JPWO2010041440A1 - インタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノード - Google Patents

インタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノード Download PDF

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Abstract

モバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え後のインタフェースに転送する技術が開示され、その技術によればMN200がMAG(WLAN)232と通信中には、MAG(WLAN)232からLMA220に対してPBUメッセージ301が既に送信されていて、LMA220には既にWLAN接続242に関するバインディングが登録されている。MN200はインタフェース切換イベント300が発生すると、バインディング登録を事前登録するバインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続242を介してMAG(WLAN)232に送信する。MAG(WLAN)232は、WLAN接続242の切断310を検出すると、登録削除・トリガメッセージ312aをLMA220に送信して、MAG(WLAN)232に登録されている事前登録バインディングをLMA220に登録してトリガし、また、PBUメッセージ301のバインディングを削除する。

Description

本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換えるためのインタフェース切換システムに関する。
また本発明は、前記インタフェース切換システムにおける、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノードに関する。
近年、多くのモバイル装置がインターネット・プロトコル(IP)を使用してお互いに通信を行っている。モビリティサポートをモバイル装置に提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)は、下記の非特許文献1に示されるような "Mobility Support in IPv6"と下記の非特許文献2に示されるような "Network Mobility Support"を提案している。モバイルIPでは、各モバイルノード(モバイルホストやモバイルルータを含む。)はホームドメインを有する。モバイルノードは、ホームネットワークに接続(attach)すると、ホームアドレス(HoA)として知られるプライマリ・グローバル・アドレスを割り当てられる。また、モバイルノードは、アウェイ状態になると、すなわち他の外部ネットワークに接続(attach)すると、気付アドレス(CoA)として知られる一時的なグローバル・アドレスを割り当てられる。
モビリティサポートの概念では、モバイルノードは、外部ネットワークに接続(attach)していても、ホームアドレスあてで到達できる。非特許文献1、2では、ホームエージェント(HA)として知られるエンティティをホームネットワークに導入することにより、この到達性を実現している。モバイルノードは、気付アドレスをバインディング・アップデート(BU)メッセージとして知られるメッセージを用いてホームエージェントに登録する。この登録により、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスと気付アドレスの間にバインディングを生成することができる。ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスあてのメッセージをインタセプトして、そのパケットをカプセル化してモバイルノードの気付アドレスあてに転送する。このパケットカプセル化では、ホームアドレスあてのパケットを新しい気付アドレスあてパケットのペイロードにセットし、パケットトンネル化としても知られている。
非特許文献1に記載されているモビリティ管理方法では、モバイルホストのホームエージェントにおけるモバイルホストあての転送先情報として、IPv6ベースのトランスポート・ネットワーク経由で送信するIPv6のバインディング・アップデート(BU)シグナリングを使用して、モバイルホストのIPv6のCoAとIPv6のHoAのバインディングがモバイルホストからホームエージェントに通知される。同様に、非特許文献2に記載されているモビリティ管理方法では、ホームエージェントにおけるモバイルホストあての転送先情報として、IPv6のトランスポート・ネットワークのみを経由するIPv6のBUシグナリングを使用して、モバイルルータのIPv6のモバイルネットワーク・プリフィックスとモバイルルータのIPv6のCoAのバインディングがホームエージェントに通知される。
将来、IPv6のISP(Internet Service Providers)とIPv6のトランスポート・ネットワークが優位を占めるであろうが、これらのIPv6のサービス・プロバイダ・ネットワークとトランスポート・プロバイダ・ネットワークは、現在のIPv4のISPとIPv4のトランスポート・ネットワークとすぐに置き換わることはないであろう。IPv4とIPv6のトランスポート・ネットワークが混在する将来の第4世代(4G)の携帯電話ネットワークのモビリティ・アーキテクチャでは、ユビキタスなモビリティを実現するために、IPv4とIPv6の両方に対応したデュアルスタック(Dual Stack)のモバイルノードが必要である。
非特許文献11に記載されている方法では、IPv4とIPv6のプロトコル・スタックを有するモバイルノードに対してクライアントベースのIPv6モビリティサポートを提供するデュアルスタック・モバイルIPv6(Dual Stack Mobile IPv6:DSMIPv6)が言及されている。このDSMIPv6による方法では、モバイルノードは、自身のIPv4/IPv6のホームアドレス/プリフィックスと、自身のIPv4/IPv6のCoAとの間のバインディングを生成して、このバインディングをIPv4/IPv6トランスポート・ネットワーク経由で登録することができる。DSMIPv6は、MIPv6を拡張して、IPv4クライアントとIPv4トランスポート・ネットワークをサポートする。3GPP(The Third Generation Partnership Project)システムは、上記のDSMIPv6をクライアントベースのモビリティサポートとして使用する。非特許文献7には、DSMIPv6を使用して、3GPPアーキテクチャ内をローミングする場合や、ローミングしない場合の種々のシナリオが示されている。
非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献11に示されているクライアントベースのモビリティサポートは、モビリティの問題を解決しているが、幾つかの問題がある。その1つは、モバイルノードがBU(Binding Update)メッセージをホームエージェントに送信する必要があることである。このため、モバイルノードが高速で移動する場合、BUメッセージの数が膨大となる。また、モバイルノードが地理的にホームエージェントから遠く離れている場合、BUメッセージがホームエージェントに到達するまでに時間がかかる。このため、ホームエージェントがモバイルノードのアップデートされた気付アドレスあてにパケット転送を開始したときには、モバイルノードはその気付アドレスの場所には位置していないかもしれない。
この理由により、下記の非特許文献3、非特許文献6、特許文献7、特許文献8には、ネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM)を用いた提案が成されている。この提案によれば、モバイルノードは、ローカル・ネットワーク・ドメイン内で接続点(point of attachments)を変更しても同じアドレスを継続して使用することができる。このため、モバイルノードがBUメッセージを頻繁にホームエージェントに送信する必要性を除去することができる。
NetLMMでは、1つのローカルモビリティ・アンカー(LMA)と、複数のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)と1つのAAA(Authentication, Authorization, and Accounting)サーバが設けられる。MAGは、モバイルノードが接続(attach)するアクセスルータとして動作し、モバイルノードがMAGに接続(attach)するごとに、そのMAGは、まずモバイルノードの証明書(credentials)をAAAサーバに問い合わせて検証(verify)し、そのモバイルノードがローカル・ネットワーク・ドメインのサービスを使用する資格があることを保証する。幾つかの実装では、AAAサーバはまた、そのモバイルノードに割り当てるべきプリフィックスすなわちアドレスをMAGに通知する。この手法により、MAGは、HNP(Home Network Prefix)として知られる同じプリフィックスをモバイルノードに広告することができる。同時に、MAGはLMAをアップデートして、モバイルノードに割り当てられているプリフィックスあてに送信されたパケットが、モバイルノードが接続(attach)している適切なMAGにトンネル化されるようにしなければならない。このアップデートは、モバイルノードが使用するアドレス/プリフィックスをMAGのアドレスにバインドするプロキシBU(PBU)メッセージをMAGがLMAに送信することにより実現される。
この手法はまた、MAGがモバイルノードのプロキシとしてBUメッセージをLMAに送信し、また、LMAがローカル・ネットワーク・ドメインにおいてモバイルノードのホームエージェントとして動作するので、プロキシ・モバイルIP(PMIPv6)として知られる。この手法により、モバイルノードが現在、どのMAGに接続(attach)しているかに関係なく、モバイルノードは、同じHNP(Home Network Prefix)を参照し、このため、アドレスを変更しない。したがって、モバイルノードは、BUメッセージを頻繁にホームエージェントに送信する必要がない。
ところで、現在の傾向では、種々の異なるワイヤレス技術が用いられ、多くのモバイル装置が多くの異なるアクセス・インタフェース(例えばUMTSセルラ・インタフェース、ワイヤレス・イーサネット(登録商標)802.11インタフェース、WiMAX(登録商標)802.16インタフェース、ブルーツース(登録商標)インタフェース)を備えている。ローカルモビリティ管理では、そのような複数のインタフェースを有する装置をサポートする方法として、複数のプリフィックスすなわちアドレスを割り当てることが可能である。非特許文献3及び非特許文献6では、モバイルノードは、個々のインタフェースについて異なるプリフィックスを参照し、このプリフィックスは、モバイルノードが同じネットワーク・ドメイン内をローミングしている限りにおいて維持される。もし、そのモバイルノードが、現在外部ドメイン内をローミングしているモバイルIPv6のノードである場合、そのモバイルノードは、複数の気付アドレス(各プリフィックスから1つの気付アドレス)を構成して自身のホームアドレスにバインドする必要があろう。この意味は、モバイルノードがすべての利用可能なインタフェースを用いてホームエージェント及び通信相手(CN:Correspondent Node)と通信したい場合、例えば下記の非特許文献4及び非特許文献9に示されるようなメカニズムを用いて複数のBUメッセージをホームエージェントとCNに送信することを必要とするということである。
ここで、ローカルモビリティ管理において複数のインタフェースを使用する場合の想定例として、モバイルノードが、安定した広い通信範囲のインタフェース(例えばセルラ・インタフェース)と、安定していない狭い通信範囲のインタフェース(例えばIEEE802.11ワイヤレス・インタフェース)を同時に接続(connect)する場合がある。通常、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースの方が帯域幅が広い(通信コストが安い)ので、モバイルノードは、データパケットがIEEE802.11ワイヤレス・インタフェース側に伝送されることを望む。しかしながら、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースの通信範囲が限られているので、その接続(connection)は、安定したセルラ・インタフェースより頻繁に切断される。このような切断が起きた場合、パケットはセルラ・インタフェース側にリ・ダイレクトされなければならない。このリ・ダイレクションはシグナリングを必要とするので、シグナリングの遅延により、パケットが不可避的に失われる。
ローカルモビリティ管理は、シグナリングの遅延によるパケットロスの機会を減少してはいるが、除去してはいない。ここで、モバイルノードがあるMAGから他のMAGに変更する場合を考えると、モバイルノードが前のMAGとの接続(connection)を失った時点から、LMAが新しいMAGからPBU(Proxy Binding Update)メッセージを受信するまでにLMAに届いたそのモバイルノードあてのパケットが失われる。この問題を解決するための従来技術として、下記の特許文献1においては通知を送り返す方法が、また、下記の特許文献2にはパケット再送をトリガする方法が、また、下記の特許文献3にはコネクションを再確立する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法はいずれも不可避的に、パケット配送の遅延を招き、このため、VoIP(Voice-over-IP)のようなリアルタイムなアプリケーションにとって受け入れることはできない。
他の従来技術としては、高速ハンドオフ技術が下記の非特許文献5、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献9に開示されているものがある。この手法は、コネクションのロスを予測することと、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースからセルラ・インタフェースにパケットのリ・ダイレクションするために空の信号を送信することを含む。しかしながら、コネクションのロスを予測することは正確でなく、リ・ダイレクションが早過ぎると、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースを有効利用できない。
マルチホーミングでは、モバイルノードのホームアドレスあて又はホームネットワークプリフィックスあてのフローをモバイルノードの複数のインタフェース経由で受信することができ、また、モバイルノードの1又は複数の所望のインタフェースに対してフローの種類に応じて使用するインタフェースを選択するフロー種別ベースのルーティングを実現することができる。一般的に、システムにおいてフロー種別ベースのルーティング・メカニズムのセットアップは、モバイルノードがフィルタルール(ルーティングルール)を付与することにより開始され、結果的には適切なネットワーク・エンティティにより決定されるか又は許可される。もしマルチホーミングの目的が、ホームアドレスあて又はホームネットワークプリフィックスあてのフローの帯域を集合するか又は増大させることにある場合、マルチホーミングのメカニズムとは、ホームエージェント又はLMAにおいて、ホームアドレスあて又はホームネットワークプリフィックスあてのフローがモバイルノードの複数のインタフェース経由で到達できるという到達可能性(reachability)を持ったパスを確立することである。もしマルチホーミングの目的が、モバイルノードが所望の1又は複数のインタフェースに対してフロー種別ベースのルーティングを希望することにある場合、上記の到達可能性を持ったパスを確立することに加えて、そのモバイルノードは、フロー種別ベースのフィルタルールをHA又はLMAにセットアップする必要がある。重要な点は、フロー種別ベースのフィルタルールがアンカーポイント(HA又はLMA)で確立されるときには、このフィルタルールが通常のアドレスベース又はプリフィックスベースのルーティング・メカニズムよりも優先されるということである。
しかしながら、将来の3GPPアーキテクチャでは、PMIPv6がモバイルノードの各インタフェースのモビリティを管理するために使用され、かつマルチホーミング機能に対応したDSMIPv6が、例えば帯域集合、負荷分担、フロー種別ベース・ルーティングのようなモバイルノードのマルチホーミングサポートを実現するために使用されることは大いに考えられる。このようなPMIPv6とマルチホーミング機能に対応したDSMIPv6を複合的に使用するハイブリッド・シナリオでは、非特許文献9、非特許文献10に示されているようなマルチホーミング機能に対応したDSMIPv6が、PMIPv6モビリティ管理メカニズムによりインタフェースに割り当てられたホームネットワークプリフィックスに対して使用されるであろうことは考えられる。PMIPv6モビリティ管理メカニズムはモビリティ管理を効率的に提供することは知られている。しかし、マルチホーミングのための方法は、DSMIPv6に対してより詳細に定義されている。このため、効率的なモビリティ管理とマルチホーミングサポートは、両方のモビリティ管理メカニズムの複合的な動作により簡単に実現できる。
次に、上記のPMIPv6とDSMIPv6の両方を使用するハイブリッド・シナリオにおいて、不安定なアクセスのインタフェースの切断に関する問題について図18を参照して説明する。以下に、時系列的なシナリオを説明する。
(1)MN200は最初に、WLANアクセスネットワーク1101(及びMAG(WLAN)232を介してLMMドメイン210に接続(connect)しているアクティブなWLANインタフェースIF2を有するものとする。なお、3GPPではMNのことをUE(User Equipment)と呼ぶ。LMMドメイン210は、3GPPのHPLMN(Home Public Land Mobile Network)に対応し、PMIPv6又は他のネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが採用されている。また、アクティブなWLANインタフェースIF2を有するMN200のモビリティは、DSMIPv6とPMIPv6により管理されている。なお、当業者であれば、DSMIPv6とPMIPv6はそれぞれ、他のホストベースのモビリティ管理プロトコルとネットワークベースのモビリティ管理プロトコルでもよいことは明らかである。
(2)図18において、MN200はまた、DSMIPv6を使用しているので、不図示のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ又はDNS(Domain Name Server)などの或るサーバからLMA/HA220のアドレスを通知される。なお、LMA/HA220とは、LMAとHAの両方の機能を有する機能的モジュールとして示しており、3GPPコアネットワーク内に存在するPDNゲートウェイ(Packet Data Network Gateway)に対応している。LMA/HA220はPDN(Packet Data Network)1106に接続(connect)している。MN200は、LMA/HA220のアドレスを通知されると、LMA/HA220とブートストラッピングを実行し、また、DSMIPv6シグナリングを実行するためにLMA/HA220とSA(Security Association)を確立する。MN200はブートストラッピングのプロセスにおいて、ホームアドレスHoA(P1)を構成するためのホームプリフィックスP1をLMA/HA1105から取得する。
(3)次に、ブートストラッピングのプロセスの後、MN200は、PMIPv6メカニズムにより取得したプリフィックスP2を使用してWLANインタフェースIF2の気付アドレスCoA(P2)を構成するものとする。WLANインタフェースIF2経由で取得したプリフィックスP2は、そのモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理されるプリフィックスであるものとする。さらに、プリフィックスP2は、地理的にLMA/HA220をルートとし、また、LMA/HA220−MAG(WLAN)232間のPMIPv6モビリティ・シグナリング1110により取得されるものとする。シグナリング1110はPBUメッセージとPBAメッセージを含む。プリフィックスP2すなわち外部プリフィックスは、MAG(WLAN)232からMN200に対してはレイヤ2又はレイヤ3のWLANリンク1108経由で付与される。
(4)さらに、MN200は、アイドルモードの3GPPインタフェースIF1を有するものとする。3GPPインタフェースIF1は、LTE(Long Term Evolution)タイプのインタフェースか、又はUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)タイプのインタフェースか、又は非特許文献8に記載されているような3G特有のインタフェースでよい。アイドルモードとは、3Gアクセスネットワーク1107の基地局が変わっても、ネットワークに対して、その接続(attachment)を通知しないMN200のステートを言う。アイドルモードでは、省電力化のため、MN200はトラッキングエリアと呼ばれる大きなエリア単位で位置更新(location update)を実行する。
(5)次に、3GPPインタフェースIF1がアイドルモードであるMN200が3GPPリンク1107経由で3Gアクセスネットワーク1107のMAG230(3GPP)に接続(attach)するものとする。ここで、MN200は、この3GPPアクセスがアイドルモードであっても、MAG230(3GPP)から3GPPリンク1107経由でホームプリフィックスすなわちホームネットワークプリフィックスP1を通知されるものとする。MAG230(3GPP)におけるホームプリフィックスP1は、PMIPv6モビリティ・シグナリング(PBUメッセージ+PBAメッセージ)1109により取得される。このため、3GPPアクセス経由で取得されたホームプリフィックスP1は、前述したブートストラッピングのプロセスにおいて取得されたホームプリフィックスP1と同じである。3GPPアーキテクチャでは、LTE接続(attachment)のためのホームプリフィックスP1は、NAS(Non-Access Stratum)プロトコルを用いた接続手続き(attach procedure)の間に通知される。
(6)次に、MN200は、3GPPアクセスのattach procedureの間にホームプリフィックスP1を参照するとホームリンクを検知して、マルチホーミング・パラメータを有するDSMIPv6ベースのBUメッセージ1111をWLANアクセスネットワーク1101経由でLMA/HA220に送信するものとする。BUメッセージ1111はIPv6のモビリティ・シグナリングである。さらに、BUメッセージ1111は、気付アドレスCoA(P2)と、フロー識別子(FID)オプション内にフィルタルールが埋め込まれて添付されているものとする。BUメッセージ1111はさらに、バインディング識別子(BID)と、フロー記述サブオプション(flow description sub options)と、ホームアンドアウェイ登録(home and away registration)を示すHフラグを含む。
BUメッセージ1111は2つの目的を有する。第1の目的は、フィルタルールがLMA/HA220に存在していなくても、非特許文献10に記述されているように各インタフェースに対するBID優先度に応じて、データパケットがホームリンク(3GPP)又はWLANリンクに選択的に配送されるように、ホームアンドアウェイ登録(フラグH=1)をLMA/HA220において生成することにある。第2の目的は、プリフィックスP1あてに来るすべてのパケットがWLANインタフェースIF2に配送されることを希望することをMN200がフィルタルールでLMA/HA220に指示することにある。理想的には、MN200は、WLANアクセスが利用可能なときには常に、すべてのフローがWLANアクセス経由で配送されることを希望する。ホームアンドアウェイ登録(H=1)がLMA/HA220において生成されても、このようなフィルタルールにより、データフローはWLANアクセスのみを経由して配送される。ただし、WLANアクセスは、不安定であるものとする。
ここで重要な点は、MN200がこのBUメッセージ1111を送信する際に、メッセージ内のBIDに高い優先度を設定することで、フィルタルールをセットしないようにできることにある。これがWLANアクセス経由をデフォルトの経路として設定する別の方法である。しかしながら、フィルタルールによりLMA/HA220における多くのアクションを記述できるので、フィルタルールをセットする方が望ましい。バインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)1112は、マルチホーミングが可能なLMA/HA220のBCEであって、HoA(P1)をCoA(P2)にバインドする登録、及びH=1を有するDSMIPv6バインディングと、P1あてのパケットのデフォルトはCoA(P2)あてであることを示すフィルタルールを有する。
次に、図18における他の動作を説明する。
(1)MN200は、プリフィックスP2及びP1から生成されるアドレスを使用して、PDN1106内の不図示の通信相手(Correspondent Node:CN)とコネクションをセットアップするかもしれない。プリフィックスP1は3GPPアクセス経由で参照され、プリフィックスP2はWLANアクセス経由で参照されるものとする。また、PDN1106内の複数のエンティティがMN200に接続(connect)しているときに、MN200は複数のPDNコネクションをセットアップしたいかもしれず、また、プリフィックスP1及びP2ごとにフローを分離して簡単なフローフィルタリングを実行したいかもしれない。ここで、PDNコネクション、又はデフォルト・ベアラセットアップ又はコネクションとは、PDN1106からいくつかのサービスを得るために、LMA/HA220との間に生成するコネクションを言う。このようなシナリオにおいて、MN200は、あるプリフィックス(プリフィックスP2とする)に対してマルチホーミングを実現するために、BUメッセージ1111をLMA/HA220に送信して、BCE1113に示すようにプリフィックスP2から生成したHoA(P2)を、プリフィックスP1から生成したHoA(P1)にバインドする。
(2)ここで、MN200は既に、LMA/HA220とのブートストラッピングを実行していて、プリフィックスP1及びP2からそれぞれHoA(P1)及びHoA(P2)を生成していたものとする。さらに、MN200はBUメッセージ1111内にフィルタルールを記述してWLANパスをプリフィックスP2のフローのデフォルトパスとして指示する。このときのBCE1113内のフィルタルール(P2パケットのデフォルト→HoA(P2))を図18に示す。このフィルタルールでは、プリフィックスP2のフローは常にWLANアクセス経由で配送される。
(3)このようなシナリオにおいて、モビリティ又は他の理由により、MN200は、WLANアクセス経由のコネクションを喪失(切断)するものとする。この場合、MN200は、安定した3GPPインタフェースIF1をアクティブモードに切り換えて、サービス要求メッセージを3GPPアクセスネットワーク1100経由で不図示のMME(Mobility Management Entity)に送信する。MMEの機能は、非特許文献9に明確に説明されている。
(4)MN200が3GPPインタフェースIF1をアクティブモードに切り換えると、LMA/HA220ではBCE1112及びBCE1113に示すように、「すべてのフローは不安定なWLANアクセス経由で送信されなければならない」ことを示すフィルタルール(P1パケット→CoA(P1),P2パケット→HoA(P1))がセットアップされているので、データパケットは3GPPアクセス経由では転送もルーティングもされない。ここで重要な点は、MN200が外部バインディング登録を明示的に削除(すなわちHoAとCoAとのバインディングを除去)しなければ、フィルタルールベースのルーティングを実行することにある。ここで当業者であれば、3GPPコネクションの確立後に、MN200がフィルタルールを変更して3GPPパスをそのフローのデフォルトパスにセットアップできることが理解できるが、この場合には、そのような3GPPパスへフィルタルールをセットアップするか又は移動するには、ある程度の遅延が発生する。また、MN200が明示的にフィルタルールを3GPPパスへ移動すると、パケットロスが発生し、MN200はセッションの品質低下やサービスの品質低下を被る。安定したアクセスとのコネクション中にパケットロスが発生すると、リアルタイムなアプリケーション用のQoS(Quality of Service)の品質低下を招く。
(5)次の仮定として、安定した3GPPアクセスとのコネクション後にいくらかの時間が経過して、MN200が別のWLANアクセスを発見した場合、MN200は、BCE1112及びBCE1113に示すような前のフィルタルールをリセットしたいかもしれない。この場合には、MN200は、明示的なフィルタルール・シグナリングで古いフィルタルールをリセットする必要がある。また安定した3GPPアクセスから、望ましいが安定しないWLANアクセスへのコネクションに戻ると、フィルタルールのターゲットが安定した3GPPアクセスのままなのでパケットロスが発生する。
また、MN200がアクティブなリアルタイム・アプリケーションを有し、かつその複数のコネクションを3GPPアクセスに移してさらにWLANアクセスに戻している間にローミングしている場合、複数のハンドオフイベント時のパケットロスによりセッションの品質低下が発生する。
さらに、上記のパケットロスの問題は、一般的なシナリオに関して説明したが、非特許文献7、非特許文献8に示すように、MN200がHPLMN(Home Public Land Mobile Network)、又はVPLMN(Visited Public Land Mobile network)に接続(connect)しているとき、又はHPLMNとVPLMNに同時に接続(connect)しているときにも発生する。また、上記の問題は、MN200の3GPPインタフェースIF1がアイドルモードのときについて説明したが、MN200のすべてのインタフェースが完全にアクティブモードで接続(connect)しているときにも発生する。
ここで他の従来技術として、特許文献10[US Patent US7136645 B2]には、モバイルノードがあるネットワークから別のネットワークにローミングしてインターコネクトしているなどの理由により、モバイルノードが到達性のないとき、又はサスペンドしているとき、又はネットワークアドレスを変更している場合に、モビリティ管理サーバ(HA又はローカルアンカー)がそのモバイルノードのコネクションを維持する方法が記載されている。しかしながら、コネクションすなわちバインディングを維持しても、そのバインディングが切断期間中にのみ使用される特別な目的のバインディングであってパケットロスの問題を解決するものでない場合には、パケットロスの問題を解決することができない。
また、特許文献11[US Patent Application Publication US2009/0080451 A1]には、あるデータフローに対して他のフローより優先度を付与する方法が記載されている。特にこの方法は、優先度の取り扱いに関する。しかしながら、この優先度の取り扱い方法は、フィルタルールに関連せず、切断中又は安定したアクセスへのハンドオフ中のパケットロスの問題を解決することができない。
また、特許文献12[US Patent Application Publication US2008/0177994 A1]には、ウインドウ(登録商標)動作システムに関連するリセット機能に関する方法が記載されている。この方法では、モバイルノードのあるステート、例えば動作システムのイメージがブートアップ後にディスク又は揮発性メモリにセーブされ、モバイルノードが再ブートしたときにそのステートが取得されてそのステートを使用して直ぐに又は瞬間的にスタートできる。特定のステートをストアして再使用する方法は、あるアクティブな期間及びアクティブでない期間を有するフィルタルールに適用することができる。しかしながら、上記の文献には、不安定なアクセスから突然に切断するときに、ストアしたステートがどのようにしてパケットロスを解決するのに役立つかについては記載されていない。
また、特許文献13[US Patent Application Publication US2003/0078006 A1]には、モバイルノードのパケット受信時と基地局のビーコン送信に対するアクティブな期間及びアクティブでない期間のライフサイクルに着目した方法が記載されている。アクティブなパケット受信及び送信についての記載は、LMA/HAにおけるフィルタルールに適用してハンドオフ中のサイクリックなパケットロスの問題を必ずしも解決することはできない。
また、特許文献14In [PCT Patent Application Publication WO2006/002379 A2]には、パケット分類とモバイルノードのパワーモードを指標とするサービステーブルについて論じられている。しかしながら、上記の文献には、パケットロスの問題を解決するためにモバイルノードがハンドオフ中にメカニズムをアクティブにすることについては記載されていない。
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このため、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、切り換えタイミングが早すぎると切り換え前のインタフェースを有効利用できず、逆に切り換えタイミングが遅すぎるとパケットロスが発生するという問題点がある。
本発明は上記の問題点に鑑み、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができるインタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノードを提供することを目的とする。
本発明はまた、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でフロー種別ごとにパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができるインタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノードを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムであって、
