JPWO2013073334A1 - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器の外観への影響を低減しつつ、筐体の内部に設けられるアンテナの放射特性を向上させる。【解決手段】導体部分を有する筐体と、上記導体部分の筐体面の内側に設けられ、上記筐体面に対して平行な第1の方向に延びるアンテナエレメントを有し、上記アンテナエレメントは上記筐体面に接地されるアンテナと、を含み、上記筐体面の上記アンテナエレメントに並行する部分に、上記第1の方向に延びるスリットが形成される電子機器が提供される。【選択図】図2

Description

本開示は、一般的には電子機器に関し、より詳しくは、アンテナを有する電子機器に関する。
電子機器に実装されるアンテナとしては、例えば逆Fアンテナが知られている。その一例として、特許文献1には、放射パッチに対して平行に配置される給電ラインの長さと面積とによってそれぞれインダクタンスとキャパシタンスとの調整を可能にした逆Fアンテナが開示されている。
ここで、電子機器の筐体がマグネシウム合金のような金属などの導体で形成される場合、筐体の内部に設けられる上記のようなアンテナの放射特性を確保するために、多くの場合、筐体に開口部が設けられる。この開口部には、樹脂などによって形成されるアンテナカバーが設置される。
特開2003−318640号公報
しかしながら、筐体に設けられる開口部やアンテナカバーは、電子機器の外観に影響する。電子機器の外観デザインの制約という観点からいうと、開口部やアンテナカバーは、ない方が望ましい。
そこで、本開示では、電子機器の外観への影響を低減しつつ、筐体の内部に設けられるアンテナの放射特性を向上させることが可能な、新規かつ改良された電子機器を提案する。
本開示の一実施形態によれば、導体部分を有する筐体と、上記導体部分の筐体面の内側に設けられ、上記筐体面に対して平行な第1の方向に延びるアンテナエレメントを有し、上記アンテナエレメントは上記筐体面に接地されるアンテナと、を含み、上記筐体面の上記アンテナエレメントに並行する部分に、上記第1の方向に延びるスリットが形成される電子機器が提供される。
上記の構成によれば、アンテナから電波が放射されるときに、導体部分である筐体面に設けられるスリットの近傍が励起して励振を発生させることが可能である。つまり、筐体面のスリットが形成された部分をアンテナの無給電素子として動作させることで、アンテナの放射特性を向上させることが可能である。
以上説明したように本開示によれば、電子機器の外観への影響を低減しつつ、筐体の内部に設けられるアンテナの放射特性を向上させることができる。
本開示の第1の実施形態に係る電子機器を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係る電子機器のアンテナ部を示す図である。 本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第2の実施形態に係る電子機器のアンテナ部を示す図である。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域でのリターンロスのシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域での放射効率のシミュレーション結果の比較例を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域でのスリット長ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域でのスリット長ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域でのスリット位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域でのスリット位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域での無給電素子の設置位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域での無給電素子の設置位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。 本開示の第3の実施形態に係る電子機器のアンテナ部を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(単一のスリットが形成される例)
2.第2の実施形態(無給電素子が追加される例)
3.第3の実施形態(複数のスリットが形成される例)
4.まとめ
(1.第1の実施形態)
(電子機器の全体構成)
まず、図1を参照して、本開示の第1の実施形態に係る電子機器の全体構成について説明する。
図1は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器を示す図である。図示されているように、本開示の第1の実施形態に係る電子機器は、ノート型PC(Personal Computer)10である。なお、他の実施形態では、電子機器は、ノート型PC以外にも、タブレット型PC、携帯電話、スマートフォン、携帯型ゲーム機など、各種の機器でありうる。
ノート型PC10は、筐体11を有する。筐体11は、マグネシウム合金やアルミニウム合金などで形成される導体部分11mを有する。筐体11の導体部分11m以外の部分は、例えば樹脂などの導体以外の材質で形成されうる。
ここで、本実施形態において、筐体11は、本体部分11aとディスプレイ部分11bとを含む二つ折り構造を有する。本体部分11aは、例えばキーボードやタッチパッドなどをその表面に有し、回路基板やハードディスクなどがその内部に含まれる部分である。ディスプレイ部分11bは、その一方の面を表示面とするディスプレイ13が設けられる部分である。ディスプレイ13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、ノート型PC10における演算の結果を表示する。
