JPWO2010122733A1 - Squid磁気センサ - Google Patents
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Abstract
薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサにおいて、磁場中でセンサに生じる磁束トラップ又はジャンプを抑制して、SQUID磁気センサの性能劣化を防ぎ、磁場中でも高感度で安定して動作する高温超伝導型SQUID磁気センサを提供する。バイクリスタル粒界接合部を持つバイクリスタル基板1と、このバイクリスタル基板1上に第1の高温超伝導薄膜で形成されるピックアップループ7a〜7dと、前記バイクリスタル粒界接合部上に前記ピックアップループ7a〜7dと直接接続する前記第1の高温超伝導薄膜で形成されたSQUIDリング3とを備えた超伝導量子干渉素子磁気センサにおいて、前記ピックアップループ7a〜7dを、前記バイクリスタル粒界接合部に重ならない位置にバイクリスタル粒界ライン2を中心にして複数配設する。
Description
本発明は、磁気シールド等を用いない環境磁気ノイズ中でも安定して動作する高感度な薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導・超伝導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interference Device:SQUID)磁気センサに関するものである。
高温超伝導SQUIDは良好な感度を持つ磁気センサであるが、バイクリスタル粒界接合を用いた薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサは、数10nT〜数100nTの磁場にさらされると、磁束トラップ・ジャンプを生じて動作が不安定となる(例えば、非特許文献1参照)。そのため、磁場中に高温超伝導SQUID磁気センサを配置して計測を行う場合や磁場ノイズが大きい環境で用いる場合、SQUID磁気センサを高感度のまま安定して動作させることが困難であった。
Peter Selders,et al.,"Reduction of 1/f−Noise in HTS−SQUIDs by Artificial Defects",IEEE Trans.Appl.Supercond.,vol.9,no.2,pp.2967−2970,1999.
図1及び図2は、従来の一般的なバイクリスタル粒界接合を用いた薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサであり、図1はその全体図、図2はSQUIDリング部(図1のAの一部)の拡大図である。
図1及び図2において、101はバイクリスタル(bi−crystal)基板、102はバイクリスタル粒界ライン、103はピックアップループ、104A,104Bはバイクリスタル粒界接合部(バイクリスタルジョセフソン接合部:弱結合部)、105は切り欠き、106はSQUIDリングである。
図1及び図2において、101はバイクリスタル(bi−crystal)基板、102はバイクリスタル粒界ライン、103はピックアップループ、104A,104Bはバイクリスタル粒界接合部(バイクリスタルジョセフソン接合部:弱結合部)、105は切り欠き、106はSQUIDリングである。
これらの図に示すように、このタイプのSQUIDは、SQUIDリング106がバイクリスタル基板101のバイクリスタル粒界ライン102上に位置する構造となっている。このようなパターンでは、ピックアップループ103において、バイクリスタル基板101のバイクリスタル粒界ライン102上に幅の広いバイクリスタル粒界接合部(弱結合部)を持つ超伝導薄膜が広範囲に形成される。
このSQUIDが磁場中で冷却される際、SQUIDリング106のバイクリスタル粒界接合部104A,104B、およびバイクリスタル粒界102上のピックアップループ103において、その他の粒界のない部分より多くの磁束がピン止めされやすい。そして、SQUIDに磁場が印加されると、磁場によってピックアップループ103やSQUIDリング106に遮蔽電流が発生し、この遮蔽電流とピン止めされた磁束との間にローレンツ力が発生する。このローレンツ力がバイクリスタル粒界接合部104A,104B、およびバイクリスタル粒界102上のピックアップループ103の弱いピン止め力を超える場合、バイクリスタル粒界接合部104A,104B、およびバイクリスタル粒界102上のピックアップループ103でピン止めされていた磁束が超伝導薄膜におけるエネルギーのより低い場所にジャンプして、複数の磁束がランダムに移動し続ける磁束クリープが生じる。特に、SQUIDリング106のバイクリスタル粒界接合部104A,104Bに磁束がトラップされた場合、SQUID磁気センサの特性が劣化して感度が低下し、SQUID磁気センサを長時間安定して動作させることが困難になる。したがって、このようなパターンのSQUID磁気センサは磁場耐性が低く、磁場ノイズが大きい環境や磁場中で行う測定での使用が困難である。
実際に、ピックアップループ103のサイズが8mm×8mmで、SQUIDリング106のバイクリスタル粒界接合部104A,104B、およびピックアップループ103中にバイクリスタル粒界によるバイクリスタル粒界接合部を持つ、図1に示すパターンの薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して磁場耐性を調べたところ、振幅約100nT,100Hzの交流磁場中で磁束トラップ・ジャンプが生じて感度が低下し、不安定動作状態となった。
そこで、本発明では、これらの磁場中における感度低下と不安定動作の問題を解決するため、SQUIDリングのバイクリスタル粒界接合部での磁束トラップ及びジャンプを低減して、磁場中でも安定に動作する高感度なSQUID磁気センサを提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために、
〔1〕バイクリスタル粒界接合部を持つバイクリスタル基板と、このバイクリスタル基板上に第1の高温超伝導薄膜で形成されるピックアップループと、前記バイクリスタル粒界接合部上に前記ピックアップループと直接接続する前記第1の高温超伝導薄膜で形成されたSQUIDリングとを備えた超伝導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interference Device:SQUID)磁気センサにおいて、前記ピックアップループを、前記バイクリスタル粒界接合部に重ならない位置にバイクリスタル粒界ラインを中心にして両側に複数配設することを特徴とする。
〔1〕バイクリスタル粒界接合部を持つバイクリスタル基板と、このバイクリスタル基板上に第1の高温超伝導薄膜で形成されるピックアップループと、前記バイクリスタル粒界接合部上に前記ピックアップループと直接接続する前記第1の高温超伝導薄膜で形成されたSQUIDリングとを備えた超伝導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interference Device:SQUID)磁気センサにおいて、前記ピックアップループを、前記バイクリスタル粒界接合部に重ならない位置にバイクリスタル粒界ラインを中心にして両側に複数配設することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記ピックアップループを、1つのバイクリスタル粒界ラインとこれに垂直なラインそれぞれを中心にして両側に2個ずつ配設することを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記バイクリスタル粒界接合部上に形成された前記SQUIDリングが、第2の高温超伝導薄膜で覆われていることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記バイクリスタル粒界接合部上に形成された前記SQUIDリングが、第2の高温超伝導薄膜で覆われていることを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記第2の高温超伝導薄膜が、前記ピックアップループのうち任意の隣接する2個のピックアップループによって形成される隙間を少なくとも覆うことを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記第2の高温超伝導薄膜が、隙間を形成する前記2個の隣接するピックアップループそれぞれの線幅の1/2以上を覆うようにしたことを特徴とする。
〔5〕上記〔4〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記第2の高温超伝導薄膜が、隙間を形成する前記2個の隣接するピックアップループそれぞれの線幅の1/2以上を覆うようにしたことを特徴とする。
〔6〕上記〔4〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記ピックアップループ及び前記SQUIDリングと前記第2の高温超伝導薄膜との間に絶縁膜が形成されていることを特徴とする。
〔7〕上記〔4〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記絶縁膜がCeO2であることを特徴とする。
〔7〕上記〔4〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記絶縁膜がCeO2であることを特徴とする。
〔8〕上記〔4〕記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記絶縁膜がSTOであることを特徴とする。
〔9〕上記〔3〕から〔8〕の何れか一項記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、表面上に前記第2の高温超伝導薄膜が形成され、かつ前記第2の高温超伝導薄膜の上面に絶縁膜が積層された第2の基板を備えており、この第2の基板と前記バイクリスタル基板とが、前記絶縁膜を介してフリップチップ構造となるように一体化されたことを特徴とする。
〔9〕上記〔3〕から〔8〕の何れか一項記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、表面上に前記第2の高温超伝導薄膜が形成され、かつ前記第2の高温超伝導薄膜の上面に絶縁膜が積層された第2の基板を備えており、この第2の基板と前記バイクリスタル基板とが、前記絶縁膜を介してフリップチップ構造となるように一体化されたことを特徴とする。
