JPWO2010098459A1 - 水耕栽培システム - Google Patents
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Abstract
【課題】水耕栽培する際に、連作障害を防止できる水耕栽培システムの提供。【解決手段】植物10を栽培する栽培床11を有する水耕栽培施設1を備え、前記栽培床11に含まれる栽培水の存在下で水耕栽培を行う水耕栽培システムにおいて、前記栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有し、好ましくは、該酸化還元性物質はボルタンメトリーにより計測した検出曲線に検出極に電着する際に出現する電流ピークと溶出する際に出現する電流ピークの少なくとも一方が現れる物質であることを特徴とする水耕栽培システム。【選択図】 図1
Description
本発明は水資源の乏しい地域において、水耕栽培などを効果的、永続的に行える水耕栽培システムに関する。
水資源の乏しい地域における植物栽培においては、使用する水を循環使用する観点から、水耕栽培施設が注目されている。
しかし、水を循環使用すると、水の汚染が進み、植物の生育に適した状態に維持できなくなり、汚染対策が必要になる。
特許文献1では、水耕栽培において、培養液中に浸漬させた1対の分極性電極に印加する電圧を制御して、培養液中に含まれる電解質を吸脱着させて濃度制御を行う装置が記載されている。
近年、水耕栽培において、連作障害が問題になっている。特許文献1の技術では、電解質である塩類の除去は可能であるが、塩類の除去では連作障害の問題を解決できない。
連作障害の要因の一つに、植物栽培の障害となる微生物の存在が指摘されている。例えば、フザリウム菌による根腐れ病などが挙げられる。微生物による連作障害は、有害な微生物が水中で増殖して水の汚染が進行し、微生物が作物に感染することで起こる。これに対抗する手段は、殺菌、膜処理などによって水中の微生物を除去するしかないが、この手段によると、作物にとって有用な微生物まで除去されてしまう。
本発明者は、水耕栽培における連作障害を防止できる水について研究を継続した結果、特定の物質が存在する水の存在によって連作障害を防止できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の課題は、水耕栽培する際に、連作障害を防止できる水耕栽培システムを提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、植物を栽培する栽培床を有する水耕栽培施設を備え、前記栽培床に含まれる栽培水の存在下で水耕栽培を行う水耕栽培システムにおいて、前記栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有することを特徴とする水耕栽培システムである。
請求項2記載の発明は、前記栽培水は、微生物処理施設で処理された処理水であり、前記生物由来の酸化還元性物質は、前記微生物処理施設の微生物叢由来の酸化還元性物質であることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培システムである。
請求項3記載の発明は、植物を栽培する栽培床を有し、該栽培床に栽培水を供給して水耕栽培する水耕栽培施設と、該水耕栽培施設から排出される排水を受け入れて処理する微生物処理施設を備え、微生物処理後の処理水を栽培水として前記栽培床に送って、水耕栽培を行うことを特徴とする請求項2記載の水耕栽培システムである。
請求項4記載の発明は、前記微生物処理施設が、腐植質土壌、炭素系素材(炭、骨炭など)、又は窒素ガスを用いるBET比表面積が1m2/g以上の孔隙率の岩石類から選ばれる微生物担持体を充填した充填層を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の水耕栽培システムである。
請求項5記載の発明は、前記水耕栽培施設に供給される栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有し、該酸化還元性物質はボルタンメトリーにより計測した検出曲線に検出極に電着する際に出現する電流ピークと溶出する際に出現する電流ピークの少なくとも一方が現れる物質であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水耕栽培システムである。
請求項6記載の発明は、前記水耕栽培施設に供給される栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有し、該酸化還元性物質は検出極に印加する電位を変化させてクーロメトリーを計測した際に、該検出極に電着させた後に溶出させた際の電気量が所定値以上である物質であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水耕栽培システムである。
