JPWO2013054435A1 - 電気自動車用の充電装置 - Google Patents
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Abstract
車載バッテリを充電する装置であり、外部電源の供給可能電力を取得して充電開始時刻を決定し、タイマで設定された充電終了時刻までに充電を終了することのできる充電装置を提供する。
充電装置10は、外部電源93が供給する交流電力を直流電力に変換するACDCコンバータ13と、外部電源93とACDCコンバータ13を接続したり切断する交流リレー8b(ACリレー)と、ACDCコンバータ13とバッテリ4を接続したり切断する直流リレー31(DCリレー)と、タイマとコントローラ18を備えている。ユーザは、タイマ9によって、充電終了時刻を設定する。コントローラ18は、充電終了時刻が設定されたのち、交流リレー8bを閉じ、外部電源93の供給可能電力を特定する。次いでコントローラ18は、特定された供給可能電力と充電終了時刻とから充電開始時刻を決定する。コントローラ18は、決定された充電開始時刻に再起動し、充電を開始する。
充電装置10は、外部電源93が供給する交流電力を直流電力に変換するACDCコンバータ13と、外部電源93とACDCコンバータ13を接続したり切断する交流リレー8b(ACリレー)と、ACDCコンバータ13とバッテリ4を接続したり切断する直流リレー31(DCリレー)と、タイマとコントローラ18を備えている。ユーザは、タイマ9によって、充電終了時刻を設定する。コントローラ18は、充電終了時刻が設定されたのち、交流リレー8bを閉じ、外部電源93の供給可能電力を特定する。次いでコントローラ18は、特定された供給可能電力と充電終了時刻とから充電開始時刻を決定する。コントローラ18は、決定された充電開始時刻に再起動し、充電を開始する。
Description
本発明は、外部の電源を使って車載のバッテリを充電する技術に関する。特に、車輪駆動モータ用の高出力大容量バッテリを充電する装置に関する。本明細書における「電気自動車」には、車輪駆動用のモータとエンジンを備えるハイブリッド車も含まれる。さらには、「電気自動車」には、燃料電池車も含まれる。
ユーザの利便性を図るため、車載バッテリの充電装置はタイマを備えることがある。ユーザは、電気自動車を外部電源に接続し、タイマをセットする。セットされる時刻が到来したら、充電装置が起動する。
タイマを有する充電装置に関する一つの改良技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、充電が夜間に行われることがあることに着目し、充電中の冷却ファンやウォーターポンプのノイズ音を低減する技術が開示されている。
本明細書は、タイマを有する充電装置に関する別の改良技術を提供する。ユーザは、タイマを使って充電終了時刻を設定する。充電装置は、充電終了時刻から充電開始時刻を算出する必要がある。外部電源の供給可能電力が既知の場合は、既知の供給可能電力と充電終了時刻から充電開始時刻を決定することができる。しかしながら、例えば、充電装置の販売地域が広範囲であり、地域によって商用電力(外部電源)の供給可能電力が異なる場合がある。即ち、充電装置は供給可能電力を予め特定できない場合がある。供給可能電力が未知であると、充電装置は充電開始時刻を決定することができない。本明細書は、外部電源の供給可能電力を取得して充電開始時刻を決定し、タイマで設定された充電終了時刻までに充電を終了することのできる充電装置及び充電方法を提供する。
充電装置は、通常、外部電源が供給する交流電力を直流電力に変換するACDCコンバータと、外部電源とACDCコンバータを接続したり切断する交流リレー(ACリレー)と、ACDCコンバータとバッテリを接続したり切断する直流リレー(DCリレー)と、タイマとコントローラを備えている。なお、「交流リレー」と「直流リレー」は、構造的に相違はない。本明細書では、2個のリレーを区別するために「交流リレー」と「直流リレー」という用語を用いる。
タイマは、前述したように、充電終了時刻を設定するために用いられる。コントローラは、タイマの設定に基づいて交流リレーと直流リレーを制御する。なお、交流リレー、直流リレーともに、最初は開放されている。即ち、充電開始前は、外部電源とACDCコンバータは接続されておらず。ACDCコンバータとバッテリも接続されていない。本明細書が開示する充電装置では、コントローラは、充電終了時刻が設定された後、交流リレーを閉じ、外部電源の供給電圧を計測することによって、その外部電源の供給可能電力を特定する。次いでコントローラは、特定された供給可能電力と充電終了時刻から充電開始時刻を決定する。充電開始時刻が現在時刻よりも後であるならば、コントローラは充電開始時刻に再起動するように自己タイマをセットしてスリープモードに移行する。そしてコントローラは、決定された充電開始時刻に再起動し、交流リレーと直流リレーを閉じて充電を開始する。
