JPWO2010150739A1 - Acat2阻害活性を示す水酸基含有ピリピロペン誘導体 - Google Patents

Acat2阻害活性を示す水酸基含有ピリピロペン誘導体 Download PDF

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Abstract

スタチン系医薬品とは異なる作用機序を有する動脈硬化症の予防または治療に有効な化合物の提供。下記一般式(I)または(II):(式中、R1及びR2は、ヒドロキシル基、低級アシロキシ基、アリールカルボニルオキシ基、及びヘテロアリールカルボニルオキシ基から選ばれた基を意味し、─R2は、(=O)R3であってもよく、R3はヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロアリールアミノ基を意味する)で示されるピリピロペン誘導体、ならびにその薬学上許容される塩、溶媒和物および水和物。【化36】

Description

本発明は、極めて優れたコレステロールアシル転移酵素アイソザイム2(以下、ACAT2と略す)阻害活性を有するピリピロペンA誘導体に関し、さらに詳しくは、1位または11位が水酸基に置換されたピリピロペンA誘導体に関する。
心筋梗塞や脳卒中などの死に直結する疾患へと発展するリスクが高い高脂血症や動脈硬化症のわが国の患者数は、自覚症状のない予備軍を含めて3000万人にのぼると言われている。動脈硬化性疾患ガイドラインが改訂された現在も、この過程を経た死は死因の上位を占めている。高脂血症や動脈硬化症は、日本だけでなく、欧米諸国においても重要な健康問題となっている。
現在、動脈硬化症の予防治療薬としては、ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A (hydroxy-3-methylglutaryl Co-A)(以下、HMG−CoAと略す)還元酵素を特異的に阻害するスタチン系医薬品が主に用いられている。スタチン系医薬品は、2001年から7年連続して世界で最も多く販売されている医薬品であり、2007年度売上高トップ30に2製品も入るほど広く使用されている。しかし、現実には、スタチン系医薬品では30〜40%しか発症抑制効果が得られず、治療を受けている患者の半数が心血管疾患等を抑制していないことが明らかとなってきた(非特許文献1)。
動脈硬化症の予防治療薬であるHMG−CoA還元酵素阻害剤が十分に心血管疾患等を抑制していない理由は、動脈硬化の発症メカニズムが複雑で、遺伝、糖尿病、薬剤などの様々な要因が重なって発症していることが多いためではないかと考えられる。そのため、患者個々の病態に合わせた診断及び治療が必要である。
従って、スタチン系医薬品とは作用機序が異なり、冠状動脈での発症抑制や冠状動脈病変の退縮が期待できる新しい作用機序を有する医薬品の開発が急務である。しかし、現状ではスタチン系医薬品に代わる医薬品の開発はほとんど進んでいない。
コレステロールアシル転移酵素(より正確には、アシル補酵素Aコレステロールアシル転移酵素、acyl-CoA-cholesterol acyltransferase、以下ACATと略す)は、コレステロールにアシル基を導入する酵素であり、スタチン耐性の動脈硬化症の治療や個々の病態に応じたテーラメイド医療への発展が期待される薬剤標的とされている。本酵素は長年動脈硬化予防治療薬の重要な標的分子として注目され、数多くの合成ACAT阻害剤が開発されてきたが、副作用や十分な効果が認められず、未だに臨床への実用化に結びついていない(非特許文献2)。
そのような中、最近になって、ACATには、生体内での機能や局在が異なる2種のアイソザイム、ACAT1とACAT2、が存在することが明らかになってきた(非特許文献3)。ACAT1は、生体内の多くの細胞・組織に広く分布し、特にマクロファージや平滑筋細胞に高発現し、動脈壁においては動脈硬化症の原因となるマクロファージ泡沫化を引き起こす。一方、ACAT2は、小腸と肝臓に特異的発現し、それぞれの組織において食餌性コレステロールの吸収と超低密度リポタンパク質の分泌に関与していると考えられている。ACAT1とACAT2の生体内での機能の相違が明らかとなってきたことから、ACATを標的とした創薬にはその選択性を明確にすることの重要性が再認識されている。
これまでに開発途中で中止された合成剤は、ACAT1の選択的阻害(例えば、Wu−V−23)、あるいはACAT1とACAT2両アイソザイム阻害(例えば、アバシミベやパクチミベ)の特性を有していることが明らかとなった(非特許文献4)。
最近発表されたノックアウトマウスの結果(非特許文献5)も考えあわせると、ACAT2選択的阻害剤からの創薬の可能性が強く期待されている。しかし、ACAT2選択的阻害剤として報告されているのはピリピロペンA(非特許文献6)のみであり(非特許文献7)、今日までACAT2選択的阻害剤をリードとした創薬研究は見当たらない。さらに、ピリピロペン誘導体がACAT2を阻害することは既に開示されている(非特許文献8)が、その中には、1位または11位が水酸基に置換された誘導体がACAT2を選択的に阻害することは開示も示唆もなされていない。
Libby、 J. Am. Coll. Cardiol. 46巻、1225-1228頁、2005年 Meuwese等、Curr. Opin. Lipidol. 17巻、426-431頁、2006年 Chang等、Acta. Biochim. Biophys. Sin. 38 巻、151-156頁、2006年 Farese, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 26巻、1684-1686頁、2006年 Bell等、Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 27巻、1396-1402頁、2007年 Tomoda等、J. Antibiot.47巻、148-153頁、1994年 Lada等、J. Lipid Res.45巻、378-386頁、2004年 Ohshiro等、J. Antibiot. 61巻、503-508頁、2008年
本発明の目的は、スタチン系医薬品とは異なる作用機序を有する動脈硬化症の予防または治療に有効な薬剤を提供することである。
本発明者らは、新規なピリピロペンA誘導体が、動脈硬化予防治療薬の標的として注目されているACAT2に対して極めて高い阻害活性を有していることを見いだし、本発明を完成するに至った。
ここに、本発明は、下記一般式(I)または(II)または(III):
Figure 2010150739
Figure 2010150739
Figure 2010150739
(前記(I)式〜(III)式において、R1およびR2は、ヒドロキシル基、低級アシロキシ基、アリールカルボニルオキシ基、およびヘテロアリールカルボニルオキシ基から選ばれた基を意味し、一般式(I)および(II)においてR1とR2は互いに同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一方はヒドロキシル基ではなく、かつ一般式(II)においてR1とR2の少なくとも一方はアセトキシ基ではなく、R3はヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、アリールアミノ基、およびヘテロアリールアミノ基から選ばれた基を意味する)で示されるピリピロペンA誘導体、ならびにその薬学上許容される塩、溶媒和物および水和物である。
一般式(I)で示される化合物と一般式(II)で示される化合物は、1位又は11位のOH基の位置とR2基の位置が相互に交換されているが、その他の化学構造は共通している。また、一般式(III)で示される化合物は、一般式(I)で示される化合物において、─R2が(C=O)R3基である化合物であるといえる。
本明細書において、基または基の一部としての「低級アシロキシ基」という語は、直鎖、分岐鎖、もしくは環状の炭素数1〜7程度のアシロキシ基を意味する。
「低級アシロキシ」の例としては、アセトキシ、n-プロピオニルオキシ、i-プロピオニルオキシ、n-ブチリルオキシ、i-ブチリルオキシ、s-ブチリルオキシ、t-ブチリルオキシ、n-バレリルオキシ、ネオバレリルオキシ、i-バレリルオキシ、t-バレリルオキシ、n-カプロイルオキシ、i-カプロイルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ等が挙げられる。低級アシロキシ基は、水素原子が他の官能基で置換されているものも包含する。低級アシロキシ基に存在しうる官能基の例としては、ハロゲン、シアノ基、低級アルコキシ基などが挙げられる。
本明細書において、基または基の一部としての「アリールカルボニルオキシ基」という語は、フェニルカルボニルオキシ基(ベンゾイルオキシ基)またはナフチルカルボニルオキシ基等を意味し、芳香環上に1または2以上の置換基が存在していてもよい。そのような置換基の例としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アジド基、置換されていてもよいアミノ基、ヒドロキシル基、置換されてもよいアリール基、低級アルキルスルホニル基などが挙げられる。低級アルキル基および低級アルコキシ基は、直鎖、分岐鎖または環式の炭素数1〜7程度の基を意味する。好ましいアリールカルボニルオキシ基の例としては、p-シアノベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基等が挙げられる。
本明細書において、基または基の一部としての「ヘテロアリール」という語は、窒素、酸素、および硫黄から選択された1または2以上のヘテロ原子を有する5または6員環の芳香族複素環、もしくは多環式複素環芳香族化合物を意味する。好ましいヘテロアリールの例としては、フラン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、インドール、チアナフテン等から誘導された基が挙げられる。ヘテロアリール基は1または2以上の置換基(アリールカルボニルオキシ基について例示したものと同様でよい)で置換されていてもよい。
本明細書において、基または基の一部としての「低級アルコキシ基」という語は、直鎖、分岐鎖、もしくは環状の炭素数1〜7程度のアルコキシ基を意味する。「低級アルコキシ」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ等が挙げられる。低級アルコキシ基は水素原子が他の官能基で置換されているものも包含する。低級アルコキシ基に存在しうる官能基の例としては、ハロゲン、シアノ、アジド、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基などが挙げられる。
本明細書において、基または基の一部としての「低級アルキルアミノ基」という語は、直鎖、分岐鎖、もしくは環状の炭素数1〜7程度のアルキル基を有するアミノ基を意味し、窒素原子に結合する低級アルキル基の数は1もしくは2である。「低級アルキルアミノ基」の例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基等が挙げられる。低級アルキルアミノ基は水素原子が他の官能基で置換されているものも包含する。低級アルキルアミノ基に存在しうる官能基の例としては、ハロゲン、シアノ、アジド、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、置換されてもよいアリール基、置換されてもよいヘテロアリール基などが挙げられる。「置換された低級アルキルアミノ基」の例としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ベンジルアミノ基、2,4-ジメトキシフェニルメチル基、などが挙げられる。
本発明に係る上記一般式(I)、(II)または(III)で示される化合物として特に好ましいのは、R1がアリールカルボニルオキシ基(例えば、p-シアノベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基)、または低級アシロキシ基(例、アセチル基)であり、R2が低級アシロキシ基またはアリールカルボニルオキシ基、特にアセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、ベンゾイル基である化合物である。
本発明に係る化合物は、優れたACAT2阻害活性を有し、肥満、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、脂質代謝異常疾患、動脈硬化症、もしくは高血圧症等の治療剤もしくは予防剤として有用である。さらに、本発明の化合物及びその薬理上許容される塩、その薬理上許容されるエステル又はその薬理上許容されるその他の誘導体を有効成分として含有する薬剤組成物は、動脈硬化性疾患に対する予防剤もしくは治療薬としても有用である。
本発明に係る一般式(I)で示される化合物のうち、R1が低級アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基、R2がアセトキシ基を意味する化合物は、次に示すスキーム(以下、第1スキームともいう)によって製造することができる。
Figure 2010150739
[上記スキーム中、R1CO2Hは一般式(I)で定義した低級アルキルもしくはアリールカルボニルオキシ基に対応するカルボン酸を表す。]
上記スキーム中の式(a)の化合物は、常法(例えば、Obata等、J. Antibiot. 49巻、1133-1148頁、1996年)により合成できる。
化合物(a)から化合物(b)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(a)に対して1.2当量のジ-tert-ブチルシリルジトリフルオロメタンスルホネートもしくはジ-tert-ブチルシリルジクロリドならびに2.4当量または過剰量の有機アミン(好ましくは2,6-ルチジン)の存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中で、氷温において1時間反応させた後、通常の後処理にかけることにより(b)を得ることができる。
