JPWO2012131785A1 - コンタクトレンズパッケージ - Google Patents
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Abstract
コンタクトレンズを収容して市場に提供する流通用パッケージ等として好適に用いられ得る、新規なコンタクトレンズパッケージを提供すること。
収容領域12に保存液16と共に収容されたコンタクトレンズ18に対して、その周辺部36に押圧力を及ぼして圧縮変形させる押圧変形作用部と、中央光学部34に変形阻止力を及ぼして展張状態に保持する展張保持作用部と、を設けることにより、コンタクトレンズ18の周辺部36において積極的に押圧変形させてコンパクトサイズを実現しつつ、中央光学部34における皺等の局部的な歪の集中を回避して開封直後の光学特性の安定化を図り得た、新規な構造のコンタクトレンズパッケージ。
収容領域12に保存液16と共に収容されたコンタクトレンズ18に対して、その周辺部36に押圧力を及ぼして圧縮変形させる押圧変形作用部と、中央光学部34に変形阻止力を及ぼして展張状態に保持する展張保持作用部と、を設けることにより、コンタクトレンズ18の周辺部36において積極的に押圧変形させてコンパクトサイズを実現しつつ、中央光学部34における皺等の局部的な歪の集中を回避して開封直後の光学特性の安定化を図り得た、新規な構造のコンタクトレンズパッケージ。
Description
本発明は、コンタクトレンズを保存液と共に収容するコンタクトレンズパッケージに係り、特にソフトコンタクトレンズを市場へ流通させる際に好適に用いられるコンタクトレンズパッケージに関する。
コンタクトレンズは、レンズメーカーで製造され、コンタクトレンズパッケージに密封状態で収容されて市場に流通されて、販売店からユーザーに提供される。
ところで、含水性ソフトコンタクトレンズなどは、一般に、保存液と共にコンタクトレンズパッケージに収容して提供される。かかるコンタクトレンズパッケージとしては、従来から、特開平7−322911号公報(特許文献1)や米国特許第4691820号公報(特許文献2)に記載されているように、硬質樹脂製の容器本体に形成された窪みに保存液とコンタクトレンズを収容してカバーフィルムで封止したブリスターパッケージが採用されている。
しかしながら、このような従来構造のブリスターパッケージは、コンタクトレンズを収容する窪みを充分な深さで形成しなければならず、コンパクト化が難しい。そのために、例えば多数のコンタクトレンズをストックしたり、複数のコンタクトレンズを持ち歩いたりする際に嵩張ってしまい、取り扱いに不便を感ずることが多かった。
そこで、本出願人は、先に特許第4586121号公報(特許文献3)において、コンタクトレンズを高さ方向(軸方向)に押圧変形させて小さくした加圧状態で収容せしめた新規な構造のコンタクトレンズパッケージを提案した。この特許文献3で提案したコンタクトレンズパッケージでは、ソフトコンタクトレンズの柔軟性や弾性を利用することで、特許文献1,2に記載の如き従来構造のブリスターパッケージでは実現不可能なサイズにまでコンパクト化することができる。
特許文献3で提案したコンタクトレンズパッケージについて、本発明者が更なる実験や検討を重ねた結果、コンタクトレンズの材質や押圧変形の程度などの条件によっては、コンタクトレンズパッケージを開封してコンタクトレンズを取り出した際にコンタクトレンズに残留する歪が、コンタクトレンズの装用直後に悪影響を及ぼすおそれがあるとの知見を得た。
すなわち、コンタクトレンズの粘性(粘弾性)等の材質や温度等の環境条件によっては、押圧変形させたパッケージ状態における歪が開封後に残留して回復に時間を要する場合のあることがわかった。そして、歪の回復に要する時間が長い場合には、コンタクトレンズパッケージの開封直後にコンタクトレンズを装用すると、ユーザーによって見え方が悪いと感ずるおそれもある。
本発明は、上述の事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、コンタクトレンズを押圧変形状態で収容することで小型化を図りつつ、開封直後における残留歪による見え方の低下を可及的に回避することができる新規な構造のコンタクトレンズパッケージを提供することにある。
本発明の第一の態様は、中央光学部の周囲に環状の周辺部が設けられたコンタクトレンズを、保存液と共に収容したコンタクトレンズパッケージにおいて、第一プレートと第二プレートとの重ね合わせ面間に前記コンタクトレンズおよび前記保存液の収容領域を形成すると共に、該コンタクトレンズの前記周辺部に対して該第一プレートと該第二プレートの重ね合わせ方向となるレンズ軸方向の押圧力を及ぼして圧縮変形させる押圧変形作用部と、該コンタクトレンズの前記中央光学部に変形阻止力を及ぼして展張状態に保持する展張保持作用部と、を設けたコンタクトレンズパッケージである。
本態様のコンタクトレンズパッケージでは、コンタクトレンズにおいて、装用時に視力矯正等の光学特性を発揮する中央光学部と、光学特性に影響を及ぼさない周辺部との、二つの領域を分けて形状制御してパッケージングしたものである。そして、周辺部では、押圧変形作用部によって積極的に押圧変形することでレンズ軸方向にコンパクト化されたパッケージングを実現した。一方、中央光学部では、展張保持作用部によって展張状態に保持することで歪を抑えたパッケージングを実現した。その結果、全体的にコンパクトサイズでありながら、開封直後に装用しても残留歪による見え方の不具合が効果的に回避される、新規な構造のコンタクトレンズパッケージが実現可能となったのである。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記展張保持作用部が、前記コンタクトレンズの前記中央光学部の外周側を拘束することで前記押圧変形作用部によって該コンタクトレンズの前記周辺部に及ぼされる押圧力による該中央光学部への変形の伝達を阻止する外周拘束部を含んで構成されているものである。
本態様のコンタクトレンズパッケージでは、中央光学部の外周部分を拘束することにより、中央光学部全体に対して直接的に大きな変形阻止力を及ぼすことなく、周辺部の歪の中央光学部への伝達を抑えて、中央光学部の歪を抑えることが可能となる。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記展張保持作用部が、前記コンタクトレンズの前記中央光学部における表面および裏面の少なくとも一方の面に重ね合わされて該中央光学部の形状を規定する形状保持面を含んで構成されているものである。
本態様のコンタクトレンズパッケージでは、中央光学部の面に対して変形拘束力を及ぼすことで、中央光学部の歪を直接的に抑えることが可能となる。
本発明の第四の態様は、前記第一〜三の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージであって、前記展張保持作用部により、前記コンタクトレンズの前記中央光学部が表裏反転状態で保持されているものである。
本態様のコンタクトレンズパッケージでは、球冠形状のコンタクトレンズを表裏反転させることで押圧変形前のレンズ軸方向寸法を、表裏反転前の正常状態に比して小さくすることが出来る。しかも、表裏反転状態とされた中央光学部は、表面の全体に引張力が及ぼされて突っ張った状態になっていることから、周辺部を押圧変形させた際にも中央光学部を展張状態に保持し易くなる。それ故、中央光学部における皺等の局所的な過大変形を回避して展張状態に保ちつつ、周辺部をレンズ軸方向に押圧変形させてコンパクトなパッケージサイズを実現することが容易とされる。
本発明の第五の態様は、前記第一〜四の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージであって、前記押圧変形作用部が、レンズ軸方向の高さが周方向で変化する押圧面を備えているものである。
本態様のコンタクトレンズパッケージでは、周辺部を押圧変形させた際の形状を、押圧変形作用部の押圧面により、周方向で例えば波打つようにレンズ軸方向で変化する形態に設定することが可能となる。それ故、周辺部において局所的に著しい歪が集中することを避けて、周辺部の広い領域に歪を分散させることが可能となり、中央光学部への歪の伝達を一層効果的に防止することが出来ると共に、開封直後の周辺部の形状の安定化と一層速やかな復元なども実現可能となる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージにおいては、展張保持作用によって中央光学部への局部的な過大変形を阻止しつつ、押圧変形作用部によって周辺部を積極的に押圧変形させることが出来る。
それ故、本発明に係るコンタクトレンズパッケージでは、薄型化による大幅なコンパクト化が実現可能となり、それによって、多数のストックや携行の利便性が大幅に向上され得ると共に、パッケージ開封直後に装用した場合でも中央光学部において所期の光学特性が充分に安定して発揮されて良好な装用感も実現可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1には、本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズパッケージ10が示されている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図1中の上下方向をいう。
かかるコンタクトレンズパッケージ10は、内部に収容領域12が形成されたケース状又は袋状の構造体であるパッケージ本体14を有している。パッケージ本体14において中空構造とされた収容領域12には、保存液16が封入されていると共に、ソフトタイプのコンタクトレンズ18が保存液16に浸漬されて収容されている。
より詳細には、パッケージ本体14は、第一プレートとしての底側プレート20と、第二プレートとしての蓋側プレート22とによって構成されている。
底側プレート20は、コンタクトレンズ18のDIA(外径寸法)よりも大きな平面形状とされており、その中央部分に位置して、上方に向かって開口する収容凹所24が設けられている。収容凹所24は、収容されるコンタクトレンズ18のDIAよりも僅かに大きな内径寸法を有する略円形の平面開口形状とされている。特に本実施形態では、底側プレート20が、上下方向に延びる中心軸回りで回転対称形状とされており、収容凹所24も回転対称形状を有している。
また、本実施形態では、収容凹所24の底壁のうち、中央部分が円形平板形状の中央底壁26とされている。また、収容凹所24の底壁のうち、外周部分は、上方に凸となる湾曲円弧状断面で周方向に延びる外周底壁28とされている。
一方、蓋側プレート22は、全体が薄肉板形状とされており、底側プレート20の上面に対して蓋側プレート22が重ね合わされている。そして、底側プレート20において収容凹所24の開口周縁部から外周側に板状に広がった鍔板部29に対して、蓋側プレート22が密着状態で重ね合わされており、溶着や接着等により流体密に固着されている。これにより、底側プレート20の収容凹所24の開口が蓋側プレート22で覆蓋されており、外部空間に対して密封された収容領域12が画成されている。
なお、底側プレート20や蓋側プレート22の材質は、特に限定されるものでなく、各種の合成樹脂材料や金属材料等を用いることが可能である。好適には、底側プレート20としては、目的形状への成形の容易さ等からポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成樹脂材料が採用される。また、蓋側プレート22としては、密封処理や開封操作の容易さ等から軟質樹脂フィルムやアルミニウム層にポリプロピレン等の樹脂層を被着したラミネートフィルムなどが好適に採用される。なお、底側プレート20と蓋側プレート22の一方又は両方において、収容領域12を画成する壁部の少なくとも一部に透明部分を設けることにより、密閉された収容領域12内に封入されたコンタクトレンズ18を外部から目視確認可能としても良い。
ところで、このようなパッケージ本体14の収容領域12に収容されるコンタクトレンズ18は、弾性変形可能であれば良く、その材質や光学特性に関して特に限定されるものでない。例えば、HEMA系イオン性高含水ソフトコンタクトレンズの他、シリコーン成分を有するシリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズ等のように粘性が比較的大きい材質からなるコンタクトレンズも採用され得る。