前記第1の代理ノードから前記移動管理ノードに対して、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録する手段と、
前記モバイルノードが、前記第1の経路の接続状況の変化を検出した場合に、前記第1の代理ノードに対して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する手段と、
前記第1の代理ノード又は前記モバイルノードが、前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記移動管理ノードに対して前記第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段とを、
有する構成とした。
この構成により、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、切り換え先の第2のバインディング登録を、切り換え先の第2の代理ノードが要求するのではなく、切り換え前の第1の代理ノード又はモバイルノードが要求するので、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができる。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記モバイルノードであって、
前記第1の経路を介して通信中に、前記第1の経路の接続状況の変化を検出した場合に、前記第1の代理ノードに対して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する手段を、
有する構成とした。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記第1の代理ノードであって、
前記移動管理ノードに対して、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録するよう要求する手段と、
前記モバイルノードから、前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録するメッセージを受信する手段と、
前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記移動管理ノードに対して前記第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段とを、
有する構成とした。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記移動管理ノードであって、
前記第1の代理ノードから、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録する要求を受信して前記第1の転送情報を登録する手段と、
前記第1の代理ノード又は前記モバイルノードから、前記第1の転送情報を無効化して前記第2の転送情報を有効化する要求を受信して、前記第1の転送情報を無効化し、前記第2の転送情報を有効化する手段とを、
有する構成とした。
本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができる。
また本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でフロー種別ごとにパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができる。
本発明が想定するインタフェース切換システムを示す構成図 本発明の望ましい実施の形態におけるモバイルノードを機能的に示すブロック図 本発明の望ましい実施の形態におけるモバイル・アクセス・ゲートウェイを機能的に示すブロック図 本発明の望ましい実施の形態におけるローカル・モビリティ・アンカーを機能的に示すブロック図 本発明の第1の実施の形態における通信シーケンスを示す説明図 図5のバインディング事前登録メッセージのフォーマットの一例を示す説明図 図5の登録削除・トリガメッセージのフォーマットの一例を示す説明図 第2の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 図8の転送メッセージのフォーマットの一例を示す説明図 図8の応答メッセージのフォーマットの一例を示す説明図 本発明が想定する他のシステムを示す構成図 第3の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第4及び第5の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第6の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 図14のトリガメッセージのフォーマットの一例を示す説明図 第7の実施の形態のインタフェース切換システムを示す構成図 第7の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第8の実施の形態におけるネットワークを示す説明図 第8の実施の形態における動作及び通信シーケンスを示す説明図 第9の実施の形態における動作及び通信シーケンスを示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<システム>
図1は、本発明が想定するインタフェース切換システムを示す。MN200は複数のネットワーク・インタフェースの一例として、3GPPインタフェースIF1とWLANインタフェースIF2(図5参照)を有し、ローカルモビリティ管理(LMM)ドメイン210をローミング中にインタフェースIF1又はIF2を使用してCN250と通信を行っている。LMMドメイン210は、MN200のホームエージェント(移動管理ノード)となるローカル・モビリティ・アンカー(LMA)220と、MN200の代理ノードとなる3GPPのモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG(3GPP))230及びWLANのMAG(WLAN)232と、不図示のAAAサーバを有する。3GPPインタフェースIF1、WLANインタフェースIF2は、それぞれMAG(3GPP)230、MAG(WLAN)232との間でセルラ接続(connection)240、WLAN接続242を確立するものとする。ここで、WLAN接続242がセルラ接続240より帯域が広く、通信コストも低いので、MN200はWLAN接続242経由のルーティングの方を希望するものとする。ただし、セルラと比較して、WLANのアクセスネットワークは、通信範囲が狭く、また散在しているので、MN200は、WLAN接続242が失われたときに、最小限のパケットロス及び遅延で、WLAN接続242からセルラ接続240へのシームレスなハンドオーバを実現する。ここで、セルラとWLANは、単なる説明のためであって、本発明はこれには限定されない。
<MNの構成>
図2はMN200の構成を機能的に示すブロック図である。MN200は、インタフェースIF1、IF2を含む複数のネットワーク・インタフェース(以下、単にインタフェース)110と、パケットをMN200内の関連プログラム又はインタフェース110に転送するルーティング・ユニット120と、ネットワーク層より上位の層のプロトコル及びプログラムを実行する上位層ブロック130を有する。インタフェース110は、通信メディアを介して他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを実行する機能ブロックである。関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、インタフェース110は、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ及び通信プロトコルを表す。
ルーティング・ユニット120は、パケットを上位層ブロック130内のどの適切なプログラムに渡して処理させるかを決定したり、インタフェース110内のどの適切なインタフェースに渡して転送させたりするかを決定する。ルーティング・ユニット120は、関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、レイヤ3(ネットワーク層)プロトコル、例えばIPv4又はIPv6(Internet Protocol version 4 or 6)の機能を表す。ルーティング・ユニット120は、パケットをシグナル/データパス192を経由してインタフェース110の適切なインタフェースから受信したり、インタフェース110の適切なインタフェースに送信したりすることができる。また、ルーティング・ユニット120は、パケットをシグナル/データパス194を経由して上位層ブロック130から受信したり、上位層ブロック130に送信したりすることができる。
上位層ブロック130が実行するネットワーク層より上位の層のプロトコル及びプログラムは、トランスポート層とセッション層のプロトコル、例えばTCP(Transmission Control Protocol)、SCTP(Stream Control Transport Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)と、他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを含む。
ルーティング・ユニット120は、ルーティング・テーブル140と、バインディング事前登録手段150と、事前登録バインディング・トリガ手段160を有する。ルーティング・テーブル140はルーティング・ユニット120に対して、パケットをインタフェース110のどのインタフェースにルーティングさせるかを示すルーティング・エントリ(例えば送信元アドレス、あて先アドレス)を含む。バインディング事前登録手段150と事前登録バインディング・トリガ手段160が本発明で追加したコア部分である。バインディング事前登録手段150は、BUメッセージやPBUメッセージのように無条件のバインディング登録要求メッセージではなく、アクティブ条件付きのバインディング登録(ある1つのプリフィックスを別のプリフィックスに関連付けるか、又はある1つのホームアドレスを別のホームアドレスに関連付ける転送先情報)を事前登録するメッセージをアクセスルータに送信し、また、この事前登録メッセージが存続期間を含む場合には、存続期間が満了したとき又は近傍の時点で存続期間をリフレッシュする。
バインディング事前登録手段150はまた、第8の実施の形態ではアクティブ期間及び非アクティブ期間を有するフロー種別の事前登録フィルタルールを登録し、さらに第9の実施の形態ではアクティブ期間及び非アクティブ期間を有するフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールを登録する。事前登録バインディング・トリガ手段160は、バインディング登録、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールを事前登録するメッセージを送信するようバインディング事前登録手段150をトリガする。また、必要な場合には、アクセスルータに登録されている事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをアクティブにするためのトリガ信号をアクセスルータに送信する。
<MAGの構成>
図3は、MAG(3GPP)230、MAG(WLAN)232の構成を機能的に示すブロック図である。MAG230、232は、パケットを送受信するための1又は複数のネットワーク・インタフェース(以下、単にインタフェース)110bと、パケットをインタフェース110bのどの適切なインタフェースを介して転送させるかを決定するルーティング・ユニット120bを有する。インタフェース110bも同じく、通信メディアを介して他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを実行する機能ブロックであり、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ及び通信プロトコルを表す。
ルーティング・ユニット120bは、インタフェース110内のどの適切なインタフェースに渡して転送させるかを決定する。さらに、プロキシ・モバイルIP(PMIP)のMAGの機能を有し、関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、レイヤ3(ネットワーク層)プロトコル、例えばIPv4又はIPv6の機能を表す。ルーティング・ユニット120bは、パケットをシグナル/データパス192bを経由してインタフェース110bの適切なインタフェースから受信したり、インタフェース110bの適切なインタフェースに送信したりすることができる。
ルーティング・ユニット120bは、プロキシ・バインディング・アップデート(PBU)手段130bと、ルーティング・テーブル140bと、事前登録バインディング・テーブル150bと、事前登録バインディング・トリガ手段160bを有する。PBU手段130bは、自身のMAG230、232に現在、接続(attach)しているMN200のためにPBUメッセージをLMA220に送信する。ルーティング・テーブル140bは、パケットをどのようにルーティングするかをルーティング・ユニット120bに指示するためのルーティング・エントリを有し、例えばどのインタフェースを介して転送するかを示すパケットパラメータ(送信元アドレス及びあて先アドレス)を有する。
事前登録バインディング・テーブル150bと事前登録バインディング・トリガ手段160bが本発明で追加したコア部分である。事前登録バインディング・テーブル150bは、MN200により事前登録されたバインディング(事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルール)をストアしている。事前登録バインディング・トリガ手段160bは、特定のイベントが発生した場合に、事前登録バインディング・テーブル150bにストアされている事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをアクティブにし、また、必要な場合に事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをLMA220に転送する。
<LMAの構成>
図4はLMA220の構成を機能的に示すブロック図である。LMA220は、パケットを送受信するための1又は複数のネットワーク・インタフェース(以下、単にインタフェース)110cと、パケットをインタフェース110bのどの適切なインタフェースを介して転送させるかを決定するルーティング・ユニット120cを有する。インタフェース110cも同じく、通信メディアを介して他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを実行する機能ブロックであり、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ及び通信プロトコルを表す。
ルーティング・ユニット120cは、インタフェース110内のどの適切なインタフェースに渡して転送させるかを決定する。さらに、プロキシ・モバイルIP(PMIP)のLMAの機能を有し、関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、レイヤ3(ネットワーク層)プロトコル、例えばIPv4又はIPv6の機能を表す。ルーティング・ユニット120cは、パケットをシグナル/データパス192cを経由してインタフェース110cの適切なインタフェースから受信したり、インタフェース110cの適切なインタフェースに送信したりすることができる。
ルーティング・ユニット120cは、プロキシ・バインディング・キャッシュ130cと、ルーティング・テーブル140cと、事前登録バインディング・テーブル150cと、事前登録バインディング・トリガ手段160cを有する。プロキシ・バインディング・キャッシュ130cは、PMIPにしたがってMN200のプロキシ・バインディング登録を維持する。ルーティング・テーブル140cは、パケットをどのようにルーティングするかをルーティング・ユニット120cに指示するためのルーティング・エントリを有し、例えばどのインタフェースを介して転送するかを示すパケットパラメータ(送信元アドレス及びあて先アドレス)を有する。
事前登録バインディング・テーブル150cと事前登録バインディング・トリガ手段160cが本発明で追加したコア部分である。事前登録バインディング・テーブル150cはMN200とMAG230、232により事前登録されたバインディング登録(事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルール)、ストアしている。事前登録バインディング・トリガ手段160cは、特定のイベントが発生した場合に、事前登録バインディング・テーブル150cにストアされている事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをアクティブにする。
<第1の実施の形態>
図5は第1の実施の形態の通信シーケンスを示す。まず、MN200は、MAG(WLAN)232と通信中(接続中)であり、したがって、MAG(WLAN)232からLMA220に対してPBUメッセージ301が既に送信されていて、LMA220には既にWLAN接続242に関するバインディングが登録されている。MN200は、MAG(WLAN)232と通信中にインタフェース切換イベント300が発生すると、セルラ接続240に関するバインディング登録を事前登録するバインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続242を介してMAG(WLAN)232に送信する。インタフェース切換イベント300とは例として、WLAN接続242の信号強度が所定の閾値より低下した場合や、MN200の移動速度を検知することによりWLAN接続242が失われることを予測した場合や、MN200がWLAN接続242を介してリアルタイムな通信セッションを開始していて最小限のパケットロスや遅延などを希望する場合などのいずれか1以上のイベントである。
バインディング事前登録メッセージ302は、MN200が現在のWLAN接続242のバインディングの代わりにセルラ接続240を確立したいという希望を含む。ここで、代わりのセルラ接続240を識別する方法としては、種々の望ましい方法がある。例えばセルラ接続240とWLAN接続242の各々に対してユニークなプリフィックスが割り当てられている場合にセルラ接続240のプリフィックスを使用するか、3GPPインタフェースIF1のインタフェース識別子を使用する。バインディング事前登録メッセージ302はまた、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにする方法を示し、例えばWLAN接続242が切断された時点や、MAG(WLAN)232が特定の信号を受信した時点などが、事前登録バインディングをアクティブにする情報として示される。図5では、WLAN接続242が切断(図の310)された時点で事前登録バインディングをアクティブにするとしている。
MAG(WLAN)232は、セルラ接続240のバインディング事前登録メッセージ302を受信すると、その事前登録バインディングを事前登録バインディング・テーブル150bに登録する。ここでは、セルラ接続240のバインディングが仮登録されただけであり、アクティブ(本登録)ではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。このWLAN経由の転送は、WLAN接続242が切断(図の310)されるまで継続する。ここで、レイヤ2のアクセス技術では、アクセスルータは、モバイルノードが接続(connection)を失ったことを瞬時に検出することができる。
MAG(WLAN)232は、WLAN接続242の切断310を検出すると、登録削除・トリガメッセージ312aをLMA220に送信する。登録削除・トリガメッセージ312aは2つの目的を有する。第1の目的は、MAG(WLAN)232に登録されているセルラ接続240の事前登録バインディングをLMA220に登録してトリガ(すなわち本登録)することにあり、第2の目的は、MAG(WLAN)232からWLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録(PBUメッセージ301の内容)を削除することにある。このため、LMA220は、登録削除・トリガメッセージ312aを受信すると、MN200のWLAN接続242経由のデータパケットをセルラ接続240経由で転送する。なお、ここで言う登録削除とは、バインディング登録されている情報そのものを削除するのではなく、バインディングとしての登録を解除することを示してもよい。この場合、LMA220は、登録削除・トリガメッセージ312aを受信した際に、WLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録を、非アクティブ化(無効化)する。このため、WLANインタフェースIF2のプリフィックスに関するバインディング情報は保持され、MN200が再びWLAN接続242を確立した際にアクティブ化(有効化)される。つまり、登録の解除はされるものの、実際の情報は消されずに保持される。これにより、MN200のWLANが再接続した際にバインディング情報の再登録が不要となる。
ここで、LMA220がMN200のWLAN接続242経由で転送されるデータパケット314を受信する場合を考える。このとき、MN200は既にMAG(WLAN)232から切断されているので、従来技術では、データパケット314はMAG232へ転送されるが、MN200はすでにMAG232に接続していないため破棄される。一方、本発明では、LMA220には、MAG(WLAN)232に登録されていたセルラ接続240の事前登録バインディングが本登録されているので、データパケット314は転送経路316で示されるようにMAG230へ転送され、そしてMAG230は転送経路318で示されるようにセルラ接続240経由でMN200へ転送する。
この動作は、通常のPMIPv6動作と異なる。なお、通常のPMIPv6動作では、MAG(3GPP)230がPBUメッセージ322を送信して、ハンドオフ指示フラグで、WLAN接続242に関連するプリフィックスを移すことを指示することを必要とする。これに対し、本実施の形態では、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされると、LMA220は、セルラ接続240のPBUメッセージ322を受信する前であっても、MAG(3GPP)230あての転送を開始することができる。以上説明したように、本実施の形態によれば、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続240に転送される。
<バインディング事前登録メッセージ>
図6はバインディング事前登録メッセージ302のフォーマットの一例を示す。このメッセージ302は、このメッセージ302がIPを使用する場合にはIPヘッダ1005を含み、IPヘッダ1005の後に実メッセージ1010が続く。メッセージ302がレイヤ2のメカニズム経由で送信される場合には、IPヘッダ1005は、レイヤ2フレームの適切なヘッダと置き換えられる。実メッセージ1010は、メッセージタイプ1012とバインド先1014の各フィールドを含む。メッセージタイプ1012は、このメッセージ302がバインディング登録の事前登録であることを示す。バインド先1014は、事前登録バインディングのバインド先の情報(転送先情報)を示し、事前登録バインディングがアクティブになった際にパケットの転送先となる接続を示す。例としてはバインド先のネットワーク・プリフィックス又はMAG、又はMN200のバインド先インタフェースなどを識別する情報(アドレスやIDなど)である。なお、このバインディング事前登録メッセージ302としては、MN200とMAG(WLAN)232へ接続する際に行われる接続手続き(Attach Procedure)の中でやり取りされるシグナリングを用いてもよいし、MN200とMAG(WLAN)232との間でSA(Security Association)を確立するために行われるIKEv2(Internet Key Exchange)の中でやり取りされるシグナリングを用いてもよい。また、BUメッセージを用いてもよい。
<登録削除・トリガメッセージ>
図7は登録削除・トリガメッセージ312aのフォーマットの一例を示す。このメッセージ312aは、LMA220に事前登録バインディングを登録してアクティブにする機能と、PMIPにおける登録削除のPBUメッセージの機能を有する。メッセージ312aは、このメッセージ312aがIPを使用する場合にはIPヘッダ1025を含み、IPヘッダ1025の後に実メッセージ1030が続く。メッセージ312aがレイヤ2のメカニズム経由で送信される場合には、IPヘッダ1025は、レイヤ2フレームの適切なヘッダと置き換えられる。実メッセージ1030は、メッセージタイプ1032と、MNプリフィックス1034と、バインド先1036の各フィールドを含む。メッセージタイプ1032は、このメッセージ312aが登録削除・トリガメッセージであることを示す。MNプリフィックス1034は、メッセージ312aの送信元MAGが取り扱っているMN200のプリフィックスであって登録削除すべきプリフィックスを示す。バインド先1036は事前登録バインディングのバインド先を示し、事前登録バインディングがアクティブになった際にパケットの転送先となる接続を示す。例としてはバインド先のネットワーク・プリフィックス又はMAG、又はMN200のバインド先インタフェースなどを識別する情報(アドレスやIDなど)である。なお、この登録削除・トリガメッセージ312aとしてPBUメッセージを用いてもよい。
<第2の実施の形態>
図8は第2の実施の形態の通信シーケンスを示す。MN200は、MAG(WLAN)232と通信中(接続中)であり、したがって、MAG(WLAN)232からLMA220に対してPBUメッセージ301が既に送信されていて、LMA220には既にWLAN接続242に関するバインディングが登録されている。MN200は、MAG(WLAN)232と通信中にインタフェース切換イベント300が発生すると、バインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続242を介してMAG(WLAN)232に送信する。バインディング事前登録メッセージ302は、MN200が現在のWLAN接続242のバインディングの代わりにセルラ接続240を確立したいという希望を含む。なお、インタフェース切換イベントや代わりのセルラ接続240を識別する方法の例は、第1の実施の形態と同様である。バインディング事前登録メッセージ302はまた、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにする方法を示し、例えばWLAN接続242が切断された時点や、MAG(WLAN)232が特定の信号を受信した時点などが、事前登録バインディングをアクティブにする情報として示される。図8では、WLAN接続242が切断(図の310)された時点で事前登録バインディングをアクティブにするとしている。
MAG(WLAN)232は、バインディング事前登録メッセージ302を受信すると、その内容を事前登録バインディング・テーブル150bに登録するとともに、バインディング事前登録転送メッセージ304でLMA220に転送する。転送メッセージ304は2つの目的を有する。第1の目的は、LMA220におけるWLAN接続242に関するプリフィックスをセルラ接続240に関するプリフィックスに仮にバインディング登録することにある。このため、LMA220は、転送メッセージ304内の事前登録バインディングを事前登録バインディング・テーブル150cに登録する。この意味は、LMA220におけるセルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされると、LMA220がMAG(WLAN)232あてのパケットを代わりにMAG(3GPP)230あてにトンネル化するということである。
転送メッセージ304の第2の目的は、LMA220に対して、セルラ接続240のプロキシとなるMAG(3GPP)230のアドレス又はアドレスを導き出すことができる情報(FQDN)などをMAG(WLAN)232に通知するよう要求することにある。このため、LMA220は、応答メッセージ306をMAG(WLAN)232に送信して、MAG(3GPP)230がセルラ接続240のプロキシノードであることを通知する。ここで、MAG(WLAN)232がMAG(3GPP)230を知得する他の手段を有する場合には、転送メッセージ304はなくてもよい。この他の手段としては、MN200がセルラ接続240に関するネットワーク・プリフィックス、又は他のパラメータからMAG(3GPP)230のアドレス又はアドレスを導き出すことができる情報を知得するか、或いはドメイン210内の独立したサーバに問い合わせることにより知得し、バインディング事前登録メッセージ302を用いて明示的にMAG(WLAN)232へ通知することが考えられる。
これらのメッセージ302、304、306により、仮のバインディングがMAG(WLAN)232とLMA220の両方に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。このWLAN経由の転送は、WLAN接続242が切断(図の310)されるまで継続する。ここで、レイヤ2のアクセス技術では、アクセスルータは、モバイルノードが接続(connection)を失ったことを瞬時に検出することができる。
MAG(WLAN)232は、WLAN接続242の切断310を検出すると、セルラ接続240の事前登録バインディング登録をアクティブにするために、プロキシ・モバイルIPにより、WLAN接続242に関するバインディング登録(すなわちPBUメッセージ301の内容)を削除するよう要求するプロキシBU(登録削除PBU)メッセージ312をLMA220に送信する。LMA220は、登録削除PBUメッセージ312を受信すると、MAG(WLAN)232からWLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録を削除し、また、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにする。なお、ここで言う登録削除とは、バインディング登録されている情報そのものを削除するのではなく、バインディングとしての登録を解除することを示してもよい。この場合、LMA220は、登録削除PBUメッセージ312aを受信した際に、WLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録を、非アクティブ化(無効化)する。このため、WLANインタフェースIF2のプリフィックスに関するバインディング情報は保持され、MN200が再びWLAN接続242を確立した際にアクティブ化(有効化)される。つまり、登録の解除はされるものの、実際の情報は消されずに保持される。これにより、MN200が再接続した際にバインディング情報の再登録が不要となる。
ここで、LMA220が登録削除PBUメッセージ312を受信する前に、WLAN接続242経由で転送するデータパケット314を受信したものとすると、LMA220は、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされていないので、通常の動作としてデータパケット314をMAG(WLAN)232あてのデータパケット316にトンネル化する。そこで、MAG(WLAN)232は、データパケット316を受信したときには、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされているので、データパケット316をインタセプトしてデータパケット318でMAG(3GPP)230に転送する。これにより、MAG(WLAN)232がWLAN接続242の切断310を検出した後にデータパケット316を受信した場合でも、MAG(3GPP)230へ転送することができるため、パケットロスを防ぐことができる。ここで、MAG(WLAN)232は、データパケット318の転送先のMAG(3GPP)230を応答メッセージ306又は他の手段で知得している。MAG(3GPP)230はそのデータパケット318をデータパケット320でMN200に転送する。
LMA220は、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされているときに(すなわち登録削除PBUメッセージ312を受信した後に)データパケットを受信すると、そのデータパケットをMAG(WLAN)232の代わりにMAG(3GPP)230あてに転送する。この動作は、通常のPMIPv6動作と異なる。なお、通常のPMIPv6動作では、MAG(3GPP)230がセルラ接続240のPBUメッセージ322を送信して、ハンドオフ指示フラグで、WLAN接続242に関連するプリフィックスを移すことを指示することを必要とする。これに対し、本実施の形態では、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされると、LMA220は、セルラ接続240のPBUメッセージ322を受信する前であっても、MAG(3GPP)230あての転送を開始することができる。以上説明したように、本実施の形態によれば、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続240に転送される。
<バインディング事前登録転送メッセージ>
図9はバインディング事前登録転送メッセージ304のフォーマットの一例を示す。このメッセージ304は、事前登録バインディングをLMA220に登録する機能と、メッセージ304内に記述されているバインド先を取り扱っているMAGに関する情報(アドレスなど)を、このメッセージの送信元に通知するようLMA220に要求する機能を有する。メッセージ304は、このメッセージ304がIPを使用する場合にはIPヘッダ1045を含み、IPヘッダ1045の後に実メッセージ1050が続く。実メッセージ1050は、メッセージタイプ1052と、MNプリフィックス1054と、バインド先1056の各フィールドを含む。メッセージタイプ1052は、このメッセージが事前登録転送メッセージ304であることを示す。MNプリフィックス1054は、このメッセージの送信元MAGが取り扱っているMN200のプリフィックスであって、事前登録バインディングがアクティブになったときに転送すべきプリフィックスを示す。バインド先1056は、事前登録バインディングのバインド先を示し、事前登録バインディングがアクティブになった際にパケットの転送先となる接続を示す。例としてはバインド先のネットワーク・プリフィックス又はMAG、又はMN200のバインド先インタフェースなどを識別する情報(アドレスやIDなど)である。なお、このバインディング事前登録転送メッセージ304としてPBUメッセージを用いてもよい。
<応答メッセージ>
図10は応答メッセージ306のフォーマットの一例を示す。メッセージ306は、このメッセージ306がIPを使用する場合にはIPヘッダ1065を含み、IPヘッダ1065の後に実メッセージ1070が続く。実メッセージ1070はメッセージタイプ1072とバインド先1074の各フィールドを含む。メッセージタイプ1072は、このメッセージが応答メッセージ306であることを示す。バインド先1074は、事前登録バインディングに記述されているバインド先を扱っているMAGの実際のアドレスである。なお、この応答メッセージ306としてPBAメッセージを用いてもよい。
<第3の実施の形態:バインド先の変更>
通常、モバイルノードは、事前登録バインディングとして不安定な接続を、安定している接続にバインドする。バインド先(切り換え先インタフェース)の接続は安定しているので、事前登録バインディングがアクティブにされる前にバインド先の接続が変更されることは殆どない。ただし、以下のようなことが考えられる。図11は、本発明が想定する他のシステムを示し、図11では、図1に示す構成に対してセルラアクセスタイプのMAG(3GPP)430が追加されている。
図12は図11における通信シーケンスを示し、MN200とMAG(3GPP)230の間のセルラ接続240をMN200とMAG(3GPP)430の間の新しいセルラ接続440にハンドオフする手順を含む。図12におけるPBUメッセージ301と、インタフェース切換イベント300と、バインディング事前登録メッセージ302と、転送メッセージ304と、応答メッセージ306は図8と同じであり、したがって、セルラ接続240の事前登録バインディングがMAG(WLAN)232の事前登録バインディング・テーブル150bと、LMA220の事前登録バインディング・テーブル150cの両方に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。また、LMA220からの応答メッセージ306によって、MAG232には、セルラ接続240はMAG230によって管理されていることが通知される。このセルラ接続240軽油の転送は、イベント510で示されるように、セルラ接続240がセルラ接続440へ切り替わるまで継続する。
セルラ接続240がセルラ接続440にハンドオフ(図の510)されると、新しいMAG(3GPP)430がセルラ接続440のPBUメッセージ512をLMA220に送信して、セルラ接続240を新しいセルラ接続440にアップデートする。PBUメッセージ512はLMA220に対し、MAG(3GPP)430が現在、MN200のセルラ接続を取り扱っている旨を指示する。LMA220は、既にセルラ接続240の事前登録バインディングが転送メッセージ304で登録されているので、この事前登録バインディングがPBUメッセージ512により影響を受けるか否かを事前登録バインディング・テーブル130cでチェックする。
LMA220は、セルラ接続240の事前登録バインディングのバインド先が変更されていることを検出すると、新しい応答メッセージ514をMAG(WLAN)232に送信して、事前登録バインディングのバインド先がMAG(3GPP)230からMAG(3GPP)430に変更されていることを通知する。MAG(WLAN)232は、セルラ接続240の事前登録バインディングのバインド先が変更されてもそのバインド先が通知されているので、WLAN接続242の切断の後にLMA220から転送されてきたパケットを正しいMAG(3GPP)430に転送することができる。このため、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続440に転送される。
<第4の実施の形態:バインド先のチェック>
あるシステムによっては、MAG(WLAN)232にとって上記の事前登録バインディングを受け付ける前にMN200が本当にバインド先のセルラ接続240を有するか否かを検証(verify)する必要があるかもしれない。この証明は、MAG(WLAN)232が転送メッセージ304をLMA220に送信する際に検証を要求して、肯定の応答メッセージ306をLMA220から受信することにより実現することができる。また、代わりにMAG(WLAN)232は、MN200のアクティブな接続に関して必要な情報を有するドメイン210内の他のノード、例えばAAAサーバに問い合わせることができる。さらに他の方法として、MAG(WLAN)232がテストメッセージをバインド先のセルラ接続240に送信する。MN200はこのテストメッセージを受信すると、応答することによりMN200が本当にバインド先のセルラ接続240を有することを示す。
さらに他の方法として、図13に示すようにMN200がバインディング事前登録メッセージ302aをバインド先のセルラ接続240経由でMAG(WLAN)232に送信する。この場合、MAG230によって転送されるので、MAG(WLAN)232が、MN200を検証したMAG230から転送されたバインディング事前登録メッセージ302aを受信した場合に、MN200の検証が完了する。加えて、この方法はまた、MAG(WLAN)232がLMA220により、MAG(3GPP)230がセルラ接続240を取り扱っていることを通知される必要がないことを意味する。バインディング事前登録メッセージ302aの内容がMAG(3GPP)230により転送されるということは、MAG(WLAN)232に対してMAG(3GPP)230がセルラ接続240を取り扱っていることを示す。
図13を参照して、MN200がバインディング事前登録メッセージ302aをバインド先のセルラ接続240経由でMAG(WLAN)232に送信する場合について説明する。前述したインタフェース切換イベント300が発生すると、MN200はバインディング事前登録メッセージ302をMAG(WLAN)232に直接に送信する代わりに、バインディング事前登録転送メッセージ304aをセルラ接続240経由でMAG(3GPP)230に送信する。MAG(3GPP)230は、事前登録転送メッセージ304aを受信すると、バインディング事前登録メッセージ302aをMAG(WLAN)232に送信する。このため、事前登録バインディングがMAG(3GPP)230経由でMAG(WLAN)232に送信されるので、MAG(WLAN)232は、MN200がセルラ接続240を有することを検証する必要がない。MAG(WLAN)232はまた、MAG(3GPP)230がセルラ接続240を取り扱っていることを知得することができる。なお、この目的のためには、MAG(3GPP)230がバインディング事前登録メッセージ302aに識別キーで署名して、バインディング事前登録メッセージ302aが真であることをMAG(WLAN)232に示すことが望ましい。
<第5の実施の形態:バインド先の変更先のチェック>
図13はまた、MN200がバインディング事前登録メッセージ302aをバインド先のセルラ接続240経由でMAG(WLAN)232に送信する例として、図5を変形した例を示し、MN200とMAG(3GPP)230の間のセルラ接続240をMN200とMAG(3GPP)430の間の新しいセルラ接続440にハンドオフする手順を含む。図13における事前登録バインディングを再送する目的は、バインド先の接続を実際に取り扱っているMAG(3GPP)430になるようMAG(WLAN)232をアップデートすることにある。
MAG(3GPP)230からMAG(3GPP)430にハンドオフ(図の510)されると、MAG(3GPP)430はPBUメッセージ616でLMA220をアップデートする。また、MN200は、バインディング事前登録転送メッセージ304bをセルラ接続240経由でMAG(3GPP)430に送信する。MAG(3GPP)430は、事前登録転送メッセージ304bを受信すると、バインディング事前登録メッセージ302bをMAG(WLAN)232に送信する。ここでは、セルラ接続440の事前登録バインディングがMAG(3GPP)430経由でMAG(WLAN)232に送信されるので、MAG(WLAN)232は、MN200がセルラ接続440を有することを検証する必要がない。MAG(WLAN)232はまた、MAG(3GPP)430がセルラ接続440を取り扱っていることを知得することができる。このため、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続440に転送される。
<第6の実施の形態:事前登録バインディング・トリガの変形>
上記の実施の形態では、接続(connection)が失われたことをMAGが瞬時に検出できるものと仮定しているが、レイヤ2のアクセス技術では一般的に真であり、基地局又はアクセスポイントは、移動局が関連していないことを瞬時に知得する。しかしながら、MAGがこれを瞬時に知得できないアクセス技術や状況がある。一例として、WLAN接続242がPPP(Point-To-Point Protocol)トンネルであるケースがある。このケースは、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワーク(non-trusted WLAN access network)をローミングしていて、3GPPのアクセス及び機能にアクセスするために、ePDG(evolved Packet Data Gateway)に対してPPPトンネルをセットアップするときに発生する。この場合には、MN200とMAG(WLAN)232との間のアクセスがPPPトンネルであるので、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワークとのWLAN接続242を失うと、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワークには位置していないことを知得するのにある程度の時間がかかる。この状況下では、接続ロスを検出して、事前登録バインディングをアクティブにするためのトリガとして役には立たず、他の方法を必要とする。
1つの望ましい方法は、図14に示すように、MN200の事前バインディング・トリガ手段160が、インタフェースが切断した際に事前登録バインディングをアクティブにするトリガ信号を、セルラ接続240、440経由で送信することである。ここで、図8に示したように、MN200は2つの接続として、すなわちMAG(3GPP)230に対する安定した第1のセルラ接続240と、信頼できないWLANアクセスネットワークを経由したPPP接続かもしれない安定していない第2のWLAN接続242を有する。図14におけるPBUメッセージ301と、インタフェース切換イベント300と、バインディング事前登録メッセージ302と、転送メッセージ304と、応答メッセージ306は図8と同じであり、したがって、セルラ接続240の事前登録バインディングがMAG(WLAN)232とLMA220の両方に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは、継続してMAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。また、LMA220からの応答メッセージ306によって、MAG232には、セルラ接続240はMAG230によって管理されていることが通知される。
ここで、切断イベント310では、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワークを経由したPPP接続であるWLAN接続242を失ったものとする。このため、MAG(WLAN)232はこの切断イベント310を直ぐには検出できず、MN200のみがWLANインタフェースIF2上で切断イベント310を直ぐに検出できる。そこで、MN200はプロキシ・モバイルIPにしたがって、MAG(3GPP)230に対して、WLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスをMAG(3GPP)230が引き継ぐように要求するバインディング登録引き継ぎ要求メッセージ712を送信する。バインディング登録引き継ぎ要求メッセージ712の形態は、通常、レイヤ2のシグナリングを用いて送信されるが、当業者であれば、レイヤ3におけるNS(neighbor solicitation)メッセージや、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)におけるメッセージなどの他の手段を用いて送信することができる。本発明ではさらに、バインディング登録引き継ぎ要求メッセージ712で、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにするトリガを送信する。
MAG(3GPP)230は、メッセージ712を受信すると、LMA220に対して、WLAN接続242のプリフィックスを引き継ぐことを要求する適切なハンドオフ指示子を有するPBUメッセージ714を送信する。MAG(3GPP)230はまた、MAG(WLAN)232に対して、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにするトリガメッセージ716を送信する。セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにするということは、WLAN接続242が最早使用されていないことを黙示している。このため、MAG(WLAN)232は、登録削除PBUメッセージ718をLMA220に送信する。ここで、LMA220における事前登録バインディングがアクティブにされる時点は、登録削除PBUメッセージ718を受信した時点、又はPBUメッセージ714内のハンドオフ指示子を受信した時点である。
この効果について、LMA220によりインタセプトされるデータパケット720を例にして説明する。インタセプトされる時点は、切断イベント310の後であってセルラ接続240のPBUメッセージ714を受信する前である。この状況では、LMA220は、WLAN接続242が未だアクティブであると信じており、インタセプトしたデータパケット720をMAG(WLAN)232あてのデータパケット722にトンネル化する。MAG(WLAN)232はこのデータパケット722を受信すると、セルラ接続240の事前登録バインディングが既にトリガ信号716によりアクティブにされていることに気付く。このため、MAG(WLAN)232はこのデータパケット722をデータパケット724でMAG(3GPP)230に送信する。MAG(3GPP)230はこのデータパケット724をデータパケット726でMN200に転送する。
以上説明したように、MN200がアクティブなセルラ接続240を使用して、MAG(WLAN)232におけるセルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにしている。同様に、MAG(WLAN)232がトリガ信号716をMAG(WLAN)232に送信するときに、同じトリガ(セルラ接続240のPBUメッセージ714)がLMA220に送信される。したがって、本実施の形態でも同様に、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延でセルラ接続240に転送される。
<トリガメッセージ>
図15はトリガメッセージ716のフォーマットの一例を示す。トリガメッセージ716は、バインド元のMAG(WLAN)232に登録されている事前登録バインディングをアクティブにするために使用される。トリガメッセージ716は、このメッセージ716がIPを使用する場合にはIPヘッダ1085を含み、IPヘッダ1085の後に実メッセージ1090が続く。メッセージ716がレイヤ2のメカニズム経由で送信される場合には、IPヘッダ1085は、レイヤ2フレームの適切なヘッダと置き換えられる。実メッセージ1090は、メッセージタイプ1092とトリガ信号フィールド1094を含む。メッセージタイプ1092は、このメッセージがトリガメッセージ716であることを示す。トリガ信号フィールド1094は、アクティブにする事前登録バインディングを示す。
<第7の実施の形態:インタフェースが接続するドメインが異なる>
上記の実施の形態ではいずれも、セルラ接続240のバインディング事前登録がローカル・モビリティ・アンカー・ポイントであるLMA220に転送される。このため、LMA220がハンドオフ用のPBUメッセージ714を受信する前に、受信パケットをセルラ接続240にリ・ダイレクトできるようにして、不必要な遅延を防止することに役立つ。次に、図16、図17を参照して第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では、MN200の3GPPインタフェースIF1とWLANインタフェースIF2がそれぞれ、異なるLMMドメイン810、820に接続(attach)している。
図16において、MN200は2つの異なるLMMドメイン810、820内をローミングしている。LMMドメイン810、820はグローバルなインターネット800に接続(connect)されている。LMMドメイン810はLMA821とMAG(3GPP)831を有し、MN200の3GPPインタフェースIF1は、MAG(3GPP)831とセルラ接続841を確立している。LMMドメイン820はLMA822とMAG(WLAN)832を有し、MN200のWLANインタフェースIF2は、MAG(WLAN)832とWLAN接続842を確立している。LMA821、822はインターネット800に接続(connect)されている。
前述したように、セルラ接続841よりWLAN接続842の帯域が広く、通信コストも安いので、MN200はWLAN接続842経由のパケット・ルーティングを希望するものとする。ただし、セルラ・アクセスネットワークと比較して、WLANアクセスネットワークの通信範囲は狭く、また散在しているので、本実施の形態でも、最小限のパケットロス及び遅延で、ドメイン820、821を跨がったWLAN接続842からセルラ接続841へのシームレスなハンドオーバを実現する。ここでも、セルラ接続841とWLAN接続842は、単に説明のためであって、他の接続でもよいことは明らかである。
図17は第7の実施の形態の通信シーケンスを示す。第1の実施の形態と同様に、MN200は、MAG(WLAN)832と通信中にインタフェース切換イベント300が発生すると、バインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続842を介してMAG(WLAN)832に送信する。バインディング事前登録メッセージ302は、MN200がWLAN接続842の現在のバインディングの代わりにセルラ接続841を確立したいという希望を含む。また、MAG(WLAN)832は、バインディング事前登録メッセージ302を受信すると、その内容を転送メッセージ304でLMA822に転送する。ここで、LMA822は、転送メッセージ304内に記述されているWLAN接続842とセルラ接続841の両方を取り扱っていれば、第2の実施の形態と同様に応答メッセージ306を送信するが、この例では、セルラ接続841に関連するプリフィックスがLMMドメイン820に属しないので、セルラ接続841を取り扱っていないことを知得する。
そこで、LMA822は、セルラ接続841に関連するプリフィックスを抽出する。ここで、ローミング契約がLMMドメイン810、820間で締結されているものと仮定すると、LMA822は、MN200がセルラ接続841を有することを検証(verify)できる。検証処理910では、LMA822がLMMドメイン810側(バインド先)のLMA821と通信することにより行われる。検証処理910はまた、LMMドメイン810、820内の不図示のAAAエンティティ経由で行われる。LMA822は、MN200がセルラ接続841を有することを証明(verify)すると、応答メッセージ306をMAG(WLAN)832に送信する。応答メッセージ306では、LMA822はMAG(WLAN)832に対し、セルラ接続841がバインド先のLMA821ではなく、バインド元のLMA822自身により取り扱われていることを通知する。
このバインド先のLMA821ではない理由は複数ある。第1の理由は、ドメイン間の殆どのローミング契約では、選択されたエンティティ間でのみ通信が許可されているからである。このため、バインド元のMAG(WLAN)832は、バインド先のMAG(3GPP)831に対して直接にパケットを送信できないかもしれない。ここでは、バインド元のLMA822のみがバインド先のLMA821と通信するためのセキュリティ対策を確立しているものとし、このため、セルラ接続841の事前登録バインディングがアクティブにされると、パケットはバインド元のLMA822に転送される。第2の理由は、どこに位置するかのプライバシ(Location Privacy)に関するからである。このため、バインド元のLMA822自身は、バインド先のドメイン810内のどのMAGがセルラ接続841を取り扱っているかを知得していない。第3の理由は、LMAは通常、LMMドメインの入り口及び出口のポイントであるからである。このため、バインド元のドメイン820から外に送信されるパケットは、バインド元のLMA822を通過しなければならず、バインド先のドメイン810内に送信されるパケットは、バインド先のLMA821を通過しなければならない。したがって、パケットのルートに関しては、バインド先のセルラ接続841を取り扱っているMAGをバインド元のMAG(WLAN)832やLMA822に通知しても利点はない。
上記のシグナリングを経て、仮のバインディングがバインド元のMAG(WLAN)832とLMA822に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)832とWLAN接続842を経由して転送され、このWLAN経由の転送は、WLAN接続842が切断(図の310)されるまで継続する。MAG(WLAN)832は、WLAN接続842の切断310を検出すると、セルラ接続841の事前登録バインディングをアクティブにするために、プロキシ・モバイルIPによりWLAN接続842の登録削除PBUメッセージ312をLMA220に送信する。LMA220は、登録削除PBUメッセージ312を受信すると、MAG(WLAN)832からWLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録(PBUメッセージ301の内容)を削除し、また、セルラ接続841の事前登録バインディングをアクティブにする。
図17では、MN200あての2種類のデータパケット930、950をLMA822が受信したことを示す。第1のデータパケット930は、LMA822によりWLAN接続842の登録削除PBUメッセージ312の前に受信され、このため、LMA822は、データパケット930をデータパケット932でMAG(WLAN)832に転送する。ここで、MAG(WLAN)832は、セルラ接続841の事前登録バインディングが既にアクティブにされ、また、MAG(WLAN)832のテーブル130bにおけるその事前登録バインディングでは、「LMA822がセルラ接続841を取り扱う」と指示しているので、そのデータパケット932をデータパケット934でバインド元のLMA822に送り返す。バインド元のLMA822はそのデータパケット934をデータパケット936でバインド先のLMA821に転送する。データパケット936は、バインド先のMAG(3GPP)831あてのデータパケット938にトンネル化され、最終的に、MAG(3GPP)831がそのデータパケット938をデータパケット940によってセルラ接続841経由でMN200に転送する。
第2のデータパケット950は、LMA822によりWLAN接続842の登録削除PBUメッセージ312の後に受信され、このため、LMA822は、セルラ接続841の事前登録バインディングが登録削除PBUメッセージ312により既にアクティブにされているので、データパケット950をデータパケット952でバインド先のLMA821に転送する。データパケット950は、バインド先のMAG(3GPP)831あてのデータパケット954にトンネル化され、最終的に、MAG(3GPP)831がそのデータパケット954をデータパケット956によってセルラ接続841経由でMN200に転送する。したがって、本実施の形態でも同様に、WLAN接続832が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続841に転送される。
<第8の実施の形態>
次に、図18及び図19を参照して第8の実施の形態について詳しく説明する。第8の実施の形態では、MN200は、不安定なアクセス(WLANアクセスネットワーク1101)経由のコネクションを喪失したときに、フロー種別ごとのパケットロスを低減させるために3GPPアクセスへ転送先を切り替えるフロー種別を指定した事前登録フィルタルールをLMA/HA220にセットする。さらに第8の実施の形態では、MN200は、事前登録フィルタルールを確立する必要性を決定して、フィルタルール事前登録メッセージを送信する。なお、図18に示す構成は、「背景技術」において既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、3GPPアクセスネットワーク1100、WLANアクセスネットワーク1101は、3GPPやWLAN,WiMAXなどの無線通信に利用可能なアクセスタイプであればどのタイプであってもよい。例えば、WLANの代わりにWiMAXを利用することも考えられる。
図19は上記のフロー種別ごとの事前登録フィルタルールをセットするための通信シーケンスを示す。第8の実施の形態におけるシナリオにおいて、上記の事前登録フィルタルールをセットする場合とは、MN200が最初に、アクティブモードで不安定なWLANアクセス経由で確立されたコネクションと、アイドルモードで安定した3GPPアクセス経由で確立されたコネクションを有する場合である。さらに、MN200は次に、不安定なWLANアクセス経由の接続(connectivity)を喪失したときに、安定した3GPPアクセス経由のコネクションがアクティブモードに切り替わるものとする。
(1)図19において、MN200は3GPPインタフェースIF1とWLANインタフェースIF2を有する。また、MN200は不安定なWLANアクセス経由でアクティブモードによって接続(connect)しているとともに、安定した3GPPアクセス経由でアイドルモードによって接続(connect)している。MAG(WLAN)232がこの不安定なWLANアクセスを管理(PBUメッセージ1200a参照)しているとともに、MAG(3GPP)230がこの安定した3GPPアクセスを管理している。3GPPアーキテクチャでは、MAG232(WLAN)はePDG(evolved Packet Data network Gateway)であり、MAG230(3GPP)はS−GW(Serving GateWay)である。さらに、MN200のモビリティはLMA/HA220により管理されている。3GPPアーキテクチャでは、LMA/HA220はP−GW(Packet data network GateWay)であり、MN200はUE(User Equipment)である。
(2)ここで、MN200は、LMA/HA220とのブートストラッピング後に、ホームアンドアウェイ登録(home and away registration)をLMA/HA220に対して実行することを決定するものとする。さらに、MN200は、ホームアンドアウェイ登録(H=1)とともに、フロー種別ごとのフィルタルールをLMA/HA220に事前登録するものとする。図19のステップ1200は、決定処理を示し、シグナリングメッセージ1201は、その登録メッセージを示す。シグナリングメッセージ1201の内容は、付与されたHoAに対するホームアンドアウェイ登録(H=1)と、現在のフィルタルールと、将来の不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断期間中に使用されるフロー種別ごとのフィルタルール(事前登録フィルタルール)を含む。
(3)MN200は、各インタフェースIF1、IF2用の1又は複数のHoAを構成した後、ステップ1200において現在のフィルタルールのセットを決定するものとする。ここでは、MN200は、両方のインタフェースIF1、IF2経由のホームアンドアウェイ登録(H=1)を行っていても、複数のFIDにより識別されるオーディオフロー、ビデオフロー及びデータフローのようなすべてのフローが不安定なWLANアクセス経由のみで送信されること(P2のデフォルト→HoA(P2))を希望するフィルタルールを使用するものとする。MN200はステップ1200において、この現在アクティブなフィルタルールに加えて、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断時にアクティブ化されるフロー種別ごとのフィルタルール(ここでは、P2のオーディオ及びビデオのフローが3GPPアクセス経由で送信されること(P2のオーディオフロー&P2のビデオフロー→HoA(P1))を希望するフィルタルールを使用するものとする)を事前に登録することを決定する。このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは、LMA/HA220に通知されたときにはアクティブではなく、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断時にアクティブ化される。
このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールを通知する理由は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断時に、この事前登録フィルタルールが現在のフィルタルールより優先するようトリガする必要があるからである。そして、そのトリガによって、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断中には、この事前登録フィルタルールが現在のフィルタルールより優先して使用される。もし、この事前登録フィルタルールがセットされない場合、LMA/HA220においてパケットロスが発生する。その理由は、LMA/HA220が安定している3GPPアクセス経由でルーティングすることを指示する有効なルーティングステートが存在しないものと判断するからである。この場合、LMA/HA220は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが再びセットアップされるまで、すべてのフローのパケットをバッファリングする。このパケットは、ある時間の経過後にバッファのオーバフローにより破棄されるかもしれない。あるいは、バッファリングすらせずに、破棄されるかもしれない。LMA/HA220は、フィルタルールがいったんセットされると、フィルタルールベースのルーティングに従うので、そのような問題が発生する。その問題の主要な理由は、LMA/HA220が不安定なWLANアクセス経由の切断中には正確なフィルタ管理手続きを有しないからであり、このため、事前登録フィルタルールを必要とする。基本的に、事前登録フィルタルールはLMA/HA220に対し、MN200が不安定なWLANアクセス経由の接続性(connectivity)を喪失している期間のフィルタ管理ルールを通知する。
以上のように着目すると、切断中にはパケットがルーティングできない場合にはバッファリングが発生するが、このバッファリングはリアルタイムなフロー(オーディオフロー及びビデオフロー)にとっては望ましくない。また、バッファリングはリアルタイムでないフロー(データフロー)にとってはアクセプトできるが、時間厳守のリアルタイムなフローにとっては、バッファリングは遅延とジッタを増大させるため、防止すべきである。
MN200は、このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールがあらかじめ必要であると決定又は予測して、これを現在有効フィルタルールとともに送信することを決定する。この事前登録フィルタルールの特徴は、アクティブ化時点の境界が定義されていることにある。この事前登録フィルタルールは、不安定なWLANアクセスの切断中のみ、アクティブであることを必要とする。この事前登録フィルタルールはまた、アクティブ期間には現在のフィルタルールより優先度を有するが、現在のフィルタルールを除去しないことを特徴とする。この事前登録フィルタルールは、アクティブ期間後にはアクティブではなくなり、不安定なWLANアクセスの次の切断中に再び使用(アクティブ化)される。ステップ1200における決定処理では、MN200は、この事前登録フィルタルールが必要であると決定し、また、この事前登録フィルタルールがアクティブ期間後の長い期間であってもLMA/HA220において維持される必要があると決定する。
フロー種別ごとの事前登録フィルタルールが必要であるとMN200が決定する理由として、パケットロスを防止してQoSを向上させる必要のある種別のフロー(ビデオフロー及びオーディオフローなどのリアルタイムフロー)をMN200が不安定なWLANアクセス経由で有しているからであるとしてもよい。加えて、MN200は、上記の種別のフローに関連するセッション期間の間に複数の切断イベントが発生するであろうというネットワーク提供情報を有するかもしれない。この場合、複数の切断イベントの期間、事前登録フィルタルールがLMA/HA220において維持される必要がある。さらに、MN200は、あるサーバ、例えばANDSF(Access Network Discovery Selection Function)からの情報、又はMN200が収集した情報に基づいて、3GPPアクセス経由の安定したコネクションがLMMドメイン210では利用可能であり、かつ事前登録フィルタルールが複数の切断イベントの期間中に維持できると予測する。加えて、MN200は、ANDSF情報及び/又は自身の測定情報に基づいて、安定したインタフェース・アクセス・テクノロジー・ポリシーと安定したインタフェース・アクセスシステムが、安定しないインタフェースに関連するフローを切断中に転送するのに望ましく、その結果、事前登録フィルタルールがLMA/HA220において具備されると予測する。
