JPWO2010117047A1 - 光学材料、光学素子、及びその製造方法 - Google Patents

光学材料、光学素子、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

例えば赤外域又はこれよりも短い波長の光に対して比透磁率が1と異なり、かつ構造的に安定な光学材料、並びにこれを用いた液体及び固体(光学素子)を提供することを目的とする。照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される粉末(12)であって、粉末(12)を構成する多数の共振素子(14)は、それぞれその照明光の波長と同じ程度か又はこれより小さい幅を有する導電体よりなる分割リング共振器(16)の全面を円板状の絶縁体よりなる保護層(18)で覆ったものである。

Description

本発明は、照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料、この光学材料を含む光学的な液体及び光学素子、その光学材料の製造方法、並びにその光学的な液体及び光学素子の製造方法に関する。さらに詳しくは本発明は、例えば比透磁率が1と異なる光学材料に関する。
従来の光学ガラス等の光学材料はすべて比透磁率がほぼ1であり、かつ比誘電率が1より大きいため、その屈折率は1より大きい正の値であった。これに関して、対象とする光の波長よりも小さく、かつ原子又は分子よりは大きい構造を備え、自然界の物質ではありえない比透磁率及び/又は比誘電率の値を示す物質であるいわゆるメタマテリアル(Metamaterials)が研究されている。そして、例えば波長6cm(周波数5GHz)のマイクロ波に対しては、比透磁率が負の多数の小さい分割リング共振器と比誘電率が負の多数の平行に配置された金属細線とを組み合わせて負の屈折率を有する物質(構造)が実現されている(例えば、非特許文献1参照)。
最近では、赤外域から可視域の光に対して屈折率が負になる物質を実現するために、例えば複数の微小な分割リング共振器を有し、波長が1000〜400nm程度の光に対して比透磁率が1と大きく異なる(負の値を含む)物質が理論的に提案されている(例えば、非特許文献2参照)。その微小な分割リング共振器(比透磁率が負の範囲)と、比誘電率が負の別の物質とを組み合わせることで、赤外域から可視域の光に対して屈折率が負になる物質を実現可能である。
D. R. Smith et al.: "Composite medium with simultaneously negative permeability and permittivity," Phys. Rev. Lett.(米国), 84, pp. 4184-4187 (2000). A. Ishikawa, T. Tanaka and S. Kawata: "Frequency dependence of the magnetic response of split-ring resonators," J. Opt. Soc. Am. B(米国), Vol. 24, No. 3, pp. 510-515 (2007).
従来の微小な分割リング共振器を用いることで、赤外域から可視域の光に対して比透磁率が1と大きく異なるか、さらには負の値になる物質が理論的には実現できる。しかしながら、その物質を例えば可視光に対して適用するには、その分割リング共振器の半径は100nm程度以下になるため、各分割リング共振器をどのように高精度に、かつ大量に製造するかが問題である。さらに、単に多数の分割リング共振器を製造すると、これらの分割リング共振器が接触し、さらには構造が破壊されて、対象とする光に対して所望の比透磁率の特性を示さない恐れもある。
また、微小な分割リング共振器を単にリソグラフィー技術を用いて作製すると、各共振器が2次元平面内に並んで形成されることになり、そのままでは3次元の体積をもった光学材料として用いることができない、という問題がある。さらに、仮に多数の共振器が並んだ2次元平面を堆積させて3次元の体積を持たせたとしても、各共振器の方向が一方向にそろってしまい、光学材料として異方性をもち、等方的な光学材料にならない、という問題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、例えば赤外域又はこれよりも短い波長の光に対して比透磁率が1と異なることが可能で、かつ構造的に安定な光学材料(一種のメタマテリアル)、並びにこの光学材料を用いた液体及び固体(光学素子)を提供することを目的とする。
さらに本発明は、そのような光学材料を高精度に量産できる光学材料の製造方法、及びその光学材料を用いた液体及び固体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料であって、その照明光の波長と同じ程度か又はこれより小さい幅を有する導電体よりなる複数の微小共振器を、それぞれ絶縁体又は半導体よりなる保護膜で包んだ光学材料が提供される。
本発明の第2の態様によれば、照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料であって、その照明光の波長と同じ程度か又はこれより小さい幅を有する導電体よりなり、互いに離れて配置された複数の微小共振器と、絶縁体又は半導体よりなりその複数の微小共振器を包む保護膜と、を含む複数の共振素子を有する光学材料が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、液体に本発明の第1又は第2の態様による光学材料を混入した光学液体が提供される。
また、本発明の第4の態様によれば、本発明の第1又は第2の態様による光学材料を固めた光学素子が提供される。
また、本発明の第5の態様によれば、導電体よりなる複数の微小共振器を、それぞれ絶縁体又は半導体よりなる保護膜で包んで形成される光学材料の製造方法であって、基板上に犠牲層を形成する工程と、その犠牲層上にその絶縁体又は半導体よりなる第1保護層を形成する工程と、その第1保護層上にその導電体よりなる導電層を形成する工程と、その導電層にその複数の微小共振器をパターニングする工程と、そのパターニングされたその複数の微小共振器を覆うようにその絶縁体又は半導体よりなる第2保護層を形成する工程と、その犠牲層を除去する工程と、を含む光学材料の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の態様によれば、導電体よりなり互いに離れて配置された複数の微小共振器を、絶縁体又は半導体よりなる保護膜で包んで形成される複数の光学素子を有する光学材料の製造方法であって、基板上に犠牲層を形成する工程と、その犠牲層の上にその絶縁体又は半導体よりなる第1保護層を形成する工程と、その第1保護層上にその導電体よりなる第1導電層を形成する工程と、その第1導電層に複数のその微小共振器をパターニングする工程と、そのパターニングされた複数のその微小共振器を覆うようにその絶縁体又は半導体よりなる第2保護層を形成する工程と、その光学素子内のその微小共振器の配置に応じて、その第1保護層及び第2保護層の一部を除去する工程と、その犠牲層を除去する工程と、を含む光学材料の製造方法が提供される。
本発明の光学材料によれば、微小共振器を例えば可視光の波長程度以下の大きさにすることで、赤外域又はこれよりも短い波長の光に対して比透磁率が1と異なることが可能である。さらに、各微小共振器が保護膜で包まれているため、複数の微小共振器が直接互いに接触することがなく、構造的に安定である。
本発明の第5又は第6の光学材料の製造方法によれば、それぞれ本発明の第1又は第2の態様の光学材料を例えばフォトリソグラフィー工程を用いて高精度に量産できる。
(A)は、第1の実施形態の光学材料の粉末を示す斜視図、(B)はその粉末を構成する複数の共振素子14(保護層で覆われた分割リング共振器(SRR))の一部を示す拡大斜視図、(C)は一つのSRRを示す拡大斜視図である。 SRRの比透磁率の一例を示す図である。 多数の共振素子14の製造方法の一例を示すフローチャートである。 (A)は露光工程で使用される露光装置を示す図、(B)は第1のレチクルのパターンの一部を示す拡大平面図、(C)は第2のレチクルのパターンの一部を示す拡大平面図である。 多数の共振素子14が製造されるまでの過程中の複数の段階におけるウエハの一部の構造を示す拡大断面図である。 (A)は多数の共振素子14が混入された液体を示す図、(B)は図6(A)のB部の拡大図、(C)は多数の共振素子14を含む光学レンズを示す図、(D)は図6(C)のD部の拡大図である。 (A)は第1変形例の共振素子14Aを示す拡大斜視図、(B)は図7(A)中の分割リング共振器17を示す拡大斜視図である。 (A)は第2変形例で使用されるレチクルR1Aのパターンの一部を示す拡大平面図、(B)はレチクルR1Bのパターンの一部を示す拡大平面図である。 (A)は第3変形例の共振素子14Bを示す拡大斜視図、(B)は共振素子14Bを製造するためのレチクルのパターンの一部を示す拡大平面図である。 (A)は第2の実施形態の共振素子14Cを示す拡大斜視図、(B)は図10(A)の共振素子14Cを示す側面図、(C)は第2の実施形態の光学材料の粉末を示す斜視図である。 (A)は第2の実施形態の別の共振素子14Dを示す拡大斜視図、(B)は図11(A)の共振素子14Dを示す側面図である。 (A)は、共振素子14D中の複数の分割リング共振器(SRR)を示す拡大斜視図、(B)は一つのSRRを示す拡大斜視図である。 共振素子14C,14Dの製造方法の一例を示すフローチャートである。 (A)はSRR用のパターンを示す拡大図、(B)は第1のレチクルのパターンの一部を示す拡大平面図、(C)は第2のレチクルのパターンの一部を示す拡大平面図である。 共振素子14Dの製造工程中の前半の複数の段階におけるウエハの上面の一部の構造を示す拡大断面図である。 共振素子14Dの製造工程中の後半の複数の段階におけるウエハの上面の一部の構造を示す拡大断面図である。 (A)は変形例の共振素子14Eを示す拡大斜視図、(B)は共振素子14Eを製造するためのレチクルのパターンの一部を示す拡大平面図である。
