JPWO2011108376A1 - 無線局、決定装置、無線通信システム、決定方法、および記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

[課題] プライマリシステムの構成を変更せずとも実環境に即した適切な与干渉制御を、セカンダリシステムにおいて実行することが可能な無線局、決定装置、無線通信システム、決定方法、および記憶媒体を提供する。[解決手段] 無線局は、他のシステムに対して干渉となる、自無線局の無線信号を測定する少なくとも1つのモニタリング局を、前記自無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する決定手段を備える。

Description

本発明は、無線局、決定装置、無線通信システム、決定方法、および記憶媒体に関する。
周囲の無線環境を認知し、その無線環境に応じて通信パラメータの最適化を行うコグニティブ無線が知られている。コグニティブ無線の例として、例えば、セカンダリシステム(与干渉システム)が、プライマリシステム(被干渉システム)に割り当てられた周波数帯域を共用する場合を挙げることができる。
例えば、IEEE802.22 Draft Ver2.0では、プライマリシステムであるTV放送システムに割当てられている周波数帯域(TVチャネル)を共用するセカンダリシステムであるWRANシステムの標準化が議論されている。上記において、IEEEは、Institute of Electrical and Electronic Engineersの略である。また、WRANは、Wireless Regional Area Networkの略である。
セカンダリシステムがプライマリシステムと周波数帯域を共用する際、セカンダリシステムは、プライマリシステムが提供する既存サービスに影響を及ぼさないようにする必要がある。セカンダリシステムは、プライマリシステムへの干渉を回避するために、プライマリシステムにより時間的・空間的に使用されていない周波数帯域を使用するか、あるいは、プライマリシステムで許容される干渉量以下となるように通信を行う。
例えば、プライマリシステムとしてのTV放送システムは、受信強度が一定レベル以上(例えば、60dBμV/m以上)のエリアをサービスエリアとしている。ここで、セカンダリシステム(例えば、上記WRANシステム)は、このサービスエリア内に存在する受信機に対して所定のSIR(例えば、23dB)を維持できるように干渉を抑える必要がある。なお、上記において、SIRは、Signal to Interference power Ratioの略である。
セカンダリシステムのプライマリシステムに対する干渉を抑える技術の一例として、非特許文献1に記載された技術を挙げることができる。非特許文献1は、TVデータベースを利用してTVのサービスエリアを特定し、伝搬モデルに基づいて推定された伝搬損失を使用して上記サービスエリア端で許容干渉電力となるように送信電力を決定する方法について記載する。
また、非特許文献2は、以下の如き無線通信システムについて記載する。該無線通信システムにおいて、プライマリシステムは、スループットの低下を測定することで干渉を検出し、干渉が検出された場合、セカンダリシステムに対して干渉警告を行う。そして、セカンダリシステムは、プライマリシステムと共用中の周波数の使用を停止する。
また、特許文献1は、以下の如き技術について記載する。該技術において、自無線装置は、受信した他システムの干渉電力(プライマリ信号の受信電力に相当)を用いて、他システムの送信機から送信した場合の伝搬特性を推定(距離減衰係数を推定)する。そして、自無線装置は、受信電力が所望値以上となるエリア端を推定して、エリア端において許容値ぎりぎりまで送信電力を増加させる。
特開2009−212920号公報
D.Gurney、G.Buchwald、L.Ecklund、S.Kuffner、and J.Grosspietsch、"Geo−location database techniques for incumbent protection in the TV white space、"Proc.IEEE International Symposium on New Frontiers in Dynamic Spectrum Access Network(DySPAN)、Oct.2008. 芝 宏礼、松井 宗大、赤羽 和徳、上原 一浩"高精度干渉検出・回避技術を搭載したコグニティブ無線システム"、電子情報通信学会技術研究報告、SR2008−27 pp.61−66 2008年7月
非特許文献1において、伝搬モデルが実環境と異なる場合、伝搬損失推定値の誤差が増大する可能性が高まる。従って、セカンダリシステムが周波数を共用する場合の許容送信電力を、上記伝搬損失推定値を用いて決定する場合、伝搬損失推定値の誤差が大きいと、許容送信電力の信頼性は低いものとなってしまう。然るに、セカンダリシステムにおける与干渉制御を適切に実行することができなくなってしまう。
これに対して、非特許文献2記載の無線通信システムは、プライマリシステムにてスループットの低下をリアルタイムに測定し、その測定結果に基づいてセカンダリシステムに対して干渉警告を行う。従って、実環境に即した適切な与干渉制御を実行することができる。しかしながら、非特許文献2のプライマリシステムは、既存の構成に加えて、セカンダリシステムの与干渉制御に必要な機能を、新たに搭載する必要がある。上記において、与干渉制御に必要な機能とは、例えば、スループットの低下を測定する機能や、セカンダリシステムに警告を報知する機能である。ここで、プライマリシステムとセカンダリシステムとが同じ事業者であるとは限らない。従って、セカンダリシステムを使用するためだけの機能の追加を、プライマリシステムに対して要請することは、好ましくないことがある。
また、特許文献1の場合、距離減衰係数の伝搬モデルを仮定して、他システムの受信機への伝搬損失を推定している。これは、非特許文献1と同様の方法であり、従って、伝搬モデルと実環境との間で誤差が大きくなる可能性がある。
本発明は、少なくも1つの上記の課題を解決するためになされたものであり、プライマリシステムの構成を変更せずとも実環境に即した適切な与干渉制御を、セカンダリシステムにおいて実行することが可能な無線局、決定装置、無線通信システム、決定方法、および記憶媒体を提供することを目的とする。
本発明の無線局は、他のシステムに対して干渉となる、自無線局の無線信号を測定する少なくとも1つのモニタリング局を、前記自無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する決定手段を備える。
本発明の決定装置は、他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する。
本発明の無線通信システムは、他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する。
本発明の決定方法は、他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する。
本発明の記憶媒体は、他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録する。
本発明によれば、プライマリシステムの構成を変更せずとも実環境に即した適切な与干渉制御を、セカンダリシステムにおいて実行することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るセカンダリシステム(無線通信システム)の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示すシステム構成図である。 図2に示すセカンダリシステムを構成する、与干渉局(第1基地局)およびモニタリング局(第2基地局)の構成例を示すブロック図である。 図2に示す無線通信システムの動作例(セカンダリシステムにおける与干渉制御全体に関する動作例)を説明するためのフローチャートである。 第1基地局(与干渉局)のモニタリング局決定部の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。 第1基地局(与干渉局)のモニタリング局決定部における、各モニタリング局候補の許容送信電力の算出手順の一例を説明するためのフローチャートである。 モニタリング局候補毎の、各測定値あるいは推定値と、各許容送信電力との関係の一例を示す一覧表である。 第1基地局(与干渉局)のモニタリング局決定部の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。 第1基地局(与干渉局)の送信制御部における送信制御の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に関する図面であって、他の与干渉局からの既存干渉電力について説明するための、無線通信システムの構成例を示すシステム構成図である。 第3の実施形態に関し、第1基地局(与干渉局)のモニタリング局決定部における、各モニタリング局候補の許容送信電力の算出手順の一例を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態に関し、モニタリング局候補毎の、各測定値あるいは推定値と、各許容送信電力との関係の一例を示す一覧表である。 本発明の第4の実施形態の特徴を説明するための概念図(システム構成図)である。 第4の実施形態に関し、被干渉信号モニタリング局および与干渉信号モニタリング局の位置と受信電力の関係を示すとともに、与干渉信号モニタリング局の決定条件例を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係るセカンダリシステムを構成する与干渉局(第1基地局)の送信制御部における、図9に示すのとは別の送信制御の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムのセカンダリシステムを構成する、与干渉局(第1基地局)およびモニタリング局(第2基地局)の構成例を示すブロック図である。 図16に示す測定条件補正部において補正対象となる測定条件の例を示す。 本発明の第7の実施形態に係る無線通信システムのセカンダリシステムを構成する、与干渉局(第1基地局)およびモニタリング局(第2基地局)の構成例を示すブロック図である。 第7の実施形態に関し、測定誤差の概念図を示す。 本発明の第8の実施形態に係るスペクトルマネージャの構成例を示すブロック図である。 スライディング相関を説明するための概念図である。 スライディング相関の最大相関値を示すグラフである。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るセカンダリシステム1(無線通信システム)の構成例を示すブロック図である。セカンダリシステム1は、プライマリシステムに対して干渉となる無線信号WS1を送信する与干渉局2(第1無線局)と、この無線信号を測定する少なくとも1つのモニタリング局3(第2無線局)とを備える。与干渉局2は、セカンダリシステム1(すなわち、与干渉局2が属する無線通信システム)の複数の無線局の中から少なくとも1つのモニタリング局3を決定する決定部4(決定手段/決定装置)を備える。