なお、以下の説明では、ディスプレイ部分11bの筐体11について、ディスプレイ13の表示面がある側を表示面側、そうではない側をバックパネル側とも称する。本実施形態では、ディスプレイ部分11bのバックパネル側が、筐体11の導体部分11mである。この導体部分は、ディスプレイ13を囲むバスタブ構造を有しており、ディスプレイ部分11bのバックパネル側の背面と、ディスプレイ部分11bの側面のリブ部分とを形成する。ディスプレイ部分11bの表示面側、つまりディスプレイ13の表示面の周囲の部分の筐体11は、樹脂性のカバーによって形成されている。
上記の導体部分11mの筐体面の内側には、アンテナ部15が設けられる。アンテナ部15は、ノート型PC10の通信回路に接続されて電波を送受信するアンテナを含む部分である。より具体的には、アンテナ部15は、ディスプレイ13の周縁部で、導体部分11mの筐体面の内側に設けられる。また、後述するように、アンテナ部15に含まれるアンテナは、導体部分11mの内側の筐体面に接地される。つまり、この部分では、筐体面が接地面としてアンテナ部15の機能に関係する。それゆえ、以下の説明では、アンテナ部15の近傍の筐体面も、アンテナ部15として参照されうる。
なお、後述のアンテナ部15の説明を参照すれば明らかなように、本開示の実施形態におけるアンテナ部の配置は、アンテナが筐体の導体部分の筐体面に接地される限りにおいて、特に限定されるものではない。従って、電子機器の種類によっては、アンテナ部は必ずしもディスプレイの周縁部に設けられるとは限らず、任意の位置に設けられうる。また、電子機器は、必ずしもディスプレイを有していなくてもよい。
当業者には明らかなように、ノート型PC10は、上記の要素以外にも、その機能を実現するために用いられる各種の要素を含みうる。
(アンテナ部の構成)
次に、図2を参照して、本開示の第1の実施形態に係る電子機器のアンテナ部の構成について説明する。
図2は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器のアンテナ部を示す図である。図示されているように、ノート型PC10のアンテナ部15は、アンテナ151と、無給電素子152と、スリット153とを含む。本実施形態において、アンテナ部15は、ディスプレイ13の周縁部で、筐体11の導体部分11mの筐体面11sの内側に設けられる。
ここで、アンテナ151は、筐体11のディスプレイ部分11bのバックパネル側にあたる導体部分11mの筐体面11sに接地されている。なお、説明のため、ディスプレイ部分11bの表示面側の面を形成する樹脂性のカバーについては図示していない。なお、上述のように、本開示の実施形態におけるアンテナ部の配置は、アンテナが筐体の導体部分の筐体面に接地される限りにおいて、特に限定されるものではない。従って、例えばディスプレイ部11bの表示面側の面も導体で形成されるような場合には、アンテナ151は、この表示面側の面に接地されてもよい。
アンテナ151は、アンテナエレメント151aと、給電ピン151bと、ショートピン151cとを有する逆Fアンテナである。アンテナエレメント151aは、筐体面11sに対して平行な方向に延びるアンテナエレメントである。給電ピン151bは、アンテナエレメント151aの固定端近くに設けられ、ノート型PC10の通信回路(図示せず)に接続される。ショートピン151cは、アンテナエレメント151aの固定端に設けられ、アンテナエレメント151aを筐体面11sに接地させる。
なお、本実施形態では、アンテナ151を一枚の金属板から折り曲げ加工するために、図示されているようにアンテナエレメント151aや設置ピン151cに切り欠きが設けられている。しかしながら、アンテナ151は他の方法で加工されてもよく、その場合には、上記の切り欠きは設けられなくてもよい。
また、アンテナ151のサイズについては、特に限定されるものではないが、例えば、ディスプレイ部分11bの内側のスペースを利用しつつ、可能な限り高さを抑えることが望ましい。ディスプレイ13とアンテナ151との間隔、およびディスプレイ部分11bの側面のリブ部分とアンテナ151との間隔は、例えば取付けの容易さを考慮して適宜設定されうる。
無給電素子152は、アンテナエレメント151aと筐体11との間に配置され、アンテナエレメント151aと同じ方向に延びる逆L字型の無給電素子である。無給電素子152は、アンテナ151の放射特性を向上させるために付加的に設けられる。本実施形態では、無給電素子152を設けることによって、複数の周波数帯域におけるアンテナ151の放射特性が向上する。つまり、無給電素子152は、アンテナ151のデュアルバンド化に寄与する。
スリット153は、筐体面11sのアンテナエレメント151aに並行する部分に形成され、アンテナエレメント151aと同じ方向に延びるスリットである。また、スリット153は、図の上方から見ると、アンテナエレメント151aの長辺に隣接するような形で延びている。
ここで、「筐体面11sのアンテナエレメント151aに並行する部分」とは、図示されているように、アンテナエレメント151aの下方またはアンテナエレメント151aの下段にあたる筐体面11sの領域、およびこの領域の近傍の領域である。スリット153は、図の上方から見た場合に、必ずしもアンテナエレメント151aに重なるとは限らず、アンテナエレメント151aに隣接していてもよく、またアンテナエレメント151aとの間に間隔があってもよい。後述するように、スリット153は、アンテナエレメント151aからの電波の放射によってその近傍の筐体面11sに励振を発生させる機能を有するため、かかる機能が実現される範囲であれば、スリット153の位置は特に限定されるものではない。
