JPWO2010010693A1 - 垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、ホームエージェント及びモバイルノード - Google Patents

垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、ホームエージェント及びモバイルノード Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010010693A1
JPWO2010010693A1 JP2010521600A JP2010521600A JPWO2010010693A1 JP WO2010010693 A1 JPWO2010010693 A1 JP WO2010010693A1 JP 2010521600 A JP2010521600 A JP 2010521600A JP 2010521600 A JP2010521600 A JP 2010521600A JP WO2010010693 A1 JPWO2010010693 A1 JP WO2010010693A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interface
prefix
vertical handoff
message
network
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010521600A
Other languages
English (en)
Inventor
モハナ ダマヤンティ ジャヤタラン
モハナ ダマヤンティ ジャヤタラン
啓吾 阿相
啓吾 阿相
ンー チャン ワー
チャン ワー ンー
チュン キョン ベンジャミン リム
チュン キョン ベンジャミン リム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2010010693A1 publication Critical patent/JPWO2010010693A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0011Control or signalling for completing the hand-off for data sessions of end-to-end connection
    • H04W36/0022Control or signalling for completing the hand-off for data sessions of end-to-end connection for transferring data sessions between adjacent core network technologies
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W8/00Network data management
    • H04W8/02Processing of mobility data, e.g. registration information at HLR [Home Location Register] or VLR [Visitor Location Register]; Transfer of mobility data, e.g. between HLR, VLR or external networks
    • H04W8/08Mobility data transfer
    • H04W8/087Mobility data transfer for preserving data network PoA address despite hand-offs

Abstract

モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少する技術が開示され、その技術によればPMIPv6ドメイン511と通信可能なIf1と、WiMAX−If2とWLAN−If3を有するMN500がPMIPv6ドメイン511内をローミングして、WiMAX−If2又はWLAN−If3が選択的にWiMAX又はWLANに新しく接続する場合に、If1に関連するプリフィックスP1をWiMAX−If2とWLAN−If3に移すことなく、前に接続していたWiMAX−If2又はWLAN−If3から新しく接続するWiMAX−If2又はWLAN−If3に一義的に移すプリフィックスP2をLMA/HA512に設定して、MN500が送信する垂直ハンドオフのトリガメッセージ内にIf2、If3のIDを含まないようにする。

