JPWO2010067881A1 - 化粧料組成物 - Google Patents
化粧料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2010067881A1 JPWO2010067881A1 JP2010542144A JP2010542144A JPWO2010067881A1 JP WO2010067881 A1 JPWO2010067881 A1 JP WO2010067881A1 JP 2010542144 A JP2010542144 A JP 2010542144A JP 2010542144 A JP2010542144 A JP 2010542144A JP WO2010067881 A1 JPWO2010067881 A1 JP WO2010067881A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- particles
- cosmetic composition
- aluminum salt
- ion
- salt hydroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/19—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing inorganic ingredients
- A61K8/27—Zinc; Compounds thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/0241—Containing particulates characterized by their shape and/or structure
- A61K8/0245—Specific shapes or structures not provided for by any of the groups of A61K8/0241
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/02—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
- A61K8/0241—Containing particulates characterized by their shape and/or structure
- A61K8/0279—Porous; Hollow
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/19—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing inorganic ingredients
- A61K8/26—Aluminium; Compounds thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/30—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
- A61K8/33—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing oxygen
- A61K8/36—Carboxylic acids; Salts or anhydrides thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q1/00—Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
- A61Q1/02—Preparations containing skin colorants, e.g. pigments
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q1/00—Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
- A61Q1/12—Face or body powders for grooming, adorning or absorbing
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q17/00—Barrier preparations; Preparations brought into direct contact with the skin for affording protection against external influences, e.g. sunlight, X-rays or other harmful rays, corrosive materials, bacteria or insect stings
- A61Q17/04—Topical preparations for affording protection against sunlight or other radiation; Topical sun tanning preparations
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q19/00—Preparations for care of the skin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K2800/00—Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
- A61K2800/40—Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of particular ingredients
- A61K2800/52—Stabilizers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K2800/00—Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
- A61K2800/80—Process related aspects concerning the preparation of the cosmetic composition or the storage or application thereof
- A61K2800/81—Preparation or application process involves irradiation
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Birds (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Geometry (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Abstract
本発明の目的は、紫外線および赤外線防御機能に優れ、使用性が大幅に向上しており、かつ色調等の製品安定性の高い化粧料を提供することである。本発明は、下記式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を含有することを特徴とする化粧料組成物。Ma[Al1−x(Zn1−yFe(III)y)x]bAcBd(OH)n・mH2O(1)(式中、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種、BはSO42−、NO31−およびSiO32−からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。式中a、b、c、d、m、n、xおよびyは、0.7≦a≦1.35、2.7≦b≦3.3、0≦c≦0.5、1.7≦d≦2.4、0≦m≦5、4≦n≦7、0<x≦0.66、0<y≦1.0である。)
Description
本発明は、使用感が良好で隠蔽性に優れ、日焼け止め効果およびほてり感低減効果にも優れ、さらには色調調整が容易な化粧料組成物に関する。具体的には、ファンデーションやアイシャドーなどのメーキャップ化粧品、あるいは化粧水、乳液、クリームなどのスキンケア化粧品に配合することにより、色調を調整するとともにヘーズを上昇させ、延びを改善し、紫外線吸収効果および赤外線反射効果を付与することのできる化粧料組成物に関する。
メーキャップ化粧品は、主にシミやシワなどを隠し、肌色や肌の質感あるいは顔の一部分を美しく変える美的役割を、スキンケア化粧品は外部の刺激から皮膚を保護する保護的役割を担っている。
そのために従来より、化粧料に顔料等の粉体を配合することにより、肌や頭髪の彩色やシミ、ソバカス等を隠蔽したり、紫外線から肌を保護する等の機能を付与している。着色顔料として例えば、ベンガラ、黄酸化鉄あるいは酸化クロム等、白色顔料として酸化チタンや酸化亜鉛等が配合されている。さらに着色顔料を希釈する目的で、透明性が高く肌への付着性が高いタルクやマイカ等の体質顔料が配合されている。
また、近年では、日焼け止めやほてり感の低減の目的で紫外線防御剤または赤外線反射剤を配合することが多くなっている。紫外線防御剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化クロム、およびタングステン酸が挙げられる。また、赤外線反射剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、銀被覆タルク、銀被覆シリカ等が用いられている。
さらに、使用時すなわち塗布時の延展性を向上させる目的でタルクや球状シリコーンパウダーを配合することが多い。
しかし、油性成分に紫外線防御剤または赤外線反射剤を分散させた化粧料は一般に、べたつきがあり、伸びが悪く使用感の点で満足できるものではなく、固液分離やケーキングといった製品安定性に関する問題もあった。
また、上に例示した紫外線防御剤あるいは赤外線反射剤は、分散性が悪く、凝集し易いため、肝心の紫外線防御能または赤外線反射能が化粧料中で十分に発揮できなかった。
さらに、化粧料には色調調整のために顔料等の色材を配合しなければならないが、色材のロットばらつきに対応して、ロットごとに配合量を変えなければならなかった。
特許文献1にはアルミニウム塩水酸化物粒子が記載されているが、化粧料組成物の調製方法、赤外線反射効果を付与する方法、伸びの改善方法については全く記載されていない。
特許文献2の第109〜110ページには、銀固溶アルミニウム塩水酸化物粒子を含有することを特徴とする化粧料組成物が開示されているが、紫外線および赤外線防御効果を付与する方法、伸びの改善方法については全く記載されていない。
国際公開第05/085168号パンフレット
国際公開第07/004713号パンフレット
そのために従来より、化粧料に顔料等の粉体を配合することにより、肌や頭髪の彩色やシミ、ソバカス等を隠蔽したり、紫外線から肌を保護する等の機能を付与している。着色顔料として例えば、ベンガラ、黄酸化鉄あるいは酸化クロム等、白色顔料として酸化チタンや酸化亜鉛等が配合されている。さらに着色顔料を希釈する目的で、透明性が高く肌への付着性が高いタルクやマイカ等の体質顔料が配合されている。
