JP5739682B2 - 太陽熱利用温水器 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽熱を受熱し、受熱した太陽熱の熱量を利用して水を加温する太陽熱利用温水器に関するものである。
従来、太陽熱利用温水器は、太陽光の方向に向けた上面に透光性を有するガラス板等の板材を備えた箱体と、前記箱体内に設けられた集熱器とを有し、集熱器内に送り込まれて蓄えられた水を、透明性の板材を通過する太陽光の熱により温めて温水とする構成となっている。
図12に示すように、太陽熱を利用して水を温め、さらに温めた水を生活に利用する従来技術として、例えば、箱体102内に設けられた集熱器と連通して集熱器内に水を供給するための入水管103と、集熱器と連通し、集熱器内において太陽光により温められた水を蓄えるための温水貯蔵タンク104と、温水貯蔵タンク104と連通して温水貯蔵タンク104内の温水を住宅内の風呂106等に供給するための出水管105とを設けた太陽熱利用温水器101が開示されている(特許文献1)。
しかし、上記した太陽熱利用温水器101は、十分な貯水量を確保するためには、温水貯蔵タンク104を大型化する必要があること、また、太陽熱利用温水器101は屋根への設置タイプであるため、満水時には重量が増して家屋への負担が大きいこと、上記事情から十分な温水量を確保できないことなどの問題があった。
そこで、温水貯蔵タンクを地上に設置する太陽熱利用温水器も開発されている。例えば、図13に示すように、ポンプ210から連結管211を通じて不凍液が供給される温度センサを備える集熱板201と、集熱板201から連結管212を通じて不凍液が供給される熱交換器202と、熱交換器202が底部付近に収容された温度センサを備える温水貯蔵タンク203と、温水貯蔵タンク203に水道水を供給する第1供給管214と、温水貯蔵タンク203から入水管213を通じて温水が供給される混合器204と、混合器204に水道水を供給する第2供給管215と、温度設定器206を備えるガス湯沸かし器205に混合器204内の温水を供給する温水供給管216と、ガス湯沸かし器205と連通した出湯管217とを設けた太陽熱利用温水システム200である。
しかし、上記した太陽熱利用温水システム200でも、十分な貯水量を確保するためには温水貯蔵タンク203を大型化する必要があり、温水貯蔵タンク203の設置場所を十分確保できない場合には、やはり十分な温水量を得られないという問題があった。また、貯蔵された温水はタンク上部では熱く下部ではぬるくなるという温水貯蔵タンク203内部の温度分布ムラの問題もあった。
そこで、温水貯蔵タンクが省略された太陽熱利用給湯システムも開発されている。例えば、図14(a)に示すように、断熱構成された底板302、側板303および透光板304とで箱状に形成され、その内部には略全面にわたり面状に蛇行配列された通水配管305と通水配管305を挟んで上下に配設した蓄熱体306とが設けられた太陽熱集熱器301を利用したものである(特許文献2)。そして、太陽熱集熱器301を利用した太陽熱利用給湯システム310は、図14(b)に示すように、前記太陽熱集熱器301と、給水源312から導入された水道水を加熱して出湯する瞬間形ガス湯沸器311と、瞬間形ガス湯沸器311から出湯される水と太陽熱集熱器301から流入する水を混合する手段であって、一方は瞬間形ガス湯沸器311に接続され他方は給水源312に水道直結された太陽熱集熱器301の通水配管305の出口と接続されて両者の混合比率を調節する電動混合弁313と、電動混合弁313の混合比率を調節するために給湯湯温を検出する給湯湯温センサ314と、給湯湯温センサ314と電動混合弁313とに電気的に接続されている制御部315と、給水源312から太陽熱集熱器301を経て電動混合弁313に至る太陽熱管路316と、太陽熱管路316の太陽熱集熱器301上流から分岐し給水源312から電動混合弁313に直接接続されるバイパス管路317と、バイパス管路317の途中に設けた電磁開閉弁318と、給水源312からの水道水温を検出する入水温度センサ319と、太陽熱集熱器301近傍の外気温度を検出する外気温度センサ320を設けたものである(特許文献2)。
しかし、上記した太陽熱集熱器301では、蓄熱体306と通水配管305との間で熱交換を行なうので熱交換効率に劣り水温が十分に上昇しないこと、前記熱交換の仕組みから熱伝導率の高い蓄熱体306が必要であること、通水配管305の上下で日射の当たり具合が違うので蓄熱体306の構成を通水配管305の上下で変える必要があり太陽熱集熱器301の構造が複雑化すること、受熱量を確保するために通水配管305は太陽熱集熱器301の略全面にわたり面状に蛇行配列させる必要があるので、太陽熱集熱器301が大型化すること、通水配管305下側の蓄熱体306は十分な集熱ができず集熱効率に劣ること等といった問題があった。
特開平7−98157号公報 特開2003−83608号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、温水貯蔵タンクが小型化または省略可能であり、熱交換効率に優れ、構造が簡素化、小型化された太陽熱利用温水器を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されている熱伝導部材とを備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。
この態様では、太陽熱集熱器、蓄熱器及び熱交換器は、相互に熱伝導部材を介して熱的に接続されている。すなわち、太陽熱集熱器で集熱された太陽熱は、太陽熱集熱器から熱伝導部材の該太陽熱集熱器の位置に相当する加熱部に伝達される。熱伝導部材の加熱部に伝達された太陽熱により熱伝導部材の入熱部が熱せられると、熱伝導部材の熱伝導により、太陽熱が熱伝導部材の加熱部から蓄熱器の位置に相当する熱伝導部材の熱中継部へ輸送され、太陽熱は、さらに熱中継部から蓄熱器へと輸送、蓄熱される。蓄熱した太陽熱を利用する場合は、蓄熱器に蓄熱された太陽熱を、前記熱伝導部材の熱中継部に伝達させ、熱伝導部材の熱中継部に伝達された太陽熱により熱伝導部材の熱中継部が熱せられると、熱伝導部材の熱伝導により、太陽熱が熱伝導部材の熱中継部から熱交換器の位置に相当する熱伝導部材の冷却部へ輸送され、太陽熱は、さらに冷却部から熱交換器へと輸送される。熱交換器へ輸送された太陽熱は、熱交換器にて水などへ熱交換される。熱伝導部材は、熱伝導性に優れた部材であれば特に限定されず、その材料としては、例えば、銅、鉄等の金属や金属合金が挙げられ、その形状としては、例えば、管状体、棒状体等の長尺物が挙げられる。また、熱伝導部材には、後述するように、ヒートパイプ等の熱輸送用部品も挙げられる。
本発明の第2の態様は、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器が、同一の前記熱伝導部材に熱的に接続されていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、太陽熱集熱器、蓄熱器及び熱交換器が、1本の熱伝導部材に取り付けられ、また1本の熱伝導部材を介して熱的に接続されることで、一体化した構造となっている。
本発明の第3の態様は、前記熱伝導部材が、ヒートパイプであることを特徴とする太陽熱利用温水器である。すなわち、太陽熱集熱器で集熱された太陽熱は、太陽熱集熱器から放出されて、該太陽熱集熱器の位置に相当するヒートパイプの加熱部に伝達される。ヒートパイプの加熱部に伝達された太陽熱によりヒートパイプの作動液が蒸発し、蓄熱器の位置に相当するヒートパイプの熱中継部にて沸騰した蒸気が凝縮することで、太陽熱は加熱部から蓄熱器へと輸送、蓄熱される。蓄熱器に蓄熱された太陽熱は、前記ヒートパイプの熱中継部に伝達される。ヒートパイプの熱中継部に伝達された太陽熱によりヒートパイプの作動液が沸騰し熱交換器の位置に相当するヒートパイプの冷却部にて蒸発した作動液が凝縮することで、太陽熱は熱中継部から熱交換器へと輸送され、熱交換器にて水などへ熱交換される。
本発明の第4の態様は、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されているヒートパイプとを備え、前記ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器に対応する位置に毛細管力の生じない構造を備え、前記蓄熱器と前記熱交換器に対応する位置に毛細管力の生じる構造を備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。太陽熱集熱器に対応する位置では毛細管力の生じないヒートパイプ構造となっているので、太陽熱を受熱できずに太陽熱集熱器が冷えた状態となっても蓄熱器から太陽熱集熱器への熱輸送はされない。
本発明の第5の態様は、前記ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器及び前記蓄熱器と熱的に接続されている第1ヒートパイプと、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されている第2ヒートパイプとからなることを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、蓄熱器には第1ヒートパイプと第2ヒートパイプが熱的に接続されており、第1ヒートパイプにより太陽熱が太陽熱集熱器から蓄熱器へ輸送され、第2ヒートパイプにより太陽熱が蓄熱器から熱交換器へ輸送される。
本発明の第6の態様は、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されているヒートパイプとを備え、前記ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器及び前記蓄熱器と熱的に接続されている第1ヒートパイプと、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されている第2ヒートパイプからなり、前記第1ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器に対応する位置に毛細管力の生じない構造を、前記蓄熱器に対応する位置に毛細管力の生じる構造を備え、前記第2ヒートパイプが、毛細管力の生じる構造を備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。第1ヒートパイプの太陽熱集熱器に対応する位置では毛細管力の生じない構造となっているので、太陽熱を受熱できずに太陽熱集熱器が冷えた状態となっても蓄熱器から太陽熱集熱器への熱輸送はされない。
本発明の第7の態様は、前記蓄熱器が、前記熱伝導部材と熱的に接続された複数の蓄熱器用プレートフィンと、前記蓄熱器用プレートフィンに狭持された蓄熱部とを備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、熱伝導部材として例えばヒートパイプを用いる場合には、ヒートパイプの作動液により加熱部から熱中継部に輸送された太陽熱は、ヒートパイプの熱中継部に熱的に接続された蓄熱器用プレートフィンを介して、該蓄熱器用プレートフィンに狭持された蓄熱部に輸送、蓄熱される。
本発明の第8の態様は、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されている熱伝導部材とを備えた太陽熱利用温水器であって、前記蓄熱器が、前記熱伝導部材と熱的に接続された複数の蓄熱器用プレートフィンと、前記蓄熱器用プレートフィンに狭持された蓄熱部とを備え、前記蓄熱部は、ラミネート材と前記ラミネート材にパッキングされた潜熱蓄熱材からなり、前記蓄熱器用プレートフィンの表面には、前記蓄熱部を保持するとともに前記蓄熱部と熱交換を行なうための突起が設けられていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。
本発明の第9の態様は、前記蓄熱器が、複数備えられたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。本発明の第10の態様は、前記複数の蓄熱器が、該蓄熱器ごとに、それぞれ、融点の異なった潜熱蓄熱材を備えることを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、同一の蓄熱器には、同一の融点を有する潜熱蓄熱材が使用されるが、異なる蓄熱器の間では、それぞれ、異なる融点を有する潜熱蓄熱材が使用される。本発明の第11の態様は、前記融点の異なった潜熱蓄熱材の一部または全部が、常温で過冷却状態であることを特徴とする太陽熱利用温水器である。「常温」とは、通常の外気温、例えば20℃を意味する。
本発明の態様は、前記熱交換器が、前記ヒートパイプと熱的に接続された熱交換器用プレートフィンを備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。本発明の第12の態様は、前記熱交換器が、前記熱伝導部材と熱的に接続された熱交換器用プレートフィンを備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、熱伝導部材として例えばヒートパイプを用いる場合には、ヒートパイプの作動液により熱中継部から冷却部に輸送された太陽熱は、ヒートパイプの冷却部に熱的に接続された熱交換器用プレートフィンに輸送され、熱交換器用プレートフィンから外部へ放出される。
本発明の態様は、前記熱交換器用プレートフィンが、管状体と熱的に接続されており、前記管状体には前記ヒートパイプの端部がはめ込み可能となっていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。本発明の第13の態様は、前記熱交換器用プレートフィンが、管状体と熱的に接続されており、前記管状体には前記熱伝導部材の端部がはめ込み可能となっていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、熱交換器は、熱交換器用プレートフィンと該熱交換器用プレートフィンに接した管状体とを備えており、熱交換器用プレートフィンは管状体を介して熱伝導部材(例えば、ヒートパイプ)に熱的に接続されている。
本発明の第14の態様は、前記熱交換器が、複数備えられたことを特徴とする太陽熱利用温水器である。本発明の第15の態様は、前記複数の熱交換器が、複数の蓄熱器と交互に配置されていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。
本発明の第16の態様は、前記熱交換器が、第1熱交換部と、前記第1熱交換部とは別体であって、前記第1熱交換部と熱的に接続されている第2熱交換部とを有することを特徴とする太陽熱利用温水器である。この態様では、太陽熱集熱器と蓄熱器が取り付けられた熱伝導部材(例えば、ヒートパイプ)は第1熱交換部と熱的に接続されており、ヒートパイプの冷却部から第1熱交換部に輸送された太陽熱は、例えば不凍液などによって、第1熱交換部から第2熱交換部へ輸送され、第2熱交換部から外部へ放出される。
本発明の態様は、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器を熱的に接続した前記ヒートパイプが、並列に複数配置されていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。本発明の第17の態様は、前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器を熱的に接続した前記熱伝導部材が、並列に複数配置されていることを特徴とする太陽熱利用温水器である。