化合物(b)から化合物(c)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(b)に対して1当量または過剰量の対応するカルボン酸R1CO2H、ならびに1当量または過剰量の縮合剤(好ましくは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩もしくはジシクロヘキシルカルボジイミド)、ならびに0.5当量または過剰量の有機塩基(好ましくはジメチルアミノピリジン)の存在下、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等またはそれらの混合溶媒中で、室温において30分から2日間反応させた後、通常の後処理にかけることにより(c)を得ることができる。
化合物(c)から化合物(d)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(c)に対して10当量のまたは過剰量のフッ化アンモニウムの存在下、アルコール溶媒(好ましくはメタノール、エタノール)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等またはそれらの混合溶媒中で、室温において3〜5時間反応させた後、通常の後処理にかけることにより主生成物として(d)を得ることができる。
化合物(d)から化合物(e)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(d)に対して1当量または過剰量の無水酢酸、ならびに1.5当量または過剰量の有機アミン(好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)、並びに0.5当量または過剰量の有機塩基(好ましくはジメチルアミノピリジン)の存在下、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等またはそれらの混合溶媒中で、0℃もしくは室温において30分から2日間反応させた後、通常の後処理を実施することにより、(e)を得ることができる。
なお、上記スキームではR2をアセトキシ基としているが、化合物(d)から化合物(e)への変換の際に対応する酸無水物を用いることで、アセトキシ基以外のアシルオキシ基を導入することができる。
化合物(e)から化合物(f)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(e)に対して1当量のまたは過剰量のフッ素試薬(好ましくはトリエチルアミン三フッ化水素、テトラブチルアンモニウムフルオリド等)の存在下、テトラヒドロフラン、アルコール溶媒(好ましくはメタノール、エタノール)、アセトニトリル等またはそれらの混合溶媒中で、室温において1時間反応させた後、通常の後処理にかけることにより(f)を得ることができる。
本発明に係る前記一般式(II)で示される化合物のうち、R1がアリールカルボニルオキシ基、R2がアセトキシ基である化合物は、下記スキーム(以下、第2スキームともいう)によって製造することができる。
Figure 2010150739
[上記スキーム中、R1は一般式(I)に対して定義したものと同じ意味を表す。]
上記スキーム中の化合物(c)は、第1スキームにおいて説明したのと同様の手法で合成できる。
化合物(c)から化合物(g)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(c)に対して10当量のまたは過剰量のフッ化アンモニウムの存在下、アルコール溶媒(好ましくはメタノール、エタノール)、もしくはテトラヒドロフラン、アセトニトリル等及びその混合溶媒中で、室温にて3〜5時間反応させた後、通常の後処理にかけることにより、副生成物として(g)を得ることができる。
化合物(g)から化合物(h)を経た化合物(i)への変換は、第1スキームにおいて化合物(d)から化合物(e)を経た化合物(f)への変換について説明したのと同様の方法で行うことができる。
尚、上記第2スキームではR2をアセトキシ基としているが、化合物(g)から(h)への変換の際に対応する酸無水物を用いることで、アセトキシ基以外のアシルオキシ基を導入することができる。
本発明に係る前記一般式(III)で示される化合物のうち、R1がアリールカルボニルオキシ基、R3がプロピルアミノ基である化合物は、下記スキーム(以下、第3スキームともいう)によって製造することができる。
Figure 2010150739
[上記スキーム中、R1は一般式(III)に対して定義したものと同じ意味を表す。]
上記スキーム中の化合物(d)は、第1スキームについて説明したのと同様の手法で合成できる。
化合物(d)から化合物(j)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(d)に対して2当量または過剰量のJones試薬の存在下、含水アセトン溶媒(好ましくは5%含水アセトン)中で、室温において12時間反応させた後、通常の後処理を実施することにより(j)を得ることができる。
化合物(j)から化合物(k)への変換は、常法(例えば、Nagamitsu等、J. Org. Chem. 61巻、882-886頁、1996年)により合成できる。
化合物(k)から化合物(l)への変換は以下の方法で行うことができる。即ち、(k)に対して1当量または過剰量の対応するアミン、ならびに1当量または過剰量の縮合剤(好ましくは、ベンゾトリアゾール?1?イルオキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート/BOP)ならびに0.5当量または過剰量の有機塩基(好ましくはジメチルアミノピリジン)の存在下、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等またはそれらの混合溶媒中で、室温において30分から2日間反応させた後、通常の後処理にかけることにより(l)を得ることができる。
化合物(l)から化合物(m)への変換は、第1スキームにおいて化合物(e)から化合物(f)への変換について説明したのと同様の方法で行うことができる。
尚、上記スキームではR3をプロピルアミノ基としているが、化合物(k)から化合物(l)への変換の際に対応するアミンを用いることで、プロピルアミノ基以外のアルキルアミノ基またはアリールアミノ基もしくはヘテロアリールアミノ基を導入することができる。
又、化合物(k)にジアゾメタンもしくはトリメチルシリルジアゾメタンをアルコール溶媒(好ましくはメタノール)及びベンゼン混合溶媒中で反応させることで、R3にメトキシ基を有する化合物を合成することができる。その他のアルコキシ基を導入する場合は、(k)に対して1当量または過剰量の対応するアルコールを上述の条件に付すことで、R3にアルコキシ基を有する化合物を合成することができる。
化合物(k)に対し、第1スキームについて説明したのと同様の方法によりフルオロジ-tert-ブチルシリル基を除去することで、R3にヒドロキシル基を有する化合物を合成することができる。
本発明は、一般式(I)または(II)または(III)で示される化合物の塩、溶媒環物および水和物を包含する。塩の例は、無機酸(例、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)または有機酸(例、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、コハク酸など)との酸付加塩である。
本発明による化合物は、ACAT2に対し高い阻害活性を有している。従って本発明による化合物は、ヒトを含む動物の動脈硬化症の予防ならびに治療に用いることができる。
本発明はまた、上記化合物またはその医薬に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を有効成分とするACAT2阻害剤、ならびに上記化合物またはその医薬に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と医薬に許容される担体とを含むACAT2阻害用薬剤組成物も提供する。
本発明の薬剤組成物は、当業者に公知の方法で製剤化することができる。例えば、本発明の化合物を、医薬に許容される担体、例えば、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などから選ばれた1種又は2種以上と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することができる。
経口投与用には、本発明の化合物またはその塩を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容し得る担体と混合することにより、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、散剤等として処方することができる。
担体としては、当該技術分野において従来公知のものを広く使用することができ、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリンカカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等を用いることができる。さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠、あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
非経口投与用には、本発明の化合物またはその塩を当該技術分野においてよく知られる医薬に許容されるビヒクルを担体として使用して、通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水溶性ビヒクルとしては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬(例えば、D−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムなどの水溶性塩)を含む等張液が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80TM、HCO−50と併用してもよい。油性ビヒクルとしてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤を配合してもよい。調製された注射液は、通常は適当なアンプルに充填される。
本発明の薬剤組成物の適当な投与経路には、限定されないが、経口、直腸内、径粘膜、または腸内投与、または筋肉内、皮下、骨髄内、鞘内、直接心室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、もしくは眼内注射が含まれる。投与経路は、患者の年齢や病状、併用する他の薬剤等を考慮して適宜選択することができる。
本発明の薬剤組成物の投与量としては1回投与あたり0.001〜10mg/kg体重の範囲で、あるいは1回投与あたり0.1〜100mgの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与は1日に1回または複数回、あるいは数日に1回の割合で実施しうる。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状、併用する他の薬剤などを考慮して担当の医師が適宜選択することができる。
以下に合成例と実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
7-O-p-シアノベンゾイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD118) の合成
a) 1,11-O-(ジ-tert-ブチルシリレン)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (b) の合成
Figure 2010150739
アルゴン雰囲気下、Obata等(J. Antibiot. 49巻、1149-1156頁、1996年)の方法にしたがって得られた1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (a) (PRD165とも表記、168 mg, 0.367 mmol) の乾燥DMF (4 mL) 溶液に2,6-ルチジン (103μL, 0.88 mmol)、tBu2Si(OTf)2 (161μL, 0.44 mmol) を加え、0℃で0.5時間撹拌した。MeOHを加え、反応を停止した。反応液にEtOAcを加え、有機層を1N HCl、水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3×10, MeOH in CH2Cl20-3%)にて精製し、白色泡状物質 (b) (220 mg, 定量的) を得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 8.99 (d, 1H, H-2", J = 2.4 Hz), 8.68 (dd, 1H, H-6", J = 1.5, 4.8 Hz), 8.13-8.09 (m, 1H, H-4"), 7.44-7.40 (m, 1H, H-5"), 6.50 (s, 1H, H-5'), 5.31 (t, 1H, H-13, J = 3.0 Hz), 3.93-3.73 (m, 4H, H-1, 7,11), 3.26 (br s, 1H, OH-13), 2.85 (br s, 1H, OH-7), 2.18-1.26 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.66 (s, 3H, Me), 1.40 (s, 3H, Me), 1.14 (s, 3H, Me), 1.09 (s, 9H, tBu), 1.05 (s, 9H, tBu);
