JPWO2009157420A1 - 薄膜燃料電池及び薄膜燃料電池製造方法 - Google Patents
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Abstract
薄膜燃料電池(100)は、バイコールガラス(1)及び(11)と、バイコールガラス(1)及び(11)の表面にそれぞれ形成された電子伝導層である第三伝導層(2)(10)と、プライマー層(3)(9)と、電子伝導層である第一伝導層(4)及び第二伝導層(8)と、アノード電極層(5)と、電解質層(6)と、カソード電極層(7)とから構成されている。そして、プライマー層(3)(9)、第一伝導層(4)、アノード電極層(5)、電解質層(6)、カソード電極層(7)、第二伝導層(8)は、カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層した構造を有している。本構成とすることにより、欠損部がなく平滑であり、且つ、層間に作用する静電気力により強固に密着した層を形成させる。
Description
本開示は薄膜燃料電池及び薄膜燃料電池製造方法に関する。
燃料電池は、原理上高い効率で発電することが可能である。燃料電池は、小型であっても十分な電力を取り出すことが可能である。従って燃料電池は、携帯電話やノートパソコン等、モバイル機器用電源としての応用が期待されている。また、燃料電池を小型化することによって、電極材料として使用される貴金属材料や、電解質層材料として使用されるパーフルオロカーボンスルホン酸等、高価な構成材料の使用量を抑制することが可能となる。従って、燃料電池のコストを抑制することが可能となる。
燃料電池の高発電効率化、及び小型化の具体的手段として、燃料電池を形成する電解質膜や電極膜の膜厚を薄くする方法が検討されている。膜厚の薄膜化により、構成材料の使用量を抑制することが可能となる。また、セルの積層方向の厚さを抑制することが可能となる。さらに、電解質膜の抵抗率が小さくなるので、発電効率を向上させることが可能となる。現在、電解質膜や電極膜の膜厚の薄膜化を実現するための研究が盛んに行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−187825号公報
しかしながら、均一の膜厚を保持しつつ電解質膜や電極膜を薄膜化することは、非常に難易度が高い。また、電解質膜や電極膜の薄膜化により、膜が基材基板や他層から剥がれ易くなってしまう。これらの要因で、電解質膜や電極膜の膜厚は、モバイル機器用電源へ応用することが可能なレベルに到達できていないという問題点があった。
本開示は上述の問題点を解決するためになされたものであり、電解質膜や電極膜を安定な状態で薄膜化した薄膜燃料電池、及び、電解質膜や電極膜を安定な状態で薄膜化することが可能な薄膜燃料電池製造方法を提供することを目的とする。
本開示の第一の態様によれば、アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層した構造を有する電解質層と、前記電解質層を挟み対向して配置され積層されたアノード電極層とカソード電極層であって、前記アノード電極層と前記カソード電極層とのうち少なくとも一方が、アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層した構造を有している前記アノード電極層と前記カソード電極層とを備えた薄膜燃料電池が提供される。
本開示の第二の態様によれば、アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層させることにより、アノード電極層又はカソード電極層のうち一方の電極層を形成させる第一電極層形成工程と、前記第一電極層形成工程にて形成された前記一方の電極層における一方の面に、アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層させることにより電解質層を形成させる電解質層形成工程と、前記電解質層形成工程にて形成された前記電解質層における、前記一方の電極層と接する面の反対側の面に、アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層させることにより、アノード電極層又はカソード電極層のうち他方の電極層を形成させる第二電極層形成工程とを備えた薄膜燃料電池製造方法が提供される。
以下、本開示を具体化した薄膜燃料電池100、及び、薄膜燃料電池製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本開示が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている内容は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
はじめに、図1を参照し、薄膜燃料電池100の構成について説明する。
