JPWO2011071046A1 - 疾患関連遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途 - Google Patents

疾患関連遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011071046A1
JPWO2011071046A1 JP2011514218A JP2011514218A JPWO2011071046A1 JP WO2011071046 A1 JPWO2011071046 A1 JP WO2011071046A1 JP 2011514218 A JP2011514218 A JP 2011514218A JP 2011514218 A JP2011514218 A JP 2011514218A JP WO2011071046 A1 JPWO2011071046 A1 JP WO2011071046A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
base
oligonucleotide
polymorphism
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011514218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5917144B2 (ja
Inventor
敏也 細見
敏也 細見
真理子 小森
真理子 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
Arkray Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arkray Inc filed Critical Arkray Inc
Publication of JPWO2011071046A1 publication Critical patent/JPWO2011071046A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5917144B2 publication Critical patent/JP5917144B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2527/00Reactions demanding special reaction conditions
    • C12Q2527/107Temperature of melting, i.e. Tm
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(P1)塩基長が11〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜230を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド、(P2)塩基長が15〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜234を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド、(P3)塩基長が17〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜236を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド、のいずれかのオリゴヌクレオチド、または前記のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、K−ras遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途。

Description

本発明は、疾患関連遺伝子の多型を検出するためのプローブおよびその用途に関する。
RASタンパク質およびRAFタンパク質は、RAS/RAF/MAPK経路による細胞内シグナル伝達のカスケードを形成するタンパク質である。前記RAS/RAF/MAPK経路は、活性型RASタンパク質によりRAFタンパク質が活性化され、活性型RAFタンパク質によりMEKタンパク質が活性化され、さらに、活性型MEKタンパク質によりMAPKタンパク質が活性化される。これによって、細胞の増殖および分化等を調節している。
前記RASタンパク質の一種であるK−Rasタンパク質は、GTPアーゼ活性を有するGDP/GTP結合タンパク質であり、ヒトでは、第12染色体上に位置するK−ras遺伝子によりコードされている。前記K−ras遺伝子は、コドン12、コドン13等における変異が知られている(非特許文献1〜3等)。コドン12の変異は、配列番号1のK−ras遺伝子の部分配列において、塩基番号220の塩基(n)のグアニン(g)から、アデニン(a)、シトシン(c)またはチミン(t)への置換、塩基番号221の塩基(n)のグアニン(g)から、アデニン(a)、シトシン(c)またはチミン(t)への置換がある。コドン13の変異は、配列番号1のK−ras遺伝子の塩基配列において、塩基番号223の塩基(k)のグアニン(g)から、チミン(t)への置換、塩基番号224の塩基(r)のグアニン(g)から、アデニン(a)への置換がある。前記コドン12の変異により、K−rasタンパク質の12番目のグリシン(G)は、セリン(S)、アルギニン(R)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、アラニン(A)、バリン(V)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)またはロイシン(L)に変異する。前記コドン13の変異により、K−rasタンパク質の13番目のグリシン(G)は、アスパラギン酸(D)またはシステイン(C)に変異する。K-ras遺伝子のコドン12またはコドン13の変異は、例えば、大腸癌、膵臓癌等の癌疾患、CFC(cardio−facio−cutaneous)等の先天性疾患との関連、抗EGFR抗体薬に対する薬剤耐性との関連が報告されている(非特許文献1〜3等)。したがって、K−ras遺伝子における、これらの変異の有無、すなわち、多型の検出は、例えば、前述の疾患の診断、より効果的な疾患の治療法の選択等に、極めて重要である。
また、前記RAFタンパク質の一種であるBRAFタンパク質は、セリン−トレオニンキナーゼ活性を有するタンパク質であり、ヒトでは、第7染色体上に位置するBRAF遺伝子によりコードされている。前記BRAF遺伝子の変異も、前記K−ras遺伝子と同様に、前述の癌疾患および先天性疾患との関連、薬剤耐性との関連が報告されている(非特許文献1〜3等)。前記BRAF遺伝子の変異は、配列番号2のBRAF遺伝子の部分配列における塩基番号229の塩基(w)のチミン(t)から、アデニン(a)への置換が知られている。前記塩基が野生型(t)の場合、BRAFタンパク質の600番目のアミノ酸はバリン(V)となり、前記塩基が変異型(a)の場合、BRAFタンパク質の600番目のアミノ酸はグルタミン酸(E)となる。このアミノ酸残基の変異により、腫瘍原性が獲得されると考えられている。したがって、前記K−ras遺伝子に加えて、前記BRAF遺伝子の変異の有無、すなわち、多型を検出することにより、例えば、前述の疾患の診断、より効果的な疾患の治療法の選択等の精度を、さらに向上できる。
他方、遺伝子の多型を検出する方法は、様々な方法が報告されており、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)−RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)法等があげられる。
前記PCR−RFLP法は、試料の標的DNAについて、検出目的の領域をPCRで増幅させ、その増幅物を制限酵素処理し、多型による制限断片長の変化を、サザンハイブリダイゼーションによりタイピングする方法である。遺伝子に目的の変異が存在すると、制限酵素の認識部位が消失するため、切断の有無、すなわち、制限断片長の変化によって、変異の有無を検出できる。
しかしながら、前記PCR−RFLP法は、例えば、PCRの後、得られた増幅物を種々の制限酵素で処理し、解析する必要があり、手間がかかる。また、得られた増幅物の制限酵素処理は、一旦、増幅物を取り出して行う必要がある。このため、1回目の反応で得られた増幅物が飛散し、2回目の別の反応に混入するおそれがある。このような問題から、多型の検出を自動化し難い。
このような問題から、近年、多型の検出方法として、Tm(Melting Temperature)解析が注目されている。これは、まず、検出目的の多型を含む領域に相補的なプローブを用いて、被検核酸と前記プローブとのハイブリッド(二本鎖核酸)を形成させる。そして、得られたハイブリッドに加熱処理を施して、温度上昇に伴う前記ハイブリッドの一本鎖核酸への解離(融解)を、吸光度等のシグナル測定により検出する。この検出結果に基づいてTm値を決定することによって、多型を判断する方法である。Tm値は、ハイブリッドにおける両一本鎖核酸の相補性が高い程高く、相補性が低い程低くなる。そこで、検出対象部位の多型がXまたはYの場合、目的の多型(例えば、Y)を含む核酸とそれに100%相補的なプローブとのハイブリッドについて、予めTm値(評価基準値)を求めておく。続いて、前記被検核酸と前記プローブとのTm値(測定値)を測定する。そして、この測定値が、前記評価基準値と同じであれば、前記被検核酸と前記プローブとはパーフェクトマッチである、すなわち、前記被検核酸の検出対象部位が目的の多型(Y)であると判断できる。他方、前記測定値が前記評価基準値よりも低い場合、前記被検核酸と前記プローブとはミスマッチである、すなわち、前記被検核酸の検出対象部位が他方の多型(X)であると判断できる。このような方法であれば、例えば、前記プローブを添加したPCR反応液に温度処理を施し、シグナル測定を行うのみで、多型を検出できる。このため、検出装置の自動化も可能である。
しかしながら、このようなTm解析を利用した検出方法は、例えば、一塩基の違いをTm値によって判断しなければならない。また、遺伝子が複数の多型を有する場合、1つのサンプルを解析するにも多大な労力を伴う。このため、多数のサンプルを解析することは、実用的ではないという問題もある。このため、特に、野生型の多型と複数の変異型の多型とが混在している場合等であっても、変異の有無を正確に検出することが求められている。
Cancer Epidemiology Biomarkers、2000年11月、p.1193−1197 J Mol Diagn.、2006年11月、Vol.8、No.5、p.540−543 J Natl Cancer Inst.、2009年10月7日、Vol.101、No.19、p.1308−1324(Epub:2009年9月8日)
このような理由から、K−ras遺伝子の多型の検出は、例えば、前記疾患の診断および治療法の選択において非常に重要である。そこで、本発明は、疾患関連遺伝子であるK−ras遺伝子について、多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別可能な、多型検出用プローブおよびその用途の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の多型検出用プローブは、疾患関連遺伝子であるK−ras遺伝子の多型を検出するためのプローブであって、下記(P1)、(P2)、(P3)、(P1’)、(P2’)および(P3’)の少なくともいずれかのオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする。
(P1)塩基長が11〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜230を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P1’)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(P2)塩基長が15〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜234を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P2’)前記(P2)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(P3)塩基長が17〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜236を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P3’)前記(P3)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
本発明の多型検出用試薬は、疾患関連遺伝子の多型を検出するための試薬であって、本発明のK−ras遺伝子の多型検出用プローブを含むことを特徴とする。
本発明の多型検出方法は、疾患関連遺伝子の多型を検出する方法であって、本発明のK−ras遺伝子の多型検出用プローブを用いて、疾患関連遺伝子であるK−ras遺伝子の多型を検出する工程を含むことを特徴とする。
本発明の多型検出用プローブによれば、例えば、K−ras遺伝子の多型を、Tm解析によって、簡便且つ優れた信頼性で判別できる。具体的には、例えば、試料中に、目的の多型が野生型であるK−ras遺伝子と変異型であるK−ras遺伝子とが共存している場合でも、本発明の多型検出用プローブを用いたTm解析を行うことで、多型の種類または変異の有無を、簡便且つ優れた信頼性で検出できる。このため、本発明は、野生型のK−ras遺伝子と変異型のK−ras遺伝子とを両方含む試料に対して、特に有用である。このように、本発明によれば、K−ras遺伝子の多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別できることから、例えば、検出結果を、前述のような疾患の診断および治療法の選択等に反映できる。したがって、本発明は、医療分野等において極めて有用といえる。
図1は、本発明の実施例1における、野生型および変異型オリゴヌクレオチドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図2は、本発明の実施例2における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図3は、本発明の実施例3における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図4は、本発明の実施例4における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図5は、本発明の実施例4における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図6は、本発明の実施例4における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図7は、本発明の実施例4における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図8は、本発明の実施例5における、臨床検体からのDNA抽出液を含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図9は、本発明の実施例6における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図10は、本発明の実施例6における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図11は、本発明の実施例6における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図12は、本発明の実施例6における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図13は、本発明の実施例7における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図14は、本発明の実施例7における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。 図15は、本発明の実施例7における、野生型および変異型プラスミドを含む反応液のTm解析の結果を示すグラフである。
本発明において、K−ras遺伝子における検出目的の多型は、コドン12およびコドン13における多型である。具体的には、例えば、配列番号1のK−ras遺伝子の部分配列において、塩基番号220−222(nnt)のコドン12の多型、および塩基番号223−225(krc)のコドン13の多型である。nは、g、c、tまたはaであり、kは、gまたはtであり、rは、gまたはaである。コドン12の野生型の多型は、ggtであり、コドン12の変異型の多型は、例えば、agt、cgt、tgt、gat、gct、gtt、aat、tttまたはcttの9種類があげられる。コドン13の野生型の多型は、ggcであり、コドン13の変異型の多型は、例えば、gacまたはtgcがあげられる。K−ras遺伝子において、コドン12の多型およびコドン13の多型の少なくとも一方が、変異型であれば、例えば、セツキシマブ等の抗EGFR抗体薬に対する耐性を示し、野生型であれば、耐性を示さないと判断できる。以下に、K−ras遺伝子のセンス鎖における前記塩基番号220−225のコドン12の多型およびコドン13の多型として、野生型(1)および変異型(2〜13)を例示する。下記配列において、下線部が変異型の塩基である。
野生型1(WT) ggtggc
変異型2(c12−AGT) gtggc
3(c12−CGT) gtggc
4(c12−TGT) gtggc
5(c12−GAT) gtggc
