JPWO2011083574A1 - エレベータ装置 - Google Patents

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Abstract

エレベータ装置において、調速機は、かごの移動に応じて所定の公転軸を中心に公転する遠心おもりと、遠心おもりが接続され、かつ公転軸を中心に回転され、公転によって遠心おもりが受ける遠心力に応じて公転軸に対して変位される伸縮体と、エレベータの運転状態に応じて伸縮体を伸縮させる切替装置と、伸縮体が伸びた伸長状態及び伸縮体が縮んだ収縮状態のいずれの状態であるかを検出する動作検出装置とを有している。また、調速機は、公転軸に対する伸縮体の変位量に基づいて、かごの速度の異常の有無を検出する。制御装置は、エレベータの運転状態と動作検出装置の検出結果とを比較することにより、調速機の異常の有無を判定する。

Description

この発明は、昇降路内を移動されるかごを有するエレベータ装置に関するものである。
従来、かごの速度が所定の運転停止速度になったときに、巻上機のブレーキ装置を動作させ、かごの速度が運転停止速度よりも高い非常過速度になったときに、かごに設けられた非常止め装置を動作させるエレベータ装置が提案されている。この従来のエレベータ装置では、かごの速度に応じて回転軸を変位される変位体が過速度検出スイッチの位置に達することにより、かごの速度が運転停止速度に達したことが検出される。運転停止速度の値は、過速度検出スイッチの位置を変えることにより変更可能になっている。過速度検出スイッチの位置は、電磁マグネットを有する電磁変位装置によって変えられる(特許文献1参照)。
WO2009/093330
しかし、上記のような従来のエレベータ装置では、電磁マグネットを有する電磁変位装置によって過速度検出スイッチの位置が変えられるので、磨耗劣化等による電磁変位装置の動作不良や、断線等による電磁マグネットへの給電停止等によって、過速度検出スイッチの変位に異常が生じてしまうおそれがある。このような異常が生じた場合、過速度検出スイッチの位置が本来の位置から外れてしまい、運転停止速度の値を所望の値に設定することができなくなってしまう。また、上記のような従来のエレベータ装置では、非常止め装置を動作させる非常過速度の値を変更することができないという問題点もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、調速機の異常をより確実に検出することができるエレベータ装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータ装置は、昇降路内を移動されるかご、かごの移動に応じて所定の公転軸を中心に公転する遠心おもりと、遠心おもりが接続され、かつ公転軸を中心に回転され、公転によって遠心おもりが受ける遠心力に応じて公転軸に対して変位される伸縮体と、エレベータの運転状態に応じて伸縮体を伸縮させる切替装置と、伸縮体が伸びた伸長状態及び伸縮体が縮んだ収縮状態のいずれの状態であるかを検出する動作検出装置とを有し、公転軸に対する伸縮体の変位量に基づいて、かごの速度の異常の有無を検出する調速機、及びエレベータの運転状態と動作検出装置の検出結果とを比較することにより、調速機の異常の有無を判定する制御装置を備えている。
この発明によるエレベータ装置では、伸縮体の状態が伸長状態及び収縮状態のいずれの状態であるかが動作検出装置により検出されるので、伸縮体が正常な伸縮動作を行えなくなった場合であっても、動作検出装置の検出結果とエレベータの運転状態とを比較することにより、調速機の異常をより確実に検出することができる。これにより、調速機の異常を早期に検出することができ、調速機の異常が生じた状態でエレベータの運転が継続されることを防止することができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。 図1の調速機を示す縦断面図である。 図2の調速機の伸縮体が伸びている状態を示す縦断面図である。 図2の調速機を示す正面図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す構成図である。 図5の各下部位置スイッチ、各上部位置スイッチ及び通信装置の電気的な接続状態を示す回路図である。 図6の各下部位置スイッチ及び各上部位置スイッチのすべてがカムの検出を停止している状態を示す回路図である。 図5の調速機を示す縦断面図である。 図5のかごが下端部領域及び上端部領域のいずれからも外れているときの調速機を示す縦断面図である。 図5のかごの通常運転速度、第1の設定過速度及び第2の設定過速度のそれぞれと、かごの位置との関係を示すグラフである。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2内には、駆動綱車3を有する巻上機(駆動装置)4と、駆動綱車3に対して間隔を置いて配置されたそらせ車5と、エレベータの運転を制御する制御装置6とが設けられている。
駆動綱車3及びそらせ車5には、共通の主索7が巻き掛けられている。主索7には、昇降路1内を昇降可能なかご8及び釣合おもり9が吊り下げられている。かご8及び釣合おもり9は、駆動綱車3の回転により昇降路1内を昇降される。かご8及び釣合おもり9が昇降路1内を昇降されるときには、かご8がかごガイドレール(図示せず)に案内され、釣合おもり9が釣合おもりガイドレール(図示せず)に案内される。
かご8の下部には、かご8の落下を阻止する非常止め装置10が設けられている。非常止め装置10には、操作アーム11が設けられている。非常止め装置10は、操作アーム11の操作により、かごガイドレールを把持する。かご8の落下は、非常止め装置10によるかごガイドレールの把持により阻止される。
機械室2内には調速機12が設けられ、昇降路1内の下部には張り車13が設けられている。調速機12は、調速機本体14と、調速機本体14に設けられた調速機綱車15とを有している。調速機綱車15及び張り車13間には、調速機ロープ16が巻き掛けられている。調速機ロープ16の一端部及び他端部は、操作アーム11に接続されている。これにより、調速機綱車15及び張り車13は、かご8の移動に応じて回転される。調速機綱車15及び張り車13は、かご8の上昇により正転され、かご8の下降により逆転される。
調速機本体14は、調速機綱車15の回転速度が所定の設定過速度(非常過速度)に達したときに、調速機ロープ16を把持する。操作アーム11は、調速機ロープ16が調速機本体14により把持されてかご8が調速機ロープ16に対して変位されることにより、操作される。
昇降路1の底部(ピット部)には、かご8の下方に位置するかご緩衝器17と、釣合おもり9の下方に位置する釣合おもり緩衝器18とが設けられている。かご緩衝器17は、かご8の衝突を受けたときにかご8に与える衝撃を和らげる。釣合おもり緩衝器18は、釣合おもり9の衝突を受けたときに釣合おもり9に与える衝撃を和らげる。
図2は、図1の調速機12を示す縦断面図である。また、図3は、図2の調速機12の伸縮体が伸びている状態を示す縦断面図である。さらに、図4は、図2の調速機12を示す正面図である。図において、調速機12は、支持体19により支持されている。調速機本体14は、調速機綱車15の回転速度に応じて調速機綱車15に連動する綱車連動装置20と、綱車連動装置20に操作されることにより、エレベータの運転を停止する停止信号を出力する過速度検出スイッチ21と、綱車連動装置20に操作されることにより調速機ロープ16を把持する把持装置22(図4)とを有している。
調速機綱車15の綱車軸23は、図2及び図3に示すように、軸受24を介して支持体19に水平に支持されている。綱車軸23の端部には、駆動傘歯車25が固定されている。
綱車連動装置20は、鉛直方向に沿って配置された従動軸(所定の公転軸)26と、従動軸26の下端部に固定され、駆動傘歯車25に噛み合う従動傘歯車27と、従動軸26に設けられ、従動軸26に沿った方向へ従動軸26に対して変位可能な変位体28と、従動軸26の回転に応じて変位体28を変位させる遠心変位装置29と、遠心変位装置29の設定をエレベータの運転状態に応じて切り替えることにより、従動軸26の回転速度と変位体28の変位量との関係を変更する切替装置30と、切替装置30による遠心変位装置29の設定の切り替え動作を検出する動作検出スイッチ(動作検出装置)31とを有している。
従動軸26は、軸受32を介して支持体19に支持されている。綱車軸23の回転は、駆動傘歯車25及び従動傘歯車27を介して従動軸26に伝達される。従って、従動軸26は、調速機綱車15の回転に応じて回転される。即ち、従動軸26は、調速機綱車15の正転時に正転され、調速機綱車15の逆転時に逆転される。
遠心変位装置29は、従動軸26の上部に設けられている。また、遠心変位装置29は、従動軸26と一体に回転される。さらに、遠心変位装置29は、従動軸26の回転に応じて従動軸26を中心として公転する一対のフライボール(遠心おもり)33と、フライボール33が接続され、従動軸26を中心として回転可能な一対の伸縮体34と、従動軸26に摺動可能に通された滑り筒35と、各伸縮体34と滑り筒35とを連動させる一対のリンク部材36と、滑り筒35を下方へ付勢する平衡ばね37とを有している。
各フライボール33は、従動軸26を中心とする公転により、従動軸26の回転速度に応じた遠心力を受ける。
伸縮体34は、フライボール33が受ける遠心力に応じて、従動軸26に対して回動により変位される。滑り筒35は、各伸縮体34の従動軸26に対する変位に応じて、従動軸26に沿った方向へ変位される。即ち、従動軸26の回転速度が増加するときには、各フライボール33が互いに離れる方向へ伸縮体34が変位され、滑り筒35が平衡ばね37の付勢力に逆らって上方へ変位される。また、従動軸26の回転速度が低下するときには、各フライボール33が互いに近づく方向へ伸縮体34が変位され、滑り筒35が平衡ばね37の付勢力により下方へ変位される。
各伸縮体34は、棒状体とされている。また、各伸縮体34は、従動軸26に対して回動可能に取り付けられた伸縮体本体38と、伸縮体本体38に設けられ、伸縮体34の長さを変化させるアクチュエータ39とを有している。
アクチュエータ39は、伸縮体本体38に対して変位可能なプランジャ40と、プランジャ40を伸縮体本体38に対して変位させる電磁コイル41とを有している。
フライボール33は、プランジャ40に取り付けられている。プランジャ40は、伸縮体本体38から突出する伸び位置(図3)と、伸び位置よりも伸縮体本体38に近い縮み位置(図2)との間で変位可能になっている。伸縮体34の長さは、プランジャ40が伸び位置と縮み位置との間を変位されることにより変化する。即ち、伸縮体34の状態は、プランジャ40の伸縮体本体38に対する変位により、伸縮体34が伸びた伸長状態と伸縮体34が縮んだ収縮状態との間で変化する。伸縮体34の状態は、電磁コイル41への通電により収縮状態となり、電磁コイル41への通電が停止されたときに、図示しないばね(付勢体)の付勢力により伸長状態となる。
変位体28は、滑り筒35とともに変位可能になっている。これにより、変位体28は、調速機綱車15の回転速度に応じて従動軸26に沿った方向へ変位される。また、変位体28は、滑り筒35及び従動軸26に対して回転自在になっている。従って、変位体28の状態は、滑り筒35及び従動軸26が回転されても、回転されないまま保たれる。さらに、変位体28は、従動軸26に摺動可能に通された従動筒42と、従動筒42の外周面から突出する操作部43とを有している。
切替装置30は、かご8の移動方向によって特定されるエレベータの運転状態に応じて各伸縮体34を伸縮させることにより、遠心変位装置29の設定を切り替える。即ち、切替装置30は、かご8の移動方向が上方向であるとき(即ち、従動軸26の正転時)と下方向であるとき(即ち、従動軸26の逆転時)とで、伸縮体34の状態を伸長状態及び収縮状態の互いに異なる状態とする。これにより、かご8の移動方向が上方向であるときと下方向であるときとで、各フライボール33の公転半径が異なるようになり、従動軸26の回転速度と変位体28の変位量との関係が異なるようになる。
この例では、切替装置30は、かご8の移動方向が上方向であるとき(即ち、従動軸26の正転時)に伸縮体34の状態を収縮状態とし、かご3の移動方向が下方向であるとき(即ち、従動軸26の逆転時)に伸縮体34の状態を伸長状態とする。
また、切替装置30は、従動軸26の回転により発電する発電機44と、発電機44で発電された電力のうち、従動軸26の正転時及び逆転時のいずれかにおける電力のみを電磁コイル41へ送る整流装置45とを有している。
発電機44は、従動軸26の上端部に設けられている。また、発電機44は、直流発電機とされている。さらに、発電機44は、永久磁石を含む発電機用固定軸46と、発電用コイルを含み、発電機用固定軸46を囲む発電機本体47とを有している。発電機用固定軸46は、取付金48を介して支持体19に取り付けられている。発電機本体47は、従動軸26と一体に回転される。発電機本体47が従動軸26と一体に回転されると、発電用コイルに電流が流れる。発電用コイルを流れる電流の方向は、従動軸26の回転方向に応じて変わる。即ち、発電機44は、従動軸26の正転時に正の電流を発生し、従動軸26の逆転時に負の電流を発生する。
整流装置45は、導線49,50により発電機本体47及び電磁コイル41のそれぞれに電気的に接続されている。また、整流装置45は、発電機44からの正負の電流のいずれかのみを電磁コイル41へ送る。これにより、従動軸26の正転時及び逆転時のいずれかにおける電力のみが整流装置45から電磁コイル41へ送られる。
この例では、発電機44からの正負の電流のうち、正の電流のみ(即ち、かご8の移動方向が上方向であるときの電流のみ)が整流装置45から電磁コイル41へ送られる。負の電流は、整流装置45によって遮断され、電磁コイル41へは達しない。従って、かご8の移動方向が上方向であるときには各伸縮体34の状態が収縮状態となり、かご8の移動方向が下方向であるときには各伸縮体34の状態が伸長状態となる。
動作検出スイッチ31は、伸縮体34にそれぞれ設けられている。また、動作検出スイッチ31は、伸縮体34の状態が伸長状態及び収縮状態のいずれであるかを検出することにより、切替装置30による遠心変位装置29の設定の切り替え動作を検出する。
動作検出スイッチ31は、伸縮体本体38に取り付けられたスイッチ本体(動作検出装置本体)51と、スイッチ本体51からフライボール33に向かって突出する前進位置と前進位置よりもスイッチ本体51に近い後退位置との間で変位可能なスイッチ可動片(可動体)52とを有している。
スイッチ可動片52は、伸縮体34に沿って配置された棒状体である。また、スイッチ可動片52は、スイッチ本体51内に配置された図示しないスイッチばね(付勢体)によって前進位置へ付勢されている。
スイッチ可動片52は、伸縮体34の状態が伸長状態であるときにフライボール33から離れている。従って、伸縮体34の状態が伸長状態であるときには、スイッチ可動片52がスイッチばねの付勢力により前進位置に変位されている。
伸縮体34が縮んで収縮状態になるときには、フライボール33がスイッチ本体51に近づく方向へ変位される。スイッチ可動片52は、伸縮体34が縮んで収縮状態になるとき、フライボール33に押されながら、スイッチばねの付勢力に逆らって前進位置から後退位置へ変位される。
即ち、スイッチ可動片52は、伸縮体34の伸縮に応じて前進位置と後退位置との間を変位される。
スイッチ本体51は、スイッチ可動片52の変位に応じて伸縮体34が伸長状態及び収縮状態のいずれの状態であるのかを検出する。即ち、スイッチ本体51は、スイッチ可動片52が前進位置及び後退位置のいずれか一方にあるときにON状態となり、他方にあるときにOFF状態となる。
この例では、スイッチ本体51は、スイッチ可動片52が前進位置にあるときにON状態となり、スイッチ可動片52が後退位置にあるときにOFF状態となる。スイッチ本体51によって検出された情報は、動作検出スイッチ31から制御装置6へ送られる。
過速度検出スイッチ21は、従動筒42の径方向外側に配置されている。また、過速度検出スイッチ21は、支持体19に固定されたスイッチ本体53と、スイッチ本体53に設けられ、変位体28側へ突出するスイッチレバー54とを有している。操作部43は、変位体28の過速度検出スイッチ21に対する変位により、スイッチレバー54を操作可能になっている。過速度検出スイッチ21は、スイッチレバー54が操作部43により操作されることにより、かご8の速度の異常を検出する。即ち、過速度検出スイッチ21は、変位体28の検出の有無に基づいて、かご8の速度の異常の有無を検出する。エレベータの運転を停止させる停止信号は、過速度検出スイッチ21によるかご8の速度の異常の検出により、スイッチ本体53から出力される。
各伸縮体34の状態が伸長状態であるときには、各フライボール33の公転半径が大きくなるので、各伸縮体34の状態が収縮状態であるときよりも、変位体28の変位量が大きくなる。従って、各伸縮体34の状態が伸長状態であるときには、各伸縮体34の状態が収縮状態であるときよりも従動軸26の回転速度が低い段階で、変位体28がスイッチレバー54を操作する位置に達することとなる。即ち、過速度検出スイッチ21がかご8の速度の異常を検出する従動軸26の回転速度(第1の設定過速度)は、各伸縮体34の状態が収縮状態であるとき(かご8の移動方向が上方向であるとき)よりも、各伸縮体34の状態が伸長状態であるとき(かご8の移動方向が下方向であるとき)のほうが低い値となる。
ここで、何らかの原因で伸縮体34の伸縮動作が正常に行われなくなった場合には、かご8の移動方向が上方向であるとき(即ち、本来なら各伸縮体34の状態が収縮状態となるべきとき)に各伸縮体34の状態が伸長状態となったり、かご8の移動方向が下方向であるとき(即ち、本来なら各伸縮体34の状態が伸長状態となるべきとき)に各伸縮体34の状態が収縮状態となったりして、第1の設定過速度の値が本来の値から外れてしまい、調速機12の異常が生じることとなってしまう。
制御装置6(図1)は、かご8の移動方向によって特定されるエレベータの運転状態と動作検出スイッチ31の検出結果とを比較することにより、調速機12の異常の有無を判定する。即ち、制御装置6は、かご8の移動方向が上方向及び下方向のいずれであるかの情報と、動作検出スイッチ31がON状態及びOFF状態のいずれであるかの情報とを比較することにより、調速機12の異常の有無を判定する。
具体的には、制御装置6は、かご8の移動方向が上方向であるときに動作検出スイッチ31がOFF状態(伸縮体34の状態が収縮状態)である場合、及びかご8の移動方向が下方向であるときに動作検出スイッチ31がON状態(伸縮体34の状態が伸長状態)である場合に、調速機12が正常であるとの判定を行う。また、制御装置6は、かご8の移動方向が上方向であるときに動作検出スイッチ31がON状態(伸縮体34の状態が伸長状態)である場合、及びかご8の移動方向が下方向であるときに動作検出スイッチ31がOFF状態(伸縮体34の状態が収縮状態)である場合に、調速機12が異常であるとの判定を行う。
制御装置6は、調速機12が異常であるとの判定を行った場合、音声や表示によって点検や修理等を促す警告を行ったり、エレベータの運転を停止する制御を行ったりする。また、制御装置6は、過速度検出スイッチ21からの停止信号を受けることにより、かご8の速度に異常が発生したとの判定を行い、エレベータの運転を停止する制御を行う。即ち、制御装置6は、過速度検出スイッチ21及び各動作検出スイッチ31のそれぞれからの情報に基づいて、エレベータの運転を制御する。
把持装置22は、図4に示すように、調速機綱車15の下方に配置されている。また、把持装置22は、支持体19に固定された固定シュー55と、固定シュー55との間で調速機ロープ16を把持する把持位置と把持位置よりも固定シュー55から離れた開放位置との間で変位可能な可動シュー56と、把持位置へ変位された可動シュー56と固定シュー55との間で調速機ロープ16を把持する把持力を発生する変位押圧装置57と、通常時は可動シュー56を開放位置に保持し、従動軸26の回転速度が第1の設定過速度よりも高い第2の設定過速度に達することにより可動シュー56の保持を解除する保持装置58とを有している。
変位押圧装置57は、支持体19に設けられた取付部及び可動シュー56間に接続され伸縮可能なシュー用伸縮腕59と、シュー用伸縮腕59に設けられ、支持体19の取付部から離れる方向へ可動シュー56を付勢する押圧ばね(付勢体)60とを有している。
シュー用伸縮腕59は、支持体19の取付部及び可動シュー56のそれぞれに回動可能に接続されている。可動シュー56は、シュー用伸縮腕59が支持体19の取付部に対して回動されることにより、把持位置と開放位置との間で変位される。シュー用伸縮腕59は、可動シュー56が把持位置に変位されることにより、固定シュー55に押されて縮む。また、シュー用伸縮腕59は、可動シュー56が開放位置に変位されることにより、押圧ばね60の付勢力を受けて伸びる。
押圧ばね60は、支持体19の取付部と可動シュー56との間で縮められている。また、押圧ばね60は、内部にシュー用伸縮腕59が通されたコイルばねとされている。押圧ばね60による付勢力は、シュー用伸縮腕59が縮むことによりさらに大きくなる。
変位押圧装置57による把持力は、可動シュー56が把持位置へ変位されて押圧ばね60の付勢力が大きくなることにより発生する。
保持装置58は、可動シュー56に係合する係合位置と可動シュー56との係合が外れる解除位置との間で変位可能な係合レバー61と、解除位置へ変位される方向へ係合レバー61を付勢する解除用ばね(付勢体)62と、解除用ばね62の付勢力に逆らって、係合位置に係合レバー61を保持する押さえ部材63とを有している。
係合レバー61は、支持体19に設けられたレバー軸64を中心に回動されることにより、係合位置と解除位置との間を変位される。解除用ばね62は、係合レバー61及び支持体19間に接続されている。
押さえ部材63は、支持体19に設けられた支持軸65を中心に回動可能になっている。また、押さえ部材63は、リンク66を介して変位体28に連結されている。これにより、押さえ部材63は、変位体28の変位に応じて支持軸65を中心に回動される。
リンク66は、変位体28及び押さえ部材63のそれぞれに回動可能に接続されている。また、リンク66は、従動軸26の回転速度の上昇により上方へ変位される。
係合レバー61は、通常時には押さえ部材63により係合位置に保持されている。押さえ部材63は、リンク66の上方への変位により、押さえ部材63による係合レバー61の保持が外れる方向へ回動される。押さえ部材63による係合レバー61の保持は、従動軸26の回転速度が第1の設定過速度を超えて第2の設定過速度に達することにより外れる。
押さえ部材63による係合レバー61の保持が外れると、係合レバー61が解除用ばね62の付勢力によって係合位置から解除位置へ変位され、可動シュー56と係合レバー61との係合が外れる。可動シュー56と係合レバー61との係合が外れると、可動シュー56が自重により把持位置へ変位され、調速機ロープ16が固定シュー55と可動シュー56との間で把持される。
次に、動作について説明する。かご8が移動されると、従動軸26がかご8の移動に応じて回転され、変位体28が従動軸26の回転速度に応じて従動軸26に沿って変位される。かご8が通常運転速度で移動されているときには変位体28の変位量が小さく、スイッチレバー54が操作部43により操作されることはない。
何らかの原因でかご8の速度が上昇し、第1の設定過速度に達したときには、スイッチレバー54が操作部43により操作される。これにより、過速度検出スイッチ21から制御装置6へ停止信号が送られる。制御装置6が停止信号を受けると、エレベータの運転が制御装置6の制御により強制的に停止される。
この後、制御装置6による運転停止の制御が行われたにもかかわらず、かご8の速度がさらに上昇し、第2の設定過速度に達したときには、押さえ部材63による係合レバー61の保持が外れ、調速機ロープ16が固定シュー55と可動シュー56との間で把持される。これにより、調速機ロープ16の移動が停止し、かご8が調速機ロープ16に対して移動される。
かご8が調速機ロープ16に対して移動されると、操作アーム11が操作され、かごガイドレールを把持する動作が非常止め装置10により行われる。これにより、制動力がかご8に対して直接与えられる。
次に、綱車連動装置20の動作について説明する。かご8が上昇しているときには、従動軸26が正転される。これにより、正の電流が発電機44で発生する。発電機44からの正の電流は、整流装置45を通って電磁コイル41へ送られる。これにより、プランジャ40が縮み位置に変位され、各伸縮体34の状態が収縮状態となる。即ち、かご8の移動方向が上方向であるときには、各伸縮体34の状態が収縮状態となって各フライボール33が従動軸26を中心に公転される。
一方、かご8が下降しているときには、従動軸26が逆転される。これにより、負の電流が発電機44で発生する。発電機44からの負の電流は、整流装置45によって遮断され、電磁コイル41へは送られない。これにより、プランジャ40が伸び位置に変位され、各伸縮体34の状態が伸長状態となる。即ち、かご8の移動方向が下方向であるときには、各伸縮体34の状態が伸長状態となって各フライボール33が従動軸26を中心に公転される。
スイッチレバー54が操作される位置、及び押さえ部材63が解除位置へ変位される位置のそれぞれの位置へ変位体28を変位させるための従動軸26の回転速度は、各フライボール33の公転半径がかご8の上昇時よりも下降時に大きくなっているので、かご8の上昇時よりも下降時のほうが低くなる。即ち、第1及び第2の設定過速度は、かご8の上昇時よりも下降時のほうが低くなる。
次に、調速機12の異常の有無の判定動作について説明する。動作検出スイッチ31からの情報は、制御装置6へ常時送られている。制御装置6では、動作検出スイッチ31からの情報とかご8の移動方向とを比較することにより、調速機12の異常の有無の判定が常時行われる。
即ち、かご8が上昇しているときに各伸縮体34の状態が収縮状態となっている場合、あるいはかご8が下降しているときに各伸縮体34の状態が伸長状態となっている場合には、調速機12が正常であるとの判定が制御装置6により行われる。
かご8の上昇時に何らかの原因で各伸縮体34が縮まず、各伸縮体34の状態が伸長状態のままとなっている場合、あるいはかご8の下降時に何らかの原因で各伸縮体34が伸びず、各伸縮体34の状態が収縮状態のままとなっている場合には、調速機12が異常であるとの判定が制御装置6により行われる。
調速機12が異常であるとの判定が制御装置6により行われた場合には、制御装置6の制御により、点検等を促す警告が行われるとともにエレベータの運転が停止される。
このようなエレベータ装置では、伸縮体34の状態が伸長状態及び収縮状態のいずれの状態であるかが動作検出スイッチ31により検出されるので、伸縮体34が正常な伸縮動作を行えなくなった場合であっても、動作検出スイッチ31の検出結果とエレベータの運転状態とを比較することにより、調速機12の異常をより確実に検出することができる。これにより、調速機12の異常を早期に検出することができ、調速機12の異常が生じた状態でエレベータの運転が継続されることを防止することができる。
また、動作検出スイッチ31は、スイッチ本体51と、伸縮体34の伸縮に応じて前進位置と後退位置との間を変位されるスイッチ可動片52とを有し、スイッチ本体51は、伸縮体34の状態が伸長状態及び収縮状態のいずれの状態であるかをスイッチ可動片52の変位によって検出するようになっているので、伸縮体34の状態を簡単な構成でかつより確実に検出することができる。
また、伸縮体34は、かご8の移動方向によって特定されるエレベータの運転状態に応じて伸縮され、伸縮体34の状態は、かご8の移動方向が上方向であるときと下方向であるときとで、伸長状態及び収縮状態の互いに異なる状態となるので、フライボール33の公転半径がかご8の上昇時と下降時とで異なるようにすることができる。これにより、かご8の速度の異常を検出するための第1及び第2の設定過速度をかご8の上昇時と下降時とで個別に設定することができる。
なお、上記の例では、かご8の移動方向が上方向であるときに伸縮体34の状態が収縮状態とされ、かご8の移動方向が下方向であるときに伸縮体34の状態が伸長状態とされているが、かご8の移動方向が上方向であるときに伸縮体34の状態を伸長状態とし、かご8の移動方向が下方向であるときに伸縮体34の状態を収縮状態としてもよい。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2によるエレベータ装置を示す構成図である。図において、かご8の側面には、かご8の移動方向に沿ったカム(被検出体)71が設けられている。昇降路1内には、昇降路1の下端部(終端部)に位置する所定の下端部領域と、昇降路1の上端部(終端部)に位置する所定の上端部領域とが設定されている。下端部領域及び上端部領域は、かご8の移動方向について所定の長さを持つ領域である。また、昇降路1内には、下端部領域でのかご8の存在の有無を検出する下端かご位置検出装置72と、上端部領域でのかご8の存在の有無を検出する上端かご位置検出装置73とが設けられている。
下端かご位置検出装置72は、カム71を検出可能な複数(この例では、3つ)の下部位置スイッチ72a,72b,72cを有している。各下部位置スイッチ72a〜72cは、昇降路1内の下部に設けられている。また、各下部位置スイッチ72a〜72cは、かご8の移動方向について互いに間隔を置いて配置されている。
上端かご位置検出装置73は、カム71を検出可能な複数(この例では、3つ)の上部位置スイッチ73a,73b,73cを有している。各上部位置スイッチ73a〜73cは、昇降路1内の上部に設けられている。また、各上部位置スイッチ73a〜73cは、かご8の移動方向について互いに間隔を置いて配置されている。
かご8が下端部領域にあるときには、各下部位置スイッチ72a〜72cの少なくともいずれかがカム71により操作される。かご8が上端部領域にあるときには、各上部位置スイッチ73a〜73cの少なくともいずれかがカム71により操作される。各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cは、カム71に操作されることによりカム71を検出する。かご8が下端部領域及び上端部領域のそれぞれから外れて昇降路1内の中間部にあるときには、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cのすべてに対するカム71による操作が解除される。
即ち、下端かご位置検出装置72は、各下部位置スイッチ72a〜72cのそれぞれによるカム71の検出の有無により、下端部領域でのかご8の存在の有無を検出する。また、上端かご位置検出装置73は、各上部位置スイッチ73a〜73cのそれぞれによるカム71の検出の有無により、上端部領域でのかご8の存在の有無を検出する。
各下部位置スイッチ72a〜72c間及び各上部位置スイッチ73a〜73c間のそれぞれの間隔Bは、カム71の長さAよりも狭くなっている。これにより、かご8が下端部領域を移動されるときに各下部位置スイッチ72a〜72cのすべてがカム71を検出しなくなる状態の発生を防止することができる。また、かご8が上端部領域を移動されるときに各上部位置スイッチ73a〜73cのすべてがカム71を検出しなくなる状態の発生を防止することができる。
各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cは、電線74により直列に接続されている。電線74は、機械室2内に設けられた通信装置75に接続されている。通信装置75は、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cのそれぞれの検出状態に基づいて、調速機本体14との間における情報通信を無線により行う。
なお、図5では、かご8が下端部領域に存在し、2つの下部位置スイッチ72a及び72bが同時にカム71を検出している状態が示されている。
図6は、図5の各下部位置スイッチ72a〜72c、各上部位置スイッチ73a〜73c及び通信装置75の電気的な接続状態を示す回路図である。また、図7は、図6の各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cのすべてがカム71の検出を停止している状態を示す回路図である。なお、図6は、2つの下部位置スイッチ72a及び72bのみがカム71を検出している状態を示す図である。
