JPWO2012133081A1 - 物体検出装置および情報取得装置 - Google Patents
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Abstract
装置の小型化を図りつつ、レーザ光源の光量制御が可能な情報取得装置およびこれを搭載する物体検出装置を提供する。情報取得装置(1)は、発光装置(10)と、受光装置(20)と、発光装置と受光装置が並べて設置されるベースプレート(300)を備える。発光装置は、レーザ光源(110)と、コリメータレンズ(120)と、レーザ光の一部を反射させ一部を透過させるリーケージミラー(130)と、反射されたレーザ光をドットパターンを有するレーザ光に変換するDOE(140)と、透過したレーザ光を受光するFMD(150)と、FMDの検出信号に基づいて、レーザ光源の発光量を制御するAPC制御部(21b)を備える。レーザ光源、コリメータレンズおよびリーケージミラーが、直線状に並び、且つ、DOEが目標領域に対向する。
Description
本発明は、目標領域に光を投射したときの反射光の状態に基づいて目標領域内の物体を検出する物体検出装置および当該物体検出装置に用いて好適な情報取得装置に関する。
従来、光を用いた物体検出装置が種々の分野で開発されている。いわゆる距離画像センサを用いた物体検出装置では、2次元平面上の平面的な画像のみならず、検出対象物体の奥行き方向の形状や動きを検出することができる。かかる物体検出装置では、レーザ光源やLED(Light Emitting Diode)から、予め決められた波長帯域の光が目標領域に投射され、その反射光がCMOSイメージセンサ等の受光素子により受光される。距離画像センサとして、種々のタイプのものが知られている。
所定のドットパターンを持つレーザ光を目標領域に照射するタイプの距離画像センサでは、ドットパターンを持つレーザ光の目標領域からの反射光が受光素子によって受光される。そして、ドットの受光素子上の受光位置に基づいて、三角測量法を用いて、検出対象物体の各部(検出対象物体上の各ドットの照射位置)までの距離が検出される(たとえば、非特許文献1)。
第19回日本ロボット学会学術講演会(2001年9月18−20日)予稿集、P1279−1280
上記構成の距離画像センサでは、ドットパターンのレーザ光を投射するための光学系として、レーザ光源と、コリメータレンズと、回折光学素子が用いられる。このうち、レーザ光源は、発熱や経年劣化により、出射光量が変化するため、レーザ光の出力をモニタし、所望の光出力レベルが得られるようにAPC(Auto Power Control)制御を行う必要がある。
APC制御には、レーザ光源のCAN内に光検出器を設ける、いわゆるバックモニタ方式の構成が用いられ得る。この構成では、レーザ素子の背面側から出射されたレーザ光がCAN内の光検出器により受光される。しかしながら、物体検出装置の小型化に伴いレーザ光源の小型化が進むと、CANの径が小さくなり、CAN内に光検出器を収容できないことが起こり得る。こうなると、APC制御にバックモニタ方式の構成を用いることができなくなる。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、装置の小型化を図りつつ、レーザ光源の光量制御が可能な情報取得装置およびこれを搭載する物体検出装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、情報取得装置に関する。本態様に係る情報取得装置は、目標領域にドットパターンのレーザ光を照射する発光装置と、前記目標領域を撮像する受光装置と、前記発光装置と前記受光装置が並べて設置されるベースと、を備える。前記発光装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を平行光に変換するコリメータレンズと、前記コリメータレンズを透過した前記レーザ光の一部を反射させ一部を透過させる分光素子と、前記分光素子によって反射された前記レーザ光を目標領域において所定のドットパターンを有するレーザ光に変換して前記目標領域に投射する回折光学素子と、前記分光素子を透過した前記レーザ光を受光して受光量に応じた検出信号を出力する光検出器と、前記光検出器の前記検出信号に基づいて、前記レーザ光源の発光量を制御するレーザ制御部と、を備える。前記発光装置は、前記レーザ光源、前記コリメータレンズおよび前記分光素子が直線状に並び、且つ、前記回折光学素子が前記目標領域に対向するように、前記レーザ光源、前記コリメータレンズ、前記分光素子、前記光検出器および前記回折光学素子が前記ベース上に配置される。
本発明の第2の態様は、物体検出装置に関する。本態様に係る物体検出装置は、上記第1の態様に係る情報取得装置を有する。
本発明によれば、装置の小型化を図りつつ、レーザ光源の光量制御が可能な情報取得装置およびこれを搭載する物体検出装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。本実施の形態には、所定のドットパターンを持つレーザ光を目標領域に照射するタイプの情報取得装置が例示されている。
まず、図1に本実施の形態に係る物体検出装置の概略構成を示す。図示の如く、物体検出装置は、情報取得装置1と、情報処理装置2とを備えている。テレビ3は、情報処理装置2からの信号によって制御される。
情報取得装置1は、目標領域全体に赤外光を投射し、その反射光をCMOSイメージセンサにて受光することにより、目標領域にある物体各部の距離(以下、「3次元距離情報」という)を取得する。取得された3次元距離情報は、ケーブル4を介して情報処理装置2に送られる。
情報処理装置2は、たとえば、テレビ制御用のコントローラやゲーム機、パーソナルコンピュータ等である。情報処理装置2は、情報取得装置1から受信した3次元距離情報に基づき、目標領域における物体を検出し、検出結果に基づきテレビ3を制御する。
