[実施の形態1]
図2に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの機能ブロック図を示す。すなわち、図2に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置1000と、電力変換装置1000の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cは、D/Dコンバータ回路付きの装置やD/Aインバータ回路付きの装置などであり、これらも従来と同じである。なお、太陽電池100は一例であって、例えば風力発電機などの他の自然エネルギー発電機であってもよい。
電力変換装置1000は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路110と、(B)D/Dコンバータ回路110の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する出力電圧検出回路120と、(C)負荷蓄電池300に流れる電流を検出する蓄電池充電電流検出回路130と、(D)負荷蓄電池300に対する充電電圧を検出する蓄電池電圧検出回路140と、(E)蓄電池充電電流検出回路130からの出力と蓄電池電圧検出回路140からの出力とに応じて制御切換えの指示を出力する制御切換回路150と、(F)蓄電池充電電流検出回路130からの出力に応じてD/Dコンバータ回路110に対して定電流制御を行う定電流制御回路160と、(G)出力電圧検出回路120からの出力に応じて、最大電力点追跡(MPPT:Maximum Power Point Tracking)を行うようにD/Dコンバータ回路110の制御を行う電圧制御回路170と、(H)制御切換回路150からの指示に応じて電圧制御回路170又は定電流制御回路160からの出力をD/Dコンバータ回路110に出力する切換回路180とを有する。
次に、図3(a)に、リチウムイオン二次電池の充電方式の一例を示す。図3(a)において、横軸は時間であり、縦軸は充電電圧又は電流を表す。図3(a)から分かるように、充電電流を満充電になるまで一定に制御する。この際、電圧は図示するようなカーブを描きながら上昇する。一方、満充電になると充電電圧を一定となるように制御する。そうすると、充電電流は急激に減少することになる。同様に、図3(b)に、制御弁式鉛蓄電池の充電方式の一例を示す。図3(a)と同様に、図3(b)でも、横軸は時間であり、縦軸は充電電圧又は電流を表す。基本的に、鉛蓄電池もリチウムイオン二次電池と同様の方式で充電する。
負荷蓄電池300のこのような充電方法と太陽電池100の供給電力状態とを勘案すると、図4に示すような制御切換を行えば効率的に蓄電を行うことができるようになる。すなわち、太陽電池100の発電電力が十分である場合(発電電力充足の場合)であって負荷蓄電池300が満充電状態であれば、定電圧制御を行う。但し、満充電時電圧が電圧制御の目標電圧の場合にはMPPTは動作しない。また、太陽電池100の発電電力が十分である場合(発電電力充足の場合)であって負荷蓄電池300が充電中(すなわち充電未完了)であれば、定電流制御を行う。すなわち、太陽電池100から十分な電力が供給されている場合には、満充電になった場合と満充電でなくなった場合とに、図4の双方向矢印Aに示すように制御を切換える。
さらに、太陽電池100の発電電力が十分ない場合(発電電力不足の場合)であって負荷蓄電池300が満充電状態であれば、MPPTを伴う定電圧制御を行う。また、太陽電池100の発電電力が十分ない場合(発電電力不足の場合)であって負荷蓄電池300が充電中(すなわち充電未完了)であれば、MPPTを伴う定電圧制御を行う。このように、太陽電池100の発電電力が十分ない場合(発電電力不足の場合)には、制御の切換えは不要となっている。
しかし、負荷蓄電池300に対して充電中である場合には、太陽電池100の発電電力が十分ある場合と十分ない場合とで、図4の双方向矢印Bに示すように制御を切換える。特に、双方向矢印Bで示す制御の切換は、充電中であるため適切に切換えることにより、充電が効率よく行われるようになる。
次に、図2に示した電力変換装置1000の動作を説明する。蓄電池電圧検出回路140は、負荷蓄電池300の充電電圧を検出し、当該充電電圧に応じた電圧の信号を制御切換回路150に出力する。また、蓄電池充電電流検出回路130は、負荷蓄電池300の充電電流の電流値を検出し、当該電流値に応じた電圧の信号を制御切換回路150及び定電流制御回路160に出力する。
制御切換回路150は、少なくとも蓄電池電圧検出回路140からの出力から、充電中であることが分かると、蓄電池充電電流検出回路130からの出力が所定の電流値未満の状態であることを示しているか又は所定の電流値以上の状態であることを示しているかを確認する。太陽電池100から供給される電力が十分あれば、蓄電池充電電流検出回路130からの出力が所定の電流値以上の状態であることを示すので、定電流制御を実施すべく、制御切換回路150は、切換回路180に、定電流制御回路160からの出力をD/Dコンバータ回路110へ出力させるように指示する。切換回路180は、この指示に応じて、定電流制御回路160からの出力をD/Dコンバータ回路110に出力するようにスイッチングを行う。
定電流制御回路160は、蓄電池充電電流検出回路130からの出力に応じて、一定の電流が蓄電池充電電流検出回路130で検出された値に応じてD/Dコンバータ回路110に対して制御を行う。
一方、太陽電池100から供給される電力が不足していると、蓄電池充電電流検出回路130からの出力が所定の電流値未満の状態であることを示す。これによって、MPPTを伴う定電圧制御を実施すべく、制御切換回路150は、切換回路180に、電圧制御回路170からの出力をD/Dコンバータ回路110へ出力させるように指示する。切換回路180は、この指示に応じて、電圧制御回路170からの出力をD/Dコンバータ回路110に出力するようにスイッチングを行う。
電圧制御回路170は、出力電圧検出回路120などからの出力を用いて、MPPTを行うように、D/Dコンバータ回路110に対して制御を行う。本実施の形態における電圧制御回路170は、どのような回路であってもよい。以下の実施の形態で具体的に述べるような回路を採用するようにしても良い。
なお、例えば図3(a)及び(b)から、蓄電池電圧検出回路140からの出力信号の電圧が、予め定められた電圧未満であれば充電中であるとみなし、予め定められた電圧以上であれば満充電状態であるとみなすようにしてもよい。
また、制御切換回路150は、少なくとも蓄電池充電電流検出回路130の出力から、太陽電池100から供給される電力が十分にあることが分かると、蓄電池電圧検出回路140からの出力が所定の電圧未満であることを示しているか又は所定の電圧以上であることを示しているかを確認する。満充電である場合には、蓄電池電圧検出回路140からの出力が所定の電圧以上であることを示すので、MPPTを伴う定電圧制御を実施すべく、制御切換回路150は、切換回路180に、電圧制御回路170からの出力をD/Dコンバータ回路110へ出力させるように指示する。切換回路180は、この指示に応じて、電圧制御回路170からの出力をD/Dコンバータ回路110に出力するようにスイッチングを行う。
一方、満充電でなく充電中である場合には、蓄電池電圧検出回路140からの出力が所定の電圧未満であることを示す。これによって、定電流制御を実施すべく、制御切換回路150は、切換回路180に、定電流制御回路160からの出力をD/Dコンバータ回路110へ出力させるように指示する。切換回路180は、この指示に応じて、定電流制御回路160からの出力をD/Dコンバータ回路110に出力するようにスイッチングを行う。
なお、例えば、蓄電池充電電流検出回路130からの出力信号の電圧が、予め定められた電圧以上(すなわち所定の電流値以上)であれば、太陽電池100からの電力供給が十分であるとみなし、予め定められた電圧未満(すなわち所定の電流値未満)であれば電力不足であるとみなすようにしてもよい。
このような制御の切換を実施することによって、効率的に蓄電池への蓄電が可能となる。
[実施の形態1の変形例]
例えば、図2の電圧制御回路170に、図5に示すような回路を採用するようにしてもよい。すなわち、電圧制御回路170は、出力電圧検出回路120の出力信号の電圧と基準電圧との差に応じて、切換回路180への指示信号を出力する。その構成は、D/Dコンバータ回路110を制御する定電圧制御回路1712と、定電圧制御回路1712による制御にも拘わらず出力電圧検出回路120の出力信号の電圧が低下すると、出力電圧検出回路120の出力信号の電圧と基準電圧との電位差を強制的に狭める調整回路1711と、を有する。
太陽電池100のような最大電力点を有する直流電源の場合、定電圧制御回路1712が、太陽電池100の電力供給能力を超えて電力を引き出そうとしてD/Dコンバータ回路110を駆動する。そうすると、定電圧制御回路1712による制御にも拘わらずD/Dコンバータ回路110の出力電圧が低下して、出力電圧検出回路120の出力信号の電圧も低下する。
このように出力電圧検出回路120の出力信号の電圧が低下すると、調整回路1711は、出力電圧検出回路120の出力信号の電圧と基準電圧との電位差を強制的に狭める。そうすると、定電圧制御回路1712は、自らの制御の効果が現れたと判断して、D/Dコンバータ回路110の駆動を、出力電圧検出回路120の出力信号の電圧低下前程度の状態に戻す。すなわち、D/Dコンバータ回路110の目標出力電圧があたかも引き下げられたような現象が生じる。そうすると、太陽電池100から引き出す電力もその電力供給能力よりも減少するので、D/Dコンバータ回路110の出力電圧は上昇することになる。
このような動作が繰り返されて、太陽電池100の最大電力点の追跡が行われる。また、このような電力変換装置は、マイクロプロセッサやDSPなどの高価な素子を用いずに構成できるため、安価に回路を製作できる。
[実施の形態2]
図6に第2の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。すなわち、図6に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力電力を検出する電力検出回路200と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置3000と、電力変換装置3000からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置3000で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路400と、蓄電池充放電制御回路400の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。
電力検出回路200は、太陽電池100からの出力電圧を検出する太陽電池電圧検出回路201と、太陽電池100からの出力電流を検出する太陽電池電流検出回路202と、太陽電池電圧検出回路201と太陽電池電流検出回路202との出力から電力を算出する電力算出回路203と、電力算出回路203によって算出された電力の値を格納するメモリ回路204と、電力算出回路203により算出された電力の値とメモリ回路204に格納された1単位時間前の電力値とから電力変化量を算出する電力変化量算出回路205とを有する。
また、電力変換装置3000は、太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路310と、D/Dコンバータ回路310の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する出力電圧検出回路320と、出力電圧検出回路320の出力信号の電圧と基準電圧との差に応じた信号を生成する電圧誤差検出回路350と、電力変化量算出回路205からの出力に応じて初期基準電圧を調整して調整後の基準電圧を電圧誤差検出回路350に出力する基準電圧調整回路360と、蓄電池充放電制御回路400からの蓄電池充電電流についての出力と基準電流値との差に応じて電圧の信号を生成する電流誤差検出回路340と、蓄電池充放電制御回路400からの制御切換信号に応じて電流誤差検出回路340又は電圧誤差検出回路350の出力を切換える切換回路370と、電流誤差検出回路340又は電圧誤差検出回路350からの出力に応じてD/Dコンバータ回路310の駆動信号を生成してD/Dコンバータ回路310に出力する駆動信号発生回路330とを有する。
蓄電池充放電制御回路400は、蓄電池に対する供給電圧を検出する蓄電池電圧検出回路410と、蓄電池電圧検出回路410からの出力に応じて負荷蓄電池300に対する満充電保護動作を実施する満充電保護回路420と、蓄電池電圧検出回路410からの出力に応じて負荷蓄電池300の過放電保護動作を実施する過放電保護回路430と、負荷蓄電池300に流れる電流を検出する蓄電池充電電流検出回路450と、満充電保護回路420からの出力及び蓄電池充電電流検出回路450からの出力に応じて定電流制御と定電圧制御とを切換えるための信号を出力する制御切換回路440とを有する。
上で述べた電力検出回路200と基準電圧調整回路360と電圧誤差検出回路350と駆動信号発生回路330とにより、MPPTを実現する電圧制御回路が構成される。また、電流誤差検出回路340と駆動信号発生回路330とにより、定電流制御回路が構成される。
次に、図6に示した電力検出回路200の動作について説明する。太陽電池電圧検出回路201は、太陽電池100からの出力電圧Vpvを検出し、電力算出回路203に出力する。太陽電池電流検出回路202は、太陽電池100からの出力電流Ipvを検出し、電力算出回路203に出力する。電力算出回路203は、電力Po=電圧Vpv×電流Ipvを算出して、メモリ回路204に格納すると共に、電力変化量算出回路205に出力する。なお、電力算出回路203は、A/D変換回路を含んでおり、電力Poをディジタル値として算出する。電力変化量算出回路205は、今回算出された電力Poとメモリ回路204に格納されている1単位時間前の電力P1との差ΔP=Po−P1を算出し、当該ΔPを基準電圧調整回路360に出力する。
次に、電力変換装置3000の動作について説明する。電力変換装置3000の基準電圧調整回路360は、電力変化量算出回路205から受け取ったΔPに基づき基準電圧を算出し、当該基準電圧を電圧誤差検出回路350に出力する。
より詳細には、基準電圧調整回路360は、ΔP>0であれば、基準電圧値V_Vref=V_Vref+f(|ΔP|)×固定電圧変化量ΔVrefを算出し、当該基準電圧V_Vrefを電圧誤差検出回路350に出力する。なお、f(|ΔP|)は、例えば図7に示すような関数である。図7の例では、関数fは、例えば|ΔP|に比例する関数であったり、|ΔP|の二次関数であったりする。他の関数を採用しても良い。ここでは、f(|ΔP|)をゲインとして当該ゲインと固定電圧変化量ΔVrefとの積を直前の基準電圧値V_Vrefに加算することによって次の基準電圧値V_Vrefが算出される。基準電圧調整回路360は、D/A変換回路を有しており、このD/A変換回路から基準電圧V_Vrefの信号を生成して、電圧誤差検出回路350に出力する。なお、基準電圧調整回路360は、初期的にV_Vref=初期基準電圧Vref_0を出力するようになっている。また、基準電圧V_Vrefの最大値は初期基準電圧Vref_0であるものとする。
また、ΔP=0であれば、基準電圧調整回路360は、現在の基準電圧値V_Vrefを維持して出力する。
さらに、ΔP<0であれば、基準電圧調整回路360は、基準電圧値V_Vref=V_Vref−f(|ΔP|)×固定電圧変化量ΔVrefを算出し、当該基準電圧V_Vrefを電圧誤差検出回路350に出力する。
電圧誤差検出回路350は、出力電圧検出回路320からの信号の電圧と基準電圧調整回路360からの基準電圧V_Vrefとの差に応じた信号を生成して、切換回路370に出力する。このようにすれば、電圧誤差検出回路350の出力が切換回路370により選択された場合には、最大電力点を追跡するように基準電圧V_Vrefを生成することができる。
上で述べたように電流誤差検出回路340は、蓄電池充放電制御回路400からの蓄電池充電電流に応じた電圧と基準電流値との差に応じた電圧の信号を生成して、切換回路370に出力する。すなわち、電流誤差検出回路340の出力が切換回路370により選択された場合には、負荷蓄電池300に流れる電流が一定になるように制御が行われる。
駆動信号発生回路330は、切換回路370から出力された電流誤差検出回路340又は電圧誤差検出回路350からの出力信号に応じてD/Dコンバータ回路310の駆動信号を生成し、D/Dコンバータ回路310に出力する。
次に、蓄電池充放電制御回路400の動作を説明する。蓄電池電圧検出回路410は、負荷蓄電池300に対する供給電圧を検出し、供給電圧に応じた電圧の信号を満充電保護回路420及び過放電保護回路430に出力する。満充電保護回路420は、蓄電池電圧検出回路410から信号を受け取って、当該信号の電圧が満充電時の電圧に達したことを検出すると、負荷蓄電池300への電力供給を打ち切ると共に、制御切換回路440に切換信号を出力する。この切換信号は、太陽電池100からの電力供給が十分にある場合においては、図4に示したように、定電流制御から定電圧制御への切換指示となる。なお、太陽電池100からの電力供給が十分であれば、充電電流が所定値以上となっているので、制御切換回路440では制御の切換は行わない。また、電力供給が十分でない場合には、満充電でも充電電流が所定値未満で充電電圧も上がらないので、満充電保護回路420から切換信号は出力されない。
逆に満充電から満充電でなくなると、満充電保護回路420は、負荷蓄電池300への電力供給を開始すると共に、制御切換回路440に切換信号を出力する。この切換信号は、定電圧制御から定電流制御へ切り換えるための切換信号であり、同じく制御切換回路440は、定電圧制御から定電流制御へ切り換えるための切換信号を切換回路370に出力する。
また、過放電保護回路430は、蓄電池電圧検出回路410から信号を受け取って、当該信号の電圧が放電を開始してもよい電圧に達したことを検出すると、負荷A等への放電を開始させる。一方、放電を開始しても良い電圧に達していない場合には、過放電保護回路430は、放電を停止させる。
さらに、蓄電池充電電流検出回路450は、D/Dコンバータ回路310から出力され且つ負荷蓄電池300に流れる充電電流を検出して、検出した充電電流に応じた電圧の信号を制御切換回路440に出力する。制御切換回路440は、充電電流に応じた電圧が、供給電力不足を検出するための電圧を下回ったことを検出すると、切換信号を切換回路370に出力する。この切換信号は、負荷蓄電池300の充電中では、定電流制御から定電圧制御への切換指示になる。なお、充電中には、蓄電池電圧検出回路410で検出される電圧は低いままで満充電保護回路420から切換信号は出力されない。
逆に、制御切換回路440は、充電電流に応じた電圧が、供給電力が十分に大きくなったことを表す電圧を上回ったことを検出すると、切換信号を切換回路370に出力する。この切換信号は、負荷蓄電池300の充電中では、定電圧制御から定電流制御への切換指示になる。
なお、満充電時には、上で述べたように満充電保護回路420が動作して負荷蓄電池300への電力供給が停止されるので、蓄電池充電電流検出回路450から出力される電流値は低いままであり、太陽電池100からの電力供給が変化しても、定電圧制御が維持される。
このようにすれば図4に示すような制御が実現され、効率的に蓄電が行われるようになる。また、満充電保護回路420及び過放電保護回路430が適切に動作して、安全に蓄電及び放電が行われる。
なお、制御切換回路440は、供給電力不足を検出する低電流検出回路と、当該低電流検出回路からの供給電力不足を検出したことを表す検出信号と満充電保護回路420からの満充電を検出したことを表す信号との論理和を算出するOR回路とを有している場合もある。このようにすれば、供給電力不足を検出した場合、又は満充電を検出した場合には、定電流制御から定電圧制御に切り換える切換信号を切換回路370に出力する。一方、供給電力が十分で且つ充電中であれば定電圧制御から定電流制御に切り換える切換信号を切換回路370に出力する。
[実施の形態3]
図8に、第3の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。図8に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置500と、電力変換装置500からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置500で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路600と、蓄電池充放電制御回路600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。
電力変換装置500は、(A)スイッチを有し且つ太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路510と、(B)D/Dコンバータ回路510の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する出力電圧検出回路520と、(C)出力電圧検出回路520の出力信号の電圧Vo_fbと基準電圧V_Vrefとの差に応じた信号A2_Outを生成する電圧誤差検出回路550と、蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧Vbi_fbと基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号を生成する電流誤差検出回路540と、(D)蓄電池充放電制御回路600からの制御切換信号Pul_CVに応じて電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路550の出力を切換える切換回路580と、(E)電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路550からの出力に応じてD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成してD/Dコンバータ回路510に出力する駆動信号発生回路530と、(F)駆動信号発生回路530からスイッチングパルスのデューティー比に応じた信号Dutyを受け取り且つデューティー比が所定の最大値になったことを検出するDutyMax検出回路560と、(G)DutyMax検出回路560からの検出信号に応じて初期基準電圧Vref_1を調整して調整後の基準電圧V_Vrefを電圧誤差検出回路550に出力する基準電圧調整回路570とを有する。
