JPWO2011155216A1 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

トッププレート2下面で線状に形成され加熱コイル3の外周部を取り囲む複数の電極6と、電極6にコンデンサを介して高周波信号を供給する高周波信号発生部7と、電極6に加わる高周波信号を入力し直流電圧に変換する直流電圧変換部8と、鍋1に収容された液体の吹き零れを検知する吹き零れ検知部9と、を備える。吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から残りの電極6毎に決められた第1上昇値ΔV以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、第1所定時間内に残りの電極6の全ての出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。

Description

本発明は、調理時に起こりうる静電容量変化による吹き零れ誤検知を回避することを可能とした誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、プレート下面に配置された電極に吹き零れが接した際、プレート上に載置された鍋と前記電極との間の静電容量が、吹き零れがない場合の所定値よりも増加や減少など変動したことを検出する。そして、静電容量の変動を検出した場合、誘導加熱調理器は、吹き零れと判定し、回路を停止させまたは加熱コイルに流す高周波電流を減少させる(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器を示す。図7に示すように、従来の誘導加熱調理器は、鍋1が載置されるトッププレート10と、加熱コイル11と、電極12と、交流電源13と、駆動回路14と、制御回路15と、静電容量測定回路16とから構成されている。
特開2008−159494号公報
静電容量は吹き零れのない場合にも変動することがある。例えば、利用者が鍋を触る、鍋をはなすなど、調理中に通常起こりうる動作を行った場合にも、吹き零れのない場合の所定値よりも静電容量が増加あるいは減少することがある。そして、従来の誘導加熱調理器では、上述のような利用者の動作に伴う静電容量変動についても吹き零れと誤って判定する場合があるという課題があった。
そして、誤検知が発生すると利用者が調理を継続することが不可能となるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、例えば、利用者が鍋に触れたり、はなしたりした動作に伴う静電容量の変動による吹き零れ誤検知を回避し、これにより継続して調理を行うことができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明の誘導加熱調理器は、鍋を載置するトッププレートと、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給部と、前記高周波電流供給部の加熱動作を制御する制御部と、前記トッププレート下面で線状に形成され前記加熱コイルの外周部を取り囲む複数の電極と、前記各電極にコンデンサを介して高周波信号を供給する高周波信号発生部と、前記各電極に加わる前記高周波信号を入力し各電極毎に直流電圧に変換する直流電圧変換部と、前記直流電圧変換部の出力電圧に基づいて前記鍋に収容された液体の吹き零れを検知する吹き零れ検知部と、を備え、前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記残りの電極毎に決められた第2上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。
本発明は、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動の態様と、吹き零れによる静電容量の変動の態様とは異なることに着目したものである。すなわち、吹き零れの場合、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後は、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない。一方、吹き零れでない場合、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合は、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から第2上昇値以上上昇する。本発明は、このような知見に基づいて、吹き零れか否かの判定を行うようにした。本発明によれば、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。
本発明の誘導加熱調理器は、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変化による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。これにより、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示すブロック図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極例を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の他形態を示す図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図 従来の誘導加熱調理器を示す図
本願の各発明は、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動の態様と、吹き零れによる静電容量の変動の態様とは異なることに着目したものである。すなわち、吹き零れの場合、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後は、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない。一方、吹き零れでない場合、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合は、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から第2上昇値以上上昇する。本発明は、このような知見に基づいて、吹き零れか否かの判定を行うようにした。本発明によれば、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。
第1の発明にかかる誘導加熱調理器は、鍋を載置するトッププレートと、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給部と、前記高周波電流供給部の加熱動作を制御する制御部と、前記トッププレート下面で線状に形成され前記加熱コイルの外周部を取り囲む複数の電極と、前記各電極にコンデンサを介して高周波信号を供給する高周波信号発生部と、前記各電極に加わる前記高周波信号を入力し各電極毎に直流電圧に変換する直流電圧変換部と、前記直流電圧変換部の出力電圧に基づいて前記鍋に収容された液体の吹き零れを検知する吹き零れ検知部と、を備え、前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記残りの電極毎に決められた第2上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。これにより、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第2の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1の発明の電極を、円弧状に形成され加熱コイルの外周に沿って配置している。