JPWO2010090058A1 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

マイクロ波によりガスを励起させて基板Gをプラズマ処理するマイクロ波プラズマ処理装置10であって、金属により形成された処理容器100と、マイクロ波を出力するマイクロ波源900と、処理容器100の内壁に面し、マイクロ波源900から出力されたマイクロ波を処理容器内に透過する第1の誘電体305と、処理容器100の内面に設けられ、処理容器100の内面に沿って伝搬するマイクロ波を抑制する第2の誘電体340と、を有する。

Description

本発明は、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置に関し、特に、電磁波の伝搬を制御する機構に関する。
低周波数のマイクロ波をプラズマ処理装置に供給した場合、第1の誘電体とプラズマとを伝搬する表面波(以下、誘電体表面波(DSW:Dielectric Surface Wave)ともいう)だけでなく、処理容器内壁の金属面とプラズマとを伝搬する表面波(以下、金属表面波(MSW:Metal Surface Wave)ともいう)が発生する。
金属表面波は、プラズマ中の電子密度がカットオフ密度ncの2倍より低いと伝搬することができない。カットオフ密度ncはマイクロ波の周波数の二乗に比例するので、金属表面波は周波数が低く、電子密度が高くないと伝搬することができない。さらに、金属表面波は、周波数が低いほど減衰しにくい。
プラズマの生成に一般的に用いられている2450MHzの周波数においては、カットオフ密度ncの値が7.5×1010cm−3となり、電子密度が1.5×1011cm−3以上でないと金属表面波が伝搬しない。たとえば、表面付近の電子密度が1×1011cm−3程度の低密度プラズマでは、金属表面波は全く伝搬しない。電子密度がもっと高い場合でも、減衰が大きいため金属表面波の伝搬があまり問題にならないことが多い。
一方、たとえば915MHzの周波数では、表面付近の電子密度が1×1011cm−3程度の低密度プラズマでも金属表面波が処理室の内面を長く伝搬する。よって、低周波のマイクロ波を利用してプラズマ処理を実行する場合には、誘電体表面波の伝搬を制御する手段に加え、金属表面波の伝搬を制御する手段を講じる必要がある。
そこで、発明者は、プラズマ処理装置のチャンバ内の金属面に溝又は凸部を設け、溝又は凸部にて金属表面波を反射させることにより、溝や凸部から先に金属表面波が伝搬するのを妨げる機構を提案した(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開2008/153054号パンフレット
しかしながら、溝により金属表面波の伝搬を抑制する場合、溝の中を伝搬するプラズマ中の電子とイオンとが溝の側面や底面にて再結合し、これにより、溝の中では電子及びイオンが減少するという現象が生じる。このため、溝の中ではプラズマ密度が下がりやすく、安定なプラズマが立ちにくい状態となっている。一方で、一度、溝中でプラズマが立つと強いプラズマが立つという傾向がある。
この結果、溝中でプラズマが立っている部分と立っていない部分とが生じる。つまり、溝中では局所的にプラズマが立つ。また、溝中のプラズマが立っている部分では非常にプラズマ密度が高く、さらに、その密度が高い部分が溝中を動き回るため、溝中のプラズマは、時間的にも空間的にも不安定な状態になる。
金属表面波の伝搬の仕方は、溝中のプラズマ密度によって変わる。プラズマ密度が低いときには、金属表面波は溝を通り抜けて伝搬してしまう。一方、プラズマ密度が高いときには、金属表面波は反射され、溝を通り抜けることができない。前述の通り、溝中のプラズマは不安定であるため、金属表面波は、溝を通り抜けてしまったり、反射されたりして、その伝搬状態が時間的にも空間的にも流動的に変化する。この不安定な変化は、溝の外のプラズマ全体にも影響を及ぼし、プラズマ全体が不安定な状態になりやすいという課題があった。
また、凸部により金属表面波の伝搬を抑制する場合、プラズマが不安定になることはないが、金属表面波を十分に反射させることが難しいという課題があった。
そこで、本発明の目的は、プラズマの安定性を考慮しながら処理容器内の電磁波の伝搬を制御することが可能なプラズマ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、金属により形成された処理容器と、電磁波を出力する電磁波源と、前記処理容器の内壁に面し、前記電磁波源から出力された電磁波を前記処理容器内に透過する第1の誘電体と、前記処理容器の内面に設けられ、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波を抑制する第2の誘電体と、を有するプラズマ処理装置が提供される。
かかる構成によれば、処理容器の内面に第2の誘電体が設けられ、処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波(金属表面波)を抑制する。金属表面波は、シースに沿って伝搬する。金属表面波が第2の誘電体の端部まで伝搬すると伝搬の仕方が大きく変わる。これは、金属表面波が処理容器の金属面を伝搬し、第2の誘電体まで到達すると、金属表面波は第2の誘電体の内部にも電界が入り込みながら第2の誘電体を伝搬する誘電体表面波となるためである。このようにして、表面波は、金属表面波から誘電体表面波になって伝搬し、第2の誘電体を伝搬後、再び金属表面波となって伝搬する。表面波が金属表面波から誘電体表面波に変化する際、又は誘電体表面波から金属表面波に変化する際、特性インピーダンスが大きく変わる。この結果、第2の誘電体は、処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波を反射させることができる。
