JPWO2011145515A1 - 磁力波アンテナおよび磁力波通信装置 - Google Patents

磁力波アンテナおよび磁力波通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011145515A1
JPWO2011145515A1 JP2012515857A JP2012515857A JPWO2011145515A1 JP WO2011145515 A1 JPWO2011145515 A1 JP WO2011145515A1 JP 2012515857 A JP2012515857 A JP 2012515857A JP 2012515857 A JP2012515857 A JP 2012515857A JP WO2011145515 A1 JPWO2011145515 A1 JP WO2011145515A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
magnetic wave
magnetic
wave signal
short loop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2012515857A
Other languages
English (en)
Inventor
河野 実則
実則 河野
河野 公則
公則 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Radio Communication Systems Ltd
Original Assignee
Radio Communication Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Radio Communication Systems Ltd filed Critical Radio Communication Systems Ltd
Publication of JPWO2011145515A1 publication Critical patent/JPWO2011145515A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B13/00Transmission systems characterised by the medium used for transmission, not provided for in groups H04B3/00 - H04B11/00
    • H04B13/02Transmission systems in which the medium consists of the earth or a large mass of water thereon, e.g. earth telegraphy

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Near-Field Transmission Systems (AREA)

Abstract

【目的】この発明は、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、磁力波信号を用いて中距離間での磁力波通信を行うための磁力波アンテナおよび磁力波通信装置を安価に実現するためのものである。【解決手段】1kHz以上の周波数帯で比較的に広い帯域幅の磁力波信号を、磁力波通信装置21に接続された磁力波アンテナ213から大気中もしくは海水中に放射し、前記放射された磁力波信号を磁力波通信装置22に接続された磁力波アンテナ223によって受信する。前記磁力波信号が大気中および海水中を比較的に低損失で数10mから数10km程度の中距離間を伝搬するので、磁力波アンテナ213と磁力波アンテナ223との間で、前記磁力波信号を大気中および海水中でシームレスに直接送受信することができる。【選択図】 図1

Description

この発明は、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中あるいは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、誘導磁界信号(Magnetic Field Induction Signal)(以後磁力波信号と称する)を用いて数10mから数10km程度の中距離間での誘導磁界通信(Magnetic Field Induction Communication)(以後磁力波通信と称する)を行うための誘導磁界通信装置(Magnetic Field Induction Equipment)(以後磁力波通信装置と称する)に関するものである。
なお、従来の誘導磁界通信をNear Field Communication(NFC)と称し、電磁波通信をFar-Field Communication(FFC)と称するのに対して、本発明の磁力波通信はこれらの中間的なものであり、Middle-Field Communication(MFC)(中距離間通信)と称する。
従来から、誘導磁界を利用して通信するためのシステムあるいはループアンテナを利用する技術が提案されている。(例えば、特許文献1〜4、および非特許文献1、2)
特開2009−302963号 特開平10−215105号 特表平11−505395号 特開平5−328454号 「工学系の基礎電磁気学」W.H.ヘイト著、山中他訳、朝倉書店刊 275頁〜280頁 「アンテナと電波伝搬」谷口慶治著、共立出版188頁〜189頁
図9は、特許文献1に記載されている従来の「磁力波通信装置」に用いられるアンテナの実施例である。図9において、600は磁界アンテナ、400はループコイル、401は磁力波信号を吸収し減衰させる磁界吸収体、402は電界シールド、403は充填材、404は防水ケース、405a、405bは入力端子である。磁力波信号を吸収し減衰させる磁界吸収体401はループコイル400の一部を被うように配置され、当該部分から送受信される磁力波信号を吸収し減衰させる効果があるとされている。しかしながら、前記磁界吸収体401を設けることで磁界アンテナのインピーダンスが著しく高くなり、前記ループコイル400に伝導電流を効率よく流すことが困難となり、必然的に磁力波信号の放射効率を低下させ、中距離間での磁力波通信を阻害する問題点がある。
一方、特許文献2に記載されている「地中・水中アンテナ」によれば、「地中や水中などに電磁波を効率的に送信し、あるいは地中や水中などからの電磁波を効率的に受信できるアンテナを提供する。」とされている。
また、特許文献3に記載されている「近距離磁気通信システム」によれば、「携帯ユニットと、通信システムとの間で信号をやりとりするシステムおよび方法である。携帯装置は、電磁結合を用いて基礎ユニットと通信する。基礎ユニットは、電話ネットワークのようなより広域の通信システムにさらに接続されている。基礎ユニットでは、より完全な磁界を実現し、相互インダクタンスが0である部分(mutual inductance null)を防止するために、多数の、互いに直交して配置されたトランスデューサが用いられる。そうしなければ、相互インダクタンスが0である部分は、磁界に存在するからである。近距離電磁結合を用いることにより、電力要件を最小化し、他のソースへの妨害を制限することができる。また、電磁結合は、携帯装置内のバッテリを再充電するのに用いることもできる。」とされている。
また、特許文献4に記載されている「誘導磁界送受信アンテナ」によれば、「複数の被制御家庭用機器等のリモート制御に用いる磁波の送受信を行うためのアンテナの指向性を、ほぼ平面全方向とする誘導磁界送受信アンテナを提供するために、磁波の送受信を行うアンテナ本体を形成する複数個、例えば2個のコイル6a,6bを設け、この2個のコイル6aと6bの相互インダクタンスが実質的にほぼゼロとなる位置に近接配置するよう構成した。」とされている。
しかしながら、前記特許文献2に記載されている「地中・水中アンテナ」では、電磁波信号を取扱っているために、海水中では電磁波信号の減衰が激しいことからは逃れられない問題点があり、前記特許文献3および4に記載されている「近距離磁気通信システム」あるいは「誘導磁界送受信アンテナ」では、誘導磁界を利用して通信を行なうためのシステムあるいは送受信アンテナであるが、近距離での無線通信を目的としているものであり、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中で、中距離通信を実現することを目的とするものではなく、中距離通信を実現できる構成あるいは構造でもない。
一方、非特許文献1の275頁〜280頁に記載されている「9.3 損失のある誘電体中の平面波」によれば、277頁の上から4行目に、「ExあるいはHyの振幅は、水中を1m/520(約2mm)伝播するごとに0.368の係数で減衰する。伝播するという言葉はこのようにたいへんあいまいに使用されている。減衰が大きいことが、水中でレーダーが使用されずにソナーが使われる理由である。」とされている。
また、非特許文献2の189頁、図5.3に示されている「水中を伝搬する電波の減衰特性」によれば、海水中では1MHzの電波が約100dB/mの割合で減衰するとされている。
しかしながら、本発明の磁力波アンテナおよび磁力波通信装置を用いて塩水中での伝搬実験を実施したところ、前記非特許文献1あるいは非特許文献2に記載されている程の急激な伝播損失が生じず、比誘電率が81程度であり、比透磁率が1程度であり、かつ電磁波信号の伝搬損失が1MHzの電波が約100dB/mの割合で急激に減衰するとされている海水中でも、磁力波信号を用いて中距離間での無線通信を行うことが可能なことを確認している。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、磁力波信号を用いて数10mから数10km程度の中距離間での磁力波通信を行うための誘導磁界アンテナ(以後磁力波アンテナと称する)および磁力波通信装置を安価に提供することを目的とする。