これにより、利用者が鍋に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋から液体が吹き零れた場合をより正確に判別することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第3の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1または第2の発明にかかる誘導加熱調理器の吹き零れ検知部を、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合に、吹き零れは発生していないと判定するように構成している。これにより、複数配置された電極の中央部に鍋が載置された場合に利用者が鍋に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋から液体が吹き零れた場合をより正確に判定することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第4の発明にかかる誘導加熱調理器では、第1または第2の発明にかかる誘導加熱調理器において、吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1の上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも2つの電極の出力電圧が前記基準値からそれぞれ所定の上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記それぞれの所定の上昇値と前記前記第1の上昇値とをそれぞれ異ならせる。これにより、複数配置された電極の中央部ではなく一方向にずれた状態で鍋が載置されている場合でも、利用者が鍋に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋から液体が吹き零れた場合をより正確に判別することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第5の発明にかかる誘導加熱調理器では、第1または第2の発明にかかる誘導加熱調理器において、吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合であっても直ちには吹き零れが発生しているか否かを判定せず、前記第1所定時間の経過後第2所定時間内にさらに、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合に初めて、吹き零れは発生していないと判定する。これにより、利用者が、第2所定時間の間、断続的に鍋に触れたりはなしたりしていることを検知することができる。したがって、より正確に吹き零れの有無を判定することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第6の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1、第2、第3、第5のいずれか1つの発明にかかる誘導加熱調理器において、前記前記第1上昇値と前記第2上昇値は同一の値である。これにより、誘導加熱調理器の構成を簡易なものとすることができる。
第7の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1〜第6のいずれか1つの発明にかかる誘導加熱調理器において、前記吹き零れ検知部は、吹き零れ検知部で吹き零れではないと判定した後、第3所定時間の間、吹き零れ検知を無効にする。これにより、調理中の利用者は、加熱を停止することなくより快適に調理を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図である。
図4は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の他形態を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理器は、トッププレート2、加熱コイル3、高周波電流供給部4、制御部5、複数の電極6、高周波信号発生部7、直流電圧変換部8、及び吹き零れ検知部9を有する。トッププレート2は鍋1が載置される。加熱コイル3は、鍋1を加熱する。高周波電流供給部4は、加熱コイル3に高周波電流を供給する。制御部5は、高周波電流供給部4の加熱動作を制御する。複数の電極6は、トッププレート2の下面に線状に形成され加熱コイル3の外周部を多角形状に取り囲むように配置されている。各電極6は、図2に示すように、例えば幅T=1.5cm、長さL=5cmで、線状(直線状)に形成されている。また、電極6は、電極6の一端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線と電極6の他端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線が加熱コイル3の中心において角度θ=30度をなすように、加熱コイル3の外周部に沿って円弧状に配置されている。高周波信号発生部7は、電極6にコンデンサCを介して高周波信号を供給する。直流電圧変換部8は、各電極6に加わる高周波信号を入力し各電極6毎に直流電圧に変換する。吹き零れ検知部9は、直流電圧変換部8の出力電圧に基づいて鍋1に収容された液体の吹き零れを検知する。高周波信号発生部7、直流電圧変換部8及び吹き零れ検知部9の共通電位がアース(大地)に対して不安定な電位である場合には、吹き零れにより検知電圧が基準値に対し上昇する場合がある。本実施形態の誘導加熱調理器は、この場合でも検知電圧の上昇を検知して吹き零れの検知ができる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作及び作用を説明する。
鍋1は、誘導加熱調理器の外郭の一部を形成するトッププレート2上に載置される。そのとき、鍋1はトッププレート2を挟んで加熱コイル3と対向する位置に載置される。トッププレート2は結晶化ガラスで形成されることが多いが、それに限定されない。
加熱コイル3は、高周波電流が供給され、その電流によって高周波磁界を発生させる。高周波電流は、制御部5の指示に従って動作する高周波電流供給部4から供給される。高周波磁界を受けた鍋1には渦電流が発生し、その渦電流によって鍋1が加熱される。
制御部5は、高周波電流供給部4を所望の動作を行うように制御する。制御部5は、吹き零れ検知部9で吹き零れが検知されると、高周波電流供給部4から供給する高周波電流を減少させることにより火力を減少させ、または高周波電流供給部4から高周波電流を供給するのを停止させることにより加熱を停止させる。
電極6は、トッププレート2の下面に塗布または接着などによって形成される導電体であり、トッププレート2上の導電体とでコンデンサを形成する。通常はトッププレート2上には何もない状態であるため、電極6と空気によりコンデンサが形成される。しかし、鍋1、利用者の指、水、被調理物などの別の物がトッププレート2上にあると、それぞれの比誘電率が空気と異なるため静電容量が変化する。
吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、第1所定時間内に残りの電極6の全ての出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。
具体的には、吹き零れ検知部9は、直流電圧変換部8の出力電圧に基づいて静電容量の変化を検出する。また、吹き零れ検知部9は吹き零れではないと判定した場合、判定後の10秒間(第3所定時間)は吹き零れ検知を無効にする。無効にするのは、利用者が調理を行っている可能性が高いからである。このように無効にすることにより、調理中の利用者は、加熱を停止することなくより快適に調理を行うことができる。吹き零れ検知部9は、静電容量の変化を直流電圧の変化などに変換して検知するものが多いが、それに限定されない。
吹き零れ検知部9は、複数の電極6のそれぞれについて直流電圧変換部8の各出力電圧を測定し、この出力電圧に基づいて吹き零れの有無を判定する。具体的には、吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちいずれか一つの電極6において、測定した出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇したか否かを判定する。第1基準値V0は、吹き零れがない場合の出力電圧である。第1上昇値ΔVは、例えば15digitである。「digit」は、マイクロコンピュータによって変換された値を示し、1digit=0.0195Vを示す。
