JP6155069B2 - 太陽熱利用温水システム - Google Patents

太陽熱利用温水システム Download PDF

Info

Publication number
JP6155069B2
JP6155069B2 JP2013068512A JP2013068512A JP6155069B2 JP 6155069 B2 JP6155069 B2 JP 6155069B2 JP 2013068512 A JP2013068512 A JP 2013068512A JP 2013068512 A JP2013068512 A JP 2013068512A JP 6155069 B2 JP6155069 B2 JP 6155069B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
solar
hot water
heat storage
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013068512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014190653A (ja
Inventor
島田 守
守 島田
池田 匡視
匡視 池田
木村 裕一
裕一 木村
能宗 良幸
良幸 能宗
研 安田
研 安田
達也 常木
達也 常木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD., Tokyo Gas Co Ltd filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2013068512A priority Critical patent/JP6155069B2/ja
Publication of JP2014190653A publication Critical patent/JP2014190653A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6155069B2 publication Critical patent/JP6155069B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers

Landscapes

  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Description

本発明は、太陽熱を利用して水を加温する太陽熱利用温水システムに関するものである。
従来、太陽熱利用温水器は、太陽光の方向に向けた上面に透光性を有するガラス板等の板材を備えた箱体と、前記箱体内に設けられた集熱器とを有し、集熱器内に送り込まれて蓄えられた水を、集熱器表面に配置された選択吸収膜で太陽光のエネルギーを熱に変換し、温水とする構成となっている。
従来の太陽熱温水システムは、上面に太陽光を透過するガラス板等の板材を備えたケースと、ケース内部に設けられた集熱器を有し、集熱器で太陽エネルギーを集めて温水を生成している。そして生成した温水を集熱器と一体に構成された貯湯タンクに貯蔵している。この貯湯タンクと集熱パネルが一体となった太陽熱温水システムは建物の屋根の上に設置される場合が多い。従来技術は湯の状態で太陽熱を蓄えており、集熱器と一体となったタンクの貯湯量が大きくなると屋根への荷重が大きくなるため、タンクの容量に制約が生ずるという問題点があった。
別の従来技術では、集熱器によって熱媒を加熱し、集熱器とは分離して設置された貯湯タンクとの間で熱媒をポンプにより循環させ、貯湯タンク中の水を間接的に加熱している。この従来技術では、タンクを地上に設置できるためタンクの重さに関する制約は小さくなるが、集熱器とは別にタンクを設置する土地やスペースが必要になるという問題がある。また湯の状態で太陽熱を蓄熱するため、システムとしての重量が大きくなるという問題点があった。
それらの課題を解決するため、図11に示すように、太陽熱を利用して水を温め、さらに温めた水を生活に利用する従来技術として、例えば、箱体102内に設けられた集熱器と連通して集熱器内に水を供給するための入水管103と、集熱器と連通し、集熱器内において太陽光により温められた水を蓄えるための温水貯蔵タンク104と、温水貯蔵タンク104と連通して温水貯蔵タンク104内の温水を住宅内の風呂106等に供給するための出水管105とを設けた太陽熱利用温水器101が開示されている(特許文献1)。
しかし、上記した太陽熱利用温水器101は、十分な貯水量を確保するためには、温水貯蔵タンク104を大型化する必要がある。他方、太陽熱利用温水器101は屋根への設置タイプであり、満水時には重量が増して家屋への負担が大きいことから、十分な温水量を確保できない、または、屋根強度を高める必要があることなどの問題があった。
そこで、温水貯蔵タンクが省略された太陽熱利用給湯システムも開発されている。例えば、図12(a)に示すように、断熱構成された底板302、側板303および透光板304とで箱状に形成され、その内部には略全面にわたり面状に蛇行配列された通水配管305と通水配管305を挟んで上下に配設した蓄熱体306とが設けられた太陽熱集熱器301を利用したものである(特許文献2)。そして、太陽熱集熱器301を利用した太陽熱利用給湯システム310は、図12(b)に示すように、前記太陽熱集熱器301と、給水源312から導入された水道水を加熱して出湯する瞬間形ガス湯沸器311と、瞬間形ガス湯沸器311から出湯される水と太陽熱集熱器301から流入する水を混合する手段であって、一方は瞬間形ガス湯沸器311に接続され他方は給水源312に水道直結された太陽熱集熱器301の通水配管305の出口と接続されて両者の混合比率を調節する電動混合弁313と、電動混合弁313の混合比率を調節するために給湯湯温を検出する給湯湯温センサ314と、給湯湯温センサ314と電動混合弁313とに電気的に接続されている制御部315と、給水源312から太陽熱集熱器301を経て電動混合弁313に至る太陽熱管路316と、太陽熱管路316の太陽熱集熱器301上流から分岐し給水源312から電動混合弁313に直接接続されるバイパス管路317と、バイパス管路317の途中に設けた電磁開閉弁318と、給水源312からの水道水温を検出する入水温度センサ319と、太陽熱集熱器301近傍の外気温度を検出する外気温度センサ320を設けたものである(特許文献2)。