また、近年では、日焼け止めやほてり感の低減の目的で紫外線防御剤または赤外線反射剤を配合することが多くなっている。紫外線防御剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化クロム、およびタングステン酸が挙げられる。また、赤外線反射剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、銀被覆タルク、銀被覆シリカ等が用いられている。
さらに、使用時すなわち塗布時の延展性を向上させる目的でタルクや球状シリコーンパウダーを配合することが多い。
しかし、油性成分に紫外線防御剤または赤外線反射剤を分散させた化粧料は一般に、べたつきがあり、伸びが悪く使用感の点で満足できるものではなく、固液分離やケーキングといった製品安定性に関する問題もあった。
また、上に例示した紫外線防御剤あるいは赤外線反射剤は、分散性が悪く、凝集し易いため、肝心の紫外線防御能または赤外線反射能が化粧料中で十分に発揮できなかった。
さらに、化粧料には色調調整のために顔料等の色材を配合しなければならないが、色材のロットばらつきに対応して、ロットごとに配合量を変えなければならなかった。
特許文献1にはアルミニウム塩水酸化物粒子が記載されているが、化粧料組成物の調製方法、赤外線反射効果を付与する方法、伸びの改善方法については全く記載されていない。
特許文献2の第109〜110ページには、銀固溶アルミニウム塩水酸化物粒子を含有することを特徴とする化粧料組成物が開示されているが、紫外線および赤外線防御効果を付与する方法、伸びの改善方法については全く記載されていない。
本発明の目的は、紫外線および赤外線防御機能に優れ、使用感に優れ、かつ色調等の製品安定性の高い化粧料を提供することにある。
本発明者らは、下記式(1)に示す多面体状または碁石状のアルミニウム塩水酸化物粒子(以下、粒子と略することがある)を化粧料に配合することにより、使用感および製品安定性に優れ、紫外線および赤外線防御機能にも優れた化粧料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を包含する。
1. 下記式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を含有することを特徴とする化粧料組成物。
Ma[Al1−x(Zn1−yFe(III)y)x]bAcBd(OH)n・mH2O(1)
(式中、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種、Bは硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。式中a、b、c、d、m、n、xおよびyは、0.7≦a≦1.35、2.7≦b≦3.3、0≦c≦0.5、1.7≦d≦2.4、0≦m≦5、4≦n≦7、0<x≦0.66、0<y≦1.0である。)
2. 上記式(1)において、有機酸アニオンが蓚酸イオン、クエン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、グリセリン酸イオン、没食子酸イオンおよび乳酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前項1に記載の化粧料組成物。
3. 該粒子が、多孔質または中空状である前項1または2に記載の化粧料組成物。
4. 該粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子である前項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
5. 該粒子の含有量が0.1〜30重量%である前項1〜4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
6. 該粒子は、400〜700℃で焼成した粒子である前項1〜5のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
7. 該粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子を400〜700℃で焼成した粒子である前項1〜6のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
本発明者らは、下記式(1)に示す多面体状または碁石状のアルミニウム塩水酸化物粒子(以下、粒子と略することがある)を化粧料に配合することにより、使用感および製品安定性に優れ、紫外線および赤外線防御機能にも優れた化粧料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を包含する。
1. 下記式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を含有することを特徴とする化粧料組成物。
Ma[Al1−x(Zn1−yFe(III)y)x]bAcBd(OH)n・mH2O(1)
(式中、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種、Bは硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。式中a、b、c、d、m、n、xおよびyは、0.7≦a≦1.35、2.7≦b≦3.3、0≦c≦0.5、1.7≦d≦2.4、0≦m≦5、4≦n≦7、0<x≦0.66、0<y≦1.0である。)
2. 上記式(1)において、有機酸アニオンが蓚酸イオン、クエン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、グリセリン酸イオン、没食子酸イオンおよび乳酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である前項1に記載の化粧料組成物。
3. 該粒子が、多孔質または中空状である前項1または2に記載の化粧料組成物。
4. 該粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子である前項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
5. 該粒子の含有量が0.1〜30重量%である前項1〜4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
6. 該粒子は、400〜700℃で焼成した粒子である前項1〜5のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
7. 該粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子を400〜700℃で焼成した粒子である前項1〜6のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
図1は合成例の調製粒子No.1にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図2は合成例の調製粒子No.6にかかる碁石状(円盤状)のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図3は合成例の調製粒子No.4にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図4は合成例の調製粒子No.5にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図5は実施例2にかかるパウダーファウンデーション化粧料組成物の、紫外〜可視〜近赤外線における光反射スペクトルである。
図6は合成例の調製粒子No.1にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子の粒度分布図である。
図7は合成例の調製粒子No.1にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のX線回折図である。
図8は合成例の調製粒子No.6にかかる碁石状のアルミニウム塩水酸化物粒子のX線回折図である。
図2は合成例の調製粒子No.6にかかる碁石状(円盤状)のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図3は合成例の調製粒子No.4にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図4は合成例の調製粒子No.5にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のSEM写真である。
図5は実施例2にかかるパウダーファウンデーション化粧料組成物の、紫外〜可視〜近赤外線における光反射スペクトルである。
図6は合成例の調製粒子No.1にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子の粒度分布図である。
図7は合成例の調製粒子No.1にかかる多面体状のアルミニウム塩水酸化物粒子のX線回折図である。
図8は合成例の調製粒子No.6にかかる碁石状のアルミニウム塩水酸化物粒子のX線回折図である。
以下、本発明をさらに説明する。
本発明を構成するアルミニウム塩水酸化物粒子は、以下の式で表される。
Ma[Al1−x(Zn1−yFe(III)y)x]bAcBd(OH)n・mH2O(1)
(式中、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種、Bは硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。式中a、b、c、d、m、n、xおよびyは、0.7≦a≦1.35、2.7≦b≦3.3、0≦c≦0.5、1.7≦d≦2.4、0≦m≦5、4≦n≦7、0≦x≦0.66、0<y≦1.0とする)
式(1)において、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオンであり、好ましくはNa+である。
式(1)において、Al、Fe(III)およびZnの各イオンの比率を表すxおよびyは、0≦x≦0.66、0<y≦1.0である。好ましくは0≦x≦0.6、0<y≦1.0である。xが0.66を超えると、ベンガラ(Fe2O3)が生成するので好ましくない。式(1)の粒子は、前記xおよびyが増大するにつれて、すなわちFeの含有量が増えるにしたがって、白色から肌色、肌色から紅色を呈する。
式(1)において、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種である。好ましい態様においては、Aは、蓚酸イオン、クエン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、グリセリン酸イオン、没食子酸イオンおよび乳酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。さらに好ましくは蓚酸イオンまたはクエン酸イオンであり、最も好ましくは蓚酸イオンである。
式(1)において、Bは、硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。
本発明者らの知見によれば、粒子の形状は上記式(1)における有機酸アニオンの立体構造に依存している。特に、本発明において、粒子がFe(III)を含有しており、かつAが炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンの場合には、粒子の形状は多面体状になりやすい。