[第1の実施形態]
本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。
図1(A)は本実施形態の光学材料の粉末12を示し、図1(B)は図1(A)の粉末12を構成する一部のそれぞれ保護層で覆われた分割リング共振器である複数の共振素子14を示す拡大斜視図である。なお、以下では分割リング共振器(Split-Ring Resonator)をSRRとも呼ぶ。図1(B)において、複数の共振素子14は、それぞれ例えば銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)などの金属製の分割されたリング状のSRR(分割リング共振器)16の全面を、二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al23)などの絶縁体からなる円板状の保護層18で覆ったものである。なお、保護層18は例えば正方形の平板状等でもよい。
図1(B)では、直交座標系(x,y,z)において、x方向及びy方向に隣接する2つの共振素子14の配列の周期はaであり、z方向に隣接する2つの共振素子14の配列の周期はbである。なお、図1(B)の複数の共振素子14の配列状態は後述の比透磁率を計算するための仮想的な配列であり、図1(A)の粉末12中の多数の共振素子14の配列はランダムである。この実施形態では、SRR16が保護層18で覆われているため、複数のSRR16の横方向及び厚さ方向の平均的な間隔(配列周期)は、それぞれ保護層18の外形によってほぼ規定される。
図1(C)は、図1(B)の一つの共振素子14中のSRR(分割リング共振器)16を示す。図1(C)において、SRR16は、一つのz軸に平行な軸を中心とするリングを円周方向に間隔gで分割した4個の扇形の部材16A,16B,16C,16Dから構成されている。なお、SRRの分割数N(N=2,3,4,5,…)は任意であり、SRR16は、任意の複数の個数の扇形の部材から構成することができる。
また、SRR16の内径はr(直径は2r)、その半径方向の幅はw、その厚さはTである。この場合、文献「A. Ishikawa, T. Tanaka and S. Kawata: "Frequency dependence of the magnetic response of split-ring resonators," J. Opt. Soc. Am. B(米国), Vol. 24, No. 3, pp. 510-515 (2007)」(以下、参考文献Aという)によれば、図1(B)の配列の複数のSRR16による所定の波長λ(角周波数をωとする)の照明光に対する有効な比透磁率μeffは次のようになる。その比透磁率の実数部がμRe、虚数部がμImであり、iは虚数単位である。
Figure 2010117047
また、真空の透磁率をμ0、その誘電率をε0、SRR16の比誘電率をεrとすると、式(1)におけるパラメータF,C,L及びインピーダンスZ(ω)は以下のように表される。
Figure 2010117047
なお、この実施形態では式(4)のパラメータtは使用されていない。また、式(3)における分割数NはSRR16に関しては4であり、式(7)中のRs(ω)はSRR16の表面抵抗、Xs(ω)はSRR16の内部リアクタンスであり、参考文献Aに開示されているように、例えば波長λが可視域になるとRs(ω)はSRR16の材料に応じて0.2〜1.7程度の範囲内の値となり、Xs(ω)は材料に関わらず負の大きい値になる。
また、式(1)によれば、SRR16の形状及び配列に応じて、有効な比透磁率μeffの実数部μReは、図2に示すように照明光の周波数f[THz]が所定の共振周波数(f1〜f3等)よりも小さい所定範囲で1よりもかなり大きくなり、周波数fがその共振周波数よりも大きい所定範囲で負の値になる。また、その共振周波数がf1からf3と高くなるにつれて、実数部μReの絶対値は小さくなっている。なお、共振周波数は、SRR16の形状のパラメータ(r,w,T等)でほぼ規定され、SRR16の配列の周期a,bの寄与は比較的小さいと考えられる。
参考文献Aによれば、SRR16の半径rが幅wと等しく、周期bが350nmで、間隔gが33nmで、厚さTが侵入深さ(penetration depth)の2.5倍で、比誘電率εrが2.25である場合に、その共振周波数f1は300THz(対応する波長λ1は1000nm(1μm))、共振周波数f2は500THz(波長λ2は600nm)、共振周波数f3は700THz(波長λ3は420nm)である。即ち、共振周波数f1に対応する波長λ1は赤外域であり、共振周波数f2,f3に対応する波長λ2及びλ3は可視域である。
また、共振周波数f1(波長λ1:1000nm)が得られるときの式(1)〜式(5)中の周期a、半径r、及びSRR16の外径(外径の幅)である4r(=2(r+w))はそれぞれ875nm、125nm、及び600nmである。また、共振周波数f2(波長λ2:600nm)が得られるときの周期a、半径r、及び外径4rはそれぞれ525nm、75nm、及び300nmであり、共振周波数f3(波長λ3:420nm)が得られるときの周期a、半径r、及び外径4rはそれぞれ350nm、50nm、及び200nmである。この場合、SRR16の厚さTは半径r程度か又はこれより薄いため、SRR16の外形の最大の幅は4rであり、SRR16の外形の大きさ(最大の幅(4r))は、対応する波長λ1〜λ3のほぼ1/2である。
さらに、本実施形態では、保護層18の比透磁率をほぼ1であるとして、共振素子14を比透磁率の実数部μReが1よりもかなり大きい(例えば2より大きい)物質として使用する場合には、その照明光の波長を例えばλ1,λ2(λ3についても同様)より僅かに長い範囲内のλ1b,λ2b(対応する周波数f1b,f2bは共振周波数f1,f2より低い)等に設定すればよい。一方、共振素子14を比透磁率の実数部μReが負の物質として使用する場合には、その照明光の波長をλ1,λ2等より僅かに短い範囲内のλ1a,λ2a(対応する周波数f1a,f2aは共振周波数f1,f2より高い)等に設定すればよい。これによって、共振素子14を比透磁率の実数部μReが1と大きく異なる物質(メタマテリアル)として使用できる。
また、一例として図6(A)に示すように、多数の共振素子14を所定の溶媒中に混合(又は溶解)して光学的な液体30を製造することができる。液体30は、図6(B)の拡大図に示すように、例えば純水等の溶媒(solvent)30a中に多数の共振素子14を混合(溶解)したものである。そして、溶媒30aが水(比誘電率が正)である場合には、共振素子14は例えば図2の波長λ1b又はλ2b等の比透磁率の実数部μReが1よりかなり大きい条件で使用する。この条件では、液体30の屈折率が例えば2より大きい値になるため、液体30を高屈折率液体として使用できる。このような高屈折率の液体は、例えば液浸型の顕微鏡の液浸液、又は後述の液浸型の露光装置の液浸用の液体等として使用可能である。液体中に混合された各共振器の方向はランダムになるため、液体は等方的な光学性質を持つことができる。
さらに、溶媒30aが例えば比誘電率が負の液体である場合には、共振素子14は例えば図2の波長λ1a又はλ2a等の比透磁率の実数部μReが負の条件で使用する。この条件では、液体30の屈折率が負の値になる。このような負の屈折率の液体は、例えばセルに封入することによって、後述の負の屈折率の光学素子のようなスーパーレンズとして使用可能である。
また、別の例として図6(C)に示すように、多数の共振素子14を固めて平板状の光学素子32を製造することができる。光学素子32は、図6(D)の拡大図に示すように、例えば粉末状の媒体32a(充填剤)と共振素子14の粉末とを均等に混ぜ合わせたものを焼結等で固めたものである。そして、例えば媒体32aがない状態で、かつ共振素子14の保護層18が二酸化ケイ素(比誘電率が正)である場合には、共振素子14は例えば図2の波長λ1b又はλ2b等の比透磁率の実数部μReが1よりかなり大きい条件で使用する。この条件では、光学素子32の屈折率が例えば2より大きい値になるため、光学素子32を球面又は非球面のレンズに加工することによって、屈折率が例えば2より大きい光学レンズを製造できる。
一方、媒体32aが例えば比誘電率が負の物質(例えば多数の微細な金属細線、あるいはバンドギャップの小さい誘電体)である場合には、共振素子14は例えば図2の波長λ1a又はλ2a等の比透磁率の実数部μReが負の条件で使用する。この条件では、光学素子32の屈折率が負の値になる。このような負の屈折率の光学素子32に、図6(C)に示すように、外部の物点34から照明光ILが入射すると、その照明光ILは外部の像点36に正確に結像される。従って、光学素子32はいわゆるスーパーレンズとして使用可能である。
次に、図1(A)の多数の共振素子14からなる粉末12の製造方法の一例につき図3のフローチャートを参照して説明する。この製造方法はフォトリソグラフィー工程を使用するものであり、そのフォトリソグラフィー工程では図4(A)に示す露光装置50が使用される。