第1の態様によれば、集熱した太陽熱の熱輸送に熱伝導部材を用いるので熱輸送性及び熱交換効率に優れ、太陽熱の利用効率が向上する。このように、太陽熱の利用効率が向上するので、太陽熱利用温水器の小型化が可能である。また、太陽熱集熱器、蓄熱器及び熱交換器は、相互に熱伝導部材を介して熱的に接続されているので、構造が簡素化、軽量化され、製造コストを低減できる。また、装置を軽量化できるので、設置時の屋根への負荷を抑えることができる。さらに、温水貯蔵タンクを小型化または省略できるので、狭小な空間にも設置可能である。
第2の態様によれば、太陽熱集熱器、蓄熱器及び熱交換器が、一本の熱伝導部材を介して一体化されるので、太陽熱が太陽熱集熱器から熱交換器へ輸送されるにあたり、熱損失が極めて小さくなり、更なる小型化も可能となる。第3の態様によれば、熱伝導部材にヒートパイプを用いるので、太陽熱の利用効率がさらに向上し、さらなる小型化、軽量化、低コスト化が可能となる。第4、第6の態様によれば、太陽熱集熱器が蓄熱器よりも冷えた状態となっても蓄熱器から太陽熱集熱器への熱輸送はされないので、熱輸送方向の変化を防止でき、蓄熱器の蓄熱性能が向上する。また、第5の態様によれば、蓄熱器の部分でヒートパイプを別体としているので、ヒートパイプの熱輸送方向の制御を容易化できる。
第7の態様によれば、蓄熱器に複数のプレートフィンが設けられているので、熱伝導部材の加熱部から熱中継部へ輸送された太陽熱は、蓄熱器に効率よく受熱される。また、蓄熱部材がプレートフィンに狭持されているので、プレートフィンから蓄熱部材への熱伝達性に優れており、またプレートフィンによって蓄熱部材を蓄熱器に固定できる。また、第8の態様によれば、プレートフィンの表面に、突起部が設けられているので、蓄熱部材を蓄熱器に確実に固定できる。
第9の態様によれば、蓄熱器が複数設けられているので、放熱のタイミングを複数回設定できる。第10の態様によれば、蓄熱器ごとに潜熱蓄熱材の融点が異なるので、日射量が少ない場合にも、融点の低い潜熱蓄熱材が確実に蓄熱できる。第11の態様によれば、常温で長期間熱を保存できる。
第12の態様によれば、熱交換器にプレートフィンが設けられることで、蓄熱器から放出され熱伝導部材の熱中継部を介して冷却部へ輸送された太陽熱は、熱交換器に効率よく受熱され、さらに熱交換器から水道水へ効率よく熱伝達されるので、蓄熱器から熱交換器への熱伝達性及び熱交換器から水道水への熱伝達性能に優れている。また、プレートフィンの設置枚数を調整することで熱伝達性能が向上するので、太陽熱を水道水へ容易に供給でき、熱交換効率に優れる。さらに、熱交換効率に優れるので、熱交換器に水道を直結させることが可能となり、太陽熱利用温水器の適用範囲を広げることができる。第13の態様によれば、プレートフィンを有する管状体に熱伝導部材を挿入すればよいので、熱交換器の太陽熱利用温水器からの分離と太陽熱利用温水器への組み付けが簡単であり、太陽熱利用温水器の設置、輸送が容易となる。第14、第15の態様によれば、放熱のタイミングを複数回設定しても、いずれのタイミングでも効率よく熱輸送できる。第16の態様によれば、熱交換器には、熱伝導部材の冷却部と熱的に接続された第1熱交換部とは別体の第2熱交換部が設けられているので、蓄熱部と熱を水道水へ伝達する熱交換部とが離れていても太陽熱を効率よく利用できる。
第17の態様によれば、太陽熱集熱器、蓄熱器及び前記熱交換器が設置された熱伝導部材が、並列に複数配置されているので、湯の使用量に応じて所望の湯温を得ることができる。
本発明の第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器の外観斜視図である。 本発明の第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器の概略を説明する断面図である。 (a)図は蓄熱器の部分正面図、同(b)図は(a)図のI‐I線断面図である。 (a)図は熱交換器の部分平面図、同(b)図は(a)図のII‐II線断面図である。 第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器の熱交換器部位を説明する断面斜視図である。 本発明の第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器の説明図である。 本発明の第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器の概略を説明する断面図である。 蓄熱器を複数備えた実施形態例に係る太陽熱利用温水器を説明する断面図である。 蓄熱器と熱交換器を複数備えた実施形態例に係る太陽熱利用温水器を説明する断面図である。 その他の実施形態例である太陽熱集熱器の部分断面図である。 本発明のその他の実施形態例に係る太陽熱利用温水器の概略を示す説明図である。 第1の従来技術に係る太陽熱利用給湯システムの説明図である。 第2の従来技術に係る太陽熱利用給湯システムの説明図である。 (a)図は第3の従来技術に係る太陽熱集熱器の説明図、同(b)図は(a)図の太陽熱集熱器を用いた太陽熱利用給湯システムの説明図である。
次に、本発明の実施形態例に係る太陽熱利用温水器を図面に基づいて説明する。本発明の第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1は、図1に示すように、太陽熱を集熱する太陽熱集熱器10が並列に複数(図1では12個)配置された太陽熱集熱体2と、太陽熱集熱体2に隣接し、12個の太陽熱集熱器10から放出された太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器20と、蓄熱器20に隣接し、蓄熱器20から放出された太陽熱を受熱して外部(本実施形態例では水道水)へ伝達する熱交換器30と、太陽熱集熱体2、蓄熱器20及び熱交換器30と熱的に接続された12本のヒートパイプ40から構成されている。1個の太陽熱集熱器10あたり1本のヒートパイプ40が熱的に接続されており、太陽熱は、12本のヒートパイプを用いて、12個の太陽熱集熱器10から蓄熱器20へ熱輸送される。そして、蓄熱器20に輸送された太陽熱は、同じ12本のヒートパイプを用いて、蓄熱器20から熱交換器30へ熱輸送される。上記ヒートパイプ40は、例えば、銅、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属製または上記金属からなる合金製である密閉されたコンテナの内部に、作動液が減圧状態で封入されている。コンテナの形状には、丸型、板状型、扁平状型等がある。コンテナの内壁にはグルーブが形成されており、グルーブの形成された内壁に毛細管力を備えたウィックが密着して配置されている。ヒートパイプ40の内部には、作動液の流路となる空間が設けられている。この空間に収容された作動液が蒸発・凝縮の相変化とヒートパイプ40内部の移動をすることによって、熱輸送が行われる。すなわち、熱源からヒートパイプ40を構成するコンテナへ伝達されてきた熱により、ヒートパイプ40の吸熱側において液相状態の作動液が蒸発して気相状態へ相変化し、作動液が蒸発して生成した蒸気がヒートパイプ40の吸熱側から放熱側へ移動する。放熱側では、この蒸発した蒸気が冷却されることで作動液が気相状態から液相状態へ戻る。液相状態に戻った作動液は放熱側から再び吸熱側へ移動(還流)する。このように、太陽熱利用温水器1は、集熱した太陽熱の熱輸送にヒートパイプ40を用いることで、熱輸送性及び熱交換効率に優れ、太陽熱の利用効率が向上し、また太陽熱利用温水器の小型化が可能となる。
