JPWO2010070702A1 - 自然エネルギを利用した動力発生装置 - Google Patents
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Abstract
自然エネルギに基づいてエネルギを取り出す機能を有し、取り出したエネルギを効率よく蓄積するとともに、需要に応じて適量のエネルギを速やかに取り出せるようにする。自然エネルギを利用して、100℃を超える所定温度まで熱媒体油を加熱する吸熱・放熱装置2と、吸熱・放熱装置2により加熱された熱媒体油の熱を蓄熱する蓄熱装置4と、蓄熱装置4に蓄熱された熱を受けて水を加熱し、蒸気を発生させる蒸気発生装置5と、蒸気発生装置5で発生した蒸気により駆動されて動力を発生する蒸気エンジン6と、蒸気エンジン6で利用された蒸気を復水し、この復水を地中熱で冷却すると共に、冷却した復水を蒸気発生装置5に環流する復水装置8を備えた自然エネルギを利用した動力発生装置を提供する。
Description
本発明は、太陽熱や地中熱等の自然エネルギを利用して動力を取り出す、自然エネルギを利用した動力発生装置に関する。
近年、太陽光、地熱、風力、潮汐力等の自然エネルギ(いわゆる再生可能エネルギ)を、電力等のエネルギに変換する手法が研究され、具体的な装置やシステムが数多く提案されている。具体的には、太陽光の熱エネルギを熱電素子により電気エネルギに変換する太陽光発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、太陽光から得た熱エネルギにより空気と水蒸気を加温して気流を発生させ、この気流により風力発電を行う装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−007412号公報
特開2004−100496号公報
上述した自然エネルギを利用する装置やシステムの多くは、自然エネルギをその場で電力等の他のエネルギに変換するので、需要に応じて適量のエネルギを取り出す量を調整することは困難であった。取り出したエネルギを蓄えることは、例えばバッテリを用いれば可能であるが、バッテリは高価であり、さらに、エネルギの蓄積及び取り出しを効率よく行うことが難しかった。
そこで、本発明は、自然エネルギに基づいてエネルギを取り出す機能を有し、取り出したエネルギを効率よく蓄積するとともに、需要に応じて適量のエネルギを速やかに取り出せる自然エネルギを利用した動力発生装置を、低コストで実現することを目的とする。
そこで、本発明は、自然エネルギに基づいてエネルギを取り出す機能を有し、取り出したエネルギを効率よく蓄積するとともに、需要に応じて適量のエネルギを速やかに取り出せる自然エネルギを利用した動力発生装置を、低コストで実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、自然エネルギを利用して、熱媒体を100℃を超える所定温度まで加熱する加熱部と、前記加熱部により加熱された熱媒体の熱を蓄熱する蓄熱部と、前記蓄熱部に蓄熱された熱を受けて水を加熱し、蒸気を発生させる蒸気発生部と、前記蒸気発生部で発生した蒸気により駆動されて動力を発生する動力発生部と、前記動力発生部で利用された蒸気を復水し、この復水を地中熱で冷却すると共に、冷却した復水を前記蒸気発生部に環流する復水部とを備えたこと、を特徴とする自然エネルギを利用した動力発生装置を提供する。
この構成によれば、自然エネルギを利用して熱媒体を、100℃を超える所定温度まで加熱し、この100℃を超える熱媒体の熱を蓄熱部に蓄え、蓄えた熱によって水を蒸気にして動力を発生させ、利用後の蒸気を地中熱により冷却して環流させるので、自然エネルギから熱媒体の熱として取り出したエネルギを効率よく蓄えることができ、蓄えた熱エネルギを必要量だけ速やかに取り出して利用できる。また、熱エネルギの利用に際して水を利用し、この水を、地中熱を利用して復水して環流させるので、水の無駄な消費もせず、より効率的に自然エネルギを利用して動力エネルギを得ることができる。
ここで、熱媒体は、例えば鉱物油やシリコーンオイル等の油脂が挙げられるが、水や油脂等に添加物を溶解させて、沸点が100℃を超えるようにした液体等が挙げられる。
この構成によれば、自然エネルギを利用して熱媒体を、100℃を超える所定温度まで加熱し、この100℃を超える熱媒体の熱を蓄熱部に蓄え、蓄えた熱によって水を蒸気にして動力を発生させ、利用後の蒸気を地中熱により冷却して環流させるので、自然エネルギから熱媒体の熱として取り出したエネルギを効率よく蓄えることができ、蓄えた熱エネルギを必要量だけ速やかに取り出して利用できる。また、熱エネルギの利用に際して水を利用し、この水を、地中熱を利用して復水して環流させるので、水の無駄な消費もせず、より効率的に自然エネルギを利用して動力エネルギを得ることができる。
ここで、熱媒体は、例えば鉱物油やシリコーンオイル等の油脂が挙げられるが、水や油脂等に添加物を溶解させて、沸点が100℃を超えるようにした液体等が挙げられる。
上記構成において、前記蓄熱部は、熱媒体を貯留可能な蓄熱槽と、前記蓄熱槽内に配置された蓄熱体とを備え、前記蓄熱体によって、前記蓄熱槽入口から出口に向かう熱媒体の流路を構成し、該流路は熱媒体との接触面積を増大した形態にされたものとしてもよい。
この場合、熱媒体を蓄熱槽に貯留可能とした上で、この蓄熱槽に配置した蓄熱体に熱を蓄えるので、より大きな熱エネルギを蓄えることが可能である。また、蓄熱体は熱媒体の流路を構成し、この流路が、蓄熱体と熱媒体との接触面積を増大した形態であるため、流路を流れる熱媒体の熱エネルギが確実に蓄熱体に伝わるので、効率よく熱エネルギを蓄えることができる。
この場合、熱媒体を蓄熱槽に貯留可能とした上で、この蓄熱槽に配置した蓄熱体に熱を蓄えるので、より大きな熱エネルギを蓄えることが可能である。また、蓄熱体は熱媒体の流路を構成し、この流路が、蓄熱体と熱媒体との接触面積を増大した形態であるため、流路を流れる熱媒体の熱エネルギが確実に蓄熱体に伝わるので、効率よく熱エネルギを蓄えることができる。
さらに、前記動力発生部は、蒸気により駆動されるレシプロ型のエンジンであり、該エンジンのエンジンシリンダから蒸気を排出する排気系に、蒸気を吸引する吸引機構を設けたしたものであってもよい。
この構成によれば、蓄熱部に蓄えた熱エネルギを、蒸気によって駆動されるエンジンによって効率よく動力エネルギに変換することができる。また、吸引機構によりエンジンシリンダから蒸気を吸引するので、排気の過程においても吸引機構の負圧によりエンジンに駆動力を与えることができ、より大きな動力エネルギを得ることができる。
この構成によれば、蓄熱部に蓄えた熱エネルギを、蒸気によって駆動されるエンジンによって効率よく動力エネルギに変換することができる。また、吸引機構によりエンジンシリンダから蒸気を吸引するので、排気の過程においても吸引機構の負圧によりエンジンに駆動力を与えることができ、より大きな動力エネルギを得ることができる。
さらにまた、前記復水部は、復水槽内の復水を循環ポンプの利用により循環する循環路と、この循環路に配置され、前記循環路を循環する水を噴射して負圧を生成するエゼクタとを備え、前記エゼクタを前記エンジンシリンダの排気系に接続し、前記エンジンが排気した蒸気を、前記エゼクタを経て前記復水槽内に吸引するものであってもよい。
この場合、エゼクタを用いて蒸気を復水して循環させるので、蒸気を非常に素早く復水することができ、環流する水の量を抑え、自然エネルギの利用に際してより一層の効率化を図ることができる。また、蒸気を復水するエゼクタが負圧を生じるので、この負圧をエンジンシリンダの排気系に接続することで、エゼクタの負圧によりエンジンに駆動力を与えることができ、エゼクタが水を噴射する噴射のエネルギを効率よく利用して、より大きな動力エネルギを得ることができる。
この場合、エゼクタを用いて蒸気を復水して循環させるので、蒸気を非常に素早く復水することができ、環流する水の量を抑え、自然エネルギの利用に際してより一層の効率化を図ることができる。また、蒸気を復水するエゼクタが負圧を生じるので、この負圧をエンジンシリンダの排気系に接続することで、エゼクタの負圧によりエンジンに駆動力を与えることができ、エゼクタが水を噴射する噴射のエネルギを効率よく利用して、より大きな動力エネルギを得ることができる。
また、いわゆる逆サイクル運転を可能に形成し、地中熱を利用して熱媒体を加熱し、前記蓄熱部への蓄熱を可能とした構成としてもよい。
この場合、地中熱を、蒸気の冷却だけでなく熱源として利用できるので、例えば寒冷時のように、熱エネルギを収集しにくい環境においても、自然エネルギを効率よく収集して熱エネルギとして蓄えることができる。
この場合、地中熱を、蒸気の冷却だけでなく熱源として利用できるので、例えば寒冷時のように、熱エネルギを収集しにくい環境においても、自然エネルギを効率よく収集して熱エネルギとして蓄えることができる。
さらに、前記動力発生部の出力軸に、発電機を連結した構成としてもよい。この場合、熱エネルギから得た動力エネルギを、さらに電気エネルギに変換することができる。また、蓄熱部に蓄えた熱エネルギを必要量だけ自在に取り出して動力エネルギに変換できる構成に発電機を連結したことで、必要量に応じて発電をすることが可能になり、無駄のない効率的な発電を行える。