たとえば、情報処理装置2は、受信した3次元距離情報に基づき人を検出するとともに、3次元距離情報の変化から、その人の動きを検出する。たとえば、情報処理装置2がテレビ制御用のコントローラである場合、情報処理装置2には、受信した3次元距離情報からその人のジェスチャを検出するとともに、ジェスチャに応じてテレビ3に制御信号を出力するアプリケーションプログラムがインストールされている。この場合、ユーザは、テレビ3を見ながら所定のジェスチャをすることにより、チャンネル切り替えやボリュームのUp/Down等、所定の機能をテレビ3に実行させることができる。
また、たとえば、情報処理装置2がゲーム機である場合、情報処理装置2には、受信した3次元距離情報からその人の動きを検出するとともに、検出した動きに応じてテレビ画面上のキャラクタを動作させ、ゲームの対戦状況を変化させるアプリケーションプログラムがインストールされている。この場合、ユーザは、テレビ3を見ながら所定の動きをすることにより、自身がテレビ画面上のキャラクタとしてゲームの対戦を行う臨場感を味わうことができる。
図2は、情報取得装置1と情報処理装置2の構成を示す図である。図2には、便宜上、投射光学系100と受光光学系200に関する方向を示すために、互いに直交するX−Y−Z軸が付されている。
情報取得装置1は、光学部の構成として、投射光学系100と受光光学系200とを備えている。投射光学系100と受光光学系200は、Z軸方向に並ぶように、情報取得装置1に配置される。
投射光学系100は、レーザ光源110と、コリメータレンズ120と、リーケージミラー130と、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)140と、FMD(Front Monitor Diode)150とを備えている。また、受光光学系200は、フィルタ210と、アパーチャ220と、撮像レンズ230と、CMOSイメージセンサ240とを備えている。この他、情報取得装置1は、回路部の構成として、CPU(Central Processing Unit)21と、レーザ駆動回路22と、PD信号処理回路23と、撮像信号処理回路24と、入出力回路25と、メモリ26を備えている。
レーザ光源110は、受光光学系200から離れる方向(Z軸正方向)に波長830nm程度の狭波長帯域のレーザ光を出力する。コリメータレンズ120は、レーザ光源110から出射されたレーザ光を平行光から僅かに広がった光(以下、単に「平行光」という)に変換する。
リーケージミラー130は、誘電体薄膜の多層膜からなり、反射率が100%よりも若干低く、透過率が反射率よりも数段小さくなるように膜の層数や膜厚が設計されている(たとえば、反射率95%、透過率5%)。リーケージミラー130は、コリメータレンズ120側から入射されたレーザ光の大部分をDOE140に向かう方向(Y軸方向)に反射し、残りの一部分をFMD150に向かう方向(Z軸方向)に透過する。なお、レーザ光源110は、遠距離の目標物を照射するために、多量の光を発光させる必要がある。リーケージミラー130の透過率は、後述するFMD150によって反射されたレーザ光が入射時の光路に沿って、大量にレーザ光源110に入射しないよう、ある程度小さく設定されるのが望ましい。
DOE140は、入射面に回折パターンを有する。この回折パターンによる回折作用により、DOE140に入射したレーザ光は、ドットパターンのレーザ光に変換されて、目標領域に照射される。回折パターンは、たとえば、ステップ型の回折ホログラムが所定のパターンで形成された構造とされる。回折ホログラムは、コリメータレンズ120により平行光とされたレーザ光をドットパターンのレーザ光に変換するよう、パターンとピッチが調整されている。
DOE140は、リーケージミラー130から入射されたレーザ光を、放射状に広がるドットパターンのレーザ光として、目標領域に照射する。ドットパターンの各ドットの大きさは、DOE140に入射する際のレーザ光のビームサイズに応じたものとなる。DOE140にて回折されないレーザ光(0次光)は、DOE140を透過してそのまま直進する。
FMD150は、リーケージミラー130を透過したレーザ光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する。
なお、投射光学系100の詳細な構成は、追って図4ないし図8を参照して、説明する。
目標領域から反射されたレーザ光は、フィルタ210とアパーチャ220を介して撮像レンズ230に入射する。
フィルタ210は、レーザ光源110の出射波長(830nm程度)を含む波長帯域の光を透過し、可視光の波長帯域をカットするバンドパスフィルタである。アパーチャ220は、撮像レンズ230のFナンバーに合うように、外部からの光に絞りを掛ける。撮像レンズ230は、アパーチャ220を介して入射された光をCMOSイメージセンサ240上に集光する。
CMOSイメージセンサ240は、撮像レンズ230にて集光された光を受光して、画素毎に、受光量に応じた信号(電荷)を撮像信号処理回路24に出力する。ここで、CMOSイメージセンサ240は、各画素における受光から高レスポンスでその画素の信号(電荷)を撮像信号処理回路24に出力できるよう、信号の出力速度が高速化されている。
CPU21は、メモリ26に格納された制御プログラムに従って各部を制御する。かかる制御プログラムによって、CPU21には、レーザ光源110を制御するためのレーザ制御部21aと、FMD150から出力された信号量に応じてレーザ光源110の光量の自動制御を行う、いわゆるAPC(Auto Power Control)制御を行うAPC制御部21bと、3次元距離情報を生成するための距離演算部21cの機能が付与される。
レーザ駆動回路22は、CPU21からの制御信号に応じてレーザ光源110を駆動する。PD信号処理回路23は、FMD150から出力された受光量に応じた電圧信号を増幅およびデジタル化してCPU21に出力する。CPU21は、PD信号処理回路23から供給される信号をもとに、APC制御部21bによる処理によって、レーザ光源110の光量を増幅もしくは減少させる判断を行う。APC制御部21bにより、レーザ光源110の光量を変化させる必要があると判断された場合、レーザ制御部21aは、レーザ光源110の発光量を変化させる制御信号をレーザ駆動回路22に送信する。なお、APC制御にかかる処理については、追って、図10を参照して説明する。
撮像信号処理回路24は、CMOSイメージセンサ240を制御して、CMOSイメージセンサ240で生成された各画素の信号(電荷)をライン毎に順次取り込む。そして、取り込んだ信号を順次CPU21に出力する。CPU21は、撮像信号処理回路24から供給される信号(撮像信号)をもとに、情報取得装置1から検出対象物の各部までの距離を、距離演算部21cによる処理によって算出する。入出力回路25は、情報処理装置2とのデータ通信を制御する。
情報処理装置2は、CPU31と、入出力回路32と、メモリ33を備えている。なお、情報処理装置2には、同図に示す構成の他、テレビ3との通信を行うための構成や、CD−ROM等の外部メモリに格納された情報を読み取ってメモリ33にインストールするためのドライブ装置等が配されるが、便宜上、これら周辺回路の構成は図示省略されている。
CPU31は、メモリ33に格納された制御プログラム(アプリケーションプログラム)に従って各部を制御する。かかる制御プログラムによって、CPU31には、画像中の物体を検出するための物体検出部31aの機能が付与される。かかる制御プログラムは、たとえば、図示しないドライブ装置によってCD−ROMから読み取られ、メモリ33にインストールされる。
たとえば、制御プログラムがゲームプログラムである場合、物体検出部31aは、情報取得装置1から供給される3次元距離情報から画像中の人およびその動きを検出する。そして、検出された動きに応じてテレビ画面上のキャラクタを動作させるための処理が制御プログラムにより実行される。
また、制御プログラムがテレビ3の機能を制御するためのプログラムである場合、物体検出部31aは、情報取得装置1から供給される3次元距離情報から画像中の人およびその動き(ジェスチャ)を検出する。そして、検出された動き(ジェスチャ)に応じて、テレビ3の機能(チャンネル切り替えやボリューム調整、等)を制御するための処理が制御プログラムにより実行される。
入出力回路32は、情報取得装置1とのデータ通信を制御する。
図3(a)は、目標領域に対するレーザ光の照射状態を模式的に示す図、図3(b)は、CMOSイメージセンサ240におけるレーザ光の受光状態を模式的に示す図である。なお、同図(b)には、便宜上、目標領域に平坦な面(スクリーン)が存在するときの受光状態が示されている。
投射光学系100からは、ドットパターンを持ったレーザ光(以下、このパターンを持つレーザ光の全体を「DP光」という)が、目標領域に照射される。同図(a)には、DP光の光束領域が実線の枠によって示されている。DP光の光束中には、DOE140による回折作用によってレーザ光の強度が高められたドット領域(以下、単に「ドット」という)が、DOE140による回折作用によるドットパターンに従って点在している。
なお、図3(a)では、便宜上、DP光の光束が、マトリックス状に並ぶ複数のセグメント領域に区分されている。各セグメント領域には、ドットが固有のパターンで点在している。一つのセグメント領域におけるドットの点在パターンは、他の全てのセグメント領域におけるドットの点在パターンと相違する。これにより、各セグメント領域は、ドットの点在パターンをもって、他の全てのセグメント領域から区別可能となっている。
目標領域に平坦な面(スクリーン)が存在すると、これにより反射されたDP光の各セグメント領域は、同図(b)のように、CMOSイメージセンサ240上においてマトリックス状に分布する。たとえば、同図(a)に示す目標領域上におけるセグメント領域S0の光は、CMOSイメージセンサ240上では、同図(b)に示すセグメント領域Spに入射する。なお、図3(b)においても、DP光の光束領域が実線の枠によって示され、便宜上、DP光の光束が、マトリックス状に並ぶ複数のセグメント領域に区分されている。
上記距離演算部21cでは、CMOSイメージセンサ240上における各セグメント領域の位置が検出され、検出された各セグメント領域の位置から、三角測量法に基づいて、検出対象物体の各セグメント領域に対応する位置までの距離が検出される。かかる検出手法の詳細は、たとえば、上記非特許文献1(第19回日本ロボット学会学術講演会(2001年9月18−20日)予稿集、P1279−1280)に示されている。
ところで、図2のように、レーザ光源110から出射されたレーザ光の光路を途中で折り曲げて、レーザ光をDOE140に向かわせるように、投射光学系100を構成すると、目標領域に向かう光の投射方向において、情報取得装置1を薄型化することができる。この場合、情報取得装置1の薄型化を進めると、情報取得装置1内のレーザ光源を搭載するためのスペースが小さくなり、これに伴い、レーザ光源110のCANの径も小さくなる。しかしながら、このようにレーザ光源110のCANの径が小さくなると、CAN内にAPC制御のための光検出器を配するのは困難である。
そこで、本実施の形態では、レーザ光の光路を折り曲げるためのミラーをリーケージミラー130とし、当該リーケージミラー130から漏れるレーザ光をFMD150で受光し、FMD150からの検出信号によりAPC制御を行う構成とされている。これにより、情報取得装置1の小型化を図りつつ、レーザ光源110のAPC制御が可能となる。
図4は、本実施の形態に係る発光装置10の構成例を示す分解斜視図である。発光装置10は、図2中の投射光学系100が他の部品とともにユニット化された装置である。なお、図4には、図2で示したX−Y−Z軸とともに、前後左右上下の方向が示されている。上下方向はY軸方向に平行、左右方向はX軸方向に平行、前後方向はZ軸方向に平行である。
図4を参照して、発光装置10は、上述のレーザ光源110と、コリメータレンズ120と、リーケージミラー130と、DOE140と、FMD150の他に、レーザホルダ111と、レンズホルダ121と、DOEホルダ141と、コンデンサ151と、FMD回路基板152と、ハウジング160と、押さえバネ170を備えている。
図示の如く、レーザ光源110は、ベース110aとCAN110bとを有する。ベース110aは、正面視において、外周が一部切り欠かれた円形の輪郭を有する。また、コリメータレンズ120は、円柱状の外周面を有する大径部120aと、大径部よりも径が小さい小径部120bを有する。
レーザホルダ111は、正面視において正方形の輪郭を有し、中央に円形の開口111aが形成された枠部材からなっている。開口111aは、レーザホルダ111を前後方向に貫通しており、径が異なる円柱状の2つの穴が同軸上に並んだ構成となっている。開口111aの前方の穴の径は後方の穴の径よりも大きくなっており、径が変化する境界には、リング状の段差が形成されている。開口111aの前方の穴の径は、レーザ光源110のベース110aの径よりも僅かに大きい。レーザ光源110のベース110aの後面が開口111a内の段差に当接するまで、前側からベース110aを開口111aに嵌め込むことにより、レーザ光源110がレーザホルダ111に対して位置決めされる。この状態で、ベース110aの外周の切り欠きに接着材が注入され、レーザ光源110がレーザホルダ111に接着固定される。
なお、レーザホルダ111は、亜鉛等の熱伝導率が高い物質により形成され、一般的なダイカスト鋳造によって製造される。
レンズホルダ121は、正面視において略円形の輪郭を有し、中央に開口121aが形成された枠部材からなっている。開口121aは、レンズホルダ121を前後方向に貫通しており、径が異なる円柱状の2つの穴が同軸上に並んだ構成となっている。開口121aの前方の穴の径は後方の穴の径よりも大きくなっており、径が変化する境界には、リング状の段差が形成されている。開口121aの前方の穴の径は、コリメータレンズ120の大径部120aの径よりも僅かに大きい。コリメータレンズ120の大径部120aの後面が開口121a内の段差に当接するまで、前側から大径部120aを開口121aに嵌め込むことにより、コリメータレンズ120がレンズホルダ121に対して位置決めされる。この状態で、コリメータレンズ120がレンズホルダ121に接着固定される。
レンズホルダ121の上面には、前後に延びる凹部121cが形成されている。凹部121cには、前後に延びる凸部121dが形成されている。レンズホルダ121の側面には、それぞれ、コリメータレンズ120とレンズホルダ121を接着固定する際に接着剤を流入させるための2つの溝121bが形成されている。
レンズホルダ121の下側面には、左右方向(X軸方向)に直線状に延びる矩形状の溝121eが形成されている(図示せず)。この溝121eは、レンズホルダ121の位置を前後方向(Z軸方向)に調整する際に用いられる。なお、レンズホルダ121の周方向における凸部121dの中心と溝121eの中心は、互いに180度ずれた状態にある。したがって、凸部121dが真上を向くと、溝121eは真下を向く。
DOEホルダ141は、下面に、DOE140を装着するための段部(図示せず)が形成されている。また、DOEホルダ141の中央には、レーザ光を目標領域に導くための開口141aが形成されている。DOE140は、DOEホルダ141の下方向から、DOEホルダ141に嵌め込まれ、接着固定される。また、DOEホルダ141の左右の端部には、DOEホルダ141をハウジング160に固定するための段部141bが形成されている。
コンデンサ151は、FMD回路基板152に発生する電気的ノイズを低減させる。FMD回路基板152は、FMD150と、コンデンサ151を搭載する回路基板である。FMD回路基板152には、図2で示したPD信号処理回路23が搭載され、FMD150から出力された電気信号を増幅する増幅回路およびデジタル変換するA/D変換回路等が搭載されている。また、FMD回路基板152には、CPU21等が搭載された後段の回路基板と電気的に接続するためのFPC(Flexible Printed Circuit)152aが後方に配されている。
ハウジング160は、上面視において長方形の輪郭の、有底の枠部材からなっている。ハウジング160は、ネジ孔160kの形状を除いて、Y−Z平面に平行な面に対して左右対称な形状となっている。ハウジング160は、亜鉛等の熱伝導性の高い物質により形成され、一般的なダイカスト鋳造によって製造される。
ハウジング160の内部後側には、図示のごとく、YZ平面の面内方向に45°傾いたミラー装着部160aが形成されている。ミラー装着部160aには、U字型の開口160bが形成されている。また、ミラー装着部160aの背面には、後ろ方向(Z軸方向)に突出するFMD装着部160cが形成されている(図5(b)参照)。
FMD装着部160cには、FMD150の受光面がレーザ光源110の光軸に対して垂直になるように、FMD150が装着される。具体的には、FMD150とコンデンサ151が装着されたFMD回路基板152が、FMD装着部160cに位置づけられ、接着固定される。図5(a)は、このようにFMD回路基板152がFMD装着部160cに接着固定された状態を示す斜視図である。この図では、便宜上、ハウジング160内部に収容される光学部品が図示省略されている。
リーケージミラー130は、ミラー装着部160aに装着され、接着固定される。また、ハウジング160の前方の側面には、U字型の開口160dが形成されている。開口160dの左右方向の幅は、レーザ光源110のCAN110bの径よりも大きい。
ハウジング160の底面には、Z軸調整用治具(図示せず)をレンズホルダ121の溝121eに案内するための孔160eが形成されている(図示せず)。孔160eの径は、レンズホルダ121の溝121eのZ軸方向の幅よりも大きくなっている。ハウジング160の左右方向にならぶ2つの側面には、それぞれ、ハウジング160の内部にUV接着剤を流入させるための2つの孔160gが形成されている。
また、ハウジング160の左右方向にならぶ2つの内側面の下端には、互いに向き合う一対の傾斜面160fが形成されている。2つの傾斜面160fは、それぞれ、X−Z平面に平行な面に対して下方向に同じ角度だけ傾いている。2つの傾斜面160fにレンズホルダ121を載せると、レンズホルダ121は、X軸方向(左右方向)において、変位が規制される。
ハウジング160の上面には、DOEホルダ141を装着するための段部160hと、4つのネジ穴160iが形成されている。Z軸方向における段部160hの幅は、DOEホルダ141の左右の段部141bの幅よりも僅かに大きい。ハウジング160の左右方向にならぶ2つの外側面の下端には、ハウジング160の外側方向に突出した2つの鍔部160jが形成されている。2つの鍔部160jには、それぞれ、後述するベースプレート300にハウジング160を固定するためのネジ孔160kが形成されている。
押さえバネ170は、バネ性のある板ばねであり、中央に、一段低い段部170aを有する。押さえバネ170は、左右対称な形状を有する。押さえバネ170には、押さえバネ170をハウジング160に上部から固定するための4つのネジ孔170bが形成されている。
発光装置10の組立時には、まず、図4において、リーケージミラー130が、ハウジング160内のミラー装着部160aに装着される。これにより、リーケージミラー130が、X−Z平面に対してY−Z平面の面内方向に45度の傾きを持つように、ハウジング160内に設置される。
次に、コリメータレンズ120が装着されたレンズホルダ121が、溝121eと孔160eが合うように、一対の傾斜面160f上に載せられ、ハウジング160の内部に収容される。このとき、凸部121dが真上を向くようにレンズホルダ121を傾斜面160f上に載せることで、溝121eと孔160gとを整合させることができる。
そして、押さえバネ170の4つのネジ孔170bがハウジング160の4つのネジ穴160iに合うように、押さえバネ170がハウジング160の上部に当てられる。この状態で、上方から、4つのネジ孔170bを介して、4つの金属製のネジ171が4つのネジ穴160iに螺着される。このとき、レンズホルダ121の凸部121dが、押さえバネ170の段部170aによって、下方向に押し付けられる。これにより、レンズホルダ121は、押さえバネ170の付勢によって、ハウジング160の傾斜面160fに押し付けられ、X軸方向(左右方向)、Y軸方向(上下方向)に動かないように仮固定される。
こうしてレンズホルダ121がハウジング160に仮固定されると、レンズホルダ121と、ハウジング160の内側面の間には、レンズホルダ121がZ軸方向(前後方向)に移動可能なように、所定の隙間が存在する。
次に、レーザ光源110のCAN110bがハウジング160のU字型の開口160dに挿入されるよう、レーザホルダ111の後面がハウジング160の外側面に当てられる。レーザ光源110のCAN110bとハウジング160の開口160dとの間には、レーザ光源110がXY軸方向(上下左右方向)に移動可能なように、所定の隙間が存在する。
この状態で、XY軸調整用治具(図示せず)により、レーザホルダ111をハウジング160に押し付けつつ、レーザ光源110がXY軸方向(上下左右方向)に変位され、XY軸方向(上下左右方向)の位置調整が行われる。これにより、レーザ光源110の光軸とコリメータレンズ120の光軸が整合する。また、ハウジング160の下部に形成された孔160eを介して、レンズホルダ121の溝121eにZ軸調整用治具(図示せず)が係合され、レンズホルダ121のZ軸方向(前後方向)の位置調整が行われる。これにより、コリメータレンズ120の焦点位置がレーザ光源110の発光点に対して適正に位置付けられる。
以上の位置調整によって、目標領域において所望のドットパターンが得られるようになる。
こうして位置調整がなされた後、レーザホルダ111の左右の2つの側面とハウジング160の側面との境界に、左右均等にUV接着剤が添着される。UV接着剤が添着された後、再度、レーザ光の光軸のずれが確認され、問題なければ、UV接着剤に紫外線が照射されて、レーザホルダ111がハウジング160に接着固定される。なお、レーザ光の光軸のずれの確認において問題があった場合には、再度、レーザホルダ111が微調整された後に、UV接着剤に紫外線が照射され、レーザホルダ111がハウジング160に接着固定される。
さらに、ハウジング160の左右の側面に形成された孔160gを介して、レンズホルダ121とハウジング160内部の傾斜面160fとが互いに当接する位置に、左右均等にUV接着剤が添着される。UV接着剤が添着された後、再度、レーザ光源110とコリメータレンズ120の位置関係が確認され、問題なければ、UV接着剤に紫外線が照射されて、レンズホルダ121がハウジング160に接着固定される。なお、レーザ光源110とコリメータレンズ120の位置関係の確認において問題があった場合には、再度、レンズホルダ121が微調整された後に、UV接着剤に紫外線が照射され、レンズホルダ121がハウジング160に接着固定される。
こうして、ハウジング160に対するレーザ光源110とコリメータレンズ120の設置が完了した後、DOE140が装着されたDOEホルダ141の段部141bがハウジング160の段部160hが嵌め込まれ、DOEホルダ141がハウジング160に固着される。こうして、図5(b)に示す構成体の組立が完了する。図5(b)は、FMD回路基板152をハウジング160に装着する前の構成体を後方向から見た斜視図である。
しかる後、FMD150とコンデンサ151が装着されたFMD回路基板152が、FMD回路基板152の下端をFMD装着部160cの下端に揃えるようにして、FMD装着部160cに位置づけられる。このようにFMD回路基板152が位置づけられると、レーザ光源110から出射されたレーザ光の一部は、ミラー装着部160aに装着されたリーケージミラー130を透過し、ミラー装着部160aに形成された開口160bを通過して、FMD150に入射する。この状態で、FMD150から正常に検出信号が出力されるかが確認され、問題なければ、FMD回路基板152がFMD装着部160cに接着固定される。FMD150から正常に検出信号が出力されない場合、正常に検出信号が出力されるまで、FMD回路基板152の位置が調整される。これにより、FMD150がハウジング160の開口160bに対応する位置に適正に位置づけられ、FMD150の受光面がレーザ光源110の光軸に対して垂直になるように、FMD150がハウジング160に装着される。こうして、発光装置10の組み立てが完了する。
本実施の形態では、上記のように、レーザ光源110から出射されたレーザ光の光路が折り曲げられるよう投射光学系100が構成されているため、Y軸方向において、発光装置10を薄くすることができる。ここで、レーザ光源110のCAN110b内にバックモニタ用の光検出器を配する必要がないため、CAN110bの径を小さくすることができ、発光装置10の薄型化を進めても、この薄型化がCAN110bの径によって制限されることがない。