請求項7記載の発明は、前記検出極が、炭素電極であることを特徴とする請求項5又は6記載の水耕栽培システムである。
請求項8記載の発明は、生物由来の酸化還元性物質は、検出極に電着される生体キノン類(キノン・ヒドロキノン)であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の水耕栽培システムである。
本発明によると、水耕栽培する際に、連作障害を防止できる水耕栽培システムを提供することができる。
1:水耕栽培施設
2:微生物処理施設(バイオリアクター)
3:脱塩設備
4:温調設備
5A〜5D:配管
10:植物
11:栽培床
110:遮水シート
111:植物栽培土壌
112:蒸発防止シート
113: 植生孔
114:遮光シート
2:微生物処理施設(バイオリアクター)
3:脱塩設備
4:温調設備
5A〜5D:配管
10:植物
11:栽培床
110:遮水シート
111:植物栽培土壌
112:蒸発防止シート
113: 植生孔
114:遮光シート
以下、本発明について詳述する。
本発明の水耕栽培システムは、植物を栽培する栽培床を有する水耕栽培施設を備え、前記栽培床に含まれる栽培水の存在下で水耕栽培を行う水耕栽培システムにおいて、前記栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有することを特徴とする。
本発明の水耕栽培システムの一例を図1に基づいて説明する。
1は水耕栽培施設であり、2は微生物処理施設の一例であるバイオリアクターであり、3は脱塩設備であり、4は温調設備であり、各々の施設や設備は配管5A〜5Dによって接続され、水循環が可能なように構成されることが好ましい。
水耕栽培施設1は、植物10を栽培する栽培床11を備え、配管5Dから栽培水が供給され、植物10の栽培に利用される。水耕栽培施設1で使用され排出された水は、配管5Aからバイオリアクター2に送液され、処理される。処理後の水は、配管5Bを介して脱塩設備3に送られ、脱塩処理されて、配管5Cを介して温調設備4に送られ、温度調節されて、栽培水として水耕栽培施設1に供給される。
栽培床11の形態は特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、長尺方形状の形態に形成してもよい。この形態は、長尺方形状の容器を用いたり、多孔製の素材を長尺方形状に形成したりすることができる。長尺方形状の容器を用いる場合は、その容器内部に、植物栽培土壌を充填し、さらに必要により、稲ワラ、麦ワラ、もみ殻、ピートモスなどの腐植土、粒状または粉末活性炭、肥料などを充填することができる。多孔製の素材を長尺方形状に形成する場合には、発泡ポリウレタンなどの成型品を用いることができ、この場合には液肥を用いることが好ましい。この液肥は本発明においては供給される栽培水がその液肥の機能も有していることが好ましい。
また栽培床は、図2に示すような形態を採用することもできる。この例は、植物栽培を行う場所の栽培土壌を掘削して形成した長尺溝に栽培床を形成したものである。図2において、110は、長尺溝に敷設された遮水シートであり、栽培用のトレイが形成されている。その遮水シート110の上に、植物栽培土壌111を充填する。その土壌には、稲ワラ、麦ワラ、もみ殻、ピートモスなどの腐植土、粒状または粉末活性炭、肥料などを混合できる。植物栽培土壌111には、配管5Dから栽培水が供給される。植物栽培土壌111の上には、栽培水の蒸発を防止するための蒸発防止シート112が被覆されてもよい。その蒸発防止シート112には、植物を上部に伸長させる植生孔113を形成する。
栽培床11の上部には図1に示すような遮光シート114を設けることもできる。このシート114は遮光性、保温性、耐候性を備えたものが好ましい。
本発明では、使用済の排水を微生物処理施設2で処理して得られる処理水を栽培水として水耕栽培施設1に供給するようにして、水の循環系を形成することできる。
かかる態様において、本発明で循環使用できる栽培水は、微生物処理施設で処理された処理水であり、前記生物由来の酸化還元性物質は、前記微生物処理施設の微生物叢由来の酸化還元性物質であることが好ましい。
本発明では、栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有することによって、連作障害の問題を解消できる。
本発明者は、連作障害を防止できる栽培を行う上で、特定の酸化還元性物質に着目している。その意味で、かかる酸化還元物質を検出できる手段、即ち、モニタリング装置が本発明システムに組み込まれることが好ましい。
上記の酸化還元性物質を計測する手段には、ボルタンメトリー、クーロメトリー又は光学的手段があるが、中でもボルタンメトリー、クーロメトリーが好ましい。
たとえばボルタンメトリーを計測する手段は、サイクリックボルタンメトリーなどとして一般に知られている手法であるが、検水となる水によって様々であり、純水の場合には、図3に示すように、検出極に電着する際に出現する電流ピークと電着した被検出物質を溶出する際に出現する電流ピークは確認できない。酸化還元性物質が存在しないからである。