図1に示すように、薄膜燃料電池100は、バイコールガラス1及び11を備えている。バイコールガラス1及び11の表面にそれぞれ形成された電子伝導層である第三伝導層2及び10を備えている。プライマー層3及び9を備えている。電子伝導層である第一伝導層4及び第二伝導層8を備えている。アノード電極層5と、電解質層6と、カソード電極層7とを備えている。バイコールガラス1の表面に形成された第三伝導層2のうち、バイコールガラス1と接する面の反対側面にプライマー層3が積層される。プライマー層3のうち第三伝導層2と接する面の反対側面に第一伝導層4が積層される。第一伝導層4のうちプライマー層3と接する面の反対側面にアノード電極層5が積層される。アノード電極層5のうち第一伝導層4と接する面の反対側面に電解質層6が積層される。電解質層6のうちアノード電極層5と接する面の反対側面にカソード電極層7が積層される。カソード電極層7のうち電解質層6と接する面の反対側面に第二伝導層8が積層される。第二伝導層8のうちカソード電極層7と接する面の反対側面にプライマー層9が積層される。プライマー層9における第二伝導層8と接する面と反対側面が、バイコールガラス11の表面に形成された状態の第三伝導層10と接している。
また、第一伝導層4と第二伝導層8には、電極21及び22がそれぞれ接続している。電極21における第一伝導層4と接続する側の反対側端、及び電極22における第二伝導層8と接続する側の反対側端に、負荷23が接続している。薄膜燃料電池100にて電気化学反応が生じた場合、電極21及び22を介し、第一伝導層4から第二伝導層8に向けて電子が流れる。これによって、負荷23に電流が通流する。
バイコールガラス1及び11は、バイコールガラス1とバイコールガラス11との間に挟まれた状態の各層(プライマー層3及び9、第一伝導層4、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、第二伝導層8、第三伝導層2及び10)を支持する。バイコールガラス1及び11は、薄膜燃料電池100本体に強度を持たせるための基材基板として使用される。バイコールガラス1及び11は、多孔質性を備えており、気体や液体を透過させることが可能である。外部から供給される燃料(水素ガスなど)や酸化剤(酸素ガスなど)が、バイコールガラス1及び11を透過する。透過した燃料は、アノード電極層5、電解質層6、及びカソード電極層7において電気化学反応を生じさせる(詳細は後述する。)。
本実施の形態では、上述の各層(プライマー層3及び9、第一伝導層4、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、第二伝導層8)を構成する材料としてカチオン性物質及びアニオン性物質が使用される(詳細は後述する)。カチオン性物質は、正電荷を有する。アニオン性物質は、負電荷を有する。アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層されることによって、バイコールガラス1及び11上に安定的に上述の各層が形成される。また、バイコールガラス1及び11がプラス又はマイナスに帯電した状態で各層が積層される。これによって、各層はバイコールガラス1及び11に対して強固に密着する。なお図1にて示されているように、第一伝導層4、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、及び第二伝導層8の其々は、アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層されていてもよい。これによって、上述の各層のうち一の層に他の層を積層する場合において、接する部分に配置される其々の層の帯電極性を逆極性とすることが容易に可能となる。
バイコールガラス1及び11は、通常アルカリボロシリケート(Na2O-B2O3-SiO2)ガラスの分相とエッチングによって製造され、多孔性を有している。また、バイコールガラス1及び11は、通常水溶液中ではマイナスに帯電している。バイコールガラス1及び11以外にも、多孔質性を有し気体や液体が透過可能な従来周知の材料を使用することができる。
例えば、炭素微粒子(カーボンブラック)に疎水性バインダー粒子(フッ素樹脂粉末)を混合し、これをホットプレスして多孔質状に作製された多孔質基板も、バイコールガラス1及び11の代わりに使用することができる。また、バイコールガラス1及び11又は炭素系多孔質基板の代わりに、多孔質ステンレスや多孔質ステンレス管も使用することができる。炭素系多孔質基板や多孔質ステンレス材料が使用された場合には、基板自身が高い電子伝導性を有するため、後述の第三伝導層2、及び10の積層を省略することが可能となる。なお、炭素系多孔質基板および多孔質ステンレス材料は、バイコールガラスに比べると電荷は小さいが、水溶液中でマイナイスに帯電しやすい特性を有している。