図2に示すように、太陽熱集熱器10と蓄熱器20と熱交換器30は、それぞれ同じヒートパイプ40に連なって配置されている。すなわち、太陽熱集熱器10と蓄熱器20と熱交換器30はヒートパイプ40に取り付けられて一体化されている。ヒートパイプ40に取り付けられた太陽熱集熱器10、蓄熱器20及び熱交換器30は、ヒートパイプ40表面に直接接触または間接的に接することで、ヒートパイプ40と熱的に接続されている。太陽熱集熱体2から熱交換器30へ輸送された太陽熱は、熱交換器30から外部、すなわち水道水へ放出されて水道水の温度が上昇する。このように、太陽熱集熱器10、蓄熱器20及び熱交換器30が、一本のヒートパイプ40を介して一体化されるので、太陽熱集熱器10から熱交換器30への熱輸送にあたって、熱損失を抑えることができる。
太陽熱集熱器は、太陽熱を集熱できるものであれば特に限定されないが、太陽熱利用温水器1で用いられる太陽熱集熱器10は、図2に示すように、内部が真空状態である透光性を有するガラス製管状部材11と、ガラス製管状部材11の内部に収容された黒色の集熱板12を備えている。ヒートパイプ40の外形はガラス製管状部材11の中空部と嵌合可能な形状となっている。よって、ヒートパイプ40がガラス製管状部材11の中空部に挿入されると、太陽熱集熱器10がヒートパイプ40に取り付けられ、太陽熱集熱器10とヒートパイプ40が熱的に接続される。
太陽熱集熱器10が太陽の日射を受光すると、ガラス製管状部材11の壁部14を通過した太陽熱が集熱板12に受熱されて太陽熱集熱器10が昇温する。昇温した太陽熱集熱器10が、熱的に接続されたヒートパイプ40の加熱部41を加熱して、加熱部41にてヒートパイプ40の作動液が蒸発し、集熱した太陽熱を太陽熱集熱器10から蓄熱部20や熱交換部30へ輸送する。
蓄熱器20は、太陽熱集熱器10で集熱され、太陽熱集熱器10からヒートパイプ40を用いて輸送される太陽熱を蓄熱するものである。図2、図3(a)に示すように、蓄熱器20は、ヒートパイプ40に取り付けられた複数の蓄熱器用プレートフィン21と蓄熱器用プレートフィン21に挟持された複数の蓄熱部22を備えている。蓄熱器用プレートフィン21は、ヒートパイプ40と蓄熱部22間で太陽熱を伝達するものである。このように、蓄熱器20にプレートフィンを用いることで、ヒートパイプ40・蓄熱部22間における熱伝達を効率化できる。蓄熱部22は、ヒートパイプ40を境にして上下に配置され、蓄熱器用プレートフィン21の略全面と接触した状態となっている。蓄熱部22と接する蓄熱器用プレートフィン21表面には、蓄熱部22を保持するための突起25が複数設けられており、蓄熱部22を蓄熱器用プレートフィン21に固定するとともに、蓄熱器用プレートフィン21と蓄熱部22の間の熱伝達特性を向上させることができる。
図3(b)に示すように、蓄熱部22は、蓄熱器用プレートフィン21に左右から狭持されることで、蓄熱器用プレートフィン21間に保持されている。また、蓄熱部22は、内部に潜熱蓄熱材24を収容している。また、それぞれの蓄熱器用プレートフィン21には、ヒートパイプ40を嵌め差し込むための孔部(図示せず)、すなわちヒートパイプ40の外形に対応した形状を有する孔部が、所定位置(ヒートパイプ40の配置に対応した位置であって、蓄熱器用プレートフィン21の高さ方向の略中央部)に所定数量(太陽熱利用温水器1では12個)設けられている。各孔部に1本のヒートパイプ40が挿入されることで、各孔部の内壁面と各ヒートパイプ40表面が直接接触してそれぞれの蓄熱器用プレートフィン21が12本のヒートパイプ40に取り付けられる。これにより、蓄熱器用プレートフィン21と12本のヒートパイプ40は熱的にも接続される。従って、太陽熱集熱器10からヒートパイプ40で輸送されてきた太陽熱は、蓄熱器用プレートフィン21に円滑に伝達される。
蓄熱器用プレートフィン21のフィンピッチは、ヒートパイプ40・蓄熱部22間の伝熱機能を発揮する範囲であれば特に限定されない。また、蓄熱器用プレートフィン21の設置枚数も、ヒートパイプ40・蓄熱部22間で熱交換効率が最適となるように設定される範囲であれば特に限定されない。さらに、必要に応じて、孔部にバーリングを設けて、蓄熱器用プレートフィン21のヒートパイプ40に対する固定性、熱的接続性を向上させてもよい。蓄熱器用プレートフィン21は熱伝導性に優れた材料であれば特に限定されず、例えばアルミニウム、銅などの熱伝導性の良い金属材料を挙げることができる。
蓄熱部22は、潜熱蓄熱材24の相変化を用いて蓄熱器用プレートフィン21に伝達された太陽熱を蓄熱するものであり、蓄熱器用プレートフィン21に両側から狭持されることで蓄熱器20に固定され、蓄熱器用プレートフィン21と熱的に接続される。また、必要に応じて、蓄熱器用プレートフィン21には、蓄熱部22と接触する側の表面に突起25が設けられている。蓄熱器用プレートフィン21に狭持された蓄熱部22は、突起25によって、蓄熱器用プレートフィン21に確実に固定される。また、蓄熱部22は、突起25によって、蓄熱器用プレートフィン21との接触面積が増加するので、蓄熱器用プレートフィン21と蓄熱部22の間の熱伝達性能を向上させることができる。
蓄熱部22は、潜熱蓄熱材24を袋状のラミネート材23でパッキングしたものである。潜熱蓄熱材24は、その融解・凝固時の潜熱を利用して蓄熱・放熱するものであれば特に限定されず、例えば、酢酸ナトリウム・3水和塩、塩化マグネシウム・6水和塩、水酸化バリウム・8水和塩、キシリトール等を挙げることができる。潜熱蓄熱材24を利用すると、水などの顕熱を利用する手法よりも蓄熱密度が大きくなるので、蓄熱器20を小型化できる。なお、潜熱蓄熱材24の使用量は、所要の湯温で十分な湯量が得られるように、適宜設定する。後述する実施例では、潜熱蓄熱材24に酢酸ナトリウムを使用し、42℃のお湯が670リットル(一般的な4人家族の一日の使用量)得られるように、潜熱蓄熱材24の容量を約105リットルに設定している。太陽熱の蓄熱後に冷却された潜熱蓄熱材24は、いわゆる過冷却状態となって、凝固点以下の温度に冷却されても凝固せず放熱が始まらないので、外部から、例えば、電圧、せん断応力などの所定手段で衝撃を与えることによって、潜熱蓄熱材24の過冷却状態が解除される。その結果、潜熱蓄熱材24に蓄熱されていた太陽熱が、潜熱蓄熱材24から蓄熱部22を挟持している蓄熱器用プレートフィン21へ放出される。ラミネート材23は、フィルム状の薄い部材からなる袋状容器であり、ポリ塩化ビニル等の樹脂製である。潜熱蓄熱材24がフィルム状のラミネート材23でパッキングされているので、蓄熱部22は蓄熱器用プレートフィン21に対して優れた接触性を有している。また、蓄熱器用プレートフィン21が潜熱蓄熱材24と直接接触して、蓄熱器用プレートフィン21が腐食するのを防止できる。さらに、ラミネート材23により、蓄熱時に液化した潜熱蓄熱材24が蓄熱器20へ流出するのを防止できるので、ヒートパイプ40の蓄熱器用プレートフィン21取り付け部に特別なシーリングを施さなくてもよく、潜熱蓄熱材24の取り扱いを容易にすることができる。
蓄熱器20の位置に相当するヒートパイプ40の部位は熱中継部42である。すなわち、太陽熱集熱器10から放出された太陽熱を蓄熱器20へ伝達し、蓄熱器20から放出された太陽熱を熱交換器30へ伝達する。なお、図1に示すように、蓄熱器20は、蓄熱部22を断熱する観点や外力による損傷を防止する観点から、樹脂製等のカバーで覆われた態様が好ましい。
熱交換器30は、太陽熱集熱器10または蓄熱器20からヒートパイプ40を用いて輸送されてきた太陽熱を水道水へ効率よく熱移動させるものである。図2、図4(a)に示すように、熱交換器30は、ヒートパイプ40に取り付けられた複数の熱交換器用プレートフィン31を備えている。このように、熱交換器30に複数のプレートフィンを用いることにより、ヒートパイプ40が輸送した熱を水道水に効率よく伝達することができる。