この発明に係わる磁力波アンテナおよび磁力波通信装置は、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、磁界変動(誘導磁界)によって伝搬する磁力波信号を用いて中距離間での磁力波通信を行うために、少なくとも、第1の磁力波アンテナに接続される送信手段と、第2の磁力波アンテナに接続される受信手段とから構成され、前記第1の磁力波アンテナは、前記送信手段によって駆動される伝導電流から効率よく磁界変動を外部に放射し、前記第2の磁力波アンテナは、受信した磁界変動から効率よく起電力を誘起し前記受信手段に出力する。
前記第1の磁力波アンテナ、前記第2の磁力波アンテナ、もしくはこれらの両方が、開口面を電界シールドによって覆われており、前記磁力波信号の4分の1波長以下の短ループアンテナであり、インピーダンス変換用トランスを有し、インピーダンス整合用コンデンサを有し、複数のアンテナ素子を有し、前記複数のアンテナ素子に対応して、異なる容量のインピーダンス整合用コンデンサ用いて整合をとり、分波器を介して前記複数のアンテナ素子を結合し、あるいはこれらを組み合わせることによって、前記磁力波信号を効率よく放射しあるいは受信し、あるいは広帯域特性を有することが可能となる。
言い換えれば、従来のアンテナが、変位電流によって駆動される電界変動を最大限に生じさせ、かつ前記電界変動を受信して起電力を最大限に生じさせることによって、電磁波通信を実現しているのに対して、本発明の磁力波アンテナでは、伝導電流によって駆動される磁界変動を最大限に生じさせ、かつ前記磁界変動を受信して起電力を最大限に生じさせることによって、磁力波通信を実現することができる。
従来、海水中での通信にはもっぱら音波あるいは超音波が用いられ、あるいは例えば100kHz以下の極めて低い周波数帯の誘導磁界を用いることが一般的であり、100kHz以上の比較的に高い周波数帯の電磁波信号は、例えば海水中での減衰が1MHz帯において約100dB/mと急激であるために、利用が難しいというのが定説であった。本発明の磁力波アンテナおよび磁力波通信装置では、100kHz以上の周波数帯において、広い帯域幅の磁力波信号を利用することによって、例えば真水中あるいは海水中などで数10mから数10km程度の中距離通信が可能となり、従来の音波もしくは超音波、低周波誘導磁界、あるいは電磁波に代わる、広帯域の通信が可能な磁力波アンテナおよび磁力波通信装置を安価に実現できる利点がある。
本発明の第1の実施形態を示す磁力波通信装置の構成図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号の伝搬特性を解析するための説明図 本発明の第1の実施形態における磁力波信号と従来の電磁波信号との伝搬特性の比較図 本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの特性例 本発明の第1の実施形態に用いる磁力波アンテナの他の構成図 本発明の第2の実施形態を示す磁力波通信装置の構成図 本発明の第2の実施形態に用いる磁力波アンテナの構成図 本発明の第2の実施形態に用いる磁力波アンテナの他の構成図 従来の実施例による磁力波アンテナの構成図
この発明に係わる磁力波アンテナおよび磁力波通信装置によれば、図1、図2、および請求項第1項に、本発明の第1の実施形態を示すように、磁界変動によって伝搬する磁力波信号を用い、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中を、中距離間で通信を可能とする磁力波通信装置において、
前記磁力波通信装置が、少なくとも、伝導電流によって生じる磁界変動を効率良く外部へ放射するための第1のアンテナ手段と、前記第1のアンテナ手段に接続して、前記伝導電流を効率よく駆動するための送信手段と、前記放射された磁界変動から起電力を効率よく誘起させるための第2のアンテナ手段と、前記誘起された起電力を効率よく受信するための受信手段とから構成される。
また、図2、図5、および請求項第2項に示すように、前記第1のアンテナ手段が、前記磁力波信号の4分の1波長以下の短ループアンテナであり、駆動される伝導電流によって生じる磁界変動を効率良く生成して外部へ放射するための磁界変動送信手段と、駆動される変位電流によって生じる電界変動を抑制し、あるいは外部への電磁波信号の放射を抑制するための電界変動抑制手段とを有する。
また、図2、図5、および請求項第3項に示すように、前記磁力波信号の4分の1波長以下の短ループアンテナであり、誘導磁界の変動を受信して起電力を効率良く生成するための磁界変動受信手段と、生成される起電力によって生じる電界変動を抑制し、あるいは外部への電磁波信号の再放射を抑制するための電界変動抑制手段とを有する。
また、図2、図5、および請求項第4項に示すように、前記短ループアンテナと、インピーダンス変換用トランスの1次側端子とが、直列もしくは並列に接続され、前記インピーダンス変換用トランスの2次側端子と、インピーダンス整合用コンデンサとが、直列もしくは並列に接続される。
また、図2、図5、および請求項第5項に示すように、前記短ループアンテナと、前記インピーダンス整合用コンデンサとが、直接あるいはインピーダンス変換用トランスを介して、直列もしくは並列に接続されて共振回路を構成する。
また、図2、図5、および請求項第6項に示すように、前記短ループアンテナ、前記インピーダンス変換用トランス、前記インピーダンス整合用コンデンサ、あるいはこれらの組み合わせが、前記電界変動抑制手段内に収納される。
また、請求項第7項に示すように、前記短ループアンテナ、前記インピーダンス変換用トランス、あるいはこれらの両方が、規定値以下の直列抵抗が得られる良導電材料によって構成される。
また、請求項第8項に示すように、前記インピーダンス整合用コンデンサが、前記磁力波信号の周波数に対応して切替設定が可能であり、あるいは自動同調される。
また、請求項第9項に示すように、前記短ループアンテナが透磁率が1以上の磁性体の外周部に形成される。
また、請求項第10項に示すように、前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナが複数回巻あるいは複数組であり、前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナが1回巻あるいは1組であり、あるいはこれらの両方が前記巻数あるいは組数の組合せである。
また、請求項第11項に示すように、前記複数組の短ループアンテナが、変位電流によって生じる電界変動を規定値内に抑制できる長さであり、複数組のインピーダンス変換用トランスによって結合されあるいは合成され、かつお互いに角度を持って交差して配置される。
また、図4、および請求項第12項に示すように、前記短ループアンテナが、前記磁力波信号の20分の1波長以下の長さであり、あるいは電界変動によるエネルギ損失を規定値内に制限できる長さである。
また、図2、図5、図7、図8、および請求項第13項に示すように、前記電界変動抑制手段が、前記電界変動を低損失で内部に封じ込めあるいは蓄積して外部への放射を抑制するための電界シールドであり、磁界変動を外部へ放射するための開口面を覆う電界シールドであり、前記開口面以外を覆う電磁界シールドであり、あるいはこれらの組合せである。
また、請求項第14項に示すように、前記電界シールドが、前記磁力波信号を規定値内の低損失で通過させる厚みであり、前記電磁波信号を規定値内の低損失で内部に封じ込める厚みであり、膜状であり、格子状であり、線状であり、網状であり、パンチングメタル状であり、あるいはこれらの組み合わせである。
また、図7、および請求項第15項に示すように、前記第1のアンテナ手段、前記第2のアンテナ手段、もしくはこれらの両方が、複数のアンテナ素子を有し、前記複数のアンテナ素子に対応して、同相もしくは異なる位相の伝導電流を駆動し、あるいは同相もしくは異なる位相の起電力を誘起することによって、無指向性磁力波アンテナを構成し、指向性磁力波アンテナを構成し、回転偏波磁力波アンテナを構成し、あるいはこれらの組み合わせを構成する。
また、図5、および請求項第16項に、前記第1のアンテナ手段、前記第2のアンテナ手段、もしくはこれらの両方が、複数のアンテナ素子を有し、前記複数のアンテナ素子に対応して、少なくとも異なる容量のインピーダンス整合用コンデンサ用いて整合をとり、かつ相互間の結合量を調節することによって、広帯域特性を具備する。
また、請求項第17項に示すように、前記第1のアンテナ手段、前記第2のアンテナ手段、もしくはこれらの両方が、アレイ状に配列された複数のアンテナ素子を有する磁力波アレーアンテナを構成し、前記複数のアンテナ素子が構成する指向性ビームの方向へ磁力波信号を低損失で放射し、前記指向性ビームの方向以外の方向への磁力波信号の放射を抑制する。
また、請求項第18項に示すように、前記複数のアンテナ素子が振幅制御手段、位相遅延制御手段、合成・分配手段、あるいはこれらの組み合わせを有する磁力波アクテイブフエーズドアレーアンテナを構成し、前記磁力波アクテイブフエーズドアレーアンテナの指向性ビームを目的とする方向に向けあるいは走査する。
また、請求項第19項に示すように、前記送信手段が、短時間のバースト信号を間欠発信し、前記受信手段との間で同一周波数による時分割通信を行ない、あるいはこれらの両方を行なう。
また、請求項第20項に示すように、前記送信手段から駆動される伝導電流の周波数をホッピングさせ、前記周波数をホッピングさせるのと同期して、インピーダンス整合用コンデンサを切替えることによって、スペクトル拡散通信方式を適用した秘匿通信を行なう。
また、請求項第21項に示すように、前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナと前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナとが、前記短ループアンテナの水平面方向、あるいは垂直面方向、あるいは前記短ループアンテナを複数組設けて複数面方向に、お互いに対向して設置される。
また、図6、図7、図8、および請求項第22項に示すように、前記第1のアンテナ手段が特定方向に向けあるいは走査して磁力波信号を放射し、前記第2のアンテナ手段が反射物体から反射される磁力波信号を受信して、測深装置、探知装置、探査装置、あるいはレーダ装置を構成する。
また、請求項第23項に示すように、前記送信手段もしくは受信手段に複数のアンテナ手段を接続し、アンテナ切替器を用いて周期的に切り替えながら磁力波信号を送信しあるいは受信し、前記受信手段において、前記複数のアンテナ手段に対応する磁力波信号の位相を測定し、前記送信手段が位置する方向あるいは受信手段が向かっている方向を検知する。
また、請求項第24項に示すように、前記アンテナ手段、送信手段、受信手段、もしくはこれらの組み合わせが、複数の移動局、固定局、中継局、もしくはこれらの組み合わせを構成し、少なくとも大気中と海水中とをシームレスに接続できる広域通信網を構築する。
また、請求項第25項に示すように、前記中継局が海水面に近接して設置され、大気中に向けて電磁波信号を送信し、受信し、あるいはこれらの両方を行い、海水中に向けて磁力波信号を送信し、受信し、あるいはこれらの両方を行う。
また、請求項第26項に示すように、 前記固定局、中継局、もしくはこれらの両方に、複数のアンテナ手段を複数の方向に指向性ビームを向けて接続し、アンテナ切替器を用いて周期的に切り替えながら磁力波信号をバースト信号もしくはパケット信号として間欠送信しあるいは間欠受信し、広域に分散している移動局、他の固定局、あるいは他の中継局との間で通信を行う。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態を示す磁力波通信装置の構成図であり、21、22は磁力波通信装置、211、221は制御部、212、222は送受信機、213、223は磁力波アンテナ、111は海表面である。
制御部211により制御される送受信機212に接続された磁力波アンテナ213からは、伝導電流によって生成される磁界変動(もしくは誘導磁界)に基づく磁力波信号が放射され、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中あるいは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、中距離間を伝搬して磁力波アンテナ223によって受信される。
発明者らが実施した塩水中での伝搬実験では、共振用コンデンサを装荷した短ループアンテナから放射される電磁波信号の伝搬損失が、1MHz帯において約100dB/mと急激に減衰するのに対して、磁力波信号の4分の1波長より短い短ループアンテナを、インピーダンスの変換比が1:16の変換トランスとインピーダンス整合用コンデンサとを介して送受信機に接続した場合、前記短ループアンテナから放射される磁界変動に基づく磁力波信号の伝搬損失が3.58MHz帯においても空中での伝搬損失と比べて塩水中でもほとんど増加せず、前記電磁波信号の伝搬損失と比べてはるかに低損失であり、中距離間での伝搬が可能であることを確認している。
ここで、アンテナに流れる変位電流によって放射される磁界変動と電界変動との相乗効果に基づいて伝搬される信号を電磁波信号、電磁波信号を送受信するための装置を電磁波通信装置、電磁波通信に用いるアンテナを電磁波アンテナと称するのに対応して、アンテナに駆動される伝導電流によって放射される磁界変動(もしくは誘導磁界)によって伝搬される信号を新たに磁力波信号、磁力波信号を送受信するための装置を磁力波通信装置、磁力波通信に用いるアンテナを磁力波アンテナと称する。
また、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、前記磁力波信号が1kHz以上の周波数帯において比較的に広い帯域幅を占有しあるいは占有できる、前記磁力波アンテナの一例として、前記磁力波信号の4分の1波長以下の単一もしくは複数の短ループアンテナを用いるも。
また、前記磁力波アンテナが、駆動される伝導電流によって生じる磁界変動を効率良く外部へ放射し、かつ駆動される変位電流によって生じる電界変動を内部に蓄積し、あるいは電界変動の発生自体を抑制するための電界変動抑制手段あるいは電界シールドを有するものとする。
また、前記短ループアンテナに少なくともインピーダンス変換用トランスとインピーダンス整合用コンデンサとを接続し、前記短ループアンテナの入出力インピーダンスを、同軸ケーブルもしくは伝送ケーブルの特性インピーダンスに変換しかつ整合させることによって、市販の無線送受信機との直接接続を可能とすることができる。
また、前記短ループアンテナが、伝導電流を低損失で駆動可能な材料、規定値以下の表皮抵抗が得られる良導電材料、超伝導材料、もしくはこれらの組み合わせによって構成されており、あるいは規定値以下の表皮抵抗が得られる構造によって、磁界変動の放射効率を向上させることができるものとする。
従来から、電磁波信号の伝搬式については、マックスウエルの方程式とポインテイングの理論とによって、下記の式で示されている。
E・∇H = E・J + E・(∂D/∂t) - - -(1)
前記(1)式において、E・Jは伝搬損失、E・(∂D/∂t)はポインテイングペクトルと呼ばれる電磁波信号の伝搬電力を示すものであり、真空中あるいは大気中では伝導電流Jが流れないため、伝導電流に起因する伝搬損失は0であるが、海水中では、伝導電流ガ流れるために、伝搬損失が大きく、電磁波信号の伝搬の減衰が1MHz帯において約100dB/mと急激であるとされている。
そこで、図2に示す本発明の第1の実施形態における磁力波信号の伝搬特性を解析するための説明図を用いて、磁力波伝搬のメカニズムをファラデーの法則に立ち返って解明する。
図2において、600aは短ループアンテナを用いた送信アンテナ、600bは短ループアンテナを用いた受信アンテナ、601a、601bは電界シールド、602a、602bは送信アンテナ600aに流れる伝導電流の方向、603a、603bはインピーダンス変換トランス、604a、604bはインピーダンス整合用コンデンサ、605a、605bは電磁界シールド、606a、606bはアンテナコネクタ、611aは短ループアンテナの間隔D(m)、611bは短ループアンテナの面積S(m^2)、612は送信アンテナと受信アンテナの距離R(m)とする。ここで、前記短ループアンテナ600a、600bがお互いに水平面方向に対向しているものとする。
例えば、周波数が3.58MHzにおいて、前記短ループアンテナ600a、600bの長さが2mであり、直径2cmの銅パイプを用いた正方形ループの場合、表皮抵抗が3Ω程度となるので、変換比が1:16のインピーダンス変換トランス603a、603bを用いて抵抗成分を50Ωに変換すると共に、誘導性リアクタンス成分をインピーダンス整合用コンデンサ604a、604bによって打ち消すことで、アンテナコネクタ606a、606bから見たアンテナのインピーダンスを市販の同軸ケーブルの特性インピーダンスと整合させるものとする。
前記整合させた状態で、前記送信機に接続された短ループアンテナ600aに対して伝導電流を効率良く駆動し、あるいは受信側短ループアンテナ600bから起電力を効率よく出力させることが可能となり、しかも、市販品の無線通信装置がそのままで使用可能となるので、経済的な効果が得られる。
前記送信アンテナ600aの各辺が無限長であり、伝導電流ISinωtが均一に流れているとして、ファラデーの法則から、受信アンテナ600bの中心部での磁界変動を磁束密度の変動(dBR/dt)によって表現すると、次式によって表わすことができる。
(dBR/dt)=μINω[{1/2π(R-(D/2))}-{1/2π(R+(D/2))}]Cosωt=[μINfD/R^2]Cosωt - - -(2)
ここで、Nは送信側の短ループアンテナの巻数、Dは送信側の短ループアンテナの間隔、Rは送信アンテナと受信アンテナとの間隔、μ=4π10^−7は海水の透磁率であり、ω=2πfは磁力波信号の角周波数であり、R>>Dとする。
ただし、前記送信アンテナ600aの各辺は有限長であるため、前記磁束密度の変動が(2)式より減少することが確認されている。
一方、前記受信アンテナ600bの出力端子間に生じる起電力emfは、受信アンテナ600bの面積をSとし巻数をNとすると、次式によって表わすことができる。
emf=-(dΦ/dt)=-∫(dBR/dt)=-[μIN^2fDS/R^2]Cosωt - - -(3)
例えば、f=3.58MHz、I=1.58A(送信出力10W相当)、N=1回巻、D=0.5m、S=0.25m^2とすると、距離Rにおける起電力は、前記短ループアンテナ600a、600bがお互いに水平面方向に対向している場合には、emf=0.89/R^2(V)となる。
次に、前記送信アンテナ600aを駆動する駆動電力PTxと、受信側の短ループアンテナ600bから出力される受信電力PRxとの比、従って、磁力波信号の誘導伝搬損失PLは、短ループアンテナの表皮効果を含めた直列抵抗をrとすると、次式によって表わすことができる。
PL=PTx/PRx=(rI^2)/[{μIN^2fDS/R^2}^2/4r]=[{2r/μN^2fDS}^2]/(R^4) - - -(4)
例えば、f=3.58MHz、N=1回巻、D=0.5m、S=0.25m^2とすると、r=3Ω(銅パイプ直径2cmに相当)となり、前記送信側の短ループアンテナ600aへの駆動電力を40dBm(10W)とすると、受信側の短ループアンテナ600bでの受信電力は、R=1mではPRx=17dBm、R=10mではPRx=−23dBm、R=100mではPRx=−63dBm、R=1kmではPRx=−103dBmとなるので、海水中で400m離れた地点と数Mbps程度の広帯域通信が可能であり、1km離れた地点でも数kbps程度の狭帯域通信であれば十分可能なことになる。なお、駆動電力を更に大きくすることで通信距離を拡大することができるが、バースト信号として間欠発信する場合には、平均電力は問題となるほど大きくならない利点がある。
ただし、(4)式には、前記インピーダンス変換トランス603a、603bの損失、および短ループアンテナの間隔Dmが有限であるための誘導磁界の算出誤差、電磁波の放射による損失の増加分などが含まれておらず、これらを含めると損失の増加が見込まれるので、実用化に際しては詳細な検討を要する。
なお、(4)式によって表わされる磁力波信号の伝搬損失では、表皮効果を含めた直列抵抗rが小さければ小さい程、駆動電力が同じでも大きな伝導電流を駆動できることから、前記短ループアンテナ、インピーダンス変換トランス、もしくはこれらの両方に、例えば、規定値以下の直列抵抗が得られる超伝導材料、構成、あるいは構造を採用することによって、磁力波信号の放射効率を高めることができる。ただし、直列抵抗rが小さくなると前記短ループアンテナのQ値が大きくなり、周波数帯域幅が狭くなるので後述するような対策が必要となる。
また、前記短ループアンテナ600a、600bと、インピーダンス変換用トランス603a、603bの1次側端子とが、直列もしくは並列に接続され、前記インピーダンス変換用トランスの2次側端子に、インピーダンス整合用コンデンサ604a、604bが、直列もしくは並列に接続され、かつ前記短ループアンテナ、前記インピーダンス変換用トランス、前記インピーダンス整合用コンデンサ、あるいはこれらの組み合わせを、前記電界変動抑制手段内に収納することで、電界変動が外部へ放射されることのよる損失の増加を抑制することができる。
また、前記短ループアンテナに、前記インピーダンス整合用コンデンサを、直接あるいはインピーダンス変換用トランスを介して、直列もしくは並列に接続して共振回路を構成することでも同様な効果が得られる。
また、前記インピーダンス整合用コンデンサをインピーダンス変換用トランスの2次側の端子に分散して接続することでバランスした回路構成となる。
図3に本発明の第1の実施形態における磁力波信号と従来の電磁波信号との伝搬特性の比較図を示す。図3において、(1)式で示される大気中における電磁波信号の伝搬損失と、(4)式によって表わされる大気中における磁力波信号の伝搬損失とを比較すると、大気中の電磁波信号の伝搬損失が距離の二乗に比例して6dB/octで増加するのに対して、磁力波信号の伝搬損失が距離の四乗に比例して12dB/octで増加するので、この点では電磁波信号の伝搬損失の増加の方が緩やかであり、遠距離間通信には有利であることが分かる。
一方、(1)式で示される海水中での電磁波信号の伝搬損失と、(4)式によって表わされる海水中での磁力波信号の伝搬損失とを比較すると、電磁波信号の伝搬損失が1MHz帯において約100dB/mと急激であるのに比較して、磁力波信号の伝搬が12dB/octと緩やかに減衰するので、海水中においては、磁力波信号の伝搬による磁力波通信の方が俄然有利となり、海水と同じ塩分濃度の塩水中での伝搬実験でも伝搬損失が緩やかであり、中距離間の通信が可能であることが実験で確認されている。
また、大気中においては磁力波信号の伝搬の方が不利であるとしても、磁力波信号の伝搬の方が、従来不可能とされていた、大気中から海水中へ、あるいは逆に海水中から大気中への中距離間通信を可能とするメリットが大きいことから、海水中と大気中とをシームレスに接続する磁力波通信装置が実現可能であることを示唆している。
また、海水中での磁力波伝搬を利用する以外に、一般的に、電磁波信号の伝搬損失が磁力波信号の伝搬損失より比較的に大きい物質中で、磁力波伝搬を利用しても同様な効果が得られることになる。
また、前記アンテナ手段が、少なくとも、駆動された伝導電流から効率よく磁力波信号を放射し、あるいは受信した磁力波信号から効率よく起電力を誘起するための磁力波アンテナであり、前記アンテナ手段、送信手段、受信手段、もしくはこれらの組み合わせが、少なくとも、電界変動の生成を抑制し、あるいは電界変動を低損失で内部に蓄積して外部へ放射することを抑制するための電界変動抑制手段を有し、かつ磁力波信号を効率よく外部へ放射するための磁界変動生成手段、あるいは磁力波信号を効率よく外部から受信するための磁界変動受信手段を有するものとする。
また、前記短ループアンテナの開口面が電界シールド601a、601bによって覆われており、前記短ループアンテナの開口面以外が電磁界シールド605a、605bによって囲まれている場合には、電界変動が低損失で内部に蓄積されて外部へ放射されないので、電界変動の放射による電力損失を抑制することができる。
図4に本発明の第1の実施形態における磁力波アンテナの特性例を示す。図4において、長さが1mであり、外径が1cmの銅パイプを用いた、短ループアンテナの直列抵抗成分と周波数との関係において、使用する周波数が高くなると、分岐点を境にして、電界変動を生成するための直列抵抗成分が急激に増加することが分かる。言い換えれば、前記短ループアンテナの長さが使用する周波数に対して分岐点以下であれば、前記電界変動の生成が小さく磁界変動を効率よく外部へ放射できるが、前記分岐点を超えると、前記電界変動の生成が大きくなり磁界変動の放射効率が低くなる。
従って、前記短ループアンテナが、磁力波信号の20分の1波長程度以下の長さであり、あるいは前記電界変動を生成するためのエネルギと磁界変動を生成するためのエネルギとが同程度となる長さであり、あるいは前記電界変動を生成するために必要なエネルギ消費を規定値内に制限できる長さであり、あるいは電界変動によるエネルギ損失を規定値内に制限できる長さである場合には、磁界変動を効率よく外部へ放射できることになる。
あるいは、前記電界変動を外部に放射させず、かつ内部に蓄積させるために、電界シールドにより短ループアンテナを覆うことで、前記短ループアンテナの長さを前記分岐点よりも長くしても、電界変動によるエネルギ損失を規定値内に制限することができ、磁界変動を効率よく外部へ放射させることが可能となる。
また、前記短ループアンテナの長さ以外に、アンテナループ材料の導電度と透磁率、アンテナループの外径寸法もしくは断面積、あるいはこれらの組み合わせによって、前記分岐点の位置を制御することが可能となる。
また、前記インピーダンス変換トランスおよびインピーダンス整合用コンデンサの部分を、電磁界シールドによって囲むなどして電界変動抑制手段を設けることによって、当該部分からの電磁波信号の漏洩による磁力波アンテナの放射効率もしくは受信効率の低下を防止するとともに、磁力波信号の不要な方向への放射を抑制することができる。
また、前記アンテナ手段の一部あるいは全部を、前記電界シールドにより覆うことで、電磁波信号の漏洩による既存の通信装置への干渉あるいは妨害を軽減し、あるいは既存の通信装置からの電磁波信号による干渉あるいは妨害を軽減することが出来る。
また、前記電界シールドが、非磁性体材料で構成され、前記磁力波信号の表皮効果による表皮深さに相当しあるいは表皮深さ以上の厚さの薄膜状であり、格子状であり、線状であり、網状であり、パンチングメタル状であり、スパッタリングにより形成され、メッキ処理により形成され、あるいはこれらの組み合わせであるものとする。
また、前記アンテナ手段のレドームが、前記電界シールドの他に、周辺の物質によって侵食されず、加えられる圧力に耐えられる耐圧・耐蝕性の素材あるいは構造で強化されている必要があることは言うまでもない。
また、前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナと前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナとが、前記短ループアンテナの水平面方向、あるいは垂直面の方向に、お互いに対向して設置されるものとする。
また、前記磁力波通信装置21、22のいずれか一方あるいは両方に、複数のアンテナを接続し切替器を用いて周期的に切り替えながら磁力波信号を送受信し、前記複数のアンテナに対応して受信した磁力波信号の位相を測定することによって、前記磁力波通信装置21あるいは22が位置する方向を高い精度で検知することができる。
また、前記磁力波通信装置21から起点信号を含む磁力波信号を発信し、前記磁力波通信装置22によって受信した前記磁力波信号から起点信号を再生し、前記再生した起点信号と直交しあるいは同期した距離測定信号を時分割のタイミングで送信し、前記磁力波通信装置21で受信して前記距離測定信号を再生し、前記自局から発信した起点信号を基準として前記距離測定信号との位相差を測定することで、前記磁力波通信装置21と磁力波通信装置22との間の距離を測定することができる。
また、前記磁力波通信装置21から発信される磁力波信号を、前記磁力波通信装置22によって、近距離でしかも指向性アンテナを用いて受信した際の、受信入力電圧の強度から、前記磁力波通信装置21と磁力波通信装置22との間の距離を高い精度で測定することができる。
また、前記磁力波通信装置21、22、アンテナ213、223、もしくはこれらの組み合わせが、大気中、陸上、海上、海水中、もしくはこれらの組み合わせの中を移動する複数の移動体に装備され、前記複数の移動体間の相対的な距離、方向、あるいはこれらの両方を測定し、従って相対的な位置関係を検知することによって、前記複数の移動体の移動に従って最適なユビキタスモバイルネットワークを瞬時に構成することができる。
また、前記磁力波通信装置21、22に接続されたアンテナ213、223を船舶などの喫水線以下の船腹などに設置することで、周辺の船舶の位置、あるいは距離と方向が常時検知できることから、船舶同士の衝突を回避するための自動監視装置にも応用が可能である。
また、前記短ループアンテナに流れる伝導電流を増加させて効率を改善するためには、前記短ループアンテナとして直径が大きく丸い形状の線材あるいはパイプを用い、あるいは抵抗成分が表皮効果を含めて十分小さい良導電材料などを用いる必要がある。
また、前記送信手段が、短時間のバースト信号を間欠発信し、前記受信手段との間で同一周波数による時分割通信を行ない、あるいはこれらの両方を行なうことで、効率の良い通信システムを構築できる。
また、前記短ループアンテナ、前記インピーダンス変換用トランス、あるいはこれらの両方を、規定値以下の表皮抵抗が得られ、前記伝導電流を規定値内の低損失で駆動可能な良導電材料によって構成することで、中距離間の磁力波通信が可能となる。
また、前記アンテナ手段の周波数帯域幅が比較的に狭い場合には、前記インピーダンス整合用コンデンサの値が、前記磁力波信号の周波数に対応して切替設定可能であり、あるいは自動調整されることが必要である。
また、前記送信手段から駆動される伝導電流の周波数をホッピングさせ、前記周波数をホッピングさせるのと同期して、インピーダンス整合用コンデンサを切替設定することによって、スペクトル拡散通信方式を適用した秘匿通信を行なうことができる。
また、前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナが小型化のために複数回巻あるいは多数回巻であり、前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナが受信効率を高めるために1回巻あるいは少数回巻であり、あるいはこれらの両方が前記巻数の組合せである。
また、前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナが磁界変動を効率よく放射するために正方形もしくは長方形であり、前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナが起電力を効率よく誘起させるために円形もしくは楕円形であり、あるいはこれらの両方が前記形状の組合せである。
また、前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナ、前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナ、あるいはこれらの両方を、透磁率が1以上の磁性体の外周部に形成することによって、小型化、磁力波信号の放射効率の改善、あるいはこれらの両方が実現できる。
図5に本発明の第1の実施形態に用いる磁力波アンテナの他の構成図を示し、600−1、600−2は円形の短ループアンテナ、601は電界シールド、602−1、602−2は伝導電流の方向、603−1、603−2はインピーダンス変換トランス、604−1、604−2はインピーダンス整合用のコンデンサ、606はアンテナコネクタである。
前記円形の短ループアンテナ600−1、600−2は電界変動の生成を規定値内に抑制した長さであり、両者には同一の方向に伝導電流602−1、602−2が流れるようインピーダンス変換トランス603−1、603−2が接続されており、磁力波信号は加算されて外部に向けて放射される。
一方、前記インピーダンス整合用コンデンサ604−1、604−2の容量はお互いに若干異なった値に設定されており、前記短ループアンテナ600−1、600−2との直列並列共振周波数が若干異なった値となっている。
前記短ループアンテナ600−1と600−2との間の結合度を適度に調節すると、前記加算された磁力波信号は単峰特性あるいは双峰特性を呈し、全体として、広帯域の磁力波信号を外部へ放射する。
なお、電界シールド601は前記短ループアンテナ600−1、600−2に共通に設けられているが、一部を個別に設けることで前記短ループアンテナ601−1と601−2との間の電界結合量が低減し、比較的に近接していても単峰特性と双峰特性の中間点、すなわち臨海結合の条件となるなどの効果が得られる。
また、電界シールド601を磁力波信号の一部を放射する開口面に限定し、残りを電磁界シールド605で囲うことで、指向性を有する広帯域磁力波アンテナが実現できる。
また、前記インピーダンス整合用コンデンサを電磁界シールド601内に設け、前記短ループアンテナに前記インピーダンス変換トランスを介さずに直接接続し、あるいは前記インピーダンス変換トランスを介して接続することで、電界変動が外部に放射されるのを抑制する効果がある。
また、前記インピーダンス整合用コンデンサ604−1、604−2を、前記短ループアンテナ600−1、600−2と直列に接続しても同様な効果が得られる。
また、前記短ループアンテナを複数基設けてお互いに角度をもって交差させることで、前記結合量を低減して広帯域化が可能となり、無指向性の磁力波アンテナが実現でき、しかも放射される磁力波信号の大きさを増加させることができるメリットが得られる。
また、前記短ループアンテナの長さを短くしかつ数を増加させ、インピーダンス変換トランスによって結合し、お互いに角度を持たせて配置することによって、電界変動による損失を減少させると共に、放射される磁力波信号の大きさを増加させることができるので、放射効率の良い無指向性磁力波アンテナが実現できる。
また、図2に示す正方形の短ループアンテナの代わりに図5に示す円形の短ループアンテナを用い、短ループアンテナの垂直面を対向させ、あるいはこれらの両方によって前記誘導伝搬損失PLを改善することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の第2の実施形態を示す磁力波通信装置の構成図である。図6において、23は磁力波探知装置あるいは磁力波レーダ装置、231aは送信機、231bは受信機、232は制御部、233a、233bは指向性磁力波アンテナ、234は接続コネクタ、111は例えば海水表面、113aは送信波、113bは反射波である。
前記指向性磁力波アンテナ233bは送信機231bに接続され、前記指向性磁力波アンテナ233bは受信機231aに接続されているものとする。
前記指向性磁力波アンテナ233aから磁力波信号がバースト状に間欠送信され、送信波113aとして伝搬し、海底あるいは障害物などで反射して、反射波113bとなって伝播して前記指向性磁力波アンテナ233bで受信される。
前記指向性磁力波アンテナ233aから磁力波信号を送信し、前記指向性磁力波アンテナ233bで受信するまでに要する伝搬時間を測定し、あるいは前記伝搬時間と前記磁力波信号が反射される方向とを測定することで、海底あるいは障害物までの距離を測定し、あるいは前記距離と方向の測定結果から障害物の3次元の位置を測位できる。
なお、海水中で磁力波信号を用いると、伝搬損失、伝搬速度、および波長短縮率が大気中で磁力波信号を用いた場合とほぼ同じであるので、大気中とほぼ等価な解像度と探知精度が得られる利点が得られる。
また、磁力波信号の伝搬速度は超音波に比べてはるかに速いので、水中あるいは海水中での障害物検知の際の探知時間と解像度が飛躍的に改善され、例えば、障害物の長さが拡大されるなどの問題を解決できるメリットがある。
また、磁力波信号は、特に、透磁率の大きい物質によって反射される度合いが大きいので、水中、海水中、あるいは地中などでの、磁性体物質の探知に効果が大きい。
また、複数の指向性磁力波アンテナ233a、233bを設ける代わりに、単一の指向性磁力波アンテナを設け、高速のアンテナ切替器によって、送信機と受信機とを切替えて送受信することによっても同様な効果が得られる。
また、前記指向性磁力波アンテナが、アレイ状に配列された複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナであり、前記複数のアンテナ素子が構成する指向性ビームの方向へ磁力波信号を低損失で放射し、前記指向性ビームの方向以外への磁力波信号の放射を吸収し、減衰させ、あるいは反射させるための構造、構成、もしくは機能を付加することも可能である。
また、前記複数のアンテナ素子が、振幅制御手段、遅延制御手段、合成・分配手段、あるいはこれらの組み合わせを有するアクテイブフエーズドアレーアンテナを構成し、前記アクテイブフエーズドアレーアンテナの指向性ビームの方向を上下方向、左右方向、上下左右方向、あるいは目的とする任意の方向に走査することができる。
また、前記アンテナ手段が、特定方向に向けあるいは走査して磁力波信号を放射し、反射物体から反射される磁力波信号を受信し、測深装置、探知装置、探査装置、あるいはレーダ装置を構成することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に用いる磁力波アンテナの構成図である。図7において、600は短ループアンテナ、601は電界シールド、605は電磁界シールド、606はアンテナコネクタ、607はインピーダンス整合手段、609は漏洩抑制手段である。
短ループアンテナ600の水平面に対して垂直方向の前方には少なくとも電界シールド601が設けられて電界変動が放射されるのを抑制し、かつ前記垂直方向の後方向および左右方向には電磁界シールド605が設けられて電界変動および磁界変動が放射されるのを抑制しているものとする。
前記短ループアンテナ600にはインピーダンス整合手段607を介して伝導電流が駆動されており、あるいは前記誘導磁界によって誘起した起電力を効率良く受信しており、前記電界シールドの方向へ磁力波信号を効率よく放射し、あるいは前記電界シールドの方向から磁力波信号を効率よく受信することができる。
なお、インピーダンス整合手段607は、前記短ループアンテナ600の直列抵抗が同軸ケーブルのインピーダンスと同じときは、インピーダンス整合手段用コンデンサのみで構成され、それ以外の時には、インピーダンス変換トランスとインピーダンス整合用コンデンサとから構成される。
なお、前記電界シールド601と電磁界シールド605との接合面には、少なくとも電界変動が外部へ漏洩するのを抑制するための漏洩抑制手段609を設ける必要があり、通常、両者の電界シールド同士が密に接続される。
また、前記インピーダンス整合用コンデンサ(記載せず)を電磁界シールド605内に設け、前記短ループアンテナ600と直列に、かつ前記インピーダンス変換トランス(記載せず)を介さずに、直接接続することでも同様な効果が得られる。
また、前記電磁界シールドが透磁率1以上の磁性体を含み、前記短ループアンテナの内側に突出させ、かつ突出部分の外周部に前記短ループアンテナを構成することで、小型化とともに、磁力波信号の放射効率を高めることができる。
図8は、本発明の第2の実施形態に用いる磁力波アンテナの他の構成図である。図8において、600a〜600dは複数の短ループアンテナ、601は電界シールド、605は電磁界シールド、606はアンテナコネクタ、608はインピーダンス整合・移相手段、609は漏洩抑制手段である。
アンテナコネクタ606に前記送信手段から伝導電流信号が入力されると、インピーダンス整合・移相手段608によって、インピーダンスが整合されるとともに、お互いに90°の位相差もった4組の信号出力に分岐され、お互いに直交して配置された複数の短ループアンテナ600a〜600dの一方の端子に接続され、前記複数の短ループアンテナ600a〜600dのもう一方の端は電磁界シールドに終端されている。
ここで、前記複数の短ループアンテナ600a〜600dの長さが前記磁力波信号の波長の20分の1程度より短い場合には、各短ループアンテナには伝導電流によって生じる磁界変動が支配的となり、変位電流によって生じる電界変動は無視出来る程度となり、磁界変動がその偏波面を回転させながら、前記複数の短ループアンテナの水平面方向の内、開放面に向けて放射され、回転偏波指向性磁力波アンテナが構成される。なお、この場合には、電界変動は無視出来る程度であるので、電界シールド601を設けなくとも、効率の良い磁力波アンテナが実現できる。
一方、前記複数の短ループアンテナ600a〜600dの長さが前記磁力波信号の波長の20分の1程度を超え、4分の1波長に近づくと、各短ループアンテナに生じる電界変動が無視できなくなるので、前記磁界変動を外部へ放射するための開口面に電界シールド601を設けて、前記変位電流によって生じる電界変動を閉じ込め、したがって電磁波信号のエネルギを内部に閉じ込め、かつ外部への放射を抑制することで、前記アンテナに駆動される電力の大部分を前記磁界変動の生成と開放面からの放射に振り向けることができる。
なお、前記電界シールド601と電磁界シールド605との接合面には、少なくとも電界変動が外部へ漏洩をするのを抑制するための電界変動漏洩抑制手段609を設ける必要がある。
また、前記短ループアンテナ600a〜600dの一方の端を、図中に示すように、前記電磁界シールドに直接接地せず、前記電磁界シールドの密閉した内部にインピーダンス整合用コンデンサ(記載せず)を設け、それぞれ前記短ループアンテナの一方の端に直列に接続して接地することでも同様な効果が得られる。
また、前記電磁界シールドが透磁率1以上の磁性体を含み、前記短ループアンテナの内側に突出させ、かつ突出部分の外周部に前記短ループアンテナを構成すせることで、小型化とともに、磁力波信号の放射効率を高めることができる。
以上の説明では磁力波アンテナとして短ループアンテナを用いる場合について述べたが、前記以外にも、電界シールドを設けることによって、スロットアンテナ、ヘリカルアンテナ、スパイラルアンテナ、もしくは渦巻きアンテナなどを用いることができる。
また、前記複数の短ループアンテナを円錐状に傾斜させて配置して異なる位相で駆動することによって、指向性ビーム幅の広い偏波磁界指向性アンテナを実現でき、あるいは逆円錐状に傾斜させて配置することで指向性ビーム幅を絞った偏波磁界指向性アンテナを実現できる。
また、一端がインピーダンス整合用コンデンサによって終端された短ループアンテナを用いることによって、前記インピーダンス整合手段からインピーダンス整合コンデンサを省略することができる。
また、前記大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中あるいは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で磁力波伝搬を利用し、アナログ通信あるいはデジタル通信、あるいはスペクトル拡散符号を用いた音声通信あるいはデータ通信あるいは画像通信など、広帯域で高速度の通信が可能である。
また、前記磁力波信号の伝搬では、1kHz以上の周波数帯で、かつ比較的に広い周波数帯域を占有することが可能であることから、大気中で用いるための無線通信に関する先進技術が、アンテナ手段を取り替えるだけで、そのまま大気中と海水中との間でシームレスに利用可能となる。
また、前記物質の例として、塩分濃度が0%から10%程度までの真水中あるいは塩水中以外にも、氷あるいは雪の中、あるいは地中など、比誘電率が大きな物質、あるいは電磁波信号の伝搬損失が大きい物質などが該当する。
また、前記アンテナ手段が、高周波で広帯域な磁力波信号に対応できるので、スペクトル拡散通信に適用でき、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、秘匿性と信頼性が高い磁力波通信回線を構成できる効果が得られる。
また、複数のアンテナ素子をアレイ状に配置した指向性磁力波アンテナを用い、アンテナ利得を高くすることで、通信距離を延長することが可能となる。
また、前記磁力波信号が伝搬する際に生じるフエージングあるいはマルチパスによる磁界強度の変動をダイバーシテイ手段などにより抑制し、あるいは伝搬遅延歪みを遅延等価手段などによって抑制しあるいは遅延を等価し、あるいはアダプテイブに制御するための手段を設けるなど、既存の通信技術を適用することも可能である。
また、前記電界シールドによって蔽われたアンテナ手段を用いることにより、海水中、真水中、あるいは大気中などの全てのエリアで、アンテナ手段の共振周波数の再調整を行なうことなく、中距離間通信を行なうことができる。
また、船舶の衝突防止に用いる他に、マグロの養殖池などで固体管理のために利用することができるなど、海水中でのバイオテレメトリングに広く応用することができる。
また、従来超音波がもっぱら用いられていた魚群探知機あるいは海底探査機あるいは金属探知機などに適用することで、高精度な探知が可能となる。
また、前記磁力波信号によって、音声情報、あるいは大容量のデジタル情報、あるいは画像情報、あるいはマルチメデイア情報を伝送することができる。
また、真水中もしくは海水中で磁界変動による伝搬を磁力波伝搬と称したが、電磁波による伝搬を電波伝搬と称するのに対応して、磁波伝搬と称することもできる。
また、複数組の送受信手段とアンテナ手段を海底に離散的に設置し、かつアドホックネットワークを構成することで、海底の地殻変動を監視するためのシステムが構築できる。
また、前記アンテナ手段、送信手段、受信手段、もしくはこれらの組み合わせが、複数の移動局、固定局、中継局、もしくはこれらの組み合わせを構成し、少なくとも大気中と海水中とをシームレスに接続できる広域通信網を構築することができる。
また、前記中継局が海水面に近接して設置され、大気中に向けて電磁波信号を送信し、受信し、あるいはこれらの両方を行い、海水中に向けて磁力波信号を送信し、受信し、あるいはこれらの両方を行うことができる。
また、固定局、中継局、もしくはこれらの両方が、複数のアンテナ手段を複数の方向に指向性ビームを向けて設置し、アンテナ切替器を用いて周期的に切り替えながら磁力波信号をバースト信号もしくはパケット信号として間欠送信しあるいは間欠受信し、広域に分散している移動局、他の固定局、あるいは他の中継局との間で通信を行うことで、無指向性通信ネットワークを構成することができる。
本発明は上記のように構成されているため、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中で、比較的に低損失で伝搬する磁力波信号を利用することによって、中距離間での通信を可能とする磁力波通信装置が安価に実現できるとともに、市販品の電磁波信号に対応する通信装置のアンテナ部分を取り替えることによって、そのまま磁力波信号装置として利用可能であることから、実用的価値が高いものである。
また、大気中、真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせにおいて、広帯域中距離間通信システム、船舶の衝突防止システム、バイオテレメトリ、ダイバーなどの位置検知システム、センシングネットワーク、RFIDタグ装置、潜航艇あるいは海中ロボットとの通信装置、水難者あるいは遭難者の探索装置、測深機、魚群探知機、海底探査機、金属探知機、あるいはレーダ装置などの幅広い分野への広範囲な適用が可能である。
また、大気中、真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせにおいて、前記送信手段から駆動される伝導電流の周波数をホッピングさせ、前記周波数をホッピングさせるのと同期して、インピーダンス整合用コンデンサを切替設定することによって、スペクトル拡散通信方式を適用した秘匿通信を行なうことができる。
また、本発明のアンテナ手段を用いれば、宇宙空間、大気中、真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせにおいて中距離間での通信が可能となるメリットが得られることから、無線通信の分野における地上と宇宙空間との間のシームレスでブロードバンドな環境を、現在まで不可能とされていた海水中にまで拡張できることになる。
21〜23 磁力波通信装置
111 海表面
112 海底面
113a、113b 送信波、反射波
211 制御部
212 送受信機
213 磁力波アンテナ
221 送受信機
222 制御部
223 磁力波アンテナ

Claims (26)

  1. 磁界変動によって伝搬する磁力波信号を用い、大気中、電磁波信号の伝搬損失が比較的に大きい物質中、塩分濃度が0%から10%までの真水中もしくは海水中、あるいはこれらの組み合わせの中を、中距離間で通信を可能とする磁力波通信装置において、
    前記磁力波通信装置が、少なくとも、伝導電流によって生じる磁界変動を効率良く外部へ放射するための第1のアンテナ手段と、前記第1のアンテナ手段に接続して、前記伝導電流を効率よく駆動するための送信手段と、前記放射された磁界変動から起電力を効率よく誘起させるための第2のアンテナ手段と、前記誘起された起電力を効率よく受信するための受信手段とから構成されることを特徴とする磁力波通信装置。
  2. 前記第1のアンテナ手段が、前記磁力波信号の4分の1波長以下の短ループアンテナであり、駆動される伝導電流によって生じる磁界変動を効率良く生成して外部へ放射するための磁界変動送信手段と、駆動される変位電流によって生じる電界変動を抑制し、あるいは外部への電磁波信号の放射を抑制するための電界変動抑制手段とを有することを特徴とする磁力波アンテナ。
  3. 前記第2のアンテナ手段が、前記磁力波信号の4分の1波長以下の短ループアンテナであり、誘導磁界の変動を受信して起電力を効率良く生成するための磁界変動受信手段と、生成される起電力によって生じる電界変動を抑制し、あるいは外部への電磁波信号の再放射を抑制するための電界変動抑制手段とを有することを特徴とする磁力波アンテナ。
  4. 前記短ループアンテナと、インピーダンス変換用トランスの1次側端子とが、直列もしくは並列に接続され、前記インピーダンス変換用トランスの2次側端子と、インピーダンス整合用コンデンサとが、直列もしくは並列に接続されることを特徴とする請求項第2項あるいは第3項に記載の磁力波アンテナ。
  5. 前記短ループアンテナと、前記インピーダンス整合用コンデンサとが、直接あるいはインピーダンス変換用トランスを介して、直列もしくは並列に接続されて共振回路を構成することを特徴とする請求項第2項あるいは第3項に記載の磁力波アンテナ。
  6. 前記短ループアンテナ、前記インピーダンス変換用トランス、前記インピーダンス整合用コンデンサ、あるいはこれらの組み合わせが、前記電界変動抑制手段内に収納されることを特徴とする請求項第4項あるいは第5項に記載の磁力波アンテナ。
  7. 前記短ループアンテナ、前記インピーダンス変換用トランス、あるいはこれらの両方が、規定値以内の直列抵抗が得られる良導電材料によって構成されることを特徴とする請求項第2項から第6項までの何れかに該当する磁力波アンテナ。
  8. 前記インピーダンス整合用コンデンサが、前記磁力波信号の周波数に対応して切替設定が可能であり、あるいは自動同調されることを特徴とする請求項第4項から第7項までの何れかに該当する磁力波アンテナ。
  9. 前記短ループアンテナが透磁率が1以上の磁性体の外周部に形成されることを特徴とする請求項第2項あるいは第3項に記載の磁力波アンテナ。
  10. 前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナが複数回巻あるいは複数組であり、前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナが1回巻あるいは1組であり、あるいはこれらの両方が前記巻数あるいは組数の組合せであることを特徴とする請求項第2項あるいは第3項に記載の磁力波アンテナ。
  11. 前記複数組の短ループアンテナが、変位電流によって生じる電界変動を規定値内に抑制できる長さであり、複数組のインピーダンス変換用トランスによって結合されあるいは合成され、かつお互いに角度を持って交差して配置されることを特徴とする請求項第10項に記載の磁力波アンテナ。
  12. 前記短ループアンテナが、前記磁力波信号の20分の1波長以下の長さであり、あるいは前記電界変動によるエネルギ損失を規定値内に制限できる長さであることを特徴とする請求項第2項から第11項までの何れかに該当する磁力波アンテナ。
  13. 前記電界変動抑制手段が、前記電界変動を低損失で内部に封じ込めあるいは蓄積して外部への放射を抑制するための電界シールドであり、磁界変動を外部へ放射するための開口面を覆う電界シールドであり、前記開口面以外を覆う電磁界シールドであり、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする請求項第2項あるいは第3項に記載の磁力波アンテナ。
  14. 前記電界シールドが、前記磁力波信号を規定値内の低損失で通過させる厚みであり、前記電磁波信号を規定値内の低損失で内部に封じ込める厚みであり、膜状であり、格子状であり、線状であり、網状であり、パンチングメタル状であり、あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項第13項に記載の磁力波アンテナ。
  15. 前記第1のアンテナ手段、前記第2のアンテナ手段、もしくはこれらの両方が、複数のアンテナ素子を有し、前記複数のアンテナ素子に対応して、同相もしくは異なる位相の伝導電流を駆動し、あるいは同相もしくは異なる位相の起電力を誘起することによって、無指向性磁力波アンテナを構成し、指向性磁力波アンテナを構成し、回転偏波磁力波アンテナを構成し、あるいはこれらの組み合わせを構成することを特徴とする請求項第2項から第14項までの何れかに該当する磁力波アンテナ。
  16. 前記第1のアンテナ手段、前記第2のアンテナ手段、もしくはこれらの両方が、複数のアンテナ素子を有し、前記複数のアンテナ素子に対応して、少なくとも異なる容量のインピーダンス整合用コンデンサ用いて整合をとり、かつ相互間の結合量を調節することによって、広帯域特性を具備することを特徴とする請求項第2項から第15項までのいずれかに該当する磁力波アンテナ。
  17. 前記第1のアンテナ手段、前記第2のアンテナ手段、もしくはこれらの両方が、アレイ状に配列された複数のアンテナ素子を有する磁力波アレーアンテナを構成し、前記複数のアンテナ素子が構成する指向性ビームの方向へ磁力波信号を低損失で放射し、前記指向性ビームの方向以外の方向への磁力波信号の放射を抑制することを特徴とする請求項第2項から第16項までの何れかに該当する磁力波アンテナ。
  18. 前記複数のアンテナ素子が振幅制御手段、位相遅延制御手段、合成・分配手段、あるいはこれらの組み合わせを有する磁力波アクテイブフエーズドアレーアンテナを構成し、前記磁力波アクテイブフエーズドアレーアンテナの指向性ビームを目的とする方向に向けあるいは走査することを特徴とする請求項第2項から第17項までのいずれかに該当する磁力波アンテナ。
  19. 前記送信手段が、短時間のバースト信号を間欠発信し、前記受信手段との間で同一周波数による時分割通信を行ない、あるいはこれらの両方を行なうことを特徴とする請求項第1項に記載の磁力波通信装置。
  20. 前記送信手段から駆動される伝導電流の周波数をホッピングさせ、前記周波数をホッピングさせるのと同期して、インピーダンス整合用コンデンサを切替えることによって、スペクトル拡散通信方式を適用した秘匿通信を行なうことを特徴とする請求項第1項に記載の磁力波通信装置。
  21. 前記第1のアンテナ手段の短ループアンテナと前記第2のアンテナ手段の短ループアンテナとが、前記短ループアンテナの水平面方向、あるいは垂直面方向、あるいは前記短ループアンテナを複数組設けて複数面方向に、お互いに対向して設置されることを特徴とする請求項第1項に記載の磁力波通信装置。
  22. 前記第1のアンテナ手段が特定方向に向けあるいは走査して磁力波信号を放射し、前記第2のアンテナ手段が反射物体から反射される磁力波信号を受信して、測深装置、探知装置、探査装置、あるいはレーダ装置を構成することを特徴とする請求項第1項に記載の磁力波通信装置。
  23. 前記送信手段もしくは受信手段に複数のアンテナ手段を接続し、アンテナ切替器を用いて周期的に切り替えながら磁力波信号を送信しあるいは受信し、前記受信手段において、前記複数のアンテナ手段に対応する磁力波信号の位相を測定し、前記送信手段が位置する方向あるいは受信手段が向かっている方向を検知することを特徴とする請求項第1項に記載の磁力波通信装置。
  24. 前記アンテナ手段、送信手段、受信手段、もしくはこれらの組み合わせが、複数の移動局、固定局、中継局、もしくはこれらの組み合わせを構成し、少なくとも大気中と海水中とをシームレスに接続できる広域通信網を構築することを特徴とする請求項第1項から第23項の何れかに該当する磁力波アンテナおよび磁力波通信装置。
  25. 前記中継局が海水面に近接して設置され、大気中に向けて電磁波信号を送信し、受信し、あるいはこれらの両方を行い、海水中に向けて磁力波信号を送信し、受信し、あるいはこれらの両方を行うことを特徴とする請求項第24項に記載の磁力波アンテナおよび磁力波通信装置。
  26. 前記固定局、中継局、もしくはこれらの両方に、複数のアンテナ手段を複数の方向に指向性ビームを向けて接続し、アンテナ切替器を用いて周期的に切り替えながら磁力波信号をバースト信号もしくはパケット信号として間欠送信しあるいは間欠受信し、広域に分散している移動局、他の固定局、あるいは他の中継局との間で通信を行うことを特徴とする請求項第24項に記載の磁力波アンテナおよび磁力波通信装置。
JP2012515857A 2010-05-15 2011-05-13 磁力波アンテナおよび磁力波通信装置 Withdrawn JPWO2011145515A1 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010112714 2010-05-15
JP2010112714 2010-05-15
JP2010126731 2010-06-02
JP2010126731 2010-06-02
JP2011038918 2011-02-24
JP2011038918 2011-02-24
PCT/JP2011/061028 WO2011145515A1 (ja) 2010-05-15 2011-05-13 磁力波アンテナおよび磁力波通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011145515A1 true JPWO2011145515A1 (ja) 2013-07-22

Family

ID=44991621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012515857A Withdrawn JPWO2011145515A1 (ja) 2010-05-15 2011-05-13 磁力波アンテナおよび磁力波通信装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2011145515A1 (ja)
WO (1) WO2011145515A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6471382B2 (ja) * 2013-12-09 2019-02-20 有限会社アール・シー・エス 磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置
JP6590170B2 (ja) 2018-03-28 2019-10-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 水中通信装置及び水中通信システム
CN108390697B (zh) * 2018-05-16 2024-03-19 德州尧鼎光电科技有限公司 一种仿生复眼天线磁波海下通讯装置
TWI813807B (zh) 2018-11-30 2023-09-01 芬蘭商順妥公司 用於腕戴式裝置的天線組件
GB2579400B (en) * 2018-11-30 2022-01-12 Suunto Oy Antenna assembly for operation underwater and in air
JP6620906B1 (ja) * 2019-08-30 2019-12-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 水中通信装置及び水中通信システム
CN114725661A (zh) * 2022-04-28 2022-07-08 青岛君戎华讯太赫兹科技有限公司 一种海水隐形自适应天线系统及天线自动调节系统

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09326736A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Mitsubishi Electric Corp ワイヤレス送受信システム用2次側回路装置およびワイヤレス送受信システム用誘導コイル
JP3393638B2 (ja) * 1997-04-11 2003-04-07 日本板硝子株式会社 トランス伝送ガラスアンテナ
JP3835128B2 (ja) * 2000-06-09 2006-10-18 松下電器産業株式会社 アンテナ装置
JP2003060409A (ja) * 2001-08-13 2003-02-28 Hitachi Metals Ltd ブルートゥース用rfモジュール
JP2005223742A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Sony Corp 受信回路および受信装置
JP4132063B2 (ja) * 2006-05-29 2008-08-13 京セラ株式会社 表面実装型アンテナおよびアンテナ装置ならびに共振周波数の調整方法
KR20090036853A (ko) * 2007-10-10 2009-04-15 삼성에스디아이 주식회사 회로기판 조립체 및 이를 구비하는 플라즈마 디스플레이장치
JP2009236888A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Toyota Central R&D Labs Inc マイクロ波加熱用温度分布測定装置およびマイクロ波加熱用温度分布測定方法
JP2009302963A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Rcs:Kk 磁力波通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011145515A1 (ja) 2011-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011145515A1 (ja) 磁力波アンテナおよび磁力波通信装置
US7826794B2 (en) Distributed underwater electromagnetic communication system
Sharma et al. Magnetic induction-based non-conventional media communications: A review
US20200153107A1 (en) Multibeam antenna designs and operation
US7982679B2 (en) Transmission of underwater electromagnetic radiation through the seabed
JP6471382B2 (ja) 磁力波アンテナおよびそれを用いる磁力波通信装置
US10211523B2 (en) Low-Frequency Antenna
US7830318B2 (en) Electrically small antenna
US9209525B2 (en) Directive, electrically-small UWB antenna system and method
CN110429723A (zh) 无线充电微波电力传输系统
Pathak et al. Magnetic induction communication based transceiver coil and waveguide structure modeling for non-conventional WSNs
US20100322293A1 (en) Communication between submerged station and airborne vehicle
JP2009302963A (ja) 磁力波通信装置
US20230344129A1 (en) Antenna system and electronic device
Hoole Smart Antennas and Electromagnetic Signal Processing in Advanced Wireless Technology
Yao et al. On the design of frequency diverse arrays for wireless power transmission
WO2007072066A1 (en) Transmission of underwater electromagnetic radiation through the seabed
KR101281782B1 (ko) 지향성이 향상된 다차원 편파 안테나
US20210006339A1 (en) Underwater communication device and underwater communication system
AU2017201928B2 (en) Bi-loop antenna for an underwater vehicle
RU168461U1 (ru) Корабельная приемо-передающая антенная система с управляемой диаграммой направленности
Aboderin Antenna design for underwater applications
JP2012253695A (ja) 磁力波伝搬を利用した通信事業
Manteghi An electrically small antenna for underwater applications
KR102588753B1 (ko) 선형 상보 구조를 갖는 원형 편파 센서 시스템 및 그 동작 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140805