JPWO2010134418A1 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

圧力室やインク吐出口を半導体集積回路の製造技術を利用してシリコン基板に簡単に高密度にパターン形成できると共に、低電圧で駆動可能な、吐出効率に優れたインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目的とし、ガラス基板の第2のシリコン基板に接合される側の面において圧力室に対向する位置に圧力室内に突出した突起が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。

Description

本発明は、インクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
オンデマンド型のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドに複数形成された圧力室内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与することにより、微小なインク吐出口からインク滴を吐出させて対象物に着弾させる。インクジェット記録装置は極めて微細な記録を行うことができることから、画像印刷分野のみならず、液晶表示装置等の産業機器の製造技術分野にも応用されるようになってきており、それに伴って更なる微細化の要求が高まっている。
従来、インクジェットヘッドとして、特許文献1に記載のものが知られている。このインクジェットヘッドは、シリコン基板に複数の微細な圧力室やインク吐出口等を加工形成するものである。シリコン基板に対する圧力室やインク吐出口等の加工は、半導体集積回路の製造技術を利用して行うことができ、極めて微細なピッチの圧力室やインク吐出口等をパターン形成することが可能であり、これによって微細化の要求を満足させることができる。
特開平5−229128号公報
ところで、上記インクジェットヘッドにおいて、微細化の要求を満足させるためにインク吐出口の開口径を小さくしすぎると、流路インピーダンスのバランスの変化により吐出効率が低下し、駆動電圧が上昇してしまうという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、圧力室やインク吐出口を半導体集積回路の製造技術を利用してシリコン基板に簡単に高密度にパターン形成できると共に、低電圧で駆動可能な、吐出効率に優れたインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的は、下記の発明により達成される。
1.インク吐出口が貫通形成された第1のシリコン基板と、
前記第1のシリコン基板の一方の面に接合され、前記インク吐出口に対応するインク流路孔が貫通形成されたガラス基板と、
一方の面に前記インク流路孔に対応する圧力室が溝加工されると共に、他方の面に該圧力室内の容積を変化させるための圧電素子が設けられ、該圧力室の形成面が前記ガラス基板に対して前記第1のシリコン基板とは反対面に面するように接合された第2のシリコン基板とを有し、前記圧電素子の駆動によって前記圧力室内のインクを前記インク吐出口から吐出させるインクジェットヘッドであって、
前記ガラス基板の前記第2のシリコン基板に接合される側の面において前記圧力室に対向する位置に前記圧力室内に突出した突起が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
2.前記突起が前記圧力室の内壁と接触しないように形成されていることを特徴とする前記1に記載のインクジェットヘッド。
3.前記インク吐出口の開口径が5μm以下であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェットヘッド。
4.前記第1のシリコン基板と前記ガラス基板の接合面、及び前記ガラス基板と前記第2のシリコン基板の接合面が何れも陽極接合されていることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
5.前記1〜4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記ガラス基板の前記第2のシリコン基板に接合される側の面において前記圧力室に対向する位置に前記圧力室内に突出した突起を形成する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
6.前記突起をサンドブラスト法により形成することを特徴とする前記5に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
