JPWO2011151897A1 - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

太陽電池およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011151897A1
JPWO2011151897A1 JP2010545122A JP2010545122A JPWO2011151897A1 JP WO2011151897 A1 JPWO2011151897 A1 JP WO2011151897A1 JP 2010545122 A JP2010545122 A JP 2010545122A JP 2010545122 A JP2010545122 A JP 2010545122A JP WO2011151897 A1 JPWO2011151897 A1 JP WO2011151897A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solar cell
cell module
insulating substrate
solar
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010545122A
Other languages
English (en)
Inventor
熊井 晃一
晃一 熊井
健太郎 窪田
健太郎 窪田
浩孝 山口
浩孝 山口
上田 龍二
龍二 上田
塚本 健人
健人 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Publication of JPWO2011151897A1 publication Critical patent/JPWO2011151897A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/04Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof adapted as photovoltaic [PV] conversion devices
    • H01L31/042PV modules or arrays of single PV cells
    • H01L31/05Electrical interconnection means between PV cells inside the PV module, e.g. series connection of PV cells
    • H01L31/0504Electrical interconnection means between PV cells inside the PV module, e.g. series connection of PV cells specially adapted for series or parallel connection of solar cells in a module
    • H01L31/0516Electrical interconnection means between PV cells inside the PV module, e.g. series connection of PV cells specially adapted for series or parallel connection of solar cells in a module specially adapted for interconnection of back-contact solar cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L31/00Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L31/04Semiconductor devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof adapted as photovoltaic [PV] conversion devices
    • H01L31/042PV modules or arrays of single PV cells
    • H01L31/048Encapsulation of modules
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

【課題】太陽電池モジュールにおいて反りの発生を抑制できる絶縁基板を備えた。【解決手段】太陽電池モジュール1は、透光性基板2と、複数の太陽電池セル5と、電気配線を含む絶縁基板3とを有し、複数のセル5は封止層6によって透光性基板2と絶縁基板3との間に封止させる。透光性基板3は厚さ2mm〜4mmのガラスパネル、太陽電池セル5は厚さ100um〜300um以下の結晶系太陽電池セル、電気配線8は厚さ35um以下の銅で、太陽電池セル5は間隙を介して千鳥状に配列した。この太陽電池モジュール1はYを太陽電池モジュール1の反り(単位:um)とし、Xを絶縁基板3の弾性率E(単位:GPa)と熱膨張係数α(単位:ppm)の積として、次式を満足する。Y≦2.0625X+954…(1)、Y≧0.115X+86.3…(2)Y≦2000、X≦700…(3)【選択図】図1

Description

本発明は、裏面に電極を備えるバックコンタクト方式の太陽電池セルを固定するための絶縁基板を備えた太陽電池モジュールとその製造方法に関する。
近年、自然エネルギーを利用する発電システムである太陽光発電の普及が急速に進められている。太陽光発電をするための太陽電池モジュールは、図8に示すように、受光側に配置された透光性基材120と、裏面側に配置されたバックシート110と、透光性基材120およびバックシート110の間に封止された多数の太陽電池セル130とを有している。太陽電池セル130は、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム等の封止用フィルム140に挟まれて封止されている。
従来、太陽電池モジュールにおいては、多数の太陽電池セル130,130,…が、幅1〜3mmの配線材150で電気的に直列に接続されていた。太陽電池セル130は、太陽の受光面である表面側にマイナス電極(N型半導体電極)131、裏面側にプラス電極(P型半導体電極)132が設けられているため、配線材150で接続すると、太陽電池セル130の受光面の上に配線材150が重なり、光電変換の面積効率が低下する傾向にあった。
上述した電極131,132の配置では、配線材150が太陽電池セル130の表側から裏側に回り込む構造になるため、各部材の熱膨張率の差が原因で配線材150が断線することがあった。
そこで、特許文献1,2ではプラス電極とマイナス電極の両電極がセルの裏面に設置されたバックコンタクト方式の太陽電池モジュールが提案されている。この方式の太陽電池モジュールでは、裏面電極型太陽電池セル同士の接続は、裏面電極型太陽電池セルの裏面側に配置された絶縁基材の回路により行う。
この太陽電池モジュールのバックシートは絶縁基材の表面に回路層が積層された構成を有しており、この回路層の上に裏面電極型太陽電池セルが更に積層される。これによって、裏面電極型太陽電池セル表面の受光面積が犠牲にならず光電変換の面積効率の低下を防止できる。また、配線材を表側から裏側に回り込む構造にしなくてもよいため、各部材の熱膨張の差による配線材の断線も防止できる。
特開2005−11869号公報 特開2009−111122号公報
ところで、上述したようなバックコンタクト方式の太陽電池モジュールにおいては、絶縁基材の表面に回路層が形成され、さらにこの回路層の上に裏面電極型太陽電池セルが積層された構成を有しているため、太陽電池モジュールの使用時に高温に曝された場合、絶縁基材と回路層及び裏面電極型太陽電池セルとの線膨張率の違いによって裏面電極型太陽電池セルが絶縁基材から剥離してしまうことがあった。
即ち、絶縁基材は裏面電極型太陽電池セル及び透光性基材と比較して線膨張率が高いため、高温時においては絶縁基材が太陽電池説及び透光性基材よりも大きく膨張してしまう。この膨張差が、裏面電極型太陽電池セルが絶縁基材から剥離する原因につながる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールにおいて裏面電極型太陽電池セル間の電気接続不良を抑制できる電気配線を備えた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明による太陽電池モジュールは、透光性基板と、太陽電池セルと、電気配線を含む絶縁基板とを有する太陽電池モジュールであって、透光性基板は厚さ2mm〜4mmの酸化珪素からなり、太陽電池セルは厚さ100um〜300umの結晶系太陽電池セルからなり、更に以下の式を満足することを特徴とする太陽電池モジュール。
Y≦12.88X+521.7 …(1)
Y≧0.0324X+83.69 …(2)
Y≦1000、X≦700 …(3)
但し、Y:太陽電池モジュールの反り(単位:um)
X:絶縁基板の弾性率(単位:GPa)と熱膨張係数(単位:ppm)の積。
本発明による太陽電池モジュールによれば、使用時等に、熱によって生じる太陽電池モジュールの反りY(単位um)について、透光性基板と太陽電池セルと電気配線の材質や厚さを規定すると共に、絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αの積Xで規定される伸び縮みし易さをパラメータとして規定することで、太陽電池モジュールの反りYを上述した各式の範囲内に規定することができる。これにより、太陽電池モジュールの反りYを、故障の生じないように抑制して信頼性を持たせることができる。
太陽電池モジュールの反りは0であることが理想的であるが現実には困難である。そのため、(1)、(2)式により、太陽電池モジュールの外径寸法に応じた反りの上限と下限を設定してその範囲内に納まるように、透光性基板と太陽電池セルと電気配線の材質や厚さを規定すると共に、絶縁基板の弾性率と熱膨張係数との積Xによる伸び縮みし易さをパラメータとし、(1)、(2)式の範囲内に規定することで太陽電池モジュール全体の反りYを故障の生じないように低減できるようにした。また、同時に太陽電池モジュール全体の信頼性を維持できる程度の反りYの上限と絶縁基板の伸び縮みし易さである積Xの上限とを(3)式によって規定した。
また、本発明による太陽電池モジュールにおいて、反りYと積Xが以下の式を満足することが好ましい。
Y≦1000
X≦300
太陽電池モジュールの反りYと絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αの積Xについて上述の式を満足することで、より絶縁基板が伸び縮みしにくくなり、太陽電池モジュールの反りを一層低減させることができる。
また、絶縁基板の膜厚は、20um以上3000um未満であることが好ましい。
絶縁基板が上述の範囲の厚さであれば、薄層であるために使用時等における太陽電池セルの熱が一方の面から他方の面に伝達して放熱効果が高く表裏面の温度差による絶縁基板の反りを抑制でき、太陽電池モジュールの反りを抑制できる。一方、絶縁基板の膜厚が20um未満であると製造工程におけるハンドリング性が落ちて扱いにくくなり、膜厚の上限300umとすることで上述したセルの放熱効果を十分発揮できる。また、3000um以上であると表裏面の温度差による反りが次第に増大する。さらに、現行市販されている絶縁基材は、100um未満となると製造分留りが落ちる問題がある。一方、200umは1枚物のプリント配線基板の一般的な上限である。
そのため、絶縁基板の膜厚は、100um〜200umの範囲であることが一層好ましい。
また、絶縁基板は、ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させた構造であることが好ましい。
この構成によって、絶縁基板の硬さを向上させて太陽電池モジュール全体の反りを抑える
ことができる。
また、絶縁基板の太陽電池セルとは反対側の面にバックシートが設けられており、該バックシートは以下の式を満足することが好ましい。
X≧(バックシートの弾性率×バックシートの熱膨張係数) …(10)
上述したバックシートを備えていれば、絶縁基板が比較的伸び縮みし易さのパラメータを確保した上に、バックシートによって絶縁基板の反りを抑えることで太陽電池モジュールの反りを更に押さえ込むことができる。
また、絶縁基板の太陽電池セルとは反対側の面にバックシートが設けられており、該バックシートは以下の式を満足することを特徴とする。
0.9X≧(バックシートの弾性率×バックシートの熱膨張係数)…(11)
バックシートの伸び縮みし易さが絶縁基板の伸び縮みし易さの0.9倍以下としたことで、バックシートの硬さを向上させて伸び縮みを抑制し、全体の反りを更に抑制できる。
また、透光性基板と絶縁基板との間に配列された太陽電池セルは、千鳥状に配列されていることが好ましい。
複数の太陽電池セルを千鳥状に配列したから、セルとセルの間隙に生じ得る応力を六方向に分散させることができる。従来技術の格子状に配列したセルとセルとの間隙に生じる応力と比較してより小さくできて、しわ等を生じにくい。
また、太陽電池セルは六角形であることが好ましい。
複数の太陽電池セルを六角形状に形成して千鳥状に配列することで、セルとセルの間隙に生じ得る応力を六方向に分散させると共に、太陽電池セル間の間隙を最小化できてセルを多数配設できて発電効率が高まる。
また、回路層に汎用回路材料である銅を利用した場合、その残銅率は30%以上70%以下であることが好ましい。
残銅率が30%未満となると、内部応力が銅配線周辺に集中してしまい、シワが発生しやすくなる問題がある。残銅率が70%を超えると、銅の線膨張係数が大きいため、太陽電池モジュールが反りやすくなる問題がある。残銅率を30%から70%の間とする事で、シワや反りの発生を緩和させることが可能となる。