これに対して、微生物処理施設から得られる活性汚泥処理水サンプルについて、サイクリックボルタンメトリーを計測すると、図4のような検出曲線が得られている。この曲線を見ると、電極電位が+側において、酸化波と還元波のいずれにおいても、電流ピークが認められる。この分析条件は、検出極がグラッシーカーボン電極(18℃)、電位掃引速度10secV-1で、液−電極静止系である。この電流ピークは検出極に酸化還元性物質が電着及び溶出した際のものである。
本発明者による実験によると、かかる電流ピークは、白金電極では認められなかった。従って、本発明において、上記の酸化還元物質を検出際の検出極は、炭素電極であることが好ましい。
上記の酸化還元物質と連作障害の関連に関して、本発明者は、水田は2期作を行なったり、あるいは毎年同じ水田で稲作ができている点に着目し、その水田の水が稲作連作障害防止に有効な性質を有しているのではないかと考え、研究を継続した。
本発明者の知見によると、この水田土壌の上澄水からは、図5に示すように、電位的に卑側、及び電位的に貴側の領域において複数の電流ピークが確認でき、複数の酸化還元性物質が検出されていることを見出した。
すなわち、水田土壌そのものがバイオリアクターの微生物担体になっているものと考えられる。そのような微生物担体をもたない水耕栽培システムでは、水の生物処理を行うリアクターを設置する必要があるので、本発明では微生物処理施設を設けることが好ましい。
連作障害を起こさない水耕栽培の条件として、栽培水は、十分に生物処理されていることが好ましく、その結果として、処理水中にある濃度以上の酸化還元性物質が存在することになる。
水耕栽培を行う際に、その栽培水中に、上述の酸化還元性物質がボルタンメトリー、クーロメトリー又は光学的手段などによって検出できる場合は、長期(1カ月以上)の使用にかかわらず水耕栽培における作物の成長に支障は生じていない。しかし、酸化還元性物質の検出ができなくなった栽培水、あるいは、検出量が初期の良好な状態の1/10以下になった栽培水で水耕栽培すると、作物成長率が大きく低下(上述の良好な成長状態の70%程度など)あるいは枯死等を起こす現象が発生した。これは連作障害を引き起こしていると考えられる。
本発明者は、上記の酸化還元性物質がいかなる化合物であるかの解析を行うことを試み、吸収スペクトルと、紫外線及び電気化学的検出器を用いる液体クロマトグラフィー(LC)を採用した。図6には吸収スペクトルが示され、図7には液体クロマトグラフィー(LC)の結果が示されている。
その分析の結果から、上記の酸化還元性物質は分子量100程度(LCにおいて、原核生物などが有するユビキノン(分子量1000程度)よりは、かなり分子量が小さく200〜300程度と考えられる。)のキノン系物質と考えられる。このキノン系物質は、生物由来の酸化還元性物質である。
本発明において、「生物由来の酸化還元性物質」というのは、元来、微生物の生体内に、特に細胞内において、酸化体あるいは還元体のいずれかの形態で存在する酸化還元性物質であるが、本発明では、その中でも、本発明に適用される微生物処理におけるその微生物の生体内に、特に細胞内において、酸化体あるいは還元体のいずれかの形態で存在する酸化還元性物質であり、電気化学的に電子供与体あるいは電子受容体となる物質で、検出極に電着、溶着可能な物質である。
このような酸化還元性物質としては、たとえばキノン−ヒドロキノン対を有する芳香族有機化合物が挙げられるが、これらに限定されず、水系の酸化還元状態によって観察される酸化還元性物質の種類は異なってくることを考慮されなければならない。これは微生物叢が異なる当然の結果と考えられる。
かかる生物由来の酸化還元性物質は、ボルタンメトリーで、電流ピークとして現れることにより確認可能であり、微生物と電極間の電荷移動(エレクトロンシャトル)を担い、かかる物質の存在が連作障害防止に寄与する。なお、本発明における酸化還元物質には、水処理で一般的に使用される鉄塩(2価の還元体―3価の酸化体)は含まない。上述の電流ピークはなく、連作障害の防止に寄与しないからである。
酸化還元性物質の検出法としては、電気化学的な検出手段の他に近紫外線領域の吸光度をモニタリングしていくこともできる。
しかし、非常に微量の酸化還元性物質を良好に検出する場合、いずれの方法においても濃縮することが求められ、このとき、炭素を検出極とするモニタリングは次の点で優れている。
低温で焼成(1500〜2000℃程度)した炭素電極、高温焼成(2000〜2500℃)のグラファイト質電極ともに、酸化還元性物質をその表面に電着、濃縮できるので、高感度の検出が可能になる。一方、光学的方法は溶媒抽出や吸着処理など、別途の濃縮操作が必要になる。このような酸化還元性物質を水質の維持するレベルにまで水中に溶存させるためには、微生物担体をもつ微生物処理施設(バイオリアクター)を用いることが有効と考えられる。
本発明において好ましく適用可能な微生物処理施設(バイオリアクター)としては、腐植質土壌、炭素系素材(炭、骨炭など)、又は窒素ガスを用いるBET比表面積(以下、単に比表面積という)として1m2/g以上の孔隙率の岩石類から選ばれる微生物担持体を充填した充填層を備えることが好ましい。処理の際に、充填層の下方から空気を送って好気状態で処理してもよいし、あるいは空気供給と空気停止を断続的に行ってもよいし、空気を送らなくてもよいが、好ましくは好気性下で水耕栽培施設から排出される排水を透過させて処理して得られた水を、栽培水として水耕栽培施設に送ることが好ましい。
比表面積1m2/g以上の微生物担持体とは、通常の岩石をサブmm以下に破砕したもの、あるいは本来、比表面積1m2/g以上の材料であり、たとえば活性炭では数100m2/g、表面酸化処理した炭素繊維フェルトでは数m2〜数10m2/g程度の比表面積をもつ。比表面積が1m2/g未満では良好な微生物担持体にならず、本発明における充填層に使用することはできなかった。
次に、本発明のシステムにおいて、水質のモニタリング装置を設けることができる。かかるモニタリング装置について以下に説明する。
第1に、検出極に印加する電位を所定速度で変化させてボルタンメトリーを計測する手段を含む場合は、該ボルタンメトリーにおいて、前記栽培水中の被検出物質を該検出極に電着する際に出現する電流ピークと電着した被検出物質を溶出する際に出現する電流ピークを確認する確認手段を含むことが好ましい。このモニタリングで検出される電流ピークを示す物質が、本発明で言う酸化還元性物質である。
第2に、検出極に印加する電位を変化させてクーロメトリーを計測する手段を含む場合は、該クーロメトリーにおいて、前記検水中の被検出物質が該検出極に電着させた後に電着した被検出物質を溶出する際の電気量を算出する算出手段を含むことが好ましい。このモニタリングによって算出された電気量が、所定値以上である物質が本発明で言う酸化還元性物質である。
次に、図8に基づいて、本発明に適用されるモニタリングシステムの構成例を説明する。
図8において、500は電極部、501は計測部であり、502は表示部である。電極部500は、検出極504、検出極と対をなす対極505、図示しない参照極によって構成される。506、507は、リード線である。
検出極を構成する物質としては、酸化還元性物質を電着して濃縮できることから炭素材が好ましく用いられる。炭素材としては、炭素、グラファイト、導電性炭化物(カーバイト)繊維などの炭素材からなる板状(例えば円盤状)、ワイヤー状又は網状電極を用いることができる。
対極505には、例えば白金やその他の陽極として安定な金属やグラファイト芯などが用いられる。また、参照電極としては例えばAg/AgCl電極などが用いられる。
計測部501は、ボルタンメトリー又はクーロメトリーを計測できる構成が採用される。
計測部501は、例えば電極に電圧を印加する電源部508と、電解電流を計測する電解電流計測部509と、電解電流計測部で測定された電流値を出力する電流値出力部510からなる。
電源部508が電極に印加する電圧は、ボルタンメトリー計測の場合は、所定の掃引速度で電位を変化せて印加し、クーロメトリー計測の場合は極性(+、−)を一定時間毎に反転させる交番電圧を印加する。
クーロメトリー計測の場合、印加方法(波形)としては、矩形波、のこぎり波、sin曲線が挙げられるが、中でも矩形波が好ましい。例えば陽極に引きつけられていた物質は、極性を反転させると、反対に放出されるため電流が流れる。この電流(出力電流)又は溶出電気量を、電解電流計測部509において計測する。
電流値出力部510は電解電流計測部509において計測された電流値又は溶出電気量をモニターなどの表示部502へ出力する。
図9に基づいて、クーロメトリー計測例を説明する。
電極材として、キノン−ヒドロキノン系有機化合物のような酸化還元性物質を電着し、表面に濃縮していくことができる炭素、グラファイトなどを用いる。
同図に示すように、−0.8vで印加していた電圧を+0.3vにすると、極性が反転する。反転によって、例えば陽極に引きつけられていた物質は、極性を反転させると、反対に放出されるため、溶出電流が流れる。
図9において、溶出電流は、符号aで示されている。溶出電気量は、再び反転するまでに測定された電流量であり、図形の三角部分の面積(積算電気量)に相当する。
図9において、実線は水耕栽培において、連作障害を起こすことなく栽培作物の生育に適する水質の水の溶出電流値を測定したものであり、破線は、生育に適さない連作障害を引き起こす水質の水を測定したものである。この高さが高いほど水質が良好な水と判断できる。
図9に示す印加電圧は、例示的に示したものであり、−1.0〜+1.0v(vsAg/ AgCl)で任意に選択可能である。印加時間(極性反転の間隔)は、10分〜10秒程度までが好ましく、より好ましくは、例えば電着が5分、溶出が30秒程度あるいは電着および溶出共に20秒程度などである。