図4(A)において、スキャニングステッパーよりなる走査露光型で、かつ液浸型の露光装置50は、例えばArFエキシマレーザ(波長193nm)又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)等の照明光(露光光)ILを発生する露光光源(不図示)と、照明光ILでレチクルR1(又はR2等)を照明する照明光学系ILSと、レチクルR1等を移動(走査)するレチクルステージRSTと、レチクルR1等のパターンを所定の投影倍率β(例えば1/4等の縮小倍率)でウエハP上に投影する投影光学系PLと、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内でウエハPを移動(走査及びステップ移動)するウエハステージWSTとを備えている。ウエハPは、例えば直径が200mm、300mm、又は450mm等のシリコン等からなる円板状の基材であり、この上に所定の複数層の薄膜及びフォトレジスト(感光材料)が形成されている。
さらに、露光装置50は、投影光学系PLの下端の光学部材の先端部を囲むように配置されたノズルヘッド51と、ノズルヘッド51内の光学部材とウエハPとの間の局所空間に、照明光ILを透過する純水等の液体Lqを供給する液体供給装置52と、その局所空間内の液体Lqを回収する液体回収装置53とを含む局所液浸機構を備えている。なお、局所液浸機構としては、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている機構を使用してもよい。さらに、液体Lqとして、図6(A)の液体30(高屈折率となる波長域で使用される場合)を使用することも可能である。
このように露光装置50は、液浸型であるため、図1(C)において半径rが50nm程度のSRR(分割リング共振器)16は容易に高精度に製造できる。
また、図4(B)は、図4(A)のレチクルR1のパターン領域内に形成されているパターンの一部を示す拡大平面図である。図4(B)において、レチクルR1のパターン領域には、図1(C)のSRR16を投影倍率βの逆数比で拡大した遮光膜よりなる第1パターン55が、直交する2方向に所定周期で形成されている。
図4(C)は、図4(A)のレチクルR2のパターン領域内に形成されているパターンの一部を示す拡大平面図である。図4(C)において、レチクルR2のパターン領域には、図1(B)の共振素子14の保護層18の外形を投影倍率βの逆数比で拡大した遮光膜よりなる第2パターン57が、直交する2方向に第1パターン55の配列周期と同じ周期で形成されている。露光時には、レチクルR1上の第1パターン55が配置される位置55Aと同じ位置にレチクルR2上の第2パターン57が位置決めされる。また、レチクルR2上の第2パターン57の間の領域58は、複数の共振素子14を分離するための分離帯に対応している。
そして、図3のステップ101において、例えば直径が300mmのシリコンの円板状の1ロット分のウエハを用意する。以下の処理は1ロットのウエハについて順次実行されるが、以下では1枚のウエハPの処理につき説明する。図5(A)〜図5(G)は、それぞれウエハP上に形成される複数層の薄膜の構造の一部を示す拡大断面図である。先ず、薄膜形成装置(不図示)において、図5(A)に示すように、ウエハPの全面に第1のフォトレジスト層22Aを形成する。この第1のフォトレジスト層22Aは、レジストパターンを形成するための感光層としてではなく、最後に多数の共振素子14をウエハPから分離するための犠牲層として使用される。
次のステップ102において、ウエハP上の第1のフォトレジスト層22A上に第1の二酸化ケイ素(SiO2)の層24Aを形成する。次のステップ103において、第1の二酸化ケイ素の層24A上に金属(ここでは例えば銀又はアルミニウム等)の薄膜26を形成する。次のステップ104において、金属の薄膜26上に第2のポジ型のフォトレジスト層22Bを形成する。この第2のフォトレジスト層22Bと第1のフォトレジスト層22Aとは異なるタイプであり、フォトレジスト層22Aはフォトレジスト層22B(及び後述の22C)用の現像液及び溶解液によっては溶解しない。次のステップ105において、ウエハPを図4(A)の露光装置50にロードし、露光装置50でウエハP上の全部のショット領域の第2のフォトレジスト層22Bに、レチクルR1の多数の第1パターン55の像55Pよりなる微小なSRR(分割リング共振器)のパターンを露光する。なお、この例では、図5(A)において多数の像55Pの間の領域が照明光で感光される。
次のステップ106において、ウエハPをコータ・デベロッパ(不図示)に搬送し、ウエハP上の第2のフォトレジスト層22Bを現像する。これによって、図5(B)に示すように、SRRのパターンに対応するレジストパターン22BPが形成される。次のステップ107において、ウエハPをエッチング装置(不図示)に搬送し、レジストパターン22BPをマスクとしてウエハP上の金属の薄膜26をエッチングし、図5(C)に示すように、多数の微小なSRR16を形成する。その後、レジストパターン22BPを除去する。
次のステップ108において、薄膜形成装置(不図示)において、図5(D)に示すように、ウエハP上の多数の微小なSRR16を覆うように、第2の二酸化ケイ素の層24Bを形成する。次のステップ109において、コータ・デベロッパ(不図示)において、ウエハPの第2の二酸化ケイ素の層24B上に第3のポジ型のフォトレジスト層22Cを形成する。次のステップ110において、ウエハPを図4(A)の露光装置50にロードし、露光装置50で、ウエハPの第3のフォトレジスト層22CにレチクルR2の第2パターン57の像57Pを露光する。これによって、ウエハP上の多数のSRR16の間の領域(分離帯)が露光される。その後、コータ・デベロッパ(不図示)において、ウエハP上の第3のフォトレジスト層22Cを現像する。これによって、図5(E)に示すように、ウエハP上の多数のSRR16を覆うように、図1(B)の保護層18が形成される領域にレジストパターン22CPが形成される。
次のステップ111において、エッチング装置(不図示)において、図5(F)に示すように、ウエハP上のレジストパターン22CPをマスクとして第1及び第2の二酸化ケイ素の層24A,24Bをエッチングする。これによって、多数のSRR16は、それぞれ全面が二酸化ケイ素の膜24AP及び24BPによって覆われる。次のステップ112において、ウエハPをコータ・デベロッパ(不図示)に搬送し、ウエハP上の第1のフォトレジスト層22A(犠牲層)を溶解して除去する。第1のフォトレジスト層22Aを除去するためには、プラズマによるアッシング(灰化)処理をしても良い。これによって、図5(G)に示すように、それぞれ二酸化ケイ素の膜24AP及び24BPよりなる保護層18で覆われたSRR16よりなる多数の共振素子14が、ウエハPから分離した状態で製造される。1ロット分のウエハ上から製造された多数の共振素子14を集めたものが図1(A)の粉末12である。
なお、さらに多くの共振素子14を製造する場合には、上記の製造工程で使用された1ロットのウエハを再利用できるため、ウエハは製造コスト上の負担にはならない。
その後、図6(A)の液体30(光学液体)を製造する場合には、ステップ121において、所定の容器内の水等の溶媒30aに多数の共振素子14よりなる粉末を溶かし、必要に応じて攪拌機(不図示)で攪拌する。
一方、図6(C)の光学素子32を製造する場合には、ステップ131において、多数の共振素子14よりなる粉末を所定の型に入れて焼結する。この際に、予め共振素子14の粉末と、粉末状の媒体32a(充填剤)とを均一に混入しておいてもよい。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の粉末12は、照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料であって、多数の共振素子14を含み、各共振素子14は、それぞれその照明光の波長より小さい幅を有する金属(導電体)よりなる微小なSRR(分割リング共振器)16を、二酸化ケイ素等(絶縁体)よりなる保護層18で包んたものである。
本実施形態の光学材料によれば、SRR16を可視光の波長程度以下の大きさにすることで、赤外域又はこれよりも短い波長の光に対して比透磁率の実数部が1と異なることが可能である。さらに、各SRR16が保護層18で包まれているため、複数のSRR16が直接互いに接触することがなく、構造的に安定である。
なお、保護層18の材料としては、絶縁体の他に窒化ケイ素(Si34)等の半導体も使用可能である。
(2)また、粉末12を構成する多数の共振素子14において、SRR16の照明光に対する比透磁率(ひいては透磁率)の実数部が負であり、かつそれを包む保護層18のその照明光に対する比誘電率(ひいては誘電率)の実数部が負であってもよい。これによって、共振素子14又はこれを含む液体若しくは固体は、その照明光に対して負の屈折率を持つ光学材料となる。
(3)また、粉末12を溶媒30aに溶かして作成した液体30は、屈折率が例えば2より大きいか又は屈折率が負の光学液体として使用可能である。
(4)また、粉末12を固めた光学素子32は、屈折率が例えば2より大きいか又は屈折率が負の光学材料として使用可能である。
(5)また、本実施形態の多数の共振素子14の製造方法は、ウエハP上に第1のフォトレジスト層22A(犠牲層)を形成するステップ101と、第1のフォトレジスト層22A上に第1の二酸化ケイ素の層24Aを形成するステップ102と、この上に金属の薄膜26を形成するステップ103と、この薄膜26に複数のSRR16をパターニングするステップ104〜107と、複数のSRR16を覆うように第2の二酸化ケイ素の層24Bを形成するステップ108〜111と、第1のフォトレジスト層22Aを除去するステップ112と、を含んでいる。
従って、本実施形態の多数の共振素子14よりなる粉末12をフォトリソグラフィー工程を用いて高精度に量産できる。