交流リレーを閉じることで、即ち外部電源と接続することで、充電装置は外部電源の出力電圧を知ることができる。供給可能電力を特定するためには、出力電圧に加えて供給可能電流容量も知る必要がある。外部電源の供給可能電流容量は、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers:米国自動車技術者協会)のJ1772(電気自動車の充電インターフェイスの規格)で定義されているパイロット信号を用いて知ることができる。J1772には、外部電源と充電装置(ACDCコンバータ)の間に接続されるEVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)と呼ばれるデバイスが定義されている。EVSEは、外部電源が供給可能な電流容量を自動車に伝える信号出力や、自動車が離れたときに電力供給を停止するインターロック機構を備えたデバイスである。SAE−J1772は、EVSEと電気自動車(充電装置)との通信プロトコルが規定されており、通信線の一つにパイロット信号と呼ばれる信号がある。パイロット信号は、EVSEから充電装置へ向けて、外部電源が供給可能な電流容量を伝える。別言すれば、パイロット信号は、外部電源が供給可能な電流容量を示す。なお、パイロット信号を伝える通信線は、双方向通信が可能であるように規定されており、充電装置側からEVSEへ、電力供給開始を指令することもできる。その意味では、パイロット信号線は、コントロールパイロット線と呼ばれている。外部電源の出力電圧に供給可能電流容量を乗じたものが、外部電源の供給可能電力に相当する。
本明細書が開示する充電装置がSAE−J1772に準拠していれば、上記のパイロット信号を利用することができる。外部電源の出力電圧と供給可能電流容量を知ることができれば、供給可能電力(=出力電圧×供給可能電流容量)を決定することができる。
なお、SAE−J1772には、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)というデバイスも定義されており、そのデバイスが、外部電源と充電装置(ACDCコンバータ)を切断する交流リレーを備えている。CCIDの交流リレーは、本明細書が開示する充電装置が有すべき交流リレーの典型である。
本明細書が開示する充電装置は、さらには、次の利点も備える。前述したように、外部電源とバッテリの間には2個のリレー(交流リレーと直流リレー)が接続されている。上記の充電装置は、実際に充電を開始するまで直流リレーを閉鎖しない。本明細書が開示する充電装置は直流リレーの切換回数が少ないので、直流リレーの耐久性を損なわない。
バッテリの閉路電圧(Closed Circuit Voltage:CCV)は、直流リレーを閉じないと計測できない。そこで、コントローラは、充電開始前に(直流リレーを閉じることなく)バッテリの開路電圧(Open Circuit Voltage:OCV)を計測し、開路電圧が予め定められた電圧閾値よりも高い場合は、即ち、バッテリのSOC(State Of Charge)が十分高い場合は、直流リレーを閉じることなく充電処理を終了するように構成されているとよい。直流リレーを閉じる回数を減らすことで、直流リレーの耐久性を低下させない。
本明細書は、新規な充電方法も提供する。その方法は、次の3ステップを含む。(1)外部交流電源の供給可能電力を特定するステップ;(2)ユーザが設定した充電終了時刻と、特定された供給可能電力から充電開始時刻を決定するステップ;(3)充電開始時刻に、外部交流電源を直流に変換するACDCコンバータとバッテリを繋ぐリレーを閉じるステップ。そのような方法も、タイマで設定された充電終了時刻までに充電を終了することを可能にする。
本明細書が開示する充電装置、あるいは、充電装置の一部を搭載した電気自動車も、本明細書が開示する新規な技術の一側面である。
本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
図面を参照して実施例の電気自動車100を説明する。図1に、電気自動車100の充電系の模式図を示す。図2に充電系のブロック図を示す。ここで、充電系とは、外部電源からバッテリまでの電力の流れを規定するデバイス群を意味する。なお、図1と図2は、本発明の説明に必要なデバイスのみを示しており、電気自動車が有する全てのデバイスを示してはいないことに留意されたい。
図1を参照して充電系の概要を説明する。電気自動車100は、モータ3によって走行する1モータの電気自動車である。電気自動車100は、高出力大容量のバッテリ4を搭載しており、バッテリ4の直流電力をインバータ2が交流電力に変換し、モータ3へ供給する。バッテリ4は、車両の減速エネルギを利用した回生電力によって充電することもできるが、外部電源(商用電源93)から充電することもできる。商用電源93は、例えば、100ボルトの交流電力を供給する。