ESI-LRMS m/z 620 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C33H47NNaO7Si 620.3020 (M+Na), found 620.2968 (M+Na)。
b) 7-O-p-シアノベンゾイル-1,11-O-(ジ-tert-ブチルシリレン)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (PRD059) の合成
Figure 2010150739
アルゴン雰囲気下、(b) (50 mg, 83.7μmol) の CH2Cl2(1.0 mL) 溶液にEDCI (48.0 mg, 251μmol)、p-シアノ安息香酸 (16.0 mg, 109μmol)、DMAP (10.2 mg, 83.7μmol) を加え、室温で4時間撹拌した。反応液にMeOHを加え、反応を停止した。EtOAcを加え、希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1.5×7, MeOH in CH2Cl20.5-1%)にて精製し、白色固体 PRD059 (69.0 mg, 定量的) を得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 8.9 (dd, 1H, H-2", J = 0.6, 1.5 Hz), 8.67 (dd, 1H, H-6", J = 1.8, 4.8 Hz), 8.22 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 8.09-8.05 (m, 1H, H-4"), 7.81 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 7.41-7.29 (m, 1H, H-5"), 6.40 (s, 1H, H-5'), 5.28-5.25 (m, 1H, H-7), 5.03 (d, 1H, H-13, J = 4.2 Hz), 3.95 (dd, 1H, H-1, J = 4.5, 11.4 Hz), 3.82 (d, 2H, H-11, J = 11.4 Hz), 3.23 (br s, 1H, OH-13), 2.23-1.37 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.85 (s, 3H, Me), 1.48 (s, 3H, Me), 1.15 (s, 3H, Me), 1.10 (s, 9H, tBu), 1.04 (s, 9H, tBu);
FAB-LRMS m/z 727 (MH); FAB-HRMS (m-NBA) calcd. for C41H51N2O8Si727.3415 (MH), found 727.3428 (MH)。
c) 7-O-p-シアノベンゾイル-1-(フルオロジ-tert-ブチルシリルオキシ)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (n) および 7-O-p-シアノベンゾイル-11-(フルオロジ-tert-ブチルシリルオキシ)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (o) の合成
Figure 2010150739
PRD059 (320 mg, 441μmol) の MeOH (5.0 mL) 溶液に、NH4F (163 mg, 4.41 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液にEtOAcを加え希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3×10, MeOH in CH2Cl20.5-1.5%)にて精製し、白色泡状物質 (n) (265 mg, 81%) 及び白色泡状物質 (o) (18.0 mg, 5%)を得た。
(n)のデータ (11-OH)
[α]24 D +101.07 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3456, 2942, 2890, 2862, 2235, 1716, 1643, 1579, 1475, 1274, 1112 cm-1;
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 8.97 (d, 1H, H-2", J = 2.4 Hz), 8.65 (dd, 1H, H-6", J = 1.8, 5.1 Hz), 8.21 (d, 2H, H-Ar, J = 8.7 Hz), 8.09-8.04 (m, 1H, H-4"), 7.78 (d, 2H, H-Ar, J = 8.7 Hz), 7.39-7.35 (m, 1H, H-5"), 6.45 (s, 1H, H-5'), 5.36 (dd, 1H, H-7, J = 4.8, 10.8 Hz), 5.03 (d, 1H, H-13, J = 3.0 Hz), 4.17 (dd, 1H, H-1, J = 7.8, 8.4 Hz), 3.60 (dd, 1H, H-11a, J = 3.6, 10.5 Hz), 3.31 (dd, 1H, H-11b, J = 3.6, 10.5 Hz), 3.03 (br s, 1H, OH-13), 2.17-1.09 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.85 (s, 3H, Me), 1.47 (s, 3H, Me), 1.07-1.05 (m, 18H, tBu x 2), 0.74 (s, 3H, Me);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 164.05, 163.90, 162.11, 157.22, 151.42, 146.76, 134.00, 132.93, 132.28, 130.16, 127.11, 123.60, 117.82, 116.62, 103.12, 99.31, 83.46, 83.26, 79.91, 73.73, 63.91, 60.08, 54.70, 44.02, 43.28, 40.64, 37.75, 36.34, 29.01, 27.70, 27.17, 27.06, 26.29, 25.45, 20.66, 20.50, 20.28, 20.13, 17.51, 16.68, 12.72 ;
ESI-LRMS m/z 769 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C41H51FN2NaO11Si769.3296 (M+Na), found 769.3261 (M+Na)。
(o)のデータ (1-OH)
[α]24 D +85.04 (c 1.0, CHCl3);
IR (KBr) 3451, 2938, 2888, 2861, 2233, 1725, 1643, 1577, 1473, 1273, 1101 cm-1;
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.96 (dd, 1H, H-2", J = 0.4, 1.2 Hz), 8.66 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.8 Hz), 8.22 (d, 2H, H-Ar, J = 8.8 Hz), 8.08-8.05 (m, 1H, H-4"), 7.80 (d, 2H, H-Ar, J = 8.8 Hz), 7.40-7.36 (m, 1H, H-5"), 6.40 (s, 1H, H-5'), 5.31 (dd, 1H, H-7, J = 5.2, 12.0 Hz), 5.04 (br s, 1H, H-13), 3.90 (d, 1H, H-11a, J = 10.4 Hz), 3.78 (dd, 1H, H-1, J = 7.6, 8.8 Hz), 3.56 (d, 1H, H-11b, J = 10.4 Hz), 3.21 (br s, 1H, OH-13), 2.34 (br s, 1H, OH-1), 2.21-1.26 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.85 (s, 3H, Me), 1.48 (s, 3H, Me), 1.09-1.08 (m, 18H, tBu x 2), 0.81 (s, 3H, Me);
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 164.05, 163.90, 162.11, 157.22, 151.42, 146.76, 134.00, 132.93, 132.28, 130.16, 127.11, 123.60, 117.82, 116.62, 103.12, 99.31, 83.46, 83.26, 79.91, 73.73, 63.91, 60.08, 54.70, 44.02, 43.28, 40.64, 37.75, 36.34, 29.01, 27.70, 27.17, 27.06, 26.29, 25.45, 20.66, 20.50, 20.28, 20.13, 17.51, 16.68, 12.72 ;
ESI-LRMS m/z 769 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C41H51FN2NaO11Si 769.3296 (M+Na), found 769.3265 (M+Na)。
d) 7-O-p-シアノベンゾイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD118) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(n) (320 mg, 429μmol) の CH2Cl2 (4.3 mL) 溶液にAc2O (101μL, 1.07 mmol)、Et3N (149μL, 1.07 mmol)、DMAP (10.5 mg, 85.8μmol)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液にMeOHを加え反応を停止させ、更にEtOAcを加え希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHF (5.0 mL) に溶解し、Et3N・3HF (140μL, 0.858 mmol) を加え室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1.5×10+1.5, MeOH in CH2Cl24%)にて精製し、白色泡状物質PRD118 (275 mg, 2段階, 定量的) を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.96 (d, 1H, H-2", J = 2.0 Hz), 8.66 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.4 Hz), 8.23 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 8.08-8.05 (m, 1H, H-4"), 7.82 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 7.41-7.38 (m, 1H, H-5"), 6.42 (s, 1H, H-5'), 5.31-5.28 (m, 1H, H-7), 5.05 (d, 1H, H-13, J = 1.6 Hz), 4.23 (d, 1H, H-11a, J = 12.0 Hz), 3.75 (d, 1H, H-11b, J = 12.0 Hz), 3.53 (dd, 1H, H-1, J = 6.0, 10.4 Hz), 2.82 (br s, 1H, OH-13), 2.36 (br s, 1H, OH-1), 2.21-1.17 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.15 (s, 3H, Ac), 1.88 (s, 3H, Me), 1.49 (s, 3H, Me), 0.85 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 651 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C35H36N2NaO9 651.2319 (M+Na), found 651.2231 (M+Na)。
(実施例2)
11-イソブチリル-7-O-p-シアノベンゾイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD171) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(n) (50.0 mg, 75.8μmol) の CH2Cl2(0.75 mL) 溶液に無水イソ酪酸 (19.0μL, 0.114 mmol)、Et3N (16.8μL, 0.121 mmol)、触媒量のDMAPを加え、0℃下1時間撹拌した。反応液にMeOHを加えて反応を停止させ、更にEtOAcを加えて希釈し、飽和NaHCO3水溶液ならびに水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (18.6μL, 0.114 mmol) を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (20 g, MeOH in CH2Cl2 2%) で精製を行うことにより、白色泡状物質 PRD171 (36.5 mg, 2 steps, 85%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ 8.95 (d, 1H, H-2", J = 1.7 Hz), 8.66 (dd, 1H, H-6", J = 1.5, 4.8 Hz), 8.21 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 8.07-8.03 (m, 1H, H-4"), 7.80 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 7.37 (dd, 1H, H-5", J = 5.0, 7.9 Hz), 6.39 (s, 1H, H-5’), 5.26-5.22 (m, 1H, H-7), 5.04 (br s, 1H, H-13), 4.26 (d, 1H, H-11a, J = 11.9 Hz), 3.69 (d, 1H, H-11b, J = 11.9 Hz), 3.46 (dd, 1H, H-1, J = 6.9, 9.2 Hz), 3.00 (br s, 1H, OH-13), 2.69-2.59 (m, 1H, CH(CH3)2), 2.23-1.05 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.84 (s, 3H, Me), 1.47 (s, 3H, Me), 1.25-1.22 (m, 6H, CH(CH 3 ) 2 ), 0.84 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 657 (MH); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C37H41N2O9 657.2812 (MH), found 657.2803 (MH)。
(実施例3)
7-O-p-シアノベンゾイル-1,7-ジデアセチル-11-ヘキサノイルピリピロペンA (PRD173) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(n) (30 mg, 40.2μmol) の CH2Cl2(0.5 mL) 溶液にヘキサン酸 (7.54μL, 0.0603 mmol)、EDCI (15.4 mg, 0.0804 mmol)、触媒量のDMAPを加え、0℃下1時間撹拌した。反応液にMeOHを加えて反応を停止させ、更にEtOAcを加えて希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (9.83μL, 0.0603 mmol) を加え、室温下1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (CH2Cl2 : MeOH = 15 : 1 ) で精製を行うことにより、白色泡状物質 PRD173 (12.7 mg, 2 steps, 46%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ 8.95 (d, 1H, H-2", J = 2.0 Hz), 8.66 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.9 Hz), 8.21 (d, 2H, H-Ar, J = 8.2 Hz), 8.08-8.04 (m, 1H, H-4"), 7.80 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 7.38 (dd, 1H, H-5", J = 4.8, 8.1 Hz), 6.39 (s, 1H, H-5’), 5.31-5.25 (m, 1H, H-7), 5.03 (d, 1H, H-13, J = 3.6 Hz), 4.29 (d, 1H, H-11a, J = 11.9 Hz), 3.68 (d, 1H, H-11b, J = 11.9 Hz), 3.46 (dd, 1H, H-1, J = 6.6, 9.6 Hz), 3.01 (br s, 1H, OH-13), 2.42-2.36 (m, 2H, COCH 2 (CH2)3CH3), 2.23-0.86 (m, 17H, H-2, 3, 5, 8, 9, COCH2 (CH 2 ) 3 CH 3 ), 1.84 (s, 3H, Me), 1.47 (s, 3H, Me), 0.85 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 685 (MH); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C39H45N2O9 685.3125 (MH), found 685.3087 (MH)。
(実施例4)
7-O-p-シアノベンゾイル-1,7-ジデアセチル-11-ベンゾイルピリピロペンA (PRD172) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下, (n) (50 mg, 45.5μmol) の CH2Cl2(0.75 mL) 溶液に安息香酸 (13.9μL, 0.0683 mmol)、EDCI (29.0 mg, 0.0910 mmol)、触媒量のDMAPを加え、0℃下3時間撹拌した。反応液にMeOHを加えて反応を停止させ、更にEtOAcを加えて希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (11.1μL, 0.0683 mmol) を加え、室温下1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2.0 g, MeOH in CH2Cl2 3%) で精製を行うことにより、白色泡状物質 PRD172 (26.9 mg, 2 steps, 98%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ 8.94 (d, 1H, H-2", J = 1.7 Hz), 8.65 (dd, 1H, H-6", J = 1.7, 4.9 Hz), 8.22 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 8.11-8.02 (m, 3H, H-4", Ar), 7.80 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 7.61-7.45 (m, 3H, H-Ar), 7.36 (ddd, 1H, H-5", 0.66, 5.6, 7.9 Hz), 6.38 (s, 1H, H-5’), 5.33-5.27 (m, 1H, H-7), 5.01 (br s, 1H, H-13), 4.66 (d, 1H, H-11a, J = 12.2 Hz), 3.88 (d, 1H, H-11b, J = 11.9 Hz), 3.53-3.49 (m, 1H, H-1), 3.02 (br s, 1H, OH-13), 2.66 (br s, 1H, OH-1), 2.24-0.86 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.86 (s, 3H, Me), 1.49 (s, 3H, Me), 0.91 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 691 (MH); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C40H39N2O9 691.2656 (MH), found 691.2622 (MH)。
(実施例5)
7-O-p-シアノベンゾイル-7,11-ジデアセチルピリピロペンA (PRD136)の合成
Figure 2010150739
実施例1-dと同様にして、(o) (20 mg, 28.1μmol)より、白色泡状物質 PRD136 (14.1 mg, 2段階, 80%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.96 (d, 1H, H-2", J = 2.0 Hz), 8.63 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.8 Hz), 8.20 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 8.07-8.04 (m, 1H, H-4"), 7.79 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 7.39-7.36 (m, 1H, H-5"), 6.41 (s, 1H, H-5'), 5.40 (dd, 1H, H-7, J = 5.2, 11.6 Hz), 4.95 (dd, 1H, H-1, J = 4.4, 11.6 Hz), 5.02 (d, 1H, H-13, J = 2.8 Hz), 3.29 (d, 1H, H-11a, J = 12.0 Hz), 3.02-3.00 (m, 2H, H-11b, OH-13), 2.73 (br s, 1H, OH-1), 2.24-1.17 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.10 (s, 3H, Ac), 1.85 (s, 3H, Me), 1.48 (s, 3H, Me), 0.81 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 651 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C35H36N2NaO9 651.2319 (M+Na), found 651.2331 (M+Na)。
(実施例6)
1-デアセチルピリピロペンA (PRD147) の合成
a) 1,11-O-(ジ-tert-ブチルシリレン)-1,11-ジデアセチルピリピロペンA (p) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(b) (350 mg, 586μmol) の CH2Cl2 (6.0 mL) 溶液に、Ac2O (61μL, 0.654 mmol)、Et3N (179μL, 1.29 mmol)、DMAP (7.2 mg, 58.6μmol)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液にMeOHを加え、反応を停止させ、更にEtOAcを加え希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (2×10, MeOH in CH2Cl20-1.5%)にて精製し、白色泡状物質(p) (361 mg, 96%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.01 (d, 1H, H-2", J = 2.4 Hz), 8.68 (dd, 1H, H-6", J = 1.2, 4.8 Hz), 8.11-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.40 (dd, 1H, H-5", J = 5.2, 8.4 Hz), 6.44 (s, 1H, H-5'), 5.00-4.97 (m, 2H, H-7, 13), 3.90 (dd, 1H, H-1, J = 4.0, 11.2 Hz), 3.81 (d, 1H, H-11a, J = 10.4 Hz), 3.70 (d, 1H, H-11b, J = 10.4 Hz), 2.92 (br s, 1H, OH-13), 2.18-1.32 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.17 (s, 3H, Ac), 1.68 (s, 3H, Me), 1.41 (s, 3H, Me), 1.12 (s, 3H, Me), 1.09 (s, 9H, tBu), 1.04 (s, 9H, tBu);
ESI-LRMS m/z 662 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C35H49NNaO8Si 662.3125 (M+Na), found 662.3136 (M+Na)。
b) 1-(フルオロジ-tert-ブチルシリルオキシ)-1,11-ジデアセチルピリピロペンA (q), 11-(フルオロジ-tert-ブチルシリルオキシ)-1,11-ジデアセチルピリピロペンA (r), および 1,11-ジデアセチルピリピロペンA (PRD146) の合成
Figure 2010150739
実施例1-cと同様にして、(p) (350 mg, 547μmol)より、白色泡状物質(q) (271 mg, 78%)、白色泡状物質(r) (16.9 mg, 4.7%)、白色泡状物質PRD146 (14.2 mg, 5.2%)を得た。
(q)のデータ (11-OH)
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 9.02 (br s, 1H, H-2"), 8.67 (br d, 1H, H-6", J = 4.5 Hz), 8.12-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.40 (dd, 1H, H-5", J = 4.8, 7.8 Hz), 6.49 (s, 1H, H-5'), 5.07 (dd, 1H, H-7, J = 4.8, 7.5 Hz), 4.99 (d, 1H, H-13, J = 2.7 Hz), 4.16 (t, 1H, H-1, J = 7.8 Hz), 3.56 (d, 1H, H-11a, J = 10.8 Hz), 3.31 (d, 1H, H-11b, J = 10.8 Hz), 3.18 (br s, 1H, OH-13), 2.53 (br s, 1H, OH-13), 2.12-1.12 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.17 (s, 3H, Ac), 1.71 (s, 3H, Me), 1.42 (s, 3H, Me), 1.05-1.03 (m, 18H, tBu x 2), 0.71 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 682 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C35H50FNNaO8Si 682.3187 (M+Na), found 682.3192 (M+Na)。
(r)のデータ (1-OH)
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 9.02 (br s, 1H, H-2"), 8.68 (br s, 1H, H-6"), 8.12-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.40 (dd, 1H, H-5", J = 5.1, 8.1 Hz), 6.47 (s, 1H, H-5'), 5.06-5.00 (m, 2H, H-7, 13), 3.88 (d, 1H, H-11a, J = 10.2 Hz), 3.74 (t, 1H, H-1, J = 7.5 Hz), 3.55 (d, 1H, H-11b, J = 10.2 Hz), 2.98 (br s, 1H, OH-13), 2.14-1.25 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.16 (s, 3H, Ac), 1.70 (s, 3H, Me), 1.41 (s, 3H, Me), 1.07-1.06 (m, 18H, tBu x 2), 0.80 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 682 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C35H50FNNaO8Si 682.3187 (M+Na), found 682.3207 (M+Na)。
PRD146のデータ
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.01 (br s, 1H, H-2"), 8.68 (br d, 1H, H-6", J = 2.0 Hz), 8.12-8.09 (m, 1H, H-4"), 7.42-7.39 (m, 1H, H-5"), 6.45 (s, 1H, H-5'), 5.03-4.99 (m, 2H, H-7, 13), 3.73-3.40 (m, 2H, H-1, 11a), 3.41 (d, 1H, H-11b, J = 10.8 Hz), 2.85 (br s, 1H, OH-13), 2.19-1.13 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.17 (s, 3H, Ac), 1.42 (s, 3H, Me), 1.25 (s, 3H, Me), 0.89 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 522 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C27H33NNaO8 522.2104 (M+Na), found 522.2071 (M+Na)。
c) 1-デアセチルピリピロペンA (PRD147) の合成
Figure 2010150739
実施例1-dと同様にして、(q) (28 mg, 42.5μmol)より、白色泡状物質PRD147 (20.8 mg, 2段階, 90%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz)δ 9.02 (dd, 1H, H-2"), 8.68 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.8 Hz), 8.11-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.42-7.39 (m, 1H, H-5"), 6.45 (s, 1H, H-5'), 5.06-5.00 (m, 2H, H-7, 13), 4.24 (d, 1H, H-11a, J = 11.6 Hz), 3.70 (d, 1H, H-11b, J = 11.6 Hz), 3.46 (dd, 1H, H-1, J = 6.0, 10.0 Hz), 3.01 (br s, 1H, OH-13), 2.33 (br s, 1H, OH-1), 2.16-1.25 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.17 (s, 3H, Ac), 2.11 (s, 3H, Ac), 1.70 (s, 3H, Me), 1.42 (s, 3H, Me), 0.82 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 564 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C29H35NNaO9 564.2210 (M+Na), found 564.2160 (M+Na)。
(実施例7)
1,11-ジデアセチル-11-イソブチリルピリピロペンA (PRD174) の合成
Figure 2010150739
実施例1-dと同様にして、(q) (50 mg, 75.8μmol)より、白色泡状物質 PRD174 (36.5 mg, 2 steps, 85%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ 8.99 (s, 1H, H-2"), 8.67 (d, 1H, H-6", J = 3.3 Hz), 8.08 (d, 1H, H-4", J = 7.9 Hz), 7.39 (dd, 1H, H-5", J = 4.9, 7.9 Hz), 6.44 (s, 1H, H-5’), 5.00 (br s, 2H, H-7, 13), 4.24 (d, 1H, H-11a, J = 11.9 Hz), 3.67 (d, 1H, H-11b, J = 11.9 Hz), 3.43 (dd, 1H, H-1, J = 6.6, 8.2 Hz), 3.00 (br s, 1H, OH-13), 2.65-2.54 (m, 1H, CHMe2), 2.31-0.73 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.15 (s, 3H, Ac), 1.69 (s, 3H, Me), 1.41 (s, 3H, Me), 1,21-1.18 (m, 6H, CHMe 2 ), 0.81 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 592 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C31H39NNaO9 592.2523 (M+Na), found 592.2568 (M+Na)。
(実施例8)
11-ベンゾイル-1,11-ジデアセチル-ピリピロペンA (PRD175) の合成
Figure 2010150739
実施例1-dと同様にして、(q) (50 mg, 75.8μmol)より、白色泡状物質 PRD175 (26.9 mg, 2 steps, 59%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ 8.98 (br s, 1H, H-2"), 8.66 (br s, 1H, H-6"), 8.09-8.03 (m, 3H, H-4", Ar x 2), 7.58-7.36 (m, 4H, H-5", Ar x 3), 6.44 (s, 1H, H-5’), 5.07-4.96 (m, 2H, H-7, 13), 4.64 (d, 1H, H-11a, J = 11.9 Hz), 3.85 (d, 1H, H-11b, J = 11.9 Hz), 3.48-3.44 (br s, 1H, H-1), 3.02 (br s, 1H, OH-13), 2.70 (br s, 1H, OH-1), 2.09-1.24 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.17 (s, 3H, Ac), 1.70 (s, 3H, Me), 1.43 (s, 3H, Me), 0.89 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 626 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C34H37NNaO9 626.2366 (M+Na), found 626.2342 (M+Na)。
(参考例1)
11-デアセチルピリピロペンA (PRD149)の合成
Figure 2010150739
実施例1-dと同様にして、(r) (16.3 mg, 24.7μmol)より、白色泡状物質PRD149 (11.3 mg, 2段階, 84%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.01 (dd, 1H, H-2", J = 0.8, 2.4 Hz), 8.69-8.68 (m, 1H, H-6"), 8.11-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.42-7.38 (m, 1H, H-5"), 6.46 (s, 1H, H-5'), 5.12 (dd, 1H, H-7, J = 5.2, 11.6 Hz), 4.98 (d, 1H, H-13, J = 2.0 Hz), 4.93 (dd, 1H, H-1, J = 4.4, 12.0 Hz), 3.29 (d, 1H, H-11a, J = 12.8 Hz), 2.98 (d, 1H, H-11b, J = 12.8 Hz), 2.93 (br s, 1H, OH-13), 2.61 (br s, 1H, OH-11), 2.19-1.12 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.16 (s, 3H, Ac), 2.09 (s, 3H, Ac), 1.69 (s, 3H, Me), 1.43 (s, 3H, Me), 0.93 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 564 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C29H35NNaO9 564.2210 (M+Na), found 564.2160 (M+Na)。
(実施例9)
1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD150)の合成
a) 7-O-アリルオキシカルボニル-1,11-O-(ジ-tert-ブチルシリレン)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (s) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気、0℃下、(b) (400 mg, 670μmol) の CH2Cl2 (7.0 mL) 溶液にTMEDA (588μL, 4.02 mmol)、クロロギ酸アリル (213μL, 2.01 mmol)、DMAP (10.5 mg, 85.8μmol)を加え、0℃で1時間撹拌した。反応液にMeOHを加えて反応を停止させ、更にEtOAcを加えて希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (3×10, MeOH in CH2Cl20-0.5%)にて精製し、白色泡状物質(s) (290 mg, 67%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.00 (dd, 1H, H-2", J = 0.8, 2.4 Hz), 8.68 (dd, 1H, H-6", J = 1.2, 4.8 Hz), 8.11-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.42-7.38 (m, 1H, H-5"), 6.47 (s, 1H, H-5'), 6.03-5.95 (m, 1H, OCH2 CHCH2), 5.42 (dd, 1H, 1/2 OCH2CHCH 2 (trans), J = 1.2, 16.0 Hz), 5.33 (dd, 1H, 1/2 OCH2CHCH 2 (cis), J = 1.2, 9.2 Hz), 4.99 (br s, 1H, H-13), 4.83 (t, 1H, H-7, J = 8.8 Hz), 4.72-4.69 (m, 2H, OCH 2 CHCH2), 3.91 (dd, 1H, H-1, J = 4.0, 8.4 Hz), 3.83 (d, 1H, H-11a, J = 10.4 Hz), 3.77 (d, 1H, H-11b, J = 10.4 Hz), 3.21 (br s, 1H, OH-13), 2.18-1.11 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.71 (s, 3H, Me), 1.42 (s, 3H, Me), 1.13 (s, 3H, Me), 1.13-1.05 (m, 18H, tBu×2);