6(c12−GCT) gtggc
7(c12−GTT) gtggc
8(c13−TGC) ggtgc
9(c13−GAC) ggtg
10(c12−AAT) aatggc
11(c12−TTT) tttggc
12(c12−CTT) cttggc
13(c12−AGT c13−GAC) gtg
K−ras遺伝子の塩基配列は、例えば、GenBankアクセッションNo.NG_007524において、5001番目〜50675番目の領域として登録されている。配列番号1は、K−ras遺伝子の部分配列であり、前記アクセッション番号の塩基配列において、10351番目〜10850番目の領域に相当する。前記コドン12およびコドン13の配列は、前記アクセッション番号の塩基配列における10570番目〜10575番目の領域に相当する。
本発明において、以下、コドン12およびコドン13のいずれかの塩基が変異型であるK−ras遺伝子を「変異型K−ras遺伝子」といい、コドン12およびコドン13の塩基が野生型であるK−ras遺伝子を「野生型K−ras遺伝子または正常型K−ras遺伝子」という。
本発明において、前記多型が発生する部位、すなわち、配列番号1の塩基配列(センス鎖)において塩基番号220−225の塩基、または、その相補配列(アンチセンス鎖)において前記センス鎖の塩基番号220−225に対応する塩基を、「検出対象部位」という。配列番号1の配列(センス鎖)またはその相補配列(アンチセンス鎖)において、前記検出対象部位を含み、前記多型検出用プローブがハイブリダイズ可能な領域を、「ハイブリダイズ領域または検出対象配列」という。前記検出対象配列の中でも、前記多型検出用プローブとパーフェクトマッチする検出対象配列を「パーフェクトマッチ配列」、前記多型検出用プローブとミスマッチする検出対象配列を「ミスマッチ配列」という。本発明において、パーフェクトマッチは、前記検出対象部位の塩基が前記多型検出用プローブにおける対応塩基と相補的であることを意味し、好ましくは、前記検出対象配列と前記多型検出用プローブとが、完全に相補的であることを意味する。本発明において、ミスマッチは、前記検出対象部位の塩基が前記多型検出用プローブにおける対応塩基と非相補的であることを意味し、好ましくは、前記検出対象配列と前記多型検出用プローブとが、前記検出対象部位を除き、完全に相補的であることを意味する。
本発明において、K−ras遺伝子を増幅させて、得られた増幅物と本発明の多型検出用プローブとをハイブリダイズさせる場合、K−ras遺伝子における増幅領域を、以下、「増幅対象領域」という。前記増幅対象領域は、例えば、K−ras遺伝子のセンス鎖における領域でもよいし、それに対応するアンチセンス鎖における領域でもよいし、両方でもよい。本発明において、センス鎖およびアンチセンス鎖は、例えば、センス鎖の増幅物、アンチセンス鎖の増幅物の意味も含む。
本発明において、塩基配列の末端は、塩基配列の5’側および3’側の最も端の塩基を意味する。5’末端領域は、塩基配列の5’末端から数塩基の領域であり、3’末端領域は、塩基配列の3’末端から数塩基の領域である。前記数塩基は、例えば、末端から1塩基〜10塩基、1〜4塩基、1〜3塩基、1〜2塩基である。本発明において、塩基配列の末端からZ番目の塩基(Zは正の整数)は、末端の塩基を1番目とした順番であり、例えば、末端から1番目の塩基は、末端の塩基、末端から2番目の塩基は、末端の隣の塩基を意味する。
<多型検出用プローブ>
本発明の多型検出用プローブは、前述のように、疾患関連遺伝子であるK−ras遺伝子の多型を検出するためのプローブであって、下記(P1)、(P2)、(P3)、(P1’)、(P2’)および(P3’)の少なくともいずれかのオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする。
(P1)塩基長が11〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜230を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P1’)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(P2)塩基長が15〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜234を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P2’)前記(P2)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
(P3)塩基長が17〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜236を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P3’)前記(P3)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
本発明の多型検出用プローブを、以下、K−ras用プローブともいう。前記(P1)および(P1’)のオリゴヌクレオチドの塩基長は、11〜50塩基長であり、好ましくは、13〜30塩基長であり、より好ましくは、15〜20塩基長である。前記(P2)および(P2’)のオリゴヌクレオチドの塩基長は、15〜50塩基長であり、好ましくは、15〜30塩基長であり、より好ましくは、15〜20塩基長である。前記(P3)および(P3’)のオリゴヌクレオチドの塩基長は、17〜50塩基長であり、好ましくは、17〜30塩基長であり、より好ましくは、17〜20塩基長である。
本発明の多型検出用プローブは、配列番号1のK−ras遺伝子の部分配列において、塩基番号220−222(nnt)のコドン12の多型および塩基番号223−225(krc)のコドン13の多型を検出するためのプローブである。具体的に、本発明の多型検出用プローブは、例えば、配列番号1の塩基配列において、塩基番号220の塩基(n)の多型(g/a、g/c、g/t)、塩基番号221の塩基(n)の多型(g/a、g/c、g/t)、塩基番号223の塩基(k)の多型(g/t)または塩基番号224番目の塩基(r)の多型(g/a)を検出するためのプローブである。配列番号1の塩基番号220−225の配列「nntkrc」において、nは、グアニン(g)、アデニン(a)、シトシン(c)またはチミン(t)であり、kは、グアニン(g)またはチミン(t)であり、rは、グアニン(g)またはアデニン(a)である。前記配列「nntkrc」は、例えば、前述の多型(野生型1および変異型2〜13)の配列があげられる。
前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドは、例えば、K−ras遺伝子のセンス鎖と相補的であり、前記センス鎖とのハイブリダイゼーションにより、多型を確認できる。前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドは、配列番号1において、塩基番号220−225の塩基配列(5’−nntkrc−3’)に相補的な塩基配列(5’−gymann−3’)を含むことが好ましい。前記「nntkrc」は、例えば、前述の野生型1および変異型2〜13の配列があげられる。前記「nntkrc」に相補的な「gymann」の配列において、yは、シトシン(c)またはチミン(t)であり、mは、シトシン(c)またはアデニン(a)であり、nは、グアニン(g)、アデニン(a)、シトシン(c)またはチミン(t)である(以下、同様)。
前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドは、「gymann」として、例えば、「gccacc」の配列を有することが好ましい。この配列を有する場合、K−ras遺伝子において、コドン12およびコドン13の野生型の配列にパーフェクトマッチする。したがって、例えば、K−ras遺伝子のコドン12およびコドン13の配列とパーフェクトマッチか否かによって、K−ras遺伝子の多型を検出できる。具体的には、例えば、K−ras遺伝子の多型が、野生型であるか変異型であるかを検出でき、変異型については、一塩基変異か、二塩基変異かを検出できる。以下、この配列を有するオリゴヌクレオチドを含むプローブを、野生型プローブという。
前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドは、「gymann」として、例えば、「gccact」、「gccacg」、「gccaca」、「gccatc」、「gccagc」、「gccaac」、「gcaacc」、「gtcacc」、「gccatt」、「gccaaa」、「gccaag」、「gtcact」の配列を有してもよい。これらの配列を有する場合、それぞれ順に、K−ras遺伝子におけるコドン12および13の変異型2〜13の配列に、パーフェクトマッチする。したがって、K−ras遺伝子のコドン12およびコドン13の変異型2〜13の配列とパーフェクトマッチか否かによって、K−ras遺伝子の多型を検出できる。以下、これらの配列のいずれかを有するオリゴヌクレオチドを含むプローブを、変異型プローブという。
前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有し、好ましくは、5’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(5’末端)または2番目に有する。前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有し、好ましくは、5’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(5’末端)または2番目に有する。前記(P3)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有し、好ましくは、5’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(5’末端)または2番目に有する。
前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号3のオリゴヌクレオチドがあげられ、前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号4、5または29のオリゴヌクレオチドがあげられ、前記(P3)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号6のオリゴヌクレオチドがあげられる。配列番号3、4、5、6、29の塩基配列において、下線部のgymannは、配列番号1に示すK−ras遺伝子の検出対象部位nntkrcに相補的な配列である。この中でも、配列番号6のオリゴヌクレオチドを含むプローブが好ましい。
5'-cctacgymannagctccaactac-3' (配列番号3)
5'-cttgcctacgymannagctccaactac-3' (配列番号4)
5'-cttgcctacgymannagctccaactacca-3' (配列番号5)
5'-cttgcctacgymann-3' (配列番号29)
5'-ctcttgcctacgymannagctccaact-3' (配列番号6)
前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドにおいて、前記gymannは、前述のように、例えば、「gccacc」、「gccact」、「gccacg」、「gccaca」、「gccatc」、「gccagc」、「gccaac」、「gcaacc」、「gtcacc」、「gccatt」、「gccaaa」、「gccaag」および「gtcact」の少なくともいずれかである。
前記配列番号3のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号7のオリゴヌクレオチドがあげられ、前記配列番号4のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号8のオリゴヌクレオチドがあげられ、前記配列番号5のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号9のオリゴヌクレオチドがあげられ、前記配列番号6のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号10のオリゴヌクレオチドがあげられる。各塩基配列において、下線部のgccaccは、野生型K−ras遺伝子のセンス鎖における検出対象部位に相補的であり、野生型プローブとして使用できる。前記配列番号29のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号30のオリゴヌクレオチドがあげられ、下線部のgtcaccは、コドン13の変異型9に相補的であり、変異型プローブとして使用できる。また、前記配列番号10の3’末端領域に付加配列(大文字の領域)を持つ、配列番号31のオリゴヌクレオチドを使用してもよい。この中でも、配列番号10または配列番号31のオリゴヌクレオチドを含むプローブが好ましい。
5'-cctacgccaccagctccaactac-3' (配列番号7)
5'-cttgcctacgccaccagctccaactac-3' (配列番号8)
5'-cttgcctacgccaccagctccaactacca-3' (配列番号9)
5'-ctcttgcctacgccaccagctccaact-3' (配列番号10)
5'-ctcttgcctacgccaccagctccaactTGCTGGCTACGC-3' (配列番号31)
5'-cttgcctacgtcacc-3' (配列番号30)
前記(P1’)、(P2’)および(P3’)のオリゴヌクレオチドは、前述のように、それぞれ、前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドに相補的である。前記(P1’)〜(P3’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、以下のようにいうこともできる。
(P1’)塩基長が11〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜230を含む塩基配列からなり、前記塩基番号230の塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P2’)塩基長が15〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜234を含む塩基配列からなり、前記塩基番号234の塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P3’)塩基長が17〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜236を含む塩基配列からなり、前記塩基番号236の塩基を、3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
前記(P1’)、(P2’)および(P3’)のオリゴヌクレオチドは、K−ras遺伝子のセンス鎖と相同的であり、前記アンチセンス鎖とのハイブリダイゼーションにより、多型を確認できる。前記(P1’)、(P2’)および(P3’)のオリゴヌクレオチドにおいて、前記アンチセンス鎖の検出対象部位の塩基配列(gymann)に相補的な塩基配列は、nntkrcで表される。前記配列「nntkrc」は、前述の通りである。前記配列が野生型の場合、この配列を有するオリゴヌクレオチドを含むプローブを、野生型プローブといい。前記配列が変異型の場合、この配列を有するオリゴヌクレオチドを含むプローブを、変異型プローブという。
前記(P1’)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号230の塩基を、3’末端領域に有し、好ましくは、3’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(3’末端)または2番目に有する。前記(P2’)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号234の塩基を、3’末端領域に有し、好ましくは、3’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(3’末端)または2番目に有する。前記(P3’)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号236の塩基を、3’末端領域に有し、好ましくは、3’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(3’末端)または2番目に有する。
本発明の多型検出用プローブは、例えば、前記オリゴヌクレオチドを含むプローブでもよいし、前記オリゴヌクレオチドからなるプローブでもよい。前者の場合、例えば、さらに付加配列を有してもよい。前記(P1)〜(P3)のオリゴヌクレオチドは、例えば、その3’末端に前記付加配列を有することが好ましく、前記付加配列を有するオリゴヌクレオチドは、例えば、前述した配列番号31のオリゴヌクレオチドがあげられる。前記(P1’)〜(P3’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、その5’末端に前記付加配列を有することが好ましい。前記(P1)〜(P3)の付加配列は、例えば、センス鎖と非相補的な配列が好ましく、前記(P1’)〜(P3’)の付加配列は、例えば、センス鎖と非相同的な配列が好ましく、塩基長は、例えば、1〜30塩基が好ましい。
本発明の多型検出用プローブは、例えば、前記(P1)〜(P3)のオリゴヌクレオチドが、前記検出対象部位に対応する塩基部位と、塩基番号230、234、236の塩基に相補的な塩基以外で、1個または数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなり、前記検出対象配列にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドでもよい。また、本発明の多型検出用プローブは、例えば、前記(P1’)〜(P3’)のオリゴヌクレオチドが、前記検出対象部位に対応する塩基部位と、塩基番号230、234、236の塩基以外で、1個または数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなり、前記検出対象配列にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドでもよい。
これらのプローブは、例えば、いずれか1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上を併用する場合、例えば、野生型プローブと、変異型プローブとを併用することが好ましい。これによって、野生型か変異型かを検出するだけでなく、さらに、変異型の特定も可能となる。
本発明の多型検出用プローブは、標識物質を有する標識プローブであることが好ましく、例えば、前述のオリゴヌクレオチドが、前記標識物質で標識化(修飾)されていることが好ましい。前記オリゴヌクレオチドにおいて、前記標識物質により標識化される部位は、特に制限されず、例えば、5’末端領域または3’末端領域であることが好ましく、より好ましくは5’末端または3’末端である。後述するように、前記オリゴヌクレオチドにおいて、前記標識物質により標識化される塩基は、例えば、シトシン(c)またはグアニン(g)が好ましい。前記標識物質は、例えば、塩基を直接標識化してもよいし、前記塩基を間接的に標識化してもよい。後者の場合、例えば、前記塩基を含むヌクレオチド残基のいずれかの部位を標識することによって、前記塩基を間接的に標識化できる。前述の(P1)〜(P3)のオリゴヌクレオチドは、例えば、5’末端のシトシン(c)が、前記標識物質で標識化されていることが好ましく、前記(P1’)〜(P3’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、3’末端のグアニン(g)が、前記標識物質で標識化されていることが好ましい。
前記(P1)、(P2)および(P3)のオリゴヌクレオチドは、5’末端領域に、前記標識物質を有することが好ましく、具体的には、例えば、5’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、5’末端から数えて1〜3番目の塩基、特に好ましくは、5’末端から数えて2番目または5’末端の塩基である。前記(P1)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号227〜233のいずれかの塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。前記(P2)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号231〜237のいずれかの塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。前記(P3)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号233〜239のいずれかの塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。
前記(P1’)、(P2’)および(P3’)のオリゴヌクレオチドは、3’末端領域に、前記標識物質を有することが好ましく、具体的には、例えば、3’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、3’末端から数えて1〜3番目の塩基、特に好ましくは、3’末端から数えて2番目または3’末端の塩基である。前記(P1’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号227〜233のいずれかの塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号230の塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。前記(P2’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号231〜237のいずれかの塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号234の塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。前記(P3’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号233〜239のいずれかの塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号236の塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。
前記標識物質は、特に制限されず、例えば、前記標識プローブが単独であるか、ハイブリッドを形成しているかによって、シグナルを発するものが好ましい。前記シグナルの種類は、特に制限されず、例えば、蛍光、呈色等があげられる。前記シグナルが蛍光の場合、シグナル値は、例えば、蛍光強度があげられる。前記シグナルが呈色の場合、前記シグナル値は、例えば、反射率、吸光度、透過率等があげられる。前記シグナルは、例えば、前記標識物質から直接発せられてもよいし、間接的に発せられてもよい。
前記標識物質は、特に制限されず、例えば、蛍光団等の蛍光物質等があげられる。前記蛍光物質は、例えば、フルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等があげられ、市販の蛍光物質は、例えば、Pacific Blue(登録商標、モレキュラープローブ社製)、BODIPY FL(登録商標、モレキュラープローブ社製)、FluorePrime(商品名、アマシャムファルマシア社製)、Fluoredite(商品名、ミリポア社製)、FAM(登録商標、ABI社製)、Cy3およびCy5(商品名、アマシャムファルマシア社製)、TAMRA(登録商標、モレキュラープローブ社製)等があげられる。前記蛍光物質の検出条件は、特に制限されず、例えば、使用する蛍光物質の種類により適宜決定できる。例えば、Pacific Blueは、検出波長450〜480nm、TAMRAは、検出波長585〜700nm、BODIPY FLは、検出波長515〜555nmで検出できる。このようなプローブを使用すれば、例えば、シグナルとして蛍光を検出し、シグナル値として蛍光強度を測定することにより、蛍光強度の変動から、ハイブリダイズと解離とを容易に確認できる。
前記標識プローブは、例えば、単独でシグナルを示し、且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識プローブ、または、単独でシグナルを示さず、且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識プローブであることが好ましい。前記標識物質が蛍光物質の場合、前記標識プローブは、例えば、前記蛍光物質で標識化され、単独で蛍光を示し、且つハイブリッド形成により蛍光が減少(例えば、消光)するプローブが好ましい。このような現象は、一般に、蛍光消光現象(Quenching phenomenon)と呼ばれる。この現象を利用したプローブは、一般に、蛍光消光プローブと呼ばれる。中でも、前記蛍光消光プローブは、例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端もしくは5’末端が前記蛍光物質で標識化されていることが好ましく、標識化される前記末端の塩基は、シトシン(c)またはグアニン(g)であることが好ましい。前記末端の塩基がシトシン(c)の場合、前記蛍光消光プローブは、例えば、被検核酸とハイブリッドを形成した際、前記被検核酸における、標識化された末端のシトシン(c)と対をなす塩基または前記対をなす塩基から1〜3塩基離れた塩基がグアニン(g)となるように、前記蛍光消光プローブの塩基配列を設計することが好ましい。前記対をなす塩基から一塩基離れた塩基は、前記対をなす塩基の隣の塩基を意味する。このようなプローブは、一般的にグアニン消光プローブと呼ばれ、いわゆるQProbe(登録商標)として知られている。このようなグアニン消光プローブが前記被検核酸にハイブリダイズすると、例えば、前記蛍光物質で標識化された末端のシトシン(c)が、前記被検核酸におけるグアニン(g)に近づくことによって、前記蛍光物質の蛍光が弱くなる、すなわち、蛍光強度が減少するという現象を示す。このようなプローブを使用すれば、蛍光強度の変動により、ハイブリダイズと解離とを容易に確認できる。同様に、前記末端の塩基がグアニン(g)の場合、前記蛍光消光プローブは、例えば、前記被検核酸とハイブリッドを形成した際、前記被検核酸における、標識化された末端のグアニン(g)と対をなす塩基または前記対をなす塩基から1〜3塩基離れた塩基がシトシン(c)となるように、前記蛍光消光プローブの塩基配列を設計することが好ましい。
本発明の多型検出用プローブは、例えば、3’末端にリン酸基が付加されてもよい。後述するように、被検核酸は、例えば、PCR等の核酸増幅法によって調製でき、この際、本発明の多型検出用プローブを核酸増幅反応の反応系に共存させることができる。このような場合、前記多型検出用プローブの3’末端にリン酸基を付加させておけば、前記多型検出用プローブ自体が前記核酸増幅反応によって伸長することを十分に防止できる。3’末端に前述のような標識物質を付加することによっても、同様の効果が得られる。
本発明の多型検出用プローブを用いた多型の検出において、検出方法は何ら制限されず、前記検出対象配列とプローブとのハイブリダイズを利用する方法であればよい。前記多型の検出方法として、以下に、本発明の多型検出方法を説明する。
<多型検出方法>
本発明の多型検出方法は、前述のように、本発明のK−ras遺伝子の多型検出用プローブを用いて、K−ras遺伝子の多型を検出する工程を含むことを特徴とする、疾患関連遺伝子の多型検出方法である。
本発明の多型検出方法は、例えば、下記(A)工程および(B)工程を含むことが好ましい。
(A)前記多型を検出する被検核酸と本発明の多型検出用プローブとを含む反応系の温度を変化させ、前記被検核酸と前記多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する工程
(B)前記温度変化に伴う前記シグナル値の変動から、前記被検核酸における前記多型を検出する工程
本発明の多型検出方法は、本発明の多型検出用プローブを使用することが特徴であって、その他の構成や条件等は、以下の記載に制限されない。本発明の多型検出用プローブは、前述のように標識プローブが好ましい。本発明において、前記反応系は、例えば、反応液である。
本発明において、前記被検核酸は、一本鎖核酸でもよいし、二本鎖核酸でもよい。前記被検核酸が前記二本鎖核酸の場合、例えば、後述するように、前記(A)工程において、前記反応系を加熱して、二本鎖の前記被検核酸を解離させる工程を含むことが好ましい。前記二本鎖核酸を一本鎖核酸に解離することによって、本発明の多型検出用プローブと前記一本鎖核酸とがハイブリダイズする。
本発明において、前記被検核酸は、例えば、試料中に元来含まれる核酸でもよいし、前記核酸の増幅物でもよい。後者は、例えば、検出精度を向上できることから好ましく、前記増幅物は、例えば、前記試料中の前記核酸を鋳型核酸として、核酸増幅法により増幅させることで調製できる。前記増幅物は、例えば、前記試料中のDNAを鋳型とした増幅物でもよいし、前記試料中のRNAから合成したcDNAを鋳型とした増幅物でもよい。前記試料中のRNAは、例えば、トータルRNA、mRNA等のRNAがあげられ、前記cDNAは、例えば、前記RNAから、例えば、RT−PCR(Reverse Transcription PCR)により合成できる。
本発明の多型検出方法は、例えば、前記被検核酸が前記増幅物の場合、例えば、さらに、下記(X)工程を含んでもよい。前記(X)工程は、例えば、前記(A)工程に先立って行うことが好ましい。また、前記(X)工程は、例えば、前記多型検出用プローブの存在下、前記反応系において、前記鋳型核酸から前記増幅物を生成する工程でもよい。
(X) 鋳型核酸から前記増幅物を生成する工程
前記(A)工程において、前記多型検出用プローブは、例えば、前記反応系に含まれていればよく、その添加のタイミングは、特に制限されない。前記被検核酸が前記増幅物の場合、前記(A)工程における前記反応系は、例えば、前記(X)工程で得られた前記増幅物と前記多型検出用プローブとを用いて、新たに調製してもよいし、前記(X)工程における前記増幅反応の反応系でもよい。後者の場合、前記多型検出用プローブは、例えば、前記(X)工程の前または途中に、前記増幅反応の反応系に添加されてもよく、前記(X)工程の後、前記増幅反応の反応系に添加されてもよい。
前記核酸増幅法は、特に制限されず、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、NASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法、TMA(Transcription−Mediated Amplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等があげられ、中でも、PCR法が好ましい。前記核酸増幅法の条件は、特に制限されず、従来公知の方法により行える。
前記鋳型核酸からの前記増幅物の生成には、K−ras遺伝子における検出目的の多型を含む領域を増幅するためのプライマー(以下、「K−ras用プライマー」ともいう)を使用することが好ましい。前記プライマーの配列は、特に制限されず、例えば、前記検出対象部位を含む検出対象配列を増幅できればよく、前記検出対象配列およびその周辺配列等に応じて、従来公知の方法により適宜設定できる。前記プライマーの長さは、特に制限されず、一般的な長さに設定でき、例えば、10〜40塩基長があげられる。
前記K−ras用プライマーは、例えば、遺伝子のセンス鎖を増幅するフォワードプライマー(以下、「Fプライマー」ともいう)およびアンチセンス鎖を増幅するリバースプライマー(以下、「Rプライマー」ともいう)のいずれか一方を使用できるが、両者を一対とするプライマーセットを使用することが好ましい。以下に、FプライマーおよびRプライマーを例示するが、これらは一例であって、本発明を制限するものではない。
(Fプライマー)
F1
5'-accttatgtgtgacatgttctaatatagtcacattttc-3' (配列番号11)
F2
5'-aaggcctgctgaaaatgactg-3' (配列番号12)
F1−LP
5'-ggtactggtggagtatttgatagtgt-3’ (配列番号32)
(Rプライマー)
R2
5'-ggtcctgcaccagtaatatgca-3' (配列番号18)
R1−LP
5'-gaattagctgtatcgtmaaggcactc-3’ (配列番号33)
m=cまたはa
R3−LP
5'-cacaaaatgattctgaattagctgtatcg-3’ (配列番号34)
また、FプライマーおよびRプライマーは、例えば、コドン12およびコドン13の全配列または部分配列を含む領域にアニーリング可能に設計されたプライマーでもよい。この場合、コドン12およびコドン13の配列は、例えば、野生型に設定できるが、変異型に設定することが好ましい。これによって、例えば、変異型K−ras遺伝子が微量の場合でも、前記変異型の検出対象配列を効率よく増幅できる。以下に、Rプライマーを例示するが、これらは一例であって、本発明を制限するものではない。下記配列において、下線部が、コドン12およびコドン13の全配列(nntkrc)または部分配列に相補的な配列であり、大文字の塩基が、変異型の多型に相補的な塩基である。下記R−WTプライマーは、全配列nntkrcであるggtggcに相補的な配列を有し、野生型の標的部位を増幅するプライマーである。下記R−c12−XGT、R−c12−GXTおよびR−c13−TGCは、それぞれ、変異型の標的部位を増幅するプライマーである。下記R−c12−XGTは、全配列nntkrcであるngtggcに相補的な配列を有する。下記R−c12−GXTは、部分配列ntkrcであるntggcに相補的な配列を有する。下記R−c13−TGCは、コドン13の全配列krcであるtgcに相補的な配列を有する。下記R−c13−GACは、コドン13の部分配列rcであるacに相補的な配列を有する。
(Rプライマー)
R−WT
5'-ctcttgcctacgccacc-3' (配列番号13)
R−c12−XGT
5'-cactcttgcctacgccacD-3' (配列番号14)
D=t、gまたはa
R−c12−GXT
5'-gcactcttgcctacgccaD-3' (配列番号15)
D=t、gまたはa
R−c13−TGC
5'-caaggcactcttgcctacgcA-3' (配列番号16)
R−c13−GAC
5'-tcaaggcactcttgcctacgT-3' (配列番号17)
本発明において、前記プライマーの組み合わせは、特に制限されず、例えば、FプライマーとRプライマーとを一対のプライマーセットとして使用することが好ましい。さらに、FプライマーまたはRプライマーの少なくとも一方について、野生型の検出対象領域を増幅するプライマーと、変異型の検出対象領域を増幅するプライマーとを併用することが好ましい。具体的には、Fプライマーと、野生型の検出対象領域を増幅するRプライマーと、変異型の検出対象領域を増幅するRプライマーとを、組み合わせて使用することが好ましい。前記野生型の検出対象領域を増幅するプライマーを、野生型プライマー、前記変異型の検出対象領域を増幅するプライマーを、変異型プライマーともいう。このように、前記野生型プライマーと変異型プライマーとの併用により、例えば、変異型K−ras遺伝子が微量の場合にも、変異型の検出対象領域を高精度に検出できる。前記FプライマーとRプライマーとの組み合わせは、例えば、F1プライマーおよびF2プライマーのいずれか一方と、R−WTプライマーと、前記R−c12−XGTプライマーと、前記R−c12−GXTプライマーとの組み合わせ、または、F1プライマーおよびF2プライマーのいずれか一方と、R−WTプライマーと、前記R−c13−TGCプライマーと、前記R−c13−GACプライマーとの組み合わせ等があげられる。また、例えば、F1−LPプライマー(配列番号32)と、R1−LPプライマー(配列番号33)またはR3−LP(配列番号34)との組み合わせも好ましい。
前記反応系において、前記プライマーの添加割合は、特に制限されず、例えば、1種類のプライマーについて、例えば、0.1〜2μmol/Lであり、好ましくは、0.25〜1.5μmol/Lであり、特に好ましくは、0.5〜1μmol/Lである。FプライマーとRプライマーとを使用する場合、前記Fプライマー(F)とRプライマー(R)との添加割合(モル比F:R)は、特に制限されず、例えば、1:0.25〜1:4が好ましく、より好ましくは、1:0.5〜1:2である。
前記(A)工程において、前記被検核酸に対する本発明の多型検出用プローブの添加割合(モル比)は、特に制限されず、検出シグナルを十分に確保できることから、1倍以下が好ましい。この際、前記被検核酸は、例えば、パーフェクトマッチ配列を有するパーフェクトマッチ核酸とミスマッチ配列を有するミスマッチ核酸との合計でもよいし、パーフェクトマッチ配列を含む増幅物とミスマッチ配列を含む増幅物との合計でもよい。なお、被検核酸におけるパーフェクトマッチ核酸の割合は、通常、不明であるが、結果的に、前記多型検出用プローブの添加割合(モル比)は、パーフェクトマッチ核酸(パーフェクトマッチ配列を含む増幅物)に対して10倍以下となることが好ましく、より好ましくは5倍以下、さらに好ましくは3倍以下である。その下限は特に制限されず、例えば、0.001倍以上であり、好ましくは0.01倍以上であり、より好ましくは0.1倍以上である。前記被検核酸に対する本発明の多型検出用プローブの添加割合は、例えば、二本鎖核酸に対するモル比でもよいし、一本鎖核酸に対するモル比でもよい。
前記反応系における本発明の多型検出用プローブの添加割合は、特に制限されず、例えば、1種類の前記多型検出用プローブにつき、10〜1000nmol/Lの範囲となるように添加することが好ましく、より好ましくは20〜500nmol/Lである。例えば、十分なシグナル値を確保できることから、前記反応液において、前記被検核酸に対する前記多型検出用プローブのモル比は、例えば、1倍以下が好ましい。前記被検核酸に対する前記多型検出用プローブの添加割合は、例えば、二本鎖核酸に対するモル比でもよいし、一本鎖核酸に対するモル比でもよい。
本発明の多型検出方法を適用する試料は、特に制限されず、生体試料があげられる。前記生体試料の具体例は、例えば、大腸、直腸、膵臓等の組織、全血、白血球細胞等の血球、口腔粘膜等の口腔内細胞、爪や毛髪等の体細胞、生殖細胞、喀痰、羊水、パラフィン包埋組織、尿、胃液、胃洗浄液等があげられる。本発明において、前記試料の採取方法、前記試料からの被検核酸の調製方法等は、特に制限されず、従来公知の方法が採用できる。
本発明の多型検出方法は、前述のような、いわゆるTm解析(融解曲線解析ともいう)に利用できる。ここで、Tm解析におけるTm値について説明する。例えば、二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度は加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって融解が完了したと判断できる。この現象に基づき、融解温度Tmは、一般に、吸光度が、吸光度全上昇分の50%に達した時の温度と定義される。
前記(A)工程において、前記被検核酸と前記多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナルの測定は、前述した、260nmにおける吸光度測定でもよいが、標識物質のシグナル測定でもよい。具体的には、前記多型検出用プローブとして、前述したように、前記標識物質で標識化された標識プローブを使用し、前記標識物質のシグナル測定を行うことが好ましい。前記標識プローブは、例えば、単独でシグナルを示し、且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識プローブ、または、単独でシグナルを示さず、且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識プローブがあげられる。前者のようなプローブであれば、前記増幅物とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成している際にはシグナルを示さず、加熱により前記増幅物から前記プローブが解離するとシグナルを示す。後者のプローブであれば、前記増幅物とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成することによってシグナルを示し、加熱により前記増幅物から前記プローブが遊離するとシグナルが減少(消失)する。したがって、前記標識物質のシグナルを検出することによって、前記260nmにおける吸光度測定と同様に、ハイブリッドの融解の進行の検出ならびにTm値の決定等を行える。前記標識物質のシグナル検出は、例えば、前記標識物質のシグナルに特有の条件で検出すればよく、前記条件は、例えば、励起波長、検出波長等があげられる。前記標識プローブならびに前記標識物質については、前述のとおりである。
前記(B)工程において、シグナル値の変動からの前記多型の検出は、従来の方法により行うことができる。具体例としては、例えば、前記シグナル値の変動を、前記多型検出用プローブと変異型の検出対象配列とのハイブリッドの変動および/または前記多型検出用プローブと野生型の検出対象配列とのハイブリッドの変動と比較し、多型が変異型か野生型かを判断できる。つまり、変異型と同様であれば変異型、野生型と同様であれば野生型と判断できる。また、例えば、前記シグナルの変動からTm値を求め、Tm値の比較により、多型を判断できる。まず、前記シグナル値の変動から、Tm値を求める。つぎに、測定した前記Tm値を、予め求めた、野生型の検出対象配列についてのTmwt値および/または変異型の検出対象配列についてのTmmt値と比較する。そして、測定したTm値が、野生型の検出対象配列についてのTm値wtと同じまたは同程度であれば野生型、Tmwt値よりも低いならば変異型、前記変異型の検出対象配列についてのTmmt値と同じまたは同程度であれば変異型、Tmmt値よりも低いならば野生型と判断できる。同程度とは、例えば、±3℃程度である。
次に、本発明の多型検出方法について、一例をあげて説明する。本例は、本発明の多型検出用プローブとして、蛍光物質で標識された標識プローブを使用し、前記多型検出用プローブの存在下、鋳型核酸からの増幅を行い、得られた増幅物を、前記被検核酸とする例である。本発明の多型検出方法は、本発明の多型検出用プローブを使用すること自体が特徴であり、その他の工程や条件については何ら制限されない。
まず、前記生体試料からゲノムDNAを単離する。前記生体試料からのゲノムDNAの単離は、従来公知の方法によって行える。具体的には、例えば、市販のゲノムDNA単離キット(商品名GFX Genomic Blood DNA Purification kit;GEヘルスケアバイオサイエンス社製)等が使用できる。
次に、単離したゲノムDNAを含む試料に標識プローブを添加して、反応液を調製する。前記標識プローブは、例えば、前述のように、QProbe(登録商標)が好ましい。
前記標識プローブは、例えば、単離したゲノムDNAを含む試料に添加してもよいし、溶媒中でゲノムDNAと混合してもよい。前記溶媒は、特に制限されず、例えば、Tris−HCl等の緩衝液、KCl、MgCl、MgSO、グリセロール等を含む溶媒、PCR用の反応液等の核酸増幅用反応液等、従来公知のものがあげられる。
前記標識プローブの添加のタイミングは、特に制限されず、例えば、核酸増幅反応の前、途中または後に添加できる。中でも、例えば、前記標識プローブの添加のために前記反応液を外部環境に露出する必要がなく、また、前記核酸増幅反応とシグナル値の測定とを、連続的に行うことが可能であるため、前記核酸増幅反応前に前記反応液に、前記標識プローブを添加することが好ましい。この場合、前記標識プローブは、前述のように、その3’末端が標識物質またはリン酸基で修飾されていることが好ましい。
続いて、単離したゲノムDNAを鋳型として、前記標識プローブの存在下、PCR等の核酸増幅法によって、検出目的の多型が発生する検出対象部位を含む配列を増幅させる。以下、核酸増幅法としてPCRを例にあげて、本発明を説明するが、これには制限されない。PCRの条件は、特に制限されず、従来公知の方法により行える。
具体的には、前記ゲノムDNA、前記標識プローブおよび前記プライマーを含む前記反応液について、PCRを行う。この反応液の組成は、特に制限されず、当業者であれば適宜設定でき、例えば、前記ゲノムDNA、前記標識プローブおよび前記プライマーの他に、DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、緩衝液、各種触媒等を含んでもよい。前記反応液における前記標識プローブおよび前記プライマーの添加割合は、特に制限されず、例えば、それぞれ前述の範囲があげられる。
前記DNAポリメラーゼは、特に制限されず、例えば、従来公知の耐熱性細菌由来のポリメラーゼが使用できる。具体例は、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来DNAポリメラーゼ(米国特許第4,889,818号および同第5,079,352号)(商品名Taqポリメラーゼ)、テルムス・テルモフィラス(Thermus thermophilus)由来DNAポリメラーゼ(WO 91/09950)(rTth DNA polymerase)、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来DNAポリメラーゼ(WO 92/9689)(Pfu DNA polymerase:Stratagenes社製)、テルモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由来ポリメラーゼ(EP−A 455 430(商標Vent):New England Biolabs社製)等が商業的に入手可能であり、中でも、テルムス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来の耐熱性ポリメラーゼが好ましい。
前記反応液におけるDNAポリメラーゼの添加割合は、特に制限されず、例えば、1〜100U/mLであり、好ましくは、5〜50U/mLであり、より好ましくは、20〜40U/mLである。DNAポリメラーゼの活性単位(U)は、一般に、活性化サケ精子DNAを鋳型プライマーとして、活性測定用反応液中、74℃で、30分間に10nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性沈殿物に取り込む活性が1Uである。前記活性測定用反応液の組成は、例えば、25mmol/L TAPS buffer(pH9.3、25℃)、50mmol/L KCl、2mmol/L MgCl、1mmol/Lメルカプトエタノール、200μmol/L dATP、200μmol/L dGTP、200μmol/L dTTP、100μmol/L「α−32P」dCTP、0.25mg/mL活性化サケ精子DNAである。
前記ヌクレオシド三リン酸は、通常、dNTP(dATP、dCTP、dGTP、および、dTTPまたはdUTP)があげられる。前記反応液中のdNTPの添加割合は、特に制限されず、例えば、0.01〜1mmol/Lであり、好ましくは、0.05〜0.5mmol/Lであり、より好ましくは、0.1〜0.3mmol/Lである。
前記緩衝液は、例えば、Tris−HCl、Tricine、MES、MOPS、HEPES、CAPS等があげられ、市販のPCR用緩衝液や市販のPCRキットの緩衝液等が使用できる。
前記反応液は、さらに、ヘパリン、ベタイン、KCl、MgCl、MgSO、グリセロール等を含んでもよく、これらの添加割合は、例えば、PCR反応を阻害しない範囲で設定すればよい。
前記反応液の全体積は、特に制限されず、例えば、サーマルサイクラー等の使用する機器等に応じて適宜設定でき、通常、1〜500μLであり、好ましくは、10〜100μLである。
つぎに、PCRを行う。前記PCRのサイクル条件は、特に制限されず、例えば、(1)被検核酸である二本鎖DNAの一本鎖DNAへの解離、(2)前記一本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、(3)ポリメラーゼ反応による前記プライマーの伸長は、それぞれ下記表1の条件が例示できる。サイクル数も特に制限されず、下記(1)〜(3)の3ステップを1サイクルとして、例えば、30サイクル以上が好ましい。前記サイクル数の合計の上限は、特に制限されず、例えば、100サイクル以下、好ましくは70サイクル以下、より好ましくは、50サイクル以下である。各ステップの温度変化は、例えば、サーマルサイクラー等を用いて自動的に制御すればよい。
Figure 2011071046
前記反応液における標識プローブの添加割合は、特に制限されず、例えば、前記標識プローブを10〜1000nmol/Lの範囲となるように添加することが好ましく、より好ましくは20〜500nmol/Lである。例えば、十分なシグナル値を確保できることから、前記反応液において、前記被検核酸に対する前記標識プローブのモル比は、例えば、1倍以下が好ましい。前記被検核酸に対する前記標識プローブの添加割合は、例えば、二本鎖核酸に対するモル比でもよいし、一本鎖核酸に対するモル比でもよい。
次に、得られた増幅物(二本鎖DNA)の解離、および、解離により得られた一本鎖DNAと前記標識プローブとのハイブリダイズを行う。これは、例えば、前記標識プローブの存在下、前記反応液の温度を変化させることで行える。この場合、前述のように、予め前記標識プローブを添加した前記反応液について、増幅反応を行った後、前記反応液を温度変化させることが好ましい。
前記解離工程における加熱温度は、二本鎖の前記増幅物を一本鎖に解離できる温度であれば特に制限されず、例えば、85〜95℃である。加熱時間も特に制限されず、通常、1秒〜10分であり、好ましくは1秒〜5分である。
解離した一本鎖DNAと前記標識プローブとのハイブリダイズは、例えば、前記解離工程の後、前記解離工程における加熱温度を降下させることによって行える。温度条件は、例えば、40〜50℃である。前記温度での処理時間は、特に制限されず、例えば、1〜600秒である。
そして、前記反応液の温度を変化させ、前記増幅物と前記標識プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する。具体的には、例えば、前記反応液(前記一本鎖DNAと前記標識プローブとのハイブリッド)を加熱し、温度上昇に伴うシグナル値の変動を測定する。前述のように、グアニン消光プローブ、すなわち、末端のシトシン(c)が標識化されたプローブを使用した場合、一本鎖DNAとハイブリダイズした状態では、蛍光が減少(または消光)し、解離した状態では、蛍光を発する。したがって、例えば、蛍光が減少(または消光)しているハイブリッドを徐々に加熱し、温度上昇に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
前記蛍光強度の変動を測定する際の温度範囲は、特に制限されない。前記開始温度は、例えば、室温〜85℃であり、好ましくは、25〜70℃であり、終了温度は、例えば、40〜105℃である。また、温度の上昇速度は、特に制限されず、例えば、0.1〜20℃/秒であり、好ましくは、0.3〜5℃/秒である。
次に、前記シグナル値の変動を解析してTm値を決定する。具体的には、得られた蛍光強度から、各温度における単位時間当たりの蛍光強度変化量(−d蛍光強度増加量/dt)を算出し、最も低い値を示す温度をTm値として決定できる。単位時間当たりの蛍光強度変化量(d蛍光強度増加量/dt)の最も高い点をTm値として決定することもできる。前記標識プローブとして、蛍光消光プローブではなく、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示すプローブを使用した場合には、反対に、蛍光強度の減少量を測定すればよい。また、例えば、前記標識プローブとして、検出波長の異なる標識物質を標識した複数のプローブを用いて、前記検出波長ごとに、前記シグナル値の変動を解析してもよい。
前記Tm値は、例えば、従来公知のMELTCALCソフトウエア(http://www.meltcalc.com/)等により算出でき、最近接塩基対法(Nearest Neighbor Method)によって決定することもできる。
そして、前記Tm値から、前記検出対象配列において、配列番号1に示すK−ras遺伝子の塩基配列における塩基番号220、221、223または224の塩基が、前記野生型であるか、前記変異型であるかを決定する。前記Tm解析において、完全に相補であるハイブリッド(マッチ)は、一塩基または数塩基が異なるハイブリッド(ミスマッチ)よりも、解離を示すTm値が高くなるという結果が得られる。したがって、予め、前記標識プローブについて、完全に相補であるハイブリッドのTm値と、一塩基または数塩基が異なるハイブリッドのTm値とを決定しておくことにより、前記検出対象配列の塩基が、前記野生型であるか、前記変異型を含むかを決定できる。前述のように、前記野生型プローブおよび変異型プローブを併用すれば、完全に相補であるハイブリッドのTm値を示したのが、いずれのプローブであるかによって、前記多型の種類も決定できる。
本発明は、前述のように、前記多型検出用プローブを含む反応系の温度を上昇させて(ハイブリッドを加熱して)、温度上昇に伴うシグナル変動を測定する方法に代えて、例えば、ハイブリッド形成時におけるシグナル変動の測定を行ってもよい。すなわち、前記多型検出用プローブを含む反応系の温度を降下させてハイブリッドを形成する際に、前記温度降下に伴うシグナル変動を測定してもよい。
具体例として、単独でシグナルを示し、且つハイブリッド形成によりシグナルを示さない標識プローブ(例えば、グアニン消光プローブ)を使用した場合、一本鎖DNAと前記標識プローブとが解離している状態では蛍光を発しているが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、前記蛍光が減少(または消光)する。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の減少を測定すればよい。他方、単独でシグナルを示さず、且つハイブリッド形成によりシグナルを示す標識プローブを使用した場合、前記一本鎖DNAと前記標識プローブとが解離している状態では蛍光を発していないが、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光を発するようになる。したがって、例えば、前記反応液の温度を徐々に降下させて、温度下降に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
本発明の多型検出方法は、例えば、K−ras遺伝子の多型を検出するための本発明の多型検出用プローブと、他の遺伝子の多型を検出するためのプローブとを併用できる。本発明の多型検出用プローブと、その他の遺伝子を検出するためのプローブとの併用によって、同一の一つの反応系において、K−ras遺伝子を含む2種類以上の遺伝子の多型を検出できる。前記他の遺伝子は、例えば、K−ras遺伝子と同様の疾患関連遺伝子であるBRAF遺伝子があげられる。これによって、疾患に関連するK−ras遺伝子とBRAF遺伝子との多型を、検出できる。前述の疾患において、K−ras遺伝子多型が野生型、BRAF遺伝子多型が変異型である臨床例が報告されている。したがって、K−ras遺伝子に加えて、BRAF遺伝子における変異の有無(多型)を検出することにより、例えば、前述の疾患の診断、より効果的な疾患の治療法の選択等の精度を、さらに向上できる。
BRAF遺伝子における検出目的の多型は、例えば、配列番号2のBRAF遺伝子の部分配列において、塩基番号229の塩基(w)が、野生型は、チミン(t)であり、変異型は、アデニン(a)である。前記塩基が野生型(t)の場合、BRAFタンパク質の600番目のアミノ酸はバリン(V)となり、前記塩基が変異型(a)の場合、BRAFタンパク質の600番目のアミノ酸はグルタミン酸(E)となる。BRAF遺伝子が、前述のような変異型であれば、例えば、前述の疾患および薬剤耐性の可能性があると判断できる。
BRAF遺伝子の塩基配列は、例えば、GenBankアクセッションNo.NG_007873において、5001番目〜195753番目の領域として登録されている。配列番号2に示す塩基配列は、BRAF遺伝子の部分配列であり、前記アクセッション番号の塩基配列において、塩基番号176201〜176700の領域に相当する。また、前記検出部位は、前記アクセッション番号の塩基配列における塩基番号176429の塩基に相当する。配列番号2に示す塩基配列において、wは、アデニンまたはチミンである。
以下、配列番号2に示す塩基配列において、塩基番号229の塩基(w)が変異型aであるBRAF遺伝子を「変異型BRAF遺伝子」といい、塩基番号229の塩基(w)が野生型であるBRAF遺伝子を「野生型BRAF遺伝子または正常型BRAF遺伝子」という。
BRAF遺伝子の多型を検出するためのプローブを、以下、「BRAF用プローブ」ともいう。前記BRAF用プローブは、特に制限されず、例えば、下記(P4)および(P4’)の少なくともいずれかのオリゴヌクレオチドを含むプローブがあげられる。
(P4)塩基長が9〜50塩基長であり、配列番号2における塩基番号229〜237を含む塩基配列からなり、前記塩基番号237を3’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
(P4’)前記(P4)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
前記(P4)および(P4’)のオリゴヌクレオチドの塩基長は、9〜50塩基長であり、好ましくは10〜50塩基長であり、より好ましくは、13〜30塩基長であり、さらに好ましくは、15〜20塩基長である。
前記(P4)のオリゴヌクレオチドは、例えば、BRAF遺伝子のセンス鎖と相同的であり、アンチセンス鎖とのハイブリダイゼーションにより、多型を確認できる。
前記(P4)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号237の塩基を、3’末端領域に有し、好ましくは、3’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(3’末端)または2番目に有する。
前記(P4)のオリゴヌクレオチドは、例えば、配列番号19または配列番号35のオリゴヌクレオチドがあげられる。配列番号19および配列番号35の塩基配列において、下線部のwは、配列番号2に示すBRAF遺伝子の検出対象部位wに相同的な塩基である。配列番号19および配列番号35において、wがaであれば(配列番号27および配列番号36)、変異型BRAF遺伝子の検出対象配列とパーフェクトマッチする。このようなプローブを、変異型プローブともいう。また、配列番号19および配列番号35において、wがtであれば(配列番号28および配列番号37)、野生型BRAF遺伝子の検出対象配列とパーフェクトマッチする。このようなプローブを、野生型プローブともいう。したがって、BRAF遺伝子の検出対象配列とパーフェクトマッチか否かによって、BRAF遺伝子の多型が、野生型であるか変異型であるかを検出できる。これらは、前記BRAF用プローブの一例であって、本発明を制限するものではない。
(BRAF用プローブ)
5'-ctagctacagwgaaatctc-3' (配列番号19)
5'-ctagctacagagaaatctc-3' (配列番号27)
5'-ctagctacagtgaaatctc-3' (配列番号28)
5'-gctacagwgaaatctc-3' (配列番号35)
5'-gctacagagaaatctc-3' (配列番号36)
5'-gctacagtgaaatctc-3' (配列番号37)
前記(P4’)のオリゴヌクレオチドは、前述のように、前記(P4)のオリゴヌクレオチドに相補的である。前記(P4’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、以下のようにいうこともできる。
(P4’)塩基長が9〜50塩基長であり、配列番号2における塩基番号229〜237を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号237の塩基に相補的な塩基を5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
前記(P4’)のオリゴヌクレオチドは、BRAF遺伝子のセンス鎖と相補的であり、前記センス鎖とのハイブリダイゼーションにより、多型を確認できる。前記(P4’)のオリゴヌクレオチドにおいて、前記センス鎖の検出対象部位の塩基配列(w)に相補的な塩基配列は、(w)で表され、aまたはtである。
前記(P4’)のオリゴヌクレオチドは、前記塩基番号237の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有し、好ましくは、5’末端から数えて1〜4番目の位置、より好ましくは、1〜3番目、特に好ましくは1番目(5’末端)または2番目に有する。
前記BRAFの多型検出用プローブは、例えば、前記オリゴヌクレオチドを含むプローブでもよいし、前記オリゴヌクレオチドからなるプローブでもよい。
前記BRAFの多型検出用プローブは、例えば、標識物質を有する標識プローブであることが好ましく、前記標識物質は、前述の通りである。
前記(P4)のオリゴヌクレオチドは、3’末端領域に、前記標識物質を有することが好ましく、具体的には、例えば、3’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、3’末端から数えて1〜3番目の塩基、特に好ましくは、3’末端から数えて2番目または3’末端の塩基である。前記(P4)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号234〜240のいずれかの塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号237の塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。
前記(P4’)のオリゴヌクレオチドは、5’末端領域に、前記標識物質を有することが好ましく、具体的には、例えば、5’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは、5’末端から数えて1〜3番目の塩基、特に好ましくは、5’末端から数えて2番目または5’末端の塩基である。前記(P4’)のオリゴヌクレオチドは、例えば、前記塩基番号234〜240のいずれかの塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましく、より好ましくは前記塩基番号237の塩基に相補的な塩基が、前記標識物質を有することが好ましい。
本発明において、K−ras用プローブと、BRAF用プローブとの組み合わせは、特に制限されず、例えば、配列番号7〜配列番号10、配列番号30および配列番号31のいずれかに示すオリゴヌクレオチドを含むK−ras用の野生型プローブと、配列番号27または配列番号36に示すオリゴヌクレオチドを含むBRAF用の変異型プローブとの組み合わせ等があげられる。
一つの反応系に2種類以上のプローブを添加する場合、各プローブは、それぞれ異なる検出条件の標識物質で標識化されていることが好ましい。これによって、検出条件を変えるのみで、同じ反応系を用いて、2種類以上の多型を簡便に検出できる。
具体的に、前記(A)工程が、前記多型を検出する被検核酸と、前記K−ras用プローブおよび前記BRAF用プローブとを含む反応系の温度を変化させ、前記被検核酸と前記各多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する工程であることが好ましい。前記BRAF用プローブは、例えば、前述の通りである。
本発明において、前記被検核酸は、前述のように、前記鋳型核酸から前記増幅物を生成する工程、すなわち前記(X)工程を含んでもよい。前記鋳型核酸からの前記増幅物の生成は、例えば、K−ras用のプライマーの他に、BRAF遺伝子における検出目的の多型を含む配列を増幅するためのプライマー(以下、「BRAF用プライマー」ともいう)を使用することが好ましい。すなわち、配列番号2の塩基配列における塩基番号229の塩基を含む領域を増幅するためのプライマーを使用して、増幅物を生成することが好ましい。前記プライマーの配列は、特に制限されず、例えば、前記検出対象部位を含む検出対象配列を増幅できればよく、前記検出対象配列およびその周辺配列等に応じて、従来公知の方法により適宜設定できる。前記プライマーの長さは、特に制限されず、前述の長さがあげられる。前記BRAF用プライマーは、例えば、前記K−ras用プライマーを使用する際に併用すればよい。
前記BRAF用プライマーは、例えば、遺伝子のセンス鎖を増幅するフォワードプライマー(Fプライマー)およびアンチセンス鎖を増幅するリバースプライマー(Rプライマー)のいずれか一方を使用できるが、両者を一対とするプライマーセットを使用することが好ましい。以下に、前記FプライマーおよびRプライマーを例示するが、これらは一例であって、本発明を制限するものではない。前記BRAF用プライマーは、例えば、配列番号38のプライマーと配列番号39のプライマーとの組み合わせが好ましい。
(BRAF用プライマー)
Fプライマー
5'-cctttacttactacacctcagatatat-3' (配列番号20)
F3プライマー
5'-tgcttgctctgataggaaaatgagatctac-3' (配列番号38)
Rプライマー
5'-acaactgttcaaactgatgggac-3' (配列番号21)
R5プライマー
5'-aaactgatgggacccactccat-3' (配列番号39)
前記BRAF用プローブおよび前記BRAF用プライマーの添加割合は、特に制限されず、例えば、K−ras用プローブおよびK−ras用プライマーと同様に使用できる。
<多型検出用試薬>
本発明の多型検出用試薬は、本発明の多型検出用プローブを含むことを特徴とする、疾患関連遺伝子の多型検出用試薬である。本発明においては、前述の本発明の多型検出用プローブを含むことが特徴であって、その他の構成や条件は何ら制限されない。本発明の多型検出用試薬は、例えば、K−ras遺伝子の多型の検出に使用するプローブキットともいえる。
前記多型検出用試薬は、例えば、前記多型検出用プローブを1種類含んでもよいし、2種類以上含んでもよい。具体的には、K−ras用の野生型プローブおよび変異型プローブのうち、いずれか1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
本発明の多型検出用試薬は、さらに、K−ras遺伝子における検出目的部位を含む領域を増幅するためのプライマーやプライマーセットを含んでもよい。プライマーは、例えば、前述のものがあげられる。
本発明の多型検出用試薬は、さらに、BRAF遺伝子における検出目的部位を含む領域を増幅するためのプライマーやプライマーセットを含んでもよい。プライマーは、例えば、前述のものがあげられる。
本発明の多型検出用試薬は、この他にも、例えば、核酸増幅反応に必要な成分を含んでもよい。具体例は、例えば、DNAポリメラーゼ等のポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、緩衝液、各種触媒等があげられる。本発明の多型検出用試薬は、検出試薬キットでもよく、さらに、使用説明書を含んでもよい。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。
[実施例1]
本例では、野生型オリゴヌクレオチドまたは変異型オリゴヌクレオチドの存在下、Tm解析を行い、K−ras遺伝子の多型を検出した。
K−ras遺伝子の部分配列として、野生型コドン12および野生型コドン13を有するオリゴヌクレオチド(配列番号22)、および、変異型コドン12または変異型コドン13を有するオリゴヌクレオチド(配列番号23〜配列番号26)を準備した。下記配列番号22〜配列番号26において、下線部が、コドン12およびコドン13に該当し、大文字の塩基が、変異型の多型を示す。
WT(配列番号22)
5'-aacttgtggtagttggagctggtggcgtaggcaagagtgccttgacgata-3'
c12−TGT(配列番号23)
5'-aacttgtggtagttggagctTgtggcgtaggcaagagtgccttgacgata-3'
c12−GAT(配列番号24)
5'-aacttgtggtagttggagctgAtggcgtaggcaagagtgccttgacgata-3'
c13−GAC(配列番号25)
5'-aacttgtggtagttggagctggtgAcgtaggcaagagtgccttgacgata-3'
c12−AAT(配列番号26)
5'-aacttgtggtagttggagctAAtggcgtaggcaagagtgccttgacgata-3'
前記オリゴヌクレオチドを、それぞれ、10μmol/Lに調整した。下記表2の反応液について、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、Tm解析を行った。前記Tm解析は、前記反応液を95℃1秒および40℃60秒で処理後、温度の上昇速度を1℃/3秒として、40℃から95℃に加熱していき、検出波長585〜700nmにおける、経時的な蛍光強度の変化を測定することにより行った。
Figure 2011071046
前記プローブとして、以下の野生型プローブ1を使用した。下記プローブは、野生型K−ras遺伝子のセンス鎖における検出対象配列にパーフェクトマッチするプローブであり、前記配列において、下線部の塩基が、野生型コドン12および野生型コドン13に相補的な配列である。前記プローブ1は、5’末端を、蛍光物質TAMRAで標識化し、3’末端を、リン酸化した。
5'-(TAMRA)-cctacgccaccagctccaactac-P-3' (配列番号7)
これらの結果を図1に示す。図1は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図1において、(A)はWT、(B)はc12−TGT、(C)はc12−GAT、(D)はc13−GAC、(E)はc12−AATの結果である。横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記プローブとのTm値は、WTが73℃、c12−TGT、c12−GATおよびc13−GACが65℃であり、c12−AATが60℃である。
図1(A)に示すように、WTは、73℃でピークが確認された。そして、図1(B)〜(D)に示すように、コドン12またはコドン13において、WTとは1塩基異なるc12−TGT、c12−GATおよびc13−GACは、それぞれ、65℃でピークが確認された。さらに、図1(E)に示すように、コドン12において、WTとは2塩基異なるc12−AATは、60℃でピークが確認された。このように、本実施例の野生型プローブを用いれば、例えば、野生型K−ras遺伝子と複数の変異型K−ras遺伝子とが混在する場合であっても、野生型と変異型とを区別して、多型を検出可能であることがわかった。また、変異型の多型について、1塩基ミスマッチの変異型と2塩基ミスマッチの変異型とを区別して、検出可能であることがわかった。