本発明によれば、自然エネルギを熱媒体の熱として取り出した後、この熱エネルギを効率よく蓄積することができ、蓄積した熱エネルギを必要量だけ速やかに取り出して利用できるので、自然エネルギの効率的な蓄積と、必要量に応じた分だけ取り出して利用する効率的な利用方法を実現できる。
1 動力発生装置
2 吸熱・放熱装置(加熱部)
3 補助熱源
4 蓄熱装置(蓄熱部)
5 蒸気発生装置(蒸気発生部)
6 蒸気エンジン(動力発生部)
7 発電機
8 復水装置(復水部、吸引機構)
9 地中配管部
22 吸熱管
25 CPC
27 断熱材
40 蓄熱体
41 蓄熱槽
42 流入口
43 流出口
44 取出口
48 蓄熱棒
50 蒸気発生塔
52 気水分離器
53 水位制御筒
56 制御部
61 シリンダ
64 Zクランク機構
65 出力軸
66 出力プーリ
70 ベルト
71 駆動軸
72 駆動プーリ
80 水槽(復水槽)
81 循環ポンプ
82 吸込管
83 エゼクタ
84 混合部
88 冷却器
101、102、104、106、107 循環路
103 水循環路
111、112、114 循環ポンプ
113 給水ポンプ
121、122、123、124 四方弁
500 熱交換器
523 水蒸気供給管
551、552 電動弁
612 排気ポート
613 バキューム管
2 吸熱・放熱装置(加熱部)
3 補助熱源
4 蓄熱装置(蓄熱部)
5 蒸気発生装置(蒸気発生部)
6 蒸気エンジン(動力発生部)
7 発電機
8 復水装置(復水部、吸引機構)
9 地中配管部
22 吸熱管
25 CPC
27 断熱材
40 蓄熱体
41 蓄熱槽
42 流入口
43 流出口
44 取出口
48 蓄熱棒
50 蒸気発生塔
52 気水分離器
53 水位制御筒
56 制御部
61 シリンダ
64 Zクランク機構
65 出力軸
66 出力プーリ
70 ベルト
71 駆動軸
72 駆動プーリ
80 水槽(復水槽)
81 循環ポンプ
82 吸込管
83 エゼクタ
84 混合部
88 冷却器
101、102、104、106、107 循環路
103 水循環路
111、112、114 循環ポンプ
113 給水ポンプ
121、122、123、124 四方弁
500 熱交換器
523 水蒸気供給管
551、552 電動弁
612 排気ポート
613 バキューム管
次に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態として、自然エネルギを利用した動力発生装置1の構成を示す図である。動力発生装置1は、太陽熱を集熱して熱媒体としての熱媒体油を加熱する吸熱・放熱装置2(加熱部)と、吸熱・放熱装置で集めた熱を蓄える蓄熱装置4(蓄熱部)と、蓄熱装置4に蓄えられた熱を利用して水蒸気を発生する蒸気発生装置5(蒸気発生部)と、蒸気発生装置5で発生した水蒸気により駆動される蒸気エンジン6(動力発生部)と、蒸気エンジン6において利用後の水蒸気を復水する復水装置8(復水部、吸引機構)と、地中の熱または冷熱を回収する地中配管部9とを備え、吸熱・放熱装置2を用いて太陽熱から得た熱エネルギを、蒸気エンジン6を駆動することで動力エネルギに変換して出力するシステムである。実施形態の動力発生装置1は、蒸気エンジン6の出力軸に発電機7を連結し、電気エネルギを得ることができる。
ここで、自然エネルギとは、新エネルギとして知られている太陽熱、バイオマス熱、雪氷熱エネルギ、廃棄物熱(工場排熱、ゴミ焼却熱、温泉熱)と、地熱とを含む再生可能エネルギ群を指し、このエネルギ群から選択された一以上のエネルギを、本発明において利用できる。本実施形態では、具体例として、太陽熱及び地熱を熱源として利用する場合について説明する。
図1は、本発明の実施形態として、自然エネルギを利用した動力発生装置1の構成を示す図である。動力発生装置1は、太陽熱を集熱して熱媒体としての熱媒体油を加熱する吸熱・放熱装置2(加熱部)と、吸熱・放熱装置で集めた熱を蓄える蓄熱装置4(蓄熱部)と、蓄熱装置4に蓄えられた熱を利用して水蒸気を発生する蒸気発生装置5(蒸気発生部)と、蒸気発生装置5で発生した水蒸気により駆動される蒸気エンジン6(動力発生部)と、蒸気エンジン6において利用後の水蒸気を復水する復水装置8(復水部、吸引機構)と、地中の熱または冷熱を回収する地中配管部9とを備え、吸熱・放熱装置2を用いて太陽熱から得た熱エネルギを、蒸気エンジン6を駆動することで動力エネルギに変換して出力するシステムである。実施形態の動力発生装置1は、蒸気エンジン6の出力軸に発電機7を連結し、電気エネルギを得ることができる。
ここで、自然エネルギとは、新エネルギとして知られている太陽熱、バイオマス熱、雪氷熱エネルギ、廃棄物熱(工場排熱、ゴミ焼却熱、温泉熱)と、地熱とを含む再生可能エネルギ群を指し、このエネルギ群から選択された一以上のエネルギを、本発明において利用できる。本実施形態では、具体例として、太陽熱及び地熱を熱源として利用する場合について説明する。
動力発生装置1は、吸熱・放熱装置2と蓄熱装置4との間で熱媒体としての熱媒体油を循環させる循環路101を有し、循環路101には熱媒体油を循環させる循環ポンプ111が配置されている。動力発生装置1の熱媒体は広い温度範囲で高い流動性を保つものであればよく、鉱物油やシリコーンオイル等の油脂類の他、水やアルコールに添加剤を溶解させた不凍液を用いることもできる。また、より高温で使用される場合には、例えば、溶融炭酸塩や液体ナトリウムを用いても良い。本実施形態の吸熱・放熱装置2において、熱媒体油は例えば230℃程度に加熱され、冬期の夜間は0℃以下になる可能性があるので、沸点が230℃超、凝固点が0℃未満の材料が好適である。
循環路101には、吸熱・放熱装置2から蓄熱装置4へ向かって熱媒体油が流れる輸送管に並列に、補助熱源3が設けられている。補助熱源3は電気ヒータ等で熱媒体油を所定温度まで加熱する装置であり、吸熱・放熱装置2で加熱された熱媒体油の温度が予定の温度に達しない場合等に、熱媒体油を加熱する。
循環路101には、吸熱・放熱装置2から蓄熱装置4へ向かって熱媒体油が流れる輸送管に並列に、補助熱源3が設けられている。補助熱源3は電気ヒータ等で熱媒体油を所定温度まで加熱する装置であり、吸熱・放熱装置2で加熱された熱媒体油の温度が予定の温度に達しない場合等に、熱媒体油を加熱する。
動力発生装置1は、蓄熱装置4と蒸気発生装置5との間で熱媒体油を循環させる循環路102を有し、循環路102には循環ポンプ112が設けられている。蒸気発生装置5は、循環路102を介して流入する熱媒体油と、復水装置8から供給される水とを熱交換させることにより、高温高圧の水蒸気を発生する。
動力発生装置1は、吸熱・放熱装置2及び補助熱源3によって熱媒体油を加熱し、この熱を蓄熱装置4に貯める蓄熱運転と、蓄熱装置4に貯めた熱を取り出して蒸気発生装置5によって水蒸気を発生する熱利用運転と、を実行可能である。
動力発生装置1は、吸熱・放熱装置2及び補助熱源3によって熱媒体油を加熱し、この熱を蓄熱装置4に貯める蓄熱運転と、蓄熱装置4に貯めた熱を取り出して蒸気発生装置5によって水蒸気を発生する熱利用運転と、を実行可能である。
蓄熱運転中は、吸熱・放熱装置2及び補助熱源3によって加熱された熱媒体油が循環路101を通って蓄熱装置4に流れ、蓄熱装置4が備える蓄熱体40に熱が蓄えられる。蓄熱体40に熱を与えた熱媒体油は再び循環路101を循環して吸熱・放熱装置2に戻り、加熱される。
これに対し、熱利用運転中は、蓄熱体40からの高温の熱媒体油を、循環路102を介して蒸気発生装置5に供給し、この熱媒体油の熱を利用して水蒸気を生成する。水蒸気に熱を与えた後の熱媒体油は循環路102を通って蓄熱装置4に戻り、蓄熱体40の熱を得て再び高温になり、蒸気発生装置5へ供給される。
これに対し、熱利用運転中は、蓄熱体40からの高温の熱媒体油を、循環路102を介して蒸気発生装置5に供給し、この熱媒体油の熱を利用して水蒸気を生成する。水蒸気に熱を与えた後の熱媒体油は循環路102を通って蓄熱装置4に戻り、蓄熱体40の熱を得て再び高温になり、蒸気発生装置5へ供給される。
蓄熱運転は、循環ポンプ111によって循環路101に熱媒体油を循環させることで行われ、熱利用運転は循環ポンプ112によって循環路102に熱媒体油を循環させることで行われる。このため、循環ポンプ111、112の動作を制御することで、蓄熱運転と熱利用運転とを、各々切り替えて実行することができ、並列して実行することもできる。
本実施形態では、循環路101、102を流れる熱媒体油は分離されないが、循環路101、102を流れる熱媒体油が完全に分離された構成としてもよい。
本実施形態では、循環路101、102を流れる熱媒体油は分離されないが、循環路101、102を流れる熱媒体油が完全に分離された構成としてもよい。
蒸気発生装置5において生成した水蒸気は水循環路103を介して蒸気エンジン6に流入する。蒸気エンジン6は、高温高圧の水蒸気の蒸気圧によって駆動される蒸気機関であり、その出力軸に連結された発電機7を駆動して発電させる。