次に、シグナリングメッセージ1201の構造について説明する。ここで、MN200は2つのホームアドレスHoA(P1)、HoA(P2)を有する。HoA(P2)は、MAG(WLAN)232からLMA/HA220に対するPMIPv6モビリティ・シグナリング1110経由で取得されるプリフィックスP2から構成される。HoA(P1)は、MAG(3GPP)230からLMA/HA220に対するPMIPv6モビリティ・シグナリング1109経由で取得されるプリフィックスP1から構成される。MN200は、DSMIPv6ブートストラッピング手順を使用してHoA(P1)、HoA(P2)を取得した後、まず、プリフィックスP2から構成したHoA(P2)に対してホームアンドアウェイ登録(H=1)を生成する。MN200は、プリフィックスP2に関連するアドレスをあて先とするフローに対して、ホームアンドアウェイ登録によるマルチホーミングの利点を得るために、プリフィックスP1から構成したHoA(P1)をCoAとしてHoA(P2)にバインドし、さらにこのバインディングにHフラグを付す。
プリフィックスP2に関連するHoA(P2)に対するパスの同時確立に加えて、MN200は、可能であればWLANアクセスの使用を希望して、「プリフィックスP2に関連するフローに対しては,WLANアクセスがデフォルトの、すなわち望ましいアクセスである」という現在のフィルタルールを構築する。MN200は、適切なフロー記述サブオプション付きのFIDオプションを含ませて、FIDにより記述されているすべてのフローがWLANアクセス経由で配送されるべきであることを通知する。したがって、MN200は、ホームアンドアウェイ・セマンティクスと、現在のフィルタルールと、事前登録フィルタルールを含むシグナリングメッセージ1201を構築する。ここで、シグナリングメッセージ1201は、追加のモビリティ・オプションとして埋め込まれた現在のフィルタルール及び事前登録フィルタルールを含むDSMIPv6のBUメッセージであるものとする。
事前登録フィルタルールを送信するためのシグナリングメッセージ1201(及び後述する第9の実施の形態における事前登録ブロッキング・フィルタルールを送信するためのシグナリングメッセージ1305)は、例えば図6に示すバインディング事前登録メッセージと同様な構成でよい。この場合、図6に示すメッセージタイプ1012は、事前登録フィルタルール(事前登録ブロッキング・フィルタルール)を含むメッセージであることを示す。また、バインド先1014は、事前登録フィルタルール(事前登録ブロッキング・フィルタルール)そのものを含む。
MN200がシグナリングメッセージ1201に埋め込むフロー種別ごとの事前登録フィルタルールとは、MN200が不安定なWLANアクセスを切断したときに、幾つかのFIDにより識別されるオーディオフローとビデオフローは、プリフィックスP1に関連するアドレスに送信される必要があるということである。シグナリングメッセージ1201はさらに、この事前登録フィルタルールのアクティブ化時点と非アクティブ化時点に関するトリガを有する。このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは、不安定なWLANアクセスのPMIPv6バインディング登録が削除されたときにアクティブ化され、かつ不安定なコネクションすなわちWLANアクセス経由のPMIPv6バインディング登録が再確立されたときに非アクティブ化されるものとする。
場合によっては、事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するために、それぞれ明示的なアクティブ化メッセージ及び非アクティブ化メッセージ(これらはPBUメッセージと関連づけされない)をMN200及びMAG(WLAN)232又はMAG(3GPP)230からLMA/HA220に送信することができる。このため、事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するために使用するシグナリングのタイプを明確に示したアクティブ化及び非アクティブ化のトリガが有用である。事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するメッセージのタイプを記述するメッセージとしては、図6に記載されているメッセージを使用することができる。ここで、MN200が再び不安定なアクセス経由で再接続するときには、同じプリフィックスP2が割り当てられることが想定される。
(4)図19において、DSMIPv6のシグナリングをホームアンドアウェイ登録と、現在のフィルタルールと事前登録フィルタルールとにより構築した後、その構築されたDSMIPv6ベースのシグナリングメッセージ1201がLMA/HA220に送信される。シグナリングメッセージ1201によりLMA/HA220には、現在のフィルタルールと、後でトリガされるフロー種別ごとの事前登録フィルタルールが生成される。現在のフィルタルールと事前登録フィルタルールは別個に維持される。LMA/HA220は、シグナリングメッセージ1201を受信すると、そのバインディングを保持するとともに、ステート1202に示すように現在のフィルタルール(P2のデフォルト→HoA(P2))をアクティブとして保持し、さらにフロー種別ごとの事前登録フィルタルール(P2オーディオ、ビデオフロー→HoA(P1))を非アクティブとして保持し、また、事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するルールを保持する。
なお、MN200が2つのホームアドレスHoA(P1)、HoA(P2)を構成する場合のシナリオとは別のシナリオとして、MN200は、プリフィックスP1のみを使用してHoA(P1)を構成し、プリフィックスP2から不安定なWLANインタフェースIF2用に構成したCoA(P2)に対してホームアンドアウェイ登録を確立するというシナリオも考えられる。このとき、現在のフィルタルールがLMA/HA220において確立された場合に、ステート1202に示すようにプリフィックスP2に関連するフローはすべて、WLANアクセス経由で送信されるものとする。
(5)次に、MN200は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションを喪失するものとする(イベント1203)。MN200がこの不安定なコネクションを喪失したときに、MAG(WLAN)232は、この切断を検知して、プリフィックスP2に関するPBU登録を削除するための登録削除PBUメッセージ1204をLMA/HA220に送信するものとする。LMA/HA220は、PBU登録削除メッセージ1204を受信すると、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールをアクティブ化するルールをチェックする。このアクティブ化ルールでは、プリフィックスP2に関するPBU登録が削除されたので、LMA/HA220がこの事前登録フィルタルールをアクティブ化するものとする。事前登録フィルタルールがアクティブ化されると、LMA/HA220は、フィルタメンテナンステーブルのステートを、ステート1202からステート1205へ変更する。ステート1205では、現在のフィルタルールは非アクティブモードへ遷移し、事前登録フィルタルールはアクティブモードへ遷移する。
ここで重要な点は、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールがアクティブ化されても、現在のフィルタルールは除去されないということである。これにより、MN200が不安定なWLANアクセス経由で再接続した場合でも、MN200は古い(現在の)フィルタルールを再登録する必要がなくなる。フロー種別ごとの事前登録フィルタルールの特徴は、MN200が不安定なWLANアクセス経由のコネクションを再確立したときに古い(現在の)フィルタルールが再びアクティブ化されるまで、古い(現在の)フィルタルールより優先することにある。LMA/HA220は、登録削除PBUメッセージ1204を受信すると、プリフィックスP1に関するPBAメッセージ(不図示)をMAG(WLAN)232に送り返す。
(6)次に、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断後に、オーディオデータ1206がLMA/HA220に到着するものとする。そのオーディオフローは、ステート1205に示すようにLMA/HA220における事前登録フィルタルールに基づいて、安定した3GPPアクセス経由で転送されるので、LMA/HA220は、ダウンリンク通知メッセージ1207をMAG(3GPP)230あてに送信する。ここで、MN200の3GPPインタフェースIF1がアイドルモードであるので、ダウンリンク通知メッセージ1207はLMA/HA220から送信される。MAG230(3GPP)230は、3GPPアーキテクチャではS−GWであって、オーディオパケットの到着を不図示のMMEに通知する。MMEはMN200を呼び出し、MN200にサービス要求メッセージ(不図示)を送信させる。MMEはこのサービス要求メッセージを受信すると、MAG230(3GPP)230に対し、MN200の3GインタフェースIF1をアクティブモードに切り換えるよう通知する。この動作により、MN200はMAG230(3GP)230からオーディオデータパケット1208を受信する。このため、事前登録フィルタルールがアクティブ化されることにより、不安定なWLANアクセスの切断がLMA/HA220で検知されると直ぐに、遅延が問題となるオーディオトラフィックがMN200に到着する。したがって、事前登録フィルタルールが最も適切な時点でトリガされるので、遅延が問題となるオーディオトラフィックのパケットロスの問題を解決することができる。
(7)次に、不安定なWLANアクセスの切断中に、プリフィックスP2に関連するアドレスあてのWebデータ1209がLMA/HA220に到着するものとする。Webデータ1209は、MN200にルーティングできない。その理由は、Webデータ1209は、ステート1205に示すように事前登録フィルタルールにはその送信先が示されておらず、現在のフィルタルールに従うからである。LMA/HA220に到着したWebデータ1209は、LMA/HA220でバッファリングされるかもしれない。
(8)次に、ある時間の経過後に、MN200が不安定なWLANアクセスを再発見してそれに再接続(reconnect)したものとする(ステップ1210)。この場合、MN200は再接続をするためのシグナリング(reconnection signalling)1211をMAG(WLAN)232に送信してMAG(WLAN)232に再接続(re-attach)すると、MAG(WLAN)232は、PBUメッセージ1212をLMA/HA220に送信する。MN200は、シグナリング1211に、再接続後に使用したいプレフィックスP2を含めてもよい。ここで、MN200が再接続(re-attach)したMAG(WLAN)232は必ずしも、前にコネクションを有していたMAG(WLAN)232と同じとは限らない。PBUメッセージ1212は、プレフィックスP2を含むホームネットワーク・プリフィックス・オプションを有することで、プレフィックスP2の割り当てを要求する。ここで、MN200はプリフィックスP2からホームアドレスHoA(P2)を構成していたので、LMA/HA220は同じプリフィックスP2を、応答であるPBAメッセージ(不図示)で付与するであろう。
(9)LMA/HA220は、PBUメッセージ1212を受信すると、ステート1213に示すように事前登録フィルタルールを非アクティブ化して古いフィルタルールをアクティブ化する。オーディオフローとビデオフローを3GPPアクセス経由で送信するというフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは非アクティブ化され、また、すべてのフローをWLANアクセス経由で送信するという古いフィルタルールがアクティブ化される。LMA/HA220がPBUメッセージ1212を受信した後にLMA/HA220に生成されるステート1213の内容は元のステート1202と同じであり、MN200が明示的なフィルタルール・シグナリングを送信しなくても元のフィルタルールがアクティブ化される。この理由は、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールが、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断中に高い優先度を有し、また、現在の(古い)フィルタルールを除去しないからである。元のフィルタルールが確立されると、LMA/HA220においてバッファリングされていたWebデータ1214がMAG(WLAN)232に送信される。
本実施の形態におけるフロー種別ごとの事前登録フィルタルールはまた、MN200のアクティブモードであるすべてのインタフェースIF1、IF2経由でLMMドメイン21に接続(connect)していて、1又は複数の不安定なWLANアクセス経由のコネクションを喪失した場合にも適用することができる。例えばMN200は、安定した3GPPアクセス経由のアクティブなコネクションと、安定しないWLANアクセス経由のアクティブなコネクションとを有するかもしれず、その後、安定しないWLANアクセス経由のコネクションを喪失するというシナリオに適用することができる。さらに実施の形態におけるフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは、アクティブモードで3GPPアクセスへ接続しているMN200が、WLANアクセスへ接続したときに3GPPアクセスへの接続を切断して、通信に使用するインタフェースを3GPPインタフェースからWLANインタフェースへ切り替える場合にも適用することができる。
事前登録フィルタルールを確立する他のシナリオとしては、MN200が2つのアクティブモードのインタフェース経由でLMMドメイン21に接続(connect)していて、ある接続されたインタフェースから、新しくパワーオンした第3のインタフェースに無線アクセス間ハンドオフ(Inter Radio Access Technology handoff)、又は垂直ハンドオフ(Vertical Handoff)を実行する場合が想定される。例えばMN200は最初に、3GPPインタフェースIF1とWiMAX(登録商標)インタフェースIF3を介してLMMドメイン21に接続(connect)していたものとする。次に、MN200は、WLANアクセスを発見して、より広い帯域、又はより安いコスト、又はより良いQoSをWLANインタフェースIF2経由で実現するためにWiMAXからWLANに垂直ハンドオフするものとする。このシナリオにおいて、垂直ハンドオフを実行中のWiMAXインタフェースIF3あてのフローのパケットロスを防止するために、MN200がフロー種別ごとの事前登録フィルタルールをセットする必要があるかもしれない。
<フィルタルール事前登録メッセージの変形>
図19におけるシグナリングメッセージ1201においては、フラグを用いてフロー種別ごとの事前登録フィルタルールを通知することができる。このフラグベースで事前登録フィルタルールを通知する方法が、事前登録フィルタルールを明示して通知する方法の変形である。フラグはLMA/HA220に対し、すべてのリアルタイムフロー(オーディオ、ビデオ)を安定した3GPPアクセス経由で送信するよう通知する。このフラグを使用する方法によれば、シグナリングメッセージ1201内に事前登録フィルタルールを明示的に埋め込む必要がない。不安定なWLANアクセスのコネクションが切断したときに、DSMIPv6のBUメッセージ内のフラグにより、LMA/HA220に対し、すべてのリアルタイムフロー(オーディオ、ビデオ)を安定した3GPPアクセス経由で送信するよう通知する。ここで、このフラグの代わりに、新しいモビリティ・オプションで上記のフィルタ情報を伝送することもできる。リアルタイムフローが安定した3GPPアクセス経由で送信されて、不安定なWLANアクセスのコネクションが再び確立されると、古いフィルタルールが再びアクティブ化される。
変形例として、上記のフラグは、LMA/HA220に対し、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールを生成して維持するよう指示することができる。LMA/HA220はその指示に基づいて適切なフロー種別ごとの事前登録フィルタルールを生成し、不安定なWLANアクセスのコネクションが切断したときにはいつでもその事前登録フィルタルールを使用することができる。このフラグにより事前登録フィルタルールを生成して維持するよう指示する方法は、事前登録フィルタルールに関連するシグナリングコストを低減させることができる。
<第9の実施の形態>
この第9の実施の形態において、図18及び図19との相違点は、MN200がホームアンドアウェイ登録(H=1)をLMA/HA220に対して実行していないことにある。そこで、第9の実施の形態では、プリフィックスP2をMAG(WLAN)のアドレスにバインドするPMIPv6バインディングの他に、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドする事前登録バインディングと、事前登録フィルタルールとして、フロー種別ごとの事前登録ブロッキング・フィルタルールをLMA/HA220において同時に確立する。事前登録ブロッキング・フィルタルールの特徴は、アクティブ化されるまで非アクティブであって、アクティブ期間中は、所定の種別のフロー(ここではデータフロー)が事前登録バインディング(P2→P1)に基づいて、安定した3GPPアクセス経由で配送されることをブロックする(禁止する)ことにある。事前登録ブロッキング・フィルタルールを適用する理由は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、MN200が時間が問題とならないあるフロー(Non time critical flow/ Non realtime flow)については、安定した、帯域を確保したい3GPPアクセス経由の配送を希望しないという想定があるからである。
このような事前登録ブロッキング・フィルタルールを使用することにより、MN200は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、時間が問題とならないフローを3GPPアクセスへ転送させる代わりにバッファリングさせることができる。事前登録ブロッキング・フィルタルールは事前登録バインディングより優先度が高く、事前登録ブロッキング・フィルタルールで定義されているフローに関しては、事前登録バインディングルールを上書きする。さらに、MN200は、第8の実施の形態で述べた事前登録フィルタルールと同様に、事前登録ブロッキング・フィルタルールを事前にセットして最適な時点でトリガされるようにセットする。事前登録ブロッキング・フィルタルールは、アクティブ期間の経過後は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが再び切断されるまで非アクティブ化される。事前登録ブロッキング・フィルタルールのアクティブ期間は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断されている期間である。
MN200がなんらのフィルタルールもLMA/HA220にセットしない場合においても、LMA/HA220に事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールを同時に送信して同時にトリガする方法を適用することができる。この場合には、MN200はLMA/HA220に対し、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断されている期間、事前登録バインディング(P2→P1)に基づいて、時間に問題のあるフロー(オーディオ、ビデオのフロー)を安定した3GPPアクセス経由で転送させ、かつ事前登録ブロッキング・フィルタルールに基づいて、時間に問題のない他のフローをブロックさせる。事前登録ブロッキング・フィルタルールは、そのアクティブ期間は、事前登録バインディング(P2→P1)より優先する。
次に、図20を参照して第9の実施の形態における動作及び通信シーケンスを説明する。図20に示す通信シーケンスのネットワーク構成は図18と同じであるので、その詳細な説明を省略する。ここで、MN200は、第8の実施の形態のようなホームアンドアウェイ登録(H=1)をLMA/HA220に対して実行していない。MN200はまず、不安定なWLANアクセス経由で参照したプリフィックスP2を使用してフローをセットアップし、次いで不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、フロー種別ごとのルーティングを実行するものとする。また、プリフィックスP2は安定した3GPPアクセス経由で参照されるものとする。
(1)MN200はまず、ステップ1304において、事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールの必要性を予測するものとする。すなわち、MN200は、プリフィックスP2に関連するフローに関してはホームアンドアウェイ登録(H=1)をLMA/HA220に対して実行していないことを知得しているので、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、時間に問題のあるフローのパケットロスを防止するために、P2をP1にバインドするための事前登録バインディング(P2→P1)が必要であると予測する。ただし、時間に問題のないトラフィック(例えばWebトラフィック)に関しては、MN200は、不安定なアクセス経由のコネクションが切断しても安定した3GPPアクセスへの転送を希望せずにブロックするための事前登録ブロッキング・フィルタルール送信を決定する。
(2)上記の決定後、MN200は、事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールをシグナリングメッセージ1305でLMA/HA220に送信する。このメッセージ1305は、MN200が既に、バインディング登録をLMA/HA220に行っている場合には、破線で示すようにLMA/HA220に送信することができるが、そうでなければMAG(WLAN)232経由で送信することができる。このMAG(WLAN)232経由のメッセージ1305は、MN200からMAG(WLAN)232に対するレイヤ2メッセージとして送信することができ、さらに、事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールは、MAG(WLAN)232からLMA/HA220にPBUメッセージ1306で送信することができる。PBUメッセージ1306で事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールをLMA/HA220に送信する場合には、新しいモビリティ・オプションを使用して事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールを送信する。
メッセージ1305、1306は、不安定なアクセスの切断時には、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインディングするための事前登録バインディングと、3Gアクセス経由でデータフローが転送されるのをブロックするという事前登録ブロッキング・フィルタルールを有するものとする。PBUメッセージ1306はまた、プリフィックスP2用のPMIPv6バインディングを生成する。MAG(WLAN)232からLMA/HA220へのPBUメッセージ1306で事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールを送信する場合について説明したが、MAG(WLAN)232−LMA/HA220間の他のセキュアな信号を用いてもよい。
(3)PBUメッセージ1306により、LMA/HA220にはMN200のバインディング・ステートが生成される。このステート1307により、
・P2をMAG(WLAN)アドレスにバインドする通常のPMIPv6登録[アクティブ]と、
・P2をP1にバインドする事前登録バインディング[非アクティブ]と、
・P2データフローをブロックする事前登録ブロッキング・フィルタルール[非アクティブ]
が管理される。事前登録ブロッキング・フィルタルールは、通常のフィルタ手順を用いてメッセージ1305で送信してもよい。例えば、メッセージ1305内のFIDを用いてブロッキングルールを識別して、FIDに関連するアクションがそのフローをブロックするか又はバッファリングするかを識別することができる。上記のFIDに添付されるフロー記述サブオプションは、ブロックする必要のあるフローの記述を有する。
(4)次に、MN200は、WLANアクセスとのアソシエーションを切断することを決定するものとする(イベント1308)。この切断イベント1308のときに、MAG(WLAN)232は、PBUメッセージ1306による登録を削除するための登録削除PBUメッセージ1309をLMA/HA220に送信する。LMA/HA220は、登録削除PBUメッセージ1309を受信すると、事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールを管理するためのステート1310を生成する。ステート1310に基づいて、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドする事前登録バインディングと、プリフィックスP2のデータフローをブロックする事前登録ブロッキング・フィルタルールのみがアクティブ(通常のPMIPv6登録は非アクティブとなる)となる。
(5)次の想定として、WLANアクセス経由のコネクションが切断中に、プリフィックスP2に関連するあて先アドレスを有するオーディオデータ1311がLMA/HA220に到着するものとする。この場合、プリフィックスP2用の通常のPMIPv6登録は非アクティブであるので、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドする事前登録バインディングに基づいて、オーディオデータ1311は3GPPパス経由でルーティングされることになる。このとき、LMA/HA220は、ダウンリンクデータ通知メッセージ1312をMAG(3GPP)230に送信する。MAG(3GPP)230は、オーディオデータを受信すると、不図示のMMEがそのオーディオデータを無線アクセスネットワーク経由で転送するよう通知するまでそのオーディオデータをバッファリングする。不図示のMMEがMN200を呼び出し、MN200がその呼び出し信号の受信後にサービス要求メッセージを不図示のMMEに送信する。不図示のMMEは、そのサービス要求メッセージを受信すると、MAG(3GPP)230に対してオーディオフローをルーティングするよう通知する。そして、MAG(3GPP)230はオーディオデータ1313をMN200に送信する。
(6)次の想定として、WLANアクセス経由のコネクションが切断中に、プリフィックスP2に関連するあて先アドレスを有するWebデータ1314がLMA/HA220に到着するものとする。この場合、プリフィックスP2のデータフローをブロックする事前登録ブロッキング・フィルタルールに基づいて、Webデータ1314はLMA/HA220においてブロックされるか又はバッファリングされる。ここで、もし事前登録ブロッキング・フィルタルールがセットされていなければ、Webデータ1314は安定した3Gアクセス経由で送信されるが、これは望ましくない。ここで重要な点は、事前登録ブロッキング・フィルタルールがWebデータ1314に適用されるので、事前登録ブロッキング・フィルタルールが事前登録バインディングより優先することにある。このため、Webデータ1314は、事前登録ブロッキング・フィルタルールに基づいてブロック(3Gアクセス経由の転送を禁止)される。
(7)次の想定として、ある時間の経過後に、MN200がWLANアクセスネットワーク1101を参照して、それに再び接続(connect)するよう開始するものとする(ステップ1315)。ステップ1315の後、MN200は、接続信号(attachment signal)1316をMAG(WLAN)232に送信する。MAG(WLAN)232はePDGでよい。MAG(WLAN)232は、attachment signal1316を受信するとPBUメッセージ1317をLMA/HA220に送信する。PBUメッセージ1317は、プリフィックスP2用の登録要求であるものとする。一般的な仮定として、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドするための事前登録バインディングがLMA/HA220に存在するので、PBUメッセージ1317のプリフィックスP2は、LMA/HA220によりMN200に付与されるものとする。LMA/HA220は、PBUメッセージ1317を受信すると、ステート1318に示すように事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールを非アクティブ、通常のPMIPv6登録をアクティブに変更する。プリフィックスP2用のPMIPv6登録が回復した後は、LMA/HA220にバッファリングされていたWebデータ1314は、Webデータ1319のように、望ましいWLANアクセス経由で送信することができる。
以上、本発明について、望ましい実施の形態について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは明らかである。例えば、上記の実施の形態では、MN200が1つの事前登録バインディングを登録する場合について説明したが、複数の事前登録バインディングを登録することもできる。例えば、図1において、MN200は、WLAN接続242をセルラ接続240にバインドする事前登録バインディングをMAG(WLAN)232に登録すると同時に、セルラ接続240をWLAN接続242にバインドする事前登録バインディングをMAG(3GPP)230に登録することができる。
また、望ましい実施の形態では、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメインについて説明したが、HMIP(Hierarchical Mobile IP)を使用するローカルモビリティ管理ドメインにも本発明を適用することができることは明らかである。また、ローカルモビリティ管理のないドメインをMN200がローミングしている場合にも本発明を適用することができる。
後者の場合、MN200が2つのアクセスルータに接続(connect)しているものとする。MN200は本発明を使用して、第1のアクセスルータに対して、MN200が第1のアクセスルータと接続(connect)して構成した第1のアドレスを、MN200が第2のアクセスルータと接続(connect)して構成した第2のアドレスにバインドする事前登録バインディングなどをセットアップする。この事前登録バインディングなどは、第1のアクセスルータがMN200の接続が失われたことを検出するまでアクティブでなく、第1のアクセスルータがMN200の接続が失われたことを検出するとアクティブになる。第1のアクセスルータによりインタセプトされたパケットは、第2のアクセスルータを経由してMN200の第2のアドレスにルーティングされる。ここで、この手法は、FMIP(Fast Mobile IPv6)と異なることは明らかである。FMIPのバインディング登録は、即、アクティブであるが、本発明の事前登録バインディングなどは、トリガされるまでアクティブとならない。このため、MN200は本発明を使用して事前登録バインディングなどをセットアップしても、現在の接続が失われるまで現在の接続を継続して使用する。この動作は、FMIPでは実現できない。
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブ ル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え後のインタフェースに転送することができるという効果を有し、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ネットワークなどに利用することができる。
また本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、フロー種別ごとのパケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え後のインタフェースに転送することができるという効果を有し、ネットワークベースとクライアントベースの各モビリティ管理プロトコルを使用するモバイルノードに対応したネットワークなどに利用することができる。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換えるためのインタフェース切換システムに関する。
また本発明は、前記インタフェース切換システムにおける、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノードに関する。
近年、多くのモバイル装置がインターネット・プロトコル(IP)を使用してお互いに通信を行っている。モビリティサポートをモバイル装置に提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)は、下記の非特許文献1に示されるような "Mobility Supportin IPv6"と下記の非特許文献2に示されるような "Network MobilitySupport"を提案している。モバイルIPでは、各モバイルノード(モバイルホストやモバイルルータを含む。)はホームドメインを有する。モバイルノードは、ホームネットワークに接続(attach)すると、ホームアドレス(HoA)として知られるプライマリ・グローバル・アドレスを割り当てられる。また、モバイルノードは、アウェイ状態になると、すなわち他の外部ネットワークに接続(attach)すると、気付アドレス(CoA)として知られる一時的なグローバル・アドレスを割り当てられる。
モビリティサポートの概念では、モバイルノードは、外部ネットワークに接続(attach)していても、ホームアドレスあてで到達できる。非特許文献1、2では、ホームエージェント(HA)として知られるエンティティをホームネットワークに導入することにより、この到達性を実現している。モバイルノードは、気付アドレスをバインディング・アップデート(BU)メッセージとして知られるメッセージを用いてホームエージェントに登録する。この登録により、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスと気付アドレスの間にバインディングを生成することができる。ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスあてのメッセージをインタセプトして、そのパケットをカプセル化してモバイルノードの気付アドレスあてに転送する。このパケットカプセル化では、ホームアドレスあてのパケットを新しい気付アドレスあてパケットのペイロードにセットし、パケットトンネル化としても知られている。
非特許文献1に記載されているモビリティ管理方法では、モバイルホストのホームエージェントにおけるモバイルホストあての転送先情報として、IPv6ベースのトランスポート・ネットワーク経由で送信するIPv6のバインディング・アップデート(BU)シグナリングを使用して、モバイルホストのIPv6のCoAとIPv6のHoAのバインディングがモバイルホストからホームエージェントに通知される。同様に、非特許文献2に記載されているモビリティ管理方法では、ホームエージェントにおけるモバイルホストあての転送先情報として、IPv6のトランスポート・ネットワークのみを経由するIPv6のBUシグナリングを使用して、モバイルルータのIPv6のモバイルネットワーク・プリフィックスとモバイルルータのIPv6のCoAのバインディングがホームエージェントに通知される。
将来、IPv6のISP(Internet Service Providers)とIPv6のトランスポート・ネットワークが優位を占めるであろうが、これらのIPv6のサービス・プロバイダ・ネットワークとトランスポート・プロバイダ・ネットワークは、現在のIPv4のISPとIPv4のトランスポート・ネットワークとすぐに置き換わることはないであろう。IPv4とIPv6のトランスポート・ネットワークが混在する将来の第4世代(4G)の携帯電話ネットワークのモビリティ・アーキテクチャでは、ユビキタスなモビリティを実現するために、IPv4とIPv6の両方に対応したデュアルスタック(Dual Stack)のモバイルノードが必要である。
非特許文献11に記載されている方法では、IPv4とIPv6のプロトコル・スタックを有するモバイルノードに対してクライアントベースのIPv6モビリティサポートを提供するデュアルスタック・モバイルIPv6(Dual Stack Mobile IPv6:DSMIPv6)が言及されている。このDSMIPv6による方法では、モバイルノードは、自身のIPv4/IPv6のホームアドレス/プリフィックスと、自身のIPv4/IPv6のCoAとの間のバインディングを生成して、このバインディングをIPv4/IPv6トランスポート・ネットワーク経由で登録することができる。DSMIPv6は、MIPv6を拡張して、IPv4クライアントとIPv4トランスポート・ネットワークをサポートする。3GPP(The Third Generation Partnership Project)システムは、上記のDSMIPv6をクライアントベースのモビリティサポートとして使用する。非特許文献7には、DSMIPv6を使用して、3GPPアーキテクチャ内をローミングする場合や、ローミングしない場合の種々のシナリオが示されている。
非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献11に示されているクライアントベースのモビリティサポートは、モビリティの問題を解決しているが、幾つかの問題がある。その1つは、モバイルノードがBU(Binding Update)メッセージをホームエージェントに送信する必要があることである。このため、モバイルノードが高速で移動する場合、BUメッセージの数が膨大となる。また、モバイルノードが地理的にホームエージェントから遠く離れている場合、BUメッセージがホームエージェントに到達するまでに時間がかかる。このため、ホームエージェントがモバイルノードのアップデートされた気付アドレスあてにパケット転送を開始したときには、モバイルノードはその気付アドレスの場所には位置していないかもしれない。
この理由により、下記の非特許文献3、非特許文献6、特許文献7、特許文献8には、ネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM)を用いた提案が成されている。この提案によれば、モバイルノードは、ローカル・ネットワーク・ドメイン内で接続点(point of attachments)を変更しても同じアドレスを継続して使用することができる。このため、モバイルノードがBUメッセージを頻繁にホームエージェントに送信する必要性を除去することができる。
NetLMMでは、1つのローカルモビリティ・アンカー(LMA)と、複数のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)と1つのAAA(Authentication, Authorization, and Accounting)サーバが設けられる。MAGは、モバイルノードが接続(attach)するアクセスルータとして動作し、モバイルノードがMAGに接続(attach)するごとに、そのMAGは、まずモバイルノードの証明書(credentials)をAAAサーバに問い合わせて検証(verify)し、そのモバイルノードがローカル・ネットワーク・ドメインのサービスを使用する資格があることを保証する。幾つかの実装では、AAAサーバはまた、そのモバイルノードに割り当てるべきプリフィックスすなわちアドレスをMAGに通知する。この手法により、MAGは、HNP(Home Network Prefix)として知られる同じプリフィックスをモバイルノードに広告することができる。同時に、MAGはLMAをアップデートして、モバイルノードに割り当てられているプリフィックスあてに送信されたパケットが、モバイルノードが接続(attach)している適切なMAGにトンネル化されるようにしなければならない。このアップデートは、モバイルノードが使用するアドレス/プリフィックスをMAGのアドレスにバインドするプロキシBU(PBU)メッセージをMAGがLMAに送信することにより実現される。
この手法はまた、MAGがモバイルノードのプロキシとしてBUメッセージをLMAに送信し、また、LMAがローカル・ネットワーク・ドメインにおいてモバイルノードのホームエージェントとして動作するので、プロキシ・モバイルIP(PMIPv6)として知られる。この手法により、モバイルノードが現在、どのMAGに接続(attach)しているかに関係なく、モバイルノードは、同じHNP(Home Network Prefix)を参照し、このため、アドレスを変更しない。したがって、モバイルノードは、BUメッセージを頻繁にホームエージェントに送信する必要がない。
ところで、現在の傾向では、種々の異なるワイヤレス技術が用いられ、多くのモバイル装置が多くの異なるアクセス・インタフェース(例えばUMTSセルラ・インタフェース、ワイヤレス・イーサネット(登録商標)802.11インタフェース、WiMAX(登録商標)802.16インタフェース、ブルーツース(登録商標)インタフェース)を備えている。ローカルモビリティ管理では、そのような複数のインタフェースを有する装置をサポートする方法として、複数のプリフィックスすなわちアドレスを割り当てることが可能である。非特許文献3及び非特許文献6では、モバイルノードは、個々のインタフェースについて異なるプリフィックスを参照し、このプリフィックスは、モバイルノードが同じネットワーク・ドメイン内をローミングしている限りにおいて維持される。もし、そのモバイルノードが、現在外部ドメイン内をローミングしているモバイルIPv6のノードである場合、そのモバイルノードは、複数の気付アドレス(各プリフィックスから1つの気付アドレス)を構成して自身のホームアドレスにバインドする必要があろう。この意味は、モバイルノードがすべての利用可能なインタフェースを用いてホームエージェント及び通信相手(CN:Correspondent Node)と通信したい場合、例えば下記の非特許文献4及び非特許文献9に示されるようなメカニズムを用いて複数のBUメッセージをホームエージェントとCNに送信することを必要とするということである。
ここで、ローカルモビリティ管理において複数のインタフェースを使用する場合の想定例として、モバイルノードが、安定した広い通信範囲のインタフェース(例えばセルラ・インタフェース)と、安定していない狭い通信範囲のインタフェース(例えばIEEE802.11ワイヤレス・インタフェース)を同時に接続(connect)する場合がある。通常、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースの方が帯域幅が広い(通信コストが安い)ので、モバイルノードは、データパケットがIEEE802.11ワイヤレス・インタフェース側に伝送されることを望む。しかしながら、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースの通信範囲が限られているので、その接続(connection)は、安定したセルラ・インタフェースより頻繁に切断される。このような切断が起きた場合、パケットはセルラ・インタフェース側にリ・ダイレクトされなければならない。このリ・ダイレクションはシグナリングを必要とするので、シグナリングの遅延により、パケットが不可避的に失われる。
ローカルモビリティ管理は、シグナリングの遅延によるパケットロスの機会を減少してはいるが、除去してはいない。ここで、モバイルノードがあるMAGから他のMAGに変更する場合を考えると、モバイルノードが前のMAGとの接続(connection)を失った時点から、LMAが新しいMAGからPBU(Proxy Binding Update)メッセージを受信するまでにLMAに届いたそのモバイルノードあてのパケットが失われる。この問題を解決するための従来技術として、下記の特許文献1においては通知を送り返す方法が、また、下記の特許文献2にはパケット再送をトリガする方法が、また、下記の特許文献3にはコネクションを再確立する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法はいずれも不可避的に、パケット配送の遅延を招き、このため、VoIP(Voice-over-IP)のようなリアルタイムなアプリケーションにとって受け入れることはできない。
他の従来技術としては、高速ハンドオフ技術が下記の非特許文献5、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献9に開示されているものがある。この手法は、コネクションのロスを予測することと、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースからセルラ・インタフェースにパケットのリ・ダイレクションするために空の信号を送信することを含む。しかしながら、コネクションのロスを予測することは正確でなく、リ・ダイレクションが早過ぎると、IEEE802.11ワイヤレス・インタフェースを有効利用できない。
マルチホーミングでは、モバイルノードのホームアドレスあて又はホームネットワークプリフィックスあてのフローをモバイルノードの複数のインタフェース経由で受信することができ、また、モバイルノードの1又は複数の所望のインタフェースに対してフローの種類に応じて使用するインタフェースを選択するフロー種別ベースのルーティングを実現することができる。一般的に、システムにおいてフロー種別ベースのルーティング・メカニズムのセットアップは、モバイルノードがフィルタルール(ルーティングルール)を付与することにより開始され、結果的には適切なネットワーク・エンティティにより決定されるか又は許可される。もしマルチホーミングの目的が、ホームアドレスあて又はホームネットワークプリフィックスあてのフローの帯域を集合するか又は増大させることにある場合、マルチホーミングのメカニズムとは、ホームエージェント又はLMAにおいて、ホームアドレスあて又はホームネットワークプリフィックスあてのフローがモバイルノードの複数のインタフェース経由で到達できるという到達可能性(reachability)を持ったパスを確立することである。もしマルチホーミングの目的が、モバイルノードが所望の1又は複数のインタフェースに対してフロー種別ベースのルーティングを希望することにある場合、上記の到達可能性を持ったパスを確立することに加えて、そのモバイルノードは、フロー種別ベースのフィルタルールをHA又はLMAにセットアップする必要がある。重要な点は、フロー種別ベースのフィルタルールがアンカーポイント(HA又はLMA)で確立されるときには、このフィルタルールが通常のアドレスベース又はプリフィックスベースのルーティング・メカニズムよりも優先されるということである。
しかしながら、将来の3GPPアーキテクチャでは、PMIPv6がモバイルノードの各インタフェースのモビリティを管理するために使用され、かつマルチホーミング機能に対応したDSMIPv6が、例えば帯域集合、負荷分担、フロー種別ベース・ルーティングのようなモバイルノードのマルチホーミングサポートを実現するために使用されることは大いに考えられる。このようなPMIPv6とマルチホーミング機能に対応したDSMIPv6を複合的に使用するハイブリッド・シナリオでは、非特許文献9、非特許文献10に示されているようなマルチホーミング機能に対応したDSMIPv6が、PMIPv6モビリティ管理メカニズムによりインタフェースに割り当てられたホームネットワークプリフィックスに対して使用されるであろうことは考えられる。PMIPv6モビリティ管理メカニズムはモビリティ管理を効率的に提供することは知られている。しかし、マルチホーミングのための方法は、DSMIPv6に対してより詳細に定義されている。このため、効率的なモビリティ管理とマルチホーミングサポートは、両方のモビリティ管理メカニズムの複合的な動作により簡単に実現できる。
次に、上記のPMIPv6とDSMIPv6の両方を使用するハイブリッド・シナリオにおいて、不安定なアクセスのインタフェースの切断に関する問題について図18を参照して説明する。以下に、時系列的なシナリオを説明する。
(1)MN200は最初に、WLANアクセスネットワーク1101(及びMAG(WLAN)232を介してLMMドメイン210に接続(connect)しているアクティブなWLANインタフェースIF2を有するものとする。なお、3GPPではMNのことをUE(User Equipment)と呼ぶ。LMMドメイン210は、3GPPのHPLMN(Home Public Land Mobile Network)に対応し、PMIPv6又は他のネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが採用されている。また、アクティブなWLANインタフェースIF2を有するMN200のモビリティは、DSMIPv6とPMIPv6により管理されている。なお、当業者であれば、DSMIPv6とPMIPv6はそれぞれ、他のホストベースのモビリティ管理プロトコルとネットワークベースのモビリティ管理プロトコルでもよいことは明らかである。
(2)図18において、MN200はまた、DSMIPv6を使用しているので、不図示のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ又はDNS(Domain Name Server)などの或るサーバからLMA/HA220のアドレスを通知される。なお、LMA/HA220とは、LMAとHAの両方の機能を有する機能的モジュールとして示しており、3GPPコアネットワーク内に存在するPDNゲートウェイ(Packet Data Network Gateway)に対応している。LMA/HA220はPDN(Packet Data Network)1106に接続(connect)している。MN200は、LMA/HA220のアドレスを通知されると、LMA/HA220とブートストラッピングを実行し、また、DSMIPv6シグナリングを実行するためにLMA/HA220とSA(Security Association)を確立する。MN200はブートストラッピングのプロセスにおいて、ホームアドレスHoA(P1)を構成するためのホームプリフィックスP1をLMA/HA1105から取得する。
(3)次に、ブートストラッピングのプロセスの後、MN200は、PMIPv6メカニズムにより取得したプリフィックスP2を使用してWLANインタフェースIF2の気付アドレスCoA(P2)を構成するものとする。WLANインタフェースIF2経由で取得したプリフィックスP2は、そのモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理されるプリフィックスであるものとする。さらに、プリフィックスP2は、地理的にLMA/HA220をルートとし、また、LMA/HA220−MAG(WLAN)232間のPMIPv6モビリティ・シグナリング1110により取得されるものとする。シグナリング1110はPBUメッセージとPBAメッセージを含む。プリフィックスP2すなわち外部プリフィックスは、MAG(WLAN)232からMN200に対してはレイヤ2又はレイヤ3のWLANリンク1108経由で付与される。
(4)さらに、MN200は、アイドルモードの3GPPインタフェースIF1を有するものとする。3GPPインタフェースIF1は、LTE(Long Term Evolution)タイプのインタフェースか、又はUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)タイプのインタフェースか、又は非特許文献8に記載されているような3G特有のインタフェースでよい。アイドルモードとは、3Gアクセスネットワーク1107の基地局が変わっても、ネットワークに対して、その接続(attachment)を通知しないMN200のステートを言う。アイドルモードでは、省電力化のため、MN200はトラッキングエリアと呼ばれる大きなエリア単位で位置更新(location update)を実行する。
(5)次に、3GPPインタフェースIF1がアイドルモードであるMN200が3GPPリンク1107経由で3Gアクセスネットワーク1107のMAG230(3GPP)に接続(attach)するものとする。ここで、MN200は、この3GPPアクセスがアイドルモードであっても、MAG230(3GPP)から3GPPリンク1107経由でホームプリフィックスすなわちホームネットワークプリフィックスP1を通知されるものとする。MAG230(3GPP)におけるホームプリフィックスP1は、PMIPv6モビリティ・シグナリング(PBUメッセージ+PBAメッセージ)1109により取得される。このため、3GPPアクセス経由で取得されたホームプリフィックスP1は、前述したブートストラッピングのプロセスにおいて取得されたホームプリフィックスP1と同じである。3GPPアーキテクチャでは、LTE接続(attachment)のためのホームプリフィックスP1は、NAS(Non-Access Stratum)プロトコルを用いた接続手続き(attach procedure)の間に通知される。
(6)次に、MN200は、3GPPアクセスのattach procedureの間にホームプリフィックスP1を参照するとホームリンクを検知して、マルチホーミング・パラメータを有するDSMIPv6ベースのBUメッセージ1111をWLANアクセスネットワーク1101経由でLMA/HA220に送信するものとする。BUメッセージ1111はIPv6のモビリティ・シグナリングである。さらに、BUメッセージ1111は、気付アドレスCoA(P2)と、フロー識別子(FID)オプション内にフィルタルールが埋め込まれて添付されているものとする。BUメッセージ1111はさらに、バインディング識別子(BID)と、フロー記述サブオプション(flow description sub options)と、ホームアンドアウェイ登録(home and away registration)を示すHフラグを含む。
BUメッセージ1111は2つの目的を有する。第1の目的は、フィルタルールがLMA/HA220に存在していなくても、非特許文献10に記述されているように各インタフェースに対するBID優先度に応じて、データパケットがホームリンク(3GPP)又はWLANリンクに選択的に配送されるように、ホームアンドアウェイ登録(フラグH=1)をLMA/HA220において生成することにある。第2の目的は、プリフィックスP1あてに来るすべてのパケットがWLANインタフェースIF2に配送されることを希望することをMN200がフィルタルールでLMA/HA220に指示することにある。理想的には、MN200は、WLANアクセスが利用可能なときには常に、すべてのフローがWLANアクセス経由で配送されることを希望する。ホームアンドアウェイ登録(H=1)がLMA/HA220において生成されても、このようなフィルタルールにより、データフローはWLANアクセスのみを経由して配送される。ただし、WLANアクセスは、不安定であるものとする。
ここで重要な点は、MN200がこのBUメッセージ1111を送信する際に、メッセージ内のBIDに高い優先度を設定することで、フィルタルールをセットしないようにできることにある。これがWLANアクセス経由をデフォルトの経路として設定する別の方法である。しかしながら、フィルタルールによりLMA/HA220における多くのアクションを記述できるので、フィルタルールをセットする方が望ましい。バインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)1112は、マルチホーミングが可能なLMA/HA220のBCEであって、HoA(P1)をCoA(P2)にバインドする登録、及びH=1を有するDSMIPv6バインディングと、P1あてのパケットのデフォルトはCoA(P2)あてであることを示すフィルタルールを有する。
次に、図18における他の動作を説明する。
(1)MN200は、プリフィックスP2及びP1から生成されるアドレスを使用して、PDN1106内の不図示の通信相手(Correspondent Node:CN)とコネクションをセットアップするかもしれない。プリフィックスP1は3GPPアクセス経由で参照され、プリフィックスP2はWLANアクセス経由で参照されるものとする。また、PDN1106内の複数のエンティティがMN200に接続(connect)しているときに、MN200は複数のPDNコネクションをセットアップしたいかもしれず、また、プリフィックスP1及びP2ごとにフローを分離して簡単なフローフィルタリングを実行したいかもしれない。ここで、PDNコネクション、又はデフォルト・ベアラセットアップ又はコネクションとは、PDN1106からいくつかのサービスを得るために、LMA/HA220との間に生成するコネクションを言う。このようなシナリオにおいて、MN200は、あるプリフィックス(プリフィックスP2とする)に対してマルチホーミングを実現するために、BUメッセージ1111をLMA/HA220に送信して、BCE1113に示すようにプリフィックスP2から生成したHoA(P2)を、プリフィックスP1から生成したHoA(P1)にバインドする。
(2)ここで、MN200は既に、LMA/HA220とのブートストラッピングを実行していて、プリフィックスP1及びP2からそれぞれHoA(P1)及びHoA(P2)を生成していたものとする。さらに、MN200はBUメッセージ1111内にフィルタルールを記述してWLANパスをプリフィックスP2のフローのデフォルトパスとして指示する。このときのBCE1113内のフィルタルール(P2パケットのデフォルト→HoA(P2))を図18に示す。このフィルタルールでは、プリフィックスP2のフローは常にWLANアクセス経由で配送される。
(3)このようなシナリオにおいて、モビリティ又は他の理由により、MN200は、WLANアクセス経由のコネクションを喪失(切断)するものとする。この場合、MN200は、安定した3GPPインタフェースIF1をアクティブモードに切り換えて、サービス要求メッセージを3GPPアクセスネットワーク1100経由で不図示のMME(Mobility Management Entity)に送信する。MMEの機能は、非特許文献9に明確に説明されている。
(4)MN200が3GPPインタフェースIF1をアクティブモードに切り換えると、LMA/HA220ではBCE1112及びBCE1113に示すように、「すべてのフローは不安定なWLANアクセス経由で送信されなければならない」ことを示すフィルタルール(P1パケット→CoA(P1),P2パケット→HoA(P1))がセットアップされているので、データパケットは3GPPアクセス経由では転送もルーティングもされない。ここで重要な点は、MN200が外部バインディング登録を明示的に削除(すなわちHoAとCoAとのバインディングを除去)しなければ、フィルタルールベースのルーティングを実行することにある。ここで当業者であれば、3GPPコネクションの確立後に、MN200がフィルタルールを変更して3GPPパスをそのフローのデフォルトパスにセットアップできることが理解できるが、この場合には、そのような3GPPパスへフィルタルールをセットアップするか又は移動するには、ある程度の遅延が発生する。また、MN200が明示的にフィルタルールを3GPPパスへ移動すると、パケットロスが発生し、MN200はセッションの品質低下やサービスの品質低下を被る。安定したアクセスとのコネクション中にパケットロスが発生すると、リアルタイムなアプリケーション用のQoS(Quality of Service)の品質低下を招く。
(5)次の仮定として、安定した3GPPアクセスとのコネクション後にいくらかの時間が経過して、MN200が別のWLANアクセスを発見した場合、MN200は、BCE1112及びBCE1113に示すような前のフィルタルールをリセットしたいかもしれない。この場合には、MN200は、明示的なフィルタルール・シグナリングで古いフィルタルールをリセットする必要がある。また安定した3GPPアクセスから、望ましいが安定しないWLANアクセスへのコネクションに戻ると、フィルタルールのターゲットが安定した3GPPアクセスのままなのでパケットロスが発生する。
また、MN200がアクティブなリアルタイム・アプリケーションを有し、かつその複数のコネクションを3GPPアクセスに移してさらにWLANアクセスに戻している間にローミングしている場合、複数のハンドオフイベント時のパケットロスによりセッションの品質低下が発生する。
さらに、上記のパケットロスの問題は、一般的なシナリオに関して説明したが、非特許文献7、非特許文献8に示すように、MN200がHPLMN(Home Public Land Mobile Network)、又はVPLMN(Visited Public Land Mobile network)に接続(connect)しているとき、又はHPLMNとVPLMNに同時に接続(connect)しているときにも発生する。また、上記の問題は、MN200の3GPPインタフェースIF1がアイドルモードのときについて説明したが、MN200のすべてのインタフェースが完全にアクティブモードで接続(connect)しているときにも発生する。
ここで他の従来技術として、特許文献10[US Patent US7136645 B2]には、モバイルノードがあるネットワークから別のネットワークにローミングしてインターコネクトしているなどの理由により、モバイルノードが到達性のないとき、又はサスペンドしているとき、又はネットワークアドレスを変更している場合に、モビリティ管理サーバ(HA又はローカルアンカー)がそのモバイルノードのコネクションを維持する方法が記載されている。しかしながら、コネクションすなわちバインディングを維持しても、そのバインディングが切断期間中にのみ使用される特別な目的のバインディングであってパケットロスの問題を解決するものでない場合には、パケットロスの問題を解決することができない。
また、特許文献11[US Patent Application Publication US2009/0080451 A1]には、あるデータフローに対して他のフローより優先度を付与する方法が記載されている。特にこの方法は、優先度の取り扱いに関する。しかしながら、この優先度の取り扱い方法は、フィルタルールに関連せず、切断中又は安定したアクセスへのハンドオフ中のパケットロスの問題を解決することができない。
また、特許文献12[US Patent Application Publication US2008/0177994 A1]には、ウインドウ(登録商標)動作システムに関連するリセット機能に関する方法が記載されている。この方法では、モバイルノードのあるステート、例えば動作システムのイメージがブートアップ後にディスク又は揮発性メモリにセーブされ、モバイルノードが再ブートしたときにそのステートが取得されてそのステートを使用して直ぐに又は瞬間的にスタートできる。特定のステートをストアして再使用する方法は、あるアクティブな期間及びアクティブでない期間を有するフィルタルールに適用することができる。しかしながら、上記の文献には、不安定なアクセスから突然に切断するときに、ストアしたステートがどのようにしてパケットロスを解決するのに役立つかについては記載されていない。
また、特許文献13[US Patent Application Publication US2003/0078006 A1]には、モバイルノードのパケット受信時と基地局のビーコン送信に対するアクティブな期間及びアクティブでない期間のライフサイクルに着目した方法が記載されている。アクティブなパケット受信及び送信についての記載は、LMA/HAにおけるフィルタルールに適用してハンドオフ中のサイクリックなパケットロスの問題を必ずしも解決することはできない。
また、特許文献14In [PCT Patent Application Publication WO2006/002379 A2]には、パケット分
類とモバイルノードのパワーモードを指標とするサービステーブルについて論じられている。しかしながら、上記の文献には、パケットロスの問題を解決するためにモバイルノードがハンドオフ中にメカニズムをアクティブにすることについては記載されていない。
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このため、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、切り換えタイミングが早すぎると切り換え前のインタフェースを有効利用できず、逆に切り換えタイミングが遅すぎるとパケットロスが発生するという問題点がある。
本発明は上記の問題点に鑑み、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができるインタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノードを提供することを目的とする。
本発明はまた、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でフロー種別ごとにパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができるインタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノードを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムであって、
前記第1の代理ノードから前記移動管理ノードに対して、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録する手段と、
前記モバイルノードが、前記第1の経路の接続状況の変化を検出した場合に、前記第1の代理ノードに対して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する手段と、
前記第1の代理ノード又は前記モバイルノードが、前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記移動管理ノードに対して前記第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段とを、
有する構成とした。
この構成により、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、切り換え先の第2のバインディング登録を、切り換え先の第2の代理ノードが要求するのではなく、切り換え前の第1の代理ノード又はモバイルノードが要求するので、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができる。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記モバイルノードであって、
前記第1の経路を介して通信中に、前記第1の経路の接続状況の変化を検出した場合に、前記第1の代理ノードに対して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する手段を、
有する構成とした。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記第1の代理ノードであって、
前記移動管理ノードに対して、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録するよう要求する手段と、
前記モバイルノードから、前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録するメッセージを受信する手段と、
前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記移動管理ノードに対して前記第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段とを、
有する構成とした。
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記移動管理ノードであって、
前記第1の代理ノードから、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録する要求を受信して前記第1の転送情報を登録する手段と、
前記第1の代理ノード又は前記モバイルノードから、前記第1の転送情報を無効化して前記第2の転送情報を有効化する要求を受信して、前記第1の転送情報を無効化し、前記第2の転送情報を有効化する手段とを、
有する構成とした。
本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができる。
また本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でフロー種別ごとにパケットを切り換え先のインタフェースに転送することができる。
本発明が想定するインタフェース切換システムを示す構成図 本発明の望ましい実施の形態におけるモバイルノードを機能的に示すブロック図 本発明の望ましい実施の形態におけるモバイル・アクセス・ゲートウェイを機能的に示すブロック図 本発明の望ましい実施の形態におけるローカル・モビリティ・アンカーを機能的に示すブロック図 本発明の第1の実施の形態における通信シーケンスを示す説明図 図5のバインディング事前登録メッセージのフォーマットの一例を示す説明図 図5の登録削除・トリガメッセージのフォーマットの一例を示す説明図 第2の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 図8の転送メッセージのフォーマットの一例を示す説明図 図8の応答メッセージのフォーマットの一例を示す説明図 本発明が想定する他のシステムを示す構成図 第3の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第4及び第5の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第6の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 図14のトリガメッセージのフォーマットの一例を示す説明図 第7の実施の形態のインタフェース切換システムを示す構成図 第7の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第8の実施の形態におけるネットワークを示す説明図 第8の実施の形態における動作及び通信シーケンスを示す説明図 第9の実施の形態における動作及び通信シーケンスを示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<システム>
図1は、本発明が想定するインタフェース切換システムを示す。MN200は複数のネットワーク・インタフェースの一例として、3GPPインタフェースIF1とWLANインタフェースIF2(図5参照)を有し、ローカルモビリティ管理(LMM)ドメイン210をローミング中にインタフェースIF1又はIF2を使用してCN250と通信を行っている。LMMドメイン210は、MN200のホームエージェント(移動管理ノード)となるローカル・モビリティ・アンカー(LMA)220と、MN200の代理ノードとなる3GPPのモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG(3GPP))230及びWLANのMAG(WLAN)232と、不図示のAAAサーバを有する。3GPPインタフェースIF1、WLANインタフェースIF2は、それぞれMAG(3GPP)230、MAG(WLAN)232との間でセルラ接続(connection)240、WLAN接続242を確立するものとする。ここで、WLAN接続242がセルラ接続240より帯域が広く、通信コストも低いので、MN200はWLAN接続242経由のルーティングの方を希望するものとする。ただし、セルラと比較して、WLANのアクセスネットワークは、通信範囲が狭く、また散在しているので、MN200は、WLAN接続242が失われたときに、最小限のパケットロス及び遅延で、WLAN接続242からセルラ接続240へのシームレスなハンドオーバを実現する。ここで、セルラとWLANは、単なる説明のためであって、本発明はこれには限定されない。
<MNの構成>
図2はMN200の構成を機能的に示すブロック図である。MN200は、インタフェースIF1、IF2を含む複数のネットワーク・インタフェース(以下、単にインタフェース)110と、パケットをMN200内の関連プログラム又はインタフェース110に転送するルーティング・ユニット120と、ネットワーク層より上位の層のプロトコル及びプログラムを実行する上位層ブロック130を有する。インタフェース110は、通信メディアを介して他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを実行する機能ブロックである。関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、インタフェース110は、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ及び通信プロトコルを表す。
ルーティング・ユニット120は、パケットを上位層ブロック130内のどの適切なプログラムに渡して処理させるかを決定したり、インタフェース110内のどの適切なインタフェースに渡して転送させたりするかを決定する。ルーティング・ユニット120は、関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、レイヤ3(ネットワーク層)プロトコル、例えばIPv4又はIPv6(Internet Protocolversion 4 or 6)の機能を表す。ルーティング・ユニット120は、パケットをシグナル/データパス192を経由してインタフェース110の適切なインタフェースから受信したり、インタフェース110の適切なインタフェースに送信したりすることができる。また、ルーティング・ユニット120は、パケットをシグナル/データパス194を経由して上位層ブロック130から受信したり、上位層ブロック130に送信したりすることができる。
上位層ブロック130が実行するネットワーク層より上位の層のプロトコル及びプログラムは、トランスポート層とセッション層のプロトコル、例えばTCP(Transmission ControlProtocol)、SCTP(Stream ControlTransport Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)と、他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを含む。
ルーティング・ユニット120は、ルーティング・テーブル140と、バインディング事前登録手段150と、事前登録バインディング・トリガ手段160を有する。ルーティング・テーブル140はルーティング・ユニット120に対して、パケットをインタフェース110のどのインタフェースにルーティングさせるかを示すルーティング・エントリ(例えば送信元アドレス、あて先アドレス)を含む。バインディング事前登録手段150と事前登録バインディング・トリガ手段160が本発明で追加したコア部分である。バインディング事前登録手段150は、BUメッセージやPBUメッセージのように無条件のバインディング登録要求メッセージではなく、アクティブ条件付きのバインディング登録(ある1つのプリフィックスを別のプリフィックスに関連付けるか、又はある1つのホームアドレスを別のホームアドレスに関連付ける転送先情報)を事前登録するメッセージをアクセスルータに送信し、また、この事前登録メッセージが存続期間を含む場合には、存続期間が満了したとき又は近傍の時点で存続期間をリフレッシュする。
バインディング事前登録手段150はまた、第8の実施の形態ではアクティブ期間及び非アクティブ期間を有するフロー種別の事前登録フィルタルールを登録し、さらに第9の実施の形態ではアクティブ期間及び非アクティブ期間を有するフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールを登録する。事前登録バインディング・トリガ手段160は、バインディング登録、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールを事前登録するメッセージを送信するようバインディング事前登録手段150をトリガする。また、必要な場合には、アクセスルータに登録されている事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをアクティブにするためのトリガ信号をアクセスルータに送信する。
<MAGの構成>
図3は、MAG(3GPP)230、MAG(WLAN)232の構成を機能的に示すブロック図である。MAG230、232は、パケットを送受信するための1又は複数のネットワーク・インタフェース(以下、単にインタフェース)110bと、パケットをインタフェース110bのどの適切なインタフェースを介して転送させるかを決定するルーティング・ユニット120bを有する。インタフェース110bも同じく、通信メディアを介して他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを実行する機能ブロックであり、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ及び通信プロトコルを表す。
ルーティング・ユニット120bは、インタフェース110内のどの適切なインタフェースに渡して転送させるかを決定する。さらに、プロキシ・モバイルIP(PMIP)のMAGの機能を有し、関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、レイヤ3(ネットワーク層)プロトコル、例えばIPv4又はIPv6の機能を表す。ルーティング・ユニット120bは、パケットをシグナル/データパス192bを経由してインタフェース110bの適切なインタフェースから受信したり、インタフェース110bの適切なインタフェースに送信したりすることができる。
ルーティング・ユニット120bは、プロキシ・バインディング・アップデート(PBU)手段130bと、ルーティング・テーブル140bと、事前登録バインディング・テーブル150bと、事前登録バインディング・トリガ手段160bを有する。PBU手段130bは、自身のMAG230、232に現在、接続(attach)しているMN200のためにPBUメッセージをLMA220に送信する。ルーティング・テーブル140bは、パケットをどのようにルーティングするかをルーティング・ユニット120bに指示するためのルーティング・エントリを有し、例えばどのインタフェースを介して転送するかを示すパケットパラメータ(送信元アドレス及びあて先アドレス)を有する。
事前登録バインディング・テーブル150bと事前登録バインディング・トリガ手段160bが本発明で追加したコア部分である。事前登録バインディング・テーブル150bは、MN200により事前登録されたバインディング(事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルール)をストアしている。事前登録バインディング・トリガ手段160bは、特定のイベントが発生した場合に、事前登録バインディング・テーブル150bにストアされている事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをアクティブにし、また、必要な場合に事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをLMA220に転送する。
<LMAの構成>
図4はLMA220の構成を機能的に示すブロック図である。LMA220は、パケットを送受信するための1又は複数のネットワーク・インタフェース(以下、単にインタフェース)110cと、パケットをインタフェース110bのどの適切なインタフェースを介して転送させるかを決定するルーティング・ユニット120cを有する。インタフェース110cも同じく、通信メディアを介して他のノードと通信するために必要なプログラム及びソフトウエアを実行する機能ブロックであり、レイヤ1(物理層)とレイヤ2(データリンク層)の通信コンポーネント、ファームウェア、ドライバ及び通信プロトコルを表す。
ルーティング・ユニット120cは、インタフェース110内のどの適切なインタフェースに渡して転送させるかを決定する。さらに、プロキシ・モバイルIP(PMIP)のLMAの機能を有し、関連する技術分野において用いられている用語を使用すれば、レイヤ3(ネットワーク層)プロトコル、例えばIPv4又はIPv6の機能を表す。ルーティング・ユニット120cは、パケットをシグナル/データパス192cを経由してインタフェース110cの適切なインタフェースから受信したり、インタフェース110cの適切なインタフェースに送信したりすることができる。
ルーティング・ユニット120cは、プロキシ・バインディング・キャッシュ130cと、ルーティング・テーブル140cと、事前登録バインディング・テーブル150cと、事前登録バインディング・トリガ手段160cを有する。プロキシ・バインディング・キャッシュ130cは、PMIPにしたがってMN200のプロキシ・バインディング登録を維持する。ルーティング・テーブル140cは、パケットをどのようにルーティングするかをルーティング・ユニット120cに指示するためのルーティング・エントリを有し、例えばどのインタフェースを介して転送するかを示すパケットパラメータ(送信元アドレス及びあて先アドレス)を有する。
事前登録バインディング・テーブル150cと事前登録バインディング・トリガ手段160cが本発明で追加したコア部分である。事前登録バインディング・テーブル150cはMN200とMAG230、232により事前登録されたバインディング登録(事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルール)、ストアしている。事前登録バインディング・トリガ手段160cは、特定のイベントが発生した場合に、事前登録バインディング・テーブル150cにストアされている事前登録バインディング、フロー種別の事前登録フィルタルール又はフロー種別の事前登録ブロッキング・フィルタルールをアクティブにする。
<第1の実施の形態>
図5は第1の実施の形態の通信シーケンスを示す。まず、MN200は、MAG(WLAN)232と通信中(接続中)であり、したがって、MAG(WLAN)232からLMA220に対してPBUメッセージ301が既に送信されていて、LMA220には既にWLAN接続242に関するバインディングが登録されている。MN200は、MAG(WLAN)232と通信中にインタフェース切換イベント300が発生すると、セルラ接続240に関するバインディング登録を事前登録するバインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続242を介してMAG(WLAN)232に送信する。インタフェース切換イベント300とは例として、WLAN接続242の信号強度が所定の閾値より低下した場合や、MN200の移動速度を検知することによりWLAN接続242が失われることを予測した場合や、MN200がWLAN接続242を介してリアルタイムな通信セッションを開始していて最小限のパケットロスや遅延などを希望する場合などのいずれか1以上のイベントである。
バインディング事前登録メッセージ302は、MN200が現在のWLAN接続242のバインディングの代わりにセルラ接続240を確立したいという希望を含む。ここで、代わりのセルラ接続240を識別する方法としては、種々の望ましい方法がある。例えばセルラ接続240とWLAN接続242の各々に対してユニークなプリフィックスが割り当てられている場合にセルラ接続240のプリフィックスを使用するか、3GPPインタフェースIF1のインタフェース識別子を使用する。バインディング事前登録メッセージ302はまた、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにする方法を示し、例えばWLAN接続242が切断された時点や、MAG(WLAN)232が特定の信号を受信した時点などが、事前登録バインディングをアクティブにする情報として示される。図5では、WLAN接続242が切断(図の310)された時点で事前登録バインディングをアクティブにするとしている。
MAG(WLAN)232は、セルラ接続240のバインディング事前登録メッセージ302を受信すると、その事前登録バインディングを事前登録バインディング・テーブル150bに登録する。ここでは、セルラ接続240のバインディングが仮登録されただけであり、アクティブ(本登録)ではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。このWLAN経由の転送は、WLAN接続242が切断(図の310)されるまで継続する。ここで、レイヤ2のアクセス技術では、アクセスルータは、モバイルノードが接続(connection)を失ったことを瞬時に検出することができる。
MAG(WLAN)232は、WLAN接続242の切断310を検出すると、登録削除・トリガメッセージ312aをLMA220に送信する。登録削除・トリガメッセージ312aは2つの目的を有する。第1の目的は、MAG(WLAN)232に登録されているセルラ接続240の事前登録バインディングをLMA220に登録してトリガ(すなわち本登録)することにあり、第2の目的は、MAG(WLAN)232からWLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録(PBUメッセージ301の内容)を削除することにある。このため、LMA220は、登録削除・トリガメッセージ312aを受信すると、MN200のWLAN接続242経由のデータパケットをセルラ接続240経由で転送する。なお、ここで言う登録削除とは、バインディング登録されている情報そのものを削除するのではなく、バインディングとしての登録を解除することを示してもよい。この場合、LMA220は、登録削除・トリガメッセージ312aを受信した際に、WLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録を、非アクティブ化(無効化)する。このため、WLANインタフェースIF2のプリフィックスに関するバインディング情報は保持され、MN200が再びWLAN接続242を確立した際にアクティブ化(有効化)される。つまり、登録の解除はされるものの、実際の情報は消されずに保持される。これにより、MN200のWLANが再接続した際にバインディング情報の再登録が不要となる。
ここで、LMA220がMN200のWLAN接続242経由で転送されるデータパケット314を受信する場合を考える。このとき、MN200は既にMAG(WLAN)232から切断されているので、従来技術では、データパケット314はMAG232へ転送されるが、MN200はすでにMAG232に接続していないため破棄される。一方、本発明では、LMA220には、MAG(WLAN)232に登録されていたセルラ接続240の事前登録バインディングが本登録されているので、データパケット314は転送経路316で示されるようにMAG230へ転送され、そしてMAG230は転送経路318で示されるようにセルラ接続240経由でMN200へ転送する。
この動作は、通常のPMIPv6動作と異なる。なお、通常のPMIPv6動作では、MAG(3GPP)230がPBUメッセージ322を送信して、ハンドオフ指示フラグで、WLAN接続242に関連するプリフィックスを移すことを指示することを必要とする。これに対し、本実施の形態では、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされると、LMA220は、セルラ接続240のPBUメッセージ322を受信する前であっても、MAG(3GPP)230あての転送を開始することができる。以上説明したように、本実施の形態によれば、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続240に転送される。
<バインディング事前登録メッセージ>
図6はバインディング事前登録メッセージ302のフォーマットの一例を示す。このメッセージ302は、このメッセージ302がIPを使用する場合にはIPヘッダ1005を含み、IPヘッダ1005の後に実メッセージ1010が続く。メッセージ302がレイヤ2のメカニズム経由で送信される場合には、IPヘッダ1005は、レイヤ2フレームの適切なヘッダと置き換えられる。実メッセージ1010は、メッセージタイプ1012とバインド先1014の各フィールドを含む。メッセージタイプ1012は、このメッセージ302がバインディング登録の事前登録であることを示す。バインド先1014は、事前登録バインディングのバインド先の情報(転送先情報)を示し、事前登録バインディングがアクティブになった際にパケットの転送先となる接続を示す。例としてはバインド先のネットワーク・プリフィックス又はMAG、又はMN200のバインド先インタフェースなどを識別する情報(アドレスやIDなど)である。なお、このバインディング事前登録メッセージ302としては、MN200とMAG(WLAN)232へ接続する際に行われる接続手続き(Attach Procedure)の中でやり取りされるシグナリングを用いてもよいし、MN200とMAG(WLAN)232との間でSA(Security Association)を確立するために行われるIKEv2(Internet Key Exchange)の中でやり取りされるシグナリングを用いてもよい。また、BUメッセージを用いてもよい。
<登録削除・トリガメッセージ>
図7は登録削除・トリガメッセージ312aのフォーマットの一例を示す。このメッセージ312aは、LMA220に事前登録バインディングを登録してアクティブにする機能と、PMIPにおける登録削除のPBUメッセージの機能を有する。メッセージ312aは、このメッセージ312aがIPを使用する場合にはIPヘッダ1025を含み、IPヘッダ1025の後に実メッセージ1030が続く。メッセージ312aがレイヤ2のメカニズム経由で送信される場合には、IPヘッダ1025は、レイヤ2フレームの適切なヘッダと置き換えられる。実メッセージ1030は、メッセージタイプ1032と、MNプリフィックス1034と、バインド先1036の各フィールドを含む。メッセージタイプ1032は、このメッセージ312aが登録削除・トリガメッセージであることを示す。MNプリフィックス1034は、メッセージ312aの送信元MAGが取り扱っているMN200のプリフィックスであって登録削除すべきプリフィックスを示す。バインド先1036は事前登録バインディングのバインド先を示し、事前登録バインディングがアクティブになった際にパケットの転送先となる接続を示す。例としてはバインド先のネットワーク・プリフィックス又はMAG、又はMN200のバインド先インタフェースなどを識別する情報(アドレスやIDなど)である。なお、この登録削除・トリガメッセージ312aとしてPBUメッセージを用いてもよい。
<第2の実施の形態>
図8は第2の実施の形態の通信シーケンスを示す。MN200は、MAG(WLAN)232と通信中(接続中)であり、したがって、MAG(WLAN)232からLMA220に対してPBUメッセージ301が既に送信されていて、LMA220には既にWLAN接続242に関するバインディングが登録されている。MN200は、MAG(WLAN)232と通信中にインタフェース切換イベント300が発生すると、バインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続242を介してMAG(WLAN)232に送信する。バインディング事前登録メッセージ302は、MN200が現在のWLAN接続242のバインディングの代わりにセルラ接続240を確立したいという希望を含む。なお、インタフェース切換イベントや代わりのセルラ接続240を識別する方法の例は、第1の実施の形態と同様である。バインディング事前登録メッセージ302はまた、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにする方法を示し、例えばWLAN接続242が切断された時点や、MAG(WLAN)232が特定の信号を受信した時点などが、事前登録バインディングをアクティブにする情報として示される。図8では、WLAN接続242が切断(図の310)された時点で事前登録バインディングをアクティブにするとしている。
MAG(WLAN)232は、バインディング事前登録メッセージ302を受信すると、その内容を事前登録バインディング・テーブル150bに登録するとともに、バインディング事前登録転送メッセージ304でLMA220に転送する。転送メッセージ304は2つの目的を有する。第1の目的は、LMA220におけるWLAN接続242に関するプリフィックスをセルラ接続240に関するプリフィックスに仮にバインディング登録することにある。このため、LMA220は、転送メッセージ304内の事前登録バインディングを事前登録バインディング・テーブル150cに登録する。この意味は、LMA220におけるセルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされると、LMA220がMAG(WLAN)232あてのパケットを代わりにMAG(3GPP)230あてにトンネル化するということである。
転送メッセージ304の第2の目的は、LMA220に対して、セルラ接続240のプロキシとなるMAG(3GPP)230のアドレス又はアドレスを導き出すことができる情報(FQDN)などをMAG(WLAN)232に通知するよう要求することにある。このため、LMA220は、応答メッセージ306をMAG(WLAN)232に送信して、MAG(3GPP)230がセルラ接続240のプロキシノードであることを通知する。ここで、MAG(WLAN)232がMAG(3GPP)230を知得する他の手段を有する場合には、転送メッセージ304はなくてもよい。この他の手段としては、MN200がセルラ接続240に関するネットワーク・プリフィックス、又は他のパラメータからMAG(3GPP)230のアドレス又はアドレスを導き出すことができる情報を知得するか、或いはドメイン210内の独立したサーバに問い合わせることにより知得し、バインディング事前登録メッセージ302を用いて明示的にMAG(WLAN)232へ通知することが考えられる。
これらのメッセージ302、304、306により、仮のバインディングがMAG(WLAN)232とLMA220の両方に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。このWLAN経由の転送は、WLAN接続242が切断(図の310)されるまで継続する。ここで、レイヤ2のアクセス技術では、アクセスルータは、モバイルノードが接続(connection)を失ったことを瞬時に検出することができる。
MAG(WLAN)232は、WLAN接続242の切断310を検出すると、セルラ接続240の事前登録バインディング登録をアクティブにするために、プロキシ・モバイルIPにより、WLAN接続242に関するバインディング登録(すなわちPBUメッセージ301の内容)を削除するよう要求するプロキシBU(登録削除PBU)メッセージ312をLMA220に送信する。LMA220は、登録削除PBUメッセージ312を受信すると、MAG(WLAN)232からWLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録を削除し、また、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにする。なお、ここで言う登録削除とは、バインディング登録されている情報そのものを削除するのではなく、バインディングとしての登録を解除することを示してもよい。この場合、LMA220は、登録削除PBUメッセージ312aを受信した際に、WLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録を、非アクティブ化(無効化)する。このため、WLANインタフェースIF2のプリフィックスに関するバインディング情報は保持され、MN200が再びWLAN接続242を確立した際にアクティブ化(有効化)される。つまり、登録の解除はされるものの、実際の情報は消されずに保持される。これにより、MN200が再接続した際にバインディング情報の再登録が不要となる。
ここで、LMA220が登録削除PBUメッセージ312を受信する前に、WLAN接続242経由で転送するデータパケット314を受信したものとすると、LMA220は、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされていないので、通常の動作としてデータパケット314をMAG(WLAN)232あてのデータパケット316にトンネル化する。そこで、MAG(WLAN)232は、データパケット316を受信したときには、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされているので、データパケット316をインタセプトしてデータパケット318でMAG(3GPP)230に転送する。これにより、MAG(WLAN)232がWLAN接続242の切断310を検出した後にデータパケット316を受信した場合でも、MAG(3GPP)230へ転送することができるため、パケットロスを防ぐことができる。ここで、MAG(WLAN)232は、データパケット318の転送先のMAG(3GPP)230を応答メッセージ306又は他の手段で知得している。MAG(3GPP)230はそのデータパケット318をデータパケット320でMN200に転送する。
LMA220は、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされているときに(すなわち登録削除PBUメッセージ312を受信した後に)データパケットを受信すると、そのデータパケットをMAG(WLAN)232の代わりにMAG(3GPP)230あてに転送する。この動作は、通常のPMIPv6動作と異なる。なお、通常のPMIPv6動作では、MAG(3GPP)230がセルラ接続240のPBUメッセージ322を送信して、ハンドオフ指示フラグで、WLAN接続242に関連するプリフィックスを移すことを指示することを必要とする。これに対し、本実施の形態では、セルラ接続240の事前登録バインディングがアクティブにされると、LMA220は、セルラ接続240のPBUメッセージ322を受信する前であっても、MAG(3GPP)230あての転送を開始することができる。以上説明したように、本実施の形態によれば、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続240に転送される。
<バインディング事前登録転送メッセージ>
図9はバインディング事前登録転送メッセージ304のフォーマットの一例を示す。このメッセージ304は、事前登録バインディングをLMA220に登録する機能と、メッセージ304内に記述されているバインド先を取り扱っているMAGに関する情報(アドレスなど)を、このメッセージの送信元に通知するようLMA220に要求する機能を有する。メッセージ304は、このメッセージ304がIPを使用する場合にはIPヘッダ1045を含み、IPヘッダ1045の後に実メッセージ1050が続く。実メッセージ1050は、メッセージタイプ1052と、MNプリフィックス1054と、バインド先1056の各フィールドを含む。メッセージタイプ1052は、このメッセージが事前登録転送メッセージ304であることを示す。MNプリフィックス1054は、このメッセージの送信元MAGが取り扱っているMN200のプリフィックスであって、事前登録バインディングがアクティブになったときに転送すべきプリフィックスを示す。バインド先1056は、事前登録バインディングのバインド先を示し、事前登録バインディングがアクティブになった際にパケットの転送先となる接続を示す。例としてはバインド先のネットワーク・プリフィックス又はMAG、又はMN200のバインド先インタフェースなどを識別する情報(アドレスやIDなど)である。なお、このバインディング事前登録転送メッセージ304としてPBUメッセージを用いてもよい。
<応答メッセージ>
図10は応答メッセージ306のフォーマットの一例を示す。メッセージ306は、このメッセージ306がIPを使用する場合にはIPヘッダ1065を含み、IPヘッダ1065の後に実メッセージ1070が続く。実メッセージ1070はメッセージタイプ1072とバインド先1074の各フィールドを含む。メッセージタイプ1072は、このメッセージが応答メッセージ306であることを示す。バインド先1074は、事前登録バインディングに記述されているバインド先を扱っているMAGの実際のアドレスである。なお、この応答メッセージ306としてPBAメッセージを用いてもよい。
<第3の実施の形態:バインド先の変更>
通常、モバイルノードは、事前登録バインディングとして不安定な接続を、安定している接続にバインドする。バインド先(切り換え先インタフェース)の接続は安定しているので、事前登録バインディングがアクティブにされる前にバインド先の接続が変更されることは殆どない。ただし、以下のようなことが考えられる。図11は、本発明が想定する他のシステムを示し、図11では、図1に示す構成に対してセルラアクセスタイプのMAG(3GPP)430が追加されている。
図12は図11における通信シーケンスを示し、MN200とMAG(3GPP)230の間のセルラ接続240をMN200とMAG(3GPP)430の間の新しいセルラ接続440にハンドオフする手順を含む。図12におけるPBUメッセージ301と、インタフェース切換イベント300と、バインディング事前登録メッセージ302と、転送メッセージ304と、応答メッセージ306は図8と同じであり、したがって、セルラ接続240の事前登録バインディングがMAG(WLAN)232の事前登録バインディング・テーブル150bと、LMA220の事前登録バインディング・テーブル150cの両方に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。また、LMA220からの応答メッセージ306によって、MAG232には、セルラ接続240はMAG230によって管理されていることが通知される。このセルラ接続240軽油の転送は、イベント510で示されるように、セルラ接続240がセルラ接続440へ切り替わるまで継続する。
セルラ接続240がセルラ接続440にハンドオフ(図の510)されると、新しいMAG(3GPP)430がセルラ接続440のPBUメッセージ512をLMA220に送信して、セルラ接続240を新しいセルラ接続440にアップデートする。PBUメッセージ512はLMA220に対し、MAG(3GPP)430が現在、MN200のセルラ接続を取り扱っている旨を指示する。LMA220は、既にセルラ接続240の事前登録バインディングが転送メッセージ304で登録されているので、この事前登録バインディングがPBUメッセージ512により影響を受けるか否かを事前登録バインディング・テーブル130cでチェックする。
LMA220は、セルラ接続240の事前登録バインディングのバインド先が変更されていることを検出すると、新しい応答メッセージ514をMAG(WLAN)232に送信して、事前登録バインディングのバインド先がMAG(3GPP)230からMAG(3GPP)430に変更されていることを通知する。MAG(WLAN)232は、セルラ接続240の事前登録バインディングのバインド先が変更されてもそのバインド先が通知されているので、WLAN接続242の切断の後にLMA220から転送されてきたパケットを正しいMAG(3GPP)430に転送することができる。このため、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続440に転送される。
<第4の実施の形態:バインド先のチェック>
あるシステムによっては、MAG(WLAN)232にとって上記の事前登録バインディングを受け付ける前にMN200が本当にバインド先のセルラ接続240を有するか否かを検証(verify)する必要があるかもしれない。この証明は、MAG(WLAN)232が転送メッセージ304をLMA220に送信する際に検証を要求して、肯定の応答メッセージ306をLMA220から受信することにより実現することができる。また、代わりにMAG(WLAN)232は、MN200のアクティブな接続に関して必要な情報を有するドメイン210内の他のノード、例えばAAAサーバに問い合わせることができる。さらに他の方法として、MAG(WLAN)232がテストメッセージをバインド先のセルラ接続240に送信する。MN200はこのテストメッセージを受信すると、応答することによりMN200が本当にバインド先のセルラ接続240を有することを示す。
さらに他の方法として、図13に示すようにMN200がバインディング事前登録メッセージ302aをバインド先のセルラ接続240経由でMAG(WLAN)232に送信する。この場合、MAG230によって転送されるので、MAG(WLAN)232が、MN200を検証したMAG230から転送されたバインディング事前登録メッセージ302aを受信した場合に、MN200の検証が完了する。加えて、この方法はまた、MAG(WLAN)232がLMA220により、MAG(3GPP)230がセルラ接続240を取り扱っていることを通知される必要がないことを意味する。バインディング事前登録メッセージ302aの内容がMAG(3GPP)230により転送されるということは、MAG(WLAN)232に対してMAG(3GPP)230がセルラ接続240を取り扱っていることを示す。
図13を参照して、MN200がバインディング事前登録メッセージ302aをバインド先のセルラ接続240経由でMAG(WLAN)232に送信する場合について説明する。前述したインタフェース切換イベント300が発生すると、MN200はバインディング事前登録メッセージ302をMAG(WLAN)232に直接に送信する代わりに、バインディング事前登録転送メッセージ304aをセルラ接続240経由でMAG(3GPP)230に送信する。MAG(3GPP)230は、事前登録転送メッセージ304aを受信すると、バインディング事前登録メッセージ302aをMAG(WLAN)232に送信する。このため、事前登録バインディングがMAG(3GPP)230経由でMAG(WLAN)232に送信されるので、MAG(WLAN)232は、MN200がセルラ接続240を有することを検証する必要がない。MAG(WLAN)232はまた、MAG(3GPP)230がセルラ接続240を取り扱っていることを知得することができる。なお、この目的のためには、MAG(3GPP)230がバインディング事前登録メッセージ302aに識別キーで署名して、バインディング事前登録メッセージ302aが真であることをMAG(WLAN)232に示すことが望ましい。
<第5の実施の形態:バインド先の変更先のチェック>
図13はまた、MN200がバインディング事前登録メッセージ302aをバインド先のセルラ接続240経由でMAG(WLAN)232に送信する例として、図5を変形した例を示し、MN200とMAG(3GPP)230の間のセルラ接続240をMN200とMAG(3GPP)430の間の新しいセルラ接続440にハンドオフする手順を含む。図13における事前登録バインディングを再送する目的は、バインド先の接続を実際に取り扱っているMAG(3GPP)430になるようMAG(WLAN)232をアップデートすることにある。
MAG(3GPP)230からMAG(3GPP)430にハンドオフ(図の510)されると、MAG(3GPP)430はPBUメッセージ616でLMA220をアップデートする。また、MN200は、バインディング事前登録転送メッセージ304bをセルラ接続240経由でMAG(3GPP)430に送信する。MAG(3GPP)430は、事前登録転送メッセージ304bを受信すると、バインディング事前登録メッセージ302bをMAG(WLAN)232に送信する。ここでは、セルラ接続440の事前登録バインディングがMAG(3GPP)430経由でMAG(WLAN)232に送信されるので、MAG(WLAN)232は、MN200がセルラ接続440を有することを検証する必要がない。MAG(WLAN)232はまた、MAG(3GPP)430がセルラ接続440を取り扱っていることを知得することができる。このため、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続440に転送される。
<第6の実施の形態:事前登録バインディング・トリガの変形>
上記の実施の形態では、接続(connection)が失われたことをMAGが瞬時に検出できるものと仮定しているが、レイヤ2のアクセス技術では一般的に真であり、基地局又はアクセスポイントは、移動局が関連していないことを瞬時に知得する。しかしながら、MAGがこれを瞬時に知得できないアクセス技術や状況がある。一例として、WLAN接続242がPPP(Point-To-Point Protocol)トンネルであるケースがある。このケースは、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワーク(non-trusted WLAN access network)をローミングしていて、3GPPのアクセス及び機能にアクセスするために、ePDG(evolved Packet Data Gateway)に対してPPPトンネルをセットアップするときに発生する。この場合には、MN200とMAG(WLAN)232との間のアクセスがPPPトンネルであるので、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワークとのWLAN接続242を失うと、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワークには位置していないことを知得するのにある程度の時間がかかる。この状況下では、接続ロスを検出して、事前登録バインディングをアクティブにするためのトリガとして役には立たず、他の方法を必要とする。
1つの望ましい方法は、図14に示すように、MN200の事前バインディング・トリガ手段160が、インタフェースが切断した際に事前登録バインディングをアクティブにするトリガ信号を、セルラ接続240、440経由で送信することである。ここで、図8に示したように、MN200は2つの接続として、すなわちMAG(3GPP)230に対する安定した第1のセルラ接続240と、信頼できないWLANアクセスネットワークを経由したPPP接続かもしれない安定していない第2のWLAN接続242を有する。図14におけるPBUメッセージ301と、インタフェース切換イベント300と、バインディング事前登録メッセージ302と、転送メッセージ304と、応答メッセージ306は図8と同じであり、したがって、セルラ接続240の事前登録バインディングがMAG(WLAN)232とLMA220の両方に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは、継続してMAG(WLAN)232とWLAN接続242を経由して転送される。また、LMA220からの応答メッセージ306によって、MAG232には、セルラ接続240はMAG230によって管理されていることが通知される。
ここで、切断イベント310では、MN200が、信頼できないWLANアクセスネットワークを経由したPPP接続であるWLAN接続242を失ったものとする。このため、MAG(WLAN)232はこの切断イベント310を直ぐには検出できず、MN200のみがWLANインタフェースIF2上で切断イベント310を直ぐに検出できる。そこで、MN200はプロキシ・モバイルIPにしたがって、MAG(3GPP)230に対して、WLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスをMAG(3GPP)230が引き継ぐように要求するバインディング登録引き継ぎ要求メッセージ712を送信する。バインディング登録引き継ぎ要求メッセージ712の形態は、通常、レイヤ2のシグナリングを用いて送信されるが、当業者であれば、レイヤ3におけるNS(neighbor solicitation)メッセージや、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)におけるメッセージなどの他の手段を用いて送信することができる。本発明ではさらに、バインディング登録引き継ぎ要求メッセージ712で、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにするトリガを送信する。
MAG(3GPP)230は、メッセージ712を受信すると、LMA220に対して、WLAN接続242のプリフィックスを引き継ぐことを要求する適切なハンドオフ指示子を有するPBUメッセージ714を送信する。MAG(3GPP)230はまた、MAG(WLAN)232に対して、セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにするトリガメッセージ716を送信する。セルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにするということは、WLAN接続242が最早使用されていないことを黙示している。このため、MAG(WLAN)232は、登録削除PBUメッセージ718をLMA220に送信する。ここで、LMA220における事前登録バインディングがアクティブにされる時点は、登録削除PBUメッセージ718を受信した時点、又はPBUメッセージ714内のハンドオフ指示子を受信した時点である。
この効果について、LMA220によりインタセプトされるデータパケット720を例にして説明する。インタセプトされる時点は、切断イベント310の後であってセルラ接続240のPBUメッセージ714を受信する前である。この状況では、LMA220は、WLAN接続242が未だアクティブであると信じており、インタセプトしたデータパケット720をMAG(WLAN)232あてのデータパケット722にトンネル化する。MAG(WLAN)232はこのデータパケット722を受信すると、セルラ接続240の事前登録バインディングが既にトリガ信号716によりアクティブにされていることに気付く。このため、MAG(WLAN)232はこのデータパケット722をデータパケット724でMAG(3GPP)230に送信する。MAG(3GPP)230はこのデータパケット724をデータパケット726でMN200に転送する。
以上説明したように、MN200がアクティブなセルラ接続240を使用して、MAG(WLAN)232におけるセルラ接続240の事前登録バインディングをアクティブにしている。同様に、MAG(WLAN)232がトリガ信号716をMAG(WLAN)232に送信するときに、同じトリガ(セルラ接続240のPBUメッセージ714)がLMA220に送信される。したがって、本実施の形態でも同様に、WLAN接続242が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延でセルラ接続240に転送される。
<トリガメッセージ>
図15はトリガメッセージ716のフォーマットの一例を示す。トリガメッセージ716は、バインド元のMAG(WLAN)232に登録されている事前登録バインディングをアクティブにするために使用される。トリガメッセージ716は、このメッセージ716がIPを使用する場合にはIPヘッダ1085を含み、IPヘッダ1085の後に実メッセージ1090が続く。メッセージ716がレイヤ2のメカニズム経由で送信される場合には、IPヘッダ1085は、レイヤ2フレームの適切なヘッダと置き換えられる。実メッセージ1090は、メッセージタイプ1092とトリガ信号フィールド1094を含む。メッセージタイプ1092は、このメッセージがトリガメッセージ716であることを示す。トリガ信号フィールド1094は、アクティブにする事前登録バインディングを示す。
<第7の実施の形態:インタフェースが接続するドメインが異なる>
上記の実施の形態ではいずれも、セルラ接続240のバインディング事前登録がローカル・モビリティ・アンカー・ポイントであるLMA220に転送される。このため、LMA220がハンドオフ用のPBUメッセージ714を受信する前に、受信パケットをセルラ接続240にリ・ダイレクトできるようにして、不必要な遅延を防止することに役立つ。次に、図16、図17を参照して第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では、MN200の3GPPインタフェースIF1とWLANインタフェースIF2がそれぞれ、異なるLMMドメイン810、820に接続(attach)している。
図16において、MN200は2つの異なるLMMドメイン810、820内をローミングしている。LMMドメイン810、820はグローバルなインターネット800に接続(connect)されている。LMMドメイン810はLMA821とMAG(3GPP)831を有し、MN200の3GPPインタフェースIF1は、MAG(3GPP)831とセルラ接続841を確立している。LMMドメイン820はLMA822とMAG(WLAN)832を有し、MN200のWLANインタフェースIF2は、MAG(WLAN)832とWLAN接続842を確立している。LMA821、822はインターネット800に接続(connect)されている。
前述したように、セルラ接続841よりWLAN接続842の帯域が広く、通信コストも安いので、MN200はWLAN接続842経由のパケット・ルーティングを希望するものとする。ただし、セルラ・アクセスネットワークと比較して、WLANアクセスネットワークの通信範囲は狭く、また散在しているので、本実施の形態でも、最小限のパケットロス及び遅延で、ドメイン820、821を跨がったWLAN接続842からセルラ接続841へのシームレスなハンドオーバを実現する。ここでも、セルラ接続841とWLAN接続842は、単に説明のためであって、他の接続でもよいことは明らかである。
図17は第7の実施の形態の通信シーケンスを示す。第1の実施の形態と同様に、MN200は、MAG(WLAN)832と通信中にインタフェース切換イベント300が発生すると、バインディング事前登録メッセージ302をWLAN接続842を介してMAG(WLAN)832に送信する。バインディング事前登録メッセージ302は、MN200がWLAN接続842の現在のバインディングの代わりにセルラ接続841を確立したいという希望を含む。また、MAG(WLAN)832は、バインディング事前登録メッセージ302を受信すると、その内容を転送メッセージ304でLMA822に転送する。ここで、LMA822は、転送メッセージ304内に記述されているWLAN接続842とセルラ接続841の両方を取り扱っていれば、第2の実施の形態と同様に応答メッセージ306を送信するが、この例では、セルラ接続841に関連するプリフィックスがLMMドメイン820に属しないので、セルラ接続841を取り扱っていないことを知得する。
そこで、LMA822は、セルラ接続841に関連するプリフィックスを抽出する。ここで、ローミング契約がLMMドメイン810、820間で締結されているものと仮定すると、LMA822は、MN200がセルラ接続841を有することを検証(verify)できる。検証処理910では、LMA822がLMMドメイン810側(バインド先)のLMA821と通信することにより行われる。検証処理910はまた、LMMドメイン810、820内の不図示のAAAエンティティ経由で行われる。LMA822は、MN200がセルラ接続841を有することを証明(verify)すると、応答メッセージ306をMAG(WLAN)832に送信する。応答メッセージ306では、LMA822はMAG(WLAN)832に対し、セルラ接続841がバインド先のLMA821ではなく、バインド元のLMA822自身により取り扱われていることを通知する。
このバインド先のLMA821ではない理由は複数ある。第1の理由は、ドメイン間の殆どのローミング契約では、選択されたエンティティ間でのみ通信が許可されているからである。このため、バインド元のMAG(WLAN)832は、バインド先のMAG(3GPP)831に対して直接にパケットを送信できないかもしれない。ここでは、バインド元のLMA822のみがバインド先のLMA821と通信するためのセキュリティ対策を確立しているものとし、このため、セルラ接続841の事前登録バインディングがアクティブにされると、パケットはバインド元のLMA822に転送される。第2の理由は、どこに位置するかのプライバシ(Location Privacy)に関するからである。このため、バインド元のLMA822自身は、バインド先のドメイン810内のどのMAGがセルラ接続841を取り扱っているかを知得していない。第3の理由は、LMAは通常、LMMドメインの入り口及び出口のポイントであるからである。このため、バインド元のドメイン820から外に送信されるパケットは、バインド元のLMA822を通過しなければならず、バインド先のドメイン810内に送信されるパケットは、バインド先のLMA821を通過しなければならない。したがって、パケットのルートに関しては、バインド先のセルラ接続841を取り扱っているMAGをバインド元のMAG(WLAN)832やLMA822に通知しても利点はない。
上記のシグナリングを経て、仮のバインディングがバインド元のMAG(WLAN)832とLMA822に登録されるが、未だアクティブではない。このため、MN200あてのパケットは継続して、MAG(WLAN)832とWLAN接続842を経由して転送され、このWLAN経由の転送は、WLAN接続842が切断(図の310)されるまで継続する。MAG(WLAN)832は、WLAN接続842の切断310を検出すると、セルラ接続841の事前登録バインディングをアクティブにするために、プロキシ・モバイルIPによりWLAN接続842の登録削除PBUメッセージ312をLMA220に送信する。LMA220は、登録削除PBUメッセージ312を受信すると、MAG(WLAN)832からWLANインタフェースIF2に割り当てられていたプリフィックスのバインディング登録(PBUメッセージ301の内容)を削除し、また、セルラ接続841の事前登録バインディングをアクティブにする。
図17では、MN200あての2種類のデータパケット930、950をLMA822が受信したことを示す。第1のデータパケット930は、LMA822によりWLAN接続842の登録削除PBUメッセージ312の前に受信され、このため、LMA822は、データパケット930をデータパケット932でMAG(WLAN)832に転送する。ここで、MAG(WLAN)832は、セルラ接続841の事前登録バインディングが既にアクティブにされ、また、MAG(WLAN)832のテーブル130bにおけるその事前登録バインディングでは、「LMA822がセルラ接続841を取り扱う」と指示しているので、そのデータパケット932をデータパケット934でバインド元のLMA822に送り返す。バインド元のLMA822はそのデータパケット934をデータパケット936でバインド先のLMA821に転送する。データパケット936は、バインド先のMAG(3GPP)831あてのデータパケット938にトンネル化され、最終的に、MAG(3GPP)831がそのデータパケット938をデータパケット940によってセルラ接続841経由でMN200に転送する。
第2のデータパケット950は、LMA822によりWLAN接続842の登録削除PBUメッセージ312の後に受信され、このため、LMA822は、セルラ接続841の事前登録バインディングが登録削除PBUメッセージ312により既にアクティブにされているので、データパケット950をデータパケット952でバインド先のLMA821に転送する。データパケット950は、バインド先のMAG(3GPP)831あてのデータパケット954にトンネル化され、最終的に、MAG(3GPP)831がそのデータパケット954をデータパケット956によってセルラ接続841経由でMN200に転送する。したがって、本実施の形態でも同様に、WLAN接続832が失われても、MN200あてのパケットは破棄されずに、最小限の遅延で別のセルラ接続841に転送される。
<第8の実施の形態>
次に、図18及び図19を参照して第8の実施の形態について詳しく説明する。第8の実施の形態では、MN200は、不安定なアクセス(WLANアクセスネットワーク1101)経由のコネクションを喪失したときに、フロー種別ごとのパケットロスを低減させるために3GPPアクセスへ転送先を切り替えるフロー種別を指定した事前登録フィルタルールをLMA/HA220にセットする。さらに第8の実施の形態では、MN200は、事前登録フィルタルールを確立する必要性を決定して、フィルタルール事前登録メッセージを送信する。なお、図18に示す構成は、「背景技術」において既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、3GPPアクセスネットワーク1100、WLANアクセスネットワーク1101は、3GPPやWLAN,WiMAXなどの無線通信に利用可能なアクセスタイプであればどのタイプであってもよい。例えば、WLANの代わりにWiMAXを利用することも考えられる。
図19は上記のフロー種別ごとの事前登録フィルタルールをセットするための通信シーケンスを示す。第8の実施の形態におけるシナリオにおいて、上記の事前登録フィルタルールをセットする場合とは、MN200が最初に、アクティブモードで不安定なWLANアクセス経由で確立されたコネクションと、アイドルモードで安定した3GPPアクセス経由で確立されたコネクションを有する場合である。さらに、MN200は次に、不安定なWLANアクセス経由の接続(connectivity)を喪失したときに、安定した3GPPアクセス経由のコネクションがアクティブモードに切り替わるものとする。
(1)図19において、MN200は3GPPインタフェースIF1とWLANインタフェースIF2を有する。また、MN200は不安定なWLANアクセス経由でアクティブモードによって接続(connect)しているとともに、安定した3GPPアクセス経由でアイドルモードによって接続(connect)している。MAG(WLAN)232がこの不安定なWLANアクセスを管理(PBUメッセージ1200a参照)しているとともに、MAG(3GPP)230がこの安定した3GPPアクセスを管理している。3GPPアーキテクチャでは、MAG232(WLAN)はePDG(evolved Packet Data network Gateway)であり、MAG230(3GPP)はS−GW(Serving GateWay)である。さらに、MN200のモビリティはLMA/HA220により管理されている。3GPPアーキテクチャでは、LMA/HA220はP−GW(Packet data network GateWay)であり、MN200はUE(User Equipment)である。
(2)ここで、MN200は、LMA/HA220とのブートストラッピング後に、ホームアンドアウェイ登録(home and away registration)をLMA/HA220に対して実行することを決定するものとする。さらに、MN200は、ホームアンドアウェイ登録(H=1)とともに、フロー種別ごとのフィルタルールをLMA/HA220に事前登録するものとする。図19のステップ1200は、決定処理を示し、シグナリングメッセージ1201は、その登録メッセージを示す。シグナリングメッセージ1201の内容は、付与されたHoAに対するホームアンドアウェイ登録(H=1)と、現在のフィルタルールと、将来の不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断期間中に使用されるフロー種別ごとのフィルタルール(事前登録フィルタルール)を含む。
(3)MN200は、各インタフェースIF1、IF2用の1又は複数のHoAを構成した後、ステップ1200において現在のフィルタルールのセットを決定するものとする。ここでは、MN200は、両方のインタフェースIF1、IF2経由のホームアンドアウェイ登録(H=1)を行っていても、複数のFIDにより識別されるオーディオフロー、ビデオフロー及びデータフローのようなすべてのフローが不安定なWLANアクセス経由のみで送信されること(P2のデフォルト→HoA(P2))を希望するフィルタルールを使用するものとする。MN200はステップ1200において、この現在アクティブなフィルタルールに加えて、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断時にアクティブ化されるフロー種別ごとのフィルタルール(ここでは、P2のオーディオ及びビデオのフローが3GPPアクセス経由で送信されること(P2のオーディオフロー&P2のビデオフロー→HoA(P1))を希望するフィルタルールを使用するものとする)を事前に登録することを決定する。このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは、LMA/HA220に通知されたときにはアクティブではなく、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断時にアクティブ化される。
このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールを通知する理由は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断時に、この事前登録フィルタルールが現在のフィルタルールより優先するようトリガする必要があるからである。そして、そのトリガによって、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断中には、この事前登録フィルタルールが現在のフィルタルールより優先して使用される。もし、この事前登録フィルタルールがセットされない場合、LMA/HA220においてパケットロスが発生する。その理由は、LMA/HA220が安定している3GPPアクセス経由でルーティングすることを指示する有効なルーティングステートが存在しないものと判断するからである。この場合、LMA/HA220は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが再びセットアップされるまで、すべてのフローのパケットをバッファリングする。このパケットは、ある時間の経過後にバッファのオーバフローにより破棄されるかもしれない。あるいは、バッファリングすらせずに、破棄されるかもしれない。LMA/HA220は、フィルタルールがいったんセットされると、フィルタルールベースのルーティングに従うので、そのような問題が発生する。その問題の主要な理由は、LMA/HA220が不安定なWLANアクセス経由の切断中には正確なフィルタ管理手続きを有しないからであり、このため、事前登録フィルタルールを必要とする。基本的に、事前登録フィルタルールはLMA/HA220に対し、MN200が不安定なWLANアクセス経由の接続性(connectivity)を喪失している期間のフィルタ管理ルールを通知する。
以上のように着目すると、切断中にはパケットがルーティングできない場合にはバッファリングが発生するが、このバッファリングはリアルタイムなフロー(オーディオフロー及びビデオフロー)にとっては望ましくない。また、バッファリングはリアルタイムでないフロー(データフロー)にとってはアクセプトできるが、時間厳守のリアルタイムなフローにとっては、バッファリングは遅延とジッタを増大させるため、防止すべきである。
MN200は、このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールがあらかじめ必要であると決定又は予測して、これを現在有効フィルタルールとともに送信することを決定する。この事前登録フィルタルールの特徴は、アクティブ化時点の境界が定義されていることにある。この事前登録フィルタルールは、不安定なWLANアクセスの切断中のみ、アクティブであることを必要とする。この事前登録フィルタルールはまた、アクティブ期間には現在のフィルタルールより優先度を有するが、現在のフィルタルールを除去しないことを特徴とする。この事前登録フィルタルールは、アクティブ期間後にはアクティブではなくなり、不安定なWLANアクセスの次の切断中に再び使用(アクティブ化)される。ステップ1200における決定処理では、MN200は、この事前登録フィルタルールが必要であると決定し、また、この事前登録フィルタルールがアクティブ期間後の長い期間であってもLMA/HA220において維持される必要があると決定する。
フロー種別ごとの事前登録フィルタルールが必要であるとMN200が決定する理由として、パケットロスを防止してQoSを向上させる必要のある種別のフロー(ビデオフロー及びオーディオフローなどのリアルタイムフロー)をMN200が不安定なWLANアクセス経由で有しているからであるとしてもよい。加えて、MN200は、上記の種別のフローに関連するセッション期間の間に複数の切断イベントが発生するであろうというネットワーク提供情報を有するかもしれない。この場合、複数の切断イベントの期間、事前登録フィルタルールがLMA/HA220において維持される必要がある。さらに、MN200は、あるサーバ、例えばANDSF(Access Network Discovery Selection Function)からの情報、又はMN200が収集した情報に基づいて、3GPPアクセス経由の安定したコネクションがLMMドメイン210では利用可能であり、かつ事前登録フィルタルールが複数の切断イベントの期間中に維持できると予測する。加えて、MN200は、ANDSF情報及び/又は自身の測定情報に基づいて、安定したインタフェース・アクセス・テクノロジー・ポリシーと安定したインタフェース・アクセスシステムが、安定しないインタフェースに関連するフローを切断中に転送するのに望ましく、その結果、事前登録フィルタルールがLMA/HA220において具備されると予測する。
次に、シグナリングメッセージ1201の構造について説明する。ここで、MN200は2つのホームアドレスHoA(P1)、HoA(P2)を有する。HoA(P2)は、MAG(WLAN)232からLMA/HA220に対するPMIPv6モビリティ・シグナリング1110経由で取得されるプリフィックスP2から構成される。HoA(P1)は、MAG(3GPP)230からLMA/HA220に対するPMIPv6モビリティ・シグナリング1109経由で取得されるプリフィックスP1から構成される。MN200は、DSMIPv6ブートストラッピング手順を使用してHoA(P1)、HoA(P2)を取得した後、まず、プリフィックスP2から構成したHoA(P2)に対してホームアンドアウェイ登録(H=1)を生成する。MN200は、プリフィックスP2に関連するアドレスをあて先とするフローに対して、ホームアンドアウェイ登録によるマルチホーミングの利点を得るために、プリフィックスP1から構成したHoA(P1)をCoAとしてHoA(P2)にバインドし、さらにこのバインディングにHフラグを付す。
プリフィックスP2に関連するHoA(P2)に対するパスの同時確立に加えて、MN200は、可能であればWLANアクセスの使用を希望して、「プリフィックスP2に関連するフローに対しては,WLANアクセスがデフォルトの、すなわち望ましいアクセスである」という現在のフィルタルールを構築する。MN200は、適切なフロー記述サブオプション付きのFIDオプションを含ませて、FIDにより記述されているすべてのフローがWLANアクセス経由で配送されるべきであることを通知する。したがって、MN200は、ホームアンドアウェイ・セマンティクスと、現在のフィルタルールと、事前登録フィルタルールを含むシグナリングメッセージ1201を構築する。ここで、シグナリングメッセージ1201は、追加のモビリティ・オプションとして埋め込まれた現在のフィルタルール及び事前登録フィルタルールを含むDSMIPv6のBUメッセージであるものとする。
事前登録フィルタルールを送信するためのシグナリングメッセージ1201(及び後述する第9の実施の形態における事前登録ブロッキング・フィルタルールを送信するためのシグナリングメッセージ1305)は、例えば図6に示すバインディング事前登録メッセージと同様な構成でよい。この場合、図6に示すメッセージタイプ1012は、事前登録フィルタルール(事前登録ブロッキング・フィルタルール)を含むメッセージであることを示す。また、バインド先1014は、事前登録フィルタルール(事前登録ブロッキング・フィルタルール)そのものを含む。
MN200がシグナリングメッセージ1201に埋め込むフロー種別ごとの事前登録フィルタルールとは、MN200が不安定なWLANアクセスを切断したときに、幾つかのFIDにより識別されるオーディオフローとビデオフローは、プリフィックスP1に関連するアドレスに送信される必要があるということである。シグナリングメッセージ1201はさらに、この事前登録フィルタルールのアクティブ化時点と非アクティブ化時点に関するトリガを有する。このフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは、不安定なWLANアクセスのPMIPv6バインディング登録が削除されたときにアクティブ化され、かつ不安定なコネクションすなわちWLANアクセス経由のPMIPv6バインディング登録が再確立されたときに非アクティブ化されるものとする。
場合によっては、事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するために、それぞれ明示的なアクティブ化メッセージ及び非アクティブ化メッセージ(これらはPBUメッセージと関連づけされない)をMN200及びMAG(WLAN)232又はMAG(3GPP)230からLMA/HA220に送信することができる。このため、事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するために使用するシグナリングのタイプを明確に示したアクティブ化及び非アクティブ化のトリガが有用である。事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するメッセージのタイプを記述するメッセージとしては、図6に記載されているメッセージを使用することができる。ここで、MN200が再び不安定なアクセス経由で再接続するときには、同じプリフィックスP2が割り当てられることが想定される。
(4)図19において、DSMIPv6のシグナリングをホームアンドアウェイ登録と、現在のフィルタルールと事前登録フィルタルールとにより構築した後、その構築されたDSMIPv6ベースのシグナリングメッセージ1201がLMA/HA220に送信される。シグナリングメッセージ1201によりLMA/HA220には、現在のフィルタルールと、後でトリガされるフロー種別ごとの事前登録フィルタルールが生成される。現在のフィルタルールと事前登録フィルタルールは別個に維持される。LMA/HA220は、シグナリングメッセージ1201を受信すると、そのバインディングを保持するとともに、ステート1202に示すように現在のフィルタルール(P2のデフォルト→HoA(P2))をアクティブとして保持し、さらにフロー種別ごとの事前登録フィルタルール(P2オーディオ、ビデオフロー→HoA(P1))を非アクティブとして保持し、また、事前登録フィルタルールをアクティブ化及び非アクティブ化するルールを保持する。
なお、MN200が2つのホームアドレスHoA(P1)、HoA(P2)を構成する場合のシナリオとは別のシナリオとして、MN200は、プリフィックスP1のみを使用してHoA(P1)を構成し、プリフィックスP2から不安定なWLANインタフェースIF2用に構成したCoA(P2)に対してホームアンドアウェイ登録を確立するというシナリオも考えられる。このとき、現在のフィルタルールがLMA/HA220において確立された場合に、ステート1202に示すようにプリフィックスP2に関連するフローはすべて、WLANアクセス経由で送信されるものとする。
(5)次に、MN200は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションを喪失するものとする(イベント1203)。MN200がこの不安定なコネクションを喪失したときに、MAG(WLAN)232は、この切断を検知して、プリフィックスP2に関するPBU登録を削除するための登録削除PBUメッセージ1204をLMA/HA220に送信するものとする。LMA/HA220は、PBU登録削除メッセージ1204を受信すると、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールをアクティブ化するルールをチェックする。このアクティブ化ルールでは、プリフィックスP2に関するPBU登録が削除されたので、LMA/HA220がこの事前登録フィルタルールをアクティブ化するものとする。事前登録フィルタルールがアクティブ化されると、LMA/HA220は、フィルタメンテナンステーブルのステートを、ステート1202からステート1205へ変更する。ステート1205では、現在のフィルタルールは非アクティブモードへ遷移し、事前登録フィルタルールはアクティブモードへ遷移する。
ここで重要な点は、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールがアクティブ化されても、現在のフィルタルールは除去されないということである。これにより、MN200が不安定なWLANアクセス経由で再接続した場合でも、MN200は古い(現在の)フィルタルールを再登録する必要がなくなる。フロー種別ごとの事前登録フィルタルールの特徴は、MN200が不安定なWLANアクセス経由のコネクションを再確立したときに古い(現在の)フィルタルールが再びアクティブ化されるまで、古い(現在の)フィルタルールより優先することにある。LMA/HA220は、登録削除PBUメッセージ1204を受信すると、プリフィックスP1に関するPBAメッセージ(不図示)をMAG(WLAN)232に送り返す。
(6)次に、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断後に、オーディオデータ1206がLMA/HA220に到着するものとする。そのオーディオフローは、ステート1205に示すようにLMA/HA220における事前登録フィルタルールに基づいて、安定した3GPPアクセス経由で転送されるので、LMA/HA220は、ダウンリンク通知メッセージ1207をMAG(3GPP)230あてに送信する。ここで、MN200の3GPPインタフェースIF1がアイドルモードであるので、ダウンリンク通知メッセージ1207はLMA/HA220から送信される。MAG230(3GPP)230は、3GPPアーキテクチャではS−GWであって、オーディオパケットの到着を不図示のMMEに通知する。MMEはMN200を呼び出し、MN200にサービス要求メッセージ(不図示)を送信させる。MMEはこのサービス要求メッセージを受信すると、MAG230(3GPP)230に対し、MN200の3GインタフェースIF1をアクティブモードに切り換えるよう通知する。この動作により、MN200はMAG230(3GP)230からオーディオデータパケット1208を受信する。このため、事前登録フィルタルールがアクティブ化されることにより、不安定なWLANアクセスの切断がLMA/HA220で検知されると直ぐに、遅延が問題となるオーディオトラフィックがMN200に到着する。したがって、事前登録フィルタルールが最も適切な時点でトリガされるので、遅延が問題となるオーディオトラフィックのパケットロスの問題を解決することができる。
(7)次に、不安定なWLANアクセスの切断中に、プリフィックスP2に関連するアドレスあてのWebデータ1209がLMA/HA220に到着するものとする。Webデータ1209は、MN200にルーティングできない。その理由は、Webデータ1209は、ステート1205に示すように事前登録フィルタルールにはその送信先が示されておらず、現在のフィルタルールに従うからである。LMA/HA220に到着したWebデータ1209は、LMA/HA220でバッファリングされるかもしれない。
(8)次に、ある時間の経過後に、MN200が不安定なWLANアクセスを再発見してそれに再接続(reconnect)したものとする(ステップ1210)。この場合、MN200は再接続をするためのシグナリング(reconnection signalling)1211をMAG(WLAN)232に送信してMAG(WLAN)232に再接続(re-attach)すると、MAG(WLAN)232は、PBUメッセージ1212をLMA/HA220に送信する。MN200は、シグナリング1211に、再接続後に使用したいプレフィックスP2を含めてもよい。ここで、MN200が再接続(re-attach)したMAG(WLAN)232は必ずしも、前にコネクションを有していたMAG(WLAN)232と同じとは限らない。PBUメッセージ1212は、プレフィックスP2を含むホームネットワーク・プリフィックス・オプションを有することで、プレフィックスP2の割り当てを要求する。ここで、MN200はプリフィックスP2からホームアドレスHoA(P2)を構成していたので、LMA/HA220は同じプリフィックスP2を、応答であるPBAメッセージ(不図示)で付与するであろう。
(9)LMA/HA220は、PBUメッセージ1212を受信すると、ステート1213に示すように事前登録フィルタルールを非アクティブ化して古いフィルタルールをアクティブ化する。オーディオフローとビデオフローを3GPPアクセス経由で送信するというフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは非アクティブ化され、また、すべてのフローをWLANアクセス経由で送信するという古いフィルタルールがアクティブ化される。LMA/HA220がPBUメッセージ1212を受信した後にLMA/HA220に生成されるステート1213の内容は元のステート1202と同じであり、MN200が明示的なフィルタルール・シグナリングを送信しなくても元のフィルタルールがアクティブ化される。この理由は、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールが、不安定なWLANアクセス経由のコネクションの切断中に高い優先度を有し、また、現在の(古い)フィルタルールを除去しないからである。元のフィルタルールが確立されると、LMA/HA220においてバッファリングされていたWebデータ1214がMAG(WLAN)232に送信される。
本実施の形態におけるフロー種別ごとの事前登録フィルタルールはまた、MN200のアクティブモードであるすべてのインタフェースIF1、IF2経由でLMMドメイン21に接続(connect)していて、1又は複数の不安定なWLANアクセス経由のコネクションを喪失した場合にも適用することができる。例えばMN200は、安定した3GPPアクセス経由のアクティブなコネクションと、安定しないWLANアクセス経由のアクティブなコネクションとを有するかもしれず、その後、安定しないWLANアクセス経由のコネクションを喪失するというシナリオに適用することができる。さらに実施の形態におけるフロー種別ごとの事前登録フィルタルールは、アクティブモードで3GPPアクセスへ接続しているMN200が、WLANアクセスへ接続したときに3GPPアクセスへの接続を切断して、通信に使用するインタフェースを3GPPインタフェースからWLANインタフェースへ切り替える場合にも適用することができる。
事前登録フィルタルールを確立する他のシナリオとしては、MN200が2つのアクティブモードのインタフェース経由でLMMドメイン21に接続(connect)していて、ある接続されたインタフェースから、新しくパワーオンした第3のインタフェースに無線アクセス間ハンドオフ(Inter Radio Access Technology handoff)、又は垂直ハンドオフ(Vertical Handoff)を実行する場合が想定される。例えばMN200は最初に、3GPPインタフェースIF1とWiMAX(登録商標)インタフェースIF3を介してLMMドメイン21に接続(connect)していたものとする。次に、MN200は、WLANアクセスを発見して、より広い帯域、又はより安いコスト、又はより良いQoSをWLANインタフェースIF2経由で実現するためにWiMAXからWLANに垂直ハンドオフするものとする。このシナリオにおいて、垂直ハンドオフを実行中のWiMAXインタフェースIF3あてのフローのパケットロスを防止するために、MN200がフロー種別ごとの事前登録フィルタルールをセットする必要があるかもしれない。
<フィルタルール事前登録メッセージの変形>
図19におけるシグナリングメッセージ1201においては、フラグを用いてフロー種別ごとの事前登録フィルタルールを通知することができる。このフラグベースで事前登録フィルタルールを通知する方法が、事前登録フィルタルールを明示して通知する方法の変形である。フラグはLMA/HA220に対し、すべてのリアルタイムフロー(オーディオ、ビデオ)を安定した3GPPアクセス経由で送信するよう通知する。このフラグを使用する方法によれば、シグナリングメッセージ1201内に事前登録フィルタルールを明示的に埋め込む必要がない。不安定なWLANアクセスのコネクションが切断したときに、DSMIPv6のBUメッセージ内のフラグにより、LMA/HA220に対し、すべてのリアルタイムフロー(オーディオ、ビデオ)を安定した3GPPアクセス経由で送信するよう通知する。ここで、このフラグの代わりに、新しいモビリティ・オプションで上記のフィルタ情報を伝送することもできる。リアルタイムフローが安定した3GPPアクセス経由で送信されて、不安定なWLANアクセスのコネクションが再び確立されると、古いフィルタルールが再びアクティブ化される。
変形例として、上記のフラグは、LMA/HA220に対し、フロー種別ごとの事前登録フィルタルールを生成して維持するよう指示することができる。LMA/HA220はその指示に基づいて適切なフロー種別ごとの事前登録フィルタルールを生成し、不安定なWLANアクセスのコネクションが切断したときにはいつでもその事前登録フィルタルールを使用することができる。このフラグにより事前登録フィルタルールを生成して維持するよう指示する方法は、事前登録フィルタルールに関連するシグナリングコストを低減させることができる。
<第9の実施の形態>
この第9の実施の形態において、図18及び図19との相違点は、MN200がホームアンドアウェイ登録(H=1)をLMA/HA220に対して実行していないことにある。そこで、第9の実施の形態では、プリフィックスP2をMAG(WLAN)のアドレスにバインドするPMIPv6バインディングの他に、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドする事前登録バインディングと、事前登録フィルタルールとして、フロー種別ごとの事前登録ブロッキング・フィルタルールをLMA/HA220において同時に確立する。事前登録ブロッキング・フィルタルールの特徴は、アクティブ化されるまで非アクティブであって、アクティブ期間中は、所定の種別のフロー(ここではデータフロー)が事前登録バインディング(P2→P1)に基づいて、安定した3GPPアクセス経由で配送されることをブロックする(禁止する)ことにある。事前登録ブロッキング・フィルタルールを適用する理由は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、MN200が時間が問題とならないあるフロー(Non time critical flow/ Non realtime flow)については、安定した、帯域を確保したい3GPPアクセス経由の配送を希望しないという想定があるからである。
このような事前登録ブロッキング・フィルタルールを使用することにより、MN200は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、時間が問題とならないフローを3GPPアクセスへ転送させる代わりにバッファリングさせることができる。事前登録ブロッキング・フィルタルールは事前登録バインディングより優先度が高く、事前登録ブロッキング・フィルタルールで定義されているフローに関しては、事前登録バインディングルールを上書きする。さらに、MN200は、第8の実施の形態で述べた事前登録フィルタルールと同様に、事前登録ブロッキング・フィルタルールを事前にセットして最適な時点でトリガされるようにセットする。事前登録ブロッキング・フィルタルールは、アクティブ期間の経過後は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが再び切断されるまで非アクティブ化される。事前登録ブロッキング・フィルタルールのアクティブ期間は、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断されている期間である。
MN200がなんらのフィルタルールもLMA/HA220にセットしない場合においても、LMA/HA220に事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールを同時に送信して同時にトリガする方法を適用することができる。この場合には、MN200はLMA/HA220に対し、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断されている期間、事前登録バインディング(P2→P1)に基づいて、時間に問題のあるフロー(オーディオ、ビデオのフロー)を安定した3GPPアクセス経由で転送させ、かつ事前登録ブロッキング・フィルタルールに基づいて、時間に問題のない他のフローをブロックさせる。事前登録ブロッキング・フィルタルールは、そのアクティブ期間は、事前登録バインディング(P2→P1)より優先する。
次に、図20を参照して第9の実施の形態における動作及び通信シーケンスを説明する。図20に示す通信シーケンスのネットワーク構成は図18と同じであるので、その詳細な説明を省略する。ここで、MN200は、第8の実施の形態のようなホームアンドアウェイ登録(H=1)をLMA/HA220に対して実行していない。MN200はまず、不安定なWLANアクセス経由で参照したプリフィックスP2を使用してフローをセットアップし、次いで不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、フロー種別ごとのルーティングを実行するものとする。また、プリフィックスP2は安定した3GPPアクセス経由で参照されるものとする。
(1)MN200はまず、ステップ1304において、事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールの必要性を予測するものとする。すなわち、MN200は、プリフィックスP2に関連するフローに関してはホームアンドアウェイ登録(H=1)をLMA/HA220に対して実行していないことを知得しているので、不安定なWLANアクセス経由のコネクションが切断したときに、時間に問題のあるフローのパケットロスを防止するために、P2をP1にバインドするための事前登録バインディング(P2→P1)が必要であると予測する。ただし、時間に問題のないトラフィック(例えばWebトラフィック)に関しては、MN200は、不安定なアクセス経由のコネクションが切断しても安定した3GPPアクセスへの転送を希望せずにブロックするための事前登録ブロッキング・フィルタルール送信を決定する。
(2)上記の決定後、MN200は、事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールをシグナリングメッセージ1305でLMA/HA220に送信する。このメッセージ1305は、MN200が既に、バインディング登録をLMA/HA220に行っている場合には、破線で示すようにLMA/HA220に送信することができるが、そうでなければMAG(WLAN)232経由で送信することができる。このMAG(WLAN)232経由のメッセージ1305は、MN200からMAG(WLAN)232に対するレイヤ2メッセージとして送信することができ、さらに、事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールは、MAG(WLAN)232からLMA/HA220にPBUメッセージ1306で送信することができる。PBUメッセージ1306で事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールをLMA/HA220に送信する場合には、新しいモビリティ・オプションを使用して事前登録バインディング(P2→P1)と事前登録ブロッキング・フィルタルールを送信する。
メッセージ1305、1306は、不安定なアクセスの切断時には、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインディングするための事前登録バインディングと、3Gアクセス経由でデータフローが転送されるのをブロックするという事前登録ブロッキング・フィルタルールを有するものとする。PBUメッセージ1306はまた、プリフィックスP2用のPMIPv6バインディングを生成する。MAG(WLAN)232からLMA/HA220へのPBUメッセージ1306で事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールを送信する場合について説明したが、MAG(WLAN)232−LMA/HA220間の他のセキュアな信号を用いてもよい。
(3)PBUメッセージ1306により、LMA/HA220にはMN200のバインディング・ステートが生成される。このステート1307により、
・P2をMAG(WLAN)アドレスにバインドする通常のPMIPv6登録[アクティブ]と、
・P2をP1にバインドする事前登録バインディング[非アクティブ]と、
・P2データフローをブロックする事前登録ブロッキング・フィルタルール[非アクティブ]
が管理される。事前登録ブロッキング・フィルタルールは、通常のフィルタ手順を用いてメッセージ1305で送信してもよい。例えば、メッセージ1305内のFIDを用いてブロッキングルールを識別して、FIDに関連するアクションがそのフローをブロックするか又はバッファリングするかを識別することができる。上記のFIDに添付されるフロー記述サブオプションは、ブロックする必要のあるフローの記述を有する。
(4)次に、MN200は、WLANアクセスとのアソシエーションを切断することを決定するものとする(イベント1308)。この切断イベント1308のときに、MAG(WLAN)232は、PBUメッセージ1306による登録を削除するための登録削除PBUメッセージ1309をLMA/HA220に送信する。LMA/HA220は、登録削除PBUメッセージ1309を受信すると、事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールを管理するためのステート1310を生成する。ステート1310に基づいて、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドする事前登録バインディングと、プリフィックスP2のデータフローをブロックする事前登録ブロッキング・フィルタルールのみがアクティブ(通常のPMIPv6登録は非アクティブとなる)となる。
(5)次の想定として、WLANアクセス経由のコネクションが切断中に、プリフィックスP2に関連するあて先アドレスを有するオーディオデータ1311がLMA/HA220に到着するものとする。この場合、プリフィックスP2用の通常のPMIPv6登録は非アクティブであるので、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドする事前登録バインディングに基づいて、オーディオデータ1311は3GPPパス経由でルーティングされることになる。このとき、LMA/HA220は、ダウンリンクデータ通知メッセージ1312をMAG(3GPP)230に送信する。MAG(3GPP)230は、オーディオデータを受信すると、不図示のMMEがそのオーディオデータを無線アクセスネットワーク経由で転送するよう通知するまでそのオーディオデータをバッファリングする。不図示のMMEがMN200を呼び出し、MN200がその呼び出し信号の受信後にサービス要求メッセージを不図示のMMEに送信する。不図示のMMEは、そのサービス要求メッセージを受信すると、MAG(3GPP)230に対してオーディオフローをルーティングするよう通知する。そして、MAG(3GPP)230はオーディオデータ1313をMN200に送信する。
(6)次の想定として、WLANアクセス経由のコネクションが切断中に、プリフィックスP2に関連するあて先アドレスを有するWebデータ1314がLMA/HA220に到着するものとする。この場合、プリフィックスP2のデータフローをブロックする事前登録ブロッキング・フィルタルールに基づいて、Webデータ1314はLMA/HA220においてブロックされるか又はバッファリングされる。ここで、もし事前登録ブロッキング・フィルタルールがセットされていなければ、Webデータ1314は安定した3Gアクセス経由で送信されるが、これは望ましくない。ここで重要な点は、事前登録ブロッキング・フィルタルールがWebデータ1314に適用されるので、事前登録ブロッキング・フィルタルールが事前登録バインディングより優先することにある。このため、Webデータ1314は、事前登録ブロッキング・フィルタルールに基づいてブロック(3Gアクセス経由の転送を禁止)される。
(7)次の想定として、ある時間の経過後に、MN200がWLANアクセスネットワーク1101を参照して、それに再び接続(connect)するよう開始するものとする(ステップ1315)。ステップ1315の後、MN200は、接続信号(attachment signal)1316をMAG(WLAN)232に送信する。MAG(WLAN)232はePDGでよい。MAG(WLAN)232は、attachment signal1316を受信するとPBUメッセージ1317をLMA/HA220に送信する。PBUメッセージ1317は、プリフィックスP2用の登録要求であるものとする。一般的な仮定として、プリフィックスP2をプリフィックスP1にバインドするための事前登録バインディングがLMA/HA220に存在するので、PBUメッセージ1317のプリフィックスP2は、LMA/HA220によりMN200に付与されるものとする。LMA/HA220は、PBUメッセージ1317を受信すると、ステート1318に示すように事前登録バインディングと事前登録ブロッキング・フィルタルールを非アクティブ、通常のPMIPv6登録をアクティブに変更する。プリフィックスP2用のPMIPv6登録が回復した後は、LMA/HA220にバッファリングされていたWebデータ1314は、Webデータ1319のように、望ましいWLANアクセス経由で送信することができる。
以上、本発明について、望ましい実施の形態について説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは明らかである。例えば、上記の実施の形態では、MN200が1つの事前登録バインディングを登録する場合について説明したが、複数の事前登録バインディングを登録することもできる。例えば、図1において、MN200は、WLAN接続242をセルラ接続240にバインドする事前登録バインディングをMAG(WLAN)232に登録すると同時に、セルラ接続240をWLAN接続242にバインドする事前登録バインディングをMAG(3GPP)230に登録することができる。
また、望ましい実施の形態では、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメインについて説明したが、HMIP(Hierarchical MobileIP)を使用するローカルモビリティ管理ドメインにも本発明を適用することができることは明らかである。また、ローカルモビリティ管理のないドメインをMN200がローミングしている場合にも本発明を適用することができる。
後者の場合、MN200が2つのアクセスルータに接続(connect)しているものとする。MN200は本発明を使用して、第1のアクセスルータに対して、MN200が第1のアクセスルータと接続(connect)して構成した第1のアドレスを、MN200が第2のアクセスルータと接続(connect)して構成した第2のアドレスにバインドする事前登録バインディングなどをセットアップする。この事前登録バインディングなどは、第1のアクセスルータがMN200の接続が失われたことを検出するまでアクティブでなく、第1のアクセスルータがMN200の接続が失われたことを検出するとアクティブになる。第1のアクセスルータによりインタセプトされたパケットは、第2のアクセスルータを経由してMN200の第2のアドレスにルーティングされる。ここで、この手法は、FMIP(Fast Mobile IPv6)と異なることは明らかである。FMIPのバインディング登録は、即、アクティブであるが、本発明の事前登録バインディングなどは、トリガされるまでアクティブとならない。このため、MN200は本発明を使用して事前登録バインディングなどをセットアップしても、現在の接続が失われるまで現在の接続を継続して使用する。この動作は、FMIPでは実現できない。
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブ ル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、パケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え後のインタフェースに転送することができるという効果を有し、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ネットワークなどに利用することができる。
また本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードが使用インタフェースを切り換える場合に、フロー種別ごとのパケットロスを防止して最小限の遅延でパケットを切り換え後のインタフェースに転送することができるという効果を有し、ネットワークベースとクライアントベースの各モビリティ管理プロトコルを使用するモバイルノードに対応したネットワークなどに利用することができる。

Claims (16)

  1. 少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムであって、
    前記第1の代理ノードから前記移動管理ノードに対して、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録する手段と、
    前記モバイルノードが、前記第1の経路の接続状況の変化を検出した場合に、前記第1の代理ノードに対して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する手段と、
    前記第1の代理ノード又は前記モバイルノードが、前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記移動管理ノードに対して前記第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段とを、
    有するインタフェース切換システム。
  2. 前記移動管理ノードが、前記事前登録された第2の転送情報を有効化する要求を受信した後は、前記第1の代理ノード経由のパケットを前記第2の代理ノード経由に切り換えて転送することを特徴とする請求項1に記載のインタフェース切換システム。
  3. 前記第1の代理ノードが、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求するメッセージを送信した後に前記移動管理ノードから受信した前記第1の代理ノード経由のパケットをインタセプトして前記第2の代理ノードに転送し、
    前記第2の代理ノードが、前記転送されたパケットを前記モバイルノードの第2のインタフェースに転送することを特徴とする請求項1又は2に記載のインタフェース切換システム。
  4. 前記モバイルノードから前記第1の代理ノードに対して、前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する場合に、前記第2の代理ノード経由で事前登録することを特徴とする請求項1に記載のインタフェース切換システム。
  5. 前記第2の転送情報は、前記第2の経路を介する転送を許可するフローの種別、又は前記第2の経路を介する転送を禁止するフローの種別を含むことを特徴とする請求項1に記載のインタフェース切換システム。
  6. 少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記モバイルノードであって、
    前記第1の経路を介して通信中に、前記第1の経路の接続状況の変化を検出した場合に、前記第1の代理ノードに対して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する手段を、
    有するモバイルノード。
  7. 前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記第1の代理ノードから前記移動管理ノードに対して前記第1の経路のために確立していた第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のモバイルノード。
  8. 前記第1の代理ノードに対して、前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録する場合に、前記第2の代理ノード経由で事前登録することを特徴とする請求項6又は7に記載のモバイルノード。
  9. 前記第2の転送情報は、前記第2の経路を介する転送を許可するフローの種別、又は前記第2の経路を介する転送を禁止するフローの種別を含むことを特徴とする請求項6に記載のモバイルノード。
  10. 少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記第1の代理ノードであって、
    前記移動管理ノードに対して、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録するよう要求する手段と、
    前記モバイルノードから、前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を事前登録するメッセージを受信する手段と、
    前記第1の経路から前記第2の経路に切り換えるイベントを検出した場合に、前記移動管理ノードに対して前記第1の転送情報を無効化して、前記事前登録された第2の転送情報を有効化するよう要求する手段とを、
    有する代理ノード。
  11. 前記モバイルノードにより事前登録された第2の転送情報の内容を前記移動管理ノードに転送し、前記第2の代理ノードの情報を通知するよう要求することを特徴とする請求項10に記載の代理ノード。
  12. 前記事前登録された第2の転送情報を有効化する要求を前記移動管理ノードに送信した後に前記移動管理ノードから受信した前記第1の代理ノード経由のパケットをインタセプトして前記第2の代理ノードに転送することを特徴とする請求項10又は11に記載の代理ノード。
  13. 前記第2の転送情報は、前記第2の経路を介する転送を許可するフローの種別、又は前記第2の経路を介する転送を禁止するフローの種別を含むことを特徴とする請求項10に記載の代理ノード。
  14. 少なくとも第1及び第2のインタフェースを有するモバイルノードと移動管理ノードとの間の経路を、前記第1のインタフェース及び第1の代理ノードを経由する第1の経路から、前記第2のインタフェース及び第2の代理ノードを経由する第2の経路に切り換えるインタフェース切換システムにおける前記移動管理ノードであって、
    前記第1の代理ノードから、前記第1の経路を確立するための第1の転送情報を登録する要求を受信して前記第1の転送情報を登録する手段と、
    前記第1の代理ノード又は前記モバイルノードから、前記第1の転送情報を無効化して前記第2の経路を確立するための第2の転送情報を有効化する要求を受信して、前記第1の転送情報を無効化し、前記第2の転送情報を有効化する手段とを、
    有する移動管理ノード。
  15. 前記事前登録された第2の転送情報を有効化する要求を受信した後は、前記第1の代理ノード経由のパケットを前記第2の代理ノード経由に切り換えて転送することを特徴とする請求項14に記載の移動管理ノード。
  16. 前記第2の転送情報は、前記第2の経路を介する転送を許可するフローの種別、又は前記第2の経路を介する転送を禁止するフローの種別を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の移動管理ノード。
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