円盤状粒子の合成方法は、特許文献1、第34ページ、実施例1−Bに記載されている。本発明の課題を解決するためにより好ましい形態においては、該円盤状粒子表面にさらに、鉄(Fe(III))、または鉄とチタン両方を担持している。
本発明の化粧料組成物においては、多面体状または碁石状(円盤状)の粒子を用いることが好ましい。図1に多面体状の粒子のSEM写真を示す。図1の粒子は、多面体状粒子であるが、おおむね八面体状であると把握できる。図2に碁石状の粒子のSEM写真を示す。
本発明における粒子の形状は、SEM写真によって観察される10,000〜20,000倍に拡大された像にもとづいて区分される。粒子の形状を特定する尺度の一つに、粉体工業分野において従来から用いられてきたWadellの円形度および球形度がある。
Wadellの球形度sは、
s=(粒子と等体積の球の表面積)/(粒子の表面積)
で定義され、sが1に近い程真球に近い。
本発明において粒子の形状が多面体状であるとは、図1に示すような八面体に類似する形状であり、前記Wadellの球形度sが0.5≦s≦0.8であることが好ましい。
本発明において粒子の形状が円盤状(碁石状)であるとは、図2に示すように短径を回転軸とした回転楕円形状の形状である。具体的には、回転軸の方向から見た粒子の投影像に関して、Wadellの円形度cが、0.95≦c≦1であって、断面である楕円の(短径/長径)の比率aが0.05≦a≦0.5であることが好ましい。
粒子は、平均2次粒子径がレーザー回折法によって測定された値で0.1〜12μmであり、好ましくは0.1〜10μmである。最も好適には0.2〜5μm殊に0.2〜2μmである。
以上図1および図2の写真から理解されるように本発明の多面体状粒子は各々の写真において、粒子形状が揃っており、その大きさが均一でありかつ分散性がよい点に特徴を有している。
本発明の化粧料組成物に用いる粒子は、その粒度分布シャープ度(DR)が、1≦DR≦1.8の範囲の値を示すものであることが、分散性の向上、さらには使用感および紫外線および赤外線防御機能を発揮する上で重要である。
粒度分布シャープ度(DR)とは、粒子径均一性評価の尺度のひとつであり、横軸に粒子径、縦軸に累積度数をとり、全粒子個数に対し、粒子径の大きいものから累積度数が25%になる粒子径をD25、75%になる粒子径をD75としたとき、比の値D75/D25をもって表す。
DRの範囲は、より好ましい使用態様においては1.01≦DR≦1.5、さらに好ましくは1.02≦DR≦1.4である。最も好ましくは1.03≦DR≦1.3である。
本発明に用いる粒子のBET法により測定された比表面積は0.1〜300m2/g、好ましくは0.5〜250m2/gの範囲である。本発明に用いる粒子は、多孔質または中空状であることが好ましい。
(アルミニウム塩水酸化物粒子の製造)
本発明に用いる粒子は、例えば上式(1)におけるBの無機酸イオンが硫酸イオンの場合、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄、酸化亜鉛、上記式(1)におけるMの硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム)、および有機酸または有機酸塩の混合溶液(例えばシュウ酸)、に、当該Mを含む水酸化アルカリ水溶液(例えば水酸化ナトリウム)を添加して加熱反応させることによって生成させることができる。必要ならば、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末が得られる。
前記反応において、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])を3.94に固定した場合、鉄とアルミニウムのモル比([Al]/[Fe])は0.1≦[Al]/[Fe]≦2であることが好ましい。より好ましくは0.1≦[Al]/[Fe]≦1.6である。[Al]/[Fe]が2を超えると微小酸化鉄粒子(ベンガラ)が析出するため好ましくない。
また、前記反応において、反応モル比[Al]/[Fe]を1.5に固定した場合、モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])は3.94≦[NaOH]/([Fe]+[Al])≦4.4であることが好ましい。より好ましくは0.1≦[NaOH]/([Fe]+[Al])≦1.6である。[Fe]/[Al]が2を超えると微小酸化鉄粒子(ベンガラ)が析出するため好ましくない。
上記混合溶液に、さらに硫酸チタンまたは塩化チタン、および酸化亜鉛を加えた混合溶液を、水酸化アルカリ混合液と加熱反応させると、上記粒子とはさらに組成の異なる有機酸アニオン含有粒子の固溶体を生成させることができる。このときにも、反応モル比[Al]/([Fe]+[Zn]+[Ti])については、反応モル比[Al]/[Fe]と同じ範囲であることが好ましい。また、[NaOH]/([Fe]+[Al]+[Zn]+[Ti])については[NaOH]/([Fe]+[Al])と同じ範囲であることが好ましい。
(複合粒子)
上記反応において、モル数[Fe]、[Zn]または[Ti]を大きくすると、アルミニウム塩水酸化物粒子表面に、それらイオンに関連する化合物の加水分解物、すなわち酸化物、水酸化物、塩基性塩または酸性塩等が担持された粒子(以下、複合粒子と称することがある)を得ることができる。本発明においては、酸化鉄、水酸化鉄(複合水酸化物)、酸化亜鉛および酸化チタン等が担持された粒子を得ることができる。これら複合粒子は、加水分解物を担持する前の粒子の粒子径および形状を維持している。
即ち、アルミニウム塩水酸化物粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子であることが好ましい。
表面に金属加水分解物を担持した粒子は、従来公知の方法によって得ることができる。すなわち、合成したアルミニウム塩水酸化物に、あとから種々の金属化合物を担持させる方法によっても得ることが可能である。例えば、硫酸チタン、硫酸亜鉛または塩化第二鉄の水溶液にアルミニウム塩水酸化物粒子と水酸化ナトリウム等の塩基を加えてチタン、亜鉛または鉄の加水分解物をアルミニウム塩水酸化物表面に析出させる方法によっても得ることも出来る。
アルミニウム塩水酸化物に対するチタンまたは亜鉛の担持量は、酸化チタンまたは酸化亜鉛換算で0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。また、アルミニウム塩水酸化物に対する鉄の担持量は、酸化鉄換算で0.1〜3重量%の範囲であることが好ましい。
チタン、亜鉛または鉄の加水分解物を表面に担持したアルミニウム塩水酸化物(複合粒子と称する)も粒度分布シャープ度DRが、1≦DR≦1.8の範囲の値を示すので、化粧料すなわち油脂中において分散性が良好である。したがって、これら複合粒子を化粧料に配合することにより、酸化チタン、酸化亜鉛または酸化鉄等を単独で配合する従来の方法よりも優れた紫外線および赤外線防御機能を発揮し、かつ使用感および製品安定性を向上させることができるので本発明の課題を解決する上で好ましい。
本発明におけるアルミニウム塩水酸化物粒子または複合粒子をさらに400〜700℃で焼成した粒子も、優れた紫外線および赤外線防御能を発揮し、かつ使用感および製品安定性を向上させることができるので本発明の課題を解決する上で有用である。即ち、本発明のアルミニウム塩水酸化物は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子を400〜700℃で焼成した粒子であることが好ましい。
(表面処理)
本発明における粒子はそのまま使用しても分散性に優れているが、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン類あるいはフッ素化合物等で表面処理して撥水性、撥油性あるいは分散性を向上させることができる。またラウリルリシン等のα−アミノ酸類、ヒアルロン酸やキトサン等の多糖類、コラーゲン等の蛋白質、レシチン等のグリセロリン脂質で表面処理して、吸湿性、保湿効果、生体親和性、流動性、延展性、撥油性および分散性を向上させたりすることができる。特にヒアルロン酸との併用は相乗効果が大きく、粒子またはヒアルロン酸の単独使用に比べ予想以上の伸び性向上効果をもたらす。
表面処理剤による粒子の表面処理は、粒子の表面処理法としてそれ自体公知の方法を利用することができるが、表面処理剤を、加熱反応(合成)、濾別、洗浄または乾燥のいずれの工程後に添加してもよい。さらには、化粧料に配合する際に表面処理剤を添加してもよい。表面処理方法は、湿式法、乾式法等従来公知の方法で行うことが可能である。表面処理剤の添加量は、アルミニウム塩水酸化物粒子100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
(化粧料組成物)
本発明のアルミニウム塩水酸化物粒子を有効成分とする化粧料組成物の特徴と製造方法を以下に述べる。
本発明の化粧料組成物は、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品またはフレグランス化粧料として有用である。
本発明の化粧料組成物において、式(1)のアルミニウム塩水酸化物の含有量はパウダー状、液状、クリーム状、ケーキ状またはスティック状等の形態、または化粧料の色調によってその含有量を適宜調整できる。
例えば、アルミニウム塩水酸化物中のFe含有率が20重量%(式(1)においてy=1、x=0.6)であれば、スキンケアクリームの場合は化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
一方、パウダーファウンデーションの場合には化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は、好ましくは0.1〜65重量%、より好ましくは0.1〜57重量%である。上記Feの含有率が高ければ上記含有量をそれに応じて少なくすることができる。
さらに、前記したように表面にFeが担持されたアルミニウム塩水酸化物においては、色相がより赤に近づくので上記の半分の含有率で十分である。すなわち、スキンケアクリームの場合は化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
一方、パウダーファウンデーションの場合には化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は、好ましくは0.1〜65重量%、より好ましくは0.1〜25重量%である。
本発明の化粧料組成物は、パウダー状、液状、クリーム状、ケーキ状またはスティック状等の形態をとることが可能である。
配合成分としては、上記必須成分に加えて必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を用いることができ、それら任意成分が本発明の効果を低減させることはない。任意成分としては、例えば、油脂成分、保湿剤、乳化剤、無機または有機顔料・染料、粉体成分、各種アミノ酸、防腐剤、増粘剤、pH調整剤、香料、制汗剤、抗菌剤および水等が挙げられる。これらは、本発明の目的および効果を損なわない範囲で適宜配合量を調節することができる。ただし、顔料・染料は、これら自体が紫外〜可視〜赤外線領域において光吸収特性を有することにより本発明の効果を低減させることがあるので配合量に注意する必要がある。
上記油脂成分としてはステアリン酸、ワセリン、サラシミツロウ等の固形または半固形油脂類、オリーブ油、スクワラン、シリコーン油(ジメチコン等)、流動パラフィン、高級脂肪酸エステル等の液体油脂類が挙げられる。通常、各成分は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
さらに、無機顔料としてベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄および酸化チタン等が挙げられる。粉体成分としてタルク、マイカ、カオリン、セルロース、ナイロン粉体、アクリル粉、シリコーン粉等が挙げられる。また保湿剤成分としてはグリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。また乳化剤としてはセタノール、各種界面活性剤、リン脂質、ステロールエステル等が挙げられる。防腐剤としてはメチルパラベン、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等が挙げられる。pH調整剤としてはトリエタノールアミン等が挙げられる。これらは、通常、各成分を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
調製(混合)方法および各成分の配合量は、油脂成分、粉体成分、保湿剤成分、乳化剤、防腐剤、pH調整剤等について通常行なわれる方法および量を適用すればよい。
一方、顔料・染料成分、特にベンガラや酸化鉄等赤色系顔料・染料の使用は、調色に必要な限りにおいて最小限に留めることが好ましい。より好ましい態様においては赤色系顔料・染料の配合量を5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下に抑える。
特に粒子表面に酸化亜鉛または酸化チタン等が担持された粒子を有効成分とする本発明の化粧料組成物は、UVA(320〜400nm)〜UVC(190〜290nm)までの広い範囲の紫外線を吸収し、なおかつベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体等の有機系紫外線吸収剤とは異なりアレルギー性皮膚炎の原因になりにくいという特徴を有している。
また、本発明の化粧料組成物は同時に鉄を含有しているため、優れた赤外線反射機能をも有しており、皮膚温の上昇によるほてり感や、それに伴う発汗による化粧崩れを防止することができる。
さらに、本発明の化粧料組成物は、延展性、製品安定性の面で優れている。すなわち、本発明の化粧料組成物を有効成分とするスキンケアクリームやファンデーションは、皮膚に塗布した際に伸びが良好で、きしみがなく滑らかな感触を与える。また、長期保存しても油脂成分、水および固形成分(粒子成分)が分離したりすることがない。
本発明に用いる粒子は、Feの含有量が増えるにしたがって白色から肌色、肌色から紅色を呈する。化粧料を肌色に調色する場合において、粒子の分散性が良好であるため、ベンガラ等に比べ調色の再現性が良い。
上記式(1)におけるxが0<xの場合に、アルミニウム塩水酸化物粒子をさらに400℃以上で焼成することにより得られる焼成物は、赤外線反射効果や乳化性に優れている。したがって、このような焼成物を配合した化粧料も本発明の課題解決に好適である。好ましい焼成温度は400〜850℃であり、より好ましくは400〜700℃である。
本発明は、式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を化粧料組成物の有効成分として用いる方法を包含する。また、本発明は、式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を化粧料組成物の有効成分として用い、化粧料組成物の、紫外線防御能、赤外線防御能、延展性、使用感、安定性を向上させる方法を包含する。
本発明を構成するアルミニウム塩水酸化物粒子は、以下の式で表される。
Ma[Al1−x(Zn1−yFe(III)y)x]bAcBd(OH)n・mH2O(1)
(式中、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種、Bは硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。式中a、b、c、d、m、n、xおよびyは、0.7≦a≦1.35、2.7≦b≦3.3、0≦c≦0.5、1.7≦d≦2.4、0≦m≦5、4≦n≦7、0≦x≦0.66、0<y≦1.0とする)
式(1)において、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオンであり、好ましくはNa+である。
式(1)において、Al、Fe(III)およびZnの各イオンの比率を表すxおよびyは、0≦x≦0.66、0<y≦1.0である。好ましくは0≦x≦0.6、0<y≦1.0である。xが0.66を超えると、ベンガラ(Fe2O3)が生成するので好ましくない。式(1)の粒子は、前記xおよびyが増大するにつれて、すなわちFeの含有量が増えるにしたがって、白色から肌色、肌色から紅色を呈する。
式(1)において、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種である。好ましい態様においては、Aは、蓚酸イオン、クエン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、グリセリン酸イオン、没食子酸イオンおよび乳酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。さらに好ましくは蓚酸イオンまたはクエン酸イオンであり、最も好ましくは蓚酸イオンである。
式(1)において、Bは、硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。
本発明者らの知見によれば、粒子の形状は上記式(1)における有機酸アニオンの立体構造に依存している。特に、本発明において、粒子がFe(III)を含有しており、かつAが炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンの場合には、粒子の形状は多面体状になりやすい。
円盤状粒子の合成方法は、特許文献1、第34ページ、実施例1−Bに記載されている。本発明の課題を解決するためにより好ましい形態においては、該円盤状粒子表面にさらに、鉄(Fe(III))、または鉄とチタン両方を担持している。
本発明の化粧料組成物においては、多面体状または碁石状(円盤状)の粒子を用いることが好ましい。図1に多面体状の粒子のSEM写真を示す。図1の粒子は、多面体状粒子であるが、おおむね八面体状であると把握できる。図2に碁石状の粒子のSEM写真を示す。
本発明における粒子の形状は、SEM写真によって観察される10,000〜20,000倍に拡大された像にもとづいて区分される。粒子の形状を特定する尺度の一つに、粉体工業分野において従来から用いられてきたWadellの円形度および球形度がある。
Wadellの球形度sは、
s=(粒子と等体積の球の表面積)/(粒子の表面積)
で定義され、sが1に近い程真球に近い。
本発明において粒子の形状が多面体状であるとは、図1に示すような八面体に類似する形状であり、前記Wadellの球形度sが0.5≦s≦0.8であることが好ましい。
本発明において粒子の形状が円盤状(碁石状)であるとは、図2に示すように短径を回転軸とした回転楕円形状の形状である。具体的には、回転軸の方向から見た粒子の投影像に関して、Wadellの円形度cが、0.95≦c≦1であって、断面である楕円の(短径/長径)の比率aが0.05≦a≦0.5であることが好ましい。
粒子は、平均2次粒子径がレーザー回折法によって測定された値で0.1〜12μmであり、好ましくは0.1〜10μmである。最も好適には0.2〜5μm殊に0.2〜2μmである。
以上図1および図2の写真から理解されるように本発明の多面体状粒子は各々の写真において、粒子形状が揃っており、その大きさが均一でありかつ分散性がよい点に特徴を有している。
本発明の化粧料組成物に用いる粒子は、その粒度分布シャープ度(DR)が、1≦DR≦1.8の範囲の値を示すものであることが、分散性の向上、さらには使用感および紫外線および赤外線防御機能を発揮する上で重要である。
粒度分布シャープ度(DR)とは、粒子径均一性評価の尺度のひとつであり、横軸に粒子径、縦軸に累積度数をとり、全粒子個数に対し、粒子径の大きいものから累積度数が25%になる粒子径をD25、75%になる粒子径をD75としたとき、比の値D75/D25をもって表す。
DRの範囲は、より好ましい使用態様においては1.01≦DR≦1.5、さらに好ましくは1.02≦DR≦1.4である。最も好ましくは1.03≦DR≦1.3である。
本発明に用いる粒子のBET法により測定された比表面積は0.1〜300m2/g、好ましくは0.5〜250m2/gの範囲である。本発明に用いる粒子は、多孔質または中空状であることが好ましい。
(アルミニウム塩水酸化物粒子の製造)
本発明に用いる粒子は、例えば上式(1)におけるBの無機酸イオンが硫酸イオンの場合、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄、酸化亜鉛、上記式(1)におけるMの硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム)、および有機酸または有機酸塩の混合溶液(例えばシュウ酸)、に、当該Mを含む水酸化アルカリ水溶液(例えば水酸化ナトリウム)を添加して加熱反応させることによって生成させることができる。必要ならば、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末が得られる。
前記反応において、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])を3.94に固定した場合、鉄とアルミニウムのモル比([Al]/[Fe])は0.1≦[Al]/[Fe]≦2であることが好ましい。より好ましくは0.1≦[Al]/[Fe]≦1.6である。[Al]/[Fe]が2を超えると微小酸化鉄粒子(ベンガラ)が析出するため好ましくない。
また、前記反応において、反応モル比[Al]/[Fe]を1.5に固定した場合、モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])は3.94≦[NaOH]/([Fe]+[Al])≦4.4であることが好ましい。より好ましくは0.1≦[NaOH]/([Fe]+[Al])≦1.6である。[Fe]/[Al]が2を超えると微小酸化鉄粒子(ベンガラ)が析出するため好ましくない。
上記混合溶液に、さらに硫酸チタンまたは塩化チタン、および酸化亜鉛を加えた混合溶液を、水酸化アルカリ混合液と加熱反応させると、上記粒子とはさらに組成の異なる有機酸アニオン含有粒子の固溶体を生成させることができる。このときにも、反応モル比[Al]/([Fe]+[Zn]+[Ti])については、反応モル比[Al]/[Fe]と同じ範囲であることが好ましい。また、[NaOH]/([Fe]+[Al]+[Zn]+[Ti])については[NaOH]/([Fe]+[Al])と同じ範囲であることが好ましい。