本発明の、超伝導薄膜でSQUIDリングおよび分割したピックアップループの隙間を覆った薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを用いることにより、比較的高い磁場中における安定した微小磁気計測が可能になる。
また、SQUIDリング部における磁束トラップを低減でき、磁束を有効にピックアップループに鎖交させることができることから、SQUIDの特性及び感度が向上する。
また、SQUIDリング部における磁束トラップを低減でき、磁束を有効にピックアップループに鎖交させることができることから、SQUIDの特性及び感度が向上する。
したがって、本発明によれば、これまで計測できなかった強磁性体にセンサを接近させて微小磁気信号を計測することや、磁気ノイズの高い環境で微小磁気信号を計測することが可能となる。
図3及び図4は本発明の薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサの一実施例であり、図3はその全体図、図4はSQUIDリング部(図3のBの一部)の拡大図である。
これらの図において、1はバイクリスタル基板、2はバイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン、3はSQUIDリング、4A,4Bはバイクリスタル粒界接合部(弱接合部)、5は切り欠き、6a〜6dは電圧・電流端子に接続される電極(例えば、高温超伝導薄膜上に蒸着したAg)、7a〜7dは分割したピックアップループ(各サイズ1.5mm×1.5mm)であり、分割したピックアップループ7a,7b,7c,7dにSQUIDリング3が結合される。なお、8はバイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン2に垂直なラインである。
これらの図において、1はバイクリスタル基板、2はバイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン、3はSQUIDリング、4A,4Bはバイクリスタル粒界接合部(弱接合部)、5は切り欠き、6a〜6dは電圧・電流端子に接続される電極(例えば、高温超伝導薄膜上に蒸着したAg)、7a〜7dは分割したピックアップループ(各サイズ1.5mm×1.5mm)であり、分割したピックアップループ7a,7b,7c,7dにSQUIDリング3が結合される。なお、8はバイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン2に垂直なラインである。
バイクリスタル基板1の材料は、例えば、STO(SrTiO3)であり、その上にYBCOを厚さ200nmエピタキシャル成長させる。また、バイクリスタル基板1の接合角は、24°,30°,36°及び45°のうち何れかが使用できるが、本実施例では30°を使用した。
ピックアップループにバイクリスタル粒界接合部(弱接合部)が存在しないようにピックアップループを分割した構造とし、バイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン2上にピックアップループ7a〜7dが位置しない構造とすることが望ましい。これにより、ピックアップループ7a〜7d内に磁束ピン止めが発生しやすい部分を排除することができる。本実施例ではピックアップループを4分割としたが、バイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン2上にピックアップループが位置しない構造であれば2分割でも4分割でも更に多分割であってもよい。
ピックアップループにバイクリスタル粒界接合部(弱接合部)が存在しないようにピックアップループを分割した構造とし、バイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン2上にピックアップループ7a〜7dが位置しない構造とすることが望ましい。これにより、ピックアップループ7a〜7d内に磁束ピン止めが発生しやすい部分を排除することができる。本実施例ではピックアップループを4分割としたが、バイクリスタル基板1のバイクリスタル粒界ライン2上にピックアップループが位置しない構造であれば2分割でも4分割でも更に多分割であってもよい。
また、図5及び図6は、上記本発明の薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサと超伝導薄膜がフリップチップ構造となる取り付け図であり、図5はその上面図、図6は図5に示すバイクリスタル粒界ラインに沿ったC−C線断面図である。
これらの図において、11はバイクリスタル基板、12はSQUIDリング、13はバイクリスタル粒界ライン、14A,14Bはバイクリスタル粒界接合部(弱接合部)、15a〜15dは電圧・電流端子に接続される電極(例えば、高温超伝導薄膜上に蒸着したAg)、16a〜16dは分割したピックアップループ(各サイズ1.5mm×1.5mm)であり、分割したピックアップループ16a〜16dにSQUIDリング12が結合される。17は絶縁層、18は超伝導薄膜、19基板(例えば、厚さ0.5mmのSTO基板)、20は外部磁束である。
これらの図において、11はバイクリスタル基板、12はSQUIDリング、13はバイクリスタル粒界ライン、14A,14Bはバイクリスタル粒界接合部(弱接合部)、15a〜15dは電圧・電流端子に接続される電極(例えば、高温超伝導薄膜上に蒸着したAg)、16a〜16dは分割したピックアップループ(各サイズ1.5mm×1.5mm)であり、分割したピックアップループ16a〜16dにSQUIDリング12が結合される。17は絶縁層、18は超伝導薄膜、19基板(例えば、厚さ0.5mmのSTO基板)、20は外部磁束である。
SQUID磁気センサの基板11の上を覆う超伝導薄膜18は、SQUIDリング12と分割したピックアップループ16a〜16dとの間の隙間を全て覆うように設置することが望ましい。SQUID磁気センサ表面への超伝導薄膜18の取り付け・接着及びSQUID磁気センサと超伝導薄膜18との間の電気的絶縁のために、極低温でも接着力の高い絶縁層17を用いることが望ましい。また、この絶縁層17の厚さは、SQUIDリング12における磁束トラップ・ジャンプを抑える効果を高めるために極薄く(例えば、1μm)することが望ましい。さらに、分割したピックアップループ16a〜16dの間の隙間を通り抜ける磁束をピックアップループ16a〜16dに有効に鎖交させるために、ピックアップループ16a〜16dの隙間を覆う、ピックアップループ間の隙間幅に加えて、隙間を形成する隣接した2つのピックアップループ(例えば、16aと16b)の線幅のそれぞれ1/2以上を覆うような幅にして設置することが望ましい。これにより、磁束がピックアップループ16a〜16dの隙間を通り抜けることがなく、より高い磁束感度を得ることができる。
SQUID磁気センサの基板の上を覆う超伝導薄膜の別の形態を、図7の断面図に示す。この図において、21はバイクリスタル基板、22A,22Bはバイクリスタル粒界接合部、23は絶縁層(例えば、CeO2やSTO)、24は超伝導薄膜、25は外部磁束である。
図3に示す分割したピックアップループを用いた薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサをベースとして、図7に示すような絶縁層23を挟んで超伝導薄膜24をSQUID磁気センサの上に積層させる構造でも、図5及び図6に示したフリップチップ構造と同様の効果が期待できる。
図3に示す分割したピックアップループを用いた薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサをベースとして、図7に示すような絶縁層23を挟んで超伝導薄膜24をSQUID磁気センサの上に積層させる構造でも、図5及び図6に示したフリップチップ構造と同様の効果が期待できる。
このような超伝導薄膜24を極薄い(例えば、200nm)の隙間を隔ててSQUID磁気センサの上に積層すれば、図6に示す超伝導薄膜11と同様な効果が得られると考えられ、絶縁層23も同様になるべく薄い方が望ましい。
上記実施形態の性能を確認するため、次の通り実験を行った。
(実施例1)
図3に示す形態の、各ピックアップループのサイズが1.5mm×1.5mmであって、バイクリスタルジョセフソン接合を持つ薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して、液体窒素(沸点77K)で冷却し、SQUID磁気センサの性能を実験により調べた。その結果、100Hzの磁場をかけたところ、0.75μTの磁場までSQUIDが安定に動作した。
(比較例)
比較例として、図1に示す形態の、ピックアップループのサイズが8mm×8mmであって、バイクリスタルジョセフソン接合を持つ薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して、実施例1と同様に液体窒素(沸点77K)で冷却し、SQUID磁気センサの性能を実験により調べた。その結果、100Hzの磁場をかけたところ、0.1μTの磁場でSQUIDが不安定動作となり、実施例1に比較して磁場耐性が劣ることが明らかとなった。
(実施例2)
図3に示す形態の、ピックアップループのサイズが1.5mm×1.5mmであって、バイクリスタルジョセフソン接合を持つ薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して、液体窒素(沸点77K)で冷却した場合と、図5及び図6に示す形態の、超伝導薄膜(それぞれ18)を持つバイクリスタル基板11とSQUID磁気センサをフリップチップ構造とした場合の、SQUID磁気センサの性能を実験により調べた。
(実施例1)
図3に示す形態の、各ピックアップループのサイズが1.5mm×1.5mmであって、バイクリスタルジョセフソン接合を持つ薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して、液体窒素(沸点77K)で冷却し、SQUID磁気センサの性能を実験により調べた。その結果、100Hzの磁場をかけたところ、0.75μTの磁場までSQUIDが安定に動作した。
(比較例)
比較例として、図1に示す形態の、ピックアップループのサイズが8mm×8mmであって、バイクリスタルジョセフソン接合を持つ薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して、実施例1と同様に液体窒素(沸点77K)で冷却し、SQUID磁気センサの性能を実験により調べた。その結果、100Hzの磁場をかけたところ、0.1μTの磁場でSQUIDが不安定動作となり、実施例1に比較して磁場耐性が劣ることが明らかとなった。
(実施例2)
図3に示す形態の、ピックアップループのサイズが1.5mm×1.5mmであって、バイクリスタルジョセフソン接合を持つ薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサを作製して、液体窒素(沸点77K)で冷却した場合と、図5及び図6に示す形態の、超伝導薄膜(それぞれ18)を持つバイクリスタル基板11とSQUID磁気センサをフリップチップ構造とした場合の、SQUID磁気センサの性能を実験により調べた。
表1は、超伝導薄膜を取り付けていない場合と取り付けた場合におけるSQUID磁気センサの特性である。超伝導薄膜を取り付けていないSQUID磁気センサでは、臨界電流、SQUID磁気センサが不安定になる外部磁場の振幅、有効磁束捕獲面積及びホワイト磁束ノイズレベルは、それぞれ14μA、0.75μT、0.066mm2、20μφ0/Hz1/2であった。一方、超伝導薄膜を取り付けた場合の同SQUID磁気センサではそれぞれ28.4μA、3.6μT、0.085mm2、14μφ0/Hz1/2であり、臨界電流が約2倍、磁場耐性が約5倍、有効磁束捕獲面積及びホワイト磁束ノイズレベルが約30%向上した。これらの結果から、本発明により、感度を表すホワイト磁束ノイズレベルや有効磁束捕獲面積等のSQUID性能および磁場耐性を向上させることが可能になることが示された。
本発明で提供する、超伝導薄膜を取り付けた薄膜一層構造の直接結合型高温超伝導SQUID磁気センサは、高価な磁気シールドがない環境での微少磁気計測、あるいは磁場中での高感度な磁気計測等に利用可能であり、強磁性体計測を必要とする各種装置に利用できる。
Claims (9)
- バイクリスタル粒界接合部を持つバイクリスタル基板と、該バイクリスタル基板上に第1の高温超伝導薄膜で形成されるピックアップループと、前記バイクリスタル粒界接合部上に前記ピックアップループと直接接続する前記第1の高温超伝導薄膜で形成されたSQUIDリングとを備えた超伝導量子干渉素子(Superconducting QUantum Interference Device:SQUID)磁気センサにおいて、前記ピックアップループを、前記バイクリスタル粒界接合部に重ならない位置にバイクリスタル粒界ラインを中心にして複数配設することを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項1記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記ピックアップループを、十字形状に交差して設けられる1つのバイクリスタル粒界ラインとそれに垂直なラインそれぞれを中心にして両側に2個ずつ配設することを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項1又は2記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記バイクリスタル粒界接合部上に形成された前記SQUIDリングが、第2の高温超伝導薄膜で覆われていることを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項3記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記第2の高温超伝導薄膜が、前記ピックアップループのうち任意の隣接する2個のピックアップループによって形成される隙間を少なくとも覆うことを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項4記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記第2の高温超伝導薄膜が、隙間を形成する前記2個の隣接するピックアップループそれぞれの線幅の1/2以上を覆うようにしたことを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項4記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記ピックアップループ及び前記SQUIDリングと前記第2の高温超伝導薄膜との間に絶縁膜が形成されていることを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項4記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、前記絶縁膜がCeO2であることを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項4記載の高温超伝導SQUID磁気センサにおいて、前記絶縁膜がSTOであることを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
- 請求項3から8の何れか一項記載の高温超伝導型SQUID磁気センサにおいて、表面上に前記第2の高温超伝導薄膜が形成され、かつ前記第2の高温超伝導薄膜の上面に絶縁膜が積層された第2の基板を備えており、該第2の基板と前記バイクリスタル基板とが、前記絶縁膜を介してフリップチップ構造となるように一体化されたことを特徴とする高温超伝導型SQUID磁気センサ。
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