ここで、与干渉局2は、例えば、モニタリング局3の測定結果に基づいて与干渉制御を実行することができる。ここで、与干渉制御とは、与干渉局2についての送信制御(例えば、送信停止処理、あるいは、送信出力の可変制御等)のことを言う。
以上説明した第1の実施形態によれば、与干渉制御に必要な全ての処理を、セカンダリシステム1内で完結させることができる。従って、非特許文献2のようにプライマリシステムの構成に影響を与えることなく、セカンダリシステム1において与干渉制御を実行することが可能となる。
さらに、以上説明した第1の実施形態において、例えば、プライマリシステムの通信エリア内に存在する所定の受信局(不図示)の周辺(例えば、近傍)に位置するモニタリング局3が、その受信局の代理として与干渉局2の無線信号(すなわち、プライマリシステムに対して干渉となる無線信号)を測定することができる。従って、非特許文献1のように伝搬モデルに基づいて送信電力を推定する構成に比べて、より実環境に即した適切な与干渉制御を実行することが可能となる。
以上を纏めると、第1の実施形態によれば、プライマリシステムの構成を変更せずとも実環境に即した適切な与干渉制御を、セカンダリシステム1において実行することが可能となる。
さらに、決定部4は、セカンダリシステム1の複数の無線局の中から少なくとも1つのモニタリング局3を決定する。従って、より適切なモニタリング局3、具体的には、例えば、干渉が影響する範囲内において特に干渉の影響が大きい位置に存在する、セカンダリシステム1の無線局を、モニタリング局3として決定することができる。従って、セカンダリシステム1において、プライマリシステムに対する干渉保護をより高精度に行うことが可能となる。
尚、上記において、与干渉局2およびモニタリング局3は、例えば、基地局、中継局、または端末局とすることができる。モニタリング局3に関しては、モニタリングを専用に行う局(モニタリングノード)であってもよい。
[第2の実施形態]
図2は、第2の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示すシステム構成図である。該無線通信システムは、プライマリシステム10と、セカンダリシステム20とを備える。以下、プライマリシステム10は、TV放送システムであり、セカンダリシステムは、セルラーシステムである場合を例に挙げる。もちろん、上記は単なる一例であって、プライマリシステム10およびセカンダリシステム20の組み合わせは上記に限定されない。上記組み合わせは、例えば、TVシステムとWRANシステムとの組み合わせ、または、TVシステムと自治体等の地域無線や防災無線との組み合わせとすることもできる。さらに、上記組み合わせは、セルラーシステムと特定用途無線(例えば、集合住宅用無線、企業内自営無線、農業用無線等)との組み合わせ、あるいは、セルラーシステムと無線LANや短距離無線通信との組み合わせ等であってもよい。なお、上記において、LANは、Local Area Networkの略である。
プライマリシステム10は、最低受信電力閾値Sthを受信できる範囲内において、プライマリシステム10に割り当てられた所定の周波数帯域のTV放送信号を送信する放送局12(プライマリ送信局)と、前述のTV放送信号を受信する受信局(プライマリ受信局/不図示)とを備える。ここで、最低受信電力閾値Sthは、プライマリシステム10の受信局の中で保護の必要となる受信局の最低受信電力を表す。この最低受信電力閾値Sthによって定まる最低受信電力閾値範囲は、基本的にプライマリシステム10のサービスエリアの外側に設定される。
セカンダリシステム20は、プライマリシステム10に対して干渉となる無線信号(すなわち、上記TV放送信号と同一周波数帯域の無線信号)を送信する与干渉局(第1無線局)と、該無線信号を測定するモニタリング局(第2無線局)と、を少なくとも備える。与干渉局は、図2においては、例えば、第1基地局22である。モニタリング局は、図2において、例えば、第2基地局24Bである。
尚、モニタリング局は、当然のことながら第2基地局24Bに限定されることはなく他の第2基地局であってもよい。また、モニタリング局の数は、複数であってもよい。さらに、モニタリング局は、基地局である必要はなく、端末局や中継局、あるいは、モニタリングを専用に行うモニタリングノードとすることができる。また、モニタリング局は、あくまで、与干渉局(例えば、第1基地局22)の無線信号を測定するのであって、モニタリング局(例えば、第2基地局24)自身が送信した無線信号を測定するわけではない。
第1基地局22は、無線信号送信機能と、送信制御機能と、モニタリング局決定機能と、を少なくとも含む。無線信号送信機能は、上記周波数帯域の無線信号を送信する機能である。送信制御機能は、第2基地局24Bの測定結果(モニタリング結果)に基づいて送信制御を実行する機能である。モニタリング局決定機能は、セカンダリシステム20の複数の無線局(例えば、基地局)の中から少なくとも1つのモニタリング局(例えば、第2基地局24B)を決定する機能である。
第2基地局24B(モニタリング局の一例)は、プライマリシステム10に対して干渉となるセカンダリシステム20の無線信号(すなわち、第1基地局22の無線信号)を測定する機能(「モニタリング機能」)を、少なくとも備える。第2基地局24Bは、さらに、測定関連情報(この場合、測定結果そのもの、所定の閾値との比較結果、あるいは、測定結果に基づいて算出された第1基地局22の送信電力値等)を通知する機能(「通知機能」)を備えることもできる。
セカンダリシステム20は、スペクトルマネージャ40および地理データベース50と接続される。スペクトルマネージャ40と、地理データベース50と、セカンダリシステム20内の基地局(この場合、第1基地局22および第2基地局24Bも含まれる)とは、所定のネットワーク30(一例を挙げれば、有線ネットワーク)を介して互いに接続される。もろろん、ネットワーク30は、有線ネットワークに限定されず、他のネットワーク(例えば、無線ネットワーク)であってもよい。
また、スペクトルマネージャ40および地理データベース50とセカンダリシステム20との関係は上記に限定されない。例えば、スペクトルマネージャ40および地理データベース50の少なくとも一方は、例えば、所定の基地局(例えば、セカンダリシステム20の基地局)に内蔵されてもよい。また、スペクトルマネージャ40および地理データベース50の少なくとも一方は、プライマリシステム10およびセカンダリシステム20を統合するような上位システムに属していてもよい。
スペクトルマネージャ40は、基本的には、セカンダリシステム20の周波数を管理する装置である。さらに、スペクトルマネージャ40は、与干渉局(図2においては、第1基地局22)とモニタリング局(図2においては、第2基地局24B)との間における与干渉制御に関する通信の仲介を行う。具体的には、スペクトルマネージャ40は、例えば、第1基地局22からの「モニタリング依頼」を第2基地局24Bへ送信する。また、スペクトルマネージャ40は、第2基地局24Bから受信した「モニタリング結果、判定結果、あるいは送信出力値(例えば、送信電力設定値や送信電力増減情報)等」を、第1基地局22へ送信する。
地理データベース50は、少なくとも、プライマリシステム10およびセカンダリシステム20に関する所定情報(例えば、無線通信装置の位置、アンテナの高さ、アンテナの指向性等に関する情報)を格納する。地理データベース50は、これらの情報を、必要に応じて、要求元(例えば、第1基地局22)に提供する。
図3は、セカンダリシステム20を構成する、第1基地局22(与干渉局)および第2基地局24B(モニタリング局)の構成例を示すブロック図である。ここで、本来は、第1基地局22は、上述した、「無線信号送信機能」、「送信制御機能」および「モニタリング局決定機能」を少なくとも備えていればよい。一方、第2基地局24Bは、上述した、「モニタリング機能」を少なくとも備えていればよい。すなわち、一方の基地局は他方の基地局の機能を必ずしも備える必要はない。以下では、説明を明りょうなものとするために、第1基地局22と第2基地局24Bとを共通化した場合を想定(すなわち、各基地局が第1基地局22および第2基地局24Bの全ての機能を搭載した場合を想定)して説明する。
第1基地局22(第2基地局24も同様)は、アンテナ100と、送受信分離部102と、第1受信用RF(Radio Frequency)アナログ部104と、第2受信用RFアナログ部106と、帯域制御部108と、を備える。また、第1基地局22(第2基地局24も同様)は、受信復調器110と、測定部112(測定手段)と、送信用RFアナログ部114と、送信制御部116(送信制御手段)と、送信変調器118と、を備える。また、第1基地局22(第2基地局24も同様)は、ネットワーク通信部120と、モニタリング局決定部124(決定手段/決定装置)と、モニタリング結果送信部126と、を備える。
アンテナ100は、他の無線局(他の基地局、端末局、中継局、モニタリングノード等)との間でRF信号の送受信(局によっては、送信だけ、あるいは受信だけを行う場合がある)を行う。送受信分離部102は、送信時においては、送信用RFアナログ部114からのRF信号をアンテナ100へ供給する。送受信分離部102は、受信時においては、アンテナ100によって受信されたRF信号を第1受信用RFアナログ部104および第2受信用RFアナログ部106へ供給する。
送信したいデジタル信号を送信変調器118から入力すると、送信用RFアナログ部114のデジタル/アナログ変換部(不図示)は、入力したデジタル信号をアナログ信号に変換する。送信用RFアナログ部114の周波数変換部(不図示)は、アナログ信号の周波数を、帯域制御部108によって決定された周波数に変換する。送信用RFアナログ部114の帯域制限フィルタ(不図示)は、所望周波数以外の信号を除去する。送信用RFアナログ部114の増幅部(不図示)は、許容送信電力に収まるように信号を増幅して出力する。