また、レーザ光を目標領域の方向に反射させるようリーケージミラー130が、傾いて設置されているため、リーケージミラー130が装着されるハウジング160の背部に所定のスペースを作ることができる(図5(b)中点線部)。したがって、このハウジング160のスペースに、FMD150を設置することで、ハウジング160の大型化を抑えつつ、フロントモニタのための構成を実現することができる。
また、FMD150は、ミラー装着部160aの背面とFMD装着部160cの側面に囲われた位置に配置されるため、外部からの迷光の影響を受けにくくなる。よって、安定してレーザ光の光量制御を行うことができる。
図6ないし図8は、情報取得装置1の組立過程を示す斜視図である。なお、便宜上、受光装置20の組立過程と受光装置20のベースプレート300への装着過程は図示を省略する。受光装置20は、図2中の受光光学系200が他の部品とともにユニット化された装置である。
図6において、300は、発光装置10と受光装置20を支持するベースプレートである。
ベースプレート300には、発光装置10と受光装置20が配置される。ベースプレート300は、図示の如く、長方形の板状の形状を有している。また、ベースプレート300は、熱伝導性を有し、かつ、耐可撓性に優れるステンレス等からなる。
ベースプレート300には、発光装置10をベースプレート300に固定するための2つのネジ穴300aが形成されている。また、ベースプレート300には、発光装置10の設置位置を決める段部301が形成されている。発光装置10の設置位置は、あらかじめ、発光装置10の発光中心と受光装置20の受光中心が、互いにZ軸方向に並ぶように設定される。
また、発光装置10と受光装置20の設置間隔は、情報取得装置1と目標領域の基準面との距離に応じて、設定される。基準面は、どの程度離れた目標物を検出対象とするかによって、情報取得装置1との距離が変わる。検出対象の目標物までの距離が近くなるほど、発光装置10と受光装置20の設置間隔は狭くなる。逆に、検出対象の目標物までの距離が遠くなるほど、発光装置10と受光装置20の設置間隔は広くなる。
このように、ベースプレート300の大きさは、発光装置10と受光装置20の並び方向において広くなる。本実施の形態では、このように広い面積のベースプレート300が、発光装置10から発生する熱を放熱するためのヒートシンクとして用いられ、レーザ光源110の温度上昇が抑制される。また、ベースプレート300のハウジング150の底面が接触する部分(図中点線部)には、ハウジング150とベースプレート300の密着性を向上させるために、放熱樹脂300bが塗布される。
ベースプレート300の中央下部には、レーザ光源110の配線をベースプレート300の背部に取り出すための孔302が形成されている。また、ベースプレート300の受光装置20の設置位置の下部には、受光装置20のコネクタ202をベースプレート300の背部に露出させるための開口303が形成されている。さらに、ベースプレート300には、図示のごとく、鍔部304が形成されており、鍔部304には、後述するカバー400をベースプレート300に固定するためのネジ穴304aが形成されている。
受光装置20は、図2で示したように、フィルタ210と、アパーチャ220と、撮像レンズ230と、CMOSイメージセンサ240とを備えている。受光装置20は、基板固定部201により、ベースプレート300に固定されている。ベースプレート300の背面には、ベースプレート300に形成された開口303を介して、受光装置20のコネクタ202が露出している。
発光装置10は、ハウジング160の側面がベースプレート300の段部301に当接するように、配置される。発光装置10は、ベースプレート300の表面に塗布された放熱樹脂300bにより、ハウジング160の底面がベースプレート300に密着させられる。この状態で、2つのネジ穴300aと2つのネジ孔160kとが合わされ、2つの金属製のネジ305がそれぞれネジ孔160kとネジ穴300aに螺着される。なお、ネジ305は、ステンレス等の熱伝導率の高い金属からなる。これにより、発光装置10が、ベースプレート300に固着される。
こうして、図7に示す構成体が組み立てられる。その後、この構成体にカバー400が装着される(図8)。このとき、ベースプレート300のネジ穴304aと、カバー400のネジ孔400aが合わされ、カバー400がベースプレート300にネジ止めされる。これにより、図8に示す構成体の組立が完了する。図8(a)は、この構成体を前面から見た斜視図であり、図8(b)は、この構成体を背面から見た斜視図である。
カバー400の前面には、発光装置10から出射された光を目標物に導くための投射窓401と、目標物からの反射光を受光装置20に導くための受光窓402が形成されている。ベースプレート300の背面には、さらに、回路基板500(図9(a)参照)が設置される(図8には図示せず)。この回路基板500に対し、ベースプレート300の背部に形成された孔302を介して、レーザ光源110が接続される。また、回路基板500は、ベースプレート300の背部に形成された開口303を介して、受光装置20のコネクタ202と接続される。さらに、回路基板500は、ベースプレート300の側面とカバー400の隙間から引き出されたFMD回路基板152のFPC152aと接続される。回路基板500には、図2に示すCPU21やレーザ駆動回路22等の情報取得装置1の回路部が実装されている。
図9は、本実施の形態に係る発光装置10の構成と比較例における発光装置の構成を示す模式図である。
図9(a)を参照して、前述のとおり、本実施の形態におけるレーザ光源110は、出射光軸がZ軸に平行となるように設置される。レーザ光源110から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ120により、略平行光に変換される。そして、コリメータレンズ120を透過したレーザ光の大部分が、リーケージミラー130によりY軸正方向に反射されてDOE140に入射し、一部分が、リーケージミラー130を透過してFMD150に入射する。このように、本実施の形態では、投射光学系100のうち、レーザ光源110と、コリメータレンズ120と、リーケージミラー130が、ベースプレート300の表面に沿って並ぶため、ハウジング160の目標領域に向かう方向(Y軸正方向)の高さHを非常に小さくすることができる。