また、スリット153は、アンテナ151のショートピン151cの位置、つまりアンテナエレメント151aの固定端の位置を始点とし、アンテナエレメント151aの開放端に向かう向きに延びる。スリット153の終点は、図示された例ではアンテナエレメント151aの開放端よりも先にあるが、これには限られず、スリット153の終点とアンテナエレメント151aの開放端との位置関係は任意である。
以上のようなスリット153は、アンテナ151の無給電素子として機能する。つまり、アンテナエレメント151aからの放射に対して、筐体面11sのスリット153部分が励起し、励振が発生する。これによって、アンテナ151の放射特性を向上させることが可能になる。
なお、スリット153の長さは、例えば、筐体面11sのスリット153部分の励振の周波数に対応する波長の4/9〜1/2とすることが好ましい。これは、スリット153の形状や、スリット153の周辺の筐体面11sの形状、スリット153への誘電体の配置の有無などによって、筐体面11sのスリット153部分を励振させるのに適切なスリット153の長さが、励振の周波数に対応する波長の1/2よりも短縮されるためである。励振の周波数は、アンテナ151の放射の周波数に近い周波数であることが好ましいが、必ずしもこれと一致しなくてもよい。
ここで、上述のように、一般的には、金属などの導体で形成された電子機器の筐体の内部にアンテナを設置する場合、筐体に開口部を設け、その開口部にアンテナカバーを設置することが多い。開口部を設けない場合には、筐体面に接地する逆Fアンテナなどを設置すること(つまり、本実施形態でスリット153が設けられないような構成)が考えられるが、この場合、筐体面の裏面側への放射は小さくなってしまう。
また、筐体面にスリットを形成して給電し、筐体面をスリットアンテナとして利用することも考えられる。しかしながら、スリットアンテナを用いて近年の電子機器のアンテナに求められるような広帯域対応を実現する場合、スリットの形状が複雑になる。つまり、この場合、筐体面には複雑な形状のスリットが形成されることになるため、外観デザイン上、好ましくない。
そこで、本実施形態では、上記のようにアンテナ151のGNDとなる筐体11の面に直線状のスリット153を形成し、筐体面11sのスリット153部分を無給電素子として機能させる。かかる構成によれば、筐体面11sに形成されるスリットを簡単な形状にすることができ、外観デザインへの影響を最小限に抑えた上で、アンテナ151の放射特性を改善することができる。
(アンテナ部の動作)
次に、図3〜図10を参照して、シミュレーション結果に基づくアンテナ部15の動作について説明する。なお、以下のシミュレーションにおいて、スリット153の長さは52mmであり、これは周波数が2.65GHzの電波の波長の6/13にあたる。
図3Aは、本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.3GHz〜3GHz)でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。図3Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、特に2.65GHzを中心とする帯域で、比較例と比べてリターンロスの値が低くなっており、スリット153が設けられることで整合特性が改善することがわかる。
図4Aは、本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.3GHz〜3GHz)での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。図4Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、2.4GHz〜2.7GHzの帯域において、比較例と比べて放射効率が改善していることがわかる。より具体的には、バンドエッジである2.4GHzでは放射効率が比較例と同等であり、放射効率のピークでは、放射効率が約1dB改善する。
図5Aは、本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数4.8GHz〜6.2GHz)でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。図5Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、比較例にはない、周波数が5.2GHzの整合ポイントが新たに発生している。この結果から、5.15GHz〜5.85GHzの帯域において、スリット153が設けられることで整合特性が改善するといえる。
図6Aは、本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5GHz〜6GHz)での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。図6Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、上記の整合ポイントの発生によって、5.15GHz〜5.85GHzの帯域において放射効率特性も改善していることがわかる。
図7は、本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.65GHz)での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、筐体面11sのスリット153部分が励起し、励振が発生していることがわかる。なお、ここで筐体面11sのスリット153部分に発生する励振の波長は、スリット153の長さの約1/2である。このような、GNDである筐体の導体部分11mの励起は、スリット153が設けられない比較例では見られないものであり、スリット153が設けられたことによって生じる作用であるといえる。
