JP2016179837A - コンタクトレンズパッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】コンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態で収容したコンタクトレンズパッケージにおけるコンパクト性を損なうことなく、各ユーザー毎のコンタクトレンズの装着手順の相違等によって開封から装着までに要する時間が相違しても良好な装用感やハンドリング性能が安定して発揮され得る、改良された新規な構造のコンタクトレンズパッケージを提供すること。【解決手段】コンタクトレンズ12が載置されるリテーナプレート18におけるレンズ載置面42に開口して、コンタクトレンズパッケージ10の開封時に保存液20を貯留する有底の保水用凹部44を設けた。【選択図】図2
Description
本発明は、コンタクトレンズを保存液と共に収容して市場へ流通させる際に好適に用いられるコンタクトレンズパッケージに係り、特にソフトタイプのコンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態でコンパクトに収容したコンタクトレンズパッケージに関するものである。
コンタクトレンズは、レンズメーカーでの製造後にコンタクトレンズパッケージに密封状態で収容されて市場に流通され、販売店からユーザーに提供される。
ところで、含水性のソフトタイプのコンタクトレンズなどは、一般に、保存液と共にコンタクトレンズパッケージに密封状態で収容して提供される。かかるコンタクトレンズパッケージとしては、従来から、特開平7−322911号公報(特許文献1)や米国特許第4691820号公報(特許文献2)に記載されているように、硬質樹脂製の容器本体に形成された窪みに保存液とコンタクトレンズを収容してカバーフィルムで封止したブリスターパッケージが採用されている。
しかしながら、このような従来構造のブリスターパッケージは、コンタクトレンズを膨潤した非変形状態で保存液に浸漬して収容する窪みを充分な容積で形成しなければならなかった。それ故、パッケージのコンパクト化が難しいことに加えて、開封してコンタクトレンズを取り出した後に不要となる多量の保存液の処理にも困るという問題があった。また、多数のコンタクトレンズをストックしたり、複数のコンタクトレンズを持ち歩いたりする際に嵩張ってしまい、取り扱いに不便を感ずることも多かった。
そこで、本出願人は、先に特許第4586121号公報(特許文献3)において、コンタクトレンズを高さ方向(レンズ光軸方向)に押圧変形させて加圧状態で収容せしめた新規な構造のコンタクトレンズパッケージを提案した。かかるコンタクトレンズパッケージでは、コンタクトレンズを押圧変形させることで小さな収容領域へコンパクトに収容することができると共に、収容領域に充填される保存液も少なく設定することが可能になる。
ところが、このようにコンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態で収容したコンタクトレンズパッケージについて、本発明者が更なる実験や検討を加えた結果、各ユーザーのコンタクトレンズの使用状況によっては、装用感や取扱性(ハンドリング性能)が安定して発揮され難くなるおそれのあることが判ったのである。
本発明は上述の事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、コンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態で収容したコンタクトレンズパッケージであって、各ユーザー毎のコンタクトレンズの使用状況に拘わらず、良好な装用感やハンドリング性能が安定して発揮され得る、改良された新規な構造のコンタクトレンズパッケージを提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するために為されたものであって、特に、上述の如き装用感やハンドリング性能の低下が、レンズ装用に際しての作業手順がユーザー毎で相違することに起因しており、且つ、コンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態で収容したコンタクトレンズパッケージに特有の問題であることを、本発明者が新たに見い出したことに基づいて、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の第一の態様は、表側および裏側のパッケージ外装体の重ね合わせ面間に形成された密閉領域に、保存液と共にコンタクトレンズが高さ方向で押圧変形されて収容されたコンタクトレンズパッケージにおいて、前記コンタクトレンズよりも変形剛性が大きいリテーナプレートが、開封時に下側とされる前記裏側のパッケージ外装体の内面に配置されており、該リテーナプレートにおける前記表側のパッケージ外装体側の面に前記コンタクトレンズが載置されていると共に、該リテーナプレートにおける該コンタクトレンズの載置面において開封時に前記保存液を貯留する有底の保水用凹部が形成されていることを、特徴とするものである。
先ず、本発明者が確認したところ、ユーザーがパッケージを開封してからコンタクトレンズを手指で摘んで取り出すまでの作業が、ユーザー毎に大きく相違していることが新たに判った。このことは、コンタクトレンズの装用手順について、レンズパッケージに具体的に特定されていないことや、特定機関により標準的に指導されていないことにもよるが、装用手順がユーザー毎に相違することで、パッケージの開封時点からコンタクトレンズを取り出すまでに要する時間が、ユーザー毎で予想以上に異なっていたのである。