これにより、金属表面波が処理容器の内面に沿って被処理体の周囲まで伝搬し、処理の均一性を損なうことを回避することができる。また、被処理体の処理に使用されない位置にプラズマが立つことを回避することにより、電磁波のエネルギーが無駄に消費されることを防止することができる。さらに、金属表面波のエネルギーにより機器が損傷する恐れがある領域へ金属表面波が伝搬することを抑制することができる。
前記第2の誘電体は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波の90%以上を反射させてもよい。
なお、処理容器の内面としては、たとえば、プラズマが接する処理容器の内壁の金属面、処理容器の内壁のうち被処理体をプラズマ処理する空間を画成する内壁の金属面、被処理体が載置された位置より上部(第1の誘電体側)に位置する処理容器の内壁の金属面が挙げられる。
前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向に垂直な方向の最も厚い部分の厚さDtは、4mm以上であってもよい。
前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ねn/2倍(nは整数)を除く長さであってもよい。
前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ね1/2倍未満であってもよい。
前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体の比誘電率をε、金属表面波の周波数をfとしたとき、
Figure 2010090058
よりも短くてもよい。
前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ね(2n+1)/4倍(nは整数)であってもよい。
前記第2の誘電体は、前記処理容器の内壁に設けられた貫通口又は凹部に嵌入されていてもよい。
前記第2の誘電体は、前記処理容器の金属面に当接していてもよい。
前記第2の誘電体の少なくともプラズマ側の面は、角が面取りされていてもよい。
前記第2の誘電体は、前記処理容器の側壁まで延びていてもよい。
前記第2の誘電体は、前記処理容器の内面であってプラズマ励起領域を囲む領域に設けられていてもよい。
前記第1の誘電体は、前記処理容器の内壁に面して規則的に複数配置され、前記第2の誘電体は、前記複数の第1の誘電体のそれぞれを含む仮想領域である複数のセル全体の最も外周側に沿って又は前記外周側に近接して設けられてもよい。
前記第1の誘電体は、前記処理容器の内壁に面して規則的に複数配置され、
前記第2の誘電体は、前記複数の第1の誘電体及び前記複数の第1の誘電体に隣接して設けられるカバーの最も外周側に沿って又は当該外周側に近接して設けられてもよい。
前記第2の誘電体によって前記プラズマ励起領域を画定することができる。
前記第2の誘電体と前記複数の第1の誘電体との間から金属面が露出していてもよい。
前記第2の誘電体は、固定部材より前記処理容器に固定されるか、前記処理容器に設けられた貫通口又は凹部により前記処理容器に固定されていてもよい。
以上説明したように本発明によれば、プラズマを安定にさせながら、処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波の伝搬を抑制可能なプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るプラズマ処理装置の縦断面図(2−0,0’−2断面)である。 同実施形態に係るプラズマ処理装置の天井面を示した図(1−1断面)である。 第2の誘電体による表面波の反射を説明するための図である。 第2の誘電体の厚さと透過量との関係を示したグラフである。 第2の誘電体の幅と透過量との関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るプラズマ処理装置の縦断面図(4−0’,0−4断面)である。 同実施形態に係るプラズマ処理装置の天井面を示した図(3−3断面)である。 変形例1に係る第2の誘電体を示した縦断面図である。 変形例2に係る第2の誘電体を示した縦断面図である。 変形例3に係る第2の誘電体を示した縦断面図である。 変形例4に係る第2の誘電体を示した縦断面図である。 変形例5に係る第2の誘電体を示した縦断面図である。 変形例6に係る第2の誘電体を示した縦断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、以下で説明する本発明の第1実施形態及びその変形例に係るプラズマ処理装置は次の順序で説明する。
<第1実施形態>
[プラズマ処理装置の構成]
[第2の誘電体による反射]
[第2の誘電体の形状の最適化]
(第2の誘電体の厚さDt)
(第2の誘電体の幅Dw)
<第2実施形態>
[プラズマ処理装置の構成]
[第2の誘電体]
<第2の誘電体の変形例>
(変形例1)〜(変形例6)
<第1実施形態>
[プラズマ処理装置の構成]
まず、本発明の第1実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置10を示した縦断面(図2に示した2−0,0’−2断面)図である。図2は、図1の1−1断面であり、マイクロ波プラズマ処理装置10の天井面を示している。マイクロ波プラズマ処理装置10は、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置の一例である。
図1に示したように、マイクロ波プラズマ処理装置10は、ガラス基板(以下、「基板G」という。)をプラズマ処理するための処理容器100を有している。処理容器100は、容器本体200と蓋体300とから構成される。容器本体200は、その上部が開口された有底立方体形状を有していて、その開口は蓋体300により閉塞されている。蓋体300は、上部蓋体300aと下部蓋体300bとから構成されている。容器本体200と下部蓋体300bとの接触面にはOリング205が設けられていて、これにより容器本体200と下部蓋体300bとが密閉され、処理室が画定される。上部蓋体300aと下部蓋体300bとの接触面にもOリング210及びOリング215が設けられていて、これにより、上部蓋体300aと下部蓋体300bとが密閉されている。容器本体200及び蓋体300は、たとえば、アルミニウム合金等の金属からなり、電気的に接地されている。
処理容器100の内部には、基板Gを載置するためのサセプタ105(ステージ)が設けられている。サセプタ105は、たとえば窒化アルミニウムから形成されている。サセプタ105は、支持体110に支持されていて、その周囲には処理室のガスの流れを好ましい状態に制御するためのバッフル板115が設けられている。処理容器100の底部にはガス排出管120が設けられていて、処理容器100の外部に設けられた真空ポンプ(図示せず)を用いて処理容器100内のガスを排出するようになっている。
図2を参照すると、処理容器100の天井面には、第1の誘電体305、金属電極310及び金属カバー320が規則的に配置されている。第1の誘電体305及び金属電極310は、基板Gや処理容器100に対して概ね45°傾いた位置に等ピッチで8枚配置されている。第1の誘電体305のわずかに削られた角部同士は隣接して配置される。金属カバー320は、第1の誘電体305及び金属電極310の間に3枚配置されている。
天井面にはまた、全ての金属電極310及び金属カバー320を取り囲むサイドカバー350が12枚設けられている。金属電極310及び金属カバー320は、本実施形態ではほぼ正方形のプレートであるが正方形でなくてもよい。金属電極310は、金属電極310の外縁部から第1の誘電体305が概ね均等に露出するように第1の誘電体305に隣接して設けられた平板である。かかる構成により、第1の誘電体305は、蓋体300の内面と金属電極310とによりサンドイッチされ、処理容器100の内面に密着される。金属電極310は、処理容器100の内壁と電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、8枚の第1の誘電体305及び金属電極310が4枚×2列に配置されているが、これに限られず、第1の誘電体305及び金属電極310の枚数は増やすことも減らすこともできる。
再び図1を見ると、金属電極310と金属カバー320は、第1の誘電体305の厚さ分、金属カバー320の方が厚い。かかる形状によれば、天井面の高さがほぼ等しくなる。第1の誘電体305はアルミナにより形成され、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350はアルミニウム合金により形成されている。
第1の誘電体305及び金属電極310は、ねじ325により4カ所から均等に支持されている。上部蓋体300aと下部蓋体300bとの間には、紙面に垂直な方向に格子状に形成された主ガス流路330が設けられている。主ガス流路330は、複数のねじ325内に設けられたガス流路325aにガスを分流する。ガス流路325aの入口には、流路を狭める細管335が嵌入されている。細管335は、セラミックスや金属からなる。金属電極310と第1の誘電体305との間にはガス流路310aが設けられている。金属カバー320と下部蓋体300bの間及びサイドカバー350と下部蓋体300bとの間にもガス流路320aが設けられている。ねじ325の先端面は、プラズマの分布を乱さないように、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350の下面と面一になっている。金属電極310に開口されたガス放出穴345aと金属カバー320やサイドカバー350に開口されたガス放出穴345bとは均等なピッチで配設されている。
ガス供給源905から出力されたガスは、主ガス流路330からガス流路325aを通って第1のガス流路310a及び第2のガス流路320aを通過し、ガス孔345a,345bから処理室内に供給される。このようにして天井部の金属面にガスシャワープレートを形成することにより、従来生じていた、プラズマ中のイオンによる誘電体板表面のエッチング及び処理容器内壁への反応生成物の堆積を抑制し、コンタミやパーティクルの低減を図ることができる。また、誘電体と異なり金属は加工が容易なため、コストを大幅に低減することができる。