いずれか一つの電極6において出力電圧が図3のように第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇した場合、吹き零れ検知部9は、この最初に電圧が上昇した電極6(以下適宜「トリガ電極」という)の電圧の上昇から第1所定時間の間に他の電極6において出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇したか否かを判定する。
そして、他の電極6において図3のように出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値(ΔV)以上上昇したときは、吹き零れ検知部9は、吹き零れは発生していないと判定する。一方、他の電極6において、出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値(ΔV)以上上昇しなかったときは、吹き零れ検知部9は、吹き零れが発生していると判定する。
換言すれば、第1上昇値ΔV以上の上昇が、複数の電極6の内の最初に上昇した電極6を含む少なくとも2つ以上の電極6において、トリガ電極における出力電圧の上昇から開始される第1所定時間内(例えば、0.5秒)に発生した場合、吹き零れではないと判定する。これにより、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変化による加熱停止や火力減少などの誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手を向上させることができる。さらに、吹き零れではないと判定した後、第3所定時間(例えば10秒)は誤検知発生をさらに防ぐため吹き零れ検知を無効にする。
なお、第1所定時間は利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、同時(0秒)でもかまわないものとする。
そして、第1上昇値(ΔV)も利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、他の値でもかまわないものとする。
なお、複数の電極6は、前述のようにトッププレート2の下面に設けられているが、例えば他の構成部材との配置関係により電極6の構造や配置が制約を受ける場合がある。そして、電極6の構造や配置によっては、複数の電極6のインピータンスが電極6毎に異なることとなる場合がある。この場合に、各電極6における吹き零れの検知を同感度で行うためには、第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値及び第2上昇値)を各電極6毎に、各電極6のインピーダンスに応じた値に設定すればよい。つまり、電極6毎に第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値及び第2上昇値)を異なる値としてもよい。このように構成することにより、複数の電極6のインピータンスが電極6毎に異なる場合でも、吹き零れを精度よく検知することができる。また、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、より一層正確に判別することができる。なお、この技術思想は、実施の形態3にも適用可能である。
本実施形態では、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)上昇したことを判定するときの上昇値(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)と、その後の第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から上昇したことを判定するときの上昇値(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)とを第1上昇値ΔVで同じ値とした。これにより、誘導加熱調理器の構成を簡易なものとすることができる。なお、第1上昇値と第2上昇値は異なる値であってもよい。この技術思想は、実施の形態3にも適用可能である。
本実施の形態においては、電極6を図2に示すように構成したが、図4に示すように構成してもよい。すなわち、図4に示すように電極6は円弧状に形成され各加熱コイル3の周囲にそれぞれ3つの電極6を、加熱コイル3の外周に沿うように配置している。具体的には、電極6は、例えば幅T=1.5cm、長さL=10cm、角度θ=120度で、円弧状に形成されている。また、電極6は、電極6の一端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線と電極6の他端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線とが加熱コイル3の中心においてなす角度θが、角度θ=120度となるように、形成及び配置されている。このような構成とすることにより、加熱コイル3の中央部から電極6までの距離が均等になる。これにより、図2に示すように多角形状に電極6を配置した場合と比べ、加熱コイル3の中央部に載置された鍋1に利用者が触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変化と、鍋1から液体が吹き零れた場合の静電容量の変化とを、より正確に判別することができる。
なお、図2、図4での電極6の幅T、長さL、及び加熱コイル3の中心に対する角度θは、これに限られるものではなく、電極6の本数や電極6同士の間隔、電極6の円弧と加熱コイル3の円弧との距離、検知させたい範囲などに応じて適宜調整することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。より具体的な例を説明すると、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合などに、静電容量が小さくなって、出力電圧が基準値に対して上昇することによる、吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。このように、本実施形態によれば、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
なお、上記各態様において、吹き零れ検知部9を、1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)以上上昇した後、第1所定時間の間に前記残りの電極6の全ての出力電圧が第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合に、吹き零れではないと判定するように構成してもよい。この構成によれば、複数配置された電極6の中央部に鍋1が載置された場合に利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合をより正確に判定することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の実施の形態2における電極の出力電圧を示す図である。
なお、実施の形態1と同じ構成物・動作については説明を省略する。
本実施形態では、吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1の上昇値ΔV1以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも2つの電極6の出力電圧が第1基準値V0からそれぞれ所定の上昇値ΔV2、ΔV3以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定する。そして、それぞれの所定の上昇値ΔV2、ΔV3と第1の上昇値デルタV1とをそれぞれ異ならせる。
