JPWO2010098435A1 - 癌転移部位検出方法、検出用キットおよびこれらを用いる癌の治療方法 - Google Patents

癌転移部位検出方法、検出用キットおよびこれらを用いる癌の治療方法 Download PDF

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Abstract

癌の外科的な治療において、癌転移部位を術前または術中に検出し、癌の転移範囲をあらかじめ特定しつつ外科手術を行うこと。癌の外科的治療に際し、患者の癌転移部位を検出する方法を提供する。すなわち、外科手術に先立って前記患者から癌組織の生検試料を採取するステップと、採取した試料を、前記癌において特異的に発現するタンパク質に対する1種または2種以上の抗体を用いてインビトロにて免疫染色するステップと、前記生検試料の癌細胞を染色しうる少なくとも1種の抗体を選択するステップと、前記選択された抗体を用いて前記患者を画像処理(イメージング)するステップと、を含む。

Description

本発明は、癌の転移部位を検出する方法、および当該方法との組み合わせによる癌の外科的治療方法に関する。より詳細には、患者の癌に対する1種または2種以上の抗体を用意し、これを用いてあらかじめ患者の癌抗原を特定し、外科手術を行う際に当該患者の癌抗原特異的な抗体によるイメージング(画像処理)を行いながら癌の転移範囲を特定しつつ外科手術を行う方法、並びに癌転移部位を検出するためのキットに関する。
胃癌は、我が国で最も多い癌であり、その死亡率も肺癌に次いで2番目に高い悪性疾患である。胃癌の外科的手術では、内視鏡での早期癌の切除や、腹腔鏡での手術など侵襲の少ない治療方法が開発途上にはあるものの、現在も基本的に広範な切除が行われており、患者の苦労は大きい。現在の胃癌や食道癌の外科手術は長時間を要する場合もあるが、そのほとんどの時間は転移の可能性のあるリンパ節を除去するために費やされている。治療的切除をめざす場合にリンパ節転移の可能性があれば、広範な郭清は必須と考えられてきた。例えば、早期胃癌においては、リンパ節への転移比率は20%程度であり、実際は転移していない80%の患者にとっては、無用なリンパ節切除が行われていたことになる。また、広範な切除はリンパ節だけではない。粘膜内にとどまる胃癌はリンパ節転移がないと想定されるがゆえに、内視鏡的に胃癌を含む粘膜層のみ切除すれば根治が見込まれている。それと同様に、もしリンパ節郭清が必要でなければ、胃癌手術は原発腫瘍部分を除去できるような胃部分切除を行えば、広範な胃切除は必要ではない。しかし、リンパ節郭清を行うがゆえに、そのリンパ節が所属する血管やその血流支配を受ける領域まで手術的に処理する必要が生じ、胃亜全摘・胃全摘などの広範な胃切除が行われている。そしてこうして努力してリンパ節を郭清しても、ステージ2および3の胃癌手術症例の30〜40%には様々な形で再発が起こってしまう。
乳癌においても、かつては乳房を全部取ってしまう単純切除術や、大胸筋まで切除するハルステッド手術がかなり行われてきた。しかし、QOLのあまりの低下と、こうして大きく切除しても転移がなくならない例も多いことから、近年ではリンパ節転移の正確な評価をめざすセンチネルリンパ節(病変部から最初にがん細胞が到達するリンパ節、センチネルとは見張り番という意味)生検などが日常的に行われ、正確なリンパ節転移の有無が評価されるようになってきた。
癌がリンパ節に転移する場合は、ランダムに転移が生じることは無く、一定のパターンに従って、病変部からリンパ管を経て、リンパ節に転移する。癌の原発巣からリンパ管に入った癌細胞が最初に到達するリンパ節をセンチネルリンパ節(Sentinel Lymph Node)という。癌がリンパ節に転移している場合には、必ずセンチネルリンパ節に転移があると考えられる。
そのため、早期癌における癌切除手術中に、センチネルリンパ節を見つけ、生検し、迅速病理検査を行うことにより、リンパ節への転移の有無を見つけることができる。センチネルリンパ節に癌が転移していない場合には、残りのリンパ節の切除は不要となる。センチネルリンパ節に転移があると、転移状況に応じて、病変部周囲のリンパ節を郭清する。
従来のセンチネルリンパ節の検出方法の一つとしては、青色蛍光色素インドシアニングリーンを用いた色素法が知られている。癌切除手術直前に青色蛍光色素を癌周囲に経皮的に、あるいは漿膜下層か内視鏡を用いて粘膜下層に局注する。注入された色素は、5分から15分後には、センチネルリンパ節に達する。観察者は青色に染まったセンチネルリンパ節を目視により検出する。
しかしリンパ節は脂肪などの生体組織に覆われていることが多く、生体組織の剥離を行いながらセンチネルリンパ節を探す必要があり、検出に時間がかかる。また、その間に色素がセンチネルリンパ節の下流のリンパ節まで達してもしまうことがあり、その場合にはセンチネルリンパ節の検出が困難になるという問題があった。
またラジオアイソトープをトレーサーとして使用したRI法が開発され、実用化されつつある。RI法では手術前日にラジオアイソトープを癌の周囲に経皮的または内視鏡により局注する。注入されたラジオアイソトープは注入部位よりリンパ管に移行し、一定時間センチネルリンパ管に留まる。ラジオアイソトープ注入の数時間後に、リンファシンチグラフィーを行い、大まかな位置をマーキングし、癌の切除部手術の際に、その位置を切開し、ガンマプローブを用いて切開位置周辺のリンパ節から放射されるガンマ線量検出し、センチネルリンパ節として検出する。
一方、近年、蛍光色素を用いた病変組織を検出する蛍光色素法が提案されている。例えば特許文献1にはシアニン系色素を生体に投与し、励起光を照射することにより病変部を検出する方法が開示されている。上記特許文献1に開示された蛍光色素法では、腫瘍親和性を示し、光により励起された時に蛍光を発する光感受性物質を蛍光診断薬としてあらかじめ生体に投与し、光感受性物質の励起波長帯域にある励起光を照射して病変部に集積した蛍光診断薬から蛍光を生じせしめ、この蛍光を受光することにより病変部の局在、浸潤範囲を検出している。またセンチネルリンパ節にも上記蛍光色素は蓄積され、検出可能であると記載されている。
国際公開WO98/48845号
しかしながら、上記の手法は、あくまでリンパ節転移がおこるとしたら最初に転移する可能性の高いリンパ節を描出しているに過ぎない。上述したように、最近ようやく術中に病変部に蛍光色素やRIを注入して、センチネルリンパ節がどこになるかの臨床研究が行われているが、この方法ではリンパ節をとった後で迅速に病理検査(術中迅速という。)を行って転移の有無を調べなくてはならない。すなわち、この方法では(1)脂肪に覆われたリンパ節を探して切除するのに時間を要する、(2)転移の有無の判定にはリンパ節の迅速病理検査(術中迅速)を要する、(3)センチネルリンパ節より遠隔のリンパ節について情報が得られない、(4)広範なリンパ節郭清を行うか行わないかの二者択一しか判定できない、などの欠点がある。