第1の同軸管の外部導体610bは、蓋体300を掘り込んで形成され、その掘り込みに内部導体610aが挿入されている。同様にして掘り込んで形成された第2〜第5の同軸管の外部導体620b〜650bには、第2〜第5の同軸管の内部導体620a〜650aが挿入され、その上部は蓋カバー660で覆われている。各同軸管の内部導体は熱伝導のよい銅で形成されている。
第1の誘電体305の表面は、第1の同軸管の内部導体610a及び外部導体610b間から第1の誘電体305にマイクロ波が入射する部分と第1の誘電体305から処理容器100内部にマイクロ波が放出される部分を除いて金属膜305aにて被覆されている。これにより、第1の誘電体305とそれに隣接する部材間に生じた空隙によってもマイクロ波の伝搬が乱されず、安定してマイクロ波を処理容器内に導くことができる。
第1の誘電体305は、第1の誘電体305に一対一に隣接した金属電極310と第1の誘電体305が配置されていない金属カバー320の間からプラズマ側に露出している。図2に示したように、各第1の誘電体305を中心に隣接する金属カバー320の中心点を頂点に持つ仮想領域をセルCelとして、天井面を均等な仮想領域に画定する。天井面では、セルCelを一単位として同一パターンの構成が8セル規則正しく配置されている。
これにより、マイクロ波源900から出力された、たとえば915MHzのマイクロ波は、第1〜第5の同軸管を通って第1の誘電体305に均等に伝えられる。第1の誘電体305から放出されたマイクロ波は、表面波となって電力を等分配しながら金属電極310及び金属カバー320の表面を伝搬する。これにより、天井面全体に、金属表面波が伝搬し、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置10の天井面の下方にて、均一なプラズマが生成される。
第2の誘電体340は、複数のセルCel全体の最も外周側の近傍に沿って、すべての第1の誘電体305、金属電極310、金属カバー320及びサイドカバー350を取り囲むように設けられている。第2の誘電体340は、縦断面が矩形状であり、石英、アルミナ、イットリア、アルミナと石英の混合物等から形成される。第2の誘電体340の上面は下部蓋体330bの下面に密着し、下部蓋体300bからプラズマ側に突出している。
このようにして、第2の誘電体340は、複数の第1の誘電体305のそれぞれを含む仮想領域である複数のセルCel全体の最も外周側に近接して設けられる。複数の第1の誘電体305と第2の誘電体340とは、近接しているが接触しておらず、第2の誘電体340と複数の第1の誘電体305との間から金属面が露出している。第2の誘電体340は、処理容器100の内面においてプラズマ励起領域を囲む領域に設けられる。第2の誘電体340は、本実施形態のように一重であってもよく、二重や三重であってもよい。第2の誘電体340は、処理容器100の内面に設けられ、処理容器100の内面に沿って伝搬する電磁波(金属表面波)を抑制するように機能するが、詳しくは後述する。
図1に示した冷媒供給源910は、蓋体300内部の冷媒配管910a、第2の同軸管の内部導体620a内の冷媒配管910bに接続されていて、冷媒供給源910から供給された冷媒が冷媒配管910a、910b内を循環して再び冷媒供給源910に戻ることにより、蓋体300及び第2の同軸管の内部導体620aの加熱を抑止するようになっている。
[第2の誘電体による反射]
金属表面波の透過を十分小さく抑えるには、第2の誘電体340の幅と厚さが所望の値になっている必要がある。第2の誘電体340の幅と厚さの最適値を調べるために、図3に示すモデルを用いた電磁界シミュレーションを行った。図3のように、金属の下面に厚さD、幅Dの紙面に垂直方向に無限に延びた誘電体Mdが配置されている。金属および誘電体Mdの下面には、厚さsのシース及び比誘電率がεのプラズマが設けられている。シースの比誘電率は1とした。
金属表面上を紙面の右端から左に向かって伝搬する金属表面波MSWの入射波は、誘電体MdのA端面まで到達すると、その一部が誘電体表面波DSWとなって誘電体Mdとプラズマとの間に跨って伝搬し、残りは反射波となって戻っていく。A端面だけでなく、B端面でもマイクロ波は反射される。誘電体Md中には、A端面及びB端面における多重反射によって生じた左右に伝搬するマイクロ波により定在波が生じる。誘電体表面波DSWの一部は、B端面において金属表面波MSWの透過波となって左側の金属面に沿って伝搬していく。
入射波の電力をP、透過波の電力をPとしたとき、透過量は10log(P/P)で表される。実用上、透過波の電力は入射波の電力の10%以下に抑えるべきである。従って、透過量は−10dB以下に抑えなければならない。
[誘電体の形状の最適化]
(誘電体の厚さDt)
次に、図3のモデルを用いて電磁界シミュレーションを行った結果を図4、5に示す。図4は、誘電体の厚さDと透過量の関係を求めたものである。誘電体の幅Dは10mmに固定した。マイクロ波の周波数は915MHz、プラズマの比誘電率εdは−70とした。これらの値は、標準的なプラズマ励起条件に合わせた。
図4より、透過量は誘電体の幅Dの増加とともに減少することがわかる。これは次のように説明される。A端面において、金属表面波MSWと誘電体表面波DSWの特性インピーダンスの比が大きいほど反射が大きく、透過が小さくなる。誘電体表面波DSWは、シースとプラズマだけでなく、厚い誘電体に跨って伝搬するため、一般に金属表面波MSWと比べて特性インピーダンスが大きい。誘電体表面波DSWの特性インピーダンスは、誘電体の厚さDが厚いほど大きくなる。従って、誘電体の厚さDが厚いほど金属表面波MSWと誘電体表面波DSWの特性インピーダンスの比が大きくなり、透過量が小さくなる。
