JPWO2012020790A1 - 感染症治療薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、糖鎖修飾リポソームを用いたドラッグデリバリーシステムに適した薬剤、特に感染症治療薬を提供することを目的とし、外表面がトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾された糖鎖修飾リポソームに、バンコマイシンを包含させて感染症治療薬とする。

Description

本発明は感染症治療薬に関する。
ドラッグデリバリーシステムの一つとして、様々なリポソームが開発されている。とりわけ有力なものとして、糖鎖をリポソームに結合させた糖鎖修飾リポソームが開発された(特開2003−226638号公報)。この糖鎖修飾リポソームは、癌などの標的細胞・組織を認識させることによって、局所的に薬剤や遺伝子を患部に送り込むための治療用ドラッグデリバリーシステム(特開2003−226638号公報)や、蛍光マーカーで患部を画像化するための分子イメージング(WO2007/091661 パンフレット)に用いられることが期待されている。
そこで、本発明は、糖鎖修飾リポソームを用いたドラッグデリバリーシステムに適した薬剤、特に感染症治療薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、糖鎖修飾リポソームを用いたドラッグデリバリーシステムに適した薬剤、特に感染症治療薬を開発するために、内包させるための様々な薬剤、条件、性状を検討した結果、バンコマイシンを用いた場合に、長期間安定な感染症治療薬を製造できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の一実施態様は、外表面がトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾された糖鎖修飾リポソームであって、バンコマイシンを含有しているリポソームである。前記トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基が、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ基であることが好ましい。
本発明のさらなる一実施態様は、上記いずれかに記載のリポソームを含有する医薬組成物、特に感染症治療剤である。
本発明のさらなる一実施態様は、感染症の患者の治療方法であって、前記患者に上記いずれかに記載のリポソームを投与する治療方法である。このリポソームを、製造後、少なくとも1週間保存してもよい。なお、4℃以下で保存することが好ましい。
また、本発明のさらなる一実施態様は、医薬組成物、特に感染症治療剤の製造における、上記いずれかに記載のリポソームの使用方法である。
また、本発明のさらなる一実施態様は、医薬組成物の製造方法であって、外表面がトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾された糖鎖修飾リポソームに、バンコマイシンを含有させる方法である。前記トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基が、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ基であることが好ましい。さらに、バンコマイシンを含有した前記糖鎖修飾リポソームを感染症治療剤に剤形化する工程を含んでもよい。
==関連出願へのクロスリファレンス==
本願は、2010年8月11日付で出願した日本国特願2010−180436号に基づく優先権を主張するものであり、当該基礎出願を引用することにより、本明細書に含めるものとする。
本発明の一実施例において、バンコマイシンを内包させたリポソームの粒子径分布(横軸は粒子径[nm]、縦軸は割合[%]を表す)を、製造直後と製造後4℃で1年間保存した後に測定した結果を示す図である。実線は製造直後の測定結果であり、点線は製造1年後の測定結果である。 本発明の一実施例において、細菌を動物に注入した直後の軟部組織MRSA感染症マウスにバンコマイシン内包リポソームあるいはバンコマイシン単独(対照)の静脈内注射を施行し、治療効果の比較を示す図である。矢印は、得られたシグナルでMRSAあるいはバンコマイシン内包リポソームの集積を示す。 本発明の一実施例において、細菌が成体内に十分な感染巣を形成した後の軟部組織MRSA感染症マウスにバンコマイシン内包リポソーム、バンコマイシン単独、あるいはリポソーム単独(対照)の静脈内注射を施行し、治療効果の比較を示す図である。 本発明の一実施例において、図3で示した細菌による発光量を定量化したグラフを示す。