外部電源からの充電は、EVSE8を介して行う。EVSE8は、家屋に備えられた電力コンセント92にプラグ91を差し込み、外部電源93から電力を取得する。EVSE8からはケーブル7が伸びており、先端に充電プラグ6が取り付けられている。充電プラグ6を車両100のコネクタ5に差し込み、EVSE8を介して外部電源93から車両100へ電力を供給する。電気自動車100には外部電源93が供給する交流電力を直流電力に変換してバッテリ4に出力する充電装置10が備えられている。
車両100のコネクタ5の隣に、タイマ9のコンソールが備えられている。ユーザはコンソールを使って、充電終了時刻を入力することができる。タイマ9の主たる回路は充電装置10に実装されている。充電装置10は、設定された充電終了時刻までに充電が完了するように動作する。充電処理については後に詳しく説明する。
図2を参照して充電系を詳しく説明する。EVSE8は、漏電検知器8a、交流リレー8b、及び、制御回路8cを備える。交流リレー8bは、外部電源93と車両100を電気的に接続したり切断するスイッチである。交流リレー8bは、最初は開放されている。即ち、外部電源93とEVSE8は、最初は電気的に遮断されている。交流リレー8bは、制御回路8cによって制御される。漏電検知器8aが漏電と検知すると、制御回路8cは交流リレー8bを開放、すなわち、車両100を外部電源93から切り離す。制御回路8cは、ケーブル7を介してパイロット信号を車両の充電装置10に送る。図2の「CPLT」は、コントロールパイロット信号線(以下、CPLT線)を示しており、この線を通じてパイロット信号が送られる。CPLT線は双方向通信が可能である。詳しくは後述する。交流リレー8bを含むEVSE8は、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)としても機能する。ケーブル7の残りの2本は、電力を供給するための線である。
EVSE8から電力を受ける充電装置10は、ACDCコンバータ13と整流回路17を備える。EVSE8から供給された交流電力は、ACDCコンバータ13によって直流電力に変換される。例えば、ACDCコンバータ13は、入力される商用100V交流電力を、バッテリ4の定格電圧である直流300[V]に変換する。ACDCコンバータ13の出力電流は、整流回路17によって整えられ、バッテリ4へ供給される。ACDCコンバータ13の入力側には交流電圧を計測する第1電圧センサ12が備えられており、ACDCコンバータ13の出力側には直流電圧を計測する第2電圧センサ15が備えられている。また、整流回路17の入力側と出力側にそれぞれ電流平滑化のためのコンデンサ14、16が接続されている。電圧センサ12、15のセンサデータは充電コントローラ18に送られる。充電コントローラ18は、電圧センサのセンサデータやCPLT信号の状態に基づき、ACDCコンバータ13と整流回路17を制御する。ACDCコンバータ13は多数のスイッチング回路を備えており、充電コントローラ18はそれらスイッチング回路に対するスイッチング指令(PWM信号)を与える。別言すると、充電コントローラ18はACDCコンバータ13の作動と停止を切り換えることができる。充電コントローラ18はまた、CPLT線を介して、EVSE8に指令を与えることもできる(後述)。さらに、充電コントローラ18は、車両の直流リレー31を制御したり、充電状態(SOC:State Of Charge)や結果を不揮発性メモリ19に記憶させたりする。なお、直流リレー31とは、バッテリ4を車両の駆動系に接続したり切り離したりするスイッチである。直流リレー31は、システムメインリレーと呼ばれることもある。
バッテリ4には、第3電圧センサ23が接続されている。第3電圧センサ23は、直流リレー31とは関係なくバッテリ4に接続されており、バッテリ4の開路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)を計測する。第3電圧センサ23が計測したバッテリ4の開路電圧は、充電コントローラ18に伝えられる。
バッテリ4は直流リレー31を介してインバータ2にも接続されている。インバータ2は昇圧回路2aとインバータ回路2bを備えており、モータコントローラ2cが、それらのデバイスが有するスイッチング回路へ指令(PWM信号)を与える。なお、図2中の文字列「C−CNLT」は、「チャージコントローラ」を表しており、文字列「M−CNLT」は、「モータコントローラ」を表している。
パイロット信号のプロトコルを概説する。EVSE8(制御回路8c)は、外部電源93が接続されると、CPLT線の電位を電圧V3[V](典型的には12V)に上げる。充電装置10(充電コントローラ18)は、CPLT線の電位を監視しており、電位が電圧V3[V]に上がったことを検知して、EVSE8から電力供給を受けられることを知る。CPLT線の電位は、充電コントローラ18からEVSE8へのメッセージ(指令)としても機能する。充電コントローラ18は、受けることができる電流容量の値を知るために、CPLT線の電位を電圧V2[V](典型的には9[V])に下げる。EVSE8(制御回路8c)は、CPLT線の電位が電圧V2[V]に下がったことを検知すると、外部電源93の電圧と電流をチェックして供給可能電流容量を特定し、充電コントローラ18へ伝える。具体的にはEVSE8は、CPLT線にパルス信号を出力する。このとき、パルス信号のデューティ比が供給可能電流容量を表す。充電装置10は、CPLT線のパルス信号をモニタし、供給可能電流容量を知る。充電の準備が整ったら、充電装置10は、直流リレー31を閉じる(即ち、充電装置10とバッテリ4を接続する)とともに、CPLT線の電位を電圧V1[V](典型的には6[V])に下げる。CPLT線の電位を電圧V1[V]に下げることは、EVSE8に対して、給電開始を指示することを意味する。EVSE8は、CPLT線の電位が電圧V3[V]に下がったことを検知すると、交流リレー8bを閉じる。外部電源93と充電装置10が電気的に接続され、給電が開始する。パイロット信号に関するプロトコルは、SEA−J1772で規定されているので詳しくはそちらを参照されたい。
充電コントローラ18が実行する充電処理を説明する。図3に、充電処理のフローチャートを示す。充電コントローラ18は、タイマ9のコンソールに備えられたスタートスイッチが押されたら、図3の処理を開始する。なお、EVSE8の充電プラグ6の車両側コネクタ5への接続が、充電開始のトリガとして機能する場合もある。即ち、充電プラグ6が車両側コネクタ5に接続されたときに図3の処理が開始されることもあり得る。
充電コントローラ18はまず、終了時刻が設定されているか否かをチェックする(S2)。タイマ9によって終了時刻が設定されている場合(S2:YES)、充電コントローラ18は、CPLT線の電位を電圧V2に下げ、EVSE8を介して外部電源93の供給可能電流容量を取得する(S3)。次に充電コントローラ18は、CPTL線の電位を電圧V3に落とし、EVSE8に対して交流リレー8bの閉鎖を指示する(S4)。交流リレー8bが閉鎖されると、外部電源93と充電装置10が電気的に接続される。充電コントローラ18は、第1電圧センサ12によって、外部電源93の出力電圧を計測する(S5)。充電コントローラ18は、外部電源93の供給可能電流容量と出力電圧から、供給可能電力を特定する。
次に充電コントローラ18は、第3電圧センサ23を使ってバッテリ4の開路電圧を計測する。充電コントローラ18は、開路電圧からバッテリ4の残容量SOC(State Of Charge)を推定する(S6)。充電コントローラ18は、外部電源93の供給可能電力とSOCから、バッテリ4の満充電に要する時間(充電時間)を計算する(S7)。充電時間は、[供給可能電力(Wh:ワットアワー)]/[バッテリ4の空き容量(W:ワット)]で計算される。ここで、[バッテリ4の空き容量(W:ワット)]は、[バッテリ4の満充電容量(W:ワット)]×(100−SOC)×0.01で求められる。
充電コントローラ18は、タイマに設定された充電終了時刻と充電時間から、充電開始時刻を決定する(S8)。そして、充電開始時刻が現在時刻を過ぎていなければ(S9:NO)、充電コントローラ18は、交流リレー8bを開放し(S10)、充電開始時刻に再起動するように自己タイマを設定してスリープモードに移行する(S12)。スリープモードとは、パソコンの「スリープモード」と同じであり、自己タイマのルーチンだけ残して他の機能を停止するモードである。
終了時刻が設定されていない場合(S2:NO)、あるいは、充電開始時刻が現在時刻を過ぎている場合(S9:YES)、充電コントローラ18は、ステップS22以降の処理を実行する。なお、充電コントローラ18は、スリープモードから再起動した場合、ステップS22の処理から開始する。
充電コントローラ18は、第3電圧センサ23を使ってバッテリ4の開路電圧を取得し、開路電圧が予め定められた閾値電圧よりも高い場合は、直流リレー31を閉じることなく、処理を終了する(SS22:YES、S26、S27)。開路電圧が予め定められた閾値電圧よりも高い場合とは、バッテリ4のSOCが十分であることを意味する。即ち、充電コントローラ18は、バッテリ4のSOCが高く、充電不要と判断した場合、直流リレー31を一度も閉じることなく、充電処理を終了する。電圧閾値は、典型的には、バッテリ4の定格出力電圧が設定される。一般に、バッテリ4が十分に充電されている場合、その出力電圧は定格出力電圧を僅かに上回る。
バッテリ4の開路電圧が電圧閾値よりも低い場合(S22:NO)、充電コントローラ18は、CPLT線の電位を電圧V3に下げ、交流リレー8bを閉じる。加えて充電コントローラ18は、直流リレー31も閉じる(S23)。次に充電コントローラ18は、ACDCコンバータ13のスイッチング回路へPWM信号を与え、充電を開始する(S24)。
充電コントローラ18は、バッテリ4のSOCが所定の閾値を上回るまで充電を続ける(S25:NO)。別言すれば、充電コントローラ18は、満充電に達するまでバッテリ4を充電する。SOCが閾値を超えたら(S25:YES)、充電コントローラ18は、交流リレー8bと直流リレー31を閉じ(S26)、充電処理を終了する(S27)。なお、ステップS25では、充電コントローラ18は、バッテリ4の閉路電圧(CCV:Closed Circuit Voltage)に基づいてSOCを決定する。
実施例の充電装置10の利点を述べる。充電装置10は、タイマにて終了時刻が設定されると、外部電源93の供給可能電力を特定し、充電開始時刻を決定する。従って、充電装置10は、外部電源93の供給可能電力が不明の地域で利用されても、終了予定時刻に確かに充電が終了するように充電を開始することができる。
充電装置10は、充電を開始するまで直流リレー31を動作させない。直流リレー31は、電気自動車100にとって重要な部品である。充電装置10は、システムメインリレーを作動させる回数が少なく、システムメインリレーの耐久性を損なわない。
上記説明した実施例の留意点を述べる。実施例の充電コントローラ18は、バッテリ4のSOCを取得し、充電時間を算出した(図3、ステップS6、S7)。充電コントローラは、予め定められた見込み充電容量と、外部電力の供給可能電力とタイマの設定時刻から、充電開始時刻を決定してもよい。予め定められた見込み充電容量は、典型的には、100%の充電容量に相当する。この場合、充電時間は、SOCが0%から100%まで充電するのに要する時間に相当する。予め定められた見込み充電容量を採用することによって、充電装置は、バッテリのSOCを取得することなく充電時間を決定できる。
実施例の車両は一つのモータを有する電気自動車であった。本明細書が開示する技術は、車輪駆動用のモータとエンジンを共に備えるいわゆるプラグイン−ハイブリッド車に適用することも可能である。
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明した。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された電気自動車用充電装置を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、上記の詳細な説明で開示された特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又はクレームに記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (6)
- 外部電源が供給する電力で車載のバッテリを充電する充電装置であり、
外部の電源が供給する交流電力を直流電力に変換するACDCコンバータと、
ACDCコンバータを外部の電源に接続したり切断する交流リレーと、
ACDCコンバータをバッテリに接続したり切断する直流リレーと、
充電終了時刻を設定するためのタイマと、
タイマの設定に基づいて交流リレーと直流リレーを制御するコントローラと、
を備えており、
コントローラは、
充電終了時刻が設定された後、交流リレーを閉じて外部電源の供給可能電力を特定し、
特定された供給可能電力と充電終了時刻とから充電開始時刻を決定し、
決定された充電開始時刻に交流リレーと直流リレーを閉じて充電を開始する、
ことを特徴とする電気自動車用の充電装置。 - コントローラは、
充電開始前にバッテリの開路電圧を計測し、
開路電圧が予め定められた電圧閾値よりも高い場合は、直流リレーを閉じることなく充電処理を終了する、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。 - コントローラは、特定された供給可能電力とタイマの設定時刻とバッテリの残量から充電開始時刻を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
- コントローラは、特定された供給可能電力と充電終了時刻と予め定められた見込み充電容量から充電開始時刻を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
- 請求項1から4のいずれか1項の充電装置を備えた電気自動車。
- 外部交流電源の供給可能電力を特定するステップと、
ユーザが設定した充電終了時刻と、特定された供給可能電力から充電開始時刻を決定するステップと、
充電開始時刻に、外部交流電源を直流に変換するACDCコンバータとバッテリを繋ぐリレーを閉じるステップと、
を備えることを特徴とする電気自動車の充電方法。
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Legal Events
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