バイコールガラス1及び11の表面には、第三伝導層2及び10がそれぞれ形成される。第三伝導層2は、電気化学反応によってアノード電極層5に発生する電流を集電し、外部に取り出し易くする。第三伝導層2は、外部に電子が取り出される場合における電子の通流障壁を下げる。電子を取り出すための電極が第三伝導層2に接続された場合に、第三伝導層2は効率よく電子を電極に受け渡すことができる。第三伝導層10は、カソード電極層7に外部から電子を供給し易くするために設けられる。第三伝導層10は、外部から電子が供給される場合における電子の通流障壁を下げる。電子を供給する為の電極が第三伝導層10に接続された場合に、第三伝導層10は効率よく電子をカソード電極層7に受け渡すことができる。
第三伝導層2及び10を構成する材料としては、電子伝導性を有している従来周知の材料が使用される。例えば、金やBaytron(登録商標)が使用される。また、第三伝導層2及び10の積層方法としては、使用する電子伝導性材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の方法が使用される。例えば、真空蒸着法やディップコート法、スピンコート法が使用される。
なお図1においては、電極21及び22は第一伝導層4及び第二伝導層8に接続されている。しかしながら本開示はこの構成に限定されない。第三伝導層2及び10は電子伝導性を有している。このため、第三伝導層2及び10に電極21及び22を接続した場合であっても、効率よく電子が通流し、負荷23に電流が流れる。
プライマー層3及び9は、隣接して積層される第一伝導層4及び第二伝導層8を均一層厚にて平滑に積層させるために設けられる。バイコールガラス1及び11は多孔質性を有している。このため、その表面には多数の孔が形成されている。プライマー層3及び9がこれらの孔に充填される。バイコールガラス1及び11の表面に、プライマー層3及び9からなる平滑面が形成される。これによって、表面が平滑な第一伝導層4及び第二伝導層8を積層することが可能となる。第一伝導層4及び第二伝導層8の層厚が均一となるので、薄膜の欠損部の発生が防止される。
プライマー層3及び9を構成する材料としては、バイコールガラス1及び11の表面に平滑な表面を形成させることが可能な材料が使用される。例えば、カチオン性物質であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)や、アニオン性物質であるポリスチレンスルホン酸(PSS)が使用される。プライマー層3及び9に隣接する層(バイコールガラス1及び11、第一伝導層4、第二伝導層8など)の有する帯電極性と反対極性を有する物質が使用される。これによって、隣接する層とプライマー層3及び9との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、隣接層と強固に密着したプライマー層3及び9が形成される。また、上述の物質が複数使用され、アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層されてもよい。カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されることによって、カチオン性物質とアニオン性物質との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アニオン性物質とカチオン性物質とが強固に密着する。欠損部のないプライマー層3及び9が形成される。プライマー層3及び9の積層方法としては、プライマー層3及び9として使用する材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の方法が使用される。例えば、ディップコート法やスピンコート法が使用される。
第一伝導層4は、隣接するアノード電極層5から電極21に対して電子が流れる場合における通流障壁を下げる。第一伝導層4は、隣接するアノード電極層5に発生する電子を集電し、電極を介して外部に取り出し易くする。図1に示す構成では、アノード電極層5にて発生し、第一伝導層4にて集電された電子は、第一伝導層4に取り付けられた電極21を介して負荷23に流れる。
第一伝導層4を構成する材料については、電子伝導性を有している従来周知の材料が使用される。例えば、カチオン性物質であるPDDAや、アニオン性物質であるBaytronが使用される。なお、第一伝導層4に隣接する層(プライマー層3、アノード電極層5など)の有する帯電極性と反対極性を有する物質が使用される。これによって、双方の間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、隣接層と強固に密着した第一伝導層4が形成される。またこれらの物質が複数使用され、カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されてもよい。アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層されることによって、アニオン性物質とカチオン性物質との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アニオン性物質とカチオン性物質とが強固に密着する。欠損部のない第一伝導層4が形成される。第一伝導層4の積層方法としては、第一伝導層4として使用する材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の方法が使用される。例えば、ディップコート法やスピンコート法が使用される。