また、胃癌のようにリンパ流が複雑な臓器の癌においては、センチネルリンパ節を発見するのはさらに困難である。触診によって3ミリ程度の大きさの腫瘍は認識可能であるが、1ミリ程度のリンパ節転移を検出する技術が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、予め患者の癌組織の生検を行い、当該癌において特異的に発現するタンパク質に対する抗体を用いて生検試料の免疫染色を行えば、その患者の癌細胞を染色し得る抗体を特定することを通じて、その患者の癌細胞で特異的に発現しているタンパク質を特定できることを見出した。さらにその患者の癌細胞を染色し得る抗体を検出可能に標識して患者に投与することによって、転移部位を含めて癌細胞をイメージングできることを見出した。
また、特定の癌において特異的に発現するタンパク質(いわゆる腫瘍マーカー)は、患者によって発現の有無にばらつきがあることが知られるが、例えば胃癌においては、腫瘍マーカーを10種類程度特定しておけば、そのうちのいずれかに対する抗体で、ほとんどの患者の癌細胞を検出できることを見出した。従って、当該10種類程度の腫瘍マーカーに対する抗体を用意しておけば、術前又は術中にその患者において発現している腫瘍マーカーを免疫染色により迅速に特定し、当該腫瘍マーカーに対する抗体を利用して転移部位を含めた癌細胞をイメージングできる。
すなわち、本発明は、
〔1〕癌の外科的治療に際し、患者の癌転移部位を検出する方法であって、外科手術に先立って前記患者から癌組織の生検試料を採取するステップと、採取した試料を、前記癌において特異的に発現するタンパク質に対する1種または2種以上の抗体を用いてインビトロにて免疫染色するステップと、前記生検試料の癌細胞を染色しうる少なくとも1種の抗体を選択するステップと、前記選択された抗体を用いて前記患者を画像処理(イメージング)するステップと、を含む癌転移部位の検出方法;
〔2〕前記抗体が、前記癌の原発腫瘍において発現し、かつ当該癌の転移可能な正常周辺組織細胞においては発現しないタンパク質に結合する上記〔1〕に記載の方法;
〔3〕前記癌が肝癌、胃癌、膵癌、食道癌、肺癌、腎癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌または大腸癌である上記〔1〕または〔2〕に記載の方法;
〔4〕前記インビトロにて免疫染色するステップにおいて、AFP、PIVKA−II、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、YH−206、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、CA50、Span−I、DUPAN−2、SLX、SCC、CYFRA21−1、CA15−3、ERBB2(HER2)、BRCA1、STN、GAT、PSA、γ−セミノプロテイン、MUC17、TM4SF20、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRから選択される少なくとも1つのタンパク質に対する抗体を用いる上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法;
〔5〕前記癌が胃癌であり、前記インビトロにて免疫染色するステップにおいて、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRから選択される少なくとも1つのタンパク質に対する抗体を用いる上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法;
〔6〕前記癌が胃癌であり、前記インビトロにて免疫染色するステップにおいて、CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、及びEREGに対する抗体を用いる、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法;
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれか記載の方法により癌転移部位を検出すること、及び、外科手術により患者の原発腫瘍および前記抗体によって造影された周辺組織を切除することを含む癌の治療方法;
〔8〕特定の癌において特異的に発現する1または複数のタンパク質に対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、前記各抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、を含む、術前または術中診断において癌転移部位を検出するためのキット;
〔9〕前記タンパク質が、AFP、PIVKA−II、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、YH−206、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、CA50、Span−I、DUPAN−2、SLX、SCC、CYFRA21−1、CA15−3、ERBB2(HER2)、BRCA1、STN、GAT、PSA、γ−セミノプロテイン、MUC17、TM4SF20、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRからなる群より選択される上記〔8〕に記載のキット;
〔10〕カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRから選択される少なくとも1つのタンパク質に対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、前記抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、を含む、術前または術中診断において胃癌の転移部位を検出するためのキット;及び
〔11〕CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、及びEREGに対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、前記抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、を含む、術前または術中診断において胃癌の転移部位を検出するためのキット、に関する。
本発明の方法によれば、リンパ流を利用せずに、癌細胞自体を特異的に検出することができるので、転移範囲を正確に知ることができ、無用なリンパ節の切除等を防いで患者の負担を軽減することができる。また、手術範囲が限定されるので、腹腔鏡などで手術を行うこともでき、患者に対する侵襲をさらに大幅に減らすことができる。手術の時間や費用を減少させることも可能である。
図1は、正常組織標本及び癌組織標本におけるCDH17のRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図2は、正常組織標本及び癌組織標本におけるGUCY2CのRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図3は、正常組織標本及び癌組織標本におけるNMUR2のRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図4は、正常組織標本及び癌組織標本におけるSLC28A2のRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図5は、正常組織標本及び癌組織標本におけるPTPRRのRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図6は、正常組織標本及び癌組織標本におけるMUC17のRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図7は、正常組織標本及び癌組織標本におけるTM4SF20のRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図8は、正常組織標本及び癌組織標本におけるERBB2(HER2)のRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図9は、正常組織標本及び癌組織標本におけるEREGのRNA発現をマイクロアレイで解析した結果である。 図10は、胃癌の原発腫瘍組織におけるCDH17タンパク質発現を免疫染色で検出した結果である。 図11は、胃癌の原発腫瘍組織におけるNMUR2タンパク質発現を免疫染色で検出した結果である。 図12は、胃癌の原発腫瘍組織におけるSLC28A2タンパク質発現を免疫染色で検出した結果である。 図13は、胃癌のリンパ節転移組織におけるCDH17タンパク質発現を免疫染色で検出した結果である。 図14は、分化型胃癌の原発腫瘍及びリンパ節転移組織におけるCDH17タンパク質の発現を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図15は、胃癌の原発腫瘍及びリンパ節転移組織におけるMUC17タンパク質及びCDH17タンパク質の発現を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図16は、胃癌の原発腫瘍及びリンパ節転移組織におけるERBB2(HER2)タンパク質の発現を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図17は、胃癌の原発腫瘍組織におけるTM4SF20タンパク質の陽性例を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図18は、胃癌の原発腫瘍組織におけるTM4SF20タンパク質の陰性例を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図19は、胃癌のリンパ節転移組織におけるTM4SF20タンパク質の陽性例を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図20は、胃癌におけるEREGタンパク質の陽性例を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 図21は、胃癌におけるEREGタンパク質の陽性例を、組織アレイを用いた免疫染色で検出した結果である。 胃癌の生検サンプルにおけるCDH17タンパク質の発現を、免疫染色によって検出した結果である。
[患者の癌転移部位の検出方法]
本明細書において引用されるすべての特許および参考文献は、本明細書においてその全体が参考として援用される。本発明は、癌の外科的治療に際し、患者の癌転移部位を検出する方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、外科手術に先立って患者から癌組織の生検試料を採取するステップと、採取した試料を、前記癌において特異的に発現するタンパク質に対する1種または2種以上の抗体を用いてインビトロにて免疫染色するステップと、前記生検試料の癌細胞を染色しうる少なくとも1種の抗体を選択するステップと、前記選択された抗体を用いて前記患者を画像処理(イメージング)するステップと、を含む。
「患者」とは、動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトをいう。「患者」には成人および小児、並びに男性および女性を含む。
本発明の対象となる「癌」は、肝癌、胃癌、膵癌、食道癌、肺癌、腎癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌および大腸癌等を含むがこれらに限定されない。「転移」とは、癌細胞が原発病変とは違う場所に到達し、そこで再び増殖し、同一種類の癌を二次的に生じることをいう。癌が転移して新しい腫瘍が形成されると、それは二次癌あるいは転移癌と呼ばれ、転移した細胞は原発病変のものと同一種となる。これは、例えば乳癌が肺に転移した場合、二次癌は悪性の肺細胞ではなく、悪性の乳腺細胞によって形成されることを意味する。この肺の疾患は、肺癌ではなく転移性乳癌になる。
特定のがんは特定の臓器に転移するといった傾向もある。例えば、前立腺癌は通常骨に転移する。同様に、大腸癌は肝臓に転移する傾向がある。また女性の場合、胃癌はしばしば卵巣に転移する(Kruckenberg播種)。
「生検(biopsy)」とは、生きた患者の癌であることが疑わしい部分から組織を採ることをいい、メスや特殊な探索針等を用いて行われる。
本明細書において「抗体」とは、天然に存在するか、または正常免疫グロブリン遺伝子の組換えDNA技術によって産生される、全長の免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)、または抗体フラグメントのような免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分をいう。抗体という用語は、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全なヒト抗体を包含する。さらに、いずれのタイプ、クラス、サブクラスも含み、例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、IgY、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2などが含まれる。これらの抗体は、慣用技術を用いて作製することができ、鳥類や哺乳動物に免疫して得られるポリクローなる抗体であっても、あるいはハイブリドーマ細胞株を用いて産生されるモノクローナル抗体のいずれであってもよい。抗体フラグメントは、F(ab’)、F(ab)、Fab’、Fab、Fv、scFvなどの抗体の一部分である。その構造にかかわらず、抗体フラグメントは無傷の抗体によって認識される同じ抗原と結合する。例えば、抗CEAモノクローナル抗体フラグメントはCEAのエピトープと結合する。
「抗体フラグメント」という用語は、特定の抗原に結合して複合体を形成することにより抗体のようにふるまう合成または遺伝子組み換えタンパク質も含む。例えば、抗体フラグメントには、L鎖可変領域からなる単離フラグメント、H鎖およびL鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメント、H鎖およびL鎖可変領域がペプチドリンカーによって接続されている組換え単鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)、並びに超可変領域に類似したアミノ酸残基からなる最小認識ユニットが含まれる。
キメラ抗体は、マウス抗体などの第1の種由来の可変ドメインおよび相補性決定領域を含む組換えタンパク質であり、抗体分子のH鎖およびL鎖定常領域はヒト抗体などの第2の種に由来する。
ヒト化抗体は、モノクローナル抗体の相補性決定領域が、マウス免疫グロブリンなどの第1の種の免疫グロブリンのH鎖およびL鎖可変領域からヒトH鎖およびL鎖可変ドメイン中に移されている組換えタンパク質であり、抗体分子のH鎖およびL鎖定常領域はヒト抗体に由来する。ヒト化抗体はまたCDRグラフト化抗体と呼ばれる。
好ましい実施形態において、本発明の方法に用いる抗体は、前記癌において特異的に発現するタンパク質に対する抗体である。
本明細書において、「癌において特異的に発現するタンパク質(以下、「マーカータンパク質」という場合もある。)」は、特定の癌においてのみ発現するか、あるいは発生の初期段階においてのみ発現するいわゆる癌抗原を含む。一方で、マーカータンパク質は、全身において癌の原発組織にしか発現しないタンパク質である必要はなく、当該癌の原発組織で発現し、且つ当該癌の転移可能な正常周辺組織細胞においては発現しないタンパク質であってもよい。すなわち、標的とする癌細胞の他に複数の正常臓器において発現するタンパク質であっても、当該癌細胞が転移しやすい周辺正常組織において発現していなければよい。本発明の方法は、外科手術の際に癌組織と周辺の正常組織を識別できれば十分であり、切除する組織から離間した臓器や組織で当該タンパク質が発現していても差支えないからである。
マーカータンパク質としては、例えば、AFP、PIVKA−II、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、YH−206、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、CA50、Span−I、DUPAN−2、SLX、SCC、CYFRA21−1、CA15−3、ERBB2(HER2)、BRCA1、STN、GAT、PSA、γ−セミノプロテイン、MUC17、TM4SF20、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRが挙げられる。
上記マーカータンパク質のうちカドヘリン (Cadherin) は細胞表面に存在する糖タンパク質の一群で、細胞接着をつかさどり、動物の胚発生に重要な役割を果たす。典型的なカドヘリン(Eカドヘリン、Nカドヘリン、Pカドヘリンなど)は、接着結合の構築を通じて、細胞と細胞の接着の形成と維持に関わる。これらのカドヘリンは、その細胞外に5つのドメイン構造(ECドメイン)を繰り返し、1つの膜貫通セグメントと細胞内ドメインを有する。ECドメインをもつ分子は脊椎動物ゲノム中に120個ほど見いだされ、カドヘリンスーパーファミリーと呼ばれている。カドヘリンスーパーファミリーの中で、例えば、カドヘリン1(Cadherin1:CDH1)およびカドヘリン17(Cadherin17:CDH17)は、大腸癌由来の癌細胞のリンパ節転移を検出するためのマーカーとなりうることが報告されている(特開2007−175021号公報)。
また、胃癌の場合、マーカータンパク質としては、胃癌細胞において発現し、且つ正常なリンパ節で発現していないタンパク質が好ましく、小腸や大腸など胃から離間した臓器で発現しているタンパク質であってもよい。かかるタンパク質として、例えば、CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRが挙げられる。
MUC17は、ムチンファミリーに属する452kDaの巨大なタンパクである。Ser、Thrに富む59merからなるコンセンサス配列を61回繰り返す構造を持ち、O型糖鎖による修飾を高度に受け生体防御に関わる。
TM4SF20(transmembrane 4 L six family member 20)は、染色体2q36.3に遺伝子がコードされる、4回膜貫通型の膜タンパクである。その機能は不明である。
ERBB2は、HER2とも呼ばれ、細胞表面に発現する約185kDaの糖タンパク質である。多くの種類の癌で遺伝子増幅が見られ、抗体医薬トラスツズマブの標的としても知られている。
EREG(epiregulin)は上皮細胞成長因子であり、HeLa細胞の形態変化を誘導する癌増殖阻害因子として機能することが知られている(例えば、J. Biol. Chem. 270:7495-7500, 1995)。
GUCY2Cは、グアニル酸シクラーゼ2Cであり、リンパ節におけるGUCY2Cの発現量を測定することによって、大腸癌の再発リスクを評価できる可能性について報告されている(Waldman, S.A, et al., JAMA. 301(7):745-752, 2009)。