本発明による太陽電池モジュールによれば、熱によって生じる太陽電池モジュールの反りについて、透光性基板と太陽電池セルと電気配線の材質や厚さを規定すると共に、絶縁基板の弾性率と熱膨張係数の積で規定される伸び縮みし易さをパラメータとして規定することで、太陽電池モジュールの反りを上述した各式の範囲内に低減できる。これにより、太陽電池モジュールの反りを抑制し、故障の生じないように信頼性を持たせることができる。
本発明の実施形態による絶縁基板を含む太陽電池モジュールの要部断面模式図である。 太陽電池セルの形状と配列を示す部分平面図である。 図1に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す断面模式図である。 太陽電池モジュールの縦断面を擬似的に四層状に簡略化した断面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は外径寸法の異なる太陽電池モジュールの各積層四層系における絶縁基板の弾性率及び線膨張係数の積と各積層四層系の反りとの関係を示す図である。 (e)、(f)、(g)、(h)は外径寸法の異なる太陽電池モジュールの各積層四層系における絶縁基板の弾性率及び線膨張係数の積と各積層四層系の反りとの関係を示す図である。 変形例による太陽電池モジュールを示すもので、絶縁基板の裏面にバックシートを設けた断面模式図である。 従来の太陽電池モジュールの一例を示す断面模式図である。
本発明の実施形態による太陽電池モジュールについて説明する。
図1に示す本実施形態による太陽電池モジュール1は、太陽光等の光を入射させる透光性基板2と、その裏面側に配設された絶縁基板3と、透光性基板2及び絶縁基板3の間に間隙を開けて配列された複数の太陽電池セル5とを概略で積層した構成を有している。そして、透光性基板2及び絶縁基板3の間において、太陽電池セル5は封止層6によって封止されている。なお、絶縁基板3は絶縁基材を構成する。
絶縁基板3は、その一方の面即ち太陽電池セル5側の面に回路層8が設けられている。回路層8の太陽電池セル5に接触する電極部には導電性材料10が設けられている。
絶縁基板3は太陽電池セル5を封止層6によって挟んで封止し受光面となる透光性基板2と接合されて一体化され、太陽電池モジュール1を形成する。
次に太陽電池モジュール1を構成する各部材について説明する。
図1において、透光性基板2としては、例えばガラスパネル等の酸化珪素などが挙げられる。なお、透光性基板2として、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の透明樹脂基板を用いることも可能である。
また、絶縁基板3の太陽電池セル5側に設けた回路層8は、太陽電池セル5に電気的に接続される層である。回路層8は積層配列される多数の太陽電池セル5を電気的に直列に接続するパターンを有している。
回路層8を構成する材料として、電気抵抗が低い材料、例えば銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などが使用される。また、導電性高分子を使用することもできる。
回路層8の表面は、導電性材料10との密着性を向上させるために、ギ酸、硫酸、硝酸などの腐食性薬液によって粗面化処理が施されていることが好ましい。
導電性材料10は、回路層8と太陽電池セル5との電気的接続を補助する部材であり、太陽電池セル5の電極5aに対応して配設されている。
導電性材料10の材料として電気抵抗が低い材料が使用される。中でも回路層8との電気抵抗が低くなることから、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、金よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有することが好ましい。特に、銀、銅、錫、半田(銅と鉛が主成分である。)よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する導電性ペーストにより形成されていることが好ましい。
また、導電性ペーストは低温硬化タイプであることが好ましい。導電性ペーストが低温硬化タイプであれば、120〜160℃という低温で太陽電池セル5の電極5aと回路層8とを導電性材料10によって電気的に接続できる。120〜160℃は、封止層6を構成する封止用フィルムとして使用可能なEVAフィルムの軟化、溶融、架橋が生じる温度であるから、封止用フィルムとしてEVAフィルムを用いる場合には、容易に加工できるため、太陽電池セル5の電極5aと導電性ペーストから形成される導電性材料10とをより容易に電気的に接続させることができる。
低温硬化タイプの導電性ペーストとしては、ポリマーと導電性フィラーを含有し、ポリマーの硬化による導電性フィラーの物理的接触によって導電性を発現するもの、有機物に銀もしくは銅を配位、還元させたナノ粒子を含有し、低温焼結(120〜160℃)させることにより導電性を発現するものが挙げられる。電気抵抗がより低くなる点では、後者
の材料が好ましい。
次に、絶縁基板3について説明する。
絶縁基板3は、例えば単層のガラスクロス等、網目状のガラス繊維からなる。この場合、膜厚が薄いために太陽電池セル5の熱が一方の面から他方の面に伝達して放熱効果が高く表裏面の温度差による絶縁基板3の反りを抑制できると共に、穴明けなどの加工が容易である。また、絶縁基板3は、網目状のガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させた複合材料であってもよい。この場合には、単層のガラスクロスよりも硬さが増して伸び縮みし難くなる。ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させた複合材料の一例として、網目状のガラス繊維に樹脂が含浸させられた樹脂含有繊維からなるガラスエポキシ基板がある。ガラスエポキシ基板の繊維として、例えばガラスクロス、ガラス不織布、紙などが挙げられる。また、絶縁樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシアクリレート樹脂またはウレタン樹脂等である。
ガラスエポキシ基板グはプリント配線板の一形態であり、ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板の品種として、FR−4、FR−5、BT材等があてはまる。
ここで、太陽電池モジュール1における透光性基板2として石英ガラス等のガラスパネルを用い、太陽電池セル5としてシリコン等の酸化珪素を用いた場合、表1に示すように、絶縁機基板3として、従来用いられていたPETフィルムやPENフィルム等の高分子フィルムより、ガラスエポキシ基板等のガラスクロスを用いた方が、線膨張係数がガラスパネル等の透光性基板2やシリコン等の太陽電池セル5に近いため、太陽電池モジュール1の反りが小さい。
Figure 2011151897