図において、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cは、カム71の検出の有無に応じて開閉する接点をそれぞれ有している。各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cの接点は、カム71の検出により開き、カム71の検出の停止により閉じる。
これにより、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cのすべてがカム71の検出を停止しているときには、図7に示すように、すべての接点が閉じて、通信装置75から調速機本体14へ無線信号が出力される。また、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cの少なくともいずれかがカム71を検出しているときには、図6に示すように、一部の接点が開いて、通信装置75からの無線信号の出力が停止される。
即ち、かご8が上端部領域及び下端部領域のそれぞれから外れているときには通信装置75から調速機本体14へ無線信号が出力され(図3)、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかに存在するときには通信装置75からの無線信号の出力が停止される(図2)。
図8は、図5の調速機12を示す縦断面図である。また、図9は、図5のかご8が下端部領域及び上端部領域のいずれからも外れているときの調速機12を示す縦断面図である。図において、切替装置30は、上端部領域及び下端部領域でのかご8の存在の有無によって特定されるエレベータの運転状態に応じて遠心変位装置29の設定を切り替える。即ち、切替装置30は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときとかご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときとで、遠心変位装置29の設定を切り替える。切替装置30は、遠心変位装置29の設定を切り替えることにより、従動軸26の回転速度と変位体28の変位量との関係を変更する。遠心変位装置29の設定は、各伸縮体34を伸縮させることにより切り替えられる。
また、切替装置30は、通信装置75からの情報(無線信号)に基づいて、各伸縮体34を伸縮させる。即ち、切替装置30は、通信装置75からの無線信号を受けているとき(即ち、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているとき)と、無線信号を受けていないとき(即ち、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるとき)とで、伸縮体34の状態を伸長状態及び収縮状態の互いに異なる状態とする。これにより、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときと、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときとで、各フライボール33の公転半径が異なるようになり、従動軸26の回転速度と変位体28の変位量との関係が異なるようになる。
この例では、切替装置30は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるとき(即ち、通信装置75からの無線信号の受信が停止されているとき)に各伸縮体34の状態を伸長状態とし、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているとき(即ち、通信装置75からの無線信号が受信されているとき)に各伸縮体34の状態を収縮状態とする。
切替装置30は、実施の形態1と同様の発電機44と、通信装置75からの情報に基づいて、発電機44から電磁コイル41へ送る電力を制御するスイッチング回路76とを有している。
スイッチング回路76は、導線49,50により発電機本体47及び電磁コイル41のそれぞれに電気的に接続されている。また、スイッチング回路76は、発電機44で発電された電力のうち、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるとき、及びかご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときのいずれかにおける電力のみを電磁コイル41へ送る。
この例では、発電機44からの電流は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているとき(即ち、通信装置75からの無線信号を受けているとき)にのみ、スイッチング回路76により電磁コイル41へ送られる。従って、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときには各伸縮体34の状態が伸長状態となり、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときには各伸縮体34の状態が収縮状態となる。
何らかの原因で伸縮体34の伸縮動作が正常に行われなくなった場合、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているとき(即ち、本来なら各伸縮体34の状態が収縮状態となるべきとき)に各伸縮体34の状態が伸長状態となったり、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるとき(即ち、本来なら各伸縮体34の状態が伸長状態となるべきとき)に各伸縮体34の状態が収縮状態となったりして、第1の設定過速度の値が本来の値から外れてしまい、調速機12の異常が生じることとなってしまう。
制御装置6(図5)は、上端部領域及び下端部領域でのかご8の存在の有無によって特定されるエレベータの運転状態と動作検出スイッチ31の検出結果とを比較することにより、調速機12の異常の有無を判定する。即ち、制御装置6は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかに存在するか否かの情報と、動作検出スイッチ31がON状態及びOFF状態のいずれであるかの情報とを比較することにより、調速機12の異常の有無を判定する。
具体的には、制御装置6は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときに動作検出スイッチ31がOFF状態(伸縮体34の状態が収縮状態)である場合、及びかご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときに動作検出スイッチ31がON状態(伸縮体34の状態が伸長状態)である場合に、調速機12が正常であるとの判定を行う。また、制御装置6は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときに動作検出スイッチ31がON状態(伸縮体34の状態が伸長状態)である場合、及びかご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときに動作検出スイッチ31がOFF状態(伸縮体34の状態が収縮状態)である場合に、調速機12が異常であるとの判定を行う。制御装置6の他の機能は、実施の形態1と同様である。
図10は、図5のかご8の通常運転速度、第1の設定過速度及び第2の設定過速度のそれぞれと、かご8の位置との関係を示すグラフである。図に示すように、第1の設定過速度78(過速度検出スイッチ21が停止信号を出力するときのかご8の速度)の値は、かご8が移動するすべての位置において、かご8の通常運転速度77よりも高い値になっている。第2の設定過速度79(調速機本体14による調速機ロープ16の把持により非常止め装置10が動作されるときのかご8の速度)の値は、かご8が移動するすべての位置において、第1の設定過速度78の値よりも高い値になっている。
第1の設定過速度78の値は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるか否かによって伸縮体34の状態が伸長状態と収縮状態との間で変化することから、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときにエレベータの定格速度の値V0よりも低い第1終端部基準値Vos'となり、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときにエレベータの定格速度の値V0よりも高い第1中間部基準値Vos(例えば、定格速度の1.3倍の値)となっている。
第2の設定過速度79の値は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるか否かによって伸縮体34の状態が伸長状態と収縮状態との間で変化することから、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときにエレベータの定格速度の値V0よりも低く第1終端部基準値Vos'よりも高い第2終端部基準値Vtr'となり、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときに第1中間部基準値Vosよりも高い第2中間部基準値Vtrとなっている。他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、動作について説明する。かご8が通常運転速度77で移動されているときには、かご8の速度が第1及び第2の設定過速度78,79に達することはないので、エレベータの運転が強制的に停止されることはない。
何らかの原因でかご8の速度が上昇し、第1の設定過速度78に達したときには、過速度検出スイッチ21から制御装置6へ停止信号が送られる。制御装置6が停止信号を受けると、エレベータの運転が制御装置6により強制的に停止される。
この後、制御装置6による運転停止の制御が行われたにもかかわらず、かご8の速度がさらに上昇し、第2の設定過速度79に達したときには、調速機ロープ16が調速機12により把持される。これにより、調速機ロープ16の移動が停止し、かご8が調速機ロープ16に対して変位される。
かご8が調速機ロープ16に対して変位されると、操作アーム11が操作され、かごガイドレールを把持する動作が非常止め装置10により行われる。これにより、かご8に対して制動力が直接与えられる。
次に、第1及び第2の設定過速度78,79の値を切り替えるときの動作について説明する。かご8が昇降路1内の中間部にあるとき(即ち、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているとき)には、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cのすべてがカム71を検出していない。このときには、通信装置75からスイッチング回路76へ無線信号が送られ、発電機44から各電磁コイル41への給電がスイッチング回路76を介して行われる。
各電磁コイル41への給電が行われると、各伸縮体34が縮んで各伸縮体34の状態が収縮状態となる。これにより、各フライボール33の公転半径が小さくなり、第1の設定過速度78の値が第1中間部基準値Vosとされ、第2の設定過速度79の値が第2中間部基準値Vtrとされる。
かご8が移動して昇降路1の中間部から上端部領域及び下端部領域のいずれかに進入すると、各下部位置スイッチ72a〜72c及び各上部位置スイッチ73a〜73cのいずれかがカム71を検出する。これにより、通信装置75からの無線信号の出力は停止され、各電磁コイル41への給電が停止される。
各電磁コイル41への給電が停止されると、各伸縮体34が伸びて各伸縮体34の状態が伸長状態となる。これにより、各フライボール33の公転半径が大きくなり、第1の設定過速度78の値が第1中間部基準値Vosよりも低い第1終端部基準値Vos'に切り替えられ、第2の設定過速度79の値が第2中間部基準値Vtrよりも低い第2終端部基準値Vtr'に切り替えられる。
かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかから昇降路1の中間部へ進入するときには、上記と逆の動作により、第1の設定過速度78の値が第1終端部基準値Vos'から第1中間部基準値Vosに切り替えられ、第2の設定過速度79の値が第2終端部基準値Vtr'から第2中間部基準値Vtrに切り替えられる。
次に、調速機12の異常の有無の判定動作について説明する。動作検出スイッチ31からの情報は、制御装置6へ常時送られている。制御装置6では、動作検出スイッチ31からの情報と上端部領域及び下端部領域でのかご8の存在の有無の情報とを比較することにより、調速機12の異常の有無の判定が常時行われる。
即ち、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときに各伸縮体34の状態が収縮状態となっている場合、あるいはかご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときに各伸縮体34の状態が伸長状態となっている場合には、調速機12が正常であるとの判定が制御装置6により行われる。