また、特許文献3には、図2に示すように、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器10が並列に複数配置された太陽熱集熱体2と、太陽熱集熱体2に隣接し、12個の太陽熱集熱器10から放出された太陽熱を受熱して蓄熱する潜熱蓄熱材を収容した蓄熱部20と、蓄熱部20に隣接し、蓄熱部20から放出された太陽熱を受熱して外部(例えば、水道水)へ伝達する熱交換器30と、太陽熱集熱体2、蓄熱部20及び熱交換器30と熱的に接続された12本のヒートパイプ40から構成された太陽熱利用温水器が開示されている。特許文献3に記載の技術によれば、温水貯蔵タンクの小型化又は省略が可能としつつ、熱交換に優れ、構造が簡素化された太陽熱利用温水器を提供することが可能になる。
特開平7−98157号公報 特開2003−83608号公報 特開2012−002493号公報
特許文献2及び3に記載された発明のような、潜熱蓄熱材を太陽熱の蓄熱媒体として使用する発明においては、電圧等のトリガー(相変化励起因子)を潜熱蓄熱材に印加することにより、潜熱蓄熱材の相変化による潜熱放熱を励起する。
潜熱蓄熱材の潜熱放熱を途中で中断することはできず、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱が無くなるまで継続する。
住宅の温水需要は一般に散発的に発生することが多いので、潜熱蓄熱材の潜熱放出が完了する前に温水の使用が終了してしまうこともある。その場合には、潜熱蓄熱材の潜熱が無駄になってしまうという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱を効率的に利用することが可能な太陽熱利用温水システムを提供することにある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その第1の態様は、太陽熱を吸収する集熱部と、前記集熱部を介して吸収された太陽熱を蓄積するための潜熱蓄熱材を備えた蓄熱部と、給水管及び浴槽に連通する配管に接続され、かつ、前記潜熱蓄熱材から放出された太陽熱が前記給水管からの水と熱交換を行う熱交換部と、を供えた太陽熱温水器を使用した太陽熱温水システムであって、さらに、前記潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱の放出を励起する放熱励起手段を備え、ユーザからの前記浴槽への湯張り指示に基づいて、前記放熱励起手段が少なくとも一部の前記潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱の放出を励起すると共に、前記熱交換部で加温された水が前記浴槽に供給されるように構成したことを特徴とする太陽熱利用温水システムである。
また、本発明の第2の態様は、太陽熱を吸収する集熱部と、前記集熱部を介して吸収された太陽熱を蓄積するための潜熱蓄熱材を備えた蓄熱部と、給水管及び浴槽に連通する配管に接続され、かつ、前記潜熱蓄熱材から放出された太陽熱が前記給水管からの水と熱交換を行う熱交換部と、をえた太陽熱温水器を使用した太陽熱温水システムであって、前記潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱の放出を励起する放熱励起手段と、前記潜熱蓄熱材の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された前記潜熱蓄熱材の温度が所定温度を超えるか否かを判断する判断手段と、ユーザからの前記浴槽への湯張り指示を入力するための入力手段と電気的に接続された湯張り指示受信手段と前記放熱励起手段を制御する制御手段と、をえ、前記湯張り指示受信手段が前記入力手段から湯張り指示を受けており、かつ、前記判断手段により少なくとも一部の前記潜熱蓄熱材の温度が所定温度を超えたと判断された場合には、前記制御手段が、前記放熱励起手段を稼働させるとともに、前記熱交換部を経た温水が前記浴槽に供給されるように構成したことを特徴とする太陽熱利用温水システムである。また、本発明の態様は、前記入力手段が、湯張り時刻を含めた前記湯張り指示を入力するための手段である太陽熱利用温水システムである。また、本発明の態様は、前記制御手段が、ユーザからの前記湯張り時刻に基づく湯張り開始時間前であっても、前記放熱励起手段を稼働させる太陽熱利用温水システムである。
本発明の第3の態様は、集熱部が太陽熱を吸収する集熱板を供えており、当該集熱板が、前記潜熱蓄熱材と熱的に接続されている、前記太陽熱利用温水システムである。
本発明の第4の態様は、前記集熱部、前記蓄熱部及び前記熱交換部が重ねて配置されていることを特徴とする、前記太陽熱利用温水システムである。
本発明の太陽熱利用温水システムによれば、ユーザからの浴槽への湯張り指示に基づいて、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱を放出し、かつ、熱交換部で加温された水が前記浴槽に供給されることから、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱が無駄になる可能性を低減し、有効な熱利用が可能になる。また、熱媒をポンプにより循環させる必要がないため、ポンプを省略でき、電気代の低減、低コスト化を実現できる。
本発明の太陽熱利用温水システムを含む給湯システムの概略構成図である。 太陽熱利用温水器の斜視図である。 太陽熱利用温水器の断面図である。 (a)図は蓄熱部の部分正面図、(b)図は(a)図のI‐I線断面図である。 (a)図は熱交換部の部分平面図、(b)図は(a)図のII‐II線断面図である。 第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器の熱交換部を説明する断面斜視図である。 本発明の第2実施形態例において使用する太陽熱利用温水器の断面図である。 本発明の第3実施形態例において使用する太陽熱利用温水器の側面図及び断面図である。 図8の太陽熱利用温水器の上面図である。 本発明の第4実施形態例に係る太陽熱利用温水システムの概略を説明する断面図である。 従来技術に係る太陽熱温水器の概略構成図である。 従来技術に係る太陽熱温水器及び太陽熱利用温水システムの概略構成図である。
[実施形態1]
図1は、本発明の太陽熱利用温水システムの第1の実施形態を説明する概略構成図である。