本発明によれば、圧力室やインク吐出口を半導体集積回路の製造技術を利用してシリコン基板に簡単に高密度にパターン形成できると共に、低電圧で駆動可能な、吐出効率に優れたインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの一例を構成要素毎に分解して模式的に示す図である。 図1に示すインクジェットヘッドの平面図である。 図2におけるX−X’線に沿った拡大断面図である。 第1のシリコン基板とガラス基板と第2のシリコン基板との接合工程を示す図である。 圧力室高さと駆動電圧の関係を示すグラフである。 インク吐出口の開口径とリフィル速度の関係を示すグラフである。 圧力室高さとリフィル速度の関係を示すグラフである。
以下、図示の実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
図1は本発明の実施の形態に係るインクジェットヘッドの一例を構成要素毎に分解して模式的に示し、インクジェットヘッドHDは第1のシリコン基板1、ガラス基板6,第2のシリコン基板2及び圧電素子3を有する。
第1のシリコン基板1には、複数のインク吐出口101が貫通形成されている。ここでは9個のインク吐出口101が所定間隔をおいて配置された列が1列形成されているが、1列中のインク吐出口101の数及び列数は何ら問わない。
ガラス基板6は第1のシリコン基板1の下面に接合されており、第1のシリコン基板1の各インク吐出口101に対応する位置に、インク吐出口101よりも大径のインク流路孔601が貫通形成されている。
このインク流路孔601は、後述する圧力室内のインクを第1のシリコン基板1のインク吐出口101に向けて円滑に流出させるための流路となる。
また、ガラス基板6には、ガラス基板6の第2のシリコン基板2に接合される側の面において後述する圧力室溝204に対向する位置に圧力室溝204内に突出する突起26が形成されている。ここでは直方体状の突起26が1つの圧力室溝204に対して1つずつ形成されているが、突起26の形状及び1つの圧力室溝204に対する突起26の数は何ら問わない。
第2のシリコン基板2には、これにガラス基板6を被せて接合することで、圧力室となる圧力室溝204、インク供給路となるインク供給路溝203、共通インク室となる共通インク室溝202、及びインク供給口201が形成されている。
そして、第1のシリコン基板1のインク吐出口101と、ガラス基板6のインク流路孔21及び突起26と、第2のシリコン基板2の圧力室溝204と、が一対一で対応するように第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2とが接合される。
更に、第2のシリコン基板2のガラス基板6と接合する面と反対側の面の各圧力室204に対応した位置に圧電素子3が接着される。圧電素子3はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなり、インクをインク吐出口101から吐出させるアクチュエータである。
尚、以下の説明において、圧力室溝204とガラス基板6とにより形成された部屋を圧力室204と言い、インク供給路溝203とガラス基板6とにより形成された部屋をインク供給路203と言い、共通インク室溝202とガラス基板6とにより形成された部屋を共通インク室202と言う。
図2は図1に示すインクジェットヘッドの平面図である。図3は図2におけるX−X’線に沿った拡大断面図である。
図3に示すように、下から第2のシリコン基板2、ガラス基板6、第1のシリコン基板1の順に配置され、インク滴が吐出される第1のシリコン基板1のインク吐出面1a(上面)は平面に形成される。
各圧力室204は、ガラス基板6に形成されているインク流路孔601よりも大きな開口面積を有しており、第2のシリコン基板2のガラス基板6との接合面(圧力室の形成面)から所定の深さで凹設されている。また、ガラス基板6に形成されている突起26が圧力室204の内壁面に接触しない状態で圧力室204内に突出している。各圧力室204の背面側、すなわち第2のシリコン基板2におけるガラス基板6との接合面の反対面側には、圧電素子3が個別に接着されており、この圧電素子3の電気−機械変換作用によって各圧力室204の底面25を振動させ、圧力室204内の容積を変化させることにより、圧力室204内のインクに吐出エネルギーを付与するようになっている。圧電素子3の駆動により吐出エネルギーが付与された圧力室204内のインクは、インク流路孔601を介してインク吐出口101から吐出される。
このように、各圧力室204の底面25は振動板として機能する。このため、各圧力室204の底面25の厚みは、好ましくは1〜20μmとなるように、第2のシリコン基板2に各圧力室204をドライエッチングする際の凹設深さが調節されている。
次に、インクジェットヘッドHDの作成について説明する。
第1のシリコン基板1の作製方法は、基材として厚みが150μm〜500μm程度のシリコン基板を用いて、例えば、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)とエッチング技術等を用いることでインク吐出口101を貫通形成するという手順により行われる。このインク吐出口101の開口径は、インク滴出口側の開口の直径であり、5μm以下が好ましい。
尚、インク吐出口101の開口の形状は図1及び図2で示す円形形状に限定されず、例えば、断面円形状に形成する代わりに、断面多角形状や断面星形状等としてもよい。尚、断面形状が円でない場合、その断面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径を開口径とする。
ガラス基板6は、基材として厚みが100μm〜300μm程度のガラス基板を用いて、例えば、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)と微小な噴射粒により加工を行うサンドブラスト技術あるいはエッチング技術等を用いることでインク吐出口101よりも大径のインク流路孔601を貫通形成すると共に、突起26を形成するという手順により行われる。
尚、インク流路孔601及び突起26の形成は、必要なエッチングレート比をもつマスク材料がないことから深い穴の形成が困難であり、またガラスのエッチングレートが遅いため加工時間が非常に長く必要となることから精密な加工を得意とする上記のドライエッチング法のみでは対応できないので、サンドブラスト法を用いることが好ましい。
具体的には、例えば、ガラス基板6の第2のシリコン基板2に接合される側の面上に、厚み50μm程度のドライフィルムレジストを用いて公知のフォトリソグラフィー技術(露光、現像)により突起26を設けるためのフォトレジストパターンを形成する。次に、フォトレジストパターンをマスクとして、サンドブラスト法を用いて所定の大きさと形状になるように突起26を形成する。この後、ガラス基板6の第1のシリコン基板1に接合される側の面上に、厚み50μm程度のドライフィルムレジストを用いて公知のフォトリソグラフィー技術(露光、現像)によりインク流路孔601を設けるためのフォトレジストパターンを形成する。次に、フォトレジストパターンをマスクとして、サンドブラスト法を用いて所定の大きさと形状になるようにインク流路孔601を形成する。最後に、フォトレジストパターンを除去しガラス基板6を完成させる。
ここで、インク流路孔601は、ガラス基板6の第2のシリコン基板2に接合される側の面にフォトレジストパターンを形成して加工するようにしてもよい。
第1のシリコン基板1及びガラス基板6を加工するに際し、高精度が要求され、加工による損傷を避けたいインク吐出口周辺と高精度が要求されず加工による損傷が懸念されないインク流路孔601及び突起26部分との2つに分け、インク吐出口101にはドライエッチング法を、インク流路孔601及び突起26はサンドブラスト法とするそれぞれに適切な加工方法を選択することができる。従って、必要な機能や精度を十分に確保しながら生産性の良い加工方法を提供することができる。
第2のシリコン基板2は、第1のシリコン基板1の作製方法と同様に、基材として厚みが150μm〜500μm程度のシリコン基板を用いて、例えば、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)とエッチング技術等を用いることで、ガラス基板6のインク流路孔601にそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝204、圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝203、及びインク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝202、並びにインク供給口201とを形成する。
ここで形成する溝の大きさは、適宜に決められるが、本実施の形態の一例であるインクジェットヘッドでは、例えば、圧力室溝204は幅150μm〜350μm程度、深さ50μm〜200μm程度、インク供給路溝203は幅50μm〜150μm程度、深さ30μm〜150μm程度、共通インク室溝は幅400μm〜1000μm程度、深さ50μm〜200μm程度、インク供給口201は直径φ400μm〜1500μm程度の貫通した穴である。
シリコン基板に対するエッチング加工方法は、第2のシリコン基板の面に対して垂直にエッチング加工ができるシリコン(Si)異方性ドライエッチング法が好ましい。シリコン(Si)異方性ドライエッチング法に関しては、産業図書株式会社「半導体ドライエッチング技術」等を参照することができる。
次に、これまで説明した方法で加工されている第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2とを陽極接合技術を用いて接合する。以下に、これに関して説明する。
図4は、第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2との接合工程を示す図であり、図4(a)は、シリコン基板を基材として、インク吐出口(図示してない。)が加工された第1のシリコン基板1、インク流路孔及び突起(図示してない。)が加工されたガラス基板6と圧力室溝204等の溝が前記に説明した加工により形成された第2のシリコン基板2を示している。
第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2とは陽極接合により結合される。陽極接合技術を用いて2つの基材を接合する場合、基材の一方を構成する材料としてシリコンを用い、他方を可動イオン、例えば代表的にはナトリウムイオン(Na)を含むガラス材でシリコン(Si)と比較的類似した線膨張係数(シリコンの線膨張係数は、4.2×10−6/℃程度である。)を有するものを用いることが好ましく、例えば、硼珪酸ガラスが用いられる。
ここで、可動イオンを含む硼珪酸ガラス(以下、硼珪酸ガラスと称する。)としては、パイレックス(登録商標)、コーニング社(米国)またはテンパックス フロート(登録商標)、日本以外はBOROFLOAT(登録商標)、ショット日本(株)がこれらの線膨張係数{パイレックス(登録商標)及びテンパックス フロート(登録商標)の線膨張係数は共に3.2×10−6/℃程度である。}の観点からより好ましい。
本実施の形態の一例であるインクジェットヘッドでは、微細な加工の容易さから第1のシリコン基板1と第2のシリコン基板2の基材は何れもシリコン基板としている。よって、第2のシリコン基板2及び第1のシリコン基板1に陽極接合により結合されるガラス基板6の材料としては硼珪酸ガラスが好ましい。
次に、上記で説明した第1のシリコン基板1と硼珪酸ガラスのガラス基板6と第2のシリコン基板2とを、図4(b)で示す通りに、適切な位置関係にして重ね合わせて固定し、接合部の温度を高温状態にして、直流高圧電源4を用いて電圧を印加して陽極接合する。以下に、第1のシリコン基板1と硼珪酸ガラスのガラス基板6と第2のシリコン基板2とを陽極接合することに関して具体的に説明する。
陽極接合を行う場合に印加する電圧の極性は、シリコンの基材側をプラス(+)、硼珪酸ガラスの基材側をマイナス(−)とする。このようにすると、静電引力によって接合界面が密着すると同時に電流が流れ、両基板が強固に陽極接合される。
本実施の形態の一例であるインクジェットヘッドにおいては、第1のシリコン基板1及び第2のシリコン基板2はプラス(+)、ガラス基板6はマイナス(−)とする電圧を印加すれば良い。
接合時の高温状態とは、300℃〜550℃の範囲であって、このような雰囲気温度を維持できる恒温漕や簡便な方法ではセラミックヒーター等を内蔵する絶縁性の良いホットプレート等を用いて第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2との接合部を加熱すれば良い。
上記の温度範囲を超えて接合を行う場合、接合ができないまたは接合が十分でないといった不都合が生じやすくなる。例えば、550℃以上では、印加電圧にもよるが、可動イオンが一気に流れ出して、硼珪酸ガラスのガラス基板6が白濁したりといった劣化が生じ、結果的に強固な接合ができない場合がある。また、300℃以下では、可動イオンが移動しにくい状態であり、これを移動しやすくするためには、印加電圧を大きくすることが必要である。印加電圧を大きくする結果、第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2との間での短絡が発生し、結果として陽極接合が十分できない場合がある。
また、直流高圧電源4にて第1のシリコン基板1とガラス基板6と第2のシリコン基板2との間に印加する直流電圧の電界強度は、30kV/mm〜200kV/mmの範囲が好ましい。
通常、1kVを超える電圧を使用する場合、電圧を発生する直流高圧電源4の容量や電圧印加に関連する附帯装置の絶縁耐圧を確保することが必要となるなどから、直流高圧電源4を含めた装置が高価かつ煩雑になる。従って、適当なガラス基板6の厚みを設定することで陽極接合時に印加する電圧を扱いやすい1kV未満とするのが好ましい。
このように陽極接合により接合された第1のシリコン基板1、ガラス基板6及び第2のシリコン基板2の結合体Aに圧電素子3が接着され、インクジェットヘッドができあがる。
以上のように、本実施形態の上記インクジェットヘッドHDでは、インク吐出口101が貫通形成された第1のシリコン基板1と、前記第1のシリコン基板1の一方の面に接合され、前記インク吐出口101に対応するインク流路孔601が貫通形成されたガラス基板6と、一方の面に前記インク流路孔601に対応する圧力室204が溝加工されると共に、他方の面に該圧力室204内の容積を変化させるための圧電素子3が設けられ、該圧力室204の形成面が前記ガラス基板6に対して前記第1のシリコン基板1とは反対面に面するように接合された第2のシリコン基板2とを有し、前記圧電素子3の駆動によって前記圧力室204内のインクを前記インク吐出口101から吐出させるように構成されている。
従って、高度な微細化が要求されるインク吐出口101や圧力室204は、何れもシリコン基板1及び2に加工形成できるので、半導体集積回路の製造技術を利用した微細で高密度なパターン形成が可能である。加えて、ガラス基板6には、単純な貫通孔を形成するだけであり、サンドブラストやドライエッチング時の加工作業も極めて簡単で済む。
また、本実施形態の上記インクジェットヘッドHDでは、ガラス基板6の第2のシリコン基板2に接合される側の面において圧力室204に対向する位置に圧力室204内に突出した突起26が形成されている。
従って、この突起により、圧力室の容積減少を図っているので、圧力室内のインクのコンプライアンスを減少させることができ、吐出効率が向上し低電圧駆動が可能になる。吐出効率は、圧電素子3を所定の駆動電圧で駆動した際のインク滴の吐出速度に影響する。従って、同一の駆動電圧でのインク滴の吐出速度が大きいほど、インク滴の吐出効率が高く、インク滴の吐出速度が小さいほど、インク滴の吐出効率が低いと評価することができる。また、逆に同一の吐出速度になるように、駆動電圧を調整することにより、駆動電圧の低電圧化が可能となる。吐出速度は、例えば、CCDカメラを用いたストロボ測定により、インク滴がインク吐出口の開口から約1mm飛翔した時点でのインク滴速度を測定すればよい。
ここで、圧力室内のインクのコンプライアンスについて説明する。
流体内部の圧縮に関わる項である圧力室内のインクのコンプライアンスCbulk〔m/N〕は、圧力室の容積をV[m]、インク密度をρ[kg/m]、インクの音速度をc[m/s]とすると、式(1)で与えられる。
流体内部の圧縮に関わる項である圧力室内のインクのコンプライアンスが小さいほど、圧力がインクに有効に作用するので吐出効率が向上し低電圧駆動が可能になる。
圧力室204内のインクのコンプライアンスを減少させるには、式(1)から明らかなように、圧力室204の容積を減少すればよい。従って、上記インクジェットヘッドHDでは、突起により、圧力室の容積減少を図っているので、圧力室内のインクのコンプライアンスを減少させることができ、吐出効率が向上し低電圧駆動が可能になる。
圧力室204内の容積を減少させるには、圧力室204の深さを浅くすることも考えられる。しかしながら、圧力室の深さを浅くする場合は、第2のシリコン基板2の薄板化によるシリコンウエハーの歩留り低下を招くという問題がある。
本実施形態の構成では、突起26を設けることにより、第2のシリコン基板2を薄板化することなく圧力室204内の容積を容易に減少させることが可能になる。
また、本実施形態の上記インクジェットヘッドHDでは、第1のシリコン基板1とガラス基板6の接合面、及びガラス基板6と第2のシリコン基板2の接合面が何れも陽極接合されている。従って、全ての接合部位に接着剤が介在せず、接着剤層の厚みばらつき等による突起26と圧力室204の位置精度の低下を防ぐことができ、安定した吐出特性が得られる。
また、本実施形態の上記インクジェットヘッドHDでは、突起26が圧力室204の内壁と接触しないように形成されている。従って、インク吐出口101へ流入するインクの流路抵抗が低減されるので、インク吐出口101へインクが十分に供給され、インク吐出口101へのインクリフィルが阻害されるおそれがない。
インク滴の吐出が行われると、吐出直後に大きく後退したメニスカスは、振動しながら初期位置に復帰する。なお、こうしたインク滴吐出後におけるメニスカス復帰動作のことを、本明細書の中ではリフィルと呼ぶ。
そして、インク滴吐出後に最初にメニスカスが初期位置に復帰するまでの時間をリフィル時間と呼ぶことにする。インクジェットヘッドでインク滴を連続吐出する場合、リフィルが完了した後に、次の吐出を実行しなければ安定した連続吐出を実行することはできない(インク滴の滴径や滴速が不安定化してしまう)。そのため、リフィル時間はインクジェット記録ヘッドの最大吐出周波数を支配する重要な特性パラメータとなる。ここでの最大吐出周波数とは、滴径や滴速の安定性を担保しつつ文字等の記録を行うことが可能な最大の吐出周波数という意味である。
例えばリフィル時間が10μsであると100kHzの吐出周期にリフィル動作が間に合うことになり吐出が可能になるということになる。
リフィル時間(μs)が短くなると言うことはリフィル速度(kHz)が速くなるということである。
更に、本実施形態の上記インクジェットヘッドHDでは、インク吐出口101の開口径が5μm以下に設定されている。後述する実施例で示すように、加工が可能な限り圧力室高さH(図3参照)を減少させてもインク吐出口の開口径が5μm以下であれば、常にリフィル速度100kHz以上を確保できる。
本実施例では、上記実施形態中で示したインクジェットヘッドHDと同様のインクジェットヘッドを上記製造方法に従いながら製造し、当該インクジェットヘッドのインク吐出口からインク滴を吐出した際のインクのリフィル速度(kHz)と吐出効率を測定した。
リフィル速度(kHz)は、リフィル時間の逆数である。
インク吐出効率は、圧電素子3に印加する駆動電圧を増加させながら吐出されるインク滴の速度を測定し、速度が6m/sになるときの駆動電圧を調べた。吐出速度は、CCDカメラを用いたストロボ測定により、インク滴がインク吐出口の開口から約1mm飛翔した時点でのインク滴速度を測定した。
まず、突起26の高さを変更することにより図3における圧力室高さH(突起26の先端面と圧力室の底面との間隔であり、突起の突出量が大きくなるほどHが小さくなる)を種々変更した複数のインクジェットヘッドを作製した。具体的には、突起26がない場合の圧力室高さHを130μmとし、図5に示すように圧力室高さHを変更した。ノズルは、円筒状とし、ノズルの長さを10μmとし、図6に示すようにインク吐出口の開口径を変更した。なお、1つのインクジェットヘッドにおける各チャネル間の圧力室、ノズルの形状は同一とした。
その後、圧電素子に駆動電圧を印加してインク粘度が異なる3種類のインクをそれぞれ吐出した。なお、各インクの表面張力σは50[dyne/cm]であった。
図5は、インク吐出口の開口径が10μmとし、インク粘度が異なる3種類のインクをそれぞれ吐出した場合における圧力室高さと駆動電圧の関係を示す。
図5よりいずれの粘度のインクの場合も、圧力室高さが減少するにしたがって駆動電圧が低下し駆動効率が向上していることがわかる。
図6は、圧力室高さ30μmのヘッドで粘度が10(cP)のインクを吐出させたときの、インク吐出口の開口径とリフィル速度の関係を示す。
図6より、インク吐出口の開口径が小さくなるほどリフィル速度が速くなることがわかる。
図7は、インク吐出口の開口径が5μmと10μmのヘッドで粘度が10(cP)のインクを吐出させたときの、圧力室高さとリフィル速度の関係を示す。
図7よりいずれの開口径の場合も、圧力室高さが減少するにしたがってリフィル速度が低下していることがわかる。
加工が可能な限り圧力室高さを減少させてもインク吐出口の開口径が5μm以下であれば、常にリフィル速度100kHz以上を確保できることがわかる。
1 第1のシリコン基板
101 インク吐出口
2 第2のシリコン基板
3 圧電素子
4 直流高圧電源
6 ガラス基板
201 インク供給口
202 共通インク室溝、共通インク室
203 インク供給路溝、インク供給路
204 圧力室溝、圧力室

Claims (6)

  1. インク吐出口が貫通形成された第1のシリコン基板と、
    前記第1のシリコン基板の一方の面に接合され、前記インク吐出口に対応するインク流路孔が貫通形成されたガラス基板と、
    一方の面に前記インク流路孔に対応する圧力室が溝加工されると共に、他方の面に該圧力室内の容積を変化させるための圧電素子が設けられ、該圧力室の形成面が前記ガラス基板に対して前記第1のシリコン基板とは反対面に面するように接合された第2のシリコン基板とを有し、前記圧電素子の駆動によって前記圧力室内のインクを前記インク吐出口から吐出させるインクジェットヘッドであって、
    前記ガラス基板の前記第2のシリコン基板に接合される側の面において前記圧力室に対向する位置に前記圧力室内に突出した突起が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記突起が前記圧力室の内壁と接触しないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記インク吐出口の開口径が5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記第1のシリコン基板と前記ガラス基板の接合面、及び前記ガラス基板と前記第2のシリコン基板の接合面が何れも陽極接合されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェットヘッド。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記ガラス基板の前記第2のシリコン基板に接合される側の面において前記圧力室に対向する位置に前記圧力室内に突出した突起を形成する工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記突起をサンドブラスト法により形成することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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