図4(b)に示すように、それぞれの熱交換器用プレートフィン31には、ヒートパイプ40を嵌め差し込むための孔部(図示せず)、すなわちヒートパイプ40の外形に対応した形状を有する孔部が、所定位置(ヒートパイプ40の配置に対応した位置であって、熱交換器用プレートフィン31の高さ方向の略中央部)に所定数量(太陽熱利用温水器1では12個)設けられている。各孔部に1本のヒートパイプ40が挿入されることで、各孔部の内壁面と各ヒートパイプ40表面が直接接触して熱交換器用プレートフィン31が12本のヒートパイプ40に取り付けられる。これにより、熱交換器用プレートフィン31と12本のヒートパイプ40は熱的にも接続される。従って、蓄熱器20からヒートパイプ40で輸送されてきた太陽熱は、熱交換器用プレートフィン31に円滑に伝達される。
熱交換器用プレートフィン31のフィンピッチは、蓄熱部22の放熱時の温度、温水システム出口で求められる湯温度、上水の温度及び熱交換器30を流れる水道水の流量から決定される。後述する実施例では、潜熱蓄熱材24の温度が60℃付近のときに、水温5℃、毎分20リットルの水を約55℃に昇温できるように、5mmの高さの熱交換器用プレートフィン31にてフィンピッチ2mmとした。なお、熱交換器用プレートフィン31の高さやフィンピッチについては、所要の熱交換能力が得られる限り、後述する実施例の値に限定されない。さらに、必要に応じて、孔部にバーリングを設けて、熱交換器用プレートフィン31のヒートパイプ40に対する固定性、熱的接続性を向上させてもよい。さらに、熱交換器の水密構造を向上させるために、適宜、前記バーリング部分にシーリング用接着剤を塗布してもよい。また、ガスケット等のシール材を、一番外側、すなわち最も蓄熱器20側の熱交換器用プレートフィン31と押さえ板とで挟み、ボルトとナット等の固定部材で熱交換器用プレートフィン31に押しつけてシール材を適度に潰してもよい。また、ヒートパイプ40と押さえ板にねじ溝を切っておき、シール材を介して押さえ板を一番外側の熱交換器用プレートフィン31に対して締め付けてもよい。熱交換器用プレートフィン31は熱伝導性に優れた材料であれば特に限定されず、例えば銅、アルミニウムなどの熱伝導性の良い金属材料を挙げることができる。
熱交換器30の位置に相当するヒートパイプ40の部位は冷却部43である。すなわち、蓄熱器20から放出され熱中継部42を通って冷却部43に伝達された太陽熱は、ヒートパイプ40内の沸騰した蒸気が熱交換器用プレートフィン31によって冷却部43にて冷却されて凝縮することにより、冷却部43から熱交換器30へ伝達される。
熱交換器30は、給水源である水道に直接接続可能である。図5に示すように、水道水が熱交換器30の一方の端部から供給されると、水道圧によって熱交換器30内部を熱交換器用プレートフィン31表面に対して平行方向に水道水が流れる。そして、熱交換器用プレートフィン31・水道水間の熱交換により水道水が加温されて温水となり、熱交換器30の他方の端部から出湯される。すなわち、蓄熱器20に蓄えられた太陽熱は、熱交換器30へ輸送されて、熱交換器用プレートフィン31から熱交換器30内に供給された水道水へ伝達され、熱交換器30内を通水させている間に水道水が加温されて温水となる。従って、温水貯蔵タンクを省略できる。水道水及び温水の流路を規制しまた外部への漏水を防止するために、熱交換器30は、通水方向と平行な壁面を有する樹脂製のカバー50を備え付けた態様としている。カバー50を熱交換器30へ設ける手段は特に限定されず、例えば、熱交換器用プレートフィン31の厚さ方向を形成する側面にカバー50の内壁面を接触させて、その間を接着剤で固定、シーリングする方法などが挙げられる。
太陽熱利用温水器1で用いるヒートパイプ40は、加熱部41、熱中継部42、冷却部43からなり、図3(b)、図4(b)に示すように、長手方向と直交方向の断面形状が円形となっている。凝縮した作動液を還流させて熱輸送を円滑にするために、ヒートパイプ40内部にウィック等の毛細管力を発生させる機構を設けてもよい。また、夜間や雨天時など太陽熱を受熱できずに太陽熱集熱器10が冷えた状態となっても蓄熱器20から太陽熱集熱器10への熱の逆流を防止するために、加熱部41内部については、毛細管力を発生させる機構を設けなくてもよい。加熱部41内部について毛細管力を発生させる機構を設けなければ、加熱部41から熱中継部42への作動液の還流が抑制されるので、蓄熱器20から太陽熱集熱器10への熱の逆流を抑えることができる。
また、熱中継部42から加熱部41への凝縮した作動液の還流及び冷却部43から熱中継部41への凝縮した作動液の還流を促進しつつ、加熱部41から熱中継部42への凝縮した作動液の還流及び熱中継部42から冷却部43への凝縮した作動液の還流を防止するために、加熱部41よりも冷却部43が高い位置になるように太陽熱利用温水器1を設置してもよい。
次に、本発明の第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1の熱輸送の原理について、図2を用いながら説明する。太陽熱集熱器10が太陽の日射を受光すると、太陽熱が集熱されて太陽熱集熱器10が発熱体となり、太陽熱が太陽熱集熱器10から太陽熱集熱器10の位置に相当するヒートパイプ40の加熱部41へ熱伝達される。ヒートパイプ40の加熱部41へ伝達された太陽熱によりヒートパイプ40の作動液が蒸発して蒸気となり、ヒートパイプ40内部の蒸気の圧力差により蓄熱器20の位置に相当するヒートパイプ40の熱中継部42へ流れる。そして、蒸気となった作動液がヒートパイプ40の熱中継部42にて冷却され凝縮して潜熱を放出することにより、太陽熱が熱中継部42へ熱輸送される。熱中継部42に熱輸送された太陽熱は蓄熱器20に受熱される。凝縮した作動液は、熱中継部42から加熱部41へ戻される。この作動液の蒸発と凝縮を繰り返すことで、太陽熱集熱器10で集熱された太陽熱は、加熱部41と熱中継部42を通って蓄熱器20へと輸送され、蓄熱される。
蓄熱器20に所定のトリガー(潜熱蓄熱材24が液相から固相へ変化するきっかけ)を与えることで、蓄熱器20に蓄熱されていた太陽熱は、蓄熱器20から放出されてヒートパイプ40の熱中継部42へ伝達される。ヒートパイプ40の熱中継部42へ伝達された熱によりヒートパイプ40の作動液が蒸発する。蒸気となった作動液は、熱中継部42から熱交換器30の位置に相当するヒートパイプ40の冷却部43へ流れる。そして、蒸気となった作動液がヒートパイプ40の冷却部43にて潜熱を放出して凝縮することにより、輸送された太陽熱が冷却部43で放出される。冷却部43で放出された太陽熱は熱交換器30に受熱される。凝縮した作動液は、冷却部43から熱中継部42へ戻される。この作動液の蒸発と凝縮を繰り返すことで、蓄熱器20で蓄熱されていた太陽熱は、熱中継部42と冷却部43を通って熱交換器30へと輸送される。熱交換器30へ輸送された太陽熱は、熱交換器30からカバー50内を通水する水道水へ熱伝達され、水道水が加温される。
次に、本発明の第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1の使用方法例について説明する。太陽熱利用温水器1は、太陽の日射を受光し易い場所(例えば、屋根)に、水平にまたは太陽熱集熱器10よりも熱交換器30が高い位置になるように傾斜をつけて設置する。熱交換器30の一方の端部に給水源である上水道を配管する。出湯口となる熱交換器30の他方の端部に給湯口に接続された給湯用配管を接続する。さらに、潜熱蓄熱材24に外部からトリガー(本使用方法例では電圧)を与えるために、潜熱蓄熱材24へ通電線を配線し、この通電線に潜熱蓄熱材24へ電圧を印加するための操作スイッチを接続する。太陽熱利用温水器1の使用時に、この操作スイッチを作動させて潜熱蓄熱材24に衝撃を与えることで、蓄熱されていた太陽熱が潜熱蓄熱材24から放出される。なお、過度に昇温した湯を適温に調整するために、給湯用配管に、給水源である水道から分岐させた混合用配管を接続してもよい。給湯用配管を流れる湯に、混合用配管を通じて上水を混合することで、湯を適温に調整する。