図1の太陽熱利用温水システム100は、集熱部2と、蓄熱部20と、熱交換部30とを備えた太陽熱利用温水器1を使用し、放熱励起手段46を備えている。
太陽熱利用温水器1の具体的な例については、特に制限されるものではないが、本例においては、特開2012−2493号公報に記載された太陽熱利用温水器を使用している。
特開2012−2493号公報に記載された太陽熱利用温水器1は、図2に示すように、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器10が並列に複数(図2では12個)配置された集熱部2と、集熱部2に隣接し、12個の太陽熱集熱器10から放出された太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱部20と、蓄熱部20に隣接し、蓄熱部20から放出された太陽熱を受熱して外部(本実施形態例では水道水)へ伝達する熱交換部30と、集熱部2、蓄熱部20及び熱交換部30と熱的に接続された12本のヒートパイプ40から構成されている。1個の太陽熱集熱器10あたり1本のヒートパイプ40が熱的に接続されており、太陽熱は、12本のヒートパイプを用いて、12個の太陽熱集熱器10から蓄熱部20へ熱輸送される。そして、蓄熱部20に輸送された太陽熱は、同じ12本のヒートパイプを用いて、蓄熱部20から熱交換部30へ熱輸送される。上記ヒートパイプ40は、例えば、銅、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属製または上記金属からなる合金製である密閉されたコンテナの内部に、作動液が減圧状態で封入されている。コンテナの形状には、丸型、板状型、扁平状型等がある。コンテナの内壁にはグルーブが形成されており、グルーブの形成された内壁に毛細管力を備えたウィックが密着して配置されている。ヒートパイプ40の内部には、作動液の流路となる空間が設けられている。この空間に収容された作動液が蒸発・凝縮の相変化とヒートパイプ40内部の移動をすることによって、熱輸送が行われる。すなわち、熱源からヒートパイプ40を構成するコンテナへ伝達されてきた熱により、ヒートパイプ40の吸熱側において液相状態の作動液が蒸発して気相状態へ相変化し、作動液が蒸発して生成した蒸気がヒートパイプ40の吸熱側から放熱側へ移動する。放熱側では、この蒸発した蒸気が冷却されることで作動液が気相状態から液相状態へ戻る。液相状態に戻った作動液は放熱側から再び吸熱側へ移動(還流)する。このように、太陽熱利用温水器1は、集熱した太陽熱の熱輸送にヒートパイプ40を用いることで、熱輸送性及び熱交換効率に優れ、太陽熱の利用効率が向上し、また太陽熱利用温水器の小型化が可能となる。
図3に示すように、太陽熱集熱器10と蓄熱部20と熱交換部30は、それぞれ同じヒートパイプ40に連なって配置されている。すなわち、太陽熱集熱器10と蓄熱部20と熱交換部30はヒートパイプ40に取り付けられて一体化されている。ヒートパイプ40に取り付けられた太陽熱集熱器10、蓄熱部20及び熱交換部30は、ヒートパイプ40表面に直接接触または間接的に接することで、ヒートパイプ40と熱的に接続されている。集熱部2から熱交換部30へ輸送された太陽熱は、熱交換部30から外部、すなわち水道水へ放出されて水道水の温度が上昇する。このように、太陽熱集熱器10、蓄熱部20及び熱交換部30が、一本のヒートパイプ40を介して一体化されるので、太陽熱集熱器10から熱交換部30への熱輸送にあたって、熱損失を抑えることができる。
太陽熱集熱器は、太陽熱を集熱できるものであれば特に限定されないが、太陽熱利用温水器1で用いられる太陽熱集熱器10は、図3に示すように、内部が真空状態である透光性を有するガラス製管状部材11と、ガラス製管状部材11の内部に収容された黒色の集熱板12を備えている。ヒートパイプ40の外形はガラス製管状部材11の中空部と嵌合可能な形状となっている。よって、ヒートパイプ40がガラス製管状部材11の中空部に挿入されると、太陽熱集熱器10がヒートパイプ40に取り付けられ、太陽熱集熱器10とヒートパイプ40が熱的に接続される。
太陽熱集熱器10が太陽の日射を受光すると、ガラス製管状部材11の壁部14を通過した太陽熱が集熱板12に受熱されて太陽熱集熱器10が昇温する。昇温した太陽熱集熱器10が、熱的に接続されたヒートパイプ40の加熱部41を加熱して、加熱部41にてヒートパイプ40の作動液が蒸発し、集熱した太陽熱を太陽熱集熱器10から蓄熱部20や熱交換部30へ輸送する。
蓄熱部20は、太陽熱集熱器10で集熱され、太陽熱集熱器10からヒートパイプ40を用いて輸送される太陽熱を蓄熱するものである。図3、図4(a)に示すように、蓄熱部20は、ヒートパイプ40に取り付けられた複数の蓄熱器用プレートフィン21と蓄熱器用プレートフィン21に挟持された複数の蓄熱部材22を備えている。蓄熱器用プレートフィン21は、ヒートパイプ40と蓄熱部材22間で太陽熱を伝達するものである。このように、蓄熱器20にプレートフィンを用いることで、ヒートパイプ40・蓄熱部材22間における熱伝達を効率化できる。蓄熱部材22は、ヒートパイプ40を境にして上下に配置され、蓄熱器用プレートフィン21の略全面と接触した状態となっている。蓄熱部材22と接する蓄熱器用プレートフィン21表面には、蓄熱部材22を保持するための突起25が複数設けられており、蓄熱部材22を蓄熱器用プレートフィン21に固定するとともに、蓄熱器用プレートフィン21と蓄熱部材22の間の熱伝達特性を向上させることができる。
図4(b)に示すように、蓄熱部材22は、蓄熱器用プレートフィン21に左右から狭持されることで、蓄熱器用プレートフィン21間に保持されている。また、蓄熱部材22は、内部に潜熱蓄熱材24を収容している。また、それぞれの蓄熱器用プレートフィン21には、ヒートパイプ40を嵌め差し込むための孔部(図示せず)、すなわちヒートパイプ40の外形に対応した形状を有する孔部が、所定位置(ヒートパイプ40の配置に対応した位置であって、蓄熱器用プレートフィン21の高さ方向の略中央部)に所定数量(太陽熱利用温水器1では12個)設けられている。各孔部に1本のヒートパイプ40が挿入されることで、各孔部の内壁面と各ヒートパイプ40表面が直接接触してそれぞれの蓄熱器用プレートフィン21が12本のヒートパイプ40に取り付けられる。これにより、蓄熱器用プレートフィン21と12本のヒートパイプ40は熱的にも接続される。従って、太陽熱集熱器10からヒートパイプ40で輸送されてきた太陽熱は、蓄熱器用プレートフィン21に円滑に伝達される。
蓄熱器用プレートフィン21のフィンピッチは、ヒートパイプ40・蓄熱部材22間の伝熱機能を発揮する範囲であれば特に限定されない。また、蓄熱器用プレートフィン21の設置枚数も、ヒートパイプ40・蓄熱部材22間で熱交換効率が最適となるように設定される範囲であれば特に限定されない。さらに、必要に応じて、孔部にバーリングを設けて、蓄熱器用プレートフィン21のヒートパイプ40に対する固定性、熱的接続性を向上させてもよい。蓄熱器用プレートフィン21は熱伝導性に優れた材料であれば特に限定されず、例えばアルミニウム、銅などの熱伝導性の良い金属材料を挙げることができる。
蓄熱部材22は、潜熱蓄熱材24の相変化を用いて蓄熱器用プレートフィン21に伝達された太陽熱を蓄熱するものであり、蓄熱器用プレートフィン21に両側から狭持されることで蓄熱器20に固定され、蓄熱器用プレートフィン21と熱的に接続される。また、必要に応じて、蓄熱器用プレートフィン21には、蓄熱部材22と接触する側の表面に突起25が設けられている。蓄熱器用プレートフィン21に狭持された蓄熱部材22は、突起25によって、蓄熱器用プレートフィン21に確実に固定される。また、蓄熱部材22は、突起25によって、蓄熱器用プレートフィン21との接触面積が増加するので、蓄熱器用プレートフィン21と蓄熱部材22の間の熱伝達性能を向上させることができる。
蓄熱部材22は、潜熱蓄熱材24を袋状のラミネート材23でパッキングしたものである。潜熱蓄熱材24は、その融解・凝固時の潜熱を利用して蓄熱・放熱するものであれば特に限定されず、例えば、酢酸ナトリウム・3水和物、塩化マグネシウム・6水和物、水酸化バリウム・8水和物、キシリトール等を挙げることができる。潜熱蓄熱材24を利用すると、水などの顕熱を利用する手法よりも蓄熱密度が大きくなるので、蓄熱部20を小型化できる。なお、潜熱蓄熱材24の使用量は、所要の湯温で十分な湯量が得られるように、適宜設定する。本例では、潜熱蓄熱材24に酢酸ナトリウム・3水和物を使用し、42℃のお湯が670リットル(一般的な4人家族の一日の使用量)得られるように、潜熱蓄熱材24の容量を約105リットルに設定している。太陽熱の蓄熱後に冷却された潜熱蓄熱材24は、いわゆる過冷却状態となって、凝固点以下の温度に冷却されても凝固せず放熱が始まらないので、外部から、例えば、電圧、せん断応力などの所定手段で衝撃を与えることによって、潜熱蓄熱材24の過冷却状態が解除される。その結果、潜熱蓄熱材24に蓄熱されていた太陽熱が、潜熱蓄熱材24から蓄熱部材22を挟持している蓄熱器用プレートフィン21へ放出される。ラミネート材23は、フィルム状の薄い部材からなる袋状容器であり、ポリ塩化ビニル等の樹脂製である。潜熱蓄熱材24がフィルム状のラミネート材23でパッキングされているので、蓄熱部材22は蓄熱器用プレートフィン21に対して優れた接触性を有している。また、蓄熱器用プレートフィン21が潜熱蓄熱材24と直接接触して、蓄熱器用プレートフィン21が腐食するのを防止できる。さらに、ラミネート材23により、蓄熱時に液化した潜熱蓄熱材24が蓄熱部20へ流出するのを防止できるので、ヒートパイプ40の蓄熱器用プレートフィン21取り付け部に特別なシーリングを施さなくてもよく、潜熱蓄熱材24の取り扱いを容易にすることができる。
蓄熱部20の位置に相当するヒートパイプ40の部位は熱中継部42である。すなわち、太陽熱集熱器10から放出された太陽熱を蓄熱部20へ伝達し、蓄熱部20から放出された太陽熱を熱交換部30へ伝達する。なお、図2に示すように、蓄熱部20は、蓄熱部材22を断熱する観点や外力による損傷を防止する観点から、樹脂製等のカバーで覆われた態様が好ましい。
熱交換部30は、太陽熱集熱器10または蓄熱部20からヒートパイプ40を用いて輸送されてきた太陽熱を水道水へ効率よく熱移動させるものである。図2、図4(a)に示すように、熱交換部30は、ヒートパイプ40に取り付けられた複数の熱交換器用プレートフィン31を備えている。このように、熱交換部30に複数のプレートフィンを用いることにより、ヒートパイプ40が輸送した熱を水道水に効率よく伝達することができる。
図5(b)に示すように、それぞれの熱交換器用プレートフィン31には、ヒートパイプ40を嵌め差し込むための孔部(図示せず)、すなわちヒートパイプ40の外形に対応した形状を有する孔部が、所定位置(ヒートパイプ40の配置に対応した位置であって、熱交換器用プレートフィン31の高さ方向の略中央部)に所定数量(太陽熱利用温水器1では12個)設けられている。各孔部に1本のヒートパイプ40が挿入されることで、各孔部の内壁面と各ヒートパイプ40表面が直接接触して熱交換器用プレートフィン31が12本のヒートパイプ40に取り付けられる。これにより、熱交換器用プレートフィン31と12本のヒートパイプ40は熱的にも接続される。従って、蓄熱部20からヒートパイプ40で輸送されてきた太陽熱は、熱交換器用プレートフィン31に円滑に伝達される。
熱交換器用プレートフィン31のフィンピッチは、蓄熱部材22の放熱時の温度、温水システム出口で求められる湯温度、上水の温度及び熱交換部30を流れる水道水の流量から決定される。例えば、潜熱蓄熱材24の温度が60℃付近のときに、水温5℃、毎分20リットルの水を約55℃に昇温できるように、5mmの高さの熱交換器用プレートフィン31にてフィンピッチ2mmとした。なお、熱交換器用プレートフィン31の高さやフィンピッチについては、所要の熱交換能力が得られる限り、このような例の値に限定されない。さらに、必要に応じて、孔部にバーリングを設けて、熱交換器用プレートフィン31のヒートパイプ40に対する固定性、熱的接続性を向上させてもよい。さらに、熱交換器の水密構造を向上させるために、適宜、前記バーリング部分にシーリング用接着剤を塗布してもよい。また、ガスケット等のシール材を、一番外側、すなわち最も蓄熱部20側の熱交換器用プレートフィン31と押さえ板とで挟み、ボルトとナット等の固定部材で熱交換器用プレートフィン31に押しつけてシール材を適度に潰してもよい。また、ヒートパイプ40と押さえ板にねじ溝を切っておき、シール材を介して押さえ板を一番外側の熱交換器用プレートフィン31に対して締め付けてもよい。熱交換器用プレートフィン31は熱伝導性に優れた材料であれば特に限定されず、例えば銅、アルミニウムなどの熱伝導性の良い金属材料を挙げることができる。
