JPWO2010007759A1 - 燃料電池システム - Google Patents

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章典 行正
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英夫 小原
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Abstract

本発明の燃料電池システムは、燃料電池(1)と、燃料電池(1)を冷却する第1熱媒体が通流する第1熱媒体経路(51)と、第1熱媒体から熱を回収した第2熱媒体が通流する第2熱媒体経路(52)と、第1熱媒体経路(51)を通流する第1熱媒体と、第2熱媒体経路(52)を通流する第2熱媒体との間で熱交換するための熱交換器(4)と、燃料電池(1)を冷却した第1熱媒体を熱交換器(4)に流入するまでに加熱し、燃料電池(1)の余剰電力を消費する余剰電力ヒータ(2)と、第1熱媒体経路(51)に設けられ、第1熱媒体を貯える第1熱媒体タンク(3)と、を備え、第1熱媒体タンク(3)は余剰電力ヒータ(2)で加熱された第1熱媒体と第1熱媒体タンク(3)内の第1熱媒体とが混合するように構成されている。

Description

本発明は、燃料電池システムの構成に関する。
燃料電池システムは、外部から燃料電池に供給された燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行い、反応により生じた熱を回収して湯水をして貯え、この湯水を外部への熱供給に有効利用するシステムである。このような燃料電池システムは、系統電源と系統連系されており、燃料電池等で発電した電力と系統電源からの電力が、外部電力負荷(例えば、家庭の使用電力負荷)に供給される。
ところで、燃料電池システムを構成する燃料電池は、外部電力負荷の負荷変動に対する出力変化(追随)速度が遅いため、コージェネレーションシステムから電力供給を受ける全機器の総消費電力が、コージェネレーションシステムから出力される出力電力を下回る場合、余剰電力が発生し、系統電源への電力の逆潮流が生じる。これを防止するために、余剰電力をヒータで熱に変換して有効利用する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に開示されている燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。図7に示すように、特許文献1に開示されている燃料電池システム200は、燃料電池201、冷却水流路202、熱交換器203、貯湯槽204、温水流路205、及び発熱体206、207を備えている。
燃料電池201には、冷却水流路202が接続されていて、貯湯槽204には、温水流路205が接続されている。そして、冷却水流路202を通流する冷却水と、温水流路205を通流する温水と、の間で熱交換を行えるように、熱交換器203は、冷却水流路202と温水流路205を跨ぐように設けられている。また、冷却水流路202には、冷却水ポンプ208が設けられていて、一方、温水流路205には、排熱回収水ポンプ209が設けられている。さらに、冷却水流路202及び温水流路205には、それぞれ、発熱体206、207が設けられている。
このように構成された特許文献1に開示されている燃料電池システム200では、余剰電力が発生した場合に、発生した余剰電力を発熱体206、207で消費して熱に変換することにより、系統電源への電力の逆潮流を防止することができる。
また、従来の燃料電池システムでは、冷却水流路を通流する冷却水を貯える(冷却)水タンクを有していて、水タンクは、効率的な熱回収を図るために熱交換器の下流側に設けられているのが、一般的である(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−12564号公報 特開2004−213985号広報
ところで、一般家庭では、設置されている複数の電化製品が様々なタイミングで使用されるため、電力消費量が大きく変動する。このため、電力負荷が急激に減少した場合に、余剰電力が急激に増加する場合がある。このような場合に、上記特許文献1に開示されている燃料電池システム200の構成では、余剰電力の急激な増加によって、発熱体206で冷却水が急激に加熱され、場合によっては、冷却水が沸騰する可能性がある。
冷却水の急激な加熱により、冷却水中の溶存酸素等が気化したガスや、冷却水の沸騰によって生成された水蒸気等のガスが、冷却水流路202(例えば、熱交換器203)に溜まり、安定した冷却水の循環が維持できなくなる可能性がある。
そして、安定した冷却水の循環が維持されなくなると、熱交換器203での安定した熱交換ができなくなり、燃料電池201の温度が上昇して、燃料電池201内を適正な温度に保つことができなくなるという問題があった。
また、冷却水が急激に加熱され、場合によっては、沸騰すると、温水流路205を通流する温水が、熱交換器203で急激に加熱された冷却水、場合によっては、沸騰した冷却水と熱交換することで、通常よりも過剰に加熱され、過昇温した温水が、貯湯槽204に供給されるおそれがあった。過昇温した温水が貯湯槽に貯えられると、貯湯槽204内の温水が外部に供給される場合、市水と混合して温度低下を図っても使用者の所望する最適な温度にまで温度が低下せず、高温の温水が供給されて、使用者が火傷する可能性がある。
本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、燃料電池を冷却する上記冷却水等に例示される熱媒体が、余剰電力の急激な変動により、余剰電力ヒータで冷却水が急激に加熱され、過昇温したり、場合によっては、沸騰したりすることで、上述のように冷却水よりガスが生成しても、熱交換器での熱交換を従来よりも安定して行える燃料電池システムを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、急激に加熱された熱媒体、場合によっては、沸騰した熱媒体が熱交換器に供給されるのを抑制することにより、上記温水に例示される第2熱媒体が、過昇温した状態で、上記貯湯タンクに例示される蓄熱器に供給されるのを抑制し、安全に運転することができる燃料電池システムを提供することを第2の目的とする。
以上のような課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池を冷却する第1熱媒体が通流する第1熱媒体経路と、第2熱媒体が通流する第2熱媒体経路と、前記第1熱媒体経路と前記第2熱媒体経路とに跨がって設けられ、前記第1熱媒体経路を通流する前記第1熱媒体と、前記第2熱媒体経路を通流する前記第2熱媒体との間で熱交換するための熱交換器と、前記燃料電池を冷却した前記第1熱媒体を前記熱交換器に流入するまでに加熱し、前記燃料電池の余剰電力を消費する余剰電力ヒータと、前記第1熱媒体経路に設けられ、前記第1熱媒体を貯えるタンクと、を備え、前記タンクは前記余剰電力ヒータで加熱された前記第1熱媒体と前記タンク内の前記第1熱媒体とが混合するように構成されている。
これにより、余剰電力の急激な増加により、余剰電力ヒータで加熱された第1熱媒体が過昇温したり、場合によっては、沸騰したりすることで、冷却水中の溶存酸素が気化したり、水蒸気化によりガスが生成しても、第1熱媒体経路内のガス滞留により第1熱媒体の流量が不安定になる可能性が抑制され、熱交換器において第2の熱媒体との安定した熱交換が行われる。また、急激に加熱された第1熱媒体が、また、場合によっては、沸騰した第1熱媒体がタンク内の第1熱媒体と混合することにより、タンク内で温度が平準化された第1熱媒体が熱交換器に供給されるため、熱交換器を通過した第2熱媒体の温度が過昇温する可能性を低減することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記余剰電力ヒータは前記第1熱媒体経路に設けられ、該余剰電力ヒータで加熱された第1熱媒体が前記タンク内に流入するように構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記タンク内に前記余剰電力ヒータが設けられていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記タンクは大気開放されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記タンクには圧抜き器が設けられていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1熱媒体経路の前記余剰電力ヒータと前記タンクとの間の部分は、水平又は前記第1熱媒体の流れにおいて上り勾配になるように構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1熱媒体経路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた第1温度検出器と、前記第2熱媒体流路を通流する前記第2熱媒体の流量を調整する第1流量調整器と、前記第1温度検出器の検出温度に基づき前記第1流量調整器を制御する第1制御器と、を備えていてもよい。
さらに、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1熱媒体経路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた第1温度検出器と、前記燃料電池を冷却した後、前記余剰電力ヒータで加熱される前の前記第1熱媒体の温度を検出する第2温度検出器と、前記第1熱媒体経路を通流する前記第1熱媒体の流量を調整する第2流量調整器と、前記第2温度検出器の検出温度が前記第1温度検出器の検出温度と前記1熱媒体の沸点との平均温度よりも低くなるように前記第2流量調整器を制御する第2制御器と、を備えていてもよい。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の燃料電池システムによれば、余剰電力の急激な変動により、余剰電力ヒータで急激に加熱された第1熱媒体、又は場合によっては第1熱媒体が沸騰したような場合でも、沸騰により生成された水蒸気等のガスをタンク内で捕集することにより第1熱媒体経路内のガス滞留が抑制され、熱交換器での熱交換を安定して行える。また、タンク内の第1熱媒体と混合されることで、熱交換器に供給される第1熱媒体の温度上昇が抑制され、熱交換器通過後の第2熱媒体が過昇温する可能性が低減される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図2は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図3は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図4は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図5は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図6は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図7は、特許文献1に開示されている燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。
[燃料電池システムの構成]
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、燃料電池1、余剰電力ヒータ2、第1熱媒体タンク3、熱交換器4、及び制御器10を備えている。
燃料電池1には、燃料ガス供給装置(図示せず)と酸化剤ガス供給装置(図示せず)が接続されており、これらの供給装置から供給される燃料ガスと酸化剤ガス(これらを反応ガスという)を電気化学反応させることにより、電力と熱を発生する。
また、燃料電池1には、電気化学反応により発生した排熱を回収するために第1熱媒体が流れる第1熱媒体流路21が設けられている。
燃料電池1内の第1熱媒体流路21の入口には、第1熱媒体往路51aの下流端が接続されており、第1熱媒体往路51aの上流端は、熱交換器4の一次流路22の出口に接続されている。また、熱交換器4の一次流路22の入口には、第1熱媒体復路51bの下流端が接続されており、第1熱媒体復路51bの上流端は、燃料電池1内の第1熱媒体流路21の出口に接続されている。上記のような構成により、第1熱媒体経路51は、第1熱媒体往路51a、第1熱媒体復路51b、第1熱媒体流路21、及び一次流路22により構成される。
また、第1熱媒体往路51aの途中には、流量調整が可能な第2ポンプ(第2流量調整器)7が設けられていて、第1熱媒体復路51bの途中には、余剰電力ヒータ2と、第1熱媒体(ここでは、冷却水)を貯えるための第1熱媒体タンク3と、がこの順で設けられている。余剰電力ヒータ2は、燃料電池1で発電した電力のうち余剰の電力が通電され、第1熱媒体往路51aを通流する第1熱媒体を加熱するように構成されている。なお、本発明の第2流量調整器として、ここでは、流量調節が可能なポンプを用いているが、これに限定されず、ポンプと流量調節弁等の流量調節器を用いてもよい。
また、熱交換器4の二次流路23には、第2熱媒体往路52aと第2熱媒体復路52bとが接続されていて、これらの第2熱媒体往路52a、第2熱媒体復路52b及び二次流路23より構成される第2熱媒体経路52は、蓄熱器としての貯湯タンク5と接続されている。具体的には、熱交換器4の二次流路23の入口には、第2熱媒体復路52bの下流端が接続されており、その上流端は、貯湯タンク5の下端部に接続されている。貯湯タンク5の上端部には、第2熱媒体往路52aの下流端が接続されており、その上流端は、熱交換器4の二次流路23の出口に接続されている。また、第2熱媒体復路52bの途中には、流量調節可能な第1ポンプ(第1流量調整器)6が設けられている。なお、本発明の第1流量調整器として、ここでは、流量調節が可能なポンプを用いているが、これに限定されず、ポンプと流量調節弁等の流量調節器を用いてもよい。
貯湯タンク5は、ここでは、鉛直方向に延びるように形成されていて、貯湯タンク5の下端部には、市水を供給するための水供給路53が接続されており、貯湯タンク5の上部には、貯湯水を利用者に供給するための貯湯水供給路54が接続されている。また、貯湯水供給路54には、貯湯水を利用する熱負荷が接続されている(図示せず)。熱負荷としては、例えば、給湯機器、暖房機器や空調機器が挙げられる。
これにより、燃料電池1の排熱を回収した第1熱媒体は、第1熱媒体経路51の第1熱媒体復路51bを通流して、熱交換器4内の一次流路22に供給される。一次流路22に供給された第1熱媒体は、熱交換器4の一次流路22を通流する間に、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4内の二次流路23に供給された第2熱媒体と熱交換して、冷却される。冷却された第1熱媒体は、第1熱媒体往路51aを通流して、燃料電池1の第1熱媒体流路21の入口に供給される。一方、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4の二次流路23に供給された第2熱媒体(ここでは、貯湯水)は、熱交換器4の二次流路23を通流する間に、一次流路22を通流する第1熱媒体によって加熱される。加熱された第2熱媒体は、第2熱媒体復路52bを通流して、貯湯タンク5の上端部に供給される。このような構成により、貯湯タンク5は、下部には市水温度に近い温度の低い水が貯えられ、熱交換器4により高温化した第2熱媒体が上部より貯えられる、いわゆる積層沸き上げ型の貯湯タンクとなる。
なお、燃料電池1の排熱を回収した第1熱媒体は、第1熱媒体経路51の第1熱媒体復路51bを通流する間に、余剰電力が発生すると、余剰電力ヒータ2によりさらに加熱される。また、上記の第1熱媒体及び第2熱媒体の流動方向(図1に矢印で示す方向)は、発電時における流動方向であり、燃料電池1の暖機運転時には、第2熱媒体の流動方向は、これと逆方向になる。
また、燃料電池1の出力端子(図示せず)には、適宜な配線により、DC/DCコンバータ8の入力端子(図示せず)が接続されている。DC/DCコンバータ8は、燃料電池1で発生した直流電力を所定の電圧に昇圧するように構成されている。また、DC/DCコンバータ8の出力端子には、適宜な配線により、インバータ9の入力端子(図示せず)が接続されている。インバータ9は、DC/DCコンバータ8で昇圧された直流電力を交流電力に変換するように構成されている。
インバータ9の出力端子(図示せず)には、適宜な配線により余剰電力ヒータ2が接続されている。また、インバータ9の出力端子には、系統連系点11を介して、系統電源12が接続されている。すなわち、燃料電池1の出力電力と系統電源12からの電力が、系統連系点11で系統連系されている。なお、ここでは、余剰電力ヒータ2をインバータ9の出力端子に接続したが、これに限定されず、DC/DCコンバータ8の出力端子に接続してもよい。
系統連系点11には、適宜な配線により、外部電力負荷14が接続されている。外部電力負荷14は、ここでは、一般家庭で使用される電力消費機器を想定している。さらに、系統連系点11とインバータ9との間には、電流検出器13が設けられている。
電流検出器13は、系統電源12から供給される電流量を検出し、検出した電流値は、制御器10に出力される。電流検出器13は、ここでは、カレントトランス等の電流センサで構成されており、電流の大きさを電力の大きさとして検出し、また、電流の向きを検出することで、逆潮流が発生しているかを検出している。なお、電流検出器13として、例えば、シャント抵抗を用いた電流センサ、カレントトランスを系統電線にクランプし、1次電流に比例した2次巻き線電流から電流検知するクランプ式交流電流センサ、交流電流を直接計測する交流電流計等を使用してもよい。
これにより、DC/DCコンバータ8で昇圧された直流電力が、インバータ9で交流電力に変換され、系統電源12と系統連系しながら、外部電力負荷14に電力が供給される。そして、系統電源12から供給される電力を電流検出器13が検出し、検出した電力が制御器10に出力される。
制御器10は、マイコン等のコンピュータによって構成されており、CPUからなる演算処理部、半導体メモリから構成された記憶部(内部メモリ)、及びカレンダー機能を有する時計部(いずれも図示せず)を有している。演算処理部は、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、燃料電池システムに関する各種の制御を行う。
また、演算処理部は、電流検出器13にて検出された電流の向きに基づいて、逆潮流が生じているか否かを検出し、また、電流検出器13にて検出された電流値に応じて、余剰電力ヒータ2への電力供給量を制御している。具体的には、制御器10の演算処理部は、電流検出器13で検出される電流が、系統電源12へ流れないように、余剰電力ヒータ2への電力供給量を制御している。すなわち、燃料電池システム100には、例えば、余剰電力ヒータ2への供給電圧を制御する電圧調整器(出力電圧を調整可能な電圧変換器:図示せず)が設けられていて、この電圧調整器の出力電圧を調整することにより、余剰電力ヒータ2の消費電力が調整される。制御器10は、この電圧調整器の出力電圧を制御することにより、余剰電力ヒータ2への電力供給量を制御する。
ここで、本明細書において、制御器とは、単独の制御器だけでなく、複数の制御器が協働して、燃料電池システムの制御を実行する制御器群をも意味する。このため、制御器10は、単独の制御器から構成される必要はなく、複数の制御器が分散配置され、それらが協働して燃料電池システム100を制御するように構成されていてもよい。
[燃料電池システムの動作]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システムの動作について、図1を参照しながら説明する。
まず、燃料電池1の図示されないアノード及びカソードに、燃料ガス供給装置及び酸化剤ガス供給装置から、それぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、電気化学反応により、電力と熱が発生する。燃料電池1で発生した電力(直流電力)は、DC/DCコンバータ8で昇圧され、昇圧された直流電力は、インバータ9に供給される。インバータ9では、供給された直流電力を交流電力に変換され、系統電源12と系統連系しながら、外部電力負荷14に電力が供給される。
一方、燃料電池1で発生した熱(排熱)は、第1熱媒体流路21に供給された第1熱媒体により回収される。燃料電池1の排熱を回収した第1熱媒体は、第1熱媒体復路51bに流出し、該第1熱媒体復路51bを通流して、第1熱媒体タンク3に戻る。第1熱媒体タンク3に戻った第1熱媒体は、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体と混合され、温度が平準化される。そして、第1熱媒体タンク3内に供給された第1熱媒体は、さらに、第1熱媒体復路51bを通流して、熱交換器4の一次流路22に供給される。
熱交換器4の一次流路22に供給された第1熱媒体は、熱交換器4の一次流路22を通流する間に、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4の二次流路23に供給された第2熱媒体と熱交換して、冷却される。冷却された第1熱媒体は、第1熱媒体往路51aを通流して、燃料電池1の第1熱媒体流路21の入口に供給される。
一方、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4の二次流路23に供給された第2熱媒体は、熱交換器4の二次流路23を通流する間に、加熱される。加熱された第2熱媒体は、第2熱媒体往路52aを通流して、貯湯タンク5の上端部に戻る。貯湯タンク5に戻った第2熱媒体は、需要に応じて、貯湯水供給路54を通流して熱負荷に供給され、利用者にお湯として使用される。また、貯湯タンク5内の第2熱媒体が減少すると、制御器10の制御により、水供給路53から市水が供給される。
なお、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体は、制御器10からの制御信号に基づいて、第2ポンプ7により、その流量が調整され、同様に、第2熱媒体経路52を通流する第2熱媒体は、制御器10からの制御信号に基づき、第1ポンプ6により、その流量が調整される。
ところで、外部電力負荷14で消費される電力が、燃料電池1で発電された電力よりも小さい場合、余剰電力が発生する。この余剰電力は、上述したように、余剰電力ヒータ2に供給され、第1熱媒体復路51bを通流する第1熱媒体が加熱される。そして、特に、外部電力負荷14で消費される消費電力量が急激に減少した場合、余剰電力が急激に増加し、余剰電力ヒータ2で第1熱媒体が急激に加熱され、場合によっては、沸騰する(又は、沸騰に近い温度までに加熱される)可能性がある。
このような場合においても、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、高温の第1熱媒体が第1熱媒体タンク3に供給される(戻る)ため、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体と混合され、第1熱媒体タンク3内で第1熱媒体の温度の平準化がされる。これにより、熱交換器4の一次流路22に過昇温したり、もしくは沸騰したりして、第1熱媒体が供給されることが抑制されるので、燃料電池1の第1熱媒体流路21に過昇温した第1熱媒体が供給されるのが抑制され、燃料電池1内の温度変動を抑制することができる。
また、熱交換器4の一次流路22に急激に加熱された第1熱媒体、場合によっては、沸騰した第1熱媒体が供給されることが抑制されるので、熱交換器4で熱交換される第2熱媒体が過剰に加熱されるのが抑制される。このため、過昇温した第2熱媒体が貯湯タンク5に供給されるのが抑制される。
さらに、第1熱媒体が余剰電力ヒータ2で急激に加熱され、場合によっては、沸騰されることにより、第1熱媒体中の溶存酸素が気化したり、水蒸気が生成したりして、ガスが生成されるが、この生成されたガスは、第1熱媒体タンク3で捕集される。このため、生成されたガスが、熱交換器4の一次流路22に流入し、一次流路内に溜まることを抑制することができ、従来よりも、より安定した第1熱媒体の循環を維持することができる。また、第1熱媒体が安定して循環することにより、熱交換器4で安定して熱交換ができ、燃料電池1内を適切な温度に保つことができる。なお、熱交換器4でのガスの滞留を抑制するという意味においては、第2ポンプ7の配設位置は、第1熱媒体経路51のいずれの箇所であっても構わない。従って、本実施の形態においては、第2ポンプ7を、熱交換器4の下流の第1熱媒体経路51aに設けているが、これは、例示に過ぎず、本例に限定されるものではない。ただし、第2ポンプ7は、第1熱媒体タンク3より下流の第1熱媒体経路51、または余剰電力ヒータ2より上流の第1熱媒体経路51に設けられることがより好ましい。これは、余剰電力ヒータ2の急激な加熱により生成したガスが第2ポンプ7に詰まること(いわゆる、ガス噛みの発生)を抑制するためである。
また、第2ポンプ7の配設位置は、余剰電力ヒータ2より上流の第1熱媒体経路51よりも、第1熱媒体タンク3より下流の第1熱媒体経路51(第1熱媒体往路51a)に設けることがより好ましい。これは、第1熱媒体は、燃料電池1を通過する間に加熱され溶存酸素が気化する可能性があるため、余剰電力ヒータ2より上流の第1熱媒体経路51に第2ポンプ7を配設すると、ガス噛みする可能性がある。一方、第2ポンプ7を、第1熱媒体タンク3より下流の第1熱媒体経路51(第1熱媒体往路51a)に設けると、燃料電池1を通過した間に第1熱媒体より生成したガスは、第1熱媒体タンク3に補集されるので、第2ポンプ7でのガス噛みの可能性が抑制されるからである。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51a(第1熱媒体経路51の熱交換器4の下流側)に第1温度検出器15が設けられている点が異なる。
具体的には、第1温度検出器15は、第1熱媒体往路51aにおける第2ポンプ7の下流側に設けられている。そして、第1温度検出器15は、第1熱媒体往路51aを通流し、燃料電池1の第1熱媒体流路21に供給される第1熱媒体の温度を検出するように構成されており、検出した温度は、制御器(第1制御器)10に出力される。なお、ここでは、制御器10を本発明の第1制御器の一例として構成したが、これに限定されず、制御器10とは、別途独立した制御器(コンピュータ)によって、第1制御器が構成されてもよい。また、燃料電池1(正確には、第1熱媒体流路21)内に供給される第1熱媒体の温度をより正確に検出する観点から、第1温度検出器15は、第1熱媒体往路51aの中でも第1熱媒体往路51aの下流端に近い位置に設けられることがより好ましい。
制御器10は、第1温度検出器15で検出された温度に基づき、第1ポンプ6を制御する。具体的には、第1温度検出器15で検出される温度が、所定の温度(例えば、60℃)になるように、第1ポンプ6の操作量を調整して、第2熱媒体経路52を通流する第2熱媒体の流量を制御する。
例えば、第1温度検出器15の検出温度が、所定の温度より高い62℃になった場合には、制御器10は、第1ポンプ6に操作量を増加させる制御信号を出力する。第1ポンプ6は、制御器10からの制御信号が入力されると、その操作量を増加させて、第2熱媒体の流量を増加させる。これにより、熱交換器4において二次流路23内の第2熱媒体より回収される熱量が大きくなって、第1熱媒体の温度を下げることができる。一方、第1温度検出器15の検出温度が、例えば、所定の温度より低い58℃になった場合には、制御器10は、第1ポンプ6を制御して、その操作量を減少させて、第2熱媒体の流量を減少させる。これにより、熱交換器4において二次流路23内の第2熱媒体より回収される熱量が小さくなって、第1熱媒体の温度を上げることができる。
ところで、上記特許文献1には、冷却水流路202における発熱体206と熱交換器203との間(冷却水流路202の発熱体206の下流側)に温度検知器210が設けられていて、排熱回収水ポンプ209の操作量を温度検知器210の検知した温度に基づいて制御することが開示されている。燃料電池は、電力負荷の急激な変動に追随して発電量を調整することができないため、余剰電力の急激な変動が生じる。このため、特許文献1に開示されている燃料電池システム200では、発熱体206に供給される余剰電力の急激な変動によって、発熱体206で加熱される冷却水の温度も急激に変動するので、排熱回収水ポンプ209をその温度変動に追随してその操作量を制御すると、燃料電池201に流入する冷却水の温度が安定しないおそれがある。
また、特許文献1に開示されている燃料電池システム200では、冷却水流路202における発熱体206と熱交換器203との間に温度検知器210が設けられているため、燃料電池201に供給される冷却水の正確な温度を検知するために、さらに温度検知器を設ける必要があり、燃料電池システムの低コスト化を図ることができない。
しかしながら、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、余剰電力ヒータ2の下流側に第1熱媒体タンク3が設けられているため、余剰電力の急激な変動により、温度変動した第1熱媒体は、第1熱媒体タンク3内に供給され、第1熱媒体タンク3に貯えられている第1熱媒体によりその温度変動が緩和される。また、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、第1熱媒体タンク3の下流側に熱交換器4が設けられているため、第1熱媒体の温度変動はさらに緩和される。
そして、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、第1温度検出器15が第1熱媒体経路51の熱交換器4の下流側に設けられている。このため、余剰電力の急激な変動が生じても、第1熱媒体タンク3及び熱交換器4により、第1熱媒体往路51aを通流する第1熱媒体は、温度変動がより緩和され、第1温度検出器15の検出温度に基づく第1ポンプ6の操作量の制御を安定して行うことができる。その結果、余剰電力の急激な変動が生じても、燃料電池1の第1熱媒体流路21に流入する冷却水の温度が従来よりも安定する。
このように、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、簡素な構成で、第1温度検出器15で検出された温度に基づき、第1ポンプ6の操作量を制御することにより、熱交換器4での熱交換量を調整し、第1熱媒体の温度を安定して調整することができる。また、第1熱媒体の温度が安定して調整されることにより、燃料電池1内の温度を安定して調整することができる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図3に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システム100は、実施の形態2に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに第2温度検出器16が設けられている点が異なる。
具体的には、第2温度検出器16は、第1熱媒体復路51bにおける余剰電力ヒータ2の上流側に設けられている。そして、第2温度検出器16は、燃料電池1の第1熱媒体流路21から排出される第1熱媒体の温度を検出するように構成されており、検出した温度は、制御器(第2制御器)10に出力される。なお、ここでは、制御器10を第2制御器の一例として構成したが、これに限定されず、制御器10とは、別途独立した制御器(コンピュータ)によって、第2制御器が構成されてもよい。また、燃料電池1(正確には、第1熱媒体流路21)から排出される第1熱媒体の温度をより正確に検出する観点から、第2温度検出器16は、第1熱媒体復路51bの上流端に近い位置に設けられることが好ましい。
制御器10は、第1及び第2温度検出器15、16で検出された温度に基づき、第2ポンプ7の操作量を制御する。具体的には、制御器10は、第2温度検出器16で検出される温度が、第1温度検出器15で検出された温度(例えば、60℃)と、第1熱媒体の沸点100℃と、の平均である80℃よりも、低い所定温度(例えば、70℃)になるように、第2ポンプ7(ここでは、第1ポンプ6を含む)の操作量を制御している。この場合、第2温度検出器16の検出温度が上記所定温度よりも上昇すると、燃料電池1の生成熱の回収量を増加させるため、第2ポンプ7の操作量を増大させて第1熱媒体の流量を増加させ、第2温度検出器16の検出温度を低下させ、第2温度検出器16の検出温度が低下すると燃料電池1の生成熱の回収量を低減させるため、第2ポンプの操作量を減少させ、第2温度検出器16の検出温度を上昇させる。
ところで、燃料電池1が固体高分子形燃料電池の場合、発電により、通常、発電量の熱量換算値と同等の熱量を生成する(すなわち、燃料電池の生成熱量≒燃料電池の発電量の熱量換算値)が、この生成熱により、第1熱媒体の温度が上昇する。例えば、上述したように燃料電池システム100を運転中に、余剰電力が生じていない状態で、第1温度検出器15で検出された温度が60℃であり、第2温度検出器16で検出された温度が70℃である場合、燃料電池1での生成熱により、第1熱媒体が10℃だけ温度上昇したといえる。
このような燃料電池システム100の運転中に上述の同じ発電量で、かつ、外部電力負荷14での電力消費が突然停止した場合、燃料電池1で発電した全発電量が、余剰電力ヒータ2に通電される。ここで、例えば、余剰電力ヒータが抵抗加熱型のヒータである場合、電熱交換効率はほぼ100%であるため、「余剰電力ヒータの発熱量≒燃料電池の発電量の熱量換算値」となり、さらに、固体高分子形燃料電池では、「燃料電池の生成熱量≒燃料電池の発電量の熱量換算値」であることを考慮すると、「余剰電力ヒータの発熱量≒燃料電池の生成熱量」となる。従って、余剰電力ヒータ2で加熱された第1熱媒体の温度上昇は、余剰電力が0の場合に比べて、さらに、約10℃の温度上昇が見込まれる。このため、第1熱媒体タンク3に導入される第1熱媒体の温度は、約80℃となり、外部電力負荷14における電力消費の変動により余剰電力ヒータ2への通電量が急激に上昇しても、第1熱媒体が沸騰するまで加熱されるのが抑制される。これにより、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体流量がより安定し、燃料電池1に流入する第1熱媒体の温度を適切な温度で安定して保つことができ、また、燃料電池1内を適切な温度で保つことができる。
このように、本実施の形態3に係る燃料電池システム100では、実施の形態2に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、燃料電池1の第1熱媒体流路21から排出される第1熱媒体の温度(第2温度検出器16で検出される温度)を、燃料電池1の第1熱媒体流路21に供給される第1熱媒体の温度(第1温度検出器15で検出される温度)と第1熱媒体の沸点の平均温度よりも低い、所定の温度になるように、第2ポンプ7の操作量を制御することにより、外部電力負荷14の変動により余剰電力ヒータへの通電量が急激に上昇しても、余剰電力ヒータ2で加熱された第1熱媒体の温度は、沸点未満となり、安定的に第1の熱媒体の沸騰を抑制することができる。
また、本実施の形態3に係る燃料電池システム100では、余剰電力ヒータ2で第1熱媒体が沸騰するまで加熱されるのが抑制されることにより、第1熱媒体の温度を適切な温度でより安定して保つことができ、また、燃料電池1内を適切な温度でより保つことができる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図4に示すように、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1熱媒体経路51における第1熱媒体復路51bの余剰電力ヒータ2と第1熱媒体タンク3との間の部分55が、第1熱媒体の鉛直方向の流れの向きが、鉛直上向きになるように構成されている点が異なる。具体的には、部分55を構成する配管における第1熱媒体の流れが、鉛直方向上向きになるよう構成されている。
これにより、余剰電力の急激な増加により、第1熱媒体が余剰電力ヒータ2で急激に加熱され、場合によっては、沸騰して、水蒸気等のガスが生成しても、生成したガスは、ガスの浮力により、部分55に滞留することなく、第1熱媒体とともに部分55を通流して、第1熱媒体タンク3に流入する。そして、第1熱媒体タンク3に流入したガスは、第1熱媒体タンク3の空隙部3aに捕集されるので、第1熱媒体復路51bの第1熱媒体タンクの下流側に流出することがない。このため、余剰電力ヒータ2の加熱により発生したガスが第1熱媒体タンク3に至るまでの第1熱媒体経路51内に滞留することなく、より確実に第1熱媒体タンク3に捕集することができるため、本実施の形態4に係る燃料電池システム100では、実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体の流量をより安定にすることができる。また、第1熱媒体の流量が安定することにより、熱交換器4での第2熱媒体との熱交換がより安定し、燃料電池1に供給される第1熱媒体の温度がより安定するため、燃料電池1内の温度もより安定する。
なお、本実施の形態においては、第1熱媒体復路51bの部分55を第1熱媒体の流れにおいて、鉛直方向上向きに流れるように構成したが、これに限定されず、部分55が、水平または上り勾配であれば構わない。なお、ここでいう「上り勾配」とは、部分55において第1熱媒体の流れの鉛直方向成分が鉛直下向きにならないように構成されていることを指し、具体的には、部分55は、斜めに傾斜していてもよく、また、水平部分と鉛直方向上向きの部分とが混在する構成としてもよく、また、水平部分と斜めに傾斜する部分とが混在する構成であっても構わない。
また、上述においては説明しなかったが、本実施の形態の燃料電池システムに対して、実施の形態2や実施の形態3における燃料電池システムのような第1ポンプ6又は第2ポンプ7の制御を実施するように構成しても構わない。
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図5に示すように、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、余剰電力ヒータ2が第1熱媒体タンク3内部に設けられている点と、第1熱媒体タンク3に、圧力検出器17、連通流路18、及び開閉弁19からなる圧抜き器が設けられている点が異なる。
具体的には、余剰電力ヒータ2は、第1熱媒体タンク3の内部に設けられていて、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱することができるように構成されている。また、第1熱媒体タンク3の内部には、水位検出器(図示せず)が設けられていて、検出した水位を制御器10に出力している。制御器10は、水位検出器で検出された水位に基づいて、適宜な手段(例えば、第1熱媒体の第1熱媒体タンク3への補給する水補給器)により、余剰電力ヒータ2が第1熱媒体の液面下に常に位置するように、第1熱媒体の水位を調整している。
これにより、燃料電池1で発電した電力のうち外部電力負荷14で消費されない余剰の電力が、余剰電力ヒータ2に通電されると、直接第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体が加熱されるため、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに設ける構成よりも、放熱ロスが少なく(つまり、実施の形態3の部分55における放熱ロスがなく)、効率よく余剰電力を熱エネルギーとして利用することができ、燃料電池システム100の省エネルギー性をより高めることができる。
また、余剰電力の急激な増加により、第1熱媒体が余剰電力ヒータ2で急激に加熱され、場合によっては、沸騰して、水蒸気等のガスが生成しても、生成したガスは、空隙部3aに捕集されるため、第1熱媒体経路51には流出しない。このため、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体の流量をより安定にすることができ、また、第1熱媒体の流量が安定することにより、熱交換器4での第2熱媒体との熱交換がより安定して行うことができる。そして、熱交換器4での熱交換がより安定することにより、燃料電池1に供給される第1熱媒体の温度がより安定するため、燃料電池1内の温度もより安定する。
また、第1熱媒体タンク3の上部には、第1熱媒体タンク3内部の空隙部3aと外気を連通する連通流路18が設けられていて、該連通流路18の途中には、開閉弁19が設けられている。さらに、第1熱媒体タンク3の上部には、圧力検出器17が設けられている。圧力検出器17は、第1熱媒体タンク3の空隙部3aの圧力を検出し、検出した空隙部3aの圧力を制御器10に出力するように構成されている。そして、制御器10は、圧力検出器17で検出した圧力に基づき、開閉弁19の弁の開閉を調節している。具体的には、制御器10は、空隙部3aの圧力が、所定の圧力Pc(例えば、第1熱媒体経路51を構成する配管の設計圧力より低い圧力になると、開閉弁19の弁を開き、空隙部3aの圧力が、所定の圧力Pcより小さくなるように制御する。そして、空隙部3aの圧力が、所定の圧力Pcより小さくなると、開閉弁19の弁を閉じるように制御する。なお、ここでは、連通流路18、及び開閉弁19を備える圧抜き器を第1熱媒体タンク3に設ける構成としたが、これに限定されず、単に、連通流路18を設けて、第1熱媒体タンク3を大気開放する構成としてもよい。
これにより、余剰電力ヒータ2で第1熱媒体が急激に加熱され、場合によっては、沸騰することにより生成した水蒸気等のガスを空隙部3aで捕集することで、空隙部3aの圧力が上昇しても、開閉弁19の弁を開けることにより、空隙部3aと外気とが連通し、空隙部3aの圧力を所定の圧力Pcより小さくすることができ、第1熱媒体タンク3内の圧力上昇(圧力変動)を抑制することができる。また、第1熱媒体タンク3内の圧力上昇を抑制することにより、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体の流量をより安定にすることができ、また、第1熱媒体の流量が安定することにより、熱交換器4での第2熱媒体との熱交換がより安定して行うことができる。そして、熱交換器4での熱交換がより安定することにより、燃料電池1に供給される第1熱媒体の温度がより安定するため、燃料電池1内の温度もより安定する。
このように、本実施の形態5に係る燃料電池システム100では、実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、余剰電力ヒータ2が直接第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱するため、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに設ける構成よりも、放熱ロスを抑制することができ、燃料電池システム100の省エネルギー性をより高めることができる。
なお、上述においては説明しなかったが、本実施の形態の燃料電池システムに対して、実施の形態2や実施の形態3における燃料電池システムのような第1ポンプ6または第2ポンプ7の制御を実施するように構成しても構わない。
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
本発明の実施の形態6に係る燃料電池システム100は、実施の形態5に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、余剰電力ヒータ2が、第1熱媒体タンク3の外面に設けられている点が異なる。具体的には、図6に示すように、第1熱媒体タンク3の底外面(下面)に設けられていて、第1熱媒体タンク3の底部を介して、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱するように構成されている。なお、第1熱媒体タンク3の底外面より第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱するよう構成されているため、余剰電力ヒータ2から周囲の外気への放熱量等を抑制するために、余剰電力ヒータ2を断熱材で覆うよう構成することが好ましい。
このような構成とすることにより、本実施の形態6に係る燃料電池システム100では、上記実施の形態5と同様に、燃料電池1で発電した電力のうち外部電力負荷14で消費されない余剰の電力が、余剰電力ヒータ2に通電されると、第1熱媒体タンク3の底部を介して、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体が加熱されるため、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに設ける構成よりも、放熱ロスが少なく(つまり、実施の形態3の部分55における放熱ロスがなく)、効率よく余剰電力を熱エネルギーとして利用することができ、燃料電池システム100の省エネルギー性をより高めることができる。また、本実施の形態6においては、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体タンク3の外面のうち、特に、底外面(下面)に設けているため、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体の高さに関らず、第1熱媒体タンク3の容器を間に介して、第1熱媒体と対向する位置から第1熱媒体を余剰電力ヒータ2で加熱することができるため、余剰電力ヒータ2からの熱エネルギーを効率よく第1熱媒体に伝達することができ、燃料電池システム100の更なるエネルギー効率を向上させることができる。なお、上述においては説明しなかったが、本実施の形態の燃料電池システムに対して、実施の形態2や実施の形態3における燃料電池システムのような第1ポンプ6または第2ポンプ7の制御を実施するように構成しても構わない。
なお、上記実施の形態1〜5においては、第2熱媒体経路52に貯湯タンク5を接続し、貯湯タンク5から熱負荷に貯湯水を供給する構成としたが、これに限定されず、第2熱媒体経路52から直接熱負荷に貯湯水を供給する構成としてもよい。
また、上記実施の形態2及び3においては、第1温度検出器15で検出された温度に基づき、第1ポンプ6の操作量を調整したが、これに限定されず、例えば、第2熱媒体経路52に温度検出器を設けて、該温度検出器で検出された温度に基づいて、第1ポンプ6の操作量を調整してもよい。
さらに、第1熱媒体として、水を用いたが、これに限定されず、例えば、不凍液を用いてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明の燃料電池システムは、発電時に発生した余剰電力を熱として回収する運転を行なう燃料電池システム等に有用である。また、エンジン等を用いた発電とともに発生する熱を回収するコージェネレーションシステム等の用途にも応用できる。
1 燃料電池
2 余剰電力ヒータ
3 第1熱媒体タンク
4 熱交換器
5 貯湯タンク
6 第1ポンプ(第1流量調整器)
7 第2ポンプ(第2流量調整器)
8 DC/DCコンバータ
9 インバータ
10 制御器
11 系統連系点
12 系統電源
13 電流検出器
14 外部電力負荷
15 第1温度検出器
16 第2温度検出器
17 圧力検出器
18 連通流路
19 開閉弁
21 第1熱媒体流路
22 一次流路
23 二次流路
51 第1熱媒体経路
51a 第1熱媒体往路
51b 第1熱媒体復路
52 第2熱媒体経路
52a 第2熱媒体往路
52b 第2熱媒体復路
53 水供給路
54 貯湯水供給路
55 部分
100 燃料電池システム
200 燃料電池システム
201 燃料電池
202 冷却水流路
203 熱交換器
204 貯湯槽
205 温水流路
206 発熱体
207 発熱体
210 温度検知器
本発明は、燃料電池システムの構成に関する。
燃料電池システムは、外部から燃料電池に供給された燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行い、反応により生じた熱を回収して湯水をして貯え、この湯水を外部への熱供給に有効利用するシステムである。このような燃料電池システムは、系統電源と系統連系されており、燃料電池等で発電した電力と系統電源からの電力が、外部電力負荷(例えば、家庭の使用電力負荷)に供給される。
ところで、燃料電池システムを構成する燃料電池は、外部電力負荷の負荷変動に対する出力変化(追随)速度が遅いため、コージェネレーションシステムから電力供給を受ける全機器の総消費電力が、コージェネレーションシステムから出力される出力電力を下回る場合、余剰電力が発生し、系統電源への電力の逆潮流が生じる。これを防止するために、余剰電力をヒータで熱に変換して有効利用する燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に開示されている燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。図7に示すように、特許文献1に開示されている燃料電池システム200は、燃料電池201、冷却水流路202、熱交換器203、貯湯槽204、温水流路205、及び発熱体206、207を備えている。
燃料電池201には、冷却水流路202が接続されていて、貯湯槽204には、温水流路205が接続されている。そして、冷却水流路202を通流する冷却水と、温水流路205を通流する温水と、の間で熱交換を行えるように、熱交換器203は、冷却水流路202と温水流路205を跨ぐように設けられている。また、冷却水流路202には、冷却水ポンプ208が設けられていて、一方、温水流路205には、排熱回収水ポンプ209が設けられている。さらに、冷却水流路202及び温水流路205には、それぞれ、発熱体206、207が設けられている。
このように構成された特許文献1に開示されている燃料電池システム200では、余剰電力が発生した場合に、発生した余剰電力を発熱体206、207で消費して熱に変換することにより、系統電源への電力の逆潮流を防止することができる。
また、従来の燃料電池システムでは、冷却水流路を通流する冷却水を貯える(冷却)水タンクを有していて、水タンクは、効率的な熱回収を図るために熱交換器の下流側に設けられているのが、一般的である(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−12564号公報 特開2004−213985号広報
ところで、一般家庭では、設置されている複数の電化製品が様々なタイミングで使用されるため、電力消費量が大きく変動する。このため、電力負荷が急激に減少した場合に、余剰電力が急激に増加する場合がある。このような場合に、上記特許文献1に開示されている燃料電池システム200の構成では、余剰電力の急激な増加によって、発熱体206で冷却水が急激に加熱され、場合によっては、冷却水が沸騰する可能性がある。
冷却水の急激な加熱により、冷却水中の溶存酸素等が気化したガスや、冷却水の沸騰によって生成された水蒸気等のガスが、冷却水流路202(例えば、熱交換器203)に溜まり、安定した冷却水の循環が維持できなくなる可能性がある。
そして、安定した冷却水の循環が維持されなくなると、熱交換器203での安定した熱交換ができなくなり、燃料電池201の温度が上昇して、燃料電池201内を適正な温度に保つことができなくなるという問題があった。
また、冷却水が急激に加熱され、場合によっては、沸騰すると、温水流路205を通流する温水が、熱交換器203で急激に加熱された冷却水、場合によっては、沸騰した冷却水と熱交換することで、通常よりも過剰に加熱され、過昇温した温水が、貯湯槽204に供給されるおそれがあった。過昇温した温水が貯湯槽に貯えられると、貯湯槽204内の温水が外部に供給される場合、市水と混合して温度低下を図っても使用者の所望する最適な温度にまで温度が低下せず、高温の温水が供給されて、使用者が火傷する可能性がある。
本発明は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、燃料電池を冷却する上記冷却水等に例示される熱媒体が、余剰電力の急激な変動により、余剰電力ヒータで冷却水が急激に加熱され、過昇温したり、場合によっては、沸騰したりすることで、上述のように冷却水よりガスが生成しても、熱交換器での熱交換を従来よりも安定して行える燃料電池システムを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、急激に加熱された熱媒体、場合によっては、沸騰した熱媒体が熱交換器に供給されるのを抑制することにより、上記温水に例示される第2熱媒体が、過昇温した状態で、上記貯湯タンクに例示される蓄熱器に供給されるのを抑制し、安全に運転することができる燃料電池システムを提供することを第2の目的とする。
以上のような課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池を冷却する第1熱媒体が通流する第1熱媒体経路と、第2熱媒体が通流する第2熱媒体経路と、前記第1熱媒体経路と前記第2熱媒体経路とに跨がって設けられ、前記第1熱媒体経路を通流する前記第1熱媒体と、前記第2熱媒体経路を通流する前記第2熱媒体との間で熱交換するための熱交換器と、前記燃料電池を冷却した前記第1熱媒体を前記熱交換器に流入するまでに加熱し、前記燃料電池の余剰電力を消費する余剰電力ヒータと、前記第1熱媒体経路に設けられ、前記第1熱媒体を貯えるタンクと、を備え、前記タンクは前記余剰電力ヒータで加熱された前記第1熱媒体と前記タンク内の前記第1熱媒体とが混合するように構成されている。
これにより、余剰電力の急激な増加により、余剰電力ヒータで加熱された第1熱媒体が過昇温したり、場合によっては、沸騰したりすることで、冷却水中の溶存酸素が気化したり、水蒸気化によりガスが生成しても、第1熱媒体経路内のガス滞留により第1熱媒体の流量が不安定になる可能性が抑制され、熱交換器において第2の熱媒体との安定した熱交換が行われる。また、急激に加熱された第1熱媒体が、また、場合によっては、沸騰した第1熱媒体がタンク内の第1熱媒体と混合することにより、タンク内で温度が平準化された第1熱媒体が熱交換器に供給されるため、熱交換器を通過した第2熱媒体の温度が過昇温する可能性を低減することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記余剰電力ヒータは前記第1熱媒体経路に設けられ、該余剰電力ヒータで加熱された第1熱媒体が前記タンク内に流入するように構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記タンク内に前記余剰電力ヒータが設けられていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記タンクは大気開放されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記タンクには圧抜き器が設けられていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1熱媒体経路の前記余剰電力ヒータと前記タンクとの間の部分は、水平又は前記第1熱媒体の流れにおいて上り勾配になるように構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1熱媒体経路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた第1温度検出器と、前記第2熱媒体流路を通流する前記第2熱媒体の流量を調整する第1流量調整器と、前記第1温度検出器の検出温度に基づき前記第1流量調整器を制御する第1制御器と、を備えていてもよい。
さらに、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1熱媒体経路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた第1温度検出器と、前記燃料電池を冷却した後、前記余剰電力ヒータで加熱される前の前記第1熱媒体の温度を検出する第2温度検出器と、前記第1熱媒体経路を通流する前記第1熱媒体の流量を調整する第2流量調整器と、前記第2温度検出器の検出温度が前記第1温度検出器の検出温度と前記1熱媒体の沸点との平均温度よりも低くなるように前記第2流量調整器を制御する第2制御器と、を備えていてもよい。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の燃料電池システムによれば、余剰電力の急激な変動により、余剰電力ヒータで急激に加熱された第1熱媒体、又は場合によっては第1熱媒体が沸騰したような場合でも、沸騰により生成された水蒸気等のガスをタンク内で捕集することにより第1熱媒体経路内のガス滞留が抑制され、熱交換器での熱交換を安定して行える。また、タンク内の第1熱媒体と混合されることで、熱交換器に供給される第1熱媒体の温度上昇が抑制され、熱交換器通過後の第2熱媒体が過昇温する可能性が低減される。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図2は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図3は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図4は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図5は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図6は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。 図7は、特許文献1に開示されている燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示した模式図である。
[燃料電池システムの構成]
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、燃料電池1、余剰電力ヒータ2、第1熱媒体タンク3、熱交換器4、及び制御器10を備えている。
燃料電池1には、燃料ガス供給装置(図示せず)と酸化剤ガス供給装置(図示せず)が接続されており、これらの供給装置から供給される燃料ガスと酸化剤ガス(これらを反応ガスという)を電気化学反応させることにより、電力と熱を発生する。
また、燃料電池1には、電気化学反応により発生した排熱を回収するために第1熱媒体が流れる第1熱媒体流路21が設けられている。
燃料電池1内の第1熱媒体流路21の入口には、第1熱媒体往路51aの下流端が接続されており、第1熱媒体往路51aの上流端は、熱交換器4の一次流路22の出口に接続されている。また、熱交換器4の一次流路22の入口には、第1熱媒体復路51bの下流端が接続されており、第1熱媒体復路51bの上流端は、燃料電池1内の第1熱媒体流路21の出口に接続されている。上記のような構成により、第1熱媒体経路51は、第1熱媒体往路51a、第1熱媒体復路51b、第1熱媒体流路21、及び一次流路22により構成される。
また、第1熱媒体往路51aの途中には、流量調整が可能な第2ポンプ(第2流量調整器)7が設けられていて、第1熱媒体復路51bの途中には、余剰電力ヒータ2と、第1熱媒体(ここでは、冷却水)を貯えるための第1熱媒体タンク3と、がこの順で設けられている。余剰電力ヒータ2は、燃料電池1で発電した電力のうち余剰の電力が通電され、第1熱媒体往路51aを通流する第1熱媒体を加熱するように構成されている。なお、本発明の第2流量調整器として、ここでは、流量調節が可能なポンプを用いているが、これに限定されず、ポンプと流量調節弁等の流量調節器を用いてもよい。
また、熱交換器4の二次流路23には、第2熱媒体往路52aと第2熱媒体復路52bとが接続されていて、これらの第2熱媒体往路52a、第2熱媒体復路52b及び二次流路23より構成される第2熱媒体経路52は、蓄熱器としての貯湯タンク5と接続されている。具体的には、熱交換器4の二次流路23の入口には、第2熱媒体復路52bの下流端が接続されており、その上流端は、貯湯タンク5の下端部に接続されている。貯湯タンク5の上端部には、第2熱媒体往路52aの下流端が接続されており、その上流端は、熱交換器4の二次流路23の出口に接続されている。また、第2熱媒体復路52bの途中には、流量調節可能な第1ポンプ(第1流量調整器)6が設けられている。なお、本発明の第1流量調整器として、ここでは、流量調節が可能なポンプを用いているが、これに限定されず、ポンプと流量調節弁等の流量調節器を用いてもよい。
貯湯タンク5は、ここでは、鉛直方向に延びるように形成されていて、貯湯タンク5の下端部には、市水を供給するための水供給路53が接続されており、貯湯タンク5の上部には、貯湯水を利用者に供給するための貯湯水供給路54が接続されている。また、貯湯水供給路54には、貯湯水を利用する熱負荷が接続されている(図示せず)。熱負荷としては、例えば、給湯機器、暖房機器や空調機器が挙げられる。
これにより、燃料電池1の排熱を回収した第1熱媒体は、第1熱媒体経路51の第1熱媒体復路51bを通流して、熱交換器4内の一次流路22に供給される。一次流路22に供給された第1熱媒体は、熱交換器4の一次流路22を通流する間に、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4内の二次流路23に供給された第2熱媒体と熱交換して、冷却される。冷却された第1熱媒体は、第1熱媒体往路51aを通流して、燃料電池1の第1熱媒体流路21の入口に供給される。一方、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4の二次流路23に供給された第2熱媒体(ここでは、貯湯水)は、熱交換器4の二次流路23を通流する間に、一次流路22を通流する第1熱媒体によって加熱される。加熱された第2熱媒体は、第2熱媒体復路52bを通流して、貯湯タンク5の上端部に供給される。このような構成により、貯湯タンク5は、下部には市水温度に近い温度の低い水が貯えられ、熱交換器4により高温化した第2熱媒体が上部より貯えられる、いわゆる積層沸き上げ型の貯湯タンクとなる。
なお、燃料電池1の排熱を回収した第1熱媒体は、第1熱媒体経路51の第1熱媒体復路51bを通流する間に、余剰電力が発生すると、余剰電力ヒータ2によりさらに加熱される。また、上記の第1熱媒体及び第2熱媒体の流動方向(図1に矢印で示す方向)は、発電時における流動方向であり、燃料電池1の暖機運転時には、第2熱媒体の流動方向は、これと逆方向になる。
また、燃料電池1の出力端子(図示せず)には、適宜な配線により、DC/DCコンバータ8の入力端子(図示せず)が接続されている。DC/DCコンバータ8は、燃料電池1で発生した直流電力を所定の電圧に昇圧するように構成されている。また、DC/DCコンバータ8の出力端子には、適宜な配線により、インバータ9の入力端子(図示せず)が接続されている。インバータ9は、DC/DCコンバータ8で昇圧された直流電力を交流電力に変換するように構成されている。
インバータ9の出力端子(図示せず)には、適宜な配線により余剰電力ヒータ2が接続されている。また、インバータ9の出力端子には、系統連系点11を介して、系統電源12が接続されている。すなわち、燃料電池1の出力電力と系統電源12からの電力が、系統連系点11で系統連系されている。なお、ここでは、余剰電力ヒータ2をインバータ9の出力端子に接続したが、これに限定されず、DC/DCコンバータ8の出力端子に接続してもよい。
系統連系点11には、適宜な配線により、外部電力負荷14が接続されている。外部電力負荷14は、ここでは、一般家庭で使用される電力消費機器を想定している。さらに、系統連系点11とインバータ9との間には、電流検出器13が設けられている。
電流検出器13は、系統電源12から供給される電流量を検出し、検出した電流値は、制御器10に出力される。電流検出器13は、ここでは、カレントトランス等の電流センサで構成されており、電流の大きさを電力の大きさとして検出し、また、電流の向きを検出することで、逆潮流が発生しているかを検出している。なお、電流検出器13として、例えば、シャント抵抗を用いた電流センサ、カレントトランスを系統電線にクランプし、1次電流に比例した2次巻き線電流から電流検知するクランプ式交流電流センサ、交流電流を直接計測する交流電流計等を使用してもよい。
これにより、DC/DCコンバータ8で昇圧された直流電力が、インバータ9で交流電力に変換され、系統電源12と系統連系しながら、外部電力負荷14に電力が供給される。そして、系統電源12から供給される電力を電流検出器13が検出し、検出した電力が制御器10に出力される。
制御器10は、マイコン等のコンピュータによって構成されており、CPUからなる演算処理部、半導体メモリから構成された記憶部(内部メモリ)、及びカレンダー機能を有する時計部(いずれも図示せず)を有している。演算処理部は、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、燃料電池システムに関する各種の制御を行う。
また、演算処理部は、電流検出器13にて検出された電流の向きに基づいて、逆潮流が生じているか否かを検出し、また、電流検出器13にて検出された電流値に応じて、余剰電力ヒータ2への電力供給量を制御している。具体的には、制御器10の演算処理部は、電流検出器13で検出される電流が、系統電源12へ流れないように、余剰電力ヒータ2への電力供給量を制御している。すなわち、燃料電池システム100には、例えば、余剰電力ヒータ2への供給電圧を制御する電圧調整器(出力電圧を調整可能な電圧変換器:図示せず)が設けられていて、この電圧調整器の出力電圧を調整することにより、余剰電力ヒータ2の消費電力が調整される。制御器10は、この電圧調整器の出力電圧を制御することにより、余剰電力ヒータ2への電力供給量を制御する。
ここで、本明細書において、制御器とは、単独の制御器だけでなく、複数の制御器が協働して、燃料電池システムの制御を実行する制御器群をも意味する。このため、制御器10は、単独の制御器から構成される必要はなく、複数の制御器が分散配置され、それらが協働して燃料電池システム100を制御するように構成されていてもよい。
[燃料電池システムの動作]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システムの動作について、図1を参照しながら説明する。
まず、燃料電池1の図示されないアノード及びカソードに、燃料ガス供給装置及び酸化剤ガス供給装置から、それぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、電気化学反応により、電力と熱が発生する。燃料電池1で発生した電力(直流電力)は、DC/DCコンバータ8で昇圧され、昇圧された直流電力は、インバータ9に供給される。インバータ9では、供給された直流電力を交流電力に変換され、系統電源12と系統連系しながら、外部電力負荷14に電力が供給される。
一方、燃料電池1で発生した熱(排熱)は、第1熱媒体流路21に供給された第1熱媒体により回収される。燃料電池1の排熱を回収した第1熱媒体は、第1熱媒体復路51bに流出し、該第1熱媒体復路51bを通流して、第1熱媒体タンク3に戻る。第1熱媒体タンク3に戻った第1熱媒体は、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体と混合され、温度が平準化される。そして、第1熱媒体タンク3内に供給された第1熱媒体は、さらに、第1熱媒体復路51bを通流して、熱交換器4の一次流路22に供給される。
熱交換器4の一次流路22に供給された第1熱媒体は、熱交換器4の一次流路22を通流する間に、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4の二次流路23に供給された第2熱媒体と熱交換して、冷却される。冷却された第1熱媒体は、第1熱媒体往路51aを通流して、燃料電池1の第1熱媒体流路21の入口に供給される。
一方、貯湯タンク5の下端部から熱交換器4の二次流路23に供給された第2熱媒体は、熱交換器4の二次流路23を通流する間に、加熱される。加熱された第2熱媒体は、第2熱媒体往路52aを通流して、貯湯タンク5の上端部に戻る。貯湯タンク5に戻った第2熱媒体は、需要に応じて、貯湯水供給路54を通流して熱負荷に供給され、利用者にお湯として使用される。また、貯湯タンク5内の第2熱媒体が減少すると、制御器10の制御により、水供給路53から市水が供給される。
なお、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体は、制御器10からの制御信号に基づいて、第2ポンプ7により、その流量が調整され、同様に、第2熱媒体経路52を通流する第2熱媒体は、制御器10からの制御信号に基づき、第1ポンプ6により、その流量が調整される。
ところで、外部電力負荷14で消費される電力が、燃料電池1で発電された電力よりも小さい場合、余剰電力が発生する。この余剰電力は、上述したように、余剰電力ヒータ2に供給され、第1熱媒体復路51bを通流する第1熱媒体が加熱される。そして、特に、外部電力負荷14で消費される消費電力量が急激に減少した場合、余剰電力が急激に増加し、余剰電力ヒータ2で第1熱媒体が急激に加熱され、場合によっては、沸騰する(又は、沸騰に近い温度までに加熱される)可能性がある。
このような場合においても、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、高温の第1熱媒体が第1熱媒体タンク3に供給される(戻る)ため、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体と混合され、第1熱媒体タンク3内で第1熱媒体の温度の平準化がされる。これにより、熱交換器4の一次流路22に過昇温したり、もしくは沸騰したりして、第1熱媒体が供給されることが抑制されるので、燃料電池1の第1熱媒体流路21に過昇温した第1熱媒体が供給されるのが抑制され、燃料電池1内の温度変動を抑制することができる。
また、熱交換器4の一次流路22に急激に加熱された第1熱媒体、場合によっては、沸騰した第1熱媒体が供給されることが抑制されるので、熱交換器4で熱交換される第2熱媒体が過剰に加熱されるのが抑制される。このため、過昇温した第2熱媒体が貯湯タンク5に供給されるのが抑制される。
さらに、第1熱媒体が余剰電力ヒータ2で急激に加熱され、場合によっては、沸騰されることにより、第1熱媒体中の溶存酸素が気化したり、水蒸気が生成したりして、ガスが生成されるが、この生成されたガスは、第1熱媒体タンク3で捕集される。このため、生成されたガスが、熱交換器4の一次流路22に流入し、一次流路内に溜まることを抑制することができ、従来よりも、より安定した第1熱媒体の循環を維持することができる。また、第1熱媒体が安定して循環することにより、熱交換器4で安定して熱交換ができ、燃料電池1内を適切な温度に保つことができる。なお、熱交換器4でのガスの滞留を抑制するという意味においては、第2ポンプ7の配設位置は、第1熱媒体経路51のいずれの箇所であっても構わない。従って、本実施の形態においては、第2ポンプ7を、熱交換器4の下流の第1熱媒体経路51aに設けているが、これは、例示に過ぎず、本例に限定されるものではない。ただし、第2ポンプ7は、第1熱媒体タンク3より下流の第1熱媒体経路51、または余剰電力ヒータ2より上流の第1熱媒体経路51に設けられることがより好ましい。これは、余剰電力ヒータ2の急激な加熱により生成したガスが第2ポンプ7に詰まること(いわゆる、ガス噛みの発生)を抑制するためである。
また、第2ポンプ7の配設位置は、余剰電力ヒータ2より上流の第1熱媒体経路51よりも、第1熱媒体タンク3より下流の第1熱媒体経路51(第1熱媒体往路51a)に設けることがより好ましい。これは、第1熱媒体は、燃料電池1を通過する間に加熱され溶存酸素が気化する可能性があるため、余剰電力ヒータ2より上流の第1熱媒体経路51に第2ポンプ7を配設すると、ガス噛みする可能性がある。一方、第2ポンプ7を、第1熱媒体タンク3より下流の第1熱媒体経路51(第1熱媒体往路51a)に設けると、燃料電池1を通過した間に第1熱媒体より生成したガスは、第1熱媒体タンク3に補集されるので、第2ポンプ7でのガス噛みの可能性が抑制されるからである。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51a(第1熱媒体経路51の熱交換器4の下流側)に第1温度検出器15が設けられている点が異なる。
具体的には、第1温度検出器15は、第1熱媒体往路51aにおける第2ポンプ7の下流側に設けられている。そして、第1温度検出器15は、第1熱媒体往路51aを通流し、燃料電池1の第1熱媒体流路21に供給される第1熱媒体の温度を検出するように構成されており、検出した温度は、制御器(第1制御器)10に出力される。なお、ここでは、制御器10を本発明の第1制御器の一例として構成したが、これに限定されず、制御器10とは、別途独立した制御器(コンピュータ)によって、第1制御器が構成されてもよい。また、燃料電池1(正確には、第1熱媒体流路21)内に供給される第1熱媒体の温度をより正確に検出する観点から、第1温度検出器15は、第1熱媒体往路51aの中でも第1熱媒体往路51aの下流端に近い位置に設けられることがより好ましい。
制御器10は、第1温度検出器15で検出された温度に基づき、第1ポンプ6を制御する。具体的には、第1温度検出器15で検出される温度が、所定の温度(例えば、60℃)になるように、第1ポンプ6の操作量を調整して、第2熱媒体経路52を通流する第2熱媒体の流量を制御する。
例えば、第1温度検出器15の検出温度が、所定の温度より高い62℃になった場合には、制御器10は、第1ポンプ6に操作量を増加させる制御信号を出力する。第1ポンプ6は、制御器10からの制御信号が入力されると、その操作量を増加させて、第2熱媒体の流量を増加させる。これにより、熱交換器4において二次流路23内の第2熱媒体より回収される熱量が大きくなって、第1熱媒体の温度を下げることができる。一方、第1温度検出器15の検出温度が、例えば、所定の温度より低い58℃になった場合には、制御器10は、第1ポンプ6を制御して、その操作量を減少させて、第2熱媒体の流量を減少させる。これにより、熱交換器4において二次流路23内の第2熱媒体より回収される熱量が小さくなって、第1熱媒体の温度を上げることができる。
ところで、上記特許文献1には、冷却水流路202における発熱体206と熱交換器203との間(冷却水流路202の発熱体206の下流側)に温度検知器210が設けられていて、排熱回収水ポンプ209の操作量を温度検知器210の検知した温度に基づいて制御することが開示されている。燃料電池は、電力負荷の急激な変動に追随して発電量を調整することができないため、余剰電力の急激な変動が生じる。このため、特許文献1に開示されている燃料電池システム200では、発熱体206に供給される余剰電力の急激な変動によって、発熱体206で加熱される冷却水の温度も急激に変動するので、排熱回収水ポンプ209をその温度変動に追随してその操作量を制御すると、燃料電池201に流入する冷却水の温度が安定しないおそれがある。
また、特許文献1に開示されている燃料電池システム200では、冷却水流路202における発熱体206と熱交換器203との間に温度検知器210が設けられているため、燃料電池201に供給される冷却水の正確な温度を検知するために、さらに温度検知器を設ける必要があり、燃料電池システムの低コスト化を図ることができない。
しかしながら、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、余剰電力ヒータ2の下流側に第1熱媒体タンク3が設けられているため、余剰電力の急激な変動により、温度変動した第1熱媒体は、第1熱媒体タンク3内に供給され、第1熱媒体タンク3に貯えられている第1熱媒体によりその温度変動が緩和される。また、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、第1熱媒体タンク3の下流側に熱交換器4が設けられているため、第1熱媒体の温度変動はさらに緩和される。
そして、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、第1温度検出器15が第1熱媒体経路51の熱交換器4の下流側に設けられている。このため、余剰電力の急激な変動が生じても、第1熱媒体タンク3及び熱交換器4により、第1熱媒体往路51aを通流する第1熱媒体は、温度変動がより緩和され、第1温度検出器15の検出温度に基づく第1ポンプ6の操作量の制御を安定して行うことができる。その結果、余剰電力の急激な変動が生じても、燃料電池1の第1熱媒体流路21に流入する冷却水の温度が従来よりも安定する。
このように、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、簡素な構成で、第1温度検出器15で検出された温度に基づき、第1ポンプ6の操作量を制御することにより、熱交換器4での熱交換量を調整し、第1熱媒体の温度を安定して調整することができる。また、第1熱媒体の温度が安定して調整されることにより、燃料電池1内の温度を安定して調整することができる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図3に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システム100は、実施の形態2に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに第2温度検出器16が設けられている点が異なる。
具体的には、第2温度検出器16は、第1熱媒体復路51bにおける余剰電力ヒータ2の上流側に設けられている。そして、第2温度検出器16は、燃料電池1の第1熱媒体流路21から排出される第1熱媒体の温度を検出するように構成されており、検出した温度は、制御器(第2制御器)10に出力される。なお、ここでは、制御器10を第2制御器の一例として構成したが、これに限定されず、制御器10とは、別途独立した制御器(コンピュータ)によって、第2制御器が構成されてもよい。また、燃料電池1(正確には、第1熱媒体流路21)から排出される第1熱媒体の温度をより正確に検出する観点から、第2温度検出器16は、第1熱媒体復路51bの上流端に近い位置に設けられることが好ましい。
制御器10は、第1及び第2温度検出器15、16で検出された温度に基づき、第2ポンプ7の操作量を制御する。具体的には、制御器10は、第2温度検出器16で検出される温度が、第1温度検出器15で検出された温度(例えば、60℃)と、第1熱媒体の沸点100℃と、の平均である80℃よりも、低い所定温度(例えば、70℃)になるように、第2ポンプ7(ここでは、第1ポンプ6を含む)の操作量を制御している。この場合、第2温度検出器16の検出温度が上記所定温度よりも上昇すると、燃料電池1の生成熱の回収量を増加させるため、第2ポンプ7の操作量を増大させて第1熱媒体の流量を増加させ、第2温度検出器16の検出温度を低下させ、第2温度検出器16の検出温度が低下すると燃料電池1の生成熱の回収量を低減させるため、第2ポンプの操作量を減少させ、第2温度検出器16の検出温度を上昇させる。
ところで、燃料電池1が固体高分子形燃料電池の場合、発電により、通常、発電量の熱量換算値と同等の熱量を生成する(すなわち、燃料電池の生成熱量≒燃料電池の発電量の熱量換算値)が、この生成熱により、第1熱媒体の温度が上昇する。例えば、上述したように燃料電池システム100を運転中に、余剰電力が生じていない状態で、第1温度検出器15で検出された温度が60℃であり、第2温度検出器16で検出された温度が70℃である場合、燃料電池1での生成熱により、第1熱媒体が10℃だけ温度上昇したといえる。
このような燃料電池システム100の運転中に上述の同じ発電量で、かつ、外部電力負荷14での電力消費が突然停止した場合、燃料電池1で発電した全発電量が、余剰電力ヒータ2に通電される。ここで、例えば、余剰電力ヒータが抵抗加熱型のヒータである場合、電熱交換効率はほぼ100%であるため、「余剰電力ヒータの発熱量≒燃料電池の発電量の熱量換算値」となり、さらに、固体高分子形燃料電池では、「燃料電池の生成熱量≒燃料電池の発電量の熱量換算値」であることを考慮すると、「余剰電力ヒータの発熱量≒燃料電池の生成熱量」となる。従って、余剰電力ヒータ2で加熱された第1熱媒体の温度上昇は、余剰電力が0の場合に比べて、さらに、約10℃の温度上昇が見込まれる。このため、第1熱媒体タンク3に導入される第1熱媒体の温度は、約80℃となり、外部電力負荷14における電力消費の変動により余剰電力ヒータ2への通電量が急激に上昇しても、第1熱媒体が沸騰するまで加熱されるのが抑制される。これにより、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体流量がより安定し、燃料電池1に流入する第1熱媒体の温度を適切な温度で安定して保つことができ、また、燃料電池1内を適切な温度で保つことができる。
このように、本実施の形態3に係る燃料電池システム100では、実施の形態2に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、燃料電池1の第1熱媒体流路21から排出される第1熱媒体の温度(第2温度検出器16で検出される温度)を、燃料電池1の第1熱媒体流路21に供給される第1熱媒体の温度(第1温度検出器15で検出される温度)と第1熱媒体の沸点の平均温度よりも低い、所定の温度になるように、第2ポンプ7の操作量を制御することにより、外部電力負荷14の変動により余剰電力ヒータへの通電量が急激に上昇しても、余剰電力ヒータ2で加熱された第1熱媒体の温度は、沸点未満となり、安定的に第1の熱媒体の沸騰を抑制することができる。
また、本実施の形態3に係る燃料電池システム100では、余剰電力ヒータ2で第1熱媒体が沸騰するまで加熱されるのが抑制されることにより、第1熱媒体の温度を適切な温度でより安定して保つことができ、また、燃料電池1内を適切な温度でより保つことができる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図4に示すように、本発明の実施の形態4に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1熱媒体経路51における第1熱媒体復路51bの余剰電力ヒータ2と第1熱媒体タンク3との間の部分55が、第1熱媒体の鉛直方向の流れの向きが、鉛直上向きになるように構成されている点が異なる。具体的には、部分55を構成する配管における第1熱媒体の流れが、鉛直方向上向きになるよう構成されている。
これにより、余剰電力の急激な増加により、第1熱媒体が余剰電力ヒータ2で急激に加熱され、場合によっては、沸騰して、水蒸気等のガスが生成しても、生成したガスは、ガスの浮力により、部分55に滞留することなく、第1熱媒体とともに部分55を通流して、第1熱媒体タンク3に流入する。そして、第1熱媒体タンク3に流入したガスは、第1熱媒体タンク3の空隙部3aに捕集されるので、第1熱媒体復路51bの第1熱媒体タンクの下流側に流出することがない。このため、余剰電力ヒータ2の加熱により発生したガスが第1熱媒体タンク3に至るまでの第1熱媒体経路51内に滞留することなく、より確実に第1熱媒体タンク3に捕集することができるため、本実施の形態4に係る燃料電池システム100では、実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体の流量をより安定にすることができる。また、第1熱媒体の流量が安定することにより、熱交換器4での第2熱媒体との熱交換がより安定し、燃料電池1に供給される第1熱媒体の温度がより安定するため、燃料電池1内の温度もより安定する。
なお、本実施の形態においては、第1熱媒体復路51bの部分55を第1熱媒体の流れにおいて、鉛直方向上向きに流れるように構成したが、これに限定されず、部分55が、水平または上り勾配であれば構わない。なお、ここでいう「上り勾配」とは、部分55において第1熱媒体の流れの鉛直方向成分が鉛直下向きにならないように構成されていることを指し、具体的には、部分55は、斜めに傾斜していてもよく、また、水平部分と鉛直方向上向きの部分とが混在する構成としてもよく、また、水平部分と斜めに傾斜する部分とが混在する構成であっても構わない。
また、上述においては説明しなかったが、本実施の形態の燃料電池システムに対して、実施の形態2や実施の形態3における燃料電池システムのような第1ポンプ6又は第2ポンプ7の制御を実施するように構成しても構わない。
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
図5に示すように、本発明の実施の形態5に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、余剰電力ヒータ2が第1熱媒体タンク3内部に設けられている点と、第1熱媒体タンク3に、圧力検出器17、連通流路18、及び開閉弁19からなる圧抜き器が設けられている点が異なる。