Description

本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、モバイルノードのあるインタフェースに関連するプリフィックスを他のインタフェースに移す垂直ハンドオフ方法及び垂直ハンドオフシステムに関する。
本発明はまた、上記のモバイルノード及びそのホームエージェントに関する。
現在、多くの通信装置がIPv6(Internet Protocol version 6)を用いて通信を行っている。また 、モバイル装置に対してモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)は、非特許文献1に示すようなMIPv6(Mobility Support in IPv6)を開発している。非特許文献1におけるモビリティサポートは、ホームエージェント(HA)と呼ばれるエンティティをモバイルノード(MN)のホームネットワークに導入することにより実現している。MNはHAに対し、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA)を、バインディング・アップデート(BU)メッセージと呼ばれるメッセージを用いて登録する。HAはBUメッセージにより、ホームリンクで取得したアドレスであるホームアドレス(HoA)とMNのCoAの間にバインディング(位置情報)を生成することができる。HAはバインディングにより、MNのHoAあてのメッセージをインタセプトし、MNのCoAあてのパケットにカプセル化して転送する。なお、このパケットカプセル化は、受信したパケットを新しいパケットのペイロードにセットする処理であり、パケットトンネル化として知られている。なお、MIPv6はClientであるMNがモビリティ管理を行うプロトコルであるため、CMIPv6(Client Mobile IPv6)やHBM(Host Based Mobility)とも呼ばれる。
MIPv6における問題の1つは、ネットワーク接続(attachment)が変更するとき毎や、バインディングの有効期間が満了するときに、MNがその1以上のHAと通信相手(Correspondent Node:CN)に対する登録を更新する必要があることにある。この更新により、高速で移動するMNが無線ネットワークに放出するシグナリングの負荷が増大する。さらに、ネットワーク接続(attachment)の変更毎にCNとの間で行うハンドオフ確立時間(経路最適化が使用されているとする)は、ネットワーク接続(attachment)の変更毎にRR(Return Routability)メッセージとBUメッセージの送受信が必要となるため、多くの時間を要する。このため、フロー又はコネクションに関連するセッションの間、ハンドオフ確立にかなりの時間を要するので、ジッタやパケットロスが発生する。このようなジッタは、VoIP(Voice over IP)や、マルチメディア及びビデオストリーミングのようにリアルタイムなアプリケーションにとっては好ましくない。さらに、パケットロスは、重要なテキストやデータの情報を伝送するフローにとっては好ましくない。パケットロスはさらに、TCP(Transmission Control Protocol)が重要なデータ、アプリケーションの転送に使用される場合、TCPのスループットを減少させる。
MIPv6の問題に注目すると、焦点は現在、ネットワークベースのローカル・モビリティ管理(Network-based Local Mobility-Management:NetLMM)プロトコルにシフトされる。IETFのNetLMMワーキンググループは、このプロトコルの作業を行っている。ネットワークベースのローカル・モビリティ管理は、地理的にローカルなネットワーク・セグメントに位置するMNのモビリティを、MNそれ自体よりもネットワーク・エンティティにより管理することに言及している。
MNにとって透過的なネットワークベースのローカル・モビリティ管理の目的を達成するために、MNはローカルドメイン内のどこでも同じプリフィックスを参照することを必要とする。上記のプリフィックスは、ルーティング階層の上位に位置するルータから取得されなければならない。そのルータは望ましくは、ローカル・モビリティ管理の利点が取得可能なようにローカルドメイン内の全てのMNのデフォルト・ルーティングパスに位置する。上記のルータは、上記のプリフィックスのルートであって、上記のプリフィックスに対する到達性の情報すなわちルーティング情報(プリフィックスベースのルート)を有しなければならない。結果的に、このプリフィックスベースのルートは、ネットワーク・エンティティにより生成されなければならない。
NetLMMワーキンググループにより検討されている特別なネットワークベースのローカル・モビリティ管理プロトコルは、非特許文献2に開示されているPMIPv6(Proxy Mobile Internet Protocol version 6)である。PMIPv6のプロトコルは主に、CMIPv6(Client Mobile IPv6)スタックを有しない通常のIPv6ホストに対して、ネットワークのローカルな部分におけるモビリティ管理サービスを提供するために設計されており、NBM(Network based Mobility)とも呼ばれる。にもかかわらず、PMIPv6はCMIPv6スタックを有するノードにも有用である。その理由について説明すると、CMIPv6スタックを有するMNが外部のPMIPv6ドメインに位置していて、そのローカルドメイン内のあるインタフェースを介して同じプリフィックス(外部のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)/HAにおいてルーティングされる外部のPMIPv6ローカル・プリフィックス)を参照する場合、そのMNは如何なるグローバルな登録も実行する必要がない。さらに、上記のCMIPv6スタックを有するMNは、ホームドメイン内にローミングしたとき、地理的な位置を変更しているにもかかわらず、自身のホームネットワーク・プリフィックスを継続して参照して位置登録に参加する必要がない。なお、LMAとは、PMIPv6を使用するMNの位置情報を管理するノードであり、その位置情報は後述するモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)から登録される。また、LMA/HAとは、PMIPv6におけるLMAの機能とMIPv6におけるHAの機能の両方を有するネットワークノードを指す。
以下に、非特許文献2に開示されているPMIPv6の概略を説明する。あるMNがあるPMIPv6ネットワークに接続(attach)したとき、そのMNは、モバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)とアソシエート中に、自身のネットワーク・アクセス識別子(NAI)を提供する。MAGとは、MNが直接に接続(attach)しているか又はMNが制御下にあるローカル・モビリティ・アンカー(LMA)に対して、MNのプロキシとしてローカルな登録を実行するルータ(プロキシノード)である。NAIは接続認証(Authentication)の目的のために、AAA(Authentication, Authorization and Accounting)サーバに転送される。AAAサーバは、MNのネットワーク接続(attachment)を資格認証(Authorize)すると、接続認証(Authentication)が成功したことをMAGに通知するためにレスポンスを送り返す。上記のレスポンスでは、AAAサーバはさらに、LMAアドレスと、MNがローカルドメイン内をローミング中に備える必要があるアドレス構成モード又は特別なポリシーのような幾つかのMNプロファイルを提供する。
MAGは上記のMNのパラメータを取得すると、プロキシBU(PBU)メッセージをLMAに送信する。MAGはPBUメッセージの応答であるプロキシ・バインディング確認(PBA)メッセージから、MNの接続(attach)しているインタフェースに関連するプリフィックスを取得した後、ホームリンク及びローカルホームリンクをエミュレートする。上記のようにMAGが実行するPBUメッセージすなわちローカルな登録は、このメッセージがPBUメッセージであることを示すフラグのみを除いてMIPv6のBUメッセージと同一である。PBUメッセージを実行することにより、MNの到達性のステートがLMAにおいて生成される。基本的には、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されたMNプリフィックスに対する到達性のステートを有し、このMNプリフィックスに対して到達可能なアドレスはMAGのアドレスである。
MNはステート有り又はステート無しのアドレス構成モードを用いて、PMIPv6ドメインで受信したプリフィックスを用いてアドレスを構成する。各MNはユニークなプリフィックスを取得するので、LMAにおけるプリフィックスベースのキャッシュは、MNに十分に到達する。LMAに到着した各データパケットは、MNに接続(connect)しているMAGにトンネル化され、また、MAGに到着した各データパケットはLMAにトンネル化される。MAGの近隣(neighbor)キャッシュテーブルは、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、MNにパケットを伝送するのに使用されるリンク層アドレスをバインディングする。
非特許文献2に開示されているPMIPv6のプロトコルは、MNに対して透過的なプロキシ・モビリティのサービスを提供するのに加えて、マルチホーミングのサービスを提供している。非特許文献2に記載されているマルチホーミング・サービスでは、複数のインタフェースを有するMNが全てのインタフェースを経由してPMIPv6ドメインに接続(attach)でき、また、レイヤ3のプロトコルを変更することなく、かつモビリティに関するシグナリングに参加することなくPMIPv6ドメイン内をローミングできる。基本的に、非特許文献2の現在のドラフトに記載されている方法では、マルチホーミングをサポートするために、LMAがMNのインタフェース毎にユニークなプリフィックスを与え、また、LMAがMNのインタフェースに関連するPMIPv6バインディングを個々のモビリティ・セッションとして維持する。PMIPv6のマルチホーミングのプロトコルが保証すべきことは、複数のインタフェースを有するMNがローミングするときに、インタフェース毎に最初の接続(attach)中にユニークなプリフィックスを割り当てることと、完全に透過的なプロキシ・モビリティ管理サービスを提供するためには、上記のプリフィックスと、上記のプリフィックスを使用して確立されるセッションを、セッション品質を損なうことなく維持することである。
ここで、モビリティと、セルのレイアウト構造と、MNの希望と、MNの節電モード動作により、2つのハンドオフのイベントがある。1つ目は、MNの特定のアクセス技術タイプのインタフェースがあるMAGから切断(disconnect)し、そのインタフェースが移動して新しいMAGに再接続(re-connect)する水平ハンドオフである。水平ハンドオフしているプリフィックスに関連するフローのセッションの連続性を維持するためには、MNが水平ハンドオフ後に新しいMAGに接続(attach)するときに同じプリフィックスを参照することが重要である。水平ハンドオフのイベントでは、LMAは同じプリフィックスを割り当てるために、次のMAG(新しいMAG)からのPBUメッセージ内のインタフェース識別子又はアクセス技術タイプ(ATT:Access Technology Type)と、PBUメッセージ内のハンドオフ識別子HI(=3)のオプションを使用してもよい。このインタフェース識別子は、水平ハンドオフしているインタフェースの識別子か、又は新しいMAGに接続(connect)中のインタフェースの識別子である。また、ATTは、接続するインタフェースの種類(セルラ、WiMAX、WLANなど)を表す。一方、ハンドオフ識別子HIは、指定する値によって、アドレスを維持するハンドオーバ接続であるか、アドレスを維持しない新規接続であるかなどを示すことができる。ここで重要な点は、水平ハンドオフの処理があまり複雑ではないことを理解すべきである。その理由は、LMAが、水平ハンドオフ中の新しいPBUメッセージ内のインタフェース識別子又はATTを取得し、そのインタフェース識別子又はATTと同じ値を含むエントリをキャッシュ内で検索することにより同じプリフィックスを与えることができ、セッションの連続性が維持されるからである。また、ハンドオフ識別子HIの値がハンドオーバであることを示す場合には、LMAは、自身が保持するMNに関する情報や、認証サーバやMN情報管理サーバから取得した情報の中から、MNに割り当てられているプレフィックスの情報を参照し、そのプレフィックスを再度MNへ割り当てるべきと判断することができる。
しかしながら、LMAは理想的には、水平ハンドオフ用として上記のHIオプションを必要としない。その理由は、LMAが、新しいMAGに接続(attach)しているインタフェースの識別子をキャッシュ内に存在するインタフェース識別子と単にマッチングするだけで水平ハンドオフを処理できるからである。非特許文献2には、水平ハンドオフをサポートするために複数の方法が示されている。しかし、水平ハンドオフをサポートする1つの方法は、その方法を他の方法に制限する必要はない。
次に、水平ハンドオフをサポートするために非特許文献2に記載されている幾つかの方法について簡単に説明する。もし、水平ハンドオフ中に参照される必要があるプリフィックスが新しいPBUメッセージ内に添付されている場合、LMAは、そのプリフィックスに対するバインディングと、新しいMAGに接続(connect)したインタフェース識別子と、NAIがキャッシュ内に存在するかをチェックする。もし存在する場合、LMAはPBAメッセージで同じプリフィックスを割り当てる。
ところが、大抵の場合、水平ハンドオフを実行する際には、水平ハンドオフ後に参照するプリフィックスは、水平ハンドオフを実現するPBUメッセージ内に添付する必要がない。水平ハンドオフ中のセッションの継続性を実現するためには、MNは、プリフィックスなしでも、インタフェース識別子(If−ID)のオプションと、アクセス技術タイプ(ATT:Access Technology Type)とNAIを通知するだけで十分だからである。この場合、水平ハンドオフは、LMAが新しいPBUメッセージ内のパラメータ(上記の新しいMAGに接続(attach)したIf−ID、ATT及びNAI)と一致するパラメータを持つエントリが存在するか否かをチェックすることにより実行される。LMAが同じパラメータを持つエントリをキャッシュ内に発見した場合、そのキャッシュは、新しいPBUメッセージ内の新しいエントリで更新される。LMAにおけるキャッシュ内の唯一の変更点は、PBUメッセージの気付アドレス(CoA)が新しいMAGに関連するCoAに変更されることにある。この水平ハンドオフの詳細な動作は非特許文献2に記述されている。
MNが実行するもう一つのタイプのハンドオフとして垂直ハンドオフ(Vertical hand-off)がある。非特許文献2に開示されている基本のドラフトには、1つの特定のタイプの垂直ハンドオフが記述されている。このタイプの垂直ハンドオフでは、MNの特定のアクセス技術タイプ(ATT)のインタフェースがあるMAGから切断(disconnect)して、その切断したインタフェースに関連するフローが、電源がオンになってPMIPv6接続(attach)する別のアクセス技術タイプのインタフェースに移される。このタイプの垂直ハンドオフは多くの理由により発生することができる。その理由は、特定のアクセス技術タイプのドメインがカバーする範囲が不足していたり、MNの希望であったり、MNがあるインタフェースを節電のためにシャットダウンしたいからである。
水平ハンドオフ(horizontal hand-off)と比較して垂直ハンドオフが複雑な点は、LMAが垂直ハンドオフ用の正しいプリフィックスを与えるためには、MNの別のインタフェースから行われる接続手続き(attach procedure)の中で提示されるパラメータが十分でないことにある。ここでの新しい接続(attachment)のパラメータとは、MNの新しく電源がオンになったインタフェースのIf−ID及びATTと、NAIとを意味する。MNの複数のインタフェースが、LMAに接続(attach)しているPMIPv6バインディングを有する場合、垂直ハンドオフを実現するPBUメッセージには、新しいインタフェースにハンドオフされるのに必要なプリフィックスか、又はシャットダウンするインタフェースのIf−IDを添付する必要がある。この理由は、LMAがどのプリフィックスが新しいインタフェースに移されるかを知得する必要があるからである。したがって、LMAに対し、シャットダウンするインタフェースを指示する情報を垂直ハンドオフ動作中に送信する必要がある。この情報は特に、同じMNの2つ以上のPMIPv6バインディングがLMAに存在する場合に重要である。
ここで、MNの接続(attach)しているインタフェースのパラメータ(上記の新しいMAGに接続(attach)したIf−ID、ATT及びNAI)が十分な場合、つまり水平ハンドオフの場合は、通常のPMIPv6動作により実現可能である。したがって、水平ハンドオフを実現するためには、水平ハンドオフの接続(attachment)中にはさらに特別な情報(シャットダウンするインタフェースのID又は垂直ハンドオフで移動するプレフィックス/フローなど)は必要なく、問題はないことがわかる。
3GPP(Third Generation Partnership Project)は、例えばワイヤレス・ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)と、セルラネットワーク(第3世代(3G)、第3.9世代、第4世代、さらにはそれ以降の世代のセルラネットワーク)と、WiMAX形式のワイヤレスのワイドエリア・ネットワーク(WAN)のような種々の形式の無線アクセスネットワークを有するグローバルな異種ネットワーク構造について作業を行っている。なお、以下では3Gや3GPPが付加されている用語をいくつか用いているが、本明細書においてそれらはセルラであることを指しており、3Gに限らず、3.9Gや4G、さらにはそれ以降の世代を含むものとして用いている。グローバルな異種ネットワーク構造は、シームレスなモビリティを実現して、リアルタイムなビデオ、VoIP(Voice over IP)、情報、重要なデータなどの異種のアプリケーションサービスを高いサービス品質(Quality of Service)でサポートするのに有用である。非特許文献3には、PMIPv6が3GPPローカルドメインにおけるローカル・モビリティ管理(LMM)プロトコルとして採用されるであろうことが開示されている。3GPPローカルドメインは、3Gセルラネットワークと、信頼性のある又は信頼性のないWLANアクセスネットワークと、WiMAXアクセスネットワークにより構成されるかもしれない。さらに、複数の異種のインタフェースを有するMNが3GPPローカルドメインをローミングして、種々の形式のインタフェースを介して同時接続(attach)してマルチホーミングを実現する必要がありそうである。また、他の従来技術としては、下記の特許文献1、2、3に開示されているものがある。
Yoshihiro Oba, "Mobility architecture using pre-authentication, pre-configuration and/or virtual soft-handoff", US Patent No. US 7,046, 647, B2, May 16, 2006. Raziq Yaqub, "Dynamic use of multiple IP network interfaces in mobile devices for packet loss prevention and bandwidth enhancement", US Patent No. US 20070140256A1, June 21, 2007. George Tsirtsis, et.al., "Wireless terminal methods and apparatus for establishing connections", US Patent No. US 20070081521A1, April 12, 2007.
Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J., "Mobility Support in IPv6", Internet Engineering Task Force Request For Comments 3775, June 2004. Gundavelli, S., et. al., "Proxy Mobile IPv6", Internet Engineering Task Force (IETF) Working Group Draft: draft-sgundave-mip6-proxymip6-02.txt, March 5, 2007. "3GPP System Architecture Evolution: Report on Technical Options and Conclusion", 3GPP TR 23.882, V1.12.0, October 2007.
図12A、図12B、図12C、図12Dを参照して垂直ハンドオフの各種のケースについて詳しく説明する。図12A、図12B、図12C、図12Dには4つのケースの垂直ハンドオフ動作が示されている。図12A、図12Bに示す2つのケースは、MN10A、10Bが共に2つのインタフェースIf1、If2を有していて垂直ハンドオフを実行する場合を示し、図12C、図12Dに示す2つのケースは、MN10C、10Dが共に3つのインタフェースIf1、If2、If3を有していて垂直ハンドオフを実行する場合を示す。
(a)まず、図12Aに示すケースの垂直ハンドオフについて説明する。MN10Aは、初期状態ではインタフェースIf1のみがアクティブであって、リンク17A及びMAG11Aを経由してLMA/HA13AにルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(connect)されているものとする。次に、MN10AがインタフェースIf1をシャットダウンして、インタフェースIf2の電源をオンにして垂直ハンドオフを実行するものとする。また、L2接続(attachment)か、又はルータ・ソリシテーションか又は他の手段によって、インタフェースIf2がリンク15Aを経由して新しく接続(attach)するMAG12Aに対してこの垂直ハンドオフ指示が通知されるものとする。したがって、MN10Aが垂直ハンドオフ・ステートをMAG12Aに通知するものとする。
ここで理解すべき重要な点は、MN10AがMAG12Aに接続(attach)するときに垂直ハンドオフがトリガされることにある(垂直ハンドオフ・トリガメッセージ14A)。さもなければ、インタフェースIf2がMAG12Aを介してLMA/HA13Aに接続(attach)されているときに新しいプリフィックスが割り当てられてしまう。その理由は、LMA/HA13AがMN10Aの希望(インタフェースIf2を経由した垂直ハンドオフか又は新しい接続(attachment)か)を正確に知得しないからである。垂直ハンドオフのトリガメッセージ14Aで送信される唯一のパラメータがハンドオフ識別子(図のMN trigger→HI=2)である。トリガメッセージ14Aに続いて、LMA/HA13Aは、MAG12Aから送信されるPBUメッセージ(不図示)で垂直ハンドオフの情報(HIオプション=2と、インタフェースIf2に関連するインタフェース識別子のオプション)を受信する。
LMA/HA13Aは、PBUメッセージを受信すると、インタフェースIf1用としてMAG11Aに与えていたプリフィックスP1をインタフェースIf2に割り当てる。MAG12Aは、LMA/HA13AからのPBAメッセージ(不図示)でプリフィックスP1を受信すると、プリフィックスP1をRAメッセージか又は何かのACK信号のようなシグナリング16AでインタフェースIf2に送信する(図のResponse→(P1))。
ここで理解すべき重要な点は、2つのインタフェースIf1、If2を有するMN10Aが垂直ハンドオフを実行する場合、LMA/HA13Aにとって、正しいプリフィックスP1を垂直ハンドオフ中に割り当てるための情報としては、ハンドオフのトリガオプションすなわちHIオプションで十分であることにある。その理由は、MAG12Aからの垂直ハンドオフ要求のオプションがLMA/HA13Aに到着したときのLMA/HA13Aのエントリが1つのみであるので、LMA/HA13Aが垂直ハンドオフをインタフェースIf2経由で要求されたときに、この1つのみのエントリに関連するプリフィックスP1を移す必要があると確信するからである。
(b)図12BはMN10BがインタフェースIf1をシャットダウンして、そのフローを現在存在するインタフェースIf2に移す場合を示す。インタフェースIf2はこのシステムに既に接続(attach)されており、プリフィックスP2が割り当てられている。一方、インタフェースIf1にはプリフィックスP1が割り当てられている。ここで図12Aと同様に、MN10BがMAG11B及びリンク17Bから切断(disconnect)して(インタフェースIf1をシャットダウンして)、リンク15B及びMAG12Bに既に接続(attach)しているインタフェースIf2を経由して垂直ハンドオフを実行するものとする。MAG12Bは、インタフェースIf2からの垂直ハンドオフのトリガメッセージ14B(図のMN trigger→HI=2)を受信すると、LMA/HA13Bに送信する新しいメッセージ又はPBUメッセージ(不図示)内にHIオプションを挿入する。このメッセージはまたインタフェースIf2の識別子を含んでいてもよい。
LMA/HA13Bは、このメッセージを受信すると、インタフェースIf2のPMIPv6バインディングに加えて、インタフェースIf1に関連するバインディングが1つのみ存在するか否かをチェックして、1つのみの場合にプリフィックスP1をインタフェースIf2に移す。基本的に、インタフェースIf2のPMIPv6バインディングは、2つのプリフィックスP1、P2用のものを含む。LMA/HA13Bは、垂直ハンドオフのトリガの応答としてACK信号(不図示)をMAG12Bに送信する際にプリフィックスP1、P2を通知する。したがって、MAG12BはインタフェースIf2に対して、プリフィックスP1、P2の両方を含む応答メッセージ16B(図のResponse→(P1,P2))を送信する。これが垂直ハンドオフの新しい想定例である。このような動作が発生する場合とは、MN10Bがあるインタフェースを節電のためにシャットダウンして、そのフローを現在存在する他のインタフェースに移すときである。また、インタフェースIf1が再びMAG11B及びリンク17Bに接続した際に、インタフェースIf1から垂直ハンドオフを実行して、プリフィックスP1をインタフェースIf1へ戻す場合には、インタフェースIf1から送信する垂直ハンドオフのトリガメッセージ(不図示)の中には、移動するプリフィックスを指定するためにプリフィックスP1が存在し、MAG11Bは、HIオプションとプリフィックスP1を含むPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA13Bへ送信する。LMA/HA13Bは、このメッセージを受信すると、インタフェースIf2のPMIPv6バインディングとして登録されているP1、P2のうち、PBUメッセージで指定されているプリフィックスP1を選択し、垂直ハンドオフのトリガの応答として、プリフィックスP1を含むACK信号を送信する。したがって、MAG11Bは、インタフェースIf1に対して、プリフィックスP1を含む応答メッセージ(不図示)を送信する。
(c)次に図12Cを参照して、3つのインタフェースIf1、If2、If3を有するMN10Cが垂直ハンドオフを実行する場合について説明する。MN10Cはまず、インタフェースIf1、If2がそれぞれリンク15C、16C及びMAG11C、12Cを介してLMA/HA14CにルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(attach)して、プリフィックスP1、P2を参照しているものとする。一方、インタフェースIf3は未接続である。以下、この状態を初期接続状態と言う。次に、MN10CがインタフェースIf2をシャットダウンし、また、インタフェースIf3をアクティブ化して、インタフェースIf2のフローをインタフェースIf3に移す垂直ハンドオフを決定するものとする。
MN10Cは、この垂直ハンドオフを実行してMAG13Cをトリガする場合、図12A、図12Bに示す場合より多くの情報をトリガメッセージ18C内に含ませる必要がある。その情報としては、例えば垂直ハンドオフ・フラグ(オプションでもよい)と、シャットダウンしたインタフェースIf2の識別子又はインタフェースIf3経由で参照したいプリフィックスP2がある。トリガメッセージ18Cで送信される垂直ハンドオフ・トリガ情報すなわちHI情報は、単に1ビットで「垂直ハンドオフ」を指示することができる。しかしながら、MAG13CがPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA14Cに送信するときには、この垂直ハンドオフ情報は、非特許文献2に記載されているような適切なオプション(HIオプション)内に含ませる必要がある。
ここで、非特許文献2には、垂直ハンドオフのトリガを新しいMAGすなわちMAG13Cに与える方法が記載されていないことに注意すべきである。すなわち、異種のアクセス技術タイプ(ATT)のドメインを跨がった垂直ハンドオフに対しては、ネットワーク側はこのステップをMN側から通知されなければ検知できない。また、3GPPの構成においても、異種のATTのドメインを跨がったハンドオフに対して、ネットワーク側がハンドオフを開始することは考慮されていない。この理由は、ネットワーク側にとって他のATTのドメインから長いルーティングパスを経由してそのような行動をとることが困難であり、さらには、垂直ハンドオフがMNのあるプリフィックス(このプリフィックスはATTのドメインを経由して参照することが望ましい)に関連する動的な希望と節電などによる決定に基づいて実行されるからである。
図12Cにおいて、MN10Cがハンドオフのこれらのパラメータ(図のMN trigger→HI=2,If2-ID/P2)をMAG13Cに与えると、MAG13CはこれらのパラメータをPBUメッセージ(不図示)内のオプションにセットする。このオプションとは、インタフェースIf2のIf2−IDが存在し、インタフェースIf3のIf3−IDが存在し、ATTオプション及びHIオプション(HI=2)が存在するということである。LMA/HA14Cは、このPBUメッセージを受信すると、まず、このメッセージが垂直ハンドオフ(HI=2)であると識別する。次いでLMA/HA14Cは、PBUメッセージ内のインタフェースIf2のIf2−IDを参照してIf2−IDのエントリがキャッシュに存在することを識別し、プリフィックスP2をインタフェースIf3に移す。基本的に、インタフェースIf3のキャッシュ内のエントリはプリフィックスP2に基づいて生成される。LMA/HA14CからMAG13Cに送信されるPBAメッセージ(不図示)によりプリフィックスP2が通知される。MAG13CはプリフィックスP2を受信すると、プリフィックスP2をRAメッセージやACK信号のシグナリング19CでMN10Cに送信する(図のResponse→(P2))。
(d)最後に、図12Dに示す垂直ハンドオフについて説明する。MN10Dは3つのインタフェースIf1、If2、If3を有し、インタフェースIf1、If2、If3はそれぞれ、リンク15D及びMAG11D、リンク16D及びMAG12D、リンク17D及びMAG13Dを介してLMA/HA14DにルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(connect)しており、それぞれプリフィックスP1、P2、P3を参照している。MN10DがインタフェースIf2の垂直ハンドオフを実行し、垂直ハンドオフのトリガメッセージ18D(図のMN trigger→HI=2,If2-ID/P2)をMAG13Dに送信するものとする。MAG13Dはトリガメッセージ18Dを受信すると、PBUメッセージ(不図示)をLMA/HA14Dに送信する。前述したように、PBUメッセージはインタフェースIf2、If3のIDなどの多くのパラメータを含む。LMA/HA14Dは、インタフェースIf3に接続(connect)されているMAG13DからPBUメッセージを受信すると、MN10DがインタフェースIf2の垂直ハンドオフを実行していてインタフェースIf2のフローをインタフェースIf3に移したいことを識別することができる。この場合、LMA/HA14Dが正しいプリフィックスP2、P3をMAG13Dに与え、したがって、MN10DがMAG13Dからの応答メッセージ19DでプリフィックスP2、P3を受信する(図のResponse→(P2,P3))。
ここで重要な点は、インタフェースが2つの場合と、2つを超える場合の垂直ハンドオフ動作を区別することにある。インタフェースが2つの場合、垂直ハンドオフは単純であって、そのシグナリング負荷は水平ハンドオフの場合と非常に似ている。唯一の違いは、垂直ハンドオフのトリガメッセージ18Dが重要であることである。インタフェースが2つを超える場合の垂直ハンドオフ動作の場合、シャットダウンするインタフェースIf2の何かのステート情報が垂直ハンドオフ動作を開始するときに必要となる。
これまで述べたように、3つのインタフェースを有するモバイルノードがそのうちの2つのインタフェースに関するプリフィックスを固定して静的な垂直ハンドオフを行う際の主要な問題点は、シャットダウンしたインタフェースのインタフェース識別子や移動するプリフィックスを有するトリガメッセージを垂直ハンドオフの度に繰り返し送信する必要があることにある。また、2つのインタフェースを有するモバイルノードが、それぞれのインタフェースに割り当てられているプリフィックスを一方のインタフェースに集約しているときに、もう一方のインタフェースへプリフィックスを戻す際の主要な問題点は、そのプリフィックスを有するトリガメッセージを垂直ハンドオフの度に繰り返し送信する必要があることにある。このようなインタフェース識別子、及びプリフィックスは、そのビット長によりトリガメッセージのパケットサイズを増大し、さらに、トリガメッセージを送信するときのモバイルノードの消費電力や、シグナリングコストを増大させる。さらに、トリガメッセージのパケットサイズが増大すればするほど、無線帯域を多く使用する。
本発明は上記の問題点に鑑み、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、モバイルノード及びそのホームエージェントを提供することを目的とする。
本発明はまた、モバイルノードが2以上のインタフェースを有する場合にも、垂直ハンドオフのシグナリングを要求するパケットサイズを減少することができる垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、モバイルノード及びそのホームエージェントを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定ステップと、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス設定ステップにより設定されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移すステップとを、
有するよう構成した。
本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフシステムであって、
前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定手段と、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信する手段と、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス設定手段により設定されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移す手段とを、
有するよう構成した。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有し、前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフを行なうモバイルノードであって、
前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースからモバイルノードのホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信する手段を、
有するよう構成した。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフシステムにおける前記モバイルノードのホームエージェントであって、
前記モバイルノードの第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを記憶するプリフィックス記憶手段と、
前記モバイルノードの前記新しく接続する前記第2又は第3のインタフェースから送信され、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを受信する手段と、
前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス記憶手段に記憶されたプリフィックスを、前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移す手段とを、
有するよう構成した。
上記構成により、垂直ハンドオフのトリガメッセージが新しく接続するインタフェースの識別子を含まないので、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
また、前記モバイルノードが、前記継続的に使用するプリフィックスを決定して前記ホームエージェントに設定することを特徴とする。
また、前記ホームエージェントが前記モバイルノードの移動経路を学習して前記継続的に使用するプリフィックスを決定することを特徴とする。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記モバイルノードが、前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記モバイルノードのプロキシノードに設定するプリフィックス設定ステップと、
前記プロキシノードの間で前記継続的に使用するプリフィックスを転送するステップと、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記プロキシノードに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記プロキシノードが前記トリガメッセージを受信して、前記継続的に使用するプリフィックスを前記ホームエージェントに通知するステップと、
前記ホームエージェントが前記通知されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移すステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能な第1のインタフェースと第2のインタフェースとを有するモバイルノードが前記第1と第2のネットワーク内をローミングして、前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークから切断して前記第2のネットワークに再接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していたプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定ステップと、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記継続的に使用するプリフィックスを含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記新しく接続する第2のインタフェースに移すステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能なインタフェースとを有するモバイルノードが前記第1と第2のネットワーク内をローミングして、前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークから切断して前記第2のネットワークに再接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記モバイルノードが前記再接続時に前記第2のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記第1のインタフェースに設定するか、又は前記第2のインタフェースに設定するかを指示する垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記第2のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグに基づいて、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記第1又は第2のインタフェースに選択的に設定するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能なインタフェースを少なくとも有するモバイルノードが前記第1のネットワークと第2のネットワーク内をローミングする場合に、前記第1のインタフェースに関連する第1のプリフィックスのパケットを前記第2のインタフェースに転送する垂直ハンドオフ方法であって、
前記モバイルノードが前記第1のインタフェースをシャットダウンする際に、前記第1のプリフィックスを前記第2のインタフェースにバインディングするよう前記モバイルノードのホームエージェントに設定するステップと、
前記ホームエージェントが前記第1のインタフェースあてのパケットを、前記バインディングに基づいて前記第2のインタフェースに転送するステップとを、
有する構成とした。
この構成により、モバイルノードが2以上のインタフェースを有する場合にも、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
本発明によれば、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
本発明はまた、モバイルノードが2以上のインタフェースを有する場合にも、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
第1の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す説明図 図1の最適化要求メッセージの別の形態を示す説明図 図1の垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ(L2メッセージの場合)のフォーマットの一例を示す説明図 図1の垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ(新しいモビリティ拡張ヘッダを有するシグナリング・パケットの場合)のフォーマットの一例を示す説明図 図1の垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ(BUメッセージのパケットの場合)のフォーマットの一例を示す説明図 第1の実施の形態のモバイルノードの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 第1の実施の形態のLMA/HAの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のLMA/HAの構成を機能的に示すブロック図 第4の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す説明図 第4の実施の形態のモバイルノードの動作を説明するためのフローチャート 第5の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す説明図 第6の実施の形態の垂直ハンドオフシステムの一例を示す構成図 図11Aにおける通信シーケンスの一例を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが2つの場合の一例)を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが2つの場合の別の一例)を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが3つの場合の一例)を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが3つの場合の別の一例)を示す説明図 第1の実施の形態が想定する垂直ハンドオフシステムの一例を示す説明図 第1の実施の形態が想定する他の垂直ハンドオフシステムを示す説明図 図13における垂直ハンドオフ・トリガメッセージの一例を示す説明図
インタフェースが3つの場合の垂直ハンドオフの問題点については既に説明したが、基本的に、インタフェースが3以上の場合、垂直ハンドオフを実現するためには、シャットダウンするインタフェースのIDが必須となる。以下では、垂直ハンドオフのプロセス中の問題点について、図13を参照してさらに説明する。また、合わせて本発明の実施の形態において想定している動作シナリオの一例を説明する。
<想定例>
図13は本発明の第1の実施の形態が想定する通信システムを示す。図13は、PMIPv6ドメイン311内の垂直ハンドオフに関連する問題を理解するための図であって、PMIPv6ドメイン311では、PMIPv6のプロトコルが3GPPシステム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)ローカルドメイン内に採用されている。ここで、MN300が3つのインタフェースIf1、If2、If3を有する場合の垂直ハンドオフについては、既に図12C、図12Dにおいて説明した。また、垂直ハンドオフを実現するためには、MN300のシャットオフするインタフェースの識別子がLMA/HA312に与えられなければならない。MN300がPMIPv6ドメイン311内をローミングする間に多くの垂直ハンドオフが発生する。なお、図13及び、以降で用いる図14、図15では、便宜的にセルラネットワーク、WLANアクセスネットワーク、WiMAXアクセスネットワークを用いているが、図13に示されているネットワークの構成やアクセスネットワークの種類、インタフェースの種類や数などはこれに限定される必要はなく、本発明が適用される範囲を逸脱しない限り任意の構成を想定することができる。また、第2の実施の形態以降で用いられている通信システムの図(図8、図10)でも同様である。
さらに、図13では、垂直ハンドオフのイベントは、3つの要素により発生する。1つ目は、同じアクセス技術タイプのネットワークが欠如していて、例えばWiMAXインタフェースIf2が通信するWiMAXアクセスネットワーク301aと303aのセルが連続していないこと、また、WLANインタフェースIf3が通信するWLANアクセスネットワーク302aが他のWLANアクセスネットワークのセルと連続していないことによる。2つ目は、MN300がマルチホーミングを実現するために複数のインタフェースの維持を希望することによる。例えば、セルラインタフェースIf1が接続中であり、WiMAXインタフェースIf2又はWLANインタフェースIf3のいずれかが新たにネットワークに接続した場合に、セルラインタフェースIf1において確立していた複数のコネクションのうち、1つ又は複数の任意のコネクションを、WiMAXインタフェースIf2又はWLANインタフェースIf3のどちらかへ選択的に移す場合などである。3つ目は、MN300があるフローについてはあるアクセス技術タイプを希望することによる。以下に、垂直ハンドオフ規則について詳しく説明する。
図13における想定として、MN300が3GセルラインタフェースIf1と、WiMAXインタフェースIf2とWLANインタフェースIf3を有するものとする。また、LMA/HA312がPMIPv6ドメイン311のアンカーポイントであるものとする。また、PMIPv6ドメイン311の無線アクセス部分が3Gのセルによりフルにカバーされ、PMIPv6ドメイン311がLMA/HA312においてルーティングされるものとする。さらに、3Gのセルが連続しており、かつWLANアクセスネットワーク(以下、WLANドメイン)302aとWiMAXアクセスネットワーク(以下、WiMAXドメイン)301a、303aが3GセルのPMIPv6ドメイン311のカバー範囲に存在するものとする。基本的に、3GセルのPMIPv6ドメイン311は連続しており、WiMAXドメイン301a、303a及びWLANドメイン302aは連続していないものとする。
この想定はあり得る。その理由は、MN300が3GセルラインタフェースIf1経由で3GセルのPMIPv6ドメイン311に接続(attach)しているが、PMIPv6ドメイン311と異なるオペレータ又は外部のオペレータが非3GPPネットワーク(WiMAXドメイン301a、303a及びWLANドメイン302a)を提供するため、また、非3GPPネットワークが協力してセルを連続的に配置することが困難であるために、MN300が非3GPPネットワークには連続して接続(attach)しないかもしれないからである。
初期時点T0では、MN300の3GセルラインタフェースIf1がMAG/3GPP313に接続(attach)し、かつWiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX301に接続(attach)している。このため、MN300はMAG/3GPP313、MAG/WiMAX301からそれぞれルータ広告(RA)メッセージ305、306を受信する。例えばMN300はRAメッセージ305、306でそれぞれプリフィックスP1、P2を参照する。MN300は2つのインタフェースIf1、If2を同時に使用するマルチホーミングを希望して、2つのインタフェースIf1、If2を使用するものとする。
次にMN300が移動して、時点T1ではWiMAXドメイン301aのカバーする範囲がなくなり、WLANドメイン302aのカバーする範囲のみとなる。この時点T2では、MN300はマルチホーミングを実現するためには、WLANインタフェースIf3経由の垂直ハンドオフを実行する必要がある。ここでのマルチホーミングとは、より高い帯域を実現することが可能な場合にはいつでも複数のインタフェースを使用することを意味する。また代わりに、時点T2では、MN300はプリフィックスP2に関連するフローをWiMAX又はWLANのアクセス技術タイプで参照することを希望して、WLANへの垂直ハンドオフを実行してもよい。ここで理解すべき重要な点は、前述したように垂直ハンドオフがMN300の希望で実行できることにある。ここで、当業者であれば、MN300は、MAG/WiMAX301と接続(connect)されなくなったときに、MAG/3GPP313に対して垂直ハンドオフを実行しないことは明らかである。その理由は、MN300が複数のインタフェースの使用を希望し、さらにプリフィックスP2に関連するフローをWiMAX経由又はWLAN経由で送受信することを希望するからである。
ここで、MN300がWLANインタフェースIf3経由で、WiMAXインタフェースIf2の情報をMAG/WLAN302に提供してプリフィックスP2を参照するものとする。この場合、MN300は時点T1では、MAG/3GPP313、MAG/WLAN302からのそれぞれのRAメッセージ307、308でプリフィックスP1、P2を参照する。時点T1では、MAG/3GPP313は変更されていないので、3GセルラインタフェースIf1に関連する垂直ハンドオフ動作は行われない。ここで理解すべき重要な点は、3Gセルが連続的であり、かつプリフィックスP1を使用するフロー(例えばVoIP)は3GセルラインタフェースIf1経由が望ましいので、プリフィックスP1の垂直ハンドオフは必要としないことにある。
次の時点T2では、MN300がWLANドメイン302aの範囲から外れてWiMAXドメイン303aの範囲に入ったものとする。ただし、3GのPMIPv6ドメイン311の範囲内に未だ位置する。この場合、WLANインタフェースIf3がWLANドメイン302aとの接続(connection)を失い、MN300がWiMAXインタフェースIf2を使用してWiMAXドメイン303aに接続(connect)することを希望するものとする。時点T2では、MN300はMAG/WiMAX303に対して垂直ハンドオフを実行しなければならず、WiMAXインタフェースIf2経由でプリフィックスP2を参照することを希望する。この場合、MN300は垂直ハンドオフのトリガメッセージ(図15で説明する)をMAG/WiMAX303に送信する。基本的に、図13に示す想定では、プリフィックスP1に関する垂直ハンドオフには問題がない。その理由は、PMIPv6ドメイン311は大きなセルであって連続したカバー範囲であり、プリフィックスP1は3GセルラインタフェースIf1経由で参照されるからである(図のRAメッセージ305、307、309)。プリフィックスP2のみがWiMAXインタフェースIf2とWLANインタフェースIf3の間でやり取りされる。
<他の想定例>
図14に示すネットワーク構成は図13とほぼ同じであるが、MN400は、3GセルラインタフェースIf1と、WLANインタフェースIf2とWiMAXインタフェースIf3を有するものとする。また、MN400の移動軌跡404は、WLANアクセスネットワーク401a(時点T0)→WiMAXネットワーク402a(時点T1)→WLANアクセスネットワーク403a(時点T2)である。ここで、図示省略されているが、初期時点T0の前の時点では、MN400は、3GセルインタフェースIf1がプリフィックスP1を、WLANインタフェースIf2がプリフィックスP2を、WiMAXインタフェースIf3がプリフィックスP3を参照しているものとし、初期時点T0では、不図示のWiMAXネットワークがカバーする範囲から離れてWLANアクセスネットワーク401aに移動し、インタフェースIf2に対して垂直ハンドオフを実行する。これにより、MN400は、インタフェースIf1がRAメッセージ405によってプリフィックスP1を参照し、インタフェースIf2がRAメッセージ406によってプリフィックスP2、P3を参照する。
初期時点T0ではステート413で示すように、MN400はWiMAXインタフェースIf3をシャットダウンして、プリフィックスP3のフローをWLANインタフェースIf2のMAG/WLAN401に垂直ハンドオフするものとする。基本的には、MN400は希望のインタフェース(ここではWLANインタフェースIf2)に垂直ハンドオフするが、WLANインタフェースIf2は、既に接続(connect)されているインタフェースである。したがって、MN400はMAG/WLAN401からのRAメッセージ406で2つのプリフィックスP2、P3を参照する。なお、3GセルラインタフェースIf1は、初期時点T0でも初期時点T0の前の時点から継続してプリフィックスP1を参照している。
MN400がさらに移動してWLANアクセスネットワーク401aとの接続(connection)を失い、時点T1では、初期時点T0の前の時点で接続(connect)していたWiMAXネットワーク402aに移動したものとする。時点T1では、MN400はMAG/3GPP313ではなく、MAG/WiMAX402に垂直ハンドオフするものとする。MN400はこの垂直ハンドオフのとき、WLANインタフェースIf2の識別子又はプリフィックスP2、P3を垂直ハンドオフ・トリガメッセージ(図15)でMAG/WiMAX402に通知する必要がある。垂直ハンドオフが成功すると、MN400はMAG/WiMAX402からのRAメッセージ408を受信してプリフィックスP2、P3を参照する。また、MN400はMAG/3GPP313からのRAメッセージ407を受信してプリフィックスP1を継続して参照する。ここで、プリフィックスP1については垂直ハンドオフはなく、MN400はプリフィックスP1については3GセルラインタフェースIf1経由を希望し、3GセルラインタフェースIf1については垂直ハンドオフを希望しないものとする。
次いでMN400がさらに移動して、時点T2でWLANアクセスネットワーク403aに接続(attach)し、また、WiMAXネットワーク402aとの接続(connection)を失うものとする。時点T2でもMN400は垂直ハンドオフを実行する。この場合の垂直ハンドオフ・トリガメッセージもWLANインタフェースIf3に関する情報を含む。基本的に、この想定例では、プリフィックスP1については、3Gセルがカバーする範囲が連続しているので垂直ハンドオフを実行する必要はなく、プリフィックスP2、P3について垂直ハンドオフが実行される。
図15は図13における垂直ハンドオフ・トリガメッセージ216、218を示す。MN300は初期時点T0では、3GインタフェースIf1がMAG/3GPP313に接続(attach)し、かつWiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX301に接続(attach)している。次の時点T1では、WiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX301との接続(connection)を失い、WLANインタフェースIf3がMAG/WLAN302を発見する。ここで、時点T1では、MN300は3GネットワークではなくWLANネットワーク経由でプリフィックスP2を参照することを希望するものとする。プリフィックスP2をWLANインタフェースIf3経由で参照するためには、MN300はWiMAXインタフェースIf2のID(If2−ID)又はプリフィックスP2とHI=2をMAG/WLAN302あてのトリガメッセージ216で通知する必要がある。
同様に、MN300はさらに移動して、時点T2ではWLANインタフェースIf3がMAG/WLAN302との接続(connection)を失い、WiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX303を発見する。時点T2では、MN300は3GネットワークではなくWiMAXネットワーク経由でプリフィックスP2を希望する場合、WLANインタフェースIf3のID(If3−ID)とHI=2をMAG/WiMAX303あてのトリガメッセージ218で通知する必要がある。
図15において垂直ハンドオフを行う際の主要な問題点は、64ビットの長いインタフェース識別子又はプリフィックスを有するトリガメッセージ216、218を継続して送信する必要があることにある。なお以下では、垂直ハンドオフさせるプリフィックスを指定する情報として、ハンドオフ元となるインタフェースのインタフェース識別子を通知しているが、インタフェース識別子の代わりに垂直ハンドオフさせるプリフィックスそのものを用いてもよい。このようなインタフェース識別子は、トリガメッセージ216、218のパケットサイズを増大し、さらに、トリガメッセージ216、218を送信するときのMN300の消費電力や、MN300のシグナリングコストを増大させる。さらに、トリガメッセージ216、218のパケットサイズが増大すればするほど、無線帯域を多く使用する。さらに、垂直ハンドオフのパラメータを送信するPBUメッセージ内にも、シャットダウンするインタフェースの識別子が必要になり、コアネットワークのシグナリング負荷が増大する。したがって、MN300が3つのインタフェースIf1、If2、If3を有していて、固定のすなわち静的な希望により垂直ハンドオフを継続して実行する場合には不都合がある。
ここで理解すべき重要な点は、図13、図15における垂直ハンドオフのパターンが非常に静的であることにある。すなわち、MN300は常に、プリフィックスP2のフローがWLAN経由かWiMAX経由になるように希望している。基本的に、垂直ハンドオフの規則は、MN300に関する限り静的であるので、パケットサイズが大きく、継続して送信されるトリガメッセージ216、218は最適化されることが望ましい。
従来技術として、特許文献1は、主に水平ハンドオフであるハンドオフを論じており、ハンドオフの遅延を減少することを目的としている。特許文献1に記載されているメカニズムは2つの部分より成っている。1つ目は、ターゲットのIEEE802.11ネットワークにおける前接続認証(pre-authentication)を早くすることであり、2つ目は、ターゲットのアクセスルータに接続(attach)する前に仮想のソフトハンドオフを実行することである。これは、ハンドオフの遅延を減少する別のタイプの最適化であり、垂直ハンドオフのシグナリングのパケットサイズを減少するのには役に立たない。また、たとえ垂直ハンドオフに適用しても、垂直ハンドオフの遅延を減少するだけである。
また、他の従来技術として、特許文献2に記載されている方法の目的は、複数のインタフェースを有するノードに関連する、異なる動作ステートの間のパーフォーマンスを向上させることにある。基本的に、MNが動作中に、ハンドオフの間のパケットロスがモニタされ、適切なインタフェースの電源がオンになってパケットロスを減少させる。ここで、垂直ハンドオフ中のインタフェースに来るパケットを新しいインタフェースが受信してパケットロスを減少させるものと想定する。しかし、この方法をPMIPv6ドメインに適用しても、垂直ハンドオフが発生する必要があるか、又は水平ハンドオフを実行中の他のインタフェースに来るフローを新しいインタフェースが接続したMAGが受信できる必要がある。特許文献2の方法の目的は、パケットロスを防止することにあり、垂直ハンドオフのシグナリングのパケットサイズを最適化することをターゲットとしてはいない。
また、他の従来技術として、特許文献3には、MNがアクセスルータ(AR)と接続(connect)中及びハンドオフ中のMNからARへのシグナリングを減少することが記載されている。この方法は、初期接続(attach)中とハンドオフ接続(attach)時のパケットサイズを減少することによりハンドオフの遅延を最適化する手段に特徴があると思われる。ただし、各接続(connect)時にはMNからARへシグナリングする必要がある。これに対し、本発明の目的は、垂直ハンドオフのシグナリング内の省略可能な情報を除去することにある。以上説明したように、MNが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、通常の垂直ハンドオフのシグナリングを継続することが効率的でないことは明らかである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態の概要について説明する。MNがあるプリフィックスに対する自身の垂直ハンドオフの規則が静的であると知得すると、そのプリフィックスを一義的に使用するという規則をLMA/HAに対して直接に又はプロキシ・エージェントを介してプリセットする。MNは、MNが3以上のインタフェースを有するときにも、インタフェース識別子を有しない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するようにして、トリガメッセージのパケットサイズを減少する。図1は第1の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す。図1に示すネットワーク構成は、図13、図15と同じであるので、詳細な説明は省略する。図1では、MN500は3GセルラインタフェースIf1と、WiMAXインタフェースIf2とWLANインタフェースIf3の3つのインタフェースを有するものとする。MN500はMAG/3GPP513に対し、WiMAXドメインとWLANドメインの間で一義的に使用されるプリフィックス(以下、浮動(floating)プリフィックスとも呼ぶ)に関するMN500の垂直ハンドオフ規則を通知する(図の516)。この情報はMAG/3GPP513からLMA/HA512に転送される(図の517)。なお、MN500がMAG/WiMAX501又はMAG/WLAN502に接続している際に垂直ハンドオフ規則を通知してもよい。
<T0>
初期時点T0(ステート513)では、MN500は3GセルラインタフェースIf1がPMIPv6ドメイン511のMAG/3GPP513に接続(attach)され、また、WiMAXインタフェースIf2がWiMAXアクセスネットワーク501a経由でPMIPv6ドメイン511のMAG/WiMAX501に接続(attach)されているものとし、また、MN500はプリフィックスP1をインタフェースIf1経由のRAメッセージ505で、プリフィックスP2をインタフェースIf2経由のRAメッセージ506で参照しているものとする。ここで、MN500はプリフィックスP1、P2に対して固定の垂直ハンドオフ規則を設定したいものとする。基本的に、MN500はプリフィックスP2をWiMAXアクセスネットワーク501a、503a経由及びWLANアクセスネットワーク502a経由のみで参照したい。この要求はプリフィックスP2を使用しているフローの性質によるものであるかもしれない。
このため、初期時点T0では、MN500はその旨の垂直ハンドオフ情報の最適化要求メッセージ516(及び517)をMAG/3GPP513経由でLMA/HA512に送信する。MAG/3GPP513あての最適化要求メッセージ516は、レイヤ2(L2)メッセージでもよく、レイヤ3(L3)メッセージでもよい。最適化要求メッセージ516(及び517)により、プリフィックスP2がWiMAXアクセスネットワーク501a、503a経由及びWLANアクセスネットワーク502a経由の浮動プリフィックスとして一義的に使用することがLMA/HA512に通知される。
基本的に、最適化要求メッセージ516(及び517)の意味は、WiMAX側から垂直ハンドオフがトリガされると、プリフィックスP2がWLANのバインディング側からWiMAXのバインディング側に移され、WLAN側から垂直ハンドオフがトリガされると、プリフィックスP2がWiMAXのバインディング側からWLANのバインディング側に移されるということである。MN500は、初期時点T0でPMIPv6ドメイン511内をローミングしているときにこのような静的な垂直ハンドオフを実行できるものと予測する。もし、MN500が予測によりこのような静的な垂直ハンドオフを実行できない場合には、MN500はPMIPv6のプロトコルの標準の垂直ハンドオフに戻し、また、LMA/HA512はその処理方法を知得する。
MAG/3GPP513は最適化要求メッセージ516を受信すると、最適化要求メッセージ516の内容を別のシグナリング・メッセージ517でLMA/HA512に通知する。シグナリング・メッセージ517はPBUメッセージでもよい。LMA/HA512はシグナリング・メッセージ517を受信すると、プリフィックスP2がWiMAXとWLANとの間の垂直ハンドオフを実行するときの浮動プリフィックスであることを知得し、そのことを示すために、自身のバインディングキャッシュ内に特別なフラグを生成する。
<時点T1>
MN500は、最適化要求メッセージ516を送信した後に軌跡504に沿って移動して、MAG/WiMAX501から切断(disconnect)され、MAG/WLAN502に対する垂直ハンドオフを実行するものとする。このときのMAG/WLAN502あての垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518は、HIフラグ(=2、ハンドオーバ接続であることを示す値)のみを必要とし、WLANインタフェースIf2の識別子もプリフィックスP2も添付する必要はない。LMA/HA512には、時点T0における最適化要求メッセージ516が既に通知されているためである。したがって、時点T0における最適化要求メッセージ516により、時点T1における垂直ハンドオフのシグナリングのパケットサイズを最適化できることがわかる。
MAG/WLAN502は、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を受信すると、HIオプション(=2)と、ATTオプションを含むPBUメッセージ519をLMA/HA512に送信する。LMA/HA512は、PBUメッセージ519を受信すると、まず、NAIにより識別されるMN500が、特定のアクセス技術タイプ(ATT)により参照される浮動プリフィックスに対して特別な要求を有するか否かをチェックする。また、LMA/HA512は、PBUメッセージ519を受信すると、ATTオプションに基づいてPBUメッセージ519がWLANのアクセス技術タイプのネットワークから来たものであることを識別して、WiMAXのプリフィックスを移す必要があることを識別し、さらにプリフィックスP2を識別する。そして、PBUメッセージ519に対するPBAメッセージ(不図示)でプリフィックスP2がMAG/WLAN502に移される。したがって、MN500は、LMA/HA512がプリフィックスP2を識別するためにWiMAXインタフェースIf3の識別子についての情報を与えることなく、プリフィックスP2を参照する。なお、時点T0として、MN500の3GPPインタフェースIf1がMAG/3GPP513に接続して2つのコネクション(PDN(Packet Data Network)コネクション)を確立しており、それぞれのコネクションに対してプリフィックスP1とP2が割り当てられている状態であってもよい。この場合、時点T0では、3GセルラインタフェースIf1で確立されているコネクションののうち、P2が割り当てられているコネクションをWLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3へ移すコネクション(浮動コネクション)であることを示すために、MN500は、P2が割り当てられているコネクションに関連付けられる識別情報(コネクションID)を含む最適化要求メッセージをMAG/3GPP513経由、又は直接LMA/HA512に登録する。なお、識別情報としては、本実施の形態で述べているように、プリフィックスを用いてもよい。そして、時点T1及び後述する時点T2では、WLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3から垂直ハンドオフ・トリガメッセージが送信され、プリフィックスP2が割り当てられているコネクションのみが移される。また、3GPPネットワークへのコネクション確立手続中に、プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2及びWiMAXインタフェースIf3で使用する浮動プリフィックスであることがMN500に通知されてもよい。この通知を受けたMN500は、WLANインタフェースIf2、WiMAXインタフェースIf3で垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する際には、プリフィックスP2を含める必要がないと判断する。なお、3GPPインタフェースIf1上で複数のコネクションが確立されており、そのうちの特定のコネクションをWLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3へ移すというシナリオは、本発明の第2の実施の形態以降に対しても適用することができる。
<時点T2>
MN500がWiMAXアクセスネットワーク503aに移動して、MAG/3GPP513、MAG/WiMAX503からのRAメッセージ513、510を受信したときの動作も同様であり、MN500はWiMAXインタフェースIf3から、HIフラグ(=2)のみの垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518をMAG/WiMAX503に送信し、また、MAG/WiMAX503はHIフラグとATTオプションを含むPBUメッセージ522をLMA/HA512に送信する。LMA/HA512の処理は、時点T1の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、MN500は、そのフローに対して上記の固定の静的な垂直ハンドオフ規則を必要としない場合には、その規則を削除するための明示的なメッセージをLMA/HA512に送信する。
<最適化要求メッセージ516の他の形態>
図2は、(1)L2の最適化要求メッセージ516及びL3のPBUメッセージ517と、他の例として、(2)MN500がLMA/HA512に直接に送信する最適化要求メッセージ506Bを示す。
(1)L2の最適化要求メッセージ516は、初期のL2アソシエーション時に送信することができ、L3のシグナリング・メッセージ517は、L2確立が成功した後に送信することができる。MAG/3GPP513は、L2の最適化要求メッセージ516内の浮動プリフィックスを参照する必要はなく、単に最適化要求メッセージ516の内容をシグナリング・メッセージ517としてPBUメッセージでLMA/HA512に転送すればよいだけである。この場合、最適化要求メッセージ516の内容がPBUメッセージ517の新しいタイプのモビリティ・オプションとして埋め込まれるか、又は新しいモビリティ・メッセージのヘッダの新しいフィールドにより浮動プリフィックスとアクセス技術タイプが送信される。なお、最適化要求メッセージ516は、RS(Router Solicitation)メッセージや、NS(Neighbor Solicitation)メッセージ、あるいはBUメッセージや、FBU(Fast Binding Update)メッセージなどのL3メッセージであってもよい。
(2)別の形態として、MN500がMAG/3G513に問い合わせてLMA/HA512のアドレスを取得した後、図のようにLMA/HA512に直接に最適化要求メッセージ506Bを送信する。この方法は、MAG/3G513の処理がやや軽減される。MN500がLMA/HA512のアドレスを取得する他の方法として、MN500がAAAサーバ(不図示)に問い合わせる方法がある。ここで理解すべき重要な点は、MN500がホームのPMIPv6ドメイン内511に位置していてホームプリフィックスを3GセルラインタフェースIf1が参照する場合、この直接の最適化要求メッセージ506Bは、新しいモビリティヘッダのメッセージ拡張ヘッダを有するメッセージでもよい。また、MN500が外部のドメインに位置している場合、メッセージ506Bは、新しいオプションを有するBUメッセージでもよい。また、LMA/HAとの間でやり取りされるIKE(Internet Key Exchange)やIPSec(IP security)などのシグナリングを用いてもよい。例えば、3GセルラインタフェースIf1がセルラネットワーク511に接続する際に行う接続手続き(Attach Procedure)や接続更新手続きの中でこの要求を通知してもよい。また、WLANインタフェースIf2やWiMAXインタフェースIf3などがNon3GPPネットワークに接続した際に行う接続手続きや接続更新手続きの中でこの要求を通知してもよい。さらに別の形態として、MN500がネットワーク・トラフィックに関する情報を有する場合には、別のインタフェース、例えばWLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3を選択して、最適化要求メッセージ516を送信するインタフェースとして使用することができる。
図2に示す最適化要求メッセージ506BをMN500がLMA/HA512に直接に送信できる場合とは、LMA/HA512がMN500のMIPv6ホームエージェントであってMN500がLMA/HA512のアドレス情報を有する場合である。MN500がLMA/HA512のアドレスを知得していない場合、MN500は、接続(attach)しているMAG/3GPP513、又はAAAサーバ、DNSなどを利用してLMA/HA512のアドレスを取得する必要がある。ここで理解すべき重要な点は、LMA/HA512がMN500のMIPv6ホームエージェントである場合にのみLMA/HA512への直接の通知による効果があることにある。なお、LMA/HA512がMN500のMIPv6ホームエージェントでない場合であっても、MN500がLMA/HA512のアドレスを取得するための手段・シグナリングが利用できる場合は、それらを用いてLMA/HA51のアドレスを取得した後に、最適化要求メッセージ506Bを送信してもよい。MN500がLMA/HA512のアドレスを知得している場合には、LMA/HA512への直接の通知は、MAG/3GPP513の負荷を減少することができる。
<最適化要求メッセージのフォーマット>
最適化要求メッセージ516、506Bの詳細な3つの構成例を図3A、図3B、図3Cを参照して説明する。
(a)図3Aに示すフレーム507Eは、最適化要求メッセージ516がL2メッセージである場合のフレーム構造を示し、先頭から順次、開始フラグ(Flag)500Eと、アドレス(Address)501Eと、制御(Control)502Eと、プロトコルID(Protocol ID)503Eと、情報(Information)504Eと、FCS(Frame Check Sequence)505Eと終了フラグ(Flag)506Eの各フィールドにより構成されている。
開始フラグ500Eはフレーム507Eの先頭を示すフラグであり、2番目のフィールドのアドレス501Eは、MAC(Media Access Control)アドレスであって、L2パケットの送信元アドレスとあて先アドレスを含む。例えば送信元アドレスはMN500のインタフェースIf1のMACアドレスであり、あて先アドレスはMAG/3GPP513のイングレス・インタフェース(不図示)のMACアドレスである。3番目のフィールドの制御502Eは、使用されているフレームのタイプを識別するための情報であって、受信側がこのL2のフレーム507Eを正しく処理するために重要である。基本的に、制御502Eは、フレーム507Eのタイプすなわち最適化要求メッセージ516のタイプを識別するために使用される。
4番目のフィールドのプロトコルID503Eは、上位の層で発生するパケットのみに対する値であって、メッセージ517がL2で発生する場合にはオール0である。ただし、メッセージ516がL2で発生することができても、メッセージ516を送信する決定と、メッセージ516内に埋め込まれている関連パラメータは、L3から来なければならない。次のフィールドの情報504Eは、垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスと、垂直ハンドオフ時のアクセス技術タイプ(例えばWiMAXか又はWLANの識別子)を含む。情報504Eの後にFCS505Eのフィールドが続き、FCS505Eは、フレームチェックシーケンスフィールドであり、フレーム507Eが誤りなく伝送(誤りが識別及び訂正)されているか否かを確認するために送信側と受信側により計算される。最後のフィールドの終了フラグ506Eは、フレーム507Eのデリミタとして、基本的にはフレーム507Eの終了を識別するために使用される。ここで、フレーム507Eの構造は、本発明を逸脱しない範囲で図3Aに示す構造と同じである必要はない。さらには、本発明を逸脱しない範囲で、最適化要求メッセージ516として、図3Aに示したL2メッセージの代わりにL3メッセージを用いてもよい。例えば、NS(Neighbor Solicitation)メッセージやRS(Router Solicitation)メッセージ、さらには、IKEv2メッセージやモビリティヘッダを含むメッセージ(BUメッセージや、新しいタイプのモビリティヘッダ)であってもよい。なお、モビリティヘッダを含むメッセージである場合、後述する図3B又は図3Cに示されるような構造を用いてもよい。
前述したように、MN500は最適化要求メッセージ516を送信するためのパケットをL3で送信することもできる(図2の506B)。L3のシグナリングが使用される場合には、MN500は新しいモビリティ拡張ヘッダか又は新しいモビリティ・オプション付きのBUメッセージを使用することができる。
(b)図3Bは、新しいモビリティ拡張ヘッダ(New Mobility extension Header)510Eを有するシグナリング・パケット515Eを示す。パケット515Eについて以下に詳しく説明する。パケット515Eの最初のヘッダは、標準のIPv6ヘッダ(IPv6 Header)508Eであり、IPv6ヘッダ508Eは、MN500のHoA又はCoAがセットされる送信元アドレスと、LMA/HA512のアドレスがセットされるあて先アドレスを含む。パケット515Eの次のヘッダは接続認証ヘッダ(Authentication Header)509Eであり、MN500とLMA/HA512の間で交換されたセキュリティ・キーにより署名された接続認証データを有する。ヘッダ509Eは望ましいフィールドであるが、必須ではない。
第3のヘッダが新しいモビリティ拡張ヘッダ510Eであり、ヘッダ510Eは最初に標準のモビリティ拡張ヘッダ(Standard fields of mobility extension Header)511Eを有し、標準のモビリティ拡張ヘッダ511Eは、プロトコル番号、モビリティ・ヘッダタイプ、チェックサムなどを含む。新しいモビリティ拡張ヘッダ510Eはさらに3つの標準のフィールド512E、513E、514Eを有する。第1のフィールド(Floating Prefix)512Eは、垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスを示す。もし多くの浮動プリフィックスがある場合にはこのフィールド512Eは大きくなる。ただし、複数の浮動プリフィックスがある場合には、その数を示すフィールドがメッセージ内にあるべきである。次のフィールド(Access Technology type 1)513Eは、垂直ハンドオフ時の第1のアクセス技術タイプ(WLAN)を示し、3番目のフィールド(Access Technology type 2)514Eは、垂直ハンドオフ時の第2のアクセス技術タイプ(WiMAX)を示す。ここで、新しいモビリティ拡張ヘッダ510Eのフィールドを構成する方法は多く存在することを強調したい。ただし、ここでは、望ましい1つの方法であるパケット515Eを示す。
(c)図3Cは、最適化要求メッセージを送信するための第3の例としてBUメッセージのパケット523Eの構造を示す。図3Bと同様に、パケット523Eの最初のヘッダはIPv6ヘッダ(IPv6 Header)516Eであり、次のヘッダは望ましくは接続認証ヘッダ(Authentication Header)517Eである。接続認証ヘッダ517Eの後にBUモビリティ拡張ヘッダ(Binding Update mobility extension Header)518Eが続く。ヘッダ518Eの最初のフィールドは標準のBU拡張ヘッダ(Standard fields of binding update extension Header)519Eであり、例えば存続期間、シーケンス番号などのBU内の標準の全てのフィールドを含む。
標準のBU拡張ヘッダ519Eの後に新しいオプション・フィールド(Floating Prefix)520E、(Access Technology type 1)521E、(Access Technology type 2)522Eが設けられている。図3Bと同様に、最初のオプション・フィールド(Floating Prefix)520Eは、垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスを示す。また、2番目のオプション・フィールド(Access Technology type 1)521Eは、垂直ハンドオフ時の第1のアクセス技術タイプ(WLAN)を示し、3番目のオプション・フィールド(Access Technology type 2)522Eは、垂直ハンドオフ時の第2のアクセス技術タイプ(WiMAX)を示す。なお、浮動プリフィックスが適用されるインタフェースを示すために含まれているATTフィールドは、必ずしも2つである必要はなく、適用されるインタフェースが1つしかない場合は1つだけ含まれ、3つ以上のインタフェースに対して適用される場合は、3つ以上含まれる。
<MNの動作>
次に図4を参照してMN500の動作を説明する。MN500はまず、ステップ500Aにおいて特定のアクセス技術タイプ(ATT)経由で一定の時間、受信したい特定のフロー(プリフィックス)があるか否かをチェックする。もしNOであればステップ504Aに分岐して、通常のPMIPv6の垂直ハンドオフを実行して、HI=2と、垂直ハンドオフするインタフェースの識別子(If−ID)を含む垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。
他方、ステップ500AにおいてYESであればステップ501Aに進み、前述した最適化要求メッセージ516を送信する前に、そのプリフィックスを希望のATT(WLANとWiMAX)経由で参照することが可能か否かをチェックする。ここで、MN500は、接続中のドメインに関連するセル構造(以前に接続したネットワーク情報等)の情報を記憶している場合、ステップ501Aにおいて、そのセル構造の情報を参照して、上記のチェックを実行してもよい。もしYESであればステップ502Aに進んで、浮動プリフィックスを通知するための最適化要求メッセージ516を送信し、次いで終了する。このとき、浮動プリフィックスは、MN500の安定している接続インタフェースを使用して通知される。
なお、ステップ501Aは必ずしも実行する必要はない。また、ステップ500Aを開始するトリガとして、LMA/HA512やAAAサーバ等のネットワーク・エンティティから、浮動プリフィックスを選択することを要求する通知を受けた場合に、ステップ500Aで、MN500が保持するプリフィックスの中から特定のATTで参照したいプリフィックスを選択するようにしてもよい。また、MN500が保持するプリフィックスの中で、特定のプリフィックスを移動する垂直ハンドオーバが一定回数以上発生した場合に、そのプリフィックスを浮動プリフィックスとして選択するようにしてもよい。また、お互いが補完する関係にあるアクセスネットワークが存在する場合には、それらのアクセスネットワーク間で移動させるプリフィックスを選択し、そのプリフィックスを浮動プリフィックスとして登録してもよい。さらには、LMA/HA512やAAAサーバから、明示的に浮動プリフィックスを通知され、そのプリフィックスを浮動プリフィックスとして使用すると判断した場合に、その判断結果を通知するためのメッセージとして最適化要求メッセージ516を送信することを判断してもよい。また、MN500の移動頻度や接続状態に応じて、浮動プリフィックスを選択してもよい。この場合、一定時間の間に発生するハンドオーバの回数(垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の送信回数)があらかじめ決められた回数を上回る場合に、浮動プリフィックスを選択し、最適化要求メッセージ516を送信することを判断してもよい。これにより、送信頻度が高い垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518のパケットサイズを減少させることができる。
他方、ステップ501AにおいてNOであればステップ503Aに分岐し、上記の所望のセル構造の情報をLMA/HA512又は不図示のMIH(Media Independent Hand-off)サーバから取得可能か否かチェックする。そして、もしYESであればステップ502Aに進んで、浮動プリフィックスを通知するための最適化要求メッセージ516を送信する。ここで理解すべき重要な点は、ステップ503AにおけるMN500の判定が、何かの既に構成されている情報に基づくべきであることにある。例えばMN500は、MIHサーバを有するドメインに関する情報を有するかもしれないし、また、そのようなドメインではLMA/HA512がセルのタイプやセル構造の情報を有するかもしれない。ステップ503AにおいてNOであればステップ504Aに分岐して、通常のPMIPv6の垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。
<MNの構成>
次に図5を参照してMN500の構成について説明する。図5はMN500の構成を機能的に示すブロック図である。ここで、図5では、MN500がMIPv6モビリティ管理ユニット504Dを有するように記載されているが、第1の実施の形態のMN500は、単にIPv6ホストであるMNや、マルチホーミングをサポートする機能を有するMNを含む全てのタイプのMNに適用することができる。さらに、レイヤ2のプロトコルスタックにプリフィックスとそのプリフィックスに関連するフローの知性を与えた場合、レイヤ3を変更せずにレイヤ2に適用することができる。
図5に示すMN500はMIPv6の機能的構成を示し、3つの主要なモジュールとして下位層プロトコル・モジュール506Dと、レイヤ3プロトコル・モジュール502Dと、上位層プロトコル・モジュール501Dを有する。下位層プロトコル・モジュール506Dは、MN500のインタフェースIf1、If2、If3に直接に関連している複数の下位レイヤ(層)プロトコルモジュール(不図示)を有し、例えばそのモジュールの数とインタフェースの数は同じである。下位層プロトコル・モジュール506Dはまた、インタフェースIf1、If2、If3用の信号変調、コード化、圧縮、メディアアクセスコントロール及びリンク層コントロールなどを含む基本的なデータ通信に必要な全ての物理層とリンク層の機能を有する。
下位層プロトコル・モジュール506Dはさらに、2つの異なるアクセス技術タイプの間の垂直ハンドオフ用として1つのプリフィックスを浮動プリフィックスとして割り当てるための最適化要求メッセージ516をサポートする下位層垂直ハンドオフ・トリガユニット507Dを有する。基本的には、レイヤ3の垂直ハンドオフ決定ユニット505Dが最適化要求メッセージ516、及び垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の送信を決定すると、この情報及び関連するパラメータがインタフェース508Dを経由してトリガユニット507Dに送られる。最適化要求メッセージ516をMAG/3GPP513に送信するレイヤは、実際にはトリガユニット507Dによるレイヤ2である。なお、最適化要求メッセージは必ずしもレイヤ2に備える必要はなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲でレイヤ3に備えることができることは明らかである。トリガユニット507Dは、レイヤ3で決定された情報を含む最適化要求メッセージ516、及び垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を直接にMAG/3GPP513に送信する。トリガユニット507Dから送信される最適化要求メッセージ516、及び垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518のあて先アドレスとしては、MAG/3GPP513のリンク層アドレスが使用される。
もし、垂直ハンドオフ・トリガユニット507Dがレイヤ3プロトコル・モジュール502Dに備えられている場合には、最適化要求メッセージ516のパケットのあて先アドレスとして、MAG/3GPP513のリンクローカルアドレスがセットされて下位層プロトコル・モジュール506Dに送られる。この場合の下位層プロトコル・モジュール506Dの主な機能は、そのパケットをレイヤ2を用いてカプセル化することである。
レイヤ3プロトコル・モジュール502Dは3つのサブモジュールとして、IPv6ルーティング・ユニット503Dと、MIPv6モビリティ管理ユニット504Dと、上記の垂直ハンドオフ決定ユニット505Dを有する。主要な機能であるIPv6ルーティング・ユニット503Dは、主にパケット・ルーティング、アドレス構成、近隣発見(neighbor discovery)などを実行する。MIPv6モビリティ管理ユニット504DはMN500の1又は複数のインタフェースのモビリティ管理を処理する。垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、最適化要求メッセージ516で送信される垂直ハンドオフ用のプリフィックスと必要なパラメータを決定する。
また、垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信することを決定する。具体的な処理内容としては、垂直ハンドオフを実行する際に、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信するインタフェース(ハンドオフ先となるインタフェース)が接続しているネットワークが、最適化要求メッセージ516で登録したアクセス技術タイプに該当するネットワークであるか否かを確認し、該当するネットワークである場合には、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の中に、送信に使用するインタフェースのインタフェース識別子を含めない垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。一方、登録したアクセス技術タイプに該当しないネットワークである場合には、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の中に、送信に使用するインタフェースのインタフェース識別子を含めた垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。
さらに詳しく言えば、垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、ネットワークとの接続が切断されたインタフェース、あるいはネットワークとの接続が切断されそうなインタフェースがあるときに、そのインタフェースが接続しているネットワーク、あるいは接続していたネットワークが、最適化要求メッセージ516で登録したアクセス技術タイプに該当するネットワークであるか否かを確認する。その結果、該当するネットワークであった場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録した別のアクセス技術タイプへ接続しているインタフェースが存在するか否かを確認し、存在する場合には、そのインタフェースを垂直ハンドオフ・トリガメッセージの送信に使用するインタフェースとして選択し、選択したインタフェースのインタフェース識別子を含まない垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。一方、存在しない場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録していない他のネットワークへ接続しているインタフェースを使用し、そのインタフェースのインタフェース識別子を含む垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信する。
また別の決定方法として、垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、ネットワークに新たに接続したインタフェース、あるいはネットワークと新たに接続されそうなインタフェースがあるときに、そのインタフェースが接続しているネットワーク、あるいは接続しそうなネットワークが、最適化要求メッセージ516で登録したアクセス技術タイプに該当するネットワークであるか否かを確認する。その結果、該当するネットワークであった場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録した別のアクセス技術タイプへ接続しているインタフェースが存在するか否かを確認し、存在する場合には、ネットワークに新たに接続したインタフェースを垂直ハンドオフ・トリガメッセージの送信に使用するインタフェースとして選択し、選択したインタフェースのインタフェース識別子を含まない垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。一方、存在しない場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録していない他のネットワークへ接続しているインタフェースを使用し、そのインタフェースのインタフェース識別子を含む垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信する。上位層プロトコル・モジュール501Dは、トランスポート層やアプリケーション層のプロトコルを実行する。
<LMA/HAの動作>
次に図6を参照してLMA/HA512の動作について説明する。LMA/HA512はまず、MAGからのPBUメッセージを受信するとステップ500Cの処理を実行する。ステップ500CではそのPBUメッセージが、LMA/HA512に対して登録する垂直ハンドオフ規則が含まれていない通常の垂直ハンドオフ・トリガメッセージに関するものか否かをチェックする。もしYESであればステップ502Cに分岐して、通常の垂直ハンドオフ処理を実行し、バインディングキャッシュ・エントリをチェックしてMN500の古いインタフェースに関連するプリフィックスを新しいインタフェースに与える。
ステップ500CにおいてNOであればステップ501Cに進んで、そのPBUメッセージが、浮動プリフィックスに対する静的な垂直ハンドオフのための規則を含む新しい最適化要求メッセージか否かをチェックする。もしYESであればステップ503Cに分岐して、受信メッセージ内の浮動プリフィックスとアクセス技術タイプ(WLAN及びWiMAX)をバインディングキャッシュに登録する。ここで、LMA/HA512は浮動プリフィックスとアクセス技術タイプを登録するために、バインディングキャッシュ・エントリ内に新しいフィールドを生成することができるが、LMA/HA512がいかに登録するかは、構成次第である。
ステップ501CにおいてNOであればステップ504Cに進んで、そのPBUメッセージが、最適化要求メッセージを受信して浮動プリフィックスに対する静的及び固定の垂直ハンドオフ規則を設定した後の垂直ハンドオフ・トリガメッセージか否かをチェックし、もしYESであればステップ505Cに分岐する。ステップ505Cでは、静的及び固定の垂直ハンドオフ規則を設定したMNであるか否か、また、WLAN経由でトリガされた垂直ハンドオフに対応するWiMAXのバインディングが存在するか否か、又はその逆をチェックして、全てYESであれば、WLAN−WiMAX間の垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスを割り当てる。
他方、ステップ504CにおいてNOであればステップ506Cに進み、そのPBUメッセージが、静的及び固定の垂直ハンドオフ規則の破棄を要求するメッセージか否かをチェックし、もしYESであればその垂直ハンドオフ規則を破棄し、また、ステップ502Cに進んで通常の垂直ハンドオフ処理を実行する。また、ステップ506CにおいてNOであればステップ507Cに進み、特別な方法による静的な垂直ハンドオフ処理を実行する。
<LMA/HAの構成>
次に図7を参照してLMA/HA512の構成について説明する。図7はLMA/HA512の構成を機能的に示すブロック図である。LMA/HA512はレイヤ3プロトコル・モジュール501Fと、レイヤ3より下位の層の下位層プロトコル・モジュール506Fを有する。下位層プロトコル・モジュール506Fは、全てのデータリンク層とベースバンドレベルの機能を有する。レイヤ3プロトコル・モジュール501Fは4つのサブモジュールとして、PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fと、IPv6ルーティング・ユニット503Fと、MIPv6モビリティ管理ユニット504Fと、垂直ハンドオフ・サポートユニット505Fを有する。ここで、図面では、これらのモジュール501F、506F及びユニット502F、503F、504F、505Fの間にはインタフェースが示されていないが、実際には存在する。
IPv6ルーティング・ユニット503Fは、パケット・ルーティング、アドレス構成、近隣発見などの標準のIPv6のメカニズムを担当する。MIPv6モビリティ管理ユニット504Fは、MIPv6のホームエージェントと同様なメカニズムを担当し、例えばCMIPv6のBUメッセージの処理、そのBUメッセージに対するACK信号(BAメッセージ)の送信、データパケットのトンネル化、バインディングキャッシュの維持などを実行する。PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fは基本的に、PMIPv6(非特許文献2)に開示されているLMAの機能を備えている。このユニット502Fに関連する機能とは、種々のオプション(HIオプション、アクセス技術オプションなど)を有するPBUメッセージの処理、そのPBUメッセージに対するACK信号(PBAメッセージ)の送信、PMIPv6ドメインに加入しているMNからのアップリンク・パケット及びダウンリンク・パケットの処理などである。ここで理解すべき重要な点は、PMIPv6モビリティ管理ユニット502FとMIPv6モビリティ管理ユニット504Fは、それぞれ基本的な機能が異なっているが、1つに結合したモジュールで構成し、また、PMIPv6キャッシュとCMIPv6キャッシュの両方を1つのバインディングキャッシュが有するように構成することができることである。なおユニット502F、504Fを備えるには多くの方法があり、制限するものではない。
最後の垂直ハンドオフ・サポートユニット505Fは、最適化要求メッセージ516を処理して、1以上のMN500に関連する浮動プリフィックスに関する処理結果をPMIPv6キャッシュにセットする。ユニット505Fはさらに、MN500が静的な垂直ハンドオフ規則を破棄するときにMN500から送信されるメッセージを処理する。ユニット505Fはさらに、垂直ハンドオフが実行されるときに、PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fから、浮動プリフィックスを割り当てるための問い合わせを受ける。この問い合わせにおけるパラメータとは、MN500の現在のアクセス技術タイプと、垂直ハンドオフがトリガされたアクセス技術タイプと、浮動プリフィックスなどである。ユニット505Fはこれらのパラメータから、垂直ハンドオフの間に与えるプリフィックスを決定してPMIPv6モビリティ管理ユニット502Fに通知する。基本的に、浮動プリフィックスの割り当てについての決定は、垂直ハンドオフ・サポートユニット505Fが行うが、浮動プリフィックスを通知するPBAメッセージは、PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fにより構成される。
本発明の第1の実施の形態により、最適化要求メッセージ516で継続的に使用するプリフィックスを登録したMN500は、垂直ハンドオフを実行する際に送信する垂直ハンドオフ・トリガメッセージの中に、移動させるプリフィックスを明示的に含める必要がなくなるという効果が得られる。
<第2の実施の形態>
次に、同じ図1を参照して第2の実施の形態について説明する。ここで、第1の実施の形態では、LMA/HA512は、MN500からの最適化要求メッセージ516により、MN500の静的な垂直ハンドオフ規則を検知して垂直ハンドオフ・トリガメッセージのパケットサイズを最適化しているが、第2の実施の形態におけるLMA/HA512は、最適化要求メッセージ516を受信することなく、自らの判断で垂直ハンドオフ・トリガメッセージのパケットサイズを最適化する。第2の実施の形態では、LMA/HA512は常に、プリフィックスP2がWiMAXとWLANのアクセス技術タイプを経由してハンドオフされることを注目及び学習してMN500の意図を予測し、MN500に対して、シャットダウンするインタフェースの識別子を垂直ハンドオフ・トリガメッセージで通知しないように通知する。基本的に、LMA/HA512は、MN500の意図を識別して、LMA/HA512が自ら静的な垂直ハンドオフ規則を決定し、MN500に通知する。なお、情報サーバが保持するMN500に関する情報の中に静的な垂直ハンドオフ規則が含まれていてもよい。この場合、LMA/HA512は情報サーバから取得した情報を基に、MN500に静的な垂直ハンドオフ規則を通知する。
第2の実施の形態の主要な利点は、MN500の処理(最適化要求メッセージ516の送信)を省略することにある。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、図1において、MN500が静的な垂直ハンドオフ規則(最適化要求メッセージ516)をMN500のプロキシノードであるMAG/WiMAX501又はMAG/3GPP513に通知して、MAG501又は513がその規則を他のMAG502、503にCT(context transfer)で転送するものとする。MN500は、静的な垂直ハンドオフ規則をドメイン511に通知することを決定すると、最初に例えばMAG/WiMAX501に通知する。前述したように、最適化要求メッセージ516では、MN500がWLAN経由又はWiMAX経由で一義的に参照したいプリフィックスP2が通知される。このプリフィックスP2の情報をMAG/WiMAX501に通知する想定に加えて、さらにMN500が次のアクセスルータ(AR)であるMAG/WLAN502の識別子を転送する。次のARの識別子とは、WLANのESSID(Extended Service Set ID)と同様な何かの識別子である。したがって、MAG/WiMAX501はこの識別子を用いて、次のMAG/WLAN502のIPv6アドレスを識別する。基本的に、垂直ハンドオフ規則は、垂直ハンドオフの間は継続して与えられる必要がないが、次のARの情報が古いMAG/WiMAX501に与えられなければならない。したがって、新しいMAG502、503に送信されるトリガメッセージのパケットサイズを減少できるが、MN500が次のMAG/WLAN502に垂直ハンドオフ規則の情報を送信するのはあまり有用ではない。ただし、完全にネットワーク制御の垂直ハンドオフが確立されている場合に有用である。
<第4の実施の形態>
次に図8を参照して第4の実施の形態について説明する。図8に示すネットワーク構成では、MN600がインタフェースとして、3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2の2つのインタフェースを有し、また、MN600が軌跡604に沿って移動する際にWLANインタフェースIf2が接続(attach)するWLANアクセスネットワーク601a、602a、603aが連続していないことを想定している。このため、MN600のWLANインタフェースIf2は、時点T0ではWLANアクセスネットワーク601a及びMAG/WLAN601に接続(attach)し、時点T1ではWLANアクセスネットワーク601a及びMAG/WLAN601との接続(connection)を失い、時点T2では次のWLANアクセスネットワーク602a及びMAG/WLAN602に再び接続(attach)し、時点T3ではWLANアクセスネットワーク602a及びMAG/WLAN602との接続(connection)を失い、時点T4では次のWLANアクセスネットワーク603a及びMAG/WLAN603に再び接続(attach)するものとする。なお、本実施の形態におけるインタフェースIf1、インタフェースIf2は、任意のアクセス技術タイプでよい。例えば、3GセルラインタフェースIf1はWiMAXインタフェースIf3であってもよいし、さらには、WLANインタフェースIf2はWiMAXインタフェースIf3であってもよい。
<時点T0>
時点T0におけるMN600は、3GセルラインタフェースIf1及びMAG/3GPP618経由のRAメッセージ605でプリフィックスP1を参照し、また、WLANインタフェースIf2及びMAG/WLAN601経由のRAメッセージ606でプリフィックスP2を参照している。
<時点T1>
次にMN600が軌跡604に沿って移動して、時点T1ではWLANインタフェースIf2がMAG/WLAN601との接続(connection)を失う。この場合、MN600は、HIフラグ(=2)のみを有する垂直ハンドオフ・トリガメッセージ621を3GセルラインタフェースIf1経由でMAG/3GPP618に送信する必要がある。
ここで理解すべき重要な点は、MN600が2つのインタフェースIf1、If2のみを有するので、MN600が垂直ハンドオフ・トリガメッセージ621をMAG/3GPP618に送信するときにWLANインタフェースIf2の識別子の情報をメッセージ621で通知することなく、プリフィックスP2が3GセルラインタフェースIf1に移されることにある。この理由は、LMA/HA619では、MAG/3GPP618から不図示の新しいPBUメッセージ(HI=2)が到着したときには、MAG/WLAN601及びMN600に関する1つのバインディングキャッシュ・エントリのみが存在するからである。このため、時点T1では、MN600はトリガメッセージ621の送信後に、MAG/3GPP618から受信するRAメッセージ607でプリフィックスP1、P2を参照する。なお、不図示ではあるが、時点T0において、MN600は、プリフィックスP2を浮動プリフィックスとして指定した最適化要求メッセージをMAG/3GPP618経由で、又は直接LMA/HA619へ送信する。また、時点T0として、MN600の3GPPインタフェースIf1がMAG/3GPP618に接続して2つのコネクション(PDN(Packet Data Network)コネクション)を確立しており、それぞれのコネクションに対してプリフィックスP1とP2が割り当てられている状態であってもよい。この場合、時点T0では、3GセルラインタフェースIf1で確立されているコネクションののうち、P2が割り当てられているコネクションをWLANインタフェースIf2へ移すコネクション(浮動コネクション)であることを示すために、MN600は、P2が割り当てられているコネクションに関連付けられる識別情報(コネクションID)を含む最適化要求メッセージをLMA/HA619に送信し、登録する。なお、識別情報としては、プリフィックスP2を用いてもよい。そして、時点T2、T4では、WLANインタフェースIf2から垂直ハンドオフ・トリガメッセージが送信され、プリフィックスP2が割り当てられているコネクションのみが移される。また、3GPPネットワークへのコネクション確立手続中に、プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2で使用する浮動プリフィックスであることがMN600に通知されてもよい。この通知を受けたMN600は、WLANインタフェースIf2、WiMAXインタフェースIf3で垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する際には、プリフィックスP2を含める必要がないと判断する。
<時点T2>
ここで、MN600が軌跡604に沿ってさらに移動して、時点T2で新しいWLANアクセスネットワーク602aのMAG/WLAN602を発見したとき、MN600がプリフィックスP2用の垂直ハンドオフを希望するものとする。なお、この想定では基本的に、MN600は常に(一義的に)、プリフィックスP2をWLANインタフェースIf2経由で希望し、また、プリフィックスP1を3GセルラインタフェースIf1経由で希望するものとする。したがって、MN600は時点T2では、MAG/WLAN602における垂直ハンドオフをトリガして、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ622でプリフィックスP2をMAG/WLAN602に通知する。ここでのトリガメッセージ622は新しいタイプの信号である。その理由は、3GセルラインタフェースIf1経由で得られたプリフィックスP1、P2からプリフィックスP2を選択してWLANインタフェースIf2に移すからである。
ここで理解すべき重要な点は、この動作が非特許文献2に記載されている動作と異なることである。図8に示す第4の実施の形態では、MN600が3GセルラインタフェースIf1に関連する他のプリフィックスP1を移すことなく、WLANインタフェースIf2経由で参照したいプリフィックスP2を垂直ハンドオフする。この動作では、MN600が垂直ハンドオフ・トリガメッセージ622内に新しいHIフラグを使用し、LMA/HA619がこの新しいHIフラグとプリフィックスP2を参照して正しいプリフィックスP2をPBAメッセージ(不図示)でMAG/WLAN602に通知する必要がある。
ここで理解すべき重要な点は、HIフラグが上記の新しい値にセットされない場合、LMA/HA619がMAG/WLAN602からのPBUメッセージ(不図示)を非特許文献2に記載されている通常の動作で処理して、プリフィックスP1、P2の両方をMAG/WLAN602に割り当てることである。非特許文献2のドラフトによれば、2つのインタフェースIf1、If2を有するMN600がWLAN経由の垂直ハンドオフを実行するときには、3GセルラインタフェースIf1に関連する全てのプリフィックスがWLANインタフェースIf2にハンドオーバされる。基本的に、PMIPv6のベースのドラフトによれば、現在登録されているインタフェースに関連する全てのプリフィックスを垂直ハンドオフ中に新しいインタフェースに移す。したがって、この想定では、MN600が2つのインタフェースIf1、If2を有する場合、あるプリフィックスを移すときには新しいHIオプションが必要である。このため、特定のプリフィックスP2を必要とするMN600の希望をLMA/HA619に指示する必要があり、プリフィックスP2と新しいHIオプションがMAG/WLAN602でPBUメッセージ(不図示)に挿入されてLMA/HA619に送信される。なお時点T2においてトリガメッセージ622を受けた際に、LMA/HA619の判断で、3GセルラインタフェースIf1に割り当てられているプリフィックスP1、P2のうち、以前WLANインタフェースに割り当てられていたプリフィックスであるP2を選択してMN600へ割り当ててもよい。この場合、LMA/HA619は、プリフィックスP2が3GセルラインタフェースIf1に移された後でも、P2が以前WLANインタフェースIf2に割り当てられていたものであることを記憶しておく。これにより、MN600はトリガメッセージ622に新しいHIフラグを使用する必要がなくなる。なお、MN600は、3Gネットワーク上のANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)サーバから取得しているハンドオーバ情報(Inter-system mobility policy、Access Network Discovery information)の中に、WLANインタフェースIf2に割り当てられたプリフィックスを、垂直ハンドオーバ後も引き続き使用するプリフィックス(浮動プリフィックス)として使用することが明記されている場合には、移動させるプリフィックスを示す情報(インタフェース識別子又はプリフィックスP2)を含めずにトリガメッセージ622を送信する。これにより、トリガメッセージ622のメッセージサイズを減らすことができる。
<時点T3>
さらなる想定として、MN600がPMIPv6ドメイン620内をローミングして、時点T3でWLANインタフェースIf2が再びWLANアクセスネットワーク602aとの接続(connection)を失い、MN600はインタフェースIf1が接続(connect)されるのみとする。ここでも同様に、MN600は希望のプリフィックスP2と新しいHIオプションを用いてプリフィックスP2の垂直ハンドオフを実行する。
この新しいフラグは、1つのプリフィックス、又は複数のプリフィックスが選択された1つのプリフィックス・グループに対する3GネットワークとWLANの間の垂直ハンドオフする場合に特徴がある。ここで、3GネットワークとWLANの間の垂直ハンドオフでは、通常の垂直ハンドオフ・フラグ(HI=2)が使用される。本実施の形態の利点とは、垂直ハンドオフするプリフィックスが選択され、この選択されたプリフィックスに対してのみ垂直ハンドオフがトリガされる。本実施の形態は、MN600が2つのインタフェースIf1、If2を有する場合の新しい方法である。その理由は、垂直ハンドオフするインタフェースIf2の識別子を通知する必要がないからであり、このため、トリガメッセージのパケットサイズを減少することができる。
<MNの処理>
図9を参照してMN600の動作を説明する。まず、ステップ600Aにおいて例えばWLAN経由で参照したい特定のプリフィックスがあるか否かをチェックする。もしNOであればステップ603Aに分岐して、垂直ハンドオフする必要がある場合に通常の垂直ハンドオフ処理を実行し、次いでステップ600Aに戻る。すなわちステップ603Aでは、2つのインタフェースIf1、If2用のHI=2付きの垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。基本的に、インタフェースが2つの場合、インタフェースIf1、If2の識別子は送信する必要はなく、PBUメッセージはHIオプションのみで十分である。
ステップ600AにおいてYESであればステップ602Aに進み、その参照したいプリフィックスと新しいHIオプションで垂直ハンドオフをトリガ(トリガメッセージを送信)し、次いでステップ601Aに進む。ステップ600AにおいてNOであればステップ601Aに分岐し、その特定のプリフィックスをWLAN経由で参照したいという希望がまだあるか否かをチェックする。例えばある音声コールがその特定のプリフィックスを使用して開始する場合には、ステップ601Aの判定はYESとなってステップ603Aに進み、通常の垂直ハンドオフ処理を実行する。また、ステップ601Aの判定がNOの場合にはステップ600Aに戻る。
<第5の実施の形態>
次に図10を参照して第5の実施の形態について説明する。図10に示すネットワーク構成は図8とほぼ同じであるが、MN700がインタフェースとして、3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2の2つのインタフェースを有し、また、MN700が軌跡704に沿って移動する際にWLANインタフェースIf2が接続(attach)するWLANアクセスネットワーク701a、702a、703aが連続していることを想定している。このため、MN700のWLANインタフェースIf2は、時点T0ではMAG/WLAN701に接続(attach)し、時点T1ではMAG/WLAN701からMAG/WLAN702へ接続(connection)を切り替え、時点T2では次のMAG/WLAN702に接続(attach)し、時点T3ではMAG/WLAN702からMAG/WLAN703へ接続(connection)を切り替え、時点T4では次のMAG/WLAN703に接続(attach)するものとする。なお、本実施の形態におけるインタフェースIf1、インタフェースIf2は、任意のアクセス技術タイプでよい。例えば、3GセルラインタフェースIf1はWiMAXインタフェースIf2であってもよいし、さらには、WLANインタフェースIf2はWiMAXインタフェースIf3であってもよい。
第4、第5の実施の形態の違いを以下に示す。第4の実施の形態では、プリフィックスP2が垂直ハンドオフの間にMAG/3GPP618からMAG/WLAN602に通知されない場合には、LMA/HA619がプリフィックスP1、P2をWLANインタフェースIf2に送信する。一方、第5の実施の形態では、このような継続的なシグナリングを減少する。その理由は、第5の実施の形態においても、2つのインタフェースIf1、If2の垂直ハンドオフ規則が非常に静的であり、MN600が非常に静的なパターンで垂直ハンドオフを実行しているからである。この規則では、MN600がWLANに到達すると常にプリフィックスP2を移している。
そこで、第5の実施の形態では、時点T0におけるMN700は、この静的な規則を知得すると、垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ705をMAG/3GPP707に送信する。MAG/3GPP707は、メッセージ705の内容をシグナリング・メッセージ706でLMA/HA718に転送する。メッセージ705は送信情報として、例えばMN700がWLANに到達したときにはプリフィックスP2がWLANインタフェースIf2に移されること、さもなければ3GセルラインタフェースIf1に移されることを希望している旨の垂直ハンドオフ情報を含む。つまり、MN700は、浮動プリフィックスとしてプリフィックスP2が設定された最適化要求メッセージを送信する。MN700がトリガメッセージ705でLMA/HA718に希望する主な内容は、垂直ハンドオフ・トリガメッセージがWLANインタフェースIf2経由で来たときにはプリフィックスP2をWLANインタフェースIf2に移し、また、垂直ハンドオフ・トリガメッセージが3GセルラインタフェースIf1経由で来たときにはプリフィックスP2を3GセルラインタフェースIf1に移すことである。この場合、最適化要求メッセージ705、及びシグナリング・メッセージ706には、プリフィックスP2を継続的に利用するインタフェースとして、3GインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2の情報が含まれる。このルールがプリセットされると、MN700はPMIPv6ドメイン719内をローミング中には、プリフィックスP2を有する垂直ハンドオフ・トリガメッセージを継続して送信する必要がない。なお、時点T0として、MN700の3GPPインタフェースIf1がMAG/3GPP707に接続して2つのコネクション(PDN(Packet Data Network)コネクション)を確立しており、それぞれのコネクションに対してプリフィックスP1とP2が割り当てられている状態であってもよい。この場合、時点T0では、3GセルラインタフェースIf1で確立されているコネクションののうち、P2が割り当てられているコネクションをWLANインタフェースIf2へ移すコネクション(浮動コネクション)であることを示すために、MN700は、P2が割り当てられているコネクションに関連付けられる識別情報(コネクションID)をLMA/HAに登録する。なお、識別情報としては、本実施の形態で述べているように、プリフィックスP2を用いてもよい。そして、時点T2、T4では、WLANインタフェースIf2から垂直ハンドオフ・トリガメッセージが送信され、プリフィックスP2が割り当てられているコネクションのみが移される。また、3GPPネットワークへのコネクション確立手続中に、プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2で使用する浮動プリフィックスであることがMN500に通知されてもよい。この通知を受けたMN500は、WLANインタフェースIf2で垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する際には、プリフィックスP2を含める必要がないと判断する。
なお、最適化要求メッセージ705として、継続的に使用するプリフィックスのみを指定して、アクセス技術タイプ(ATT)を含まない最適化要求メッセージ705を用いてもよい。この場合、LMA/HA718は、垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信したインタフェースのアクセス技術タイプにかかわらず、最適化要求メッセージ705で指定されたプリフィックスを、移動するプリフィックスとして選択する。また、最適化要求メッセージ705には、通知するプリフィックスが、継続的に使用するプリフィックスであり、かつアクセス技術タイプに依存しないプリフィックスであることを示すために、フラグ等をメッセージに含めてもよい。つまり、3GインタフェースIf1で使用しているプリフィックスP1を浮動プリフィックスとして指定してよく、通信中のフローに応じて任意のプリフィックスを浮動プリフィックスとして選択し、指定することが可能となる。
MN700はPMIPv6ドメイン719内をローミング中に、時点T1、T2、T3などでそれぞれ垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。例えば時点T1では、HIフラグが2の垂直ハンドオフ・トリガメッセージ708を3GセルラインタフェースIf1経由でLMA/HA718に送信する。HIフラグが2の場合とは通常動作を表し、したがって、LMA/HA718はHIフラグ=2を参照すると、MAG/3GPP707あてのPBAメッセージ(不図示)でプリフィックスP1、P2を割り当てる。
MN700はさらに移動して、時点T2では垂直ハンドオフするときには、プリフィックスP2も他のプリフィックスも通知する必要がなく、単に新しいHIフラグ付きの垂直ハンドオフ・トリガメッセージ712をWLANインタフェースIf2経由でMAG/WLAN702に送信すればよいだけである。LMA/HA718は、この新しいHIフラグを、MAG/WLAN702からPBUメッセージ710で参照すると、同じくPBUメッセージ710に含まれているアクセス技術タイプ(WLAN)が、最適化要求メッセージで登録されたアクセス技術タイプに該当する場合に、プリフィックスP2をMAG/WLAN702あてのPBAメッセージ711で割り当てる。したがって、MN700はプリフィックスP2をMAG/WLAN702からのRAメッセージ709で参照する。この新しいHIフラグにより、MN700は垂直ハンドオフ規則の変更を明示的に記述する必要がない。垂直ハンドオフ規則が変更されると、HIフラグが2の垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する通常動作に移行する。ここで、当業者であれば、HIフラグの数値は本発明の範囲を限定するものではないことは明らかである。HIフラグの数値は、IANA(Inter net Assigned Number Association)のような機関によって定義される。
なお、最適化要求メッセージで登録されたプリフィックスP2が、アクセス技術タイプに限定されないプリフィックスであり、かつ継続的に使用するプリフィックスとして登録されている場合には、新しいHIフラグを含むPBUメッセージ710を受信したLMA/HA718は、アクセス技術タイプにかかわらず、プリフィックスP2をMAG/WLAN702あてのPBAメッセージ711で割り当てる。なお、この場合HIフラグが2の通常の垂直ハンドオフ・トリガメッセージであってもよい。これにより、MN700は、最適化要求メッセージ705にアクセス技術タイプを含める必要がない。MAG/WLAN702も同様に、PBUメッセージ710にアクセス技術タイプを含める必要がなくなる。なお、LMA/HA718が、従来のHIフラグの値がセットされた垂直ハンドオフ・トリガメッセージ712であっても、プリフィックスを含まないトリガメッセージを受信したときに、プリセットされたルールに基づいたプリフィックスの選択が求められていることを認識することができる場合は、新しいHIフラグの値を用いる必要はない。
本発明の第5の実施の形態におけるMN700の構成は、本発明の第1の実施の形態におけるMN500の構成とほぼ同様であるため説明を省略する。なお、本発明の第5の実施の形態で想定しているMN700の2つのインタフェースは、MN700が有する3つ以上のインタフェースのうちの2つであってもよい。また、アクセス技術タイプに限定されないプリフィックスで、かつ継続的に使用するプリフィックスとしてプリフィックスP2を登録するための最適化要求メッセージ705を用いる方法は、本発明の第1の実施の形態にも適用可能である。本発明の第5の実施の形態により、最適化要求メッセージ705で継続的に使用するプリフィックスを登録したMN700は、垂直ハンドオフを実行する際に送信する垂直ハンドオフ・トリガメッセージの中に、移動させるプリフィックスを明示的に含める必要がなくなるという効果が得られる。
<第6の実施の形態>
次に図11A及び図11Bを参照して第6の実施の形態について説明する。図11Aは、MN800が4つのインタフェースIf1、If2、If3、If4を有し、また、LMA/HA805にルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(attach)されていることを示す。ここで、MN800はプリフィックスP1をインタフェースIf1及びMAG801経由で、プリフィックスP2をインタフェースIf2及びMAG802経由で、プリフィックスP3をインタフェースIf3及びMAG803経由で、プリフィックスP4をインタフェースIf4及びMAG804経由で参照しているものとする。
今、MN800は、インタフェースIf1をシャットダウンすることを決定すると、最初のステップでは、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ806(図のMN trigger→HI=2, If1)をインタフェースIf2経由でMAG802に送信してプリフィックスP1を通知する。LMA/HA805は、このトリガメッセージ806をPBUメッセージ(不図示)で受信すると、PBAメッセージ(不図示)で応答をMAG802に送信し、MAG802は応答メッセージ807(図のResponse→P1,P2)をMN800に送信する。基本的に、MN800は応答メッセージ807でプリフィックスP1、P2の両方を参照する。ここで、何らかの理由で、MN800がローミング中に、インタフェースIf2の垂直ハンドオフを実行しなければならない場合、MN800は再び、プリフィックスP1の情報又はインタフェースIf2の識別子を継続して送信する必要がある。したがって、この送信情報を最適化する必要がある。
そこで、プリフィックスP1の情報を除去して、プリフィックスP1に関する情報がシステム内のどのMAGにも維持されないようにする。図11Bはその例を示す。基本的に、MN810は、プリフィックスP1を他のプリフィックスP2、P3、P4へバインドするためのメッセージ816をLMA/HA815に送信する。このため、プリフィックスP1用のルーティング・ステートがシステム内のどのMAGにも維持されず、プリフィックスP1については垂直ハンドオフする必要がない。ただし、代わりに、MN810がプリフィックスP1のフローを送受信するために何らかのトンネル化手順が必要になる。プリフィックスP1のフローは、プリフィックスP2に関連するアドレスあてにトンネル化されて適切にルーティングされる。この方法による主な利点とは、プリフィックスP1に関するステートをシステム内のどのMAGにも維持する必要がないことにある。ただし、プリフィックスP1に関連するアドレスあてのパケットを受信するためにトンネル化が必要になる。
以上、本発明について実施の形態を参照して説明したが、当業者であれば、本発明を逸脱しない種々の変形が可能であることは明らかである。例えば、本発明の実施の形態の説明に用いた各ネットワーク構成図に記載されているシステムとして、3GPP−LTE(the Third Generation Partnership Project Long Term Evolution )プロジェクトが作業を行っているSAE(System Architecture Evolution)を想定することができる。図1に示すシステムとSAEの間の関係をマッチングさせると、LMA/HAは、3GPPネットワーク内に存在するPDN−GW(Packet Data Network Gateway)であり、MAG/3GPPはS−GW(Serving Gateway)である。また、MAG/WiMAXはNon3GPPネットワーク内に存在するePDG(Evolved Packet Data Gateway)であり、さらに、MAG/WLANはNon3GPPネットワーク内に存在するAGW(Access Gateway)であり、MNはUE(User Equipment)である。この場合、3GPPネットワークでは、GTP(Generic Tunnelling Protocol)又はPMIP(PMIP:Proxy Mobile IP)を使用してLMA/HAへ接続し、Non3GPPネットワークでは、PMIPを使用してLMA/HAへ接続される。3GPPネットワークにおいて、GTPを使用していても、本発明の実施の形態で説明した手法を適用することができる。また、例えば上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明は、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができるという効果を有し、PMIPv6のプロトコルが3GPPサービス・アーキテクチャ・イボリューション(SAE)ローカルドメイン内に採用されたPMIPv6ドメインなどに利用することができる。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、モバイルノードのあるインタフェースに関連するプリフィックスを他のインタフェースに移す垂直ハンドオフ方法及び垂直ハンドオフシステムに関する。
本発明はまた、上記のモバイルノード及びそのホームエージェントに関する。
現在、多くの通信装置がIPv6(Internet Protocolversion 6)を用いて通信を行っている。また 、モバイル装置に対してモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)は、非特許文献1に示すようなMIPv6(Mobility Supportin IPv6)を開発している。非特許文献1におけるモビリティサポートは、ホームエージェント(HA)と呼ばれるエンティティをモバイルノード(MN)のホームネットワークに導入することにより実現している。MNはHAに対し、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA)を、バインディング・アップデート(BU)メッセージと呼ばれるメッセージを用いて登録する。HAはBUメッセージにより、ホームリンクで取得したアドレスであるホームアドレス(HoA)とMNのCoAの間にバインディング(位置情報)を生成することができる。HAはバインディングにより、MNのHoAあてのメッセージをインタセプトし、MNのCoAあてのパケットにカプセル化して転送する。なお、このパケットカプセル化は、受信したパケットを新しいパケットのペイロードにセットする処理であり、パケットトンネル化として知られている。なお、MIPv6はClientであるMNがモビリティ管理を行うプロトコルであるため、CMIPv6(Client Mobile IPv6)やHBM(Host Based Mobility)とも呼ばれる。
MIPv6における問題の1つは、ネットワーク接続(attachment)が変更するとき毎や、バインディングの有効期間が満了するときに、MNがその1以上のHAと通信相手(Correspondent Node:CN)に対する登録を更新する必要があることにある。この更新により、高速で移動するMNが無線ネットワークに放出するシグナリングの負荷が増大する。さらに、ネットワーク接続(attachment)の変更毎にCNとの間で行うハンドオフ確立時間(経路最適化が使用されているとする)は、ネットワーク接続(attachment)の変更毎にRR(Return Routability)メッセージとBUメッセージの送受信が必要となるため、多くの時間を要する。このため、フロー又はコネクションに関連するセッションの間、ハンドオフ確立にかなりの時間を要するので、ジッタやパケットロスが発生する。このようなジッタは、VoIP(Voice over IP)や、マルチメディア及びビデオストリーミングのようにリアルタイムなアプリケーションにとっては好ましくない。さらに、パケットロスは、重要なテキストやデータの情報を伝送するフローにとっては好ましくない。パケットロスはさらに、TCP(Transmission Control Protocol)が重要なデータ、アプリケーションの転送に使用される場合、TCPのスループットを減少させる。
MIPv6の問題に注目すると、焦点は現在、ネットワークベースのローカル・モビリティ管理(Network-based Local Mobility-Management:NetLMM)プロトコルにシフトされる。IETFのNetLMMワーキンググループは、このプロトコルの作業を行っている。ネットワークベースのローカル・モビリティ管理は、地理的にローカルなネットワーク・セグメントに位置するMNのモビリティを、MNそれ自体よりもネットワーク・エンティティにより管理することに言及している。
MNにとって透過的なネットワークベースのローカル・モビリティ管理の目的を達成するために、MNはローカルドメイン内のどこでも同じプリフィックスを参照することを必要とする。上記のプリフィックスは、ルーティング階層の上位に位置するルータから取得されなければならない。そのルータは望ましくは、ローカル・モビリティ管理の利点が取得可能なようにローカルドメイン内の全てのMNのデフォルト・ルーティングパスに位置する。上記のルータは、上記のプリフィックスのルートであって、上記のプリフィックスに対する到達性の情報すなわちルーティング情報(プリフィックスベースのルート)を有しなければならない。結果的に、このプリフィックスベースのルートは、ネットワーク・エンティティにより生成されなければならない。
NetLMMワーキンググループにより検討されている特別なネットワークベースのローカル・モビリティ管理プロトコルは、非特許文献2に開示されているPMIPv6(Proxy Mobile InternetProtocol version 6)である。PMIPv6のプロトコルは主に、CMIPv6(Client Mobile IPv6)スタックを有しない通常のIPv6ホストに対して、ネットワークのローカルな部分におけるモビリティ管理サービスを提供するために設計されており、NBM(Network based Mobility)とも呼ばれる。にもかかわらず、PMIPv6はCMIPv6スタックを有するノードにも有用である。その理由について説明すると、CMIPv6スタックを有するMNが外部のPMIPv6ドメインに位置していて、そのローカルドメイン内のあるインタフェースを介して同じプリフィックス(外部のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)/HAにおいてルーティングされる外部のPMIPv6ローカル・プリフィックス)を参照する場合、そのMNは如何なるグローバルな登録も実行する必要がない。さらに、上記のCMIPv6スタックを有するMNは、ホームドメイン内にローミングしたとき、地理的な位置を変更しているにもかかわらず、自身のホームネットワーク・プリフィックスを継続して参照して位置登録に参加する必要がない。なお、LMAとは、PMIPv6を使用するMNの位置情報を管理するノードであり、その位置情報は後述するモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)から登録される。また、LMA/HAとは、PMIPv6におけるLMAの機能とMIPv6におけるHAの機能の両方を有するネットワークノードを指す。
以下に、非特許文献2に開示されているPMIPv6の概略を説明する。あるMNがあるPMIPv6ネットワークに接続(attach)したとき、そのMNは、モバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)とアソシエート中に、自身のネットワーク・アクセス識別子(NAI)を提供する。MAGとは、MNが直接に接続(attach)しているか又はMNが制御下にあるローカル・モビリティ・アンカー(LMA)に対して、MNのプロキシとしてローカルな登録を実行するルータ(プロキシノード)である。NAIは接続認証(Authentication)の目的のために、AAA(Authentication, Authorization and Accounting)サーバに転送される。AAAサーバは、MNのネットワーク接続(attachment)を資格認証(Authorize)すると、接続認証(Authentication)が成功したことをMAGに通知するためにレスポンスを送り返す。上記のレスポンスでは、AAAサーバはさらに、LMAアドレスと、MNがローカルドメイン内をローミング中に備える必要があるアドレス構成モード又は特別なポリシーのような幾つかのMNプロファイルを提供する。
MAGは上記のMNのパラメータを取得すると、プロキシBU(PBU)メッセージをLMAに送信する。MAGはPBUメッセージの応答であるプロキシ・バインディング確認(PBA)メッセージから、MNの接続(attach)しているインタフェースに関連するプリフィックスを取得した後、ホームリンク及びローカルホームリンクをエミュレートする。上記のようにMAGが実行するPBUメッセージすなわちローカルな登録は、このメッセージがPBUメッセージであることを示すフラグのみを除いてMIPv6のBUメッセージと同一である。PBUメッセージを実行することにより、MNの到達性のステートがLMAにおいて生成される。基本的には、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されたMNプリフィックスに対する到達性のステートを有し、このMNプリフィックスに対して到達可能なアドレスはMAGのアドレスである。
MNはステート有り又はステート無しのアドレス構成モードを用いて、PMIPv6ドメインで受信したプリフィックスを用いてアドレスを構成する。各MNはユニークなプリフィックスを取得するので、LMAにおけるプリフィックスベースのキャッシュは、MNに十分に到達する。LMAに到着した各データパケットは、MNに接続(connect)しているMAGにトンネル化され、また、MAGに到着した各データパケットはLMAにトンネル化される。MAGの近隣(neighbor)キャッシュテーブルは、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、MNにパケットを伝送するのに使用されるリンク層アドレスをバインディングする。
非特許文献2に開示されているPMIPv6のプロトコルは、MNに対して透過的なプロキシ・モビリティのサービスを提供するのに加えて、マルチホーミングのサービスを提供している。非特許文献2に記載されているマルチホーミング・サービスでは、複数のインタフェースを有するMNが全てのインタフェースを経由してPMIPv6ドメインに接続(attach)でき、また、レイヤ3のプロトコルを変更することなく、かつモビリティに関するシグナリングに参加することなくPMIPv6ドメイン内をローミングできる。基本的に、非特許文献2の現在のドラフトに記載されている方法では、マルチホーミングをサポートするために、LMAがMNのインタフェース毎にユニークなプリフィックスを与え、また、LMAがMNのインタフェースに関連するPMIPv6バインディングを個々のモビリティ・セッションとして維持する。PMIPv6のマルチホーミングのプロトコルが保証すべきことは、複数のインタフェースを有するMNがローミングするときに、インタフェース毎に最初の接続(attach)中にユニークなプリフィックスを割り当てることと、完全に透過的なプロキシ・モビリティ管理サービスを提供するためには、上記のプリフィックスと、上記のプリフィックスを使用して確立されるセッションを、セッション品質を損なうことなく維持することである。
ここで、モビリティと、セルのレイアウト構造と、MNの希望と、MNの節電モード動作により、2つのハンドオフのイベントがある。1つ目は、MNの特定のアクセス技術タイプのインタフェースがあるMAGから切断(disconnect)し、そのインタフェースが移動して新しいMAGに再接続(re-connect)する水平ハンドオフである。水平ハンドオフしているプリフィックスに関連するフローのセッションの連続性を維持するためには、MNが水平ハンドオフ後に新しいMAGに接続(attach)するときに同じプリフィックスを参照することが重要である。水平ハンドオフのイベントでは、LMAは同じプリフィックスを割り当てるために、次のMAG(新しいMAG)からのPBUメッセージ内のインタフェース識別子又はアクセス技術タイプ(ATT:Access Technology Type)と、PBUメッセージ内のハンドオフ識別子HI(=3)のオプションを使用してもよい。このインタフェース識別子は、水平ハンドオフしているインタフェースの識別子か、又は新しいMAGに接続(connect)中のインタフェースの識別子である。また、ATTは、接続するインタフェースの種類(セルラ、WiMAX、WLANなど)を表す。一方、ハンドオフ識別子HIは、指定する値によって、アドレスを維持するハンドオーバ接続であるか、アドレスを維持しない新規接続であるかなどを示すことができる。ここで重要な点は、水平ハンドオフの処理があまり複雑ではないことを理解すべきである。その理由は、LMAが、水平ハンドオフ中の新しいPBUメッセージ内のインタフェース識別子又はATTを取得し、そのインタフェース識別子又はATTと同じ値を含むエントリをキャッシュ内で検索することにより同じプリフィックスを与えることができ、セッションの連続性が維持されるからである。また、ハンドオフ識別子HIの値がハンドオーバであることを示す場合には、LMAは、自身が保持するMNに関する情報や、認証サーバやMN情報管理サーバから取得した情報の中から、MNに割り当てられているプレフィックスの情報を参照し、そのプレフィックスを再度MNへ割り当てるべきと判断することができる。
しかしながら、LMAは理想的には、水平ハンドオフ用として上記のHIオプションを必要としない。その理由は、LMAが、新しいMAGに接続(attach)しているインタフェースの識別子をキャッシュ内に存在するインタフェース識別子と単にマッチングするだけで水平ハンドオフを処理できるからである。非特許文献2には、水平ハンドオフをサポートするために複数の方法が示されている。しかし、水平ハンドオフをサポートする1つの方法は、その方法を他の方法に制限する必要はない。
次に、水平ハンドオフをサポートするために非特許文献2に記載されている幾つかの方法について簡単に説明する。もし、水平ハンドオフ中に参照される必要があるプリフィックスが新しいPBUメッセージ内に添付されている場合、LMAは、そのプリフィックスに対するバインディングと、新しいMAGに接続(connect)したインタフェース識別子と、NAIがキャッシュ内に存在するかをチェックする。もし存在する場合、LMAはPBAメッセージで同じプリフィックスを割り当てる。
ところが、大抵の場合、水平ハンドオフを実行する際には、水平ハンドオフ後に参照するプリフィックスは、水平ハンドオフを実現するPBUメッセージ内に添付する必要がない。水平ハンドオフ中のセッションの継続性を実現するためには、MNは、プリフィックスなしでも、インタフェース識別子(If−ID)のオプションと、アクセス技術タイプ(ATT:Access Technology Type)とNAIを通知するだけで十分だからである。この場合、水平ハンドオフは、LMAが新しいPBUメッセージ内のパラメータ(上記の新しいMAGに接続(attach)したIf−ID、ATT及びNAI)と一致するパラメータを持つエントリが存在するか否かをチェックすることにより実行される。LMAが同じパラメータを持つエントリをキャッシュ内に発見した場合、そのキャッシュは、新しいPBUメッセージ内の新しいエントリで更新される。LMAにおけるキャッシュ内の唯一の変更点は、PBUメッセージの気付アドレス(CoA)が新しいMAGに関連するCoAに変更されることにある。この水平ハンドオフの詳細な動作は非特許文献2に記述されている。
MNが実行するもう一つのタイプのハンドオフとして垂直ハンドオフ(Vertical hand-off)がある。非特許文献2に開示されている基本のドラフトには、1つの特定のタイプの垂直ハンドオフが記述されている。このタイプの垂直ハンドオフでは、MNの特定のアクセス技術タイプ(ATT)のインタフェースがあるMAGから切断(disconnect)して、その切断したインタフェースに関連するフローが、電源がオンになってPMIPv6接続(attach)する別のアクセス技術タイプのインタフェースに移される。このタイプの垂直ハンドオフは多くの理由により発生することができる。その理由は、特定のアクセス技術タイプのドメインがカバーする範囲が不足していたり、MNの希望であったり、MNがあるインタフェースを節電のためにシャットダウンしたいからである。
水平ハンドオフ(horizontal hand-off)と比較して垂直ハンドオフが複雑な点は、LMAが垂直ハンドオフ用の正しいプリフィックスを与えるためには、MNの別のインタフェースから行われる接続手続き(attach procedure)の中で提示されるパラメータが十分でないことにある。ここでの新しい接続(attachment)のパラメータとは、MNの新しく電源がオンになったインタフェースのIf−ID及びATTと、NAIとを意味する。MNの複数のインタフェースが、LMAに接続(attach)しているPMIPv6バインディングを有する場合、垂直ハンドオフを実現するPBUメッセージには、新しいインタフェースにハンドオフされるのに必要なプリフィックスか、又はシャットダウンするインタフェースのIf−IDを添付する必要がある。この理由は、LMAがどのプリフィックスが新しいインタフェースに移されるかを知得する必要があるからである。したがって、LMAに対し、シャットダウンするインタフェースを指示する情報を垂直ハンドオフ動作中に送信する必要がある。この情報は特に、同じMNの2つ以上のPMIPv6バインディングがLMAに存在する場合に重要である。
ここで、MNの接続(attach)しているインタフェースのパラメータ(上記の新しいMAGに接続(attach)したIf−ID、ATT及びNAI)が十分な場合、つまり水平ハンドオフの場合は、通常のPMIPv6動作により実現可能である。したがって、水平ハンドオフを実現するためには、水平ハンドオフの接続(attachment)中にはさらに特別な情報(シャットダウンするインタフェースのID又は垂直ハンドオフで移動するプレフィックス/フローなど)は必要なく、問題はないことがわかる。
3GPP(Third Generation Partnership Project)は、例えばワイヤレス・ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)と、セルラネットワーク(第3世代(3G)、第3.9世代、第4世代、さらにはそれ以降の世代のセルラネットワーク)と、WiMAX形式のワイヤレスのワイドエリア・ネットワーク(WAN)のような種々の形式の無線アクセスネットワークを有するグローバルな異種ネットワーク構造について作業を行っている。なお、以下では3Gや3GPPが付加されている用語をいくつか用いているが、本明細書においてそれらはセルラであることを指しており、3Gに限らず、3.9Gや4G、さらにはそれ以降の世代を含むものとして用いている。グローバルな異種ネットワーク構造は、シームレスなモビリティを実現して、リアルタイムなビデオ、VoIP(Voice over IP)、情報、重要なデータなどの異種のアプリケーションサービスを高いサービス品質(Quality of Service)でサポートするのに有用である。非特許文献3には、PMIPv6が3GPPローカルドメインにおけるローカル・モビリティ管理(LMM)プロトコルとして採用されるであろうことが開示されている。3GPPローカルドメインは、3Gセルラネットワークと、信頼性のある又は信頼性のないWLANアクセスネットワークと、WiMAXアクセスネットワークにより構成されるかもしれない。さらに、複数の異種のインタフェースを有するMNが3GPPローカルドメインをローミングして、種々の形式のインタフェースを介して同時接続(attach)してマルチホーミングを実現する必要がありそうである。また、他の従来技術としては、下記の特許文献1、2、3に開示されているものがある。
Yoshihiro Oba, "Mobility architecture using pre-authentication, pre-configuration and/or virtual soft-handoff", US Patent No. US 7,046,647, B2, May 16, 2006. Raziq Yaqub, "Dynamic use of multiple IP network interfaces in mobile devicesfor packet loss prevention and bandwidth enhancement", US Patent No. US 20070140256A1, June 21, 2007. George Tsirtsis, et.al., "Wireless terminalmethods and apparatus for establishing connections", US Patent No. US 20070081521A1, April 12, 2007.
Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J., "Mobility Supportin IPv6", InternetEngineering Task ForceRequest For Comments3775, June 2004. Gundavelli, S., et. al., "Proxy Mobile IPv6", InternetEngineering Task Force(IETF) Working GroupDraft: draft-sgundave-mip6-proxymip6-02.txt, March 5, 2007. "3GPP System Architecture Evolution: Report on Technical Optionsand Conclusion", 3GPP TR 23.882,V1.12.0, October 2007.
図12A、図12B、図12C、図12Dを参照して垂直ハンドオフの各種のケースについて詳しく説明する。図12A、図12B、図12C、図12Dには4つのケースの垂直ハンドオフ動作が示されている。図12A、図12Bに示す2つのケースは、MN10A、10Bが共に2つのインタフェースIf1、If2を有していて垂直ハンドオフを実行する場合を示し、図12C、図12Dに示す2つのケースは、MN10C、10Dが共に3つのインタフェースIf1、If2、If3を有していて垂直ハンドオフを実行する場合を示す。
(a)まず、図12Aに示すケースの垂直ハンドオフについて説明する。MN10Aは、初期状態ではインタフェースIf1のみがアクティブであって、リンク17A及びMAG11Aを経由してLMA/HA13AにルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(connect)されているものとする。次に、MN10AがインタフェースIf1をシャットダウンして、インタフェースIf2の電源をオンにして垂直ハンドオフを実行するものとする。また、L2接続(attachment)か、又はルータ・ソリシテーションか又は他の手段によって、インタフェースIf2がリンク15Aを経由して新しく接続(attach)するMAG12Aに対してこの垂直ハンドオフ指示が通知されるものとする。したがって、MN10Aが垂直ハンドオフ・ステートをMAG12Aに通知するものとする。
ここで理解すべき重要な点は、MN10AがMAG12Aに接続(attach)するときに垂直ハンドオフがトリガされることにある(垂直ハンドオフ・トリガメッセージ14A)。さもなければ、インタフェースIf2がMAG12Aを介してLMA/HA13Aに接続(attach)されているときに新しいプリフィックスが割り当てられてしまう。その理由は、LMA/HA13AがMN10Aの希望(インタフェースIf2を経由した垂直ハンドオフか又は新しい接続(attachment)か)を正確に知得しないからである。垂直ハンドオフのトリガメッセージ14Aで送信される唯一のパラメータがハンドオフ識別子(図のMN trigger→HI=2)である。トリガメッセージ14Aに続いて、LMA/HA13Aは、MAG12Aから送信されるPBUメッセージ(不図示)で垂直ハンドオフの情報(HIオプション=2と、インタフェースIf2に関連するインタフェース識別子のオプション)を受信する。
LMA/HA13Aは、PBUメッセージを受信すると、インタフェースIf1用としてMAG11Aに与えていたプリフィックスP1をインタフェースIf2に割り当てる。MAG12Aは、LMA/HA13AからのPBAメッセージ(不図示)でプリフィックスP1を受信すると、プリフィックスP1をRAメッセージか又は何かのACK信号のようなシグナリング16AでインタフェースIf2に送信する(図のResponse→(P1))。
ここで理解すべき重要な点は、2つのインタフェースIf1、If2を有するMN10Aが垂直ハンドオフを実行する場合、LMA/HA13Aにとって、正しいプリフィックスP1を垂直ハンドオフ中に割り当てるための情報としては、ハンドオフのトリガオプションすなわちHIオプションで十分であることにある。その理由は、MAG12Aからの垂直ハンドオフ要求のオプションがLMA/HA13Aに到着したときのLMA/HA13Aのエントリが1つのみであるので、LMA/HA13Aが垂直ハンドオフをインタフェースIf2経由で要求されたときに、この1つのみのエントリに関連するプリフィックスP1を移す必要があると確信するからである。
(b)図12BはMN10BがインタフェースIf1をシャットダウンして、そのフローを現在存在するインタフェースIf2に移す場合を示す。インタフェースIf2はこのシステムに既に接続(attach)されており、プリフィックスP2が割り当てられている。一方、インタフェースIf1にはプリフィックスP1が割り当てられている。ここで図12Aと同様に、MN10BがMAG11B及びリンク17Bから切断(disconnect)して(インタフェースIf1をシャットダウンして)、リンク15B及びMAG12Bに既に接続(attach)しているインタフェースIf2を経由して垂直ハンドオフを実行するものとする。MAG12Bは、インタフェースIf2からの垂直ハンドオフのトリガメッセージ14B(図のMN trigger→HI=2)を受信すると、LMA/HA13Bに送信する新しいメッセージ又はPBUメッセージ(不図示)内にHIオプションを挿入する。このメッセージはまたインタフェースIf2の識別子を含んでいてもよい。
LMA/HA13Bは、このメッセージを受信すると、インタフェースIf2のPMIPv6バインディングに加えて、インタフェースIf1に関連するバインディングが1つのみ存在するか否かをチェックして、1つのみの場合にプリフィックスP1をインタフェースIf2に移す。基本的に、インタフェースIf2のPMIPv6バインディングは、2つのプリフィックスP1、P2用のものを含む。LMA/HA13Bは、垂直ハンドオフのトリガの応答としてACK信号(不図示)をMAG12Bに送信する際にプリフィックスP1、P2を通知する。したがって、MAG12BはインタフェースIf2に対して、プリフィックスP1、P2の両方を含む応答メッセージ16B(図のResponse→(P1,P2))を送信する。これが垂直ハンドオフの新しい想定例である。このような動作が発生する場合とは、MN10Bがあるインタフェースを節電のためにシャットダウンして、そのフローを現在存在する他のインタフェースに移すときである。また、インタフェースIf1が再びMAG11B及びリンク17Bに接続した際に、インタフェースIf1から垂直ハンドオフを実行して、プリフィックスP1をインタフェースIf1へ戻す場合には、インタフェースIf1から送信する垂直ハンドオフのトリガメッセージ(不図示)の中には、移動するプリフィックスを指定するためにプリフィックスP1が存在し、MAG11Bは、HIオプションとプリフィックスP1を含むPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA13Bへ送信する。LMA/HA13Bは、このメッセージを受信すると、インタフェースIf2のPMIPv6バインディングとして登録されているP1、P2のうち、PBUメッセージで指定されているプリフィックスP1を選択し、垂直ハンドオフのトリガの応答として、プリフィックスP1を含むACK信号を送信する。したがって、MAG11Bは、インタフェースIf1に対して、プリフィックスP1を含む応答メッセージ(不図示)を送信する。
(c)次に図12Cを参照して、3つのインタフェースIf1、If2、If3を有するMN10Cが垂直ハンドオフを実行する場合について説明する。MN10Cはまず、インタフェースIf1、If2がそれぞれリンク15C、16C及びMAG11C、12Cを介してLMA/HA14CにルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(attach)して、プリフィックスP1、P2を参照しているものとする。一方、インタフェースIf3は未接続である。以下、この状態を初期接続状態と言う。次に、MN10CがインタフェースIf2をシャットダウンし、また、インタフェースIf3をアクティブ化して、インタフェースIf2のフローをインタフェースIf3に移す垂直ハンドオフを決定するものとする。
MN10Cは、この垂直ハンドオフを実行してMAG13Cをトリガする場合、図12A、図12Bに示す場合より多くの情報をトリガメッセージ18C内に含ませる必要がある。その情報としては、例えば垂直ハンドオフ・フラグ(オプションでもよい)と、シャットダウンしたインタフェースIf2の識別子又はインタフェースIf3経由で参照したいプリフィックスP2がある。トリガメッセージ18Cで送信される垂直ハンドオフ・トリガ情報すなわちHI情報は、単に1ビットで「垂直ハンドオフ」を指示することができる。しかしながら、MAG13CがPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA14Cに送信するときには、この垂直ハンドオフ情報は、非特許文献2に記載されているような適切なオプション(HIオプション)内に含ませる必要がある。
ここで、非特許文献2には、垂直ハンドオフのトリガを新しいMAGすなわちMAG13Cに与える方法が記載されていないことに注意すべきである。すなわち、異種のアクセス技術タイプ(ATT)のドメインを跨がった垂直ハンドオフに対しては、ネットワーク側はこのステップをMN側から通知されなければ検知できない。また、3GPPの構成においても、異種のATTのドメインを跨がったハンドオフに対して、ネットワーク側がハンドオフを開始することは考慮されていない。この理由は、ネットワーク側にとって他のATTのドメインから長いルーティングパスを経由してそのような行動をとることが困難であり、さらには、垂直ハンドオフがMNのあるプリフィックス(このプリフィックスはATTのドメインを経由して参照することが望ましい)に関連する動的な希望と節電などによる決定に基づいて実行されるからである。
図12Cにおいて、MN10Cがハンドオフのこれらのパラメータ(図のMN trigger→HI=2,If2-ID/P2)をMAG13Cに与えると、MAG13CはこれらのパラメータをPBUメッセージ(不図示)内のオプションにセットする。このオプションとは、インタフェースIf2のIf2−IDが存在し、インタフェースIf3のIf3−IDが存在し、ATTオプション及びHIオプション(HI=2)が存在するということである。LMA/HA14Cは、このPBUメッセージを受信すると、まず、このメッセージが垂直ハンドオフ(HI=2)であると識別する。次いでLMA/HA14Cは、PBUメッセージ内のインタフェースIf2のIf2−IDを参照してIf2−IDのエントリがキャッシュに存在することを識別し、プリフィックスP2をインタフェースIf3に移す。基本的に、インタフェースIf3のキャッシュ内のエントリはプリフィックスP2に基づいて生成される。LMA/HA14CからMAG13Cに送信されるPBAメッセージ(不図示)によりプリフィックスP2が通知される。MAG13CはプリフィックスP2を受信すると、プリフィックスP2をRAメッセージやACK信号のシグナリング19CでMN10Cに送信する(図のResponse→(P2))。
(d)最後に、図12Dに示す垂直ハンドオフについて説明する。MN10Dは3つのインタフェースIf1、If2、If3を有し、インタフェースIf1、If2、If3はそれぞれ、リンク15D及びMAG11D、リンク16D及びMAG12D、リンク17D及びMAG13Dを介してLMA/HA14DにルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(connect)しており、それぞれプリフィックスP1、P2、P3を参照している。MN10DがインタフェースIf2の垂直ハンドオフを実行し、垂直ハンドオフのトリガメッセージ18D(図のMN trigger→HI=2,If2-ID/P2)をMAG13Dに送信するものとする。MAG13Dはトリガメッセージ18Dを受信すると、PBUメッセージ(不図示)をLMA/HA14Dに送信する。前述したように、PBUメッセージはインタフェースIf2、If3のIDなどの多くのパラメータを含む。LMA/HA14Dは、インタフェースIf3に接続(connect)されているMAG13DからPBUメッセージを受信すると、MN10DがインタフェースIf2の垂直ハンドオフを実行していてインタフェースIf2のフローをインタフェースIf3に移したいことを識別することができる。この場合、LMA/HA14Dが正しいプリフィックスP2、P3をMAG13Dに与え、したがって、MN10DがMAG13Dからの応答メッセージ19DでプリフィックスP2、P3を受信する(図のResponse→(P2,P3))。
ここで重要な点は、インタフェースが2つの場合と、2つを超える場合の垂直ハンドオフ動作を区別することにある。インタフェースが2つの場合、垂直ハンドオフは単純であって、そのシグナリング負荷は水平ハンドオフの場合と非常に似ている。唯一の違いは、垂直ハンドオフのトリガメッセージ18Dが重要であることである。インタフェースが2つを超える場合の垂直ハンドオフ動作の場合、シャットダウンするインタフェースIf2の何かのステート情報が垂直ハンドオフ動作を開始するときに必要となる。
これまで述べたように、3つのインタフェースを有するモバイルノードがそのうちの2つのインタフェースに関するプリフィックスを固定して静的な垂直ハンドオフを行う際の主要な問題点は、シャットダウンしたインタフェースのインタフェース識別子や移動するプリフィックスを有するトリガメッセージを垂直ハンドオフの度に繰り返し送信する必要があることにある。また、2つのインタフェースを有するモバイルノードが、それぞれのインタフェースに割り当てられているプリフィックスを一方のインタフェースに集約しているときに、もう一方のインタフェースへプリフィックスを戻す際の主要な問題点は、そのプリフィックスを有するトリガメッセージを垂直ハンドオフの度に繰り返し送信する必要があることにある。このようなインタフェース識別子、及びプリフィックスは、そのビット長によりトリガメッセージのパケットサイズを増大し、さらに、トリガメッセージを送信するときのモバイルノードの消費電力や、シグナリングコストを増大させる。さらに、トリガメッセージのパケットサイズが増大すればするほど、無線帯域を多く使用する。
本発明は上記の問題点に鑑み、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、モバイルノード及びそのホームエージェントを提供することを目的とする。
本発明はまた、モバイルノードが2以上のインタフェースを有する場合にも、垂直ハンドオフのシグナリングを要求するパケットサイズを減少することができる垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、モバイルノード及びそのホームエージェントを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定ステップと、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス設定ステップにより設定されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移すステップとを、
有するよう構成した。
本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフシステムであって、
前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定手段と、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信する手段と、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス設定手段により設定されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移す手段とを、
有するよう構成した。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有し、前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフを行なうモバイルノードであって、
前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースからモバイルノードのホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信する手段を、
有するよう構成した。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフシステムにおける前記モバイルノードのホームエージェントであって、
前記モバイルノードの第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを記憶するプリフィックス記憶手段と、
前記モバイルノードの前記新しく接続する前記第2又は第3のインタフェースから送信され、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを受信する手段と、
前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス記憶手段に記憶されたプリフィックスを、前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移す手段とを、
有するよう構成した。
上記構成により、垂直ハンドオフのトリガメッセージが新しく接続するインタフェースの識別子を含まないので、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
また、前記モバイルノードが、前記継続的に使用するプリフィックスを決定して前記ホームエージェントに設定することを特徴とする。
また、前記ホームエージェントが前記モバイルノードの移動経路を学習して前記継続的に使用するプリフィックスを決定することを特徴とする。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記モバイルノードが、前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記モバイルノードのプロキシノードに設定するプリフィックス設定ステップと、
前記プロキシノードの間で前記継続的に使用するプリフィックスを転送するステップと、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記プロキシノードに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記プロキシノードが前記トリガメッセージを受信して、前記継続的に使用するプリフィックスを前記ホームエージェントに通知するステップと、
前記ホームエージェントが前記通知されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移すステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能な第1のインタフェースと第2のインタフェースとを有するモバイルノードが前記第1と第2のネットワーク内をローミングして、前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークから切断して前記第2のネットワークに再接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していたプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定ステップと、
前記モバイルノードが前記新しく接続する第2のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記継続的に使用するプリフィックスを含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記新しく接続する第2のインタフェースに移すステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能なインタフェースとを有するモバイルノードが前記第1と第2のネットワーク内をローミングして、前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークから切断して前記第2のネットワークに再接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
前記モバイルノードが前記再接続時に前記第2のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記第1のインタフェースに設定するか、又は前記第2のインタフェースに設定するかを指示する垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記第2のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグに基づいて、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記第1又は第2のインタフェースに選択的に設定するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記目的を達成するために、
共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能なインタフェースを少なくとも有するモバイルノードが前記第1のネットワークと第2のネットワーク内をローミングする場合に、前記第1のインタフェースに関連する第1のプリフィックスのパケットを前記第2のインタフェースに転送する垂直ハンドオフ方法であって、
前記モバイルノードが前記第1のインタフェースをシャットダウンする際に、前記第1のプリフィックスを前記第2のインタフェースにバインディングするよう前記モバイルノードのホームエージェントに設定するステップと、
前記ホームエージェントが前記第1のインタフェースあてのパケットを、前記バインディングに基づいて前記第2のインタフェースに転送するステップとを、
有する構成とした。
この構成により、モバイルノードが2以上のインタフェースを有する場合にも、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
本発明によれば、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
本発明はまた、モバイルノードが2以上のインタフェースを有する場合にも、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができる。
第1の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す説明図 図1の最適化要求メッセージの別の形態を示す説明図 図1の垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ(L2メッセージの場合)のフォーマットの一例を示す説明図 図1の垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ(新しいモビリティ拡張ヘッダを有するシグナリング・パケットの場合)のフォーマットの一例を示す説明図 図1の垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ(BUメッセージのパケットの場合)のフォーマットの一例を示す説明図 第1の実施の形態のモバイルノードの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 第1の実施の形態のLMA/HAの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のLMA/HAの構成を機能的に示すブロック図 第4の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す説明図 第4の実施の形態のモバイルノードの動作を説明するためのフローチャート 第5の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す説明図 第6の実施の形態の垂直ハンドオフシステムの一例を示す構成図 図11Aにおける通信シーケンスの一例を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが2つの場合の一例)を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが2つの場合の別の一例)を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが3つの場合の一例)を示す説明図 垂直ハンドオフの種々のケース(モバイルノードのインタフェースが3つの場合の別の一例)を示す説明図 第1の実施の形態が想定する垂直ハンドオフシステムの一例を示す説明図 第1の実施の形態が想定する他の垂直ハンドオフシステムを示す説明図 図13における垂直ハンドオフ・トリガメッセージの一例を示す説明図
インタフェースが3つの場合の垂直ハンドオフの問題点については既に説明したが、基本的に、インタフェースが3以上の場合、垂直ハンドオフを実現するためには、シャットダウンするインタフェースのIDが必須となる。以下では、垂直ハンドオフのプロセス中の問題点について、図13を参照してさらに説明する。また、合わせて本発明の実施の形態において想定している動作シナリオの一例を説明する。
<想定例>
図13は本発明の第1の実施の形態が想定する通信システムを示す。図13は、PMIPv6ドメイン311内の垂直ハンドオフに関連する問題を理解するための図であって、PMIPv6ドメイン311では、PMIPv6のプロトコルが3GPPシステム・アーキテクチャ・エボリューション(SAE)ローカルドメイン内に採用されている。ここで、MN300が3つのインタフェースIf1、If2、If3を有する場合の垂直ハンドオフについては、既に図12C、図12Dにおいて説明した。また、垂直ハンドオフを実現するためには、MN300のシャットオフするインタフェースの識別子がLMA/HA312に与えられなければならない。MN300がPMIPv6ドメイン311内をローミングする間に多くの垂直ハンドオフが発生する。なお、図13及び、以降で用いる図14、図15では、便宜的にセルラネットワーク、WLANアクセスネットワーク、WiMAXアクセスネットワークを用いているが、図13に示されているネットワークの構成やアクセスネットワークの種類、インタフェースの種類や数などはこれに限定される必要はなく、本発明が適用される範囲を逸脱しない限り任意の構成を想定することができる。また、第2の実施の形態以降で用いられている通信システムの図(図8、図10)でも同様である。
さらに、図13では、垂直ハンドオフのイベントは、3つの要素により発生する。1つ目は、同じアクセス技術タイプのネットワークが欠如していて、例えばWiMAXインタフェースIf2が通信するWiMAXアクセスネットワーク301aと303aのセルが連続していないこと、また、WLANインタフェースIf3が通信するWLANアクセスネットワーク302aが他のWLANアクセスネットワークのセルと連続していないことによる。2つ目は、MN300がマルチホーミングを実現するために複数のインタフェースの維持を希望することによる。例えば、セルラインタフェースIf1が接続中であり、WiMAXインタフェースIf2又はWLANインタフェースIf3のいずれかが新たにネットワークに接続した場合に、セルラインタフェースIf1において確立していた複数のコネクションのうち、1つ又は複数の任意のコネクションを、WiMAXインタフェースIf2又はWLANインタフェースIf3のどちらかへ選択的に移す場合などである。3つ目は、MN300があるフローについてはあるアクセス技術タイプを希望することによる。以下に、垂直ハンドオフ規則について詳しく説明する。
図13における想定として、MN300が3GセルラインタフェースIf1と、WiMAXインタフェースIf2とWLANインタフェースIf3を有するものとする。また、LMA/HA312がPMIPv6ドメイン311のアンカーポイントであるものとする。また、PMIPv6ドメイン311の無線アクセス部分が3Gのセルによりフルにカバーされ、PMIPv6ドメイン311がLMA/HA312においてルーティングされるものとする。さらに、3Gのセルが連続しており、かつWLANアクセスネットワーク(以下、WLANドメイン)302aとWiMAXアクセスネットワーク(以下、WiMAXドメイン)301a、303aが3GセルのPMIPv6ドメイン311のカバー範囲に存在するものとする。基本的に、3GセルのPMIPv6ドメイン311は連続しており、WiMAXドメイン301a、303a及びWLANドメイン302aは連続していないものとする。
この想定はあり得る。その理由は、MN300が3GセルラインタフェースIf1経由で3GセルのPMIPv6ドメイン311に接続(attach)しているが、PMIPv6ドメイン311と異なるオペレータ又は外部のオペレータが非3GPPネットワーク(WiMAXドメイン301a、303a及びWLANドメイン302a)を提供するため、また、非3GPPネットワークが協力してセルを連続的に配置することが困難であるために、MN300が非3GPPネットワークには連続して接続(attach)しないかもしれないからである。
初期時点T0では、MN300の3GセルラインタフェースIf1がMAG/3GPP313に接続(attach)し、かつWiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX301に接続(attach)している。このため、MN300はMAG/3GPP313、MAG/WiMAX301からそれぞれルータ広告(RA)メッセージ305、306を受信する。例えばMN300はRAメッセージ305、306でそれぞれプリフィックスP1、P2を参照する。MN300は2つのインタフェースIf1、If2を同時に使用するマルチホーミングを希望して、2つのインタフェースIf1、If2を使用するものとする。
次にMN300が移動して、時点T1ではWiMAXドメイン301aのカバーする範囲がなくなり、WLANドメイン302aのカバーする範囲のみとなる。この時点T2では、MN300はマルチホーミングを実現するためには、WLANインタフェースIf3経由の垂直ハンドオフを実行する必要がある。ここでのマルチホーミングとは、より高い帯域を実現することが可能な場合にはいつでも複数のインタフェースを使用することを意味する。また代わりに、時点T2では、MN300はプリフィックスP2に関連するフローをWiMAX又はWLANのアクセス技術タイプで参照することを希望して、WLANへの垂直ハンドオフを実行してもよい。ここで理解すべき重要な点は、前述したように垂直ハンドオフがMN300の希望で実行できることにある。ここで、当業者であれば、MN300は、MAG/WiMAX301と接続(connect)されなくなったときに、MAG/3GPP313に対して垂直ハンドオフを実行しないことは明らかである。その理由は、MN300が複数のインタフェースの使用を希望し、さらにプリフィックスP2に関連するフローをWiMAX経由又はWLAN経由で送受信することを希望するからである。
ここで、MN300がWLANインタフェースIf3経由で、WiMAXインタフェースIf2の情報をMAG/WLAN302に提供してプリフィックスP2を参照するものとする。この場合、MN300は時点T1では、MAG/3GPP313、MAG/WLAN302からのそれぞれのRAメッセージ307、308でプリフィックスP1、P2を参照する。時点T1では、MAG/3GPP313は変更されていないので、3GセルラインタフェースIf1に関連する垂直ハンドオフ動作は行われない。ここで理解すべき重要な点は、3Gセルが連続的であり、かつプリフィックスP1を使用するフロー(例えばVoIP)は3GセルラインタフェースIf1経由が望ましいので、プリフィックスP1の垂直ハンドオフは必要としないことにある。
次の時点T2では、MN300がWLANドメイン302aの範囲から外れてWiMAXドメイン303aの範囲に入ったものとする。ただし、3GのPMIPv6ドメイン311の範囲内に未だ位置する。この場合、WLANインタフェースIf3がWLANドメイン302aとの接続(connection)を失い、MN300がWiMAXインタフェースIf2を使用してWiMAXドメイン303aに接続(connect)することを希望するものとする。時点T2では、MN300はMAG/WiMAX303に対して垂直ハンドオフを実行しなければならず、WiMAXインタフェースIf2経由でプリフィックスP2を参照することを希望する。この場合、MN300は垂直ハンドオフのトリガメッセージ(図15で説明する)をMAG/WiMAX303に送信する。基本的に、図13に示す想定では、プリフィックスP1に関する垂直ハンドオフには問題がない。その理由は、PMIPv6ドメイン311は大きなセルであって連続したカバー範囲であり、プリフィックスP1は3GセルラインタフェースIf1経由で参照されるからである(図のRAメッセージ305、307、309)。プリフィックスP2のみがWiMAXインタフェースIf2とWLANインタフェースIf3の間でやり取りされる。
<他の想定例>
図14に示すネットワーク構成は図13とほぼ同じであるが、MN400は、3GセルラインタフェースIf1と、WLANインタフェースIf2とWiMAXインタフェースIf3を有するものとする。また、MN400の移動軌跡404は、WLANアクセスネットワーク401a(時点T0)→WiMAXネットワーク402a(時点T1)→WLANアクセスネットワーク403a(時点T2)である。ここで、図示省略されているが、初期時点T0の前の時点では、MN400は、3GセルインタフェースIf1がプリフィックスP1を、WLANインタフェースIf2がプリフィックスP2を、WiMAXインタフェースIf3がプリフィックスP3を参照しているものとし、初期時点T0では、不図示のWiMAXネットワークがカバーする範囲から離れてWLANアクセスネットワーク401aに移動し、インタフェースIf2に対して垂直ハンドオフを実行する。これにより、MN400は、インタフェースIf1がRAメッセージ405によってプリフィックスP1を参照し、インタフェースIf2がRAメッセージ406によってプリフィックスP2、P3を参照する。
初期時点T0ではステート413で示すように、MN400はWiMAXインタフェースIf3をシャットダウンして、プリフィックスP3のフローをWLANインタフェースIf2のMAG/WLAN401に垂直ハンドオフするものとする。基本的には、MN400は希望のインタフェース(ここではWLANインタフェースIf2)に垂直ハンドオフするが、WLANインタフェースIf2は、既に接続(connect)されているインタフェースである。したがって、MN400はMAG/WLAN401からのRAメッセージ406で2つのプリフィックスP2、P3を参照する。なお、3GセルラインタフェースIf1は、初期時点T0でも初期時点T0の前の時点から継続してプリフィックスP1を参照している。
MN400がさらに移動してWLANアクセスネットワーク401aとの接続(connection)を失い、時点T1では、初期時点T0の前の時点で接続(connect)していたWiMAXネットワーク402aに移動したものとする。時点T1では、MN400はMAG/3GPP313ではなく、MAG/WiMAX402に垂直ハンドオフするものとする。MN400はこの垂直ハンドオフのとき、WLANインタフェースIf2の識別子又はプリフィックスP2、P3を垂直ハンドオフ・トリガメッセージ(図15)でMAG/WiMAX402に通知する必要がある。垂直ハンドオフが成功すると、MN400はMAG/WiMAX402からのRAメッセージ408を受信してプリフィックスP2、P3を参照する。また、MN400はMAG/3GPP313からのRAメッセージ407を受信してプリフィックスP1を継続して参照する。ここで、プリフィックスP1については垂直ハンドオフはなく、MN400はプリフィックスP1については3GセルラインタフェースIf1経由を希望し、3GセルラインタフェースIf1については垂直ハンドオフを希望しないものとする。
次いでMN400がさらに移動して、時点T2でWLANアクセスネットワーク403aに接続(attach)し、また、WiMAXネットワーク402aとの接続(connection)を失うものとする。時点T2でもMN400は垂直ハンドオフを実行する。この場合の垂直ハンドオフ・トリガメッセージもWLANインタフェースIf3に関する情報を含む。基本的に、この想定例では、プリフィックスP1については、3Gセルがカバーする範囲が連続しているので垂直ハンドオフを実行する必要はなく、プリフィックスP2、P3について垂直ハンドオフが実行される。
図15は図13における垂直ハンドオフ・トリガメッセージ216、218を示す。MN300は初期時点T0では、3GインタフェースIf1がMAG/3GPP313に接続(attach)し、かつWiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX301に接続(attach)している。次の時点T1では、WiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX301との接続(connection)を失い、WLANインタフェースIf3がMAG/WLAN302を発見する。ここで、時点T1では、MN300は3GネットワークではなくWLANネットワーク経由でプリフィックスP2を参照することを希望するものとする。プリフィックスP2をWLANインタフェースIf3経由で参照するためには、MN300はWiMAXインタフェースIf2のID(If2−ID)又はプリフィックスP2とHI=2をMAG/WLAN302あてのトリガメッセージ216で通知する必要がある。
同様に、MN300はさらに移動して、時点T2ではWLANインタフェースIf3がMAG/WLAN302との接続(connection)を失い、WiMAXインタフェースIf2がMAG/WiMAX303を発見する。時点T2では、MN300は3GネットワークではなくWiMAXネットワーク経由でプリフィックスP2を希望する場合、WLANインタフェースIf3のID(If3−ID)とHI=2をMAG/WiMAX303あてのトリガメッセージ218で通知する必要がある。
図15において垂直ハンドオフを行う際の主要な問題点は、64ビットの長いインタフェース識別子又はプリフィックスを有するトリガメッセージ216、218を継続して送信する必要があることにある。なお以下では、垂直ハンドオフさせるプリフィックスを指定する情報として、ハンドオフ元となるインタフェースのインタフェース識別子を通知しているが、インタフェース識別子の代わりに垂直ハンドオフさせるプリフィックスそのものを用いてもよい。このようなインタフェース識別子は、トリガメッセージ216、218のパケットサイズを増大し、さらに、トリガメッセージ216、218を送信するときのMN300の消費電力や、MN300のシグナリングコストを増大させる。さらに、トリガメッセージ216、218のパケットサイズが増大すればするほど、無線帯域を多く使用する。さらに、垂直ハンドオフのパラメータを送信するPBUメッセージ内にも、シャットダウンするインタフェースの識別子が必要になり、コアネットワークのシグナリング負荷が増大する。したがって、MN300が3つのインタフェースIf1、If2、If3を有していて、固定のすなわち静的な希望により垂直ハンドオフを継続して実行する場合には不都合がある。
ここで理解すべき重要な点は、図13、図15における垂直ハンドオフのパターンが非常に静的であることにある。すなわち、MN300は常に、プリフィックスP2のフローがWLAN経由かWiMAX経由になるように希望している。基本的に、垂直ハンドオフの規則は、MN300に関する限り静的であるので、パケットサイズが大きく、継続して送信されるトリガメッセージ216、218は最適化されることが望ましい。
従来技術として、特許文献1は、主に水平ハンドオフであるハンドオフを論じており、ハンドオフの遅延を減少することを目的としている。特許文献1に記載されているメカニズムは2つの部分より成っている。1つ目は、ターゲットのIEEE802.11ネットワークにおける前接続認証(pre-authentication)を早くすることであり、2つ目は、ターゲットのアクセスルータに接続(attach)する前に仮想のソフトハンドオフを実行することである。これは、ハンドオフの遅延を減少する別のタイプの最適化であり、垂直ハンドオフのシグナリングのパケットサイズを減少するのには役に立たない。また、たとえ垂直ハンドオフに適用しても、垂直ハンドオフの遅延を減少するだけである。
また、他の従来技術として、特許文献2に記載されている方法の目的は、複数のインタフェースを有するノードに関連する、異なる動作ステートの間のパーフォーマンスを向上させることにある。基本的に、MNが動作中に、ハンドオフの間のパケットロスがモニタされ、適切なインタフェースの電源がオンになってパケットロスを減少させる。ここで、垂直ハンドオフ中のインタフェースに来るパケットを新しいインタフェースが受信してパケットロスを減少させるものと想定する。しかし、この方法をPMIPv6ドメインに適用しても、垂直ハンドオフが発生する必要があるか、又は水平ハンドオフを実行中の他のインタフェースに来るフローを新しいインタフェースが接続したMAGが受信できる必要がある。特許文献2の方法の目的は、パケットロスを防止することにあり、垂直ハンドオフのシグナリングのパケットサイズを最適化することをターゲットとしてはいない。
また、他の従来技術として、特許文献3には、MNがアクセスルータ(AR)と接続(connect)中及びハンドオフ中のMNからARへのシグナリングを減少することが記載されている。この方法は、初期接続(attach)中とハンドオフ接続(attach)時のパケットサイズを減少することによりハンドオフの遅延を最適化する手段に特徴があると思われる。ただし、各接続(connect)時にはMNからARへシグナリングする必要がある。これに対し、本発明の目的は、垂直ハンドオフのシグナリング内の省略可能な情報を除去することにある。以上説明したように、MNが静的な垂直ハンドオフの規則を有し、また3以上のインタフェースを有する場合には、通常の垂直ハンドオフのシグナリングを継続することが効率的でないことは明らかである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態の概要について説明する。MNがあるプリフィックスに対する自身の垂直ハンドオフの規則が静的であると知得すると、そのプリフィックスを一義的に使用するという規則をLMA/HAに対して直接に又はプロキシ・エージェントを介してプリセットする。MNは、MNが3以上のインタフェースを有するときにも、インタフェース識別子を有しない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するようにして、トリガメッセージのパケットサイズを減少する。図1は第1の実施の形態の垂直ハンドオフシステム及び通信シーケンスの一例を示す。図1に示すネットワーク構成は、図13、図15と同じであるので、詳細な説明は省略する。図1では、MN500は3GセルラインタフェースIf1と、WiMAXインタフェースIf2とWLANインタフェースIf3の3つのインタフェースを有するものとする。MN500はMAG/3GPP513に対し、WiMAXドメインとWLANドメインの間で一義的に使用されるプリフィックス(以下、浮動(floating)プリフィックスとも呼ぶ)に関するMN500の垂直ハンドオフ規則を通知する(図の516)。この情報はMAG/3GPP513からLMA/HA512に転送される(図の517)。なお、MN500がMAG/WiMAX501又はMAG/WLAN502に接続している際に垂直ハンドオフ規則を通知してもよい。
<T0>
初期時点T0(ステート513)では、MN500は3GセルラインタフェースIf1がPMIPv6ドメイン511のMAG/3GPP513に接続(attach)され、また、WiMAXインタフェースIf2がWiMAXアクセスネットワーク501a経由でPMIPv6ドメイン511のMAG/WiMAX501に接続(attach)されているものとし、また、MN500はプリフィックスP1をインタフェースIf1経由のRAメッセージ505で、プリフィックスP2をインタフェースIf2経由のRAメッセージ506で参照しているものとする。ここで、MN500はプリフィックスP1、P2に対して固定の垂直ハンドオフ規則を設定したいものとする。基本的に、MN500はプリフィックスP2をWiMAXアクセスネットワーク501a、503a経由及びWLANアクセスネットワーク502a経由のみで参照したい。この要求はプリフィックスP2を使用しているフローの性質によるものであるかもしれない。
このため、初期時点T0では、MN500はその旨の垂直ハンドオフ情報の最適化要求メッセージ516(及び517)をMAG/3GPP513経由でLMA/HA512に送信する。MAG/3GPP513あての最適化要求メッセージ516は、レイヤ2(L2)メッセージでもよく、レイヤ3(L3)メッセージでもよい。最適化要求メッセージ516(及び517)により、プリフィックスP2がWiMAXアクセスネットワーク501a、503a経由及びWLANアクセスネットワーク502a経由の浮動プリフィックスとして一義的に使用することがLMA/HA512に通知される。
基本的に、最適化要求メッセージ516(及び517)の意味は、WiMAX側から垂直ハンドオフがトリガされると、プリフィックスP2がWLANのバインディング側からWiMAXのバインディング側に移され、WLAN側から垂直ハンドオフがトリガされると、プリフィックスP2がWiMAXのバインディング側からWLANのバインディング側に移されるということである。MN500は、初期時点T0でPMIPv6ドメイン511内をローミングしているときにこのような静的な垂直ハンドオフを実行できるものと予測する。もし、MN500が予測によりこのような静的な垂直ハンドオフを実行できない場合には、MN500はPMIPv6のプロトコルの標準の垂直ハンドオフに戻し、また、LMA/HA512はその処理方法を知得する。
MAG/3GPP513は最適化要求メッセージ516を受信すると、最適化要求メッセージ516の内容を別のシグナリング・メッセージ517でLMA/HA512に通知する。シグナリング・メッセージ517はPBUメッセージでもよい。LMA/HA512はシグナリング・メッセージ517を受信すると、プリフィックスP2がWiMAXとWLANとの間の垂直ハンドオフを実行するときの浮動プリフィックスであることを知得し、そのことを示すために、自身のバインディングキャッシュ内に特別なフラグを生成する。
<時点T1>
MN500は、最適化要求メッセージ516を送信した後に軌跡504に沿って移動して、MAG/WiMAX501から切断(disconnect)され、MAG/WLAN502に対する垂直ハンドオフを実行するものとする。このときのMAG/WLAN502あての垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518は、HIフラグ(=2、ハンドオーバ接続であることを示す値)のみを必要とし、WLANインタフェースIf2の識別子もプリフィックスP2も添付する必要はない。LMA/HA512には、時点T0における最適化要求メッセージ516が既に通知されているためである。したがって、時点T0における最適化要求メッセージ516により、時点T1における垂直ハンドオフのシグナリングのパケットサイズを最適化できることがわかる。
MAG/WLAN502は、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を受信すると、HIオプション(=2)と、ATTオプションを含むPBUメッセージ519をLMA/HA512に送信する。LMA/HA512は、PBUメッセージ519を受信すると、まず、NAIにより識別されるMN500が、特定のアクセス技術タイプ(ATT)により参照される浮動プリフィックスに対して特別な要求を有するか否かをチェックする。また、LMA/HA512は、PBUメッセージ519を受信すると、ATTオプションに基づいてPBUメッセージ519がWLANのアクセス技術タイプのネットワークから来たものであることを識別して、WiMAXのプリフィックスを移す必要があることを識別し、さらにプリフィックスP2を識別する。そして、PBUメッセージ519に対するPBAメッセージ(不図示)でプリフィックスP2がMAG/WLAN502に移される。したがって、MN500は、LMA/HA512がプリフィックスP2を識別するためにWiMAXインタフェースIf3の識別子についての情報を与えることなく、プリフィックスP2を参照する。なお、時点T0として、MN500の3GPPインタフェースIf1がMAG/3GPP513に接続して2つのコネクション(PDN(Packet Data Network)コネクション)を確立しており、それぞれのコネクションに対してプリフィックスP1とP2が割り当てられている状態であってもよい。この場合、時点T0では、3GセルラインタフェースIf1で確立されているコネクションののうち、P2が割り当てられているコネクションをWLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3へ移すコネクション(浮動コネクション)であることを示すために、MN500は、P2が割り当てられているコネクションに関連付けられる識別情報(コネクションID)を含む最適化要求メッセージをMAG/3GPP513経由、又は直接LMA/HA512に登録する。なお、識別情報としては、本実施の形態で述べているように、プリフィックスを用いてもよい。そして、時点T1及び後述する時点T2では、WLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3から垂直ハンドオフ・トリガメッセージが送信され、プリフィックスP2が割り当てられているコネクションのみが移される。また、3GPPネットワークへのコネクション確立手続中に、プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2及びWiMAXインタフェースIf3で使用する浮動プリフィックスであることがMN500に通知されてもよい。この通知を受けたMN500は、WLANインタフェースIf2、WiMAXインタフェースIf3で垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する際には、プリフィックスP2を含める必要がないと判断する。なお、3GPPインタフェースIf1上で複数のコネクションが確立されており、そのうちの特定のコネクションをWLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3へ移すというシナリオは、本発明の第2の実施の形態以降に対しても適用することができる。
<時点T2>
MN500がWiMAXアクセスネットワーク503aに移動して、MAG/3GPP513、MAG/WiMAX503からのRAメッセージ513、510を受信したときの動作も同様であり、MN500はWiMAXインタフェースIf3から、HIフラグ(=2)のみの垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518をMAG/WiMAX503に送信し、また、MAG/WiMAX503はHIフラグとATTオプションを含むPBUメッセージ522をLMA/HA512に送信する。LMA/HA512の処理は、時点T1の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。なお、MN500は、そのフローに対して上記の固定の静的な垂直ハンドオフ規則を必要としない場合には、その規則を削除するための明示的なメッセージをLMA/HA512に送信する。
<最適化要求メッセージ516の他の形態>
図2は、(1)L2の最適化要求メッセージ516及びL3のPBUメッセージ517と、他の例として、(2)MN500がLMA/HA512に直接に送信する最適化要求メッセージ506Bを示す。
(1)L2の最適化要求メッセージ516は、初期のL2アソシエーション時に送信することができ、L3のシグナリング・メッセージ517は、L2確立が成功した後に送信することができる。MAG/3GPP513は、L2の最適化要求メッセージ516内の浮動プリフィックスを参照する必要はなく、単に最適化要求メッセージ516の内容をシグナリング・メッセージ517としてPBUメッセージでLMA/HA512に転送すればよいだけである。この場合、最適化要求メッセージ516の内容がPBUメッセージ517の新しいタイプのモビリティ・オプションとして埋め込まれるか、又は新しいモビリティ・メッセージのヘッダの新しいフィールドにより浮動プリフィックスとアクセス技術タイプが送信される。なお、最適化要求メッセージ516は、RS(Router Solicitation)メッセージや、NS(Neighbor Solicitation)メッセージ、あるいはBUメッセージや、FBU(Fast Binding Update)メッセージなどのL3メッセージであってもよい。
(2)別の形態として、MN500がMAG/3G513に問い合わせてLMA/HA512のアドレスを取得した後、図のようにLMA/HA512に直接に最適化要求メッセージ506Bを送信する。この方法は、MAG/3G513の処理がやや軽減される。MN500がLMA/HA512のアドレスを取得する他の方法として、MN500がAAAサーバ(不図示)に問い合わせる方法がある。ここで理解すべき重要な点は、MN500がホームのPMIPv6ドメイン内511に位置していてホームプリフィックスを3GセルラインタフェースIf1が参照する場合、この直接の最適化要求メッセージ506Bは、新しいモビリティヘッダのメッセージ拡張ヘッダを有するメッセージでもよい。また、MN500が外部のドメインに位置している場合、メッセージ506Bは、新しいオプションを有するBUメッセージでもよい。また、LMA/HAとの間でやり取りされるIKE(Internet Key Exchange)やIPSec(IP security)などのシグナリングを用いてもよい。例えば、3GセルラインタフェースIf1がセルラネットワーク511に接続する際に行う接続手続き(Attach Procedure)や接続更新手続きの中でこの要求を通知してもよい。また、WLANインタフェースIf2やWiMAXインタフェースIf3などがNon3GPPネットワークに接続した際に行う接続手続きや接続更新手続きの中でこの要求を通知してもよい。さらに別の形態として、MN500がネットワーク・トラフィックに関する情報を有する場合には、別のインタフェース、例えばWLANインタフェースIf2又はWiMAXインタフェースIf3を選択して、最適化要求メッセージ516を送信するインタフェースとして使用することができる。
図2に示す最適化要求メッセージ506BをMN500がLMA/HA512に直接に送信できる場合とは、LMA/HA512がMN500のMIPv6ホームエージェントであってMN500がLMA/HA512のアドレス情報を有する場合である。MN500がLMA/HA512のアドレスを知得していない場合、MN500は、接続(attach)しているMAG/3GPP513、又はAAAサーバ、DNSなどを利用してLMA/HA512のアドレスを取得する必要がある。ここで理解すべき重要な点は、LMA/HA512がMN500のMIPv6ホームエージェントである場合にのみLMA/HA512への直接の通知による効果があることにある。なお、LMA/HA512がMN500のMIPv6ホームエージェントでない場合であっても、MN500がLMA/HA512のアドレスを取得するための手段・シグナリングが利用できる場合は、それらを用いてLMA/HA51のアドレスを取得した後に、最適化要求メッセージ506Bを送信してもよい。MN500がLMA/HA512のアドレスを知得している場合には、LMA/HA512への直接の通知は、MAG/3GPP513の負荷を減少することができる。
<最適化要求メッセージのフォーマット>
最適化要求メッセージ516、506Bの詳細な3つの構成例を図3A、図3B、図3Cを参照して説明する。
(a)図3Aに示すフレーム507Eは、最適化要求メッセージ516がL2メッセージである場合のフレーム構造を示し、先頭から順次、開始フラグ(Flag)500Eと、アドレス(Address)501Eと、制御(Control)502Eと、プロトコルID(Protocol ID)503Eと、情報(Information)504Eと、FCS(Frame Check Sequence)505Eと終了フラグ(Flag)506Eの各フィールドにより構成されている。
開始フラグ500Eはフレーム507Eの先頭を示すフラグであり、2番目のフィールドのアドレス501Eは、MAC(Media Access Control)アドレスであって、L2パケットの送信元アドレスとあて先アドレスを含む。例えば送信元アドレスはMN500のインタフェースIf1のMACアドレスであり、あて先アドレスはMAG/3GPP513のイングレス・インタフェース(不図示)のMACアドレスである。3番目のフィールドの制御502Eは、使用されているフレームのタイプを識別するための情報であって、受信側がこのL2のフレーム507Eを正しく処理するために重要である。基本的に、制御502Eは、フレーム507Eのタイプすなわち最適化要求メッセージ516のタイプを識別するために使用される。
4番目のフィールドのプロトコルID503Eは、上位の層で発生するパケットのみに対する値であって、メッセージ517がL2で発生する場合にはオール0である。ただし、メッセージ516がL2で発生することができても、メッセージ516を送信する決定と、メッセージ516内に埋め込まれている関連パラメータは、L3から来なければならない。次のフィールドの情報504Eは、垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスと、垂直ハンドオフ時のアクセス技術タイプ(例えばWiMAXか又はWLANの識別子)を含む。情報504Eの後にFCS505Eのフィールドが続き、FCS505Eは、フレームチェックシーケンスフィールドであり、フレーム507Eが誤りなく伝送(誤りが識別及び訂正)されているか否かを確認するために送信側と受信側により計算される。最後のフィールドの終了フラグ506Eは、フレーム507Eのデリミタとして、基本的にはフレーム507Eの終了を識別するために使用される。ここで、フレーム507Eの構造は、本発明を逸脱しない範囲で図3Aに示す構造と同じである必要はない。さらには、本発明を逸脱しない範囲で、最適化要求メッセージ516として、図3Aに示したL2メッセージの代わりにL3メッセージを用いてもよい。例えば、NS(Neighbor Solicitation)メッセージやRS(Router Solicitation)メッセージ、さらには、IKEv2メッセージやモビリティヘッダを含むメッセージ(BUメッセージや、新しいタイプのモビリティヘッダ)であってもよい。なお、モビリティヘッダを含むメッセージである場合、後述する図3B又は図3Cに示されるような構造を用いてもよい。
前述したように、MN500は最適化要求メッセージ516を送信するためのパケットをL3で送信することもできる(図2の506B)。L3のシグナリングが使用される場合には、MN500は新しいモビリティ拡張ヘッダか又は新しいモビリティ・オプション付きのBUメッセージを使用することができる。
(b)図3Bは、新しいモビリティ拡張ヘッダ(New Mobilityextension Header)510Eを有するシグナリング・パケット515Eを示す。パケット515Eについて以下に詳しく説明する。パケット515Eの最初のヘッダは、標準のIPv6ヘッダ(IPv6 Header)508Eであり、IPv6ヘッダ508Eは、MN500のHoA又はCoAがセットされる送信元アドレスと、LMA/HA512のアドレスがセットされるあて先アドレスを含む。パケット515Eの次のヘッダは接続認証ヘッダ(Authentication Header)509Eであり、MN500とLMA/HA512の間で交換されたセキュリティ・キーにより署名された接続認証データを有する。ヘッダ509Eは望ましいフィールドであるが、必須ではない。
第3のヘッダが新しいモビリティ拡張ヘッダ510Eであり、ヘッダ510Eは最初に標準のモビリティ拡張ヘッダ(Standard fields of mobility extension Header)511Eを有し、標準のモビリティ拡張ヘッダ511Eは、プロトコル番号、モビリティ・ヘッダタイプ、チェックサムなどを含む。新しいモビリティ拡張ヘッダ510Eはさらに3つの標準のフィールド512E、513E、514Eを有する。第1のフィールド(Floating Prefix)512Eは、垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスを示す。もし多くの浮動プリフィックスがある場合にはこのフィールド512Eは大きくなる。ただし、複数の浮動プリフィックスがある場合には、その数を示すフィールドがメッセージ内にあるべきである。次のフィールド(Access Technology type 1)513Eは、垂直ハンドオフ時の第1のアクセス技術タイプ(WLAN)を示し、3番目のフィールド(Access Technology type 2)514Eは、垂直ハンドオフ時の第2のアクセス技術タイプ(WiMAX)を示す。ここで、新しいモビリティ拡張ヘッダ510Eのフィールドを構成する方法は多く存在することを強調したい。ただし、ここでは、望ましい1つの方法であるパケット515Eを示す。
(c)図3Cは、最適化要求メッセージを送信するための第3の例としてBUメッセージのパケット523Eの構造を示す。図3Bと同様に、パケット523Eの最初のヘッダはIPv6ヘッダ(IPv6 Header)516Eであり、次のヘッダは望ましくは接続認証ヘッダ(Authentication Header)517Eである。接続認証ヘッダ517Eの後にBUモビリティ拡張ヘッダ(Binding Update mobilityextension Header)518Eが続く。ヘッダ518Eの最初のフィールドは標準のBU拡張ヘッダ(Standard fieldsof binding updateextension Header)519Eであり、例えば存続期間、シーケンス番号などのBU内の標準の全てのフィールドを含む。
標準のBU拡張ヘッダ519Eの後に新しいオプション・フィールド(Floating Prefix)520E、(AccessTechnology type 1)521E、(Access Technology type 2)522Eが設けられている。図3Bと同様に、最初のオプション・フィールド(Floating Prefix)520Eは、垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスを示す。また、2番目のオプション・フィールド(Access Technology type 1)521Eは、垂直ハンドオフ時の第1のアクセス技術タイプ(WLAN)を示し、3番目のオプション・フィールド(Access Technology type 2)522Eは、垂直ハンドオフ時の第2のアクセス技術タイプ(WiMAX)を示す。なお、浮動プリフィックスが適用されるインタフェースを示すために含まれているATTフィールドは、必ずしも2つである必要はなく、適用されるインタフェースが1つしかない場合は1つだけ含まれ、3つ以上のインタフェースに対して適用される場合は、3つ以上含まれる。
<MNの動作>
次に図4を参照してMN500の動作を説明する。MN500はまず、ステップ500Aにおいて特定のアクセス技術タイプ(ATT)経由で一定の時間、受信したい特定のフロー(プリフィックス)があるか否かをチェックする。もしNOであればステップ504Aに分岐して、通常のPMIPv6の垂直ハンドオフを実行して、HI=2と、垂直ハンドオフするインタフェースの識別子(If−ID)を含む垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。
他方、ステップ500AにおいてYESであればステップ501Aに進み、前述した最適化要求メッセージ516を送信する前に、そのプリフィックスを希望のATT(WLANとWiMAX)経由で参照することが可能か否かをチェックする。ここで、MN500は、接続中のドメインに関連するセル構造(以前に接続したネットワーク情報等)の情報を記憶している場合、ステップ501Aにおいて、そのセル構造の情報を参照して、上記のチェックを実行してもよい。もしYESであればステップ502Aに進んで、浮動プリフィックスを通知するための最適化要求メッセージ516を送信し、次いで終了する。このとき、浮動プリフィックスは、MN500の安定している接続インタフェースを使用して通知される。
なお、ステップ501Aは必ずしも実行する必要はない。また、ステップ500Aを開始するトリガとして、LMA/HA512やAAAサーバ等のネットワーク・エンティティから、浮動プリフィックスを選択することを要求する通知を受けた場合に、ステップ500Aで、MN500が保持するプリフィックスの中から特定のATTで参照したいプリフィックスを選択するようにしてもよい。また、MN500が保持するプリフィックスの中で、特定のプリフィックスを移動する垂直ハンドオーバが一定回数以上発生した場合に、そのプリフィックスを浮動プリフィックスとして選択するようにしてもよい。また、お互いが補完する関係にあるアクセスネットワークが存在する場合には、それらのアクセスネットワーク間で移動させるプリフィックスを選択し、そのプリフィックスを浮動プリフィックスとして登録してもよい。さらには、LMA/HA512やAAAサーバから、明示的に浮動プリフィックスを通知され、そのプリフィックスを浮動プリフィックスとして使用すると判断した場合に、その判断結果を通知するためのメッセージとして最適化要求メッセージ516を送信することを判断してもよい。また、MN500の移動頻度や接続状態に応じて、浮動プリフィックスを選択してもよい。この場合、一定時間の間に発生するハンドオーバの回数(垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の送信回数)があらかじめ決められた回数を上回る場合に、浮動プリフィックスを選択し、最適化要求メッセージ516を送信することを判断してもよい。これにより、送信頻度が高い垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518のパケットサイズを減少させることができる。
他方、ステップ501AにおいてNOであればステップ503Aに分岐し、上記の所望のセル構造の情報をLMA/HA512又は不図示のMIH(Media Independent Hand-off)サーバから取得可能か否かチェックする。そして、もしYESであればステップ502Aに進んで、浮動プリフィックスを通知するための最適化要求メッセージ516を送信する。ここで理解すべき重要な点は、ステップ503AにおけるMN500の判定が、何かの既に構成されている情報に基づくべきであることにある。例えばMN500は、MIHサーバを有するドメインに関する情報を有するかもしれないし、また、そのようなドメインではLMA/HA512がセルのタイプやセル構造の情報を有するかもしれない。ステップ503AにおいてNOであればステップ504Aに分岐して、通常のPMIPv6の垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。
<MNの構成>
次に図5を参照してMN500の構成について説明する。図5はMN500の構成を機能的に示すブロック図である。ここで、図5では、MN500がMIPv6モビリティ管理ユニット504Dを有するように記載されているが、第1の実施の形態のMN500は、単にIPv6ホストであるMNや、マルチホーミングをサポートする機能を有するMNを含む全てのタイプのMNに適用することができる。さらに、レイヤ2のプロトコルスタックにプリフィックスとそのプリフィックスに関連するフローの知性を与えた場合、レイヤ3を変更せずにレイヤ2に適用することができる。
図5に示すMN500はMIPv6の機能的構成を示し、3つの主要なモジュールとして下位層プロトコル・モジュール506Dと、レイヤ3プロトコル・モジュール502Dと、上位層プロトコル・モジュール501Dを有する。下位層プロトコル・モジュール506Dは、MN500のインタフェースIf1、If2、If3に直接に関連している複数の下位レイヤ(層)プロトコルモジュール(不図示)を有し、例えばそのモジュールの数とインタフェースの数は同じである。下位層プロトコル・モジュール506Dはまた、インタフェースIf1、If2、If3用の信号変調、コード化、圧縮、メディアアクセスコントロール及びリンク層コントロールなどを含む基本的なデータ通信に必要な全ての物理層とリンク層の機能を有する。
下位層プロトコル・モジュール506Dはさらに、2つの異なるアクセス技術タイプの間の垂直ハンドオフ用として1つのプリフィックスを浮動プリフィックスとして割り当てるための最適化要求メッセージ516をサポートする下位層垂直ハンドオフ・トリガユニット507Dを有する。基本的には、レイヤ3の垂直ハンドオフ決定ユニット505Dが最適化要求メッセージ516、及び垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の送信を決定すると、この情報及び関連するパラメータがインタフェース508Dを経由してトリガユニット507Dに送られる。最適化要求メッセージ516をMAG/3GPP513に送信するレイヤは、実際にはトリガユニット507Dによるレイヤ2である。なお、最適化要求メッセージは必ずしもレイヤ2に備える必要はなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲でレイヤ3に備えることができることは明らかである。トリガユニット507Dは、レイヤ3で決定された情報を含む最適化要求メッセージ516、及び垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を直接にMAG/3GPP513に送信する。トリガユニット507Dから送信される最適化要求メッセージ516、及び垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518のあて先アドレスとしては、MAG/3GPP513のリンク層アドレスが使用される。
もし、垂直ハンドオフ・トリガユニット507Dがレイヤ3プロトコル・モジュール502Dに備えられている場合には、最適化要求メッセージ516のパケットのあて先アドレスとして、MAG/3GPP513のリンクローカルアドレスがセットされて下位層プロトコル・モジュール506Dに送られる。この場合の下位層プロトコル・モジュール506Dの主な機能は、そのパケットをレイヤ2を用いてカプセル化することである。
レイヤ3プロトコル・モジュール502Dは3つのサブモジュールとして、IPv6ルーティング・ユニット503Dと、MIPv6モビリティ管理ユニット504Dと、上記の垂直ハンドオフ決定ユニット505Dを有する。主要な機能であるIPv6ルーティング・ユニット503Dは、主にパケット・ルーティング、アドレス構成、近隣発見(neighbor discovery)などを実行する。MIPv6モビリティ管理ユニット504DはMN500の1又は複数のインタフェースのモビリティ管理を処理する。垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、最適化要求メッセージ516で送信される垂直ハンドオフ用のプリフィックスと必要なパラメータを決定する。
また、垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信することを決定する。具体的な処理内容としては、垂直ハンドオフを実行する際に、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信するインタフェース(ハンドオフ先となるインタフェース)が接続しているネットワークが、最適化要求メッセージ516で登録したアクセス技術タイプに該当するネットワークであるか否かを確認し、該当するネットワークである場合には、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の中に、送信に使用するインタフェースのインタフェース識別子を含めない垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。一方、登録したアクセス技術タイプに該当しないネットワークである場合には、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518の中に、送信に使用するインタフェースのインタフェース識別子を含めた垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。
さらに詳しく言えば、垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、ネットワークとの接続が切断されたインタフェース、あるいはネットワークとの接続が切断されそうなインタフェースがあるときに、そのインタフェースが接続しているネットワーク、あるいは接続していたネットワークが、最適化要求メッセージ516で登録したアクセス技術タイプに該当するネットワークであるか否かを確認する。その結果、該当するネットワークであった場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録した別のアクセス技術タイプへ接続しているインタフェースが存在するか否かを確認し、存在する場合には、そのインタフェースを垂直ハンドオフ・トリガメッセージの送信に使用するインタフェースとして選択し、選択したインタフェースのインタフェース識別子を含まない垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。一方、存在しない場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録していない他のネットワークへ接続しているインタフェースを使用し、そのインタフェースのインタフェース識別子を含む垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信する。
また別の決定方法として、垂直ハンドオフ決定ユニット505Dは、ネットワークに新たに接続したインタフェース、あるいはネットワークと新たに接続されそうなインタフェースがあるときに、そのインタフェースが接続しているネットワーク、あるいは接続しそうなネットワークが、最適化要求メッセージ516で登録したアクセス技術タイプに該当するネットワークであるか否かを確認する。その結果、該当するネットワークであった場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録した別のアクセス技術タイプへ接続しているインタフェースが存在するか否かを確認し、存在する場合には、ネットワークに新たに接続したインタフェースを垂直ハンドオフ・トリガメッセージの送信に使用するインタフェースとして選択し、選択したインタフェースのインタフェース識別子を含まない垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を生成し、送信する。一方、存在しない場合には、同じ最適化要求メッセージ516で登録していない他のネットワークへ接続しているインタフェースを使用し、そのインタフェースのインタフェース識別子を含む垂直ハンドオフ・トリガメッセージ518を送信する。上位層プロトコル・モジュール501Dは、トランスポート層やアプリケーション層のプロトコルを実行する。
<LMA/HAの動作>
次に図6を参照してLMA/HA512の動作について説明する。LMA/HA512はまず、MAGからのPBUメッセージを受信するとステップ500Cの処理を実行する。ステップ500CではそのPBUメッセージが、LMA/HA512に対して登録する垂直ハンドオフ規則が含まれていない通常の垂直ハンドオフ・トリガメッセージに関するものか否かをチェックする。もしYESであればステップ502Cに分岐して、通常の垂直ハンドオフ処理を実行し、バインディングキャッシュ・エントリをチェックしてMN500の古いインタフェースに関連するプリフィックスを新しいインタフェースに与える。
ステップ500CにおいてNOであればステップ501Cに進んで、そのPBUメッセージが、浮動プリフィックスに対する静的な垂直ハンドオフのための規則を含む新しい最適化要求メッセージか否かをチェックする。もしYESであればステップ503Cに分岐して、受信メッセージ内の浮動プリフィックスとアクセス技術タイプ(WLAN及びWiMAX)をバインディングキャッシュに登録する。ここで、LMA/HA512は浮動プリフィックスとアクセス技術タイプを登録するために、バインディングキャッシュ・エントリ内に新しいフィールドを生成することができるが、LMA/HA512がいかに登録するかは、構成次第である。
ステップ501CにおいてNOであればステップ504Cに進んで、そのPBUメッセージが、最適化要求メッセージを受信して浮動プリフィックスに対する静的及び固定の垂直ハンドオフ規則を設定した後の垂直ハンドオフ・トリガメッセージか否かをチェックし、もしYESであればステップ505Cに分岐する。ステップ505Cでは、静的及び固定の垂直ハンドオフ規則を設定したMNであるか否か、また、WLAN経由でトリガされた垂直ハンドオフに対応するWiMAXのバインディングが存在するか否か、又はその逆をチェックして、全てYESであれば、WLAN−WiMAX間の垂直ハンドオフ時に一義的に使用する浮動プリフィックスを割り当てる。
他方、ステップ504CにおいてNOであればステップ506Cに進み、そのPBUメッセージが、静的及び固定の垂直ハンドオフ規則の破棄を要求するメッセージか否かをチェックし、もしYESであればその垂直ハンドオフ規則を破棄し、また、ステップ502Cに進んで通常の垂直ハンドオフ処理を実行する。また、ステップ506CにおいてNOであればステップ507Cに進み、特別な方法による静的な垂直ハンドオフ処理を実行する。
<LMA/HAの構成>
次に図7を参照してLMA/HA512の構成について説明する。図7はLMA/HA512の構成を機能的に示すブロック図である。LMA/HA512はレイヤ3プロトコル・モジュール501Fと、レイヤ3より下位の層の下位層プロトコル・モジュール506Fを有する。下位層プロトコル・モジュール506Fは、全てのデータリンク層とベースバンドレベルの機能を有する。レイヤ3プロトコル・モジュール501Fは4つのサブモジュールとして、PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fと、IPv6ルーティング・ユニット503Fと、MIPv6モビリティ管理ユニット504Fと、垂直ハンドオフ・サポートユニット505Fを有する。ここで、図面では、これらのモジュール501F、506F及びユニット502F、503F、504F、505Fの間にはインタフェースが示されていないが、実際には存在する。
IPv6ルーティング・ユニット503Fは、パケット・ルーティング、アドレス構成、近隣発見などの標準のIPv6のメカニズムを担当する。MIPv6モビリティ管理ユニット504Fは、MIPv6のホームエージェントと同様なメカニズムを担当し、例えばCMIPv6のBUメッセージの処理、そのBUメッセージに対するACK信号(BAメッセージ)の送信、データパケットのトンネル化、バインディングキャッシュの維持などを実行する。PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fは基本的に、PMIPv6(非特許文献2)に開示されているLMAの機能を備えている。このユニット502Fに関連する機能とは、種々のオプション(HIオプション、アクセス技術オプションなど)を有するPBUメッセージの処理、そのPBUメッセージに対するACK信号(PBAメッセージ)の送信、PMIPv6ドメインに加入しているMNからのアップリンク・パケット及びダウンリンク・パケットの処理などである。ここで理解すべき重要な点は、PMIPv6モビリティ管理ユニット502FとMIPv6モビリティ管理ユニット504Fは、それぞれ基本的な機能が異なっているが、1つに結合したモジュールで構成し、また、PMIPv6キャッシュとCMIPv6キャッシュの両方を1つのバインディングキャッシュが有するように構成することができることである。なおユニット502F、504Fを備えるには多くの方法があり、制限するものではない。
最後の垂直ハンドオフ・サポートユニット505Fは、最適化要求メッセージ516を処理して、1以上のMN500に関連する浮動プリフィックスに関する処理結果をPMIPv6キャッシュにセットする。ユニット505Fはさらに、MN500が静的な垂直ハンドオフ規則を破棄するときにMN500から送信されるメッセージを処理する。ユニット505Fはさらに、垂直ハンドオフが実行されるときに、PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fから、浮動プリフィックスを割り当てるための問い合わせを受ける。この問い合わせにおけるパラメータとは、MN500の現在のアクセス技術タイプと、垂直ハンドオフがトリガされたアクセス技術タイプと、浮動プリフィックスなどである。ユニット505Fはこれらのパラメータから、垂直ハンドオフの間に与えるプリフィックスを決定してPMIPv6モビリティ管理ユニット502Fに通知する。基本的に、浮動プリフィックスの割り当てについての決定は、垂直ハンドオフ・サポートユニット505Fが行うが、浮動プリフィックスを通知するPBAメッセージは、PMIPv6モビリティ管理ユニット502Fにより構成される。
本発明の第1の実施の形態により、最適化要求メッセージ516で継続的に使用するプリフィックスを登録したMN500は、垂直ハンドオフを実行する際に送信する垂直ハンドオフ・トリガメッセージの中に、移動させるプリフィックスを明示的に含める必要がなくなるという効果が得られる。
<第2の実施の形態>
次に、同じ図1を参照して第2の実施の形態について説明する。ここで、第1の実施の形態では、LMA/HA512は、MN500からの最適化要求メッセージ516により、MN500の静的な垂直ハンドオフ規則を検知して垂直ハンドオフ・トリガメッセージのパケットサイズを最適化しているが、第2の実施の形態におけるLMA/HA512は、最適化要求メッセージ516を受信することなく、自らの判断で垂直ハンドオフ・トリガメッセージのパケットサイズを最適化する。第2の実施の形態では、LMA/HA512は常に、プリフィックスP2がWiMAXとWLANのアクセス技術タイプを経由してハンドオフされることを注目及び学習してMN500の意図を予測し、MN500に対して、シャットダウンするインタフェースの識別子を垂直ハンドオフ・トリガメッセージで通知しないように通知する。基本的に、LMA/HA512は、MN500の意図を識別して、LMA/HA512が自ら静的な垂直ハンドオフ規則を決定し、MN500に通知する。なお、情報サーバが保持するMN500に関する情報の中に静的な垂直ハンドオフ規則が含まれていてもよい。この場合、LMA/HA512は情報サーバから取得した情報を基に、MN500に静的な垂直ハンドオフ規則を通知する。
第2の実施の形態の主要な利点は、MN500の処理(最適化要求メッセージ516の送信)を省略することにある。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、図1において、MN500が静的な垂直ハンドオフ規則(最適化要求メッセージ516)をMN500のプロキシノードであるMAG/WiMAX501又はMAG/3GPP513に通知して、MAG501又は513がその規則を他のMAG502、503にCT(context transfer)で転送するものとする。MN500は、静的な垂直ハンドオフ規則をドメイン511に通知することを決定すると、最初に例えばMAG/WiMAX501に通知する。前述したように、最適化要求メッセージ516では、MN500がWLAN経由又はWiMAX経由で一義的に参照したいプリフィックスP2が通知される。このプリフィックスP2の情報をMAG/WiMAX501に通知する想定に加えて、さらにMN500が次のアクセスルータ(AR)であるMAG/WLAN502の識別子を転送する。次のARの識別子とは、WLANのESSID(Extended Service Set ID)と同様な何かの識別子である。したがって、MAG/WiMAX501はこの識別子を用いて、次のMAG/WLAN502のIPv6アドレスを識別する。基本的に、垂直ハンドオフ規則は、垂直ハンドオフの間は継続して与えられる必要がないが、次のARの情報が古いMAG/WiMAX501に与えられなければならない。したがって、新しいMAG502、503に送信されるトリガメッセージのパケットサイズを減少できるが、MN500が次のMAG/WLAN502に垂直ハンドオフ規則の情報を送信するのはあまり有用ではない。ただし、完全にネットワーク制御の垂直ハンドオフが確立されている場合に有用である。
<第4の実施の形態>
次に図8を参照して第4の実施の形態について説明する。図8に示すネットワーク構成では、MN600がインタフェースとして、3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2の2つのインタフェースを有し、また、MN600が軌跡604に沿って移動する際にWLANインタフェースIf2が接続(attach)するWLANアクセスネットワーク601a、602a、603aが連続していないことを想定している。このため、MN600のWLANインタフェースIf2は、時点T0ではWLANアクセスネットワーク601a及びMAG/WLAN601に接続(attach)し、時点T1ではWLANアクセスネットワーク601a及びMAG/WLAN601との接続(connection)を失い、時点T2では次のWLANアクセスネットワーク602a及びMAG/WLAN602に再び接続(attach)し、時点T3ではWLANアクセスネットワーク602a及びMAG/WLAN602との接続(connection)を失い、時点T4では次のWLANアクセスネットワーク603a及びMAG/WLAN603に再び接続(attach)するものとする。なお、本実施の形態におけるインタフェースIf1、インタフェースIf2は、任意のアクセス技術タイプでよい。例えば、3GセルラインタフェースIf1はWiMAXインタフェースIf3であってもよいし、さらには、WLANインタフェースIf2はWiMAXインタフェースIf3であってもよい。
<時点T0>
時点T0におけるMN600は、3GセルラインタフェースIf1及びMAG/3GPP618経由のRAメッセージ605でプリフィックスP1を参照し、また、WLANインタフェースIf2及びMAG/WLAN601経由のRAメッセージ606でプリフィックスP2を参照している。
<時点T1>
次にMN600が軌跡604に沿って移動して、時点T1ではWLANインタフェースIf2がMAG/WLAN601との接続(connection)を失う。この場合、MN600は、HIフラグ(=2)のみを有する垂直ハンドオフ・トリガメッセージ621を3GセルラインタフェースIf1経由でMAG/3GPP618に送信する必要がある。
ここで理解すべき重要な点は、MN600が2つのインタフェースIf1、If2のみを有するので、MN600が垂直ハンドオフ・トリガメッセージ621をMAG/3GPP618に送信するときにWLANインタフェースIf2の識別子の情報をメッセージ621で通知することなく、プリフィックスP2が3GセルラインタフェースIf1に移されることにある。この理由は、LMA/HA619では、MAG/3GPP618から不図示の新しいPBUメッセージ(HI=2)が到着したときには、MAG/WLAN601及びMN600に関する1つのバインディングキャッシュ・エントリのみが存在するからである。このため、時点T1では、MN600はトリガメッセージ621の送信後に、MAG/3GPP618から受信するRAメッセージ607でプリフィックスP1、P2を参照する。なお、不図示ではあるが、時点T0において、MN600は、プリフィックスP2を浮動プリフィックスとして指定した最適化要求メッセージをMAG/3GPP618経由で、又は直接LMA/HA619へ送信する。また、時点T0として、MN600の3GPPインタフェースIf1がMAG/3GPP618に接続して2つのコネクション(PDN(Packet Data Network)コネクション)を確立しており、それぞれのコネクションに対してプリフィックスP1とP2が割り当てられている状態であってもよい。この場合、時点T0では、3GセルラインタフェースIf1で確立されているコネクションののうち、P2が割り当てられているコネクションをWLANインタフェースIf2へ移すコネクション(浮動コネクション)であることを示すために、MN600は、P2が割り当てられているコネクションに関連付けられる識別情報(コネクションID)を含む最適化要求メッセージをLMA/HA619に送信し、登録する。なお、識別情報としては、プリフィックスP2を用いてもよい。そして、時点T2、T4では、WLANインタフェースIf2から垂直ハンドオフ・トリガメッセージが送信され、プリフィックスP2が割り当てられているコネクションのみが移される。また、3GPPネットワークへのコネクション確立手続中に、プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2で使用する浮動プリフィックスであることがMN600に通知されてもよい。この通知を受けたMN600は、WLANインタフェースIf2、WiMAXインタフェースIf3で垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する際には、プリフィックスP2を含める必要がないと判断する。
<時点T2>
ここで、MN600が軌跡604に沿ってさらに移動して、時点T2で新しいWLANアクセスネットワーク602aのMAG/WLAN602を発見したとき、MN600がプリフィックスP2用の垂直ハンドオフを希望するものとする。なお、この想定では基本的に、MN600は常に(一義的に)、プリフィックスP2をWLANインタフェースIf2経由で希望し、また、プリフィックスP1を3GセルラインタフェースIf1経由で希望するものとする。したがって、MN600は時点T2では、MAG/WLAN602における垂直ハンドオフをトリガして、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ622でプリフィックスP2をMAG/WLAN602に通知する。ここでのトリガメッセージ622は新しいタイプの信号である。その理由は、3GセルラインタフェースIf1経由で得られたプリフィックスP1、P2からプリフィックスP2を選択してWLANインタフェースIf2に移すからである。
ここで理解すべき重要な点は、この動作が非特許文献2に記載されている動作と異なることである。図8に示す第4の実施の形態では、MN600が3GセルラインタフェースIf1に関連する他のプリフィックスP1を移すことなく、WLANインタフェースIf2経由で参照したいプリフィックスP2を垂直ハンドオフする。この動作では、MN600が垂直ハンドオフ・トリガメッセージ622内に新しいHIフラグを使用し、LMA/HA619がこの新しいHIフラグとプリフィックスP2を参照して正しいプリフィックスP2をPBAメッセージ(不図示)でMAG/WLAN602に通知する必要がある。
ここで理解すべき重要な点は、HIフラグが上記の新しい値にセットされない場合、LMA/HA619がMAG/WLAN602からのPBUメッセージ(不図示)を非特許文献2に記載されている通常の動作で処理して、プリフィックスP1、P2の両方をMAG/WLAN602に割り当てることである。非特許文献2のドラフトによれば、2つのインタフェースIf1、If2を有するMN600がWLAN経由の垂直ハンドオフを実行するときには、3GセルラインタフェースIf1に関連する全てのプリフィックスがWLANインタフェースIf2にハンドオーバされる。基本的に、PMIPv6のベースのドラフトによれば、現在登録されているインタフェースに関連する全てのプリフィックスを垂直ハンドオフ中に新しいインタフェースに移す。したがって、この想定では、MN600が2つのインタフェースIf1、If2を有する場合、あるプリフィックスを移すときには新しいHIオプションが必要である。このため、特定のプリフィックスP2を必要とするMN600の希望をLMA/HA619に指示する必要があり、プリフィックスP2と新しいHIオプションがMAG/WLAN602でPBUメッセージ(不図示)に挿入されてLMA/HA619に送信される。なお時点T2においてトリガメッセージ622を受けた際に、LMA/HA619の判断で、3GセルラインタフェースIf1に割り当てられているプリフィックスP1、P2のうち、以前WLANインタフェースに割り当てられていたプリフィックスであるP2を選択してMN600へ割り当ててもよい。この場合、LMA/HA619は、プリフィックスP2が3GセルラインタフェースIf1に移された後でも、P2が以前WLANインタフェースIf2に割り当てられていたものであることを記憶しておく。これにより、MN600はトリガメッセージ622に新しいHIフラグを使用する必要がなくなる。なお、MN600は、3Gネットワーク上のANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)サーバから取得しているハンドオーバ情報(Inter-system mobility policy、Access Network Discovery information)の中に、WLANインタフェースIf2に割り当てられたプリフィックスを、垂直ハンドオーバ後も引き続き使用するプリフィックス(浮動プリフィックス)として使用することが明記されている場合には、移動させるプリフィックスを示す情報(インタフェース識別子又はプリフィックスP2)を含めずにトリガメッセージ622を送信する。これにより、トリガメッセージ622のメッセージサイズを減らすことができる。
<時点T3>
さらなる想定として、MN600がPMIPv6ドメイン620内をローミングして、時点T3でWLANインタフェースIf2が再びWLANアクセスネットワーク602aとの接続(connection)を失い、MN600はインタフェースIf1が接続(connect)されるのみとする。ここでも同様に、MN600は希望のプリフィックスP2と新しいHIオプションを用いてプリフィックスP2の垂直ハンドオフを実行する。
この新しいフラグは、1つのプリフィックス、又は複数のプリフィックスが選択された1つのプリフィックス・グループに対する3GネットワークとWLANの間の垂直ハンドオフする場合に特徴がある。ここで、3GネットワークとWLANの間の垂直ハンドオフでは、通常の垂直ハンドオフ・フラグ(HI=2)が使用される。本実施の形態の利点とは、垂直ハンドオフするプリフィックスが選択され、この選択されたプリフィックスに対してのみ垂直ハンドオフがトリガされる。本実施の形態は、MN600が2つのインタフェースIf1、If2を有する場合の新しい方法である。その理由は、垂直ハンドオフするインタフェースIf2の識別子を通知する必要がないからであり、このため、トリガメッセージのパケットサイズを減少することができる。
<MNの処理>
図9を参照してMN600の動作を説明する。まず、ステップ600Aにおいて例えばWLAN経由で参照したい特定のプリフィックスがあるか否かをチェックする。もしNOであればステップ603Aに分岐して、垂直ハンドオフする必要がある場合に通常の垂直ハンドオフ処理を実行し、次いでステップ600Aに戻る。すなわちステップ603Aでは、2つのインタフェースIf1、If2用のHI=2付きの垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。基本的に、インタフェースが2つの場合、インタフェースIf1、If2の識別子は送信する必要はなく、PBUメッセージはHIオプションのみで十分である。
ステップ600AにおいてYESであればステップ602Aに進み、その参照したいプリフィックスと新しいHIオプションで垂直ハンドオフをトリガ(トリガメッセージを送信)し、次いでステップ601Aに進む。ステップ600AにおいてNOであればステップ601Aに分岐し、その特定のプリフィックスをWLAN経由で参照したいという希望がまだあるか否かをチェックする。例えばある音声コールがその特定のプリフィックスを使用して開始する場合には、ステップ601Aの判定はYESとなってステップ603Aに進み、通常の垂直ハンドオフ処理を実行する。また、ステップ601Aの判定がNOの場合にはステップ600Aに戻る。
<第5の実施の形態>
次に図10を参照して第5の実施の形態について説明する。図10に示すネットワーク構成は図8とほぼ同じであるが、MN700がインタフェースとして、3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2の2つのインタフェースを有し、また、MN700が軌跡704に沿って移動する際にWLANインタフェースIf2が接続(attach)するWLANアクセスネットワーク701a、702a、703aが連続していることを想定している。このため、MN700のWLANインタフェースIf2は、時点T0ではMAG/WLAN701に接続(attach)し、時点T1ではMAG/WLAN701からMAG/WLAN702へ接続(connection)を切り替え、時点T2では次のMAG/WLAN702に接続(attach)し、時点T3ではMAG/WLAN702からMAG/WLAN703へ接続(connection)を切り替え、時点T4では次のMAG/WLAN703に接続(attach)するものとする。なお、本実施の形態におけるインタフェースIf1、インタフェースIf2は、任意のアクセス技術タイプでよい。例えば、3GセルラインタフェースIf1はWiMAXインタフェースIf2であってもよいし、さらには、WLANインタフェースIf2はWiMAXインタフェースIf3であってもよい。
第4、第5の実施の形態の違いを以下に示す。第4の実施の形態では、プリフィックスP2が垂直ハンドオフの間にMAG/3GPP618からMAG/WLAN602に通知されない場合には、LMA/HA619がプリフィックスP1、P2をWLANインタフェースIf2に送信する。一方、第5の実施の形態では、このような継続的なシグナリングを減少する。その理由は、第5の実施の形態においても、2つのインタフェースIf1、If2の垂直ハンドオフ規則が非常に静的であり、MN600が非常に静的なパターンで垂直ハンドオフを実行しているからである。この規則では、MN600がWLANに到達すると常にプリフィックスP2を移している。
そこで、第5の実施の形態では、時点T0におけるMN700は、この静的な規則を知得すると、垂直ハンドオフの最適化要求メッセージ705をMAG/3GPP707に送信する。MAG/3GPP707は、メッセージ705の内容をシグナリング・メッセージ706でLMA/HA718に転送する。メッセージ705は送信情報として、例えばMN700がWLANに到達したときにはプリフィックスP2がWLANインタフェースIf2に移されること、さもなければ3GセルラインタフェースIf1に移されることを希望している旨の垂直ハンドオフ情報を含む。つまり、MN700は、浮動プリフィックスとしてプリフィックスP2が設定された最適化要求メッセージを送信する。MN700がトリガメッセージ705でLMA/HA718に希望する主な内容は、垂直ハンドオフ・トリガメッセージがWLANインタフェースIf2経由で来たときにはプリフィックスP2をWLANインタフェースIf2に移し、また、垂直ハンドオフ・トリガメッセージが3GセルラインタフェースIf1経由で来たときにはプリフィックスP2を3GセルラインタフェースIf1に移すことである。この場合、最適化要求メッセージ705、及びシグナリング・メッセージ706には、プリフィックスP2を継続的に利用するインタフェースとして、3GインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2の情報が含まれる。このルールがプリセットされると、MN700はPMIPv6ドメイン719内をローミング中には、プリフィックスP2を有する垂直ハンドオフ・トリガメッセージを継続して送信する必要がない。なお、時点T0として、MN700の3GPPインタフェースIf1がMAG/3GPP707に接続して2つのコネクション(PDN(Packet Data Network)コネクション)を確立しており、それぞれのコネクションに対してプリフィックスP1とP2が割り当てられている状態であってもよい。この場合、時点T0では、3GセルラインタフェースIf1で確立されているコネクションののうち、P2が割り当てられているコネクションをWLANインタフェースIf2へ移すコネクション(浮動コネクション)であることを示すために、MN700は、P2が割り当てられているコネクションに関連付けられる識別情報(コネクションID)をLMA/HAに登録する。なお、識別情報としては、本実施の形態で述べているように、プリフィックスP2を用いてもよい。そして、時点T2、T4では、WLANインタフェースIf2から垂直ハンドオフ・トリガメッセージが送信され、プリフィックスP2が割り当てられているコネクションのみが移される。また、3GPPネットワークへのコネクション確立手続中に、プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2で使用する浮動プリフィックスであることがMN500に通知されてもよい。この通知を受けたMN500は、WLANインタフェースIf2で垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する際には、プリフィックスP2を含める必要がないと判断する。
なお、最適化要求メッセージ705として、継続的に使用するプリフィックスのみを指定して、アクセス技術タイプ(ATT)を含まない最適化要求メッセージ705を用いてもよい。この場合、LMA/HA718は、垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信したインタフェースのアクセス技術タイプにかかわらず、最適化要求メッセージ705で指定されたプリフィックスを、移動するプリフィックスとして選択する。また、最適化要求メッセージ705には、通知するプリフィックスが、継続的に使用するプリフィックスであり、かつアクセス技術タイプに依存しないプリフィックスであることを示すために、フラグ等をメッセージに含めてもよい。つまり、3GインタフェースIf1で使用しているプリフィックスP1を浮動プリフィックスとして指定してよく、通信中のフローに応じて任意のプリフィックスを浮動プリフィックスとして選択し、指定することが可能となる。
MN700はPMIPv6ドメイン719内をローミング中に、時点T1、T2、T3などでそれぞれ垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する。例えば時点T1では、HIフラグが2の垂直ハンドオフ・トリガメッセージ708を3GセルラインタフェースIf1経由でLMA/HA718に送信する。HIフラグが2の場合とは通常動作を表し、したがって、LMA/HA718はHIフラグ=2を参照すると、MAG/3GPP707あてのPBAメッセージ(不図示)でプリフィックスP1、P2を割り当てる。
MN700はさらに移動して、時点T2では垂直ハンドオフするときには、プリフィックスP2も他のプリフィックスも通知する必要がなく、単に新しいHIフラグ付きの垂直ハンドオフ・トリガメッセージ712をWLANインタフェースIf2経由でMAG/WLAN702に送信すればよいだけである。LMA/HA718は、この新しいHIフラグを、MAG/WLAN702からPBUメッセージ710で参照すると、同じくPBUメッセージ710に含まれているアクセス技術タイプ(WLAN)が、最適化要求メッセージで登録されたアクセス技術タイプに該当する場合に、プリフィックスP2をMAG/WLAN702あてのPBAメッセージ711で割り当てる。したがって、MN700はプリフィックスP2をMAG/WLAN702からのRAメッセージ709で参照する。この新しいHIフラグにより、MN700は垂直ハンドオフ規則の変更を明示的に記述する必要がない。垂直ハンドオフ規則が変更されると、HIフラグが2の垂直ハンドオフ・トリガメッセージを送信する通常動作に移行する。ここで、当業者であれば、HIフラグの数値は本発明の範囲を限定するものではないことは明らかである。HIフラグの数値は、IANA(Inter net AssignedNumber Association)のような機関によって定義される。
なお、最適化要求メッセージで登録されたプリフィックスP2が、アクセス技術タイプに限定されないプリフィックスであり、かつ継続的に使用するプリフィックスとして登録されている場合には、新しいHIフラグを含むPBUメッセージ710を受信したLMA/HA718は、アクセス技術タイプにかかわらず、プリフィックスP2をMAG/WLAN702あてのPBAメッセージ711で割り当てる。なお、この場合HIフラグが2の通常の垂直ハンドオフ・トリガメッセージであってもよい。これにより、MN700は、最適化要求メッセージ705にアクセス技術タイプを含める必要がない。MAG/WLAN702も同様に、PBUメッセージ710にアクセス技術タイプを含める必要がなくなる。なお、LMA/HA718が、従来のHIフラグの値がセットされた垂直ハンドオフ・トリガメッセージ712であっても、プリフィックスを含まないトリガメッセージを受信したときに、プリセットされたルールに基づいたプリフィックスの選択が求められていることを認識することができる場合は、新しいHIフラグの値を用いる必要はない。
本発明の第5の実施の形態におけるMN700の構成は、本発明の第1の実施の形態におけるMN500の構成とほぼ同様であるため説明を省略する。なお、本発明の第5の実施の形態で想定しているMN700の2つのインタフェースは、MN700が有する3つ以上のインタフェースのうちの2つであってもよい。また、アクセス技術タイプに限定されないプリフィックスで、かつ継続的に使用するプリフィックスとしてプリフィックスP2を登録するための最適化要求メッセージ705を用いる方法は、本発明の第1の実施の形態にも適用可能である。本発明の第5の実施の形態により、最適化要求メッセージ705で継続的に使用するプリフィックスを登録したMN700は、垂直ハンドオフを実行する際に送信する垂直ハンドオフ・トリガメッセージの中に、移動させるプリフィックスを明示的に含める必要がなくなるという効果が得られる。
<第6の実施の形態>
次に図11A及び図11Bを参照して第6の実施の形態について説明する。図11Aは、MN800が4つのインタフェースIf1、If2、If3、If4を有し、また、LMA/HA805にルーティングされるPMIPv6ドメインに接続(attach)されていることを示す。ここで、MN800はプリフィックスP1をインタフェースIf1及びMAG801経由で、プリフィックスP2をインタフェースIf2及びMAG802経由で、プリフィックスP3をインタフェースIf3及びMAG803経由で、プリフィックスP4をインタフェースIf4及びMAG804経由で参照しているものとする。
今、MN800は、インタフェースIf1をシャットダウンすることを決定すると、最初のステップでは、垂直ハンドオフ・トリガメッセージ806(図のMN trigger→HI=2, If1)をインタフェースIf2経由でMAG802に送信してプリフィックスP1を通知する。LMA/HA805は、このトリガメッセージ806をPBUメッセージ(不図示)で受信すると、PBAメッセージ(不図示)で応答をMAG802に送信し、MAG802は応答メッセージ807(図のResponse→P1,P2)をMN800に送信する。基本的に、MN800は応答メッセージ807でプリフィックスP1、P2の両方を参照する。ここで、何らかの理由で、MN800がローミング中に、インタフェースIf2の垂直ハンドオフを実行しなければならない場合、MN800は再び、プリフィックスP1の情報又はインタフェースIf2の識別子を継続して送信する必要がある。したがって、この送信情報を最適化する必要がある。
そこで、プリフィックスP1の情報を除去して、プリフィックスP1に関する情報がシステム内のどのMAGにも維持されないようにする。図11Bはその例を示す。基本的に、MN810は、プリフィックスP1を他のプリフィックスP2、P3、P4へバインドするためのメッセージ816をLMA/HA815に送信する。このため、プリフィックスP1用のルーティング・ステートがシステム内のどのMAGにも維持されず、プリフィックスP1については垂直ハンドオフする必要がない。ただし、代わりに、MN810がプリフィックスP1のフローを送受信するために何らかのトンネル化手順が必要になる。プリフィックスP1のフローは、プリフィックスP2に関連するアドレスあてにトンネル化されて適切にルーティングされる。この方法による主な利点とは、プリフィックスP1に関するステートをシステム内のどのMAGにも維持する必要がないことにある。ただし、プリフィックスP1に関連するアドレスあてのパケットを受信するためにトンネル化が必要になる。
以上、本発明について実施の形態を参照して説明したが、当業者であれば、本発明を逸脱しない種々の変形が可能であることは明らかである。例えば、本発明の実施の形態の説明に用いた各ネットワーク構成図に記載されているシステムとして、3GPP−LTE(the Third Generation Partnership Project Long Term Evolution )プロジェクトが作業を行っているSAE(System Architecture Evolution)を想定することができる。図1に示すシステムとSAEの間の関係をマッチングさせると、LMA/HAは、3GPPネットワーク内に存在するPDN−GW(Packet Data Network Gateway)であり、MAG/3GPPはS−GW(Serving Gateway)である。また、MAG/WiMAXはNon3GPPネットワーク内に存在するePDG(Evolved Packet Data Gateway)であり、さらに、MAG/WLANはNon3GPPネットワーク内に存在するAGW(Access Gateway)であり、MNはUE(User Equipment)である。この場合、3GPPネットワークでは、GTP(Generic Tunnelling Protocol)又はPMIP(PMIP:Proxy Mobile IP)を使用してLMA/HAへ接続し、Non3GPPネットワークでは、PMIPを使用してLMA/HAへ接続される。3GPPネットワークにおいて、GTPを使用していても、本発明の実施の形態で説明した手法を適用することができる。また、例えば上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明は、モバイルノードが静的な垂直ハンドオフの規則を有する場合には、垂直ハンドオフを要求するシグナリングのパケットサイズを減少することができるという効果を有し、PMIPv6のプロトコルが3GPPサービス・アーキテクチャ・イボリューション(SAE)ローカルドメイン内に採用されたPMIPv6ドメインなどに利用することができる。

Claims (15)

  1. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
    前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定ステップと、
    前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
    前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス設定ステップにより設定されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移すステップとを、
    有する垂直ハンドオフ方法。
  2. 前記プリフィックス設定ステップは、前記モバイルノードが、前記継続的に使用するプリフィックスを決定して前記ホームエージェントに設定することを特徴とする請求項1に記載の垂直ハンドオフ方法。
  3. 前記プリフィックス設定ステップは、前記ホームエージェントが前記モバイルノードの移動経路を学習して前記継続的に使用するプリフィックスを決定することを特徴とする請求項1に記載の垂直ハンドオフ方法。
  4. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフシステムであって、
    前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定手段と、
    前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信する手段と、
    前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス設定手段により設定されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移す手段とを、
    有する垂直ハンドオフシステム。
  5. 前記プリフィックス設定手段は、前記モバイルノードが、前記継続的に使用するプリフィックスを決定して前記ホームエージェントに設定することを特徴とする請求項4に記載の垂直ハンドオフシステム。
  6. 前記プリフィックス設定手段は、前記ホームエージェントが前記モバイルノードの移動経路を学習して前記継続的に使用するプリフィックスを決定することを特徴とする請求項4に記載の垂直ハンドオフシステム。
  7. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有し、前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフを行なうモバイルノードであって、
    前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースからモバイルノードのホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信する手段を、
    有するモバイルノード。
  8. 前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用することを決定して前記ホームエージェントに設定することを特徴とする請求項7に記載のモバイルノード。
  9. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する垂直ハンドオフシステムにおける前記モバイルノードのホームエージェントであって、
    前記モバイルノードの第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた、前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを記憶するプリフィックス記憶手段と、
    前記モバイルノードの前記新しく接続する前記第2又は第3のインタフェースから送信され、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを受信する手段と、
    前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記プリフィックス記憶手段に記憶されたプリフィックスを、前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移す手段とを、
    有するホームエージェント。
  10. 前記プリフィックス記憶手段は、前記モバイルノードの第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前後で継続的に使用するプリフィックスとして、前記モバイルノードにより決定されて通知されたプリフィックスを記憶することを特徴とする請求項9に記載のホームエージェント。
  11. 前記プリフィックス記憶手段は、前記モバイルノードが継続的に使用するプリフィックスとして、ホームエージェントが前記モバイルノードの移動経路を学習して決定したプリフィックスを記憶することを特徴とする請求項9に記載のホームエージェント。
  12. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1乃至第3のネットワークにそれぞれ接続可能な第1乃至第3のインタフェースを有するモバイルノードが前記第1乃至第3のネットワーク内をローミングして、前記第2又は第3のインタフェースが選択的に前記第2又は第3のネットワークに新しく接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
    前記モバイルノードが、前記第2又は第3のインタフェースが前記第2又は第3のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していた前記第1のインタフェースとは異なるプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2又は第3のインタフェースで継続的に使用するために、前記モバイルノードのプロキシノードに設定するプリフィックス設定ステップと、
    前記プロキシノードの間で前記継続的に使用するプリフィックスを転送するステップと、
    前記モバイルノードが前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースから前記プロキシノードに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
    前記プロキシノードが前記トリガメッセージを受信して、前記継続的に使用するプリフィックスを前記ホームエージェントに通知するステップと、
    前記ホームエージェントが前記通知されたプリフィックスを前記前に接続していた第2又は第3のインタフェースから前記新しく接続する第2又は第3のインタフェースに移すステップとを、
    有する垂直ハンドオフ方法。
  13. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能な第1のインタフェースと第2のインタフェースとを有するモバイルノードが前記第1と第2のネットワーク内をローミングして、前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークから切断して前記第2のネットワークに再接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
    前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークへ垂直ハンドオフする前に使用していたプリフィックスを、前記垂直ハンドオフ後にも前記第2のインタフェースで継続的に使用するために、前記プリフィックスを前記モバイルノードのホームエージェントに設定するプリフィックス設定ステップと、
    前記モバイルノードが前記新しく接続する第2のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記継続的に使用するプリフィックスを含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
    前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグを検知して、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記新しく接続する第2のインタフェースに移すステップとを、
    有する垂直ハンドオフ方法。
  14. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能なインタフェースとを有するモバイルノードが前記第1と第2のネットワーク内をローミングして、前記第2のインタフェースが前記第2のネットワークから切断して前記第2のネットワークに再接続する場合の垂直ハンドオフ方法であって、
    前記モバイルノードが前記再接続時に前記第2のインタフェースから前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記第1のインタフェースに設定するか、又は前記第2のインタフェースに設定するかを指示する垂直ハンドオフ・フラグを含みかつ前記第2のインタフェースの識別子を含まない垂直ハンドオフのトリガメッセージを送信するステップと、
    前記ホームエージェントが前記トリガメッセージ内の前記垂直ハンドオフ・フラグに基づいて、前記第2のインタフェースが切断前に関連していたプリフィックスを前記第1又は第2のインタフェースに選択的に設定するステップとを、
    有する垂直ハンドオフ方法。
  15. 共通の管理ノードにより管理されたプロキシモバイルIPが提供される第1と第2のネットワークにそれぞれ接続可能なインタフェースを少なくとも有するモバイルノードが前記第1のネットワークと第2のネットワーク内をローミングする場合に、前記第1のインタフェースに関連する第1のプリフィックスのパケットを前記第2のインタフェースに転送する垂直ハンドオフ方法であって、
    前記モバイルノードが前記第1のインタフェースをシャットダウンする際に、前記第1のプリフィックスを前記第2のインタフェースにバインディングするよう前記モバイルノードのホームエージェントに設定するステップと、
    前記ホームエージェントが前記第1のインタフェースあてのパケットを、前記バインディングに基づいて前記第2のインタフェースに転送するステップとを、
    有する垂直ハンドオフ方法。
JP2010521600A 2008-07-23 2009-07-22 垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、ホームエージェント及びモバイルノード Withdrawn JPWO2010010693A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189951 2008-07-23
JP2008189951 2008-07-23
PCT/JP2009/003428 WO2010010693A1 (ja) 2008-07-23 2009-07-22 垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、ホームエージェント及びモバイルノード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2010010693A1 true JPWO2010010693A1 (ja) 2012-01-05