そして、絶縁基板3は膜厚を薄層に形成することで、太陽電池セル5の熱が裏面であるバリア層4側に伝達されて放熱効果が高く、表裏面の温度差が小さいために反りを生じにくい上に、導電性材料10等のための穴開け等の加工が容易であるという利点がある。
そのため、絶縁基板3の膜厚を100um〜200umの範囲の薄層に構成した。膜厚が100um未満であると製造工程におけるハンドリング性が落ちて扱いにくくなる。一方、膜厚の上限200umは1枚物のプリント配線基板の一般的な上限である。そのため、絶縁基板3の上限は200umを超えてもよいが、200umを超えると伸び縮みし易さが次第に増大する。また、絶縁基板3の膜厚は、太陽電池モジュール1の反りを故障しない程度に抑制するために、3000um未満であることが好ましい。
また、絶縁基板3の弾性率をE(GPa)とし、熱膨張係数をα(ppm)とした場合、弾性率Eと熱膨張係数αの積が小さいほど硬くて伸び縮みしにくい材料となる。また、絶縁基板3の膜厚が大きいほど反りが大きくなり易い。
この絶縁基板3を構成する絶縁基材は単層のガラスクロスまたはこれに絶縁樹脂を含浸させてなるため耐熱性と絶縁性が高く電気信頼性が高い上に柔軟性と可撓性がある。そのため、積層する前の材料段階でロールに巻いて運搬や保管等をし易い特性、いわゆるロールツーロールし易い特性を有している。そのため、スペースを取らずに取り扱いが容易になる。
次に太陽電池セル5について説明する。太陽電池セル5は、例えば裏面にプラス電極およびマイナス電極を備えるバックコンタクト方式のものである。太陽電池セル5はシリコンからなるものが好ましく、例えば単結晶シリコン型、多結晶シリコン型等の結晶系太陽電池セルが用いられる。これらの中でも、発電効率に優れる点では単結晶シリコン型が好ましい。太陽電池セル5の厚さは100um〜300umの範囲とする。
太陽電池セル5は、例えば図2(a)、(b)に示すように、正方形板状や六角形板状に形成され、透光性基板2と絶縁基板3との間に互いに間隙Gを開けて千鳥状に配列されている。複数の太陽電池セル5は互いに分離して配列されるが、透光性基板2と絶縁基板3は一枚板で構成されるため、太陽電池セル5、5間の間隙Gにシワ等の応力が集中する不具合がある。これに対し、太陽電池セル5を千鳥状に配列することで、この応力を六方向に分散させることができる。特に太陽電池セル5を六角形、好ましくは正六角形板状に形成することでセル5,5間の間隙Gを最小化させ、太陽電池モジュール1の面積全体に対するセル5の占有面積を増大させて発電効率を向上させることができる。
封止層6は封止用フィルムにより形成される。封止用フィルムとして、例えばEVAフィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂フィルムなどが使用される。通常、封止用フィルムは、太陽電池セル5を挟み込むように2枚以上で使用される。
次に、上述の構成を有する太陽電池モジュール1による反りを抑制する構成について説明する。
太陽電池モジュール1において、上述したように、透光性基板2として厚さ2mm〜4mmの範囲のガラスパネル等の酸化珪素を用い、太陽電池セル5として厚さ100um〜300umの範囲の結晶系太陽電池セルを用いるものとする。透光性基板2の厚みが2mmに満たない場合や太陽電池セル5の厚みが100umに満たない場合には、太陽電池モジュール1の強度が著しく低下し、破断のおそれが生じる。また、透光性基板2の厚みが4mmを超えた場合や太陽電池セル5の厚みが300umを超えた場合には、太陽電池モジュール1の重量とコストが跳ね上がり実用上好ましくない。
そして、熱による太陽電池モジュール1の熱による反りY(単位um)は絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αの積Xをパラメータとして次式で規定できる。
Y≦2.0625X+954 …(1)
Y≧0.115X+86.3 …(2)
Y≦2000、X≦700 …(3)
太陽電池モジュール1の反りが2000um以下であれば、製品としての信頼性を確保できる。なお、太陽電池モジュール1の反りYと、絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αの積Xとは、次式を満たすことが更に好ましい。
Y≦1000
X≦300 …(4)
ここで、太陽電池モジュール1の反りは熱を受けても0であることが理想的であるが現実
には困難である。そのため、(1)、(2)式により、太陽電池モジュール1の使用可能な外径寸法に応じた反りYの上限と下限を最小自乗法による一次式によって設定してその範囲内に納まるように、透光性基板2と太陽電池セル5の材質や厚さを規定すると共に、絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αとの積Xによる伸び縮みし易さをパラメータとした。
そして、(1)、(2)式の範囲内に規定することで太陽電池モジュール1全体の反りYを故障の生じない程度に低減できるようにした。また、同時に(1)、(2)式に関連して、太陽電池モジュール全体の信頼性を維持できる程度の反りYの上限と絶縁基板3の伸び縮みし易さXの上限を(3)式によって規定した。
また、一層、太陽電池モジュール1の反りYを一層好ましい範囲に低減させるためには、反りYと伸び縮みし易さXを(4)式の範囲に収めることが好ましい。
次に、本実施形態による太陽電池モジュール1の製造方法について、図3に基づいて説明する。
先ず、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた市販のプリプレグ材料の表面に回路層8を形成するためのパターニング用の導電層として例えば銅Cu箔を被着して設置する。
このようにして、導電層(回路層8)とガラスエポキシ樹脂(絶縁基板3)とが積層されてなる積層体が得られる。
次に、この積層体を加熱処理することで、ガラスエポキシ樹脂等からなる絶縁樹脂は絶縁基板3になる。ここで、導電層としては、銅以外にアルミニウム、鉄−ニッケル合金などの金属箔を使用することができる。また、導電性高分子を含有する層であってもよい。次いで、導電層をレジストパターンを用いてエッチング処理することで、回路層8を形成する。この回路層8の形成では、フォトリソグラフィを適用して導電層をパターン加工して回路層8を得る。
次に、回路層8の電極部に導電性材料10を形成する。導電性材料10の形成方法としては、例えばめっき、スクリーン印刷、ディスペンス、転写などの方法を適用することができる。その際、容易に所望の形状にできることから、銀、銅、錫、半田よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する導電性ペーストを用いることが好ましい。さらに、太陽電池セル5の電極5aと導電性材料10とをより容易に電気的に接続させることができる点では、低温硬化タイプの導電性ペーストがより好ましい。