[実施例2]
本例では、野生型プラスミドと、変異型プラスミドとの共存下で、Tm解析を行い、K−ras遺伝子の多型を検出した。
K−ras遺伝子の部分配列(配列番号1における30番目〜349番目)として、野生型コドン12および野生型コドン13を有するオリゴヌクレオチドが挿入された野生型プラスミド(WT)、変異型コドン12および野生型コドン13を有するオリゴヌクレオチドが挿入された2種類の変異型プラスミド(c12−TGTおよびc12−GAT)を準備した。前記野生型プラスミド(WT)において、コドン12およびコドン13の配列は、「ggtggc」である。変異型プラスミド(c12−TGT)において、コドン12およびコドン13の配列は、「Tgtggc」であり、大文字の塩基が変異型の多型である。変異型プラスミド(c12−GAT)において、コドン12およびコドン13の配列は、「gAtggc」であり、大文字の塩基が変異型の多型である。これらのプラスミドを、以下に示す所定の割合で混合し、5種類のプラスミド試料を調製した。プラスミド試料は、1μLあたり、2×10コピー/μLとした。
Figure 2011071046
下記表4のPCR反応液25μLについて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、PCRおよびTm解析を行った。前記PCRは、95℃で60秒の後、95℃5秒および64℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返した。そして、続けて、実施例1と同じ条件で、Tm解析を行った。
Figure 2011071046
前記Fプライマーおよび各種Rプライマーの配列を以下に示す。R−c12−XGTの配列において、下線部は、コドン12およびコドン13の配列に相当し、R−c12−GXTの配列において、下線部は、コドン12およびコドン13の5’末端側2塩基の配列に相当する。R−c12−XGTおよびR−c12−GXTは、それぞれ、Dがt、gまたはaである3種類のオリゴヌクレオチドの混合物(縮重プライマー)とした。
F1プライマー(配列番号11)
5'-accttatgtgtgacatgttctaatatagtcacattttc-3'
R−WTプライマー(配列番号13)
5'-ctcttgcctacgccacc-3'
R−c12−XGT
5'-cactcttgcctacgccacD-3' (配列番号14)
D=t、gまたはa
R−c12−GXT
5'-gcactcttgcctacgccaD-3' (配列番号15)
D=t、gまたはa
前記プローブとして、以下の野生型プローブ2を使用した。下記プローブは、野生型のK−ras遺伝子のセンス鎖における検出対象配列にパーフェクトマッチするプローブであり、前記配列において、下線部の塩基が、野生型コドン12および野生型コドン13に相補的な配列である。前記プローブ2は、5’末端を、蛍光色素TAMRAで標識化し、3’末端を、リン酸化した。
5'-(TAMRA)-cctgcctacgccaccagctccaactac-P-3' (配列番号8)
これらの結果を図2に示す。図2は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図2において、(A)はWT 100%、(B)はc12−TGT 3%、(C)はc12−TGT 100%、(D)はc12−GAT 1%、(E)はc12−GAT 100%の結果である。図2において、横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記プローブとのTm値は、WTが75℃、c12−TGTが68℃、c12−GATが69℃である。
図2において、(A)に示すように、WT 100%は、WTのTm値でのみピークが確認され、(C)に示すように、c12−TGT 100%は、c12−TGTのTm値でのみピークが確認され、(E)に示すように、c12−GAT 100%は、c12−GATのTm値でのみピークが確認された。一方、野生型プラスミドと変異型プラスミドとを混合した試料では、2つのTm値でピークが確認された。すなわち、図2(B)に示すように、c12−TGT 3%は、WTのTm値近傍と、c12−TGTのTm値近傍の両方で、ピークが確認された。また、図2(D)に示すように、c12−GAT 1%は、WTのTm値近傍と、c12−GATのTm値近傍の両方で、ピークが確認された。このように、本実施例の野生型プローブ、野生型Fプライマー、野生型Rプライマーおよび変異型Rプライマーを用いれば、野性型と微量の変異型の多型とが混在する場合であっても、野生型と変異型とを区別して、多型を検出可能であることがわかった。
[実施例3]
本例では、野生型プラスミドと、変異型プラスミドとの共存下で、Tm解析を行い、K−ras遺伝子の多型を検出した。
K−ras遺伝子の部分配列(配列番号1における30番目〜349番目)として、野生型コドン12および野生型コドン13を有するオリゴヌクレオチドが挿入された野生型プラスミド(WT)、野生型コドン12および変異型コドン13を有するオリゴヌクレオチドが挿入された変異型プラスミド(c13−GAC)を準備した。前記野生型プラスミド(WT)は、前記実施例2と同様である。変異型プラスミド(c13−GAC)において、コドン12およびコドン13の配列は、「ggtgAc」であり、大文字の塩基が変異型の多型である。これらのプラスミドを、以下に示す所定の割合で混合し、3種類のプラスミド試料を調製した。プラスミド試料は、1μLあたり、2×10コピー/μLとした。
Figure 2011071046
下記表6のPCR反応液25μLを用いた以外は、前記実施例2と同様にして、PCRおよびTm解析を行った。
Figure 2011071046
前記F1プライマーは、前記実施例2と同じプライマーを使用した。前記各種Rプライマーの配列を以下に示す。
R−WTプライマー(配列番号13)
5'-ctcttgcctacgccacc-3'
R−c13−TGCプライマー(配列番号16)
5'-caaggcactcttgcctacgca-3'
R−c13−GACプライマー(配列番号17)
5'-tcaaggcactcttgcctacgt-3'
前記プローブとして、以下の野生型プローブ3を使用した。下記プローブは、野生型のK−ras遺伝子のセンス鎖における検出対象配列にパーフェクトマッチするプローブであり、前記配列において、下線部の塩基が、野生型コドン12および野生型コドン13に相補的な配列である。前記プローブ3は、5’末端を、蛍光色素TAMRAで標識化し、3’末端を、リン酸化した。
5'-(TAMRA)-cctgcctacgccaccagctccaactacca-P-3' (配列番号9)
これらの結果を図3に示す。図3は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図3において、(A)はWT 100%、(B)はc13−GAC 3%、(C)はc13−GAC 100%の結果である。図3において、横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記プローブとのTm値は、WTが77℃、c13−GACが72℃である。
図3において、(A)に示すように、WT 100%は、WTのTm値でのみピークが確認され、(C)に示すように、c13−GAC 100%は、c13−GACのTm値でのみピークが確認された。一方、図3(B)に示すように、野生型プラスミドおよび変異型プラスミドを含むc13−GAC 3%は、WTのTm値と、c13−GACのTm値の両方で、ピークが確認された。このように、本実施例の野生型プローブ、野生型Fプライマー、野生型Rプライマーおよび変異型Rプライマーを用いれば、野性型と微量の変異型の多型とが混在する場合であっても、野生型と変異型とを区別して、多型を検出可能であることがわかった。
[実施例4]
本例では、野生型プラスミドと、変異型プラスミドとの共存下で、Tm解析を行い、K−ras遺伝子およびBRAF遺伝子の多型を検出した。
K−ras遺伝子の部分配列(配列番号1における30番目〜349番目)として、下記表に示すコドン12およびコドン13を有するオリゴヌクレオチドが挿入された、krasプラスミドを準備した。コドン12およびコドン13が野生型であるkrasプラスミドを、野生型プラスミド(kras−wt)とした。コドン12およびコドン13の少なくとも一方が変異型多型を有するkrasプラスミドを、変異型プラスミド(kras−mt)とし、変異型多型に応じて、「kras−mt2」〜「kras−mt13」の12種類を準備した。下記表のコドン12およびコドン13において、大文字の塩基が変異型の多型である。
また、BRAF遺伝子の部分配列(配列番号2における51番目〜350番目)として、検出部位が下記表に示す塩基であるオリゴヌクレオチドが挿入された、brafプラスミドを準備した。検出部位が野生型であるオリゴヌクレオチドが挿入されたプラスミドを、野生型プラスミド(braf−wt)、検出部位が変異型であるオリゴヌクレオチドを変異型プラスミド(braf−mt)とした。下記表における塩基は、配列番号2に示す塩基配列において、229番目の塩基(w)である。下記表において、大文字の塩基が変異型の多型である。
Figure 2011071046
前記krasプラスミドおよびbrafプラスミドを、以下に示す所定の割合で混合し、14種類のプラスミド試料を調製した。プラスミド試料は、1μLあたり、1×10コピー/μLとした。
Figure 2011071046
下記表9のPCR反応液50μLについて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、PCRおよびTm解析を行った。前記PCRは、95℃で30秒の後、95℃1秒および58℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返した。そして、前記Tm解析は、前記反応液を95℃1秒および40℃60秒で処理後、温度の上昇速度を1℃/3秒として、40℃から85℃に加熱していき、検出波長520〜555nm(BODIPY FL)および585〜700nm(TAMRA)における、経時的な蛍光強度の変化を測定することにより行った。
Figure 2011071046
前記K−ras用プライマーおよびBRAF用プライマーの配列を以下に示す。
(K−ras用プライマー)
F2プライマー
5'-aaggcctgctgaaaatgactg-3' (配列番号12)
R2プライマー
5'-ggtcctgcaccagtaatatgca-3' (配列番号18)
(BRAF用プライマー)
Fプライマー
5'-cctttacttactacacctcagatatat-3' (配列番号20)
Rプライマー
5'-acaactgttcaaactgatgggac-3' (配列番号21)
前記K−ras用プローブおよびBRAF用プローブの配列を以下に示す。K−ras用プローブは、K−ras遺伝子のセンス鎖にハイブリダイズ可能な配列であり、前記配列において、大文字の塩基が、配列番号1における220−225番目の塩基(nntkrc)に相補的である。前記K−ras用プローブは、5’末端を、蛍光物質BODIPY FLで標識化し、3’末端をリン酸化した。前記BRAF用プローブは、BRAF遺伝子のアンチセンス鎖にハイブリダイズ可能な配列であり、前記配列において、大文字の塩基が、配列番号2における229番目の塩基(w)に対応する。前記BRAF用プローブは、3’末端を、蛍光物質TAMRAで標識化した。
(K−ras用プローブ)
5'-(BODIPY FL)-ctcttgcctacGCCACCagctccaact-P-3' (配列番号10)
(BRAF用プローブ)
5'-ctagctacagAgaaatctc-(TAMRA)-3' (配列番号27)
これらの結果を図4〜図7に示す。図4〜図7は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図4は、WT 100%、kras−mt2 10%、kras−mt3 10%、図5は、kras−mt4 10%、kras−mt5 10%、kras−mt6 10%、図6は、kras−mt7 10%、kras−mt8 10%、kras−mt9 10%、kras−mt10 10%、図7は、kras−mt11 10%、kras−mt12 10%、kras−mt13 10%、braf−mt 10%の結果である。各図において、横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記K−ras用プローブとのTm値は、kras−wtが73℃、kras−mt2が67℃、kras−mt3が66℃、kras−mt4が67℃、kras−mt5が67℃、kras−mt6が66℃、kras−mt7が67℃、kras−mt8が66℃、kras−mt9が67℃、kras−mt10が62℃、kras−mt11が62℃、kras−mt12が62℃、kras−mt13が60℃であり、前記BRAF用プローブとのTm値は、braf−wtが51℃、braf−mtが57℃である。
図4に示すように、WT 100%の試料については、kras−wtおよびbraf−wtのTm値でのみピークが確認された。一方、図4〜図7に示すように、野生型プラスミドおよび変異型プラスミドを含む各種プラスミド試料は、kras−wt、kras−mtおよびbraf−wtのTm値近傍の合計3ヵ所、または、kras−wt、braf−wtおよびbraf−mtのTm値近傍の合計3ヵ所で、ピークが確認された。このように、本実施例のk−ras用プローブと、BRAF用プローブとを併用すれば、一つの反応液において、k−ras遺伝子とBRAF遺伝子の多型を検出可能であることがわかった。
[実施例5]
本例では、パラフィン包埋切片臨床検体から得たDNA抽出液について、Tm解析を行い、K−ras遺伝子およびBRAF遺伝子の多型を検出した。
パラフィン包埋切片臨床検体から、DNA抽出キット(商品名TaKaRaDEXPAT(登録商標)、製品コード9091、タカラバイオ社製)を用い、DNA抽出液を得た。
下記表10のPCR反応液50μLについて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、PCRおよびTm解析を行った。前記PCRは、95℃で60秒の後、95℃1秒および62℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返した。そして、前記Tm解析は、前記反応液を95℃1秒および40℃60秒で処理後、温度の上昇速度を1℃/3秒として、40℃から85℃に加熱していき、検出波長520〜555nm(BODIPY FL)および585〜700nm(TAMRA)における、経時的な蛍光強度の変化を測定することにより行った。
Figure 2011071046
前記K−ras用プライマーは、前記実施例4と同じプライマーを使用した。前記BRAF用プライマーの配列を以下に示す。
(BRAF用プライマー)
F3プライマー
5'-tgcttgctctgataggaaaatgagatctac-3' (配列番号38)
R5プライマー
5'-aaactgatgggacccactccat-3' (配列番号39)
前記K−ras用プローブは、前記実施例4と同じプローブを使用した。前記BRAF用プローブの配列を以下に示す。前記配列において、大文字の塩基が、配列番号2における229番目の塩基(w)に対応する。前記BRAF用プローブは、3’末端を、蛍光物質TAMRAで標識化した。
(BRAF用プローブ)
5'-gctacagAgaaatctc-(TAMRA)-3' (配列番号36)
これらの結果を図8に示す。図8は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図8において、(A)は、K−ras遺伝子、(B)は、BRAF遺伝子の結果である。横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記K−ras用プローブとのTm値は、野生型が73℃前後であり、前記BRAF用プローブとのTm値は、野生型が52℃、変異型が45℃である。
図8(A)に示すように、K−ras遺伝子については、2つのピークが見られたことから、野生型配列および変異型配列が含まれることがわかった。また、図8(B)に示すように、BRAF遺伝子については、野生型のTm値のみでピークが確認されたことから、野生型であることがわかった。パラフィン包埋臨床検体から回収したDNA抽出液には、夾雑物が混入していたり、鋳型DNAの断片化が予想されたが、本例によれば、各遺伝子のピークを明確に検出することができた。
[実施例6]
本例では、野生型プラスミドと、変異型プラスミドとの共存下で、Tm解析を行い、K−ras遺伝子の多型を検出した。
前記実施例4の表8において、brafプラスミドを含まない以外は、同様にして、krasプラスミドを混合して、プラスミド試料を調製した。前記プラスミド試料は、1μLあたり、75コピー/μLとした。
下記表11のPCR反応液50μLについて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、PCRおよびTm解析を行った。前記PCRは、95℃で60秒の後、95℃1秒および58℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返した。そして、前記Tm解析は、前記反応液を95℃1秒および40℃60秒で処理後、温度の上昇速度を1℃/3秒として、40℃から85℃に加熱していき、検出波長520〜555nm(BODIPY FL)における、経時的な蛍光強度の変化を測定することにより行った。
Figure 2011071046
前記F1−LPプライマーおよび前記R1−LPプライマーの配列を以下に示す。R1−LPプライマーは、mがcまたはaである2種類のオリゴヌクレオチドの混合物(縮重プライマー)とした。
F1−LPプライマー(配列番号32)
5'-ggtactggtggagtatttgatagtgt-3’
R1−LPプライマー(配列番号33)
5'-gaattagctgtatcgtmaaggcactc-3’
m=cまたはa
前記プローブとして、下記配列の野生型プローブ6を使用した。前記配列において、下線部の塩基が、野生型コドン12および野生型コドン13に相補的な配列である。前記プローブ6は、5’末端を、蛍光物質BODIPY FLで標識化し、3’末端を、リン酸化した。
5'-(BODIPY FL)-ctcttgcctacgccaccagctccaacttgctggctacgc-P-3' (配列番号31)
これらの結果を図9〜図12に示す。図9〜図12は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図9は、WT 100%、kras−mt2 10%、kras−mt3 10%、図10は、kras−mt4 10%、kras−mt5 10%、kras−mt6 10%、図11は、kras−mt7 10%、kras−mt8 10%、kras−mt9 10%、図12は、kras−mt10 10%、kras−mt11 10%、kras−mt12 10%、kras−mt13 10%の結果である。各図において、横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記K−ras用プローブとのTm値は、kras−wtが72℃、kras−mt2が66℃、kras−mt3が66℃、kras−mt4が66℃、kras−mt5が66℃、kras−mt6が65℃、kras−mt7が66℃、kras−mt8が66℃、kras−mt9が66℃、kras−mt10が62℃、kras−mt11が61℃、kras−mt12が60℃、kras−mt13が59℃である。
図9に示すように、WT 100%の試料については、kras−wtのTm値でのみピークが確認された。一方、図9〜図12に示すように、野生型プラスミドおよび変異型プラスミドを含む各種プラスミド試料は、kras−wtのTm値近傍、kras−mtのTm値近傍の合計2ヵ所で、ピークが確認された。このように、本実施例の野生型プローブを用いれば、野性型と微量の変異型の多型とが混在する場合であっても、野生型と変異型とを区別して、多型を検出可能であることがわかった。
[実施例7]
本例では、野生型プラスミドと、変異型プラスミドとの共存下で、Tm解析を行い、K−ras遺伝子の多型を検出した。プラスミド試料は、前記実施例6と同じプラスミド試料のWTとmt2〜9を使用した。
下記表12のPCR反応液50μLについて、全自動SNPs検査装置(商品名i−densy(登録商標)、アークレイ社製)を用いて、PCRおよびTm解析を行った。前記PCRは、95℃で60秒の後、95℃1秒および57.5℃15秒を1サイクルとして50サイクル繰り返した。そして、前記Tm解析は、前記反応液を95℃1秒および40℃60秒で処理後、温度の上昇速度を1℃/3秒として、40℃から65℃に加熱していき、検出波長585〜700nm(TAMRA)における、経時的な蛍光強度の変化を測定することにより行った。
Figure 2011071046
前記F1−LPプライマーは、前記実施例6と同じプライマーを使用した。前記R3−LPプライマーの配列を以下に示す。
R3−LPプライマー(配列番号34)
5'-cacaaaatgattctgaattagctgtatcg-3’
前記プローブとして、下記配列の変異型プローブ7を使用した。前記配列において、下線部の塩基が、野生型コドン12および変異型コドン13(gac)に相補的な配列である。前記プローブ7は、5’末端を、蛍光物質TAMRAで標識化し、3’末端を、リン酸化した。
5'-(TAMRA)-cttgcctacgtcacc-P-3' (配列番号30)
これらの結果を図13〜図15に示す。図13〜図15は、温度上昇に伴う蛍光強度の変化を示すTm解析のグラフである。図13は、WT 100%、kras−mt2 10%、kras−mt3 10%、図14は、kras−mt4 10%、kras−mt5 10%、kras−mt6 10%、図15は、kras−mt7 10%、kras−mt8 10%、kras−mt9 10%の結果である。各図において、横軸は、測定時の温度(℃)を示し、縦軸は、蛍光強度の変化を示し、単位は、蛍光強度変化量の微分値である「d蛍光強度変化量/dt」(dF/dt)とした。前記プローブとのTm値は、kras−wtが54℃、kras−mt2が53℃、kras−mt3が53.5℃、kras−mt4が53℃、kras−mt5が53℃、kras−mt6が53℃、kras−mt7が53℃、kras−mt8が53℃、kras−mt9が57℃である。
図13〜図15に示すように、kras−mt9 10%の試料は、57℃付近で大きな一つのピークが確認された。kras−wtおよび他の変異型の試料は、いずれも、53〜54℃付近で小さなピークが確認されたにすぎなかった。このように、野生型の試料と、野生型と変異型1〜8とを含む試料で、ピークが見られないことから、本実施例のプローブによれば、変異型9を、ピークの位置で区別し、検出することができる。
以上のように、本発明の多型検出用プローブによれば、例えば、K−ras遺伝子の多型を、Tm解析によって、簡便且つ優れた信頼性で判別できる。具体的には、例えば、試料中に、目的の多型が野生型であるK−ras遺伝子と変異型であるK−ras遺伝子とが共存している場合でも、本発明の多型検出用プローブを用いたTm解析を行うことで、変異の有無を、簡便且つ優れた信頼性で検出できる。このため、本発明は、野生型のK−ras遺伝子と変異型のK−ras遺伝子とを両方含む試料に対して、特に有用である。このように、本発明によれば、K−ras遺伝子の多型を、簡便且つ優れた信頼性で判別できることから、例えば、検出結果を、前述のような疾患の診断および治療法の選択等に反映することもできる。したがって、本発明は、医療分野等において極めて有用といえる。

Claims (37)

  1. 下記(P1)、(P2)、(P3)、(P1’)、(P2’)および(P3’)の少なくともいずれかのオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする、疾患関連遺伝子であるK−ras遺伝子の多型検出用プローブ。
    (P1)塩基長が11〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜230を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
    (P1’)前記(P1)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
    (P2)塩基長が15〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜234を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
    (P2’)前記(P2)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
    (P3)塩基長が17〜50塩基長であり、配列番号1における塩基番号220〜236を含む塩基配列に相補的な塩基配列からなり、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端領域に有するオリゴヌクレオチド
    (P3’)前記(P3)のオリゴヌクレオチドに相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチド
  2. 前記配列番号1に示す塩基配列における220−225番目の塩基配列が、
    ggtggc、agtggc、cgtggc、tgtggc、gatggc、gctggc、gttggc、ggttgc、ggtgac、aatggc、tttggc、cttggcおよびagtgacの少なくともいずれかである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  3. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端から数えて1〜4番目の位置に有し、
    前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端から数えて1〜4番目の位置に有し、
    前記(P3)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端から数えて1〜4番目の位置に有する、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  4. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基を、5’末端の位置に有し、
    前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基を、5’末端の位置に有し、
    前記(P3)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基を、5’末端の位置に有する、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  5. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、配列番号3で示されるオリゴヌクレオチドであり、前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、配列番号4、配列番号5または配列番号29で示されるオリゴヌクレオチドであり、
    前記(P3)のオリゴヌクレオチドが、配列番号6で示されるオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
    5'-cctacgymannagctccaactac-3' (配列番号3)
    5'-cttgcctacgymannagctccaactac-3' (配列番号4)
    5'-cttgcctacgymannagctccaactacca-3' (配列番号5)
    5'-cttgcctacgymann-3' (配列番号29)
    5'-ctcttgcctacgymannagctccaact-3' (配列番号6)
  6. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、配列番号7で示されるオリゴヌクレオチドであり、前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、配列番号8、配列番号9または配列番号30で示されるオリゴヌクレオチドであり、
    前記(P3)のオリゴヌクレオチドが、配列番号10または配列番号31で示されるオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
    5'-cctacgccaccagctccaactac-3' (配列番号7)
    5'-cttgcctacgccaccagctccaactac-3' (配列番号8)
    5'-cttgcctacgccaccagctccaactacca-3' (配列番号9)
    5'-cttgcctacgtcacc-3' (配列番号30)
    5'-ctcttgcctacgccaccagctccaact-3' (配列番号10)
    5'-ctcttgcctacgccaccagctccaacttgctggctacgc-3' (配列番号31)
  7. 前記プローブが、蛍光標識物質を有する標識プローブである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  8. 前記(P1)のオリゴヌクレオチド、(P2)のオリゴヌクレオチドおよび(P3)のオリゴヌクレオチドが、5’末端領域に、前記蛍光標識物質を有し、前記(P1’)のオリゴヌクレオチド、(P2’)のオリゴヌクレオチドおよび(P3’)のオリゴヌクレオチドが、3’末端領域に、前記蛍光標識物質を有する、請求項7に記載の多型検出用プローブ。
  9. 前記(P1)のオリゴヌクレオチド、(P2)のオリゴヌクレオチドおよび(P3)のオリゴヌクレオチドが、5’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P1’)のオリゴヌクレオチド、(P2’)のオリゴヌクレオチドおよび(P3’)のオリゴヌクレオチドが、3’末端から数えて1〜4番目の塩基の位置に、前記蛍光標識物質を有する、請求項7に記載の多型検出用プローブ。
  10. 前記(P1)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号230の塩基に相補的な塩基に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P1’)のオリゴヌクレオチドが、配列番号1における塩基番号230の塩基に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P2)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号234の塩基に相補的な塩基に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P2’)のオリゴヌクレオチドが、配列番号1における塩基番号234の塩基に、前記標識物質を有し、
    前記(P3)のオリゴヌクレオチドが、前記塩基番号236の塩基に相補的な塩基に、前記蛍光標識物質を有し、
    前記(P3’)のオリゴヌクレオチドが、配列番号1における塩基番号236の塩基に、前記蛍光標識物質を有する、請求項7に記載の多型検出用プローブ。
  11. 前記多型検出用プローブが、Tm解析用のプローブである、請求項1に記載の多型検出用プローブ。
  12. 請求項1に記載のK−ras遺伝子の多型検出用プローブを含むことを特徴とする、疾患関連遺伝子の多型検出用試薬。
  13. さらに、K−ras遺伝子における検出目的の多型を含む領域を増幅するためのプライマーを含む、請求項12に記載の多型検出用試薬。
  14. 前記プライマーが、配列番号1の塩基配列における塩基番号220−225を含む領域を増幅するためのプライマーである、請求項13に記載の多型検出用試薬。
  15. 前記プライマーが、
    配列番号11、配列番号12および配列番号32の少なくともいずれかに示すオリゴヌクレオチドからなるプライマー、および、
    配列番号13〜18、配列番号33および配列番号34の少なくともいずれかに示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一方である、請求項13に記載の多型検出用試薬。
    5'-accttatgtgtgacatgttctaatatagtcacattttc-3' (配列番号11)
    5'-aaggcctgctgaaaatgactg-3' (配列番号12)
    5'-ggtactggtggagtatttgatagtgt-3’ (配列番号32)
    5'-ctcttgcctacgccacc-3' (配列番号13)
    5'-cactcttgcctacgccacd-3' (配列番号14)
    5'-gcactcttgcctacgccad-3' (配列番号15)
    5'-caaggcactcttgcctacgca-3' (配列番号16)
    5'-tcaaggcactcttgcctacgt-3' (配列番号17)
    5'-ggtcctgcaccagtaatatgca-3' (配列番号18)
    5'-gaattagctgtatcgtmaaggcactc-3’ (配列番号33)
    5'-cacaaaatgattctgaattagctgtatcg-3’ (配列番号34)
  16. 前記プライマーが、
    配列番号13に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマー、および、
    配列番号14〜17の少なくともいずれかに示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一方である、請求項13に記載の多型検出用試薬。
  17. さらに、BRAF遺伝子の多型検出用プローブを含み、
    前記プローブが、配列番号2における塩基番号229の塩基を含む領域にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなるプローブである、請求項12に記載の多型検出用試薬。
  18. 前記BRAF遺伝子の多型検出用プローブが、配列番号27および配列番号36の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブである、請求項17に記載の多型検出用試薬。
    5'-ctagctacagagaaatctc-3' (配列番号27)
    5'-gctacagagaaatctc-3' (配列番号36)
  19. さらに、BRAF遺伝子における検出目的の多型を含む領域を増幅するためのプライマーを含む、請求項17に記載の多型検出用試薬。
  20. 前記プライマーが、配列番号2の塩基配列における塩基番号229番目の塩基を含む領域を増幅するためのプライマーである、請求項19に記載の多型検出用試薬。
  21. 前記プライマーが、
    配列番号20および配列番号38の少なくとも一方に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマー、および、
    配列番号21および配列番号39の少なくとも一方に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一方である、請求項20に記載の多型検出用試薬。
    5'-cctttacttactacacctcagatatat-3' (配列番号20)
    5'-tgcttgctctgataggaaaatgagatctac-3' (配列番号38)
    5'-acaactgttcaaactgatgggac-3' (配列番号21)
    5'-aaactgatgggacccactccat-3' (配列番号39)
  22. 請求項1に記載の多型検出用プローブを用いて、疾患関連遺伝子であるK−ras遺伝子の多型を検出する工程を含むことを特徴とする、疾患関連遺伝子の多型検出方法。
  23. 下記(A)工程および(B)工程を含む、請求項22に記載の多型検出方法。
    (A)前記多型を検出する被検核酸と請求項1に記載の多型検出用プローブとを含む反応系の温度を変化させ、前記被検核酸と前記多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する工程
    (B)前記温度変化に伴う前記シグナル値の変動から、前記被検核酸における前記多型を検出する工程
  24. 前記反応系が、二種類以上の前記多型検出用プローブを含み、前記二種類以上の多型検出用プローブが、それぞれ、異なる蛍光標識物質を有する、請求項23に記載の多型検出方法。
  25. 前記(A)工程において、前記被検核酸が、鋳型核酸からの増幅物である、請求項23に記載の多型検出方法。
  26. さらに、下記(X)工程を含む、請求項25に記載の多型検出方法。
    (X) 鋳型核酸から増幅物を生成する工程
  27. 前記(X)工程が、前記多型検出用プローブの存在下、前記反応系において、前記鋳型核酸から核酸増幅物を生成する工程であり、
    前記(A)工程において、前記(X)工程における前記反応系の温度を変化させ、前記シグナル値の測定を行う、請求項26に記載の多型検出方法。
  28. 前記(X)工程が、配列番号1の塩基配列における塩基番号220−225を含む領域を増幅するためのプライマーを使用して、前記増幅物を生成する、請求項26に記載の多型検出方法。
  29. 前記プライマーが、
    配列番号11、配列番号12および配列番号32の少なくともいずれかに示すオリゴヌクレオチドからなるプライマー、および、
    配列番号13〜18、配列番号33および配列番号34の少なくともいずれかに示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一方である、請求項28に記載の多型検出方法。
    5'-accttatgtgtgacatgttctaatatagtcacattttc-3' (配列番号11)
    5'-aaggcctgctgaaaatgactg-3' (配列番号12)
    5'-ggtactggtggagtatttgatagtgt-3’ (配列番号32)
    5'-ctcttgcctacgccacc-3' (配列番号13)
    5'-cactcttgcctacgccacd-3' (配列番号14)
    5'-gcactcttgcctacgccad-3' (配列番号15)
    5'-caaggcactcttgcctacgca-3' (配列番号16)
    5'-tcaaggcactcttgcctacgt-3' (配列番号17)
    5'-ggtcctgcaccagtaatatgca-3' (配列番号18)
    5'-gaattagctgtatcgtmaaggcactc-3’ (配列番号33)
    5'-cacaaaatgattctgaattagctgtatcg-3’ (配列番号34)
  30. 前記プライマーが、
    配列番号13に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマー、および、
    配列番号14〜17の少なくともいずれかに示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一方である、請求項28に記載の多型検出方法。
  31. 前記疾患関連遺伝子であるBRAF遺伝子の多型を、同一の反応系で検出する、請求項22に記載の多型検出方法。
  32. 前記(A)工程が、
    前記多型を検出する被検核酸と、請求項1に記載の多型検出用プローブおよびBRAF遺伝子の多型検出用プローブとを含む反応系の温度を変化させ、前記被検核酸と前記各多型検出用プローブとのハイブリッドの融解状態を示すシグナル値を測定する工程である、請求項31に記載の多型検出方法。
  33. 前記BRAF遺伝子の多型検出用プローブが、
    配列番号2の塩基配列における塩基番号229の塩基を含む領域にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドからなるプローブである、請求項32に記載の多型検出方法。
  34. 前記BRAF遺伝子の多型検出用プローブが、配列番号27および配列番号36の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプローブである、請求項33に記載の多型検出方法。
    5'-ctagctacagagaaatctc-3' (配列番号27)
    5'-gctacagagaaatctc-3' (配列番号36)
  35. 請求項1に記載の多型検出用プローブおよび前記BRAF遺伝子の多型検出用プローブが、それぞれ、異なる標識物質を有する標識プローブである、請求項32に記載の多型検出方法。
  36. 前記(X)工程が、あわせて、配列番号2の塩基配列における塩基番号229の塩基を含む領域を増幅するためのプライマーを使用して、前記増幅物を生成する、請求項28に記載の多型検出方法。
  37. 前記プライマーが、
    配列番号20および配列番号38の少なくとも一方に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマー、および、
    配列番号21および配列番号39の少なくとも一方に示すオリゴヌクレオチドからなるプライマーの少なくとも一方である、請求項36に記載の多型検出方法。
    5'-cctttacttactacacctcagatatat-3' (配列番号20)
    5'-tgcttgctctgataggaaaatgagatctac-3' (配列番号38)
    5'-acaactgttcaaactgatgggac-3' (配列番号21)
    5'-aaactgatgggacccactccat-3' (配列番号39)
JP2011514218A 2009-12-07 2010-12-07 疾患関連遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途 Active JP5917144B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009278061 2009-12-07
JP2009278061 2009-12-07
PCT/JP2010/071918 WO2011071046A1 (ja) 2009-12-07 2010-12-07 疾患関連遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011071046A1 true JPWO2011071046A1 (ja) 2013-04-22
JP5917144B2 JP5917144B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=44145590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011514218A Active JP5917144B2 (ja) 2009-12-07 2010-12-07 疾患関連遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9200326B2 (ja)
EP (1) EP2511370B1 (ja)
JP (1) JP5917144B2 (ja)
KR (1) KR101372876B1 (ja)
CN (1) CN102317454A (ja)
WO (1) WO2011071046A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6153758B2 (ja) 2012-04-20 2017-06-28 アークレイ株式会社 多型検出用プローブ、多型検出方法、薬効判定方法及び多型検出用キット
JP2014103904A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Toyo Kohan Co Ltd K−rasにおける変異検出用オリゴヌクレオチドプローブ
CN103602748A (zh) * 2013-11-28 2014-02-26 瑞希基因科技(北京)股份有限公司 一种结合荧光定量pcr技术的焦磷酸测序方法
WO2015091525A1 (en) * 2013-12-16 2015-06-25 Syddansk Universitet Ras exon 2 skipping for cancer treatment
JP2016077208A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 東洋紡株式会社 Kras遺伝子変異の検出方法
JP6754202B2 (ja) * 2016-03-15 2020-09-09 アークレイ株式会社 K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット、K−ras遺伝子増幅用キット、K−ras遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法
CN110684849A (zh) * 2019-12-05 2020-01-14 苏州绘真医学检验有限公司 基于ddPCR检测人循环肿瘤细胞KRAS基因突变的引物、探针、试剂盒及方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4889818A (en) 1986-08-22 1989-12-26 Cetus Corporation Purified thermostable enzyme
US5079352A (en) 1986-08-22 1992-01-07 Cetus Corporation Purified thermostable enzyme
EP0506825B1 (en) 1989-12-22 1998-08-05 F. Hoffmann-La Roche Ag RECOMBINANT EXPRESSION VECTORS AND PURIFICATION METHODS FOR $i(THERMUS THERMOPHILUS) DNA POLYMERASE
US5322785A (en) 1990-04-26 1994-06-21 New England Biolabs, Inc. Purified thermostable DNA polymerase obtainable from thermococcus litoralis
WO1992009689A1 (en) 1990-12-03 1992-06-11 Stratagene PURIFIED THERMOSTABLE $i(PYROCOCCUS FURIOSUS)
US6582908B2 (en) * 1990-12-06 2003-06-24 Affymetrix, Inc. Oligonucleotides
US5538848A (en) * 1994-11-16 1996-07-23 Applied Biosystems Division, Perkin-Elmer Corp. Method for detecting nucleic acid amplification using self-quenching fluorescence probe
US6268136B1 (en) * 1997-06-16 2001-07-31 Exact Science Corporation Methods for stool sample preparation
JP4859325B2 (ja) * 2000-05-01 2012-01-25 ジェン−プローブ・インコーポレーテッド カンジダ種の検出および定量化のためのポリヌクレオチドプローブ
CA2417986C (en) * 2000-08-11 2013-11-26 University Of Utah Research Foundation Single-labeled oligonucleotide probes
JP4537053B2 (ja) * 2001-06-25 2010-09-01 ジョージア テック リサーチ コーポレーション 二重共鳴エネルギー転移核酸プローブ
WO2003035870A1 (de) 2001-10-26 2003-05-01 Ribopharma Ag Medikament zur behandlung eines pankreaskarzinoms
US20040121348A1 (en) 2001-10-26 2004-06-24 Ribopharma Ag Compositions and methods for treating pancreatic cancer
JP2005506385A (ja) * 2001-10-26 2005-03-03 リボファーマ アーゲー 膵臓癌を処置するための医薬
CN101501496B (zh) * 2007-01-10 2013-05-15 爱科来株式会社 光学检测装置的性能确认方法及其使用的标准试剂
US7803543B2 (en) 2007-01-19 2010-09-28 Chang Gung University Methods and kits for the detection of nucleotide mutations using peptide nucleic acid as both PCR clamp and sensor probe
JP5509075B2 (ja) * 2008-12-16 2014-06-04 アークレイ株式会社 核酸増幅のコントロールの検出方法およびその用途
CA2757613C (en) * 2009-04-03 2023-10-17 Dicerna Pharmaceuticals, Inc. Methods and compositions for the specific inhibition of kras by asymmetric double-stranded rna

Also Published As

Publication number Publication date
US20120244540A1 (en) 2012-09-27
KR101372876B1 (ko) 2014-03-10
KR20110098853A (ko) 2011-09-01
WO2011071046A1 (ja) 2011-06-16
CN102317454A (zh) 2012-01-11
EP2511370A4 (en) 2013-07-10
JP5917144B2 (ja) 2016-05-11
EP2511370B1 (en) 2016-09-07
US9200326B2 (en) 2015-12-01
EP2511370A1 (en) 2012-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6095137B2 (ja) Egfr遺伝子の多型検出用プローブ、増幅用プライマーおよびその用途
JP5637850B2 (ja) 標的核酸配列の増幅方法、それを用いた変異の検出方法、および、それに用いる試薬
JP5917144B2 (ja) 疾患関連遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途
EP2025764B1 (en) Probe for detection of mutation in abl gene and use thereof
JP5290957B2 (ja) 免疫関連遺伝子の多型の検出用プローブおよびその用途
JPWO2009011297A1 (ja) Jak2遺伝子の変異検出用プローブおよびその用途
JP5684737B2 (ja) 標的配列の増幅方法、多型検出方法およびそれに用いる試薬
WO2011052755A1 (ja) Mpl遺伝子多型検出用プローブおよびその用途
JP2011062143A (ja) ピロリ菌の23SrRNA遺伝子増幅用プライマー試薬およびその用途
WO2011077990A1 (ja) c-kit遺伝子の多型検出用プローブおよびその用途
JP5831093B2 (ja) C型慢性肝炎に対する治療効果を予測するためのプローブ
JP5635496B2 (ja) Egfr遺伝子多型検出用プローブおよびその用途
JP5860667B2 (ja) Egfrエクソン21l858r遺伝子多型検出用プライマーセット及びその用途
EP2407560B1 (en) Probe for detection of polymorphism in abl gene, and use thereof
JP6754202B2 (ja) K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット、K−ras遺伝子増幅用キット、K−ras遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150316

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151207

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5917144

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250