(6)また、第2の二酸化ケイ素の層24Bを形成する工程は、複数のSRR16の間の二酸化ケイ素の層24A,24Bを除去するステップ109〜111を含む。従って、次に第1のフォトレジスト層22Aを除去することで、複数の共振素子14を互いに容易に分離できる。
(7)また、図6(A)の光学的な液体30は、溶媒30a(水等の液体)に多数の共振素子14よりなる粉末12を混入するステップと、粉末12が混入された溶媒30aを攪拌するステップとを含んで製造できる。従って、液体を容易に製造できる。
(8)また、図6(C)の光学素子32は、多数の共振素子14よりなる粉末12を焼結するステップを含んで製造できる。従って、光学素子32を容易に製造できる。
なお、上記の実施形態については以下のような変形が可能である。
(1)上記の実施形態の共振素子14の代わりに、図7(A)の第1変形例に示すように、二重の分割リング共振器17を保護層18で覆った構成の共振素子(保護膜付きの分割リング共振器)14Aを使用してもよい。分割リング共振器17は、図7(B)に示すように、半径rで半径方向の幅wの第1の分割リング17Aを間隔gで幅wの第2の分割リング17Bで囲んだものである。また、分割リング17A,17Bの厚さはTである。この共振素子14Aも、図3の製造方法と同様の製造方法で容易に製造可能である。従って、SRR(分割リング共振器)の構成は任意である。
(2)また、上記の実施形態の液浸型の露光装置50よりも解像度が低い例えばドライ露光型の露光装置を使用して、図3のステップ105において、図4(B)の第1のレチクルR1のパターンの像を露光する場合には、解像度が十分でない恐れがある。この場合には、レチクルR1の多数の第1パターン55をより単純な形状の2つのパターンに分割し、これらのパターンを二重露光してもよい。これによって、低い解像度の露光装置を用いて、微細なSRR16を含む多数の共振素子14を高精度に製造できる。レチクルR1の多数の第1パターン55は、一例として、図8(A)のレチクルR1Aに形成された多数の遮光膜よりなる円形パターン551(第1部分)と、図8(B)のレチクルR1Bの遮光膜中に形成され、縦方向の複数のラインパターン553、横方向の複数のラインパターン554、及びラインパターン553,554の交点に配置される多数の小さい円形パターン552が重なった領域を透過部とするパターン(第2部分)とに分割できる。この第2変形例のレチクルR1A,R1Bのパターンはレチクル1のパターンに比べて単純であり、パターンの周期が広いため、それぞれ露光装置50よりも低解像度の露光装置によって必要な解像度でウエハ上に露光できる。
なお、レチクルR1の多数の第1パターン55をより単純な形状の2つ以上のパターンに分割し、これらのパターンを多重露光してもよい。
(3)また、図6(C)の光学素子32を製造する場合に、多数の共振素子14と混合する媒体32aとして、ゾル状の液体をゾルゲル(Sol-Gel)法で固めた固体を使用してもよい。ゾルゲル法とは、ゾルを加熱等によってゲル状態にした後に、セラミックス等を合成する化学反応である。この場合にも、多数の共振素子14(粉末12)と媒体32aとを混合する段階では、媒体32aはゾル状の液体であるため、多数の共振素子14と媒体32aとを均一に混合できる。
媒体32a用のゾル状の液体としては、一例としてテトラエトキシシラン(Si(OR)4)を使用できる。ここで、−ORはエトキシ基(−OC25)であり、−Rはエチル基(−C25)である。この場合の反応は、一例として以下のようになる。
まず、テトラエトキシシランの純水の水溶液(ゾル)に共振素子14の粉末12を混入して加熱すると、加水分解によってテトラエトキシシランの水溶液は、以下のように水酸化トリエトキシシランとエタノールとのコロイドになる。加熱温度は例えば600℃〜1100℃であり、エタノールは揮発して回収される。
Si(OR)4+H2O+粉末 →Si(OR)3(OH)+ROH+粉末 …(11A)
さらに加水分解を継続すると、以下のような重合反応によって、粉末(共振素子14)と均一に混合している水酸化トリエトキシシランは、二酸化ケイ素のような構造になる。
2×Si(OR)3(OH)+粉末
→(OR)3Si−O−Si(OR)3 +H2O+粉末 …(11B)
従って、最終的に形成される光学素子32は、共振素子14と媒体32aとが均一に混合しているとともに、媒体32aの屈折率は共振素子14の保護層18(二酸化ケイ素であるとする)の屈折率とほぼ同じになるため、界面での反射が低減し、照明光に対する透過率が高くなる。
なお、この反応において、純水が多すぎて媒体32a中の固体の濃度が薄いときには、純水を蒸発させてもよい。
(4)また、上記の実施形態の共振素子14は、誘電率の実数部は正であり、比誘電率の実数部も正(例えば1より大きい実数)であるため、単に共振素子14のみを多数集めても屈折率は正のままである。
これに対して、図9(A)の第3変形例の共振素子14Bで示すように、保護層18内にSRR(分割リング共振器)16をそれぞれx方向及びy方向に挟むようにy方向に細長い1対の線状パターン81X及びx方向に細長い1対の線状パターン81Yを形成してもよい。線状パターン81X,81YはSRR16と同じ導電体(金属等)から形成された微小細線である。
この変形例では、電場ベクトルの振動方向EVYがx軸に平行で(x方向に直線偏光した)、磁場ベクトルの振動方向がz軸に平行な光ILYが共振素子14Bに対してy方向に入射するものとして、光ILYの波長が図2の比透磁率の実数部μReが負の値になる範囲(例えば波長λ3よりも僅かに小さい値)であると仮定する。この場合、線状パターン81Yの線幅(断面積)及びx方向の長さ、並びに多数の線状パターン81Yのx方向、y方向の周期等の配列は、共振素子14Bの光ILYに対する誘電率の実数部が負(比誘電率の実数部も負)になるように設定されている。
この結果、共振素子14B(又はこれを集めたもの)は、光ILYに対する屈折率が負の値になるメタマテリアルとなる。
なお、マイクロ波に対して誘電率の実数部が負になる複数の金属細線の構成例は、文献「D. R. Smith et al.: "Composite medium with simultaneously negative permeability and permittivity," Phys. Rev. Lett.(米国), 84, pp. 4184-4187 (2000)」(以下、参考文献Bという。)に開示されている。図9(A)の変形例の線状パターン81Yは、可視光に対して誘電率の実数部が負になるように、形状及び配列が微細化されている。
また、共振素子14B内のy方向に細長い多数の線状パターン81Xの形状及び配列は、線状パターン81Yと同じであるとする。このとき、電場ベクトルの振動方向EVXがy軸に平行で(y方向に直線偏光した)、磁場ベクトルの振動方向がz軸に平行な光ILX(光ILYと同じ波長であるとする)が共振素子14Bに対してx方向に入射すると、線状パターン81Xによって、共振素子14Bの光ILXに対する誘電率の実数部も負になる。従って、光ILXに対しても共振素子14Bの屈折率は負の値になる。そのため、多数の共振素子14Bを液体に混入するか、又は多数の共振素子14Bを固めて光学素子を形成することによって、所定の波長の光に対して屈折率が負の光学液体又は光学素子を製造できる。
次に、図9(A)の共振素子14Bを製造する場合、図3のステップ105において、図4(B)のレチクルR1の代わりに、図9(B)に示すように、第1パターン55の周囲に線状パターン81X,81Yに対応する遮光膜よりなるラインパターン58X,58Yが形成されたレチクルR3を使用すればよい。
これによって、ウエハPの金属の薄膜26に、多数のSRR16とともに線状パターン81X,81Yを同時にパターニングできる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態につき図10〜図16を参照して説明する。以下、図10(A)〜図12(B)及び図14(A)〜図16において、図1(A)〜図1(C)及び図4(B)〜図13に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略又は簡略化する。
図10(C)は本実施形態の光学材料の粉末12Aを示す。粉末12Aは、多数の微小な共振素子14C又は14Dを集めたものである。図10(A)は粉末12Aを構成する一つの共振素子14Cを示す拡大斜視図、図10(B)は図10(A)の共振素子14Cを示す側面図である。図10(A)において、一つの平面内の直交座標をx軸及びy軸として、その平面に垂直な軸をz軸とする。共振素子14Cは、x方向及びy方向に周期(ピッチ)aでK行×L列に配列された複数の微小な分割リング共振器(Split-Ring Resonator)16(又はSRR16)を、二酸化ケイ素(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al23)などの絶縁体からなる矩形の平板状の保護層18Aで覆ったものである。
Kは1以上の任意の整数、Lは2以上の任意の整数である。なお、K及びLは同一の2以上の整数であることが好ましい。本実施形態では、一例としてK=L=10である。この場合、共振素子14C内にSRR16は10行×10列で100個配列される。なお、保護層18Aは例えば4隅の部分を丸く形成してもよい。SRR16は、それぞれ例えば銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)などの金属製で、z軸に平行な軸に関して軸対称なリングを4つの部分に分割した形状である(図12(B)参照)。図10(B)に示すように、SRR16の厚さ(z方向の幅)Tは、ピッチaよりも小さく、かつ保護層18Aの厚さTpは厚さTの3倍程度である。
なお、図10(A)の1層の複数のSRR16が形成された共振素子14Cの代わりに、図11(A)に示す、複数層の複数のSRR16が形成された共振素子14Dを図10(C)の粉末12Aの光学材料として使用してもよい。図11(A)において、共振素子14Dは、x方向及びy方向に周期(ピッチ)aでK行×L列に配列された複数のSRR16を、z方向に周期(ピッチ)bで第1層15A、第2層15B、及び第3層15C等のM層に配列したものを保護層18Aで覆ったものである。この場合、Kは1以上の任意の整数、L及びMは2以上の任意の整数である。なお、K及びLは同一の2以上の整数であることが好ましい。また、図10(A)の共振素子14Cは、M=1の配列に対応している。
図10(B)の側面図で示すように、共振素子14Dの保護層18Aの厚さTp3は、ほぼ(3×T+(M−1)b)である。なお、図11(A)では、共振素子14Dは3層構造(L=3)である。その他に、一例として、K=L=M=10としてもよい。この場合、共振素子14D内にSRR16は10行×10列×10層で1000個配列される。
図12(A)は、共振素子14D(ただし、2層構造である)の一部を示す拡大図である。なお、共振素子14Dは、複数個の共振素子14Cをz方向に重ねたものとみなすことも可能である。なお、図10(C)の粉末12A中の多数の共振素子14Dの配列はランダムであるが、粉末12A中にはほぼ図12(A)の配列となる共振素子14Dが或る割合で含まれている。
図12(B)は、図12(A)の一つのSRR(分割リング共振器)16を示す。SRR16の形状及び材料は、第1の実施形態の図1(B)のSRR16と同じである。即ち、図12(B)において、SRR16は、内側の半径r、半径方向の幅w、及び厚さTの一つのリングを円周方向に間隔gで分割した4個の扇形の部材16A,16B,16C,16Dから構成されている。なお、SRRの分割数N(N=2,3,4,5,…)は任意である。
また、図12(A)の共振素子14D中の複数のSRR16の直交座標系(x,y,z)上の配列は、第1の実施形態の図1(B)の共振素子14中の複数のSRR16と同じである。従って、第1の実施形態と同様に、図12(A)の配列の複数のSRR16による所定の波長λ(角周波数をωとする)の照明光に対する有効な比透磁率μeffは式(1)で表される。
式(1)によれば、SRR16の形状及び配列に応じて、有効な比透磁率μeffの実数部μReは、図2に示すように照明光の周波数f[THz]が所定の共振周波数(f1〜f3等)よりも小さい所定範囲で1よりもかなり大きくなり、周波数fがその共振周波数よりも大きい所定範囲で負の値になる。また、その共振周波数がf1からf3と高くなるにつれて、実数部μReの絶対値は小さくなっている。なお、共振周波数は、SRR16の形状のパラメータ(r,w,T等)でほぼ規定され、SRR16の配列の周期a,bの寄与は比較的小さいと考えられる。
第1の実施形態と同様に、参考文献Aによれば、SRR16の半径rが幅wと等しく、周期bが350nmで、間隔gが33nmで、厚さTが侵入深さ(penetration depth)の2.5倍で、比誘電率εrが2.25である場合に、その共振周波数f1は300THz(対応する波長λ1は1000nm(1μm))、共振周波数f2は500THz(波長λ2は600nm)、共振周波数f3は700THz(波長λ3は420nm)である。
また、共振周波数f3(波長λ3:420nm)が得られるときの式(1)〜式(5)中の周期a、半径r、及び外径4rはそれぞれ350nm、50nm、及び200nmである。この場合、SRR16の厚さTは半径r程度か又はこれより薄いため、SRR16の外形の最大の幅は4rであり、SRR16の外形の大きさ(最大の幅(4r))は、対応する波長λ1〜λ3のほぼ1/2である。
このように周期a,bが350nmである場合、共振素子14D中のSRR16の配列が100行×100列×100層であるとすると、共振素子14Dの大きさは、ほぼ35×35×35μm3である。従って、共振素子14C,14Dの大きさはμmのオーダーであるため、取り扱いが容易であり、複数の素子が意図せずして凝集すること等を抑制できる。
さらに、本実施形態では、保護層18Aの比透磁率をほぼ1であるとして、共振素子14C(又は14D)を比透磁率の実数部μReが1よりもかなり大きい(例えば2より大きい)物質として使用する場合には、その照明光の波長を例えばλ1,λ2(λ3について
も同様)より僅かに長い範囲内のλ1b,λ2b(対応する周波数f1b,f2bは共振周波数f1,f2より低い)等に設定すればよい。一方、共振素子14D(又は14C)を比透磁率の実数部μReが負の物質として使用する場合には、その照明光の波長をλ1,λ2等より僅かに短い範囲内のλ1a,λ2a(対応する周波数f1a,f2aは共振周波数f1,f2より高い)等に設定すればよい。これによって、共振素子14D(又は14C)を比透磁率の実数部μReが1と大きく異なる物質(メタマテリアル)として使用できる。
また、一例として図6(A)に示すように、多数の共振素子14C(又は14D)を所定の溶媒中に混合(又は溶解)して光学的な液体30を製造することができる。液体30は、例えば純水等の溶媒(solvent)中に多数の共振素子14C(又は14D)を混合(溶解)したものである。そして、溶媒が水(比誘電率が正)である場合には、共振素子14Cは例えば図2の波長λ1b又はλ2b等の比透磁率の実数部μReが1よりかなり大きい条件で使用する。この条件では、液体30の屈折率が例えば2より大きい値になるため、液体30を高屈折率液体として使用できる。このような高屈折率の液体は、例えば液浸型の顕微鏡の液浸液、又は後述の液浸型の露光装置の液浸用の液体等として使用可能である。液体中に混合された各共振器の方向はランダムになるため、液体は等方的な光学性質を持つことができる。
さらに、溶媒が例えば比誘電率が負の液体である場合には、共振素子14C(又は14S)は例えば図2の波長λ1a又はλ2a等の比透磁率の実数部μReが負の条件で使用する。この条件では、液体30の屈折率が負の値になる。このような負の屈折率の液体は、例えばセルに封入することによって、後述の負の屈折率の光学素子のようなスーパーレンズとして使用可能である。
また、別の例として図6(C)に示すように、多数の共振素子14C(又は14D)を固めて平板状の光学素子32を製造することができる。光学素子32は、例えば粉末状の媒体(充填剤)と共振素子14C,14Dの粉末とを均等に混ぜ合わせたものを焼結等で固めたものである。そして、例えば媒体がない状態で、かつ共振素子14C,14Dの保護層18Aが二酸化ケイ素(比誘電率が正)である場合には、共振素子14C,14Dは例えば図2の波長λ1b又はλ2b等の比透磁率の実数部μReが1よりかなり大きい条件で使用する。この条件では、光学素子32の屈折率が例えば2より大きい値になるため、光学素子32を球面又は非球面のレンズに加工することによって、屈折率が例えば2より大きい光学レンズを製造できる。
一方、媒体が例えば比誘電率が負の物質(例えば多数の微細な金属細線、あるいはバンドギャップの小さい誘電体)である場合には、共振素子14C(又は14D)は例えば図2の波長λ1a又はλ2a等の比透磁率の実数部μReが負の条件で使用する。この条件では、光学素子32の屈折率が負の値になる。このような負の屈折率の光学素子32に、図6(C)に示すように、外部の物点34から照明光ILが入射すると、その照明光ILは外部の像点36に正確に結像される。従って、光学素子32はいわゆるスーパーレンズとして使用可能である。
次に、多数の図10(A)の単層の共振素子14C、又は多数の図11(A)の複数層の共振素子14Dからなる粉末12Aの製造方法の一例につき図13のフローチャートを参照して説明する。この製造方法はフォトリソグラフィー工程を使用するものであり、そのフォトリソグラフィー工程では図4(A)に示す液浸型の露光装置50が使用される。このように露光装置50は、液浸型であるため、図12(B)において半径rが50nm程度のSRR(分割リング共振器)16は容易に高精度に製造できる。
また、図14(B)は、図4(A)の露光装置50で使用される第1のレチクルR4のパターン領域内に形成されているパターンの一部を示す拡大平面図である。図14(B)において、レチクルR4のパターン領域には、図10(A)の共振素子14C内の例えば10行×10列に配置された複数のSRR16を投影倍率βの逆数比で拡大した遮光膜よりなる第1パターン56が、直交する2方向に所定間隔で形成されている。第1パターン56は、図14(A)に拡大して示すように、一つのSRR16に対応する分割リング状の遮光膜よりなるリング状パターン55を例えば10行×10列に配列したものである。
図14(C)は、露光装置50で使用される第2のレチクルR5のパターン領域内に形成されているパターンの一部を示す拡大平面図である。図14(C)において、レチクルR5のパターン領域には、共振素子14C,14Dのxy平面上の保護層18Aの外形を投影倍率βの逆数比で拡大した遮光膜よりなる第2パターン57Aが、直交する2方向に第1パターン56の配列周期と同じ周期で形成されている。露光時には、レチクルR4上の第1パターン56が配置される位置56A(多数のリング状パターン55が配置される位置55Aを含む)と同じ位置にレチクルR5上の第2パターン57Aが位置決めされる。また、レチクルR5上の第2パターン57Aの間の領域は、複数の共振素子14C,14Dを分離するための分離帯に対応している。
そして、図13のステップ141において、例えば直径が300mmのシリコンの円板状の1ロット分のウエハを用意する。以下の処理は1ロットのウエハについて順次実行されるが、以下では1枚のウエハPの処理につき説明する。図15(A)〜図15(G)及び図16(A)〜図16(G)は、それぞれウエハP上に形成される複数層の薄膜の構造の一部を示す拡大断面図である。先ず、薄膜形成装置(不図示)において、図15(A)に示すように、ウエハPの全面に第1のフォトレジスト層22Aを形成する。この第1のフォトレジスト層22Aは、レジストパターンを形成するための感光層としてではなく、最後に多数の共振素子14C,14DをウエハPから分離するための犠牲層として使用される。
次のステップ142において、ウエハP上の第1のフォトレジスト層22A上に第1の二酸化ケイ素(SiO2)の層24Aを形成する。次のステップ143において、二酸化ケイ素の層24A上に第1の金属(ここでは例えば銀又はアルミニウム等)の薄膜26Aを形成する。次のステップ144において、金属の薄膜26A上に第2のポジ型のフォトレジスト層22Bを形成する。この第2のフォトレジスト層22Bと第1のフォトレジスト層22Aとは異なるタイプであり、フォトレジスト層22Aはフォトレジスト層22B(及び後述の22C等)用の現像液及び溶解液によっては溶解しない。次のステップ145において、ウエハPを図4(A)の露光装置50にロードし、露光装置50でウエハP上の全部のショット領域の第2のフォトレジスト層22Bに、レチクルR4の多数の第1パターン56の像(SRR16用の多数のリング状パターン55の像55P)を露光する。なお、この例では、図15(A)において多数の像55Pの間の領域が照明光で感光される。
次のステップ146において、ウエハPをコータ・デベロッパ(不図示)に搬送し、ウエハP上の第2のフォトレジスト層22Bを現像する。これによって、図15(B)に示すように、SRR16(像55P)に対応するレジストパターン22BPが形成される。次のステップ147において、ウエハPをエッチング装置(不図示)に搬送し、レジストパターン22BPをマスクとしてウエハP上の金属の薄膜26Aをエッチングし、図15(C)に示すように、第1層15Aの多数の微小なSRR16を形成する。その後、レジストパターン22BPを除去する。
次のステップ148において、薄膜形成装置(不図示)において、図15(D)に示すように、ウエハP上の多数の微小なSRR16を覆うように、第2の二酸化ケイ素の層24Bを形成する。次のステップ149において、化学機械的研磨(Chemical-Mechanical Polishing: CMP)によって、図15(E)に示すように、二酸化ケイ素の層24Bの表面を平坦化する。次のステップ150において、第1層15A上にさらにSRR16の層(ここでは第2層)を形成するかどうかを確認する。第2層を形成しない場合、即ち図10(A)の単層の共振素子14Cを製造する場合には、ステップ151に移行する。ここでは、第2層を形成するものとすると、動作はステップ143に戻り、図15(F)に示すように、二酸化ケイ素の層24B上に薄膜26Aと同じ金属の薄膜26Bを形成し、この上に第3のフォトレジスト層22Cを形成する(ステップ144)。次に、露光装置50によって、ウエハP上の各ショット領域のフォトレジスト層22Cに、レチクルR4の多数の第1パターン56の像(リング状パターン55の像55P)を露光する。
次に、ウエハPのフォトレジスト層22Cを現像し(ステップ146)、図15(G)に示すように、SRR16(像55P)に対応するレジストパターン22CPを形成する。次に、レジストパターン22CPをマスクとしてウエハP上の金属の薄膜26Bをエッチングし(ステップ147)、図16(A)に示すように、第2層15Bの多数の微小なSRR16を形成する。その後、レジストパターン22CPを除去する。
次に、図16(B)に示すように、第2層15Bの多数のSRR16を覆うように、第3の二酸化ケイ素の層24Cを形成する(ステップ148)。次に、図16(C)に示すように、二酸化ケイ素の層24Cの表面を平坦化する。次のステップ150において、ここでは第2層15B上に第3層を形成しないものとして、動作はステップ151に移行し、図16(D)に示すように、コータ・デベロッパ(不図示)において、ウエハPの二酸化ケイ素の層24C上に第4のポジ型のフォトレジスト層22Dを形成する。次のステップ152において、ウエハPを図4(A)の露光装置50にロードし、露光装置50で、ウエハPのフォトレジスト層22DにレチクルR5の第2パターン57の像57Pを露光する。これによって、ウエハP上の多数の共振素子14D(又は14C、以下同様)の間の領域(分離帯)が露光される。その後、コータ・デベロッパ(不図示)において、ウエハPのフォトレジスト層22Dを現像する。これによって、図16(E)に示すように、ウエハP上の各共振素子14Dの多数のSRR16を覆うように、図11(A)又は図1(A)の保護層18Aが形成される領域にレジストパターン22DPが形成される。
次のステップ153において、エッチング装置(不図示)において、図16(F)に示すように、ウエハP上のレジストパターン22DPをマスクとして複数の二酸化ケイ素の層24A〜24Cをエッチングする。これによって、共振素子14D内の多数のSRR16は、それぞれ全面が二酸化ケイ素の膜24AP,24BP,24CPによって覆われる。次のステップ154において、ウエハPをコータ・デベロッパ(不図示)に搬送し、ウエハP上の第1のフォトレジスト層22A(犠牲層)を溶解して除去する。第1のフォトレジスト層22Aを除去するためには、プラズマによるアッシング(灰化)処理をしても良い。これによって、図16(G)に示すように、それぞれ二酸化ケイ素の膜24AP,24BP,24CPよりなる保護層18Aで覆われた第1層15A及び第2層15Bの多数のSRR16よりなる多数の共振素子14Dが、ウエハPから分離した状態で製造される。また、第2層15Bを形成しなかった場合には、多数の共振素子14Cが製造される。1ロット分のウエハ上から製造された多数の共振素子14D(又は14C)を集めたものが図10(C)の粉末12Aである。
なお、3層以上の多数のSRR16を含む共振素子14Dを製造する場合には、ステップ143〜149の動作をその層の回数だけ繰り返せばよい。また、さらに多くの共振素子14C,14Dを製造する場合には、上記の製造工程で使用された1ロットのウエハを再利用できるため、ウエハは製造コスト上の負担にはならない。
その後、図6(A)の液体30(光学液体)を製造する場合には、ステップ161において、所定の容器内の水等の溶媒30aに多数の共振素子14C又は14Dよりなる粉末を溶かし、必要に応じて攪拌機(不図示)で攪拌する。
一方、図6(C)の光学素子32を製造する場合には、ステップ171において、多数の共振素子14C又は14Dよりなる粉末を所定の型に入れて焼結する。この際に、予め共振素子14C,14Dの粉末と、粉末状の媒体32a(充填剤)とを均一に混入しておいてもよい。なお、粉末12A、液体30、及び光学素子32においては、多数の単層の共振素子14Cと、多数の複数層の共振素子14Dとを混合して使用してもよい。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の粉末12Aは、照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料であって、複数の微小な共振素子14C,14Dを含み、共振素子14C,14Dは、それぞれその照明光の波長と同じ程度か又はこれより小さい幅を有する金属(導電体)よりなり、互いに離れて配置された複数のSRR(分割リング共振器)16と、二酸化ケイ素等(絶縁体)よりなり複数のSRR16を包む保護層18Aと、を含む。
本実施形態の光学材料によれば、SRR16を可視光の波長程度以下の大きさにすることで、赤外域又はこれよりも短い波長の光に対して比透磁率の実数部が1と異なることが可能である。さらに、各SRR16が保護層18Aで包まれているため、複数のSRR16が直接互いに接触することがなく、構造的に安定である。さらに、複数のSRR16の相対位置がほぼ固定されるため、その相対位置を制御することで、共振周波数f1〜f3等の特性を容易に制御できる。
なお、保護層18Aの材料としては、絶縁体の他に窒化ケイ素(Si34)等の半導体も使用可能である。
(2)また、共振素子14C内の複数のSRR16は、直交するx軸及びy軸に沿って周期aで配列され、共振素子14D内の複数のSRR16は、直交するx軸及びy軸に沿って周期aで配列されるとともに、z軸に沿って周期bで配列されている。従って、共振素子14C又は14Dによれば、SRR16の2次元的又は3次元的な配列が固定されているため、共振周波数等の特性をさらに容易に正確に制御できる。
(3)また、粉末12Aを構成する多数の共振素子14C,14Dにおいて、SRR16の照明光に対する比透磁率(ひいては透磁率)の実数部が負であり、かつそれを包む保護層18Aのその照明光に対する比誘電率(ひいては誘電率)の実数部が負であってもよい。これによって、共振素子14C,14D又はこれを含む液体若しくは固体は、その照明光に対して負の屈折率を持つ光学材料となる。
(4)また、また、粉末12Aを溶媒に溶かして作成した液体30は、屈折率が例えば2より大きいか又は屈折率が負の光学液体として使用可能である。
(5)また、粉末12Aを固めた光学素子32は、屈折率が例えば2より大きいか又は屈折率が負の光学材料として使用可能である。
(6)また、本実施形態の多数の共振素子14Cの製造方法は、ウエハP上に第1のフォトレジスト層22A(犠牲層)を形成するステップ141と、第1のフォトレジスト層22A上に第1の二酸化ケイ素の層24Aを形成するステップ142と、この上に金属の薄膜26Aを形成するステップ143と、この薄膜26Aに複数のSRR16をパターニングするステップ144〜147と、複数のSRR16を覆うように第2の二酸化ケイ素の層24Bを形成するステップ148,149と、SRR16の配置に応じて、二酸化ケイ素の層24A,24Bの一部を除去するステップ151〜153と、第1のフォトレジスト層22Aを除去するステップ154と、を含んでいる。
この製造方法によれば、本実施形態の多数の共振素子14Cよりなる粉末12Aをフォトリソグラフィー工程を用いて高精度に量産できる。
(7)また、その製造方法は、最初のステップ148の動作と、ステップ151〜153の動作との間で、二酸化ケイ素の層24Bの表面を平坦化するステップ149と、平坦化された二酸化ケイ素の層24B上に第2の金属の薄膜26Bを形成するステップ143と、薄膜26Bに複数のSRR16をパターニングするステップ144〜147と、そのパターニングされた複数のSRR16を覆うように二酸化ケイ素の層24Cを形成するステップ148とを実行することができる。
このようにステップ143〜148の動作を繰り返すことで、多数の複数層のSRR16を含む共振素子14Dを製造できる。
なお、上記の各実施形態については以下のような変形が可能である。
(1)先ず、上記の各実施形態の各共振素子14,14A〜14Dの保護層18,18Aの表面に界面活性剤を塗布してもよい。これによって、複数の共振素子14,14A〜14Dが粉末状態のときに互いに固着することを防止できる。
(2)次に、第1の実施形態の図5(A)のウエハP上の第1のフォトレジスト層22A、又は第2の実施形態の図15(A)のウエハP上の第1のフォトレジスト層22Aの代わりに、犠牲層として例えば二酸化ケイ素の層を形成してもよい。この場合には、ステップ112又はステップ154で犠牲層を溶解する際の溶解液としては例えばフッ酸が使用できる。即ち、ウエハPをフッ酸に漬ければよい。この際の保護層18,18Aの材料(二酸化ケイ素の層24A〜24Cの代わりの材料)としては、フッ酸に溶解しない材料、例えば窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は窒化アルミニウム(AlN)等を使用すればよい。
(3)また、第2の実施形態の共振素子14C,14D内のSRR16の代わりに、第1の実施形態と同様に、図7(B)の二重の分割リング共振器17を使用してもよい。この複数の分割リング共振器17を保護膜18A等で覆った共振素子も、図13の製造方法と同様の製造方法で容易に製造可能である。従って、分割リング共振器の構成は任意である。
(4)また、第2の実施形態において、液浸型の露光装置50よりも解像度が低い例えばドライ露光型の露光装置を使用して、図13のステップ145において、図14(B)の第1のレチクルR4のパターンの像を露光する場合には、解像度が十分でない恐れがある。この場合には、第1の実施形態と同様に、レチクルR4の多数のリング状パターン55をより単純な形状の2つのパターンに分割し、これらのパターンを二重露光してもよい。これによって、低い解像度の露光装置を用いて、微細なSRR16を含む多数の共振素子14C,14Dを高精度に製造できる。
なお、レチクルR4の多数のリング状パターン55をより単純な形状の2つ以上のパターンに分割し、これらのパターンを多重露光してもよい。
(5)また、第1の実施形態において、図6(B)のように、多数の共振素子14,14A,14Bを溶媒30aに混入して液体30を製造する場合、又は第2の実施形態において、多数の共振素子14C,14D等を溶媒30aに混入して液体30を製造する場合、溶媒30aの照明光に対する誘電率の実数部を負にするために、溶媒30aとして、例えば純水に照明光を吸収する色素を混入した溶媒を使用してもよい。色素は、誘電率が負の物質として作用するため、その照明光に対する共振素子14,14A〜14D等の比透磁率の実数部が負であれば、その照明光に対する液体30の屈折率は負になる。
(6)また、多数の共振素子14,14A〜14D等を溶媒30aに混入して液体30を製造する場合、溶媒30aの屈折率を共振素子14,14A〜14Dの保護層18,18Aの屈折率に近づけてもよい。保護層18,18Aが二酸化ケイ素である場合には、屈折率が二酸化ケイ素に近い溶媒として、例えばデカリン(Decalin)又はジシクロヘキシル(Dicyclohexyl)等の炭化水素系の液体(高屈折率液体)を使用してもよい。これによって、溶媒30aと保護層18,18Aとの屈折率差が小さくなり、照明光の保護層18,18Aとの間の界面での反射による光量損失が低減される。
(7)また、第1の実施形態において、多数の共振素子14,14A,14Bと図6(D)の媒体32a(充填剤)とを混合し固めて光学素子32を製造する際、又は第2の実施形態において、多数の共振素子14C,14Dと媒体32a(充填剤)とを混合し固めて光学素子32を製造する際に、媒体32aとしてシリコン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよい。この場合、液体状の熱硬化性樹脂と多数の共振素子14,14A〜14Dとを混合して均一に攪拌する工程と、その混合物を加熱してその熱硬化性樹脂を固める工程とによって、多数の共振素子14,14A〜14Dと固体の媒体32aとが均一に混じった光学素子32を容易に製造できる。
(8)また、第2の実施形態において多数の共振素子14C(又は14D)と混合する媒体32aとして、第1の実施形態と同様にゾル状の液体をゾルゲル(Sol-Gel)法で固めた固体を使用してもよい。
(9)また、第2の実施形態の共振素子14C,14Dは、誘電率の実数部は正であり、比誘電率の実数部も正(例えば1より大きい実数)であるため、単に共振素子14C,14Dのみを多数集めても屈折率は正のままである。
これに対して、第1の実施形態と同様に、図17(A)の変形例の共振素子14Eで示すように、保護層18A内にx軸及びy軸に沿って周期aで配置された多数のSRR(分割リング共振器)16をそれぞれx方向及びy方向に挟むようにy方向に細長い線状パターン81X及びx方向に細長い線状パターン81Yを形成してもよい。線状パターン81X,81YはSRR16と同じ導電体(金属等)から形成された微小細線である。
この変形例では、電場ベクトルの振動方向EVYがx軸に平行で(x方向に直線偏光した)、磁場ベクトルの振動方向がz軸に平行な光ILYが共振素子14Eに対してy方向に入射するものとして、光ILYの波長が図2の比透磁率の実数部μReが負の値になる範囲(例えば波長λ3よりも僅かに小さい値)であると仮定する。この場合、線状パターン81Yの線幅(断面積)及びx方向の長さ、並びに多数の線状パターン81Yのx方向、y方向の周期等の配列は、共振素子14Eの光ILYに対する誘電率の実数部が負(比誘電率の実数部も負)になるように設定されている。
この結果、共振素子14E(又はこれをz方向に積み重ねたもの)は、光ILYに対する屈折率が負の値になるメタマテリアルとなる。なお、マイクロ波に対して誘電率の実数部が負になる複数の金属細線の構成例は、上述の参考文献Bに開示されている。図17(A)の変形例の線状パターン81Yは、可視光に対して誘電率の実数部が負になるように、形状及び配列が微細化されている。
また、共振素子14E内のy方向に細長い多数の線状パターン81Xの形状及び配列は、線状パターン81Yと同じであるとする。このとき、電場ベクトルの振動方向EVXがy軸に平行で(y方向に直線偏光した)、磁場ベクトルの振動方向がz軸に平行な光ILX(光ILYと同じ波長であるとする)が共振素子14Eに対してx方向に入射すると、線状パターン81Xによって、共振素子14Eの光ILXに対する誘電率の実数部も負になる。従って、光ILXに対しても共振素子14Eの屈折率は負の値になる。そのため、多数の共振素子14Eを液体に混入するか、又は多数の共振素子14Eを固めて光学素子を形成することによって、所定の波長の光に対して屈折率が負の光学液体又は光学素子を製造できる。
また、図11(A)の共振素子14Dにおいても、SRR16の近傍にそれぞれ複数の導電体の線状パターンを設けることで、共振素子14Dの所定の光に対する誘電率の実数部を負にできる。その結果、その光に対する共振素子14Dの屈折率が負になる。
次に、図17(A)の共振素子14Eを製造する場合、図13のステップ145において、図14(B)のレチクルR4の代わりに、図17(B)に示すように、リング状パターン55の周囲に線状パターン81X,81Yに対応する遮光膜よりなるラインパターン58X,58Yが形成されたレチクルR3を使用すればよい。
これによって、金属の薄膜26A,26B等に、多数のSRR16とともに線状パターン81X,81Yをパターニングできる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。また、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約をそれぞれ含む2009年4月10日付け提出の米国特許出願第61/202,845号、2009年10月22日付け提出の日本国特許出願第2009−243438号、並びに2009年10月22日付け提出の日本国特許出願第2009−243439号の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用して本願に組み込まれている。
12…多数の共振素子14の粉末、14…共振素子(保護層で覆われた分割リング共振器)、16…分割リング共振器(SRR)、18…保護層、P…ウエハ、22A,22B,22C…フォトレジスト層、24A,24B…二酸化ケイ素の層、26…金属の薄膜、30…液体、32…光学素子

