JP2003254909A - アニオン検出用蛍光センサー - Google Patents

アニオン検出用蛍光センサー

Info

Publication number
JP2003254909A
JP2003254909A JP2002061098A JP2002061098A JP2003254909A JP 2003254909 A JP2003254909 A JP 2003254909A JP 2002061098 A JP2002061098 A JP 2002061098A JP 2002061098 A JP2002061098 A JP 2002061098A JP 2003254909 A JP2003254909 A JP 2003254909A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent dye
compound according
anion
compound
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002061098A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Kikuchi
和也 菊地
Susumu Mizukami
進 水上
Tetsuo Nagano
哲雄 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2002061098A priority Critical patent/JP2003254909A/ja
Publication of JP2003254909A publication Critical patent/JP2003254909A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、各種生物系の実験系におい
ても使用することができるような水溶液中におけるアニ
オンを定量的に測定することができるセンサー化合物を
提供することである。 【解決手段】 本発明は、環状ポリアミンの金属錯体か
ら成るアニオンホスト及び蛍光色素を有する化合物であ
って、該金属錯体の金属イオンとの配位結合において、
該蛍光色素上の置換基とアニオンとの間の配位子交換機
能によって蛍光色素のスペクトルに変化が生じることを
特徴とする、前記化合物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に水溶液中のア
ニオンを検出することの出来るセンサー化合物、及び該
化合物を使用する各種測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光センサーは、生体系における生体分
子の役割を分析し、解明するのに有用であり、例えば、
蛍光CaII指示薬を用いて、細胞内CaIIのいくつかの
機能が解明されてきた。さらにその他に多数の金属セ
ンサー及びpHセンサーが開発されている
【0003】多数の有機アニオン及び無機アニオンが生
きている生物において重要な役割を担っているために、
今やアニオン認識及びアニオンセンサー検出に関心
が高まっている。アニオンセンサーの開発によって分子
内にアニオン基を持つ生体有機分子を検出することがで
きる新規のセンサーの開発にも繋がる。しかしながら、
従来知られているほとんどのセンサーは有機媒質の中で
しか機能せず、それらを生化学的又は生理学的な実験に
使用するのは困難である。一般にアニオンは、金属イオ
ンのような陽イオンよりも大型なので、陽イオンよりも
溶媒化の制約を受け易い。有機溶媒では、溶媒化エネル
ギーが比較的小さく、静電気の相互作用が効果的に働く
ので、アニオンを捕捉し、検出するのはさほど難しくは
ない。しかしながら、生体応用に適している水性溶媒で
は、強い水和のためにアニオンを認識するのは極めて困
難である。今のところ、有機環境では多数が知られてい
るけれども、水溶液中で作動する蛍光アニオンセンサー
はほとんど開発されていない。
【0004】水溶液中で使用するための蛍光アニオンセ
ンサーは、2つの必要条件を満たさなければならない。
1つは、水中でのアニオンに対する十分に強い親和性で
あり、もう11つは、アニオンの認識を蛍光シグナルに
変換する能力である。既知のアニオンセンサーはほとん
ど、後者の必要条件は満たすけれども、水中でのアニオ
ンに対して十分な親和性を持っていない。アニオンホス
トの中には、水性溶媒中でアニオンを捕捉することがで
きるものもあるが、それらは単にホスト分子であって、
センサー分子ではない。双方の必要条件を同時に満たす
のは困難である。
【0005】Crazuik et alは、水溶液中で作動する蛍
光アニオンセンサーの開発に成功した。このようなセ
ンサーの検出メカニズムは、蛍光団に隣接したアミノ基
のpK をアニオンが結合することによって変化させるこ
とに基づいている。しかしながら、このセンサーではあ
る特定のpH領域でしか測定できず、pH変化に敏感で
ある。従って、このセンサー検出のメカニズムを生物実
験に応用するのは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、各種生物系の実験系においても使用することができ
るような水溶液中におけるアニオンを定量的に測定する
ことができるセンサー化合物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究した結果、アニオンを検出するための
新規の手段を開発し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、環状ポリアミンの金属錯体から成るアニオンホスト
及び蛍光色素を有する化合物であって、該金属錯体の金
属イオンとの配位結合において、該蛍光色素上の置換基
とアニオンとの間の配位子交換機能によって蛍光色素の
スペクトルに変化が生じることを特徴とする、前記化合
物に係る。より、具体的には、本発明は環状ポリアミン
の金属錯体から成るアニオンホスト及び蛍光色素を有す
る化合物であって、該金属錯体の金属イオンとの配位結
合に関与する該蛍光色素上の電子供与性置換基とアニオ
ンとの間の配位子交換機能によって該蛍光色素上の電子
供与性が増大し、その結果、蛍光色素のスペクトルに変
化が生じることを特徴とするものである。この蛍光色素
上の電子供与性置換基とアニオンとの間の配位子交換機
能とは、アニオンホスト(金属錯体)に対して配位力の
強いアニオン種が存在しない水溶液系では、蛍光色素上
の電子供与性置換基が金属イオンに配位しているが、配
位力の強いアニオン種がその系に添加されることによっ
て電子供与性置換基が金属イオンとの配位結合から外
れ、その結果電子供与性置換基に生じる電子状態の変化
が蛍光色素に伝わりその蛍光スペクトルに変化を及ぼ
す、より具体的には、蛍光色素の吸収(励起)スペクト
ルが長波長側にシフトするというものである。従って、
このような原理に基づき蛍光色素のスペクトルに変化が
生じる化合物である限り、本発明化合物の各構成部分で
ある環状ポリアミン、金属イオン、及び蛍光色素の構造
及び種類は特に制限はない。又、このような蛍光スペク
トルの変化を効率よく起こさせる為には、アニオンホス
ト及び蛍光色素がリンカーを介して結合していることが
好ましい。
【0008】更に本発明は、このような化合物から成る
蛍光センサー、特に、水溶液中のアニオンを検出するこ
との出来る蛍光センサーに係る。本発明のセンサーによ
り定量的に測定することが可能なアニオンの例として
は、ピロリン酸イオン、リン酸イオン、及びハロゲンイ
オン等の無機アニオン、クエン酸イオン等の有機アニオ
ン、並びに各種ヌクレオチドから成る群から選択される
一種又は複数種のアニオンを挙げることが出来る。
【0009】更に本発明は、本発明化合物をセンサーと
して使用し、その蛍光色素の吸収(励起)スペクトルの
長波長側へのシフトの度合いに基づき、例えば、水溶液
中のアニオン濃度を測定する方法に係る。更に本発明
は、本発明化合物をセンサーとして使用し、その蛍光色
素の吸収(励起)スペクトルの長波長側へのシフトの度
合いに基づき、例えば、水溶液中のアニオン性残基の増
減を測定する方法に係る。更に本発明は、本発明化合物
をセンサーとして使用し、蛍光強度の変化に基づき、ア
ニオン性残基の増減を伴う反応に関与する酵素の活性を
測定する方法に係る。このような酵素の例として、環状
モノヌクレオチド特異的ホスホジエステラーゼ(ホスホ
ジエステラーゼ3',5'-環状モノヌクレオチド)等のホス
ホジエステラーゼを挙げることが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明化合物において、環状ポリ
アミンを構成する窒素原子及び炭素原子の各個数及びそ
れらの総数に特に制限はないが、好ましくは)〜12、
より好ましくは12であり、窒素原子数は好ましくは3
又は4、より好ましくは4である。具体的には好適な環
状ポリアミンとして、1,4,7,10−テトラアザシ
クロデカン(サイクレン)を挙げることが出来る。又、
本発明化合物の蛍光色素上の電子供与性置換基にも特に
制限はないが、蛍光色素、環状ポリアミン及び金属イオ
ンの種類等に応じて当業者が適宜選択することができる
が、好適例としてアミノ基を挙げ蛍光色素ることが出来
る。蛍光色素もその他の構成成分に応じて当業者が適宜
選択することができるが、好適例としてが7位置換クマ
リン誘導体、例えば、7−アミノ−トリフルオロメチル
クマリンを挙げることが出来る。リンカーとしては、例
えば、エチレン基及びメチレン基等のアルキレン基を使
用することが出来る。金属錯体を構成する金属の好適例
として、CdII等の遷移金属を挙げることが出来る。
【0011】本発明の化合物は、例えば、以下の実施例
に具体的に示すような合成方法によって、当業者であれ
ば容易に調製することが出来る。更に、各物質の入手方
法、各化合物の合成方法、及び、合成された化合物(PD
F)に関する性状分析データ等については、インターネッ
トhttp://pubs.acs.orgを介して無償で入手可能であ
る。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。
【0013】実施例1化合物の調製 以下の化学反応式に示した4工程で、7-アミノ-4-トリ
フルオロメチルクマリンを出発物質として、サイクレン
共役のクマリン(1)を合成し、NH−シリカゲル(フ
ジ・シリシア・ケミカル株式会社)カラムクロマトグラ
フィによって精製した。こうして合成された本発明に属
する化合物である、化合物(1)のCdII錯体、即ち、
錯体1−CdIIは過塩素酸塩として得られ、2-プロパノ
ール/HOから再結晶した。
【0014】
【化1】
【0015】上に示したサイクレン共役のクマリン
(1)及び錯体1−CdIIの合成経路において使用する
反応試薬は次のとおりである。(a)TsCl ピリジン、
(b) BrCHCHBr、CsCO、(c) 濃HSO、90℃
(d) サイクレン、(e) Cd(ClO) 60℃。尚、本発
明に属するその他の化合物も、当業者であれば、上記合
成経路に準じて適宜合成することが出来る。こうして合
成された本発明化合物がアニオンを検出する蛍光センサ
ーとして機能し、アニオンを検出する機構を図1に示し
た。ここで、Mn+はサイクレンによって安定的にキレ
ートされうる金属イオンである。
【0016】実施例2本発明化合物の吸収スペクトルと励起スペクトル どの金属が我々の設計概念に最も良く合致するかを見い
出すために、我々は化合物(1)のZnII、CdII、及
びCuIIとの錯体、及び金属なしでの化合物(1)の吸
収スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。化合物
(1)の濃度は5mM、 金属はすべて化合物(1)を基に
して1.2当量加えた。溶液は100mMのHEPES(pH 7.4)
で緩衝した。尚、測定は、UV-1600 UV可視分光計(日
本、京都、島津)を用いて、25℃にて5mMの濃度で実施
した。更に、蛍光分光計はF-4500(日本、東京、日立)
を使用した。得られた吸収スペクトル及び励起スペクト
ルを図2に示す。これらの金属はサイクレンによって強
く配位されることが良く知られている。図1に示すよう
にアニオンのセンサー検出には7-アミノ基の金属への配
位が求められ、金属の配位における窒素の単独電子対の
関与がそのような波長のシフトを誘導するので、望まし
いスペクトルの変化は、吸収スペクトル及び励起スペク
トルの青色シフトであった。ZnII、CdII、及びCu
IIととの錯体の形成が極めて緩慢なために、十分な平衡
化(3時間を超える)の後スペクトルを測定した。化合
物(1)の吸収スペクトルのピークは382nmであり、錯
体1−ZnII、錯体1−CdII及び錯体1−CuIIのそ
れは、それぞれ388nm、342nm及び342nmであった。即
ち、CdII、及びCuIIを化合物(1)の溶液に加えた
場合、それぞれの吸収スペクトルにおける青色シフトが
認められた。このことは、7-アミノ基がCdII及びCu
IIに配位するという考えを支持している。錯体1−Zn
IIの吸収スペクトルはわずかに赤色シフトした。この赤
色シフトは、ZnIIと7-アミノ-4-トリフルオロメチル
クマリンとの間に何らかの相互作用があることを示して
いるが、上述の理由によって7-アミノ基は多分ZnIIに
は配位していないものと思われる。化合物(1)、錯体
1−ZnII、及び錯体1−CdIIの励起スペクトルは、
錯体1−ZnIIの蛍光強度がやや増加したが、それらの
吸収スペクトルに類似していた。一方、これらに対し
て、CuIIの性質(CuIIイオンは種々の蛍光化合物の
蛍光を失活させることは一般に知られている)のために
錯体1−CuIIの蛍光は顕著に低下した。図1に示すア
ニオンのセンサー検出の原理から、中心金属イオンは、
7-アミノ基を含む5つの窒素原子によって配位されるこ
とが必要である。従って、100mMのHEPESを含む中性水
溶液中にて化合物(1)の7-アミノ基によってZnIIが
配位されなければ、錯体1−ZnIIは、アニオンセンサ
ーとして作用することはできない。さらに、錯体1−C
uIIの蛍光は強く失活させられるので、これも蛍光セン
サーとしては適当ではない。従って、吸収スペクトル及
び励起スペクトルに基づいて、我々は、錯体1−CdII
が、図1に示すような我々の設計概念に基づく最も良好
な蛍光アニオンセンサーであるという結論に達した。
【0017】実施例3電位差pH滴定 次に、参考文献12に詳細に記載されている手順に従っ
て、1:1の金属-化合物(1)(0.17mMと0.5mM)錯体
システム(化合物(1)・4HCO、化合物(1)・4HCl
O+Zn(ClO)及び化合物(1)・4HClO+Cd(ClO)
)について、イオン強度I=0.1M(EtNClO)、25℃
にて電位差pH滴定実験を行った。配位子のプロトン化
定数、金属錯体形成定数及び分布ダイヤグラムは、コン
ピュータ・プログラム、SUPERQUAD13及びMINIQUAD
14を用いて算出した。その結果を表1に示す。化合物
(1)のプロトン化平衡定数は、9.67(logK=logb
011) 及び8.39(logK= logb012- logb
011)であった。他のさらに低いpKは算出できなか
った。
【0018】
【表1】
【0019】表1においてlogb110として示されるZ
nII及びCdIIに対する化合物(1)の安定定数を算出
し、logK(錯体1−ZnII)及びlogK(錯体1−CdII)は
それぞれ10.80及び11.38であった。報告されているlogK
(サイクレンZnII)及びlogK(サイクレンCdII)はそれ
ぞれ16.2及び14.3である。化合物(1)-金属の配位形
成が、サイクレンのそれと同じであるならば、logK(錯
体1−ZnII)はlogK(1−CdII)よりも大きいことが
期待されるが、そうはならず、すなわち、化合物(1)
-金属錯体の相対的安定性の順序は、サイクレン金属錯
体に比べて逆であった。この結果は、錯体1−CdIIの
配位形成は、錯体1−ZnIIのそれとは異なることを示
唆している。我々は、ZnIIに強く結合するアニオンが
存在していなくても芳香族アミノ基がZnIIに配位する
のを水分子が妨げる可能性があり、ZnIIは芳香族アミ
ノ基によって配位されないとみなしている。一方、その
結果は、CdIIが5つの窒素原子、すなわち、サイクレ
ンの4つのアミノ基と芳香族アミノ基によってキレート
されるという考えに一致している。従って、pH滴定の
結果もまた、錯体1−CdIIが図1における設計原理を
満たしていることを示唆している。
【0020】実施例41-Cd II を用いたアニオンの蛍光検出 次に、種々のアニオンが励起スペクトルにどのような影
響を持つのかを調べるために、合成した錯体1−CdII
溶液(5mM)に種々のアニオンを加えた。スペクトルは
すべて100mMのHEPES緩衝液(pH7.4)の存在下、25℃に
て測定した。錯体1−CdII溶液にピロリン酸ナトリウ
ム(PPi)溶液を加えた場合、励起スペクトルは、 用量
依存性に長い波長の方にシフトした。図3に示すよう
に、10mMのPPiを加えた後、λmaxは、342nmから383n
mにシフトした。錯体1−CdII溶液+10mMのPPiの励起
スペクトルは、遊離の塩基(図2)のそれに類似してい
た(例えば、両者のピーク波長はおよそ380nmだっ
た)。設計概念の項目で記載したように、7-アミノクマ
リンの場合、励起スペクトルの深色シフトは、7-アミノ
基の電子密度が上昇したことを示す。このような結果
は、我々が期待したように、不安定な5番目の配位子
(芳香族アミノ基)が用量依存性にPPiアニオンに置き
換わったことを示している(図1)。要するに、中性の
水溶液において、アミノ基が分子内にあったとしても、
芳香族アミノ基よりもPPiの方がCdII-サイクレンに対
して大きな親和性を持っていることが示された。
【0021】更に、同様な方法を用いてその他のアニオ
ンの効果を調べ、励起スペクトルのピークにおける蛍光
測定値をアニオンの濃度に対してプロットし、以下の式
に従って、各アニオンに対する錯体1−CdIIから成る
センサーの見かけの解離定数(K)を算出した。 式:F=(F + Fmax[A]/K) / (1 + [A]/K) 上式において、Fはアニオンなしの最初のFの値、F
maxはFの最大値、及び[A]は溶液に加えたアニオンの
最終濃度を示す。尚、アニオンはすべてナトリウム塩又
はカリウム塩として加えた。Kはすべて、100mMのHEPE
S緩衝液(pH7.4)の条件下で算出した。その結果を以
下の表2に示す。*Kは大きすぎて計算できなかっ
た。
【0022】
【表2】
【0023】表2の結果から明らかなように、クエン酸
塩が強い親和性を示した。リン酸塩は、おそらくプロト
ン化形態のためにPPiよりも極めて低い親和性を持ち、H
PO 2−およびHPO は、pH7.4の水溶液では優勢
な種であり、それらはPPiよりも負の荷電数が少ない。
過塩素酸塩は100mMでもいかなる変化も起こさなかっ
た。オキソ酸に関しては、多価のアニオンは一価又は二
価のアニオンよりも強く錯体1−CdIIに結合した。こ
のようなデータは、アニオンが、複数点での認識を介し
て、おそらく金属とサイクレン環のNHプロトンの双方に
よって錯体1−CdIIと相互作用していることを示唆し
ている。ハロゲンイオンについては、スペクトル変化
は、I>Br>Cl>>Fの順で生じ、ソフト塩基度
の程度を反映していた。このことは、CdIIがソフト酸
であり、ソフト塩基に対して高い親和性を持つという事
実に一致する。
【0024】さて、一部のヌクレオチドが生物における
重要な役割を持つ負に荷電した有機化合物であり、特
に、cAMPやcGMPのような環状ヌクレオチドは細胞内セカ
ンドメッセンジャーとして作用するので、種々のヌクレ
オチドのセンサー検出は極めて重要である。そこで、次
にこれらのヌクレオチドについて検討した。第1に、4
種のヌクレオシド一リン酸、AMP、GMP、CMP及びUMPを5m
Mの錯体1−CdII溶液に加えた。興味深いことに、GMP
だけが蛍光を失活させ、ほかの3種のヌクレオチドは無
機アニオンのように励起スペクトルの赤色シフトを誘発
した(図4[a])。又、見かけの解離定数を表2に示
す。このような結果は、励起スペクトルの形状及び解離
定数がヌクレオチドの塩基に依存することを示唆してい
る。考えられる説明の1つは、クマリンが直接、ヌクレ
オチドの塩基と相互作用しているということである。2
つの環状ヌクレオチド、cAMPとcGMPは、それぞれその加
水分解産物であるAMPとGMPよりも錯体1−CdIIに対し
て低い親和性を示した。cAMPとAMPのスペクトルデータ
を図4[b]に示す。10mMのcAMPを加えても錯体1−CdI
Iに1の励起スペクトルの変化は小さかった。このスペク
トルは、100mMのAMPを加えた時のスペクトルに類似して
いた。1mM未満のcAMPの添加では錯体1−CdIIの励起
スペクトルはほとんど変化しなかった。この結果を考慮
すると、AMPとcAMPの結合強度の差異はおそらくアニオ
ン部位の数に基づくものであった。
【0025】実施例5アニオンのセンサー検出の可逆性 次に、アニオンのセンサー検出の可逆性について調べ
た。センサー検出システムが可逆的であれば、CdIIに
配位するアニオンの減少が励起スペクトルの青色シフト
を生じ、それが元のスペクトルに回復するはずである。
PPiを結合し、PPiがCdIIに配位するのを妨げるため
に、PPiを含む溶液に過剰量のMgIIを加えた。1mMのPP
iを含む錯体1−CdII(5mM)の溶液に10mgのMg(Cl
O)を加えた場合、励起スペクトルは実際に青色にシ
フトしてλmax 345nmであった(図5[a])。このスペク
トルはPPiを含んでいない錯体1−CdIIのスペクトル
にほぼ正確に一致した。更に、ピロリン酸の加水分解の
影響を調べた。無機ピロホスファターゼは、1つのピロ
リン酸塩を2つのリン酸イオンに変換することが知られ
ている。リン酸塩はPPiよりも弱く錯体1−CdIIに
配位するので、PPiの切断は、大量のMgIIイオンで見
られたのと同じようなスペクトル変化を誘発するはずで
ある。pH7.4にて1mMのピロリン酸塩を含む錯体1−C
dII溶液に0.33U/mlの無機ピロホスファターゼと0.5mM
のMg(ClO)を加えると、励起スペクトルのピークは
短い波長の方に迅速にシフトした(図5[b])。これらの
結果も、センサー検出メカニズムが可逆的であることを
示している。
【0026】実施例6ホスホジエステラーゼの測定 生化学的応用へのこのシステムの可能性を調べるため
に、我々は、ホスホジエステラーゼ(PDE)の活性をモニ
ターすることを試みた。我々は、環状ヌクレオチドのホ
スホジエステルの開裂によって環状ヌクレオチドのヌク
レオシド一リン酸への変換、例えば、cAMPのAMPへの変
換(化2)を触媒するホスホジエステラーゼ3',5'-環状
モノヌクレオチド10を用いた。そのような酵素は細胞
内シグナル伝達に関与するので、その活性11を感度良
く検出するシステムを開発することは極めて重要であ
る。
【0027】
【化2】
【0028】実施例5で示されたように、錯体1−Cd
IIから成る本発明の蛍光センサーは、cAMPよりもはるか
に強くAMPを認識した。従って次に、AMPの上昇をモニタ
ーすることによってPDE活性をリアルタイムで検出する
ことを試みた。即ち、pH7.4にて、100mMのHEPES、10mM
のcAMP、10mMのCaCl及び0.02U/mlのPDEアクチベータ
を含む5mMの錯体1−CdIIに2U/ml(最終濃度)のPDE
を加えた後、数回、励起スペクトル(放射波長は500nm)
を測定した。その結果、図6[a]及び[b]に示すように、
蛍光強度(励起波長:380nm/ 放射波長:500nm)は徐々
に増加した。このスペクトル変化は、cAMPからAMPへの
変換を示している。このような結果から、ホスホジエス
テラーゼ3',5'-環状ヌクレオチド活性のリアルタイム蛍
光測定に本発明化合物である錯体1−CdIIが有用であ
ることが明らかにされた。又、このアプローチは、他の
酵素活性の測定に応用可能であると期待される。
【0029】
【発明の効果】本発明者は、スペクトル及びpH電位差
のデータに基づいて、CdIIが7位置換クマリン誘導体
の7-アミノ基によって弱く配位されるので、アニオンの
一部がそれを置き換えることができ、その場所でCdII
イオンに配位することができ、下が手、このような化合
物から成るアニオン検出用の蛍光センサーが可逆的であ
ることを確認した。更に、本発明者は、本発明化合物で
ある錯体1−CdIIを用いて、環状ヌクレオチドのホス
ホジエステル結合を加水分解するホスホジエステラーゼ
活性を水溶液中でモニターできることを証明した。この
ような特徴を持ったセンサーはこれまでに知られておら
ず、本発明化合物である錯体1−CdIIは多数の生物学
的及び分析的応用で好ましいアニオンセンサーになり得
る。
【0030】引用文献リスト (1) (a) Grynkiewicz, G.; Poenie, M.; Tsien, R. Y.
J. Bid. Chem. 1985,260, 3440. (b) Minta, A.; Kao,
J. P. Y.; Tsien, R. Y. J. Bid. Chem. 1989,264, 817
1. (2) de Silva, A. P.; Gunaratne, H. Q. N.; Gunnlaug
sson, T.; Huxley, A. J. M.; McCoy, C. P.; Rademach
er, J. T.; Rice, T. E. Chem. Rev. 1997, 97,1515. (3) (a) Schmidtchen, F. P.; Berger, M. Chem. Rev.
1997, 97, 1609. (b) Kimura, E.; Koike, T. Chem. Commun. 1998, 149
5. (c) Snowden, T. S.;Anslyn, E. V. Curr. Opin. Ch
em. Biol. 1999, 3, 740. (4) (a) De Santis, G.; Fabbrizzi, L.; Licchelli,
M.; Poggi, A.; Taglietti, A. Angew. Chem. Int. Ed.
Engl.1996, 35, 202. (b) Fabbrizzi, L.; Faravelli,
I.; Francese, G.; Licchelli, M.; Perotti, A.; Tag
lietti, A.Chem. Commun. 1998, 971. (c) Watanabe,
S.; Onogawa, 0.; Komatsu, Y.; Yoshida, K. J. Am. C
hem.Soc. 1998, 120, 229. (d) Niikura, K.; Metzger,
A.; Anslyn,E. V. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120,853
3. (e)Nishizawa, S.;Kato, Y.; Teramae, N. J. Am. C
hem. Soc. 1999, 121, 9463. (f) Miyaji, H.;Anzenbac
her Jr, P.; Sessler, J. L.; Bleasdale, E.R.; Gale,
P. A. Chem. Commun. 1999, 1723. (5) Czarnik, A. W. Acc. Chem. Res. 1994, 27, 302. (6) (a) Koike, T.; Kajitani, S.; Nakamura, I.; Kim
ura, E.; Shiro, M. J.Am. Chem. Soc. 1995, 117,121
0. (b) Kimura, E.; Aoki, S.; Koike, T; Shiro, M.
J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 3068. (7) Wheelock, C. E. J. Am. Chem. Soc. 1959, 81, 13
48. (8) Kodama, M.; Kimura, E. J. Chem. Soc. Dalton Tr
ans., 1977, 2269. (9) (a) Moe, 0. A.; Butler, L. G. J. Biol. Chem. 1
972, 247, 7308. (b) Cooperman, B. S.; Chiu, N.Y.;
Bruckmann, R. H.; Bunick, G. J.; McKenna, G.P. Bio
chemistry, 1973, 12, 1665. (10) Ho, H. C.; Teo, T. S.; Desai, R.; Wang, J. H.
Biochim. Biophys. Acta, 1976, 429, 461. (11) (a) Rutten, W. J.; Schoot, B. M.; De Pont, J.
J. H. H. M. Biochim.Biophys. Acta, 1973, 315,378.
(b) Thompson, W. J.; Appleman, M. M. Biochemistr
y, 1971, 10, 311. (c) Hiratsuka, T. J. Biol Chem.,
1982, 257, 13354. (12) Odani, A. Physical Methods in Supramolecular
Chemistry (Comprehensive Supramolecular Chemistry,
Vol.8), Davies J. E. D. and Ripmeester J. A., Ed
s., Pergamon, 1996, 8, 445. (13) Gans, P.; Sabatini, A.; Vacca, A. J. Chem. So
c., Dalton Trans., 1985, 1195. (14) Sabatini, A.; Vacca, A.; Gans P. Talanta 197
4, 21, 53.
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明化合物がアニオンを検出する蛍
光センサーとして機能し、アニオンを検出する機構を示
す。
【図2】図2は、(a)種々の金属と化合物(1)の(a)
吸収スペクトル及び(b)励起スペクトル(放射波長は50
0nm)を示す。ここで、縦軸:(a)蛍光強度、(b)吸収
度、横軸:波長である。
【図3】図3は、100mMのHEPES緩衝液(pH7.4)中で25
℃にてピロリン酸ナトリウム(0、0.003、0.01、0.03、
0.1、0.3、3、10mM)を加えた場合の5mMの錯体1−Cd
IIの励起スペクトルを示す。放射波長は500nmであり、
縦軸は「蛍光強度」、横軸は「波長」である。
【図4】図4は、(a)AMP、GMP、CMP及びUMP、並びに
(b)AMP及びcAMPを加えた際の5mMの錯体1−CdIIに
おける励起スペクトルの比較を示す。各ヌクレオチドの
濃度は10mMである。
【図5】図5は、(a)1mMのNaPO(記号なし)及び
1mMのNaPO+10mMのMg(ClO)(白抜きのマ
ル)を伴った錯体1−CdIIの励起スペクトル、及び、
(b)無機ピロリン酸塩を添加する前(記号なし)及び添
加後20分(白抜きのマル)の1mMのNaPOを伴った
錯体1−CdIIの励起スペクトルを示す。放射波長は50
0nmである。
【図6】図6は、ホスホジエステラーゼ活性の測定にお
ける、(a)錯体1−CdIIの励起スペクトルの変化(放
射波長は500nm)、及び(b)蛍光強度-時間のプロット
(励起/放射波長は380nm/500nm)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 31/22 122 G01N 31/22 122 // G01N 31/00 31/00 Z Fターム(参考) 2G042 AA01 BE05 CA02 CB03 DA06 DA08 FA06 FA11 FB02 GA01 GA04 GA05 HA07 2G043 AA01 BA14 CA03 DA02 EA01 JA01 KA03 KA05 2G054 AA02 AB07 CA10 CB01 EA03 FB01 4B063 QA01 QR13 QR42 QR58 QX02

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状ポリアミンの金属錯体から成るアニ
    オンホスト及び蛍光色素を有する化合物であって、該金
    属錯体の金属イオンとの配位結合において、該蛍光色素
    上の置換基とアニオンとの間の配位子交換機能によって
    蛍光色素のスペクトルに変化が生じることを特徴とす
    る、前記化合物。
  2. 【請求項2】 環状ポリアミンの金属錯体から成るアニ
    オンホスト及び蛍光色素を有する化合物であって、該金
    属錯体の金属イオンとの配位結合に関与する該蛍光色素
    上の電子供与性置換基とアニオンとの間の配位子交換機
    能によって該蛍光色素上の電子供与性が増大し、その結
    果、蛍光色素のスペクトルに変化が生じることを特徴と
    する、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 金属錯体の金属イオンに対する配位力が
    より強いアニオンの存在によって、該金属錯体の金属イ
    オンとの配位結合に関与する該蛍光色素上の電子供与性
    置換基が金属イオンとの配位結合からはずれることを特
    徴とする、請求項1又は2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 蛍光色素の吸収(励起)スペクトルが長
    波長側にシフトすることを特徴とする、請求項1ないし
    3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 アニオンホスト及び蛍光色素がリンカー
    を介して結合していることを特徴とする、請求項1ない
    し4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 環状ポリアミンを構成する窒素原子及び
    炭素原子の総数が12であり、窒素原子数が4であるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記
    載の化合物。
  7. 【請求項7】 環状ポリアミンが1,4,7,10−テ
    トラアザシクロデカンである、請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 蛍光色素上の電子供与性置換基がアミノ
    基である、請求項2ないし7のいずれか一項に記載の化
    合物。
  9. 【請求項9】 蛍光色素が7位置換クマリン誘導体であ
    る、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 蛍光色素が7−アミノ−トリフルオロ
    メチルクマリンである、請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 リンカーがアルキレン基である、請求
    項5ないし10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 リンカーがエチレン基である、請求項
    11に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 金属錯体を構成する金属がCdであ
    る、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合
    物。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか一項に
    記載の化合物から成る蛍光センサー。
  15. 【請求項15】 水溶液中のアニオンを検出することの
    出来る、請求項14記載の蛍光センサー。
  16. 【請求項16】 アニオンが、ピロリン酸イオン、リン
    酸イオン、クエン酸イオン、ハロゲンイオン、及びヌク
    レオチドから成る群から選択される一種又は複数種のア
    ニオンである、請求項15記載の蛍光センサー。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし13のいずれか一項に
    記載の化合物をセンサーとして使用し、その蛍光色素の
    吸収(励起)スペクトルの長波長側へのシフトの度合い
    に基づき、アニオン濃度を測定する方法。
  18. 【請求項18】 水溶液中におけるアニオン濃度を測定
    することを特徴とする、請求項17に記載の測定方法。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし13のいずれか一項に
    記載の化合物をセンサーとして使用し、その蛍光色素の
    吸収(励起)スペクトルの長波長側へのシフトの度合い
    に基づき、アニオン性残基の増減を測定する方法。
  20. 【請求項20】 水溶液中におけるアニオン性残基の増
    減を測定することを特徴とする、請求項19に記載の測
    定方法。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし13のいずれか一項に
    記載の化合物をセンサーとして使用し、蛍光強度の変化
    に基づき、アニオン性残基の増減を伴う反応に関与する
    酵素の活性を測定する方法。
  22. 【請求項22】 酵素がホスホジエステラーゼである、
    請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 酵素が環状モノヌクレオチド特異的ホ
    スホジエステラーゼである、請求項22に記載の方法。
JP2002061098A 2002-03-06 2002-03-06 アニオン検出用蛍光センサー Pending JP2003254909A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002061098A JP2003254909A (ja) 2002-03-06 2002-03-06 アニオン検出用蛍光センサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002061098A JP2003254909A (ja) 2002-03-06 2002-03-06 アニオン検出用蛍光センサー

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007225774A Division JP4150064B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 アニオン検出用蛍光センサー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003254909A true JP2003254909A (ja) 2003-09-10

Family

ID=28670194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002061098A Pending JP2003254909A (ja) 2002-03-06 2002-03-06 アニオン検出用蛍光センサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003254909A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2008018129A1 (ja) * 2006-08-09 2009-12-24 信一郎 礒部 タンパク質の検出方法及びそれに用いる蛍光色素
WO2010029735A1 (ja) * 2008-09-10 2010-03-18 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 構造解析装置、及び構造解析方法
WO2010044465A1 (ja) * 2008-10-17 2010-04-22 国立大学法人 群馬大学 新規化合物およびそれを含む機能性発光プローブ
CN114479104A (zh) * 2022-01-24 2022-05-13 辽宁大学 一种基于可视化串联检测Pi和邻苯二胺的试剂及检测方法
WO2024042756A1 (ja) * 2022-08-23 2024-02-29 国立大学法人信州大学 フッ素イオン濃度測定用試薬、フッ素イオン濃度測定方法、フッ素イオン濃度測定装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2008018129A1 (ja) * 2006-08-09 2009-12-24 信一郎 礒部 タンパク質の検出方法及びそれに用いる蛍光色素
JP5244596B2 (ja) * 2006-08-09 2013-07-24 株式会社アイエスティー タンパク質の検出方法及びそれに用いる蛍光色素
WO2010029735A1 (ja) * 2008-09-10 2010-03-18 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 構造解析装置、及び構造解析方法
WO2010044465A1 (ja) * 2008-10-17 2010-04-22 国立大学法人 群馬大学 新規化合物およびそれを含む機能性発光プローブ
US8623239B2 (en) 2008-10-17 2014-01-07 National University Corporation Gunma University Compound and functional luminescent probe comprising the same
CN114479104A (zh) * 2022-01-24 2022-05-13 辽宁大学 一种基于可视化串联检测Pi和邻苯二胺的试剂及检测方法
WO2024042756A1 (ja) * 2022-08-23 2024-02-29 国立大学法人信州大学 フッ素イオン濃度測定用試薬、フッ素イオン濃度測定方法、フッ素イオン濃度測定装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Supramolecular aggregates as sensory ensembles
Mizukami et al. A fluorescent anion sensor that works in neutral aqueous solution for bioanalytical application
Chen et al. Combination of bovine carbonic anhydrase with a fluorescent sulfonamide
Martínez-Máñez et al. New advances in fluorogenic anion chemosensors
Ulrich et al. Chemistry at boron: synthesis and properties of red to near-IR fluorescent dyes based on boron-substituted diisoindolomethene frameworks
Venkatramaiah et al. Phosphonate appended porphyrins as versatile chemosensors for selective detection of trinitrotoluene
Sokkalingam et al. Highly sensitive fluorescence “turn-on” indicator for fluoride anion with remarkable selectivity in organic and aqueous media
Lo et al. Synthesis, characterization, photophysical properties, and biological labeling studies of a series of luminescent rhenium (I) polypyridine maleimide complexes
Mizukami et al. Lanthanide-based protease activity sensors for time-resolved fluorescence measurements
Jose et al. Colorimetric sensor for ATP in aqueous solution
Liu et al. A dual-channel and fast-response fluorescent probe for selective detection of HClO and its applications in live cells
Zhang et al. New class of tetradentate β-diketonate-europium complexes that can be covalently bound to proteins for time-gated fluorometric application
Krzyminski et al. Chemiluminogenic features of 10-methyl-9-(phenoxycarbonyl) acridinium trifluoromethanesulfonates alkyl substituted at the benzene ring in aqueous media
Abeywickrama et al. A bright red-emitting flavonoid for Al 3+ detection in live cells without quenching ICT fluorescence
Lo et al. Utilization of the highly environment-sensitive emission properties of rhenium (I) amidodipyridoquinoxaline biotin complexes in the development of biological probes
Ma et al. Fluorescent detection of an anthrax biomarker based on PVA film
Zhou et al. Selective detection of zwitterionic arginine with a new Zn (II)-terpyridine complex: potential application in protein labeling and determination
Kielar et al. A mechanistic study of the dynamic quenching of the excited state of europium (III) and terbium (III) macrocyclic complexes by charge-or electron transfer
Dey et al. Naphthyridine based fluorescent receptors for the recognition of uric acid
Zhang et al. A versatile molecular beacon-like probe for multiplexed detection based on fluorescence polarization and its application for a resettable logic gate
Sui et al. A BODIPY‐Based Water‐Soluble Fluorescent Probe for Mitochondria Targeting
Borah et al. A series of benzothiazole-based Schiff bases for the colorimetric sensing of fluoride and acetate ions: acetate-induced turn-on fluorescence for selectivity
Butler et al. Anion Receptors for the Discrimination of ATP and ADP in Biological Media
He et al. A label-free G-quadruplex-based luminescent switch-on assay for the selective detection of histidine
Zhang et al. Facile polymerization strategy for the construction of Eu3+-based fluorescent materials with the capability of distinguishing D2O from H2O

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20031031

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129

A621 Written request for application examination

Effective date: 20050223

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061124

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070416

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070703

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Effective date: 20070925

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523