本発明において、循環水から塩類を除去するために設けられる脱塩設備3としては、電気透析法、逆浸透法、イオン交換法などのいずれでもよいが、電気的なエネルギー源として太陽電池を用いることが好ましい。また水温を調節するための温調設備4は、例えば夜間の温度低下を調整するために、昼間に太陽光発電で蓄電しておいて夜間に使用することも好ましい。
本発明では、初期の栽培水は、外部から供給される水を用いることができるが、その場合、たとえば河川水、地下水などを用いたり、また雨水を貯留した水や、汚染された河川水を蒸留した水などでもよい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
実施例1
検出極がグラッシーカーボン電極(18℃)、電位掃引速度10secV-1で、液−電極静止系で分析したサイクリックボルタングラムが、図10に示される水を栽培水として用い、トマトの水耕栽培を行った。
検出極がグラッシーカーボン電極(18℃)、電位掃引速度10secV-1で、液−電極静止系で分析したサイクリックボルタングラムが、図10に示される水を栽培水として用い、トマトの水耕栽培を行った。
図10では、電極電位が+側において、酸化波と還元波のいずれにおいても、電流ピーク(矢印部)が認められる。
水耕栽培の評価は、発芽から14日間の生長(cm)と、根腐れ病の原因とされている菌であるフザリウム菌の検出の有無により行った。
なお、フザリウム菌の検出は、抗原抗体法により行った。
比較例1
実施例1と同様の分析方法で得られるボルタングラムが図11のような、電流ピークが認められない水を栽培水として、実施例1と同様にトマトを栽培し、評価した。
実施例1と同様の分析方法で得られるボルタングラムが図11のような、電流ピークが認められない水を栽培水として、実施例1と同様にトマトを栽培し、評価した。
実施例1〜3、比較例1の結果を表1に示す。
表1より、比較例1では、フザリウム菌が検出されたのに対し、実施例1では、フザリウム菌が検出されなかった。また、実施例1は、比較例1に比べて苗の生長も早いことがわかった。
本発明の水耕栽培システムは、水資源が乏しい地域における家畜飼料作物を含む各種農産物の水耕栽培に適している。特に、家畜用作物を本システムで生産すれば、草地の草本類が家畜の食圧から回避されるため、大きな砂漠防止効果を得ることができる。
Claims (8)
- 植物を栽培する栽培床を有する水耕栽培施設を備え、前記栽培床に含まれる栽培水の存在下で水耕栽培を行う水耕栽培システムにおいて、
前記栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有することを特徴とする水耕栽培システム。 - 前記栽培水は、微生物処理施設で処理された処理水であり、前記生物由来の酸化還元性物質は、前記微生物処理施設の微生物叢由来の酸化還元性物質であることを特徴とする請求項1記載の水耕栽培システム。
- 植物を栽培する栽培床を有し、該栽培床に栽培水を供給して水耕栽培する水耕栽培施設と、該水耕栽培施設から排出される排水を受け入れて処理する微生物処理施設を備え、微生物処理後の処理水を栽培水として前記栽培床に送って、水耕栽培を行うことを特徴とする請求項2記載の水耕栽培システム。
- 前記微生物処理施設が、腐植質土壌、炭素系素材(炭、骨炭など)、又は窒素ガスを用いるBET比表面積が1m2/g以上の孔隙率の岩石類から選ばれる微生物担持体を充填した充填層を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の水耕栽培システム。
- 前記水耕栽培施設に供給される栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有し、該酸化還元性物質はボルタンメトリーにより計測した検出曲線に検出極に電着する際に出現する電流ピークと溶出する際に出現する電流ピークの少なくとも一方が現れる物質であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水耕栽培システム。
- 前記水耕栽培施設に供給される栽培水が、印加される電位によって酸化体と還元体に変換する生物由来の酸化還元性物質を含有し、該酸化還元性物質は検出極に印加する電位を変化させてクーロメトリーを計測した際に、該検出極に電着させた後に溶出させた際の電気量が所定値以上である物質であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水耕栽培システム。
- 前記検出極が、炭素電極であることを特徴とする請求項5又は6記載の水耕栽培システム。
- 生物由来の酸化還元性物質は、検出極に電着される生体キノン類(キノン・ヒドロキノン)であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の水耕栽培システム。
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