図8は、本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5.25GHz)での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、上記の2GHzの周波数帯域の場合と同様に、筐体面11sのスリット153部分が励起し、励振が発生していることがわかる。なお、ここで筐体面11sのスリット153部分に発生する励振の波長は、スリット153の長さにほぼ等しい。このように、スリット153の長さを適切に設定することで、所望の複数の帯域で励振を発生させ、筐体11のスリット153部分を無給電素子として用いてアンテナ151の放射特性を改善させることが可能である。
図9は、本開示の第1の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.65GHz)での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、(a)に示す表示面側と、(b)に示すバックパネル側とで、いずれも比較的強い放射がされていることがわかる。従って、本実施形態では、スリット153を設けることで、アンテナからの2GHzの周波数帯域での放射が、より無指向性に近い特性を得られているといえる。
図10は、本開示の第1の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5.2GHz)での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、2GHzの周波数帯域の場合と同様に、(a)に示す表示面側と、(b)に示すバックパネル側とで、いずれも比較的強い放射がされていることがわかる。従って、本実施形態では、スリット153を設けることでアンテナからの5GHzの周波数帯域での放射も、より無指向性に近い特性を得られているといえる。
(2.第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。本開示の第2の実施形態は、アンテナ部に無給電素子が追加される点で上記の第1の実施形態とは異なるが、それ以外の点では第1の実施形態と共通の構成を有する。従って、かかる共通部分については詳細な説明を省略する。
(アンテナ部の構成)
まず、図11を参照して、本開示の第2の実施形態に係る電子機器のアンテナ部の構成について説明する。
図11は、本開示の第2の実施形態に係る電子機器のアンテナ部を示す図である。図示されているように、ノート型PC10のアンテナ部25は、アンテナ151と、無給電素子152と、スリット153と、無給電素子254とを含む。なお、アンテナ151、無給電素子152、およびスリット153の構成は、上記の第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
無給電素子254は、アンテナ151に背向して延びる、つまり、アンテナエレメント151aが延びる方向について、アンテナエレメント151aに続いて配置される、逆L字型の無給電素子である。無給電素子254も、無給電素子152と同様に、アンテナ151の放射特性を向上させるために付加的に設けられる。本実施形態では、無給電素子254を設けることによって、アンテナ151で良好な放射特性が得られる周波数帯域がより広くなる。つまり、無給電素子254は、アンテナ151の広帯域化に寄与する。なお、アンテナ151と無給電素子254との間の距離は、例えばアンテナ151の給電ピン151bへの給電線の配線のスペースを考慮して適宜設定されうる。
(アンテナ部の動作)
次に、図12〜図19を参照して、シミュレーション結果に基づくアンテナ部25の動作について説明する。なお、以下のシミュレーションにおいて、スリット153の長さは52mmであり、これは周波数が2.65GHzの電波の波長の6/13にあたる。
図12Aは、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2GHz〜3GHz)でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。図12Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、比較例にはない、周波数が2.7GHzの整合ポイントが新たに発生していることがわかる。この結果から、周波数2GHz〜3GHzの帯域において、スリット153が設けられることで整合特性が改善するといえる。また、図3Aに示す第1の実施形態のシミュレーション結果と比べると、整合特性が高い周波数帯域が2.7GHz〜3GHzの帯域にまで拡大しており、無給電素子254の効果が表れているといえる。
図13Aは、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.2GHz〜3GHz)での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。図13Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、2.2GHz〜3GHzの帯域において、比較例と比べて放射効率が0.5dB〜1dB程度改善していることがわかる。また、図4Aに示す第1の実施形態のシミュレーション結果と比べると、放射効率が高い周波数帯域が2.7GHz〜3GHzの帯域にまで拡大しており、無給電素子254の効果が表れているといえる。
図14Aは、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数4.8GHz〜6.2GHz)でのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。図14Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、比較例にはない、周波数が5.2GHzの整合ポイントが新たに発生している。この結果から、5.15GHz〜5.85GHzの帯域において、スリット153が設けられることで整合特性が改善するといえる。一方、図5Aに示す第1の実施形態のシミュレーション結果と比べると、リターンロスにはほぼ差がない。この結果から、本実施形態における無給電素子254は、主に2GHzの周波数帯域での広帯域化に寄与しており、5GHzの周波数帯域には影響していないことがわかる。
図15Aは、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5GHz〜6GHz)での放射効率のシミュレーション結果を示すグラフである。図15Bは、スリット153が設けられない比較例での同様のシミュレーション結果を示すグラフである。この結果によると、上記の整合ポイントの発生によって、5.15GHz〜5.85GHzの帯域において放射効率特性も改善していることがわかる。一方、図6Aに示す第1の実施形態のシミュレーション結果と比べると、放射効率にはほぼ差がない。この結果から、本実施形態における無給電素子254は、主に2GHzの周波数帯域での広帯域化に寄与しており、5GHzの周波数帯域には影響していないことがわかる。
図16は、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.7GHz)での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、図7に示す第1の実施形態のシミュレーション結果と同様に、スリット153の近傍の筐体11が励起し、励振が発生していることがわかる。なお、ここで筐体11のスリット153部分に発生する励振の波長は、スリット153の長さの約1/2である。このような、GNDである筐体の導体部分11mの励起は、スリット153が設けられない比較例では見られないものであり、スリット153が設けられたことによって生じる作用であるといえる。また、上記の結果によると、無給電素子254にも電流が発生しており、無給電素子254の励振が発生してアンテナ151の2GHzの周波数帯域での広帯域化に寄与していることがわかる。
図17は、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5.25GHz)での平均電流分布のシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、図8に示す第1の実施形態のシミュレーション結果と同様に、スリット153の近傍の筐体11が励起し、励振が発生していることがわかる。なお、ここで筐体11のスリット153部分に発生する励振の波長は、スリット153の長さにほぼ等しい。このように、スリット153の長さを適切に設定することで、所望の複数の帯域で励振を発生させ、筐体11のスリット153部分を無給電素子として用いてアンテナ151の放射特性を改善させることが可能である。一方、上記の結果によると、無給電素子254には電流が発生しておらず、無給電素子254が5GHzの周波数帯域には影響していないことがわかる。
図18は、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.7GHz)での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、(a)に示す表示面側と、(b)に示すバックパネル側とで、いずれも比較的強い放射がされていることがわかる。従って、本実施形態では、スリット153を設けることで、アンテナからの2GHzの周波数帯域での放射が、より無指向性に近い特性を得られているといえる。
図19は、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5.2GHz)での放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。この結果によると、2GHzの周波数帯域の場合と同様に、(a)に示す表示面側と、(b)に示すバックパネル側とで、いずれも比較的強い放射がされていることがわかる。従って、本実施形態では、スリット153を設けることでアンテナからの5GHzの周波数帯域での放射も、より無指向性に近い特性を得られているといえる。
(スリット長に関する検討)
次に、図20および図21を参照して、アンテナ部25におけるスリット153のスリット長に関する検討について説明する。
図20は、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.4GHz〜3GHz)でのスリット長ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。また、図21は、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5GHz〜6GHz)でのスリット長ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。
上記の検討では、スリット153のスリット長を49mm〜55mmの範囲で変化させ、それぞれについてリターンロスのシミュレーションを実行した。図示されたパターン1〜7と、スリット長との対応は、以下の表1の通りである。
Figure 2013073334
ここで、スリット長の変更にあたっては、アンテナ151のショートピン151cの位置にあるスリット153の始点は変更せず、アンテナエレメント151aの開放端側にあるスリット153の終点を変更した。なお、スリット153の始点の位置については、後述するように別途検討した。
以上の検討の結果、パターン4、つまりスリット長が52mmの場合が、対象とする周波数帯域全体の放射特性としては最も好ましいことがわかった。より具体的には、例えばパターン2やパターン7などでは、部分的により低いリターンロスの値が示されるが、それ以外の部分では、パターン4のリターンロスの値の方が低い。アンテナの特性としては、限られた周波数帯域で突出して高いピークが示されるよりも、幅広い帯域で比較的高い値が示されるほうが望ましいという観点からすると、最も好ましいスリット長は、パターン4の場合のスリット長であるといえる。上述のように、52mmというスリット長は、周波数が2.65GHzの電波の波長の6/13にあたる。
(スリット位置に関する検討)
次に、図22および図23を参照して、アンテナ部25におけるスリット153の位置に関する検討について説明する。
図22は、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.2GHz〜3GHz)でのスリット位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。また、図23は、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5GHz〜6GHz)でのスリット位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。
上記の検討では、スリット153の長さを固定しつつ、スリット153の始点の位置を、アンテナ151のショートピン151cの位置を基準(0mm)として、筐体11の辺の方向、つまりスリット153が延びる方向に−5mm〜+3mmの範囲で変化させ(この変化の幅をスリット始点変位と称する)、それぞれについてリターンロスのシミュレーションを実行した。図示されたパターン1〜9と、スリット始点変位との対応は、以下の表2の通りである。なお、スリット始点変位の値が負である場合、スリット153の始点はアンテナエレメント151aの開放端側に移動しており、スリット始点変位の値が正である場合、スリット153の始点はその逆側に移動しているものとする。
Figure 2013073334
以上の検討の結果、パターン6、つまりスリット153の始点がアンテナ151のショートピン151cの位置にある場合が、対象とする周波数帯域全体の放射特性としては最も望ましいことがわかった。より具体的には、例えばパターン4やパターン5(スリット153の始点が給電ピン151b付近にある場合)などでは、部分的により低いリターンロスの値が示されるが、それ以外の部分では、パターン6のリターンロスの値の方が低い。アンテナの特性としては、限られた周波数帯域で突出して高いピークが示されるよりも、幅広い帯域で比較的高い値が示されるほうが望ましいという観点からすると、最も好ましいスリット位置は、パターン6の場合のスリット位置であるといえる。
(無給電素子の位置に関する検討)
次に、図24および図25を参照して、アンテナ部25における無給電素子152の位置に関する検討について説明する。
図24は、本開示の第2の実施形態における、2GHzの周波数帯域(周波数2.2GHz〜3GHz)での無給電素子の設置位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。また、図25は、本開示の第2の実施形態における、5GHzの周波数帯域(周波数5GHz〜6GHz)での無給電素子の設置位置ごとのリターンロスのシミュレーション結果を示すグラフである。
上記の検討では、無給電素子152の設置位置を、スリット153の始点からスリット153の長さの1/12だけ離れた位置を基準(0mm)として、筐体11の辺の方向、つまり無給電素子152が延びる方向に−2mm〜+1mmの範囲で変化させ(この変化の幅を無給電素子設置位置変位と称する)、それぞれについてリターンロスのシミュレーションを実行した。図示されたパターン1〜4と、無給電素子設置位置変位との対応は、以下の表3の通りである。なお、無給電素子設置位置変位が負である場合、無給電素子152はアンテナ151の給電ピン151bから離れる向きに移動しており、無給電素子設置位置変位が正である場合、無給電素子152は給電ピン151bに近づく向きに移動しているものとする。
Figure 2013073334
以上の検討の結果、パターン2、つまり無給電素子152の設置位置がスリット153の始点からスリット153の長さの1/12だけ離れた位置にある場合が、対象とする周波数帯域全体の放射特性としては最も望ましいことがわかった。より具体的には、例えばパターン3(無給電素子152が給電ピン152からより離れる場合)などでは、部分的により低いリターンロスの値が示されるが、アンテナの特性としては、限られた周波数帯域で突出して高いピークが示されるよりも、幅広い帯域で比較的高い値が示されるほうが望ましいという観点からすると、最も好ましい無給電素子152の設置位置は、パターン2の場合の位置であるといえる。
(3.第3の実施形態)
次に、本開示の第3の実施形態について説明する。本開示の第3の実施形態は、アンテナ部に複数のスリットが設けられる点で上記の第2の実施形態とは異なるが、それ以外の点では第2の実施形態と共通の構成を有する。従って、かかる共通部分については詳細な説明を省略する。
(アンテナ部の構成)
ここでは、図26を参照して、本開示の第3の実施形態に係る電子機器のアンテナ部の構成について説明する。
図26は、本開示の第3の実施形態に係る電子機器のアンテナ部を示す図である。図示されているように、ノート型PC10のアンテナ部35は、アンテナ151と、無給電素子152と、無給電素子254と、スリット353とを含む。なお、アンテナ151、無給電素子152、および無給電素子254の構成は、上記の第2の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
スリット353は、2つのスリット353a,353bを含む。スリット353a,353bは、いずれも、筐体面11sのアンテナエレメント151aに並行する部分に形成され、アンテナエレメント151aと同じ方向に延びるスリットである。本実施形態では、スリット353は2つのスリット353a,353bを含むが、他の実施形態では、3つ以上のスリットが含まれてもよい。
ここで、スリット353aは、アンテナ151のショートピン151cの位置、つまりアンテナエレメント151aの固定端の位置を始点とし、アンテナエレメント151aの開放端に向かう向きに延びる。スリット353aの終点は、図示された例ではアンテナエレメント151aの開放端とほぼ同じ位置にあるが、これには限られず、スリット353aの終点とアンテナエレメント151aの開放端との位置関係は任意である。また、スリット353aは、図の上方から見ると、アンテナエレメント151aの長辺に隣接するような形で延びている。
一方、スリット353bは、アンテナエレメント151aの下に設けられる無給電素子152の接地位置付近を始点とし、アンテナエレメント151aの開放端に向かう向きに延びる。スリット353bの終点は、図示された例ではアンテナエレメント151aの開放端よりも先にあるが、これには限られず、スリット353bの終点とアンテナエレメント151aの開放端との位置関係も任意である。また、スリット353bは、図の上方から見ると、途中までアンテナエレメント151aの陰に隠れるような形で延びている。
以上のようなスリット353a,353bは、それぞれが、アンテナ151の無給電素子として機能する。つまり、アンテナエレメント151aからの放射に対して、筐体面11sのスリット353a,353b部分がそれぞれ励起し、励振が発生する。これによって、アンテナ151の放射特性を向上させることが可能になる。
なお、スリット353a,353bの長さは、例えば、筐体面11sのスリット353a,353b部分のそれぞれの励振の周波数に対応する波長の4/9〜1/2とすることが好ましい。これは、スリット353a,353bの形状や、スリット353a,353bの周辺の筐体面11sの形状、スリット353a,353bへの誘電体の配置の有無などによって、筐体面11sのスリット353a,353b部分を励振させるのに適切なスリット353a,353bの長さが、励振の周波数に対応する波長の1/2よりも短縮されるためである。
ここで、例えば、筐体面11sのスリット353a部分の励振の周波数は、スリット353b部分の励振の周波数に対する第2高調波の周波数であってもよい。これらの励振の周波数は、アンテナ151の放射の周波数、およびその第2高調波に近い周波数であることが好ましいが、必ずしもこれと一致しなくてもよい。1つの設定例として、スリット353aの長さを23.5mm、スリット353bの長さを52mmに設定してもよい。この場合、スリット353aの長さは、周波数が5.725GHzの電波の波長の4/9にあたる。一方、スリット353bの長さは、周波数が2.65GHzの電波の波長の6/13にあたる。
(4.まとめ)
以上、本開示の第1〜第3の実施形態について説明した。これらの実施形態について、以下にまとめる。
第1の実施形態では、電子機器であるノート型PC10の筐体11の導体部分11mの筐体面11sに接地して設けられるアンテナ151について、アンテナエレメント151aに対して平行な方向に延びるスリット153が設けられる。筐体面11sのスリット153部分が無給電素子として動作することで、アンテナ151の広帯域化が可能になるとともに、筐体11のバックパネル側への放射が改善される。
上記の第1の実施形態では、さらにアンテナエレメント151aに沿って筐体11との間に延びる無給電素子152が設けられる。この無給電素子152は、例えばスリット153の放射の周波数の第2高調波に近い周波数で励振し、アンテナ151のデュアルバンド化に寄与する。なお、無給電素子152は付加的な効果を奏するものであるため、必ずしも設けられなくてもよい。
第2の実施形態では、上記の構成に加えて、さらにアンテナ151に背向して延びる無給電素子254が設けられる。この無給電素子254は、例えばアンテナ151の広帯域化に寄与する。なお、第2の実施形態では、無給電素子152に加えて無給電素子254が設けられるが、上記のように、無給電素子152と無給電素子254とは互いに独立してその効果を奏しうるものであるため、無給電素子152を設けずに無給電素子254を設ける構成とすることも可能である。
第3の実施形態では、スリット353が、複数のスリット353a,353bを含む。複数のスリット353a,353bは、一方をスリット、他方を追加スリットとみなすことも可能である。複数のスリット353a,353bは、それぞれ異なる周波数帯域での励振を発生させるように長さを設定することが可能である。
なお、第3の実施形態では、無給電素子152および無給電素子254が設けられるが、上記のように、無給電素子152と無給電素子254とはいずれも付加的な効果を奏するものであるため、いずれか一方、または両方を設けずに、複数のスリット353a,353bを含むスリット353を設けることも可能である。
上記の各実施形態をはじめとする本開示の実施形態に係る電子機器におけるアンテナは、例えば、その広帯域化とデュアルバンド化とが良好に実現されたものであるため、デュアルバンドワイヤレスLAN(Local Area Network)、およびWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)で動作することに特に適したものを含む。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)導体部分を有する筐体と、
前記導体部分の内側の筐体面に設けられ、前記筐体面に対して平行な第1の方向に延びるアンテナエレメントを有し、前記アンテナエレメントは前記筐体面に接地されるアンテナと、
を備え、
前記筐体面の前記アンテナエレメントに並行する部分に、前記第1の方向に延びるスリットが形成される電子機器。
(2)前記筐体面の前記スリットが形成された部分は、第1の励振を生じる前記アンテナの無給電素子として動作する、前記(1)に記載の電子機器。