具体的には、吹き零れ検知部9は、判定用の上昇値として、第1上昇値ΔV1(例えば13digit)、第2上昇値ΔV2(例えば10digit)、第3上昇値ΔV3(例えば7digit)の3種類の異なる値を用いる。そして、吹き零れ検知部9は、トリガ電極における第1上昇値ΔV1以上の出力電圧の上昇から開始される第1所定時間内(例えば、0.5秒)に、残りの電極6のうちの2つの電極6において上記第2上昇値ΔV2及び第3上昇値ΔV3以上の出力電圧の上昇が発生した場合、吹き零れではないと判定する。つまり、判定用の複数の上昇値ΔV1、ΔV2、ΔV3を複数設けることで、複数配置された電極6の中央部ではなく一方向にずれた状態で鍋1が載置されている場合でも、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、吹き零れ検知部9においてより正確に判別することができる。
なお、第1所定時間は利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、同時(0秒)でもかまわないものとする。
そして、第1上昇値(ΔV)も利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、他の値でもかまわないものとする。
本実施形態によれば、鍋1がさまざまな場所に載置されている場合でも、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
実施の形態1で説明したように、複数の電極6のインピーダンスは、電極6の構造や配置によって、電極6毎に異なることとなる場合がある。そのため、各電極6における吹き零れの検知を同感度で行うために、第1上昇値ΔV1(特許請求の範囲における第1上昇値)、第2、第3上昇値ΔV2、ΔV3(特許請求の範囲における所定の上昇値)のそれぞれを、各電極6毎に、各電極6のインピーダンスに応じた値に設定してもよい。このように構成することにより、複数の電極6のインピータンスが電極6毎に異なる場合でも、吹き零れを精度よく検知することができる。また、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、より一層正確に判別することができる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明の実施の形態3における電極の出力電圧を示す図である。
なお、実施の形態1と同じ構成物・動作については説明を省略する。
本実施形態では、吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)から第1上昇値ΔV以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合であっても直ちには吹き零れが発生しているか否かを判定しない。そして、吹き零れ検知部9は、第1所定時間の経過後第2所定時間内にさらに、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合に初めて、吹き零れは発生していないと判定する。つまり、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇した後、第1所定時間内に、第1上昇値ΔV以上の電圧上昇が残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6で発生する現象が繰り返し発生した場合、吹き零れ検知部9は、吹き零れではないと判定する。
具体的には、図6に示すように、吹き零れ検知部9は、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0からの第1上昇値ΔVを算出する。吹き零れ検知部9は、トリガ電極における第1上昇値ΔV(例えば15digit)以上の電圧上昇から開始される第1所定時間(例えば、0.5秒)内に、トリガ電極以外の電極における第1上昇値ΔV(例えば15digit)以上の電圧上昇とで、少なくとも2回以上(トリガ電極の電圧上昇を含む)の電圧上昇が発生し、さらに第1所定時間経過後の第2所定時間(例えば10秒)内において、トリガ電極における第1上昇値ΔV(例えば15digit)以上の電圧上昇から開始される第1所定時間内に、トリガ電極以外の電極における第1基準値V0からの第1上昇値ΔV以上の出力電圧の上昇とで、少なくとも2回以上(トリガ電極の電圧上昇を含む)の電圧上昇が発生した場合、吹き零れではないと判定する。これにより、利用者が誘導加熱調理器周辺で鍋を動かしたり、触れたりする調理動作中であると判定することができる。なお、判定後から第3所定時間(例えば60秒)は誤検知発生をさらに防ぐため吹き零れ検知を無効にしてもよい。
なお、第1所定時間は利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、同時(0秒)でもかまわないものとする。
そして、第1上昇値(ΔV)も利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、他の値でもかまわないものとする。
本実施形態によれば、利用者が、第2所定時間の間、断続的に鍋に触れたりはなしたりしていることを検知することができる。したがって、より正確に吹き零れの有無を判定することができる。通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変化による吹き零れ検知の誤作動をより適切に防ぎ、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
また、本実施形態においては、図6に示すように、最初に出力電圧が上昇した電極6(トリガ電極)と3つ目に出力電圧が上昇した電極6は同一の電極であるが、異なる電極であってもよい。また、2つ目に出力電圧が上昇した電極6と4つ目に出力電圧が上昇した電極6は同一の電極であるが、異なる電極であってもよい。このように構成することにより、利用者が鍋に触れたりはなしたりするのを様々な方向において行った場合でも、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、正確に判別することができる。
本発明の誘導加熱調理器によれば、機器の操作や清掃性に支障を来すことがないように電極を配置する。これによって、吹き零れを確実に検知し、かつ利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変化により吹き零れ検知機能が誤作動を起こすのを防ぐことができる。これにより、本発明の誘導加熱調理器は、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手が向上するという効果を有する。本発明は、一般家庭などで使用される誘導加熱調理器に有用である。
1 鍋
2 トッププレート
3 加熱コイル
4 高周波電流供給部
5 制御部
6 電極
7 高周波信号発生部
8 直流電圧変換部
9 吹き零れ検知部
本発明は、調理時に起こりうる静電容量変化による吹き零れ誤検知を回避することを可能とした誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、プレート下面に配置された電極に吹き零れが接した際、プレート上に載置された鍋と前記電極との間の静電容量が、吹き零れがない場合の所定値よりも増加や減少など変動したことを検出する。そして、静電容量の変動を検出した場合、誘導加熱調理器は、吹き零れと判定し、回路を停止させまたは加熱コイルに流す高周波電流を減少させる(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器を示す。図7に示すように、従来の誘導加熱調理器は、鍋1が載置されるトッププレート10と、加熱コイル11と、電極12と、交流電源13と、駆動回路14と、制御回路15と、静電容量測定回路16とから構成されている。
特開2008−159494号公報
静電容量は吹き零れのない場合にも変動することがある。例えば、利用者が鍋を触る、鍋をはなすなど、調理中に通常起こりうる動作を行った場合にも、吹き零れのない場合の所定値よりも静電容量が増加あるいは減少することがある。そして、従来の誘導加熱調理器では、上述のような利用者の動作に伴う静電容量変動についても吹き零れと誤って判定する場合があるという課題があった。