かかるコンタクトレンズ18は、周知のとおり、装用者の角膜表面形状に略対応した形状とされている。具体的には、例えば図2(a),(b)に示されているように、保存液等の比重が略等しい溶液中に浸漬されて外力が及ぼされていない平衡状態下でのコンタクトレンズ18の単体形状が、前面である湾曲凸形の表面30と後面である湾曲凹型の裏面32とを有する略球冠形状とされている。このコンタクトレンズ18には、装用者の瞳孔を覆う中央部分に、視力矯正機能を発揮する中央光学部34が形成されていると共に、中央光学部34の外周側が、装用安定性等に寄与する周辺部36とされている。なお、周辺部36の外周端縁部には全周に亘ってエッジ38が設けられている。また、中央光学部34には、装用者に適合した適当な光学特性が設定されている。
そして、パッケージ本体14において、底側プレート20の中央底壁26の外径寸法が、収容されるコンタクトレンズ18の中央光学部34の外径寸法よりも大きくされている。また、収容領域12における収容凹所24の深さ寸法が、中央の最深部(中央底壁26部分)において、コンタクトレンズ18の平衡状態での軸方向高さ寸法(H)よりも小さくされている。更にまた、外周底壁28部分では、収容凹所24の最小深さ寸法が、外周底壁28の底面の頂部において、コンタクトレンズ18の周辺部36の厚さ寸法と略同じに設定されており、好適には周辺部36の厚さ寸法以下とされている。
これにより、パッケージ本体14の収容領域12に収容されたコンタクトレンズ18は、図1に示されているように、その周辺部36を、底側プレート20の外周底壁28と蓋側プレート22との間で、レンズ軸方向(光学中心軸方向)となる上下方向に押しつぶされるようにして押圧変形されている。これにより、コンタクトレンズ18は、図2(a)に示された平衡状態でのレンズ高さ寸法(H)が小さくされた圧縮状態で、収容領域12に収容配置されている。
一方、コンタクトレンズ18の中央光学部34は、その外周側に位置する周辺部36が底側プレート20と蓋側プレート22との間で挟まれて保持されることにより、変形阻止力が及ぼされて展張状態で収容されている。即ち、中央光学部34は、その外周側において全周に亘って拘束されていることにより、その変形が張力によって防止されると共に、周辺部36から中央光学部34への歪や応力の伝達も阻止された状態となっている。
なお、展張状態とは、皺等の局部的屈曲が発生しておらずに全体として略球冠形状に保持された状態をいい、平衡状態に比して張力や押圧力が及ぼされる等して曲率半径が全体的に多少変化している状態を含む。また、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、底側プレート20の外周底壁28とそれに対向位置してコンタクトレンズ18の周辺部36に押圧力を及ぼす蓋側プレート22とによって、押圧変形作用部が構成されている。更にまた、底側プレート20における外周底壁28の頂部付近とそれに対向位置コンタクトレンズ18の周辺部36を挟持する蓋側プレート22とによって、コンタクトレンズ18の中央光学部34を展張状態に保持する展張保持作用部が構成されている。
特に本実施形態では、パッケージ本体14内で展張状態にある中央光学部34のレンズ軸方向高さ寸法に比して、収容領域12の中央部分の深さ寸法(h)が大きくされている。そして、中央光学部34が、その外周側を全周に亘って挟持されて吊り下げられた状態で、上下の蓋側プレート22と中央底壁26(底側プレート20)との何れにも押し付けられない状態で配置されている。より好適には、かかる中央光学部34は、収容領域12内の深さ方向中間部分において、上下の蓋側プレート22と中央底壁26(底側プレート20)との何れからも離隔して配置されている。これにより、中央光学部34において、局部的に集中した歪の発生が一層効果的に防止されている。
従って、本実施形態のコンタクトレンズパッケージ10では、コンタクトレンズ18の中央光学部34を展張状態に保持して皺等の局部的に過大な屈曲の発生を可及的に防止せしめつつ、周辺部36を積極的に押圧変形させることで、レンズ軸方向寸法を小さくした圧縮状態で、コンタクトレンズ18を収容することが出来るのである。このように、コンタクトレンズ18が圧縮状態で収容されていることから、コンタクトレンズを非圧縮の浮遊状態(平衡状態)で浸漬保存せしめた従来構造のブリスターパッケージに比して、厚さ寸法を大幅に小さくでき、複数のコンタクトレンズパッケージ10を重ね合わせた状態で優れたスペース効率をもってストックしたり、一個又は数個のコンタクトレンズパッケージ10をパスケース等に入れて容易に携帯することも可能となる。
しかも、レンズ収容状態下で中央光学部34における局部的に過大な屈曲が回避されていることから、光学特性上で問題となる歪の残留も効果的に回避され得る。それ故、たとえ粘弾性の大きい材質のコンタクトレンズ18であったとしても、コンタクトレンズパッケージ10の開封後に直ちにコンタクトレンズ18を装用しても、目的とする光学特性を得ることが可能となる。即ち、本実施形態に係るコンタクトレンズパッケージ10の未開封状態では、コンタクトレンズ18が、図3(a)に示されているように、周辺部36では押圧変形されることで局部的に大きな屈曲や皺等が発生することとなろうが、中央光学部34では、皺等の局部的な歪集中が回避されて展張状態に維持され得ることとなる。因みに、コンタクトレンズ18をレンズ中心軸方向で両側から一対の略平板形状のプレートで押しつぶすようにして押圧変形させると、図3(b)に示されているように、特に中央光学部34において局部的に大きな屈曲や皺等が発生し易いことも、本発明者によって確認されている。
また、中央光学部34が展張を維持した状態で収容されていることから、パッケージ本体14の外部から及ぼされる外力からも、中央光学部34を含むコンタクトレンズ18が効果的に保護され得る。
さらに、本実施形態では、コンタクトレンズ18の周辺部36に押圧力を及ぼす押圧変形作用部を部分的に利用して、コンタクトレンズ18の中央光学部34の局部的変形を阻止する展張保持作用部が構成されていることから、パッケージ本体14の形状および構造の簡略化が図られて、製造も容易となる。
以上、本発明の第一の実施形態について詳述してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載及び以下に追加的に例示する他の実施形態における具体的な記載などによって限定的に解釈されるものでない。なお、以下に記載する実施形態の説明中、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、第一の実施形態と同一の符号を図中に付することにより、それらの詳細な説明を割愛する。
図4には、本発明の第二の実施形態としてのコンタクトレンズパッケージ40が示されている。本実施形態のコンタクトレンズパッケージ40では、底側プレート20と蓋側プレート22とが、押えプレート42を挟んで重ね合わされている。
この押えプレート42は、全体として平板形状とされており、特に本実施形態では中央部分に開口窓44が設けられた環状の平板形状とされている。そして、押えプレート42は、その外周部分が、底側プレート20の収容凹所24の開口部より外周側において、底側プレート20と蓋側プレート22との間に密着状態で重ね合わされて相互に溶着等されることで流体密に固着されている。一方、押えプレート42の内周部分は、底側プレート20の収容凹所24の開口周縁部から内方に向かって延び出して、底側プレート20の外周底壁28とレンズ軸方向で対向位置する押圧部46とされている。なお、押えプレート42の外側面は、全体に亘って、蓋側プレート22と密着状態で重ね合わされている。
そして、コンタクトレンズ18の周辺部36が、底側プレート20の外周底壁28と押えプレート42の押圧部46との対向面間でレンズ軸方向に押圧変形されることで、コンタクトレンズ18が圧縮状態で収容領域12に収容配置されている。また、コンタクトレンズ18の中央光学部34の外周側が、底側プレート20の外周底壁28の頂部付近において、外周底壁28と押圧部46との対向面間で挟持されることで、中央光学部34が展張状態に保持されている。
本実施形態のコンタクトレンズパッケージ40では、第一の実施形態と同様な作用効果が発揮されることに加えて、押圧変形作用部や展張保持作用部が、底側プレート20の外周底壁28と押えプレート42とによって構成されることから、押えプレート42の部材剛性に基づいてコンタクトレンズ18の周辺部36への押圧変形作用や中央光学部34への展張状態保持作用を充分に確保しつつ、蓋側プレート22を薄肉で剛性の小さい樹脂フィルム等で構成することも可能となり、それによって蓋側プレート22の剥離による開封操作を一層容易にすることも可能となる。なお、蓋側プレート22の中央部分を透明とすることで、コンタクトレンズパッケージ40の未開封時に、押えプレート42の開口窓44を通じて、収容領域12内のコンタクトレンズ18の有無や状態を確認可能としても良い。