ESI-LRMS m/z 704 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C37H51NNaO9Si 704.3231 (M+Na), found 704.3239 (M+Na)。
b) 7-O-アリルオキシカルボニル-1-(フルオロジ-tert-ブチルシリルオキシ)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (t), および 7-O-アリルオキシカルボニル-11-(フルオロジ-tert-ブチルシリルオキシ)-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA (u) の合成
Figure 2010150739
実施例1-cと同様にして、(s) (277 mg, 407μmol)より、白色泡状物質(t) (254 mg, 89%)、白色泡状物質(u) (13.0 mg, 4.6 %)を得た。
(t)のデータ (11-OH)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz)δ 9.03 (dd, 1H, H-2", J = 0.8, 1.5 Hz), 8.66 (d, 1H, H-6", J = 4.4 Hz), 8.14-8.11 (m, 1H, H-4"), 7.42-7.39 (m, 1H, H-5"), 6.62 (s, 1H, H-5'), 6.04-5.96 (m, 1H, OCH2 CHCH2), 5.41 (dd, 1H, 1/2 OCH2CHCH 2 (trans), J = 1.2, 16.0 Hz), 5.31 (dd, 1H, 1/2 OCH2CHCH 2 (cis), J = 1.2, 10.4 Hz), 5.00-4.98 (m, 1H, H-13), 4.95-4.92 (m, 1H, H-7), 4.72-4.70 (m, 2H, OCH 2 CHCH2), 4.16 (t, 1H, H-1, J = 8.0 Hz), 3.59 (d, 1H, H-11a, J = 10.8 Hz), 3.33 (d, 1H, H-11b, J = 10.8 Hz), 3.00 (br s, 1H, OH-13), 2.46 (br s, 1H, OH-11), 2.12-1.25 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.72 (s, 3H, Me), 1.41 (s, 3H, Me), 1.06-1.04 (m, 18H, tBu×2), 0.73 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 724 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C37H52FNNaO9Si 724.3293 (M+Na), found 724.3351 (M+Na)。
(u)のデータ (1-OH)
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.00 (dd, 1H, H-2", J = 0.8, 2.0 Hz), 8.68 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.8 Hz), 8.11-8.08 (m, 1H, H-4"), 7.42-7.39 (m, 1H, H-5"), 6.47 (s, 1H, H-5'), 6.03-5.95 (m, 1H, OCH2 CHCH2), 5.42 (dd, 1H, 1/2 OCH2CHCH 2 (trans), J = 1.2, 16.0 Hz), 5.31 (dd, 1H, 1/2 OCH2CHCH 2 (cis), J = 1.2, 10.4 Hz), 5.01-4.99 (m, 1H, H-13), 4.88 (dd, 1H, H-7, J = 5.6, 12.0 Hz), 4.72-4.68 (m, 2H, OCH 2 CHCH2), 3.89 (d, 1H, H-11a, J = 10.4 Hz), 3.74 (t, 1H, H-1, J = 8.0 Hz), 3.56 (d, 1H, H-11b, J = 10.4 Hz), 2.91 (br s, 1H, OH-13), 2.17-1.23 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.71 (s, 3H, Me), 1.41 (s, 3H, Me), 1.08-1.07 (m, 18H, tBu×2), 0.80 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 724 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C37H52FNNaO9Si 724.3293 (M+Na), found 724.3367 (M+Na)。
c) 1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD150) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(t) (30.0 mg, 42.8μmol) の CH2Cl2 (0.5 mL) 溶液に、Ac2O (4.8μL, 51.3μmol)、Et3N (8.9μL, 64.2μmol)、触媒量のDMAPを加え、0℃で2時間撹拌した。反応液にMeOHを加え反応を停止させ、更にEtOAcを加え希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、HCOONH4 (13.6 mg, 214μmol)、Pd(PPh3)4(5.0 mg, 4.28μmol)を加え、アルゴン置換の後に室温で1時間撹拌した。反応液にEtOAcを加え希釈し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (1×5, MeOH in CH2Cl20-4%)にて粗精製し、生成物が含まれる画分を濃縮した。得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (7.0μL, 42.8μmol) を加え、室温で15分撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (MeOH in CH2Cl2 9%×2 )にて精製し、白色泡状物質PRD150 (15.5 mg, 3段階, 73%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.02 (dd, 1H, H-2", J = 0.4, 1.5 Hz), 8.69 (dd, 1H, H-6", J = 1.2, 5.2 Hz), 8.12-8.09 (m, 1H, H-4"), 7.44-7.40 (m, 1H, H-5"), 6.52 (s, 1H, H-5'), 4.99 (d, 1H, H-13, J = 2.0 Hz), 4.25 (d, 1H, H-11a, J = 11.6 Hz), 3.84-3.76 (m, 2H, H-7, 11b), 3.44 (dd, 1H, H-1, J = 5.2, 10.8 Hz), 3.02 (br s, 1H, OH-13), 2.51 (br s, 1H, OH-7), 2.33 (br s, 1H, OH-1), 2.18-1.23 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.09 (s, 3H, Ac), 1.67 (s, 3H, Me), 1.40 (s, 3H, Me), 0.84 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 522 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C27H33NNaO8 522.2104 (M+Na), found 522.2056 (M+Na)。
(実施例10)
11,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD151)の合成
Figure 2010150739
実施例4-cと同様にして、(u) (11.3 mg, 16.1μmol)より、白色固体 PRD151 (4.6 mg, 3段階, 57%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.01 (dd, 1H, H-2", J = 0.8, 2.4 Hz), 8.68 (dd, 1H, H-6", 1.2, 4.8 Hz), 8.12-8.09 (m, 1H, H-4"), 7.43-7.40 (m, 1H, H-5"), 6.54 (s, 1H, H-5'), 4.98-4.97 (m, 1H, H-13), 4.90 (dd, 1H, H-1, J = 4.8, 12.0 Hz), 3.91 (dd, 1H, H-7, J = 4.8, 7.2 Hz), 3.35 (d, 1H, H-11a, J = 12.0 Hz), 2.96 (d, 1H, H-11b, J = 12.0 Hz), 2.89 (br s, 1H, OH-13), 2.81 (br s, 1H, OH-7), 2.41 (br s, 1H, OH-1), 2.20-1.25 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 2.11 (s, 3H, Ac), 1.65 (s, 3H, Me), 1.41 (s, 3H, Me), 0.74 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 522 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C27H33NNaO8 522.2104 (M+Na), found 522.2075 (M+Na)。
(実施例11)
7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-10-プロピルカルバモイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD189) の合成
a) 10-カルボキシル-7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-1-O-ジターシャリーブチルフルオロシリルオキシ-13-ケト-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (v)の合成
Figure 2010150739
(n) (354 mg, 0.474 mmol) の95%アセトン水溶液 (140 mL) 溶液に、Jones試薬 (2.66 mL, 2.8 M) を加え、室温下13.5時間撹拌した。イソプロパノールを加えて反応を停止させた後、溶液をセライトとフロリジールでろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣にEtOAcを加え希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル30 g, MeOH in CH2Cl20.8-2.0%) で精製を行うことにより、白色泡状物質 (v) (287 mg, 80%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ 9.04 (d, 1H, H-2", J = 2.0 Hz), 8.65 (dd, 1H, H-6", J = 1.3, 4.9 Hz), 8.31 (d, 1H, H-4", J = 8.2 Hz), 7.84 (d, 2H, H-Ar, J = 8.2 Hz), 7.57 (d, 2H, H-Ar, J = 8.3 Hz), 7.51 (dd, 1H, H-5", J = 4.9, 8.2 Hz), 7.26 (s, 1H, H-5’), 5.44 (dd, 1H, H-7, J = 5.2, 10.8 Hz), 4.51-4.45 (m, 1H, H-1), 2.82-0.77 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.74 (s, 3H, Me), 1.29 (s, 3H, Me), 1.18 (s, 3H, Me), 1.01(s, 9H, t-Bu), 1.00 (s, 9H, t-Bu);
ESI-LRMS m/z 759 (MH); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C41H48FN2O9Si 759.3113 (MH), found 759.3066 (MH)。
b) 10-カルボキシル-7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-1-O-ジターシャリーブチルフルオロシリルオキシ-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (x) の合成
Figure 2010150739