これに対し、同図(b)に示す比較例1のように、投射光学系100を目標領域に向かう方向に並べた場合、ハウジング160の幅W0を広くとることができる。したがって、この構成では、CAN内にバックモニタ180を有する径の大きいレーザ光源110を配置することができる。しかし、この構成では、投射光学系100のすべてが、目標領域に向かう方向に並ぶため、ハウジング160の高さH0は、本実施の形態のハウジング160の高さHよりもかなり高くなる。
通常、フロントモニタ方式は、バックモニタ方式よりも高速応答性に優れ、精度の高いAPC制御を行うことができる。この利点を生かすために、同図(b)のような投射光学系100にフロントモニタ方式の構成を適用しようとすると、同図(c)に示す比較例2にように、投射光路中にハーフミラー191等の分光素子を新たに配置する必要がある。この場合、ハウジング160の高さH’0は、比較例1に比べてさらに高いものとなる。
同図(a)に戻り、本実施の形態では、リーケージミラー130によって、レーザ光の一部をFMD150に導くことができ、同図(c)に示す比較例2のように、新たに分光素子を用意する必要はない、また、FMD150をX−Z平面に対してY−Z平面の面内方向に45度傾けたリーケージミラー130の背後のスペースに設置することができる。このように、本実施の形態では、発光装置10の薄型化を図りつつ、APC制御のためのフロントモニタ方式の構成を実現することができる。
図10は、APC制御の処理を示す図である。図10の処理は、図2のAPC制御部21bによって行われる。
図10を参照して、APC制御部21bは、レーザ制御部21aによるレーザ発光タイミングにおいて(S101:YES)、PD信号処理回路23より出力された受光量に応じたPD信号を取得する(S102)。そして、APC制御部21bは、取得したPD信号の値に基づき、FMD150の受光量が規定光量の範囲内にあるかを判定する(S103)。なお、規定光量は、レーザ光源110の適正発光量の上限値と下限値に対応する2つの閾値により規定され、これら2つの閾値が、あらかじめ、メモリ26に保持されている。
受光量が規定光量内であれば(S103:YES)、APC制御部21bは、レーザ光源110から適正な発光量のレーザ光が出射されていると判断し、処理をS107に進める。他方、受光量が規定光量内でない場合(S103:NO)、APC制御部21bは、レーザ光源110からは、適正でない発光量のレーザ光が出射されていると判断し、受光量が規定光量よりも大きいかを判定する(S104)。
受光量が規定光量よりも大きい場合(S104:YES)、APC制御部21bは、レーザ制御部21aにレーザ光源110から発光されるレーザ光の発光量を1ステップ減少させるための信号を出力する(S105)。これに応じて、レーザ制御部21aは、レーザ光源110の発光量を1ステップ減少させる。これにより、レーザ光源110からの発光量が1ステップだけ小さくなる。
受光量が規定光量よりも小さい場合(S104:NO)、APC制御部21bは、レーザ制御部21aにレーザ光源110から発光されるレーザ光の発光量を1ステッ上昇させるための信号を出力する(S106)。これに応じて、レーザ制御部21aは、レーザ光源110の発光量を1ステップ上昇させる。これにより、レーザ光源110からの発光量が1ステップだけ大きくなる。
その後、レーザ発光の終了タイミングであるかが判定され(S107)、レーザ発光の終了タイミングでない場合(S107:NO)、レーザ光源110の発光量の調整処理(S102〜S107)が繰り返される。レーザ発光の終了タイミングに到達すると(S107:YES)、APC制御部21bは、APC制御の処理を終了し、S101に戻って次の発光タイミングを待つ。
以上、本実施の形態によれば、レーザ光源110からリーケージミラー130までの光学系が、ベースプレート300の表面と平行に並んで設置されるため、投射光学系100を収容するハウジング160は、目標領域に向かう方向の高さが低くなる。また、レーザ光を目標領域の方向に反射させるようリーケージミラー130が、傾いて設置されているため、リーケージミラー130が装着されるハウジング160の背部に所定のスペースを設けることができる。このスペースに、FMD150を設置することにより、ハウジング160の大型化を抑えつつ、レーザ光源110のAPC制御を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、FMD150は、ハウジング160の外側面に囲われた位置に設置されるため、外部からの迷光の影響を抑えることができる。よって、安定してレーザ光源110のAPC制御を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、レーザ光の光路を折り曲げるための光路変更素子と、レーザ光の一部をFMD150に導くための分光素子とにリーケージミラー130が兼用されるため、部品点数を削減することができる。