そして、誤検知が発生すると利用者が調理を継続することが不可能となるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、例えば、利用者が鍋に触れたり、はなしたりした動作に伴う静電容量の変動による吹き零れ誤検知を回避し、これにより継続して調理を行うことができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明の誘導加熱調理器は、鍋を載置するトッププレートと、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給部と、前記高周波電流供給部の加熱動作を制御する制御部と、前記トッププレート下面で線状に形成され前記加熱コイルの外周部を取り囲む複数の電極と、前記各電極にコンデンサを介して高周波信号を供給する高周波信号発生部と、前記各電極に加わる前記高周波信号を入力し各電極毎に直流電圧に変換する直流電圧変換部と、前記直流電圧変換部の出力電圧に基づいて前記鍋に収容された液体の吹き零れを検知する吹き零れ検知部と、を備え、前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記残りの電極毎に決められた第2上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。
本発明は、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動の態様と、吹き零れによる静電容量の変動の態様とは異なることに着目したものである。すなわち、吹き零れの場合、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後は、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない。一方、吹き零れでない場合、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合は、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から第2上昇値以上上昇する。本発明は、このような知見に基づいて、吹き零れか否かの判定を行うようにした。本発明によれば、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。
本発明の誘導加熱調理器は、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変化による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。これにより、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示すブロック図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極例を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の他形態を示す図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図 従来の誘導加熱調理器を示す図
本願の各発明は、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動の態様と、吹き零れによる静電容量の変動の態様とは異なることに着目したものである。すなわち、吹き零れの場合、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後は、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない。一方、吹き零れでない場合、例えば、利用者が調理中に鍋に触れたりはなしたりした場合は、複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から第2上昇値以上上昇する。本発明は、このような知見に基づいて、吹き零れか否かの判定を行うようにした。本発明によれば、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。
第1の発明にかかる誘導加熱調理器は、鍋を載置するトッププレートと、前記鍋を加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給部と、前記高周波電流供給部の加熱動作を制御する制御部と、前記トッププレート下面で線状に形成され前記加熱コイルの外周部を取り囲む複数の電極と、前記各電極にコンデンサを介して高周波信号を供給する高周波信号発生部と、前記各電極に加わる前記高周波信号を入力し各電極毎に直流電圧に変換する直流電圧変換部と、前記直流電圧変換部の出力電圧に基づいて前記鍋に収容された液体の吹き零れを検知する吹き零れ検知部と、を備え、前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記残りの電極毎に決められた第2上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。これにより、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第2の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1の発明の電極を、円弧状に形成され加熱コイルの外周に沿って配置している。これにより、利用者が鍋に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋から液体が吹き零れた場合をより正確に判別することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第3の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1または第2の発明にかかる誘導加熱調理器の吹き零れ検知部を、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合に、吹き零れは発生していないと判定するように構成している。これにより、複数配置された電極の中央部に鍋が載置された場合に利用者が鍋に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋から液体が吹き零れた場合をより正確に判定することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第4の発明にかかる誘導加熱調理器では、第1または第2の発明にかかる誘導加熱調理器において、吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1の上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも2つの電極の出力電圧が前記基準値からそれぞれ所定の上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記それぞれの所定の上昇値と前記前記第1の上昇値とをそれぞれ異ならせる。これにより、複数配置された電極の中央部ではなく一方向にずれた状態で鍋が載置されている場合でも、利用者が鍋に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋から液体が吹き零れた場合をより正確に判別することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第5の発明にかかる誘導加熱調理器では、第1または第2の発明にかかる誘導加熱調理器において、吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合であっても直ちには吹き零れが発生しているか否かを判定せず、前記第1所定時間の経過後第2所定時間内にさらに、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合に初めて、吹き零れは発生していないと判定する。これにより、利用者が、第2所定時間の間、断続的に鍋に触れたりはなしたりしていることを検知することができる。したがって、より正確に吹き零れの有無を判定することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
第6の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1、第2、第3、第5のいずれか1つの発明にかかる誘導加熱調理器において、前記前記第1上昇値と前記第2上昇値は同一の値である。これにより、誘導加熱調理器の構成を簡易なものとすることができる。
第7の発明にかかる誘導加熱調理器は、第1〜第6のいずれか1つの発明にかかる誘導加熱調理器において、前記吹き零れ検知部は、吹き零れ検知部で吹き零れではないと判定した後、第3所定時間の間、吹き零れ検知を無効にする。これにより、調理中の利用者は、加熱を停止することなくより快適に調理を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の出力電圧を示す図である。
図4は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の電極の他形態を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1にかかる誘導加熱調理器は、トッププレート2、加熱コイル3、高周波電流供給部4、制御部5、複数の電極6、高周波信号発生部7、直流電圧変換部8、及び吹き零れ検知部9を有する。トッププレート2は鍋1が載置される。加熱コイル3は、鍋1を加熱する。高周波電流供給部4は、加熱コイル3に高周波電流を供給する。制御部5は、高周波電流供給部4の加熱動作を制御する。複数の電極6は、トッププレート2の下面に線状に形成され加熱コイル3の外周部を多角形状に取り囲むように配置されている。各電極6は、図2に示すように、例えば幅T=1.5cm、長さL=5cmで、線状(直線状)に形成されている。また、電極6は、電極6の一端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線と電極6の他端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線が加熱コイル3の中心において角度θ=30度をなすように、加熱コイル3の外周部に沿って円弧状に配置されている。高周波信号発生部7は、電極6にコンデンサCを介して高周波信号を供給する。直流電圧変換部8は、各電極6に加わる高周波信号を入力し各電極6毎に直流電圧に変換する。吹き零れ検知部9は、直流電圧変換部8の出力電圧に基づいて鍋1に収容された液体の吹き零れを検知する。高周波信号発生部7、直流電圧変換部8及び吹き零れ検知部9の共通電位がアース(大地)に対して不安定な電位である場合には、吹き零れにより検知電圧が基準値に対し上昇する場合がある。本実施形態の誘導加熱調理器は、この場合でも検知電圧の上昇を検知して吹き零れの検知ができる。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作及び作用を説明する。
鍋1は、誘導加熱調理器の外郭の一部を形成するトッププレート2上に載置される。そのとき、鍋1はトッププレート2を挟んで加熱コイル3と対向する位置に載置される。トッププレート2は結晶化ガラスで形成されることが多いが、それに限定されない。
加熱コイル3は、高周波電流が供給され、その電流によって高周波磁界を発生させる。高周波電流は、制御部5の指示に従って動作する高周波電流供給部4から供給される。高周波磁界を受けた鍋1には渦電流が発生し、その渦電流によって鍋1が加熱される。
制御部5は、高周波電流供給部4を所望の動作を行うように制御する。制御部5は、吹き零れ検知部9で吹き零れが検知されると、高周波電流供給部4から供給する高周波電流を減少させることにより火力を減少させ、または高周波電流供給部4から高周波電流を供給するのを停止させることにより加熱を停止させる。
電極6は、トッププレート2の下面に塗布または接着などによって形成される導電体であり、トッププレート2上の導電体とでコンデンサを形成する。通常はトッププレート2上には何もない状態であるため、電極6と空気によりコンデンサが形成される。しかし、鍋1、利用者の指、水、被調理物などの別の物がトッププレート2上にあると、それぞれの比誘電率が空気と異なるため静電容量が変化する。
吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、第1所定時間内に残りの電極6の全ての出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する。
具体的には、吹き零れ検知部9は、直流電圧変換部8の出力電圧に基づいて静電容量の変化を検出する。また、吹き零れ検知部9は吹き零れではないと判定した場合、判定後の10秒間(第3所定時間)は吹き零れ検知を無効にする。無効にするのは、利用者が調理を行っている可能性が高いからである。このように無効にすることにより、調理中の利用者は、加熱を停止することなくより快適に調理を行うことができる。吹き零れ検知部9は、静電容量の変化を直流電圧の変化などに変換して検知するものが多いが、それに限定されない。
吹き零れ検知部9は、複数の電極6のそれぞれについて直流電圧変換部8の各出力電圧を測定し、この出力電圧に基づいて吹き零れの有無を判定する。具体的には、吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちいずれか一つの電極6において、測定した出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇したか否かを判定する。第1基準値V0は、吹き零れがない場合の出力電圧である。第1上昇値ΔVは、例えば15digitである。「digit」は、マイクロコンピュータによって変換された値を示し、1digit=0.0195Vを示す。
いずれか一つの電極6において出力電圧が図3のように第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇した場合、吹き零れ検知部9は、この最初に電圧が上昇した電極6(以下適宜「トリガ電極」という)の電圧の上昇から第1所定時間の間に他の電極6において出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇したか否かを判定する。
そして、他の電極6において図3のように出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値(ΔV)以上上昇したときは、吹き零れ検知部9は、吹き零れは発生していないと判定する。一方、他の電極6において、出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値(ΔV)以上上昇しなかったときは、吹き零れ検知部9は、吹き零れが発生していると判定する。
換言すれば、第1上昇値ΔV以上の上昇が、複数の電極6の内の最初に上昇した電極6を含む少なくとも2つ以上の電極6において、トリガ電極における出力電圧の上昇から開始される第1所定時間内(例えば、0.5秒)に発生した場合、吹き零れではないと判定する。これにより、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変化による加熱停止や火力減少などの誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手を向上させることができる。さらに、吹き零れではないと判定した後、第3所定時間(例えば10秒)は誤検知発生をさらに防ぐため吹き零れ検知を無効にする。
なお、第1所定時間は利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、同時(0秒)でもかまわないものとする。
そして、第1上昇値(ΔV)も利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、他の値でもかまわないものとする。
なお、複数の電極6は、前述のようにトッププレート2の下面に設けられているが、例えば他の構成部材との配置関係により電極6の構造や配置が制約を受ける場合がある。そして、電極6の構造や配置によっては、複数の電極6のインピータンスが電極6毎に異なることとなる場合がある。この場合に、各電極6における吹き零れの検知を同感度で行うためには、第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値及び第2上昇値)を各電極6毎に、各電極6のインピーダンスに応じた値に設定すればよい。つまり、電極6毎に第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値及び第2上昇値)を異なる値としてもよい。このように構成することにより、複数の電極6のインピータンスが電極6毎に異なる場合でも、吹き零れを精度よく検知することができる。また、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、より一層正確に判別することができる。なお、この技術思想は、実施の形態3にも適用可能である。
本実施形態では、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)上昇したことを判定するときの上昇値(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)と、その後の第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から上昇したことを判定するときの上昇値(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)とを第1上昇値ΔVで同じ値とした。これにより、誘導加熱調理器の構成を簡易なものとすることができる。なお、第1上昇値と第2上昇値は異なる値であってもよい。この技術思想は、実施の形態3にも適用可能である。
本実施の形態においては、電極6を図2に示すように構成したが、図4に示すように構成してもよい。すなわち、図4に示すように電極6は円弧状に形成され各加熱コイル3の周囲にそれぞれ3つの電極6を、加熱コイル3の外周に沿うように配置している。具体的には、電極6は、例えば幅T=1.5cm、長さL=10cm、角度θ=120度で、円弧状に形成されている。また、電極6は、電極6の一端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線と電極6の他端と加熱コイル3の中心とを結ぶ線とが加熱コイル3の中心においてなす角度θが、角度θ=120度となるように、形成及び配置されている。このような構成とすることにより、加熱コイル3の中央部から電極6までの距離が均等になる。これにより、図2に示すように多角形状に電極6を配置した場合と比べ、加熱コイル3の中央部に載置された鍋1に利用者が触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変化と、鍋1から液体が吹き零れた場合の静電容量の変化とを、より正確に判別することができる。
なお、図2、図4での電極6の幅T、長さL、及び加熱コイル3の中心に対する角度θは、これに限られるものではなく、電極6の本数や電極6同士の間隔、電極6の円弧と加熱コイル3の円弧との距離、検知させたい範囲などに応じて適宜調整することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。より具体的な例を説明すると、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合などに、静電容量が小さくなって、出力電圧が基準値に対して上昇することによる、吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。このように、本実施形態によれば、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
なお、上記各態様において、吹き零れ検知部9を、1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)以上上昇した後、第1所定時間の間に前記残りの電極6の全ての出力電圧が第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合に、吹き零れではないと判定するように構成してもよい。この構成によれば、複数配置された電極6の中央部に鍋1が載置された場合に利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合をより正確に判定することができる。また、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の実施の形態2における電極の出力電圧を示す図である。
なお、実施の形態1と同じ構成物・動作については説明を省略する。
本実施形態では、吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1の上昇値ΔV1以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも2つの電極6の出力電圧が第1基準値V0からそれぞれ所定の上昇値ΔV2、ΔV3以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定する。そして、それぞれの所定の上昇値ΔV2、ΔV3と第1の上昇値デルタV1とをそれぞれ異ならせる。
具体的には、吹き零れ検知部9は、判定用の上昇値として、第1上昇値ΔV1(例えば13digit)、第2上昇値ΔV2(例えば10digit)、第3上昇値ΔV3(例えば7digit)の3種類の異なる値を用いる。そして、吹き零れ検知部9は、トリガ電極における第1上昇値ΔV1以上の出力電圧の上昇から開始される第1所定時間内(例えば、0.5秒)に、残りの電極6のうちの2つの電極6において上記第2上昇値ΔV2及び第3上昇値ΔV3以上の出力電圧の上昇が発生した場合、吹き零れではないと判定する。つまり、判定用の複数の上昇値ΔV1、ΔV2、ΔV3を複数設けることで、複数配置された電極6の中央部ではなく一方向にずれた状態で鍋1が載置されている場合でも、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、吹き零れ検知部9においてより正確に判別することができる。
なお、第1所定時間は利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、同時(0秒)でもかまわないものとする。
そして、第1上昇値(ΔV)も利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、他の値でもかまわないものとする。
本実施形態によれば、鍋1がさまざまな場所に載置されている場合でも、通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合などの吹き零れでないときの静電容量の変動による吹き零れ検知の誤作動を防ぐことができる。そして、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
実施の形態1で説明したように、複数の電極6のインピーダンスは、電極6の構造や配置によって、電極6毎に異なることとなる場合がある。そのため、各電極6における吹き零れの検知を同感度で行うために、第1上昇値ΔV1(特許請求の範囲における第1上昇値)、第2、第3上昇値ΔV2、ΔV3(特許請求の範囲における所定の上昇値)のそれぞれを、各電極6毎に、各電極6のインピーダンスに応じた値に設定してもよい。このように構成することにより、複数の電極6のインピータンスが電極6毎に異なる場合でも、吹き零れを精度よく検知することができる。また、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、より一層正確に判別することができる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明の実施の形態3における電極の出力電圧を示す図である。
なお、実施の形態1と同じ構成物・動作については説明を省略する。