熱交換部30の位置に相当するヒートパイプ40の部位は冷却部43である。すなわち、蓄熱部20から放出され熱中継部42を通って冷却部43に伝達された太陽熱は、ヒートパイプ40内の沸騰した蒸気が熱交換器用プレートフィン31によって冷却部43にて冷却されて凝縮することにより、冷却部43から熱交換器30へ伝達される。
熱交換部30は、給水源である水道に直接接続可能である。図6に示すように、水道水が熱交換部30の一方の端部から供給されると、水道圧によって熱交換部30内部を熱交換器用プレートフィン31表面に対して平行方向に水道水が流れる。そして、熱交換器用プレートフィン31・水道水間の熱交換により水道水が加温されて温水となり、熱交換部30の他方の端部から出湯される。すなわち、蓄熱部20に蓄えられた太陽熱は、熱交換部30へ輸送されて、熱交換器用プレートフィン31から熱交換部30内に供給された水道水へ伝達され、熱交換部30内を通水させている間に水道水が加温されて温水となる。従って、温水貯蔵タンクを省略できる。水道水及び温水の流路を規制しまた外部への漏水を防止するために、熱交換部30は、通水方向と平行な壁面を有する樹脂製のカバー50を備え付けた態様としている。カバー50を熱交換部30へ設ける手段は特に限定されず、例えば、熱交換器用プレートフィン31の厚さ方向を形成する側面にカバー50の内壁面を接触させて、その間を接着剤で固定、シーリングする方法などが挙げられる。
太陽熱利用温水器1で用いるヒートパイプ40は、加熱部41、熱中継部42、冷却部43からなり、図4(b)、図5(b)に示すように、長手方向と直交方向の断面形状が円形となっている。凝縮した作動液を還流させて熱輸送を円滑にするために、ヒートパイプ40内部にウィック等の毛細管力を発生させる機構を設けてもよい。また、夜間や雨天時など太陽熱を受熱できずに太陽熱集熱器10が冷えた状態となっても蓄熱部20から太陽熱集熱器10への熱の逆流を防止するために、加熱部41内部については、毛細管力を発生させる機構を設けなくてもよい。加熱部41内部について毛細管力を発生させる機構を設けなければ、加熱部41から熱中継部42への作動液の還流が抑制されるので、蓄熱部20から太陽熱集熱器10への熱の逆流を抑えることができる。
また、熱中継部42から加熱部41への凝縮した作動液の還流及び冷却部43から熱中継部41への凝縮した作動液の還流を促進しつつ、加熱部41から熱中継部42への凝縮した作動液の還流及び熱中継部42から冷却部43への凝縮した作動液の還流を防止するために、加熱部41よりも冷却部43が高い位置になるように太陽熱利用温水器1を設置してもよい。
次に、本発明の第1実施形態例に係る太陽熱利用温水システム100の温水供給の原理について、図1及び図2を用いながら説明する。まず、図2において、太陽熱集熱器10が太陽の日射を受光すると、太陽熱が集熱されて太陽熱集熱器10が発熱体となり、太陽熱が太陽熱集熱器10から太陽熱集熱器10の位置に相当するヒートパイプ40の加熱部41へ熱伝達される。ヒートパイプ40の加熱部41へ伝達された太陽熱によりヒートパイプ40の作動液が蒸発して蒸気となり、ヒートパイプ40内部の蒸気の圧力差により蓄熱部20の位置に相当するヒートパイプ40の熱中継部42へ流れる。そして、蒸気となった作動液がヒートパイプ40の熱中継部42にて冷却され凝縮して潜熱を放出することにより、太陽熱が熱中継部42へ熱輸送される。熱中継部42に熱輸送された太陽熱は蓄熱部20に受熱される。凝縮した作動液は、熱中継部42から加熱部41へ戻される。この作動液の蒸発と凝縮を繰り返すことで、太陽熱集熱器10で集熱された太陽熱は、加熱部41と熱中継部42を通って蓄熱部20へと輸送され、蓄熱される。
次に、図1において、入力手段81(本例では、浴室内に設置されたコントローラ)により、ユーザからの湯張り指示が入力されると、制御装置(制御部)45が、放熱励起手段46(本例では、電圧印加装置)を稼働し、蓄熱部20にトリガー(潜熱蓄熱材24が液相から固相へ変化するきっかけとしての電圧)が加えられ、混合弁駆動装置M1を介して混合弁を開くことにより、供給手段としての配管(浴槽へ連通する配管)105を稼動(通水状態)する。図3における、蓄熱部20に蓄熱されていた太陽熱は、蓄熱部20から放出されてヒートパイプ40の熱中継部42へ伝達される。ヒートパイプ40の熱中継部42へ伝達された熱によりヒートパイプ40の作動液が蒸発する。蒸気となった作動液は、熱中継部42から熱交換部30の位置に相当するヒートパイプ40の冷却部43へ流れる。そして、蒸気となった作動液がヒートパイプ40の冷却部43にて潜熱を放出して凝縮することにより、輸送された太陽熱が冷却部43で放出される。冷却部43で放出された太陽熱は熱交換部30に受熱される。凝縮した作動液は、冷却部43から熱中継部42へ戻される。この作動液の蒸発と凝縮を繰り返すことで、蓄熱部20で蓄熱されていた太陽熱は、熱中継部42と冷却部43を通って熱交換部30へと輸送される。熱交換部30へ輸送された太陽熱は、熱交換部30からカバー50内を通る、給水管103から供給された水道水へ熱伝達され、これにより水道水が加温される。図1において、熱交換部30を経た水道水は、浴槽80に供給される。このとき、加温された水道水は、通常、水道水圧により浴槽80に供給されるが、水道水圧が十分でない場合及び加温された水道水がタンク等に一次的に貯湯される場合等には、例えば、ポンプ、弁などをさらに備えた供給手段により供給される様にしても良い。また、過度に昇温した湯を適温に調整するために、給湯用配管105に、給水源である水道から分岐させた混合用配管108を接続し、給湯用配管を流れる湯に混合用配管を通じて上水を混合することで、湯温を調整しても良い。さらに、給湯用配管105や混合用配管108に加熱装置を設置し、浴槽に供給する水の温度をさらに上昇させることをしてもよい。
一般に、家庭内の温水の使用においては、湯張り時に最も多くの熱量を使用する。また、入浴は通常、日没後等、太陽熱温水器に太陽熱が十分に蓄積されたタイミングで行われる。実施形態1の太陽熱利用温水システム1によれば、ユーザからの浴槽への湯張り指示に基づいて、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱を放出し、かつ、熱交換部で加温された水が前記浴槽に供給される。したがって、手洗等の短時間の温水の利用により潜熱蓄熱材の放熱が励起される場合と比較して、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱が無駄になることを最小限に抑えることができる。
[実施形態2]
次に、図7を用いて、蓄熱部が複数に分割された太陽熱利用温水器を用いた実施形態例について説明する。上記第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1では、1つの蓄熱部20が取り付けられていたが、これに代えて、図6に示すように、太陽熱集熱器10と熱交換部30の間に、複数(図7では3つ)の蓄熱部20A、20B、20Cを取り付けた太陽熱利用温水器2としてもよい。太陽熱利用温水器2では、太陽熱利用温水器1で用いた蓄熱部20を3つ取り付けている。この実施形態例では、蓄熱部20A、20B、20Cは、ヒートパイプ40の長手方向に沿って並列に取り付けられている。この態様では、蓄熱が完了している場合、それぞれ別のタイミングにて、蓄熱部20A、20B、20Cの過冷却状態を解除することで、放熱のタイミングを複数回(図7では3回)設定できる。従って、一度、蓄熱することで、所定間隔にて断続的に太陽熱利用温水器2を使用できる。
これにより、蓄熱部の一部、例えば蓄熱部20Aを湯張り専用とし、他の蓄熱部20B及び20Cを他の目的のための給湯に使用することができる。すなわち、図1において、入力手段81(本例では、浴室内に設置されたコントローラ)により、ユーザからの湯張り指示が入力されると、制御部45は、図7における蓄熱部の一部である蓄熱部20Aの潜熱蓄熱材のみを放熱励起手段46(本例では、電圧印加装置)により励起する。
このような態様によれば、蓄熱部20Aに蓄積された太陽熱の有効利用が可能であることに加えて、例えば、湯張りを行う機会の少ない夏期シーズンにおいては、湯張り用の蓄熱部以外の蓄熱部(本例では、蓄熱部20B及び蓄熱部20C)を使用することにより、太陽熱温水利用システムを有効に利用することができる。また、日中に潜熱蓄熱材温度が所定の温度まで達した際に、自動的に集熱パネルに通水して温水を生成し、浴槽に湯張りを行うことをおこなってもよい。この際、浴槽には断熱性能の高いものを用いると良い。これにより集熱後温水利用までの間の時間により蓄熱材からの自然放熱でエネルギーが失われるのを抑制でき、その結果、太陽エネルギーの利用効率を高めることができる。
[実施形態3]
上述の例においては、特開2012−2493号公報に記載された太陽熱利用温水器を使用した太陽熱利用温水システムを説明したが、太陽熱利用温水器として、他の装置を使用することも可能である。他の太陽熱利用温水器の一例について、図8及び9を用いて説明する。図8及び9において、上記例と重複する部材については、適宜共通の番号を使用している場合がある。
太陽熱利用温水器15は、図8(A)及び図8(B)に示すように、太陽からの日射を受けて太陽熱を集熱する集熱部70と、この集熱部70から放出された太陽熱を受けて蓄熱する蓄熱部20と、この蓄熱部20もしくは集熱部70から放出された熱を受熱して外部(本実施形態では水道水)へ伝達する熱交換部60とを備え、これら集熱部70、蓄熱部20及び熱交換部60を高さ(厚さ)方向に積層して形成されている。この形態例では、熱交換部60の上に蓄熱部20が配置され、この蓄熱部20の上に集熱部10が配置されている。このため、太陽熱利用温水器15の設置面積を抑えることができ、当該太陽熱利用温水器15の小型化を図ることができる。
熱交換部60は、板状に形成されたベース板66と、このベース板66上に立設された複数のフィン62とを備える。これらベース板66及びフィン62は、例えば、銅、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属または上記金属からなる合金で形成され、当該ベース板66上に所定の間隔をあけて各フィン62がねじ止め等によって固定されている。なお、ベース板66及びフィン62を一体に形成しても良い。これら各フィン62は、略同一の高さに形成され、当該フィン62の上端部に太陽熱集熱部70が固定されている。
熱交換部60は、図9に示すように、上記したフィン62が延びる方向に沿って配置される一対の入口ヘッダ63及び出口ヘッダ64と、これら入口ヘッダ63、出口ヘッダ64間を繋ぐ複数の連結管65とを備える。これら各連結管65は、例えば、銅、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属または上記金属からなる合金で形成され、それぞれベース板66の下面に固定されている。
また、入口ヘッダ63には給水源である上水道配管が接続され、出口ヘッダ64には給湯口に接続された給湯用配管が接続される。なお、過度に昇温した湯を適温に調整するために、給湯用配管に、給水源である上水道から分岐させた混合用配管を接続してもよい。給湯用配管を流れる湯に、混合用配管を通じて上水を混合することで、湯を適温に調整することができる。
太陽熱集熱部70は、ベース板66と略同じ大きさの板状に形成され、光吸収率を高める表面処理を行った集熱板61を備え、この集熱板61は熱交換部60のフィン62上に固定されている。この集熱板61は、上記した熱交換部60のベース板66,フィン62及び連結管65と同様に熱伝導性の優れた金属材で形成され、当該集熱板61で集められた太陽熱は、複数のフィン62を介して熱交換部60のベース板66に伝達される。
蓄熱部20は、太陽熱集熱部70で集熱された太陽熱を蓄えるものである。この蓄熱部20は、複数の蓄熱部材22を備え、これら蓄熱部材22が隣接するフィン62間に並べて配置されている。各蓄熱部材22は、潜熱蓄熱材を袋状のラミネート材でパッキングして形成されたものであり、図8(A)に示すように、当該蓄熱部材22の上面22A及び下面22Bがそれぞれ集熱板61及びベース板66に接触する高さに形成されている。さらに、集熱板61及びベース板66には、それぞれ蓄熱部材22を保持するための突起(図示略)が複数設けられており、当該蓄熱部材22を集熱板61とベース板66との間に固定するとともに、当該集熱板61及びベース板66と蓄熱部材22との間の熱伝達特性を向上させることができる。従って、集熱板61及びベース板66から伝達される太陽熱を蓄熱部材22内の潜熱蓄熱材に効率良く蓄熱することができる。
本実施形態では、潜熱蓄熱材は、実施形態1で説明したものと同様のものである。蓄熱部20に、ラミネート材でパッキングして小分けされた蓄熱部材22をベース板61上に並べて配置しているため、蓄熱部20の高さ(厚さ)を低く抑えることができ、ひいては太陽熱利用温水器15の小型化を実現できる。
