を示すことが分かる。なお、測定時は、カソード部品は2100〜2200℃になっていた。このため、実施例1に係るカソード部品は高温強度や寿命なども優れていることが分かる。
(実施例2〜5)
次に、TaCの添加量、ドープ材としてK添加量を表2のように変えた原料混合粉末を調製した。各原料混合粉末を金型成形し、水素中にて1500〜1900℃で7〜16時間焼結して焼結体を得た。なお、実施例2〜3は必要に応じ、鍛造加工などを行って焼結体サイズを実施例1と同様にして、切り出し工程を行った。また、実施例4〜5は、成形体サイズを調製して直径2.4mm×長さ150mmの焼結体を直接得たものである。
各試料に対し、センタレス研磨加工を施し、表面粗さRaを5μm以下にした。次に、歪取り熱処理として、水素中にて1400〜1700℃の熱処理を施した。これにより、実施例2〜5に係る放電ランプ用カソード部品を作製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2013094685
Figure 2013094685
次に、実施例1と同様の条件にて、エミッション特性を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2013094685
表から分かる通り、本実施例に係る放電ランプ用カソード部品は、いずれも優れた特性を示した。なお、測定時は、カソード部品は2100〜2200℃になっていた。このため、実施例2〜5に係るカソード部品は高温強度や寿命なども優れていることが分かる。
(実施例11〜18、比較例11)
原料粉末として表5に示したタングステン粉末(純度99.0wt%以上)、TaC粉末を用意した。いずれの粉末もボールミルにより十分ほぐし、必要に応じ、それぞれ最大径が表5に示した値になるように篩通し工程を行ったものである。
Figure 2013094685
次にタングステン粉末とTaC粉末を、タングステン合金中のTa成分のTaC換算での量が表6に示す割合となるように混合して、ボールミルにより再度混合した。次に成形して成形体を調製した。次に表6に示した条件により焼結工程を行った。縦16mm×横16mm×長さ420mmの焼結体を得た。
Figure 2013094685
次に、得られたタングステン合金焼結体から、円柱状焼結体(インゴット)を切り出し、鍛造加工、圧延加工、線引加工を適宜組合せて線径を調整した。加工率は表7に示す通りである。また、線径を調整後、所定の長さに切断し、先端部をテーパ形状に加工した。その後、表面研磨して表面粗さRaをRa5μm以下に研磨した。次に、水素雰囲気中にて1600℃の再結晶熱処理を施した。これにより、放電ランプ用電極部品を完成させた。
Figure 2013094685
次に、各放電ランプ用電極部品の胴体部の円周方向断面と側面方向断面の拡大写真を撮り、TaC成分の一次粒子の平均粒径、一次粒子及び二次粒子の最大径、タングステン結晶粒子の割合、平均粒径、アスペクト比を測定した。拡大写真に関しては、それぞれ胴体部の中心を通る円周断面および側面方向断面を切り出し、任意の単位面積300μm×300μmについて調べた。その結果を表8に示す。
Figure 2013094685
次に各放電ランプ用電極部品に対して、Ta、TaCおよびCの合計量をTaCx換算した時のx値、Ta成分中のTaCの割合を測定した。また、酸素含有量、相対密度(%)、ビッカース硬度(Hv)、3点曲げ強度を求めた。
Ta成分中のTaCの割合は、ICP分析法によりタングステン合金中のTa量、燃焼−赤外線吸収法によりタングステン合金中の炭素量を測定する。タングステン合金中の炭素はTaCになっていると考えて良い。そのため、検出された全Ta量を100重量部とし、TaCになるTa量を換算し、その質量比を求めるものとする。また、タングステン合金中の酸素含有量は不活性ガス燃焼−赤外線吸収法により分析した。また、相対密度は、アルキメデス法により分析した実測密度を理論密度で割って求めた。なお、理論密度は前述の計算により求めた。また、ビッカース硬度(Hv)は、JIS−Z−2244に準じて求めた。また、3点曲げ強度は、JIS−R−1601に準じて求めた。その結果を表9に示す。
Figure 2013094685
本実施例に係る放電ランプ用電極部品は密度が高く、ビッカース硬度(Hv)も優れた値を示した。これは、TaCの一部が脱炭したためである。また、TaCになっていないTa成分は、金属Ta粒子になったもの、TaC粒子の表面の一部が金属Taになったもの、タングステンとタンタルの固溶体になったもの、のいずれかの状態であった。
(実施例19〜23)
次に、タングステン粉末およびTaC粉末として実施例12と同様のものを用い、第二の成分として表10に示した組成に変えたものを用意した。焼結条件を水素雰囲気中、2000℃で炉焼結としてインゴットを得た。インゴットを加工率50%で加工して、線径10mmの電極部品を得た。また、水素雰囲気中にて1600℃の再結晶熱処理を施した。各実施例に対して、同様の測定を行った。その結果を、表10〜12に示した。
Figure 2013094685
Figure 2013094685
Figure 2013094685
表から分かる通り、添加元素を用いることにより、分散強化機能が強化し、タングステン結晶の粒成長が抑制されるため強度の向上が見られた。
(実施例11A〜23A、比較例11−1A〜11−2Aおよび比較例12A)
実施例11〜23、比較例11−1および比較例11−2の放電ランプ用電極部品のエミッション特性を調べた。エミッション特性の測定は、印加電圧(V)を100V、200V、300V、400Vと変化させ、エミッション電流密度(mA/mm)を測定した。放電ランプ用電極部品への印加電流負荷18±0.5A/W、印加時間20msで測定した。
また、比較例12として、ThOを2wt%含有するタングステン合金からなる線径8mmの放電ランプ用電極部品を作製した。その結果を表13に示す。
Figure 2013094685
各実施例に係る放電ランプ用電極部品は、酸化トリウムを使用しないにも関わらず、酸化トリウムを使用した比較例12と同等以上のエミッション特性を示した。また、測定時は、カソード部品は2100〜2200℃になっていた。このため、各実施例に係る放電ランプ用電極部品は高温強度も優れるものである。
(実施例24〜26)
次に、実施例11、実施例13、実施例16の放電ランプ用電極に対し、再結晶熱処理条件を1800℃に変えた以外は同じ製造方法にて製造したものを実施例24(実施例11の再結晶熱処理条件を1800℃に変えたもの)、実施例25(実施例13の再結晶熱処理条件を1800℃に変えたもの)、実施例26(実施例16の再結晶熱処理条件を1800℃に変えたもの)として用意した。同様の測定を行った。その結果を表14〜15に示す。
Figure 2013094685
Figure 2013094685
本実施例に係る放電ランプ用電極部品は密度が高く、ビッカース硬度(Hv)および3点曲げ強度も優れた値を示した。これは、TaCの一部が脱炭したためである。また、TaCになっていないTa成分を分析した結果、いずれもタングステンとタンタルの固溶体になったものであった。つまり、Ta成分としてTaとTaCの2種が存在するものであった。このため、再結晶熱処理温度を1700℃以上にすると金属Taをタングステンに固溶させ易いことが分かる。また、エミッション特性を実施例11Aと同様の方法により測定した。その結果を表16に示す。
Figure 2013094685
上記のように金属Taをすべてタングステンに固溶させることによりエミッション特性が向上することが分かった。これは固溶により金属Taがタングステン合金の表面に存在し易くなったためであると考えられる。
また、上記のようにエミッション特性に優れることから放電ランプ用電極部品に限らず、エミッション特性を要求されるマグネトロン用部品(コイル部品)、送信管用部品(メッシュグリット)などの分野にも使用できる。
1…カソード電極、2…電極胴体部、3…電極先端部、4…放電ランプ、5…電極支持棒、6…ガラス管、7…コイル部品、8…上部支持部材、9…下部支持部材、10…支持棒、11…マグネトロン用陰極構体、21…放電ランプ用電極部品、22…テーパ形状の先端部を有する放電ランプ用電極部品、23…先端部、24…胴体部、25…円周方向断面、26…側面方向断面、27…放電ランプ、28…電極支持棒、29…ガラス管。

Claims (23)

  1. W成分と、TaCを含むTa成分をTaC換算で0.1wt%以上3wt%以下の範囲で含有することを特徴とするタングステン合金。
  2. W成分と、TaC粒子を含むTa成分をTaC換算で0.1wt%以上5wt%以下の範囲で含有し、前記TaC粒子の平均一次粒子径は15μm以下であることを特徴とするタングステン合金。
  3. 前記TaC粒子の一次粒子径は平均粒径5μm以下、かつ最大径15μm以下であること特徴とする請求項2記載のタングステン合金。
  4. 前記TaC粒子の二次粒子径は最大値100μm以下であることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  5. 前記Ta成分は、Ta及びCのうち少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  6. Ta、TaCおよびCの合計量をTaC換算したとき、x<1であることを特徴とする請求項5に記載のタングステン合金。
  7. Ta、TaCおよびCの合計量をTaC換算したとき、0<x<1であることを特徴とする請求項5に記載のタングステン合金。
  8. Ta、TaCおよびCの合計量をTaC換算したとき、0.001<x<0.5であることを特徴とする請求項5に記載のタングステン合金。
  9. K、Si及びAlよりなる群から選択される少なくとも1種を0.01wt%以下含有したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  10. Ta含有量を100質量部としたときNb含有量が5質量部以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  11. 前記Ta成分は、Wに固溶している金属Taを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  12. 前記Ta成分は金属Taを含有し、前記金属Taが表面に存在することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  13. Ta含有量を100質量部としたとき、TaCになっているTaの割合は0.1質量部以上50質量部以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  14. ビッカース硬度がHv330以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  15. 前記W成分は、平均結晶粒径が1μm以上100μm以下のタングステン粒子を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のタングステン合金。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のタングステン合金を含むことを特徴とするタングステン合金部品。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のタングステン合金を含み、線径が0.1mm以上30mm以下の線材であることを特徴とするタングステン合金部品。
  18. 前記線材の横断面の結晶組織は、単位面積300μm×300μmあたり結晶粒径が1μm以上80μm以下のタングステン結晶の占める面積率が90%以上であることを特徴とする請求項17記載のタングステン合金部品。
  19. 前記線材の縦断面の結晶組織は、単位面積300μm×300μmあたり結晶粒径が2μm以上120μm以下のタングステン結晶の占める面積率が90%以上であることを特徴とする請求項17記載のタングステン合金部品。
  20. 放電ランプ用部品、送信管用部品及びマグネトロン用部品よりなる群から選択される少なくとも1種の部品に用いられることを特徴とする請求項16〜19のいずれか1項に記載のタングステン合金部品。
  21. 請求項20記載のタングステン合金部品を備えることを特徴とする放電ランプ。
  22. 請求項20記載のタングステン合金部品を備えることを特徴とする送信管。
  23. 請求項20記載のタングステン合金部品を備えることを特徴とするマグネトロン。
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