本実施形態では、吹き零れ検知部9は、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)から第1上昇値ΔV以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合であっても直ちには吹き零れが発生しているか否かを判定しない。そして、吹き零れ検知部9は、第1所定時間の経過後第2所定時間内にさらに、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第1上昇値に対応する)以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6の出力電圧が第1基準値V0から第1上昇値ΔV(特許請求の範囲における第2上昇値に対応する)以上上昇した場合に初めて、吹き零れは発生していないと判定する。つまり、複数の電極6のうちのいずれか1つの電極6の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0から第1上昇値ΔV以上上昇した後、第1所定時間内に、第1上昇値ΔV以上の電圧上昇が残りの電極6のうちの少なくとも1つの電極6で発生する現象が繰り返し発生した場合、吹き零れ検知部9は、吹き零れではないと判定する。
具体的には、図6に示すように、吹き零れ検知部9は、吹き零れがない場合の出力電圧である第1基準値V0からの第1上昇値ΔVを算出する。吹き零れ検知部9は、トリガ電極における第1上昇値ΔV(例えば15digit)以上の電圧上昇から開始される第1所定時間(例えば、0.5秒)内に、トリガ電極以外の電極における第1上昇値ΔV(例えば15digit)以上の電圧上昇とで、少なくとも2回以上(トリガ電極の電圧上昇を含む)の電圧上昇が発生し、さらに第1所定時間経過後の第2所定時間(例えば10秒)内において、トリガ電極における第1上昇値ΔV(例えば15digit)以上の電圧上昇から開始される第1所定時間内に、トリガ電極以外の電極における第1基準値V0からの第1上昇値ΔV以上の出力電圧の上昇とで、少なくとも2回以上(トリガ電極の電圧上昇を含む)の電圧上昇が発生した場合、吹き零れではないと判定する。これにより、利用者が誘導加熱調理器周辺で鍋を動かしたり、触れたりする調理動作中であると判定することができる。なお、判定後から第3所定時間(例えば60秒)は誤検知発生をさらに防ぐため吹き零れ検知を無効にしてもよい。
なお、第1所定時間は利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、同時(0秒)でもかまわないものとする。
そして、第1上昇値(ΔV)も利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合と実際に吹き零れた場合との差を区別できる値に設定するものとし、他の値でもかまわないものとする。
本実施形態によれば、利用者が、第2所定時間の間、断続的に鍋に触れたりはなしたりしていることを検知することができる。したがって、より正確に吹き零れの有無を判定することができる。通常の調理時に起こりうる静電容量変動、例えば、利用者が鍋1に触れた状態からはなした場合など吹き零れでないときの静電容量の変化による吹き零れ検知の誤作動をより適切に防ぎ、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手の向上につながる。
また、本実施形態においては、図6に示すように、最初に出力電圧が上昇した電極6(トリガ電極)と3つ目に出力電圧が上昇した電極6は同一の電極であるが、異なる電極であってもよい。また、2つ目に出力電圧が上昇した電極6と4つ目に出力電圧が上昇した電極6は同一の電極であるが、異なる電極であってもよい。このように構成することにより、利用者が鍋に触れたりはなしたりするのを様々な方向において行った場合でも、利用者が鍋1に触れた状態からはなした状態になった場合と、鍋1から液体が吹き零れた場合とを、正確に判別することができる。
本発明の誘導加熱調理器によれば、機器の操作や清掃性に支障を来すことがないように電極を配置する。これによって、吹き零れを確実に検知し、かつ利用者が鍋に触れた状態からはなした場合などの吹き零れでないときの静電容量の変化により吹き零れ検知機能が誤作動を起こすのを防ぐことができる。これにより、本発明の誘導加熱調理器は、利用者が継続的に調理を行うことが可能になり、使い勝手が向上するという効果を有する。本発明は、一般家庭などで使用される誘導加熱調理器に有用である。
1 鍋
2 トッププレート
3 加熱コイル
4 高周波電流供給部
5 制御部
6 電極
7 高周波信号発生部
8 直流電圧変換部
9 吹き零れ検知部

Claims (7)

  1. 鍋を載置するトッププレートと、
    前記鍋を加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電流供給部と、
    前記高周波電流供給部の加熱動作を制御する制御部と、
    前記トッププレート下面で線状に形成され前記加熱コイルの外周部を取り囲む複数の電極と、
    前記各電極にコンデンサを介して高周波信号を供給する高周波信号発生部と、
    前記各電極に加わる前記高周波信号を入力し各電極毎に直流電圧に変換する直流電圧変換部と、
    前記直流電圧変換部の出力電圧に基づいて前記鍋に収容された液体の吹き零れを検知する吹き零れ検知部と、
    を備え、
    前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、吹き零れがない場合の出力電圧である基準値から第1上昇値以上上昇した後、第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記残りの電極毎に決められた第2上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、前記第1所定時間内に前記残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇しない場合は、吹き零れが発生していると判定する、
    誘導加熱調理器。
  2. 前記電極は、円弧状に形成され加熱コイルの外周に沿って配置されている、
    請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極の全ての出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合に、吹き零れは発生していないと判定する、
    請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1の上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも2つの電極の出力電圧が前記基準値からそれぞれ所定の上昇値以上上昇した場合は、吹き零れは発生していないと判定し、
    前記それぞれの所定の上昇値と前記第1の上昇値とをそれぞれ異ならせる、
    請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記吹き零れ検知部は、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合であっても直ちには吹き零れが発生しているか否かを判定せず、前記第1所定時間の経過後第2所定時間内にさらに、前記複数の電極のうちのいずれか1つの電極の出力電圧が、前記基準値から前記第1上昇値以上上昇した後、前記第1所定時間内に残りの電極のうちの少なくとも1つの電極の出力電圧が前記基準値から前記第2上昇値以上上昇した場合に初めて、吹き零れは発生していないと判定する、
    請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記前記第1上昇値と前記第2上昇値は同一の値である、
    請求項1、2、3、5のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記吹き零れ検知部は、吹き零れではないと判定した後、第3所定時間の間、吹き零れ検知を無効にする、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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