また、本実施形態の太陽熱利用温水器15を用いても、図1に記載したような太陽熱温水利用システムを構成することにより、実施形態1のシステムと同様の効果を得ることができる。すなわち、入力手段81(本例では、浴室内に設置されたコントローラ)により、ユーザからの湯張り指示が入力されると、制御装置(制御部)45が、放熱励起手段46(本例では、電圧印加装置)を稼働し、蓄熱部20にトリガー(潜熱蓄熱材24が液相から固相へ変化するきっかけとしての電圧)が加えられ、混合弁駆動装置M1を介して混合弁を開くことにより、供給手段としての配管(浴槽へ連通する配管)105を稼動(通水状態)するように構成すれば、手洗等の短時間の温水の利用により潜熱蓄熱材の放熱が励起される場合と比較して、潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱が無駄になることを最小限に抑えることができる。また、実施形態2において説明したとおり、複数の潜熱蓄熱部材22のうち、一部の潜熱蓄熱部材22を湯張り専用とし、他の蓄熱部22を手洗等他の目的のための給湯に使用しても良い。
また、上記した太陽熱利用温水器15,55では、太陽熱集熱部10、蓄熱部20及び熱交換部60を上下方向に積層する構成としていたが、これに限るものではなく、これらを、例えば、水平方向に重ねて配置するものであっても良い。さらに、給湯用配管や混合用配管に加熱装置を設置し、浴槽に供給する水の温度をさらに上昇させることをしてもよい。
[実施形態4]
次に、本発明の別の実施形態に係る太陽熱利用温水システムを、図10を用いて説明する。なお、図10において、図1と同様の構成要素については、符号を同一のものとし、説明を省略している。
実施形態4に係る太陽熱利用温水システムは、さらに、蓄熱部20の温度を検知する温度検知手段47を備えている。また、制御装置45は、判断部(判断手段)48と、制御部(制御手段)45aと、湯張り指示受信部(湯張り指示受信手段)49とを備えている。
入力手段81(本例では、浴室内に設置されたコントローラ)により、ユーザから湯張り時刻を含めた湯張り指示が入力されると、制御装置45の湯張り指示受信部49に当該湯張り指示が送信される。
一方、判断部48が、温度検知手段47により検知された蓄熱部20の温度が、所定温度を超えたと判断した場合には、速やかに(好ましくは、直ちに)制御部45aが、放熱励起手段46を稼動し、熱交換部30を経由した温水が生成されるとともに、混合弁制御装置M1を介して混合弁を開くことにより、浴槽80への供給手段を稼動する(通水開始)。閾値となる温度については、使用する潜熱蓄熱材のタイプおよび装置の耐久性を考慮して決定される。浴槽80への温水供給は、ユーザにより指定された湯張り時刻に基づいて算出される湯張り開始時刻の前であっても行われる。
実施形態4に係る太陽熱利用温水システム160によれば、日射量が多く、十分な量の太陽熱が潜熱蓄熱材に蓄積された場合や過度に潜熱蓄熱材の温度が上昇した場合において、ユーザがすでに湯張り予約を行っていた際には、放熱励起手段46が自動的に稼動され浴槽80に温水が供給されるので、日没前に蓄熱材が満蓄となった場合に一度熱を浴槽に吐き出すことによって、日射を最大限有効に利用できるという第一のメリットがある。また、第二のメリットとして、太陽熱の集熱後、温水利用までの間の潜熱蓄熱材の自然放熱によるエネルギー損失が避けられ、太陽エネルギーの利用効率を高めることができる。また、第三のメリットとして、潜熱蓄熱材の過度な温度上昇による装置の過熱、ひいては装置の破損も避けることが可能である。なお、太陽熱利用温水システムは、通常、ガス給湯システム等の既存の給湯手段と組み合わせて使用されることから、ユーザは必要に応じて、入浴時に温水の再加熱や足し湯を行うことにより、最適な温度で入浴することが可能である。なお、太陽熱利用温水システム160で使用する太陽熱温水器については、実施形態1〜3で使用した太陽熱利用温水器をいずれも好適に使用することができる。
太陽熱温水器 1
太陽熱温水システム 100
集熱部 2
蓄熱部 20
熱交換部 30
放熱励起手段 46
浴槽 80

Claims (5)

  1. 太陽熱を吸収する集熱部と、
    前記集熱部を介して吸収された太陽熱を蓄積するための潜熱蓄熱材を備えた蓄熱部と、
    給水管及び浴槽に連通する配管に接続され、かつ、前記潜熱蓄熱材から放出された太陽熱が前記給水管からの水と熱交換を行う熱交換部と、をえた太陽熱温水器を使用した太陽熱温水システムであって、
    前記潜熱蓄熱材に蓄積された太陽熱の放出を励起する放熱励起手段と、
    前記潜熱蓄熱材の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された前記潜熱蓄熱材の温度が所定温度を超えるか否かを判断する判断手段と、
    ユーザからの前記浴槽への湯張り指示を入力するための入力手段と電気的に接続された湯張り指示受信手段と
    前記放熱励起手段を制御する制御手段と、をえ、
    前記湯張り指示受信手段が前記入力手段から湯張り指示を受けており、かつ、前記判断手段により少なくとも一部の前記潜熱蓄熱材の温度が所定温度を超えたと判断された場合には、前記制御手段が、前記放熱励起手段を稼働させるとともに、前記熱交換部を経た温水が前記浴槽に供給されるように構成したことを特徴とする太陽熱利用温水システム。
  2. 前記入力手段が、湯張り時刻を含めた前記湯張り指示を入力するための手段である、請求項1に記載の太陽熱利用温水システム。
  3. 前記制御手段が、ユーザからの前記湯張り時刻に基づく湯張り開始時間前であっても、前記放熱励起手段を稼働させる、請求項2に記載の太陽熱利用温水システム。
  4. 前記集熱部が、太陽熱を吸収する集熱板を備えており、当該集熱板が、前記潜熱蓄熱材と熱的に接続されている、請求項1〜3いずれかに記載の太陽熱利用温水システム。
  5. 前記集熱部、前記蓄熱部及び前記熱交換部が重ねて配置されていることを特徴とする、請求項1〜いずれかに記載の太陽熱利用温水システム。
JP2013068512A 2013-03-28 2013-03-28 太陽熱利用温水システム Expired - Fee Related JP6155069B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068512A JP6155069B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 太陽熱利用温水システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068512A JP6155069B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 太陽熱利用温水システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014190653A JP2014190653A (ja) 2014-10-06
JP6155069B2 true JP6155069B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=51837074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013068512A Expired - Fee Related JP6155069B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 太陽熱利用温水システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6155069B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6607374B2 (ja) * 2015-06-24 2019-11-20 株式会社ノーリツ 補助熱源機付きヒートポンプ給湯装置
JP7003080B2 (ja) * 2019-03-18 2022-01-20 株式会社東芝 太陽熱温水器及び太陽熱利用システム
JP7406335B2 (ja) * 2019-10-10 2023-12-27 株式会社熊谷組 太陽熱集熱装置
CN112178953A (zh) * 2020-10-28 2021-01-05 山东力诺瑞特新能源有限公司 一种具有控温相变储热功能的太阳能热水系统
JP2023086633A (ja) * 2021-12-10 2023-06-22 秀典 寺内 太陽熱供給システム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61205752A (ja) * 1985-03-09 1986-09-11 Kajima Corp 夜間電力利用の給湯方法および装置
JP5459892B2 (ja) * 2009-07-31 2014-04-02 大和ハウス工業株式会社 給湯用太陽熱集熱装置及びそれを用いた給湯システム
JP5739682B2 (ja) * 2010-05-19 2015-06-24 古河電気工業株式会社 太陽熱利用温水器
JP2012052726A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Panasonic Corp 太陽エネルギー利用システム
JP5870241B2 (ja) * 2011-03-10 2016-02-24 パナソニックIpマネジメント株式会社 給湯装置
CN103635757B (zh) * 2011-11-08 2016-08-17 古河电气工业株式会社 太阳能热水器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014190653A (ja) 2014-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105202959B (zh) 能量存储系统
EP3330633B1 (en) Phase-change heat storage-type electric water heater
EP2659198B1 (en) Thermal solar absorber system generating heat and electricity
KR101084569B1 (ko) 태양열집열기와 히트펌프식 공조기를 이용한 하이브리드 온수공급시스템
JP6155069B2 (ja) 太陽熱利用温水システム
JPWO2006038508A1 (ja) 太陽電池システムおよび熱電気複合型太陽電池システム
JP5391499B2 (ja) 熱交換器型蓄熱システム
EP2373930B1 (en) A solar water heater
EP2924364B1 (en) Solar collector with integrated storage tank
CN203323422U (zh) 一种建筑一体化蓄能型太阳能重力热管热泵供热系统
JP5191645B2 (ja) 熱電気複合型太陽電池システム
CN104976765A (zh) 一种相变储热式电热水器
CN103245085A (zh) 一种蓄能型太阳能振荡热管热泵供热系统及其方法
JP5931086B2 (ja) 太陽熱利用温水器
CN103542756B (zh) 一种层叠式储热器
JP2008215780A (ja) 排熱蓄熱利用装置
WO2010070702A1 (ja) 自然エネルギを利用した動力発生装置
JP5739682B2 (ja) 太陽熱利用温水器
CN211650792U (zh) 便携式小型太阳能热管加热器
EP2347194A2 (en) Solar heating system for warming hot water based on the principle of heat exchange through the phase-change process of evaporation and condensation
JP3846385B2 (ja) ソーラーシステム付きヒートポンプ給湯機
CN216244943U (zh) 一种基于相变储能技术的太阳能一体化储能箱
KR20120108465A (ko) 재생에너지를 이용한 주택 및 대용량 냉난방시스템에서의 온수 배관시스템
CN102620336A (zh) 储热式太阳能采暖箱
HU205987B (en) Anti-freezing collector of storing system for solar equipments

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6155069

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees