JP3768634B2 - 蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法 - Google Patents
蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3768634B2 JP3768634B2 JP03318997A JP3318997A JP3768634B2 JP 3768634 B2 JP3768634 B2 JP 3768634B2 JP 03318997 A JP03318997 A JP 03318997A JP 3318997 A JP3318997 A JP 3318997A JP 3768634 B2 JP3768634 B2 JP 3768634B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- secondary structure
- wavelength range
- component ratio
- calculation
- calculated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蛋白質の円二色性(CD)がその二次構造を鋭敏に反映することは良く知られている事実である。
図1には二次構造成分比が異なるミオグロビン(Myoglobin)、リゾチーム(Lysozyme)およびパパイン(Papain)のCDスペクトル測定例が示されている。
なお、同図において、Mはミオグロビン(Myoglobin)、Lはリゾチーム(Lysozyme)、Pはパパイン(Papain)の遠紫外CD測定例である。
これら円二色性スペクトルの特徴的形状と強度から二次構造成分比を評価しようとする種々の試みがなされ、その解析原理として例えばYang教授らのリファレンスCDスペクトル法が採用されている。
【0003】
すなわち、蛋白質のCDを4つの基本二次構造のリファレンスCDを用いて(1)式で表す。
P(λ)=fH・H(λ)+fB・B(λ)+fT・T(λ)+fR・R(λ) … (1)
ただし、P(λ)、H(λ)、B(λ)、T(λ)およびR(λ)は、それぞれタンパク質、ヘリックス、ベータ、ターン及びランダムの波長λにおけるCD値(平均残基分子楕円率)を表す。fi(i=H,B,T,R)は、蛋白質のそれぞれの二次構造成分比を表す。
そして、未知構造蛋白質の二次構造成分比fi(i=H,B,T,R)を(1)式のカーブフィッティングによって求めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リファレンスCDスペクトル法に代表される蛋白質二次構造解析では、二次構造成分比の計算に用いる計算波長範囲の選択の仕方が悪いと、得られた二次構造成分比とそれらのX線解析データとの相関係数が低くなってしてしまう。特にベータ構造の評価精度を維持するためには真空紫外域までのCDデータ(たとえば180nm以下)を用いなければならなかった。
【0005】
しかしながら、このような短波長まで測定領域を延長することによって、溶媒の選択や、空気中の酸素の吸収をさけるために行う円二色性分散計内の窒素置換の問題などの困難が増えてくるため、数多くのプログラムの使用者にとって190nmまでの測定が限界であり、180nm以下の測定は事実上不可能であった。
そのため、二次構造成分比の評価精度を維持するためには計算波長範囲の選択は重要であるが、プログラムの使用者の要求に十分に応えることができていなかった。
【0006】
その理由は、二次構造成分比の計算に用いる計算波長範囲の設定には数多くの場合が考えられ、さらには選択された計算波長範囲が最適なものであるかどうかを判断するための適切な規範が存在しないため、プログラムの使用者は満足のゆく評価精度が得られるまで、計算波長範囲を選択してから二次構造成分比を算出するまでの一連の操作を繰り返さなければならず、非常に煩わしいものであった。
本発明は前記従来技術の事情に鑑みなされたものであり、その目的は蛋白質の二次構造成分比、特にベータ構造の評価精度の改善が容易になし得る蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にかかる蛋白質の二次構造解析方法に用いる計算波長範囲選択方法は、円二色性データから、蛋白質の二次構造成分比の計算に用いる計算波長範囲を選択する方法であって、長波長端固定工程と、仮成分比算出工程と、合計値算出工程と、探索工程と、選択工程と、を備えたことを特徴とする。
前記長波長端固定工程は、前記計算波長範囲の長波長端を所定の波長に固定する。
【0008】
前記仮成分比算出工程は、前記計算波長範囲の短波長端を順次変更し、それぞれの二次構造成分比が零または正の値をもつという拘束条件で二次構造成分比を最適化法によって算出する。
前記合計値算出工程は、前記仮成分比算出工程で算出されたそれぞれの二次構造成分比の合計値をそれぞれの計算波長範囲について算出する。
前記探索工程は、前記合計値算出工程で算出された合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値以下であると、その中から短波長端が最も大きい計算波長範囲を探索し、また、合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値より大であると、その中から合計値が100%と最も近似する計算波長範囲を探索する。
【0009】
前記選択工程は、前記探索工程で探索された計算波長範囲を蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲として選択する。
なお、前記探索工程は、前記二次構造成分比の合計値の誤差が許容値以下の計算波長範囲を優先して探索することが好適である。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施態様について説明する。
図2には本発明の一実施態様にかかる蛋白質二次構造解析用の装置のブロック図が示されている。
なお、本実施態様ではリファレンスCDとして図4に示すヤン教授らのリファレンスCDを想定し、未知構造蛋白質の二次構造成分比を(1)式のカーブフィッティングによって求める場合について説明する。
図2において、装置10は、長波長短固定手段、仮成分比算出手段、合計値算出手段、探索手段、及び選択手段としてのCPU12と、ROM14と、HDD16とを含む。
【0011】
ROM14にはカーブフィッティングプログラムをはじめ、例えば(1)式に示す解析関数やリファレンスCDデータなどが記憶されている。
HDD16には円二色性分散計(図示省略)で測定された被解析蛋白質のCDデータが記憶されている。
そして、二次構造解析の開始を指示する解析開始信号がCPU12に入力されると、CPU12は、ROM14に記憶されている解析プログラムを起動する。
このとき、CPU12は、リファレンスCDデータやHDD16に記憶されている被解析蛋白質のCDデータも同時に読み出して、この未知構造蛋白質の二次構造成分比を(1)式のカーブフィッティングによって求めることができる。
【0012】
すなわち、CPU12は、波長λにおける蛋白質のCD値P(λ)を、たとえば4つの基本二次構造のリファレンスCDを用いて近似的に(1)式で表す。
ただし(1)式において蛋白質CD値P(λ)は、それぞれ測定された波長範囲のn個の波長点λi(i=1,2,…,n)においてそれぞれ独立した値をもっている。H(λi)、B(λi)、T(λi)およびR(λi)の4つの二次構造のリファレンスCD値を用いて、被解析蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRを最小二乗法により求める。
【0013】
ここで、前記(1)式は厳密に成り立つのではなく、波長λi(i=1,2,…,n)において誤差(εi)が含まれており、これは(2)式で表せられる。
すなわち、誤差(εi)=Pi−(fH・Hi+fB・Bi+fT・Ti+fR・Ri)(i=1,2,…,n) … (2)
ただし、前記(2)式において、Pi=P(λi),Hi=H(λi),Bi=B(λi),Ti=T(λi),Ri=R(λi)である。
したがって、CPU12は、(2)式に示すこれらの誤差(εi)の平方和(S)を最小にする蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRを求めるのである。
【0014】
平方和(S)=ε12+ε22+…+εn12=Σεi2=Σ{Pi−(fH・Hi+fB・Bi+fT・Ti+fR・Ri)}2 … (3)
すなわち、前記(3)式を蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRでそれぞれ偏微分したそれぞれの式を零とおく。
つまり、∂S/∂fH=2Σ{Hi(fH・Hi+fB・Bi+fT・Ti+fR・Ri)−Pi・Hi}=0より、fH・ΣHi2+fB・ΣHi・Bi+fT・Σ・Hi・Ti+fR・ΣHi・Ri−ΣPi・Hi=0 … (4−1)
を得る。
【0015】
同様にして、∂S/∂fBより、fH・ΣHi・Bi+fB・ΣBi2+fT・ΣBi・Ti+fR・ΣBi・Ri−ΣPi・Bi=0 … (4−2)
を得る。
また、∂S/∂fTより、fH・ΣHi・Ti+fB・ΣBi・Ti+fT・ΣTi2+fR・ΣTi・Ri−ΣPi・Ti=0 … (4−3)
を得る。
【0016】
∂S/∂fRより、fH・ΣHi・Ri+fB・ΣBi・Ri+fT・ΣTi・Ri+fR・ΣRi2−ΣPi・Ri=0 … (4−4)
を得る。
このようにして、CPU12は、前記(4)式の4元連立1次方程式の解として、被解析蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRを求めることができる。
【0017】
本発明において特徴的なことは蛋白質の二次構造成分比の計算に用いる計算波長範囲を容易に選択可能としたことであり、このために本実施態様においてはCPU12が、長波長端固定手段と、仮成分比算出手段と、合計値算出手段と、探索手段と、選択手段とを備えることとした。
すなわち、図3に示すように長波長端固定手段(s100)は、計算波長範囲の長波長端を所定の波長に固定する。本実施態様においては、例えばリファレンスCDの長波長端、または被解析蛋白質のCDデータの長波長端のうち、短い方の波長に設定している。
【0018】
仮成分比算出手段(s102)は、前記計算波長範囲の短波長端を順次変更し、それぞれの二次構造成分比が零または正の値をもつという拘束条件で二次構造成分比を種々の最適化法で算出する。
すなわち、蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRが零または正の値をもつという拘束条件を与えている。
このために本実施態様においては、CPU12が、前述のようにして求めた蛋白質の二次構造成分比fH、fB、fT、fRの中で負の値をもつものがあると、これを零とおいて前記(4)式を解く。この場合、3元連立1次方程式を解くこととなる。
【0019】
合計値算出手段(s104)は、前記仮成分比算出手段(s102)で算出された二次構造成分比の合計値をそれぞれの計算波長範囲について算出する。
すなわち、波長λiにおける蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRが求まると、その合計値を算出する。
【0020】
探索手段(s106)は、前記合計値算出手段(s104)で算出された合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値以下であると、その中から短波長端が最も大きい計算波長範囲を探索し(s108)、また、合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値より大であると、その中から合計値が100%と最も近似する計算波長範囲を探索する(s110)。
【0021】
すなわち、リファレンスCDのもつn個の波長点数のうち、大きい番号が短波長側であるとする。CPU12は長波長端(n=1)を固定して短波長端を1ステップずつ順次ずらして上記の最適化計算を行うのである。
