JPWO2013051389A1 - 金属サレン錯体化合物応答性薬剤及び金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システム - Google Patents

金属サレン錯体化合物応答性薬剤及び金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システム Download PDF

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Abstract

金属サレン錯体化合物の細胞毒性を中和する、解毒性を有する金属サレン錯体化合物応答性薬剤及び金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システムを提供する。この金属サレン錯体化合物応答性薬剤は、金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を含有する。

Description

本発明は、金属サレン錯体化合物の細胞毒性を中和する、金属サレン錯体化合物応答性薬剤及び金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システムに関するものである。
一般に薬剤は生体内に投与され患部に到達し、その患部局所において薬理効果を発揮することで治療効果を引き起こすが、薬剤が患部以外の組織(つまり正常組織)に到達しても治療に貢献しない。
したがって、いかにして効率的に、患部に、薬剤を誘導するかが重要である。薬剤を患部に誘導する技術はドラッグ・デリバリと呼ばれ、近年、研究開発が盛んに行われている分野である。このドラッグ・デリバリには少なくとも二つの利点がある。一つは患部組織において十分に高い薬剤濃度が得られることである。即ち、薬理効果は患部における薬剤濃度が一定以上でないと生じず、低い濃度では治療効果が期待できないが、患部に薬剤を誘導することで、患部組織において十分に高い薬剤濃度得ることができる。
二つめは薬剤を患部組織のみに誘導することで、正常組織への副作用を抑制したり、薬剤投与量を必要最低限に抑えられることである。
このようなドラッグ・デリバリが最も効果を発揮するのが抗がん剤による治療である。抗がん剤は、細胞分裂の活発ながん細胞の細胞増殖を抑制するものが大半であるため、正常組織においても細胞分裂の活発な組織、例えば骨髄あるいは毛根、消化管粘膜等の細胞増殖を抑制してしまう。このため抗がん剤の投与を受けたがん患者には、貧血、抜け毛、嘔吐などの副作用が発生する。
これら副作用は患者にとって大きな負担となるため、投薬量を制限しなければならず、抗がん剤の薬理効果を十分に得ることができないという問題があった。最悪の場合、副作用によって患者が死亡してしまう虞もある。
そこで、ドラッグ・デリバリによって、抗がん剤をがん細胞まで誘導し、がん細胞に集中して薬理効果を発揮させることによって、副作用を抑えつつ効果的にがん治療を行うことができると期待されている。
同種の問題が、局所麻酔剤でも存在する。局所麻酔剤は、痔疾患、口内炎、歯周病、虫歯、抜歯、あるいは手術等による粘膜や皮膚等の居所的なかゆみや疼痛を処理するために用いられている。代表的な居所麻酔剤として、リドカイン(商品名:キシロカイン)が知られているが、リドカインは即効性に優れているものの、全身に回ると、抗不整脈作用を有するため、心臓に対する影響が大きい。
また、脊椎麻酔を行う際、脊髄液の中に麻酔薬であるリドカインを注入するとリドカインが脊髄液中を拡散し、頸部の脊髄に達することで呼吸機能が障害を受け、重篤な副作用をもたらす懸念がある。
ドラッグ・デリバリの具体的な手法としては、例えば、担体(キャリア)を用いたものがある。これは、患部に集中しやすい担体に薬剤を載せて、薬剤を患部まで運ばせようというものである。
担体として有力視されているのが磁性体であり、薬剤に磁性体である担体を付着させ、磁場によって患部に集積される方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、磁性体を担体(キャリア)として使用する場合、経口投与が困難なこと、担体分子が一般に巨大であること、担体と薬剤分子との間の結合強度、親和性に技術的な問題があることがわかり、そもそも実用化が困難であった。
そこで、本発明者は、自身で抗がん作用を持ちながら、他の医薬分子、酵素、タンパク質等の機能性分子にも結合できる有機磁性化合物としての金属サレン錯体化合物を提案した(例えば、特許文献2参照)。ここで、個体に投与された金属サレン錯体化合物は、当該個体に適用された磁場によって、目的の組織まで誘導可能である。したがって、金属サレン錯体化合物の効果を目的の患部組織に局在化させてその副作用を低減しながら、薬剤治療を進めることができる。
また、従来の金属磁性体より多くの平行スピンをもつ「高スピン分子」の合成によって、高分子材料で磁石を作るという有機磁性体の総説も紹介されている。(例えば、非特許文献1参照)。
さらにまた、シスプラチンに含まれる白金を他の元素で置き換える技術も紹介されている。(例えば、非特許文献2参照)。
特開2001−10978号公報 国際公開第2010/058280号公報 岩村秀、「有機強磁性体をめざす分子設計」、1989年2月号、第76頁〜88頁 Kristy Cochran et al.,StructuralChemistry, 13 (2002)、第133頁〜140頁
しかしながら、非特許文献1及び2には、薬そのものに磁性が付与されることについては言及されていない。
また、抗がん剤による治療は、投薬期間と休薬期間との組み合わせからなるサイクルを複数回繰り返すことで実行される。休薬期間の際に、個体に対する外部からの磁場の適用を停止すると、金属サレン錯体化合物は患部組織から解放されて血液循環によって全身に一気に亘り、血中濃度の上昇によって副作用が突発する虞がある。しかしながら、金属サレン錯体化合物による突発性の副作用に対する解毒剤は存在していない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、金属サレン錯体化合物の細胞毒性を中和する、解毒性を有する金属サレン錯体化合物応答性薬剤及び金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明者が鋭意検討したところ、金属サレン錯体化合物の金属が金属キレート剤によって配位結合されることにより、金属サレン錯体化合物が不活化されるため、患部組織への磁場の適用を中止して全身に金属サレン錯体化合物が循環した場合でも、金属キレート剤を投与することによって金属サレン錯体化合物の細胞毒性作用が抑えられることが分かった。
そこで、前記目的を達成するため本発明は、金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を含有する解毒剤である金属サレン錯体化合物応答性薬剤を提供するものである。
また、本発明に係る金属サレン錯体化合物応答性薬剤は、人または動物に投与された後、患部組織に適用された磁場によって、前記患部組織に誘導される前記金属サレン錯体化合物と、前記磁場から解放された際に生じる前記金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の前記金属キレート剤とを組み合わせた解毒剤であってもよい。
前記金属サレン錯体化合物の細胞毒性を中和するために効果的な金属キレート剤の割合は0.3μM以上、50μM以下、より好ましくは、7.5μM以上、30μM以下である。金属キレート剤の割合が0.3μMであると、金属サレン錯体化合物の細胞毒性を効果的に中和することが困難となり、50μM以上であると、キレート剤濃度過剰のため効果がなくなる。
そしてまた、本発明は、金属を含有する抗がん剤による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を含有する金属含有抗がん剤応答性薬剤を提供するものである。
さらに、本発明は、人または動物に金属サレン錯体化合物を投与する段階と、外部から患部組織に磁場を適用して、当該磁場適用領域に前記金属化合物を誘導する段階と、前記磁場の適用を中止または終了する段階と、前記磁場の適用の中止または終了によって、前記患部組織から解放され、全身に循環することによって生じる、前記金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を投与する段階と、を有する金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システムを提供するものである。
本発明によれば、金属サレン錯体化合物の細胞毒性を中和することができる解毒性を有する金属サレン錯体化合物応答性薬剤及び金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システムを提供することができる。
本発明の実施例1(デフェロキサミン(第1の金属キレート剤)の投与)に係る測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例2(デフェラシロクス(第2の金属キレート剤)の投与)に係る測定結果を示すグラフである。
金属キレート剤として、例えば、輸血に伴う慢性鉄過剰症の治療薬である下記(I)に示す公知の経口鉄キレート化合物を利用することができる。
(I)
一般名:デフェラシロクス
化学名:4-[3,5-Bis(2-hydroxyphenyl)-1,2,4-triazol-1-yl]benzoic
acid
分子式:C2115
分子量:373.36
CAS登録番号:201530−41−8
また、他の金属キレート化合物としては、例えば、体内から過剰な鉄を除去するために使用されるキレート剤の一つで、鉄過剰症及び鉄中毒の治療薬として公知であり、筋肉注射及び点滴静脈注射により投与される下記(II)に示す化合物を利用することができる。
(II)
一般名:デフェロキサミン
化学名:(N-(5-aminopentyl)-N-hydroxy-N’-[5-(N-hydroxy-3-{[5-(N-hydroxyacetamido)
pentyl]carbamoyl}propanamido) pentyl]butanediamide)
分子式:C2548
分子量:560.684
CAS登録番号:70−51−9
これらのキレート剤の用法、用量は公知のものに従えばよい。但し、個体に投与された金属サレン錯体化合物の濃度によって金属キレート剤の用量を増減してもよい。金属サレン錯体化合物の細胞毒性を中和するために効果的な金属キレート剤の割合は0.3μM以上、50μM以下、より好ましくは、7.5μM以上、30μM以下である。これらキレート剤は、金属サレン錯体化合物として過剰摂取された鉄を排出する上で効果的である。本発明に係る薬剤には、抗がん剤の副作用の解毒作用を有するとして公知のビタミンCを加えると更に効果的である。
金属キレート剤によって解毒の対象となる金属サレン錯体化合物は、金属に対して4座配位子(N,N,O,O)が形成されているものであり、例えば、サレン(N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)エチレンジアミン(系統名)N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)を配位子とする有機金属化合物(III)である。金属(M)としては、鉄、コバルト、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、モリブテン、白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等サレン錯体を構成できるものであれば、特に限定されない。金属サレン錯体化合物は、国際公開第2008/001851号公報、国際公開第2010/058280号公報に開示されている。
(III)
(実施例1)
〔デフェロキサミンを用いた鉄2価サレン錯体化合物の解毒法〕
(原理)
カルセイン(Calcein:蛍光指示薬)は、単独だと発光(RFU値が上昇)するが、カルセインと鉄2価サレン錯体化合物が結合すると発光が落ちる(RFU値低下)。したがって、デフェロキサミン(deferoximine:上記構造式(II))が存在すると、これに鉄2価サレン錯体化合物の鉄イオンが吸着され、カルセインから鉄2価サレンの配位子が外れる。その結果、カルセイン−鉄2価サレン錯体化合物の量が少なくなり、発光が減る。発光量が減ることによって、金属サレン錯体化合物と金属キレート剤とが結合することが分かる。
(方法)
既述の構造式(III)で示す鉄2価サレン錯体化合物(M=Fe,R=R’=H)をWO 2010/058280号公報の記載に基づいて生成した。次に、鉄2価サレン錯体化合物10μMとCalcein AM(商標名、シグマ社製)10μMとを混合し、1時間静置した後、吸光度を測定し、十分な発光が得られていることを確認した。続いて、この鉄2価サレン錯体化合物−calcein AM複合体にデフェロキサミンを15μM投与し、1時間後に測定機(parkinermar
ARVO)で計測を行った(λexc=485nm、λem=520nm)。この結果を図1に示す。
(結果)
図1から、Calcein AMに鉄2価サレン錯体化合物を加えるとRFU(相対蛍光単位:Relative Fluorescent Unit)値が低いことが確認された。しかし、これにキレータ(デフェロキサミン)を加えていくと、RFU値が上昇していくことが確認された。また、図1に示すように、鉄2価サレン錯体化合物(NBEI)の濃度が高いと、このカーブが右にシフトする。つまり、同じRFU値にするためにより多くのキレータが必要になる。これは鉄2価サレン錯体化合物の濃度が高いと、それを中和するための多くのキレータが必要になることを示している。図1において、[キレータ]の単位は濃度の単位である体積モル濃度[mol/L]である。鉄2価サレン錯体化合物(NBEI)が50μMの際、EC50(反応最大値の50%効果濃度)は1.627e−006であり、鉄2価サレン錯体化合物(NBEI)が10μMの際、EC50は9.661e−007であった。
〔デフェロキサミン及びビタミンCを用いた鉄2価サレン錯体化合物の解毒法〕
上記実施例1において製造した鉄2価サレン錯体化合物−calcein AM複合体に、デフェロキサミン及びビタミンCを15μM投与し、1時間後に測定機(parkinermar ARVO)で計測を行った(λexc=485nm、λem=520nm)。その結果、Calcein AMに鉄2価サレン錯体化合物を加えるとRFU(相対蛍光単位:Relative
Fluorescent Unit)値が低いことが確認された。しかし、これにキレータ(デフェロキサミン及びビタミンC)を加えていくと、RFU値が上昇していくことが確認された。
(実施例2)
〔デフェラシロクスを用いた鉄2価サレン錯体化合物の解毒法〕
(方法)
がん細胞であるPOS−1細胞(マウス骨肉腫細胞)を24穴プレートに1.0×104/Wellに細胞を培養した。培養24時間後に鉄2価サレン錯体化合物(NBEI)7.5μMをマイクロピペットで投与し、さらに、デフェラシロクス(DFO)の濃度を0.1μM、0.3μM、0.45μM、0.9μM、1.8μM、7.5μM、15μMにそれぞれ変えて投与した。24時間後に細胞回収し、細胞生存アッセイ用のMTT試薬を投与し、45分後に0.04mol/HCl/イソプロピルアルコールを400μL加え、96穴プレートへ100μL分注し、570nmの吸光度を測定することにより、生存細胞率を計算した。この結果を図2に示す。
(結果)
図2に示すように、コントロールでは細胞生存率は100%であった、鉄2価サレン錯体化合物(NBEI)を7.5μM加えると細胞生存率が低くなることが確認された。ところが、これに更にデフェラシロクスを加えると、デフェラシロクスの濃度が増えるほど、細胞生存率が高くなった。つまり、鉄2価サレン錯体化合物の毒性がデフェラシロクスで中和されたことが確認された。なお、この効果はデフェラシロクスの濃度が1.8μM以上では変化が無かった。
〔デフェラシロクス及びビタミンCを用いた鉄2価サレン錯体化合物の解毒法〕
上記実施例2と同様に培養した細胞(培養24時間後)に、鉄2価サレン錯体化合物(NBEI)10μMをマイクロピペットで投与し、さらに、7.5μMのデフェラシロクス(DFO)と、濃度を0.1μM、0.3μM、0.45μM、0.9μM、1.8μM、7.5μM、15μMにそれぞれ変えたビタミンCを投与した。24時間後に細胞回収し、細胞生存アッセイ用のMTT試薬を投与し、45分後に0.04mol/HCl/イソプロピルアルコールを400μL加え、96穴プレートへ100μL分注し、570nmの吸光度を測定することにより、生存細胞率を計算したところ、コントロールに比べ、細胞生存率が高くなったことが確認された。つまり、鉄2価サレン錯体化合物の毒性がデフェラシロクス及びビタミンCで中和されたことが確認された。

Claims (10)

  1. 金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を含有する金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
  2. 人または動物に投与された後、患部組織に適用された磁場によって、前記患部組織に誘導される前記金属サレン錯体化合物と、前記磁場から解放された際に生じる前記金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の前記金属キレート剤とを組み合わせてなる請求項1記載の金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
  3. 前記金属キレート剤が0.3μM以上、50μM以下で含有されてなる請求項1または請求項2記載の金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
  4. 金属キレート剤が下記化合物からなる請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
    一般名:デフェラシロクス
  5. 金属キレート剤が下記化合物からなる請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
    一般名:デフェロキサミン
  6. さらに、ビタミンCを含有する請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
  7. 前記金属サレン錯体化合物が抗がん剤として使用された際の当該金属サレン錯体の細胞毒性を前記金属キレート剤が中和する請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の金属サレン錯体化合物応答性薬剤。
  8. 金属を含有する抗がん剤による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を含有する金属含有抗がん剤応答性薬剤。
  9. 人または動物に金属サレン錯体化合物を投与する段階と、
    外部から患部組織に磁場を適用して、当該磁場適用領域に前記金属サレン錯体化合物を誘導する段階と、
    前記磁場の適用を中止または終了する段階と、
    前記磁場の適用の中止または終了によって、前記患部組織から解放され、全身に循環することによって生じる、前記金属サレン錯体化合物による副作用を抑えるために効果的な量の金属キレート剤を投与する段階と、
    を有する金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システム。
  10. 前記金属キレート剤を0.3μM以上、50μM以下で投与する請求項9記載の金属サレン錯体化合物の体内挙動制御システム。
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