(複合粒子)
上記反応において、モル数[Fe]、[Zn]または[Ti]を大きくすると、アルミニウム塩水酸化物粒子表面に、それらイオンに関連する化合物の加水分解物、すなわち酸化物、水酸化物、塩基性塩または酸性塩等が担持された粒子(以下、複合粒子と称することがある)を得ることができる。本発明においては、酸化鉄、水酸化鉄(複合水酸化物)、酸化亜鉛および酸化チタン等が担持された粒子を得ることができる。これら複合粒子は、加水分解物を担持する前の粒子の粒子径および形状を維持している。
即ち、アルミニウム塩水酸化物粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子であることが好ましい。
表面に金属加水分解物を担持した粒子は、従来公知の方法によって得ることができる。すなわち、合成したアルミニウム塩水酸化物に、あとから種々の金属化合物を担持させる方法によっても得ることが可能である。例えば、硫酸チタン、硫酸亜鉛または塩化第二鉄の水溶液にアルミニウム塩水酸化物粒子と水酸化ナトリウム等の塩基を加えてチタン、亜鉛または鉄の加水分解物をアルミニウム塩水酸化物表面に析出させる方法によっても得ることも出来る。
アルミニウム塩水酸化物に対するチタンまたは亜鉛の担持量は、酸化チタンまたは酸化亜鉛換算で0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。また、アルミニウム塩水酸化物に対する鉄の担持量は、酸化鉄換算で0.1〜3重量%の範囲であることが好ましい。
チタン、亜鉛または鉄の加水分解物を表面に担持したアルミニウム塩水酸化物(複合粒子と称する)も粒度分布シャープ度DRが、1≦DR≦1.8の範囲の値を示すので、化粧料すなわち油脂中において分散性が良好である。したがって、これら複合粒子を化粧料に配合することにより、酸化チタン、酸化亜鉛または酸化鉄等を単独で配合する従来の方法よりも優れた紫外線および赤外線防御機能を発揮し、かつ使用感および製品安定性を向上させることができるので本発明の課題を解決する上で好ましい。
本発明におけるアルミニウム塩水酸化物粒子または複合粒子をさらに400〜700℃で焼成した粒子も、優れた紫外線および赤外線防御能を発揮し、かつ使用感および製品安定性を向上させることができるので本発明の課題を解決する上で有用である。即ち、本発明のアルミニウム塩水酸化物は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子を400〜700℃で焼成した粒子であることが好ましい。
(表面処理)
本発明における粒子はそのまま使用しても分散性に優れているが、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン類あるいはフッ素化合物等で表面処理して撥水性、撥油性あるいは分散性を向上させることができる。またラウリルリシン等のα−アミノ酸類、ヒアルロン酸やキトサン等の多糖類、コラーゲン等の蛋白質、レシチン等のグリセロリン脂質で表面処理して、吸湿性、保湿効果、生体親和性、流動性、延展性、撥油性および分散性を向上させたりすることができる。特にヒアルロン酸との併用は相乗効果が大きく、粒子またはヒアルロン酸の単独使用に比べ予想以上の伸び性向上効果をもたらす。
表面処理剤による粒子の表面処理は、粒子の表面処理法としてそれ自体公知の方法を利用することができるが、表面処理剤を、加熱反応(合成)、濾別、洗浄または乾燥のいずれの工程後に添加してもよい。さらには、化粧料に配合する際に表面処理剤を添加してもよい。表面処理方法は、湿式法、乾式法等従来公知の方法で行うことが可能である。表面処理剤の添加量は、アルミニウム塩水酸化物粒子100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。
(化粧料組成物)
本発明のアルミニウム塩水酸化物粒子を有効成分とする化粧料組成物の特徴と製造方法を以下に述べる。
本発明の化粧料組成物は、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品またはフレグランス化粧料として有用である。
本発明の化粧料組成物において、式(1)のアルミニウム塩水酸化物の含有量はパウダー状、液状、クリーム状、ケーキ状またはスティック状等の形態、または化粧料の色調によってその含有量を適宜調整できる。
例えば、アルミニウム塩水酸化物中のFe含有率が20重量%(式(1)においてy=1、x=0.6)であれば、スキンケアクリームの場合は化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
一方、パウダーファウンデーションの場合には化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は、好ましくは0.1〜65重量%、より好ましくは0.1〜57重量%である。上記Feの含有率が高ければ上記含有量をそれに応じて少なくすることができる。
さらに、前記したように表面にFeが担持されたアルミニウム塩水酸化物においては、色相がより赤に近づくので上記の半分の含有率で十分である。すなわち、スキンケアクリームの場合は化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
一方、パウダーファウンデーションの場合には化粧料組成物中におけるアルミニウム塩水酸化物の含有率は、好ましくは0.1〜65重量%、より好ましくは0.1〜25重量%である。
本発明の化粧料組成物は、パウダー状、液状、クリーム状、ケーキ状またはスティック状等の形態をとることが可能である。
配合成分としては、上記必須成分に加えて必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を用いることができ、それら任意成分が本発明の効果を低減させることはない。任意成分としては、例えば、油脂成分、保湿剤、乳化剤、無機または有機顔料・染料、粉体成分、各種アミノ酸、防腐剤、増粘剤、pH調整剤、香料、制汗剤、抗菌剤および水等が挙げられる。これらは、本発明の目的および効果を損なわない範囲で適宜配合量を調節することができる。ただし、顔料・染料は、これら自体が紫外〜可視〜赤外線領域において光吸収特性を有することにより本発明の効果を低減させることがあるので配合量に注意する必要がある。
上記油脂成分としてはステアリン酸、ワセリン、サラシミツロウ等の固形または半固形油脂類、オリーブ油、スクワラン、シリコーン油(ジメチコン等)、流動パラフィン、高級脂肪酸エステル等の液体油脂類が挙げられる。通常、各成分は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
さらに、無機顔料としてベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄および酸化チタン等が挙げられる。粉体成分としてタルク、マイカ、カオリン、セルロース、ナイロン粉体、アクリル粉、シリコーン粉等が挙げられる。また保湿剤成分としてはグリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。また乳化剤としてはセタノール、各種界面活性剤、リン脂質、ステロールエステル等が挙げられる。防腐剤としてはメチルパラベン、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等が挙げられる。pH調整剤としてはトリエタノールアミン等が挙げられる。これらは、通常、各成分を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
調製(混合)方法および各成分の配合量は、油脂成分、粉体成分、保湿剤成分、乳化剤、防腐剤、pH調整剤等について通常行なわれる方法および量を適用すればよい。
一方、顔料・染料成分、特にベンガラや酸化鉄等赤色系顔料・染料の使用は、調色に必要な限りにおいて最小限に留めることが好ましい。より好ましい態様においては赤色系顔料・染料の配合量を5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下に抑える。
特に粒子表面に酸化亜鉛または酸化チタン等が担持された粒子を有効成分とする本発明の化粧料組成物は、UVA(320〜400nm)〜UVC(190〜290nm)までの広い範囲の紫外線を吸収し、なおかつベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体等の有機系紫外線吸収剤とは異なりアレルギー性皮膚炎の原因になりにくいという特徴を有している。
また、本発明の化粧料組成物は同時に鉄を含有しているため、優れた赤外線反射機能をも有しており、皮膚温の上昇によるほてり感や、それに伴う発汗による化粧崩れを防止することができる。
さらに、本発明の化粧料組成物は、延展性、製品安定性の面で優れている。すなわち、本発明の化粧料組成物を有効成分とするスキンケアクリームやファンデーションは、皮膚に塗布した際に伸びが良好で、きしみがなく滑らかな感触を与える。また、長期保存しても油脂成分、水および固形成分(粒子成分)が分離したりすることがない。
本発明に用いる粒子は、Feの含有量が増えるにしたがって白色から肌色、肌色から紅色を呈する。化粧料を肌色に調色する場合において、粒子の分散性が良好であるため、ベンガラ等に比べ調色の再現性が良い。
上記式(1)におけるxが0<xの場合に、アルミニウム塩水酸化物粒子をさらに400℃以上で焼成することにより得られる焼成物は、赤外線反射効果や乳化性に優れている。したがって、このような焼成物を配合した化粧料も本発明の課題解決に好適である。好ましい焼成温度は400〜850℃であり、より好ましくは400〜700℃である。
本発明は、式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を化粧料組成物の有効成分として用いる方法を包含する。また、本発明は、式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を化粧料組成物の有効成分として用い、化粧料組成物の、紫外線防御能、赤外線防御能、延展性、使用感、安定性を向上させる方法を包含する。
以下、本発明を実施例により説明する。以下、特に言及しない場合については和光純薬(株)の試薬特級を用いた。
合成例(アルミニウム塩水酸化物粒子の調製)
アルミニウム塩水酸化物粒子(調製粒子No.1〜8)を以下の方法に従って調製した。各調製粒子の特性を表1に示す。各特性は以下の方法で測定した。
(1)粒度分布、平均二次粒子径および粒度分布シャープ度DRの測定
装置:粒度分布計 マイクロトラックMT3300(Leed&Nortrup Instruments Company社製
方法:レーザー回折散乱法による。試料粉末700mgを0.2wt%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液70mlに加えて、超音波で3分間分散処理した後、スターラーで攪拌しながら粒度分布を測定した。
(2)粒子形状の観察
SEM写真による。
装置:走査型電子顕微鏡 S−3000N(日立)
方法:加速電圧15kV、作動距離10mm、倍率2千倍、1万倍、2万倍
(3)屈折率の測定
装置:アッベ屈折計1T(ATAGO)
方法:適当な有機溶媒5mLに試料粉末5mgを添加して超音波で10分間分散させ、透明な部分を主プリズム面に薄膜状に広げて、屈折率を求めた。
(4)X線回折の分析
装置:RINT2200VX線回折システム(理学電機(株)製)
方法:CU−Kα、角度(2θ):5〜65°、ステップ:0.02°、スキャンスピード:4°/分、管電圧:40kV、管電流:20mV。
(5)ヘーズの測定
装置:オートマチックヘーズメーターTC−H3DP((株)東京電色)
方法:JIS−K7136(ISO14782)に基づく
(調製粒子No.1)
1.037モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液78.5mL、硫酸第二鉄0.1207モル、硫酸ナトリウム0.2モル、およびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。
次に、該混合溶液に3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液244.7mLを添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに170℃で3時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.1)を得た。
このときの反応モル比[Al]/[Fe]は1.48であった。また、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])は4.08であった。
調製粒子No.1のSEM写真を図1に示す。また、調製粒子No.1の粒度分布を図6に、X線回折図を図7に示す。
(調製粒子No.2)
1.037モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液192.86mL、硫酸第二鉄0.1207モル、硫酸ナトリウム0.2モル、メタケイ酸ナトリウム0.1モルおよびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。
次に、該混合溶液にpHが4になるまで3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに180℃で3時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.2)を得た。
このときの反応モル比[Al]/[Fe]は1.48であった。また、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])は4.08であった。
(調製粒子No.3)
上記調製粒子No.1の合成反応において、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])を4.40に変えて調製粒子No.3を得た。
(調製粒子No.4)
60gの調製粒子2をイオン交換水500mLに懸濁させ、攪拌しながら、30%の硫酸チタン水溶液60gおよび3.37Nの水酸化ナトリウム水溶液120mLを滴下した。さらに90℃で2時間 水熱反応させ生成した粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより、表面に硫酸チタンの加水分解物が担持された粒子の含水粉末(調製粒子No.4)を得た。調製粒子No.4のSEM写真を図3に示す。
(調製粒子No.5)
硫酸アルミニウム水溶液0.065モル、硫酸第二鉄0.0964モル、酸化亜鉛(一種/正同化学工業(株))0.04モル、硫酸ナトリウム0.2モル、およびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。次に、該混合溶液に3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液244.7mLを添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに180℃で2時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.5)を得た。
このときの反応モル比[Al]/([Zn]+[Fe]+[Al])は1.6であった。また、反応モル比[NaOH]/([Zn]+[Fe]+[Al])は3.94であった。調製粒子No.5のSEM写真を図4に示す。
(調製粒子No.6)
1.037モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液192.9mL(0.2モル)、硫酸ナトリウム0.1モル、硝酸ナトリウム0.1モル、およびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。
次に、該混合溶液に3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液244.7mLを添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに180℃で3時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.6)を得た。調製粒子No.6のSEM写真を図2に、X線回折図を図8に示す。
(調製粒子No.7)
60gの調製粒子6をイオン交換水500mLに懸濁させ、攪拌しながら、30%の硫酸チタン水溶液 60gおよび3.37Nの水酸化ナトリウム水溶液120mLを滴下した。さらに90℃で2時間、水熱反応させ生成した粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより、表面に硫酸チタンの加水分解物が担持された粒子の含水粉末(調製粒子No.7)を得た。
(調製粒子No.8)
60gの調製粒子7をイオン交換水500mLに懸濁させ、攪拌しながら、塩化第二鉄0.02モルを加え、3.37Nの水酸化ナトリウム水溶液25mL(0.084モル)を滴下した。さらに90℃で2時間、水熱反応させ生成した粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより、表面に硫酸チタンの加水分解物および塩化第二鉄の加水分解物が2層に担持された粒子の含水粉末(調製粒子No.8)を得た。
実施例1(スキンケアクリーム化粧料組成物の調製)
表2に示すクリーム成分を用意し、これに調製で得られた粒子(調製粒子No.1〜8)、および比較対照(従来からある市販品を含む)を添加して、表3に示すスキンケアクリーム化粧料組成物を得た。
ただし、サラシミツロウ(三木化学(株))、醗酵法ヒアルロン酸ナトリウム((有)センケン)、KSG−210、KF−96A−6cs(ともに信越化学工業(株))、乳化剤KF−6017(信越化学工業(株))以外は和光純薬(株)の試薬1級を用いた。
また、上記各スキンケアクリーム化粧料の乳化にはホモミキサーを用い、攪拌速度は10,000rpm、攪拌時間は2時間であった。
調製した各スキンケアクリーム化粧料組成物につき、以下の評価を行なった結果を表4に示す。
(1)隠蔽性の評価
アプリケータ(型名:YBA−4/ヨシミツ精機(株))を用いて、スキンケアクリーム化粧料組成物を50μmの厚みになるようにt1.0mmのガラス板に塗布してテストピースを作製した。JIS−K7136(ISO14782)に基づく方法で、オートマチックヘーズメーター(型名:TC−H3DP/(株)東京電色)を用いて全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを算出した。このヘーズの大小により隠蔽性を評価した。
(2)使用感
使用時の伸びと塗布しやすさにつき10名のパネラーで評価した。評価は「悪い」から「良い」を1から5の5段階によって評価し、10名の平均点数をその評点とした。したがって評点が高いほど使用感(伸びと塗布しやすさ)が良いことを示す。
(3)色調の安定性
クリーム成分に各調製粒子および比較対照(従来からある市販品を含む)を添加し、ホモミキサーを用い、10,000rpmの攪拌速度で60分間攪拌して乳化させ、測色色差計(ZE−2000/日本電色工業(株))で、Y、xおよびyを測定した。添加および乳化の工程を各調製粒子につき3回ずつ行いその平均値と標準偏差を求め、その変動係数(=標準偏差/平均値)によって色調の安定性を評価した。この結果、変動係数が小さいほど乳化させた後の色調の再現性が高く、調色安定性が高いことを示していることになる。
(4)乳化の安定性
調製した各スキンケアクリーム化粧料組成物を、プラスチックケースに入れて常温で2ヶ月間放置した後の乳化状態を目視観察した。乳化状態は、以下の3段階で評価した。
○:乳化状態が保たれている
△:一見乳化状態であるが皮膚に塗布すると水が分離する
×:ケース内で明らかに水と油脂成分が分離していることがわかる
以上の評価において、調製粒子No.1〜8に対する比較対照例として、配合例7および8ではベンガラ(Fe2O3)および微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm 商品名:MT−150W/テイカ(株))を用いた。
表4から、本発明のスキンケアクリーム化粧料組成物(配合例1〜6)は、従来品(配合例7および8)に比べ、ヘーズが大きいため隠蔽性が高く、使用時の延展性も良いことがわかる。
また、本発明のスキンケアクリーム化粧料組成物の色調再現性はY、x、yすべてに関して従来品より優れている。すなわち、一定の乳化、攪拌条件下での色調が安定している。したがって、製造時の調色が容易である。さらに、常温で2ヶ月放置しても水と油性成分が分離することがなく乳化状態は安定している。
実施例2(パウダーファウンデーション化粧料組成物の調製)
調製例で得られた粒子(調製粒子No.1〜5および8)、調製粒子No.4を700℃で焼成、粉砕した粒子(調製粒子No.9とする)および比較対照(従来からある市販品を含む)をヘンシェルミキサーに入れて混合しながら、あらかじめ70〜80℃で均一混合した表5に示すパウダーファウンデーション基礎成分を徐々に添加していく。添加後さらに5分間混合して表6に示すパウダーファウンデーション化粧料組成物を得た。
ここで、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬(株))、酸化チタン TTO−F−6(石原産業(株))以外は和光純薬(株)の試薬1級を用いた。
調製した各パウダーファウンデーション化粧料組成物につき、実施例1と同様の評価を行なった結果を表7に示す。ただし、紫外線および赤外線防御機能の評価は、プレス成形して1mm厚のペレットを作製して、分光光度計(型名:150−20/日立)を用いて200〜2,500nmの反射スペクトルを測定しておこなった。得られた反射スペクトルを図5に示す。
表7から、本発明のパウダーファウンデーション化粧料組成物(配合例8〜13)は、従来のものである配合例14および15に比べ、ヘーズが大きいため隠蔽性が高く、使用時の延展性が良い。また、本発明のパウダーファウンデーション化粧料組成物の色調再現性はY、x、yすべてに関して従来品より優れている。すなわち、一定混合条件下での色調が安定している。したがって、製造時の調色が容易である。図5の反射スペクトルから、本発明のパウダーファウンデーション化粧料組成物は紫外線吸収効果および赤外線反射効果を併せ持っていることがわかる。
発明の効果