この場合、n個の波長点λi(i=1,2,3,…,n)から、n−k個の波長点λi(i=1,2,3,…,n−k)までの、短波長端が順次ずれた波長範囲での二次構造成分比fH,fB,fT,fRの合計値が(k+1)個求まる。
【0022】
合計値に対して所定の許容値内の値が複数個得られた場合、短波長端を最も長波長側のλi(i=n−k)に設定し、その許容値より大の場合には、100%に最も近い波長範囲のものを選ぶ。探索された波長範囲はn−k個の波長点数をもつことになる。
ここで、二次構造成分比の合計値の誤差が、それぞれ所定の許容値以下である場合、その許容値以下の波長範囲であれば、任意の波長範囲を選択しても、得られる結果は殆どかわりがない。
【0023】
一方、測定技術から言えば、より短波長まで測定領域を延長するためには、溶媒の選択や、空気中の酸素の吸収をさけるために行う円二色性分散計内の窒素置換の問題などの困難が増えてくる。
このために本実施態様においては、CPU12が探索手段(s106)として、前記合計値算出手段で算出された合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値以下であると、その中から短波長端が最も大きい計算波長範囲を探索し(s108)、また、合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値より大であると、その中から合計値が100%と最も近似する計算波長範囲を探索しているのである(s110)。
【0024】
前記探索手段(s106),(s108),あるいは(s110)で探索された計算波長範囲が各成分比の算出手段(s112)で計算に用いる計算波長範囲として選択される。
そして、探索手段で探索された計算波長範囲でカーブフィッティングを行って二次構造成分比を計算する。
すなわち、CPU12は、各二次構造の成分比が零または正の値をもち、かつ、各二次構造の成分比の合計値が100%をもつという拘束条件を与えて各二次構造の成分比を最小二乗法により算出する。
【0025】
このために本実施態様においては、選択手段で選択された計算波長範囲における蛋白質のそれぞれの二次構造成分比fH、fB、fT、fRに、fH+fB+fT+fR=1(100%)という拘束条件を与えるため、前記(3)式に、ランダムの成分比fR=1−ヘリックスの成分比(fH)−ベータの成分比(fB)−ターンの成分比(fT)を代入している。
すなわち、平方和(S)=Σi{(Pi−Ri)−fH(Hi−Ri)−fB(Bi−Ri)+fT(Ti−Ri)}2=Σ{pi−(fHhi+fBbi+fT・ti)}2 … (5)
【0026】
ただし、前記(5)式において、pi=Pi−Ri,hi=Hi−Ri,bi=Bi−Ri,ti=Ti−Ri。
そして、前記(5)式を二次構造成分比fH、fB、fTで偏微分すると、3元連立1次方程式を(4)式と類似の型で得る。これらの解としてヘリックス(H)、ベータ(B)およびターン(T)の成分比fH、fB、fTを求めることができるから、拘束条件(ランダムの成分比fR=1−ヘリックスの成分比(fH)−ベータの成分比(fB)−ターンの成分比(fT))よりランダム(R)の成分比fRも求めることができる。
【0027】
図5には本実施態様にかかる蛋白質の二次構造解析用の装置10によるミオグロビン(Myoglobin)の二次構造評価例が示されている。
表1には本実施態様にかかる装置10を用いた場合と、従来の装置を用いた場合との評価精度の比較結果が示されている。
本分析系では二次構造成分比の評価精度を検証する目的で、計算波長範囲の長波長端として240nmが択一される条件とした。また、本実施態様では短波長端として190nm〜200nmの中から最適な計算波長範囲が探索され、従来例では190nmが択一される条件とした。
【0028】
【表1】
────────────────────────────────────
方法 本実施態様 従来例
────────────────────────────────────
長波長短 240nm固定 240nm固定
────────────────────────────────────
短波長端 探索工程 190nm固定
────────────────────────────────────
ヘリックス 0.89 0.88
────────────────────────────────────
ベータ 0.84 0.73
────────────────────────────────────
ターン 0.44 0.13
────────────────────────────────────
ランダム 0.38 0.39
────────────────────────────────────
【0029】
この結果、従来例に比較して本実施態様にかかる装置10によれば、特にベータ構造の評価精度が改善され、その他の二次構造についても評価精度が維持されていることが理解される。
以上のように、本実施態様にかかる蛋白質の二次構造解析用の装置10によれば、蛋白質の二次構造成分比を計算するのに用いる計算波長範囲を適切にしかも容易に選択することができるので、二次構造成分比の評価精度の改善が容易に行える。
【0030】
しかも、このような評価精度の改善が測定の困難な180nm以下のCDデータを用いることなく成し得るため、数多くのプログラムの使用者にとって非常に有効である。
また、アミノ酸配列からの二次構造予測精度も年々向上してきており、本実施態様にかかる蛋白質の二次構造解析用の装置は、これらの結果を確かめる簡便な手法として有効である。
【0031】
なお、本発明の蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法としては、前記各構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、前記各構成ではリファレンスCDとしてヤン教授らのリファレンスCDを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、その他、使用者が測定した構造既知の蛋白質CDデータから計算によって作られたもの、ポリペプチドや変性蛋白質のCDデータから作られたものを用いることができる。
【0032】
これらの機能は、ある蛋白質の改変や変性などに伴う二次構造成分比のモニタにも有効である。その応用例として、図6,7には、温度コントロールシステムによって測定された蛋白質の熱変性CDスペクトル及びそれらの二次構造成分比の解析結果がそれぞれ示されている。
【0033】
また、前記構成では、最適化法のアルゴリズムとして重回帰形の最小二乗法を用いた場合について説明したが、種々の最適化法を用いることができる。
また、前記構成では、CDデータがHDD(ハードディスク)に記憶されている場合について説明したが、たとえばFD(フロッピーディスク)などの他の記憶手段を用いることができる。
さらに、前記構成では、探索工程において、合計値の誤差が所定の許容値以下または大の場合について説明したが、これらの合計値が、所定の許容値以下と大の両者に存在する場合、二次構造成分比の合計値の誤差が所定の許容値以下の計算波長範囲を優先して探索することが好適である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法によれば、蛋白質の二次構造成分比を計算するのに用いる計算波長範囲を適切にしかも容易に選択することができるので、蛋白質の二次構造成分比の評価精度の改善を容易になし得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛋白質の遠紫外CD測定例
【図2】本発明の実施態様にかかる蛋白質二次構造解析用の装置の概略構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施態様にかかる装置の処理内容を示すフローチャート
【図4】本発明の実施態様にかかる装置で採用されているヤン教授らのリファレンスCDスペクトル
【図5】本発明の実施態様にかかる装置によるミオグロビン(Myoglobin)の二次構造評価例
【図6】リボヌクレアーゼA(Ribonuclease A)の0.001規定硫酸(0.001N H2SO4)溶液中における熱変性CDスペクトル
【図7】リボヌクレアーゼA(Ribonuclease A)の0.001規定硫酸(0.001N H2SO4)溶液中の熱変性に伴う二次構造変化の解析例
【符号の説明】
10 … 蛋白質二次構造解析用の装置
12 … CPU(長波長端固定手段、仮成分比算出手段、合計値算出手段、探索手段および各成分比算出手段)
14 … ROM
16 … HDD
Claims (2)
- 円二色性データから、蛋白質の二次構造成分比の計算に用いる計算波長範囲を選択する方法であって、
前記計算波長範囲の長波長端を所定の波長に固定する長波長端固定工程と、
前記計算波長範囲の短波長端を順次変更し、それぞれの二次構造成分比が零または正の値をもつという拘束条件で二次構造成分比を最適化法によって算出する仮成分比算出工程と、
前記仮成分比算出工程で算出されたそれぞれの二次構造成分比の合計値をそれぞれの計算波長範囲について算出する合計値算出工程と、
前記合計値算出工程で算出された合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値以下であると、その中から短波長端が最も大きい計算波長範囲を探索し、また、合計値の誤差がそれぞれ所定の許容値より大であると、その中から合計値が100%と最も近似する計算波長範囲を探索する探索工程と、
前記探索工程で探索された計算波長範囲を蛋白質の二次構造成分比の計算に用いる計算波長範囲として選択する選択工程と、
を備えたことを特徴とする蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法。 - 請求項1記載の方法において、前記探索工程は前記二次構造成分比の合計値の誤差が許容値以下の計算波長範囲を優先して探索することを特徴とする蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03318997A JP3768634B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03318997A JP3768634B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221247A JPH10221247A (ja) | 1998-08-21 |
JP3768634B2 true JP3768634B2 (ja) | 2006-04-19 |
Family
ID=12379548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03318997A Expired - Fee Related JP3768634B2 (ja) | 1997-01-31 | 1997-01-31 | 蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3768634B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4644383B2 (ja) * | 2001-05-11 | 2011-03-02 | 日本分光株式会社 | タンパク質二次構造の面分布測定方法及び装置 |
JP4259802B2 (ja) * | 2002-02-19 | 2009-04-30 | 日本分光株式会社 | 癌診断における異常部及び異常度特定方法 |
JP5414073B2 (ja) * | 2008-09-10 | 2014-02-12 | 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 | 構造解析装置、及び構造解析方法 |
CN104020124B (zh) * | 2014-05-29 | 2016-08-24 | 暨南大学 | 基于吸收率择优的分光波长筛选方法 |
-
1997
- 1997-01-31 JP JP03318997A patent/JP3768634B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10221247A (ja) | 1998-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Sreerama et al. | Estimation of protein secondary structure from circular dichroism spectra: inclusion of denatured proteins with native proteins in the analysis | |
Sreerama et al. | Estimation of protein secondary structure from circular dichroism spectra: comparison of CONTIN, SELCON, and CDSSTR methods with an expanded reference set | |
Ron | Property testing | |
Sreerama et al. | Estimation of the number of α‐helical and β‐strand segments in proteins using circular dichroism spectroscopy | |
Choromanski et al. | From complexity to simplicity: Adaptive es-active subspaces for blackbox optimization | |
CN111337606B (zh) | 一种应用于色谱分析的重叠峰处理方法 | |
Regis et al. | Improved strategies for radial basis function methods for global optimization | |
US7069153B2 (en) | CD metrology method | |
JP3768634B2 (ja) | 蛋白質の二次構造解析に用いる計算波長範囲選択方法 | |
US7882105B2 (en) | Method of ranking a set of electronic documents of the type possibly containing hypertext links to other electronic documents | |
Sudha et al. | Review of experimental design in analytical chemistry | |
WO2014125819A1 (ja) | 解析装置 | |
Gusnanto et al. | Variable selection in random calibration of near‐infrared instruments: ridge regression and partial least squares regression settings | |
Sathe et al. | AFFINITY: Efficiently querying statistical measures on time-series data | |
JP3671241B2 (ja) | 非線形多変量赤外解析法 | |
CN115862742A (zh) | 基于自注意力机制的双向肽段测序方法及应用 | |
Oldfield | Creating structure features by data mining the PDB to use as molecular-replacement models | |
Richa et al. | OneG: a computational tool for predicting cryptic intermediates in the unfolding kinetics of proteins under native conditions | |
Zhu et al. | Simrank on uncertain graphs | |
Mishra et al. | Swiss knife covariates selection: A unified algorithm for covariates selection in single block, multiblock, multiway, multiway multiblock cases including multiple responses | |
Black et al. | Forbidden minors for graphs with no first obstruction to parametric Feynman integration | |
Krasanakis et al. | Stopping personalized PageRank without an error tolerance parameter | |
Mändle et al. | Statistical optimization of expensive multi-response black-box functions | |
JP2000088832A (ja) | クロマトグラム用解析装置 | |
Lipovetsky | Prioritization and decision-making: a brief review of methods |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060113 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060202 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |