JPWO2010029735A1 - 構造解析装置、及び構造解析方法 - Google Patents

構造解析装置、及び構造解析方法 Download PDF

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Abstract

本発明の分子構造解析装置(10)は、希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料(2)に対して励起光を照射する光源(1)と、上記測定試料(2)から放射された光を受光し、当該光のスペクトルの強度を計測する計測部(3)と、計測した上記スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算部(4)と、規格化した上記スペクトルを出力する出力部(7)と、を備えている。これにより、微細な動的構造変化を解析することができる装置及び方法を実現する。

Description

本発明は、分子の構造解析方法、並びに当該方法に用いることができる構造解析装置に関するものである。
従来から、タンパク質等の生体分子の高次構造変化を観察及び解析する手法として、蛍光プローブを観察したい生体分子へ固定化する方法が知られている。
このような蛍光プローブとして、(i)比較的分子量が低いため、生体分子の構造変化を阻害し難いこと、(ii)発光強度が高いため蛍光観察が容易であること、(iii)蛍光寿命が長く(数ミリ秒)、発光性の生体分子からのノイズを長時間遅延測定により除去できること、等の理由により希土類錯体による蛍光プローブが多数報告されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
Jingli Yuan, Kazuko Matsumoto, Hiroko Kimura, Anal. Chem. 1998, 70, 596-601 Junhua Yu, David Parker, Robert Pal, Robert A. Poole, and Martin J. Cann, J. AM. CHEM. SOC. 2006, 128, 2294-2299
しかしながら、上記方法では、生体分子の位置に関する情報を与えることができるが、生体分子における微細な構造変化を解析することが困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分子における微細な構造変化を解析することができる構造解析装置及び構造解析方法を実現することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った。具体的には、本発明者は、蛍光プローブを固定化した生体分子について、測定条件を変化させて発光スペクトルを測定することにより、生体分子の構造変化を解析することについて検討した。
しかしながら、このような方法では、温度等の測定条件を変化させて発光スペクトルを測定すると、計測される発光スペクトルのベースラインや発光スペクトルの強度が大きく変化してしまうため、このような変化が、生体分子の構造変化に由来するものであるのか判断できず、発光スペクトルの変化から生体分子の構造変化を解析することは困難であった。
本発明者は、更に検討を重ねた結果、上記スペクトルにおける電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく発光線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化することにより、希土類錯体が結合した分子の構造変化以外の影響を排除することができ、このような規格化したスペクトルにより、分子自身の微細な構造変化を解析することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る構造解析装置は、上記課題を解決するために、希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料に対して励起光を照射する光源と、上記測定試料から放射された光を受光し、当該光のスペクトルの強度を計測する計測部と、計測した上記スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算部と、規格化した上記スペクトルを出力する出力部と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、放射された、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化した発光スペクトルが得られる。
ここで、磁気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは希土類元素固有の発光強度を有しており、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは希土類元素の周りの配位子の種類によって発光強度が変化し、かつ希土類錯体の種類によって固有の発光強度を有する。
つまり、磁気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは、希土類錯体が結合した分子の構造変化により発光強度が影響されず、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは、希土類錯体が結合した分子の構造変化により発光強度が変化すると考えられる。
従って、温度等の測定条件を変化させることによって、計測される発光スペクトルのベースラインや発光スペクトル強度が大きく変化する場合であっても、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化した上記発光スペクトルでは、希土類錯体が結合した分子の構造変化以外の影響が排除される。このため、上記規格化されたスペクトルを解析することにより、希土類錯体を結合させた分子の構造変化をより詳細に解析することができる。
更には、発光スペクトルの測定は、従来から分子の構造変化の解析に用いられているCDスペクトルの測定と比べて、短時間で行うことができる。
よって、上記構成によれば、短時間で測定することができ、且つ分子の微細な構造変化を解析することができる装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る構造解析装置は、上記課題を解決するために、希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料に対して励起光を照射する光源と、上記測定試料から放射された光を複数回受光し、当該各光のスペクトルの強度を計測する計測部と、計測した上記各スペクトルの強度に対して、スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算部と、規格化した上記各スペクトルを出力する出力部と、を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化した、放射された複数の発光スペクトルが得られる。
ここで、磁気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは、希土類錯体が結合した分子の構造変化により発光強度が影響されず、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは、希土類錯体が結合した分子の構造変化により発光強度が変化すると考えられる。
従って、温度等の測定条件を変化させることによって、計測される発光スペクトルのベースラインや発光スペクトル強度が大きく変化する場合であっても、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化した上記発光スペクトルでは、希土類錯体が結合した分子の構造変化以外の影響が排除される。このため、上記規格化されたスペクトルを解析することにより、希土類錯体を結合させた分子の構造変化をより詳細に解析することができる。
更には、発光スペクトルの測定は、従来から分子の構造変化の解析に用いられているCDスペクトルの測定と比べて、短時間で行うことができる。このため、時間の経過による構造変化をより詳細に解析することができる。
よって、上記構成によれば、短時間で測定することができ、且つ分子の微細な構造変化を解析することができる装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る構造解析装置では、構造解析の対象となる上記分子には複数種類の希土類錯体が結合しており、上記演算部は、計測した上記スペクトルの強度のうち、各希土類錯体に対応する電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む各スペクトルの強度を、各希土類錯体に対応する、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での各線スペクトルの強度でそれぞれ規格化することが好ましい。
上記構成によれば、上記演算部により、発光強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける特定の波長での各線スペクトルの強度で規格化した、各希土類錯体に対応する、複数の電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む規格化されたスペクトルが得られる。
このため、同時に分子における複数箇所の微細な構造変化を解析することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る構造解析装置では、上記計測部は、上記スペクトルの強度として、上記測定試料から放射された光の円偏光発光のg値を計測することが好ましい。
上記構成によれば、分子に結合した上記希土類錯体から放射された光の円偏光発光のg値を計測することにより、分子の微細な構造変化をより詳細に解析することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る構造解析装置では、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける上記1つの波長は、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける最大吸収波長であることが好ましい。
上記構成によれば、分子の微細な構造変化をより詳細に解析することができる。
本発明に係る構造解析装置では、構造解析の対象となる上記分子がタンパク質であることが好ましい。
本発明に係る構造解析装置では、更に、構造解析部を備え、上記演算部は、規格化した上記スペクトルを上記構造解析部へ出力し、上記構造解析部は、規格化された上記スペクトルに基づいて構造解析を行うことが好ましい。
本発明に係る構造解析方法は、上記課題を解決するために、希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料に対して励起光を照射する照射工程と、上記測定試料から放射された光を受光し、該光のスペクトルの強度を計測する計測工程と、計測した上記スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算工程と、規格化した上記スペクトルにより、構造解析の対象となる上記分子の構造を解析する構造解析工程と、を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、演算工程により、放射された、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化した発光スペクトルが得られる。
ここで、磁気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは希土類元素固有の発光強度を有しており、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは希土類元素の周りの配位子の種類によって発光強度が変化し、かつ希土類錯体の種類によって固有の発光強度を有する。
つまり、磁気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは、希土類錯体が結合した分子の構造変化により発光強度が影響されず、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルは、希土類錯体が結合した分子の構造変化により発光強度が変化すると考えられる。
従って、温度等の測定条件を変化させることによって、計測される発光スペクトルのベースラインや発光スペクトル強度が大きく変化する場合であっても、電気双極子遷移に基づく発光線スペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化した上記発光スペクトルでは、希土類錯体が結合した分子の構造変化以外の影響が排除される。このため、上記規格化されたスペクトルを解析することにより、希土類錯体を結合させた分子の構造変化をより詳細に解析することができる。
更には、発光スペクトルの測定は、従来から分子の構造変化の解析に用いられているCDスペクトルの測定と比べて、短時間で行うことができる。
よって、上記方法によれば、短時間で測定することができ、且つ分子の微細な構造変化を解析することができるという効果を奏する。
本発明に係る構造解析方法では、構造解析の対象となる上記分子には複数種類の希土類錯体が結合しており、上記演算工程では、計測した上記スペクトルの強度のうち、各希土類錯体に対応する電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む各スペクトルの強度を、各希土類錯体に対応する、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での各線スペクトルの強度でそれぞれ規格化することが好ましい。
上記方法によれば、上記演算工程により、発光強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける特定の波長での各線スペクトルの強度で規格化した、各希土類錯体に対応する、複数の電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む規格化されたスペクトルが得られる。
このため、同時に分子における複数箇所の微細な構造変化を解析することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る構造解析方法では、上記計測工程は、上記スペクトルの強度として、上記測定試料から放射された光の円偏光発光のg値を計測することが好ましい。
上記方法によれば、分子に結合した上記希土類錯体から放射された光の円偏光発光のg値を計測することにより、分子自身の微細な構造変化をより詳細に解析することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る構造解析方法では、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける上記1つの波長は、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける最大吸収波長であることが好ましい。
上記方法によれば、分子の微細な構造変化をより詳細に解析することができる。
本発明に係る構造解析方法では、構造解析の対象となる上記分子がタンパク質であることが好ましい。
本発明に係る構造解析方法は、上述した本発明に係る構造解析方法の何れか1つを用いて、時間の経過による構造変化を解析することを特徴としている。
上記方法によれば、上述した本発明に係る構造解析方法の何れか1つを用いているため、短い時間の間隔で連続して構造解析を行うことができ、より高精度に構造変化を解析することができる。
本発明に係る構造解析装置は、以上のように、短時間で測定することができ、且つ分子の微細な構造変化を解析することができる装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る構造解析方法は、短時間で測定することができ、且つ分子の微細な構造変化を解析することができるという効果を奏する。
本実施の形態に係る構造解析装置の概略構成を示すブロック図である。 実施例1で得られた希土類錯体が結合したBSAについての20℃〜80℃の範囲で測定した発光スペクトルを、593nmでの線スペクトルの強度でそれぞれ規格化したスペクトルである。 実施例1で得られた希土類錯体が結合したBSAについての20℃〜80℃の範囲で測定したCDスペクトルである。 実施例1、2で得られた希土類錯体が結合した各種タンパク質について測定した発光スペクトルを、593nmでの線スペクトルの強度でそれぞれ規格化したスペクトルである。
以下、本発明について詳しく説明する。
尚、本明細書では、線スペクトル(spectrum)とは、ある準位間の遷移に特定されるスペクトルを指し、スペクトル(spectra)とは、発光光全体又は複数の線スペクトルを指す。
また、円偏光発光のg値とは、放射された光の右円偏光成分の強度をIとし、左円偏光成分の強度をIとしたときに、下記式
g=(I−I)/(0.5×(I+I))
で表される値である。
(I)構造解析方法
本実施の形態に係る構造解析方法の対象となる分子は、どのような分子であってもよいが、特に構造が複雑な分子に好適に適用でき、より具体的には、タンパク質等の生体分子に対して好適に適用できる。