尤も、このようなユーザー毎の装用手順の相違等によるパッケージの開封からレンズ取出しまでに要する時間の相違は、特許文献1,2に記載の如きブリスターパッケージであれば、装用感やハンドリング性能に悪影響をもたらすものではなかった。ところが、コンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態で収容したコンタクトレンズパッケージでは、かかるユーザー毎の装用手順の相違等によるパッケージの開封からレンズ取出しまでに要する時間の相違が、特定のユーザーにおいて装用感やハンドリング性能を低下させる大きな原因となっていたことが、本発明者によって新たに知見され得たのである。
すなわち、ブリスターパッケージでは開封後もコンタクトレンズが保存液に浸漬状態とされるから、少なくとも数分間はコンタクトレンズが飽和膨潤状態に維持されるが、一方、コンタクトレンズを高さ方向に押圧変形させた状態で収容したコンタクトレンズパッケージでは、事情が異なる。コンタクトレンズを押圧変形させて収容したコンタクトレンズパッケージでは、そもそも保存液が少ないうえに、開封と同時にレンズ載置面から保存液が逃げ易く、コンタクトレンズが膨らむことで一層乾燥し易いこととなる。それ故、周囲の湿度や温度などの環境にもよるが、パッケージの開封後、コンタクトレンズの膨潤状態が無視できない程度に変化してしまうおそれのあることが、新たに判ったのである。
ここにおいて、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、先ずリテーナプレートで開封後のコンタクトレンズが安定して載置される面が構成されることとなり、且つ、かかる載置面上に開口する保水用凹部を設けて、コンタクトレンズが被さるように載置される面上に保存液を貯留させることで、パッケージ開封後のコンタクトレンズが保存液に対して晒され易くする状態を実現したのである。
このように、コンタクトレンズを押圧変形させて収容したコンタクトレンズパッケージにおいて、保存液の容量を著しく多くすることもなく、またパッケージのコンパクト性も十分に確保しつつ、パッケージ開封後のコンタクトレンズの乾燥の速さや程度を抑えることができ、その結果、ユーザー毎の装用手順の相違に拘わらずに良好な装用感やハンドリング性能がより安定して発揮され得ることとなる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記リテーナプレートには、厚さ方向に貫通する貫通孔が、前記保水用凹部とは別に形成されているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、保水用凹部での保存液の貯留作用による上述の如き効果に加えて、例えば製造工程で適宜に利用可能な貫通孔が設けられ得る。
かかる貫通孔は、リテーナプレートの軽量化や強度の調節などに利用できる他、例えば製造工程でリテーナプレートの裏面側から負圧吸引力を及ぼしてコンタクトレンズを吸引保持したり、表側のパッケージ外装体にコンタクトレンズとリテーナプレートを重ね合わせた状態でリテーナプレートの裏面側から保存液を滴下したりすること等も可能になり、製造工程や製造ラインの設計自由度の向上が図られ得る。また、かかる貫通孔は、例えばパッケージの開封時において、保水用凹部に貯留される以上に余剰となる保存液をリテーナプレート上から速やかに排除してリテーナプレート上の保存液量を調節することにより、コンタクトレンズを摘みやすくすることなどにも利用することが可能である。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記リテーナプレートが前記裏側のパッケージ外装体の内面に固着されているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、パッケージの開封前や開封後にリテーナプレートが位置ずれすることを防止できる。それ故、製造時においてリテーナプレート上にコンタクトレンズを精度良くセットできると共に、使用時においてユーザーがリテーナプレート上のコンタクトレンズを一層容易に摘まみ取ることも可能になる。
本発明の第四の態様は、前記第一〜三の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記リテーナプレートには、前記保水用凹部が相互に独立状態で複数形成されているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、リテーナプレートの載置面における保水用凹部の位置や数を適宜に調節することが可能である。それによって、例えばリテーナプレート上への保水液の貯留量を適切に設定することができるだけでなく、保存液をリテーナプレート上で分散的に貯留したり、限られた保存液量をコンタクトレンズの保水に好適な場所へ優先的に貯留したりすることも可能になる。
本発明の第五の態様は、前記第一〜四の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記保水用凹部が、前記コンタクトレンズの外周部分が重ね合わされる前記リテーナプレートの外周領域に形成されているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、周上の距離や面積が大きく確保され得るレンズ外周部分に対して保水用凹部に貯留された保存液による保水効果が及ぼされることで、パッケージ開封後のコンタクトレンズ乾燥抑制効果がより効果的に発揮され得る。なお、本態様の保水用凹部は、周方向で連続して延びる環状溝の形態で形成されても良いし、周上で分断された複数の溝や、周上に点在する複数の凹所などの適宜の形態で形成され得る。
本発明の第六の態様は、前記第一〜五の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記コンタクトレンズにおける凹状の内面側が前記リテーナプレートにおける前記載置面に重ね合わされているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、パッケージ開封時にコンタクトレンズにおける凸状の外面側がリテーナプレートから上方に向かって突出するように復元する。それ故、レンズ外面側を手指で摘み取り易く、また、レンズを持ち替えないでそのまま角膜上にレンズを重ねることでレンズ内面に触れることなく装用することも可能になる。
しかも、パッケージ開封後にリテーナプレート上でレンズが復元しても、レンズ外周縁部がリテーナプレート上に接した状態に保たれることで、レンズ中央部分も表面張力の作用で保存液に接した状態に保たれ易い。また、たとえレンズ中央部分がリテーナプレートから離れて上方に復元しても、レンズ外周縁部がリテーナプレートに接したドーム状となって内面からの水分拡散が効果的に抑えられ得る。
特に本態様を前記第五の態様と組み合わせて採用することで、パッケージ開封後にリテーナプレートに接する状態に保たれるレンズ外周縁部に対して、リテーナプレートの保水用凹部で貯留された保存液が一層効率的に作用し、コンタクトレンズの乾燥が抑えられ得る。
本発明の第七の態様は、前記第一〜六の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージにおいて、前記リテーナプレートを外周側に外れた領域で、前記表側および裏側のパッケージ外装体が相互に重ね合わされて固着されることにより前記密閉領域が封止されているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、リテーナプレートを挟んで表裏のパッケージ外装体を封止する場合に比して、リテーナプレートを小型化できると共に、密閉領域の封止加工に際してのリテーナプレートの変形等も防止されて、製品の品質向上も図られ得る。
本発明の第八の態様は、前記第一〜七の何れかの態様に係るコンタクトレンズパッケージであって、前記リテーナプレートの前記載置面において、前記コンタクトレンズが重ね合わされる領域を外周側に外れた部分を周方向に延びる外周突部が形成されているものである。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、リテーナプレートの外周に設けられた外周突部により、パッケージ開封後にリテーナプレート上に存在する保存液がリテーナプレートの載置面から外周へ流れ落ちて過剰に流失してしまうことを防止することができる。それ故、リテーナプレート上に保存液をより効果的に貯留することが可能となり、パッケージ開封後のコンタクトレンズの含水率維持が一層有利に図られ得る。
コンタクトレンズを押圧変形させて収容したコンタクトレンズパッケージでは、そもそも保存液が少ないうえに、開封と同時にレンズ載置面から保存液が逃げ易く、コンタクトレンズが膨らむことで一層乾燥し易いこととなる。それ故、周囲の湿度や温度などの環境にもよるが、パッケージの開封後、コンタクトレンズの膨潤状態が無視できない程度に変化してしまうおそれのあることが、新たに判ったのである。
ここにおいて、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズパッケージでは、コンタクトレンズを押圧変形させて収容したコンタクトレンズパッケージにおけるコンパクト性や収容保存液の少量化等の利点を損なうことなく、開封後のコンタクトレンズの乾燥を抑えることができる。それ故、ユーザー毎の装用手順の相違等に拘わらず、良好な装用感やハンドリング性能がより安定して発揮され得る状態で、コンタクトレンズを各ユーザーに提供することが可能になるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、コンタクトレンズパッケージに関する本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズパッケージ10が示されている。なお、図1及び図2(b)は開封状態を示すものであり、図示を判りやすくする目的で、コンタクトレンズ12を略原形に復した状態で示している。このコンタクトレンズパッケージ10は、袋状のパッケージ外装体14を有しており、パッケージ外装体14内には外部空間から遮断された密閉領域16が画成されている。また、密閉領域16にはリテーナプレート18が収容されており、コンタクトレンズ12が、リテーナプレート18の表面(図2中の上面)に重ね合わされて、密閉領域16に充填された保存液20で膨潤状態に保たれている。
より詳細には、パッケージ外装体14は、それぞれ変形容易な表側の外装シート22と裏側の外装シート24から構成されている。これら表裏一対の外装シート22,24は互いに重ね合わされており、それらの重ね合わせ面を連続した周上で溶着等して封止部26を設けることで、略中央部分の重ね合わせ面間に位置して外部空間から遮断された密閉領域16が形成されている。
なお、本実施形態の封止部26は、略矩形薄膜形状とされたパッケージ外装体14の長手方向一方の側に偏倚しており、長手方向他方の側には、非接着の表裏の外装シート22,24において手指で摘んで入力しやすい開封操作部が設けられている。また、かかる封止部26は、開封操作部側へ向かって嘴状に延びた形状とされており、嘴状の先端部から表裏の外装シート22,24が引き剥されることで、開封初期の引き剥がし抵抗力が小さくされて容易に開封できるようになっている。
また、パッケージ外装体14を構成する表裏の外装シート22,24には、硬質の樹脂フィルムやアルミニウム合金等の金属シート等を用いることも可能であるが、好適には薄肉で可撓性を有する軟質樹脂フィルムやアルミニウム層にポリプロピレン等の樹脂層を被着したラミネートフィルムなどが採用され得る。例えば、アルミニウム層の表面に保護及び装飾用のPET樹脂層を積層すると共に、アルミニウム層の裏面に熱溶着用のCPP樹脂層を積層したラミネートフィルムなどが好適に採用され得る。
特に、表裏の外装シート22,24には、外力に抗してパッケージ外装体を一定形状に保つための強度が要求されることもなく、取扱いや製造、開封等が容易な軟質のフィルム材料が好適に採用されることとなる。なお、表側の外装シート22と裏側の外装シート24を異なる形状や異なる材質とすることも可能であり、例えば裏側の外装シート24として、開封時に及ぼされる程度の外力では変形し難い程度の強度がある硬質樹脂シート等を用いることも可能である。
また、表裏の外装シート22,24は、全体又は部分的に透明であっても良い。少なくとも一部が無色又は有色の透明とされた外装シート22,24を採用することで、コンタクトレンズ12の収容状態などをパッケージの未開封状態下で目視で確認可能とすることも出来る。
更にまた、一枚の連続シートを略中央部分で折り返して重ね合わせることにより、表裏の外装シート22,24を一体的に構成することも可能である。
このように表裏の外装シート22,24は協働してパッケージ外装体14を構成するが、両シート22,24が互いに重ね合わされて封止部26で溶着等されることで袋構造とされる前に、両シート22,24の重ね合わせ面間において封止部26で囲まれた領域内に、リテーナプレート18とコンタクトレンズ12が重ね合わされて配置され、適量の保存液20と共に、密閉領域16内に収容されている。
かかるリテーナプレート18は、全体として薄板の略平板形状とされている。本実施形態では、略円板形状とされており、周りを囲んで設けられる封止部26の内周端縁より僅かに小さく、封止部26に対して周上の複数箇所で近接する大きさの外周端縁を有するリテーナプレート18が採用されている。また、本実施形態のリテーナプレート18は、その下面において重ね合わされる裏側の外装シート24に対して、複数箇所で溶着等により固着されて位置決めされている。
リテーナプレート18の外周縁部には、厚肉とされて周方向の全周に亘って連続して略一定断面形状で延びる外周厚肉部28が設けられている。外周厚肉部28で囲まれた内周部分は外周厚肉部28よりも薄肉とされており、且つ、厚さ方向の表裏両側において外周厚肉部28の先端部よりも外方には実質的に突出しない形状とされている。
また、外周厚肉部28の内周側に隣接する位置には、表側外周溝30と裏側外周溝32が形成されており、表側外周溝30よりも裏側外周溝32が僅かに内周側に位置している。そして、これら表側外周溝30と裏側外周溝32の底部間において、外周厚肉部28の内周側を波形断面で全周に亘って延びる湾曲縁部38が形成されている。更に、かかる湾曲縁部38で囲まれた内周側に、略円板形状のレンズ載置部40が形成されている。
本実施形態では、リテーナプレート18の外周部分に形成された上記外周厚肉部28と湾曲縁部38によって、リテーナプレート18の形状保持力や剛性、弾性力が適切に設定されている。また、表側外周溝30と裏側外周溝32によって、コンタクトレンズ12の収容領域を外周側に外れた領域でも、保存液20を収容して封入液量の確保や調節を図ることが可能とされている。
さらに、リテーナプレート18の中央部分に形成されたレンズ載置部40は、外周厚肉部28の厚さの範囲内で中央に向かって次第に浅底となる逆向きの略皿形状乃至は低い略ドーム形状とされている。特に本実施形態では、レンズ載置部40の肉厚寸法が外周部分から中央に向かって次第に薄肉とされて、剛性や強度、弾性が前面に亘って調節されていると共に、レンズ載置部40の表裏両側における保存液20の封入液量の確保や調節が図られている。
そして、レンズ載置部40の表面によって、コンタクトレンズ12を載置状態で保持せしめるレンズ載置面42が構成されている。また、レンズ載置面42の外周部分には、周方向の全周に亘って連続して延びる環状溝の形態をもって保水用凹部44が形成されている。保水用凹部44の最深部の底面は、レンズ載置面42の中で最も低い位置に設定されている。
図2に示されているように、本実施形態では、かかるレンズ載置面42に対して、コンタクトレンズ12が、凹状の内面46側で重ね合わされるようにして載置されている。かかる載置状態で、コンタクトレンズ12のエッジ部が保水用凹部44の略最深部に位置するように、コンタクトレンズ12の外径(DIA)に応じて保水用凹部44の径寸法が設定されている。これにより、レンズ載置面42に載置されたコンタクトレンズ12を外周側に外れて近接位置する部分には、リテーナプレート18の裏側外周溝32の底部によって形成された環状の外周突部48が設けられている。保水用凹部44の外周壁も構成する外周突部48の存在により、レンズ載置面42に載置されたコンタクトレンズ12がレンズ載置面42の略中央に位置決め保持されて不用意な位置ずれが防止されるようになっている。
また、本実施形態では、図3に示されているように、リテーナプレート18におけるレンズ載置部40の中心に位置して比較的大径の中央貫通孔50が形成されている。更にまた、レンズ載置部40の径方向中間部分には、小径の周辺貫通孔52が周上で略均等に分散位置して複数形成されている。これら中央貫通孔50と周辺貫通孔52は、レンズ載置部40の外周部分に形成された保水用凹部44とは別に、レンズ載置部40を厚さ方向に貫通して形成されている。即ち、保水用凹部44の実質的な底部には、中央貫通孔50や周辺貫通孔52が形成されておらず、中央貫通孔50や周辺貫通孔52の上側開口が保水用凹部44の少なくとも最深部の底面よりも高い位置に設けられることで、保水用凹部44において保存液の所定量の貯留が確保されている。
ところで、上述の如き構造とされたリテーナプレート18の材質は、特に限定されるものでなく、製作性やコスト、安定性や強度等を考慮して、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成樹脂材料が好適に採用され得る。特に、コンタクトレンズパッケージ10の全体サイズをコンパクトにするために、リテーナプレート18は、例えば0.2〜3.0mm程度の厚さ寸法を有することが望ましいが、材質や要求される強度等に応じて適宜の厚さ寸法が設定され得る。
また、リテーナプレート18には、コンタクトレンズパッケージ10の携帯に際して予想される外力に抗し、収容されたコンタクトレンズ12を略安定形状に保持し得ると共に、コンタクトレンズパッケージ10の開封操作や開封後のコンタクトレンズ12の保持状態およびハンドリング操作などを容易に行うことができるように、ある程度の剛性や強度が設定される。具体的には、リテーナプレート18に対してコンタクトレンズ12よりも大きな変形剛性が設定されることとなり、好適には表側外装シート22よりも変形剛性が大きく設定され、より好適には表裏の両外装シート22,24よりも変形剛性が大きく設定される。
このような構造とされたリテーナプレート18は、そのレンズ載置面42に対して膨潤状態のコンタクトレンズ12が重ね合わされた状態で表裏の外装シート22,24間に位置せしめられ、リテーナプレート18の外周を取り囲む封止部26で表裏外装シート22,24が固着されることにより、密閉領域16内に所定量の保存液20と共に収容されることとなる。
なお、パッケージ内に封入される保存液20は、従来から公知のとおり収容するコンタクトレンズ12の材質等に応じて、適宜に選定され得る。更にまた、パッケージ外装体14を封止した後、必要に応じて紫外線や電磁波、加熱等による殺菌処理が施され得る。
そして、上述の如きパッケージ外装体14におけるコンタクトレンズ12の収容状態では、図2(a)に示されているように、表裏の外装シート22,24が、リテーナプレート18の両面に重ね合わされてそれぞれ所定の張力を与えられた展張状態で、密閉領域16に被せられている。これにより、リテーナプレート18のレンズ載置面42に対して平置き状態で載置されたコンタクトレンズ12に対して、リテーナプレート18と表側の外装シート22との間で、レンズ光軸方向(高さ方向)への押圧力が及ぼされる。その結果、コンタクトレンズ12が、高さ方向で押しつぶされて高さ寸法が小さくされた押圧変形状態でコンタクトレンズパッケージ10内に収容されている。
なお、レンズ載置面42におけるコンタクトレンズ12の平置き状態とは、コンタクトレンズ12の光軸がレンズ載置面42に略直交する載置状態を言う。かくの如く、コンタクトレンズ12が高さ方向に押圧変形された圧縮状態で収容されていることから、コンタクトレンズを非圧縮の浮遊状態(平衡状態)で浸漬保存せしめた従来構造のブリスターパッケージに比して、パッケージサイズを大幅に小さくできる。しかも、コンタクトレンズ12は、剛性が大きいリテーナプレート18上に載置されて保持されていることから、パッケージ外装体14の外部から及ぼされる外力などに対してコンタクトレンズ12が効果的に保護された状態で保存され得ることとなる。
ところで、リテーナプレート18やコンタクトレンズ12、保存液20を収容せしめて密閉領域16を封止する具体的な製造工程は何等限定されるものでない。
例えば表裏の外装シート22,24を重ね合わせて封止部26の3辺を溶着することで全体として一方向に開口する袋状体とし、かかる袋状体の内部にコンタクトレンズ12を載置したリテーナプレート18を収容配置すると共に、上方から所定量の保存液を注入した後に、封止部26の残り1辺を溶着して密閉領域16を画成することも可能である。
また、例えば水平状態で支持せしめた表裏の外装シート22,24の一方に対して、リテーナプレート18とコンタクトレンズ12を重ね合わせてセットし、かかる表裏の外装シート22,24の一方におけるリテーナプレート18の載置領域の全体を僅かに窪ませてから上方より所定量の保存液20を滴下せしめた後、表裏の外装シート22,24の他方を被せて重ね合わせ、封止部26で溶着することにより密閉領域16を画成するようにしても良い。
更にまた、表裏の外装シート22,24の一方に対して、重ね合わせたリテーナプレート18を予めスポット的に溶着等で固着して位置決めすることも可能であり、それによって、例えば他工程への搬送やコンタクトレンズ12のセット、保存液20の注入などに際してのリテーナプレート18の位置ずれを防止することも可能になる。
そのような各種の製造工程において、本実施形態のリテーナプレート18では、貫通孔50,52が形成されていることから、例えばリテーナプレート18の一方の側へだけ保存液20を供給する場合でも、貫通孔50,52を通じて、リテーナプレート18の他方の側へも保存液を行きわたらせることができる。また、例えばリテーナプレート18のレンズ載置面42にコンタクトレンズ12を重ね合わせた状態で次工程場所へ搬送等する場合など、リテーナプレート18を裏面側から負圧で吸着保持するに際して、貫通孔50,52を通じて、リテーナプレート18の表面側に載置されたコンタクトレンズ12にまで負圧を及ぼして併せて吸着保持せしめることも可能となる。
また、上述の如き構造とされたコンタクトレンズパッケージ10は、ユーザーによるコンタクトレンズ12の使用に際して、表裏の外装シート22,24を開封操作部においてそれぞれ手指で摘んで引き離すことで、図2(b)に示されているように開封される。かかる開封で、表側の外装シート22でコンタクトレンズ12へ及ぼされていた押圧力が解除されることにより、コンタクトレンズ12は、押しつぶされて変形された状態から、その弾性に基づいて球冠形状の原形に復すように変形することとなる。なお、図2(b)には、判りやすいように球冠状の略原形に近い形状まで復元したコンタクトレンズ12が示されているが、保存液の表面張力等の作用もあって開封時にコンタクトレンズ12の変形状態が残存しやすいことは理解されるところである。
ここにおいて、コンタクトレンズパッケージ10の開封に伴って、密閉領域16に収容されていた保存液20は、リテーナプレート18の貫通孔50,52を通過して下方に流下したり、リテーナプレート18の外周厚肉部28を乗り越えたりして、レンズ載置面42から流失することもある。しかし、リテーナプレート18には、レンズ載置面42の外周部分に、貫通孔50,52が開口していない保水用凹部44が形成されていることから、開封後にも、かかる保水用凹部44には保存液20が貯留されることで、レンズ載置面42上に所定量が残存され得る。
それ故、開封後にも、コンタクトレンズ12が保存液20に直接に又は近接して間接的に晒される状態が維持されることとなり、コンタクトレンズ12の急激な乾燥が抑えられ得る。特に本実施形態では、コンタクトレンズ12が凹状の内面46をレンズ載置面42に向けた平置状態で載置されていることから、開封後にコンタクトレンズ12が原形に復する方向へ所定量だけ変形した場合でも、コンタクトレンズ12のエッジ部が保水用凹部44に入り込んで接した状態に維持されやすく、保水用凹部44内で保存液20との直接の接触状態に保たれる。また、コンタクトレンズ12の中央部分は、レンズ載置面42上で原形に復する方向へ膨らんだ場合でも、下方の開口をリテーナプレート18で閉じた状態となって外気への直接の開放が回避されることから、水分の蒸発量がより効果的に抑えられ得る。
このようにして、開封後にコンタクトレンズ12の保存液20への接触が維持されることにより、開封から手指で摘んで角膜上に装着するまでの時間が、ユーザー毎の個人差で異なった場合でも、コンタクトレンズ12の装用感やハンドリング性能が良好に維持され得るのである。
すなわち、本発明者が調査したところ、パッケージを開封したあと直ちにコンタクトレンズを摘んで装着するユーザーは略半数に止まることが明らかになった。具体的には、10代,20代,30代の男女各100名(合計600名)のソフトコンタクトレンズユーザーを調査したところ、片方ずつ開封して装着する者と両方まとめて開封してから装着する者は略半数ずつであり、少なくとも両方まとめて開封する略半数のユーザーについては、開封したあと直ちにコンタクトレンズを摘んで装着するとはいえない状況が明らかになった。また、パッケージ開封後に3分以上を経過してからレンズを摘んで装着するユーザーも、数%が存在している事実が明らかになった。
一方、含水性のソフトコンタクトレンズは、含水率によって形状が変化し易く、形状変化に伴って、角膜に重ね合わされる後面アール形状や光学特性なども変化することから、装用直後の見え方を含む装用感に違和感を覚えやすくなる。また、含水率によってレンズの物性も変化することから、例えば局所的に含水率が異なることに伴う内部応力の発生も関係して、亀裂などの損傷が発生しやすくなるおそれもあるし、レンズが手指から脱落しやすくなったり手指から角膜へのレンズの受け渡しが難しくなるなどしてハンドリング性が低下するおそれもある。
特に少ない保存液と共にコンタクトレンズを押圧変形状態で収容するコンタクトレンズパッケージでは、開封後にも保存液への浸漬状態にレンズが維持されるブリスターパッケージに比して、開封と同時にコンタクトレンズの保存液への浸漬状態がなくなることから、開封後の数分の経過では勿論、たとえ僅かな時間の経過でも、装用感やハンドリング性の低下が発生するおそれがある。
このような状況下、上述の如き構造とされたコンタクトレンズパッケージ10では、開封後にもコンタクトレンズ12の保存液20への接触が効果的に維持されて、コンタクトレンズ12の急激な乾燥が抑えられることから、コンタクトレンズ12を押圧変形状態で少ない保存液20と共に収納したコンパクト性の利点を維持しつつ、コンタクトレンズ12の良好な装用感やハンドリング性能を、ユーザー毎の開封から装用までの取り扱いの手順などの相違などに拘わらず安定して得ることが可能になるのである。
また、本実施形態では、コンタクトレンズ12のエッジ部が全周に亘って保水用凹部44内で保存液20へ接触状態に維持されることから、コンタクトレンズ12の局所的な乾燥が回避されることとなり、局所的な乾燥に伴ういびつな変形や亀裂の発生が一層効果的に防止され得る。
更にまた、本実施形態のレンズ載置面42は、周辺部から中央に向かって次第に高くなる傾斜形状とされていることから、載置されたコンタクトレンズ12を手の指先で一層摘みやすくされている。これにより、コンタクトレンズ12をレンズ載置面42から摘まみ取るに際してのハンドリング性能の向上やレンズ損傷の防止がより有効に達成され得るのである。
ところで、図1〜3の実施形態では、リテーナプレート18のレンズ載置面42において、外周部分を全周に亘って連続して延びる環状溝の如き保水用凹部44を例示したが、本発明において採用される保水用凹部はそのような形態に限定されない。底部に貫通孔が開口形成されないで保存液20を貯留し得る各種態様の保水用凹部が、コンタクトレンズ12の材質や、要求される保水性能などに応じて、適切な大きさや位置、数などをもって任意に採用され得る。また、リテーナプレート18における貫通孔50,52は必須のものでないが、それを設ける場合には、前記実施形態に限定されることなく、例えば採用される製造ラインの設備や工程などを考慮して、適切な大きさや位置、数などをもって適宜に形成され得る。
以下、保水用凹部44や貫通孔50,52を有するリテーナプレート18の別態様の幾つかを、図4〜14を参照しつつ、例示するが、これらの例示態様や前記実施形態の記載によっても、本発明に採用される保水用凹部等は限定されるものでない。なお、図4〜14では、理解を容易とするために、前記実施形態に対応する各部位に同一の符号を付しておく。
先ず、前記実施形態の図3に示されているようにレンズ載置面42の外周部分を周方向に延びる環状形態で保水用凹部44を設ける他、例えば図4に示されているように、レンズ載置面42を径方向に延びる形態で保水用凹部44を設けても良い。また、かかる径方向に延びる保水用凹部44を、周方向に所定間隔で複数本(図4では4本)設ける場合には、例えば図5に示されているように、周方向で隣り合う保水用凹部44,44間において、円形等の適宜の形状で独立した保水用凹部44を追加的に設けても良い。なお、図4,5では、保水用凹部44が全周に亘って連続していないことから、保水用凹部44が形成されていない領域では、周辺貫通孔52が、レンズ載置面42の外周縁近くにまで形成されている。尤も、これら周辺貫通孔52は、各保水用凹部44とは異なる位置に設けられて保水用凹部44における保存液の貯留性能が確保されている。
また、前記実施形態の図3に示されているようにレンズ載置面42の外周部分を周方向に延びる環状形態で保水用凹部44を設ける場合でも、保水用凹部44の断面形状を任意に設定することが可能である。例えば図6(a),(b)に示されているように、略矩形の断面形状で周方向に延びる保水用凹部44や、図6(c)(平面は図6(a)と同様)に示されているように、略三角形の断面形状で周方向に延びる保水用凹部44も適宜に採用可能である。
更にまた、レンズ載置面42の外周部分に保水用凹部を設けるに際しても、周上で分断された不連続の態様で複数の保水用凹部を設けても良い。例えば図7に示されているように、レンズ載置面42の外周部分を周方向に所定長さで円弧状に延びる溝形態の保水用凹部44を、周上で所定距離を隔てて配することも可能であり、図8に示されているように、レンズ載置面42の外周部分を延びる円上で所定間隔を隔てて位置して、円形等の適宜の形状で複数の保水用凹部44を形成することも可能であるし、また、図9に示されているように、図7の円弧溝状の保水用凹部44と図8の独立凹所状の保水用凹部44とを組み合わせて採用することも可能である。なお、図7〜9の(b),(c)は、何れも、保水用凹部44として採用可能な断面形状の別態様を格別に例示するものである。
さらに、図10に示されているように、上記図7に示された円弧溝状の保水用凹部44は、前記図4に示された径方向溝状の保水用凹部44などと組み合わせて採用することも可能である。
また、図11〜12に示されているように、レンズ載置面42において部分的に高い領域を形成して、そこに周辺貫通孔52を開口形成することで、相対的に低い底面をもって形成される保水用凹部44における保存液20の貯留性能が一層安定して発揮されるようにすることも可能である。即ち、図11,12では、レンズ載置面42の径方向中間部分を周方向に延びる領域が、レンズ載置面42の高さを上げた高底部54とされており、この高底部54に位置して周辺貫通孔52が形成されている。なお、保水用凹部44は、かかる高底部54を外れた領域に形成されており、図11では、レンズ載置面42の外周部分において前記図6と同様な円環状の保水用凹部44が形成されていると共に、図12では、レンズ載置面42の外周部分において前記図7と同様な円弧溝状の保水用凹部44が形成されている。
さらに、図3〜12に示されたリテーナプレート18では、レンズ載置面42の外周部分に保水用凹部44が形成されていたが、外周部分に代えて又は加えて中央部分や径方向中間部分に保水用凹部44を形成することも可能である。
具体的には、例えば図11(d)や図12(d)に示されているように、中央貫通孔50を形成しない態様において、レンズ載置面42の中央部分に保水用凹部44を形成しても良い。或いは、図13,14に示されているように、レンズ載置面42の径方向中間部分を周方向に延びる円環溝状の保水用凹部44(図13)や、円弧溝状の保水用凹部44(図14)などを採用することも可能である。
因みに、前述の如き実施形態のコンタクトレンズパッケージ10において、ユーザー毎の取り扱い手順などの相違に起因して発生する開封から装用までに要する時間の相違に拘わらず良好な装用感やハンドリング性能が安定して発揮されるといった技術的効果が発揮されることについて、その根拠をより明らかにする目的で、以下に示す第一及び第二の実験を行った。
[第一の実験]
第一の実験として、開封後のコンタクトレンズにおける保水量の確保(乾燥の抑制)を確認する実験を行った。
第一の実験として、開封後のコンタクトレンズにおける保水量の確保(乾燥の抑制)を確認する実験を行った。
すなわち、実施例1として、図3(a),(b)に示す構造のリテーナプレート18を採用し、大気中にて膨潤状態のコンタクトレンズを載置せしめて、レンズ重量(含水量)の時間経過を30秒ごとに測定した。また、実施例2として、図6(a),(b)に示す構造のリテーナプレート18を採用し、実施例1と同一条件下で、レンズ重量(含水量)の時間経過を測定した。なお、比較例として、実施例1のリテーナプレート18において、レンズ載置面42の中央から最外周部分に至る全体に亘って周辺貫通孔52を形成することで実質的に保水用凹部を消失せしめたものを採用し、実施例1,2と同一条件下で、レンズ重量(含水量)の時間経過を測定した。
実施例1,実施例2の測定結果を、比較例と併せて、図15に示す。図15の測定結果から、本発明に従う保水用凹部44を備えたリテーナプレート18では、大気中に開放された開封状態と略同じ環境下において、保水用凹部44を有しない比較例に比し、コンタクトレンズの保水量が長い時間に亘って効果的に維持され得ることがわかる。
また、実施例1と実施例2の測定結果の比較から、保水用凹部44の容積(保水量)を多く確保した方が、コンタクトレンズの保水量の維持には、より有効であると考えられる。
[第二の実験]
第二の実験として、含水性のソフトタイプのコンタクトレンズについて、含水量の変化とコンタクトレンズの形状変化との関係を確認する実験を行った。
第二の実験として、含水性のソフトタイプのコンタクトレンズについて、含水量の変化とコンタクトレンズの形状変化との関係を確認する実験を行った。
すなわち、含水性のソフトコンタクトレンズとしてメニコン株式会社製のメニコン1DAY フラットパック(商品名)を用い、膨潤状態にあるレンズの表面の水分を拭き取ってから、凹状のレンズ内面を上に向けて、円形の支持面上にレンズ中央の略1/3の領域だけが接触する状態で載置した後、上方から所定量の生理食塩水をレンズ内面に滴下し、大気中での保水量の低下に伴うレンズ直径(DIA)の変化を30秒ごとに測定した。
レンズ内面に滴下する生理食塩水の量を0〜0.20gの範囲で異ならせた6種類について、他の条件を同一にして測定した結果を、図16に示す。図16の測定結果から、初期に与えられる水分量が多いほど、時間経過に伴うレンズ形状変化(DIA変化)の量が抑えられることが判る。また、初期に水分量が与えられていても少ない場合(具体的には0.08g以下の場合)には、初期に滴下水分が与えられていない場合(0gの場合)と殆ど変わらず、開封後早い時間でレンズ形状変化が発生してしまうことが認められる。
従って、第二の実験の結果から、コンタクトレンズを押圧変形状態で少ない保存液と共に収納したコンタクトレンズパッケージでは、パッケージ開封から装用に至るまでの間で、コンタクトレンズの変形などを抑えて良好な装用感やハンドリング性能を確保するために、開封時においてコンタクトレンズを含水状態に保つ保存液量を確保することが有効であると確認できた。そして、第一の実験の結果から、コンタクトレンズを押圧変形状態で少ない保存液と共に収納したコンタクトレンズパッケージにおいて、開封時においてコンタクトレンズを含水状態に保つ保存液量を確保するには、リテーナプレート18に保水用凹部44を設けた本発明構造が有意義であることを確認することができた。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでない。例えば、リテーナプレート18のレンズ載置面42は、前記実施形態のように外周部分から中央に向かって次第に上方に突出するテーパ面とされている必要はなく、略平坦なレンズ載置面42を採用することも可能であり、平坦なレンズ載置面42に開口する凹所形態をもって保水用凹部が形成され得る。
また、リテーナプレート18は、裏側の外装シート24に対して部分的に固着されていても良いし、厚肉とされた外周突部48の裏面が全体に亘って外装シート24に重ね合わされて固着されていても良い。外周突部48の裏面を全体に亘って外装シート24に固着することで、リテーナプレート18のレンズ載置面42から貫通孔50,52を通じて下方に流下した保存液が外装シート24の外部へ漏れ落ちてしまうことを防止することもできるし、また、リテーナプレート18の外周端縁が薄いエッジ状となっていても、外装シート24から浮き上がって不用意に傷つけてしまうことなども回避され得る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:コンタクトレンズパッケージ、12:コンタクトレンズ、14:パッケージ外装体、16:密閉領域、18:リテーナプレート、20:保存液、22:外装シート(表側)、24:外装シート(裏側)、26:封止部、42:レンズ載置面、44:保水用凹部、46:凹状の内面(レンズ)、48:外周突部、50:中央貫通孔、52:周辺貫通孔
Claims (8)
- 表側および裏側のパッケージ外装体の重ね合わせ面間に形成された密閉領域に、保存液と共にコンタクトレンズが高さ方向で押圧変形されて収容されたコンタクトレンズパッケージにおいて、
前記コンタクトレンズよりも変形剛性が大きいリテーナプレートが、開封時に下側とされる前記裏側のパッケージ外装体の内面に配置されており、該リテーナプレートにおける前記表側のパッケージ外装体側の面に前記コンタクトレンズが載置されていると共に、
該リテーナプレートにおける該コンタクトレンズの載置面において開封時に前記保存液を貯留する有底の保水用凹部が形成されていることを特徴とするコンタクトレンズパッケージ。 - 前記リテーナプレートには、厚さ方向に貫通する貫通孔が、前記保水用凹部とは別に形成されている請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記リテーナプレートが前記裏側のパッケージ外装体の内面に固着されている請求項1又は2に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記リテーナプレートには、前記保水用凹部が相互に独立状態で複数形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記保水用凹部が、前記コンタクトレンズの外周部分が重ね合わされる前記リテーナプレートの外周領域に形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記コンタクトレンズにおける凹状の内面側が前記リテーナプレートにおける前記載置面に重ね合わされている請求項1〜5の何れか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記リテーナプレートを外周側に外れた領域で、前記表側および裏側のパッケージ外装体が相互に重ね合わされて固着されることにより前記密閉領域が封止されている請求項1〜6の何れか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
- 前記リテーナプレートの前記載置面において、前記コンタクトレンズが重ね合わされる領域を外周側に外れた部分を周方向に延びる外周突部が形成されている請求項1〜7の何れか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
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