アノード電極層5では、バイコールガラス1を透過した燃料が酸化され、プロトンと電子とが生成される。図1に示す構成では、生成された電子は、第一伝導層4にて集電され、電極21を介して外部に取り出される。生成されたプロトンは、電解質層6を透過してカソード電極層7に伝達する。
アノード電極層5を構成する材料としては、燃料電池の電極触媒として使用される従来周知の材料が使用される。例えば、白金や、カーボンブラックに白金粒子を担持させたカーボン担持白金が使用される。また、カチオン性物質及びアニオン性物質として従来周知の材料が使用される。例えば、カチオン性物質としてはPDDAが使用され、アニオン性物質としては白金コロイドが使用される。アノード電極層5に隣接する層(第一伝導層4、電解質層6など)の有する帯電極性と反対極性を有する物質が使用される。これによって、隣接する層とアノード電極層5との間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、隣接層と強固に密着したアノード電極層5が形成される。また、これらの物質が複数使用され、カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されることによって、アニオン性物質とカチオン性物質との間には、引き合う方向に力が作用する。このため、アニオン性物質とカチオン性物質とが強固に密着する。欠損部のないアノード電極層5が形成される。アノード電極層5の積層方法としては、アノード電極層5として使用する材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の方法が使用される。例えば、ディップコート法やスピンコート法が使用される。
電解質層6は、アノード電極層5にて生成したプロトンをカソード電極層7に伝達する。また電解質層6は、燃料と酸化剤とが混ざり合わないように隔離する。電解質層6の一部に欠損等が存在している場合、アノード電極層5とカソード電極層7との間で短絡現象が発生し、電池として作用しなくなってしまう。本実施の形態では、電解質層6はカソード性物質とアノード性物質とを積層した積層構造を有している。これによって、電解質層6を薄化させた場合であっても、欠損部の発生が防止される。薄膜燃料電池100の短絡発生を防止することが可能となる。
電解質層6を構成する材料としては、カチオン性物質とアニオン性物質とが使用される。例えば、カチオン性物質としてはポリアリルアミンハイドロクロリド(PAH)が使用される。アニオン性物質としてはNafion(登録商標)が使用される。カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されることによって、アニオン性物質とカチオン性物質との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アニオン性物質とカチオン性物質とが強固に密着する。欠損部のない電解質層6が形成される。カチオン性物質は、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、及び第4級アンモニウム塩のいずれかであることが好ましい。これらの物質は、正に帯電するカチオン性を有している。このため、積層構造とした場合にアニオン性物質との親和性が強い。アニオン性物質は、スルホ基(SO3H)やホスホ基(PO(OH)2)を有していることが好ましい。これらの基は、負に帯電するアニオン性を有している。このため、積層構造とした場合にカチオン性物質との親和性が強い。これらの物質が使用されることによって、より強固に密着し、欠損部のない電解質層6が形成される。
カチオン性物質とアニオン性物質とを交互に積層する場合における積層方法は、電解質層6として使用する材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の積層方法が使用される。例えば、ディップコート法やスピンコート法が使用される。
カソード電極層7では、プロトンと、外部より供給される酸化剤と、電極22より供給される電子とから水が生成される。プロトンは、アノード電極層5にて生成され、電解質層6を透過してカソード電極層7の近傍に到達する。生成された水は、バイコールガラス11を透過して外部に排出される。
カソード電極層7を構成する材料としては、燃料電池の電極触媒として使用される従来周知の材料が使用される。例えば、白金や、カーボンブラックに白金粒子を担持させたカーボン担持白金が使用される。また、カチオン性物質及びアニオン性物質として従来周知の材料が使用される。例えば、カチオン性物質としてはPDDAが使用される。アニオン性物質としては白金コロイドが使用される。カソード電極層7に隣接する層(電解質層6、第二伝導層8など)の有する帯電極性と反対極性を有する物質が使用される。これによって、隣接する層とカソード電極層7との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、隣接層と強固に密着したアノード電極層5が形成される。また、これらの物質が複数使用され、カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されることによって、カチオン性物質とアニオン性物質との間には引き合う方向に力が作用する。このため、カチオン性物質とアニオン性物質とが強固に密着する。欠損部のないカソード電極層7が形成される。カソード電極層7の積層方法としては、カソード電極層7として使用する材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の方法が使用される。例えば、ディップコート法やスピンコート法が使用される。
第二伝導層8は、電極22から流れ込む電子を、第二伝導層8に隣接するカソード電極層7へ流す場合における電子の通流障壁を下げる。第二伝導層8は、カソード電極層7への電子の流入を促進する。これによって、電極21から負荷23を経由して電極22に流れ込む電子がカソード電極層7に供給される。
第二伝導層8を構成する材料としては、電子伝導性を有している従来周知の材料が使用される。例えば、カチオン性物質であるPDDAや、アニオン性物質であるBaytronが使用される。第二伝導層8に隣接する層(プライマー層9、カソード電極層7など)の有する帯電極性と反対極性を有する物質が使用される。これによって、隣接する層と第二伝導層8との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、隣接層と強固に密着した第二伝導層8が形成される。またこれらの物質が複数使用され、カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されてもよい。アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層されることによって、カチオン性物質とアニオン性物質との間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、カチオン性物質とアニオン性物質とが強固に密着する。欠損部のない第二伝導層8が形成される。第二伝導層8の積層方法としては、第二伝導層8として使用する材料を薄膜化して積層することが可能な従来周知の方法が使用される。例えば、ディップコート法やスピンコート法が使用される。
次に、薄膜燃料電池100の駆動原理について、図1を参照して概説する。薄膜燃料電池100にて電気化学反応を生じさせ、起電力を生じさせる。はじめに、バイコールガラス1における上述の各層(プライマー層3及び9、第一伝導層4、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、第二伝導層8)が積層される側と反対側面から、燃料(水素ガス、メタノール等)が供給される。また、バイコールガラス11における上述の各層が積層される側と反対側面から、酸化剤(酸素ガス等)が供給される。
バイコールガラス1に供給された燃料は、バイコールガラス1を浸透する。さらに第三伝導層2、プライマー層3、及び第一伝導層4を浸透する。そしてアノード電極層5に到達する。アノード電極層5にて燃料は酸化される。プロトンと電子とが生成される。
生成された電子は、第一伝導層4を経由し、第一伝導層4に接続された電極21を介して外部に取り出される。取り出された電子は、電極21に接続された負荷23に供給される。負荷23に供給された電子は、電極22に流れ込む。また、生成されたプロトンは、電解質層6を透過する。そしてカソード電極層7に到達する。
カソード電極層7には、電極22より流れ込んだ電子が、第二伝導層8を経由して供給される。バイコールガラス11に供給された酸化剤が、第三伝導層10、プライマー層9、及び第二伝導層8を浸透する。そしてカソード電極層7に到達する。カソード電極層7において、プロトンと電子と酸化剤とが反応し、水が生成される。生成された水は、第二伝導層8、プライマー層9、第三伝導層10、及びバイコールガラス11を経由し、外部に排出される。
以上のように、薄膜燃料電池100内にて電気化学反応を生じさせる。このことによって、薄膜燃料電池100は「電池」として動作する。薄膜燃料電池100は、負荷23に電流を通流させることが可能となる。図1に示す構成では、薄膜燃料電池100から取り出せる電圧は理論上約1.2V程度である。従って、薄膜燃料電池100の構成を多段に積層し直列に接続する。このことによって、大きな電圧を取り出すことが可能となる。
プロトンが電解質層6を透過する場合、拡散抵抗成分が小さいほど、プロトンの透過により生ずる電圧降下のレベルが小さくなる。このため、より大きな電圧を取り出すことができ、発電効率が向上する。拡散抵抗成分は、電解質層6の層厚が薄くなることによって小さくなる。ところが、電解質層6が薄化した場合、部分的に欠損部分が発生する可能性が高くなる。電解質層6に欠損部が存在する場合、アノード電極層5にて発生した電子は、電解質層6を経由して直接カソード電極層7に到達する。このため、外部に取り出される電流が減少して発電効率が減少する。
本開示の薄膜燃料電池100では、電解質層6は、カチオン性物質とアニオン性物質とが積層されて形成される。これによって、従来の電解質層形成方法と比較して、層の欠損部の発生を抑制することが可能となる。アノード電極層5とカソード電極層7との間の短絡の発生を抑制することが可能となる。また、層を薄化することが可能となる。これによって、プロトンが電解質層6を透過する場合の抵抗成分を小さくする。電圧降下量を抑え、発電効率を向上させることが可能となる。
また、カチオン性物質とアニオン性物質とは交互に積層される。カチオン性物質とアニオン性物質との間に発生する引き合う方向の静電気力によって、カチオン性物質とアニオン性物質とは強固に密着する。剥離しにくい電解質層6が形成される。層厚を薄化した状態でも優れた強度を有する電解質層6が形成される。
また本開示では、各層(プライマー層3及び9、第一伝導層4、アノード電極層5、カソード電極層7、第二伝導層8)は、カチオン性物質とアニオン性物質とが積層されて形成される。これによって、電解質層6と同様、層の欠損部の発生を抑制し、且つ全体の層厚を薄化することが可能となる。このため、薄膜燃料電池100全体の積層方向の厚さが抑制される。薄膜燃料電池100の小型化が可能となる。さらに、カチオン性物質とアニオン性物質との間に、引き合う方向の静電気力が生じる。これによって、優れた強度を有する各層(プライマー層3及び9、第一伝導層4、アノード電極層5、カソード電極層7、第二伝導層8)が形成される。
薄膜燃料電池100の製造方法について、図2を参照して説明する。なお、以下の実施形態においては、マイナスに帯電したバイコールガラス1及び11が使用されて薄膜燃料電池100が製造される場合を想定している。しかしながら、バイコールガラス1の帯電特性はこのような場合に限定されない。プラスに帯電するバイコールガラス1を使用して薄膜燃料電池100が作成されてもかまわない。以下の説明においては、図1におけるバイコールガラス1のうち、各層(第三伝導層2、プライマー層3、第一伝導層4、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、第二伝導層8、プライマー層9、第三伝導層10)が形成される側を上側と定義する。
図2に示すように、薄膜燃料電池100が製造される工程では、はじめに、バイコールガラス1の上側に第三伝導層2が形成される(S11)。以下、第三伝導層2がバイコールガラス1の表面に形成される工程を、「第三伝導層形成工程」という。
次いで、第三伝導層形成工程にてバイコールガラス1の上側に形成された第三伝導層2の上側に、プライマー層3が積層される(S13、S15)。プライマー層3を構成する材料として、カチオン性物質(以下、「プライマーカチオン」という。)とアニオン性物質(以下「プライマーアニオン」という。)との2種類が使用される。其々の物質が交互に積層されることによって、プライマー層3が形成される。以下、プライマー層3が第三伝導層2上に形成される工程を、「プライマー層形成工程」という。
プライマー層形成工程では、はじめに、バイコールガラス1の帯電極性(マイナス)と反対の極性を有するプライマーカチオンが、第三伝導層2の上側に積層される(S13)。バイコールガラス1とプライマーカチオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、バイコールガラス1とプライマーカチオンとは強固に密着する。次いで、積層されたプライマーカチオンの上側に、プライマーカチオンの極性(プラス)と反対の極性を有するプライマーアニオンが積層される(S15)。プライマーカチオンとプライマーアニオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、プライマーカチオンとプライマーアニオンとは強固に密着する。
次いで、S13及びS15にて積層されたプライマーカチオンとプライマーアニオンとが、所定の層数分積層されたか否かが判断される(S17)。所定の層数分積層されていない場合には(S17:NO)、S13に戻る。プライマーアニオンの上側にプライマーカチオンが積層される(S13)。プライマーアニオンとプライマーカチオンとの間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、プライマーアニオンとプライマーカチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、プライマーカチオンとプライマーアニオンとが所定の層数分積層された場合には(S17:YES)、プライマー層形成工程は終了される。次いで、第一伝導層4の形成工程が実行される。
プライマー層形成工程の終了後、プライマー層形成工程にて形成されたプライマー層3の上側に、第一伝導層4が積層される(S19、S21)。第一伝導層4を構成する材料として、カチオン性物質(以下、「第一伝導カチオン」という。)とアニオン性物質(以下、「第一伝導アニオン」という。)との2種類が使用される。其々の物質が交互に積層されることによって、第一伝導層4が形成される。以下、第一伝導層4がプライマー層3上に形成される工程を、「第一伝導層形成工程」という。
第一伝導層形成工程では、はじめに、プライマー層3の最上層の帯電極性(最上層にはプライマーアニオンが積層されている。帯電極性はマイナスである。S15参照)と反対の極性を有する第一伝導カチオンが、プライマー層3の上側に積層される(S19)。第一伝導カチオンとプライマー層3との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第一伝導カチオンとプライマー層3とは強固に密着する。次いで、積層された第一伝導カチオンと反対の極性を有する第一伝導アニオンが、第一伝導カチオンの上側に積層される(S21)。第一伝導カチオンと第一伝導アニオンとの間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第一伝導カチオンと第一伝導アニオンとは強固に密着する。
次いで、S19及びS21にて積層された第一伝導カチオンと第一伝導アニオンとが、所定の層数分積層されたか否かが判断される(S23)。所定の層数分積層されていない場合には(S23:NO)、S19に戻る。第一伝導アニオンの上側に第一伝導カチオンが積層される(S19)。第一伝導アニオンと第一伝導カチオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第一伝導アニオンと第一伝導カチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、第一伝導カチオンと第一伝導アニオンとが所定の層数分積層された場合には(S23:YES)、第一伝導層形成工程は終了される。次いで、アノード電極層5の形成工程が実行される。
第一伝導層形成工程の終了後、第一伝導層形成工程にて形成された第一伝導層4の上側に、アノード電極層5が積層される(S25、S27)。アノード電極層5を構成する材料として、カチオン性物質(以下、「アノードカチオン」という。)とアニオン性物質(以下、「アノードアニオン」という。)との2種類が使用される。其々の物質が交互に積層されることによって、アノード電極層5が形成される。以下、アノード電極層5が第一伝導層4上に形成される工程を、「アノード電極層形成工程」という。
アノード電極層形成工程では、はじめに、第一伝導層4の最上層の帯電極性(最上層には第一伝導アニオンが積層されている。帯電極性はマイナスである。S21参照)と反対の極性を有するアノードカチオンが、第一伝導層4の上側に積層される(S25)。アノードカチオンと第一伝導層4との間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アノードカチオンと第一伝導層4とは強固に密着する。次いで、積層されたアノードカチオンと反対の極性を有するアノードアニオンが、アノードカチオンの上側に積層される(S27)。アノードカチオンとアノードアニオンとの間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アノードカチオンとアノードアニオンとは強固に密着する。
次いで、S25及びS27にて積層されたアノードカチオンとアノードアニオンとが、所定の層数分積層されたか否かが判断される(S29)。所定の層数分積層されていない場合には(S29:NO)、S25に戻る。アノードアニオンの上側にアノードカチオンが積層される(S25)。アノードアニオンとアノードカチオンとの間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アノードアニオンとアノードカチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、アノードカチオンとアノードアニオンとが所定の層数分積層された場合には(S29:YES)、アノード電極層形成工程は終了される。次いで、電解質層6の形成工程が実行される。
アノード電極層形成工程の終了後、アノード電極層形成工程にて形成されたアノード電極層5の上側に、電解質層6が積層される(S31、S33)。電解質層6を構成する材料として、カチオン性物質(以下、「電解質カチオン」という。)とアニオン性物質(以下、「電解質アニオン」という。)との2種類が使用される。其々の物質が交互に積層される。これによって、電解質層6が形成される。以下、電解質層6がアノード電極層5上に形成される工程を、「電解質層形成工程」という。
電解質層形成工程では、はじめに、アノード電極層5の最上層の帯電極性(最上層にはアノードアニオンが積層されている。帯電極性はマイナスである。S27参照)と反対の極性を有する電解質カチオンが、アノード電極層5の上側に積層される(S31)。電解質カチオンとアノード電極層5との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、電解質カチオンとアノード電極層5とは強固に密着する。次いで、積層された電解質カチオンと反対の極性を有する電解質アニオンが、電解質カチオンの上側に積層される(S33)。電解質カチオンと電解質アニオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、電解質カチオンと電解質アニオンとは強固に密着する。