さらに、本実施の形態によれば、反射率が高く透過率が低いリーケージミラー130が用いられることにより、目標領域に出射されるレーザ光の光量の損失を抑えることができる。また、FMD150表面で反射されレーザ光源110に向かって逆行する戻り光の影響を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記の他に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、FMD150の受光面がレーザ光源110の光軸に対して垂直になるようにFMD装着部160cを設けたが、図11(a)に示すように、FMD150の受光面がリーケージミラー130の背面に平行となるように、FMD装着部160cを構成してもよい。また、図11(b)に示すように、FMD150の受光面がDOE140の入射面と平行となるようにFMD装着部160cを構成してもよい。なお、この場合、リーケージミラー130の出射面は、リーケージミラー130を透過した後にFMD150の受光面に向かうよう、たとえば、曲面状に形成される。図11(a)、(b)の変更例では、FMD150の受光面に対して傾きをもって、レーザ光が入射するため、若干、検出信号が劣化するものの、FMD150の受光面を反射したレーザ光の戻り光は、入射時の光路を戻らなくなり、レーザ光源110に対する戻り光の影響を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、ハウジング160のミラー装着部160aには、U字型の開口160bが形成されたが、開口160bは円形やその他の形状でもよい。また、リーケージミラー130の側面と、側面近傍の背面の一部のみを支持するようにミラー装着部160aを構成し、リーケージミラー130の背面側の大部分にはミラー装着部160aが存在しないような構成となっていてもよい。
また、上記実施の形態では、Z軸方向に向けて出射されるレーザ光の大部分をDOE140の方向に反射させ、レーザ光の一部をFMD150の方向に透過させるために、反射率が透過率よりもかなり大きいリーケージミラー130を用いたが、リーケージミラー130に代えて、反射率と透過率が同等のハーフミラーや、偏光方向によりレーザ光を分離させる偏光ビームスプリッターを用いても良い。
また、上記実施の形態では、レーザ光源110を収容するレーザホルダ111を設けたが、ハウジング160内に直接、レーザ光源110が収容されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、リーケージミラー130がYZ平面の面内方向に45°傾くように、ミラー装着部160aが形成されたが、目標領域の方向に応じて、ミラーの傾きは、どの方向に傾かせても良く、また、傾き角度も任意に変更可能である。
また、上記実施の形態では、受光素子として、CMOSイメージセンサ240を用いたが、これに替えて、CCDイメージセンサを用いることもできる。さらに、受光光学系200の構成も、適宜変更可能である。また、情報取得装置1と情報処理装置2は一体化されても良いし、情報取得装置1と情報処理装置2がテレビやゲーム機、パーソナルコンピュータと一体化されても良い。
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … 情報取得装置
10 … 発光装置
20 … 受光装置
21b … APC制御部(レーザ光量制御部)
110 … レーザ光源
120 … コリメータレンズ
130 … リーケージミラー(分光素子)
140 … DOE(回折光学素子)
150 … FMD(光検出器)
160 … ハウジング
160a … ミラー装着部(分光素子保持部)
160b … 開口
160c … FMD装着部(光検出器装着部)
300 … ベースプレート(ベース)
10 … 発光装置
20 … 受光装置
21b … APC制御部(レーザ光量制御部)
110 … レーザ光源
120 … コリメータレンズ
130 … リーケージミラー(分光素子)
140 … DOE(回折光学素子)
150 … FMD(光検出器)
160 … ハウジング
160a … ミラー装着部(分光素子保持部)
160b … 開口
160c … FMD装着部(光検出器装着部)
300 … ベースプレート(ベース)
Claims (6)
- 目標領域にドットパターンのレーザ光を照射する発光装置と、
前記目標領域を撮像する受光装置と、
前記発光装置と前記受光装置が並べて設置されるベースと、を備え、
前記発光装置は;
レーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光を平行光に変換するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズを透過した前記レーザ光の一部を反射させ一部を透過させる分光素子と、
前記分光素子によって反射された前記レーザ光を目標領域において所定のドットパターンを有するレーザ光に変換して前記目標領域に投射する回折光学素子と、
前記分光素子を透過した前記レーザ光を受光して受光量に応じた検出信号を出力する光検出器と、
前記光検出器の前記検出信号に基づいて、前記レーザ光源の発光量を制御するレーザ制御部と、を備え、
前記レーザ光源、前記コリメータレンズおよび前記分光素子が直線状に並び、且つ、前記回折光学素子が前記目標領域に対向するように、前記レーザ光源、前記コリメータレンズ、前記分光素子、前記光検出器および前記回折光学素子が前記ベース上に配置される、ことを特徴とする情報取得装置。 - 請求項1に記載の情報取得装置において、
前記レーザ光源、前記コリメータレンズ、前記分光素子、前記光検出器および前記回折光学素子を保持するハウジングを備え、前記ハウジングが、前記ベース上に設置される、ことを特徴とする情報取得装置。 - 請求項2に記載の情報取得装置において、
前記ハウジングは、前記レーザ光源の光軸に対して傾いて前記分光素子を保持する分光素子保持部と、前記分光素子保持部よりも前記レーザ光源から離れる方向に配置され前記光検出器を保持する光検出器保持部とを有し、
前記分光素子保持部には、前記分光素子を透過した前記レーザ光を通過させて前記光検出器に導くための開口が形成されている、
ことを特徴とする情報取得装置。 - 請求項3に記載の情報取得装置において、
前記光検出器保持部は、前記分光素子保持部の背部側に、前記分光素子を斜めに保持することにより形成されるスペースに、形成される、
ことを特徴とする情報取得装置。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載の情報取得装置において、
前記光検出器は、受光面が前記レーザ光源の光軸に対して垂直となるように設置される、
ことを特徴とする情報取得装置。 - 請求項1ないし5の何れか一項に記載の情報取得装置を有する物体検出装置。
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