また、図5には、本発明の第三の実施形態としてのコンタクトレンズパッケージ50が示されている。本実施形態のコンタクトレンズパッケージ50では、上記第二の実施形態のコンタクトレンズパッケージ40に比して、底側プレート20の外周底壁28の形状が異ならされている。
詳細には、本実施形態の底側プレート20の外周底壁28には、内周部分に沿って周方向に延びる拘束突部52が、山形の断面形状で収容凹部24内に突出して形成されている。また、この拘束突部52の外周側は、中央底壁26と略等しい程に充分な深さをもって広がる深底部54とされている。
そして、収容されたコンタクトレンズ18は、中央光学部34の外周側を、拘束突部52の突出先端部分と押えプレート42との間で挟まれて支持されている。要するに、本実施形態では、拘束突部52と押えプレート42とによって、外周拘束部が構成されている。
一方、コンタクトレンズ18の周辺部36は、上方から押えプレート42で押し下げられることにより、下側を底側プレート20で形状規制されない状態で押圧変形されてレンズ軸方向で圧縮状態とされている。それ故、周辺部36には、コンタクトレンズ18の収容状態下でも比較的に自由な変形と応力の分散が許容されるようになっており、挟圧力による局部的な折れ曲がりの軽減が図られている。
また、図6には、本発明の第四の実施形態としてのコンタクトレンズパッケージ60が示されている。本実施形態のコンタクトレンズパッケージ60では、上記第三の実施形態のコンタクトレンズパッケージ50に比して、底側プレート20の外周底壁28の形状が異ならされている。
詳細には、図7に示されているように、本実施形態の底側プレート20の外周底壁28には、内周部分に沿って周方向に延びる拘束突部52が形成されていると共に、この拘束突部52の外周側において、収容凹所24内に突出して下側挟圧保持部62が、周方向で相互に所定間隔を隔てて複数設けられている。なお、周方向で隣り合う下側挟圧保持部62,62間の領域では、外周底壁28が深底部54とされている。
一方、押えプレート42には、底側プレート20の外周底壁28と対向位置する部分において、底側プレート20に向かって突出する上側挟圧保持部64が形成されている。そして、底側プレート20の下側挟圧保持部62と押えプレート42の上側挟圧保持部64との各対向面が、コンタクトレンズ18の周辺部36の略厚さ寸法に相当する距離を隔てて対向位置する下側押圧面66および上側押圧面68とされている。
これら下側押圧面66および上側押圧面68には、図6に示されているような波形等の対応する適当な湾曲形状が付されており、コンタクトレンズ18の周辺部36を挟んで両面から重ね合わされることにより、コンタクトレンズ18の周辺部36に対して形状を規定しつつレンズ軸方向の押圧力を及ぼし得るようになっている。なお、上側挟圧保持部64及び上側押圧面68は、下側挟圧保持部62及び下側押圧面66への対向部分だけに形成されていれば良いが、押えプレート42の全周に亘って連続して形成することにより、底側プレート20に押えプレート42を重ね合わせる際の周方向の位置決めが不要となって好ましい。
本実施形態のコンタクトレンズパッケージ60では、周方向で所定間隔をもって突出形成された下側挟圧保持部62により、コンタクトレンズ18の周辺部36が周上で所定間隔をもって上方に持ち上げられ、上側挟圧保持部64との間で形状保持されて位置決めされる。即ち、本実施形態では、外周底壁28による周辺部36への押圧面が、周方向で異なる高さをもって変化している。これにより、周辺部36に対して、周方向で波打つような形状をもって押え変形後の圧縮形状を積極的に発現させることが出来る。そして、押え変形された周辺部36の歪を周方向の全体に効率的に分散させて、局所的な皺や屈曲を軽減することが可能となる。
また、図8には、本発明の第五の実施形態としてのコンタクトレンズパッケージ70が示されている。本実施形態のコンタクトレンズパッケージ70では、上記第三の実施形態のコンタクトレンズパッケージ50に比して、底側プレート20の中央底壁の形状が異なっていると共に、押圧プレート42が採用されておらず且つ蓋側プレート22の形状が異なっている。
詳細には、本実施形態の底側プレート20の中央底壁が、その略全面に亘って球冠形状の下側拘束保持部72とされている。一方、蓋側プレート22には、この底側プレート20の下側拘束保持部72に対向位置する中央部分において、底側プレート20側に向かって突出する上側拘束保持部74が設けられている。
これら下側拘束保持部72と上側拘束保持部74の各対向面は、相互に略対応する曲率半径をもって形成された球冠凹形の下側形状保持面76と球欠凸形の上側形状保持面78とされている。そして、これら下側形状保持面76と上側形状保持面78とが、コンタクトレンズ18の中央光学部34の略厚さ寸法に相当する距離を隔てて対向位置せしめられている。
本実施形態のコンタクトレンズパッケージ70では、収容されたコンタクトレンズ18に対して、その中央光学部34を含む中央部分において下側拘束保持部72と上側拘束保持部74とが上下両側から重ね合わされている。そして、コンタクトレンズ18の中央光学部34を含む中央部分が、下側形状保持面76と上側形状保持面78との間で、略全体に亘って挟まれて両側から形状保持されている。
これにより、特にいびつな変形が問題となるコンタクトレンズ18の中央光学部34に対して、変形拘束力が直接的に及ぼされ得ることとなり、中央光学部34が展張状態に一層効果的に保持され得るのである。
その他、一々列挙はしないが、本発明には、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得る。例えば、コンタクトレンズ18は、表裏反転させた状態でも形状安定性を有することが知られているが、図9に示すように、表裏反転させた状態(図2における湾曲凸形の表面30および湾曲凹形の裏面32を、それぞれ図9における湾曲凹形の表面30および湾曲凸形の裏面32に反転させた状態)では、コンタクトレンズ18のレンズ軸方向の高さ寸法(H′)が、正常状態(図2参照)に比して小さくなる。しかも、本発明者が確認したところ、表裏反転状態では、中央光学部34の湾曲凸形の裏面32に対して全体に引張応力が発生していること等からレンズ軸方向への押え変形に際しての局部的な歪の集中が、正常状態よりも抑えられ易い傾向にあることが判った。このような特性を利用して、コンタクトレンズ18の中央光学部34を反転状態としたままで、前記第一〜第五の実施形態に記載の如きパッケージ本体14に収容してコンタクトレンズパッケージを構成することも可能である。これにより、中央光学部34における皺等の過大な歪の発生を回避しつつ、パッケージの厚さ寸法の更なる薄形化も図られ得る。
更にまた、本発明における押圧変形作用部や展張保持作用部の具体的形状や具体的配置態様等は、コンタクトレンズ18の種類や押圧変形量等を考慮して適切に設定されるものであり、限定的に解釈されるべきでない。例えば、第一の実施形態や第二の実施形態においては、底側プレート20と蓋側プレート22又は押えプレート42とによって構成される、コンタクトレンズ18の周辺部36へ押圧力を及ぼす押圧変形作用部が、周方向の全周に亘って連続して形成されていたが、周上で部分的に又は断続的に形成しても良い。また、かかる押圧変形作用部を構成する、底側プレート20と蓋側プレート22又は押えプレート42とによってコンタクトレンズ18の周辺部36を挟持する部分を、コンタクトレンズ18の径方向で所定距離を隔ててそれぞれ周方向に延びるように複数条設けることも可能である。
また、例えば第三の実施形態において拘束突部52と押えプレート42とによって構成される、コンタクトレンズ18の中央光学部34の外周側を挟持して拘束力を及ぼす展張保持作用部も、周方向で部分的に又は断続的に形成しても良いし、コンタクトレンズ18の径方向で所定距離を隔ててそれぞれ周方向に延びるように複数条設けることも可能である。
さらに、上述のように押圧変形作用部や展張保持作用部を構成するコンタクトレンズ18の周辺部36への挟圧保持部分は、必ずしもコンタクトレンズ18と同心的な円周上に形成されている必要はなく、楕円や多角形状などの周上に連続して又は断続的に延びるように形成することも可能である。
また、例えば第四の実施形態において下側挟圧保持部62と上側挟圧保持部64で構成される、コンタクトレンズ18の周辺部36への押圧変形作用部も、周方向で互いに同じ大きさや形状である必要はなく、周方向の間隔も一定である必要がない。
更にまた、例えば第五の実施形態において下側拘束保持部72と上側拘束保持部74で構成される、コンタクトレンズ18の中央光学部34への形状保持面76,78も、中央光学部34の全面に亘って設ける必要はなく、中央光学部34上で部分的に形成して中央光学部34を部分的に拘束することで全体を展張状態に保持することも可能である。また、それら上下の拘束保持部72,74は、必ずしも両方を組み合わせて採用する必要はなく、コンタクトレンズ18の材質等の条件によって上下何れか一方だけで形状保持面を構成しても良い。
また、展張保持作用部は、コンタクトレンズ18の中央光学部34の全体に変形阻止力を及ぼすものである必要はないし、押圧変形作用部も、コンタクトレンズ18の周辺部36の全体をレンズ軸方向に圧縮変形させるものである必要もない。具体的には、例えば中央光学部34の外径寸法が8.0mmであった場合に、展張保持作用部による変形阻止力を中央光学部34の中央領域(例えば6.0mmや7.0mmの円形領域)にだけ及ぼす一方、中央光学部34の外周領域を含めて、周辺部36を、押圧変形作用部によって圧縮変形させるようにしても良い。特に、コンタクトレンズ18の装用状態下において重要な光学特性を発揮する部分は、中央光学部34の中央領域であり、中央光学部34でもその外周領域が眼光学系の光学特性に与える影響は小さい。それ故、中央光学部34の外周領域を含めて圧縮変形させることにより、開封直後のコンタクトレンズ18の光学特性への悪影響を効果的に回避しつつ、コンタクトレンズ18を一層コンパクトに圧縮変形させて収容することも可能となる。
10,40,50,60,70:コンタクトレンズパッケージ、12:収容領域、16:保存液、18:コンタクトレンズ、20:底側プレート(第一プレート)、22:蓋側プレート(第二プレート)、34:中央光学部、36:周辺部、76:下側形状保持面、78:上側形状保持面
Claims (5)
- 中央光学部の周囲に環状の周辺部が設けられたコンタクトレンズを、保存液と共に収容したコンタクトレンズパッケージにおいて、
第一プレートと第二プレートとの重ね合わせ面間に前記コンタクトレンズおよび前記保存液の収容領域を形成すると共に、
該コンタクトレンズの前記周辺部に対して該第一プレートと該第二プレートの重ね合わせ方向となるレンズ軸方向の押圧力を及ぼして圧縮変形させる押圧変形作用部と、
該コンタクトレンズの前記中央光学部に変形阻止力を及ぼして展張状態に保持する展張保持作用部と、
を設けたことを特徴とするコンタクトレンズパッケージ。 - 前記展張保持作用部が、前記コンタクトレンズの前記中央光学部の外周側を拘束することで前記押圧変形作用部によって該コンタクトレンズの前記周辺部に及ぼされる押圧力による該中央光学部への変形の伝達を阻止する外周拘束部を含んで構成されている請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記展張保持作用部が、前記コンタクトレンズの前記中央光学部における表面および裏面の少なくとも一方の面に重ね合わされて該中央光学部の形状を規定する形状保持面を含んで構成されている請求項1又は2に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記展張保持作用部により、前記コンタクトレンズの前記中央光学部が表裏反転状態で保持されている請求項1〜3の何れか1項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記押圧変形作用部が、レンズ軸方向の高さが周方向で変化する押圧面を備えている請求項1〜4の何れか1項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
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