(3)前記スリットは、前記第1の励振の周波数に対応する波長の4/9〜1/2の長さを有する、前記(2)に記載の電子機器。
(4)前記アンテナは、前記アンテナエレメントと前記筐体面との間に配置されて前記第1の方向に延びる第1の無給電素子を有する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子機器。
(5)前記アンテナエレメントの一方の端部はショートピンが設けられる固定端であり、
前記アンテナエレメントの他方の端部は開放端であり、
前記第1の無給電素子が前記筐体面に接地される接地点は、前記スリットの前記固定端側の端点から前記スリットの内方に前記スリットの長さの1/12だけ離れている、前記(4)に記載の電子機器。
(6)前記アンテナは、前記第1の方向で前記アンテナエレメントに続いて配置される第2の無給電素子を有する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電子機器。
(7)前記アンテナエレメントの一方の端部はショートピンが設けられる固定端であり、
前記アンテナエレメントの他方の端部は開放端であり、
前記スリットは、前記固定端を始点として前記開放端に向かう向きに延びる、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電子機器。
(8)前記筐体面の前記アンテナエレメントに並行する部分に、前記第1の方向に延びる1または複数の追加のスリットが形成される、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の電子機器。
(9)前記筐体面の前記スリットが形成された部分は、第1の励振を生じる前記アンテナの無給電素子として動作し、
前記筐体面の前記追加のスリットが形成された部分は、第2の励振を生じる前記アンテナの無給電素子として動作する、前記(8)に記載の電子機器。
(10)前記第2の励振は、前記第1の励振の周波数に対する第2高調波の周波数での励振である、前記(9)に記載の電子機器。
(11)前記アンテナは、逆Fアンテナである、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の電子機器。
(12)前記アンテナは、デュアルバンドワイヤレスLANおよびWiMAXで動作する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の電子機器。
10 ノート型PC(電子機器)
11 筐体
13 ディスプレイ
15,25,35 アンテナ部
151 アンテナ
151a アンテナエレメント
151b 給電ピン
151c ショートピン
152 無給電素子
153,353 スリット
254 無給電素子

Claims (12)

  1. 導体部分を有する筐体と、
    前記導体部分の内側の筐体面に設けられ、前記筐体面に対して平行な第1の方向に延びるアンテナエレメントを有し、前記アンテナエレメントは前記筐体面に接地されるアンテナと、
    を備え、
    前記筐体面の前記アンテナエレメントに並行する部分に、前記第1の方向に延びるスリットが形成される電子機器。
  2. 前記筐体面の前記スリットが形成された部分は、第1の励振を生じる前記アンテナの無給電素子として動作する、請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記スリットは、前記第1の励振の周波数に対応する波長の4/9〜1/2の長さを有する、請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記アンテナは、前記アンテナエレメントと前記筐体面との間に配置されて前記第1の方向に延びる第1の無給電素子を有する、請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記アンテナエレメントの一方の端部はショートピンが設けられる固定端であり、
    前記アンテナエレメントの他方の端部は開放端であり、
    前記第1の無給電素子が前記筐体面に接地される接地点は、前記スリットの前記固定端側の端点から前記スリットの内方に前記スリットの長さの1/12だけ離れている、請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記アンテナは、前記第1の方向で前記アンテナエレメントに続いて配置される第2の無給電素子を有する、請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記アンテナエレメントの一方の端部はショートピンが設けられる固定端であり、
    前記アンテナエレメントの他方の端部は開放端であり、
    前記スリットは、前記固定端を始点として前記開放端に向かう向きに延びる、請求項1に記載の電子機器。
  8. 前記筐体面の前記アンテナエレメントに並行する部分に、前記第1の方向に延びる追加のスリットが形成される、請求項1に記載の電子機器。
  9. 前記筐体面の前記スリットが形成された部分は、第1の励振を生じる前記アンテナの無給電素子として動作し、
    前記筐体面の前記追加のスリットが形成された部分は、第2の励振を生じる前記アンテナの無給電素子として動作する、請求項8に記載の電子機器。
  10. 前記第2の励振は、前記第1の励振の周波数に対する第2高調波の周波数での励振である、請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記アンテナは、逆Fアンテナである、請求項1に記載の電子機器。
  12. 前記アンテナは、デュアルバンドワイヤレスLANおよびWiMAXで動作する、請求項1に記載の電子機器。
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