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器1´について説明する。上記第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1は、12個の太陽熱集熱器10から放出された太陽熱を受熱して蓄熱する1つの蓄熱器20と、蓄熱器20から放出された太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器30が、相互に分離できない一体型の構造となっていたが、図6に示すように、蓄熱器20に代えて、複数に分割(本実施形態例では4つに分割)された蓄熱器、すなわち4つの分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4からなる蓄熱器20´と、熱交換器30に代えて、分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4から取り外し可能な熱交換器30´を有する太陽熱利用温水器1´としてもよい。分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4は、第1実施形態例で用いたそれぞれの蓄熱器用プレートフィン21を、フィンの長手方向と直交方向に4分割した蓄熱器用プレートフィン21´を用いることで形成される。この実施形態例では、分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3は、それぞれ、2本のヒートパイプ40によって2個の太陽熱集熱器10と一体的に接続されている。また、分離式蓄熱器20´‐4は分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2または20´‐3を3個分接続した態様となっている。また、12本のヒートパイプ40の冷却部43は、それぞれ分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4の熱交換器30´に対向した側面から突出している。
熱交換器30´の分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4に対向した側面には12個の開口部37が設けられている。12本のヒートパイプ40の冷却部43は、それぞれ熱交換器30´の開口部37に挿入されることで、熱交換器30´は、太陽熱集熱器10と一体化された4つの分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4に組み付けられ、また分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4と熱的に接続される。第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器1´は、蓄熱器が分割され、熱交換器も本体から取り外せるので、屋根等への設置作業の負荷を低減できる。また、簡単に組み立てが可能なので、設置作業が容易である。
次に、図7を用いて、上記した熱交換器30´について詳細に説明する。上記第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1では、熱交換器30は、複数の熱交換器用プレートフィン31を備えており、熱交換器用プレートフィン31がヒートパイプ40に直接取り付けられていたが、これに代えて、第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器1´では、図7に示すように、複数の熱交換器用プレートフィン31´と、複数の熱交換器用プレートフィン31´がそれぞれ取り付けられた管状体36とを備えた熱交換器30´を用いている。それぞれの熱交換器用プレートフィン31´には、管状体36を嵌め差し込むための孔部(図示せず)、すなわち管状体36の外形に対応した形状を有する孔部が、所定位置(ヒートパイプ40の配置に対応した位置であって、熱交換器用プレートフィン31´の高さ方向の略中央部)に所定数量(太陽熱利用温水器1´では12個)設けられている。1つの孔部に1本の管状体36が挿入されることで、孔部の内壁面と管状体36の外側表面が直接接触してそれぞれの熱交換器用プレートフィン31´が管状体36に取り付けられる。これにより、それぞれの熱交換器用プレートフィン31´は管状体36と熱的にも接続される。また、管状体36は蓄熱器20に対向した側面に開口部37を有し、管状体36の中空部内壁面はヒートパイプ40の外形に対応した形状を有している。よって、太陽熱集熱器10と蓄熱器20´を備えたヒートパイプ40が管状体36内部に挿入されることで、ヒートパイプ40の冷却部43に熱交換器30´が取り付けられる。
上記のように、ヒートパイプ40が管状体36に挿入されると、管状体36内部にヒートパイプ40が嵌合、すなわち管状体36の中空部内壁面がヒートパイプ40の表面に直接接触するので、管状体36はヒートパイプ40と熱的に接続される。従って、熱交換器用プレートフィン31´は管状体36を介してヒートパイプ40と熱的に接続されることとなる。また、熱交換器30と同様に、通水の流路規制と漏水防止のために、熱交換器30´に樹脂性のカバー50が取り付けられている。
次に、図8を用いて、蓄熱器が複数設けられた太陽熱利用温水器の実施形態例について説明する。上記第1実施形態例に係る太陽熱利用温水器1では、1つの蓄熱器20、上記第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器1´では、4つの分離式蓄熱器20´‐1、20´‐2、20´‐3、20´‐4から構成された1つの蓄熱器20´が取り付けられていたが、これに代えて、図8に示すように、太陽熱集熱器10と熱交換器30の間に、複数(図8では3つ)の蓄熱器20A、20B、20Cを取り付けた太陽熱利用温水器2としてもよい。太陽熱利用温水器2では、太陽熱利用温水器1で用いた蓄熱器20を3つ取り付けている。この実施形態例では、蓄熱器20A、20B、20Cは、ヒートパイプ40の長手方向に沿って並列に取り付けられている。この態様では、それぞれ別のタイミングにて、蓄熱器20A、20B、20Cの過冷却状態を解除することで、放熱のタイミングを複数回(図8では3回)設定できる。従って、一度、蓄熱することで、所定間隔にて断続的に太陽熱利用温水器2を使用できる。
また、蓄熱器20Aの潜熱蓄熱材24A、蓄熱器20Bの潜熱蓄熱材24B、蓄熱器20Cの潜熱蓄熱材24Cは、それぞれ、同一種類のものを使用してもよく、必要に応じて、蓄熱器20A、20B、20Cごとに、融点の異なる潜熱蓄熱材24A、24B、24Cを配置、例えば、蓄熱器20Aには融点65℃の潜熱蓄熱材24A、蓄熱器20Bには融点60℃の潜熱蓄熱材24B、蓄熱器20Cには融点55℃の潜熱蓄熱材24Cを、それぞれ、配置してもよい。蓄熱器20A、20B、20Cごとに融点の異なる潜熱蓄熱材24A、24B、24Cを配置することにより、日射量が少ない日でも、確実に蓄熱できる。
つまり、過冷却を起こすタイプの潜熱蓄熱材を用いる場合、日射量が少ないために部分的に固相が残ったままで蓄熱過程が終了して冷却されると、潜熱蓄熱材は残った固相を核にして固相が成長して常温に下がるまでの間に潜熱を放出してしまう。従って、蓄熱器20A、20B、20Cごとに融点の異なる潜熱蓄熱材20A、20B、20Cを配置することで、日射量が少なくても、融点の低い潜熱蓄熱材に固相を残さず蓄熱できるので、曇天時でも効率よく太陽熱を利用できる。