以下、上記知見に基づき完成した本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。実施例において特に説明がない場合には、市販の試薬キットや測定装置はそれらに添付のプロトコールを用いる。
なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==糖鎖修飾リポソーム==
本発明の糖鎖修飾リポソームは、外表面が、トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾され、バンコマイシンを含有している。
本発明のリポソームを構成する脂質としては、例えば、フォスファチジルコリン類、フォスファチジルエタノールアミン類、フォスファチジン酸類、ガングリオシド類または糖脂質類またはフォスファチジルグリセロール類、コレステロール等が挙げられ、フォスファチジルコリン類としては、ジミリストイルフォスファチジルコリン、ジパルミトイルフォスファチジルコリン、ジステアロイルフォスファチジルコリン等が、また、フォスファチジルエタノールアミン類としては、ジミリストイルフォスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルフォスファチジルエタノールアミン等が、フォスファチジン酸類としては、ジミリストイルフォスファチジン酸、ジパルミトイルフォスファチジン酸、ジステアロイルフォスファチジン酸、ジセチルリン酸等が、ガングリオシド類としては、ガングリオシドGM1、ガングリオシドGD1a、ガングリオシドGT1b等が、糖脂質類としては、ガラクトシルセラミド、グルコシルセラミド、ラクトシルセラミド、フォスファチド、グロボシド等が、フォスファチジルグリセロール類としては、ジミリストイルフォスファチジルグリセロール、ジパルミトイルフォスファチジルグリセロール、ジステアロイルフォスファチジルグリセロール等が好ましい。
リポソーム外表面の修飾は、トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基が、直接脂質層に共有結合してもよいが、リンカーを介して脂質層に共有結合しているのが好ましい。ここで、リンカーは、当業者が適宜選択することができるが、タンパク質で構成されたリンカータンパク質が好ましい。リンカータンパク質は、特に限定されないが、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)等の血清アルブミンが挙げられる。
トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基の2つのアルキル基は、独立して、メチル、エチル、ブチル、プロピル(ノルマルプロピル又はイソプロピル)などから選択しても良いが、両方ともメチルであるトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ基が最も好ましい。
バンコマイシンは、グリコペプチド系抗生物質であり、薬理学的に許容される塩であってもよく、通常は、塩酸塩の形状で投与されるが、その塩は特に限定されない。
なお、リポソームは、バンコマイシン以外の試薬や医薬などを包含しても良い。例えば、リポソームの位置をトレースするために、リポソームに蛍光色素などを包含させても良い。また、バンコマイシン以外の抗生物質や抗菌剤などを包含させても良い。
==糖鎖修飾リポソームの製造方法==
リポソーム自体は、周知の方法に従い製造することができるが、例えば、薄膜法、逆層蒸発法、エタノール注入法、脱水−再水和法等を挙げることができる。また、超音波照射法、エクストルージョン法、フレンチプレス法、ホモジナイゼーション法等を用いて、リポソームの粒子径を調節することも可能である。
本発明のリポソームの製法について、具体的に述べると、例えば、まず、フォスファチジルコリン類、コレステロール、フォスファチジルエタノールアミン類、フォスファチジン酸類、ガングリオシド類または糖脂質類またはフォスファチジルグリセロール類を配合成分とする脂質と界面活性剤コール酸ナトリウムとの混合ミセルを調製する。ここで、フォスファチジルエタノールアミン類は親水性化反応部位として、ガングリオシド類または糖脂質類またはフォスファチジルグリセロール類は、リンカー蛋白質の結合部位として機能する。こうして得られる混合ミセルの限外濾過を行うことにより、リポソームを作製する。
次に、リポソーム膜の脂質フォスファチジルエタノールアミン上に架橋用の2価試薬とトリス(ヒドロキシアルキル)アミノアルカンを用いてリポソーム表面を親水性にする。例えば、ジミリストイルフォスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルフォスファチジルエタノールアミン等の脂質を用いて、常法により得たリポソーム溶液に対し、ビススルフォスクシニミヂルスベラート、ジスクシニミヂルグルタレート、ジチオビススクシニミヂルプロピオネート、ジスクシニミヂルスベラート、3,3'-ジチオビススルフォスクシニミヂルプロピオネート、エチレングリコールビススクシニミヂルスクシネート、エチレングリコールビススルフォスクシニミヂルスクシネート等の2価試薬を加えて反応させることにより、リポソーム膜上のジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン等の脂質に2価試薬を結合させる。そして、結合させた2価試薬に、トリス(ヒドロキシアルキル)アミノアルカンを反応させることにより、リポソーム表面にトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基を結合させる。トリス(ヒドロキシアルキル)アミノアルカンとしては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(単にトリスとも呼ばれる)が最も好ましい。
本発明においては、リポソームに、さらにシアリルルイスXを結合させる。この結合は、リンカーを介するのが好ましく、以下、リンカーがタンパク質の場合を例にして具体的に述べると、まず、リポソームを、NaIO、Pb(OCCH)、NaBiO等の酸化剤で処理して、リポソーム膜面に存在するガングリオシドを酸化し、次いで、NaBHCN、NaBH等の試薬を用いて、リンカータンパク質とリポソーム膜面上のガングリオシドを、還元的アミノ化反応により結合させる。そして、リンカータンパク質が有するアミノ基のなるべく多くの基に、架橋用2価試薬の一端を結合させる。そして、シアリルルイスXの還元末端を、NHHCO、NHCOONH等のアンモニウム塩を用いてグリコシルアミノ化し、付加されたアミノ基とリポソーム上の架橋用2価試薬の未結合の一端とを結合させる。次に、リンカータンパク質も親水性にするために、糖鎖が結合せずに未反応で残っている、リンカータンパク質上の2価試薬の未結合の一端に、トリス(ヒドロキシアルキル)アミノアルカンを結合させることにより、本発明で用いるリポソームを得ることができる。架橋用2価試薬としては、ビススルフォスクシニミヂルスベラート、ジスクシニミヂルグルタレート、ジチオビススクシニミヂルプロピオネート、ジスクシニミヂルスベラート、3,3'-ジチオビススルフォスクシニミヂルプロピオネート、エチレングリコールビススクシニミヂルスクシネート、エチレングリコールビススルフォスクシニミヂルスクシネート等を用いることができる。
リポソームへバンコマイシンを封入するには、周知の方法を用いればよく、例えば、混合ミセルを調製する際に、バンコマイシンを添加してリポソームを形成することにより、バンコマイシンはリポソーム内に封入される。
==医薬組成物==
本発明の医薬組成物は、バンコマイシンを包含した、外表面がトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾された糖鎖修飾リポソームを含有する。
このバンコマイシン含有糖鎖修飾リポソームは、長期保存が可能であり、製造後、少なくとも7日間保存してから投与してもよく、少なくとも1ヶ月保存してから投与してもよく、少なくとも3ヶ月保存してから投与してもよく、少なくとも1年保存してから投与してもよい。保存は、25℃以下で行なってもよいが、20℃以下で行なうことが好ましく、15℃以下で行なうことがさらに好ましく、10℃以下で行なうことがさらに好ましく、4℃以下で行なうことがさらに好ましいが、いずれにせよ0℃以上である必要があり、4℃で行なうことが最も好ましい。
この医薬組成物は、薬学的に受容可能なキャリアなどをさらに含んでもよい。薬学的に受容可能なキャリアとしては、例えば、抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、希釈剤、賦形剤、薬学的アジュバントが挙げられるがそれらに限定されない。
この医薬組成物の剤形化は、pH、等張性、安定性、投与方法、投与したい組織などを考慮することにより、当業者は、容易に行うことができる。例えば、薬学的に受容可能なキャリアと配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤等の固形製剤、シロップ剤、懸濁剤、溶液剤等の液状製剤として、経口的にまたは非経口的に、投与することができる。
この薬剤の投与量や投与回数は、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、および治療経過などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。
本発明の薬剤は、抗生物質であるバンコマイシンを含有しているので、バンコマイシンが有効な感染症に罹患した患者が投与対象となる。従って、広く感染症治療剤とするのが好ましく、感染細菌の種類や感染場所には限定されない。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は特にこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]バンコマイシン内包リポソームの作製
==Cy5.5標識HSA(human serum albumin)の作製==
HSA及びCy5.5−NHSエステル(Amersham Biosciences社) をそれぞれTAPS緩衝液(10mM N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)/150mM 塩化ナトリウム、pH8.4)に溶かし10mg/mL Cy5.5標識HSA溶液,2mg/mL Cy−dyeとなるよう調製した。これらを重量比2:1の割合で混合して37℃で3時間撹拌した後、限外濾過(NMWL:10,000)した。
==リポソームの作製==
84mgのジパルミトイルフォスファチジルコリン、50.5mgのコレステロール、73mgのガングリオシド、9mgのジセチルフォスフェート、11.5mgのジパルミトイルフォスファチジルエタノールアミン、234.5mgのコール酸ナトリウムを秤量し、15mLのメタノール・クロロホルム溶液(1:1)に溶解し、37℃で1時間撹拌した後、ロータリーエバポレーターで溶媒を蒸発させ、真空乾燥させた。得られたリピッドフィルムに、10mL Cy5.5標識HSA溶液(10 mg/mL)及び30mLバンコマイシン(VCM)(33.3mg/mL)溶液(ARDRICH社 製品番号#861987)、10mL TAPS緩衝液を加えて総量50 mlとし、再懸濁し、37℃で1時間撹拌後、溶液上の空気を窒素置換し超音波処理をした。限外濾過(NMWL:10,000)によって、Cy5.5標識VCM内包リポソーム溶液を得た。
==リポソームの表面修飾==
50mLのCy5.5標識VCM内包リポソーム溶液に対し、限外濾過(NMWL:300,000)によって、緩衝液をCBS緩衝液(50mM 炭酸水素ナトリウム/150mM 塩化ナトリウム、pH8.5)に置換し、50mLのリポソーム溶液を得た。一方、50mgのBS3(PIERCE社)を500μLのCBS緩衝液(pH8.5)に溶解し、これをリポソーム溶液に添加して、室温で2時間撹拌した後、4℃で一晩撹拌した。限外濾過(NMWL:300,000)により遊離のBSを除去し、132mg/mL トリス溶液(CBS緩衝液、pH8.5)を1.5mL添加して、室温で2時間撹拌後、4℃で一晩撹拌した。限外濾過(NMWL:300,000)により遊離のトリスを除去するとともに、緩衝液をTAPS緩衝液(pH8.4)に置換し、50mLのリポソーム溶液を得た。0.054gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを1.25mLのTAPS緩衝液(pH8.4)に溶解し、これをリポソーム溶液に添加し、4℃で一晩撹拌した。限外濾過(NMWL:300,000)によってメタ過ヨウ素酸ナトリウムを除去するとともに緩衝液をPBS緩衝液(10mM リン酸水素ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム/150mM 塩化ナトリウム、pH8.0)に置換し、10mg/mL HSA溶液(PBS緩衝液、pH8.0)を10mL添加し、室温で2時間反応させ、50mLのリポソーム溶液を得た。15.5mgのシアノホウ素酸ナトリウムを125μLのPBS緩衝液(pH8.0)に溶解し、これをリポソーム溶液に添加して、4℃で一晩撹拌した。限外濾過(NMWL:300,000)により遊離のシアノホウ素酸ナトリウム及び遊離のHSAを除去するとともに、緩衝液をCBS緩衝液(pH8.5)にバッファー交換し、50mLのリポソーム溶液を得た。
一方、シアリルルイスX糖鎖(SLX)(Calbiochem社)を、最終濃度が4mg/mLになるように精製水に溶解させた後、炭酸水素アンモニウムを飽和するまで溶解させ、37℃で3日間反応し、氷冷後、0.45μmフィルターでろ過し、4mg/mLのアミノ化SLX溶液を得た。
25mLのリポソーム溶液に25mgのDTSSP(PIERCE社)を添加し、室温で2時間撹拌後、冷蔵下で一晩撹拌した。限外濾過(NMWL:300,000)により遊離のDTSSPを除去し、4mg/mL アミノ化SLX溶液をSLXの最終濃度が50μg/mLとなるように添加し、室温で2時間撹拌後、132mg/mL トリス溶液(CBS緩衝液、pH8.5)を500μL添加し、4℃で一晩撹拌した。限外濾過(NMWL:300,000)により遊離のアミノ化糖鎖及び遊離のトリスを除去し、緩衝液をHEPES緩衝液(pH7.2)(10mM HEPES/150mM 塩化ナトリウム、pH7.2)に置換した後、0.45μmのフィルターで濾過した。
[実施例2]リポソームの安定性の測定
実施例1で作製したリポソームの粒子径、ゼータ電位は、リポソーム溶液を精製水で50倍に希釈して、ゼータサイザー ナノ(Nano-ZS)(MALVERN社)で測定した。脂質量は、リポソームの構成脂質であるコレステロールを定量することにより総脂質量を算出した。脂質の定量にはコレステロールE−テストワコー(和光純薬、カタログ番号439-17501)を用いた。キットに添付されている200mg/dL コレステロール標準液を精製水で希釈して用いた。キット付属の発色液300μLに検体もしくは標準液を10μL添加し、撹拌した。37℃で20分間静置した後、吸光度595nmを測定した。濃度既知である標準溶液により検量線を作成して、リポソームのコレステロール量を測定して脂質量を求めた。コレステロール量から脂質量を求める換算式:脂質量(mg/mL)=コレステロール量(mg/mL)×4.51(換算係数)。
リポソームに結合あるいは内包されたHSA量の測定は、Micro BCATM Protein Assay Reagent kit(PIERCE社、Code.No.23235BN)を用いた。標準物質として、キットに添付された2mg/mL アルブミン(BSA)を使用した。スタンダード溶液として、標準物質(2mg/mL:アルブミン)をPBS緩衝液で希釈して、0、0.25、0.5、1、2、3、4、5μg/50μL溶液を調製した。リポソームをPBS緩衝液で20倍希釈し、被験試料とした。スタンダード溶液、検体溶液を50μLずつ分注した各試験管に3%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS溶液)を100μL添加した。キットに添付された試薬A、B、Cを試薬A:試薬B:試薬C=48:2:50となるように混合して、各試験管に150μL添加した。この試験管を60℃で1時間静置した後、室温に戻してから、吸光度540nmを測定し、スタンダード溶液により検量線を作成して、リポソームに内包されたHSA量を測定した。
このようにして得られた結果を図1及び表1に示す。
また、バンコマイシン内包量(力価)を、製造直後と製造1年後(4℃保存)に、バイオアッセイで測定した。以下に、その方法を詳述する。
まず、Bacillus subtilis(ATCC6633)をNutrient寒天培地(1xNutrient Broth(Difco社)含有、1.5%寒天粉末(SAJ社))に接種し、35℃で16〜24時間培養した。シングルコロニーを100mLのNutrient培地に接種し、35℃で16〜24時間培養した。2.4gのNutrient Broth(Difco社)を300mLの精製水で溶解し、4.5gの寒天粉末を加え、オートクレーブ滅菌した。45〜50℃で培養液を2mL加えて、基層寒天培地の上に約5mL注いで寒天が水平になるよう静置し、種層寒天培地を作製した。種層寒天培地が固まった後、コルクポーラーを用いて、半径25mmの円周上に等間隔になるように、シャーレの底に達する直径約7mmの円形の孔を4個あけ、穿孔寒天平板を作製した。
バンコマイシン塩酸塩をHEPES緩衝液(pH7.2)で溶解し、5〜500μg/mL(力価)のバンコマイシン標準液を調製した。対照としては、HEPES緩衝液のみを使用した。60μLのリポソームサンプルまたはバンコマイシン標準液を570μLのメタノール・クロロホルム溶液(1:1)と混合し、ボルテックスした後、穿孔寒天平板の穿孔に50μLずつ入れた。穿孔寒天平板を35℃で16〜20時間培養し、形成された阻止円の直径をデジタルノギスで測定した。
バンコマイシンの力価(P)と阻止円の直径(d)との間には下式の関係が成立する。
(式中、α及びβは定数である。)
各濃度のバンコマイシン標準液の阻止円直径から検量線を作成し、これをもとにリポソームサンプルのバンコマイシン力価を算出した。結果を表1に示す。
表1及び図1より、バンコマイシンを内包させたリポソームは、少なくとも1年間は、4℃保存で、粒子径分布もあまり変化はなく、平均粒子径はほとんど変わらず、全く漏れがなくて力価は安定していた。また、吸光度(680nm)は、少なくとも1年間はほぼ一定で、リポソームに内包されているCy5.5量にも漏れが無かった。リポソームの表面電荷を示すゼータ電位は、少なくとも1年間は、−30mV以下であり、リポソームは安定な分散性を有していた。脂質量もタンパク質量も、少なくとも1年間は変化が無かった。
このように、少なくとも1年間は、本発明のリポソームの性状に影響を及ぼすような変化は生じなかった。
==比較例==
バンコマイシンの代わりに、リン酸プレゾニゾロン、プラバスタチン、シスプラチン、IgGを、同様に糖鎖修飾リポソームに内包させ、製造直後と一定期間後に、薬剤量を測定した。
リポソームに内包されたリン酸プレドニゾロンは、吸光度法により測定した。検出器としてはUltrospec6300pro(Amersham Biosciences社)を用いた。リン酸プレドニゾロン標準液(10mg/mL、メタノール・クロロホルム溶液(1:1))をメタノール・クロロホルム溶液(1:1)で希釈し、0.05、0.1、0.25、0.5、1.0mg/mLの各濃度のリン酸プレドニゾロン溶液を調製した。リポソーム溶液をメタノール・クロロホルム溶液(1:1)で10倍希釈し、被験試料とした。吸光度260nmを測定し、標準液より作成した検量線を基にして、リポソームに内包されたリン酸プレドニゾロン量を算出した。なお、リン酸プレドニゾロンの漏れは、冷蔵状態で7日間静置後、限外濾過(NMWL:300,000)によりリポソームから漏出したリン酸プレドニゾロンを除去し、吸光度法により測定することにより確認した。
リポソームに内包されたプラバスタチンは、吸光度法により測定した。吸光度測定には、Ultrospec6300pro(GE Healthcare社)を用いた。標準液として、標準物質(1mg/mL プラバスタチン)をPBS緩衝液で希釈して、0、25、50、100、125、250、500、750、1000μg/mLの各濃度のプラバスタチン溶液を調製した。標準液及び検体溶液を20μL分注した各試験管にメタノール・クロロホルム溶液(1:1)を180μL添加した。吸光度239nmを測定し、標準液より作成した検量線を基にして、リポソームに内包されたプラバスタチン量を算出した。なお、プラバスタチンの漏れは、冷蔵状態で3ヶ月間静置後、限外濾過(NMWL:300,000)によりリポソームから漏出したプラバスタチンを除去し、吸光度法によりリポソーム中のプラバスタチン量を測定することにより確認した。
リポソームに内包されたシスプラチンは、フレームレス原子吸光光度法(FAAS)により測定した。FAASには、AA-6700 Atomic absorption Flame emission spectrophotometer (島津製作所)を用いた。波長265.9nm、スリット幅0.5、ランプ電流14mAの条件下にて、120℃で30秒間、250℃で10秒間、700℃で20秒間,700℃で5秒間、2600℃で3秒間にわたって順次処理した。白金標準液(1mg/mL Pt)を精製水で希釈して、12.5、25、50、100、200ng/mLの各濃度の白金溶液を調製し、検量線を作成した。リポソーム溶液を精製水で10000倍希釈して、被験試料とした。得られた白金量からシスプラチン量への換算は、白金とシスプラチンの分子量から、下式により算出した。なお、シスプラチンの漏れは、冷蔵状態で3ヶ月間静置後、限外濾過(NMWL:300,000)によりリポソームから漏出したCDDPを除去し、FAASによりリポソーム中のCDDP量を測定することにより確認した。
シスプラチン量=白金量(測定値)×300(シスプラチンの分子量)/195(白金の分子量)
リポソームに内包されたIgGの測定は、Micro BCATM Protein Assay Reagent kit (PIERCE社、 Code.No.23235BN)を用いた。標準物質として、キットに添付された2mg/mL アルブミン(BSA)を使用した。標準液として、標準物質(2mg/mL:アルブミン)をPBS緩衝液で希釈して、0、0.25、0.5、1、2、3、4、5μg/50μLの各濃度の溶液を調製した。IgG内包リポソームをPBS緩衝液で20倍希釈し、被験試料とした。標準液及び検体溶液を50μLずつ分注した各試験管に3%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS溶液)を100μL添加した。キットに添付された試薬A、B、Cを試薬A:試薬B:試薬C=48:2:50となるように混合して、各試験管に150μL添加した。この試験管を60℃で1時間静置した。室温に戻ってから、吸光度540nmを測定し、標準液より作成した検量線を基にして、リポソームに内包されたIgG量を算出した。なお、IgGの漏れは、冷蔵状態で7日間静置後、限外濾過(NMWL:300,000)によりリポソームから漏出したIgGを除去し、BCAキットを用いて、リポソーム中のIgG量を測定することにより確認した。
結果を表2に示す。
バンコマイシンを内包させたリポソームは、4℃保存では、少なくとも1年間は非常に安定だったのに対し、プラバスタチンやシスプラチンは、3ヵ月後に、6%の漏れが検出され、リン酸プレゾニゾロンやIgGは、7日後に、それぞれ30%及び12%もの漏れが検出された。
[実施例3]バンコマイシン(VCM)内包リポソームのマウス感染症モデルへの投与
本実施例では、実施例1で作製したVCM内包リポソームをマウス感染症モデルの生体内に投与し、VCM単独投与と感染症治療効果を比較して、実際にVCM内包リポソームが医薬としてより機能することを示す。
まず、軟部組織感染症モデルには、BALB/cマウスの浅殿筋内に5μLのルシフェラーゼを発現するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA Xen31系統、Caliper life Sciences社)(Am J Otolaryngol. 2010 Apr 29, published online)を8x10CFU(Colony Forming Units)/μLを注入する再現性の高いモデルを用いた。MRSAは37℃でLB(Luria Bertani)培地にて培養した後、分注し−30℃で保管したものを使用した。
MRSAを浅殿筋内に注射直後に、実施例1で作製したCy5.5標識VCM内包リポソームを205μL(VCM8μg含有)を尾静脈投与した。対照マウスには、同様の動物モデルにVCM溶液242μL(VCM8μg含有)を尾静脈投与した。その後、BLI(bioluminscence imaging)で細菌動態を、FI(fluorescence imaging)でリポソーム動態を経時的に観察した。図2に、5日目(図2A,C,D,E)と7日目(図2B,F)における、リポソーム注入マウス(図2C,D,E,F)及び対照マウス(図2A,B)の観察結果を示す。なお、図2では、VCM及びVCM内包リポソームを投与した結果を、それぞれVCM及びVCM/Lypoと表記した。また、細菌動態及びリポソーム動態を観察した像を、それぞれMRSA及びLypoと表記し、細菌動態とリポソーム動態を重ね合わせた像をMergedと表記した。
5日目において、リポソーム注入マウス(図2C)及び対照マウス(図2A)において、安定した感染巣が成立した。そして、リポソーム注入マウスにおいては、リポソームが感染巣周囲に特異的に集積していた(図2D,E)。7日目では、対照マウス(図2B)でバンコマイシンの投与にもかかわらず細菌が増殖し感染巣が拡大していたが、バンコマイシン内包リポソーム注入マウス(図2F)では、細菌による感染巣が縮小していた。
このように、感染症モデルにおけるVCM内包リポソームの投与は、バンコマイシン溶液の単独投与と比較して、治療効果が顕著に高くなることが明らかである。
[実施例4]バンコマイシン(VCM)内包リポソームのマウス感染症モデルへの投与
実施例3では細菌を動物に注入直後(感染初期動物モデル)にVCM内包リポソームを投与し、その医薬効果を判定した。また、VCM内包リポソームは、VCM量8μgという少量でも治療効果があることを示した。実施例4では、細菌が成体内に十分な感染巣を形成した後にVCM内包リポソームを投与しても、十分な治療効果があること、また、VCM内包リポソームの投与量は、さらに少量でも治療効果があることを示す。
軟部組織感染症モデルには、実施例3と同様に、BALB/cマウスの浅殿筋内に5μLのルシフェラーゼを発現するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA Xen31系統、Caliper life Sciences社)(Am J Otolaryngol. 2010 Apr 29, published online)を8x10CFU(Colony Forming Units)/μLを注入する再現性の高いモデルを用いた。MRSAは37℃でLB(Luria Bertani)培地にて培養した後、分注し−30℃で保管したものを使用した。
MRSAを浅殿筋内に注射3日後に、細菌由来の発光を観察することによって、細菌の十分な成体への生着を確認した。その後、
(1)実施例1で作製したCy5.5標識VCM内包リポソームを2.957μg、1日1回静脈投与群
(2)実施例1で作製したCy5.5標識VCM内包リポソームを0.552μg、1日1回静脈投与群
(3)VCM通常皮下注投与 2750μg/回、1日2回静脈投与群
(4)VCM通常静脈内投与 375μg/回、1日2回静脈投与群
(5)VCM通常静脈内投与 1.478μg/回、1日2回静脈投与群
(6)実施例1で作製したCy5.5標識VCMが内包されていないリポソームの静脈投与群(対照群)
の6群間(N=5/群)で、BLI(bioluminscence imaging)で細菌動態を、FI(fluorescence imaging)でリポソーム動態を経時的に(12時間、24時間、3日、5日、7日目)観察した。図3に、上記の(2)(4)(5)(6)群の典型的なマウスの細菌動態とリポソーム動態を示す。また、(1)〜(6)群について、細菌による発光量の定量化グラフを図4に示す。
(1)(2)群では、その他の群と比較して投与量が極端に少ないにもかかわらず、試薬投与2日目(2POD, Day5)には、同程度の細菌増殖の抑制効果を示し、7日目(7POD, Day10)には、そのほかの群より強力な細菌増殖の抑制効果を示し、細菌が消失し感染が治癒した。一方で、対照群の(6)群では細菌増殖は動物作製から感染は拡大し、4日目にしてほぼプラトーに達し感染は継続していた。さらに、1日あたりの投与量として(1)群と同量のVCMを静脈内投与した(5)群でも感染は継続していた。また、過去の論文で一般に使用されている投与方法及び投与量の(3)群、(4)群では、細菌増殖は抑制傾向にあったが、7日目にしても感染は継続していた。(2)群のVCMの投与濃度を過去の論文で一般に使用されているVCM通常皮下ならびに静脈投与の(3)群、(4)群と比較すると、それぞれ9964分の1と1359分の1の濃度となる。
このように、感染症モデルにおけるVCM内包リポソームの投与は、VCM通常投与量の約1万分の1の極微量投与量での治療効果が、通常投与量以上に認められた。これは、実施例1で作製したリポソームの感染巣への高い特異的集積性に起因するものである。
本発明によって、糖鎖修飾リポソームを用いたドラッグデリバリーシステムに適した薬剤、特に感染症治療薬を提供することができるようになった。

Claims (7)

  1. 外表面がトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾された糖鎖修飾リポソームであって、
    バンコマイシンを含有しているリポソーム。
  2. 前記トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基が、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ基であることを特徴とする、請求項1に記載のリポソーム。
  3. 請求項1または2に記載のリポソームを含有する医薬組成物。
  4. 請求項1または2に記載のリポソームを含有する感染症治療剤。
  5. 医薬組成物の製造方法であって、
    外表面がトリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基及びシアリルルイスX基で修飾された糖鎖修飾リポソームに、バンコマイシンを含有させる工程を含む方法。
  6. 前記トリス(ヒドロキシアルキル)アルキルアミノ基が、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ基であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. バンコマイシンを含有した前記糖鎖修飾リポソームを感染症治療剤に剤形化する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
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