一方、図4より、透過量は誘電体の比誘電率εdにあまり依存しないことがわかる。また、透過量を−10dB以下に抑えるには、誘電体の厚さDを誘電体の比誘電率εdによらず4mm以上にしなければならないことがわかる。
(誘電体の幅Dw)
図5に、誘電体の幅Dと透過量との関係を示す。マイクロ波の周波数は915MHz、プラズマの比誘電率は−70、誘電体の厚さDは8mm、誘電体の比誘電率εdは10とした。透過量は、誘電体の幅Dに対し周期的に変化している。これは、次のように説明される。
前述した通り、誘電体中には左右に伝搬するマイクロ波により定在波が生じている。B端面から左側を見たインピーダンスは誘電体表面波の特性インピーダンスより十分小さいため、B端面は電気的に短絡されている状態に近くなり、電界の定在波の節になる。
A端面が定在波の腹になる条件、すなわち誘電体の幅Dが、概ね(2n+1)×λ/4(nは整数、λは誘電体表面波DSWの波長)のとき、A端面から左側を見たインピーダンスは最大となり、金属表面波MSWの小さな特性インピーダンスとの比が大きくなるため、透過量が最も小さくなる。
一方、A端面が定在波の節になる条件、すなわち誘電体の幅Dが、n×λ/2のとき、A端面から左側を見たインピーダンスは最小となり、金属表面波MSWの特性インピーダンスとの比が小さくなるため、透過量が最も大きくなる。
透過量を小さく抑えるには、A端面が定在波の腹になる条件、すなわち、誘電体の幅Dが概ね(2n+1)×λ/4の長さであることが望ましい。または、A端面が定在波の節にならない条件、すなわち、誘電体の幅Dがn×λ/2を除く長さであることが望ましい。さらに、種々の条件により誘電体表面波DSWの波長λが変化しても常に透過量を小さく抑えるには、誘電体の幅Dが少なくともλ/2よりも小さいことが好ましい。
誘電体の厚さDが、シースの厚さよりも十分厚いとき、誘電体表面波DSWの波長λは、近似的に次のように求められる。先ず、次の特性方程式により、固有値hiを求める。
Figure 2010090058
(1)
ここで、εはプラズマの比誘電率(実部)、kは真空中の波数である。次に、次式から誘電体表面波の波長λが求められる。
Figure 2010090058
(2)
図5の結果を求めた条件において(1)、(2)式から誘電体表面波の波長λを計算すると、74mmとなる。図5を見ると、誘電体の幅Dが、ほぼn×λ/2(n=1,2)のとき透過量が最も大きくなっていることがわかる。
誘電体表面波の波長λは、マイクロ波の周波数fにほぼ反比例し、誘電体の比誘電率εの1/2乗にほぼ反比例する。従って、誘電体表面波の波長λは、簡易的に、
Figure 2010090058
(3)
と表される。
種々の条件により誘電体表面波の波長λが変化しても常に透過量を小さく抑えるには、(3)式より、誘電体の幅Dが少なくともλ/2よりも小さいこと、すなわち、
Figure 2010090058
(4)
が成り立てばよい。
以上から、第2の誘電体340の形状としては、厚さD及び幅Dを次のように設定するとよい。すなわち、第2の誘電体340の金属表面波MSWの伝搬方向に垂直な方向の最も厚い部分の厚さDは、4mm以上とすることが好ましい。
また、第2の誘電体340の金属表面波MSWの伝搬方向の最も長い部分の長さDは、概ね(2n+1)×λ/4(nは整数)とすること、または、n×λ/2(nは整数)を除く長さとすることが好ましい。さらに、第2の誘電体340の長さDは、概ねλ/2未満であるとより好ましい。
これによれば、第2の誘電体340により処理容器100の内面に沿って伝搬する金属表面波を十分に反射させることができ、第2の誘電体340により囲まれた領域によりプラズマ励起領域が画定されることとなる。これにより、金属表面波が処理容器の内面に沿って基板Gの周囲まで伝搬し、処理の均一性を損なうことを回避することができる。また、基板Gの処理に使用できない位置にプラズマが立つことにより、マイクロ波のエネルギーが無駄に消費されることを防止することができる。さらに、金属表面波のエネルギーにより機器が損傷する恐れがある領域へ金属表面波が伝搬することを抑制することができる。
<第2実施形態>
[プラズマ処理装置の構成]
次に、本発明の第2実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置の構成について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るマイクロ波プラズマ処理装置10を示した縦断面(図7に示した4−0’,0−4断面)図である。図7は、図6の3−3断面であり、マイクロ波プラズマ処理装置10の天井面を示している。
マイクロ波プラズマ処理装置10は、たとえば300mmの半導体基板Gをプラズマ処理するための処理容器100を有している。処理容器100は、容器本体200と蓋体300とから構成される。容器本体200は、その上部が開口された有底円筒状であって、その開口は蓋体300により閉塞されている。
図7を参照すると、処理容器100の天井面には、第1の誘電体305、金属電極310及び金属カバー320が規則的に配置されている。4枚の第1の誘電体305及び金属電極310は、4枚の第1の誘電体305のわずかに削られた角部同士が隣接するように点対称に配置されている。金属カバー320は、第1の誘電体305及び金属電極310の間に1枚配置されている。
天井面にはまた、第1の誘電体305,金属電極310及び金属カバー320を全て取り囲む一体のサイドカバー350が設けられている。金属電極310及び金属カバー320は、本実施形態ではほぼ正方形のプレートであるが正方形でなくてもよい。かかる構成により、第1の誘電体305は、蓋体300の内面と金属電極310とによりサンドイッチされ、処理容器100の内面に密着される。金属電極310は、処理容器100の内壁と電気的に接続されている。
図6に戻ると、第1の同軸管の外部導体610bは、蓋体300を掘り込んで形成され、その掘り込みに内部導体610aが挿入されている。同様にして掘り込んで形成された第3〜第5の同軸管の外部導体630b〜650bには、第3〜第5の同軸管の内部導体630a〜650aが挿入され、その上部は蓋カバー660で覆われている。第4の同軸管は第3の同軸管に2分岐し、第3の同軸管の両端部には第5の同軸管がそれぞれ連結されて2分岐する。2本の第5の同軸管の両端部には、第1の同軸管がそれぞれ連結される。
マイクロ波源900から出力されたマイクロ波は、第4の同軸管を経て第3の同軸管、2本の第5の同軸管、4本の第1の同軸管を伝って4枚の第1の誘電体305から処理容器100の内部に供給される。
[第2の誘電体]
図6に示したように、第2の実施形態に係る第2の誘電体340は、断面が横長の形状である。第2の誘電体340は、処理容器100(容器本体200)の側壁内まで延びている。第2の誘電体340の外周側を容器本体200と下部蓋体300bとの境界に設けられた凹部に挿入する。凹部の下面にOリング505を介在させ、Oリング505の反発力により第2の誘電体340を下部蓋体300bに押し付けて固定する。かかる構成によれば、処理容器100に設けられた凹部により、固定部材を使わずに第2の誘電体340を取り付けることができる。
図6及び図7に示したように、本実施形態では、第2の誘電体340は、8角形の開口を有するリング状の板であり、内周の一部が4枚の第1の誘電体305の外側に近接して設けられている。よって、第1の誘電体305と第2の誘電体340とは少し離れていて、その間から金属面が露出している。金属電極310の下面と第2の誘電体340の上面とは同一面内に位置している。
なお、第2の誘電体340は、内周の一部が4枚の第1の誘電体305の外側に沿って設けられていてもよい。
処理容器100の内面に大きな段差部があると、処理ガスが停留するため好ましくない。一方、金属表面波を反射させるためには、第2の誘電体340は厚い方がよい。このため、第2の誘電体340の少なくともプラズマ側の面の角を面取りし、斜面340aとすることにより、第2の誘電体340の厚さを確保しながら、第2の誘電体340によって生じる段差を小さく抑えている。
これによっても、第2の誘電体340により処理容器100の内面に沿って伝搬する金属表面波を十分に反射させることができ、第2の誘電体340により囲まれた領域によりプラズマ励起領域が画定されることになる。
<第2の誘電体の変形例>
第2の誘電体340の形状、固定方法及び配置については、いろいろな変形例が考えられる。以下に、第2の誘電体340の変形例1〜変形例6について、図8〜図13を参照しながら説明する。
(変形例1)
図8に本実施形態に係る第2の誘電体340の変形例1の縦断面を示す。変形例1に係る第2の誘電体340は、断面が矩形状であり、セルCelの境界と第2の誘電体340の端面とが同一面内になるように配置される。すなわち、第2の誘電体340は、複数の第1の誘電体305のそれぞれを含む仮想領域である複数のセルCel全体の最も外周側に沿って設けられる。
また、第2の誘電体340は、処理容器100の天井面の金属表面に当接した状態で、下部蓋体300bの上側(外側)からねじ500によりねじ止めされている。ねじ500は、絶縁体でも金属でもよい。かかる構成によれば、金属電極310の下面と第2の誘電体340の上面とが同一平面上に位置する。よって、蓋体側を加工する必要がなく、コスト安となる。
また、セルの境界線上に第2の誘電体340を配置すればよいため、装置の設計が容易になるとともに、マイクロ波の波長が変わっても常に対称性を有する電界強度のパターンが得られるので好ましい。
なお、処理容器100の金属面と第2の誘電体340との隙間は狭くしておかないと、その隙間にてプラズマが発生してしまう。これを回避するために、たとえば、上記隙間を0.2mm以下に管理する。
(変形例2)
図9に本実施形態に係る第2の誘電体340の変形例2の縦断面を示す。変形例2に係る第2の誘電体340は、断面がL字状であり、セルCelの境界と第2の誘電体340の端面とが同一面内になっている。
第2の誘電体340は、処理容器100の天井面の金属表面に当接した状態で、下部蓋体300bの下側(内側)からねじ510によりねじ止めされている。ねじ510は、絶縁体でも金属でもよい。セルの境界と第1の誘電体305の端面とは、同一面内に配置される。第2の誘電体340の上面は、金属電極310の下面よりやや下側に位置する。
かかる構成によれば、第2の誘電体340が下側からねじ止めされているのでメンテナンス性が向上する。また、第2の誘電体340をL字状にすることにより、ねじ510とプラズマとの間に第2の誘電体340の仕切りを設けることができ、これにより異常放電を抑止することができる。
(変形例3)
図10に本実施形態に係る第2の誘電体340の変形例3の縦断面を示す。変形例3では、断面が矩形状の第2の誘電体340を下部蓋体300bの内部に完全に埋め込み、下部蓋体300bから突出させない。第2の誘電体340の下面は、第1の誘電体305の上面と同一面内になっている。このようにして天井面の凹凸を極力減らすことにより、ガスが停留しないようにしている。なお、第2の誘電体340の端面は、セルCelの境界より外側に位置する。本変形例では、金属カバー320及びサイドカバー350は設けられていない。
(変形例4)
図11に本実施形態に係る第2の誘電体340の変形例4の縦断面を示す。変形例4では、第2の誘電体340の端面が、処理容器100の容器本体200の内側面まで延びて、内側面に当接している。セルCelの境界と第2の誘電体340の端面が同一面内に位置づけられる。
第2の誘電体340の上面が第1の誘電体305の下面と同一面内にある。第2の誘電体340の角は面取りされ傾斜340aとされていて、ガスの流れを良好にし、クリーニングが容易な構成となっている。本変形例では、金属カバー320及びサイドカバー350が設けられていない。
(変形例5)
図12に本実施形態に係る第2の誘電体340の変形例5の縦断面を示す。変形例5では、第2の誘電体340が部分的に埋め込まれ、その一部が下部蓋体300bから突出している。第2の誘電体340は、処理容器の壁内のねじ515にて下部蓋体300bに固定されている。ねじ515がプラズマに晒されないため、異常放電を防止できる。
本変形例に係る第2の誘電体340は、断面が細長く、内側340bが厚く、その角が面取りされ傾斜340aとされている。第2の誘電体340の端面は、セルCelの境界の外側に位置する。
(変形例6)
図13に本実施形態に係る第2の誘電体340の変形例6の縦断面を示す。変形例6では、下部蓋体300bが、上部300b1及び下部300b2に分割されている。下部蓋体の下部300b2とサイドカバー350との間に第2の誘電体340が設けられている。これらの間には段差が設けられており、下部蓋体の下部300b2とサイドカバー350により挟み込むことによって第2の誘電体340が保持されるようになっている。これによれば、ねじ等を用いずに第2の誘電体340を固定できる。
以上の変形例1〜6によっても、第2の誘電体340によりプラズマの安定を維持しながら金属表面波の伝搬を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明に係る第2の誘電体340は、処理容器100の内面であってプラズマ励起領域を囲む領域に設けられてもよい。一方、第2の誘電体340を設けることにより、第2の誘電体340によって囲まれた領域をプラズマ励起領域として画定することができる。第1の誘電体305及び第2の誘電体340は、板状でなくてもよい。
また、以上に説明した各実施形態では、915MHzのマイクロ波を出力するマイクロ波源900を挙げたが、896MHz、922MHz、2.45GHz等のマイクロ波を出力するマイクロ波源であってもよい。また、マイクロ波源は、プラズマを励起するための電磁波を発生する電磁波源の一例であり、100MHz以上の電磁波を出力する電磁波源であれば、マグネトロンや高周波電源も含まれる。
また、本発明に係るプラズマ処理装置は、上述したマイクロ波プラズマ処理装置に限られず、成膜処理、拡散処理、エッチング処理、アッシング処理、プラズマドーピング処理など、被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であればよい。
また、本発明にかかるプラズマ処理装置は、大面積のガラス基板、円形のシリコンウエハや角型のSOI(Silicon On Insulator)基板を処理することもできる。
10 マイクロ波プラズマ処理装置
100 処理容器
105 サセプタ
200 容器本体
300 蓋体
300a 上部蓋体
300b 下部蓋体
300b1 下部蓋体の上部
300b2 下部蓋体の下部
305 第1の誘電体
310 金属電極
320 金属カバー
325,500,510,515 ねじ
340 第2の誘電体
340a 傾斜
350 サイドカバー
これによれば、第2の誘電体340により処理容器100の内面に沿って伝搬する金属表面波を十分に反射させることができ、第2の誘電体340により囲まれた領域によりプラズマ励起領域が画定されることとなる。これにより、金属表面波が処理容器の内面に沿って基板Gの周囲まで伝搬し、処理の均一性を損なうことを回避することができる。また、基板Gの処理に使用できない位置にプラズマが立つことを回避することにより、マイクロ波のエネルギーが無駄に消費されることを防止することができる。さらに、金属表面波のエネルギーにより機器が損傷する恐れがある領域へ金属表面波が伝搬することを抑制することができる。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、金属により形成された処理容器と、電磁波を出力する電磁波源と、前記処理容器の内壁に面し、前記電磁波源から出力された電磁波を前記処理容器内に透過する第1の誘電体と、前記処理容器の内面の金属面に設けられ、前記処理容器の内面に沿って伝搬する金属表面波を抑制する第2の誘電体と、を備えるプラズマ処理装置が提供される。
前記第2の誘電体は、前記金属表面波の90%以上を反射させてもよい。
前記第2の誘電体の前記金属表面波の伝搬方向に垂直な方向の最も厚い部分の厚さDtは、4mm以上であってもよい。
前記第2の誘電体の前記金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ねn/2倍(nは整数)を除く長さであってもよい。
前記第2の誘電体の前記金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ね1/2倍未満であってもよい。
前記第2の誘電体の前記金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体の比誘電率をε、金属表面波の周波数をfとしたとき、
[数1]
Figure 2010090058
よりも短くてもよい。
前記第2の誘電体の前記金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ね(2n+1)/4倍(nは整数)であってもよい。

Claims (18)

  1. 電磁波によりガスを励起させて被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置であって、
    金属により形成された処理容器と、
    電磁波を出力する電磁波源と、
    前記処理容器の内壁に面し、前記電磁波源から出力された電磁波を前記処理容器内に透過する第1の誘電体と、
    前記処理容器の内面に設けられ、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波を抑制する第2の誘電体と、を備えるプラズマ処理装置。
  2. 前記第2の誘電体は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波を反射させる請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記第2の誘電体は、前記処理容器の内面に沿って伝搬する電磁波の90%以上を反射させる請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向に垂直な方向の最も厚い部分の厚さDtは、4mm以上である請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ねn/2倍(nは整数)を除く長さである請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ね1/2倍未満である請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体の比誘電率をε、金属表面波の周波数をfとしたとき、
    Figure 2010090058
    よりも短い請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記第2の誘電体の金属表面波の伝搬方向の最も長い部分の長さDwは、当該第2の誘電体とプラズマに跨って伝搬する電磁波の波長λの概ね(2n+1)/4倍(nは整数)である請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記第2の誘電体は、前記処理容器の内壁に設けられた貫通口又は凹部に嵌入されている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記第2の誘電体は、前記処理容器の金属面に当接する請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記第2の誘電体の少なくともプラズマ側の面は、角が面取りされている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記第2の誘電体は、前記処理容器の側壁まで延びている請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記第2の誘電体は、前記処理容器の内面であってプラズマ励起領域を囲む領域に設けられる請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記第1の誘電体は、前記処理容器の内壁に面して規則的に複数配置され、
    前記第2の誘電体は、前記複数の第1の誘電体及びのそれぞれを含む仮想領域である複数のセル全体の最も外周側に近接して設けられる請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記第1の誘電体は、前記処理容器の内壁に面して規則的に複数配置され、
    前記第2の誘電体は、前記複数の第1の誘電体及び前記複数の第1の誘電体に隣接して設けられるカバーの最も外周側に沿って又は当該外周側に近接して設けられる請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記第2の誘電体は、前記プラズマ励起領域を画定する請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記第2の誘電体と前記複数の第1の誘電体との間から金属面が露出している請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記第2の誘電体は、固定部材より前記処理容器に固定されるか、前記処理容器に設けられた貫通口又は凹部により前記処理容器に固定される請求項1に記載のプラズマ処理装置。
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