つぎに、絶縁基板3の回路層8上に、封止用フィルム6A、太陽電池セル5、封止用フィルム6B、透光性基板2を順次積層する。その際、太陽電池セル5の電極5aに導電性材料10が対向するように配置する。
次いで、絶縁基板3、封止用フィルム6A、太陽電池セル5、封止用フィルム6B、透光性基板2の積層体を加熱加圧する。この加熱加圧により、導電性材料10を封止用フィルム6Aに貫通させて太陽電池セル5の電極5aに接触させ、さらに導電性材料10の先端を押し潰して充分な接続面積を確保する。
このようにして、絶縁基板3、封止用フィルム6A、太陽電池セル5、封止用フィルム6B、透光性基板2を密着させると同時に、太陽電池セル5を回路層8により電気的に直列に接続することができ、図1に示す太陽電池モジュール1が得られる。
上述のように本実施形態による太陽電池モジュール1によれば、次の作用効果を奏する。a) 本実施形態による太陽電池モジュール1において、熱による太陽電池モジュール1の反りY(単位um)は、透光性基板2と太陽電池セル5と回路層8の材質や厚さを規定すると共に、更に絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αの積Xで規定される伸び縮みし易さをパラメータとして、(1)式と(2)式により規定できるから、太陽電池モジュール1の反りYを絶縁基板3の物性値である伸び縮みし易さによって抑制することができる。b) また、絶縁基板3として網目状のガラスエポキシ樹脂からなる単層のガラスクロス
またはこのガラスクロスに絶縁樹脂を含浸させたものを用いたから、従来、絶縁樹脂として用いていたPETフィルム等の高分子フィルムと比較して、線膨張係数がガラスパネル等の透光性基板2やシリコン等の太陽電池セル5に近くなるため、太陽電池モジュール1の反りが少なくなる。
c) また、絶縁基板3の膜厚を100um〜200umの範囲の薄層に形成したから、太陽電池セル5の熱が表面側から裏面側に伝達されて放熱効果が高く表裏面の温度差が小さいために反りを生じにくく、導電性材料10等のための穴開け等の加工が容易である。
d) 更に、透光性基板2と絶縁基板3との間に配列された太陽電池セル5は、複数の太陽電池セル5を千鳥状に配列したから、セル5とセル5の間隙Gに生じ得る応力を六方向に分散させることができる。しかも、太陽電池セル5を六角形に形成することで、セル5とセル5の間の間隙Gを最小化することができて発電効率を向上できる。
次に図1に示す本実施形態による太陽電池モジュール1を、透光性基板2と太陽電池セル5と絶縁基板3とを組み合わせた三層積層系として、各構成の物性値を特定して全体の反りを実測してその特性を規定した。そして、上記(1)式〜(4)式を導き出す根拠となる試験例1,2を行った。
まず、透光性基板2として石英ガラスを用い、その厚さを2mm〜4mmの範囲に設定した。実施例として、透光性基板2の厚さは3.3mmとした。
太陽電池セル5としてシリコンチップを用い、厚さ200um〜300umの範囲に設定した。
絶縁基板3としてガラスエポキシ基板を用い、その膜厚を100um〜200umの範囲に設定した。実施例1して絶縁基板3の厚さは100umと200umの2種類とした。
絶縁基板3の比較例1および2として、PETを用いた。
絶縁基板3の実施例、比較例1における弾性率E、線膨張係数αは表1に示す通りとした。
そして、四層積層系からなる太陽電池モジュール1について、絶縁基板3として実施例1、比較例1をそれぞれ用い、透光性基板2と太陽電池セル5は実施例1、比較例1で互いに同一構成のものを用いてそれぞれサンプルを製作した。絶縁基板3の実施例1と比較例1の膜厚はそれぞれ100umと200umの2種類とした。これら絶縁基板3の実施例1と比較例1をそれぞれ備えた四層積層系である太陽電池モジュール1についても実施例1、比較例1というものとし、各部材は互いに同一寸法で形成した。
[試験例1]
試験例1では、実施例1における透光性基板2の寸法は外径寸法4×4インチ(10cm×10cm)とした。実施例1、比較例1における太陽電池セル5は、縦100mm×横100mm×厚さ200umとした。
また、絶縁基板(ガラスエポキシ樹脂、PETを含む)の寸法は透光性基板2と同様に外径寸法4×4inch(10cm×10cm)とし、厚さは100umと200umの2種類とした。試験条件として、実施例、比較例1における各太陽電池モジュール1の温度差100℃とし、各絶縁基板3の厚み100um、200um毎に各太陽電池モジュール1の反りを測定した。
なお、太陽電池モジュール1の反りは中心位置に対する太陽電池モジュール1の径方向に直交する方向の端部までの距離によって測定した。
その結果を表2(a)に示す。
Figure 2011151897
表2(a)に示す結果のデータを、図6(e)のグラフに示す。図6(e)では、実施例1、比較例1について、横軸に絶縁基板3(ガラスエポキシ樹脂、PETを含む)の各弾性率×熱膨張率をとり、縦軸に太陽電池モジュール1の反り(um)をとり、絶縁基板3の厚み100um、200um毎にプロットした。
図6(e)において、絶縁樹脂3の膜厚100um、銅膜厚18umの場合、各プロットを最小自乗法による一次式である最小自乗直線で接続すると、次の式(5)にまとめることができる。
Y≧0.115X+86.3 …(5)
但し、Y:太陽電池モジュール1の反り
X:絶縁樹脂3の弾性率Eと熱膨張係数αの積
[試験例2]
次に試験例2について説明する。
試験例2では、実施例2として絶縁基板3にガラスエポキシ樹脂を、比較例2としてPETフィルムを用い、太陽電池モジュール1の外径寸法を6×6 inch、8×8 inch、12×12 inchの四角板型とし、石英ガラスを用いた透光性基板2、絶縁基板3も同一寸法とした。透光性基板2の厚さは表1に記載されたものを用い、絶縁基板3の厚さは100umと200umの2種類とした。シリコンを用いた太陽電池セル5の寸法は試験例1と同様とした。
試験例2における太陽電池セル5の寸法は、実施例2、比較例2共、厚さ200umであり、外径寸法は、150mm×150mm、200mm×200mm、300mm×300mmの3種類とした。
試験条件として、実施例2、比較例2における各太陽電池モジュール1の温度差100℃とした。そして、各絶縁基板3の外径寸法毎に厚さ100um、200umに応じて各太陽電池モジュール1の反りを測定した。
その結果を表2(b),(c),(d)に示す。
Figure 2011151897
表3に示す結果のデータを、太陽電池モジュール1の外径寸法毎に図6(f),(g),(h)のグラフに示す。各グラフにおいて、横軸を絶縁基板3の弾性率E×熱膨張係数αとし、縦軸を太陽電池モジュール1の反りとして、絶縁基板3の厚さ100um、200um毎に反りの大きさをプロットした。
絶縁基板3の厚さが透光性基板2と同等になると、絶縁基板3の弾性率E×熱膨張係数αは良いパラメータではなくなる。そのため、試験例1と同様に最小自乗直線を各図中に記入した。絶縁基板3の弾性率Eが0に近づくと厚さ100um、200umとも同じ反り値と近似するはずであるから、厚さ200umの最小自乗直線は下記のように変更した。
即ち、まず厚さ100umの最小自乗直線を引き、そのy軸切片を求める。そして、厚さ200umで厚さ100umの直線のy軸切片を通過する最小自乗直線を求めた。
上述の手順により、実施例2について、絶縁基板3の厚さ100um、200um毎にそれぞれプロットして直線を引くと、図6(e)、(h)に示す一次式にまとめることができる。
最も小さい外径寸法4インチの太陽電池モジュール1では、反りの絶対量が最も小さく、特に最も小さい厚み100umの絶縁基板3では次の一次式(8)にまとめることができる。
Y≧0.115X+86.3 …(8)
また、最も大きい外径寸法12inchの太陽電池モジュール1では、反りの絶対量が最も大きく、特に最も大きい厚み200umの絶縁基板3では次の一次式(9)にまとめることができる。
Y≦2.0625X+954 …(9)
そのため、上述した外径寸法の範囲を有する太陽電池モジュール1は、絶縁基板3の弾性率Eと熱膨張係数αとの積Xに関連して上記(8)式と(9)式で示す範囲内に反りYが納まるように反りYの範囲を規定できる。これを下記の式(1)、(2)で示すことができる。

Y≦2.0625X+954 …(1)
Y≧0.115X+86.3 …(2)
ここで、太陽電池モジュール1の反りは、最大2000um(Y≦2000um)であれば太陽電池モジュール1の信頼性を確保できる。1000um以下であれば更に好ましい(Y≦1000)。また、絶縁基板3における弾性率Eと熱膨張係数αの積Xは、ガラスクロスに含浸される絶縁樹脂であるエポキシ系、ポリイミド系、ビスマレイドトリアジン系の樹脂等の数値を考慮すると、200以下とする(X≦200um)必要がある。
次に本発明の変形例について説明する。
本実施形態の変形例による太陽電池モジュール13において、絶縁基板3の裏面即ち太陽電池セル5と反対側の面に太陽電池モジュール1の硬さを補強して、反りを一層低減するためのバックシートを設けてもよい。
図7に示す太陽電池モジュール13は図1に示す太陽電池モジュール1の構成を備えており、更に絶縁基板3の裏面にバックシート14が取り付けられている。
この場合、絶縁基板3とバックシート14との関係は次式(10)によって規定される。即ち、絶縁基板3の弾性率E×熱膨張係数αの積をパラメータXとして、
X≧バックシート14の弾性率F×熱膨張係数β ……(10)
バックシート14を絶縁基板3よりも硬さを大きくして絶縁基板3に被着し、絶縁基板3を含む太陽電池モジュール1のシート部分を伸び縮みしないようにすることで、太陽電池モジュール13全体の反りを抑制することができる。
上述の(10)式は絶縁基板3の弾性率E×熱膨張係数αの積Xがバックシート14の弾性率F×熱膨張係数β以上であることを要件とするが、バックシート14は少なくとも次式(11)を満足すればよい。
0.9×X≧バックシート14の弾性率F×熱膨張係数β ……(11)
これにより、太陽電池モジュール13の反り抑制効果を上述の実施形態による太陽電池モジュール1よりも更に向上できる。
なお、図7において、バックシート14としてバリア層を設けてもよい。
バリア層は絶縁基板3の裏面に設けて空気透過を調整する層であり、水蒸気バリア性、酸素バリア性等の耐候性やや絶縁性を有する例えばフッ化ビニル樹脂(PVF)フィルム(商品名「テドラー」;登録商標)が用いられている。
或いは、バリア層として、フッ化ビニル樹脂と同様な特性を有する、他の樹脂フィルムを用いても良い。即ち、ポリエステル系フィルム(またはポリアミド系フィルム)の片面にガスバリア層としてガスバリア性の高い酸化アルミナ(またはシリカ)を設けた構成を有するセラミック蒸着フィルム(「GLフィルム」;凸版印刷株式会社の商品名)を用いてもよい。
また、バリア層として、ガスバリア性積層フィルム(「GXフィルム」;凸版印刷株式会社製の商品名)を用いてもよい。ガスバリア性積層フィルムは特許第4013604号公報に詳しく開示されている。バリア層の絶縁基板3とは反対側の面にPETフィルムを被着して積層してもよく、PETフィルムを積層することで耐スクラッチ性が向上する。
回路層に汎用回路材料である銅を利用する事が望ましく、その残銅率は30%以上70%以下であることがより望ましい。
残銅率が30%未満となると、内部応力が銅配線周辺に集中してしまい、シワが発生しやすくなる問題がある。残銅率が70%を超えると、銅の線膨張係数が大きいため、太陽電池モジュールが反りやすくなる問題がある。残銅率を30%から70%の間とする事で、シワや反りの発生を緩和させることが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の構成や材料等の変更が可能であり、これらも本発明に含まれる。
より簡便に太陽電池モジュール1を製造できる点、また互いに隣接する回路層8の短絡を防止できる上、EVAフィルムから放出される酢酸ガスによる回路層8の腐食を防止できる点で、回路層8上にオーバーコート層を設けることが好ましい。
1 太陽電池モジュール
2 透光性基板
3 絶縁基板
5 太陽電池セル
6 封止層
8 回路層
9 バリア層
10 導電性材料
次に太陽電池モジュール1を構成する各部材について説明する。
図1において、透光性基板2としては、例えばガラスパネル等の酸化珪素などが挙げられる。また、絶縁基板3の太陽電池セル5側に設けた回路層8は、太陽電池セル5に電気的に接続される層である。回路層8は積層配列される多数の太陽電池セル5を電気的に直列に接続するパターンを有している。
回路層8を構成する材料として、電気抵抗が低い材料、例えば銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などが使用される。また、導電性高分子を使用することもできる。
回路層8の表面は、導電性材料10との密着性を向上させるために、ギ酸、硫酸、硝酸などの腐食性薬液によって粗面化処理が施されていることが好ましい。
次に太陽電池モジュール1を構成する各部材について説明する。
図1において、透光性基板2としては、ガラスパネル等の酸化珪素などが挙げられる。
また、絶縁基板3の太陽電池セル5側に設けた回路層8は、太陽電池セル5に電気的に接続される層である。回路層8は積層配列される多数の太陽電池セル5を電気的に直列に接続するパターンを有している。
回路層8の表面は、導電性材料10との密着性を向上させるために、ギ酸、硫酸、硝酸などの腐食性薬液によって粗面化処理が施されていることが好ましい。
次に、絶縁基板3について説明する。
絶縁基板3は、例えば単層ガラスクロス等、網目状のガラス繊維からなる。この場合、膜厚が薄いために太陽電池セル5の熱が一方の面から他方の面に伝達して放熱効果が高く表裏面の温度差による絶縁基板3の反りを抑制できると共に、明けなどの加工が容易である。また、絶縁基板3は、網目状のガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させた複合材料であってもよい。この場合には、単層のガラスクロスよりも硬さが増して伸び縮みし難くなる。ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させた複合材料の一例として、網目状のガラス繊維に樹脂が含浸させられた樹脂含有繊維からなるガラスエポキシ基板がある。ガラスエポキシ基板の繊維として、例えばガラスクロス、ガラス不織布、紙などが挙げられる。また、絶縁樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシアクリレート樹脂またはウレタン樹脂等がある。
ガラスエポキシ基板は、プリント配線版の一形態であり、ガラス繊維に絶縁樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板の品種として、FR−4、FR−5、BT材等があてはまる。
[図1]本発明の実施形態による絶縁基板を含む太陽電池モジュールの要部断面模式図である。
[図2]太陽電池セルの形状と配列を示す部分平面図である。
[図3]図1に示す太陽電池モジュールの製造工程を示す断面模式図である。
[図4]太陽電池モジュールの縦断面を擬似的に四層状に簡略化した断面図である。
[図5](e)、(f)、(g)、(h)は外径寸法の異なる太陽電池モジュールの各積層四層系における絶縁基板の弾性率及び線膨張係数の積と各積層四層系の反りとの関係を示す図である。
[図6]変形例による太陽電池モジュールを示すもので、絶縁基板の裏面にバックシートを設けた断面模式図である。
[図7]従来の太陽電池モジュールの一例を示す断面模式図である。
次に図1に示す本実施形態による太陽電池モジュール1を、透光性基板2と太陽電池セル5と絶縁基板3とを組合せた層積層系として、各構成の物性値を特定して全体の反りを実測してその特性を規定した。そして、上記(1)式〜(4)式を導き出す根拠となる試験例1,2を行った。
まず、透光性基板2として石英ガラスを用い、その厚さを2mm〜4mmの範囲に設定した。実施例として、透光性基板2の厚さは3.3mmとした。
太陽電池セル5としてシリコンチップを用い、厚さ200um〜300umの範囲に設定した。
に示す結果のデータを、太陽電池モジュール1の外径寸法毎に図6(f),(g),(h)のグラフに示す。各グラフにおいて、横軸を絶縁基板3の弾性率E×熱膨張係数αとし、縦軸を太陽電池モジュール1の反りとして、絶縁基板3の厚さ100um、200um毎に反りの大きさをプロットした。
絶縁基板3の厚さが透光性基板2と同等になると、絶縁基板3の弾性率E×熱膨張係数αは良いパラメータではなくなる。そのため、試験例1と同様に最小自乗直線を各図中に記入した。絶縁基板3の弾性率Eが0に近づくと厚さ100um、200umとも同じ反り値と近似するはずであるから、厚さ200umの最小自乗直線は下記のように変更した。
即ち、まず厚さ100umの最小自乗直線を引き、そのy軸切片を求める。そして、厚さ200umで厚さ100umの直線のy軸切片を通過する最小自乗直線を求めた。

Claims (14)

  1. 透光性基板と、太陽電池セルと、電気配線を含む絶縁基板とを有する太陽電池モジュール
    であって、
    前記透光性基板は厚さ2mm以上4mm以下の酸化珪素からなり、
    前記太陽電池セルは厚さ100um以上300um以下の結晶系太陽電池セルからなり、
    各部材の物性値が以下の式により規定されていることを特徴とする太陽電池モジュール。Y≦12.88X+521.7 …(1)
    Y≧0.0324X+83.69 …(2)
    Y≦1000
    X≦700 …(3)
    但し、Y:太陽電池モジュールの反り
    X:絶縁基板の弾性率と熱膨張係数の積
  2. 請求項1に記載された太陽電池モジュールにおいて、YとXが以下の式を満足することを特徴とする太陽電池モジュール。
    Y≦500
    X≦300 …(4)
  3. 前記絶縁基板の膜厚は、20um以上3000um未満であることを特徴とする請求項1または2に記載された太陽電池モジュール。
  4. 透光性基板と、太陽電池セルと、電気配線を含む絶縁基板とを有する太陽電池モジュールであって、
    前記透光性基板は厚2mm以上4mm以下の酸化珪素からなり、
    前記太陽電池セルは厚さ100um以上300um以下の結晶系太陽電池セルからなり、
    電気配線は35um以下の銅からなり、
    各部材の物性値が以下の式により規定されていることを特徴とする太陽電池モジュール。Y≦2.0625X+954 …(1)
    Y≧0.115X+86.3 …(2)
    Y≦2000
    X≦700 …(3)
    但し、Y:太陽電池モジュールの反り
    X:絶縁基板の弾性率と熱膨張係数の積
  5. 請求項1に記載された太陽電池モジュールにおいて、YとXが以下の式を満足することを特徴とする太陽電池モジュール。
    Y≦1000
    X≦300 …(4)
  6. 前記絶縁基板の膜厚は、100um以上200um未満であることを特徴とする請求項4または5に記載された太陽電池モジュール。
  7. 前記絶縁基板は、ガラス繊維の絶縁樹脂を含浸させた構造であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載された太陽電池モジュール。
  8. 前記絶縁基板の太陽電池セルとは反対側の面にバックシートが設けられており、該バックシートは以下の式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載された太陽電池モジュール。
    X≧(バックシートの弾性率×バックシートの熱膨張係数) …(10)
  9. 前記絶縁基板の太陽電池セルとは反対側の面にバックシートが設けられており、該バックシートは以下の式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載された
    太陽電池モジュール。
    0.9X≧(バックシートの弾性率×バックシートの熱膨張係数) …(11)
  10. 前記太陽電池セルは千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載された太陽電池モジュール。
  11. 前記太陽電池セルは六角形であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載された太陽電池モジュール。
  12. 前記電気配線が銅からなり、残銅率が30%以上70%以下であることを特徴とする請求項4乃至11のいずれかに記載された太陽電池モジュール。
  13. Bステージ状プリプレグ基材の上面に銅箔を貼り合せるラミネート工程と、
    銅箔、プリプレグ、バックシートを加熱圧着する基材硬化工程と、
    銅箔をパターンエッチングして回路層を形成するエッチング工程と、
    回路層の任意の部分に導電性材料を塗布する塗布工程と、
    導電性材料を塗布した回路層上に太陽電池セルを実装する実装工程と
    太陽電池セル上に封止材と透光性基板を設置する積層工程と
    全体を加熱圧着する封止材硬化工程と
    を含有することを特徴とする請求項4乃至12のいずれかに記載された太陽電池モジュールの製造方法。
  14. Bステージ状プリプレグ基材の上面に銅箔を、下面にバックシートを貼り合せるラミネート工程と、
    銅箔、プリプレグ、バックシートを加熱圧着する基材硬化工程と、
    銅箔をパターンエッチングして回路層を形成するエッチング工程と、
    回路層の任意の部分に導電性材料を塗布する塗布工程と、
    導電性材料を塗布した回路層上に太陽電池セルを実装する実装工程と
    太陽電池セル上に封止材と透光性基板を設置する積層工程と
    全体を加熱圧着する封止材硬化工程と
    を含有することを特徴とする請求項4乃至12のいずれかに記載された太陽電池モジュールの製造方法。
JP2010545122A 2010-06-02 2010-06-02 太陽電池およびその製造方法 Pending JPWO2011151897A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2010/059323 WO2011151897A1 (ja) 2010-06-02 2010-06-02 太陽電池およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011151897A1 true JPWO2011151897A1 (ja) 2013-07-25

Family

ID=45066294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010545122A Pending JPWO2011151897A1 (ja) 2010-06-02 2010-06-02 太陽電池およびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2011151897A1 (ja)
WO (1) WO2011151897A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113536636B (zh) * 2021-07-19 2022-09-20 中国第一汽车股份有限公司 动力电池模组结构强度的测试方法、装置及储存介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009096114A1 (ja) * 2008-01-31 2009-08-06 Sharp Kabushiki Kaisha 太陽電池モジュールの製造方法
WO2009116394A1 (ja) * 2008-03-17 2009-09-24 シャープ株式会社 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法
JP2009266958A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Sharp Corp 太陽電池モジュール

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009096114A1 (ja) * 2008-01-31 2009-08-06 Sharp Kabushiki Kaisha 太陽電池モジュールの製造方法
WO2009116394A1 (ja) * 2008-03-17 2009-09-24 シャープ株式会社 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法
JP2009266958A (ja) * 2008-04-23 2009-11-12 Sharp Corp 太陽電池モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011151897A1 (ja) 2011-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8975510B2 (en) Foil-based interconnect for rear-contact solar cells
JP2008135654A (ja) 太陽電池モジュール
JP2012049221A (ja) 太陽電池モジュールとその製造方法とバックシート付き回路層と太陽電池
US20170084767A1 (en) Solar module
JP5545569B2 (ja) 太陽電池用バックシートの製造方法
JP2010157553A (ja) 配線シート、配線シート付き太陽電池セル、太陽電池モジュール、配線シート付き太陽電池セルの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法
US20220173260A1 (en) Forming front metal contact on solar cell with enhanced resistance to stress
US9379268B2 (en) Solar cell module and method of manufacturing the same
KR102019310B1 (ko) 태양 전지 모듈 및 그의 제조 방법
JP4066271B2 (ja) 薄膜太陽電池モジュールの製造方法とその製造装置
JP2012079838A (ja) 太陽電池モジュールとその製造方法
WO2019202958A1 (ja) 太陽電池デバイスおよび太陽電池デバイスの製造方法
JP2011035070A (ja) 太陽電池モジュール用バックシートおよびその製造方法
JP5652911B2 (ja) 太陽電池モジュールの製造方法
JP2011181619A (ja) 太陽電池モジュール
WO2011151897A1 (ja) 太陽電池およびその製造方法
JP2013030734A (ja) 太陽電池モジュール
JP2012204458A (ja) 太陽電池モジュールの製造方法
JP2011210747A (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
JP2011216779A (ja) 太陽電池モジュール
TW201145530A (en) Solar cell and method for manufacturing same
US20180122966A1 (en) Solar cell module
JP5904881B2 (ja) 太陽電池の製造方法、および印刷マスク
JP2011159725A (ja) 太陽電池モジュール用基材とその製造方法、太陽電池モジュール
US20140166068A1 (en) Solar module and manufacturing method therefor

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110628