蓄電池充放電制御回路600は、(A)蓄電池に対する供給電圧を検出する蓄電池電圧検出回路610と、(B)蓄電池電圧検出回路610からの出力に応じて負荷蓄電池300に対する満充電保護動作を実施する満充電保護回路620と、(C)蓄電池電圧検出回路610からの出力に応じて負荷蓄電池300に対する過放電保護動作を実施する過放電保護回路630と、(D)負荷蓄電池300に流れる電流Vbi_fbを検出する蓄電池充電電流検出回路650と、(E)満充電保護回路620からの出力Pul_FC及び蓄電池充電電流検出回路650からの出力Vbi_fbに応じて定電流制御とMPPTを伴う定電圧制御とを切換えるための信号Pul_CVを出力する制御切換回路640とを有する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路550と駆動信号発生回路530とDutyMax検出回路560と基準電圧調整回路570とにより、MPPTを実現する定電圧制御回路が構成される。また、電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530とにより、定電流制御回路が構成される。
次に図8に示した蓄電池充放電制御回路600の動作について説明する。なお、蓄電池充放電制御回路600の動作が、図4に従った形で実施されるという点については、第2の実施の形態で述べたものと同じである。
蓄電池電圧検出回路610は、負荷蓄電池300に対する供給電圧を検出し、供給電圧に応じた電圧の信号Vbv_fbを満充電保護回路620及び過放電保護回路630に出力する。満充電保護回路620は、蓄電池電圧検出回路610から信号Vbv_fbを受け取って、当該信号Vbv_fbの電圧が満充電時の電圧に達したことを検出すると、負荷蓄電池300への電力供給を打ち切ると共に、制御切換回路640に切換信号Pul_FCを出力する。この切換信号Pul_FCは、太陽電池100からの電力供給が十分にある場合においては、図4に示したように、定電流制御からMPPTを伴う定電圧制御への切換指示となる。制御切換回路640は、この切換信号Pul_FCに応じて、切換回路580に対して、定電流制御からMPPTを伴う定電圧制御へ切り換えるための切換信号Pul_CVを出力する。なお、太陽電池100からの電力供給が十分であれば、充電電流が所定値以上となっているので、制御切換回路640では制御の切換は行わない。また、電力供給が十分でない場合には、満充電でも充電電流が所定値未満で充電電圧も上がらないので、満充電保護回路620から切換信号Pul_FCは出力されない。
一方、満充電から満充電でなくなると、満充電保護回路620は、負荷蓄電池300への電力供給を開始すると共に、制御切換回路640に切換信号Pul_FCを出力する。この切換信号Pul_FCは、MPPTを伴う定電圧制御から定電流制御へ切り換えるための切換信号であり、同じく制御切換回路640は、MPPTを伴う定電圧制御から定電流制御へ切り換えるための切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。
また、過放電保護回路630は、蓄電池電圧検出回路610から信号を受け取って、当該信号の電圧が放電を開始してもよい電圧に達したことを検出すると、負荷A等への放電を開始させる。一方、放電を開始しても良い電圧に達していない場合には、過放電保護回路630は、放電を停止させる。
さらに、蓄電池充電電流検出回路650は、D/Dコンバータ回路510から出力され且つ負荷蓄電池300に流れる充電電流を検出して、検出した充電電流に応じた電圧Vbi_fbの信号を制御切換回路640に出力する。制御切換回路640は、充電電流に応じた電圧Vbi_fbが、供給電力不足を検出するための電圧を下回ったことを検出すると(例えば内部的にはPul_LCが出力される)、切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。この切換信号Pul_CVは、負荷蓄電池300の充電中では、定電流制御からMPPTを伴う定電圧制御への切換指示になる。なお、充電中には、蓄電池電圧検出回路610で検出される電圧は低いままで満充電保護回路620から切換信号Pul_FCは出力されない。
逆に、制御切換回路640は、充電電流に応じた電圧Vbi_fbが、供給電力が十分に大きくなったことを表す電圧を上回ったことを検出すると、切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。この切換信号Pul_CVは、負荷蓄電池300の充電中では、MPPTを伴う定電圧制御から定電流制御への切換指示になる。
なお、満充電時には、上で述べたように満充電保護回路620が動作して負荷蓄電池300への電力供給が停止される。これに伴って、蓄電池充電電流検出回路650から出力される電流値は低いままであり、太陽電池100からの電力供給が変化しても、MPPTを伴う定電圧制御が維持される。
このようにすれば図4に示すような制御が実現され、効率的に蓄電が行われるようになる。また、満充電保護回路620及び過放電保護回路630が適切に動作して、安全に蓄電及び放電が行われる。
なお、制御切換回路640は、供給電力不足を検出する低電流検出回路と、当該低電流検出回路からの供給電力不足を検出したことを表す検出信号、例えば上で述べたPul_LCと満充電保護回路620からの満充電を検出したことを表す信号Pul_FCとの論理和を算出するOR回路とを有している場合もある。このようにすれば、供給電力不足を検出した場合、又は満充電を検出した場合には、定電流制御から定電圧制御に切り換える切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。一方、供給電力が十分で且つ充電中であればMPPTを伴う定電圧制御から定電流制御に切り換える切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。
また、電流誤差検出回路540は、蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧Vbi_fcと基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号A1_Outを生成して、切換回路580に出力する。すなわち、電流誤差検出回路540の出力が切換回路580により選択された場合には、負荷蓄電池300に流れる電流が一定になるように、駆動信号発生回路530では、D/Dコンバータ回路510のスイッチをオンにするスイッチングパルスPulが生成される。
次に、図9及び図10を用いて、図8に示した電力変換装置500で実施され、MPPTを伴う定電圧制御について説明する。なお、太陽電池100からの出力電力をPpv、電力変換装置500の出力電圧をVo、出力電力をPout、駆動信号発生回路530からDutyMax検出回路560への出力をDuty、初期基準電圧をVref_1、基準電圧調整回路570から電圧誤差検出回路550への出力電圧をV_Vrefと表すものとする。
図9(a)は、図1(b)と基本的には同じであり、太陽電池100の出力電流Iと出力電力Pの関係を表す図である。もう一度説明すると、電流Ipv_maxまでは出力電流Iを増加させると出力電力P自体も増加し、電流Ipv_maxにおいて出力電力Pは最大電力点Ppv_maxとなり、電流Ipv_max以上となったところで、出力電力Pは急激に減少する。すなわち、電流Ipv_max以上となると、出力電力Pが急激に減少するというのは、出力電圧Vも低下していることを表している。
ここで、電流Ipv_maxより大幅に低い電流値に対応する電力点をAとし、電流Ipv_max以下の近傍の電流値に対応する電力点をCとし、電流Ipv_max以上の近傍の電流値に対応する電力点をBとする。なお、電力点Bに完全に一致しないがほぼ同じ電流値の電力点をB1、B2といったように表す。また、電力点Cに完全に一致しないがほぼ同じ電流値の電力点をC1、C2といったように表す。さらに、最大電力点Ppv_maxを簡単にMと表すものとする。なお、図9(b)は、図1(a)と全く同じである。
図10(a)乃至(d)は、本実施の形態に係る電力変換装置500における、MPPTを伴う定電圧制御を表す。なお、以下で動作を説明するための波形図においては、横軸は時間を表し、縦軸は主に電圧[V]を表す。但し、電力の場合はWを表し、デューティー比の場合には%を表す。図10(a)は、太陽電池100からの出力電力Ppv、電力変換装置500の出力電圧Poutの時間変化を表している。なお、電力変換装置500による損失があるので、必ずPpv>Poutの関係が成り立つ。比較のため、最大電力点Ppv_maxも示されている。また、図10(b)は、電力変換装置500の出力電圧Voの時間変化を表す。図10(c)は、基準電圧調整回路570からの基準電圧V_Vrefの時間変化を表す。比較のため初期基準電圧Vref_1も示されている。図10(d)は、駆動信号発生回路530の出力Dutyの時間変化を表す。なお、出力Dutyについて予め定められた最大値DutyMaxも比較のため示されている。
まず、太陽電池100からの出力電力が、電力点Aより小さい電力から電力点Aを超えて電力点Mに到達するまでについては、D/Dコンバータ回路510と出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路550と駆動信号発生回路530とが通常どおり動作する。すなわち、基準電圧調整回路570では何もせずに初期基準電圧Vref_1がそのまま出力され(図10(c))、V_Vref=Vref_1であって、電圧誤差検出回路550は、基準電圧V_Vrefと出力電圧検出回路520の出力Vo_fbとの差に応じた信号A2_Outを切換回路580を介して駆動信号発生回路530に出力する。駆動信号発生回路530は、当該信号A2_Outに応じたスイッチングパルスPulを生成して、D/Dコンバータ回路510のスイッチがオンとなるようにスイッチングを行わせる。
具体的には、電力点Aを超えて太陽電池100から電力を引き出そうとすると、D/Dコンバータ回路510をそれまでと同じように駆動するだけでは出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが下がってしまう。そうすると、電圧誤差検出回路550及び駆動信号発生回路530は、図10(d)に示すように、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及びDutyの電圧を徐々に上げるように動作する。このようにすれば、図10(b)に示すように、電力変換装置500の出力電圧Voが一定に維持される。
その後、太陽電池100から引き出す電力が電力点Mに達すると、図10(a)に示すように、太陽電池100からの出力電力Ppvは低下するので、それにつられて電力変換装置500の出力電力Poutも低下する。また、図9(b)からも分かるように、出力電圧Voも低下してしまう。そうすると、電圧誤差検出回路550は、Vo_fbとV_Vrefの差が大きくなったことを検出して、それに応じた信号A2_Outを駆動信号発生回路530に出力する。駆動信号発生回路530は、そのような信号A2_Outに応じて、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及び信号Dutyの電圧をDutyMaxにまで上昇させる。
このような状況が発生すると、DutyMax検出回路560は、信号Dutyの電圧がDutyMaxに達したことを検出して、基準電圧調整回路570に検出信号を出力する。基準電圧調整回路570は、DutyMax検出回路560からの検出信号に応じて、初期基準電圧Vref_1を引き下げるように調整して調整後の電圧V_Vrefを、電圧誤差検出回路550に出力する。この様子を図10(c)に示す。基準電圧V_Vrefの引き下げ幅は、DutyMax検出回路560から所定期間内に検出信号が出力される頻度又は割合に従って決定される。
なお、図10(a)に示すように、電圧誤差検出回路550及び駆動信号発生回路530がD/Dコンバータ回路510を駆動し過ぎると太陽電池100から引き出される電力も低下して、当該電力と太陽電池100の実際の出力電力Ppvとが、電力点Bで釣り合うことになる。そうすると、電力変換装置500の出力電圧Vo及び出力電力Poutは下げ止まる。
また、図10(d)に示すように、電圧誤差検出回路550は、Vo_fbとV_Vrefの差が小さくなったことを検出して、それに応じた信号A2_Outを駆動信号発生回路530に出力する。駆動信号発生回路530は、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及び信号Dutyの電圧を引き下げる。そうすると、電圧誤差検出回路550及び駆動信号発生回路530によるD/Dコンバータ回路510の駆動により太陽電池100から引き出される電流が減少する。しかし、通常、太陽電池100から引き出される電流の減少幅はやや多めになるため、図9(a)に示すように、最大電力点Mを通過して電力点Cまで戻ってしまう。そうすると、図10(a)に示すように、この間、太陽電池100の出力電力Ppvは、一旦増加するが再度減少してしまう。電力変換装置500の出力電圧Voについては、この間のD/Dコンバータ回路510の駆動レベルでは徐々に上昇してゆく。
なお、図10(c)に示すように、基準電圧調整回路570による基準電圧V_Vrefの調整は遅延があって、DutyMax検出回路560が信号Dutyの電圧がDutyMaxから下がっても、直ぐには調整は終了せず、さらに初期基準電圧Vref_1への復帰には時定数があるので、基準電圧V_Vrefは徐々に上昇することになる。
この後、図10(d)に示すように、電圧誤差検出回路550及び駆動信号発生回路530は、Vo_fbと基準電圧V_Vrefとの差に応じてD/Dコンバータ回路510を駆動して太陽電池100からより多くの電力を引き出すように、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及び信号Dutyの電圧を上昇させる。
そうすると、図10(a)に示すように、太陽電池100の出力電力Ppvは上昇して再度電力点Mに達する。この後の動作は、最初に電力点Mに達した後とほぼ同じになる。但し、図10(c)に示すように、基準電圧V_Vrefは、初期基準電圧Vref_1に戻っておらず、電力変換装置500の出力電圧Voも目標値に達していないので、動作としては同じでも基準電圧V_Vrefの引き下げ幅などは若干異なってくる。このように完全に同じ動作ではないので、電力点CではなくC1やC2、電力点BではなくB1やB2で、図9(a)のカーブ上動作を切り替えることになる。
結局のところ、最大電力点をはさんで電力点B又はその近傍と電力点C又はその近傍間を行き来することになる。すなわち、最大電力点追跡が可能となっている。上で述べた動作は、太陽電池100の発電電力が一定であることを前提としている。しかし、発電電力が一定になることは一般的には無いので最大電力点自体も変動するが、動作は同様である。
なお、電力点Bと電力点Cの差は、出力電力や出力電圧に応じて決まるが、D/Dコンバータ回路510などを含む制御系のゲイン調整で調整することができる。すなわち、より最大電力点近傍で動作させることができる。
[実施の形態3の実施例]
図11及び図12に、第3の実施の形態に係る具体的回路例を示す。
図11は、太陽電池100の具体的回路例と、D/Dコンバータ回路510の具体的回路例と、出力電圧検出回路520の具体的回路例と、負荷蓄電池300の具体的回路例と、蓄電池電圧検出回路610の具体的回路例と、満充電保護回路620の具体的回路例と、過放電保護回路630の具体的回路例と、制御切換回路640の具体的回路例と、蓄電池充電電流検出回路650の具体的回路例とを示している。
太陽電池100は、電流源Iccと、ダイオードD1と、抵抗R1及びR2とを含む。電流源Iccの正極側端子には、ダイオードD1のアノードと抵抗R1の一端及びR2の一端が接続されており、電流源Iccの負極側端子は、ダイオードD1のカソードと抵抗R2の他端と共にグランドに接続されている。抵抗R1の他端はD/Dコンバータ回路510に接続されている。
図11におけるD/Dコンバータ回路510は昇圧チョッパ回路として示されているが、ハーフブリッジ回路方式、フルブリッジ回路方式、プッシュプル回路方式、フォワード回路方式、フライバック方式、降圧型チョッパ回路、SEPICやCukコンバータやZetaコンバータ等の昇降圧回路などで、絶縁型、非絶縁型を用途に応じて選択できる。
D/Dコンバータ回路510は、逆流防止用のダイオードD2及びD3と、電解コンデンサC1と、コンデンサC2と、コイルL1と、駆動信号発生回路530によりスイッチングされるn型のFET(S1)と、抵抗R3とを有する。ダイオードD2のアノードは、太陽電池100の抵抗R1に接続されており、ダイオードD2のカソードは、電解コンデンサC1の+端子とコイルL1の一端とに接続されている。電解コンデンサC1の−端子は接地されている。コイルL1の他端は、FET(S1)のドレイン端子と、ダイオードD3のアノードとに接続されている。FET(S1)のソース端子は接地されており、FET(S1)のゲート端子は、抵抗R3の一端に接続されている。抵抗R3の他端は、接続端子Aを介して駆動信号発生回路530の出力に接続されている。ダイオードD3のカソードは、コンデンサC2の一端と出力電圧検出回路520とに接続されている。コンデンサC2の他端は接地されている。
出力電圧検出回路520は、抵抗分割にてフィードバック電圧を検出するための抵抗R4及びR5を含む。抵抗R4の一端は、D/Dコンバータ回路510と負荷蓄電池300とに接続されている。抵抗R4の他端は、抵抗R5の一端と接続端子Bを介して電圧誤差検出回路550とに接続されている。抵抗R5の他端は接地されている。
なお、出力電圧検出回路520は、さらに満充電保護回路620と、蓄電池電圧検出回路610と、DC/ACインバータ回路などの負荷とも接続されている。
負荷蓄電池300と、負荷A乃至Cに相当するDC/ACインバータ回路、D/Dコンバータ回路及び他の負荷とは、従来と同じであり、説明を省略する。
蓄電池充電電流検出回路650は、抵抗R602を有する。この抵抗R602の一端は、負荷蓄電池300の負極端子と制御切換回路640のコンパレータ641の負極側入力端子と電流誤差検出回路540とに接続されており、抵抗R602の他端は接地されている。
蓄電池電圧検出回路610は、抵抗分割にて充電電圧を検出するための抵抗R603及びR604を有する。抵抗R603の一端は負荷蓄電池300の正極側端子に接続されており、抵抗R603の他端は抵抗R604の一端及び満充電保護回路620及び過放電保護回路630の入力に接続されている。抵抗R604の他端は、接地されている。
満充電保護回路620は、p型のFET(S61)と、抵抗R601と、コンパレータ621と、過放電保護回路630と共有され且つ抵抗分割にて基準となる電圧を生成するための抵抗R606乃至R608とを有する。抵抗R601の一端は、出力電圧検出回路520とFET(S61)のドレイン端子とに接続されており、抵抗R601の他端は、FET(S61)のゲート端子とコンパレータ621の出力とに接続されている。コンパレータ621の正極側入力端子は、蓄電池電圧検出回路610に接続されており、コンパレータ621の負極側入力端子は、抵抗R606の一端と抵抗R607の一端と接続されている。抵抗R606の他端は、電源に接続されており、抵抗R607の他端は、抵抗R608の一端と過放電保護回路630のコンパレータ631の正極側入力端子に接続されている。抵抗R608の他端は接地されている。コンパレータ621の出力端子は、制御切換回路640と接続されている。
蓄電池電圧検出回路610で検出された電圧が上昇して、抵抗R606乃至R608で構成される抵抗分割によって生成された満充電時の電圧に達すると、コンパレータ621の出力がハイになり、FET(S61)がオフになるので、負荷蓄電池300への蓄電が停止される。また、コンパレータ621の出力端子は、制御切換回路640に接続されており、当該制御切換回路640に対してMPPTを伴う定電圧制御への切換を指示することになる。
過放電保護回路630は、コンパレータ631と、p型のFET(S62)と、抵抗R605と、満充電保護回路620と共有され且つ抵抗分割にて基準となる電圧を生成するための抵抗R606乃至R608とを有する。コンパレータ631の負極側入力端子は、抵抗R603及びR604の接続点と接続されており、コンパレータ631の正極側入力端子は、抵抗R607及びR608の接続点と接続されている。コンパレータ631の出力端子は、FET(S62)のゲート端子と抵抗R605の一端と接続されている。抵抗R605の他端は、蓄電池300の正極側端子と抵抗R603の一端とFET(S62)のドレイン端子とに接続する。また、FET(S62)のソース端子は、負荷側に接続されている。また、この負荷側と出力電圧検出回路520側とはバイパスして接続されている。
蓄電池電圧検出回路610で検出された電圧が低下して、抵抗R606乃至R608で構成される抵抗分割によって生成された放電停止判断のための電圧に達すると、コンパレータ631の出力がハイになり、FET(S62)がオフになるので、負荷蓄電池300からDC/ACインバータ回路などの負荷への放電が停止される。
制御切換回路640は、低電流検出回路と、OR回路642とを有する。低電流検出回路は、抵抗分割にて供給電力の低下を検出するための基準の電圧を生成するための抵抗R609及びR610と、コンパレータ641とを有している。抵抗R609の一端は、電源に接続されており、抵抗R609の他端は、コンパレータ641の正極側入力端子と、抵抗R610の一端とに接続されている。抵抗R610の他端は接地されている。コンパレータ641の負極側入力端子は、蓄電池充電電流検出回路650に接続されている。コンパレータ641の出力端子は、OR回路642の第1の入力端子に接続されている。OR回路642の第2の入力端子には、満充電保護回路620のコンパレータ621の出力端子に接続されている。OR回路642の出力端子は、接続端子Dを介して切換回路580に接続されている。
コンパレータ641の出力は供給電力不足を検出するとハイになり、コンパレータ621の出力は満充電を検出するとハイになる。従って、OR回路642の出力は、供給電力不足を検出した場合又は満充電を検出した場合にハイになる。OR回路642の出力がハイの場合にはMPPTを伴う定電圧制御を指示し、ローの場合には定電流制御を指示する。
次に、図12を用いて電流誤差検出回路540と電圧誤差検出回路550とDutyMax検出回路560と基準電圧調整回路570と切換回路580と駆動信号発生回路530との具体的回路例を説明する。
電圧誤差検出回路550は、接続端子Bを介して出力電圧検出回路520に接続されており、抵抗R11乃至R14と、コンデンサC11及びC12と、オペアンプ551とを有する。出力電圧検出回路520の出力は抵抗R11及びR12の一端に接続され、抵抗R11の他端はコンデンサC11の一端に接続され、コンデンサC11の他端と抵抗R12の他端とは、オペアンプ551の負極側入力端子に接続されている。また、オペアンプ551の負極側入力端子は、コンデンサC12の一端及び抵抗R13の一端と接続されており、コンデンサC12の他端は抵抗R14の一端に接続され、抵抗R14の他端と抵抗R13の他端とはオペアンプ551の出力端子に接続される。さらに、オペアンプ551の正極側入力端子には、基準電圧調整回路570の出力が接続されている。
電流誤差検出回路540は、接続端子Cを介して蓄電池充電電流検出回路650に接続されており、抵抗R541乃至R544と、コンデンサC541及びC542と、オペアンプ541と、基準電流値に対応する電圧を出力する直流電源I_Vrefを有する。蓄電池充電電流検出回路650の出力は抵抗R541及びR542の一端に接続され、抵抗R542の他端はコンデンサC541の一端に接続され、コンデンサC541の他端と抵抗R541の他端とは、オペアンプ541の負極側入力端子に接続されている。また、オペアンプ541の負極側入力端子には、コンデンサC542の一端及び抵抗R543の一端と接続されており、コンデンサC542の他端は抵抗R544の一端に接続されている。抵抗R544の他端と抵抗R543の他端とはオペアンプ541の出力端子に接続される。さらに、オペアンプ541の正極側入力端子には、基準電流値に対応する電圧を出力する直流電源I_Vrefの正極側端子に接続されている。直流電源I_Vrefの負極側端子は接地されている。
切換回路580は、アナログスイッチ582及び583と、NOT回路581とを含む。制御切換回路640のOR回路642の出力は、端子Dを介してNOT回路581の入力端子と、アナログスイッチ583の制御端子とに接続されている。NOT回路581の出力端子は、アナログスイッチ582の制御端子に接続されている。アナログスイッチ582の入力側端子には、電流誤差検出回路540の出力が接続されており、アナログスイッチ582の出力側端子は駆動信号発生回路530に接続されている。アナログスイッチ583の入力側端子には、電圧誤差検出回路550の出力が接続されており、アナログスイッチ583の出力側端子は駆動信号発生回路530に接続されている。
制御切換回路640のOR回路642の出力がハイになると、NOT回路581の出力はローになるので、アナログスイッチ582はオフのままになるが、アナログスイッチ583はオンになる。この結果、電圧誤差検出回路550からの出力が駆動信号発生回路530に出力される。逆に、制御切換回路640のOR回路642の出力がローになると、NOT回路581の出力がハイになるので、アナログスイッチ582はオンになる。その結果、電流誤差検出回路540の出力が駆動信号発生回路530に出力されるが、アナログスイッチ583はオフになる。
駆動信号発生回路530は、コンパレータ531と三角波発生器532とを含む。コンパレータ531の正極側入力端子には、切換回路580の出力が接続されており、コンパレータ531の負極側入力端子には、三角波発生器532が接続されている。コンパレータ531の出力端子は、接続端子Aを介してD/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に接続される。
また、DutyMax検出回路560は、コンパレータ561と、抵抗R15及びR16と、コンデンサC13と、電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2とを有する。コンパレータ561の正極側入力端子は、切換回路580の出力に接続されており、コンパレータ561の負極側入力端子は、直流電源Vref_2の正極側端子に接続されている。直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。コンパレータ561の出力は、抵抗R15の一端に接続されており、抵抗R15の他端は抵抗R16の一端及びコンデンサC13の一端と基準電圧調整回路570の入力とに接続されている。抵抗R16の他端及びコンデンサC13の他端とは接地されている。
DutyMax検出回路560は、MPPTを伴う定電圧制御がイネーブルされて電圧誤差検出回路550の出力が駆動信号発生回路530に出力されている間に、有効に動作する。より具体的には、コンパレータ561は、駆動信号発生回路530に対する入力信号、すなわち電圧誤差検出回路550の出力信号A2_Out(ここでは「=A_Out」)と、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスのデューティー比が最大となる際に駆動信号発生回路530に入力される入力信号の電圧とほぼ同一の電圧を出力する直流電源Vref_2の出力電圧Vref_2とを比較する。そして、入力信号A_Outの電圧が電圧Vref_2より高くなると、コンパレータ561は、その間にパルス波DMC_O1を出力する。但し、コンパレータ561の出力にはローパスフィルタが接続されており、出力されたパルス波は、滑らかな信号DMC_O2として基準電圧調整回路570に出力される。
基準電圧調整回路570は、コンパレータ571と、三角波発生器572と、抵抗R17乃至R21と、n型のFET(S11)と、初期基準電圧Vref_1を出力する直流電源Vref_1と、コンデンサC14及びC15とを有する。コンパレータ571の正極側入力端子は、DutyMax検出回路560の出力が接続され、コンパレータ571の負極側入力端子には、三角波発生器572が接続されている。コンパレータ571の出力には、抵抗R17の一端が接続されており、抵抗R17の他端は、抵抗R18の一端とコンデンサC14の一端とFET(S11)のゲート端子とに接続されている。抵抗R18の他端とコンデンサC14の他端とFET(S11)のソース端子とは接地されている。また、直流電源Vref_1の正極側端子は、抵抗R19の一端に接続されており、負極側端子は接地されている。抵抗R19の他端は抵抗R20の一端及び抵抗R21の一端に接続され、抵抗R20の他端はFET(S11)のドレインに接続されている。抵抗R21の他端はコンデンサC15の一端及び電圧誤差検出回路550のオペアンプ551の正極側端子に接続されている。コンデンサC15の他端は接地されている。
基準電圧調整回路570の直流電源Vref_1は、FET(S11)がオフになっている間、コンデンサC15に電荷をチャージしており、チャージが完了すると、初期基準電圧Vref_1が、そのまま出力基準電圧V_Vref=Vref_1となる。一方、FET(S11)がオンになると、コンデンサC15は、貯めた電荷を放出することになるため、コンデンサC15に保持されている電荷量によって変化する電圧が出力V_Vrefとなる。
また、基準電圧調整回路570のコンパレータ571は、DutyMax検出回路560の出力DMC_O2と三角波VTW_2とを比較して、出力信号DMC_O2の電圧が三角波VTW_2の電圧より大きくなると、パルス波DMC2_Oを出力する。但し、コンパレータ571の出力側にはローパスフィルタが形成されているので、パルス波DMC2_Oを滑らかにした信号VQGが、FET(S11)のゲート端子に入力されることになる。上で述べたように、信号VQGによってFET(S11)のオン又はオフが決定され、コンデンサC15の放電期間も決定される。さらに、出力基準電圧V_Vrefも決定される。
次に、図13乃至図17を用いて、蓄電池充放電制御回路600と電力変換装置500の動作を説明する。なお、最初に図13及び図14を用いて、図4に示した制御切換について説明する。
図13(a)乃至(g)は、太陽電池100からの電力供給が十分にあり且つ負荷蓄電池300に充電中である状態、すなわち定電流制御を行っている場合の動作を示す図である。
図13(a)は、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスPulを表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっている。図13(b)に示すD/Dコンバータ回路510の出力電圧Vo、及び図13(c)に示す出力電圧検出回路520の出力信号Vo_fbは、図中、それらの波形は大げさに示されている。しかし、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、D/Dコンバータ回路510の出力信号Voの電圧の平均値Vo_aveもほぼ一定となっている。なお、図13(a)乃至(g)の状態では、電圧誤差検出回路550とDutyMax検出回路560と基準電圧調整回路570とは有効化されていないので、説明を省略する。
一方、図13(d)に示すように、蓄電池充電電流検出回路650からの出力Vbi_fbは、D/Dコンバータ回路510の出力電圧と同様に多少変動するが、抵抗R609及びR610の抵抗分割によって生成される基準電圧V_LC以上の状態になっている。同様に、蓄電池電圧検出回路610の出力Vbv_fbも、D/Dコンバータ回路510の出力電圧と同様に多少変動するが、抵抗R606乃至R608の抵抗分割によって生成される基準電圧V_FC未満の状態になっている。
従って、図13(e)に示すように、満充電保護回路620のコンパレータ621の出力Pul_FCも、低電流検出回路のコンパレータ641の出力Pul_LCも、ローのままになる。従って、図13(f)に示すように、制御切換回路640のOR回路642の出力Pul_CVもローのままで、切換回路580のNOT回路581の出力Pul_CCは反対にハイのままである。これによって、電流誤差検出回路540の出力A1_Outが、駆動信号発生回路530に出力される。駆動信号発生回路530への入力A_Outは、電流誤差検出回路540の出力A1_Outとなり、コンパレータ531で三角波VTW_1と比較され、三角波VTW_1以上となった部分が図13(a)及び(g)に示すようにスイッチングパルスのハイの部分と一致する。
次に、図14(a)乃至(h)で、太陽電池100からの電力供給が十分にある状態で、満充電を検出して定電流制御から定電圧制御へ移行する際の動作について説明する。図14(a)は、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスPulの初期的な状態を表している。図14(b)は、満充電に近づくにつれて、蓄電池電圧検出回路610で検出される電圧が上昇していることを表している。図14(c)に示すように、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbについても上昇している。
また、蓄電池電圧検出回路610で検出された電圧Vbv_fbも上昇して、抵抗R606乃至R608の抵抗分割によって生成される基準電圧V_FC以上となる。なお、図14(d)に示すように、蓄電池充電電流検出回路650の出力電圧Vbi_fbは、定電流制御から定電圧制御に移行しない場合には、点線で表すように低下するが、定電圧制御に移行すれば実線で示すように維持される。
このように、図14(e)に示すように、蓄電池電圧検出回路610で検出された電圧Vbv_fbが基準電圧V_FC以上となると、満充電保護回路620のコンパレータ621の出力Pul_FCがハイに変化する。蓄電池充電電流検出回路650からの出力Vbi_fbは、基準電圧V_LC以上の状態のままである。
このように信号Pul_FCがハイになると、図14(f)に示すように、制御切換回路640のOR回路642の出力Pul_CVがハイに変化する。逆に、切換回路580のNOT回路581の出力Pul_CCはローに変化する。
そうすると、図14(g)に示すように、駆動信号発生回路530のコンパレータ531で三角波VTW_1と比較される信号は、電流誤差検出回路540の出力A1_Outから、電圧誤差検出回路550の出力A2_Outに変更される。電圧誤差検出回路550の出力A2_Outは、図14(g)に示すように出力A1_Outの電圧より低い。このため、三角波VTW_1以上となっている部分が少なくなり、結果として、図14(h)に示すように、定電圧制御に移行すると、D/Dコンバータ回路510の駆動を抑えるように、スイッチングパルスPulのデューティー比は下げられることになる。
このようにして定電流制御から定電圧制御へ移行する。この際には、満充電保護回路620のFET(S61)もオフになるので、負荷蓄電池300への充電が停止される。
次に、図15(a)乃至(h)で、充電中に太陽電池100からの電力供給が減少した場合の動作について説明する。
充電中に太陽電池100からの電力供給が減少すると、電流誤差検出回路540は、充電電流が減少する。このため、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)に対するスイッチングパルスのデューティー比を大きくして、より多くの電流を太陽電池100から引き出そうとする。そうすると、図15(a)に示すように、スイッチングパルスPulのデューティー比は大きくなっている。一方、図15(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給不足から、D/Dコンバータ回路510の出力電圧Voも低下し、図15(c)に示すように、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbも低下する。
そうすると、図15(d)に示すように、蓄電池充電電流検出回路650の出力電圧Vbi_fbも低下してゆき、抵抗R609及びR610の抵抗分割によって生成される基準電圧V_LC未満になってしまう。なお、蓄電池電圧検出回路610で検出された電圧Vbv_fbも低下するが、この電圧Vbv_fbの低下については、抵抗R606乃至R608による抵抗分割によって生成される低い方の基準電圧を下回らない限り、動作に影響はない。もし低い方の基準電圧を下回った場合には、コンパレータ631がハイになるのでFET(S62)がオフになり、過放電保護が行われる。
このように、電圧Vbi_fbが基準電圧V_LC未満となると、図15(e)に示すように、制御切換回路640のコンパレータ641の出力Pul_LCがハイになる。満充電保護回路620のコンパレータ621の出力Pul_FCについてはローのままとなる。これによって、図15(f)に示すように、制御切換回路640のOR回路642の出力Pul_CVはハイになり、切換回路580のNOT回路581の出力Pul_CCはローになる。
そうすると、図15(g)に示すように、駆動信号発生回路530のコンパレータ531で三角波VTW_1と比較される信号は、電流誤差検出回路540の出力A1_Outから、電圧誤差検出回路550の出力A2_Outに変更になる。電圧誤差検出回路550の出力A2_Outは、図15(g)に示すように出力A1_Outの電圧より低いので、三角波VTW_1以上となっている部分が少なくなる。その結果として、図15(h)に示すように、MPPTを伴う定電圧制御に移行すると、D/Dコンバータ回路510の駆動を抑えるように、スイッチングパルスPulのデューティー比は下げられることになる。
このようにして定電流制御からMPPTを伴う定電圧制御へ移行する。なお、詳細な説明は省略するが、上で述べたものと逆の信号変化が発生すれば、MPPTを伴う定電圧制御から定電流制御への移行が行われる。
また、定電流制御においては、電流誤差検出回路540が、基準電流値I_Vrefに対応する電圧と、蓄電池充電電流検出回路650の出力電圧Vbi_fbとの差が小さくなるように、出力信号A1_Outを生成し、駆動信号発生回路530でスイッチングパルスPulを生成する。
次に、図16及び図17を用いて、MPPTを伴う定電圧制御について説明する。なお、基本的な動作については図10(a)乃至(d)で説明したので、ポイントとなる部分だけを説明する。
まず、図9(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図16(a)乃至(g)を用いて説明する。なお、図16(a)乃至(g)は、ある短い時間の動作を示しており、図11及び図12に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
図16(a)は、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスPulを表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっている。図16(b)に示すD/Dコンバータ回路510の出力電圧Vo、及び図16(c)に示す出力電圧検出回路520の出力信号Vo_fbは、図中、それらの波形は大げさに示されている。しかし、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、D/Dコンバータ回路510の出力信号Voの電圧の平均値Vo_aveもほぼ一定となっている。なお、図16(a)乃至(g)の状態では、DutyMax検出回路560と基準電圧調整回路570とは有効に動作しておらず、初期基準電圧Vref_1が基準電圧調整回路570の出力電圧V_Vrefとなっている。
図16(c)に示すように、電圧誤差検出回路550は、Vo_fbとV_Vrefの比較を行い、図16(d)に示すように、Vo_fbとV_Vrefとの差を反転させた電圧の出力信号A2_Outを出力する。図16(a)乃至(g)の状態では、この出力信号A2_Outの電圧は、DutyMax検出回路560で基準として用いられ且つデューティー比最大に対応する電圧Vref_2より低い電圧となっているので、上で述べたようにDutyMax検出回路560と基準電圧調整回路570とは動作しない。動作しない状態を図16(e)乃至(g)に示している。すなわち、出力信号A2_Outの電圧は常にVref_2より低いので、DutyMax検出回路560のコンパレータ561の出力側信号DMC_O1もDMC_O2もゼロのままになる。さらに、基準電圧調整回路570のコンパレータ571で三角波VTW_2とDMC_O2とを比較しても、DMC_O2はゼロのままなので、コンパレータ571の出力側の信号DMC2_OもVQGもゼロのままとなる。そうすると、基準電圧調整回路570のFET(S11)はオフのままとなるので、図16(g)に示すように、コンデンサC15の出力電圧V_Vrefは、直流電源Vref_1の初期基準電圧Vref_1のままで変化しない。
次に、図17(a)乃至(i)を用いて、D/Dコンバータ回路510の出力Voが低下し始めた場合の動作について説明する。なお、図17(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
上で説明し且つ図17(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えてD/Dコンバータ回路510が電力を引き出そうとすると、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に対するスイッチングパルスPulのデューティー比は最大となる。一方、D/Dコンバータ回路510の出力Voは低下してしまう。図17(c)に示すように、出力Voが低下すると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbも低下する。
一方、電圧誤差検出回路550は、出力Vo_fbと現在のV_Vrefとの差を反転させるため、出力電圧検出回路520のVo_fbが低下するならば、電圧誤差検出回路550の出力A2_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図17(d)に示すように、FET(S1)に対するスイッチングの周期の中で、電圧誤差検出回路550の出力A2_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_2を上回る期間が長くなる。図17(e)に示すように、DutyMax検出回路560のコンパレータ561の出力DMC_O1がオンになる期間が徐々に長くなる。さらに、図17(e)に示すように、DutyMax検出回路560の出力DMC_O2は、DMC_O1をローパスフィルタで滑らかにした後の信号であるが、DMC_O1のオンの時間が長くなるので、徐々に電圧が上昇する。そして、基準電圧調整回路570における三角波信号VTW_2の電圧よりDMC_O1の電圧が高い期間については、図17(f)に示すように基準電圧調整回路570のコンパレータ571の出力DMC2_Oがオンになる。この信号DMC2_Oもローパスフィルタで滑らかにすると、図17(f)のような信号VQGが生成される。この信号VQGにより基準電圧調整回路570のFET(S11)のオン/オフが行われるようになる。FET(S11)がオンになると、コンデンサC15から放電されるようになる。従って、放電する時間が長いほど又放電頻度が高いほど、基準電圧V_Vrefは下がってゆくことになる。図17(f)に示すように、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が、過去所定期間内において高くなると、信号VQGが0ではない期間が頻繁に発生すると共に長くなる。それにつれて図17(g)に示すように、基準電圧V_Vrefは徐々に下がってゆく。
そうすると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧も下がり、さらに基準電圧V_Vrefも下がってゆくので、電圧誤差検出回路550に入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。そうすると、図17(h)に示すように、基準電圧V_Vrefが下げられた後、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、電圧誤差検出回路550のオペアンプ551の出力A2_Out(ここでは補正後A2_Out)も、徐々に下がってゆく。そうすると、図17(h)に示すように、駆動信号発生回路530のコンパレータ531の負極側入力の三角波VTW_1の電圧より下がる期間が長くなる。そうすると、図17(i)に示すように、スイッチングパルス(補正後Pulと表す)のオンの幅が短くなる。すなわち、電圧誤差検出回路550からすると、デューティー比を高くして、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のオンの期間を長くして、より多くの電力を太陽電池100から引き出そうとして動作する。その結果、あたかもこの動作に効果があったように見える。従って、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなったので、デューティー比を低くしたということである。
これによって上で述べたように太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、D/Dコンバータ回路510の出力Voが上昇するようになる。その後、太陽電池100からD/Dコンバータ回路510が電力を引き出すように動作すれば、図17(b)に示すように電圧Voが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返すようになる。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
[実施の形態3の他の実施例]
電圧誤差検出回路550には、従来からある電圧誤差検出回路を使用することができる。また、DutyMax検出回路560についても、図18に示すようなDutyMax検出回路565と置換することができる。
DutyMax検出回路565は、抵抗R31乃至R34と、コンデンサC21及びC22と、オペアンプ5651と、直流電源Vref_2とを有する。直流電源Vref_2は、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスのデューティー比が最大となる際に駆動信号発生回路530に入力される入力信号A2_Outの電圧とほぼ同一の電圧を出力する。
電圧誤差検出回路550の出力A2_Out(ここでは「=A_Out」)は、抵抗R32の一端と抵抗R31の一端と接続されており、抵抗R31の他端はコンデンサC21の一端に接続されており、コンデンサC21の他端は抵抗R32の他端とオペアンプ5651の正極側入力端子と接続されている。オペアンプ5651の正極側入力端子は、さらに、抵抗R33の一端及び抵抗R34の一端と接続されている。抵抗R34の他端は、コンデンサC22の一端に接続されており、コンデンサC22の他端は、抵抗R33の他端とオペアンプ5651の出力とに接続されている。オペアンプ5651の負極側入力端子は、直流電源Vref_2の正極側端子に接続されており、直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。
このようなDutyMax検出回路565は、出力A2_Out(ここでは「=A_Out」)の電圧と電圧Vref_2との差に応じた電圧の信号DMC_O2として出力する。すなわち図17(d)に示すように、出力A_Outが電圧Vref_2を上回ると、その分DMC_O2が上昇するので、図17(e)に示したDMC_O2と類似した変化を示すようになる。
[実施の形態4]
図19に、第4の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。図19に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置700と、電力変換装置700からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置700で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路600と、蓄電池充放電制御回路600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。
電力変換装置700は、(A)スイッチを有し且つ太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路510と、(B)D/Dコンバータ回路510の出力電圧に応じた電圧Vo_fbの出力信号を出力する出力電圧検出回路520と、(C)出力電圧検出回路520の出力信号の電圧Vo_fbを調整することによって得られる信号の電圧Vof3と固定基準電圧V_Vrefとの差に応じた信号を生成する電圧誤差検出回路770と、(D)蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧Vbi_fbと基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号を生成する電流誤差検出回路540と、(E)蓄電池充放電制御回路600からの制御切換信号Pul_CVに応じて電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路770の出力を切換える切換回路580と、(F)電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路770からの出力に応じてD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成してD/Dコンバータ回路510に出力する駆動信号発生回路530と、(G)駆動信号発生回路530からスイッチングパルスのデューティー比に応じた信号を受け取り且つデューティー比が所定の最大値になったことを検出するDutyMax検出回路760と、(H)DutyMax検出回路760からの検出信号に応じて出力電圧検出回路520からの出力電圧Vo_fbを調整して調整後の出力電圧Vof3を電圧誤差検出回路770に出力する電圧検出信号調整回路780とを有する。
蓄電池充放電制御回路600は、蓄電池に対する供給電圧を検出する蓄電池電圧検出回路610と、蓄電池電圧検出回路610からの出力Vbv_fbに応じて負荷蓄電池300に対する満充電保護動作を実施する満充電保護回路620と、蓄電池電圧検出回路610からの出力に応じて負荷蓄電池300に対する過放電保護動作を実施する過放電保護回路630と、負荷蓄電池300に流れる電流を検出する蓄電池充電電流検出回路650と、満充電保護回路620からの出力Pul_FC及び蓄電池充電電流検出回路650からの出力Vbi_fbに応じて定電流制御とMPPTを伴う定電圧制御とを切換えるための信号Pul_CVを出力する制御切換回路640とを有する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路770と駆動信号発生回路530とDutyMax検出回路760と電圧検出信号調整回路780とにより、MPPTを実現する定電圧制御回路が構成される。また、電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530とにより、定電流制御回路が構成される。
図19に示した蓄電池充放電制御回路600の動作については第2の実施の形態と同じであるから、本実施の形態では説明を省略する。蓄電池充放電制御回路600を導入することによって、図4に示すような制御が実現され、効率的に蓄電が行われるようになる。また、満充電保護回路620及び過放電保護回路630が適切に動作して、安全に蓄電及び放電が行われる。
なお、制御切換回路640は、蓄電池充電電流検出回路650の出力Vbi_fbに基づき供給電力不足を検出する低電流検出回路と、当該低電流検出回路からの供給電力不足を検出したことを表す検出信号、例えばPul_LCと満充電保護回路620からの満充電を検出したことを表す信号Pul_FCとの論理和を計算するOR回路とを有している場合もある。このようにすれば、供給電力不足を検出した場合、又は満充電を検出した場合には、定電流制御からMPPTを伴う定電圧制御に切り換える切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。一方、供給電力が十分で且つ充電中であれば定電圧制御から定電流制御に切り換える切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。
また、電流誤差検出回路540は、蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧Vbi_fbと基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号を生成して、切換回路580に出力する。すなわち、電流誤差検出回路540の出力が切換回路580により選択された場合には、負荷蓄電池300に流れる電流が一定になるように、駆動信号発生回路530ではD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスPulが生成される。
図19に示した電力変換装置700の動作は、第3の実施の形態の電力変換装置500とほぼ同じである。但し、本実施の形態では、基準電圧V_Vrefを調整するのではなく、基準電圧V_Vrefは固定で、出力電圧検出回路520の検出信号の電圧が調整の対象となる。調整の程度は、第2の実施の形態と同様で、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を所定期間内に検出する頻度(又は割合)に応じて決められる。
より具体的には、D/Dコンバータ回路510が太陽電池100から電流を引き出しすぎて出力電圧Voが低下するような状態では、電圧誤差検出回路770及び駆動信号発生回路530により、スイッチングパルスのデューティー比を所定の最大値にして、電圧を引き上げようとする。これに対して、DutyMax検出回路760は、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を検出すると、電圧検出信号調整回路780に検出信号を出力する。電圧検出信号調整回路780は、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を所定期間内に検出する頻度(又は割合)に応じて出力電圧検出回路520の検出信号の電圧を上昇させて、基準電圧V_Vrefとの差を狭める。
なお、電圧誤差検出回路770及び駆動信号発生回路530によるD/Dコンバータ回路510の駆動により太陽電池100から引き出される電力も低下する。そして、当該電力と太陽電池100の出力電力とが、図9(a)の電力点Bで釣り合うことになる。そうすると、電力変換装置700の出力電圧Vo及び出力電力Poutは下げ止まる。
基準電圧V_Vrefと調整後検出信号の電圧Vof3との差が狭くなると、電圧誤差検出回路770及び駆動信号発生回路530は、スイッチングパルスのデューティー比を所定の最大値から引き下げる。また、調整後検出信号の調整量は、時定数があるので、すぐには0にならないので、徐々に減少することになる。
このような動作以外の部分は、ほとんど第3の実施の形態と同様である。従って、第3の実施の形態と同様に、最大電力点を安価な回路素子で追跡させることができるようになる。
[実施の形態4の実施例]
第4の実施の形態における具体的回路例を図20に示す。なお、太陽電池100、D/Dコンバータ回路510、出力電圧検出回路520、蓄電池充放電制御回路600、負荷A乃至Cなどは第3の実施の形態と同じであるから、図示を省略する。また、充放電制御回路600の動作についても、図4に示した制御切換を実現するものであり、説明を省略する。
電流誤差検出回路540は、接続端子Cを介して蓄電池充電電流検出回路650に接続されており、抵抗R541乃至R544と、コンデンサC541及びC542と、オペアンプ541と、基準電流値に対応する電圧を出力する直流電源I_Vrefを有する。蓄電池充電電流検出回路650の出力Vbi_fbは抵抗R541及びR542の一端に接続され、抵抗R542の他端はコンデンサC541の一端に接続され、コンデンサC541の他端と抵抗R541の他端とは、オペアンプ541の負極側入力端子に接続されている。また、オペアンプ541の負極側入力端子には、コンデンサC542の一端及び抵抗R543の一端と接続されており、コンデンサC542の他端は抵抗R544の一端に接続され、抵抗R544の他端と抵抗R543の他端とはオペアンプ541の出力端子に接続される。さらに、オペアンプ541の正極側入力端子には、基準電流値に対応する電圧を出力する直流電源I_Vrefの正極側端子に接続されている。直流電源I_Vrefの負極側端子は接地されている。
切換回路580は、アナログスイッチ582及び583と、NOT回路581とを含む。図11に示した制御切換回路640のOR回路642の出力はPul_CV、端子Dを介してNOT回路581の入力側端子と、アナログスイッチ583の制御端子とに接続されている。NOT回路581の出力端子は、アナログスイッチ582の制御端子に接続されている。アナログスイッチ582の入力端子には、電流誤差検出回路540の出力A1_Outが接続されており、アナログスイッチ582の出力側端子は駆動信号発生回路530に接続されている。アナログスイッチ583の入力側端子には、電圧誤差検出回路770の出力A2_Outが接続されており、アナログスイッチ583の出力側端子は駆動信号発生回路530に接続される。
制御切換回路640の出力Pul_CVがハイになると、NOT回路581の出力Pul_CCはローになるので、アナログスイッチ582はオフになるが、アナログスイッチ583はオンになるので、電圧誤差検出回路770からの出力が駆動信号発生回路530に出力される。逆に、制御切換回路640の出力Pul_CVがローになると、NOT回路581の出力Pul_CCがハイになるので、アナログスイッチ582はオンになって、電流誤差検出回路540の出力が駆動信号発生回路530に出力されるが、アナログスイッチ583はオフになる。
駆動信号発生回路530は、コンパレータ531と三角波発生器532とを含む。コンパレータ531の正極側入力端子には、切換回路580の出力が接続されており、コンパレータ531の負極側入力端子には、三角波発生器532が接続されている。コンパレータ531の出力端子は、接続端子Aを介してD/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に接続される。
また、DutyMax検出回路760は、コンパレータ761と、抵抗R45及びR46と、コンデンサC43と、電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2とを有する。コンパレータ761の正極側入力端子は、切換回路580の出力に接続されており、コンパレータ761の負極側入力端子は、直流電源Vref_2の正極側端子に接続されている。直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。コンパレータ761の出力は、抵抗R45の一端に接続されており、抵抗R45の他端は抵抗R46の一端及びコンデンサC43の一端と電圧検出信号調整回路780の入力とに接続されている。抵抗R46の他端及びコンデンサC43の他端とは接地されている。
DutyMax検出回路760のコンパレータ761は、電圧誤差検出回路770から出力される信号A2_Out(すなわちA_Out)と、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスのデューティー比が最大となる際に駆動信号発生回路530に入力される入力信号A2_Out(ここでは「=A_Out」)の電圧とほぼ同一の電圧を出力する直流電源Vref_2の出力電圧Vref_2とを比較する。そして、入力信号A2_Out(ここでは「=A_Out」)の電圧が電圧Vref_2より高くなると、コンパレータ761は、その間にパルス波DMC_O1を出力する。但し、コンパレータ761の出力にはローパスフィルタが接続されており、出力されたパルス波は、滑らかな信号波DMC_O2として電圧検出信号調整回路780に出力される。
電圧検出信号調整回路780は、コンパレータ534と、三角波発生器535と、オペアンプ531及び532と、抵抗R51乃至R62と、n型のFET(S51)と、トランジスタT1と、コンデンサC51及びC52と、電圧V_Vrefを出力する2つの直流電源V_Vrefと、所定の電圧Vref_3を出力する直流電源Vref_3とを有する。
コンパレータ534の正極側入力端子には、三角波発生器535が接続されており、コンパレータ534の負極側入力端子には、DutyMax検出回路760の出力が接続されている。コンパレータ534の出力端子には、抵抗R56の一端が接続されており、抵抗R56の他端には抵抗R57の一端及びコンデンサC51の一端並びにFET(S51)のゲート端子が接続されている。抵抗R57の他端及びコンデンサC51の他端は接地されている。また、FET(S51)のソース端子は接地されており、ドレイン端子は、抵抗R61の一端に接続されている。抵抗R61の他端は、抵抗R58の一端及び抵抗R59の一端に接続されている。抵抗R58の他端は直流電源Vref_3の正極側端子に接続されており、直流電源Vref_3の負極側端子は接地されている。さらに、抵抗R59の他端は、抵抗R60の一端及びコンデンサC52の一端に接続されている。コンデンサC52の他端は接地されている。抵抗R60の他端は、抵抗R62の一端及びトランジスタT1のベース端子に接続されている。さらに、抵抗R62の他端は接地されている。トランジスタT1のエミッタは接地されており、コレクタ端子は抵抗R55の一端に接続されている。
さらに、抵抗R51の一端は、接続端子Bを介して出力電圧検出回路520の出力に接続されており、抵抗R51の他端は、抵抗R52の一端及びオペアンプ531の負極側入力端子に接続されている。オペアンプ531の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されており、直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。抵抗R52の他端はオペアンプ531の出力端子と抵抗R55の他端と抵抗R53の一端に接続されている。
抵抗R53の他端は、抵抗R54の一端とオペアンプ532の負極側入力端子とに接続されている。オペアンプ532の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されており、直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。抵抗R54の他端はオペアンプ532の出力端子と電圧誤差検出回路770の入力に接続されている。
コンパレータ534は、三角波発生器535の出力VTW_3とDutyMax検出回路760の出力DMC_O2とを比較する。しかし、スイッチングパルスのデューティー比が最大値にならない限り、出力VTW_3の電圧の方がDutyMax検出回路760の出力DMC_O2の電圧より高いので、常にハイの出力DMC2_Oを出す。一方、スイッチングパルスのデューティー比が最大値になると、DutyMax検出回路760の出力DMC_O2の電圧が上昇するので、徐々に出力DMC2_Oがオフになる期間が増加する。コンパレータ534の出力側にはローパスフィルタが設けられているので、ローパスフィルタで平滑化された信号VQGでFET(S51)はオンオフされる。但し、FET(S51)は、通常はオンになっており、コンデンサC52には電荷が貯まらない。オフの期間が長くなると徐々にコンデンサC52に電荷が貯まって電圧も高くなって行く。一方、コンデンサC52の電圧VQBが高くなると、トランジスタT1のベース端子に印加される電圧VQBも高くなって、トランジスタT1もオンになる。その場合には、オペアンプ531の出力電圧を引き下げるように作用する。
なお、オペアンプ531では、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbを反転させており、トランジスタT1がオンになると、オペアンプ531の出力の電圧Vof2を引き下げるように作用する。その上で、オペアンプ532は、再度出力Vof2を反転させて、電圧Vof3を電圧検出信号調整回路780の出力として電圧誤差検出回路770に出力する。より具体的には、Vof2が引き下げられていると、Vof3は引き上げられることになり、あたかも出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが高くなったように、電圧誤差検出回路770には作用する。
次に、図21及び図22を用いて、図20で示した回路の動作の主要部分を説明する。
まず、図9(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図21(a)乃至(g)を用いて説明する。なお、図21(a)乃至(g)は、ある短い時間の動作を示しており、図20に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
図21(a)は、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスPulを表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっている。図21(b)に示すD/Dコンバータ回路510の出力電圧Vo、及び図21(c)に示す出力電圧検出回路520の出力信号Vo_fbは、図中、それらの波形は大げさに示されている。しかし、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、D/Dコンバータ回路510の出力信号Voの電圧の平均値Vo_aveもほぼ一定となっている。なお、図21(a)乃至(g)の状態では、DutyMax検出回路760と電圧検出信号調整回路780とは動作しておらず、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbと電圧検出信号調整回路780の出力Vof3とはほぼ同じとなっている。
図21(g)に示すように、電圧誤差検出回路770は、Vof3とV_Vrefの比較を行い、図21(d)に示すように、Vof3とV_Vrefとの差を反転させた電圧の出力信号A2_Outを出力する。図21(a)乃至(g)の状態では、この出力信号A2_Outの電圧は、DutyMax検出回路760で基準として用いられ且つデューティー比最大に対応する電圧Vref_2より低い電圧となっているので、上で述べたようにDutyMax検出回路760と電圧検出信号調整回路780とは動作しない。動作しない状態を図21(e)乃至(g)に示している。すなわち、出力信号A2_Outの電圧は常にVref_2より低いので、DutyMax検出回路760のコンパレータ761の出力側信号DMC_O1もDMC_O2もゼロのままになる。さらに、電圧検出信号調整回路780のコンパレータ534で三角波VTW_3とDMC_O2とを比較しても、DMC_O2はゼロのままなので、コンパレータ534の出力側の信号DMC2_OもVQGもハイのままとなる。そうすると、電圧検出信号調整回路780のFET(S51)はオンのままとなるので、図21(f)に示すように、トランジスタT1のベース端子に印加されるコンデンサC52の電圧VQBは、トランジスタT1をオンにするような電圧にはならず、低いままとなる。
次に、図22(a)乃至(i)を用いて、D/Dコンバータ回路510の出力Voが低下し始めた場合の動作について説明する。なお、図22(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
上で説明し且つ図22(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えてD/Dコンバータ回路510が電流を引き出そうとする。そうすると、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に対するスイッチングパルスPulのデューティー比は最大となる一方、D/Dコンバータ回路510の出力Voは低下してしまう。図22(c)に示すように、出力Voが低下すると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbも低下する。
一方、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが低下し且つVof2に対する調整が行われない場合には、Vo_fbに対応するVof3と固定基準電圧V_Vrefとの差が大きくなって電圧誤差検出回路770の出力A2_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図22(d)に示すように、FET(S1)に対するスイッチングの周期の中で、電圧誤差検出回路770の出力A2_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_2を上回る期間が長くなる。図22(e)に示すように、DutyMax検出回路760のコンパレータ761の出力DMC_O1がオンになる期間が徐々に長くなる。さらに、図22(e)に示すように、DutyMax検出回路760の出力DMC_O2は、DMC_O1をローパスフィルタで平滑化した後の信号であるが、DMC_O1のオンの時間が長くなるので、徐々に電圧が上昇する。ここまでは第3の実施の形態の具体的回路例について述べた動作とほぼ同じである。
そして、電圧検出信号調整回路780における三角波信号VTW_3の電圧よりDMC_O2の電圧が低い期間については、図22(f)に示すように電圧検出信号調整回路780のコンパレータ534の出力DMC2_Oがオンになる。また、この信号DMC2_Oをローパスフィルタで平滑化した信号VQG(図示せず)が生成される。この信号VQGにより電圧検出信号調整回路780のFET(S51)のオン/オフが行われ、第2の実施の形態の具体的回路例とは異なり、本例ではFET(S51)がオフで、コンデンサC52から放電される状態が通常である。しかし、スイッチングパルスのデューティー比が最大になると、FET(S51)がオフになる期間が長くなると共に頻繁にオフになるようになって、図22(f)に示すように、トランジスタT1のベースに印加される電圧VQBが上昇するようになる。すなわち、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が過去所定期間内において高くなると、トランジスタT1がオンとなる頻度及び期間が長くなり、図22(g)に実線で示すように電圧検出信号調整回路780のオペアンプ531の出力電圧Vof2が引き下げられる。点線は調整が行われなかった場合のカーブを表す。そうすると、電圧検出信号調整回路780の出力Vof3は、反対に上昇することになる。
一方、基準電圧V_Vrefは固定であるから、電圧誤差検出回路770に入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。そうすると、図22(h)に示すように、電圧検出信号調整回路780の出力Vof3が引き上げられた後、出力Vof3の電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、電圧誤差検出回路770のオペアンプ771の出力A2_Out(ここでは補正後A2_Out)も、徐々に下がってゆく。また、図22(h)に示すように、駆動信号発生回路530のコンパレータ531の負極側入力端子の三角波VTW_1の電圧より下がる期間が長くなる。そうすると、図22(i)に示すように、スイッチングパルス(補正後Pulと表す)のオンの幅が短くなる。すなわち、電圧誤差検出回路770からすると、デューティー比を高くして、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のオンの期間を長くして、より多くの電力を太陽電池100から引き出そうとして動作した結果、あたかもこの動作に効果があったように作用する。従って、電圧検出信号調整回路780の出力Vof3の電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなって、デューティー比を低くしたということである。
これによって上で述べたように太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、D/Dコンバータ回路510の出力Voが上昇するようになる。その後、太陽電池100からD/Dコンバータ回路510が電力を引き出すように動作すれば、図22(b)に示すように電圧Voが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返すようになる。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
[実施の形態5]
図23に、第5の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。図23に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置800と、電力変換装置800からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置800で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路600と、蓄電池充放電制御回路600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。
電力変換装置800は、(A)スイッチを有し且つ太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路510と、(B)D/Dコンバータ回路510の出力電圧に応じた電圧の出力信号Vo_fbを出力する出力電圧検出回路520と、(C)出力電圧検出回路520の出力信号の電圧と基準電圧との差に応じた信号A2_Outを生成する電圧誤差検出回路550bと、(D)蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧Vbi_fbと基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号A1_Outを生成する電流誤差検出回路540と、(E)蓄電池充放電制御回路600からの制御切換信号Pul_CVに応じて電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路550bの出力に切換える切換回路580と、(F)電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路550bからの出力に応じてD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成してD/Dコンバータ回路510に出力する駆動信号発生回路530bと、(G)駆動信号発生回路530bからスイッチングパルスのデューティー比に応じた信号Dutyを受け取り且つデューティー比が所定の最大値になったことを検出するDutyMax検出回路560bと、(H)DutyMax検出回路560bからの検出信号に応じて初期基準電圧Vref_1を調整して調整後の出力電圧V_Vrefを電圧誤差検出回路550bに出力する基準電圧調整回路570bと、(I)DutyMax検出回路560bからの検出信号に応じて駆動信号発生回路530bが生成するスイッチングパルスのデューティー比を強制的に引き下げる電力制限回路860と、(J)切換回路580と連動して定電圧制御を有効化している場合、すなわち電圧誤差検出回路550bの出力を駆動信号発生回路530bに入力する場合、DutyMax検出回路560bの出力を電力制限回路860に伝える第2切換回路870とを有する。
蓄電池充放電制御回路600は、負荷蓄電池300に対する供給電圧を検出する蓄電池電圧検出回路610と、蓄電池電圧検出回路610からの出力に応じて負荷蓄電池300に対する満充電保護動作を実施する満充電保護回路620と、蓄電池電圧検出回路610からの出力に応じて負荷蓄電池300に対して過放電保護動作を実施する過放電保護回路630と、負荷蓄電池300に流れる電流を検出する蓄電池充電電流検出回路650と、満充電保護回路620からの出力及び蓄電池充電電流検出回路650からの出力に応じて定電流制御と定電圧制御とを切換えるための信号Pul_CVを出力する制御切換回路640とを有する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路550bと駆動信号発生回路530bとDutyMax検出回路560bと基準電圧調整回路570bと電力制限回路860とにより、MPPTを実現する定電圧制御回路が構成される。また、電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530bとにより、定電流制御回路が構成される。
図23に示した蓄電池充放電制御回路600の動作については第2の実施の形態と同じであるから、本実施の形態では説明を省略する。蓄電池充放電制御回路600を導入することによって、図4に示すような制御が実現され、効率的に蓄電が行われるようになる。また、満充電保護回路620及び過放電保護回路630が適切に動作して、安全に蓄電及び放電が行われる。
なお、第2切換回路870は、切換回路580が電圧誤差検出回路550bからの信号を駆動信号発生回路530bに出力するようにスイッチングしたのと同期して、電力制限回路860の出力を駆動信号発生回路530bに伝えるように動作する。
また、制御切換回路640は、供給電力不足を検出する低電流検出回路と、当該低電流検出回路からの、供給電力不足を検出したことを表す検出信号と満充電保護回路620からの、満充電を検出したことを表す信号Pul_FCとの論理和を計算するOR回路とを有している場合もある。このようにすれば、供給電力不足を検出した場合、又は満充電を検出した場合には、定電流制御からMPPTを伴う定電圧制御に切り換える切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。一方、供給電力が十分で且つ充電中であればMPPTを伴う定電圧制御から定電流制御に切り換える切換信号Pul_CVを切換回路580に出力する。
また、電流誤差検出回路540は、蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧と基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号A1_Outを生成して、切換回路580に出力する。すなわち、電流誤差検出回路540の出力が切換回路580により選択された場合には、負荷蓄電池300に流れる電流が一定になるように、駆動信号発生回路530bではD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成する。
次に、図24を用いて、図23に示した電力変換装置800の動作について説明する。なお、第3の実施の形態と同じように、太陽電池100からの出力電力をPpv、電力変換装置800の出力電圧をVo、出力電力をPout、駆動信号発生回路530bからDutyMax検出回路560bへの出力をDuty、初期基準電圧をVref_1、基準電圧調整回路570bから電圧誤差検出回路550bへの出力電圧をV_Vrefと表すものとする。
本実施の形態でも、図9(a)及び(b)に基づき、図24(a)乃至(e)により電力変換装置800の動作を説明する。
図24(a)は、太陽電池100からの出力電力Ppv、電力変換装置800の出力電圧Poutの時間変化を表している。なお、電力変換装置800による損失があるので、必ずPpv>Poutの関係が成り立つ。比較のため、最大電力点Ppv_maxも示されている。また、図24(b)は、電力変換装置800の出力電圧Voの時間変化を表す。図24(c)は、基準電圧調整回路570bからの基準電圧V_Vrefの時間変化を表す。比較のため初期基準電圧Vref_1も示されている。図24(d)は、駆動信号発生回路530bの出力Dutyの時間変化を表す。なお、出力Dutyについて予め定められた最大値DutyMaxも比較のため示されている。なお、図24(e)は、駆動信号発生回路530bがD/Dコンバータ回路510へ出力するスイッチングパルスのデューティー比を示している。
まず、太陽電池100からの出力電力が、電力点Aより小さい電力から電力点Aを超えて電力点Mに到達するまでについては、D/Dコンバータ回路510と出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路550bと駆動信号発生回路530bとが通常どおり動作する。すなわち、基準電圧調整回路570bでは何もせずに初期基準電圧Vref_1がそのまま出力され(図24(c))、V_Vref=Vref_1であって、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbとの差に応じて電圧誤差検出回路550b及び駆動信号発生回路530bは、D/Dコンバータ回路510のスイッチにスイッチングを行わせる。
具体的には、電力点Aを超えて太陽電池100から電力を引き出そうとすると、D/Dコンバータ回路510をそれまでと同じように駆動するだけでは出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが下がってしまう。そこで、電圧誤差検出回路550b及び駆動信号発生回路530bは、図24(d)に示すように、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及びDutyの電圧を徐々に上げるように動作する。このようにすれば、図24(b)に示すように、電力変換装置800の出力電圧Voが一定に維持される。
その後、太陽電池100から引き出す電力が電力点Mに達すると、図24(a)に示すように、太陽電池100からの出力電力Ppvは低下するので、それにつられて電力変換装置800の出力電力Poutも低下する。また、図9(b)からも分かるように、出力電圧Voも低下してしまう。そうすると、電圧誤差検出回路550b及び駆動信号発生回路530bは、Vo_fbとV_Vrefとの差が大きくなったことを検出して、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及び信号Dutyの電圧をDutyMaxにまで上昇させる。
このような状況が発生すると、DutyMax検出回路560bは、信号Dutyの電圧がDutyMaxに達したことを検出して、基準電圧調整回路570b及び電力制限回路860に検出信号を出力する。基準電圧調整回路570bは、DutyMax検出回路560bからの検出信号に応じて、初期基準電圧Vref_1を引き下げるように調整して調整後の電圧V_Vrefを、電圧誤差検出回路550bに出力する。この様子を図24(c)に示す。基準電圧の引き下げ幅は、DutyMax検出回路560bから所定期間内に検出信号が出力される頻度又は割合に応じたものとなる。
さらに、電力制限回路860は、早期にD/Dコンバータ回路510による太陽電池100からの電力引き出しレベルを下げる。このため、DutyMax検出回路560bからの検出信号に応じて、D/Dコンバータ回路510のスイッチのスイッチングを制御するための信号、例えば、スイッチングパルスそのもの又はスイッチングパルスの生成に用いられる信号を引き下げるように、駆動信号発生回路530bに作用する。これによって、図24(e)に点線で示すように、スイッチングパルスのデューティー比は、一時的に引き下げられる。
なお、図24(a)に示すように、電圧誤差検出回路550b及び駆動信号発生回路530bがD/Dコンバータ回路510を駆動し過ぎると太陽電池100から引き出される電力も低下する。そして、当該電力と太陽電池100の実際の出力電力Ppvとが、電力点Bで釣り合うことになる。そうすると、図24(a)及び(b)に示すように、電力変換装置800の出力電圧Vo及び出力電力Poutは下げ止まる。
また、図24(d)に示すように、電圧誤差検出回路550bは、Vo_fbとV_Vrefとの差が小さくなったことを検出して、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及び信号Dutyの電圧を引き下げる。そうすると、電圧誤差検出回路550b及び駆動信号発生回路530bによるD/Dコンバータ回路510の駆動により太陽電池100から引き出される電流が減少する。しかし、通常、太陽電池100から引き出される電流の減少幅はやや多めになるため、図9(a)に示すように、最大電力点Mを通過して電力点Cまで戻ってしまう。図24(a)に示すように、この間、太陽電池100の出力電力Ppvは、一旦増加するが再度減少してしまう。電力変換装置800の出力電圧Voについては、図24(b)に示すように、この間のD/Dコンバータ回路510の駆動レベルに応じて徐々に上昇してゆく。
なお、図24(c)に示すように、基準電圧調整回路570bによる基準電圧V_Vrefの調整には遅延があって、信号Dutyの電圧がDutyMaxから下がっても、直ぐには調整が終了しない。さらに初期基準電圧Vref_1への復帰には時定数があるので、基準電圧V_Vrefは徐々に上昇することになる。
この後、図24(d)に示すように、電圧誤差検出回路550b及び駆動信号発生回路530bは、Vo_fbと基準電圧V_Vrefとの差に応じてD/Dコンバータ回路510を駆動して太陽電池100からより多くの電力を引き出すように、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比及び信号Dutyの電圧を上昇させる。
そうすると、図24(a)に示すように、太陽電池100の出力電力Ppvは上昇して再度電力点Mに達する。この後の動作は、最初に電力点Mに達した後とほぼ同じになる。但し、図24(c)に示すように、基準電圧V_Vrefは、電力点Mでも、初期基準電圧Vref_1に戻っておらず、電力変換装置800の出力電圧Voも目標値に達していないので、動作としては同じでも基準電圧V_Vrefの引き下げ幅などは若干異なってくる。このように完全に同じ動作ではないので、電力点CではなくC1やC2、電力点BではなくB1やB2で、図9(a)のカーブ上動作を切り替えることになる。
結局のところ、最大電力点をはさんで電力点B又はその近傍と電力点C又はその近傍間を行き来することになる。すなわち、最大電力点追跡が可能となっている。上で述べた動作は、太陽電池100の発電電力が一定であることを前提としている。しかし、発電電力が一定になることは一般的には無いので最大電力点自体も変動するが、動作は同様である。
なお、電力点Bと電力点Cの差は、出力電力や出力電圧に応じて決まるが、D/Dコンバータ回路510などを含む制御系のゲイン調整で調整することができる。すなわち、より最大電力点近傍で動作させることができる。
[実施の形態5の実施例1]
次に、図25を用いて電流誤差検出回路540と電圧誤差検出回路550bとDutyMax検出回路560bと基準電圧調整回路570bと切換回路580と駆動信号発生回路530bと電力制限回路860と第2切換回路870との具体的回路例を説明する。なお、蓄電池充放電制御回路600の構成及び動作については、第3の実施の形態の実施例と同じであるから説明を省略する。
電圧誤差検出回路550bは、接続端子Bを介して出力電圧検出回路520に接続されており、抵抗R11乃至R14と、コンデンサC11及びC12と、オペアンプ551とを有する。出力電圧検出回路520の出力Vo_fbは抵抗R11及びR12の一端に接続され、抵抗R11の他端はコンデンサC11の一端に接続され、コンデンサC11の他端と抵抗R12の他端とは、オペアンプ551の負極側入力端子に接続されている。また、オペアンプ551の負極側入力端子には、コンデンサC12の一端及び抵抗R13の一端と接続されており、コンデンサC12の他端は抵抗R14の一端に接続され、抵抗R14の他端と抵抗R13の他端とはオペアンプ551の出力端子に接続される。さらに、オペアンプ551の正極側入力端子には、基準電圧調整回路570bの出力が接続されている。
電流誤差検出回路540は、接続端子Cを介して蓄電池電流検出回路650に接続されており、抵抗R541乃至R544と、コンデンサC541及びC542と、オペアンプ541と、基準電流値に対応する電圧を出力する直流電源I_Vrefとを有する。蓄電池電流検出回路650の出力Vbi_fbは抵抗R541及びR542の一端に接続され、抵抗R542の他端はコンデンサC541の一端に接続され、コンデンサC541の他端と抵抗R541の他端とは、オペアンプ541の負極側入力端子に接続されている。また、オペアンプ541の負極側入力端子には、コンデンサC542の一端及び抵抗R543の一端と接続されており、コンデンサC542の他端は抵抗R544の一端に接続され、抵抗R544の他端と抵抗R543の他端とはオペアンプ541の出力端子に接続される。さらに、オペアンプ541の正極側入力端子には、基準電流値に対応する電圧を出力する直流電源I_Vrefの正極側端子に接続されている。直流電源I_Vrefの負極側端子は接地されている。
切換回路580は、アナログスイッチ582及び583と、NOT回路581とを含む。図11で説明した制御切換回路640のOR回路642の出力は、端子Dを介してNOT回路581の入力側端子と、アナログスイッチ583の制御端子とに接続されている。NOT回路581の出力端子は、アナログスイッチ582の制御端子に接続されている。アナログスイッチ582の入力側端子には、電流誤差検出回路540の出力A1_Outが接続されており、アナログスイッチ582の出力側端子は駆動信号発生回路530bに接続されている。アナログスイッチ583の入力側端子には、電圧誤差検出回路550bの出力A2_Outが接続されており、アナログスイッチ583の出力端子は駆動信号発生回路530bに接続されている。
制御切換回路640のOR回路642の出力がハイになると、端子Dを介してNOT回路581の出力はローになるので、アナログスイッチ582はオフのままになるが、アナログスイッチ583はオンになるので、電圧誤差検出回路550bからの出力A2_Outが駆動信号発生回路530bに出力される。逆に、制御切換回路640のOR回路642の出力がローになると、端子Dを介してNOT回路581の出力がハイになるので、アナログスイッチ582はオンになって、電流誤差検出回路540の出力A1_Outが駆動信号発生回路530bに出力されるが、アナログスイッチ583はオフになる。
駆動信号発生回路530bは、コンパレータ531と三角波発生器532と抵抗R76とを含む。コンパレータ531の正極側入力端子には、切換回路580の出力が接続されており、コンパレータ531の負極側入力端子には、三角波発生器532が接続されている。コンパレータ531の出力端子は、抵抗R76及び接続端子Aを介して図11で説明したD/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に接続される。また、抵抗R76の端子A側の端子は、電力制限回路860にも接続されている。
また、DutyMax検出回路560bは、コンパレータ562と、電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2とを有する。コンパレータ562の正極側入力端子は、切換回路580の出力に接続されており、コンパレータ562の負極側入力端子は、直流電源Vref_2の正極側端子に接続されている。直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。コンパレータ562の出力DMC_Oは、第2切換回路870と基準電圧調整回路570bとに接続されている。
DutyMax検出回路560bは、切換回路580及び第2切換回路870によりMPPTを伴う定電圧制御がイネーブルされて電圧誤差検出回路550bの出力が駆動信号発生回路530bに出力されている間に、有効に動作する。より具体的には、コンパレータ562は、駆動信号発生回路530bに対する入力信号(電圧誤差検出回路550bの出力信号A2_Out)の電圧と、駆動信号発生回路530bの出力であるスイッチングパルスのデューティー比が最大となる際に駆動信号発生回路530bに入力される入力信号の電圧とほぼ同一の電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2の出力電圧Vref_2とを比較する。そして、入力信号A2_Outの電圧が電圧Vref_2より高くなると、コンパレータ562は、その間にパルス波DMC_Oを、第2切換回路870及び基準電圧調整回路570bに出力する。
基準電圧調整回路570bは、抵抗R71乃至R74と、コンデンサC61と、n型のFET(S62)とを有する。抵抗R71の一端は、DutyMax検出回路560bの出力と接続されており、抵抗R71の他端は、FET(S62)のゲート端子に接続されている。FET(S62)のソース端子は接地されており、FET(S62)のドレイン端子は抵抗R72の一端とR73の一端と抵抗R74の一端とに接続されている。抵抗R72の他端は、電力変換装置800の電源Vcc(出力電圧もVccと記す)に接続されており、抵抗R73の他端は接地されている。抵抗R74の他端は、コンデンサC61の一端及び電圧誤差検出回路550bのオペアンプ551の正極側入力端子に接続されている。基準電圧調整回路570bの出力V_Vrefの初期電圧、すなわち初期基準電圧は、Vcc×(R73/(R73+R72))の計算式で計算される。なお、R72は抵抗R72の抵抗値であり、R73は抵抗R73の抵抗値とする。DutyMax検出回路560bからの出力がローであれば、コンデンサC61には、初期基準電圧で電荷がチャージされる。一方、DutyMax検出回路560bからの出力がハイになると、コンデンサC61から電荷が放出されて、コンデンサC61の電圧がV_Vrefとなって出力される。
電力制限回路860は、抵抗R75と、n型のFET(S63)とを有する。抵抗R75の一端は、第2切換回路870の出力に接続され、抵抗R75の他端はFET(S63)のゲート端子に接続されている。FET(S63)のソース端子は接地されており、FET(S63)のドレイン端子は、駆動信号発生回路530bの抵抗R76の一端に接続されている。従って、第2切換回路870から伝えられる、DutyMax検出回路560bの出力がハイになると、FET(S63)がオンになり、結果として駆動信号発生回路530bの出力がローに引き下げられることになる。
第2切換回路870は、アナログスイッチ871を含む。図11で説明した制御切換回路640のOR回路642の出力Pul_CVは、端子Dを介してアナログスイッチ871の制御端子に接続されている。アナログスイッチ871の入力側端子には、DutyMax検出回路560bのコンパレータ562の出力が接続されており、アナログスイッチ871の出力側端子は電力制限回路860に接続されている。このようにして、電圧誤差検出回路550bの出力が駆動信号発生回路530bに伝えられている間は、電力制限回路860にDutyMax検出回路560bの出力を伝えるようになっている。
次に、図26及び図27を用いて、本実施例に係る電力変換装置800の動作について説明する。なお、上で述べたように蓄電池充放電制御回路600の構成及び動作については第3の実施の形態に係る具体的回路例と同じであるから、説明を省略する。
まず、図9(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図26(a)乃至(g)を用いて説明する。なお、図26(a)乃至(g)は、ある短い時間の動作を示しており、図25に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
図26(a)は、駆動信号発生回路530bの出力であるスイッチングパルスPulを表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっている。図26(b)に示すD/Dコンバータ回路510の出力電圧Vo、及び図26(c)に示す出力電圧検出回路520の出力信号Vo_fbは、図中、それらの波形は大げさに示されている。しかし、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、D/Dコンバータ回路510の出力信号Voの電圧の平均値Vo_aveもほぼ一定となっている。なお、図26(a)乃至(g)の状態では、DutyMax検出回路560bと基準電圧調整回路570bと電力制限回路860とは有効に動作しておらず、電源電圧VccをR73/(R73+R72)の計算式で抵抗分割することによって得られる電圧が基準電圧調整回路570bの出力電圧V_Vrefとなっている。
図26(c)に示すように、電圧誤差検出回路550bは、Vo_fbとV_Vrefの比較を行い、図26(d)に示すように、Vo_fbとV_Vrefとの差を反転させた電圧の出力信号A2_Outを出力する。図26(a)乃至(g)の状態では、この出力信号A2_Outの電圧は、DutyMax検出回路560bで基準として用いられ且つデューティー比最大に対応する電圧Vref_2より低い電圧となっている。これによって、上で述べたようにDutyMax検出回路560bと基準電圧調整回路570bとは有効に動作しない。動作しない状態を図26(e)乃至(g)に示している。すなわち、出力信号A2_Outの電圧は常にVref_2より低いので、DutyMax検出回路560bのコンパレータ562の出力側信号DMC_Oはオフのままになる。さらに、基準電圧調整回路570bのFET(S62)もオフのままとなる。そうすると、図26(f)に示すように、コンデンサC61の出力電圧V_Vrefは、上で述べたように電源Vccの電圧Vccを抵抗R72及びR73で抵抗分割した結果の値となる。
また、図26(g)に示すように、DutyMax検出回路560bの出力DMC_Oがオフのままであるから、電力制限回路860のFET(S63)もオフのままで、駆動信号発生回路530bの出力Pulには何も変化はない。
次に、図27(a)乃至(i)を用いて、D/Dコンバータ回路510の出力Voが減少し始めた場合の動作について説明する。なお、図26(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
上で説明し且つ図27(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えてD/Dコンバータ回路510が電力を引き出そうとすると、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に対するスイッチングパルスPulのデューティー比は最大となる一方、D/Dコンバータ回路510の出力Voは低下してしまう。図27(c)に示すように、出力Voが低下すると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbも低下する。
一方、電圧誤差検出回路550bは、現在のV_Vrefとの差を反転させるため、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが低下する場合には、電圧誤差検出回路550bの出力A2_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図27(d)に示すように、FET(S1)に対するスイッチングの周期の中で、電圧誤差検出回路550bの出力A2_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_2を上回る期間が長くなる。そして図27(e)に示すように、DutyMax検出回路560bのコンパレータ562の出力DMC_Oがオンになる期間が徐々に長くなる。一方、電力制限回路860のFET(S63)は、DMC_Oがオンになると同じくオンになるため、図27(f)に示すように、電力制限回路860の出力V_pwは、FET(S63)がオンの期間中、ゼロになる。
また、DutyMax検出回路560bの出力DMC_Oに応じて、基準電圧調整回路570bのFET(S62)もオンになるので、コンデンサC61から放電されるようになる。従って、放電する時間が長いほど又放電頻度が高いほど、基準電圧V_Vrefは下がってゆくことになる。図27(g)に示すように、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が、過去所定期間内において高くなると、頻繁に且つ長い期間コンデンサC61の放電が行われるようになるので、結果としてV_Vrefは徐々に下がってゆく。
そうすると、図11で説明した出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧も下がり、さらに基準電圧V_Vrefも下がってゆくので、電圧誤差検出回路550bに入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。また、図27(h)に示すように、基準電圧V_Vrefが下げられた後、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、電圧誤差検出回路550bのオペアンプ551の出力A2_Out(ここでは補正後A2_Out)も、徐々に下がってゆく。そうすると、図27(h)に示すように、駆動信号発生回路530bのコンパレータ531の負極側入力の三角波VTW_1の電圧より下がる期間が長くなる。そうすると、図27(i)において時間軸方向の点線で示すように、スイッチングパルス(補正後Pulと表す)のオンの幅が短くなる。
このように、電圧誤差検出回路550bは、デューティー比を高くして、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のオンの期間を長くして、より多くの電力を太陽電池100から引き出そうとして動作する。その結果、あたかもこの動作に効果があったようにみえる。従って、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなったので、デューティー比を低くしたということである。
但し、図27(i)に実線で示したように、DMC_Oがオンになる期間は、電力制限回路860によって強制的に電圧ゼロにさせられるので、第3の実施の形態の場合に比して、早期にスイッチングパルス(補正後Pul)のオンの幅が短くなる。すなわち、早期にD/Dコンバータ回路510の駆動レベルが下げられる。これによって、最大電力点の追跡が高速に行われるようになる。
これによって上で述べたように太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、D/Dコンバータ回路510の出力Voが上昇するようになる。その後、太陽電池100からD/Dコンバータ回路510が電力を引き出すように動作すれば、図27(b)に示すように電圧Voが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返す。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
[実施の形態5における他の具体的回路例]
図25に示したDutyMax検出回路560b及び基準電圧調整回路570bの代わりに、図28に示すようなDutyMax検出回路560c及び基準電圧調整回路570cを採用するようにしても良い。
DutyMax検出回路560cは、オープンコレクタタイプのコンパレータ564及び565と、電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2と、抵抗R81とを有する。
電圧誤差検出回路550bの出力A2_Outは、アナログスイッチ583を介してコンパレータ564の負極側入力端子と、コンパレータ565の正極側入力端子とに入力される。コンパレータ564の正極側入力端子には、直流電源Vref_2の正極側端子が接続され、コンパレータ565の負極側入力端子には、直流電源Vref_2の正極側端子が接続される。直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。なお、コンパレータ565の出力端子は、抵抗R81を介して電源Vccに接続されると共に、第2切換回路870の入力側端子にも接続されている。
基準電圧調整回路570cは、抵抗R83乃至R85と、コンデンサC62とを有する。コンパレータ564の出力端子は、抵抗R83の一端、抵抗R84の一端、抵抗R85の一端に接続されており、抵抗R83の他端は、電源Vccに接続されている。また、抵抗R84の他端は接地されており、抵抗R85の他端は、コンデンサC62の一端及び電圧誤差検出回路550bのオペアンプ551の正極側入力端子に接続されている。コンデンサC62の他端は接地されている。このようにオープンコレクタタイプのコンパレータ564を使用することによって、基準電圧調整回路570bのFETを1つ削減している。基準電圧調整回路570bのFETを除去したため、コンパレータ564の入力が図25の場合とは逆になっている。すなわち、信号A2_Outの電圧がスイッチングパルスのデューティー比の最大値に対応する電圧に達するまでは、コンパレータ564の出力はハイとなる。しかし、オープンコレクタタイプのコンパレータ564であるから、コンデンサC62には抵抗R83及びR84で抵抗分割して得られる初期基準電圧として、Vcc×[R84/(R84+R83)]の計算式で計算された電圧値が印加され、電荷がチャージされる。一方、信号A2_Outの電圧がスイッチングパルスのデューティー比の最大値に対応する電圧に達すると、コンパレータ564の出力はローになり、オープンコレクタタイプのコンパレータ564であるから、コンデンサC62から電荷が放出されるようになる。
なお、第2切換回路870及び電力制限回路860については、図25と同じなので説明を省略する。
[実施の形態6]
図29に、第6の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。なお、本実施の形態は、第3の実施の形態の変形例である。図29に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置900と、電力変換装置900からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置900で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路600と、蓄電池充放電制御回路600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態に係る蓄電池充放電制御回路600の構成及び動作は、上で述べた実施の形態と同じであり、図4に従った制御の切換、すなわち定電流制御とMPPTを伴う定電圧制御との切換は、上で述べた実施の形態と同様に行われる。従って、説明については省略する。
電力変換装置900は、(A)スイッチを有し且つ太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路510と、(B)D/Dコンバータ回路510の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する出力電圧検出回路520と、(C)出力電圧検出回路520の出力信号の電圧と基準電圧との差に応じた信号を生成する電圧誤差検出回路550cと、(D)蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧と基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号を生成する電流誤差検出回路540と、(E)蓄電池充放電制御回路600からの制御切換信号に応じて電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路550cに接続されている誤差信号合成回路910の出力を切換える切換回路580と、(F)電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路550cに接続されている誤差信号合成回路910からの出力に応じてD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成してD/Dコンバータ回路510に出力する駆動信号発生回路530と、(G)電圧誤差検出回路550cからスイッチングパルスのデューティー比に応じた信号を受け取り且つデューティー比が所定の最大値になったことを検出するDutyMax検出回路560cと、(H)DutyMax検出回路560cからの検出信号に応じて初期基準電圧を調整して調整後の基準電圧を電圧誤差検出回路550cに出力する基準電圧調整回路570cと、(I)DutyMax検出回路560cによりデューティー比が所定の最大値になったことを検出した場合にデューティー比を引き下げるように作用する電力制限回路860bと、(J)電圧誤差検出回路550cからの出力信号を電力制限回路860bからの出力に応じて調整する誤差信号合成回路910とを有する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路550cと駆動信号発生回路530とDutyMax検出回路560cと基準電圧調整回路570cと電力制限回路860bと誤差信号合成回路910とにより、MPPTを実現する定電圧制御回路が構成される。また、電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530とにより、定電流制御回路が構成される。
電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530とにより構成される定電流制御回路の動作については、第3の実施の形態などで説明したものと同様であり、ここでは説明を省略する。
次に、出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路550cと駆動信号発生回路530とDutyMax検出回路560cと基準電圧調整回路570cと電力制限回路860bと誤差信号合成回路910とにより構成され、MPPTを実現する定電圧制御回路の動作について簡単に説明する。
DutyMax検出回路560cによりスイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となったことが検出されるまで、出力電圧検出回路520の出力電圧Vo_fbと初期基準電圧Vref_0との差に応じた出力信号が生成される。電圧誤差検出回路550cの出力信号が、誤差信号合成回路910で調整されること無く(多少のレベルシフト以外の調整がない)、切換回路580を介して駆動信号発生回路530に出力される。
一方、DutyMax検出回路560cは、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となったことを検出すると、検出信号を基準電圧調整回路570c及び電力制限回路860bに出力する。そうすると、基準電圧調整回路570cは、初期基準電圧Vref_0を引き下げるように調整して基準電圧V_Vrefを生成し、誤差信号合成回路910に出力する。初期基準電圧Vref_0の引き下げ幅は、例えばDutyMax検出回路560cから所定期間内に検出信号が出力される頻度又は割合に従って決定される。
また、電力制限回路860bは、検出信号を受け取ると、例えばDutyMax検出回路560cからの検出信号がハイで継続する期間、電圧誤差検出回路550cの出力信号の電圧を強制的に引き下げる(すなわち、スイッチングパルスのデューティー比を強制的に引き下げる)ように、誤差信号合成回路910に指示信号を出力する。そして、誤差信号合成回路910は、電圧誤差検出回路550cからの信号を電力制限回路860bからの指示信号に従って、スイッチングパルスのデューティー比を引き下げるように調整し、調整後の信号を切換回路580に出力する。
このようにすれば、第3の実施の形態よりも早くスイッチングパルスのデューティー比を引き下げ、D/Dコンバータ回路510の駆動レベルを早期に引き下げることができるようになる。すなわち、太陽電池100から電力を引き出しすぎた状態を早期に是正でき、高速に電力最大点追跡が実施されるようになる。
なお、第5の実施の形態と同じように電力制限回路を導入するものであるが、第6の実施の形態を採用すれば、第2切換回路が不要になる。また、第5の実施の形態に係る電力制限回路860は、スイッチングパルス自体を調整するのでスイッチングパルスのパルス周期とは無関係に動作してしまう可能性がある。一方、第6の実施の形態を採用すれば、誤差信号合成回路910が電圧誤差検出回路550cの出力信号を調整するので、スイッチングパルスのパルス周期を乱すことなく、スイッチングパルスのデューティー比を引き下げることができる。
[実施の形態6の実施例]
第6の実施の形態における具体的回路例を図30に示す。なお、太陽電池100、D/Dコンバータ回路510、出力電圧検出回路520、負荷蓄電池300及び負荷A乃至Cなどと蓄電池充放電制御回路600は第3の実施の形態と同じであるから、図示は省略する。すなわち、図30に、本実施例に係る電圧誤差検出回路550cと切換回路580と駆動信号発生回路530とDutyMax検出回路560cと基準電圧調整回路570cと電流誤差検出回路540と電力制限回路860bと新たに加わった誤差信号合成回路910との具体的回路例を示す。
但し、電流誤差検出回路540、駆動信号発生回路530及び切換回路580については既に述べたものと同じであるから説明を省略する。
同様に、DutyMax検出回路560cと基準電圧調整回路570cと電圧誤差検出回路550cは、第5の実施の形態の実施例で述べた回路と同じであるから、これらについても説明を省略する。
誤差信号合成回路910は、オペアンプ6121と、抵抗R91乃至R95と、コンデンサC71とを有する。オペアンプ6121の正極側入力端子には、電圧誤差検出回路550cの出力A2_Outが接続されており、オペアンプ6121の負極側入力端子には、抵抗R91の一端と抵抗R95の一端とが接続されている。抵抗R91の他端は接地されており、抵抗R95の他端はオペアンプ6121の出力端子と接続されている。オペアンプ6121の出力端子は、抵抗R92の一端と接続されており、抵抗R92の他端は、抵抗R93の一端と電力制限回路860bの出力V_pwと接続されている。抵抗R93の他端は、コンデンサC71の一端と抵抗R94の一端と切換回路580の入力側端子とに接続されている。コンデンサC71の他端と抵抗R94の他端とは接地されている。
誤差信号合成回路910のオペアンプ6121は、非反転バッファとして機能し、抵抗R95及びR91の抵抗値R95及びR91から、入力A2_Outを(1+R95/R91)倍した信号を生成する。この信号の電圧は、電力制限回路860bが動作する場合にはその出力によって一時的に引き下げられるが、抵抗R93及びR94並びにコンデンサC71のローパスフィルタで平滑化される。そうすると信号A3_Outが生成されて、切換回路580のアナログスイッチ583に出力される。
また、電力制限回路860bは、n型のFET(S301)と、抵抗R75とを有する。FET(S301)のドレイン端子は、抵抗R92及びR93の接続点に接続されており、ゲート端子は、抵抗R75の一端に接続されており、ソース端子は接地されている。抵抗R75の他端は、DutyMax検出回路560cの出力に接続されている。DutyMax検出回路560cから、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値になったことを検出したことを知らされると、FET(S301)がオンになり、誤差信号合成回路910のオペアンプ6121の出力を、強制的に引き下げるように作用する。
次に、図31及び図32を用いて、MPPTを伴う定電圧制御を行う場合の処理について説明する。上でも述べたが、定電流制御については、既に述べたとおりであり、さらに制御の切換についても上で述べたものと同様であるから、ここでは説明を省略する。
まず、図9(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図31(a)乃至(g)を用いて説明する。なお、図31(a)乃至(g)は、ある短い時間の動作を示しており、図30に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
図31(a)は、駆動信号発生回路530の出力であるスイッチングパルスPulを表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっている。図31(b)に示すD/Dコンバータ回路510の出力電圧Vo、及び図31(c)に示す出力電圧検出回路520の出力信号Vo_fbは、図中、それらの波形は大げさに示されている。しかし、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、D/Dコンバータ回路510の出力信号Voの電圧の平均値Vo_aveも一定となっている。なお、図31(a)乃至(g)の状態では、DutyMax検出回路560cと基準電圧調整回路570cと電力制限回路860bとは動作していない。電源電圧VccをR73/(R73+R72)の計算式で示されるように抵抗分割することによって得られる電圧が基準電圧調整回路570cの出力電圧V_Vrefとなっている。
図31(c)に示すように、電圧誤差検出回路550cは、Vo_fbとV_Vrefとの比較を行い、図31(d)に示すように、Vo_fbとV_Vrefとの差を反転させた電圧の出力信号A2_Outを出力する。さらに、図31(d)に示すように、誤差信号合成回路910の非反転バッファは、出力信号A2_Outよりも若干高い電圧の信号A3_Outを生成する。図31(d)は、その差を強調表示しているので、実際にはこのような差を出すわけではない。
なお、図31(d)に示すように、出力信号A2_Outの電圧は、D/Dコンバータ回路510に対するスイッチングパルスのデューティー比を最大にする際の電圧Vref_2より低いので、DutyMax検出回路560c、基準電圧調整回路570c及び電力制限回路860bは、動作しない。すなわち、図31(e)乃至(g)に示すように、DutyMax検出回路560cの出力DMC_Oは、ローのままで変化せず、その結果基準電圧調整回路570cの出力V_Vrefも変化しない。さらに、電力制限回路860bのFET(S301)もオンにならないので、図31(g)に時間軸方向の点線で示したように電力制限回路860bの出力V_pwは一定である。
次に、図32(a)乃至(i)を用いて、D/Dコンバータ回路510の出力Voが減少し始めた場合の動作について説明する。なお、図32(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
上で説明し且つ図32(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えてD/Dコンバータ回路510が電流を引き出そうとすると、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に対するスイッチングパルスPulのデューティー比は最大となる。一方、D/Dコンバータ回路510の出力Voは低下してしまう。図32(b)及び(c)に示すように、出力Voが低下すると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbも低下する。
一方、電圧誤差検出回路550cは、出力Vo_fbと現在のV_Vrefとの差を反転させるため、出力電圧検出回路520のVo_fbが低下するならば、電圧誤差検出回路550cの出力A2_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図32(d)に示すように、FET(S1)に対するスイッチングの周期の中で、電圧誤差検出回路550cの出力A2_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_2を上回る期間が長くなる。また、図32(e)に示すように、DutyMax検出回路560cのコンパレータ562の出力DMC_Oがオンになる期間が徐々に長くなる。一方、電力制限回路860bのFET(S301)は、DMC_Oがオンになると同じくオンになるため、図32(f)に示すように、電力制限回路860bの出力V_pwは、FET(S301)がオンの期間中、ゼロになる。
また、DutyMax検出回路560cの出力DMC_Oに応じて、基準電圧調整回路570cのFET(S302)もオンになるので、コンデンサC61から放電されるようになる。従って、放電する時間が長いほど又放電頻度が高いほど、基準電圧V_Vrefは下がってゆくことになる。図32(g)に示すように、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が、過去所定期間内において高くなると、頻繁に且つ長い期間コンデンサC61の放電が行われるようになるので、結果としてV_Vrefは徐々に下がってゆく。
そうすると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧も下がり、さらに基準電圧V_Vrefも下がってゆくので、電圧誤差検出回路550cに入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。そうすると、図32(h)に示すように、基準電圧V_Vrefが下げられた後、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、電圧誤差検出回路550cのオペアンプ551の出力A2_Out(ここでは補正後A2_Out)も、徐々に下がってゆく。
さらに、この出力A2_Outからオペアンプ6121によって生成される信号は、電力制限回路860bが存在しなければ、図32(h)において点線で示すように、図32(d)の出力A2_Outと同じ波形となる。このため、図32(f)に示した、電力制限回路860bの出力V_pwによって、オペアンプ6121の出力は強制的に引き下げられる。但し、電圧が引き下げられるのは、図32(f)で電圧がゼロになっている期間だけである。オペアンプ6121の後段にはローパスフィルタが設けられているので、図32(h)に示すように、図32(f)で電圧がゼロになっている期間は出力信号A3_Outの電圧は下がり、その期間が終了して出力A2_Outの電圧が上昇すれば、それに応じて信号A3_Outの電圧も上昇する。すなわち、補正後A2_Out及び補正後A3_Outが生成される。
そうすると、図32(h)に示すように、駆動信号発生回路530のコンパレータ531の負極側入力の三角波VTW_1の電圧より低くなる期間が長くなる。従って、図32(i)において点線で示すように補正後A2_Outをベースにスイッチングパルスを生成する場合に比して、出力A3_Outをベースにスイッチングパルスを生成する場合(補正後Pulと表す)、パルスのオンの幅がより短くなる。
このように、電圧誤差検出回路550cからすると、デューティー比を高くして、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のオンの期間を長くして、より多くの電力を太陽電池100から引き出そうとして動作した結果、あたかもこの動作に効果があったようにみえる。従って、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbの電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなったので、デューティー比を低くする。本実施例では、さらに、スイッチングパルスのデューティー比を強制的に、但しスイッチングパルスの周期に合わせて引き下げることによって、早期にD/Dコンバータ回路510の駆動レベルを引き下げている。すなわち、消費電力を増加させずに最大電力点の追跡が高速に行われるようになる。
これによって太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、D/Dコンバータ回路510の出力Voが上昇するようになる。その後、太陽電池100からD/Dコンバータ回路510が電力を引き出すように動作すれば、図32(b)に示すように電圧Voが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返すようになる。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
[実施の形態7]
図33に、第7の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。なお、本実施の形態は、第4の実施の形態の変形例である。図33に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置1100と、電力変換装置1100からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置1100で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路600と、蓄電池充放電制御回路600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。さらに、蓄電池充放電制御回路600の構成及び動作についても、第4の実施の形態と同様であるから、説明を省略する。
電力変換装置1100は、(A)スイッチを有し且つ太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路510と、(B)D/Dコンバータ回路510の出力電圧に応じた電圧の出力信号Vo_fbを出力する出力電圧検出回路520と、(C)出力電圧検出回路520からの出力信号Vo_fbを調整した信号(以下で述べる電圧検出信号調整回路780bの出力)の電圧と固定基準電圧との差に応じた信号A2_Outを生成する電圧誤差検出回路770bと、(D)蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流に応じた電圧と基準電流値に対応する電圧との差に応じた電圧の信号A1_Outを生成する電流誤差検出回路540と、(E)蓄電池充放電制御回路600からの制御切換信号Pul_CVに応じて電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路770bからの出力に切換える切換回路580と、(F)電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路770bからの出力に応じてD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成してD/Dコンバータ回路510に出力する駆動信号発生回路530bと、(G)駆動信号発生回路530bからスイッチングパルスのデューティー比に応じた信号を受け取り且つデューティー比が所定の最大値になったことを検出するDutyMax検出回路760bと、(H)DutyMax検出回路760bからの検出信号に応じて出力電圧検出回路520からの出力電圧Vo_fbを調整して調整後の出力電圧Vof3の信号を電圧誤差検出回路770bに出力する電圧検出信号調整回路780bと、(I)MPPTを伴う定電圧制御を行っている間にスイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値になった場合に、スイッチングパルスのデューティー比を強制的に下げるように作用する電力制限回路860cと、(J)切換回路580と連動してMPPTを伴う定電圧制御を行う場合、すなわち電圧誤差検出回路770bの出力を駆動信号発生回路530bに入力する場合、DutyMax検出回路760bの出力を電力制限回路860cに伝える第2切換回路870とを有する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路770bと駆動信号発生回路530bとDutyMax検出回路760bと電圧検出信号調整回路780bと電力制限回路860cとにより、MPPTを実現する電圧制御回路が構成される。また、電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530bとにより、定電流制御回路が構成される。
電流誤差検出回路540及び駆動信号発生回路530bとにより構成される定電流制御回路については、第4の実施の形態と同様であるから、これ以上の説明を省略する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路770bと駆動信号発生回路530bとDutyMax検出回路760bと電圧検出信号調整回路780bと電力制限回路860cとにより構成される、MPPTを実現する電圧制御回路の動作については、第2切換回路870及び電力制限回路860cの動作以外は第4の実施の形態と同じである。
すなわち、D/Dコンバータ回路510が太陽電池100から電流を引き出しすぎて出力電圧が低下するような状態では、電圧誤差検出回路770b及び駆動信号発生回路530bにより、スイッチングパルスのデューティー比を所定の最大値にして、電圧を引き上げようとする。これに対して、DutyMax検出回路760bは、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を検出すると、電圧検出信号調整回路780bに検出信号を出力する。電圧検出信号調整回路780bは、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を所定期間内に検出する頻度(又は割合)に応じて出力電圧検出回路520の検出信号の電圧を上昇させて、基準電圧V_Vrefとの差を狭める。
なお、電圧誤差検出回路770b及び駆動信号発生回路530bによるD/Dコンバータ回路510の駆動により太陽電池100から引き出される電力も低下して、当該電力と太陽電池100の出力電力とが、図9(a)の電力点Bで釣り合うことになる。そうすると、電力変換装置1100の出力電圧Vo及び出力電力Poutは下げ止まる。
本実施の形態では、MPPTを伴う定電圧制御中、第2切換回路870は、DutyMax検出回路760bからの検出信号を電力制限回路860cに出力するようにスイッチングを行う。そして、DutyMax検出回路760bからの検出信号に応じて、電力制限回路860cは、駆動信号発生回路530bが生成及び出力したスイッチングパルスのデューティー比を強制的に引き下げるように作用する。
その後、基準電圧Vref_1と調整後検出信号の電圧Vof3との差が狭くなると、電圧誤差検出回路770b及び駆動信号発生回路530bは、スイッチングパルスのデューティー比を所定の最大値から引き下げる。また、調整後検出信号に対する調整量は、時定数があるので、すぐには0にならないので、徐々に減少することになる。
このような動作以外の部分は、ほとんど第4の実施の形態と同様である。従って、第4の実施の形態と同様に、最大電力点を安価な回路素子で高速で追跡させることができるようになる。
[実施の形態7の実施例]
第7の実施の形態における具体的回路例を図34に示す。なお、太陽電池100、D/Dコンバータ回路510、出力電圧検出回路520、蓄電池充放電制御回路600、負荷A乃至Cなどは第3の実施の形態と同じであるから、図示を省略する。また、蓄電池充放電制御回路600の動作についても、図4に示した制御切換を実現するものであり、説明を省略する。
また、電流誤差検出回路540及び切換回路580の構成及び動作についても第4の実施の形態と同じであるから、説明を省略する。
DutyMax検出回路760bは、コンパレータ5511と、電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2とを有する。コンパレータ5511の正極側入力端子は、切換回路580の出力側端子に接続されており、コンパレータ5511の負極側入力端子は、直流電源Vref_2の正極側端子に接続されている。直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。コンパレータ5511の出力は、電圧検出信号調整回路780bに接続されている。
DutyMax検出回路760bのコンパレータ5511は、駆動信号発生回路530bに対する入力信号A_Outと、駆動信号発生回路530bの出力であるスイッチングパルスPulのデューティー比が最大となる際に駆動信号発生回路530bに入力される信号A_Outの電圧とほぼ同一の電圧を出力する直流電源Vref_2の出力電圧Vref_2とを比較する。そして、信号A_Outの電圧が電圧Vref_2より高くなると、コンパレータ5511は、その間にパルス波DMC_Oを、電圧検出信号調整回路780b及び電力制限回路870に出力する。
電圧検出信号調整回路780bは、オペアンプ5311及び5312と、抵抗R102乃至R109と、トランジスタT2と、コンデンサC101と、電圧V_Vrefを出力する2つの直流電源V_Vrefとを有する。
抵抗R108の一端は、DutyMax検出回路760bの出力に接続されており、抵抗R108の他端は、抵抗R109の一端、抵抗R107の一端及びコンデンサC101の一端に接続されている。抵抗R109の他端及びコンデンサC101の他端は接地されている。抵抗R107の他端は、トランジスタT2のベース端子に接続されている。また、トランジスタT2のエミッタ端子は接地されており、コレクタ端子は、抵抗R106の一端に接続されている。
さらに、抵抗R102の一端は、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbに接続されており、抵抗R102の他端は、抵抗R103の一端及びオペアンプ5311の負極側入力端子に接続されている。オペアンプ5311の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されており、直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。抵抗R103の他端はオペアンプ5311の出力端子と抵抗R106の他端と抵抗R104の一端に接続されている。
抵抗R104の他端は、抵抗R105の一端とオペアンプ5312の負極側入力端子とに接続されている。オペアンプ5312の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されており、直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。抵抗R105の他端はオペアンプ5312の出力端子と電圧誤差検出回路770bの入力に接続されている。
DutyMax検出回路760bの出力DMC_Oがオンになると、コンデンサC101に電荷が貯まる。DMC_Oがオンになる頻度及び期間が長くなると、コンデンサC101に電荷が貯まって行き、トランジスタT2のベース端子に印加される電圧VGBも上昇する。そうすると、トランジスタT2がオンになるので、オペアンプ5311の出力電圧を引き下げるように作用する。
なお、オペアンプ5311では、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbを反転させており、トランジスタT2がオンになると、オペアンプ5311の出力の電圧Vof2を引き下げるように作用する。その上で、オペアンプ5312は、再度出力Vof2を反転させて、出力Vof3を電圧検出信号調整回路780bの出力として電圧誤差検出回路770bに出力する。より具体的には、Vof2が引き下げられていると、Vof3は引き上げられることになり、あたかも出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが高くなったように、電圧誤差検出回路770bには作用する。
また、第2切換回路870は、アナログスイッチ871を含む。アナログスイッチ871の制御端子は、端子Dを介して制御切換回路640の出力Pul_CVに接続されており、アナログスイッチ871の入力側端子はDutyMax検出回路760bの出力に接続されており、アナログスイッチ871の出力側端子は電力制限回路860cの入力に接続されている。このようにアナログスイッチ871は、制御切換回路640によりハイが出力されると、DutyMax検出回路760bの出力を電力制限回路860cに伝え、制御切換回路640によりローが出力されると、DutyMax検出回路760bの出力を遮断する。
また、電力制限回路860cは、n型のFET(S81)と、抵抗R81とを有する。抵抗R81の一端は第2切換回路870の出力に接続され、抵抗R81の他端はFET(S81)のゲート端子に接続されている。FET(S81)のソース端子は接地されており、ドレイン端子は駆動信号発生回路530bの出力に接続されている抵抗R76の一端と端子Aを介してD/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に接続されている。従って、第2切換回路870を介してDutyMax検出回路760bが出力する信号DMC_Oがハイになると、FET(S81)がオンになって、駆動信号発生回路530bの出力をローに強制的に引き下げる。このようにすることによって、スイッチングパルスPulのデューティー比が下げられるようになるので、D/Dコンバータ回路510の駆動レベルを早期に引き下げて、最大電力点の追跡を高速に行うことができる。
次に、図35を用いて、図34で示した回路の動作の主要部分を説明する。なお、定電流制御については説明を省略し、DutyMax検出回路760bのコンパレータ5511がオンにならない場面での動作は、第4の実施の形態における動作と同じになるので説明を省略する。
図35(a)乃至(i)を用いて、D/Dコンバータ回路510の出力Voが減少し始めた場合の動作について説明する。なお、図35(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
上で説明し且つ図35(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えてD/Dコンバータ回路510が電力を引き出そうとすると、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のゲート端子に対するスイッチングパルスPulのデューティー比は最大となる。一方、D/Dコンバータ回路510の出力Voは低下してしまう。図35(b)及び(c)に示すように、出力Voが低下すると、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbも低下する。
一方、電圧誤差検出回路770bは、出力Vo_fbと固定の基準電圧V_Vrefとの差を反転させるため、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが低下し且つVof2に対する調整が行われない場合には、電圧誤差検出回路770bの出力A2_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図35(d)に示すように、FET(S1)に対するスイッチングの周期の中で、電圧誤差検出回路770bの出力A2_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_2を上回る期間が長くなる。また、図35(e)に示すように、DutyMax検出回路760bのコンパレータ5511の出力DMC_Oがオンになる期間が徐々に長くなる。すなわち、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が過去所定期間内において高くなると、トランジスタT2がオンとなる頻度及び期間が長くなり、図35(f)に薄い実線で示すように電圧検出信号調整回路780bのオペアンプ5311の出力電圧Vof2が引き下げられる。点線は調整が行われなかった場合のカーブを表す。そうすると、電圧検出信号調整回路780bの出力Vof3は、反対に上昇することになる。
一方、基準電圧V_Vrefは固定であるから、電圧誤差検出回路770bに入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。そうすると、図35(h)に示すように、電圧検出信号調整回路780bの出力Vof3が引き上げられた後、出力Vof3の電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、電圧誤差検出回路770bのオペアンプ771の出力A2_Out(ここでは補正後A2_Out)も、徐々に下がってゆく。
そうすると、図35(h)に示すように、駆動信号発生回路530bのコンパレータ531の負極側入力端子の三角波VTW_1の電圧より下がる期間が長くなる。そうすると、図35(i)に実線で示すように、スイッチングパルス補正後Pulのオンの幅が短くなる。すなわち、電圧誤差検出回路770bからすると、デューティー比を高くして、D/Dコンバータ回路510のFET(S1)のオンの期間を長くして、より多くの電力を太陽電池100から引き出そうと動作する。その結果、あたかもこの動作に効果があったかのように作用する。従って、電圧検出信号調整回路780bの出力Vof3の電圧と基準電圧V_Vrefとの差が小さくなったので、デューティー比を低くしたということである。
さらに、本実施例では、図35(g)に示すように、DutyMax検出回路760bの出力DMC_Oがオンになると、電力制限回路860cの出力はゼロになる。すなわち、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを強制的にオフにするように作用するので、図35(i)に実線で示すように、パルス幅がさらに狭くなる。このようにして、D/Dコンバータ回路510による駆動レベルを早期に引き下げることで、最大電力点の追跡を高速に行うことができるようになる。
これによって上で述べたように太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、D/Dコンバータ回路510の出力Voが上昇するようになる。その後、D/Dコンバータ回路510が太陽電池100から電力を引き出すように動作すれば、図35(b)に示すように電圧Voが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返すようになる。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
[実施の形態8]
図36に、第8の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。なお、本実施の形態は、第6及び第7の実施の形態の変形例である。図36に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置1200と、電力変換装置1200からの出力で負荷蓄電池300に対する充放電制御及び電力変換装置1200で必要となる信号の出力を行う蓄電池充放電制御回路600と、蓄電池充放電制御回路600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cも第1の実施の形態と同じである。さらに、蓄電池充放電制御回路600の構成及び動作についても、第4の実施の形態と同様であるから、説明を省略する。
電力変換装置1200は、(A)スイッチを有し且つ太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換するD/Dコンバータ回路510と、(B)D/Dコンバータ回路510の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する出力電圧検出回路520と、(C)出力電圧検出回路520からの出力信号を調整した信号(以下で述べる電圧検出信号調整回路780cの出力電圧)と固定基準電圧との差に応じた信号を生成する電圧誤差検出回路770cと、(D)蓄電池充放電制御回路600からの蓄電池充電電流についての出力と基準電流値との差に応じた電圧の信号A1_Outを生成する電流誤差検出回路540と、(E)蓄電池充放電制御回路600からの制御切換信号Pul_CVに応じて電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路770cに接続されている誤差信号合成回路930の出力A3_Outに切換える切換回路580と、(F)電流誤差検出回路540又は電圧誤差検出回路770cに接続されている誤差信号合成回路930からの出力A3_Outに応じてD/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスを生成してD/Dコンバータ回路510に出力する駆動信号発生回路530cと、(G)電圧誤差検出回路770cからスイッチングパルスのデューティー比に応じた信号を受け取り且つデューティー比が所定の最大値になったことを検出するDutyMax検出回路760cと、(H)DutyMax検出回路760cからの検出信号に応じて出力電圧検出回路520からの出力電圧Vo_fbを調整して調整後の出力電圧Vof3の信号を電圧誤差検出回路770cに出力する電圧検出信号調整回路780cと、(I)MPPTを伴う定電圧制御を行っている間にスイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値になった場合、スイッチングパルスのデューティー比を強制的に下げるように作用する電力制限回路860dと、(J)電圧誤差検出回路770cからの出力信号を電力制限回路860dからの出力に応じてデューティー比を下げるように調整して切換回路580に出力する誤差信号合成回路930とを有する。
MPPTを実現する電圧制御回路は、上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路770cと駆動信号発生回路530cとDutyMax検出回路760cと電圧検出信号調整回路780cと電力制限回路860dと誤差信号合成回路930とを有している。また、定電流制御回路は電流誤差検出回路540と駆動信号発生回路530cとを有している。
電流誤差検出回路540及び駆動信号発生回路530cとにより構成される定電流制御回路については、第4の実施の形態と同様であるから、説明を省略する。
上で述べた出力電圧検出回路520と電圧誤差検出回路770cと駆動信号発生回路530cとDutyMax検出回路760cと電圧検出信号調整回路780cと電力制限回路860dと誤差信号合成回路930とにより構成され、MPPTを実現する定電圧制御回路の動作については、以下のとおりである。
すなわち、D/Dコンバータ回路510が太陽電池100から電流を引き出しすぎて出力電圧が低下するような状態では、電圧誤差検出回路770c及び駆動信号発生回路530cにより、スイッチングパルスのデューティー比を所定の最大値にして、電圧を引き上げようとする。これに対して、DutyMax検出回路760cは、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を検出すると、電圧検出信号調整回路780cに検出信号を出力する。電圧検出信号調整回路780cは、スイッチングパルスのデューティー比が所定の最大値となっている状態を所定期間内に検出する頻度(又は割合)に応じて出力電圧検出回路520の検出信号の電圧を上昇させて、基準電圧V_Vrefとの差を狭める。
なお、電圧誤差検出回路770c及び駆動信号発生回路530cによるD/Dコンバータ回路510の駆動により太陽電池100から引き出される電力も低下して、当該電力と太陽電池100の出力電力とが、図9(a)の電力点Bで釣り合うことになる。そうすると、電力変換装置1200の出力電圧Vo及び出力電力Poutは下げ止まる。
本実施の形態では、電力制限回路860dは、DutyMax検出回路760cから検出信号に応じて、誤差信号合成回路930に対して、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比が下がるように、電圧誤差検出回路770cからの出力信号を調整させる。誤差信号合成回路930は、電力制限回路860dからの指示に応じて、スイッチングパルスのデューティー比が下がるように、電圧誤差検出回路770cからの出力信号に対して調整を行って、調整後の信号を切換回路580を介して駆動信号発生回路530cに出力する。これによって、より早期にD/Dコンバータ回路510の駆動レベルを引き下げることができるようになる。
その後、基準電圧V_Vrefと調整後検出信号の電圧Vof3との差が狭くなると、電圧誤差検出回路770c及び駆動信号発生回路530cは、スイッチングパルスのデューティー比を所定の最大値から引き下げる。また、調整後検出信号の調整量は、時定数があるので、すぐには0にならず、徐々に減少することになる。但し、電力制限回路860dによる調整もあるので、電力制限回路860dを用いない場合に比して、効果が出やすくなっている。また、スイッチングパルスを直接調整するわけではないので、スイッチングパルスの周期に従って調整が行われるため、パルスのオンオフが頻繁に発生することもないので、消費電力が増加するという問題を回避できる。
このような動作以外の部分は、ほとんど第4の実施の形態と同様である。従って、第4の実施の形態と同様に、最大電力点を安価な回路素子で追跡させることができるようになる。
[実施の形態8の実施例]
第8の実施の形態における具体的回路例を図37に示す。なお、太陽電池100、D/Dコンバータ回路510、出力電圧検出回路520、負荷A乃至Cなどは第3の実施の形態と同じであるから、図示を省略する。また、蓄電池充放電制御回路600の動作についても、図4に示した制御切換を実現するものであり、説明を省略する。
また、電流誤差検出回路540及び切換回路580の構成及び動作についても第4の実施の形態と同じであるから、説明を省略する。
DutyMax検出回路760cは、コンパレータ5511と、電圧Vref_2を出力する直流電源Vref_2とを有する。コンパレータ5511の正極側入力端子は、電圧誤差検出回路770cの出力側端子に接続されており、コンパレータ5511の負極側入力端子は、直流電源Vref_2の正極側端子に接続されている。直流電源Vref_2の負極側端子は接地されている。コンパレータ5511の出力DMC_Oは、電圧検出信号調整回路780cに接続されている。
DutyMax検出回路760cのコンパレータ5511は、電圧誤差検出回路770cからの出力信号A2_Outと、駆動信号発生回路530cの出力であるスイッチングパルスのデューティー比が最大となる際に電圧誤差検出回路770cから出力される信号A2_Outの電圧とほぼ同一の電圧を出力する直流電源Vref_2の出力電圧Vref_2とを比較する。そして、信号A2_Outの電圧が電圧Vref_2より高くなると、コンパレータ5511は、その間にパルス波である出力DMC_Oを、電圧検出信号調整回路780c及び電力制限回路860dに出力する。
電圧検出信号調整回路780cは、オペアンプ5311及び5312と、抵抗R102乃至R109と、トランジスタT2と、コンデンサC101と、電圧V_Vrefを出力する直流電源V_Vrefとを有する。
抵抗R108の一端は、DutyMax検出回路760cの出力DMC_Oに接続されており、抵抗R108の他端は、抵抗R109の一端、抵抗R107の一端及びコンデンサC101の一端が接続されている。抵抗R109の他端及びコンデンサC101の他端は接地されている。抵抗R107の他端は、トランジスタT2のベース端子に接続されている。また、トランジスタT2のエミッタ端子は接地されており、コレクタ端子は、抵抗R106の一端に接続されている。
さらに、抵抗R102の一端は、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbに接続されており、抵抗R102の他端は、抵抗R103の一端及びオペアンプ5311の負極側入力端子に接続されている。オペアンプ5311の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されており、直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。抵抗R103の他端はオペアンプ5311の出力端子と抵抗R106の他端と抵抗R104の一端に接続されている。
抵抗R104の他端は、抵抗R105の一端とオペアンプ5312の負極側入力端子とに接続されている。オペアンプ5312の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されており、直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。抵抗R105の他端はオペアンプ5312の出力端子と電圧誤差検出回路770cの入力に接続されている。
DutyMax検出回路760cの出力DMC_Oがオンになると、コンデンサC101に電荷が貯まる。DMC_Oがオンになる頻度及び期間が長くなると、コンデンサC101に電荷が貯まって行き、トランジスタT2のベース端子に印加される電圧VGBも上昇する。そうすると、トランジスタT2がオンになるので、オペアンプ5311の出力電圧を引き下げるように作用する。
なお、オペアンプ5311では、出力電圧検出回路520の出力Vo_fbを反転させており、トランジスタT2がオンになると、さらにオペアンプ5311の出力Vof2の電圧を引き下げるように作用する。その上で、オペアンプ5312は、再度出力Vof2を反転させて、出力Vof3を電圧検出信号調整回路780cの出力として電圧誤差検出回路770cに出力する。より具体的には、Vof2が引き下げられると、Vof3は引き上げられることになり、あたかも出力電圧検出回路520の出力Vo_fbが高くなったかのように、電圧誤差検出回路770cには見える。
電圧誤差検出回路770cは、電圧検出信号調整回路780cの出力に接続されており、抵抗R41乃至R44と、コンデンサC41及びC42と、オペアンプ4311と、固定の基準電圧V_Vrefを出力する直流電源V_Vrefを有する。電圧検出信号調整回路780cの出力は抵抗R41及びR42の一端に接続され、抵抗R42の他端はコンデンサC41の一端に接続され、コンデンサC41の他端と抵抗R41の他端とは、オペアンプ4311の負極側入力端子に接続されている。また、オペアンプ4311の負極側入力端子には、コンデンサC42の一端及び抵抗R43の一端とが接続されており、コンデンサC42の他端は抵抗R44の一端に接続され、抵抗R44の他端と抵抗R43の他端とはオペアンプ4311の出力端子に接続される。さらに、オペアンプ4311の正極側入力端子には、直流電源V_Vrefの正極側端子が接続されている。直流電源V_Vrefの負極側端子は接地されている。
誤差信号合成回路930は、オペアンプ6121と、抵抗R91乃至R95と、コンデンサC71とを有する。オペアンプ6121の正極側入力端子には、電圧誤差検出回路770cの出力A2_Outが接続されており、オペアンプ6121の負極側入力端子には、抵抗R91の一端と抵抗R95の一端とが接続されている。抵抗R91の他端は接地されており、抵抗R95の他端はオペアンプ6121の出力端子と接続されている。オペアンプ6121の出力端子は、抵抗R92の一端と接続されており、抵抗R92の他端は、抵抗R93の一端と電力制限回路860dの出力と接続されている。抵抗R93の他端は、コンデンサC71の一端と抵抗R94の一端と切換回路580におけるアナログスイッチ583の入力側端子とに接続されている。コンデンサC71の他端と抵抗R94の他端とは接地されている。
誤差信号合成回路930のオペアンプ6121は、非反転バッファとして機能し、抵抗R95及びR91の抵抗値R95及びR91から、入力A2_Outを(1+R95/R91)倍した信号を生成する。この信号は、電力制限回路860dが動作する場合にはその出力によって一時的に引き下げられるが、抵抗R93及びR94並びにコンデンサC71のローパスフィルタで平滑化される。そうすると信号A3_Outが生成されて、切換回路580のアナログスイッチ583に出力される。
また、電力制限回路860dは、n型のFET(S61)と、抵抗R75とを有する。抵抗R75の一端はDutyMax検出回路760cの出力DMC_Oに接続され、抵抗R75の他端はFET(S61)のゲート端子に接続されている。FET(S61)のソース端子は接地されており、ドレイン端子は誤差信号合成回路930の抵抗R92と抵抗R93の接続部分に接続されている。
DutyMax検出回路760cが出力する信号DMC_Oがハイになると、FET(S61)がオンになって、誤差信号合成回路930のオペアンプ6121の出力電圧が強制的に引き下げられる。結果として、D/Dコンバータ回路510のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比が下げられるようになるので、D/Dコンバータ回路510の駆動レベルを早期に引き下げて、最大電力点の追跡を高速に行うことができる。また、スイッチングパルスそのものを調整するわけではないので、スイッチングパルスの周期に関係なくスイッチングが生ずることもないので、消費電力を上げることなく、強制的なスイッチングパルスの調整が行われるようになる。
以上のように、出力電圧検出回路520の出力電圧Vo_fbを上げて基準電圧V_Vrefとの差を狭めることによってスイッチングパルスのデューティー比を下げると共に、電圧誤差検出回路770cの出力についても調整することによって、さらにスイッチングパルスのデューティー比を下げて、最大電力点追跡が高速に行われるようになる。
なお、上で示した回路例は一例であって、同様の機能を実現する他の回路例を採用することもできる。
また、電力変換装置と蓄電池充放電制御回路とを合わせて電力変換装置と呼ぶこともある。