Claims (35)

  1. 照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料であって、
    前記照明光の波長と同じ程度か又はこれより小さい幅を有する導電体よりなる複数の微小共振器を、それぞれ絶縁体又は半導体よりなる保護膜で包んだことを特徴とする光学材料。
  2. 前記微小共振器は、環状部材の一部を切り欠いたものを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学材料。
  3. 前記微小共振器の前記照明光に対する透磁率の実数部は負であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学材料。
  4. 前記微小共振器を包む前記保護膜の前記照明光に対する誘電率の実数部が負であることを特徴とする請求項3に記載の光学材料。
  5. 前記微小共振器の前記照明光に対する透磁率の実数部は正であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学材料。
  6. 前記保護膜内に前記微小共振器に近接して導電体よりなる線状部材が配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学材料。
  7. 照明光が照射される液体又は固体の一成分として使用される光学材料であって、
    前記照明光の波長と同じ程度か又はこれより小さい幅を有する導電体よりなり、互いに離れて配置された複数の微小共振器と、
    絶縁体又は半導体よりなり前記複数の微小共振器を包む保護膜と、
    を含む複数の共振素子を有することを特徴とする光学材料。
  8. 前記複数の微小共振器は、前記保護膜中に、互いに直交する第1軸、第2軸、及び第3軸に沿ってそれぞれ所定周期でK×L×M個(K,Mは1以上の整数、Lは2以上の整数)配列されていることを特徴とする請求項7に記載の光学材料。
  9. 前記微小共振器は、環状部材の一部を切り欠いたものを含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の光学材料。
  10. 前記微小共振器の前記照明光に対する透磁率の実数部は負であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の光学材料。
  11. 前記微小共振器を包む前記保護膜の前記照明光に対する誘電率の実数部が負であることを特徴とする請求項10に記載の光学材料。
  12. 前記共振素子は、前記保護膜内に前記複数の微小共振器に近接して配置された導電体よりなる複数の線状部材を含むことを特徴とする請求項10に記載の光学材料。
  13. 前記微小共振器の前記照明光に対する透磁率の実数部は正であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の光学材料。
  14. 液体に請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学材料を混入したことを特徴とする光学液体。
  15. 前記液体の前記照明光に対する誘電率の実数部が負であることを特徴とする請求項14に記載の光学液体。
  16. 前記液体は色素を含むことを特徴とする請求項15に記載の光学液体。
  17. 前記液体の前記照明光に対する誘電率の実数部が正であることを特徴とする請求項14に記載の光学液体。
  18. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学材料を固めたことを特徴とする光学素子。
  19. 前記光学材料の間に充填剤を混入したことを特徴とする請求項18に記載の光学素子。
  20. 前記充填剤は、ゾル状の液体をゾルゲル法で固めたものであることを特徴とする請求項19に記載の光学素子。
  21. 前記充填剤の前記照明光に対する誘電率の実数部が負であることを特徴とする請求項19又は20に記載の光学素子。
  22. 前記充填剤の前記照明光に対する誘電率の実数部が正であることを特徴とする請求項19又は20に記載の光学素子。
  23. 導電体よりなる複数の微小共振器を、それぞれ絶縁体又は半導体よりなる保護膜で包んで形成される光学材料の製造方法であって、
    基板上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上に前記絶縁体又は半導体よりなる第1保護層を形成する工程と、
    前記第1保護層上に前記導電体よりなる導電層を形成する工程と、
    前記導電層に前記複数の微小共振器をパターニングする工程と、
    前記パターニングされた前記複数の微小共振器を覆うように前記絶縁体又は半導体よりなる第2保護層を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする光学材料の製造方法。
  24. 前記第2保護層を形成する工程は、前記複数の微小共振器の間の前記第2保護層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項23に記載の光学材料の製造方法。
  25. 前記微小共振器をパターニングする工程は、
    前記導電層にレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層に前記複数の微小共振器の像を露光する工程と、前記レジスト層を現像する工程と、前記導電層をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする請求項23又は24に記載の光学材料の製造方法。
  26. 前記犠牲層はフッ酸で溶解し、前記第1及び第2保護層はフッ酸では溶解されない層であり、
    前記犠牲層を除去する工程は、前記基板をフッ酸液に浸すことを特徴とする請求項23〜25のいずれか一項に記載の光学材料の製造方法。
  27. 前記レジスト層に前記複数の微小共振器の像を露光する工程は、前記複数の微小共振器の第1部分の像と、前記複数の微小共振器の第2部分の像とを二重露光することを特徴とする請求項25に記載の光学材料の製造方法。
  28. 導電体よりなり互いに離れて配置された複数の微小共振器を、絶縁体又は半導体よりなる保護膜で包んで形成される複数の光学素子を有する光学材料の製造方法であって、
    基板上に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の上に前記絶縁体又は半導体よりなる第1保護層を形成する工程と、
    前記第1保護層上に前記導電体よりなる第1導電層を形成する工程と、
    前記第1導電層に複数の前記微小共振器をパターニングする工程と、
    前記パターニングされた複数の前記微小共振器を覆うように前記絶縁体又は半導体よりなる第2保護層を形成する工程と、
    前記光学素子内の前記微小共振器の配置に応じて、前記第1保護層及び第2保護層の一部を除去する工程と、
    前記犠牲層を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする光学材料の製造方法。
  29. 前記第2保護層を形成する工程と、前記第1保護層及び第2保護層の一部を除去する工程との間に、
    前記第2保護層の表面を平坦化する工程と、
    前記第2保護層上に前記導電体よりなる第2導電層を形成する工程と、
    前記第2導電層に複数の前記微小共振器をパターニングする工程と、
    前記パターニングされた複数の前記微小共振器を覆うように前記絶縁体又は半導体よりなる第3保護層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項28に記載の光学材料の製造方法。
  30. 前記第1導電層に前記微小共振器をパターニングする工程は、
    複数の前記微小共振器とともに複数の線状パターンをパターニングすることを特徴とする請求項28又は29に記載の光学材料の製造方法。
  31. 前記犠牲層はフッ酸で溶解し、前記第1及び第2保護層はフッ酸では溶解されない層であり、
    前記犠牲層を除去する工程は、前記基板をフッ酸液に浸すことを特徴とする請求項28〜30のいずれか一項に記載の光学材料の製造方法。
  32. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学材料を混入した光学液体の製造方法であって、
    液体に前記光学材料を混入し、
    前記光学材料が混入された前記液体を攪拌することを特徴とする光学液体の製造方法。
  33. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学材料を含む光学素子の製造方法であって、
    前記光学材料を焼結する工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。
  34. 前記光学材料を焼結する前に、前記光学材料と充填剤とを混合する工程を含むことを特徴とする請求項33に記載の光学素子の製造方法。
  35. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学材料を含む光学素子の製造方法であって、
    前記光学材料と熱硬化性樹脂とを混合し、
    前記光学材料と前記熱硬化性樹脂との混合物を加熱して固める
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
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