本発明の化粧料組成物は、紫外線および赤外線防御能に優れる。また本発明の化粧料組成物は、延展性および使用感に優れる。また本発明の化粧料組成物は、色調および乳化安定性等の製品安定性が高い。
合成例(アルミニウム塩水酸化物粒子の調製)
アルミニウム塩水酸化物粒子(調製粒子No.1〜8)を以下の方法に従って調製した。各調製粒子の特性を表1に示す。各特性は以下の方法で測定した。
(1)粒度分布、平均二次粒子径および粒度分布シャープ度DRの測定
装置:粒度分布計 マイクロトラックMT3300(Leed&Nortrup Instruments Company社製
方法:レーザー回折散乱法による。試料粉末700mgを0.2wt%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液70mlに加えて、超音波で3分間分散処理した後、スターラーで攪拌しながら粒度分布を測定した。
(2)粒子形状の観察
SEM写真による。
装置:走査型電子顕微鏡 S−3000N(日立)
方法:加速電圧15kV、作動距離10mm、倍率2千倍、1万倍、2万倍
(3)屈折率の測定
装置:アッベ屈折計1T(ATAGO)
方法:適当な有機溶媒5mLに試料粉末5mgを添加して超音波で10分間分散させ、透明な部分を主プリズム面に薄膜状に広げて、屈折率を求めた。
(4)X線回折の分析
装置:RINT2200VX線回折システム(理学電機(株)製)
方法:CU−Kα、角度(2θ):5〜65°、ステップ:0.02°、スキャンスピード:4°/分、管電圧:40kV、管電流:20mV。
(5)ヘーズの測定
装置:オートマチックヘーズメーターTC−H3DP((株)東京電色)
方法:JIS−K7136(ISO14782)に基づく
(調製粒子No.1)
1.037モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液78.5mL、硫酸第二鉄0.1207モル、硫酸ナトリウム0.2モル、およびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。
次に、該混合溶液に3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液244.7mLを添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに170℃で3時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.1)を得た。
このときの反応モル比[Al]/[Fe]は1.48であった。また、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])は4.08であった。
調製粒子No.1のSEM写真を図1に示す。また、調製粒子No.1の粒度分布を図6に、X線回折図を図7に示す。
(調製粒子No.2)
1.037モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液192.86mL、硫酸第二鉄0.1207モル、硫酸ナトリウム0.2モル、メタケイ酸ナトリウム0.1モルおよびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。
次に、該混合溶液にpHが4になるまで3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに180℃で3時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.2)を得た。
このときの反応モル比[Al]/[Fe]は1.48であった。また、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])は4.08であった。
(調製粒子No.3)
上記調製粒子No.1の合成反応において、反応モル比[NaOH]/([Fe]+[Al])を4.40に変えて調製粒子No.3を得た。
(調製粒子No.4)
60gの調製粒子2をイオン交換水500mLに懸濁させ、攪拌しながら、30%の硫酸チタン水溶液60gおよび3.37Nの水酸化ナトリウム水溶液120mLを滴下した。さらに90℃で2時間 水熱反応させ生成した粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより、表面に硫酸チタンの加水分解物が担持された粒子の含水粉末(調製粒子No.4)を得た。調製粒子No.4のSEM写真を図3に示す。
(調製粒子No.5)
硫酸アルミニウム水溶液0.065モル、硫酸第二鉄0.0964モル、酸化亜鉛(一種/正同化学工業(株))0.04モル、硫酸ナトリウム0.2モル、およびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。次に、該混合溶液に3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液244.7mLを添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに180℃で2時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.5)を得た。
このときの反応モル比[Al]/([Zn]+[Fe]+[Al])は1.6であった。また、反応モル比[NaOH]/([Zn]+[Fe]+[Al])は3.94であった。調製粒子No.5のSEM写真を図4に示す。
(調製粒子No.6)
1.037モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液192.9mL(0.2モル)、硫酸ナトリウム0.1モル、硝酸ナトリウム0.1モル、およびシュウ酸0.04モルの混合溶液500mLを40℃で30分攪拌した。
次に、該混合溶液に3.38Nの水酸化ナトリウム水溶液244.7mLを添加して40℃で1時間攪拌した。その後さらに180℃で3時間水熱反応させ、生成した該粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより粒子の含水粉末(調製粒子No.6)を得た。調製粒子No.6のSEM写真を図2に、X線回折図を図8に示す。
(調製粒子No.7)
60gの調製粒子6をイオン交換水500mLに懸濁させ、攪拌しながら、30%の硫酸チタン水溶液 60gおよび3.37Nの水酸化ナトリウム水溶液120mLを滴下した。さらに90℃で2時間、水熱反応させ生成した粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより、表面に硫酸チタンの加水分解物が担持された粒子の含水粉末(調製粒子No.7)を得た。
(調製粒子No.8)
60gの調製粒子7をイオン交換水500mLに懸濁させ、攪拌しながら、塩化第二鉄0.02モルを加え、3.37Nの水酸化ナトリウム水溶液25mL(0.084モル)を滴下した。さらに90℃で2時間、水熱反応させ生成した粒子を濾別、洗浄および乾燥することにより、表面に硫酸チタンの加水分解物および塩化第二鉄の加水分解物が2層に担持された粒子の含水粉末(調製粒子No.8)を得た。
表2に示すクリーム成分を用意し、これに調製で得られた粒子(調製粒子No.1〜8)、および比較対照(従来からある市販品を含む)を添加して、表3に示すスキンケアクリーム化粧料組成物を得た。
ただし、サラシミツロウ(三木化学(株))、醗酵法ヒアルロン酸ナトリウム((有)センケン)、KSG−210、KF−96A−6cs(ともに信越化学工業(株))、乳化剤KF−6017(信越化学工業(株))以外は和光純薬(株)の試薬1級を用いた。
また、上記各スキンケアクリーム化粧料の乳化にはホモミキサーを用い、攪拌速度は10,000rpm、攪拌時間は2時間であった。
(1)隠蔽性の評価
アプリケータ(型名:YBA−4/ヨシミツ精機(株))を用いて、スキンケアクリーム化粧料組成物を50μmの厚みになるようにt1.0mmのガラス板に塗布してテストピースを作製した。JIS−K7136(ISO14782)に基づく方法で、オートマチックヘーズメーター(型名:TC−H3DP/(株)東京電色)を用いて全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを算出した。このヘーズの大小により隠蔽性を評価した。
(2)使用感
使用時の伸びと塗布しやすさにつき10名のパネラーで評価した。評価は「悪い」から「良い」を1から5の5段階によって評価し、10名の平均点数をその評点とした。したがって評点が高いほど使用感(伸びと塗布しやすさ)が良いことを示す。
(3)色調の安定性
クリーム成分に各調製粒子および比較対照(従来からある市販品を含む)を添加し、ホモミキサーを用い、10,000rpmの攪拌速度で60分間攪拌して乳化させ、測色色差計(ZE−2000/日本電色工業(株))で、Y、xおよびyを測定した。添加および乳化の工程を各調製粒子につき3回ずつ行いその平均値と標準偏差を求め、その変動係数(=標準偏差/平均値)によって色調の安定性を評価した。この結果、変動係数が小さいほど乳化させた後の色調の再現性が高く、調色安定性が高いことを示していることになる。
(4)乳化の安定性
調製した各スキンケアクリーム化粧料組成物を、プラスチックケースに入れて常温で2ヶ月間放置した後の乳化状態を目視観察した。乳化状態は、以下の3段階で評価した。
○:乳化状態が保たれている
△:一見乳化状態であるが皮膚に塗布すると水が分離する
×:ケース内で明らかに水と油脂成分が分離していることがわかる
以上の評価において、調製粒子No.1〜8に対する比較対照例として、配合例7および8ではベンガラ(Fe2O3)および微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm 商品名:MT−150W/テイカ(株))を用いた。
また、本発明のスキンケアクリーム化粧料組成物の色調再現性はY、x、yすべてに関して従来品より優れている。すなわち、一定の乳化、攪拌条件下での色調が安定している。したがって、製造時の調色が容易である。さらに、常温で2ヶ月放置しても水と油性成分が分離することがなく乳化状態は安定している。
実施例2(パウダーファウンデーション化粧料組成物の調製)
調製例で得られた粒子(調製粒子No.1〜5および8)、調製粒子No.4を700℃で焼成、粉砕した粒子(調製粒子No.9とする)および比較対照(従来からある市販品を含む)をヘンシェルミキサーに入れて混合しながら、あらかじめ70〜80℃で均一混合した表5に示すパウダーファウンデーション基礎成分を徐々に添加していく。添加後さらに5分間混合して表6に示すパウダーファウンデーション化粧料組成物を得た。
ここで、マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬(株))、酸化チタン TTO−F−6(石原産業(株))以外は和光純薬(株)の試薬1級を用いた。
発明の効果
本発明の化粧料組成物は、紫外線および赤外線防御能に優れる。また本発明の化粧料組成物は、延展性および使用感に優れる。また本発明の化粧料組成物は、色調および乳化安定性等の製品安定性が高い。
Claims (7)
- 下記式(1)で表わされ、かつ多面体状もしくは円盤状(碁石状)を呈するアルミニウム塩水酸化物粒子を含有することを特徴とする化粧料組成物。
Ma[Al1−x(Zn1−yFe(III)y)x]bAcBd(OH)n・mH2O(1)
(式中、MはNa+およびK+からなる群から選ばれる少なくとも1種の陽イオン、Aは炭素数が2〜10でかつ分子中にカルボキシル基を1〜4個含有している有機酸アニオンから選ばれる少なくとも1種、Bは硫酸イオン(SO4 2−)、硝酸イオン(NO3 1−)およびケイ酸イオン(SiO3 2−)からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機酸アニオンである。式中a、b、c、d、m、n、xおよびyは、0.7≦a≦1.35、2.7≦b≦3.3、0≦c≦0.5、1.7≦d≦2.4、0≦m≦5、4≦n≦7、0<x≦0.66、0<y≦1.0である。) - 上記式(1)において、有機酸アニオンが蓚酸イオン、クエン酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、グリセリン酸イオン、没食子酸イオンおよび乳酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の化粧料組成物。
- 該アルミニウム塩水酸化物粒子が、多孔質または中空状である請求項1または2に記載の化粧料組成物。
- 該アルミニウム塩水酸化物粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
- 該アルミニウム塩水酸化物粒子の含有量が0.1〜30重量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
- 該アルミニウム塩水酸化物粒子は、400〜700℃で焼成した粒子である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
- 該アルミニウム塩水酸化物粒子は、その表面に、亜鉛化合物、鉄化合物およびチタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の加水分解物を担持した複合粒子を400〜700℃で焼成した粒子である請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧料組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008316770 | 2008-12-12 | ||
JP2008316770 | 2008-12-12 | ||
PCT/JP2009/070794 WO2010067881A1 (ja) | 2008-12-12 | 2009-12-08 | 化粧料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2010067881A1 true JPWO2010067881A1 (ja) | 2012-05-24 |
Family
ID=42242866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010542144A Pending JPWO2010067881A1 (ja) | 2008-12-12 | 2009-12-08 | 化粧料組成物 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20110244008A1 (ja) |
EP (1) | EP2356973A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2010067881A1 (ja) |
KR (1) | KR20110097820A (ja) |
CN (1) | CN102245158A (ja) |
WO (1) | WO2010067881A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120228540A1 (en) | 2009-11-10 | 2012-09-13 | Takatoshi Sato | Heat-shielding agent composition |
US11116302B2 (en) * | 2015-06-11 | 2021-09-14 | The Procter & Gamble Company | Apparatus and methods for modifying keratinous surfaces |
KR102323105B1 (ko) * | 2015-06-30 | 2021-11-10 | (주)아모레퍼시픽 | 다공성 다면체 파우더를 포함하는 유중수형 화장료 조성물 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005085168A1 (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. | 有機酸アニオン含有アルミニウム塩水酸化物粒子、その製造方法およびその利用 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9203806D0 (en) * | 1992-02-21 | 1992-04-08 | Unilever Plc | Sunscreen agents |
JP4145496B2 (ja) * | 2000-08-31 | 2008-09-03 | 三好化成株式会社 | 新規複合粉体及びこれを配合した化粧料 |
JP2004091421A (ja) * | 2002-09-03 | 2004-03-25 | Tayca Corp | アスコルビン酸を取り込んだ層状複水酸化物およびそれを含む化粧料組成物 |
TW200744458A (en) | 2005-06-30 | 2007-12-16 | Kyowa Chem Ind Co Ltd | Antibacterial agent composed of silver-containing aluminum sulfate hydroxide particles and use thereof |
-
2009
- 2009-12-08 US US13/133,460 patent/US20110244008A1/en not_active Abandoned
- 2009-12-08 WO PCT/JP2009/070794 patent/WO2010067881A1/ja active Application Filing
- 2009-12-08 KR KR1020117013058A patent/KR20110097820A/ko not_active Application Discontinuation
- 2009-12-08 JP JP2010542144A patent/JPWO2010067881A1/ja active Pending
- 2009-12-08 CN CN2009801503518A patent/CN102245158A/zh active Pending
- 2009-12-08 EP EP09831984.1A patent/EP2356973A4/en not_active Withdrawn
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005085168A1 (ja) * | 2004-03-05 | 2005-09-15 | Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. | 有機酸アニオン含有アルミニウム塩水酸化物粒子、その製造方法およびその利用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20110097820A (ko) | 2011-08-31 |
CN102245158A (zh) | 2011-11-16 |
EP2356973A1 (en) | 2011-08-17 |
WO2010067881A1 (ja) | 2010-06-17 |
US20110244008A1 (en) | 2011-10-06 |
EP2356973A4 (en) | 2015-03-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9662280B2 (en) | Self-dispersible coated metal oxide powder, and process for production and use | |
JP5096383B2 (ja) | 藁束状ルチル型酸化チタン、それを使用した化粧料及びトナー用外添剤 | |
JP6258462B2 (ja) | 二酸化チタン粉体およびそれを配合した化粧料 | |
JP2006299051A (ja) | 着色複合粉末及びこれを配合した化粧料 | |
WO2016076350A1 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛とその製造方法および酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物並びに化粧料 | |
JPH11158036A (ja) | 化粧料および化粧方法 | |
JP5878447B2 (ja) | ベースメイク化粧料 | |
WO2010067881A1 (ja) | 化粧料組成物 | |
CN113226476B (zh) | 用于光泽和模糊的新方法和化妆品组合物 | |
JP6859949B2 (ja) | 酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛含有組成物、化粧料 | |
JP2008162941A (ja) | ポリマー粉体及びこれを含有する化粧料 | |
WO2015072540A1 (ja) | テアニンを用いた表面処理粉体及びそれを含有する化粧料 | |
JP3736970B2 (ja) | 被覆粉体並びにこれを配合してなる化粧料 | |
JP4666699B2 (ja) | 化粧料 | |
KR20220161249A (ko) | 분말 함유 화장료 | |
JP3677610B2 (ja) | 酸化鉄含有二酸化チタン及びこれを含有する組成物 | |
JP2007291090A (ja) | 粉末化粧料 | |
JP4205206B2 (ja) | 被覆粉体並びにこれを配合してなる化粧料 | |
JP3500420B2 (ja) | 化粧料 | |
CN117379324B (zh) | 一种控油遮瑕组合物及其制备方法 | |
JP4171151B2 (ja) | 化粧料用粉体、化粧料及び化粧料用粉体の製造方法 | |
KR101279401B1 (ko) | 화장료 | |
AU2018247256B2 (en) | Uv-protective compositions and their use | |
JP4777872B2 (ja) | 化粧料 | |
WO2011013654A1 (ja) | 化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130814 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131011 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140226 |