かご8が昇降路1の中間部に進入したときに何らかの原因で各伸縮体34が縮まず、各伸縮体34の状態が伸長状態のままとなっている場合、あるいはかご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかに進入したときに何らかの原因で各伸縮体34が伸びず、各伸縮体34の状態が収縮状態のままとなっている場合には、調速機12が異常であるとの判定が制御装置6により行われる。
調速機12が異常であるとの判定が制御装置6により行われた場合には、制御装置6の制御により、点検等を促す警告が行われるとともにエレベータの運転が停止される。
このようなエレベータ装置では、上端部領域及び下端部領域のいずれかにおけるかご8の存在の有無によって特定されるエレベータの運転状態に応じて伸縮体34が伸縮され、伸縮体34の状態は、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときと、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときとで、伸長状態及び収縮状態の互いに異なる状態となるので、上端部領域及び下端部領域でのかご8の存在の有無によってフライボール33の公転半径が異なるようにすることができる。これにより、かご8の速度の異常を検出するための第1及び第2の設定過速度を、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときと、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれからも外れているときとで、個別に設定することができる。従って、昇降路1の終端部に近い箇所では、かご8が昇降路1の中間部にあるときよりもかご8の速度が低い段階でかご8を強制的に停止させることができ、かご8の減速距離を短くすることができる。これにより、かご緩衝器17及び釣合おもり緩衝器18の小形化を図ることができ、昇降路1の縮小化を図ることができる。
なお、上記の例では、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるか否かの情報が通信装置75からの無線信号によってスイッチング回路76へ送られるようになっているが、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるか否かの情報を有線によってスイッチング回路76へ送るようにしてもよい。この場合、通信装置75に代えて電線74の一端部及び他端部に2つのブラシが接続され、各ブラシが接触する2つの摺動部が従動軸26に設けられる。各摺動部は、スイッチング回路76に電気的に接続される。かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるか否かの情報は、各ブラシ及び各摺動部を介してスイッチング回路76へ送られる。
また、上記の例では、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときの第1及び第2の設定過速度78,79のそれぞれの値がエレベータの定格速度の値V0よりも低い値となっているが、かご8が上端部領域及び下端部領域のいずれかにあるときに、第2の設定過速度79の値のみがエレベータの定格速度の値V0よりも高い値となっていてもよいし、第1及び第2の設定過速度78,79のそれぞれの値がエレベータの定格速度の値V0よりも高い値となっていてもよい。
また、各上記実施の形態では、発電機44により発電される電力が電磁コイル41へ送られるようになっているが、例えば商用電源やバッテリ等から供給される電力を電磁コイル41へ送るようにしてもよい。
また、各上記実施の形態では、伸縮体34の状態が伸長状態であるときにスイッチ可動片52がフライボール33から離れ、伸縮体34の状態が収縮状態であるときにスイッチ可動片52がフライボール33に押されるようになっているが、スイッチ可動片52をフライボール33に接続してスイッチ可動片52とフライボール33とが一体に変位されるようにしてもよい。また、スイッチ可動片52をプランジャ40に接続してもよい。このようにしても、スイッチ可動片52を伸縮体34の伸縮に応じて変位させることができる。

Claims (4)

  1. 昇降路内を移動されるかご、
    上記かごの移動に応じて所定の公転軸を中心に公転する遠心おもりと、上記遠心おもりが接続され、かつ上記公転軸を中心に回転され、上記公転によって上記遠心おもりが受ける遠心力に応じて上記公転軸に対して変位される伸縮体と、エレベータの運転状態に応じて上記伸縮体を伸縮させる切替装置と、上記伸縮体が伸びた伸長状態及び上記伸縮体が縮んだ収縮状態のいずれの状態であるかを検出する動作検出装置とを有し、上記公転軸に対する上記伸縮体の変位量に基づいて、上記かごの速度の異常の有無を検出する調速機、及び
    上記エレベータの運転状態と上記動作検出装置の検出結果とを比較することにより、上記調速機の異常の有無を判定する制御装置
    を備えていることを特徴とするエレベータ装置。
  2. 上記動作検出装置は、上記伸縮体に設けられた動作検出装置本体と、上記動作検出装置本体から突出する前進位置と上記前進位置よりも上記動作検出装置本体に近い後退位置との間で変位可能な可動体とを有し、
    上記可動体は、上記伸縮体の伸縮に応じて上記前進位置と上記後退位置との間を変位され、
    上記動作検出装置本体は、上記伸長状態及び上記収縮状態のいずれの状態であるかを上記可動体の変位によって検出することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 上記エレベータの運転状態は、上記かごの移動方向によって特定され、
    上記切替装置は、上記かごの移動方向が上方向であるときと下方向であるときとで、上記伸縮体の状態を上記伸長状態及び上記収縮状態の互いに異なる状態とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータ装置。
  4. 上記エレベータの運転状態は、上記昇降路内に設定された所定の領域での上記かごの存在の有無によって特定され、
    上記切替装置は、上記所定の領域に上記かごが存在するときと上記所定の領域から上記かごが外れているときとで、上記伸縮体の状態を上記伸長状態及び上記収縮状態の互いに異なる状態とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータ装置。
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