Family

ID=41570162

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010521600A Withdrawn JPWO2010010693A1 (ja) 2008-07-23 2009-07-22 垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、ホームエージェント及びモバイルノード

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20110116475A1 (ja)
JP (1) JPWO2010010693A1 (ja)
WO (1) WO2010010693A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9083772B2 (en) * 2010-04-30 2015-07-14 Qualcomm Incorporated Exchanging data associated with a communication session within a communications system
US9986425B2 (en) * 2011-05-13 2018-05-29 Nokia Solutions And Networks Oy Apparatus and method for routing in a network

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4289030B2 (ja) * 2002-07-30 2009-07-01 パナソニック株式会社 移動管理方法および移動端末
KR100474451B1 (ko) * 2002-08-16 2005-03-10 삼성전자주식회사 지역화 이동성 관리를 지원하는 이동 IPv6에서최적화된 패킷 라우팅 방법
US7046647B2 (en) * 2004-01-22 2006-05-16 Toshiba America Research, Inc. Mobility architecture using pre-authentication, pre-configuration and/or virtual soft-handoff
KR100617795B1 (ko) * 2005-03-04 2006-08-28 삼성전자주식회사 셀룰러 망과 무선 랜 망의 타이틀리 커플드 연동 방법 및 장치
US8184615B2 (en) * 2005-10-12 2012-05-22 Qualcomm Incorporated Wireless terminal methods and apparatus for establishing connections
US7729327B2 (en) * 2005-12-15 2010-06-01 Toshiba America Research, Inc. Dynamic use of multiple IP network interfaces in mobile devices for packet loss prevention and bandwidth enhancement
JPWO2008078632A1 (ja) * 2006-12-26 2010-04-22 パナソニック株式会社 通信方法、通信システム、ホームエージェント及びモバイルノード

Also Published As

Publication number Publication date
US20110116475A1 (en) 2011-05-19
WO2010010693A1 (ja) 2010-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009153943A1 (ja) バインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノード
Al-Surmi et al. Mobility management for IP-based next generation mobile networks: Review, challenge and perspective
JP4579905B2 (ja) 分配された移動体エージェント
US8774039B2 (en) Communication system, mobile terminal, network node, and base station apparatus
WO2010041440A1 (ja) インタフェース切換システム、モバイルノード、代理ノード及び移動管理ノード
WO2001067798A1 (en) Hierarchical mobility management for wireless networks
WO2011001594A1 (ja) リダイレクション方法、リダイレクションシステム、モバイルノード、ホームエージェント及び代理ノード
JPWO2009044539A1 (ja) 通信制御方法及びネットワークノード並びに移動端末
US8009629B2 (en) Communication handover method and communication message processing method
KR100973488B1 (ko) 고속 핸드오버 시스템 및 그 방법
Wozniak Mobility management solutions for current IP and future networks
JP5180346B2 (ja) 通信
US20110002248A1 (en) Mobile terminal and network node
JP2007520963A6 (ja) 通信
US10986551B2 (en) Method for managing a low latency handover for mobile host seamless mobility
KR101084138B1 (ko) Map 도메인 간 핸드오버 수행 방법
WO2010010693A1 (ja) 垂直ハンドオフ方法、垂直ハンドオフシステム、ホームエージェント及びモバイルノード
JP2007281721A (ja) 移動通信制御方法、移動通信システム及びルータ
Mavromoustakis et al. QoS in Next generation mobile networks: an analytical study
WO2010146815A1 (ja) 移動管理プロトコル選択方法、移動管理プロトコル選択システム、モバイルノード、ホームエージェント及び代理ノード
CN101111058A (zh) 防止切换过程中包丢失的方法和系统
JP4668097B2 (ja) 移動端末装置及びハンドオーバ方法
Zhang et al. Performance analysis of seamless handover in mobile IPv6-based cellular networks
Zhang et al. Seamless mobility management schemes for IPv6-based wireless networks
Wozniak Mobility management solutions for IP networks

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20121002