JPWO2012124294A1 - フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法 - Google Patents

フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法 Download PDF

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Abstract

本発明にかかるフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法では、被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子112、114および115によって形成される2個の第1および第2光路を備え、これら2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合にこれら2個の第1および第2光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した前記配置状態において前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計11が用いられる。このような構成のフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法は、有位相差干渉計11が用いられるため、従来の位相補償板を備えた干渉計によるインターフェログラムに較べて、その振幅の大きさ(レベル)が小さくなるから、1個のAD変換器でもインターフェログラムのゼロレベル付近における微小な信号もより高分解能で検出することができる。

Description

本発明は、分光計および分光方法に関し、特に、フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法に関する。
分光計は、測定対象の被測定光のスペクトルを測定する装置であり、その1つに干渉計で被測定光の干渉光を測定し、この測定結果をフーリエ変換することによって、被測定光のスペクトルを求めるフーリエ変換型分光計がある。このフーリエ変換型分光計は、例えば、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示のフーリエ分光器は、光源から放射される被測定光の干渉光を射出する干渉計と、前記干渉計から射出される干渉光の光強度を検出する光検出器と、前記光検出器の出力をアナログ信号からディジタル信号へ変換するアナログ−ディジタル変換器(AD変換器)と、前記AD変換器の出力をフーリエ演算処理を行うことによって前記被測定光の分光スペクトルを求める演算処理回路とを備えて構成される。このようなフーリエ分光器では、前記干渉計の出力(前記光検出器の出力、前記AD変換器の出力)は、前記光源から放射された複数の波長の光が前記干渉計によって一括で干渉された合成波形であり、インターフェログラムと呼ばれ、所定の範囲で1または複数の急峻なピークを持つと共に残余の範囲では略ゼロレベルとなるプロファイルとなる。この1または複数の急峻なピークのうちの中央のピークは、センターバーストと呼ばれる。このセンターバーストで前記AD変換器を飽和させないために、前記AD変換器のフルスパンを前記センターバーストに設定すると、測定結果は、前記AD変換器の大きなノイズを含んでしまう。そこで、前記特許文献1に開示のフーリエ分光器は、1つのAD変換器でゼロ付近の微小信号を検出する一方、他のAD変換器でセンターバースト部分の変動を非飽和で検出しこれらの信号を合成することによって、前記AD変換器のノイズを低減している。
このように前記特許文献1に開示のフーリエ分光器では、2個のAD変換器が必要であり、そして、各出力を合成する場合にタイミングを合わせる必要もある。
特開平09−005160号公報
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、1個のAD変換器でもインターフェログラムのゼロレベル付近における微小な信号もより高分解能で検出することができるフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法を提供することである。
本発明にかかるフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法では、被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子によって形成される2個の第1および第2光路を備え、これら2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合にこれら2個の第1および第2光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した前記配置状態において前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計が用いられる。このような構成のフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法は、有位相差干渉計が用いられるため、従来の位相補償板を備えた干渉計によるインターフェログラムに較べて、その振幅の大きさ(レベル)が小さくなるから、1個のAD変換器でもインターフェログラムのゼロレベル付近における微小な信号もより高分解能で検出することができる。
実施形態におけるフーリエ変換型分光計の構成を示すブロック図である。 実施形態のフーリエ変換型分光計における主に干渉計の構成を示す図である。 実施形態のフーリエ変換型分光計における位置測定用光源から放射されるレーザ光のスペクトルを示す図である。 実施形態のフーリエ変換型分光計における包絡線検波部の構成を示す回路図である。 実施形態のフーリエ変換型分光計における干渉計の構成、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)および位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を説明するための図である。 一例として、実測した被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示す図である。 一例として、実測した位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を示す図である。 従来のフーリエ変換型分光計におけるマイケルソン干渉計の構成、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)および位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を説明するための図である。 従来例として、実測した被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示す図である。 従来例として、実測した位置測定用光源のレーザ光の干渉波形を示す図である。 半透鏡で生じる位相ずれを示す図である。 半透鏡で生じる位相ずれを位相補償した場合における位相を示す図である。 インターフェログラムと窓関数との関係を示す図である。 実施形態のフーリエ変換型分光計における第2態様の干渉計の構成、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)および位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を説明するための図である。 実施形態のフーリエ変換型分光計における第3態様の干渉計の構成を示す図である。 レーザ光の干渉光における包絡線に基づいてセンターバーストの位置を求める第2態様の方法を説明するための図である。 レーザ光の干渉光における包絡線に基づいてセンターバーストの位置を求める第3態様の方法を説明するための図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態におけるフーリエ変換型分光計の構成を示すブロック図である。図2は、実施形態のフーリエ変換型分光計における主に干渉計の構成を示す図である。図3は、実施形態のフーリエ変換型分光計における位置測定用光源から放射されるレーザ光のスペクトルを示す図である。図3の横軸は、波数(1/波長)であり、その縦軸は、振幅の大きさである。図4は、実施形態のフーリエ変換型分光計における包絡線検波部の構成を示す回路図である。
実施形態にかかるフーリエ変換型分光計Dは、測定対象の被測定光のスペクトルを測定する装置であって、前記被測定光を干渉計で測定し、この測定した被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)をフーリエ変換することによって被測定光のスペクトルを求める装置である。このようなフーリエ変換型分光計Dは、例えば、図1および図2に示すように、測定対象物体SMから放射された光(被測定光)が入射され、前記被測定光の干渉光を射出する干渉計11と、干渉計11で得られた被測定光の干渉光を受光して光電変換によって被測定光の干渉光の波形の電気信号(被測定光の干渉光における光強度変化を表す電気信号)を出力する受光処理部20と、干渉計11の移動鏡115の位置を検出する位置検出処理部30と、制御演算部41と、入力部42と、出力部43とを備えている。測定対象物体SMは、自発光する光源であってよく、また、他の光源から放射された光が照射され、前記光を反射、透過または再放射(例えば蛍光発光等)することによって光を放射するものであってもよい。
干渉計11は、測定対象の被測定光が入射され、この入射された被測定光を2個の第1および第2被測定光に分岐し、これら分岐した第1および第2被測定光のそれぞれを、互いに異なる2個の経路である第1および第2光路のそれぞれに進行(伝播)させ、再び合流させるものであり、この分岐点(分岐位置)から合流点(合流位置、干渉位置)までの間に第1および第2光路間に光路差があると、前記合流の際に位相差が生じているため、前記合流によって干渉縞を生じるものである。干渉計11は、例えばマッハツェンダー干渉計等の種々のタイプの第1および第2光路を備える干渉計を利用することができるが、本実施形態では、図2に示すように、マイケルソン干渉計によって構成されている。
より具体的には、図2に示すように、干渉計11は、複数の光学素子として半透鏡(ハーフミラー、ビームスプリッタ)112と、固定鏡114と、光軸方向に移動する移動鏡115とを備え、固定鏡114と移動鏡115とは、各鏡面の各法線が互いに直交するようにそれぞれ配置され、半透鏡112は、その法線が前記固定鏡114および移動鏡115における各法線の直交点を通り、これら各法線に対し45度の角度で交差するように配置される。この干渉計11において、干渉計11に入射された被測定光は、半透鏡112で2個の第1および第2被測定光に分岐する。この分岐した一方の第1被測定光は、半透鏡112で反射されて固定鏡114に入射する。この第1被測定光は、固定鏡114で反射し、来た光路を逆に辿って再び半透鏡112に戻る。一方、この分岐した他方の第2被測定光は、半透鏡112を通過して移動鏡115に入射する。この第2被測定光は、移動鏡115で反射し、来た光路を逆に辿って再び半透鏡112に戻る。これら固定鏡114で反射された第1被測定光および移動鏡115で反射された第2被測定光は、半透鏡112で互いに合流して干渉する。このような構成のマイケルソン干渉計11では、被測定光は、移動鏡115の鏡面における法線方向に沿って干渉計11へ入射され、被測定光の干渉光は、固定鏡114の鏡面における法線方向に沿って干渉計11から射出される。
なお、移動鏡115は、好ましくは、平行板バネを利用した、反射面が並進移動する構成であってよい。この平行板バネ構造の移動鏡115では、鏡面を移動する駆動力を外部から与える図略のアクチュエータを備えており、反射面(鏡面)が共振するような駆動信号が前記アクチュエータに与えられる。このような平行板バネ構造が有する並進性を利用した移動鏡115では、非駆動時(静止時)における移動鏡115の位置は、移動(振動)の中心となり、静止時の基準位置となるから、移動鏡115側に分岐された光路長の基準位置となる。したがって、平行板バネの静止時における反射面の位置は、「固定鏡114側の光路長と移動鏡115側の光路長とが、仮に同一の媒質で形成されている場合に、これら2個の光路差がゼロ(0)になるように光学素子を配置した場合」の、移動鏡115側の光路の基準となる。
そして、本実施形態では、干渉計11は、被測定光を半透鏡112で2個の第1および第2被測定光に分岐する場合において、半透鏡112を透過した半透鏡112の透過側に配置される第1位相差板113をさらに備えている。すなわち、本実施形態では、半透鏡112を透過した第2被測定光は、第1位相差板113を介して移動鏡115へ入射され、移動鏡115で反射された第2被測定光は、第1位相差板113を介して再び半透鏡112へ入射される。第1位相差板113は、等方性の位相板であり、第1位相差板113の厚さと同じの距離を真空中または空気中で進行した光の位相に対し、第1位相差板113内を進行した光の位相にずれを生じさせるものである。後述の位相補償板CP、第2位相差板117および半透鏡112の透明基板も同様に機能するものである。
さらに、本実施形態では、測定対象物体SMから放射された被測定光を平行光で半透鏡112へ入射させるために、測定対象物体SMと半透鏡112との間の適宜な位置に、入射光学系として例えば両凸のコリメータレンズ111が配置され、半透鏡112で第1および第2被測定光を合流して干渉させることによって生じた被測定光の干渉光を集光して第1受光部21へ入射させるために、半透鏡112と第1受光部21との間の適宜な位置に、射出光学系として例えば両凸の集光レンズ116が配置されている。
図1に戻って、受光処理部20は、例えば、第1受光部21と、増幅部22と、アナログ−ディジタル変換部(以下、「AD変換部」と呼称する。)23とを備えている。第1受光部21は、干渉計11で得られた被測定光の干渉光を受光して光電変換することによって、被測定光の干渉光の光強度に応じた電気信号を出力する回路である。第1受光部21は、例えばInGaAsフォトダイオードおよびその周辺回路を備えて構成される赤外線センサ等である。増幅部22は、第1受光部21の出力を予め設定された所定の増幅率で増幅する増幅器である。AD変換部23は、増幅部22の出力をアナログ信号からディジタル信号へ変換(AD変換)する回路である。このAD変換のタイミングは、後述のゼロクロス検出部37から入力されたゼロクロスタイミングで実行される。
また、位置検出処理部30は、例えば、位置測定用光源31と、第2受光部36と、ゼロクロス検出部37と、包絡線検波部38とを備えている。そして、位置検出処理部30は、この位置測定用光源31から放射されたレーザ光の干渉光を干渉計11で得るために、図2に示すように、コリメータレンズ32と、半透鏡33と、半透鏡34と、集光レンズ35とをさらに備えている。
位置測定用光源31は、予め設定された所定の線幅を持つレーザ光を放射する光源装置である。位置測定用光源31は、例えば、所定の線幅を持つレーザ光を放射する半導体レーザを備えて構成される。また例えば、位置測定用光源31は、単色レーザ光を放射するレーザ装置と、前記レーザ装置から放射された単色レーザ光を高周波重畳する高周波重畳装置とを備え、単色レーザ光を高周波重畳ことによって前記所定の線幅を持つレーザ光を放射するものである。前記所定の線幅は、干渉計11によって得られたレーザ光の干渉光における振幅の大きさが干渉計11の移動鏡115の移動に従って変化する程度の波長幅(周波数幅)である。なお、レーザ光が輝線である場合には、このレーザ光の干渉光における振幅の大きさが干渉計11の移動鏡115の移動によって変化しない。このような所定の線幅を持つレーザ光は、一例を挙げると、図3に示すように、中心波数15151.52/cmに対し半値幅(FWHM)2.3/cmであるガウス型のプロファイルを持つ。
図2において、コリメータレンズ32および半透鏡(ハーフミラー、ビームスプリッター)33は、位置測定用光源31から放射されたレーザ光を平行光で干渉計11へ入射させるための入射光学系である。半透鏡33は、その法線が移動鏡115の法線(光軸)に対し45度で交差するように、コリメータレンズ111と半透鏡112との間に配置される。コリメータレンズ32は、例えば両凸のレンズであり、このように配置された半透鏡33に対し45度の入射角で位置測定用光源31から放射されたレーザ光が入射されるように、適宜な位置に配置される。そして、半透鏡(ハーフミラー、ビームスプリッター)34および集光レンズ35は、干渉計11で生じた前記レーザ光の干渉光を干渉計11から取り出すための射出光学系である。半透鏡34は、その法線が固定鏡114の法線(光軸)に対し45度で交差するように、半透鏡112と集光レンズ116との間に配置される。集光レンズ35は、例えば両凸のレンズであり、このように配置された半透鏡34において45度の射出角で射出されるレーザ光の干渉光を集光して第2受光部36へ入射させる。なお、半透鏡33は、レーザ光を反射するとともに被測定光を透過するダイクロイックミラーであってもよく、半透鏡34は、レーザ光の干渉光を反射するとともに被測定光の干渉光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。
このようにコリメータレンズ32、半透鏡33、34および集光レンズ35の各光学素子が配置されると、位置測定用光源31から放射された前記所定の線幅を持ったレーザ光は、コリメータレンズ32で平行光とされ、その光路が半透鏡33で約90度曲げられて、干渉計11の光軸(移動鏡115の鏡面における法線方向)に沿って進行するようになる。したがって、このレーザ光は、被測定光と同様に、干渉計11内を進行し、干渉計11でその干渉光を生じさせる。このレーザ光の干渉光は、半透鏡34で約90度曲げられて、干渉計11から外部に取り出され、集光レンズ35で集光されて第2受光部36で受光される。
図1に戻って、第2受光部36は、干渉計11で得られたレーザ光の干渉光を受光して光電変換することによって、レーザ光の干渉光の光強度に応じた電気信号を出力する回路である。第2受光部36は、例えばシリコンフォトダイオード(SPD)およびその周辺回路を備えて構成される受光センサ等である。第2受光部36は、レーザ光の干渉光の光強度に応じた電気信号をゼロクロス検出部37および包絡線検波部38のそれぞれへ出力する。
ゼロクロス検出部37は、第2受光部36から入力された、レーザ光の干渉光の光強度に応じた電気信号がゼロとなるタイミングを検出する回路である。干渉計11の移動鏡115が光軸方向に移動している場合に、半透鏡112から固定鏡114を介して再び半透鏡に戻ったレーザ光の位相に対し、半透鏡112から移動鏡115を介して再び半透鏡に戻ったレーザ光の位相がずれるので、レーザ光の干渉光は、その移動量に応じて正弦波状に強弱する。そして、干渉計11の移動鏡115がレーザ光の波長の1/2の長さだけ移動すると、半透鏡112から移動鏡115を介して再び半透鏡に戻ったレーザ光の位相は、この移動の前後において、2πずれる。このため、レーザ光の干渉光は、移動鏡115の移動に従って正弦波状に強弱を繰り返すことになる。ゼロクロス検出部37は、この正弦波状に強弱を繰り返す前記電気信号のゼロクロスを検出している。ゼロクロス検出部37は、この検出したゼロクロスのタイミングをAD変換部23へ出力し、AD変換部23は、このゼロクロスのタイミングで、第1受光部21から入力された、被測定光の干渉光の光強度に応じた電気信号をサンプリングしてAD変換する。
包絡線検波部38は、第2受光部36から入力された、レーザ光の干渉光の光強度に応じた電気信号の包絡線を検出する回路である。包絡線検波部38は、種々の回路構成を採用することができるが、一例を挙げると、図4に示すように、ダイオードDと、ダイオードDのカソード端子と接続されることでダイオードDに直列に接続される抵抗素子Rと、抵抗素子Rに並列に接続されるコンデンサCとを備えて構成され、直列接続のダイオードDおよび抵抗素子Rの両端が入力端とされ、抵抗素子Rの両端が出力端とされる。包絡線検波部38は、このような簡易な回路構成で包絡線を検波することができる。包絡線検波部38は、この検出したレーザ光の干渉光の光強度に応じた電気信号の包絡線を制御演算部41へ出力する。
制御演算部41は、被測定光のスペクトルを求めるべく、フーリエ変換型分光計Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。制御演算部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、このCPUによって実行される種々のプログラムやその実行に必要なデータ等を予め記憶するROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically
Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子、このCPUのいわゆるワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子およびその周辺回路等を備えたマイクロコンピュータによって構成される。そして、制御演算部41には、プログラムを実行することによって、機能的に、スペクトル演算部411と、センターバースト位置演算部412とが構成される。
センターバースト位置演算部412は、被測定光の各波長成分の初期位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置を検出するものである。より具体的には、センターバースト位置演算部412は、本実施形態では、包絡線検波部38で検波された包絡線の極大値を与える位置をセンターバーストの位置として検出するものである。このように本実施形態では、センターバーストの位置は、所定の線幅を持つレーザ光を干渉計11に入射させることによって得られた前記レーザ光の干渉光における光強度の包絡線を検波し、この検波された包絡線の極大値を与える位置を検出することによって求められる。
スペクトル演算部411は、干渉計11によって得られた被測定光のインターフェログラムを、センターバースト位置演算部412によって検出されたセンターバーストの位置に基づいてフーリエ変換を行うことによって前記被測定光のスペクトルを求めるものである。
入力部42は、例えば、測定開始を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば測定対象の光源SMにおける識別子の入力やフーリエ変換の際に用いられる窓関数の選択入力等のスペクトルを測定する上で必要な各種データをフーリエ変換型分光計Dに入力する機器であり、例えば、キーボードやマウス等である。出力部43は、入力部42から入力されたコマンドやデータ、および、フーリエ変換型分光計Dによって予測された被測定光のスペクトルを出力する機器であり、例えばCRTディスプレイ、LCD、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、実施形態のフーリエ変換型分光計における干渉計の構成、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)および位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を説明するための図である。図5(A)は、実施形態のフーリエ変換型分光計における干渉計の構成を示し、図5(B)は、模式的に描いた、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示し、そして、図5(C)は、模式的に描いた、位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を示す。図6は、一例として、実測した被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示す図である。図6(A)は、全体を示し、図6(B)は、ゼロレベル付近を示し、そして、図6(C)は、センターバースト付近を示す。図7は、一例として、実測した位置測定用光源のレーザ光の干渉波形を示す図である。図7(A)は、全体を示し、図7(B)は、端部付近を示し、そして、図7(C)は、極大値付近を示す。図8は、従来のフーリエ変換型分光計におけるマイケルソン干渉計の構成、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)および位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を説明するための図である。図8(A)は、従来のフーリエ変換型分光計における、位相補償の位相差板を備える場合のマイケルソン干渉計の構成を示し、図8(B)は、前記位相補償の位相差板を備えない場合のマイケルソン干渉計の構成を示し、図8(C)は、模式的に描いた、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示し、そして、図8(D)は、模式的に描いた、位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を示す。図9は、従来例として、実測した被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示す図である。図9(A)は、全体を示し、図9(B)は、ゼロレベル付近を示し、そして、図9(C)は、センターバースト付近を示す。図10は、従来例として、実測した位置測定用光源のレーザ光の干渉波形を示す図である。図10(A)は、全体を示し、図10(B)は、端部付近を示し、そして、図10(C)は、極大値付近を示す。図11は、半透鏡で生じる位相ずれを示す図である。図12は、半透鏡で生じる位相ずれを位相補償した場合における位相を示す図である。図11および図12の横軸は、nm単位で表す波長を示し、それらの縦軸は、度単位で表す位相を示す。図13は、インターフェログラムと窓関数との関係を示す図である。図13の横軸は、光路差を示し、その縦軸は、振幅を示す。
測定が開始されると、フーリエ変換型分光計Dは、測定対象物体SMから放射される被測定光を取り込む。被測定光は、干渉計11に入射され、被測定光の干渉光となって第1受光部21で受光される。より具体的には、被測定光は、コリメータレンズ111で平行光とされ、ビームスプリッター33を介して半透鏡112で反射および透過することで第1および第2被測定光に分岐される。半透鏡112で反射することによって分岐した第1被測定光は、固定鏡114へ入射し、固定鏡114で反射し、来た光路を逆に辿って再び半透鏡112に戻る。一方、半透鏡112を通過することによって分岐した第2被測定光は、第1位相差板113を介して移動鏡115へ入射し、移動鏡115で反射し、来た光路を逆に辿って再び半透鏡112に戻る。これら固定鏡114で反射された第1被測定光および移動鏡115で反射された第2被測定光は、半透鏡112で互いに合流して干渉する。このように、フーリエ変換型分光計Dは、2個の第1および第2光路を通過するそれぞれの光において、光路延長を伴う屈折領域数の差が2以上となるように、少なくとも一方の光路中に透明基板から成る光学素子である第1位相差板113を備えている(図5参照)。ここで、光路延長を伴う屈折領域とは、互いに平行な2平面間において、仮に屈折しない場合の光路長と較べて、屈折によって光路長が長くなる領域である。例えば、図5(A)において、半透鏡112を通過して移動鏡115に至る光路では、半透鏡112を構成する透明部材の内部の光路が光路延長を伴っており、半透鏡112を構成する透明部材の内部領域が屈折領域に相当し、そして、第1位相差板113を構成する透明部材の内部の光路が光路延長を伴っており、第1位相差板113を構成する透明部材の内部領域が屈折領域に相当する。この図5(A)では、半透鏡112の入射点から移動鏡115に至る光路と、前記入射点から固定鏡114に至る光路との間における屈折領域数の差は、2となり、光路差がより大きく設定されることになる。この被測定光の干渉光は、干渉計11から第1受光部21へ射出される。第1受光部21は、この入射された被測定光の干渉光を光電変換し、前記被測定光の干渉光における光強度に応じた電気信号を増幅部22へ出力する。増幅部22は、所定の増幅率で前記被測定光の干渉光に応じた前記電気信号を増幅し、AD変換部23へ出力する。
一方、フーリエ変換型分光計Dは、位置測定用光源31から放射された所定の線幅を持つレーザ光も取り込む。このレーザ光は、ビームスプリッター33を介して干渉計11に入射され、上述と同様に干渉計11で干渉し、レーザ光の干渉光となってビームスプリッター34を介して第2受光部36で受光される。第2受光部36は、この入射されたレーザ光の干渉光を光電変換し、前記レーザ光の干渉光における光強度に応じた電気信号をゼロクロス検出部37および包絡線検波部38のそれぞれへ出力する。ゼロクロス検出部37は、前記レーザ光の干渉光に応じた前記電気信号がゼロとなるタイミングをゼロクロスタイミングとして検出し、このゼロクロスタイミングをサンプリングタイミング(AD変換タイミング)としてAD変換部23へ出力する。
このような被測定光およびレーザ光がそれぞれ干渉計11に取り込まれている間に、干渉計11の移動鏡115は、制御演算部41の制御に従って光軸方向に沿って移動される。
AD変換部23は、増幅部22から出力された、前記被測定光の干渉光における光強度に応じた電気信号を、ゼロクロス検出部37から入力されたゼロクロスタイミングでサンプリングしてアナログ信号からディジタル信号へAD変換し、このAD変換したディジタル信号の前記電気信号を制御演算部41のスペクトル演算部411へ出力する。
このように動作することによって、図5(B)および図6に示すようなインターフェログラムがAD変換部23から制御演算部41のスペクトル演算部411に入力される。
ここで、本実施形態におけるフーリエ変換型分光計Dによって生成されるインターフェログラムについて、位相補償された従来のフーリエ変換型分光計によって生成されるインターフェログラムと対比して説明する。
まず、従来のフーリエ変換型分光計の位相補償について説明する。前記位相補償のための位相差板を備えない場合のマイケルソン干渉計は、図8(B)に示すように、半透鏡112と、固定鏡114と、光軸方向に移動する移動鏡115とを備え、固定鏡114および移動鏡115は、互いに光軸が直交するように配置され、半透鏡112は、これら各光軸と45度の角度でそれぞれ交差するとともにこれら各光軸の交差位置に半透鏡面が位置するように、配置される。このようなマイケルソン干渉計では、被測定光は、半透鏡112で反射して固定鏡114へ入射し、固定鏡114で反射して再び半透鏡112に戻り、半透鏡112を透過する第1光路(半透鏡112→固定鏡114→半透鏡112)と、半透鏡112を透過して移動鏡115へ入射し、移動鏡115で反射して再び半透鏡112に戻り、半透鏡112で反射する第2光路(半透鏡112→移動鏡115→半透鏡112)との2個の光路が形成される。
ここで、このような2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に、これら2個の第1および第2光路間の光路差がゼロとなるように、これら半透鏡112、固定鏡114および移動鏡115のそれぞれが配置された配置状態では、合流位置(干渉位置)において、半透鏡112で分岐して第1光路を進行(伝播)した第1被測定光と半透鏡112で分岐して第2光路を進行した第2被測定光との間には、位相差が生じない。これら2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合とは、例えば、半透鏡112の透明基板と同一の材料によって第1および第2光路が形成される場合や、また例えば、これら半透鏡112、固定鏡114および移動鏡115のそれぞれが真空中または気体中に配置され、半透鏡112が半透鏡面のみで形成される場合等である。なお、半透鏡の112の半透面鏡は、通常、無視できる厚さである。
現実には、図8(B)に示すように、半透鏡112は、被測定光やレーザ光の波長に対して透明な材料、例えばガラスや樹脂等によって形成された透明基板と、前記透明基板の一方主面に形成された、例えば金属薄膜や誘電体多層膜等の半透鏡面とを備えて構成される。このため、図8(B)に示すように、合流(干渉)の際に、第1光路の第1被測定光は、半透鏡112の前記透明基板を通過しないが、第2光路の第2被測定光は、半透鏡112の前記透明基板を2回通過することになる。すなわち、図8(B)では、固定鏡114に向かう第1光路には、屈折領域が無く、移動鏡に向かう第2光路には、屈折領域が1つ配置されていることになる。よって、これら2つの光路間の屈折領域の差は、「1」となる。したがって、被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、これら半透鏡112、固定鏡114および移動鏡115によって形成される2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に前記2個の光路間の光路差がゼロとなるようにこれら半透鏡112、固定鏡114および移動鏡115が配置された前記配置状態であっても、第1光路と第2光路との位相差は、前記透明基板の屈折率に起因してゼロにならない。そして、半透鏡112の前記透明基板によって生じる位相のずれ量は、屈折率が波長依存性を有しているために、一例を挙げると、例えば、図11に示すように、波長依存性を有している。
このため、従来の干渉計では、図8(A)に示すように、このような2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に、これら2個の第1および第2光路間の光路差がゼロとなるように、これら半透鏡112、固定鏡114および移動鏡115のそれぞれが配置された前記配置状態において、合流位置(干渉位置)で、半透鏡112で分岐して第1光路を進行(伝播)した第1被測定光と半透鏡112で分岐して第2光路を進行した第2被測定光との間に実際には生じる上述の位相差を補償するために、半透鏡112と固定鏡114との間に、半透鏡112の前記透明基板と同一の位相特性(屈折率特性)を有する位相補償板CPが配置される。例えば、このような位相補償板CPは、半透鏡112の前記透明基板そのものである(もちろん、半透鏡面はない)。このような位相補償板CPを配置することによって、これら第1および第2光路間における位相差は、図12に示すように無くなる。すなわち、図8(A)では、2つの光路内にそれぞれに屈折領域を設けていることになり、屈折領域数の差は、ゼロとなる。このような位相補償された干渉計を用いると、被測定光の干渉光におけるインターフェログラムは、被測定光の各波長成分の初期位相差がゼロとなり、図8(C)や図9に示すように、センターバーストが大きく、そして、サイドローブが小さいプロファイルとなる。このため、このような被測定光の各波長成分の初期位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置は、比較的明瞭である。なお、初期位相は、光路差0の位置(センターバーストの位置)での位相である。
これに対し、本実施形態における干渉計11によるインターフェログラムは、従来では用いられた上述の前記位相補償板CPを備えず、さらに、第2光路のみに位相差板113を備えている。すなわち、本実施形態における干渉計11は、被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子(図2に示す例では半透鏡112、固定鏡114および移動鏡115)によって形成される2個の第1および第2光路を備え、これら2個の第1および第2光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合にこれら2個の第1および第2光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した前記配置状態において前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計である。言い換えれば、有位相差干渉計は、従来の位相補償板CPを備えた干渉計のように仮に位相補償された場合において移動鏡114がセンターバーストの位置にある配置状態で、実際には、これら2個の第1および第2光路間に位相差を持つものである。このように本実施形態では、干渉計11は、有位相差干渉計であるので、一例として、図6と図9とを比較すると分かるように、従来の位相補償板CPを備えた干渉計によるインターフェログラムに較べて、その振幅の大きさ(レベル)が小さくなる。例えば、従来の位相補償板CPを備えた干渉計によるインターフェログラムにおける最大振幅の大きさYは、図9(C)に示すように、約3200であるが、本実施形態の干渉計11によるインターフェログラムにおける最大振幅の大きさXは、図6(C)に示すように、約1400である(X<Y)。
したがって、同じビット数ZのAD変換器によってこれらインターフェログラムをAD変換した場合に、一単位振幅レベルに割り当てられるA/Dカウントは、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dの方が従来の従来の位相補償板CPを備えた干渉計によるフーリエ変換型分光計より多くなる。すなわち、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dにおけるインターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅をXとし、従来の従来の位相補償板CPを備えた干渉計によるフーリエ変換型分光計におけるインターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅をYとする場合に、X<Yであり、AD変換器のビット数をZとする場合では、一単位振幅レベルに割り当てられるA/Dカウントは、2/X>2/Yとなり、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dの方が従来の従来の位相補償板CPを備えた干渉計によるフーリエ変換型分光計より多くなる。したがって、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dの方が従来の従来の位相補償板CPを備えた干渉計によるフーリエ変換型分光計に較べて、ゼロレベル付近の電気信号に対して相対的により多くのA/Dカウントが割り当てられる(2/X>2/Y)。このため、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、1個のAD変換器でもインターフェログラムのゼロレベル付近における微小な信号もより高分解能で検出することができる。
一方、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dでは、上述したように、干渉計11として有位相差干渉計が用いられているので、例えば、一例として図6(B)に示すように、センターバーストの位置が不明瞭である。そこで、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、このセンターバーストの位置を、所定の線幅を持つレーザ光の干渉光における包絡線から求めている。
従来のフーリエ変換型分光計では、干渉計における移動鏡の移動位置を検出してAD変換のサンプリングタイミングを得るために、単色のレーザ光(単色レーザ光)が用いられている。より具体的には、単色レーザ光が干渉計に入射され、この干渉計で生成された単色レーザ光の干渉光を受光することによって単色レーザ光の干渉光における光強度が検出される。この単色レーザ光の干渉光における光強度は、図10に示すように、移動鏡の移動に応じて正弦波状に強弱を繰り返すので、このゼロクロスタイミングを検出することで前記AD変換のサンプリングタイミングを得ている。この単色レーザ光の干渉光における光強度は、図10(A)、(B)および(C)に示すように、光路差0の位置でもサイドバンドの位置でも略一定の振幅である。この光路差0の位置は、被測定光の各波長成分の初期位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置に対応する。
本実施形態のフーリエ変換型分光計Dでは、前記単色レーザ光に代えて、所定の線幅を持つレーザ光が用いられている。このような所定の線幅を持つレーザ光の干渉光は、図7に示すように、ゼロクロスタイミングは、単色レーザ光の場合と同様であるが、図7(A)、(B)および(C)に示すように、光路差0の位置でその振幅が最も大きく、サイドバンドの位置へ近づくに従ってその振幅が徐々に小さくなるプロファイルを持つ。したがって、所定の線幅を持つレーザ光の干渉光における光強度の包絡線を検波することによってセンターバーストの位置が検出可能である。より具体的には、包絡線検波部38は、第2受光部36から入力された、前記レーザ光の干渉光における光強度に応じた電気信号を包絡線検波し、その結果を制御演算部41のセンターバースト位置演算部412へ出力する。センターバースト位置演算部412は、包絡線検波部38から入力された包絡線の極大値を検出し、この極大値を与える位置をセンターバーストの位置として求める。そして、センターバースト位置演算部412は、この求めたセンターバーストの位置をスペクトル演算部411へ出力する。
以上の動作によって、スペクトル演算部411には、被測定光のインターフェログラムがAD変換部23から入力され、センターバースト位置がセンターバースト位置演算部412から入力される。そして、スペクトル演算部411は、この被測定光のインターフェログラムを、この検出されたセンターバーストの位置に基づいてフーリエ変換を行い、被測定光のスペクトルを求める。この求めた被測定光のスペクトルは、出力部43に出力される。
より具体的に説明すると、まず、インターフェログラムF(x)は、光路差をxとし、波数をνとし、波数νのスペクトル振幅をB(ν)とし、光路差0の位置をXとし、波数νの光路差0の位置における位相をφ(ν)とする場合に、式1で表される。なお、mは、m番目の測定による測定結果であることを表す。
Figure 2012124294
1回の測定でノイズの少ない充分な結果が得られる場合には、1回の測定でよいが、通常、複数の測定結果の積算(和)が求められ、ノイズが低減される。この積算されたインターフェログラム(積算インターフェログラム)F(x)は、式2で表される。
Figure 2012124294
そして、この式1または式2で表されるインターフェログラムF(x)、F(x)がフーリエ変換されるが、高速フーリエ変換(FFT)する場合には、サイドローブの発生を低減するために、図13に示すように、光路差0の位置(センターバーストの位置)を中心に左右対称な窓関数Awindow(x)が掛け合わされてから(式3)、高速フーリエ変換が行われ、被測定光のスペクトルの振幅|Bwindow(ν)|が求められる(式4)。なお、ここでは、式3および式4は、式2で表されるインターフェログラムF(x)の場合について示されているが、1回の測定でノイズの少ない充分な結果が得られる場合には、式2に代え、式1で表されるインターフェログラムF(x)であってもよい。
Figure 2012124294
Figure 2012124294
上記窓関数Awindow(x)は、適宜な種々の関数を上げることができるが、例えば、式5−1ないし式5−3で表される関数である。式5−1および式5−2は、Hamming Window(ハミング窓)関数と呼ばれ、式5−3は、Blackman Window(ブラックマン窓)関数と呼ばれる。
Figure 2012124294
このような演算処理によってスペクトル演算部411は、干渉計11によって得られた被測定光のインターフェログラムを、センターバースト位置演算部412によって検出されたセンターバーストの位置に基づいて高速フーリエ変換を行うことによって、被測定光のスペクトルを求めている。
以上、説明したように、本実施形態におけるフーリエ変換型分光計Dは、干渉計11を構成する光学素子が仮想的な光路差ゼロの配置位置であっても位相差を有する有位相差干渉計である干渉計11によって被測定光の干渉光が生成されているので、そのインターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅Xは、前記位相差を補償した通常の干渉計によって生成された被測定光の干渉光に対応するインターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅Yよりも小さくなる(X<Y)。このため、干渉光を受光して得られた電気信号をZビットのAD変換器でAD変換する場合に、ゼロレベル付近の電気信号に対して相対的により多くのA/Dカウントが割り当てられる(2/X>2/Y)。したがって、本実施形態におけるフーリエ変換型分光計Dおよびこれに実装されるフーリエ変換型分光方法は、AD変換器が用いられる場合に、1個のAD変換器でもインターフェログラムのゼロレベル付近における微小な信号もより高分解能で検出することができる。
また、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、上述のように、X<Yであるので、増幅部22の増幅器として、スルーレートの比較的低いオペアンプ(入力信号に対する追従性の比較的遅いオペアンプ)を用いることができ、低ノイズアンプを用いることができる。増幅部22の増幅器として低ノイズアンプ(LNA)を用いることによって、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、いわゆるSN比の向上を図ることができる。
また、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、半透鏡112の透過側に第1位相差板113をさらに備えるので、干渉計11における第1および第2光路間の位相差をさらに大きくすることができる。この結果、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、インターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅Xを、後述の図14(A)に示す第1位相差板113を備えないで半透鏡112の透明基板で生じる位相差だけの有位相差干渉計によるインターフェログラムに較べて、より小さくすることができる。
また、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、所定の線幅を持つレーザ光の干渉光における光強度の包絡線を検波することによってセンターバーストの位置を検出するので、例えば、図4に示すような、より簡易な回路構成で検波回路を構成することができる。
また、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、レーザ光が所定の線幅を持つレーザ光とされ、センターバーストの位置を検出するための構成として、移動鏡112の位置を検出するための一部の構成が流用されている。より具体的には、位置測定用光源31から第2受光部36までの構成が共用され、第2受光部36の出力がゼロクロス検出部37および包絡線検波部38のそれぞれに出力される。このため、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dは、より少ない回路構成でセンターバーストの位置を検出することができる。
また、本実施形態のフーリエ変換型分光計Dでは、位置測定用光源31として、単色レーザ光を高周波重畳することによって所定の線幅を持つレーザ光を放射するレーザ装置、あるいは、所定の線幅を持つレーザ光を放射する半導体レーザが用いられる。このため、本実施形態では、より簡易に前記所定の線幅を持つレーザ光を放射する位置測定用光源31が構成され得る。
図14は、実施形態のフーリエ変換型分光計における第2態様の干渉計の構成、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)および位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を説明するための図である。図14(A)は、実施形態のフーリエ変換型分光計における第2態様の干渉計の構成を示し、図14(B)は、模式的に描いた、被測定光の干渉光の波形(インターフェログラム)を示し、そして、図14(C)は、模式的に描いた、位置測定用光源のレーザ光の干渉光の波形を示す。図15は、実施形態のフーリエ変換型分光計における第3態様の干渉計の構成を示す図である。
なお、上述の実施形態では、有位相差干渉計として、図2や図5(A)に示すように、半透鏡112と移動鏡115との間に位相差板113を有する干渉計11(第1態様の干渉計11)が用いられたが、これに限定されるものではなく、例えば、図14に示す構成の第2態様の干渉計11aや、図15に示す構成の第3態様の干渉計11bであってもよい。
より具体的には、第2態様の干渉計11aは、上述したように、半透鏡112が透明基板を備えるために半透鏡112自身が位相差を生じさせるので、図14(A)に示すように、第1態様の干渉計11における位相差板113を除いた構成である。このように、半透鏡面を一方主面に形成した透明基板を備える通常の半透鏡112を用いたごく一般的な構成のマイケルソン干渉計において、図8(A)を用いて上述した通常用いられる位相補償を行うための位相補償板CPを備えないことで、前記有位相差干渉計を簡単に構成することができる。すなわち、この第2態様の干渉計11aは、半透鏡112と、固定鏡114と、光軸方向に移動する移動鏡115とを備え、被測定光を半透鏡112で2個の第1および第2被測定光に分岐して固定鏡114および移動鏡115にそれぞれ入射させ、固定鏡114で反射された第1被測定光および移動鏡115で反射された第2被測定光を半透鏡112で互いに干渉させるマイケルソン干渉計であって、半透鏡112は、透明基板と、前記透明基板の一方主面に形成された半透鏡面とを備えて構成されるものである。
このような第2態様の干渉計11aによっても第1態様の干渉計11と同様の作用効果を奏するが、図5(B)および(C)と図14(B)および(C)とを対比すると分かるように、位相差板113をさらに備えるために、第1態様の干渉計11の方が第2態様の干渉計11aよりも、被測定光の干渉光における最大振幅が小さく、また、レーザ光の干渉光における包絡線の振幅変化が大きい。このため、第1態様の干渉計11と第2態様の干渉計11aとを比較する場合では、第1態様の干渉計11の方が有利である。
また、第3態様の干渉計11bは、半透鏡112と、固定鏡114と、光軸方向に移動する移動鏡115とを備え、被測定光を半透鏡112で2個の第1および第2被測定光に分岐して固定鏡114および移動鏡115にそれぞれ入射させ、固定鏡114で反射された第1被測定光および移動鏡115で反射された第2被測定光を半透鏡112で互いに干渉させるマイケルソン干渉計であって、半透鏡112は、透明基板と、前記透明基板の一方主面に形成された半透鏡面とを備える。そして、この第3態様の干渉計11bは、前記被測定光を半透鏡112で2個の第1および第2被測定光に分岐する場合において、半透鏡112で反射された半透鏡112の反射側に配置される第2位相差板117をさらに備えており、この第2位相差板117は、半透鏡112で生じる位相差と異なる位相差を生じさせるものである。このような第2位相差板117は、例えば、半透鏡112の前記透明基板と同一の厚さであって半透鏡112の前記透明基板と異なる屈折率(屈折率特性)を持つ材料によって形成される。また例えば、第2位相差板117は、例えば、半透鏡112の前記透明基板と同一の屈折率(屈折率特性)を持つ材料(例えば同一の材料)によって半透鏡112の前記透明基板と異なる厚さで形成される。
このような第3態様の干渉計11bは、半透鏡112の反射側に第2位相差板117をさらに備えるので、図14(A)に示す構成の第2態様の干渉計11aに較べて、第1および第2光路間の位相差をさらに大きくすることができる。
なお、図2および図5(A)に示す構成の第1態様の干渉計11において、第2位相差板117をさらに備えて第4態様の干渉計11c(図略)が構成されてもよい。
図16は、レーザ光の干渉光における包絡線に基づいてセンターバーストの位置を求める第2態様の方法を説明するための図である。図16(A)は、前記包絡線を示し、図16(B)は、前記包絡線の差分波形を示す。図17は、レーザ光の干渉光における包絡線に基づいてセンターバーストの位置を求める第3態様の方法を説明するための図である。図16および図17の横軸は、光路差(移動鏡115の位置)を示し、これらの縦軸は、レベルを示す。
また、上述の実施形態において、センターバースト位置演算部412は、包絡線検波部38から入力された包絡線の極大値を、移動鏡112の移動(光路差の変化)に従って前記包絡線の振幅値(レベル)が増加から減少に転じた点で検出してもよいが、一例として、図16(A)に示すように前記包絡線が前記極大値付近では移動鏡112の移動(光路差の変化)に従って比較的緩やかに変化する場合には、前記点を精度よく検出することは容易ではない。このため、センターバースト位置演算部412は、包絡線検波部38で検波された包絡線の差分情報に基づいて包絡線検波部38で検波された包絡線の極大値を与える位置をセンターバーストの位置として検出してもよい。
より具体的には、センターバースト位置演算部412は、適宜な間隔で、包絡線上の2点間の差分を求める。例えば、図16(A)に示す包絡線に対し、この包絡線上の2点間の差分を求めて行くと、前記差分情報として、図16(B)に示す差分のグラフが得られる。この差分のグラフにおいて、差分値が正値から負値へ転じるゼロクロス点が前記極大値を与える位置に対応するので、センターバースト位置演算部412は、この差分のグラフにおいて、差分値が正値から負値へ転じるゼロクロス点を求め、ゼロクロス点をセンターバーストの位置とすればよい。
ここで、差分を求める前記間隔が大きいほど、差分値が大きくなり、より精度よくゼロクロス点が検出可能となり、この結果、より精度よくセンターバーストの位置が検出可能となる。
また、このような差分を求める場合において、包絡線の測定結果を格納する記憶素子の記憶容量が制約されて前記間隔があまり大きく取れない場合や、AD変換部23のビット数Zが少なくて分解能があまり大きくない場合では、前記差分は、ゼロクロス点付近では図17に示すように、階段状になってしまう場合がある。このような場合では、ゼロクロス点付近の差分のグラフを最小2乗法によって直線近似し、この近似直線のゼロクロス点を求めることによって、センターバーストの位置が求められてもよい。
このような包絡線の差分情報を用いることによって、フーリエ変換型分光計Dのセンターバースト位置演算部412は、前記包絡線の極大値を与える位置をより精度よく検出することができ、仮に前記包絡線の変化が緩やかであるために前記包絡線の極大値が見分け難い場合であっても、前記包絡線の極大値を与える位置を検出することができる。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
一態様にかかるフーリエ変換型分光計は、測定対象の被測定光が入射され、前記被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子によって形成される2個の光路を備え、前記2個の光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に前記2個の光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した場合において実際には前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計と、前記被測定光の各波長成分の初期位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置を検出するセンターバースト位置検出部と、前記有位相差干渉計によって得られた前記被測定光のインターフェログラムを、前記センターバースト位置検出部によって検出されたセンターバーストの位置に基づいてフーリエ変換を行うことによって前記被測定光のスペクトルを求めるスペクトル演算部とを備える。
そして、他の一態様にかかるフーリエ変換型分光方法は、測定対象の被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子によって形成される2個の光路を備え、前記2個の光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に前記2個の光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した場合において実際には前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計によって、測定対象の被測定光のインターフェログラムを得るインターフェログラム取得工程と、前記被測定光の各波長成分の位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置を検出するセンターバースト位置検出工程と、前記インターフェログラム取得工程で得られた前記被測定光のインターフェログラムを、前記センターバースト位置検出工程によって検出されたセンターバーストの位置に基づいてフーリエ変換を行うことによって前記被測定光のスペクトルを求めるスペクトル演算工程とを備える。
このような構成のフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法では、有位相差干渉計によって被測定光の干渉光が生成されているので、そのインターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅Xは、前記位相差を補償した通常の干渉計によって生成された被測定光の干渉光に対応するインターフェログラムの1または複数のピークにおける最大の振幅Yよりも小さくなる(X<Y)。このため、干渉光を受光して得られた電気信号をアナログ信号からディジタル信号へ変換するZビットのアナログ−ディジタル変換器(AD変換器)を用いる場合に、ゼロレベル付近の電気信号に対して相対的により多くのA/Dカウントが割り当てられる(2/X>2/Y)。したがって、このような構成のフーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法は、AD変換器が用いられる場合に、1個のAD変換器でもインターフェログラムのゼロレベル付近における微小な信号もより高分解能で検出することができる。
また、他の一態様では、上述のフーリエ変換型分光計において、前記有位相差干渉計は、前記2個の光路を通過するそれぞれの光において、光路延長を伴う屈折領域数の差が2以上となるように、少なくとも一方の光路中に透明基板から成る光学素子を備える。
このような構成のフーリエ変換型分光計は、少なくとも一方の光路中に透明基板を配置することで、簡易に有位相差干渉計を構成することができる。
また、他の一態様では、上述のフーリエ変換型分光計において、前記有位相差干渉計は、半透鏡と、固定鏡と、光軸方向に移動する移動鏡とを前記複数の光学素子として備え、前記被測定光を前記半透鏡で2個の第1および第2被測定光に分岐して前記固定鏡および前記移動鏡にそれぞれ入射させ、前記固定鏡で反射された前記第1被測定光および前記移動鏡で反射された前記第2被測定光を前記半透鏡で互いに干渉させるマイケルソン干渉計であって、前記半透鏡は、透明基板と、前記透明基板の一方主面に形成された半透鏡面とを備える。
このような構成のフーリエ変換型分光計は、半透鏡面を一方主面に形成した透明基板を備える通常の半透鏡を用いたごく一般的なマイケルソン干渉計において、通常用いられる位相補償を行うための位相差板を備えないことで、前記有位相差干渉計を簡単に構成することができる。
また、他の一態様では、上述のフーリエ変換型分光計において、前記被測定光を前記半透鏡で2個の第1および第2被測定光に分岐する場合において、前記半透鏡を透過した前記半透鏡の透過側に配置される第1位相差板をさらに備える。
このような構成のフーリエ変換型分光計は、前記半透鏡の透過側に第1位相差板をさらに備えるので、前記有位相差干渉計における前記光路間の前記位相差をさらに大きくすることができる。
また、他の一態様では、上述のフーリエ変換型分光計において、前記被測定光を前記半透鏡で2個の第1および第2被測定光に分岐する場合において、前記半透鏡で反射された前記半透鏡の反射側に配置される第2位相差板をさらに備え、前記第2位相差板は、前記半透鏡で生じる位相差と異なる位相差を生じさせる。
このような構成のフーリエ変換型分光計は、前記半透鏡の反射側に第2位相差板をさらに備えるので、前記有位相差干渉計における前記光路間の前記位相差をさらに大きくすることができる。
また、他の一態様では、これら上述のフーリエ変換型分光計において、前記センターバースト位置検出部は、所定の線幅を持つレーザ光を前記有位相差干渉計に入射させることによって得られた前記レーザ光の干渉光における光強度の包絡線を検波し、前記検波された包絡線の極大値を与える位置を前記センターバーストの位置として検出することを特徴とする。
このような構成のフーリエ変換型分光計は、所定の線幅を持つレーザ光の干渉光における光強度の包絡線を検波することによって前記センターバーストの位置を検出するので、より簡易な回路構成で検波回路を構成することができる。
また、他の一態様では、これら上述のフーリエ変換型分光計において、前記有位相差干渉計によって得られた前記被測定光の干渉光を受光して前記被測定光の干渉光における光強度を出力する第1受光部と、前記第1受光部の出力をアナログ信号からディジタル信号へ変換して前記被測定光のインターフェログラムを出力するアナログ−ディジタル変換部と、後記第2受光部の出力のゼロクロスを検出し、前記検出したゼロクロスタイミングをサンプリングタイミングとして前記アナログ−ディジタル変換部へ出力するゼロクロス検出部とをさらに備え、前記センターバースト位置検出部は、所定の線幅を持つレーザ光を前記有位相差干渉計に入射させる位置測定用光源と、前記有位相差干渉計によって得られた前記レーザ光の干渉光を受光して前記レーザ光の干渉光における光強度を出力する第2受光部と、前記第2受光部の出力の包絡線を検波する包絡線検波部と、前記包絡線検波部で検波された包絡線の極大値を与える位置を前記センターバーストの位置として検出するセンターバースト位置演算部とを備える。
マイケルソン干渉計では移動鏡の位置を検出するために、例えば、レーザ光の干渉光が利用され、前記レーザ光の干渉光におけるゼロクロスタイミングがサンプリングタイミングとされる。上記構成のフーリエ変換型分光計では、このレーザ光が前記所定の線幅を持つレーザ光とされ、前記センターバーストの位置を検出するための構成として、移動鏡の位置を検出するための一部の構成が流用される。例えば、前記位置測定用光源から前記第2受光部までの構成が共用され、第2受光部の出力がゼロクロス検出部および包絡線検波部のそれぞれに出力される。このため、上記構成のフーリエ変換型分光計は、より少ない回路構成で前記センターバーストの位置を検出することができる。
また、他の一態様では、上述のフーリエ変換型分光計において、前記位置測定用光源は、単色レーザ光を高周波重畳することによって前記所定の線幅を持つレーザ光を放射するレーザ装置である。
上記構成によれば、より簡易に前記所定の線幅を持つレーザ光を放射する位置測定用光源が構成される。
また、他の一態様では、上述のフーリエ変換型分光計において、前記位置測定用光源は、前記所定の線幅を持つレーザ光を放射する半導体レーザである。
上記構成によれば、より簡易に前記所定の線幅を持つレーザ光を放射する位置測定用光源が構成される。
また、他の一態様では、これら上述のフーリエ変換型分光計において、前記センターバースト位置演算部は、前記包絡線検波部で検波された包絡線の差分情報に基づいて前記包絡線検波部で検波された包絡線の極大値を与える位置を前記センターバーストの位置として検出する。
このような構成のフーリエ変換型分光計は、前記包絡線の極大値を与える位置をより精度よく検出することができ、仮に前記包絡線の変化が緩やかであるために前記包絡線の極大値が見分け難い場合であっても、前記包絡線の極大値を与える位置を検出することができる。
この出願は、2011年3月17日に出願された日本国特許出願特願2011−058635を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、フーリエ変換型分光計およびフーリエ変換型分光方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. 測定対象の被測定光が入射され、前記被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子によって形成される2個の光路を備え、前記2個の光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に前記2個の光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した場合において実際には前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計と、
    前記被測定光の各波長成分の初期位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置を検出するセンターバースト位置検出部と、
    前記有位相差干渉計によって得られた前記被測定光のインターフェログラムを、前記センターバースト位置検出部によって検出されたセンターバーストの位置に基づいてフーリエ変換を行うことによって前記被測定光のスペクトルを求めるスペクトル演算部とを備えること
    を特徴とするフーリエ変換型分光計。
  2. 前記有位相差干渉計は、前記2個の光路を通過するそれぞれの光において、光路延長を伴う屈折領域数の差が2以上となるように、少なくとも一方の光路中に透明基板から成る光学素子を備えること
    を特徴とする請求項1に記載のフーリエ変換型分光計。
  3. 前記有位相差干渉計は、半透鏡と、固定鏡と、光軸方向に移動する移動鏡とを前記複数の光学素子として備え、前記被測定光を前記半透鏡で2個の第1および第2被測定光に分岐して前記固定鏡および前記移動鏡にそれぞれ入射させ、前記固定鏡で反射された前記第1被測定光および前記移動鏡で反射された前記第2被測定光を前記半透鏡で互いに干渉させるマイケルソン干渉計であって、前記半透鏡は、透明基板と、前記透明基板の一方主面に形成された半透鏡面とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載のフーリエ変換型分光計。
  4. 前記被測定光を前記半透鏡で2個の第1および第2被測定光に分岐する場合において、前記半透鏡を透過した前記半透鏡の透過側に配置される第1位相差板をさらに備えること
    を特徴とする請求項3に記載のフーリエ変換型分光計。
  5. 前記被測定光を前記半透鏡で2個の第1および第2被測定光に分岐する場合において、前記半透鏡で反射された前記半透鏡の反射側に配置される第2位相差板をさらに備え、
    前記第2位相差板は、前記半透鏡で生じる位相差と異なる位相差を生じさせること
    を特徴とする請求項3に記載のフーリエ変換型分光計。
  6. 前記センターバースト位置検出部は、所定の線幅を持つレーザ光を前記有位相差干渉計に入射させることによって得られた前記レーザ光の干渉光における光強度の包絡線を検波し、前記検波された包絡線の極大値を与える位置を前記センターバーストの位置として検出すること
    を特徴とする請求項1に記載のフーリエ変換型分光計。
  7. 前記有位相差干渉計によって得られた前記被測定光の干渉光を受光して前記被測定光の干渉光における光強度を出力する第1受光部と、
    前記第1受光部の出力をアナログ信号からディジタル信号へ変換して前記被測定光のインターフェログラムを出力するアナログ−ディジタル変換部と、
    後記第2受光部の出力のゼロクロスを検出し、前記検出したゼロクロスタイミングをサンプリングタイミングとして前記アナログ−ディジタル変換部へ出力するゼロクロス検出部とをさらに備え、
    前記センターバースト位置検出部は、所定の線幅を持つレーザ光を前記有位相差干渉計に入射させる位置測定用光源と、前記有位相差干渉計によって得られた前記レーザ光の干渉光を受光して前記レーザ光の干渉光における光強度を出力する第2受光部と、前記第2受光部の出力の包絡線を検波する包絡線検波部と、前記包絡線検波部で検波された包絡線の極大値を与える位置を前記センターバーストの位置として検出するセンターバースト位置演算部とを備えること
    を特徴とする請求項3に記載のフーリエ変換型分光計。
  8. 前記位置測定用光源は、単色レーザ光を高周波重畳することによって前記所定の線幅を持つレーザ光を放射するレーザ装置であること
    を特徴とする請求項7に記載のフーリエ変換型分光計。
  9. 前記位置測定用光源は、前記所定の線幅を持つレーザ光を放射する半導体レーザであること
    を特徴とする請求項7に記載のフーリエ変換型分光計。
  10. 前記センターバースト位置演算部は、前記包絡線検波部で検波された包絡線の差分情報に基づいて前記包絡線検波部で検波された包絡線の極大値を与える位置を前記センターバーストの位置として検出すること
    を特徴とする請求項7に記載のフーリエ変換型分光計。
  11. 測定対象の被測定光の入射位置から干渉位置までの間に、複数の光学素子によって形成される2個の光路を備え、前記2個の光路のそれぞれが仮に同一の媒質で形成されている場合に前記2個の光路間の光路差がゼロとなるように前記複数の光学素子を配置した場合において実際には前記光路間に位相差を持つ有位相差干渉計によって、測定対象の被測定光のインターフェログラムを得るインターフェログラム取得工程と、
    前記被測定光の各波長成分の位相差がゼロである場合のインターフェログラムにおけるセンターバーストの位置を検出するセンターバースト位置検出工程と、
    前記インターフェログラム取得工程で得られた前記被測定光のインターフェログラムを、前記センターバースト位置検出工程によって検出されたセンターバーストの位置に基づいてフーリエ変換を行うことによって前記被測定光のスペクトルを求めるスペクトル演算工程とを備えること
    を特徴とするフーリエ変換型分光方法。
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