また、本実施の形態の方法により解析することができる、分子における微細な構造変化とは、例えば、温度変化による分子の立体構造の変化や、分子間の会合状態の変化等が挙げられる。
本実施の形態に係る構造解析方法は、照射工程と、計測工程と、演算工程と、構造解析工程とを含む。以下、詳細に説明する。
(a)照射工程
照射工程とは、希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子(以下、「構造解析対象分子」と記す場合がある)に対して励起光を照射する工程である。
上記構造解析対象分子に結合する上記希土類錯体は、1種類のみ用いてもよいし、複数の種類用いてもよい。複数の希土類錯体を上記構造解析対象分子に結合させることにより、ほぼ同時に上記構造解析対象分子における複数箇所の微細な構造変化を解析することができる。また、解析精度を高める観点から、用いる複数の希土類錯体は、それぞれの発光スペクトルが重なり合わないように選択することが好ましい。
希土類錯体を構造解析対象分子に結合させる方法は、特には限定されず、従来公知の方法を採用することができる。上記希土類錯体を上記構造解析対象分子に結合させる具体的な方法としては、例えば、先に上記希土類錯体における対象分子結合配位子のみを、対象分子と結合させ、その後、希土類イオンを加えて、上記希土類錯体を分子に結合させる方法が挙げられる。また、上記結合形式は、共有結合には限定されず、例えば、イオン結合、水素結合であってもよい。
上記希土類錯体は、希土類イオンに配位子が配位した錯体である。尚、上記希土類錯体に用いることができる希土類イオンに限定はなく、全ての希土類元素のイオンを使用することが可能である。
上記希土類錯体に用いられる配位子の少なくとも1つは、上記希土類イオンに配位することができる基(以下、「希土類イオン配位基」と記す)に加えて、構造解析対象分子と結合する基(以下、「対象分子結合基」と記す)とを有していることが必要である(以下、当該配位子を、「対象分子結合配位子」と記す)。この対象分子結合配位子により、希土類錯体を構造解析対象分子と結合させることができる。
希土類イオン配位基としては、例えば、ビピリジン系基、フェナントリロン系基、ジケトン系基、カーバマイト系基、アミン系基、ホスフィン系基等が挙げられる。
尚、上記「〜系基」とは、「その化合物若しくはその誘導体の骨格を有する基」を意味し、例えば、「ピピリジン系」とは、「ピピリジン若しくはその誘導体の骨格を有する基」を意味する。
また、対象分子結合基としては、対象分子において、希土類錯体を結合したい部分と反応若しくは会合する基であれば特には限定されない。例えば、タンパク質におけるリシン部分に希土類錯体を結合させる場合には、スクシンイミド系基を用いることができる。また、タンパク質におけるシステイン部分に希土類錯体を結合させる場合には、ヨードメチル基が挙げられる。
上記対象分子結合配位子において、上記希土類イオン配位基と上記対象分子結合基とは直接結合していてもよく、スペーサー分子を介して結合していてもよい。
上記希土類イオン配位基と上記対象分子結合基とがスペーサー基を介して結合している場合には、希土類錯体に照射する光の波長(つまり、励起波長)を長波長側にシフトさせることができるため好ましい。これにより、励起波長を、青色LEDで励起できる波長(約450nm)にすることができる。
上記スペーサー基としては、ビフェニレン基(−C−C−)、ターフェニレン基(−C−C−C−)、ナフチレン基(−C10−)、アントリレン基(−C1418−)等の芳香族分子骨格を有する、対象分子の構造変化を反映し易い剛直な構造を有する基であることが好ましい。
上記対象分子結合配位子としては、具体的には、以下に示す構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2010029735
尚、上記化合物は代表的な例であり、他の誘導体も使用可能である。更に、他の系列に属する化合物やその誘導体を用いてもよい。
また、希土類イオンに配位する上記対象分子結合配位子以外の配位子としては、特には限定されず、従来公知の配位子を用いることができる。例えば、ビピリジン系配位子、フェナントリロン系配位子、ジケトン系配位子、カーバマイト系配位子、アミン系配位子、ホスフィン系配位子等が挙げられる。
尚、上記「〜系配位子」とは、「その化合物若しくはその誘導体からなる配位子」を意味し、例えば、「ピピリジン系配位子」とは、「ピピリジン若しくはその誘導体からなる配位子」を意味する。
(b)計測工程
上記計測工程は、上記希土類錯体から放射された光を受光し、該光のスペクトルの強度を計測する工程である。
尚、励起波長が異なる2種以上の希土類錯体を、構造解析対象分子に結合させた場合には、各波長の励起光でそれぞれ励起を行い、各波長の励起光により発光した光のスペクトルの強度をそれぞれ計測すればよい。
上記計測工程では、上記スペクトルの強度として、上記測定試料から放射された光の左円偏光成分の強度と右の円偏光成分とを計測すること、つまり、円偏光発光のg値を計測することが好ましい。これにより、より詳細に構造解析を行うことができる。
例えば、アンフォールディングした状態のタンパク質では、タンパク質を構成する分子鎖が自由に動くことができるので円偏光発光のg値がほぼ0になると予測され、一方、フォールディングした状態のタンパク質では、タンパク質を構成する分子鎖の動きが制限されているため円偏光発光のg値が0にはならないと予測される。このため、スペクトル強度として円偏光発光のg値を測定することにより、タンパク質の構造変化に関してより詳細な解析を行うことができると考えられる。
(c)演算工程
上記演算工程は、上記計測したスペクトルの発光強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの発光強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する工程である。
具体的には、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度の全ての値を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける任意の波長での線スペクトルの強度の値でそれぞれ割ることにより、規格化することができる。
ここで、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける上記任意の波長は、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける最大吸収波長であることが好ましい。
上記規格化は、得られるスペクトル全体に対して行ってもよいし、電気双極子遷移に基づく線スペクトル全体に対してのみ行ってもよいし、電気双極子遷移に基づく線スペクトルの一部に対してのみ行ってもよい。
電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度のみならず、最大発光波長、線スペクトルの形状によっても対象分子の構造解析を行うことができるため、上記規格化は少なくとも電気双極子遷移に基づく線スペクトルの全体に対して行うことが好ましい。
また、複数の種類の希土類錯体を分子に結合させた場合では、上記演算工程は、上記計測したスペクトルの強度のうち、各希土類錯体に対応する電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む各スペクトルの強度を、各希土類錯体に対応する磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの各強度の値でそれぞれ割ることにより、規格化することができる。
(d)構造解析工程
上記構造解析工程は、上記規格化した、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルにより、上記構造解析対象分子の構造を解析する工程である。
本実施の形態で用いる希土類錯体は、その配位子が置かれる環境により、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度は変化しないが、電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度や形状は変化する。具体的には、電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度や形状は、希土類金属イオンの周りの対称性の変化に影響される。つまり、希土類金属イオンの周りの対称性が低くなると、電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度は強くなり、その形状は、ブロードになると考えられる。
このため、演算工程により得られる規格化された、電気双極子遷移に基づく線スペクトルについて、その強度や、その最大発光波長、又はそのスペクトルの形状等を観察することにより、対象分子の構造変化を解析することができる。
例えば、後述する実施例に記載のように、温度変化に伴うスペクトルの強度や形状の変化を観察することにより、温度変化による対象分子の微細な構造変化を確認することができる。
(II)構造解析装置
上述した方法に使用することができる、本実施の形態に係る構造解析装置について図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係る構造解析装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、構造解析装置10は、希土類錯体が結合した構造解析対象分子を含む測定試料2に対して励起光を照射する光源1と、上記測定試料2から放射された光を受光し、当該光のスペクトルの強度を計測する計測部3と、上記計測したスペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトル強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算部4と、規格化した上記スペクトルを出力する出力部7とを備えている。本実施の形態では、構造解析装置10は、測定試料2を格納するための測定室5を更に備える。
光源1は、測定室5に設置された測定試料2に対して、希土類錯体の吸収波長に対応する波長の励起光を照射するものである。光源1としては、例えば、紫外線LED、ブラックライト、キセノンランプ、短波長半導体レーザ等の紫外領域において発光可能な光源が用いられる。
計測部3は、測定試料2中の希土類錯体から発光された光を受光し、この光のスペクトル強度(光の強度)を計測するものである。即ち、計測部3は、構造解析対象分子に結合した希土類錯体から発光された光を受光すると、スペクトル強度を計測し、このスペクトル強度のデータを演算部4に送信する。
計測部3は、受光した光のうち、少なくとも電気双極子遷移に基づく線スペクトル強度と磁気双極子遷移に基づく線スペクトル強度とを計測できればよいが、全ての波長のスペクトル強度を計測してもよく、また、予め定められた波長の光強度のみを計測してもよい。
上記計測部3としては、光強度を計測することができるものであればよく、例えば、フォトダイオード、光電子倍増管、CCD、スペクトルアナライザ等を用いることができる。また、上記計測部3は、光の左円偏光成分の強度と右の円偏光成分とを計測でき、円偏光発光のg値を計測できる装置であることがより好ましい。このような装置としては、例えば、日本分光(株)製のJASCO CPL-200 spectrometer等の円偏光蛍光分光計が挙げられる。
演算部4は、計測部3から受信したスペクトル強度データのうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける任意の波長での強度の値で規格化するものである。
出力部7は、演算部4により求められた、規格化した上記スペクトルを出力するものである。出力の方法としては、特には限定されず、例えば、ディスプレイに表示する方法、紙に印刷する方法、電子データを記録媒体等に出力する方法等が挙げられる。
以上のように、本実施の形態に係る構造解析装置10を用いることにより、本実施の形態に係る方法における照射工程、計測工程、及び演算工程を行うことができる。そして、出力部7により出力される規格化したスペクトルを用いて、本実施の形態に係る方法における上述した構造解析工程を行うことができる。
更には、電気双極子遷移に基づく上記スペクトルに関して、その強度や、その最大発光波長、又はそのスペクトルの形状等の変化により、具体的にどのような構造変化が起こっているかについてのデータベースを作成することにより、演算部4により得られる規格化されたスペクトルに基づいて、当該データベースにアクセスする構造解析部を設けることも可能となる。この場合には、規格化した上記スペクトルのデータを上記構造解析部に出力することになる。
尚、上述の説明では、計測部3が、測定試料1中の希土類錯体から放射された光を全て受光する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、測定試料1と計測部3との間に、特定の波長のみを透過させる波長選択部を別途設け、計測部3を、解析に必要な波長の光のみを受光し計測する構成としてもよい。
上記波長選択部としては、特には限定されず従来公知の構成を採用することができ、例えば、放射された光を透過、反射、回折又は屈折させて分光させる構成が挙げられる。
また、計測部3は、測定試料1中の希土類錯体から発光される光のスペクトルの強度を全て計測することを前提として説明したが、これに限るものではない。一部の光のスペクトルの強度のみを計測する構成であってもよい。これにより、測定時間を短縮することが可能となり、例えば、時間の経過による構造変化を解析する場合等では、測定することができる時間の間隔を短縮することができ、より高精度に構造変化を解析することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔発光スペクトル〕
本実施例において、発光スペクトルは、希土類錯体を結合したタンパク質分子を蒸留水に溶解させた測定試料を、蛍光分析装置(HITACHI F−4500)を用い、励起波長を365nmとして測定した。
〔BioT〕
対象分子結合配位子であるBioTは、神戸天然物化学株式会社に依頼して合成されたものを使用した。尚、BioTは、下記合成経路
Figure 2010029735
により合成された。
〔実施例1〕
BSA5mgとBioT5mgとを蒸留水5mL中で約16時間4℃で攪拌して、BSAにBioTを結合させた。当該溶液を濾過後、フリーズドライにより乾燥させた。MALDI−TOFMS測定により、得られたBioTが結合したBSAでは、BSAに4つのBiOTが結合していることが確認された。
その後、水中で、塩化ユーロピウム水和物と室温で24時間反応させることにより、Eu(III)を配位させ、希土類錯体が結合したBSA(BSA+BioT+Eu(III))を得た。尚、BSAに希土類錯体が結合していることは電気泳動により確認した。
得られた、希土類錯体が結合したBSA(BSA+BioT+Eu(III))について、20℃〜80℃の範囲で発光スペクトルを測定した。そして、得られた発光スペクトルを、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度の1つである、593nmでの線スペクトルの強度で規格化した。規格化したスペクトルを図2に示す。尚、参照用として、希土類錯体が結合したBSA(BSA+BioT+Eu(III))について、20℃〜80℃でCDスペクトルを測定した結果を図3に示す。
尚、図2,3における「80℃→20℃」は、希土類錯体が結合したBSAを一度80℃に加熱した後、20℃に冷却したものの測定結果を示す。
図2、3により示されるように、20℃〜40℃の範囲での温度変化において、図3に示すCDスペクトルに顕著な変化が現れていないのに対して、図2に示す、規格化されたスペクトルでは、電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度が顕著に変化し、また最大吸収波長も変化していた。
このことから、本発明に係る方法により、CDスペクトルでは観察することが困難である分子の微細構造の変化を観察できることが確認できた。
〔実施例2〕
グロブリン5mgとBioT5mgとを蒸留水5mL中で約16時間4℃で攪拌して、BSAにBioTを結合させた。得られた溶液を濾過後、フリーズドライにより乾燥させた。その後、水中で、塩化ユーロピウム水和物と室温で24時間反応させることにより、Eu(III)を配位させ、希土類錯体が結合したグロブリン(グロブリン+BioT+Eu(III))を得た。
得られた、希土類錯体が結合したグロブリンについて、室温で発光スペクトルを測定した。そして、得られた発光スペクトルを、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度の1つである、593nmでの線スペクトルの強度で規格化した。
また、グロブリンの代わりに、フィブリン、トリプシン、インシュリンをそれぞれ用いたこと以外は上記と同様の操作を行い、各タンパク質について規格化した発光スペクトルをそれぞれ得た。その結果を図4に示す。
図4に示されるように、タンパク質の種類によって、規格された、電気双極子遷移に基づく線スペクトルの強度及びその最大吸収波長が大きく異なっていた。このことから、本発明により、異なった構造を有するタンパク質を判別及び解析できることが確認できた。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の構造解析方法及び装置は、分子自身の微細な動的構造変化を解析することができる。このため、タンパク質等の生体分子の構造解析に好適に用いることができる。
1 光源
2 測定試料
3 計測部
4 演算部
7 出力部
10 構造解析装置

Claims (13)

  1. 希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料に対して励起光を照射する光源と、
    上記測定試料から放射された光を受光し、当該光のスペクトルの強度を計測する計測部と、
    計測した上記スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算部と、
    規格化した上記スペクトルを出力する出力部と、
    を備えていることを特徴とする構造解析装置。
  2. 希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料に対して励起光を照射する光源と、
    上記測定試料から放射された光を複数回受光し、当該各光のスペクトルの強度を計測する計測部と、
    計測した上記各スペクトルの強度に対して、スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算部と、
    規格化した上記各スペクトルを出力する出力部と、
    を備えていることを特徴とする構造解析装置。
  3. 構造解析の対象となる上記分子には複数種類の希土類錯体が結合しており、
    上記演算部は、計測した上記スペクトルの強度のうち、各希土類錯体に対応する電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む各スペクトルの強度を、各希土類錯体に対応する、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での各線スペクトルの強度でそれぞれ規格化することを特徴とする請求項1又は2に記載の構造解析装置。
  4. 上記計測部は、上記スペクトルの強度として、上記測定試料から放射された光の円偏光発光のg値を計測することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の構造解析装置。
  5. 磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける上記1つの波長は、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける最大吸収波長であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の構造解析装置。
  6. 構造解析の対象となる上記分子がタンパク質であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の構造解析装置。
  7. 更に、構造解析部を備え、
    上記演算部は、規格化した上記スペクトルを上記構造解析部へ出力し、
    上記構造解析部は、規格化された上記スペクトルに基づいて構造解析を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の構造解析装置。
  8. 希土類錯体が結合した、構造解析の対象となる分子を含む測定試料に対して励起光を照射する照射工程と、
    上記測定試料から放射された光を受光し、該光のスペクトルの強度を計測する計測工程と、
    計測した上記スペクトルの強度のうち、電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含むスペクトルの強度を、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での線スペクトルの強度で規格化する演算工程と、
    規格化した上記スペクトルにより、構造解析の対象となる上記分子の構造を解析する構造解析工程と、
    を含むことを特徴とする構造解析方法。
  9. 構造解析の対象となる上記分子には複数種類の希土類錯体が結合しており、
    上記演算工程では、計測した上記スペクトルの強度のうち、各希土類錯体に対応する電気双極子遷移に基づく線スペクトルを含む各スペクトルの強度を、各希土類錯体に対応する、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける1つの波長での各線スペクトルの強度でそれぞれ規格化することを特徴とする請求項8に記載の構造解析方法。
  10. 上記計測工程では、上記スペクトルの強度として、上記測定試料から放射された光の円偏光発光のg値を計測することを特徴とする請求項8又は9に記載の構造解析方法。
  11. 磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける上記1つの波長は、磁気双極子遷移に基づく線スペクトルにおける最大吸収波長であることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の構造解析方法。
  12. 構造解析の対象となる上記分子がタンパク質であることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の構造解析方法。
  13. 請求項8〜12の何れか1項に記載の構造解析方法を用いて、時間の経過による構造変化を解析することを特徴とする構造解析方法。
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