NMUR2は、ニューロメディンU受容体2である。ニューロメディンUは、平滑筋の収縮活性を指標としてブタ脊髄から単離された神経ペプチドであり(Minamino N., et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 130:1078-1085, 1985)、NMUR2については、膵臓癌などの癌細胞で高発現していること、また、NMUR2に対するリガンドが癌細胞増殖抑制効果を示すことが報告されている(国際公開第2008/029601号パンフレット)。
SLC28A2は、ヌクレオシドトランスポーターSLC28のメンバー2であり、細胞外アデノシン濃度を調節することにより、アデノシンが調節する代謝標的を調節する。
PTPRRは、受容体型チロシンホスファターゼであり、チロシンキナーゼによってリン酸化されたタンパク質のチロシンを脱リン酸する酵素である。受容体型チロシンホスファターゼは、酵素活性を有する細胞内領域と、膜貫通ドメインと、細胞外領域とからなり、細胞外領域にリガンドが結合することにより酵素活性が制御される。
本発明者らは、後述する実施例に示すとおり、以上のタンパク質がいずれも胃癌において発現し、且つ胃癌が転移する可能性のある周辺組織の正常細胞で発現しておらず、マーカータンパク質として好適であることを確認した。
また、これらのマーカータンパク質は、胃癌の患者により、発現している場合と発現していない場合があるところ、CDH17、MUC17、ERBB2(HER2)、TM4SF20、及びEREGの5種類のマーカータンパク質に対する抗体を使えば、未分化型(diffuse type)の胃癌で60%以上、分化型(intestinal type)で80%以上の患者の癌を検出できることを確認した。
また、胃癌のマーカータンパク質としては、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、およびCA19−9等も好ましい。
従って、マーカータンパク質に対する抗体は、好ましくは5種類以上、より好ましくは8種類以上、さらに好ましくは10種類程度のセットを用意する。抗体のセットを用いて生検試料に対する免疫染色を行えば、高い確率でその患者の癌のマーカータンパク質を決定することができる。
本発明に係る検出方法では、次に、上述の方法で癌種に応じてあらかじめ用意されたマーカータンパク質に対する1種又は2種以上の抗体を用いて、患者の癌組織から採取した生検試料をインビトロにて免疫染色する。
インビトロでの免疫染色は、公知の方法に従って行うことができ、上述したマーカータンパク質に対する抗体(一次抗体)を予め検出可能な物質で標識し、標的マーカータンパク質に結合させる直接法、又は、一次抗体を抗原として認識する抗体(二次抗体)を予め検出可能な物質で標識しておき、標的マーカータンパク質に結合した一次抗体に結合させる間接法によって、標的マーカータンパク質を可視化することができる。
検出可能な物質としては、たとえば、酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ等)、補欠分子族(ストレプトアビジン/ビオチン、アビジン/ビオチン等)、蛍光物質(フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ダンシルクロリド、フィコエリトリン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、近赤外蛍光材料等)、発光物質(ルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン)、放射性物質(125I、131I、35S、H)、ナノ粒子(金コロイド、量子ドット)等が挙げられる。
インビトロにおける免疫染色により患者の癌組織を染色し得る抗体を選択し、当該抗体を用いて次の画像処理工程を行う。
本発明の画像処理工程は、インビトロの免疫染色によって選択された抗体を用いて、患者を画像処理(イメージング)するステップであり、公知の方法又はそれに準ずる方法で行うことができる。
例えば、抗体を画像処理で検出可能な物質で標識し、転移し得る領域に注射投与する。抗体は、癌細胞で発現しているマーカータンパク質に結合するので、これを標識物質に適した検出装置で検出することにより、転移範囲を描出することができる。
例えば、PET(Positron Emission Tomography)又はSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)で検出する場合、放射性同位元素で抗体を標識する。PET用造影剤として好ましい放射性同位元素は、64Cu、11C、13N、15O、18Fなどのベータ線核種、SPECT用核種として好ましい放射性同位元素は、99mTC、201TI、111In、123I、130Xeなどのガンマ線核種である。
光イメージング法で検出する場合は、インドシアニングリーン、メチレンブルー、FITC、ローダミン、トルイジンブルー、アミノレブリン酸、クロリン化合物、フタロシアニン、ポルフィリン、プルプリン、テキサフィリンの蛍光色素、西洋わさびフォスファターゼ、アルカリホスファターゼなどの酵素と基質からなる化学発光剤で抗体を標識することが好ましい。
検出装置としては、PETやSPECTといった体外イメージング装置のほか、術中には腹腔鏡下プローブや内視鏡も用いられる。腹腔鏡下プローブや内視鏡によれば、癌の転移が疑われる領域を走査(スキャン)し、より迅速かつ正確に患者の癌転移部位を検出することができる。
[癌の治療方法]
本発明の1つの実施形態において、上記本発明の方法により癌転移部位の検出を行うと共に、外科手術により患者の癌原発組織、および上記抗体によって造影された周辺組織を切除する。通常の外科的手術のほかに、レーザービームによる外科手術法やブランキセラピー(密封小線源治療)、光動力学療法などを行ってもよい。
[癌転移部位を検出するためのキット]
本発明に係る癌転移部位を検出するためのキットは、術前または術中診断において癌転移部位を検出するために用いられるものであり、特定の癌において特異的に発現する1または複数のタンパク質に対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、前記各抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、を含む。
免疫染色試薬は、例えば、検出可能な物質で標識したマーカータンパク質を認識する抗体(一次抗体)を含む。また、標識されていない一次抗体と、検出可能な物質で標識した一次抗体を抗原として認識する抗体(二次抗体)とを含んでいてもよい。検出可能な物質は、上記免疫染色工程で述べたので、ここでは説明を省略する。
免疫染色試薬としては、マーカータンパク質を認識する一次抗体と、検出可能な物質としてビオチンを結合させた二次抗体と、ビオチンを検出するためのアビジン又はストレプトアビジンとペルオキシダーゼの複合体と、を含むものが好ましい。
造影試薬は、用いられるイメージング方法によって適宜選択され、上述のとおり、PETやSPECT法を用いる場合、それぞれに適した放射性同位元素で標識した抗体とすることができ、光イメージング法を用いる場合、蛍光色素や化学発光剤で標識した抗体とすることができる。
造影試薬は、以下の2種類の態様があり得る。
第一の態様は、マーカータンパク質に対する抗体を放射性同位元素、蛍光色素、化学発光剤などで直接標識したものであり、その標識方法は既存の公知の方法を使用することができる。
たとえば、造影試薬として放射性同位元素を用いる場合は、放射性同位元素と結合しうるキレート化剤であるDOTA(1,4,7,10-tetraazacyclododecane-N,N',N’’、N’’’-tetraacetic acid)、TETA((1,4,8,11-tetraazacyclotetradecane-N,N',N’’、N’’’-tetraacetic acid),N2S2、MAG3、あるいはCHX−A−DTPAなどを反応性の高いイソシアネート基を介して抗体へ導入し、次いでキレート化抗体を放射性同位元素で標識する。また蛍光色素あるいは化学発光剤と抗体との結合にはグルタルアルデヒド法、マレイミド法、などの公知の方法を使用することができる。
第二の態様は、いわゆるプレターゲッティング法と呼ばれる技術に基づく要素Aと要素Bの2つから構成されるものである。
要素Aは、マーカータンパク質に対する抗体を、一対の親和性物質、例えば(a)アビジン、ストレプトアビジン、又はその誘導体と、(b)ビオチンまたはその誘導体のいずれか一方と結合させたものであり、要素Bは(a)(b)の他方と放射性同位元素、蛍光色素、化学発光剤などの標識を結合させたものである。
抗体と親和性物質(a)又は(b)との結合は、グルタルアルデヒド法、マレイミド法、などの公知の方法を使用することができる。
アビジン、あるいはビオチンと放射性同位元素の結合方法は、第一の態様と同様のキレート化剤を用いる方法が使用可能である。
プレターゲッティング法においては、最初に要素Aを投与し、癌転移部位への要素Aの集積後、要素Bを投与し、要素Aに要素Bを結合させる。
本発明のキットは、インビボあるいはインビトロのいずれのイメージングにも使用可能であるが、検出感度を向上させるためにはインビボが好ましく、内視鏡に前記イメージング検出機を組み込んだイメージング機器が適用可能である。かかるイメージング機器を用いる場合も、本発明に係る造影試薬を用いることができる。
上記免疫染色試薬およびインビボイメージングに用いるための造影試薬に用いる抗体は、特定の癌において発現する1または複数のタンパク質または癌抗原に対する抗体を含む。例えば、AFP、PIVKA−II、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、YH−206、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、CA50、Span−I、DUPAN−2、SLX、SCC、CYFRA21−1、CA15−3、ERBB2(HER2)、BRCA1、STN、GAT、PSAおよびγ−セミノプロテインなどを挙げることができるがこれらに限定されない。これらの癌抗原の中から特定の癌について発現している可能性の高い1種または複数種類の組み合わせを選択することが好ましい。特に好ましくは、患者の人種、居住地域、生活環境などに合わせて最適な1または複数種類の癌抗原に対する抗体を選択することができる。
胃癌の転移部位を検出するためのキットとしては、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、およびCA19−9からなる群より選択される少なくとも1つに対する抗体を含むことが好ましい。
また、胃癌の転移部位を検出するためのキットとしては、CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRからなる群より選択される少なくとも1つに対する抗体を含むことも好ましい。
胃癌の転移部位を検出するためのキットとして、CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、及びEREGの5種類のマーカータンパク質に対する抗体を含むものも好ましい。これらの5種類の抗体を使えば、胃癌患者において特異的に発現しているマーカータンパク質を高い確率で決定することができる。
これらの造影試薬標識された抗体は、薬学的に許容しうる溶媒、結合剤、安定化剤、分散剤などと共に注射用溶液、懸濁液、乳剤などの財形に製剤化できる。注射用の溶液としては、水溶液、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理的食塩緩衝液などのむ生理学的に適合性のある緩衝液中に溶解することが出来る。さらに組成物は、油性または水性のビヒクル中で、懸濁液、溶液、または乳濁液などの形状をとることが出来る。
前記造影試薬の投与経路は特に限定されないが、通常は非経口投与であり、例えば注射剤(皮下注、静注、筋注、腹腔内注など)、経皮、粘液膜などで投与することが出来る。
本発明の方法に従って、非経口的に投与される代表的な製剤は、通常約0.01から20mg、好ましくは約0.05から5mgの標識された抗体またはそのフラグメントを滅菌された溶液中に含む。
上記免疫染色およびインビボイメージング用の造影試薬は、それぞれの目的に合わせて構成成分ごとに別々に、若しくはあらかじめ混合した状態で、使用しやすいように一定量ごと分注して製品として配送することができる。これらの製品は凍結又は乾燥状態で保存することができ、保存及び輸送に適した容器に収容してキットとして販売される。キットには取扱説明書を添付することができる。
以下に示す実施例は、単なる例示であって、上述する好適な態様と共に本発明を詳細に説明することのみを意図しており、本発明を限定するものではない。また、当業者であれば本発明の意義から逸脱することなく本発明を改変することが可能であり、そのような改変は本発明の範囲に含まれるものである。
[実施例1]イメージングに応用可能な癌特異的抗原の同定
正常組織標本および癌組織標本からRNAを抽出し、マイクロアレイを用いて遺伝子発現をゲノム網羅的に抽出した。約25,000種類のヒト遺伝子の中から、細胞表面に存在する蛋白をコードする遺伝子で、癌で特異的に高発現し、リンパ節を含む正常組織では発現が全くない、あるいはほとんどないものを抽出した。図1〜8に、リンパ節標本2個を含む正常66組織、胃癌細胞株11個、胃癌手術標本13例から採取したRNAを用いてAffymetrix社のGeneChip Human Exon 1.0 ST Arrayを用いて解析した遺伝子発現結果の例を示す。
CDH17遺伝子(図1)、GUCY2C遺伝子(図2)、NMUR2遺伝子(図3)、SLC28A2遺伝子(図4)、PTPRR遺伝子(図5)、MUC17遺伝子(図6)、TM4SF20遺伝子(図7)、ERBB2(HER2)遺伝子(図8)、EREG遺伝子(図9)は、正常小腸、正常大腸、及び胎児大腸、胎児胃等で発現が認められるが、正常リンパ節、及び膵臓など胃癌の転移リンパ節検出の妨げになるような部位に存在する臓器には遺伝子発現を認めなかった。
また、CDH17遺伝子は胃癌症例13例中8例(62%)で高発現し、GUCY2C遺伝子は13例中5例(38%)、NMUR2遺伝子は13例中3例(23%)、SLC28A2遺伝子は13例中3例(23%)、PTPRR遺伝子は13例中3例(23%)、MUC17遺伝子は13例中5例(38%)、TM4SF20遺伝子は13例中5例(38%)、ERBB2(HER2)遺伝子は13例中2例(15%)、EREG遺伝子は13例中2例(15%)で高発現していた。
胃癌細胞株でも高発現が認められることは、胃癌組織中で高発現しているのは胃癌細胞であることを示唆している。
以上より、CDH17遺伝子、GUCY2C遺伝子、NMUR2遺伝子、SLC28A2遺伝子、PTPRR遺伝子、MUC17遺伝子、TM4SF20遺伝子、ERBB2(HER2)遺伝子、EREG遺伝子の各遺伝子産物であるタンパク質は、本発明に係る検出方法等におけるマーカータンパク質として有用であることが示唆された。
[実施例2]抗体による原発腫瘍組織及びリンパ節転移巣組織での発現検出
上記マーカータンパク質のうち、まずCDH17について、胃癌での発現を、免疫染色法を用いて次のように検出した。
1.胃癌手術検体切除後、20%中性緩衝ホルマリン中で約12時間、組織を固定した。
2.2時間水洗後、標本の切り出しを行った。検索の必要な箇所を2−3cm大、4−5mm厚の大きさの切片に切り分けた。
3.サクラ精機のETP自動パラフィン浸透装置を用いて、組織切片をアルコールで脱水、クロロホルムで置換し、1〜2日パラフィン浸透させた。
4.完成したパラフィンブロックをミクロトームにて3μmで薄切し、スライドガラスに乗せ、乾燥させた。これを、ベンタナ社のベンチマーク自動免疫染色装置を用いて5−11のごとく免疫染色した。
5.キシレン→アルコール→水洗の順にスライドガラス標本の脱パラフィンを行った。
6.95度、60分間、Tris EDTA(pH8.5)で前処置をした。
7.1次抗体をapplyする。CDH17の場合、1次抗体としてR&D Systems社のマウス抗ヒトCDH17 モノクローナル抗体MAB1032を10μg/mLの濃度で32分間反応させた。
8.2次抗体をapplyする。CDH17の場合、ベンタナ社の抗マウスIgG抗体を用いた。
9.ストレプトアビジン−HRPを反応させた。
10.DAB発色を行った。
11.対比染色としてヘマトキシリンで細胞核の染色を行った。
12.アルコールで脱水し、キシレンを用いて透徹する。封入剤を付けてカバーガラスを被せる封入を行った。
その結果、図10に示す如く、胃癌細胞表面でのCDH17発現を認めた。間質など周辺の正常細胞では発現を認めない。
同様に、抗NMUR2抗体(ab50928)、及び抗SLC28A2抗体(Abgent社、AP7738b及びAP7738c)を用いて、癌の原発腫瘍組織サンプルを染色した結果を図11及び12に示す。図11及び12に示されるように、NMUR2タンパク質及びSLC28A2タンパク質も、腫瘍組織で発現していれば免疫染色によって検出することが確認でき、本発明で用いられるマーカータンパク質として好適であることが確認された。
癌の原発組織でこの抗原が発現しているだけでなく、リンパ節に転移した癌細胞においても発現していないと、抗体を用いて転移リンパ節をイメージングすることはできない。胃癌手術で摘出された転移リンパ節を、原発組織と同じ手法で免疫染色した。図13aに示すごとく、転移リンパ節においてもCDH17は高発現しており、同じ抗体により検出・同定可能であった。図13bは転移のないリンパ節であり、免疫染色陰性であった。
また、免疫染色をハイスループットに行う組織アレイ(マクロアレイ)を用いて、さらにマーカータンパク質の発現を分析した。組織アレイは、病理組織標本から2mm以下の細い円筒状に組織を打ち抜き、多数の組織を整列させ、一つのブロックに包埋するものである。免疫染色は上述の方法と同様に行った。
分化型胃癌24例、未分化型胃癌20例の原発腫瘍及びリンパ節転移組織から組織アレイを作製し、CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)及びEREGタンパク質の発現を検討した。
結果を図14〜21に示す。
図14に示すとおり、原発腫瘍(primary)及びリンパ節転移巣組織(lymph node)において、CDH17の発現をハイスループットに確認することができた。同じ分化型胃癌・未分化型胃癌であっても、抗CDH17抗体によって染色される例とされない例が存在する。
図15に示すとおり、抗MUC17抗体及び抗CDH17抗体を用いると、原発腫瘍及びリンパ節転移巣組織は濃く染色され、MUC17及びCDH17が本発明のマーカータンパク質として好適であることが示された。
図16〜図21に示すとおり、濃淡はあるものの、ERBB2(HER2)、TM4SF20及びEREGも、サンプルによっては原発腫瘍及びリンパ節転移で染色され、サンプルによっては染色されなかった。
次に、上記分化型胃癌24例についての組織アレイを用いた免疫染色の結果に基づき、患者を分類した。結果を表1に示す。癌細胞の50%以上で染色(+)の症例を強陽性(濃灰色)、10%以上50%未満の症例を弱陽性(灰色)、10%未満の症例を陰性(白)、判定不能例を黒色とした。表中、primaryは原発腫瘍組織、LNはリンパ節転移組織を示す。
同様に、未分化型胃癌20例についての組織アレイを用いた免疫染色の結果に基づき、患者を分類した。結果を表2に示す。癌細胞の50%以上で染色(+)の症例を強陽性(濃灰色)、10%以上50%未満の症例を弱陽性(灰色)、10%未満の症例を陰性(白)、判定不能例を黒色とした。
また、癌細胞の50%以上で染色(+)である強陽性症例の割合を表3及び表4にまとめた。
表3に示すとおり、5種類の抗体を使用することにより、分化型では、24人中20人(83%)の患者において少なくとも1種類以上の有効なマーカータンパク質を特定することができた。また、表4に示すとおり、未分化型では、20人中13人(65%)の患者において少なくとも1種類以上の有効なマーカータンパク質を特定することができた。
一般に、分化型は未分化型に比較して予後が良好であり、広範な切除を行う必要がない場合も多い。従って、本発明の方法によってある患者の胃癌で発現しているマーカータンパク質を選択し、当該マーカータンパク質によるインビボイメージングによって転移範囲を検出し、限定的に手術を行うことができれば、患者の負担を軽減し、且つ十分な治療を行うことができる。
[実施例3]術前におけるマーカータンパク質の同定
手術時に、マーカータンパク質に対する抗体を用いて癌のイメージングを行うには、あらかじめ術前に、この胃癌で特異的に発現している抗原を同定し、造影試薬標識した抗体を準備しておく必要がある。術前の胃内視鏡検査において、術前病理診断のために胃癌組織の生検を行うが、この生検標本を上記実施例2と同じ手法で免疫染色した。図22に示すごとく、生検標本を用いて、術前にCDH17発現の同定が可能であった。

Claims (11)

  1. 癌の外科的治療に際し、患者の癌転移部位を検出する方法であって、
    外科手術に先立って前記患者から癌組織の生検試料を採取するステップと、
    採取した試料を、前記癌において特異的に発現するタンパク質に対する1種または2種以上の抗体を用いてインビトロにて免疫染色するステップと、
    前記生検試料の癌細胞を染色しうる少なくとも1種の抗体を選択するステップと、
    前記選択された抗体を用いて前記患者を画像処理(イメージング)するステップと、
    を含む癌転移部位の検出方法。
  2. 前記抗体が、前記癌の原発腫瘍において発現し、かつ当該癌の転移可能な正常周辺組織細胞においては発現しないタンパク質に結合する請求項1に記載の方法。
  3. 前記癌が肝癌、胃癌、膵癌、食道癌、肺癌、腎癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌または大腸癌である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記インビトロにて免疫染色するステップにおいて、
    AFP、PIVKA−II、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、YH−206、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、CA50、Span−I、DUPAN−2、SLX、SCC、CYFRA21−1、CA15−3、ERBB2(HER2)、BRCA1、STN、GAT、PSA、γ−セミノプロテイン、MUC17、TM4SF20、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRから選択される少なくとも1つのタンパク質に対する抗体を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記癌が胃癌であり、前記インビトロにて免疫染色するステップにおいて、
    カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRから選択される少なくとも1つのタンパク質に対する抗体を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記癌が胃癌であり、前記インビトロにて免疫染色するステップにおいて、
    CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、及びEREGに対する抗体を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により癌転移部位を検出すること、及び、外科手術により患者の原発腫瘍および前記抗体によって造影された周辺組織を切除することを含む癌の治療方法。
  8. 特定の癌において特異的に発現する1または複数のタンパク質に対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、
    前記各抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、
    を含む、術前または術中診断において癌転移部位を検出するためのキット。
  9. 前記タンパク質が、AFP、PIVKA−II、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、YH−206、カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、CA50、Span−I、DUPAN−2、SLX、SCC、CYFRA21−1、CA15−3、ERBB2(HER2)、BRCA1、STN、GAT、PSA、γ−セミノプロテイン、MUC17、TM4SF20、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRからなる群より選択される請求項8に記載のキット。
  10. カドヘリンスーパーファミリー、CA125、NCC−ST−439、シアリルTn抗原、CEA、CA72−4、CA19−9、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、EREG、GUCY2C、NMUR2、SLC28A2、及びPTPRRから選択される少なくとも1つのタンパク質に対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、
    前記抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、
    を含む、術前または術中診断において胃癌の転移部位を検出するためのキット。
  11. CDH17、MUC17、TM4SF20、ERBB2(HER2)、及びEREGに対する抗体を含み、患者の生検試料における癌細胞をインビトロにて免疫染色するための免疫染色試薬と、
    前記抗体を含み、患者における癌細胞をインビボイメージングで検出するための造影試薬と、
    を含む、術前または術中診断において胃癌の転移部位を検出するためのキット。
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