具体的には、余剰電力ヒータ2は、第1熱媒体タンク3の内部に設けられていて、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱することができるように構成されている。また、第1熱媒体タンク3の内部には、水位検出器(図示せず)が設けられていて、検出した水位を制御器10に出力している。制御器10は、水位検出器で検出された水位に基づいて、適宜な手段(例えば、第1熱媒体の第1熱媒体タンク3への補給する水補給器)により、余剰電力ヒータ2が第1熱媒体の液面下に常に位置するように、第1熱媒体の水位を調整している。
これにより、燃料電池1で発電した電力のうち外部電力負荷14で消費されない余剰の電力が、余剰電力ヒータ2に通電されると、直接第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体が加熱されるため、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに設ける構成よりも、放熱ロスが少なく(つまり、実施の形態3の部分55における放熱ロスがなく)、効率よく余剰電力を熱エネルギーとして利用することができ、燃料電池システム100の省エネルギー性をより高めることができる。
また、余剰電力の急激な増加により、第1熱媒体が余剰電力ヒータ2で急激に加熱され、場合によっては、沸騰して、水蒸気等のガスが生成しても、生成したガスは、空隙部3aに捕集されるため、第1熱媒体経路51には流出しない。このため、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体の流量をより安定にすることができ、また、第1熱媒体の流量が安定することにより、熱交換器4での第2熱媒体との熱交換がより安定して行うことができる。そして、熱交換器4での熱交換がより安定することにより、燃料電池1に供給される第1熱媒体の温度がより安定するため、燃料電池1内の温度もより安定する。
また、第1熱媒体タンク3の上部には、第1熱媒体タンク3内部の空隙部3aと外気を連通する連通流路18が設けられていて、該連通流路18の途中には、開閉弁19が設けられている。さらに、第1熱媒体タンク3の上部には、圧力検出器17が設けられている。圧力検出器17は、第1熱媒体タンク3の空隙部3aの圧力を検出し、検出した空隙部3aの圧力を制御器10に出力するように構成されている。そして、制御器10は、圧力検出器17で検出した圧力に基づき、開閉弁19の弁の開閉を調節している。具体的には、制御器10は、空隙部3aの圧力が、所定の圧力Pc(例えば、第1熱媒体経路51を構成する配管の設計圧力より低い圧力になると、開閉弁19の弁を開き、空隙部3aの圧力が、所定の圧力Pcより小さくなるように制御する。そして、空隙部3aの圧力が、所定の圧力Pcより小さくなると、開閉弁19の弁を閉じるように制御する。なお、ここでは、連通流路18、及び開閉弁19を備える圧抜き器を第1熱媒体タンク3に設ける構成としたが、これに限定されず、単に、連通流路18を設けて、第1熱媒体タンク3を大気開放する構成としてもよい。
これにより、余剰電力ヒータ2で第1熱媒体が急激に加熱され、場合によっては、沸騰することにより生成した水蒸気等のガスを空隙部3aで捕集することで、空隙部3aの圧力が上昇しても、開閉弁19の弁を開けることにより、空隙部3aと外気とが連通し、空隙部3aの圧力を所定の圧力Pcより小さくすることができ、第1熱媒体タンク3内の圧力上昇(圧力変動)を抑制することができる。また、第1熱媒体タンク3内の圧力上昇を抑制することにより、第1熱媒体経路51を通流する第1熱媒体の流量をより安定にすることができ、また、第1熱媒体の流量が安定することにより、熱交換器4での第2熱媒体との熱交換がより安定して行うことができる。そして、熱交換器4での熱交換がより安定することにより、燃料電池1に供給される第1熱媒体の温度がより安定するため、燃料電池1内の温度もより安定する。
このように、本実施の形態5に係る燃料電池システム100では、実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用効果に加えて、余剰電力ヒータ2が直接第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱するため、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに設ける構成よりも、放熱ロスを抑制することができ、燃料電池システム100の省エネルギー性をより高めることができる。
なお、上述においては説明しなかったが、本実施の形態の燃料電池システムに対して、実施の形態2や実施の形態3における燃料電池システムのような第1ポンプ6または第2ポンプ7の制御を実施するように構成しても構わない。
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。
本発明の実施の形態6に係る燃料電池システム100は、実施の形態5に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、余剰電力ヒータ2が、第1熱媒体タンク3の外面に設けられている点が異なる。具体的には、図6に示すように、第1熱媒体タンク3の底外面(下面)に設けられていて、第1熱媒体タンク3の底部を介して、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱するように構成されている。なお、第1熱媒体タンク3の底外面より第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体を加熱するよう構成されているため、余剰電力ヒータ2から周囲の外気への放熱量等を抑制するために、余剰電力ヒータ2を断熱材で覆うよう構成することが好ましい。
このような構成とすることにより、本実施の形態6に係る燃料電池システム100では、上記実施の形態5と同様に、燃料電池1で発電した電力のうち外部電力負荷14で消費されない余剰の電力が、余剰電力ヒータ2に通電されると、第1熱媒体タンク3の底部を介して、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体が加熱されるため、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体経路51の第1熱媒体往路51aに設ける構成よりも、放熱ロスが少なく(つまり、実施の形態3の部分55における放熱ロスがなく)、効率よく余剰電力を熱エネルギーとして利用することができ、燃料電池システム100の省エネルギー性をより高めることができる。また、本実施の形態6においては、余剰電力ヒータ2を第1熱媒体タンク3の外面のうち、特に、底外面(下面)に設けているため、第1熱媒体タンク3内の第1熱媒体の高さに関らず、第1熱媒体タンク3の容器を間に介して、第1熱媒体と対向する位置から第1熱媒体を余剰電力ヒータ2で加熱することができるため、余剰電力ヒータ2からの熱エネルギーを効率よく第1熱媒体に伝達することができ、燃料電池システム100の更なるエネルギー効率を向上させることができる。なお、上述においては説明しなかったが、本実施の形態の燃料電池システムに対して、実施の形態2や実施の形態3における燃料電池システムのような第1ポンプ6または第2ポンプ7の制御を実施するように構成しても構わない。
なお、上記実施の形態1〜5においては、第2熱媒体経路52に貯湯タンク5を接続し、貯湯タンク5から熱負荷に貯湯水を供給する構成としたが、これに限定されず、第2熱媒体経路52から直接熱負荷に貯湯水を供給する構成としてもよい。
また、上記実施の形態2及び3においては、第1温度検出器15で検出された温度に基づき、第1ポンプ6の操作量を調整したが、これに限定されず、例えば、第2熱媒体経路52に温度検出器を設けて、該温度検出器で検出された温度に基づいて、第1ポンプ6の操作量を調整してもよい。
さらに、第1熱媒体として、水を用いたが、これに限定されず、例えば、不凍液を用いてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明の燃料電池システムは、発電時に発生した余剰電力を熱として回収する運転を行なう燃料電池システム等に有用である。また、エンジン等を用いた発電とともに発生する熱を回収するコージェネレーションシステム等の用途にも応用できる。
1 燃料電池
2 余剰電力ヒータ
3 第1熱媒体タンク
4 熱交換器
5 貯湯タンク
6 第1ポンプ(第1流量調整器)
7 第2ポンプ(第2流量調整器)
8 DC/DCコンバータ
9 インバータ
10 制御器
11 系統連系点
12 系統電源
13 電流検出器
14 外部電力負荷
15 第1温度検出器
16 第2温度検出器
17 圧力検出器
18 連通流路
19 開閉弁
21 第1熱媒体流路
22 一次流路
23 二次流路
51 第1熱媒体経路
51a 第1熱媒体往路
51b 第1熱媒体復路
52 第2熱媒体経路
52a 第2熱媒体往路
52b 第2熱媒体復路
53 水供給路
54 貯湯水供給路
55 部分
100 燃料電池システム
200 燃料電池システム
201 燃料電池
202 冷却水流路
203 熱交換器
204 貯湯槽
205 温水流路
206 発熱体
207 発熱体
210 温度検知器

Claims (8)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池を冷却する第1熱媒体が通流する第1熱媒体経路と、
    第2熱媒体が通流する第2熱媒体経路と、
    前記第1熱媒体経路を通流する前記第1熱媒体と、前記第2熱媒体経路を通流する前記第2熱媒体との間で熱交換するための熱交換器と、
    前記燃料電池を冷却した前記第1熱媒体を前記熱交換器に流入するまでに加熱し、前記燃料電池の余剰電力を消費する余剰電力ヒータと、
    前記第1熱媒体経路に設けられ、前記第1熱媒体を貯えるタンクと、を備え、
    前記タンクは前記余剰電力ヒータで加熱された前記第1熱媒体と前記タンク内の前記第1熱媒体とが混合するように構成されている、燃料電池システム。
  2. 前記余剰電力ヒータは前記第1熱媒体経路に設けられ、該余剰電力ヒータで加熱された第1熱媒体が前記タンク内に流入するように構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記タンク内に前記余剰電力ヒータが設けられている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記タンクは大気開放されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記タンクには圧抜き器が設けられている、請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第1熱媒体経路の前記余剰電力ヒータと前記タンクとの間の部分は、水平又は前記第1熱媒体の流れにおいて上り勾配になるように構成されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第1熱媒体経路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた第1温度検出器と、
    前記第2熱媒体流路を通流する前記第2熱媒体の流量を調整する第1流量調整器と、
    前記第1温度検出器の検出温度に基づき前記第1流量調整器を制御する第1制御器と、を備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第1熱媒体経路の前記熱交換器よりも下流側に設けられた第1温度検出器と、
    前記燃料電池を冷却した後、前記余剰電力ヒータで加熱される前の前記第1熱媒体の温度を検出する第2温度検出器と、
    前記第1熱媒体経路を通流する前記第1熱媒体の流量を調整する第2流量調整器と、
    前記第2温度検出器の検出温度が前記第1温度検出器の検出温度と前記1熱媒体の沸点との平均温度よりも低くなるように前記第2流量調整器を制御する第2制御器と、を備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
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