(v) (274 mg, 0.362 mmol) のMeOH (6.0 mL) 溶液を−78℃下、CeCl3・7H2O (674 mg, 1.81 mmol) を加え、よく撹拌した。その後NaBH4 (68.5 mg, 1.81 mmol) を少量ずつ加え、発泡が収まるまで撹拌した。反応液にアセトンを加え反応を停止し、更にEtOAcを加え希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル12 g, MeOH in CH2Cl20.75-1.5%) で精製を行うことにより、淡黄色泡状物質 (x) (232 mg, 84%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 9.09 (br s, 1H, H-2"), 8.70 (d, 1H, H-6", J = 2.4 Hz), 8.45 (d, 1H, H-4", J = 6.9 Hz), 7.89 (d, 2H, H-Ar, J = 7.9 Hz), 7.69-7.27 (m, 3H, H-5", Ar), 7.23 (s, 1H, H-5’), 5.44 (dd, 1H, H-7, J = 5.3, 11.4 Hz), 5.08 (d, 1H, H-13, J = 3.4 Hz), 4.49 (dd, 1H, H-1, J = 4.7, 11.2 Hz), 2.03-0.85 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.89 (s, 3H, Me), 1.48 (s, 3H, Me), 1.21 (s, 3H, Me), 1.01(s, 9H, t-Bu), 1.00 (s, 9H, t-Bu);
ESI-LRMS m/z 761 (MH); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C41H50FN2O9Si 761.3270 (MH), found 761.3231 (MH)。
c) 7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-10-プロピルカルバモイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD189) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(x) (20.5 mg, 0.0270 mmol) のTHF (0.5 mL) 溶液に触媒量のDMAP、BOP (25.9 mg, 0.0810 mmol)、ならびにn-プロピルアミン (6.7μL, 0.0810 mmol) を加え、室温下40時間撹拌した。反応液にEtOAcを入れて希釈し、0.2 N HCl ならびに水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル3 g, MeOH in CH2Cl24%) にて粗精製し、生成物が含まれる画分を濃縮した。
こうして得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (2.5μL, 0.101 mmol) を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (CH2Cl2 : MeOH = 15 : 1× 2, 10 : 1 ) で精製を行うことにより、淡黄色固体 PRD189 (3.7 mg, 2 steps, 21%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 9.22 (d, 1H, H-2", J = 1.6 Hz), 8.82 (d, 1H, H-6", J = 4.5 Hz), 8.72 (d, 1H, H-4", J = 8.2 Hz), 8.18 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 8.01 (dd, 1H, H-5", J = 5.3, 8.5 Hz), 7.79 (d, 2H, H-Ar, J = 8.4 Hz), 6.67 (s, 1H, H-5’), 6.02 (br s, 1H, NH), 5.35-5.30 (m, 1H, H-7), 5.05 (d, 1H, H-13, J = 3.8 Hz), 4.10 (dd, 1H, H-1, J = 7.8, 8.4 Hz), 3.31-3.20 (m, 2H, CH 2 CH2CH3), 2.37-0.83 (m, 13H, H-2, 3, 5, 8, 9, CH2 CH 2 CH 3 ), 1.82 (s, 3H, Me), 1.47 (s, 3H, Me), 1.20 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 664 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C36H39N3NaO8 664.2635 (M+Na), found 664.2668 (M+Na)。
(実施例12)
7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-10-(3-ヒドロキシプロピル)カルバモイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD190) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(x) (21.7 mg, 0.0285 mmol) のTHF (0.5 mL) 溶液に触媒量のDMAP、BOP (27.3 mg, 0.0855 mmol)、3-アミノ-1-プロパノール(6.5μL, 0.0855 mmol) を加え、室温下20時間反応させた。反応液をEtOAcで希釈し、0.2 N HCl ならびに水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル3 g, MeOH in CH2Cl20.75%) にて粗精製し、生成物が含まれる画分を濃縮した。
こうして得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (3.1μL, 0.193 mmol) を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (CH2Cl2 : MeOH = 15 : 1, 10 : 1 ) で精製を行うことにより、淡黄色固体PRD190 (7.9 mg, 2 steps, 42%) を得た。
1H NMR (CD3OD, 300 MHz) δ 9.02 (d, 1H, H-2", J = 2.2 Hz), 8.63 (dd, 1H, H-6", J = 1.4, 4.9 Hz), 8.30-8.24 (m, 3H, H-4", Ar), 7.96 (d, 2H, H-Ar, J = 8.2 Hz), 7.55 (dd, 1H, H-5", J = 5.0, 8.2 Hz), 6.81 (s, 1H, H-5’), 5.28-5.22 (m, 1H, H-7), 5.06 (d, 1H, H-13, J = 3.5 Hz), 4.06 (dd, 1H, H-1, J = 5.7, 10.7 Hz), 3.63 (t, 2H, CH 2 (CH2)2OH, J = 6.0 Hz), 3.40-3.34 (m, 2H, (CH2)2 CH 2 OH), 2.24-0.94 (m, 10H, H-2, 3, 5, 8, 9, CH2 CH 2 CH2OH), 1.94 (s, 3H, Me), 1.54 (s, 3H, Me), 1.21 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 680 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C36H39N3NaO9 680.2584 (M+Na), found 680.2595 (M+Na)。
(実施例13)
10-ベンジルカルバモイル-7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD191) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(x) (19.7 mg, 0.0259 mmol) のTHF (0.5 mL) 溶液に触媒量のDMAP、 BOP (24.8 mg, 0.0777 mmol)、ベンジルアミン (8.5μL, 0.0777 mmol) を加え、室温下20時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、0.2 N HCl ならびに水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル2 g, MeOH in CH2Cl20.75-1.5%) にて粗精製し、生成物が含まれる画分を濃縮した。
こうして得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (5.0μL, 0.0305 mmol) を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (CH2Cl2 : MeOH = 15 : 1×3) で精製を行うことにより白色固体PRD191 (10.6 mg, 2 steps, 59%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 9.00 (br s, 1H, H-2"), 8.67 (d, 1H, H-6", J = 4.7 Hz), 8.20-8.16 (m, 3H, H-Ar, 4"), 7.80 (d, 2H, H-Ar, J = 8.5 Hz), 7.50-7.46 (m, 1H, H-5"), 7.26-7.12 (m, 5H, H-Ar), 6.45 (s, 1H, H-5’), 6.28 (t, 1H, NH, J = 5.4 Hz), 5.36 (dd, 1H, H-7, J = 7.3, 9.5 Hz), 5.02 (d, 1H, H-13, J = 4.0 Hz), 4.57 (dd, 1H, 1/2NHCH 2 Ph, J = 5.9, 14.9 Hz), 4.38 (dd, 1H, 1/2NHCH 2 Ph, J = 5.3, 14.8 Hz), 4.15 (t, 1H, H-1, J = 8.1 Hz), 3.05 (br s, 1H, OH-13), 2.21-0.89 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.79 (s, 3H, Me), 1.45 (s, 3H, Me), 1.20 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 712 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C40H39N3NaO8 712.2635 (M+Na), found 712.2639 (M+Na)。
(実施例14)
7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-10-(4-メトキシベンジル)カルバモイル-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD192) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(x) (20.7 mg, 0.0272 mmol) のTHF (0.5 mL) 溶液に触媒量のDMAP、 BOP (26.0 mg, 0.0816mmol)、p-メトキシベンジルアミン (10.6μL, 0.0816 mmol) を加え、室温下20時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、0.2 N HCl ならびに水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル3 g, MeOH in CH2Cl21.0-1.5%) にて粗精製し、生成物が含まれる画分を濃縮した。
こうして得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (7.4μL, 0.456 mmol) を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (CH2Cl2 : MeOH = 15 : 1×2, 10 : 1 ) で精製を行うことにより、淡黄色固体PRD192 (17.1 mg, 2 steps, 78%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 270 MHz) δ8.97 (d, 1H, H-2", J = 2.0 Hz), 8.64 (dd, 1H, H-6", J = 1.6, 4.6 Hz), 8.19 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 8.07-8.03 (m, 1H, H-4"), 7.78 (d, 2H, H-Ar, J = 8.2 Hz), 7.36 (dd, 1H, H-5", J = 4.9, 8.2 Hz), 7.17 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 6.74 (d, 2H, H-Ar, J = 8.6 Hz), 6.39 (s, 1H, H-5’), 6.21 (t, 1H, NH, J = 5.5 Hz), 5.35 (dd, 1H, H-7, J = 7.3, 9.6 Hz), 5.02 (br s, 1H, H-13), 4.52 (dd, 1H, 1/2NHCH 2 Ar, J = 6.1, 14.5 Hz), 4.26 (dd, 1H, 1/2NHCH 2 Ar, J = 4.9, 14.5 Hz), 4.14 (t, 1H, H-1, J = 8.2 Hz), 3.67 (s, 3H, OMe), 3.13 (br s, 1H, OH-13), 2.31-0.87 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.79 (s, 3H, Me), 1.44 (s, 3H, Me), 1.18 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 742 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C41H41N3NaO9 742.2741 (M+Na), found 742.2805 (M+Na)。
(実施例15)
7-O-p-シアノベンゾイル-10-デアセトキシメチル-10-[(R)-3-メトキシ-3-オキソ-1-フェニルプロピルカルバモイル]-1,7-ジデアセチルピリピロペンA (PRD193) の合成
Figure 2010150739
窒素雰囲気下、(x) (28.1 mg, 0.0370 mmol) のTHF (0.6 mL) 溶液に触媒量のDMAP、BOP (35.4 mg, 0.111 mmol)、L-フェニルアラニンメチルエステル (19.9 mg, 0.111 mmol) を加え、室温下72時間撹拌した。反応液をEtOAcで希釈し、0.2N HCl ならびに水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥後ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を中性フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (シリカゲル3 g, MeOH in CH2Cl20-1.5%) にて粗精製し、生成物が含まれる画分を濃縮した。
こうして得られた残渣をTHF (0.5 mL) に溶解し、Et3N・3HF (1.3μL, 0.00814 mmol) を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をプレパラティブTLC (CH2Cl2 : MeOH = 15 : 1) で精製を行うことにより、淡黄色固体PRD193 (5.1 mg, 2 steps, 18%) を得た。
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 8.95 (dd, 1H, H-2", J = 1.2, 1.9 Hz), 8.71-8.68 (m, 1H, H-6"), 8.44-8.42 (m, 1H, H-4"), 8.12 (d, 2H, H-Ar, J = 7.8 Hz), 7.74-7.69 (m, 3H, H-5", Ar), 7.15 (d, 2H, H-Ar, 7.3 Hz), 7.07-7.01 (m, 3H, H-Ar), 6.48 (s, 1H, H-5’), 6.16 (d, 1H, NH, J = 8.9 Hz), 5.32-5.26 (m, 1H, H-7), 4.96 (d, 1H, H-13, J = 3.8 Hz), 4.81-4.76 (m, 1H, H-1), 3.68 (s, 3H, OMe), 3.58 (d, 1H, NHCH, J = 5.4 Hz), 3.04 (d, 2H, NHCHCH 2 , J = 6.0 Hz), 2.30-0.76 (m, 8H, H-2, 3, 5, 8, 9), 1.73 (s, 3H, Me), 1.39 (s, 3H, Me), 1.04 (s, 3H, Me);
ESI-LRMS m/z 784 (M+Na); ESI-HRMS (MeOH) calcd. for C43H43N3NaO10 784.2846 (M+Na), found 784.2837 (M+Na)。
試験例1:投与したピリピロペンA及びその誘導体の代謝産物の解析
C57BL6/Jマウス (雄性、日本SLC株式会社より購入) を12時間周期での人工光 (昼)−暗黒 (夜) サイクルのもと、標準的な食餌 (CE-2、日本クレア社製) を適宜与えて維持した。各薬剤の試験を開始する前に、20時間絶食(水は自由摂取)させた。これら動物に、ピリピロペンAまたはPRD017を0.5% (w/v) カルボキシメチルセルロースの生理食塩水溶液に溶解し、50 mg/kgの濃度になるように2.5 ml/kgの量で10週齢のマウスに経口で投与した。
ピリピロペン類を投与した0.5、6及び12時間後に、試験動物の尾静脈から100μLを採血した。ピリピロペン類を投与する直前にも100μLを採血し、これを0時間目とした。これらの血液に200μLの酢酸エチルを加えて充分に混和後、150μLの酢酸エチル層を1.5 mlチューブ (カタログ番号3810、Eppendorf社製) に回収した。遠心エバポレーター (東京理科器械社製) で乾固後、100μLのメタノールに再溶解した。
また、ピリピロペン類を投与してから6時間の間に排泄された糞を回収した。回収した糞は、55℃で24時間加温して乾燥させた後、粉砕した。粉砕した糞10 mgをガラスバイアルに回収し、酢酸エチル1mlを加えて排泄されたピリピロペン類とその代謝産物を溶解させた。次いで、その酢酸エチル全量を孔径0.22μmのフィルターでろ過し、ろ液を1.5 mlチューブに回収して、遠心エバポレーターで乾固後、100μLのメタノールに再溶解した。
分析には、超高速液体クロマトグラフィー (システム;Prominence、島津社製:カラム;Shin Pack XR-ODS、2.0φ×75 mm、40℃、島津社製) を用いた。5%アセトニトリル、0.1%リン酸水溶液で溶出を始め、6分後に95%アセトニトリル、0.1%リン酸水溶液になるように直線型濃度勾配で溶出させ、320 nmの波長で検出した。さらに、分子量は高速液体クロマトグラフィー/質量分析(Waters社製;カラム、PEGASIL ODS、2.0 o X 50 mm、センシュー科学社製;質量検出器、micromass ZQ 2000、Waters社製;移動層、10%アセトニトリル、0.05%トリフルオロ酢酸水溶液で溶出を始め13分後に100%アセトニトリル、0.05%トリフルオロ酢酸水溶液になるような直線型濃度勾配;解析ソフト、MassLynx Ver 4.0) で検出した。
ピリピロペンAを投与したマウスの血液から抽出したサンプルからは、3種類のピリピロペンA (PPA) 関連物質が検出され、溶出時間の遅いものから順にピークB1〜ピークB3と命名した。糞から抽出したサンプルからは、2種類のピリピロペンA関連物質が検出され、溶出時間の遅いものから順にピークF1およびピークF2と命名した。標品およびピークB1からB3そしてピークF1とF2の溶出時間と分子量を表1に示した。
PRD017を投与したマウスの血液から抽出したサンプルからは、3種類のPRD017関連物質が検出され、溶出時間の遅いものから順にピークB1'〜ピークB3'と命名した。糞から抽出したサンプルからは、2種類のPRD017関連物質が検出され、溶出時間の遅いものから順にピークF1'およびピークF2'と命名した。標品およびピークB1'からB3'そしてピークF1'とF2'の溶出時間と分子量を表2に示した。
投与したPRD017(7?O-p-シアノベンゾイル-ピリピロペンA)および比較例として用いたPRD148(7-デアセチルピリピロペンA)およびPRD138(7-O-p-シアノベンゾイル-1,7,11-トリデアセチルピリピロペンA)の構造は下記のとおりである。
Figure 2010150739
Figure 2010150739
Figure 2010150739
表1から明らかなように、ピークB1〜B3はそれぞれPPA、PRD147、PRD146と同定した。またピークF1とF2はそれぞれPPAとPRD146と同定した。さらに、表2から明らかなように、ピークB1'〜B3'はそれぞれPRD017、PRD118、PRD138と同定した。またピークF1'とF2'はそれぞれPRD017とPRD138と同定した。すなわち、ピリピロペン類を投与して30分後に血中から検出された代謝産物は、その1位のアセチル基が加水分解されて水酸基に変換された代謝産物と、1位と11位の2カ所のアセチル基が加水分解されて水酸基に変換された代謝産物の2種類と同定した。また、ピリピロペン類を投与して6時間の間に排泄された糞中から検出された代謝産物は、その1位と11位の2カ所のアセチル基が加水分解されて水酸基に変換された代謝産物と同定した。
試験例2:ACAT2阻害活性の測定
[ACAT2の酵素源の調製方法]
Uelmenらの方法(J. Biol. Chem. 270巻、26192-26201頁、1995年)を一部改変して酵素源を調製した。ACAT2の酵素源としては、マウス肝臓ミクロソーム由来の膜画分を用いた。マウス肝臓は緩衝液A[50 mMトリス塩酸液(pH 7.8)、1mMエチレンジアミン四酢酸及び1mMフェニルメタンスルフォニルフルオリド]中でポッター型ホモジナイザー(Tokyo-RIKO社製)を用いてホモジナイズした。これを12000×gで遠心した上清を100000×gで超遠心した沈さをミクロソーム画分とし、この画分を5mg/mLの蛋白質濃度となるように緩衝液Aで調製した。
[ACAT阻害活性の測定方法]
各実施例で調製したピリピロペン誘導体のACAT活性の測定は、Fieldらの方法(Gastroenterology、83巻、873-880頁、1982年)に従って実施した。上記酵素源200μg蛋白量、200 mM牛血清アルブミン、[1-14C]オレオイルコエンザイムA(最終濃度 170μM、0.090μCi)と試験する各ピリピロペン誘導体(1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0.00001mg/mLのメタノール溶液を10μL)を緩衝液A中に加えて全量200μLとし、37℃で5分間反応させた。ピリピロペン誘導体の代わりにメタノール10μLを加えたものをコントロールとした。
次いで、そこに1.2 mLクロロホルム/メタノール(1:2)を加えて反応を停止させ、Bligh & Dyer 法(Can. J. Biochem. Physiol. 37巻、911-917頁、1959年)により脂質を回収した。クロロホルム層を乾固後、薄層クロマトグラフィー(シリカゲルプレート、メルク社製、厚さ0.5 mm)にスポットし、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(70:30:1、v/v)の溶媒で展開して分離した。次に生成した[14C]コレステリルオレエートの量をBAS 2000バイオイメージアナライザ(富士フィルム社製)で定量して、コントロールと比較することにより、試験化合物の阻害活性を以下の式により算出した。なお、何もスポットしていない薄層クロマトグラフィーの放射活性をバックグラウンドとした。
阻害率=100−[(試験化合物添加時の放射活性)−(バックグラウンド)]/[(コントロールの放射活性)−(バックグラウンド)]
これらの阻害率のデータから、本酵素活性を50%阻害する濃度(IC50、阻害活性)を算定した。
阻害活性について、得られた結果を下記の表3に示した。表の符号の意味は次の通りである。
阻害活性:ACAT2を50%阻害する濃度(=IC50
+++++:阻害活性<0.5μM
++++:0.5μM≦阻害活性<1.0μM
+++:1.0μM≦阻害活性<5.0μM
++:5.0μM≦阻害活性<10.0μM
+:10.0μM≦阻害活性
Figure 2010150739
比較例として示した既知化合物のPRD146およびPRD149、そして1位と11位の両方が水酸基に置換された誘導体であるPRD138と比べて、本発明に係る化合物はACAT2に対する極めて高い阻害活性を示す。
なお、ACAT2阻害活性試験は上記の方法に限定されず、例えばラット、サル等の動物の小腸または肝臓から調製したミクロソームをACAT2酵素源として使用してもよい。また、培養細胞(Caco-2腸細胞、初代培養肝細胞、HePG2肝細胞等)またはACAT2を高発現させた培養細胞から調製したミクロソームをACAT2酵素源として使用することもできる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)または(II)または(III):
    Figure 2010150739

    Figure 2010150739

    Figure 2010150739

    (式中、R1およびR2は、ヒドロキシル基、低級アシロキシ基、アリールカルボニルオキシ基、およびヘテロアリールカルボニルオキシ基から選ばれた基を意味し、一般式(I)および(II)においてR1とR2は互いに同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一方はヒドロキシル基ではなく、かつ一般式(II)においてR1とR2の少なくとも一方はアセトキシ基ではなく、R3はヒドロキシル基、低級アルコキシ基、アリールアルコキシ基、ヘテロアリールアルコキシ基、低級アルキルアミノ基、アリールアミノ基、およびヘテロアリールアミノ基から選ばれた基を意味する)で示されるピリピロペンA誘導体、ならびにその薬学上許容される塩、溶媒和物および水和物。
  2. 1がヒドロキシル基、アリールカルボニルオキシ基、または低級アシロキシ基であり、R2が低級アシロキシ基またはアリールカルボニルオキシ基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1に記載のピリピロペン誘導体またはその医薬に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物を有効成分とするACAT2阻害剤。
  4. 請求項1に記載のピリピロペン誘導体またはその医薬に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物と医薬に許容される担体とを含むACAT2阻害用薬剤組成物。
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