次に、図9を用いて、蓄熱器と熱交換器が複数設けられた太陽熱利用温水器の実施形態例について説明する。上記第1、第2実施形態例に係る太陽熱利用温水器1、1´では、熱交換器30、30´が1つ取り付けられていたが、これに代えて、図9に示すように、複数(図9では3つ)の熱交換器30A´、30B´、30C´を取り付けた太陽熱利用温水器2´としてもよい。太陽熱利用温水器2´でも、太陽熱利用温水器1で用いた蓄熱器20を3つ取り付けている。この実施形態例では、熱交換器30A´、30B´、30C´はヒートパイプ40の長手方向に沿って並列に取り付けられている。また、蓄熱器20A´、20B´、20C´も、ヒートパイプ40の長手方向に沿って並列に複数(図9では3つ)取り付けられており、この蓄熱器20A´、20B´、20C´は、熱交換器30A´、30B´、30C´と交互に配置されている。すなわち、蓄熱器20A´と熱交換器30A´、蓄熱器20B´と熱交換器30B´、蓄熱器20C´と熱交換器30C´が、それぞれ、隣接して配置されている。
太陽熱利用温水器2´では、いずれの蓄熱器20A´、20B´、20C´も、いずれかの熱交換器30A´、30B´、30C´と隣接、すなわち各蓄熱器20A´、20B´、20C´と各熱交換器30A´、30B´、30C´間の距離が近いので、別々のタイミングにてそれぞれの蓄熱器20A´、20B´、20C´に設けた潜熱蓄熱材24A´、24B´、24C´の過冷却状態を解除した場合でも、優れた熱交換効率を得ることができる。従って、熱交換器30A´、30B´、30C´ごとに給水源を接続することで、いずれのタイミングでも効率的に太陽熱を利用して温水を製造できる。また、太陽熱利用温水器2´でも、太陽熱利用温水器2と同様に、潜熱蓄熱材24A´、24B´、24C´は同一種類のものを使用してもよく、必要に応じて、蓄熱器20A´、20B´、20C´ごとに融点の異なる潜熱蓄熱材24A´、24B´、24C´を配置、例えば、蓄熱器20A´には融点65℃の潜熱蓄熱材24A´、蓄熱器20B´には融点60℃の潜熱蓄熱材24B´、蓄熱器20C´には融点55℃の潜熱蓄熱材24C´を配置してもよい。
次に、本発明のその他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例では、ヒートパイプ40にて太陽熱を輸送したが、これに代えて、銅、アルミ等の金属といった熱伝導性に優れた材料にて、太陽熱を太陽熱集熱器から熱交換器へ輸送してもよい。また、前記材料の形状には、管状体、棒状体等の長尺形状を有する熱伝導部材が挙げられる。上記各実施形態例では太陽熱集熱器10は、ガラス製管状部材11と、ガラス製管状部材11に内壁側面に沿って収容された黒色の集熱板12とを備えていたが、これに代えて、図10に示すように、底板16と側板17と上蓋18とで形成された透光性を有するガラス製の箱状体15と、底板16表面に配置された黒色の集熱板12´とを備えた太陽熱集熱器10´を用いてもよい。太陽熱集熱器10´では、必要に応じて、底板16の裏面に断熱材を敷いてもよい。ヒートパイプ40は箱状体15内部に収容されて、太陽熱集熱器10´と熱的に接続される。太陽熱集熱器10´が太陽の日射を受光すると、主に上蓋18から入射した太陽光が集熱板12´へ到達し太陽熱集熱器10´が昇温する。
上記各実施形態例では、1つの太陽熱利用温水器1、1´に、太陽熱集熱器10が12本設けられていたが、必要とする熱量に応じて、適宜数量変更が可能である。
上記第1実施形態例では、熱交換器30は、複数の熱交換器用プレートフィン31を備え、それぞれの熱交換器用プレートフィン31がヒートパイプ40に直接取り付けられた態様であったが、これに代えて、上記第2実施形態例で用いた複数の熱交換器用プレートフィン31´と複数の熱交換器用プレートフィン31´がそれぞれ取り付けられた管状体36とを備えた熱交換器30´を第1実施形態例に使用して、第1実施形態例でも本体から熱交換器を取り外し可能な構造としてもよい。また、上記各実施形態例においては熱交換器にはプレートフィンが利用されていたが、キャタピラフィンなどを利用してもよい。
また、上記各実施形態例の熱交換器30、30´では、ヒートパイプ40と熱的に接続された熱交換器用プレートフィン31、31´に水道水を直接接触させることにより蓄熱されていた太陽熱と熱交換させていたが、これに代えて、図11に示すように、ヒートパイプ40と熱的に接続された第1熱交換部61と、第1熱交換部61とは別体であって水道水へ太陽熱を伝達する第2熱交換部62とを有する熱交換器60としてもよい。この態様では、第1熱交換部61と第2熱交換部62間に設けた配管63にて第1熱交換部61から第2熱交換部62へ不凍液を流すことで、第1熱交換部61に水道水を間接的に接触させて太陽熱と熱交換させる。第1熱交換部61で太陽熱を吸収した不凍液は、ポンプ等の液体輸送装置(図示せず)によって第1熱交換部61から第2熱交換部62へ流される。不凍液に吸収された太陽熱は、配管63と熱的に接続された第2熱交換部から通水路64中の水道水へ伝達されることにより、水道水が加温され温水となる。なお、図11に示すように、第1熱交換部61、第2熱交換部62ともに熱交換器用プレートフィン65を配置してもよく、どちらか一方にのみ熱交換器用プレートフィン65を配置してもよい。太陽熱を放熱した不凍液は、図示しない循環経路により再度第1熱交換部61へ戻される。熱交換器60は、受熱部である第1熱交換部61と放熱部である第2熱交換部62が離れているので、蓄熱器20と給湯部が離れていても、配管の断熱不具合による熱損失を抑えることができる。
また、上記各実施形態例では、1本のヒートパイプ40に太陽熱集熱器10、10´、蓄熱器20、20´、熱交換器30、30´が取り付けられていたが、これに代えて、蓄熱器20、20´に対応する位置でヒートパイプ40を2つに分割し、太陽熱集熱器10、10´と蓄熱器20、20´に熱的に接続された第1ヒートパイプ、蓄熱器20、20´と熱交換器30、30´に熱的に接続された第2ヒートパイプの構造としてもよい。すなわち、第1ヒートパイプは加熱部と熱中継部を有し、第2ヒートパイプは熱中継部と冷却部を有している。この態様では、蓄熱器20、20´の部分でヒートパイプが別体となっているので、ヒートパイプの熱輸送方向の制御を容易化でき、またヒートパイプによる熱輸送を効率化できる。
第1ヒートパイプと第2ヒートパイプのそれぞれの内部に、上記各実施形態例と同様に、ウィック等の毛細管力を発生させる機構を設けてもよく、このとき、第1ヒートパイプの加熱部内部については、毛細管力を発生させる機構を設けなくてもよい。また、太陽熱集熱器10、10´、蓄熱器20、20´及び熱交換器30、30´と熱的に接続されたヒートパイプ40、太陽熱集熱器10、10´及び蓄熱器20、20´と熱的に接続された第1ヒートパイプ、蓄熱器20、20´及び熱交換器30、30´と熱的に接続された第2ヒートパイプを、それぞれ混在させてもよい。
また、上記各実施形態例では、ヒートパイプ40の長手方向と直交方向の断面形状は円形であったが、これに代えて、矩形状、楕円形状等、適宜変更可能である。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
太陽熱利用温水器の製造
