JPWO2013076815A1 - ワイパモータ - Google Patents
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Abstract
ヨークに配置された少なくとも4極からなるマグネットと、マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、ヨークに結合されたギヤハウジングと、ギヤハウジングの開口を覆うギヤハウジングカバーと、減速機構部の出力軸に取付けられたマグネットと、マグネットに対向して配置された絶対位置検出用センサと、絶対位置検出用センサが取り付けられてギヤハウジングとギヤハウジングカバーとの間に配置され、アーマチュアの回転を制御する制御基板と、
を有するワイパモータである。
を有するワイパモータである。
Description
この発明は、減速機構付きモータに関するものである。
一般に、車両に搭載されるワイパ装置には、ワイパアームを揺動させるための駆動源としての減速機構付きモータが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この減速機構付きモータは、ブラシおよびアーマチュアを有するモータ部と、モータ部のアーマチュアの回転を減速する減速機構部とを有している。減速機構部には、アーマチュアの回転を制御する制御装置が設けられ、制御装置によりワイパアームの払拭位置や払拭速度が制御されている。2極のマグネットと、2つのブラシを用いた正転逆転できるワイパモータでは、モータ部の磁束を考慮して肉厚のヨークとしなければならないため重量が増加してしまうおそれがあった。これにより、イナーシャが大きくなってしまい、ワイパモータのロスが増えてしまう。これにより、ワイパの払拭制御の精度が悪くなってしまうというおそれがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型軽量を図れるだけでなく、払拭精度を向上することができるワイパモータを提供するものである。
上記の問題を解決するために、ヨークと、前記ヨークの内周面上に配置されて異なる磁極が交互に配置された少なくとも4極からなるマグネットと、一端が前記ヨークの底部に回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、前記ヨークに結合され、前記減速機構部が収容される減速機構収容部を有するとともに、有底開口形状に形成されたギヤハウジングと、前記ギヤハウジングの開口を覆うギヤハウジングカバーと、前記出力軸に取付けられたマグネットと、前記マグネットに対向して配置された絶対位置検出用センサと、前記絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ギヤハウジングと前記ギヤハウジングカバーとの間に配置され、前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、ケースと、前記ケースの内周面上に配置されて異なる磁極が交互に配置された少なくとも4極からなるマグネットと、一端が前記ケースに回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、前記ケースに収容され、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、前記出力軸に取付けられたマグネットと、前記マグネットに対向して配置された絶対位置検出用センサと、前記絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ケースに収容されるとともに、前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、を有することを特徴とする。前記出力軸には、揺動部材が直接固定される固定部が形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記出力軸には、揺動部材が直接固定される固定部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、4極のマグネットと、2ブラシを用いた正逆回転できるワイパモータに、角度センサが適用されているため、小型軽量化を図れるだけでなく、ワイパの払拭精度も向上させることができる。
本発明に適用される減速機構付きモータとしてのワイパモータ1は、図1および図2Aに示されるように、通電により回転動作を行うモータ部10と、モータ部10の回転動作を減速して出力軸24に伝達する減速機構部25からなる。
図1、図2Aおよび図2Bに示されるように、モータ部10は、有底状の円筒形状に形成され、その内周面上に少なくとも4極からなるマグネット11が固定され、一方の端面にギヤハウジング26が固定され、他方に軸受部12が固定されるヨーク(第一のケース)13を備えている。
また、図2Aおよび図3Aに示されるように、モータ部10は、一端が軸受部12によって回転自在に支承され、先端にウォーム部14aが形成されるアーマチュアシャフト14と、アーマチュアシャフト14に固定されるコンミテータ15と、コンミテータ15に隣接してアーマチュアシャフト14に固定されるアーマチュアコア16と、アーマチュアコア16に巻回された巻線部17とからなり、複数のマグネット11の内側に回転自在に配置されるアーマチュア18を備えている。さらに、図5Aおよび図5Bに示されるように、モータ部10は、アーマチュア18の回転により、コンミテータ15に摺動する複数のブラシ20,20と、それぞれのブラシ20,20を保持するブラシホルダ21,21とからなるブラシホルダユニット19とを備えている。
減速機構部25は、モータ部10の回転を減速するウォームホイール部25aと、ウォームホイール部25aを収容する有底形状の減速機構収容部26fを有するギヤハウジング(第二のケース)26とを備えている。また、減速機構収容部26fの開口を覆うギヤハウジングカバー29と、ブラシホルダユニット19を収容するブラシホルダ収容部26dとを備えている。そして、ウォームホイール部25aは、モータ部10のアーマチュア18の回転を減速して伝達する出力軸24を備えており、ブラシホルダ収容部26dは、筒状に形成され、ギヤハウジング26と一体に成形されている。ギヤハウジング26とギヤハウジングカバー(第三のケース)29とは、複数本のネジ40によって互いに固定されている。ヨーク(第一のケース)13とギヤハウジング(第二のケース)26とギヤハウジングカバー(第三のケース)29とが機械的に結合されることによって、一体的なケースを有するワイパモータとすることができる。
減速機構部25に備わるウォームホイール部25aは、ポリアセタール等の樹脂によって円盤状に形成され、外周面上にアーマチュアシャフト14のウォーム部14aと噛合する噛合部25bが形成されている。ウォームホイール部25aの回転中心には出力軸24が一体的に取り付けられている。これにより、アーマチュア18が回転を行うと、ウォーム部14aの回転により、ウォーム部14aと噛合するウォームホイール部25aが減速された回転数で回転し、アーマチュア18の回転が減速されて出力軸24に伝達される。
ウォームホイール部25aの出力軸24の基端には、円柱形状(ボタン形状)を有するマグネット25cが、出力軸24の回転軸心とその回転軸心とが一致するように取付けられている。また、マグネット25cは、その回転軸心を中心として周方向に180度の範囲にN極、その他の周方向に180度の範囲にS極となるように着磁されている。マグネット25cに近接して、後述する制御基板29c上に絶対位置検出用のホールIC29dが設けられている。
図9に示されるように、絶対位置検出用のホールIC29dは、出力軸24の回転によってマグネット25cから発生する磁界の変化を検出し、角度データに変換する。そして、絶対位置検出用のホールIC29dが発生するマグネット25cから発生する磁界の変化に対応する信号に基づき、減速機構付きモータの出力軸24の先端に取付けられたワイパ装置の下反転位置や停止位置などの特定の位置から図示しないウィンドシールド上のワイパアームの現在位置が角度で算出される。出力軸の基端には、マグネット25cが一体的に固定され、出力軸の一端には、ワイパアームまたはモータクランクのような揺動部材43がナットなどの固定部材44によって、直接かつ回動不能に固定されており、さらに、出力軸24の中間部分がギヤハウジング(第二のケース)26に形成された軸方向に延びる出力軸支承部26gによって支承される。
これにより、出力軸24が軸方向に振れにくくなるので、ワイパアームまたはモータクランクの動作を絶対位置検出用のホールIC29dによって精度よく検出することができる。また、4極ワイパモータとすることで、ワイパモータ1を小型化することができるので、ワイパモータ1のイナーシャを小さくすることができる。これにより、アーマチュア18の回転バランスなど、ワイパモータ1としてのロスを少なくすることができるので、ワイパモータ1の制御応答性や、払拭制御の精度を向上させることができる。さらに、アーマチュアシャフト14の回転を検出するマグネット及びマグネットの磁極を検出するセンサを設ける必要がないため、アーマチュアシャフト14の軸長を短くでき、ワイパモータ1の小型化を図ることができる。
次に、本発明の特徴となるギヤハウジング26の放熱構造を図2A、図3A、図6および図7に基づき説明する。
ヨーク13は、プレス加工によって板材から有底状の円筒形状に一体成形されており、ヨーク13には、その内周面上に複数のマグネット11が固定されているマグネット固定部13aと、マグネット固定部13aに一体に連結し、一対の湾曲部13bと一対の平面部13cとが交互に連結され、軸方向から見た端面の形状は小判形状になっているヨーク連結部13dとが形成されている。そして、ヨーク13の端面には、フランジ状の固定部13eが形成されており、後述するギヤハウジング26がフランジ状の固定部13eに固定されている。ヨーク連結部13dは、マグネット固定部13aからヨーク端面に向かうに従って、円弧径が漸次広がるように形成されている。マグネット固定部13aの内周面上には、4個のマグネット11が接着剤などにより固定されており、異なる磁極であるN極とS極とが交互に2個ずつ、つまり同極が対向するように配置されている。
アーマチュアシャフト14は、その一端がヨーク13の軸受部12に回転自在に支承されており、4個のマグネット11の内側に配置されている。そして、アーマチュアシャフト14の他端には、転造加工によって螺旋状に形成されたウォーム部14aが形成されている。
図3Aおよび図4Aに示されるように、コンミテータ15は、熱硬化性樹脂などの絶縁材料によって円筒状に形成された絶縁円筒部15aと、絶縁円筒部15aの外周面上に周方向に所定間隔を空けて配置され、銅などの導電部材から形成される複数のセグメント部15bとから構成されている。コンミテータ15は、絶縁円筒部15aの内周面とアーマチュアシャフト14の外周面とを嵌合させてアーマチュアシャフト14に固定されている。各セグメント部15bの外周面上の一端には、コイル接続部15cが形成されており、各コイル接続部15cにコイル17aが接続されている。
アーマチュアコア16は、プレス加工によって打抜かれたコア基板を所定枚数積層することによって円筒状に形成されており、アーマチュアシャフト14が固定されるシャフト固定部と、シャフト固定部から放射状に延びる18本のティース部と、を備えている。
図3Aおよび図3Cに示されるように、アーマチュアコア16には銅線からなるコイル17aが巻回されている。コイル17aの一端が、セグメント部15bのコイル接続部15cに固定され、コイル17aが所定のティース部の間に、重ね巻きにより複数回巻回される。さらに、コイル17aが、所定のティース部の間に、重ね巻きにより複数回巻回された後、コイル17aの他端が異なるセグメント部15bのコイル接続部15cに固定される。続いて、セグメント部15bと対向したセグメント部15bに、接続線(電流供給線)17bが接続される。このように、コイル17aを各ティース部に巻回する工程を繰り返して、コイル17aがアーマチュアコア16に巻回される。これにより、ブラシ20,20に電力が供給されると、コイル17aに電流が流れ、アーマチュア18が回転することで、ワイパモータ1が駆動される。
本発明のように、4極のマグネットを用いた場合、通常4つのブラシが必要になるが、対向するセグメント同士を接続線(電流供給線)17bで繋ぐことにより、ブラシ20からセグメント部に流れる電流が、接続線17bを介して対向したセグメント部にも流れる。これにより、ブラシの数を4本から2本に減らすことができる。
図5Aおよび図5Bに示されるように、ブラシホルダユニット19は、一対の湾曲部19aと、一対の平面部19bとが交互に連結された小判形状に形成されたベース部19cを備えている。
ベース部19cには、アーマチュアシャフト14が貫通する開口部19c1と、ネジ41が貫通し、ブラシホルダユニット19とギヤハウジング26との固定を行う固定用開口部19c2とが形成されている。そして、ベース部19cには、真鍮などの金属材料からなるブラシホルダ21,21が固定されており、ブラシホルダ21,21内には、2本のブラシ20,20が、コンミテータ15に対して接近離反できるように配置されている。図4Aおよび図5Bに示されるように、本発明では、2本のブラシ20,20がアーマチュア18の回転軸心Oを中心として略90度ずれて配置されている。
ブラシホルダ21は、ベース部19cの一対の平面部19bのうちの一方の平面部19bに近接して配置されている。そして、ブラシホルダ21の固定爪21aがベース部19cに形成されたブラシホルダ固定部19c3に差し込まれ、固定爪21aがベース部19cの裏面に折り曲げられることで、ブラシホルダ21がベース部19cに固定される。
さらに、ブラシホルダユニット19は、ブラシホルダ案内壁19dとブラシターミナル接続部19eとを備え、ブラシホルダ案内壁19dは、ベース部19cの外形(小判形状)とほぼ同形状に形成されてベース部19cから直角に延出して配置されている。また、ブラシターミナル接続部19eは、ベース部19cからブラシホルダ案内壁19dとは反対方向に、かつベース部19cに対し直角に突出している。そして、ブラシターミナル接続部19eは、ブラシ20と対向した位置、つまり、ブラシ20,20が配置される一方の平面部19bと離れた他方の平面部19bに配置されている。これにより、ブラシ20から発生した熱がブラシターミナル接続部19eおよびブラシターミナル接続部19eに電気的に接続された制御基板29cに伝達されにくくなる。
ベース部19cには、雑音防止素子としてのチョークコイル22,22が取付けられ、チョークコイル22,22の一端とブラシ20,20とが、ピグテール20a,20aを介して電気的に接続されている。チョークコイル22の他端には、雌形ブラシターミナル23が電気的に接続されており、雌形ブラシターミナル23はギヤハウジングカバー29に設けられた雄型ターミナル29gと電気的に接続される。雌形ブラシターミナル23の先端は、ブラシターミナル接続部19eの内部に収容されており、ギヤハウジングカバー29の雄型ターミナル29gと電気的に接続できるようにブラシターミナル接続部19eから露出している。ブラシホルダユニット19をブラシホルダ収容部26dに組付ける際、ブラシホルダ案内壁19dは、ブラシホルダ収容部26dの内壁26d1に当接して、ブラシホルダユニット19は、ブラシホルダ収容部26dの底部26d2に案内される。そして、ブラシホルダユニット19とギヤハウジング26とが、ベース部19cに形成された固定用開口部19c2に貫通されたネジ41によって固定される。
図2A、図3Aおよび図4Bに示されるように、ギヤハウジング26は、アルミ等の金属材料を用いてダイカスト成形によって形成されている。そして、ギヤハウジング26には、ヨーク固定部26aが形成され、ヨーク固定部26aとヨーク13のフランジ状の固定部13eとが互いに当接されて、複数のネジ42によりギヤハウジング26にヨーク13が取り付けられる。
ヨーク固定部26aは、フランジ状の固定部13eの形状に合わせて一対の湾曲部26bと、一対の平面部26cとが交互に連結された小判形状に形成されている。そして、ギヤハウジング26には、ブラシホルダ収容部26dがヨーク固定部26aと一体に形成されており、ブラシホルダ収容部26dにブラシホルダユニット19が収容されている。ブラシホルダ収容部26dの底部26d2には、ブラシホルダ21の固定爪21aと当接するブラシホルダ当接部26eが、底部26d2から突出して形成されており、ブラシ20,20から発生した熱が、ブラシホルダ21の固定爪21aからブラシホルダ当接部26eを介してギヤハウジング26に伝達され、ギヤハウジング26から外部に放熱される。
さらに、ギヤハウジング26には、ウォームホイール部25aを収容する減速機構収容部26fが、ブラシホルダ収容部26dに隣接して形成される。そして、ギヤハウジング26には、出力軸24を直接的または間接的に支承する出力軸支承部26gが、減速機構収容部26fの開口と反対方向に形成されている。
さらに、減速機構収容部26fには、カバー接続部26hが開口しており、前述したブラシホルダユニット19がブラシホルダ収容部26dに収容された後、ギヤハウジングカバー29の底面から減速機構収容部26fに向けて突出して設けられた2本の雄型ターミナル29gが、カバー接続部26hを貫通して減速機構収容部26fに配置されたブラシホルダユニット19の雌形ブラシターミナル23に電気的に接続される。
出力軸支承部26gから突出した出力軸24は、出力軸固定部(ティースワッシャ)27によって固定される。そして、出力軸24の先端には、ワイパアームまたはモータクランクのような揺動部材43がナットなどの固定部材44によって直接かつ回動不能に固定されるワイパ装置固定部24aが形成され、ワイパ装置(図示せず)を構成する部品が機械的に結合される。
図6および図7に示されるように、減速機構収容部26fの裏面に位置するギヤハウジング26の外周面上には、電気的な要因であるブラシ20,20とコンミテータ15の間の接触抵抗により発生したジュール熱、および機械的な要因であるブラシ20,20とコンミテータ15との摺動により発生した摩擦熱を放出する第1の放熱部材としての第1のヒートシンク26iと、後述する制御基板上に取付けられたFET29eから発生する熱を放出する第2の放熱部材としての第2のヒートシンク26jおよび第3の放熱部材としての第3のヒートシンク26kとが形成されている。
第1のヒートシンク26iは、ブラシホルダ収容部26dの一対の平面部26cのうち、ブラシ20,20が近接して配置される一方の平面部26cの外周面から突出しており、所定間隔を空けて平行に複数形成される。第1のヒートシンク26iは、アーマチュアシャフト14の長手方向に平行になるように形成される。
図7に示されるように、本発明では、互いに略90度の角度を隔てて配置された2本のブラシ20,20が、第1のヒートシンク26iに近接した位置に配置されているため、ブラシ20,20から発生した熱は、第1のヒートシンク26iに伝達されて外部に放熱される。また、ブラシ20,20は、第1のヒートシンク26iに対し、制御基板29cから離間した位置に配置されているため、ブラシから発生した熱は、第1のヒートシンク26iに伝達されやすく、制御基板29cには伝達され難い。
さらに、図5Aに示されるようにベース部19cとギヤハウジング26のブラシホルダ当接部26eとの間には、ゲル状の熱伝導部材28が配置され、ブラシ20,20から発生した熱が、熱伝導部材28を介して第1のヒートシンク26iに容易に伝達される。
ギヤハウジング26の開口には、絶縁材料によって形成された有底状のギヤハウジングカバー29が設けられており、ギヤハウジング26の開口した端面とギヤハウジングカバー29とが当接され、複数本のネジ40によりギヤハウジングカバー29はギヤハウジング26に固定されている。
図3A、図3Bおよび図4Aに示されるように、ギヤハウジングカバー29は、カプラ部29aを備えており、カプラ部29aには複数のターミナル29fが設けられている。複数のターミナル29fの一端は、車両に設けられたコネクタ部(図示せず)に電気的に接続されており、複数のターミナル29fの他端は、制御基板29cに電気的に接続されている。そして、ターミナル29fの中間部はギヤハウジングカバー29に埋設される。
さらに、ギヤハウジングカバー29の底部29hから2本の雄型ターミナル29gが突出しており、ブラシホルダユニット19に配置された雌形ブラシターミナル23と電気的に接続されている。この構成により、車両の電源から供給された電力は、複数のターミナル29f、制御基板29c、雄型ターミナル29g、雌形ブラシターミナル23、ピグテール20a、ブラシ20,20を通って、モータ部10に電流が供給される。
図8に示されるように、制御基板29cは、ギヤハウジングカバー29の底部29hに複数本のネジによって取り付けられ、ギヤハウジング26の減速機構収容部26fの内部に収容されている。
ギヤハウジングカバーの底部29hに対向する制御基板29cの面上には、絶対位置検出用のホールIC29dが設けられている。絶対位置検出用のホールIC29dは、ウォームホイール部25aの出力軸の基端に設けられたマグネット25cに対向して配置され、ワイパモータ1の出力軸24の回転状態を検出する。
そして、制御基板29cは、ワイパモータ1の出力軸24の回転状態に基づき、モータ部10のアーマチュア18の回転を制御する。
制御基板29cには、FET29eが複数設けられ、FET29eのオンオフ動作により、モータ部10に供給される電流が制御され、モータ部10のアーマチュア18の正方向および逆方向の回転が制御される。さらに、制御基板29c上には、図示しない温度検出部が配置され、制御基板29cの温度が検出される。
ワイパモータ1に負荷が加わり、温度検出部により、制御基板29cの温度が、予め定められた温度以上になったと検出された場合には、温度検出部からの予め定められた温度以上になった旨の信号に基づき、制御基板29cは、アーマチュア18の回転数を低くし、さらには、アーマチュア18の回転を停止させて、温度検出部により、ワイパモータ1の制御基板29cの保護が図られる。
また、減速機構収容部26fのFET29eに近接した面上には、FET放熱部26mが形成されている。FET放熱部26mは、減速機構収容部26fの底面から開口方向に向けて突出し、FET29eが固定された制御基板29cの裏面に近接して形成される。FET放熱部26mには、ゲル状であって、熱伝導性の高い材料によって形成されたFET放熱部材30が制御基板29cとFET放熱部26mとの隙間を埋めるように取付けられており、FET29eから発生した熱が、制御基板29cおよびFET放熱部材30を介してFET放熱部26mに伝達され、ギヤハウジング26の外周面上に形成された第2のヒートシンク26jおよび第3のヒートシンク26kからギヤハウジングの外部に放熱される。これにより、FET29eの発熱による制御基板29cの温度上昇を抑えることができる。このため、ワイパモータ1をより長く作動させることができる。
さらに、減速機構収容部26fに収容されたウォームホイール部25aと制御基板29cとの間には、絶縁性材料からなる制御基板カバー31が、ギヤハウジングカバー29に取り付けられている。制御基板カバー31は、ウォームホイール部25aと制御基板29cとの間に配置されており、減速機構部25に塗布されたグリスが制御基板29cに付着しないように固定されている。
ワイパ装置を長時間作動させた場合、ブラシ20,20、モータ部10およびFET29eが熱を発生し、ワイパ装置の連続作動ができなくなるおそれがある。このため、本発明では、さらに、第1のヒートシンク26iに近接して、ギヤハウジング26の外周面上に、第2のヒートシンク26jおよび第3のヒートシンク26kが外部(ギヤハウジングカバー29と反対側)に延出して形成されている。複数のFET29eが、制御基板29cを挟んで第2のヒートシンク26jおよび第3のヒートシンク26kに近接して配置されている。これにより、FET29eから発生した熱が、制御基板29cを介して第2のヒートシンク26jおよび第3のヒートシンク26kからギヤハウジング26の外部に放熱される。
以上のように、実施するための形態では、接続線を有するワイパモータに適用した場合につき説明したが、本発明はこれに限らず、小判形状を有するギヤハウジングに収容されるブラシと、ブラシに近接したギヤハウジングの外周面上にヒートシンクを配置する構造を有する減速機構付きモータ全般に適用することができる。
なお、本発明は、4つのマグネットを用いた4極のワイパモータの実施例で説明したが、4極以上のマグネットを用いてもよいし、円筒形状のマグネット(リングマグネット)を4極に着磁したり、4極以上に着磁してもよい。
また、本発明は、ヨークと、ヨークに結合されたギヤハウジングにアーマチュアや減速機構部などのワイパ構成部品が収容されたワイパモータの実施例を開示したが、アーマチュアや減速機構部などのワイパ構成部品を収容する収容ケースを鉄板であらかじめ一体成形しておき、一対の収容ケースのうち、一方の収容ケースにワイパ構成部品を組み込んだ後、他方の収容ケースを一方の収容ケースに重ね合わせてもよい。
ワイパモータは、自動車等の車両に搭載されるワイパ装置の駆動源として用いられ、ワイパアームを揺動駆動してウィンドシールドに付着した雨水等を払拭するために用いられる。
【0001】
技術分野
[0001]
この発明は、減速機構付きモータに関するものである。
背景技術
[0002]
一般に、車両に搭載されるワイパ装置には、ワイパアームを揺動させるための駆動源としての減速機構付きモータが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この減速機構付きモータは、ブラシおよびアーマチュアを有するモータ部と、モータ部のアーマチュアの回転を減速する減速機構部とを有している。減速機構部には、アーマチュアの回転を制御する制御装置が設けられ、制御装置によりワイパアームの払拭位置や払拭速度が制御されている。2極のマグネットと、2つのブラシを用いた正転逆転できるワイパモータでは、モータ部の磁束を考慮して肉厚のヨークとしなければならないため重量が増加してしまうおそれがあった。これにより、イナーシャが大きくなってしまい、ワイパモータのロスが増えてしまう。これにより、ワイパの払拭制御の精度が悪くなってしまうというおそれがあった。
先行技術文献
特許文献
[0003]
特許文献1:特開2009−189093号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004]
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型軽量を図れるだけでなく、払拭精度を向上することができるワイパモータを提供するものである。
課題を解決するための手段
[0005]
上記の問題を解決するために、ヨークと、前記ヨークの内周面上に配置されて異なる磁極が交互に配置された4極からなるマグネットと、一端が前記
技術分野
[0001]
この発明は、減速機構付きモータに関するものである。
背景技術
[0002]
一般に、車両に搭載されるワイパ装置には、ワイパアームを揺動させるための駆動源としての減速機構付きモータが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この減速機構付きモータは、ブラシおよびアーマチュアを有するモータ部と、モータ部のアーマチュアの回転を減速する減速機構部とを有している。減速機構部には、アーマチュアの回転を制御する制御装置が設けられ、制御装置によりワイパアームの払拭位置や払拭速度が制御されている。2極のマグネットと、2つのブラシを用いた正転逆転できるワイパモータでは、モータ部の磁束を考慮して肉厚のヨークとしなければならないため重量が増加してしまうおそれがあった。これにより、イナーシャが大きくなってしまい、ワイパモータのロスが増えてしまう。これにより、ワイパの払拭制御の精度が悪くなってしまうというおそれがあった。
先行技術文献
特許文献
[0003]
特許文献1:特開2009−189093号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004]
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、小型軽量を図れるだけでなく、払拭精度を向上することができるワイパモータを提供するものである。
課題を解決するための手段
[0005]
上記の問題を解決するために、ヨークと、前記ヨークの内周面上に配置されて異なる磁極が交互に配置された4極からなるマグネットと、一端が前記
【0002】
ヨークの底部に回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、前記ヨークに結合され、前記減速機構部が収容される減速機構収容部を有するとともに、有底開口形状に形成されたギヤハウジングと、前記ギヤハウジングの開口を覆うギヤハウジングカバーと、前記出力軸に取付けられた単一のセンサマグネットと、前記単一のセンサマグネットに対向して配置された単一の絶対位置検出用センサと、前記単一の絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ギヤハウジングと前記ギヤハウジングカバーとの間に配置され、前記単一の絶対位置検出用センサによって検出された前記単一のセンサマグネットから発生する磁界の変化に対応する信号を用いて前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、を有することを特徴とする。
[0006]
また、本発明は、ケースと、前記ケースの内側に配置され、異なる磁極が交互に配置された4極からなるマグネットと、一端が前記ケースに回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、前記ケースに収容され、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、前記出力軸に取付けられた単一のセンサマグネットと、前記単一のセンサマグネットに対向して配置された単一の絶対位置検出用センサと、前記単一の絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ケースに収容されるとともに、前記単一の絶対位置検出用センサによって検出された前記単一のセンサマグネットから発生する磁界の変化に対応する信号を用いて前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、を有することを特徴とする。
ヨークの底部に回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、前記ヨークに結合され、前記減速機構部が収容される減速機構収容部を有するとともに、有底開口形状に形成されたギヤハウジングと、前記ギヤハウジングの開口を覆うギヤハウジングカバーと、前記出力軸に取付けられた単一のセンサマグネットと、前記単一のセンサマグネットに対向して配置された単一の絶対位置検出用センサと、前記単一の絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ギヤハウジングと前記ギヤハウジングカバーとの間に配置され、前記単一の絶対位置検出用センサによって検出された前記単一のセンサマグネットから発生する磁界の変化に対応する信号を用いて前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、を有することを特徴とする。
[0006]
また、本発明は、ケースと、前記ケースの内側に配置され、異なる磁極が交互に配置された4極からなるマグネットと、一端が前記ケースに回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、前記ケースに収容され、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、前記出力軸に取付けられた単一のセンサマグネットと、前記単一のセンサマグネットに対向して配置された単一の絶対位置検出用センサと、前記単一の絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ケースに収容されるとともに、前記単一の絶対位置検出用センサによって検出された前記単一のセンサマグネットから発生する磁界の変化に対応する信号を用いて前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、を有することを特徴とする。
【0004】
、モータ部10の回転動作を減速して出力軸24に伝達する減速機構部25からなる。
[0011]
図1、図2Aおよび図2Bに示されるように、モータ部10は、有底状の円筒形状に形成され、その内周面上に4極からなるマグネット11が固定され、一方の端面にギヤハウジング26が固定され、他方に軸受部12が固定されるヨーク(第一のケース)13を備えている。
[0012]
また、図2Aおよび図3Aに示されるように、モータ部10は、一端が軸受部12によって回転自在に支承され、先端にウォーム部14aが形成されるアーマチュアシャフト14と、アーマチュアシャフト14に固定されるコンミテータ15と、コンミテータ15に隣接してアーマチュアシャフト14に固定されるアーマチュアコア16と、アーマチュアコア16に巻回された巻線部17とからなり、複数のマグネット11の内側に回転自在に配置されるアーマチュア18を備えている。さらに、図5Aおよび図5Bに示されるように、モータ部10は、アーマチュア18の回転により、コンミテータ15に摺動する複数のブラシ20,20と、それぞれのブラシ20,20を保持するブラシホルダ21,21とからなるブラシホルダユニット19とを備えている。
[0013]
減速機構部25は、モータ部10の回転を減速するウォームホイール部25aと、ウォームホイール部25aを収容する有底形状の減速機構収容部26fを有するギヤハウジング(第二のケース)26とを備えている。また、減速機構収容部26fの開口を覆うギヤハウジングカバー29と、ブラシホルダユニット19を収容するブラシホルダ収容部26dとを備えている。そして、ウォームホイール部25aは、モータ部10のアーマチュア18の回転を減速して伝達する出力軸24を備えており、ブラシホルダ収容部26dは、筒状に形成され、ギヤハウジング26と一体に成形されている。ギヤハウジング26とギヤハウジングカバー(第三のケース)29とは、複数本のネジ40によって互いに固定されている。ヨーク(第一のケース)13とギヤハウジング(第二のケース)26とギヤハウジングカバー(第三のケース
、モータ部10の回転動作を減速して出力軸24に伝達する減速機構部25からなる。
[0011]
図1、図2Aおよび図2Bに示されるように、モータ部10は、有底状の円筒形状に形成され、その内周面上に4極からなるマグネット11が固定され、一方の端面にギヤハウジング26が固定され、他方に軸受部12が固定されるヨーク(第一のケース)13を備えている。
[0012]
また、図2Aおよび図3Aに示されるように、モータ部10は、一端が軸受部12によって回転自在に支承され、先端にウォーム部14aが形成されるアーマチュアシャフト14と、アーマチュアシャフト14に固定されるコンミテータ15と、コンミテータ15に隣接してアーマチュアシャフト14に固定されるアーマチュアコア16と、アーマチュアコア16に巻回された巻線部17とからなり、複数のマグネット11の内側に回転自在に配置されるアーマチュア18を備えている。さらに、図5Aおよび図5Bに示されるように、モータ部10は、アーマチュア18の回転により、コンミテータ15に摺動する複数のブラシ20,20と、それぞれのブラシ20,20を保持するブラシホルダ21,21とからなるブラシホルダユニット19とを備えている。
[0013]
減速機構部25は、モータ部10の回転を減速するウォームホイール部25aと、ウォームホイール部25aを収容する有底形状の減速機構収容部26fを有するギヤハウジング(第二のケース)26とを備えている。また、減速機構収容部26fの開口を覆うギヤハウジングカバー29と、ブラシホルダユニット19を収容するブラシホルダ収容部26dとを備えている。そして、ウォームホイール部25aは、モータ部10のアーマチュア18の回転を減速して伝達する出力軸24を備えており、ブラシホルダ収容部26dは、筒状に形成され、ギヤハウジング26と一体に成形されている。ギヤハウジング26とギヤハウジングカバー(第三のケース)29とは、複数本のネジ40によって互いに固定されている。ヨーク(第一のケース)13とギヤハウジング(第二のケース)26とギヤハウジングカバー(第三のケース
【0005】
)29とが機械的に結合されることによって、一体的なケースを有するワイパモータとすることができる。
[0014]
減速機構部25に備わるウォームホイール部25aは、ポリアセタール等の樹脂によって円盤状に形成され、外周面上にアーマチュアシャフト14のウォーム部14aと噛合する噛合部25bが形成されている。ウォームホイール部25aの回転中心には出力軸24が一体的に取り付けられている。これにより、アーマチュア18が回転を行うと、ウォーム部14aの回転により、ウォーム部14aと噛合するウォームホイール部25aが減速された回転数で回転し、アーマチュア18の回転が減速されて出力軸24に伝達される。
[0015]
ウォームホイール部25aの出力軸24の基端には、円柱形状(ボタン形状)を有する単一のセンサマグネット25cが、出力軸24の回転軸心とその回転軸心とが一致するように取付けられている。また、センサマグネット25cは、その回転軸心を中心として周方向に180度の範囲にN極、その他の周方向に180度の範囲にS極となるように着磁されている。センサマグネット25cに近接して、後述する制御基板29c上に絶対位置検出用のホールIC29dが設けられている。
[0016]
図9に示されるように、絶対位置検出用のホールIC29dは、出力軸24の回転によってセンサマグネット25cから発生する磁界の変化を検出し、角度データに変換する。そして、絶対位置検出用のホールIC29dが発生するセンサマグネット25cから発生する磁界の変化に対応する信号に基づき、減速機構付きモータの出力軸24の先端に取付けられたワイパ装置の下反転位置や停止位置などの特定の位置から図示しないウィンドシールド上のワイパアームの現在位置が角度で算出される。出力軸の基端には、センサマグネット25cが一体的に固定され、出力軸の一端には、ワイパアームまたはモータクランクのような揺動部材43がナットなどの固定部材44によって、直接かつ回動不能に固定されており、さらに、出力軸24の中間部分がギヤハウジング(第二のケース)26に形成された軸方向に延びる出力軸支
)29とが機械的に結合されることによって、一体的なケースを有するワイパモータとすることができる。
[0014]
減速機構部25に備わるウォームホイール部25aは、ポリアセタール等の樹脂によって円盤状に形成され、外周面上にアーマチュアシャフト14のウォーム部14aと噛合する噛合部25bが形成されている。ウォームホイール部25aの回転中心には出力軸24が一体的に取り付けられている。これにより、アーマチュア18が回転を行うと、ウォーム部14aの回転により、ウォーム部14aと噛合するウォームホイール部25aが減速された回転数で回転し、アーマチュア18の回転が減速されて出力軸24に伝達される。
[0015]
ウォームホイール部25aの出力軸24の基端には、円柱形状(ボタン形状)を有する単一のセンサマグネット25cが、出力軸24の回転軸心とその回転軸心とが一致するように取付けられている。また、センサマグネット25cは、その回転軸心を中心として周方向に180度の範囲にN極、その他の周方向に180度の範囲にS極となるように着磁されている。センサマグネット25cに近接して、後述する制御基板29c上に絶対位置検出用のホールIC29dが設けられている。
[0016]
図9に示されるように、絶対位置検出用のホールIC29dは、出力軸24の回転によってセンサマグネット25cから発生する磁界の変化を検出し、角度データに変換する。そして、絶対位置検出用のホールIC29dが発生するセンサマグネット25cから発生する磁界の変化に対応する信号に基づき、減速機構付きモータの出力軸24の先端に取付けられたワイパ装置の下反転位置や停止位置などの特定の位置から図示しないウィンドシールド上のワイパアームの現在位置が角度で算出される。出力軸の基端には、センサマグネット25cが一体的に固定され、出力軸の一端には、ワイパアームまたはモータクランクのような揺動部材43がナットなどの固定部材44によって、直接かつ回動不能に固定されており、さらに、出力軸24の中間部分がギヤハウジング(第二のケース)26に形成された軸方向に延びる出力軸支
【0006】
承部26gによって支承される。
[0017]
これにより、出力軸24が軸方向に振れにくくなるので、ワイパアームまたはモータクランクの動作を絶対位置検出用のホールIC29dによって精度よく検出することができる。また、4極ワイパモータとすることで、ワイパモータ1を小型化することができるので、ワイパモータ1のイナーシャを小さくすることができる。これにより、アーマチュア18の回転バランスなど、ワイパモータ1としてのロスを少なくすることができるので、ワイパモータ1の制御応答性や、払拭制御の精度を向上させることができる。さらに、アーマチュアシャフト14の回転を検出するマグネット及びマグネットの磁極を検出するセンサを設ける必要がないため、アーマチュアシャフト14の軸長を短くでき、ワイパモータ1の小型化を図ることができる。
[0018]
次に、本発明の特徴となるギヤハウジング26の放熱構造を図2A、図3A、図6および図7に基づき説明する。
[0019]
ヨーク13は、プレス加工によって板材から有底状の円筒形状に一体成形されており、ヨーク13には、その内周面上に複数のマグネット11が固定されているマグネット固定部13aと、マグネット固定部13aに一体に連結し、一対の湾曲部13bと一対の平面部13cとが交互に連結され、軸方向から見た端面の形状は小判形状になっているヨーク連結部13dとが形成されている。そして、ヨーク13の端面には、フランジ状の固定部13eが形成されており、後述するギヤハウジング26がフランジ状の固定部13eに固定されている。ヨーク連結部13dは、マグネット固定部13aからヨーク端面に向かうに従って、円弧径が漸次広がるように形成されている。マグネット固定部13aの内周面上には、4個のマグネット11が接着剤などにより固定されており、異なる磁極であるN極とS極とが交互に2個ずつ、つまり同極が対向するように配置されている。
[0020]
アーマチュアシャフト14は、その一端がヨーク13の軸受部12に回転自在に支承されており、4個のマグネット11の内側に配置されている。そして、アーマチュアシャフト14の他端には、転造加工によって螺旋状に形
承部26gによって支承される。
[0017]
これにより、出力軸24が軸方向に振れにくくなるので、ワイパアームまたはモータクランクの動作を絶対位置検出用のホールIC29dによって精度よく検出することができる。また、4極ワイパモータとすることで、ワイパモータ1を小型化することができるので、ワイパモータ1のイナーシャを小さくすることができる。これにより、アーマチュア18の回転バランスなど、ワイパモータ1としてのロスを少なくすることができるので、ワイパモータ1の制御応答性や、払拭制御の精度を向上させることができる。さらに、アーマチュアシャフト14の回転を検出するマグネット及びマグネットの磁極を検出するセンサを設ける必要がないため、アーマチュアシャフト14の軸長を短くでき、ワイパモータ1の小型化を図ることができる。
[0018]
次に、本発明の特徴となるギヤハウジング26の放熱構造を図2A、図3A、図6および図7に基づき説明する。
[0019]
ヨーク13は、プレス加工によって板材から有底状の円筒形状に一体成形されており、ヨーク13には、その内周面上に複数のマグネット11が固定されているマグネット固定部13aと、マグネット固定部13aに一体に連結し、一対の湾曲部13bと一対の平面部13cとが交互に連結され、軸方向から見た端面の形状は小判形状になっているヨーク連結部13dとが形成されている。そして、ヨーク13の端面には、フランジ状の固定部13eが形成されており、後述するギヤハウジング26がフランジ状の固定部13eに固定されている。ヨーク連結部13dは、マグネット固定部13aからヨーク端面に向かうに従って、円弧径が漸次広がるように形成されている。マグネット固定部13aの内周面上には、4個のマグネット11が接着剤などにより固定されており、異なる磁極であるN極とS極とが交互に2個ずつ、つまり同極が対向するように配置されている。
[0020]
アーマチュアシャフト14は、その一端がヨーク13の軸受部12に回転自在に支承されており、4個のマグネット11の内側に配置されている。そして、アーマチュアシャフト14の他端には、転造加工によって螺旋状に形
【0012】
ーミナル29g、雌形ブラシターミナル23、ピグテール20a、ブラシ20,20を通って、モータ部10に電流が供給される。
[0042]
図8に示されるように、制御基板29cは、ギヤハウジングカバー29の底部29hに複数本のネジによって取り付けられ、ギヤハウジング26の減速機構収容部26fの内部に収容されている。
[0043]
ギヤハウジングカバーの底部29hに対向する制御基板29cの面上には、単一の絶対位置検出用のホールIC29dが設けられている。絶対位置検出用のホールIC29dは、ウォームホイール部25aの出力軸の基端に設けられたセンサマグネット25cに対向して配置され、ワイパモータ1の出力軸24の回転状態を検出する。
[0044]
そして、制御基板29cは、ワイパモータ1の出力軸24の回転状態に基づき、モータ部10のアーマチュア18の回転を制御する。
[0045]
制御基板29cには、FET29eが複数設けられ、FET29eのオンオフ動作により、モータ部10に供給される電流が制御され、モータ部10のアーマチュア18の正方向および逆方向の回転が制御される。さらに、制御基板29c上には、図示しない温度検出部が配置され、制御基板29cの温度が検出される。
[0046]
ワイパモータ1に負荷が加わり、温度検出部により、制御基板29cの温度が、予め定められた温度以上になったと検出された場合には、温度検出部からの予め定められた温度以上になった旨の信号に基づき、制御基板29cは、アーマチュア18の回転数を低くし、さらには、アーマチュア18の回転を停止させて、温度検出部により、ワイパモータ1の制御基板29cの保護が図られる。
[0047]
また、減速機構収容部26fのFET29eに近接した面上には、FET放熱部26mが形成されている。FET放熱部26mは、減速機構収容部26fの底面から開口方向に向けて突出し、FET29eが固定された制御基板29cの裏面に近接して形成される。FET放熱部26mには、ゲル状であって、熱伝導性の高い材料によって形成されたFET放熱部材30が制御
ーミナル29g、雌形ブラシターミナル23、ピグテール20a、ブラシ20,20を通って、モータ部10に電流が供給される。
[0042]
図8に示されるように、制御基板29cは、ギヤハウジングカバー29の底部29hに複数本のネジによって取り付けられ、ギヤハウジング26の減速機構収容部26fの内部に収容されている。
[0043]
ギヤハウジングカバーの底部29hに対向する制御基板29cの面上には、単一の絶対位置検出用のホールIC29dが設けられている。絶対位置検出用のホールIC29dは、ウォームホイール部25aの出力軸の基端に設けられたセンサマグネット25cに対向して配置され、ワイパモータ1の出力軸24の回転状態を検出する。
[0044]
そして、制御基板29cは、ワイパモータ1の出力軸24の回転状態に基づき、モータ部10のアーマチュア18の回転を制御する。
[0045]
制御基板29cには、FET29eが複数設けられ、FET29eのオンオフ動作により、モータ部10に供給される電流が制御され、モータ部10のアーマチュア18の正方向および逆方向の回転が制御される。さらに、制御基板29c上には、図示しない温度検出部が配置され、制御基板29cの温度が検出される。
[0046]
ワイパモータ1に負荷が加わり、温度検出部により、制御基板29cの温度が、予め定められた温度以上になったと検出された場合には、温度検出部からの予め定められた温度以上になった旨の信号に基づき、制御基板29cは、アーマチュア18の回転数を低くし、さらには、アーマチュア18の回転を停止させて、温度検出部により、ワイパモータ1の制御基板29cの保護が図られる。
[0047]
また、減速機構収容部26fのFET29eに近接した面上には、FET放熱部26mが形成されている。FET放熱部26mは、減速機構収容部26fの底面から開口方向に向けて突出し、FET29eが固定された制御基板29cの裏面に近接して形成される。FET放熱部26mには、ゲル状であって、熱伝導性の高い材料によって形成されたFET放熱部材30が制御
【0014】
[0051]
なお、本発明は、4つのマグネットを用いた4極のワイパモータの実施例で説明したが、円筒形状のマグネット(リングマグネット)を4極に着磁してもよい。
[0052]
また、本発明は、ヨークと、ヨークに結合されたギヤハウジングにアーマチュアや減速機構部などのワイパ構成部品が収容されたワイパモータの実施例を開示したが、アーマチュアや減速機構部などのワイパ構成部品を収容する収容ケースを鉄板であらかじめ一体成形しておき、一対の収容ケースのうち、一方の収容ケースにワイパ構成部品を組み込んだ後、他方の収容ケースを一方の収容ケースに重ね合わせてもよい。
産業上の利用可能性
[0053]
ワイパモータは、自動車等の車両に搭載されるワイパ装置の駆動源として用いられ、ワイパアームを揺動駆動してウィンドシールドに付着した雨水等を払拭するために用いられる。
[0051]
なお、本発明は、4つのマグネットを用いた4極のワイパモータの実施例で説明したが、円筒形状のマグネット(リングマグネット)を4極に着磁してもよい。
[0052]
また、本発明は、ヨークと、ヨークに結合されたギヤハウジングにアーマチュアや減速機構部などのワイパ構成部品が収容されたワイパモータの実施例を開示したが、アーマチュアや減速機構部などのワイパ構成部品を収容する収容ケースを鉄板であらかじめ一体成形しておき、一対の収容ケースのうち、一方の収容ケースにワイパ構成部品を組み込んだ後、他方の収容ケースを一方の収容ケースに重ね合わせてもよい。
産業上の利用可能性
[0053]
ワイパモータは、自動車等の車両に搭載されるワイパ装置の駆動源として用いられ、ワイパアームを揺動駆動してウィンドシールドに付着した雨水等を払拭するために用いられる。
Claims (4)
- ヨークと、
前記ヨークの内周面上に配置されて異なる磁極が交互に配置された少なくとも4極からなるマグネットと、
一端が前記ヨークの底部に回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、
前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、
前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、
前記ヨークに結合され、前記減速機構部が収容される減速機構収容部を有するとともに、有底開口形状に形成されたギヤハウジングと、
前記ギヤハウジングの開口を覆うギヤハウジングカバーと、
前記出力軸に取付けられたマグネットと、
前記マグネットに対向して配置された絶対位置検出用センサと、
前記絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ギヤハウジングと前記ギヤハウジングカバーとの間に配置され、前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、
を有することを特徴とするワイパモータ。 - 請求項1に記載されたワイパモータにおいて、前記出力軸には、揺動部材が直接固定される固定部が形成されていることを特徴とするワイパモータ。
- ケースと、
前記ケースの内側に配置され、異なる磁極が交互に配置された少なくとも4極からなるマグネットと、
一端が前記ケースに回転自在に支承されたアーマチュアシャフトと、前記アーマチュアシャフトに固定されたコンミテータと、前記アーマチュアシャフトに固定され、巻き線が巻装されるコアとを有し、前記マグネットの内側に回転自在に配置されるアーマチュアと、
前記コンミテータに摺接し、前記アーマチュアの回転方向に90度離れて配置された2本のブラシと、
前記ケースに収容され、前記アーマチュアシャフトに形成されたウォームと噛合して前記アーマチュアの回転を伝達する出力軸を有する減速機構部と、
前記出力軸に取付けられたマグネットと、
前記マグネットに対向して配置された絶対位置検出用センサと、
前記絶対位置検出用センサが取り付けられて前記ケースに収容されるとともに、前記アーマチュアの回転を制御する制御基板と、
を有することを特徴とするワイパモータ。 - 請求項3に記載されたワイパモータにおいて、前記出力軸には、揺動部材が直接固定される固定部が形成されていることを特徴とするワイパモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013545691A JPWO2013076815A1 (ja) | 2011-11-22 | 2011-11-22 | ワイパモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013545691A JPWO2013076815A1 (ja) | 2011-11-22 | 2011-11-22 | ワイパモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2013076815A1 true JPWO2013076815A1 (ja) | 2015-04-27 |
Family
ID=53013342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013545691A Pending JPWO2013076815A1 (ja) | 2011-11-22 | 2011-11-22 | ワイパモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2013076815A1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010136588A (ja) * | 2008-12-08 | 2010-06-17 | Mitsuba Corp | アクチュエータ |
WO2011013629A1 (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-03 | 株式会社ミツバ | 減速機構付きモータ |
-
2011
- 2011-11-22 JP JP2013545691A patent/JPWO2013076815A1/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010136588A (ja) * | 2008-12-08 | 2010-06-17 | Mitsuba Corp | アクチュエータ |
WO2011013629A1 (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-03 | 株式会社ミツバ | 減速機構付きモータ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150609 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20151020 |