第1受信用RFアナログ部104および第2受信用RFアナログ部106は、送受信分離部102からRFアナログ信号を入力し、各々、受信復調器110および測定部112に対してデジタルベースバンド信号を出力する。尚、第2受信用RFアナログ部106の出力は必ずしもデジタルベースバンド信号である必要はなく、RFアナログ信号そのものを測定部112へと入力する構成も可能である。以下では、説明を明瞭にするため第2受信用RFアナログ部106がデジタルベースバンド信号を出力する場合についてのみ述べる。
具体的には、まず、第1受信用RFアナログ部104(第2受信用RFアナログ部106)の低雑音増幅器(不図示)は、入力したRF信号を増幅する。次いで、第1受信用RFアナログ部104(第2受信用RFアナログ部106)内の帯域通過フィルタ(不図示)は、増幅された信号の内、所望の周波数帯域のRF信号を抽出する。第1受信用RFアナログ部104(第2受信用RFアナログ部106)の周波数変換部(不図示)は、抽出した所望周波数帯域のRF信号をベースバンド信号に変換する。ベースバンド信号は、第1受信用RFアナログ部104(第2受信用RFアナログ部106)のアナログ/デジタル変換部(不図示)によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。
ここで、第1受信用RFアナログ部104と第2受信用RFアナログ部106との違いは、抽出する周波数帯域が異なる点にある。すなわち、第1受信用RFアナログ部104の帯域通過フィルタには、「通常受信する信号」の周波数帯域が設定される。これに対して、第2受信用RFアナログ部106の帯域通過フィルタには、「モニタリング対象の信号」の周波数帯域が設定される。「モニタリング対象の信号」の周波数帯域とは、すなわち、プライマリシステム10と共用する周波数帯域、換言すれば、セカンダリシステム20の与干渉局が送信する信号の周波数帯域である。
尚、第1受信用RFアナログ部104の帯域通過フィルタへの周波数帯域設定は、例えば、帯域制御部108により行われる。この場合、帯域制御部108は、該帯域通過フィルタへ設定する周波数帯域に係わる情報を、例えば、ネットワーク通信部120を介して、スペクトルマネージャ40から取得する。
第2受信用RFアナログ部106の帯域通過フィルタへの周波数帯域設定は、第1受信用RFアナログ部104と同様に帯域制御部108により行われる。例えば、該周波数帯域情報は、セカンダリシステム20の与干渉局(図2においては第1基地局22)からセカンダリシステム20のモニタリング局(図2においては第2基地局24B)へのモニタリング依頼時に併せて通知されてもよい。この場合、モニタリング局側の帯域制御部108は、受信したモニタリング依頼情報の中から周波数帯域情報を抽出し、第2受信用RFアナログ部106の帯域通過フィルタへ設定する。
もちろん、各帯域通過フィルタへの周波数帯域設定は、上記の方法に限定されない。例えば、各与干渉局の送信周波数帯域情報を予めスペクトルマネージャ40に記憶しておく。そして、スペクトルマネージャ40は、所定の与干渉局からモニタリング依頼を受けた際、その与干渉局の送信周波数帯域情報を記憶部から読み出し、モニタリング局へ送信するモニタリング依頼に含めることもできる。
受信復調器110は、第1受信用RFアナログ部104から受信したデジタルベースバンド信号に対して、復調処理、復号処理を行うことで、通常受信する信号のビット系列を得る。該ビット系列の信号は、後段の受信処理部(不図示)において所定の受信処理に供される。
測定部112は、第2受信用RFアナログ部106から受信したデジタルベースバンド信号を元に、モニタリング対象信号をモニタリングし、モニタリング結果として、モニタリング結果送信部126へ送信する。ここで、「モニタリング対象信号」とは、例えば、セカンダリシステム20の与干渉局である第1基地局22が送信する無線信号(干渉(I)成分)、およびプライマリシステム10の放送局12が送信する所望信号であるTV放送信号(信号(S)成分)である。なお、以下の説明では、測定部112が、与干渉局からの無線信号の「受信電力」および放送局12からの所望信号の「受信電力」を測定する場合を例に挙げる。
モニタリング結果送信部126は、測定部112から受信したモニタリング対象信号の受信電力情報を、モニタリング結果として、ネットワーク通信部120を介して、セカンダリシステム20の与干渉局(図2においては第1基地局22)へ送信する。
帯域制御部108は、送信用RFアナログ部114、第1受信用RFアナログ部104および第2受信用RFアナログ部106の各帯域通過フィルタへ所定の周波数帯域を設定する。
モニタリング局決定部124は、セカンダリシステム20の複数の無線局(例えば、基地局)の中から少なくとも1つのモニタリング局(例えば、第2基地局24B)を決定する。モニタリング局決定プロセスの詳細については、後述する(動作を説明する際に詳細に説明する)。また、モニタリング局決定部124は、決定したモニタリング局に対して、モニタリングの実行を依頼するためのモニタリング依頼を送出する。このモニタリング依頼は、スペクトルマネージャ40を介して、モニタリング局へ送信される。ここで、与干渉局は、モニタリング依頼をする際、前述した通り、モニタリング局側の第2受信用RFアナログ部106の帯域通過フィルタへ設定するための周波数帯域情報を、このモニタリング依頼に含めることができる。
与干渉局側の送信制御部116およびモニタリング局決定部124は、ネットワーク通信部120を介して、モニタリング局から送信されたモニタリング結果を受信する。ここで、モニタリング結果とは、与干渉局からの無線信号の「受信電力」および放送局12からの所望信号の「受信電力」のことを指す。
送信制御部116は、モニタリング結果に基づいて、与干渉局(図2において第1基地局22)の送信制御を行う。送信制御の詳細については、後述する。
モニタリング局決定部124は、オペレーション前(初回のモニタリング実行前であり与干渉局が無線信号を送信する前の状態)におけるモニタリング局決定処理を実行する。また、モニタリング局決定部124は、モニタリング結果に基づいて、オペレーション中(初回のモニタリング実行後であり与干渉局が無線信号を送信している間)におけるモニタリング局決定処理を実行する。上記各モニタリング局決定処理の詳細については、後述する。
図4は、図2に示す無線通信システムの動作例(セカンダリシステム20における与干渉制御全体に関する動作例)を説明するためのフローチャートである。
第1基地局22(与干渉局)のモニタリング局決定部124は、セカンダリシステム20の複数の無線局(例えば、基地局)の中から少なくとも1つのモニタリング局を決定する(ステップS1)。以下、モニタリング局として、図2に示す第2基地局24Bが選択された場合を例に挙げる。ここで、最初のステップS1の処理時(すなわち、ループ帰還後の2回目の処理時ではなく、1回目の処理時)には、上述した「オペレーション前におけるモニタリング局決定処理」が実行される。
モニタリング局決定部124は、決定したモニタリング局に対して、モニタリングを依頼する(ステップS2)。ここで、モニタリング依頼には、第2基地局24Bの第2受信用RFアナログ部106の帯域通過フィルタへ設定するための周波数帯域情報が含まれている。ここで、周波数帯域情報は、プライマリシステム10と共用する周波数帯域情報、換言すれば、第1基地局22が送信する信号の周波数帯域情報である。
スペクトルマネージャ40は、第1基地局22から受信したモニタリング依頼を、ネットワーク30を介して、第2基地局24Bへ送信する(ステップS3)。
第2基地局24Bは、スペクトルマネージャ40を介して、モニタリング依頼を受信する(ステップS4)。第2基地局24Bは、モニタリング依頼に含まれる上記周波数帯域情報を、第2受信用RFアナログ部106の帯域通過フィルタへ設定する。そして、第2基地局24Bは、モニタリングを実行する(ステップS5)。具体的には、第2基地局24Bの測定部112は、第2受信用RFアナログ部106から受信したデジタルベースバンド信号を元に、対象信号をモニタリングし、モニタリング結果として、モニタリング結果送信部126へ送信する。ここで、対象信号は、与干渉局からの無線信号の「受信電力」および放送局12からの所望信号の「受信電力」のことを言う。ここで、上記の無線信号と所望信号とは周波数が同一である。従って、第2受信用RFアナログ部106からは該2つの信号の合成信号についてのデジタルベースバンド信号が出力される。ここで、モニタリング局(例えば、第2基地局24B)は、与干渉局(例えば、第1基地局22)の送信前に、プライマリ信号(TV信号)の受信電力(所望信号の受信電力)及び雑音電力を、予め測定しておく。そして、モニタリング局の測定部112は、合成されたデジタルベースバンド信号から、予め測定しておいたTV信号受信電力及び雑音電力を減算し、これを受信電力(与干渉局からの無線信号の受信電力)の測定結果とすることもできる。
第2基地局24Bのモニタリング結果送信部126は、測定部112から受信した、モニタリング対象信号の受信電力に関する情報を、モニタリング結果として送信する(ステップS6)。スペクトルマネージャ40は、第2基地局24Bから受信したモニタリング結果を、ネットワーク30を介して、第1基地局22へ送信する(ステップS7)。
第1基地局22は、スペクトルマネージャ40を介して、モニタリング結果を受信する(ステップS8)。第1基地局22の送信制御部116は、モニタリング結果に基づいて、送信制御を行う(ステップS9)。一方、第1基地局22のモニタリング局決定部124は、2回目のステップS1処理時(すなわち、ループ帰還後の処理時)において、モニタリング結果に基づいて、上述した「オペレーション中におけるモニタリング局決定処理」を実行することもできる。
図5は、第1基地局22(与干渉局)におけるモニタリング局決定部124の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
先ず、モニタリング局決定部124は、モニタリング局の決定に先立って、セカンダリシステム20の複数の無線局の中から所定の基準に基づいて複数のモニタリング局候補を決定する(ステップS20)。
ここで、モニタリング局候補を決定するための所定の基準は、例えば、以下に示す第1および第2の基準例とすることができる。もちろん、第1および第2の基準例はあくまで一例であって、モニタリング局候補を決定するための所定の基準は、これら第1および第2の基準に限定されることはない。
第1の基準例は、セカンダリシステム20の複数の各無線局における所望信号の受信電力測定値(あるいは、推定値)が所定の第1閾値(最低受信電力閾値Sth)以上であるとの基準である。「複数の各無線局」は、全ての基地局であってもよいし、一部の基地局であってもよい。また、ここで、所望信号とは、プライマリシステム10の放送局12が送信するTV放送信号のことを言う。
第2の基準例は、上記複数の各無線局における、所望信号の受信電力測定値(あるいは、推定値)が上記第1閾値以上であり且つ無線信号の受信電力測定値(あるいは、推定値)が所定の第2閾値以上であるとの基準である。ここで、「無線信号」とは、例えば、セカンダリシステム20の与干渉局からの無線信号のことを言う。
以下の説明では、第2の基準例に基づいてモニタリング局候補が決定される場合を例に挙げる。従って、図2を参照し、最低受信電力閾値範囲内に存在するセカンダリシステム20の基地局であって、セカンダリシステム20の無線信号の受信電力(測定値でも推定値でもよい)が上記第2閾値以上である基地局は、第2基地局24A〜24Dの4つとなる。
図5の説明に戻り、モニタリング局決定部124は、複数のモニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)の中から少なくとも1つのモニタリング局を決定する(ステップS21)。モニタリング局決定部124は、決定したモニタリング局に対して、モニタリングを依頼する。
以下、モニタリング局決定部124におけるモニタリング局の決定手順について詳細に説明する。モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補の中で、干渉保護条件を満たす許容送信電力が他のモニタリング局候補より小さいかあるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つのモニタリング局候補をモニタリング局とする。
ここで、上記許容送信電力は、各モニタリング局候補における、所望信号電力と、与干渉局(図2において第1基地局22)と各モニタリング局候補(図2において第2基地局24A〜24D)との間の伝搬損推定値とに基づいて、モニタリング局候補毎に算出される。上記において、所望信号電力は、例えば、プライマリシステム10の放送局12が送信するTV放送信号の電力である。また、所望信号電力は、測定値であってもよく推定値であってよい。
以下、許容送信電力の求め方について、主に、図6および図7を用いて説明する。図6は、モニタリング局決定部124における、各モニタリング局候補(図2において第2基地局24A〜24D)の許容送信電力の算出手順の一例を説明するためのフローチャートである。図7は、モニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)毎の、各測定値あるいは推定値と、各許容送信電力との関係の一例を示す一覧表である。
まず、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に所望信号電力Sm(m=モニタリング局候補番号、本実施形態ではm=1〜4)を求める(ステップS25)。この場合、モニタリング局決定部124は、例えば、予め測定しておいた所望信号電力測定値を各モニタリング局候補から収集し、これを所望信号電力Smとすることができる。もろちん、所望信号電力Smの求め方は、上記に限定されず、例えば、TV放送信号の送信電力や所定の伝搬モデル(奥村・秦式等の伝搬推定式)を用いて推定した伝搬損失から推定することも可能である。
次いで、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に許容干渉電力(Sm−SIRth)を求める(ステップS26)。SIRthは、TV放送の保護に必要となるSIR(Signal to Interference Ratio)閾値である。
さらに、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に、与干渉局(第1基地局22)と各モニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)との間の伝搬損推定値Lm(m=モニタリング局候補番号、本実施形態ではm=1〜4)を求める(ステップS27)。この場合、モニタリング局決定部124は、例えば、過去に与干渉局とモニタリング局との間の伝搬損失を推定していればその伝搬損推定値を、伝搬損推定値Lmとすることができる。過去の伝搬損推定値は、与干渉局自体が記憶していてもよいし、他の装置(例えば、各モニタリング局候補あるいはスペクトルマネージャ40等)から取得することもできる。もろちん、伝搬損推定値Lmの求め方は、上記の方法(すなわち、過去データを使用する方法)に限定されない。
モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)毎に、許容送信電力(Sm−SIRth+Lm)を算出する(ステップS28)。
そして、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補の中で、干渉保護条件を満たす許容送信電力が他のモニタリング局候補より小さいかあるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つのモニタリング局候補をモニタリング局とする。例えば、モニタリング局決定部124は、許容送信電力がモニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)の中で最も小さい候補をモニタリング局に決定することができ、あるいは、許容送信電力が所定の閾値以下の少なくとも1つの候補をモニタリング局に決定することができる。
図8は、第1基地局22(与干渉局)のモニタリング局決定部124の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
ステップS20およびステップS21については、図5で説明したとおりであるため、ここでの説明を省略し、ステップS22についてのみ説明する。尚、ステップS22は、オペレーション中(初回のモニタリング実行後であり与干渉局が無線信号を送信している間)のみに実行される。従って、図4において、最初のステップS1の処理では、ステップS20およびステップS21が実行され、2回目以降のステップS1(すなわち、ステップS9が実行された後に実行されるステップS1)の処理では、ステップS22のみが実行される。図8では、ステップS20〜S22が単にシリアルに処理されている様子を示すが、実際には、例えば、処理済みフラグ等を使用することにより、ステップS20およびS21と、ステップS22とを分岐させるような処理を行えばよい。
ステップS22を実行する前提として、モニタリング局として複数の無線局(例えば、第2基地局24Bと第2基地局24C)が決定されているものとする。モニタリング局決定部124は、与干渉局から無線信号の送信が開始された後に、第2基地局24Bおよび第2基地局24Cから各モニタリング結果を受信する。ここで、モニタリング結果とは、具体的には、各モニタリング局(第2基地局24Bおよび第2基地局24C)によって測定された、各モニタリング局における、与干渉局からの無線信号の「受信電力」と、放送局12からの所望信号の「受信電力」である。
モニタリング局決定部124は、モニタリング局毎に、両受信電力の比を示すSIRを算出し、複数のモニタリング局の中からSIRが他のモニタリング局あるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つのモニタリング局を次回モニタリングするモニタリング局に決定する。例えば、第2基地局24BのSIRが最も小さい場合、第2基地局24Bを次回モニタリングするモニタリング局として決定する(換言すれば、SIRが第2基地局24Bよりも高い第2基地局24Dは次回モニタリングするモニタリング局から除外される)。
図9は、第1基地局22(与干渉局)の送信制御部116における送信制御の一例を説明するためのフローチャートである。送信制御部116は、モニタリング結果である、与干渉局の無線信号の受信電力(以下、本フローチャートの説明では単に受信電力と呼ぶ)と許容干渉電力(閾値)とを比較する(ステップS30)。尚、閾値である許容干渉電力は、モニタリング結果との比較に先立って、予め第1基地局22の所定の記憶手段に記憶されているものとする。受信電力が許容干渉電力を超過したと判断した場合(ステップS31においてYes判定の場合)、送信制御部116は、第1基地局22の送信(プライマリシステム10と周波数帯域を共用している信号の送信)を停止する(ステップS32)。一方、受信電力が許容干渉電力を超過していないと判断した場合(ステップS31においてNo判定の場合)、送信制御部116は、第1基地局22の送信を継続する(ステップS33)。
以上説明した第2の実施形態によれば、セカンダリシステム20における与干渉制御は、プライマリシステム10からの情報(例えば、干渉警告)ではなく、セカンダリシステム20自体が測定した情報に基づいて行われる。ここで、「セカンダリシステム20自体が測定した情報」の具体例として、セカンダリシステム20のモニタリング局によって測定される、セカンダリシステム20の与干渉局の無線信号についての情報を挙げることができる。すなわち、非特許文献2のようにプライマリシステム10の構成に影響を与えることなく、セカンダリシステム20における与干渉制御を実行することが可能となる。
さらに、以上説明した第2の実施形態において、プライマリシステム10のサービスエリア(あるいは、最低受信電力閾値範囲)内に存在するプライマリ受信局の周辺(例えば、近傍)に位置するセカンダリシステム20のモニタリング局(図2において第2基地局24A〜24Dの少なくとも1つ)が、該プライマリ受信局の代理としてセカンダリシステム20における与干渉局(例えば、図2において第1基地局22)が送信する無線信号の受信電力を測定する。従って、非特許文献1のように伝搬モデルに基づいて送信電力を推定する構成に比べて、より実環境に即した適切な与干渉制御を実行することが可能となる。
以上を纏めると、第2の実施形態によれば、プライマリシステム10の構成を変更せずとも実環境に即した適切な与干渉制御を、セカンダリシステム20において実行することが可能となる。
さらに、以上説明した第2の実施形態によれば、モニタリング局決定部124により、セカンダリシステム20の複数の無線局(例えば、図2において第2基地局24A〜24D)の中で、干渉保護条件を満たす許容送信電力が他の無線局より小さいかあるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つの無線局(例えば、図2において第2基地局24B)がモニタリング局として決定される。ここで、許容送信電力が他の無線局より小さいかあるいは所定の閾値より小さいモニタリング局のセルは、プライマリシステム10に対して干渉の影響が大きいセルと考えることができる。従って、このようなセルにおいてモニタリングを行うことができるので、セカンダリシステム20において、プライマリシステム10に対する干渉保護をより高精度に行うことが可能となる。