φ15.88mm、長さ2000mmのヒートパイプを12本用意し、この12本のヒートパイプを等間隔に並列配置しヒートパイプ列とした。このヒートパイプ列の一方の端部に、上記したガラス製管状部材を有する太陽熱集熱器を1本のヒートパイプあたり1個、すなわち計12個配置した。次に、ヒートパイプ列の太陽熱集熱器に隣接した位置に、厚さ1mm、高さ148mm、幅2000mmのアルミニウム製プレートフィン64枚をプレートフィンの高さ方向中央部にてフィン挿しした。プレートフィンは6mm間隔に配置した。63箇所のプレートフィン間に、それぞれ、酢酸ナトリウム水和物(潜熱蓄熱材)1150gを袋状のラミネート材に収納した蓄熱部(厚さ5mm)を2枚(ヒートパイプを境に上下1枚ずつ)挟持させて、12本のヒートパイプに熱的に接続された2000mm×379mm×148mmの蓄熱器を作製した。
さらに、蓄熱器を設けたヒートパイプ列の他方の端部に、厚さ1mm、高さ25.88mm、幅2000mmの銅製プレートフィン50枚をプレートフィンの高さ方向中央部にてフィン挿しした。プレートフィンは3mm間隔に配置して、2000mm×148mm×25.88mmの熱交換器を作製した。熱交換器の両端部のプレートフィンについては、水密構造とするためにプレートフィンにバーリングを設け、バーリング部分にシーリング接着材を塗布した。また、蓄熱器は、放熱防止のために樹脂製カバーで覆い、熱交換器には通水路として樹脂製カバーを設置した。
試験結果
あらかじめ、上記太陽熱利用温水器に、5時間、太陽の日射を受光させて太陽熱を蓄熱させた。その後、太陽熱利用温水器の熱交換器に水道を直接接続して5℃の上水を供給したところ、熱交換器から20リットル/minの供給量で温度55℃の湯を505リットル得ることができた。これを5℃の上水と混合させることにより、風呂給湯などに必要とされる42℃の湯を670リットル得られた。この湯量は24号のガス給湯器と同等の能力を持つものであった。
本発明は、太陽熱の利用効率が優れており、小型化され、設置も容易なので、特に、温水器の分野で利用価値が高い。
1、1´、2、2´ 太陽熱利用温水器
10、10´ 太陽熱集熱器
20、20´ 蓄熱器
21、21´ 蓄熱器用プレートフィン
22 蓄熱部
25 突起
30、30´ 熱交換器
31、31´ 熱交換器用プレートフィン
36 管状体
40 ヒートパイプ
60 熱交換器
61 第1熱交換部
62 第2熱交換部

Claims (16)

  1. 太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、
    前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、
    前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、
    前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されているヒートパイプとを備え
    前記ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器に対応する位置に毛細管力の生じない構造を備え、前記蓄熱器と前記熱交換器に対応する位置に毛細管力の生じる構造を備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器。
  2. 前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器が、同一の前記ヒートパイプに熱的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱利用温水器。
  3. 太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、
    前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、
    前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、
    前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されているヒートパイプとを備え、
    前記ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器及び前記蓄熱器と熱的に接続されている第1ヒートパイプと、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されている第2ヒートパイプからなり、
    前記第1ヒートパイプが、前記太陽熱集熱器に対応する位置に毛細管力の生じない構造を、前記蓄熱器に対応する位置に毛細管力の生じる構造を備え、前記第2ヒートパイプが、毛細管力の生じる構造を備えたことを特徴とする太陽熱利用温水器。
  4. 太陽熱を集熱する太陽熱集熱器と、
    前記太陽熱集熱器にて集熱した前記太陽熱を受熱して蓄熱する蓄熱器と、
    前記蓄熱器にて蓄熱した前記太陽熱を受熱して水と熱交換する熱交換器と、
    前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器と熱的に接続されている熱伝導部材とを備えた太陽熱利用温水器であって、
    前記蓄熱器が、前記熱伝導部材と熱的に接続された複数の蓄熱器用プレートフィンと、前記蓄熱器用プレートフィンに狭持された蓄熱部とを備え、
    前記蓄熱部は、ラミネート材と前記ラミネート材にパッキングされた潜熱蓄熱材からなり、前記蓄熱器用プレートフィンの表面には、前記蓄熱部を保持するとともに前記蓄熱部と熱交換を行なうための突起が設けられていることを特徴とする太陽熱利用温水器。
  5. 前記蓄熱器が、複数備えられたことを特徴とする請求項1、3または4に記載の太陽熱利用温水器。
  6. 前記複数の蓄熱器が、該蓄熱器ごとに、それぞれ、融点の異なった潜熱蓄熱材を備えることを特徴とする請求項に記載の太陽熱利用温水器。
  7. 前記融点の異なった潜熱蓄熱材の一部または全部が、常温で過冷却状態であることを特徴とする請求項に記載の太陽熱利用温水器。
  8. 前記熱交換器が、前記ヒートパイプと熱的に接続された熱交換器用プレートフィンを備えたことを特徴とする請求項1または3に記載の太陽熱利用温水器。
  9. 前記熱交換器が、前記熱伝導部材と熱的に接続された熱交換器用プレートフィンを備えたことを特徴とする請求項4に記載の太陽熱利用温水器。
  10. 前記熱交換器用プレートフィンが、管状体と熱的に接続されており、前記管状体には前記ヒートパイプの端部がはめ込み可能となっていることを特徴とする請求項に記載の太陽熱利用温水器。
  11. 前記熱交換器用プレートフィンが、管状体と熱的に接続されており、前記管状体には前記熱伝導部材の端部がはめ込み可能となっていることを特徴とする請求項9に記載の太陽熱利用温水器。
  12. 前記熱交換器が、複数備えられたことを特徴とする請求項1、3または4に記載の太陽熱利用温水器。
  13. 前記複数の熱交換器が、複数の蓄熱器と交互に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の太陽熱利用温水器。
  14. 前記熱交換器が、第1熱交換部と、前記第1熱交換部とは別体であって、不凍液を介して前記第1熱交換部と熱的に接続されている第2熱交換部とを有することを特徴とする請求項1、3または4に記載の太陽熱利用温水器。
  15. 前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器を熱的に接続した前記ヒートパイプが、並列に複数配置されていることを特徴とする請求項1または3に記載の太陽熱利用温水器。
  16. 前記太陽熱集熱器、前記蓄熱器及び前記熱交換器を熱的に接続した前記熱伝導部材が、並列に複数配置されていることを特徴とする請求項4に記載の太陽熱利用温水器。
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