また、水循環路103には復水装置8が接続され、蒸気エンジン6において使用された後の水蒸気は水循環路103を通って復水装置8に吸引される。復水装置8は、水槽80(復水槽)と、水槽80の水を送出する循環ポンプ81と、循環ポンプ81により送出された水が高速で噴射されるエゼクタ83を備えている。エゼクタ83は、循環ポンプ81により送出された水を空気と混ざった状態で高速で噴射することで負圧を発生する。この負圧は水循環路103を介して蒸気エンジン6の排気側に及び、蒸気エンジン6から使用後の水蒸気がエゼクタ83に吸い込まれる。復水装置8に吸い込まれた水蒸気はエゼクタ83において水と混合されて冷却され、水蒸気から液体の水に戻り、水槽80に貯留される。
また、水循環路103には復水装置8が接続され、蒸気エンジン6において使用された後の水蒸気は水循環路103を通って復水装置8に吸引される。復水装置8は、水槽80(復水槽)と、水槽80の水を送出する循環ポンプ81と、循環ポンプ81により送出された水が高速で噴射されるエゼクタ83を備えている。エゼクタ83は、循環ポンプ81により送出された水を空気と混ざった状態で高速で噴射することで負圧を発生する。この負圧は水循環路103を介して蒸気エンジン6の排気側に及び、蒸気エンジン6から使用後の水蒸気がエゼクタ83に吸い込まれる。復水装置8に吸い込まれた水蒸気はエゼクタ83において水と混合されて冷却され、水蒸気から液体の水に戻り、水槽80に貯留される。
また、動力発生装置1は、水槽80の水を冷却するための循環路104を備えている。循環路104は、地中に埋設された地中配管部9と、地中配管部9を通った熱媒体油を循環させる循環ポンプ114とを、水槽80に設けられた冷却器88に接続する。循環路104では、循環ポンプ114によって、地中配管部9において地中の冷熱を吸収した熱媒体油が冷却器88に供給され、水槽80の水を冷却する。つまり、蒸気エンジン6で使用された水蒸気を、地中の冷熱を利用して冷却することで、復水装置8において効率よく復水する。
このように構成される動力発生装置1の循環路101、104には、4つの四方弁121、122、123、124が設けられ、これら四方弁121〜124を切り替えることによって、熱媒体油の循環経路を変更可能である。
図2は、動力発生装置1の四方弁121〜124を切り替えた状態を示す図である。
図1に示す状態では、吸熱・放熱装置2と蓄熱装置4との間で熱媒体油を循環させる循環路101が形成されていたが、四方弁121〜124を切り替えることによって、図2に示すように、地中配管部9と蓄熱装置4との間で熱媒体油が循環する循環路106が形成される。この循環路106により、地中配管部9によって加熱された熱媒体油が、直接あるいは補助熱源3を介して蓄熱装置4に送られる。その一方で、吸熱・放熱装置2と水槽80内の冷却器88とを接続する循環路107が形成されている。この循環路107では、吸熱・放熱装置2において冷却された熱媒体油が冷却器88に流れ、水槽80の水を冷却する。
図2は、動力発生装置1の四方弁121〜124を切り替えた状態を示す図である。
図1に示す状態では、吸熱・放熱装置2と蓄熱装置4との間で熱媒体油を循環させる循環路101が形成されていたが、四方弁121〜124を切り替えることによって、図2に示すように、地中配管部9と蓄熱装置4との間で熱媒体油が循環する循環路106が形成される。この循環路106により、地中配管部9によって加熱された熱媒体油が、直接あるいは補助熱源3を介して蓄熱装置4に送られる。その一方で、吸熱・放熱装置2と水槽80内の冷却器88とを接続する循環路107が形成されている。この循環路107では、吸熱・放熱装置2において冷却された熱媒体油が冷却器88に流れ、水槽80の水を冷却する。
図1の状態は、吸熱・放熱装置2を、熱媒体油を加熱する熱源として用い、地中配管部9を、水槽80の水を冷却するための冷熱源として用いている。これに対し、図2の状態は、地中配管部9を、熱媒体油を加熱する熱源として用い、吸熱・放熱装置2を、水槽80の水を冷却するための冷熱源として用いている。つまり、吸熱・放熱装置2が熱エネルギを得ることが可能な昼間は、四方弁121〜124を切り替えて図1の状態とし、吸熱・放熱装置2が太陽熱による熱エネルギを得られない夜間等は、四方弁121〜124を切り替えて図2の状態とすれば、太陽熱から熱エネルギを得られる間も、得られない間も、自然エネルギを効果的に集めて蓄熱できる。
以下、動力発生装置1を構成する各部の詳細な構成について、説明する。
図3は、吸熱・放熱装置2の構成を示す図であり、図3Aは平面図、図3Bは側面図、図3Cは要部拡大断面図を示す。また、図3Dは吸熱・放熱装置2の別の構成例を示す図である。
図3A及び図3Bに示すように、吸熱・放熱装置2は、全体として平たい枠形状の外装21に、吸熱管22を収容して構成される。外装21には、外装21の長さに対して数倍以上の長さの1本の吸熱管22が、外装21内を複数回往復するように折り曲げられて配置される。吸熱管22の両端23、24は外装21の外に突出し、循環路101(図1)に接続される。一方の端23は熱媒体油の流入口となり、他方の端24は熱媒体油の流出口となるが、端24から熱媒体油を流入させて端23から流出させ、熱媒体油を逆に循環させてもよい。
図3は、吸熱・放熱装置2の構成を示す図であり、図3Aは平面図、図3Bは側面図、図3Cは要部拡大断面図を示す。また、図3Dは吸熱・放熱装置2の別の構成例を示す図である。
図3A及び図3Bに示すように、吸熱・放熱装置2は、全体として平たい枠形状の外装21に、吸熱管22を収容して構成される。外装21には、外装21の長さに対して数倍以上の長さの1本の吸熱管22が、外装21内を複数回往復するように折り曲げられて配置される。吸熱管22の両端23、24は外装21の外に突出し、循環路101(図1)に接続される。一方の端23は熱媒体油の流入口となり、他方の端24は熱媒体油の流出口となるが、端24から熱媒体油を流入させて端23から流出させ、熱媒体油を逆に循環させてもよい。
吸熱・放熱装置2の上面は保護パネル26によって覆われている。保護パネル26は、透明な板材と、この板材を外装21に固定するための枠材とを備え、外装21内の吸熱管22等を保護する。保護パネル26の材料は、太陽光線、特に赤外光領域の波長が透過する材料が望ましく、強化ガラスや、アクリル等の各種樹脂パネルが一例として挙げられる。
図3Cに示すように、保護パネル26の直下に吸熱管22が敷設され、この吸熱管22の下側にはCPC(複合放物面反射板:Compound Parabolic Concentrator)24が配置されている。CPC25は、その断面形状が複合放物面をなすように形成された金属または合成樹脂製のパネルであって、吸熱管22側の表面は、可視光線や赤外線の反射率が高い材料で構成される。具体的には、CPCを構成する材料自体に表面処理を施して反射率を高めてもよいし、CPCの表面が反射率の高い層により覆われていてもよい。CPC25は複合放物面を構成しているので、太陽の高度に関わらず、保護パネル26を透過した入射光を吸熱管22に向けて反射する。これにより、吸熱管22には、季節や時刻に関わらず、効率よく集められた太陽光が照射される。
吸熱管22はガラス製、合成樹脂製あるいは金属製の中空管であって、吸熱管22の外側表面には、太陽光選択吸収材料からなる選択吸収膜が形成されている。この選択吸収膜は、太陽光を効率良く吸収して熱に変換し、吸熱管22を流れる熱媒体油に熱を与え、かつ、吸熱管22からの熱放射による損失を抑制する効果を発揮する膜である。具体的には、可視〜近赤外で高い吸収率(放射率)を持ち、赤外域で低い放射率(吸収率)を持つ材料で構成される。また、外装21とCPC25との間には、断熱材27が敷き詰められており、吸熱管22からの熱損失を抑制している。
このように、吸熱・放熱装置2は、選択吸収膜を有する吸熱管22を用いたCPC型吸熱・放熱装置として構成されているので、吸熱管22を流れる熱媒体油を、容易に高温(例えば、100℃〜230℃またはそれ以上)に加熱できる。
このように、吸熱・放熱装置2は、選択吸収膜を有する吸熱管22を用いたCPC型吸熱・放熱装置として構成されているので、吸熱管22を流れる熱媒体油を、容易に高温(例えば、100℃〜230℃またはそれ以上)に加熱できる。
なお、本実施形態では単管の吸熱管22を用いた場合を例に挙げて説明しているが、例えば図3Dに示すような、二重管式の太陽熱吸熱管を用いた構成としてもよい。真空二重管130は、ガラス製の外管131と、外管131の中を通る内管132とを備え、内管132は固定具133によって外管131のほぼ中央に固定され、内管132の内部を熱媒体油が輸送される。外管131の内部は真空状態であり、内管132からの熱損失を防いでいる。また、外管131の内面には選択反射材料が形成されており、内管132の外面には吸熱管22と同様に選択吸収膜が形成され、効率よく熱を吸収する一方、熱損失を抑えている。この真空二重管130を吸熱管22に代えて用いる場合、外装21に真空二重管130を収め、その下にCPC25を配置してもよいし、CPC25に代えて平板状の反射板を配置してもよい。
図4は、蓄熱装置4の断面図である。
図4に示すように、蓄熱装置4は、円筒形状の中空の蓄熱槽41に、循環路101(図1)に接続される流入口42、流出口43及び取出口44を備えて構成される。蓄熱槽41の外壁は、断熱材を含む複数層で構成され、上面、側面及び底面が断熱されている。流入口42は蓄熱槽41の底部の側面に設けられ、流出口43は上部の側面に設けられ、取出口44は高さ方向中央部の側面に設けられている。蓄熱槽41には、下部の流入口42から熱媒体油が流入し、上部の流出口43から流出するので、熱媒体油が蓄熱装置4の内外に流通する間は、蓄熱槽41の内部の空間は熱媒体油でほぼ満たされる。
図4に示すように、蓄熱装置4は、円筒形状の中空の蓄熱槽41に、循環路101(図1)に接続される流入口42、流出口43及び取出口44を備えて構成される。蓄熱槽41の外壁は、断熱材を含む複数層で構成され、上面、側面及び底面が断熱されている。流入口42は蓄熱槽41の底部の側面に設けられ、流出口43は上部の側面に設けられ、取出口44は高さ方向中央部の側面に設けられている。蓄熱槽41には、下部の流入口42から熱媒体油が流入し、上部の流出口43から流出するので、熱媒体油が蓄熱装置4の内外に流通する間は、蓄熱槽41の内部の空間は熱媒体油でほぼ満たされる。
蓄熱槽41の内部には、熱媒体油よりも単位体積あたりの熱容量が大きい材料、例えば金属で構成される蓄熱体40が配置されている。蓄熱体40は、熱媒体油の流路を形成する底部整流板45、中央部整流板46、及び上部整流板47と、中央部整流板46および上部整流板47を貫通する棒状の蓄熱棒48とで構成される。
底部整流板45は蓄熱槽41の下部において流入口42よりも上の位置に取り付けられ、蓄熱体40の底面を構成し、蓄熱棒48は底部整流板45に乗って支持される。上部整流板47は蓄熱槽41の上部において、流出口43よりも下側に位置する。底部整流板45と上部整流板47との間には複数枚の中央部整流板46が配置され、底部整流板45、中央部整流板46及び上部整流板47は平行になるよう蓄熱槽41の内面に固定される。
底部整流板45は蓄熱槽41の下部において流入口42よりも上の位置に取り付けられ、蓄熱体40の底面を構成し、蓄熱棒48は底部整流板45に乗って支持される。上部整流板47は蓄熱槽41の上部において、流出口43よりも下側に位置する。底部整流板45と上部整流板47との間には複数枚の中央部整流板46が配置され、底部整流板45、中央部整流板46及び上部整流板47は平行になるよう蓄熱槽41の内面に固定される。
図5は、蓄熱体40の各部の構成を示す図であり、図5Aは図4におけるA−A断面図であり、上部整流板47の構成を示す。図5Bは図4におけるB−B断面図であり、中央部整流板46の構成を示す。図5Cは図4におけるC−C断面図であり、底部整流板45の構成を示す。
図5Aに示すように、上部整流板47は、円筒形の蓄熱槽41の断面形状及びサイズに合わせた円板状部材であり、熱媒体油を通過させるための多数の熱媒体通過孔47Aが穿設されている。また、上部整流板47には、蓄熱棒48が貫通する貫通孔47Bが穿設されている。貫通孔47Bの径は蓄熱棒48の外径より大きく、蓄熱槽41内の温度上昇に伴って蓄熱棒48および上部整流板47が熱膨張しても、貫通孔47Bによる蓄熱棒48の締め付けや干渉が起きないようになっている。また、図5Bに示すように、中央部整流板46は、上部整流板47と同様の円板形状とされ、蓄熱棒48を貫通させるための多数の貫通孔46Bが穿設されている。貫通孔46Bは、上部整流板47の貫通孔47Bと同様に、蓄熱棒48の外径より大きい。円板形状の中央部整流板46の弧の一部は切り欠かれ、この切欠部46Cは熱媒体油を通過させる流路となる。中央部整流板46の貫通孔46B及び上部整流板47の貫通孔47Bは、蓄熱棒48によってほぼ閉塞される。
図5Cに示す底部整流板45は、上部整流板47と同様の円板形状とされ、熱媒体油を通過させるための多数の熱媒体通過孔45Aが穿設されている。
図5Aに示すように、上部整流板47は、円筒形の蓄熱槽41の断面形状及びサイズに合わせた円板状部材であり、熱媒体油を通過させるための多数の熱媒体通過孔47Aが穿設されている。また、上部整流板47には、蓄熱棒48が貫通する貫通孔47Bが穿設されている。貫通孔47Bの径は蓄熱棒48の外径より大きく、蓄熱槽41内の温度上昇に伴って蓄熱棒48および上部整流板47が熱膨張しても、貫通孔47Bによる蓄熱棒48の締め付けや干渉が起きないようになっている。また、図5Bに示すように、中央部整流板46は、上部整流板47と同様の円板形状とされ、蓄熱棒48を貫通させるための多数の貫通孔46Bが穿設されている。貫通孔46Bは、上部整流板47の貫通孔47Bと同様に、蓄熱棒48の外径より大きい。円板形状の中央部整流板46の弧の一部は切り欠かれ、この切欠部46Cは熱媒体油を通過させる流路となる。中央部整流板46の貫通孔46B及び上部整流板47の貫通孔47Bは、蓄熱棒48によってほぼ閉塞される。
図5Cに示す底部整流板45は、上部整流板47と同様の円板形状とされ、熱媒体油を通過させるための多数の熱媒体通過孔45Aが穿設されている。
図4に示すように、蓄熱槽41の下部の流入口42から熱媒体油が流入すると、この熱媒体油は蓄熱槽41の下部を満たし、底部整流板45の熱媒体通過孔45Aを通って上昇する。ここで、底部整流板45よりも下の空間は、流入口42から流入した熱媒体油の流入圧力を緩和する圧力調整室として作用する。熱媒体通過孔45Aを通った熱媒体油は、底部整流板45と中央部整流板46との間に溜まる。中央部整流板46には熱媒体油が流動可能な孔が無いので、熱媒体油は中央部整流板46の下を水平に移動し、切欠部46Cと蓄熱槽41の内壁との間を通って上昇する。本実施形態の蓄熱体40は4枚の中央部整流板46を備え、これら4枚の中央部整流板46は、互いの切欠部46Cが平面視で重なり合わないように配置されている。このため、切欠部46Cによって蛇行状の熱媒体油の流路が形成され、熱媒体油は蛇行しながら蓄熱槽41内部を上昇する。最も上の中央部整流板46より上に出た熱媒体油は、底部整流板45に形成された熱媒体通過孔45Aを通って蓄熱槽41の最上部に達し、流出口43から流出する。
このように、蓄熱槽41には、複数枚の中央部整流板46によって、熱媒体油を水平方向にも移動させる蛇行状の流路が形成され、この長い流路を流れる間に熱媒体油が蓄熱棒48に長時間接触する。さらに、棒状の蓄熱棒48を多数備えているので、蓄熱棒48は重量の割に熱媒体油との接触面積が大きい。また、中央部整流板46には熱媒体油をル油通させる貫通孔が形成されておらず、ほぼ全量の熱媒体油が2枚の中央部整流板46の間を流れるので、この熱媒体油は蓄熱棒48に衝突して乱流を生じ、熱媒体油と蓄熱棒48との間の熱交換が効率よく行われる。このように、蓄熱体40は、蓄熱棒48と熱媒体油との接触面積が広く、かつ、蓄熱槽41の上下左右のサイズに比べて非常に長い蛇行状の熱媒体油の流路を形成することにより、熱媒体油と蓄熱体40との接触時間を長くして、熱交換効率を高めている。これにより、蓄熱運転時及び熱利用運転時のいずれも、効率よく、蓄熱体40と熱媒体油との間で熱交換させることができる。
なお、本実施形態では図4に示すように4枚の中央部整流板46を用いた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、より多くの中央部整流板46を用いることも可能である。また、蓄熱装置4の熱容量を大きくするため、蓄熱槽41内で蓄熱体40が占める体積を大きくしてもよい。具体例としては、中央部整流板46の数を増やす、底部整流板45、中央部整流板46および上部整流板47の板厚を厚くする、蓄熱棒48をより太いものにする、蓄熱棒48の数を増やす、等の態様があげられる。また、蓄熱棒48が中央部整流板46および上部整流板47を貫通する構成に限定されず、例えば、底部整流板45、中央部整流板46および上部整流板47の間に、多数の蓄熱棒48が配置された構成とすることも可能である。
なお、本実施形態では図4に示すように4枚の中央部整流板46を用いた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、より多くの中央部整流板46を用いることも可能である。また、蓄熱装置4の熱容量を大きくするため、蓄熱槽41内で蓄熱体40が占める体積を大きくしてもよい。具体例としては、中央部整流板46の数を増やす、底部整流板45、中央部整流板46および上部整流板47の板厚を厚くする、蓄熱棒48をより太いものにする、蓄熱棒48の数を増やす、等の態様があげられる。また、蓄熱棒48が中央部整流板46および上部整流板47を貫通する構成に限定されず、例えば、底部整流板45、中央部整流板46および上部整流板47の間に、多数の蓄熱棒48が配置された構成とすることも可能である。
蓄熱槽41の高さ方向略中央に設けられた取出口44は、熱利用運転時に、中温の熱媒体油を取り出す供給する目的で利用できる。すなわち、熱利用運転時には、流入口42から低温の熱媒体油が流入し、この熱媒体油が高温の蓄熱体40の熱を奪って高温になり、流出口43から蒸気発生装置5(図1)へ供給される。ここで、取出口44の高さ位置では、熱媒体油は低温から高温になる過程の途中であるから、その温度は、流出口43近傍より低温く、流入口42近傍よりも高い。従って、取出口44からは、いわば中温(例えば、100℃〜150℃程度)の熱媒体油を取り出すことができる。
図6は、蒸気発生装置5の構成を示す外観図であり、図7は蒸気発生装置5の周辺回路を含む回路図である。図7には、蒸気発生装置5内部の構造の一部を図示している。
この図6及び図7に示す蒸気発生装置5は、水蒸気を発生する蒸気発生塔50に、気水分離器52、水位制御筒53及び水位計54を設けた構成となっている。
蒸気発生塔50は、中空の筒状の本体に、蓋502及び底部材503を取り付けて密閉性を持たせた容器であり、内部で発生する蒸気の圧力に耐え得る耐圧容器である。蒸気発生塔50の内部には水が所定の水位Lまで貯留され、この水を加熱する熱交換器500が配置されている。
蒸気発生塔50の蓋502には、蒸気発生塔50で発生した水蒸気を気水分離器52に送出する蒸気送出管505が設けられ、底部材503には、気水分離器52から水を蒸気発生塔50に送出する水供給管504が設けられている。
また、蓋502には、蒸気発生塔50で生成された水蒸気の温度を検出する温度センサ564及び水蒸気の圧力を検出する圧力センサ565が設けられ、さらに、メンテナンス時等に蒸気発生塔50内の蒸気を外部に放出する蒸気逃がし508が設けられ、底部材503には、メンテナンス時等に蒸気発生塔50内の水を抜く水抜き弁509が設けられている。
この図6及び図7に示す蒸気発生装置5は、水蒸気を発生する蒸気発生塔50に、気水分離器52、水位制御筒53及び水位計54を設けた構成となっている。
蒸気発生塔50は、中空の筒状の本体に、蓋502及び底部材503を取り付けて密閉性を持たせた容器であり、内部で発生する蒸気の圧力に耐え得る耐圧容器である。蒸気発生塔50の内部には水が所定の水位Lまで貯留され、この水を加熱する熱交換器500が配置されている。
蒸気発生塔50の蓋502には、蒸気発生塔50で発生した水蒸気を気水分離器52に送出する蒸気送出管505が設けられ、底部材503には、気水分離器52から水を蒸気発生塔50に送出する水供給管504が設けられている。
また、蓋502には、蒸気発生塔50で生成された水蒸気の温度を検出する温度センサ564及び水蒸気の圧力を検出する圧力センサ565が設けられ、さらに、メンテナンス時等に蒸気発生塔50内の蒸気を外部に放出する蒸気逃がし508が設けられ、底部材503には、メンテナンス時等に蒸気発生塔50内の水を抜く水抜き弁509が設けられている。
気水分離器52は、ブラケット506、507を介して、蒸気発生塔50に並べて固定されている。気水分離器52の本体521の上端部には蒸気送出管505が接続され、521の下端部には水供給管504が接続されており、本体521の内部は水供給管504、蒸気送出管505によって蒸気発生塔50の内部空間に連通している。
気水分離器52は中空容器であり、蒸気発生塔50で発生した水蒸気と、この水蒸気に含まれる水とを分離する分離器522を収容し、分離器522により分離された水は気水分離器52の下方に溜まって、蒸気発生塔50に送り込まれる。
また、気水分離器52には、気水分離器52に給水する給水口524が設けられ、給水口524には配管526が給水ポンプ113を介して接続されている。配管526には、後述する復水装置8から水が供給される。気水分離器52と蒸気発生塔50とは水供給管504により繋がっているので、蒸気発生塔50の水位Lと気水分離器52の水位とが一致するように、気水分離器52から蒸気発生塔50へ給水が行われる。
気水分離器52は中空容器であり、蒸気発生塔50で発生した水蒸気と、この水蒸気に含まれる水とを分離する分離器522を収容し、分離器522により分離された水は気水分離器52の下方に溜まって、蒸気発生塔50に送り込まれる。
また、気水分離器52には、気水分離器52に給水する給水口524が設けられ、給水口524には配管526が給水ポンプ113を介して接続されている。配管526には、後述する復水装置8から水が供給される。気水分離器52と蒸気発生塔50とは水供給管504により繋がっているので、蒸気発生塔50の水位Lと気水分離器52の水位とが一致するように、気水分離器52から蒸気発生塔50へ給水が行われる。
さらに、気水分離器52には、気水分離器52の水位を制御する水位制御筒53が設けられている。水位制御筒53は、その内部の水位が気水分離器52の水位と一致するように、上下の2本の配管526、527により気水分離器52に接続されている。水位制御筒53の内部には複数の検出電極532が配置され、これら検出電極532の導通状態により水位制御筒53の水位を検出できる。また、水位制御筒53には、水位制御筒53の水位を表示する水位計54が設けられている。上述のように、水位制御筒53及び気水分離器52の水位は、蒸気発生塔50の水位Lと一致するので、水位計54により、蒸気発生塔50の水位Lを視認できる。
蒸気発生塔50の内部には、内部の所定高さまで水が貯留され、この水を加熱する熱交換器500が設けられている。熱交換器500は、蒸気発生塔50内部の空間を上下に延びる複数の金属管で構成され、その上端及び下端は、蒸気発生塔50の外で上部接続口511及び下部接続口512に接続されている。熱交換器500には、上部接続口511から熱媒体油が入り、下部接続口512から排出される。
上部接続口511は、ポンプ554を有する配管553に接続され、ポンプ554により熱媒体油が上部接続口511に送り込まれる。この配管553は、蓄熱装置4の流出口43に接続された配管と、取出口44に接続された配管とに接続され、流出口43からの高温の熱媒体油と取出口44からの中温の熱媒体油とが混合されて配管553を流れる。蓄熱装置4の流出口43に接続された配管には電動弁551が設けられ、取出口44に接続された配管には電動弁552が設けられており、これら電動弁551、552の開度を調整することにより、高温の熱媒体油と中温の熱媒体油との混合比および総流量を任意に変えることができる。混合された熱媒体油が流れる配管553には温度センサ561及び圧力センサ562が設けられ、温度と圧力を検出可能となっている。
また、下部接続口512には、熱媒体油を蓄熱装置4に戻す配管555が接続され、配管555には温度センサ563が設けられている。
上部接続口511は、ポンプ554を有する配管553に接続され、ポンプ554により熱媒体油が上部接続口511に送り込まれる。この配管553は、蓄熱装置4の流出口43に接続された配管と、取出口44に接続された配管とに接続され、流出口43からの高温の熱媒体油と取出口44からの中温の熱媒体油とが混合されて配管553を流れる。蓄熱装置4の流出口43に接続された配管には電動弁551が設けられ、取出口44に接続された配管には電動弁552が設けられており、これら電動弁551、552の開度を調整することにより、高温の熱媒体油と中温の熱媒体油との混合比および総流量を任意に変えることができる。混合された熱媒体油が流れる配管553には温度センサ561及び圧力センサ562が設けられ、温度と圧力を検出可能となっている。
また、下部接続口512には、熱媒体油を蓄熱装置4に戻す配管555が接続され、配管555には温度センサ563が設けられている。
蒸気発生塔50の内部では、熱交換器500を流れる熱媒体油によって水が加熱されて水蒸気が発生する。発生した水蒸気は、蒸気発生塔50を上昇し、この上昇中に熱交換器500によってさらに加熱され、過熱水蒸気となって、蒸気送出管505により気水分離器52に送られる。
ここで、熱交換器500は、蒸気発生塔50の水位L以下の部分では水に接しているため、水蒸気を発生する水蒸気発生部50Bとして作用し、水位Lより上の部分では、発生した水蒸気に熱を与える過熱部50Aとして作用する。過熱部50Aでは、熱交換器500を流れる熱媒体油の温度が水の沸点(例えば、100℃)を上回っていれば、水蒸気をさらに加熱して過熱水蒸気を生成することができる。熱交換器500には、上部接続口511から入った高温の熱媒体油が下向きに流れるので、過熱部50Aでは熱媒体油がより高温である。このため、水蒸気発生部50Bで発生した水蒸気を高温の熱媒体油によって過熱することで、蒸気発生塔50から、非常に高温の過熱水蒸気を供給可能である。なお、蓄熱装置4から供給される高温の熱媒体油を、熱交換器500において下から上へ流す構成としてもよい。
蒸気発生塔50で生成された過熱水蒸気は、蒸気送出管505を通って気水分離器52に送られ、気水分離器52の上部から下向きに吹き出される。気水分離器52の上部には分離器522が設けられているので、過熱水蒸気は分離器522に当たって渦を巻き、この過熱水蒸気に含まれる水分は落下して下部に貯留され、分離された過熱水蒸気のみが漏斗状の分離器522を通って、気水分離器52の上部に設けられた水蒸気供給管523に送られる。
ここで、熱交換器500は、蒸気発生塔50の水位L以下の部分では水に接しているため、水蒸気を発生する水蒸気発生部50Bとして作用し、水位Lより上の部分では、発生した水蒸気に熱を与える過熱部50Aとして作用する。過熱部50Aでは、熱交換器500を流れる熱媒体油の温度が水の沸点(例えば、100℃)を上回っていれば、水蒸気をさらに加熱して過熱水蒸気を生成することができる。熱交換器500には、上部接続口511から入った高温の熱媒体油が下向きに流れるので、過熱部50Aでは熱媒体油がより高温である。このため、水蒸気発生部50Bで発生した水蒸気を高温の熱媒体油によって過熱することで、蒸気発生塔50から、非常に高温の過熱水蒸気を供給可能である。なお、蓄熱装置4から供給される高温の熱媒体油を、熱交換器500において下から上へ流す構成としてもよい。
蒸気発生塔50で生成された過熱水蒸気は、蒸気送出管505を通って気水分離器52に送られ、気水分離器52の上部から下向きに吹き出される。気水分離器52の上部には分離器522が設けられているので、過熱水蒸気は分離器522に当たって渦を巻き、この過熱水蒸気に含まれる水分は落下して下部に貯留され、分離された過熱水蒸気のみが漏斗状の分離器522を通って、気水分離器52の上部に設けられた水蒸気供給管523に送られる。
また、蒸気発生塔50の下部には、伸縮部51が設けられている。伸縮部51は、水位Lより下に位置し、蒸気発生塔50の他の部分に比べて高い弾性を持つよう構成されている。蒸気発生装置5の運転時に、熱膨張や圧力変化による蒸気発生塔50が膨張し、歪みを生じる場合に、伸縮部51が伸縮することで、歪みを吸収する。例えば、蒸気発生塔50本体の壁を複数種類の金属を組み合わせて構成した場合、異種金属間の膨張係数が異なることから、蒸気発生塔50の運転中に熱膨張による歪みが懸念されるが、伸縮部51を設けることで、この歪みを吸収できる。これにより、蒸気発生塔50の安定的な稼働および耐久性の向上を図ることが可能となる。
水位Lは、伸縮部51の位置より上であっても、下であってもよいが、膨張係数の違いによる歪みは高温の過熱部50Aにおいて顕著であるため、水位Lが伸縮部51より下にある場合に、伸縮部51による利点が顕著に現れる。また、伸縮部51の内側の形状を、泡が溜まらないように滑らかな曲面としてもよく、この場合には泡による圧力損失を排除できるという利点がある。さらに、伸縮部51は、蒸気発生塔50の一部を変形させて形成してもよいし、別体の補強材を溶接等により固定して、補強してもよい。
水位Lは、伸縮部51の位置より上であっても、下であってもよいが、膨張係数の違いによる歪みは高温の過熱部50Aにおいて顕著であるため、水位Lが伸縮部51より下にある場合に、伸縮部51による利点が顕著に現れる。また、伸縮部51の内側の形状を、泡が溜まらないように滑らかな曲面としてもよく、この場合には泡による圧力損失を排除できるという利点がある。さらに、伸縮部51は、蒸気発生塔50の一部を変形させて形成してもよいし、別体の補強材を溶接等により固定して、補強してもよい。
蒸気発生装置5は、水蒸気の発生に係る動作を制御する制御部56を備えている。制御部56は、温度センサ561、563、564及び圧力センサ562、565に接続され、これらセンサの温度及び圧力の検出値を取得できる。また、制御部56には、給水ポンプ113、ポンプ554、電動弁551、552が接続されている。制御部56は、上記各センサの検出値に基づいて各ポンプ及び電動弁を制御する。
具体的には、制御部56は、ポンプ554をオンにするとともに、電動弁551、552の開度を調整することにより、蓄熱装置4から供給される高温の熱媒体油及び中温の熱媒体油の流量をそれぞれ調整して、熱交換器500に供給する熱媒体油の温度と流量を調整する。この熱媒体油の温度及び流量は、蒸気発生塔50における水蒸気の発生量、及び、蒸気発生塔50から送出される過熱水蒸気の温度を決定する要素である。言い換えれば、蒸気発生装置5は、制御部56の制御によって、発生する水蒸気の温度及び量を自在に調整することができる。このため、必要とされる水蒸気の量に応じて、必要量だけ蓄熱装置4の熱エネルギを取り出すことが可能なため、無駄な水蒸気を発生することがなく、水の消費量の無駄を無くすことができ、さらに、蓄熱装置4に蓄えた熱エネルギを無駄なく利用できる。
ここで、電動弁551、552の開度を固定して、制御部56によってポンプ554の流量をインバータ制御することによっても、熱交換器500に送り込まれる熱媒体油の流量を調整することができ、蒸気発生塔50において発生する水蒸気の温度及び量を自在に調整できる。
制御部56は、また、水位制御筒53が備えるコネクタ533を介して検出電極532に接続され、検出電極532を用いて水位制御筒53の水位を検出し、この水位が予め設定された範囲に収まるように、必要に応じて給水ポンプ113を動作させて気水分離器52に給水する。
具体的には、制御部56は、ポンプ554をオンにするとともに、電動弁551、552の開度を調整することにより、蓄熱装置4から供給される高温の熱媒体油及び中温の熱媒体油の流量をそれぞれ調整して、熱交換器500に供給する熱媒体油の温度と流量を調整する。この熱媒体油の温度及び流量は、蒸気発生塔50における水蒸気の発生量、及び、蒸気発生塔50から送出される過熱水蒸気の温度を決定する要素である。言い換えれば、蒸気発生装置5は、制御部56の制御によって、発生する水蒸気の温度及び量を自在に調整することができる。このため、必要とされる水蒸気の量に応じて、必要量だけ蓄熱装置4の熱エネルギを取り出すことが可能なため、無駄な水蒸気を発生することがなく、水の消費量の無駄を無くすことができ、さらに、蓄熱装置4に蓄えた熱エネルギを無駄なく利用できる。
ここで、電動弁551、552の開度を固定して、制御部56によってポンプ554の流量をインバータ制御することによっても、熱交換器500に送り込まれる熱媒体油の流量を調整することができ、蒸気発生塔50において発生する水蒸気の温度及び量を自在に調整できる。
制御部56は、また、水位制御筒53が備えるコネクタ533を介して検出電極532に接続され、検出電極532を用いて水位制御筒53の水位を検出し、この水位が予め設定された範囲に収まるように、必要に応じて給水ポンプ113を動作させて気水分離器52に給水する。
そして、本実施形態の蒸気発生装置5は、燃料を燃焼させて水を加熱する従来のボイラと比較して、次のような利点がある。
すなわち、蒸気発生塔50自体の熱容量が小さく、また、蒸気発生塔50内の水を変化させても運転が可能であるため、蒸気発生塔50内の水を少量として立ち上がりに要する熱エネルギを低く抑えることができる。これにより、運転開始時の昇温に要する時間が短く、短時間で水蒸気を供給できる。
また、電動弁551、552の開度を調整することにより、熱交換器500に流れる熱媒体油の流量及び温度を制御して、水蒸気の発生量及び過熱水蒸気の温度をきめ細かく制御できる。このような制御は、従来のボイラでは不可能である。本実施形態の蒸気発生装置5では必要量のみ水蒸気を発生させて供給することが可能なため、従来のボイラのように水蒸気の不足を回避するために余剰の水蒸気を生成させる必要がない。このため、熱エネルギ及び水の無駄な消費がなく、さらに、余剰の水蒸気をブロー排出する必要がないので、ブロー排出される水蒸気を回収する蒸気アキュムレータ等の付帯設備が要らず、低コスト化や小型化を実現できる。
また、水位Lを調整して過熱部50Aと水蒸気発生部50Bとの比率を変更することによっても、過熱水蒸気の温度および乾き度を調整することができる。
すなわち、蒸気発生塔50自体の熱容量が小さく、また、蒸気発生塔50内の水を変化させても運転が可能であるため、蒸気発生塔50内の水を少量として立ち上がりに要する熱エネルギを低く抑えることができる。これにより、運転開始時の昇温に要する時間が短く、短時間で水蒸気を供給できる。
また、電動弁551、552の開度を調整することにより、熱交換器500に流れる熱媒体油の流量及び温度を制御して、水蒸気の発生量及び過熱水蒸気の温度をきめ細かく制御できる。このような制御は、従来のボイラでは不可能である。本実施形態の蒸気発生装置5では必要量のみ水蒸気を発生させて供給することが可能なため、従来のボイラのように水蒸気の不足を回避するために余剰の水蒸気を生成させる必要がない。このため、熱エネルギ及び水の無駄な消費がなく、さらに、余剰の水蒸気をブロー排出する必要がないので、ブロー排出される水蒸気を回収する蒸気アキュムレータ等の付帯設備が要らず、低コスト化や小型化を実現できる。
また、水位Lを調整して過熱部50Aと水蒸気発生部50Bとの比率を変更することによっても、過熱水蒸気の温度および乾き度を調整することができる。
図8は、蒸気エンジン6及び発電機7の構成を示す平面図であり、図9は蒸気エンジン6の動作を示す図であり、図9A、図9B、図9Cは、それぞれ蒸気エンジン6の動作中の過程を示す。
図8に示すように、蒸気エンジン6は、4つのシリンダ61を備えた水平対向4気筒エンジンである。4本のシリンダ61は2本ずつ対をなしており、対向する2本のシリンダ61は、ピストンロッド62を共用している。2本のピストンロッド62は、それぞれ、蒸気エンジン6の動作により図中矢印Aで示す向きに往復運動し、この運動は、Zクランク機構64によって回転運動に変換される。蒸気エンジン6は、Zクランク機構64の回転軸に連結された出力軸65を有する。図8に示す例では、Zクランク機構64の両端に繋がる2本の出力軸65が配置され、各々の出力軸65に負荷を接続することが可能であるが、本実施形態では、一方の出力軸65にのみ、負荷としての発電機7を接続するものとする。
出力軸65には同心の出力プーリ66が取り付けられ、この出力プーリ66には、ベルト70が架けられている。ベルト70は、発電機7の駆動軸71に取り付けられた駆動プーリ72にも架け渡され、このベルト70を介して、蒸気エンジン6の動力が発電機7に伝達され、発電機7によって電気エネルギに変換される。
図8に示すように、蒸気エンジン6は、4つのシリンダ61を備えた水平対向4気筒エンジンである。4本のシリンダ61は2本ずつ対をなしており、対向する2本のシリンダ61は、ピストンロッド62を共用している。2本のピストンロッド62は、それぞれ、蒸気エンジン6の動作により図中矢印Aで示す向きに往復運動し、この運動は、Zクランク機構64によって回転運動に変換される。蒸気エンジン6は、Zクランク機構64の回転軸に連結された出力軸65を有する。図8に示す例では、Zクランク機構64の両端に繋がる2本の出力軸65が配置され、各々の出力軸65に負荷を接続することが可能であるが、本実施形態では、一方の出力軸65にのみ、負荷としての発電機7を接続するものとする。
出力軸65には同心の出力プーリ66が取り付けられ、この出力プーリ66には、ベルト70が架けられている。ベルト70は、発電機7の駆動軸71に取り付けられた駆動プーリ72にも架け渡され、このベルト70を介して、蒸気エンジン6の動力が発電機7に伝達され、発電機7によって電気エネルギに変換される。
ここで、蒸気エンジン6の駆動サイクルを、一つのシリンダ61を例として説明する。
図9Aは、シリンダ61のピストン63が上死点にある状態を示す。図9Aの状態では、ピストン63が吸気ポート611及び排気ポート612に最も近接しており、後述するピストン室の体積が最小である。この図9Aに示すように、ピストン63が上死点に達すると、排気ポート612の弁622が閉じられ、吸気ポート611の弁621が開かれる。これにより、吸気ポート611から、蒸気発生装置5の水蒸気供給管523(図7)からの水蒸気が流入し、この水蒸気の圧力によって、図9Bに示すようにピストン63が押し出される。図9Bの状態では、吸気ポート611から流入する水蒸気によりピストン63が押し出され、この駆動力がピストン63とともにピストンロッド62を矢印方向に移動させ、Zクランク機構64(図8)を駆動する。
図9Aは、シリンダ61のピストン63が上死点にある状態を示す。図9Aの状態では、ピストン63が吸気ポート611及び排気ポート612に最も近接しており、後述するピストン室の体積が最小である。この図9Aに示すように、ピストン63が上死点に達すると、排気ポート612の弁622が閉じられ、吸気ポート611の弁621が開かれる。これにより、吸気ポート611から、蒸気発生装置5の水蒸気供給管523(図7)からの水蒸気が流入し、この水蒸気の圧力によって、図9Bに示すようにピストン63が押し出される。図9Bの状態では、吸気ポート611から流入する水蒸気によりピストン63が押し出され、この駆動力がピストン63とともにピストンロッド62を矢印方向に移動させ、Zクランク機構64(図8)を駆動する。
その後、ピストン63が下死点まで移動すると、吸気ポート611の弁621が閉じられるとともに、排気ポート612の弁622が開かれ、ピストン室61Aの水蒸気が排気ポート612から排出される。この排出過程では、図9に示したシリンダ61に対向するもう一本のシリンダ61(図示略)は、水蒸気によってピストン63が押し出される過程にある。このため、ピストン63は、図示しないもう一本のシリンダ61に流入する水蒸気の圧力で、上死点まで移動されるので、ピストン室61Aの水蒸気は速やかに排気ポート612に排出される。
さらに、排気ポート612には、復水装置8のエゼクタ83に繋がるバキューム管613が接続され、このバキューム管613によりエゼクタ83の負圧が加わっている。このため、弁622が開かれると、エゼクタ83の負圧により、ピストン室61Aの水蒸気が排気ポート612に強制的に吸引されるとともに、ピストン63が上死点に向けて強制的に移動される。すなわち、ピストン63は、下死点から上死点に向かう過程においても外部の動力により駆動される。
さらに、排気ポート612には、復水装置8のエゼクタ83に繋がるバキューム管613が接続され、このバキューム管613によりエゼクタ83の負圧が加わっている。このため、弁622が開かれると、エゼクタ83の負圧により、ピストン室61Aの水蒸気が排気ポート612に強制的に吸引されるとともに、ピストン63が上死点に向けて強制的に移動される。すなわち、ピストン63は、下死点から上死点に向かう過程においても外部の動力により駆動される。
従って、蒸気エンジン6においては、ピストンロッド62が、蒸気発生装置5からの高温高圧の水蒸気により駆動される上、このピストンロッド62に、エゼクタ83の負圧による駆動力が加わる。これにより、水蒸気だけでなく、復水のために設けたエゼクタ83の負圧を運動エネルギに変換し、効率よく大きな動力を得ることができる。
なお、図8に示す構成では、4本のシリンダ61に対して出力軸65が2本のみ設けられ、このうち1本の出力軸65からベルト70によって動力を取り出す構成を例示したが、1本のシリンダ61に対応して出力軸を設け、4本の出力軸から別々に動力を取り出す構成としてもよい。また、2つの出力軸65から別々に動力を取り出してもよい。
なお、図8に示す構成では、4本のシリンダ61に対して出力軸65が2本のみ設けられ、このうち1本の出力軸65からベルト70によって動力を取り出す構成を例示したが、1本のシリンダ61に対応して出力軸を設け、4本の出力軸から別々に動力を取り出す構成としてもよい。また、2つの出力軸65から別々に動力を取り出してもよい。
図10及び図11は、復水装置8の構成を示す図であり、図10Aは平面図、図10Bは正面図、図10Cは側面図である。図11Aは復水装置8及び周辺回路を含む回路図であり、図11Bはエゼクタ83及び混合部84の構造を示す断面図である。
復水装置8は、水を溜める水槽80と、水槽80の水を汲み出して送り出す循環ポンプ81と、循環ポンプ81により送り出された水を、吸込管82を介して送られる空気と混合させる混合部84と、混合部84で混合された水と空気とを噴射させるエゼクタ83と、を備えている。循環ポンプ81は水槽80の前面側に配置され、この水槽80により送出された水が空気と混合されてエゼクタ83の下方から上向きに噴射され、エゼクタ83上部の配管を介して水槽80に戻される構成となっている。
水槽80の上には蓋85が配置され、水槽80の前面には水槽80の水位を示す水位計86が設けられている。
復水装置8は、水を溜める水槽80と、水槽80の水を汲み出して送り出す循環ポンプ81と、循環ポンプ81により送り出された水を、吸込管82を介して送られる空気と混合させる混合部84と、混合部84で混合された水と空気とを噴射させるエゼクタ83と、を備えている。循環ポンプ81は水槽80の前面側に配置され、この水槽80により送出された水が空気と混合されてエゼクタ83の下方から上向きに噴射され、エゼクタ83上部の配管を介して水槽80に戻される構成となっている。
水槽80の上には蓋85が配置され、水槽80の前面には水槽80の水位を示す水位計86が設けられている。
吸込管82には、蒸気エンジン6のバキューム管613(図9A〜図9C)により吸い込まれた水蒸気が送られる。この水蒸気は、混合部84において水と混合されることによって冷却され、液体となって水槽80に送られる。そして、水槽80の水は、蒸気発生装置5の配管526(図7)に接続された水循環供給管87により、再び蒸気発生装置5へ送出される。
水槽80には、市水が供給される給水管811が接続され、水槽80に市水を給水可能となっており、水槽80の水を排水する排水管812が設けられている。
水槽80には、市水が供給される給水管811が接続され、水槽80に市水を給水可能となっており、水槽80の水を排水する排水管812が設けられている。
さらに、水槽80の内部には、水槽80の水を冷却する冷却器88が設けられている。冷却器88は、循環路104(図1)から供給される熱媒体油が循環する管で構成され、この熱媒体油と水槽80の水とを熱交換させる。上述のように、蒸気エンジン6で利用された水蒸気は混合部84で水と混合されて冷却されるが、このとき水蒸気の液化による熱によって、水槽80に戻る水の温度は上昇している。動力発生装置1では、冷却器88を流れる熱媒体油により水槽80の水の温度を下げることで、安定して復水装置8が運転できるようにしている。
図12は、地中配管部9の構成を示す平面図である。
地中配管部9は、地中に埋設された複数の地中管93A〜Eと、地中管93A〜Eに熱媒体油を送る送出管91及び戻り管92とを接続して構成される。送出管91及び戻り管92は、復水装置8の冷却器88(図10)の両端に接続され、循環ポンプ114(図1)を備えている。
地中管93A〜Eは、いずれも、地表から地中へ潜って再び地表に戻るU字状の配管であり、熱交換効率の高い銅や、比較的熱伝導性の高い合成樹脂が用いられる。地中管93A〜Eは、外部からの圧力等から保護するため、地中に埋設された外筒95の内部に収容されている。外筒95は金属または合成樹脂製の筒であり、その内部には土等により満たされている。
地中配管部9は、地中に埋設された複数の地中管93A〜Eと、地中管93A〜Eに熱媒体油を送る送出管91及び戻り管92とを接続して構成される。送出管91及び戻り管92は、復水装置8の冷却器88(図10)の両端に接続され、循環ポンプ114(図1)を備えている。
地中管93A〜Eは、いずれも、地表から地中へ潜って再び地表に戻るU字状の配管であり、熱交換効率の高い銅や、比較的熱伝導性の高い合成樹脂が用いられる。地中管93A〜Eは、外部からの圧力等から保護するため、地中に埋設された外筒95の内部に収容されている。外筒95は金属または合成樹脂製の筒であり、その内部には土等により満たされている。
送出管91及び戻り管92と各地中管93A〜Eとは、熱媒体油の流動距離が地中管93毎に大きく差がでないように接続される。すなわち、地中管93Aは、送出管91の先端部と、戻り管92の基端部との間に接続され、地中管93B、93C、93Dは送出管91の中央部と戻り管92の中央部に接続され、地中管93Eは送出管91の基端部と戻り管92の先端部との間に接続されている。言い換えれば、送出管91には、先端側から、地中管93A、93B、93C、93D、93Eの順に接続され、戻り管92には、先端側から、93E、93D、93C、93B、93Aの順に接続されている。このように接続することで、特定の地中管93に多くの熱媒体油が流れることがなく、均一に、効率よく、地中と熱媒体油とを熱交換させることができる。
なお、地中配管部9を含む循環路104を流れる熱媒体は、熱媒体油であってもよく、水系やアルコール系の不凍液であってもよいが、比熱(熱容量)の大きい流体を用いた場合には、地中の熱(冷熱)を媒介する能力が高いため、循環ポンプ114による熱媒体の輸送量が小さくても十分な効果が得られるという利点がある。このため、循環路104を流れる熱媒体として制約がなければ、水系やアルコール系の不凍液を用いることが効率的であり、好ましい。
なお、地中配管部9を含む循環路104を流れる熱媒体は、熱媒体油であってもよく、水系やアルコール系の不凍液であってもよいが、比熱(熱容量)の大きい流体を用いた場合には、地中の熱(冷熱)を媒介する能力が高いため、循環ポンプ114による熱媒体の輸送量が小さくても十分な効果が得られるという利点がある。このため、循環路104を流れる熱媒体として制約がなければ、水系やアルコール系の不凍液を用いることが効率的であり、好ましい。
以上のように、本発明を適用した実施形態に係る動力発生装置1によれば、自然エネルギを利用して、吸熱・放熱装置2によって熱媒体油を、100℃を超える所定温度まで加熱し、この100℃を超える熱媒体油の熱を、蓄熱体40を有する蓄熱装置4に蓄え、蓄えた熱エネルギによって水を蒸気にして動力を発生させ、利用後の蒸気を地中熱により冷却して環流させる。このため、自然エネルギに基づいて熱媒体油の熱として取り出したエネルギを効率よく蓄えることができ、蓄えた熱エネルギを水蒸気の熱及び圧力として必要量だけ速やかに取り出し、取り出したエネルギを動力エネルギに変換して利用できる。また、熱エネルギの利用に際して利用した水を、地中熱を利用して復水して環流させるので、自然エネルギを利用して水の無駄な消費を抑制するので、より効率的に自然エネルギを利用して動力エネルギを得ることができる。
また、蓄熱装置4は、熱媒体油を貯留可能な蓄熱槽41に、蓄熱棒48を有する蓄熱体40を備え、蓄熱体40によって熱媒体油の流路を構成し、この流路が熱媒体油と蓄熱棒48との接触面積を増大した形態となるので、より大きな熱エネルギを蓄えることが可能であり、また、媒体油の熱エネルギが確実に蓄熱棒48に伝わるので、効率よく熱エネルギを蓄えることができる。
さらに、蒸気により駆動されるレシプロ型の蒸気エンジン6を用いて、水蒸気のエネルギを動力エネルギに変換するので、蓄熱装置4に蓄えた熱エネルギを効率よく動力エネルギに変換できる。また、シリンダ61から蒸気を排出する排気ポート612に、蒸気を吸引する吸引機構としての復水装置8を接続したので、シリンダ61からの排気の過程においても負圧により駆動力を与えることができ、より大きな動力エネルギが得られる。
さらに、復水装置8は、水槽80内の復水を循環ポンプ81により循環させ、エゼクタ83によって噴射して負圧を生成し、このエゼクタ83を蒸気エンジン6の排気ポート612に接続し、この排気ポート612から吸引した蒸気を、エゼクタ83を経て水槽80内に吸引するので、蒸気を非常に素早く復水することができ、環流する水の量を抑え、自然エネルギの利用に際してより一層の効率化を図ることができる。また、エゼクタ83により発生する負圧を蒸気エンジン6に与えて動力エネルギとして利用するので、復水装置8における噴射のエネルギを効率よく利用して、より大きな動力エネルギを得ることができる。
また、動力発生装置1は、いわゆる逆サイクル運転が可能であり、地中熱を利用して熱媒体油を加熱し、蓄熱装置4に蓄熱できるので、地中熱を、蒸気の冷却だけでなく熱源として利用できる。これにより、例えば寒冷時のように、熱エネルギを収集しにくい環境においても、自然エネルギを効率よく収集して熱エネルギとして蓄えることができる。
さらに、蒸気エンジン6の出力軸に発電機7を連結することで、自然エネルギから得た熱エネルギを動力エネルギに変換した後で、さらに電気エネルギに変換できる。これにより、自然エネルギから得たエネルギを効率よく蓄積し、この蓄えたエネルギを需要に応じて取り出して発電することで、無駄のない効率的な発電を行える。
さらに、蒸気エンジン6の出力軸に発電機7を連結することで、自然エネルギから得た熱エネルギを動力エネルギに変換した後で、さらに電気エネルギに変換できる。これにより、自然エネルギから得たエネルギを効率よく蓄積し、この蓄えたエネルギを需要に応じて取り出して発電することで、無駄のない効率的な発電を行える。
なお、上述した実施形態はあくまで本発明を適用した一具体例であって、本発明はこの形態に限定されない。例えば、上記の実施形態では、熱媒体油の熱エネルギを蓄える蓄熱部として、蓄熱槽41内に蓄熱体40を備えた蓄熱装置4を用いた例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、蓄熱体としての金属塊等の内部に熱媒体油の流路を設けた構成としてもよい。また、蓄熱体40の形態は任意であり、例えば、表面構造を複雑にして熱媒体油との接触面積を大きくした金属塊を用いてもよい。さらに、蒸気発生部はレシプロ型の蒸気エンジン6に限定されず、水蒸気の熱及び圧力に基づいて動力エネルギを得るものであれば良い。蒸気エンジン6のシリンダ61の数等の具体的な仕様についても任意に変更可能であり、Zクランク機構64を用いない構成とすることも勿論可能である。また、地中配管部9を構成する地中管93は、地表から垂直に埋設されるU字状の管に限らず、水平方向に蛇行する管を地中に埋設したものであってもよい。その他、動力発生装置1を構成する各部の構成は、本発明の趣旨を損なわない範囲において任意に変更可能である。
Claims (5)
- 自然エネルギを利用して、熱媒体を100℃を超える所定温度まで加熱する加熱部と、
前記加熱部により加熱された熱媒体の熱を蓄熱する蓄熱部と、
前記蓄熱部に蓄熱された熱を受けて水を加熱し、蒸気を発生させる蒸気発生部と、
前記蒸気発生部で発生した蒸気により駆動されて動力を発生する動力発生部と、
前記動力発生部で利用された蒸気を復水し、この復水を地中熱で冷却すると共に、冷却した復水を前記蒸気発生部に環流する復水部とを備えたこと、
を特徴とする自然エネルギを利用した動力発生装置。 - 前記蓄熱部は、熱媒体を貯留可能な蓄熱槽と、前記蓄熱槽内に配置された蓄熱体とを備え、
前記蓄熱体によって、前記蓄熱槽入口から出口に向かう熱媒体の流路を構成し、
該流路は熱媒体との接触面積を増大した形態にされたことを特徴とする請求項1記載の自然エネルギを利用した動力発生装置。 - 前記動力発生部は、蒸気により駆動されるレシプロ型のエンジンであり、該エンジンのエンジンシリンダから蒸気を排出する排気系に、蒸気を吸引する吸引機構を設けたしたことを特徴とする請求項1または2記載の自然エネルギを利用した動力発生装置。
- 前記復水部は、復水槽内の復水を循環ポンプの利用により循環する循環路と、この循環路に配置され、前記循環路を循環する水を噴射して負圧を生成するエゼクタとを備え、
前記エゼクタを前記エンジンシリンダの排気系に接続し、前記エンジンが排気した蒸気を、前記エゼクタを経て前記復水槽内に吸引することを特徴とする請求項3記載の自然エネルギを利用した動力発生装置。 - いわゆる逆サイクル運転を可能に形成し、地中熱を利用して熱媒体を加熱し、前記蓄熱部への蓄熱を可能としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自然エネルギを利用した動力発生装置。
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