さらに、以上説明した第2の実施形態において、第1基地局22は、モニタリング結果である、プライマリシステム10に対して干渉となる与干渉局の無線信号の受信電力が許容干渉電力を超過する場合、送信を停止する。従って、プライマリシステム10への干渉を回避することができる。
尚、以上の説明では、受信電力と閾値との比較を与干渉局で行う場合を例に挙げたが、これに限定されることはない。該比較処理は、例えば、モニタリング局で実行することもできる。この場合、モニタリング局は、該比較処理を実行し、比較結果(超過か否か、換言すれば、送信を停止するか否かの情報)を、与干渉局へ送信すればよい。そして、この場合、モニタリング局は、比較処理に先立って閾値(許容干渉電力)を自らの記憶手段に記憶しておくか、あるいは比較時に、例えば、スペクトルマネージャ40から取得することもできる。
また、閾値(すなわち、許容干渉電力)は、1つである必要はなく、複数とすることもできる。例えば、閾値を3つとした場合、4通りの状態(例えば、送信電力増加、現状維持、送信電力減少、送信停止)を設定することもできる。
さらに、閾値は固定値である必要はなく、所定の条件(例えば、周辺トラフィック等)により変化する動的閾値とすることもできる。
また、以上説明した第2の実施形態において、「モニタリング局候補の決定処理」は必須ではない。すなわち、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補を決定することなく、セカンダリシステム20内の全てあるいは一部の無線局の中から、直接、モニタリング局を決定することもできる。
また、以上説明した第2の実施形態において、「オペレーション中のモニタリング局決定処理」は、必須ではない。
また、モニタリング局における所望信号(プライマリシステムの送信局が送信する信号)の測定は必須ではない。なぜならば、「オペレーション前におけるモニタリング局決定処理」において許容送信電力を算出する際に用いられる「所望信号電力」は、必ずしも「測定値」である必要はなく「推定値」でも良いからである。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態に係る無線通信システムについて、主に、図10、図11、および図12を用いて説明する。図10は、他の与干渉局からの既存干渉電力について説明するための、無線通信システムの構成例を示すシステム構成図である。図11は、第1基地局(与干渉局)のモニタリング局決定部124における、各モニタリング局候補の許容送信電力の算出手順の一例を説明するためのフローチャートである。図12は、モニタリング局候補毎の、各測定値あるいは推定値と、各許容送信電力との関係の一例を示す一覧表である。
ここで、先ず図10を参照し、前提として、モニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)が予め決定している場合を例に挙げる。
セカンダリシステム20の各無線局(例えば、各モニタリング局候補)には、それらの位置に応じて他の与干渉局60からの既存干渉電力が存在する場合がある。本実施形態では、モニタリング局を決定する指標の一つである、各無線局の許容送信電力を算出する際、上記の既存干渉電力を考慮することを特徴とする。
ここで、「他の与干渉局」とは、例えば、与干渉局(例えば、第1基地局22)とは別の少なくとも1つの与干渉局(すなわち、プライマリシステム10に割り当てられた周波数帯域を共用する与干渉局)のことを言う。この場合、「別の少なくとも1つの与干渉局」は、例えば、第1基地局22が属するセカンダリシステム20内の他の与干渉局(例えば、基地局、端末局、中継局)、あるいは、セカンダリシステム20とは異なる別のセカンダリシステム内の所定の与干渉局(例えば、基地局、端末局、中継局)である。
次に、本実施形態における許容送信電力の求め方について、主に、図11および図12を用いて説明する。尚、図11に示す処理は、前述した図6に示す処理を基本とする。従って、以下の説明において、図6と同一の処理については、その説明の一部を省略する場合がある。
まず、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に所望信号電力Sm(m=モニタリング局候補番号、本実施形態ではm=1〜4)を求める(ステップS40/図6のステップS25相当)。モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に許容干渉電力(Sm−SIRth)を求める(ステップS41/図6のステップS26に相当)。
さらに、モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に既存干渉電力Io、m(m=モニタリング局候補番号、本実施形態ではm=1〜4)を求める(ステップS42)。ここで、既存干渉電力Io、mは、例えば、与干渉局の無線信号の送信前に、予め各モニタリング局候補にて測定されたものを使用することができる。あるいは、既存干渉電力Io、mは、「他の与干渉局」の送信情報(位置、送信電力、送信アンテナ高等の情報)を入手可能な場合、該送信情報を用いて所定の伝搬式を用いて算出することもできる。
モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に残存許容干渉電力Ir、m(m=モニタリング局候補番号、本実施形態ではm=1〜4)を求める(ステップS43)。残存許容干渉電力Ir、mは、例えば、許容干渉電力(Sm−SIRth)から既存干渉電力Io、mを減ずることで求めることができる。具体的には、残存許容干渉電力Ir、mは、例えば、以下の(式1)で計算される。
Figure 2011108376
モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補毎に、与干渉局(第1基地局22)と各モニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)との間の伝搬損推定値Lm(m=モニタリング局候補番号、本実施形態ではm=1〜4)を求める(ステップS44/図6のステップS27に相当)。
モニタリング局決定部124は、モニタリング局候補(第2基地局24A〜24D)毎に、許容送信電力(Ir、m+Lm)を算出する(ステップS45)。
以上説明した第3の実施形態によれば、「他の与干渉局」からの干渉(既存干渉)ある場合、該既存干渉が考慮された許容送信電力を算出することができる。従って、例えば、干渉が影響する範囲内において特に干渉の影響が大きい位置に存在する無線局を、モニタリング局として決定することができる。よって、プライマリシステム10に対する干渉保護をより高精度に行うことができる。
[第4の実施形態]
被干渉信号電力が高いセル(換言すれば、プライマリシステム10の放送局12からの所望信号の受信電力が高いモニタリング局)では、この被干渉信号電力に較べて相対的に小さな与干渉信号電力(すなわち、与干渉局からの無線信号の受信電力)を測定することが難しい場合がある。
そこで、本実施形態は、図13(第4の実施形態の特徴を説明するための概念図(システム構成図))に示すように、被干渉信号電力Sと与干渉信号電力Iをそれぞれ別のセル(モニタリング局)で測定することを特徴とする。
尚、図13の記載および以下の説明では、被干渉信号電力Sをモニタリングする局を「被干渉信号モニタリング局(第1モニタリング局)」と呼び、与干渉信号電力Iをモニタリングする局を「与干渉信号モニタリング局(第2モニタリング局)」と呼ぶ。被干渉信号モニタリング局24Dおよび与干渉信号モニタリング局24Bは、少なくとも第2基地局の機能を搭載する基地局であるものとする。
以下、各モニタリング局を決定する方法について説明する。尚、各モニタリング局の決定は、例えば、第1基地局22を構成するモニタリング局決定部124において行われる。また、該決定に先立って、所定数のモニタリング局候補が予め決定している場合を例に挙げる。
まず、被干渉信号モニタリング局の決定方法について説明する。モニタリング局決定部124は、前述した第2の実施形態と同様に、複数のモニタリング局候補の中で、許容送信電力が最小となるモニタリング局候補を、被干渉信号モニタリング局24Dとする。このとき、被干渉信号モニタリング局24Dにおける許容干渉電力を算出するが、ここで求められた許容干渉電力を与干渉信号モニタリング局における閾値(許容干渉電力)として用いる。
次に、与干渉信号モニタリング局の決定方法について説明する。モニタリング局決定部124は、例えば、以下に示す条件(1)〜(3)(図14参照)全てを満たす基地局を、与干渉信号モニタリング局とする。
すなわち、例えば、被干渉信号モニタリング局はモニタリング局候補の中から選び、与干渉信号モニタリング局は、条件(1)を満たす周辺基地局の中から選ぶことができる。
条件(1)は、与干渉信号モニタリング局が、被干渉信号モニタリング局の周辺に存在するとの条件である。例えば、被干渉信号モニタリング局から所定距離以内に存在する基地局や、被干渉信号モニタリング局の隣接セルとして登録されている基地局がこの条件(1)を満たす。
条件(2)は、被干渉信号モニタリング局における与干渉電力と比べて当該基地局における与干渉電力が大きいと判定されるとの条件である。例えば、与干渉局からの距離が、被干渉信号モニタリング局より近い基地局(等価的に、伝搬損失が小さく与干渉が大きく受信される)がこの条件(2)を満たす。
条件(3)は、被干渉信号モニタリング局における与干渉測定精度指標と比べて当該基地局の与干渉測定精度が大きいとの条件である。ここで、与干渉測定精度指標値は、例えば、γ=1/(L(S+I’+N))で表すことができる。ここで、Lは、与干渉セルからの伝搬損を表し、I’は他の与干渉局(定義については、第3の実施形態参照)からの干渉を表し、Nは雑音電力を表す。与干渉測定精度指標は、与干渉信号の推定精度を劣化させる与干渉信号以外の信号電力(S+I’+N)と与干渉セルからの伝搬損失Lを基に算出した値であり、与干渉信号以外の信号電力が小さく且つ伝搬損失も小さい場合に、測定精度が高くなることを示す指標である。尚、与干渉測定精度指標は、既存干渉電力I’を無視して1/L(S+N)とすることもできる。さらに、与干渉測定精度指標は、雑音電力Nを無視して1/LSとしてもよい。尚、ここで与干渉測定精度指標1/LSは、SIRの逆数に反比例する値であり、与干渉測定精度指標が大きい(小さい)とは、SIRが小さい(大きい)ことに相当する。
条件(1)が満足されることで、与干渉信号モニタリング局における伝搬環境が被干渉信号モニタリング局周辺と類似した伝搬環境となるため、被干渉信号モニタリング局の代わりに与干渉信号を測定することが可能となる。
条件(2)が満足されることで、与干渉信号モニタリング局で測定した与干渉電力が、被干渉信号モニタリング局で算出された許容干渉電力(図14において、Pで示す)以下であれば、与干渉信号モニタリング局と比べて与干渉が小さくなると推定される被干渉信号モニタリング局においても干渉電力を許容干渉電力以下とすることができる。
条件(3)を満足することで、与干渉信号モニタリング局は、被干渉信号モニタリング局と比べて与干渉測定精度指標が大きいため、与干渉電力の測定精度を向上させることができる。
すなわち、以上説明した第4の実施形態によれば、与干渉信号モニタリング局で測定した与干渉信号電力が、被干渉信号モニタリング局での許容干渉電力を超えないようにモニタリングを行うことができる。すなわち、プライマリシステムの保護を行うことができ、かつ、被干渉信号モニタリング局と比べ与干渉電力の測定が容易な与干渉信号モニタリング局において与干渉電力を測定することができるので、与干渉電力の測定精度を向上させることができる。
[第5の実施形態]
図15は、本発明の第5の実施形態に係るセカンダリシステムを構成する第1基地局22(与干渉局)の送信制御部116における、図9(第2の実施形態)に示すのとは別の送信制御の一例を説明するためのフローチャートである。本実施形態において、無線通信システムの構成、並びに該無線通信システムを構成する第1基地局および第2基地局の構成は、第2の実施形態の無線通信システム(図2参照)、並びに第1基地局22および第2基地局24(共に図3参照)と同じである。よって、それらの構成についての説明は省略する。ただし、第1基地局22を構成する送信制御部116の動作については、第2の実施形態の動作(図9参照)と異なるので、以下、それについて説明する。
第1基地局22(与干渉局)の送信制御部116は、モニタリング結果である受信電力(与干渉局からの無線信号の受信電力)と許容干渉電力(閾値)との差分を算出する(ステップS60)。ここで、受信電力をIとし、許容干渉電力をImaxとすると、差分ΔIは、以下の(式2)で規定される。
ΔI=Imax−I [dB] (式2)
送信制御部116は、前回の送信電力に差分ΔIを加算して新送信電力を算出する(ステップS61)。ここで、前回の送信電力をP(n)とすると、新送信電力P(n+1)は、以下の(式3)で規定される。
P(n+1)=P(n)+ΔI [dBm] (式3)
送信制御部116は、算出された新送信電力P(n+1)にて信号を送信する(ステップS62)。
以上説明した第5の実施形態によれば、与干渉局は、モニタリングされた受信電力と許容干渉電力との差分に基づき送信電力を調整するので、プライマリシステム10に対して干渉超過とならない範囲で最大限の電力で送信することができる。よって、プライマリシステム10に干渉を与えることなく且つセカンダリシステム20内でより品質の高い通信サービスを提供することができる。
尚、以上の説明では、受信電力と許容干渉電力との差分に基づく新送信電力の算出処理を、与干渉局側で実行する場合を例に挙げたが、これに限定されず、例えば、モニタリング局側で実行することもできる。この場合、モニタリング局は、新送信電力を上記の方法で算出し、これを与干渉局へ送信すればよい。
[第6の実施形態]
図16は、本発明の第6の実施形態に係る無線通信システムのセカンダリシステムを構成する、第1基地局200(与干渉局)および第2基地局202(モニタリング局)の構成例を示すブロック図である。以下では、説明を簡素なものとするために、第2の実施形態と同様に、第1基地局200と第2基地局202とを共通化した場合を想定(すなわち、各基地局が第1基地局200および第2基地局202の全ての機能を搭載した場合を想定)して説明する。従って、以下では、代表して第2基地局202を用いて説明する。
本実施形態の第2基地局202(図16参照)と、第2の実施形態の第2基地局24(図3参照)との差異は、第2基地局202が、新たに測定条件補正部250を備える点にある。尚、第2基地局202において、この測定条件補正部250以外の構成については、第2基地局24と同様であるため、説明を省略する。
ここで、モニタリング局と実際に干渉を受けるプライマリシステム10の受信局とでは、測定条件が異なる。そこで、モニタリング局(第2基地局202)の測定条件補正部250は、この違いを補正する処理を実行する。具体的には、測定条件補正部250は、測定部112から得たモニタリング結果(プライマリシステム10に対して干渉となるセカンダリシステム20の与干渉局の無線信号の受信電力)に対して、測定条件の違いを補正するための補正処理を施す。以下の説明では、図17に示すように、測定条件の例として、各局の位置、各局の高さ、各局のアンテナの指向性を挙げる。尚、モニタリング局は、下記に示す補正計算に先立って、予め地理データベース50にアクセスし、補正計算に必要な情報(プライマリ受信局の位置、高さ、アンテナ指向性に関する情報)を取得する。
補正前の受信電力をI、位置について補正項をΓlocation、高さについての補正項をΓheight、アンテナ指向性についての補正項をΓantennaとすると、補正後の受信電力Ieは以下の(式4)によって算出することができる。
Ie=I+Γlocation+Γheight+Γantenna (式4)
位置についての補正項Γlocationおよび高さについての補正項Γheightは、例えば、所定の伝搬モデルを用いて差分補正することができる。
例えば、適用伝搬モデルが奥村・泰モデルである場合の伝搬損失Lp[dB]は、以下の(式5)で表される。
Lp[dB]=69.55+26.16logf−13.82loghb−a(hm)+(44.9−6.55loghb)logd (式5)
ここで、fは周波数[MHz](150<f<2200)であり、hbは送信局アンテナ高[m](30<hb<200)であり、hmは受信局アンテナ高[m](1<hm<10)であり、dは伝搬距離[km](1<d<20)である。また、logは底を10とする対数である。また、(式4)において、受信局アンテナ高hmに応じた補正係数a(hm)は、(1.1logf−0.7)hm−(1.56logf−0.8)である。
然るに、セカンダリシステム20の与干渉局とプライマリ受信局との距離をdとし、セカンダリシステム20の与干渉局とモニタリング局との距離をd’とすれば、位置についての補正項Γlocationは、以下の(式6)となる。
Γlocation=(44.9−6.55loghb)log(d’/d) (式6)
また、プライマリ受信局のアンテナ高をhmとし、セカンダリシステム20のモニタリング局のアンテナ高をh’mとすれば、高さについての補正項Γheightは、以下の(式7)となる。
Γheight=a(hm)−a(h’m)=(1.1logf−0.7)(hm−h’m) (式7)
また、アンテナ指向性についての補正項は、例えば、既知アンテナパターンを用いて、アンテナ主軸方向(TV送信機方向)と干渉入射方向から推定することができる。
例えば、干渉入射方向θintでのプライマリ受信局のアンテナ利得をGR(θint)とし、セカンダリシステム20のモニタリング局のアンテナ利得をG’R(θint)とした場合、アンテナ指向性についての補正項は、以下の(式8)によって表される。
Γantenna=GR(θint)−G’R(θint) (式8)
以上説明した第6の実施形態によれば、測定条件補正部250によって、モニタリング局と実際に干渉を受けるプライマリシステムの受信局との間の測定条件の違いが補正される。従って、セカンダリシステム20は、より精度が高い測定結果(例えば、受信電力)に基づいた送信電力制御を実行することが可能となる。
尚、上記の説明では、3つの測定条件全てについて補正する例を挙げたが、3つの条件のうちのいずれか1つのみを補正することも可能である。また、補正対象の測定条件は、上記で挙げた測定条件(位置、高さ、アンテナ指向性)に限定されることはない。
また、上記の説明では、測定した与干渉電力に対して測定条件の補正を行ったが、第2〜4の実施形態のように、プライマリシステムの所望信号電力を測定することがある場合には、同様に測定値を補正することで、モニタリング局における所望信号の測定結果をプライマリシステムの受信局での測定結果に換算することも可能である。補正後のプライマリシステムからの所望信号電力と補正後のセカンダリシステムからの与干渉電力を用いて、第2〜4の実施形態におけるモニタリング局候補の決定やモニタリング局の決定を行うことで、より精度の高い測定結果の得られるモニタリング局を選択可能となる。
さらに、セカンダリシステムの基地局がセクタ分割(例えば3セクタ構成)されている場合には、基地局単位ではなくセクタ単位をモニタリング局の一候補として取り扱うことで、各セクタのアンテナ指向性を上記のように補正することができる。この補正処理を行うことで、第4の実施形態における与干渉測定精度指標の高いセクタを選択することができ、より精度の高い測定結果が得られるセクタを選択可能となる。
また、上記の説明では、測定条件補正処理をモニタリング局側で実行する場合を例に挙げたが、該処理は、与干渉局で行うことも可能である。すなわち、この場合、モニタリング局は、補正前のモニタリング結果を与干渉局へ送信し、与干渉局は、受信した補正前のモニタリング結果に対して、上記補正処理を施せばよい。この場合、測定条件補正部250は、与干渉局側において、例えば、ネットワーク通信部120と送信制御部116との間に配置すればよい。また、この場合、与干渉局は、補正計算に必要な情報を、地理データベース50から取得すればよい。
また、上記の説明では、本実施形態を第2の実施形態に適用する場合を例に挙げたが、本実施形態は、第3〜5の各実施形態、あるいは、第2〜5の実施形態の内の少なくとも2つ以上を組み合わせた実施形態に対して適用することができる。
[第7の実施形態]
図18は、本発明の第7の実施形態に係る無線通信システムのセカンダリシステムを構成する、第1基地局300(与干渉局)および第2基地局302(モニタリング局)の構成例を示すブロック図である。以下では、説明を明りょうなものとするために、第2の実施形態と同様に、第1基地局300と第2基地局302とを共通化した場合を想定(すなわち、各基地局が第1基地局300および第2基地局302の全ての機能を搭載した場合を想定)して説明する。従って、以下では、代表して第2基地局302を用いて説明する。
本実施形態の第2基地局302(図18参照)と、第2の実施形態の第2基地局24(図3参照)との差異は、第2基地局302が、新たに測定誤差補正部350を備える点にある。尚、第2基地局302において、この測定誤差補正部350以外の構成については、第2基地局24と同様であるため、説明を省略する。
ここで、モニタリング処理に含まれる熱雑音やプライマリシステム10からの信号の影響により、モニタリング局で測定された受信電力の値には少なからず測定誤差が含まれる。この測定誤差の影響で、モニタリング局で測定された受信電力、すなわち、プライマリシステム10に対する与干渉電力を、少なく見積もってしまう可能性がある。このような場合、セカンダリシステム20の与干渉局がプライマリシステム10の許容干渉電力を上回る電力で送信することが懸念される。そこで、モニタリング局(第2基地局302)の測定誤差補正部350は、モニタリング局にて測定された受信電力に対し、測定誤差に応じたマージンを加え、受信電力を補正する。
以下の説明では、測定された受信電力に対し、測定誤差の「分散(例えば、標準偏差)」に応じたマージンを追加する場合を例に挙げる。もちろん、本実施形態の本質は、測定誤差に基づくマージンを加えることであり、マージンは、必ずしも測定誤差の分散に応じている必要はない。
図19は、測定誤差の概念図を示す。通常、図19に示すように、測定値は真値を中心として正負対象な誤差が含まれ、その測定誤差はガウス分布(平均0、分散σ2)で近似できる場合が多い。尚、本実施形態では測定誤差がガウス分布であると仮定するが、測定誤差の分布が予め分かる場合には当該分布を用いて同様に仮定することが可能である。
測定された受信電力(補正前の与干渉電力)をIとし、測定誤差に応じたマージンパラメータをkとし、ガウス分布の分散パラメータをσとすると、補正後の受信電力Ieは、以下の(式9)によって表すことができる。
Ie=I+kσ (式9)
ここで、ガウス分布の分散σ2は、モニタリング局における熱雑音の電力とプライマリシステム10からの信号の受信電力の総和と、測定方式や測定時間に応じて決定される。ここで、熱雑音電力と受信信号電力は、補正処理実行前に、予めモニタリング局で測定しておき、測定方法や測定時間に応じて分散σ2を決定しておく。
マージンパラメータkは、要求される干渉保護度合いに応じて異なる値が設定される。例えば、ガウス分布を仮定した場合における、干渉電力を真値より少なく見積もる確率(すなわち、補正値が測定値よりも小さくなる確率、図19においてAで示す領域)は、k=1の場合は15.8%となり、k=2の場合は2.4%となり、k=3の場合は0.15%となることが知られている。
例えば、干渉電力真値が許容干渉電力と等しい場合に、k=2とすれば、97.6%は許容干渉電力より大きい補正値となり、2.4%は許容干渉電力より小さい補正値となる。すなわち、k=2とした場合、97.6%の確率で送信電力低下(または停止)させるためことができ、送信電力を増加させて許容干渉電力以上の干渉を与える確率を2.4%に抑えることができる。従って、許容干渉電力を上回る干渉を与える確率を低下させることが可能となる。
以上説明した第7の実施形態によれば、測定誤差のマージンを変化させることで、モニタリング局の測定方法に依存することなく正確な与干渉制御を実行することが可能となる。例えば、測定された受信電力(与干渉電力)が少なく見積もられ、プライマリシステム10に対して、許容干渉電力を上回る干渉を与える事態を、防ぐことが可能となる。
尚、上記の説明では、測定誤差に対するマージンを、測定した与干渉電力に加えたが、さらにシャドウイングやフェージングの影響による受信電力の低下に対するマージンを、与干渉電力に加えることも可能である。
また、上記の説明では、本実施形態を第2の実施形態に適用する場合を例に挙げたが、これに限定されない。本実施形態は、第3〜6の実施形態、あるいは、第2〜第6の実施形態のうちの少なくとも2つを組み合わせた実施形態に対して適用することができる。本実施形態を第6の実施形態(すなわち、測定条件補正機能を備える)と組み合わせる場合、測定条件補正部と測定誤差補正部とを直列(処理の順番は問わない)、あるいは並列に設けることができる。並列に設ける場合、所定の指標に基づいて両者を切り替えることができる。
尚、上記の説明では、測定誤差補正処理をモニタリング局側で実行する場合を例に挙げたが、該処理は、与干渉局で行うことも可能である。すなわち、この場合、モニタリング局は、補正前のモニタリング結果を与干渉局へ送信し、与干渉局は、受信した補正前のモニタリング結果に対して、上記補正処理を施せばよい。この場合、測定誤差補正部350は、与干渉局側において、例えば、ネットワーク通信部120と送信制御部116との間に配置すればよい。
[第8の実施形態]
図20は、本発明の第8の実施形態に係るスペクトルマネージャ400(制御装置)の構成例を示すブロック図である。第2〜7の実施形態のスペクトルマネージャ40は単に与干渉局とモニタリング局の間の中継装置に過ぎない。しかしながら、本実施形態のスペクトルマネージャ400は、セカンダリシステム20における与干渉制御の一部の機能を搭載することを特徴とする。ここで、一部の機能とは、具体的には、モニタリング機能を除く与干渉制御に関する全てあるいは一部の機能、例えば、第6の実施形態に示す測定条件補正部250(図16参照)に相当する機能のことを指す。
スペクトルマネージャ400は、ネットワーク通信部402と、測定条件補正部404と、を備える。ネットワーク通信部402は、ネットワーク30を介して、セカンダリシステム20を構成する第1基地局22(与干渉局)および第2基地局24(モニタリング局)と通信を行う。測定条件補正部404は、第6の実施形態の測定条件補正部250と同様の機能を有する。
すなわち、スペクトルマネージャ400のネットワーク通信部402は、第2基地局24から補正前の受信電力を受信する。そして、ネットワーク通信部402は、この値をただ単に第1基地局22へ送信するのではなく、測定条件補正部404において補正を行い、その補正された受信電力を、第1基地局22へ送信する。ここで、「補正された受信電力」の例として、測定条件の違いを補正した補正値であって、前述の(式4)で表される値を挙げることができる。
以上説明した第8の実施形態によれば、セカンダリシステム20の与干渉制御に関連する一部の機能をスペクトルマネージャ400に移管することにより、セカンダリシステム20の構成を簡素なものとすることができる。
尚、上記の説明では、スペクトルマネージャ400が測定条件補正部404を搭載する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、スペクトルマネージャ400は、測定条件補正部404に替えて、あるいは、測定条件補正部404に加えて、測定誤差補正機能(第7の実施形態の測定誤差補正部350相当の機能)を搭載することもできる。
スペクトルマネージャ400が測定条件補正機能と測定誤差補正機能とを備える場合、測定条件補正部と測定誤差補正部とを直列(処理の順番は問わない)、あるいは並列に設けることができる。並列に設ける場合、所定の指標に基づいて両者を切り替えることできる。
また、スペクトルマネージャ400は、与干渉制御の別の機能、例えば、送信制御機能(第2および第5の実施形態に示す送信制御部116相当の機能)を、上記各補正機能に替えて、あるいは、各補正機能に加えて搭載することができる。すなわち、この場合、スペクトルマネージャ400は、モニタリング局から、測定された受信電力(すなわち、補正されていない)を受信し、必要に応じて補正(測定条件補正および/または測定誤差補正)を行う。スペクトルマネージャ400は、与干渉局における送信制御の最終判断を行い、その結果(すなわち、送信停止か継続かの指示、あるいは、差分に基づく新送信電力値)を、与干渉局に送信することができる。
また、スペクトルマネージャ400は、与干渉制御のまた別の機能、例えば、モニタリング局決定機能(例えば、第2の実施形態に示すモニタリング局決定部124相当の機能)を、搭載することもできる。この場合、該決定機能のみを搭載してもよく、あるいは、上記の各補正機能や送信制御機能と合わせて搭載することもできる。
尚、以上説明した第2〜第8の実施形態において、モニタリング局は、与干渉局の送信前に、予めプライマリ信号(TV信号)の受信電力及び雑音電力を推定しておくこともできる。ここで、与干渉局の送信前では、モニタリング局での測定対象周波数帯域での受信信号は、TV信号とモニタリング局受信機内で発生した熱雑音が存在し、モニタリング局では予めこの周波数帯域の受信電力を測定しておく。モニタリング局は、測定対象の周波数帯域の受信電力から予め測定しておいたTV信号受信電力及び雑音電力を減算し、これを受信電力の測定結果とすることもできる。
また、以上説明した第2〜第8の実施形態において、受信電力は、直接測定するだけでなく、別の特徴量から推定することもできる。例えば、パイロット信号のスライディング相関により算出した相関値を用いて推定することもできる。具体的には、実際に受信したパイロット信号と既知パイロット信号とをスライディング相関により相関値を計算し、最大相関値を求め、その値からパイロット信号の受信電力を推定し、さらに総受信電力(パイロット信号やデータ信号の合計電力値)を推定することもできる。ここで、パイロット信号の受信電力の算出は、最大相関値とパイロット信号の受信電力の対応関係を表すテーブルを予め保持し、求めた最大相関値をキーに該テーブルをサーチして求めることができる。
図21は、スライディング相関を説明するための概念図である。例えば、与干渉信号がLTE(Long Term Evolution)下り信号の場合、与干渉局はモニタリングを依頼するモニタリング局に対して、自セルのセルID(Identification)をネットワーク30経由で通知する。モニタリング局では、通知されたセルIDと対応したRS(Reference Signal:チャネル推定等に用いられる既知のパイロット信号であって、セルIDに紐付けられている)を生成し、さらに、これを時間領域に変換する。
Figure 2011108376
モニタリング局は、(式10)に示す計算式により、時間領域変換後のRS信号(図21では、短縮して“変換後信号”と表す)の複素共役(ip(k))と受信信号(y(n+k))とのスライディング相関から最大相関値Tmax(図22参照)を算出する。モニタリング局は、最大相関値をキーに上記テーブルをサーチし、パイロット受信電力を求める。尚、(式10)において、Kは時間領域のRS系列長を示す。モニタリング局は、与干渉局に対し、求めたパイロット受信電力値を送信する。また、与干渉局では、データ部まで含めた総送信電力とパイロット送信電力との電力比と、モニタリング局から送信されたパイロット受信電力値とを用いて、モニタリング局における総受信電力(即ち、干渉電力)を推定することができる。
尚、以上説明した第2〜第8の実施形態において、セカンダリシステム20を構成する与干渉局およびモニタリング局は、基地局に限定されず、例えば、中継局や端末局であってもよい。また、モニタリング局は、モニタリングを専用に行うモニタリングノードとすることもできる。
また、以上説明した第2〜第8の実施形態において、プライマリシステム10(被干渉システム)に対して干渉となるセカンダリシステム20(与干渉システム)の無線信号の測定は、必ずしも受信電力の測定である必要はない。上記無線信号の測定は、プライマリシステム10に対する干渉度合いを認識できるのであれば、他の指標(物理量)の測定であってもよい。
また、以上説明した第1〜第8の実施形態において、プライマリシステム10とセカンダリシステム20とは、異なるRAT(Radio Access Technology)であってもよく、同一のRATであってもよい。異なるRATである場合の例としては、前述したとおり、例えば、TV放送システムとセルラーシステムの組み合わせを挙げることができる。同一のRATである場合の例として、例えば、プライマリシステム10がマクロセルであり、セカンダリシステム20がその中に設置されるフェムトセルとすることができる。
尚、以上説明した第1〜8の実施形態は、所定のハードウェア、例えば、回路として具現化することもできる。
また、以上説明した第1〜8の実施形態は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、例えば、装置またはシステム内部の記憶媒体、あるいは外部の記憶媒体に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。内部の記憶媒体としては、例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を挙げることができる。一方、外部の記憶媒体としては、例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等を挙げることができる。
以上、様々な実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2010年3月1日に出願された日本出願特願2010−044350号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 与干渉システム
2 与干渉局
3 モニタリング局
4 決定部
10 プライマリシステム
12 放送局(プライマリ送信局)
20 セカンダリシステム
22 第1基地局
24、24A〜24D 第2基地局
30 ネットワーク
40 スペクトルマネージャ
50 地理データベース
60 他の与干渉局
100 アンテナ
102 送受信分離部
104 第1受信用RFアナログ部
106 第2受信用RFアナログ部
108 帯域制御部
110 受信復調器
112 測定部
114 送信用RFアナログ部
116 送信制御部
118 送信変調器
120 ネットワーク通信部
124 モニタリング局決定部
126 モニタリング結果送信部
200 第1基地局
202 第2基地局
250 測定条件補正部
300 第1基地局
302 第2基地局
350 測定誤差補正部
400 スペクトルマネージャ
402 ネットワーク通信部
404 測定条件補正部

Claims (27)

  1. 他のシステムに対して干渉となる、自無線局の無線信号を測定する少なくとも1つのモニタリング局を、前記自無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する決定手段を備えることを特徴とする無線局。
  2. 前記決定手段は、前記複数の無線局の中で、干渉保護条件を満たす許容送信電力が他の無線局より小さいかあるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つの無線局を、前記モニタリング局とすることを特徴とする請求項1記載の無線局。
  3. 前記許容送信電力は、前記複数の各無線局における、前記他のシステムが送信する所望信号の受信電力の測定値あるいは推定値と、前記自無線局と前記複数の各無線局との間の伝搬損推定値と、に基づいて、前記複数の無線局毎に算出されることを特徴とする請求項2記載の無線局。
  4. 前記許容送信電力は、前記所望信号の受信電力の測定値あるいは推定値、および前記伝搬損推定値に加え、さらに、前記複数の各無線局における、前記無線信号と同一周波数の無線信号を送信する、前記自無線局とは別の少なくとも1つの無線局からの既存干渉電力を考慮して算出されることを特徴とする請求項3記載の無線局。
  5. 前記自無線局とは別の少なくとも1つの無線局とは、前記自無線局が属する無線通信システムにおいて前記周波数の無線信号を送信する別の少なくとも1つの無線局、および前記無線通信システムとは別の無線通信システムにおいて前記周波数の無線信号を送信する少なくとも1つの無線局のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項4記載の無線局。
  6. 前記許容送信電力は、前記所望信号の受信電力の測定値あるいは推定値に基づいて算出される許容干渉電力から前記既存干渉電力を減算した値に基づいて算出されることを特徴とする請求項4または5記載の無線局。
  7. 前記決定手段は、前記複数の無線局の中から、前記他のシステムが送信する所望信号の受信電力を測定する少なくとも1つの第1モニタリング局と、該第1モニタリング局とは別のモニタリング局であって、前記自無線局の無線信号の受信電力を測定する少なくとも1つの第2モニタリング局と、を決定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線局。
  8. 前記決定手段は、前記複数の無線局の中で、干渉保護条件を満たす許容送信電力が他の無線局より小さいかあるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つの無線局を、前記第1モニタリング局とすることを特徴とする請求項7記載の無線局。
  9. 前記決定手段は、前記複数の無線局の中で、前記第1モニタリング局の周辺に存在するとの条件、前記受信電力が前記第1モニタリング局における前記受信電力より大きいと判定されるとの条件、および与干渉測定精度指標が前記第1モニタリング局における値より大きい値であるとの条件を少なくとも満たす少なくとも1つの無線局を、前記第2モニタリング局とすることを特徴とする請求項8記載の無線局。
  10. 前記決定手段は、複数のモニタリング局を決定し、前記自無線局から前記無線信号の送信が開始された後に前記複数の各モニタリング局からのモニタリング結果に基づいて複数のモニタリング局の中から次回モニタリングするモニタリング局を選別することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の無線局。
  11. 前記モニタリング結果は、前記複数の各モニタリング局における、前記他のシステムが送信する所望信号の受信電力および前記自無線局からの無線信号の受信電力であり、前記決定手段は、前記複数のモニタリング局毎に、両受信電力の比を示すSIR(Signal to Interference Ratio)を算出し、複数のモニタリング局の中から前記SIRが他のモニタリング局より小さいかあるいは所定の閾値より小さい、少なくとも1つのモニタリング局を選別することを特徴とする請求項10記載の無線局。
  12. 前記決定手段は、前記モニタリング局の決定に先立って、前記複数の無線局の中から所定の基準に基づいて複数のモニタリング局候補を決定し、複数のモニタリング局候補の中から少なくとも1つのモニタリング局を決定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の無線局。
  13. 前記所定の基準は、前記複数の各無線局における、前記他のシステムが送信する所望信号の受信電力の測定値あるいは推定値が、所定の第1閾値以上であるとの基準であることを特徴とする請求項12記載の無線局。
  14. 前記所定の基準は、前記複数の各無線局における、前記測定値あるいは前記推定値が前記第1閾値以上であり、且つ、前記複数の各無線局における、前記自無線局からの無線信号の受信電力の測定値あるいは推定値が所定の第2閾値以上であるとの基準であることを特徴とする請求項13記載の無線局。
  15. 前記自無線局は、前記モニタリング局の測定結果に基づいて送信制御を実行する送信制御手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜14記載の無線局。
  16. 前記送信制御は、前記測定結果と所定の閾値との比較結果に基づいて実行されることを特徴とする請求項15記載の無線局。
  17. 前記送信制御は、前記測定結果と前記閾値との比較結果に基づいた送信停止処理を含むことを特徴とする請求項16記載の無線局。
  18. 前記送信制御は、前記自無線局の送信出力を、前記測定結果と前記閾値との差分に基づいた送信出力に調整する処理を含むことを特徴とする請求項16または17記載の無線局。
  19. 前記送信制御手段は、前記測定結果に対して所定の補正処理を施した補正測定結果に基づいて送信制御を実行することを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の無線局。
  20. 前記補正処理は、前記他のシステムの受信局と前記モニタリング局の測定条件の違いを補正する処理を含むことを特徴とする請求項19記載の無線局。
  21. 前記測定条件の違いは、前記受信局と前記モニタリング局間の、位置の違い、高さの違い、アンテナの指向性の違いのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項20記載の無線局。
  22. 前記補正処理は、前記測定結果に、測定誤差に基づくマージンを加算する処理を含むことを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の無線局。
  23. 前記マージンは、測定誤差の分散(標準偏差)に基づくマージンであることを特徴とする請求項22記載の無線局。
  24. 他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する決定装置。
  25. 他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する無線通信システム。
  26. 他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する決定方法。
  27. 他のシステムに対して干渉となる、第1無線局の無線信号を測定する少なくとも1つの第2無線局を、前記第1無線局が属する無線通信システムの複数の無線局の中から決定する処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体。
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