次いで、S31及びS33にて積層された電解質カチオンと電解質アニオンとが、所定の層数分積層されたか否かが判断される(S35)。所定の層数分積層されていない場合には(S35:NO)、S31に戻る。電解質アニオンの上側に電解質カチオンが積層される(S31)。電解質アニオンと電解質カチオンとの間には、引きう方向に静電気的な力が作用する。このため、電解質アニオンと電解質カチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、電解質カチオンと電解質アニオンとが所定の層数分積層された場合には(S35:YES)、電解質層形成工程は終了される。次いで、カソード電極層7の形成工程が実行される。
電解質層形成工程の終了後、電解質層形成工程にて形成された電解質層6の上側に、カソード電極層7が積層される(S37、S39)。カソード電極層7を構成する材料として、カチオン性物質(以下、「カソードカチオン」という。)とアニオン性物質(以下、「カソードアニオン」という。)との2種類が使用される。其々の物質が交互に積層される。これによって、カソード電極層7が形成される。以下、カソード電極層7が電解質層6上に形成される工程を、「カソード電極層形成工程」という。
カソード電極層形成工程では、はじめに、電解質層6の最上層の帯電極性(最上層には電解質アニオンが積層されている。帯電極性はマイナスである。S33参照)と反対の極性を有するカソードカチオンが、電解質層6の上側に積層される(S37)。カソードカチオンと電解質層6との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、アノードカチオンと電解質層6とは強固に密着する。次いで、積層されたカソードカチオンと反対の極性を有するカソードアニオンが、カソードカチオンの上側に積層される(S39)。カソードカチオンとカソードアニオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、カソードカチオンとカソードアニオンとは強固に密着する。
次いで、S37及びS39にて積層されたカソードカチオンとカソードアニオンとが、所定の層数分積層されたか否かが判断される(S41)。所定の層数分積層されていない場合には(S41:NO)、S37に戻る。カソードアニオンの上側にカソードカチオンが積層される(S37)。カソードアニオンとカソードカチオンとの間には引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、カソードアニオンとカソードカチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、カソードカチオンとカソードアニオンとが所定の層数分積層された場合には(S41:YES)、カソード電極層形成工程は終了される。次いで、第二伝導層8の形成工程が実行される。
カソード電極層形成工程の終了後、カソード電極層形成工程にて形成されたカソード電極層7の上側に、第二伝導層8が積層される(S43、S45)。第二伝導層8を構成する材料として、カチオン性物質(以下、「第二伝導カチオン」という。)とアニオン性物質(以下、「第二伝導アニオン」という。)との2種類が使用される。其々の物質が交互に積層される。これによって、第二伝導層8が形成される。以下、第二伝導層8がカソード電極層7上に形成される工程を、「第二伝導層形成工程」という。
第二伝導層形成工程では、はじめに、カソード電極層7の最上層の帯電極性(最上層にはカソードアニオンが積層されている。帯電極性はマイナスである。S39参照)と反対の極性を有する第二伝導カチオンが、カソード電極層7の上側に積層される(S43)。第二伝導カチオンとカソード電極層7との間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第二伝導カチオンとカソード電極層7とは強固に密着する。
次いで、積層された第二伝導カチオンと反対の極性を有する第二伝導アニオンが、第二伝導カチオンの上側に積層される(S45)。第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとの間には引き合う方向に、静電気的な力が作用する。このため、第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとは強固に密着する。
次いで、S43及びS45にて積層された第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとが、所定の層数分積層されたか否かが判断される(S47)。所定の層数分積層されていない場合には(S47:NO)、S43に戻る。第二伝導アニオンの上側に第二伝導カチオンが積層される(S43)。第二伝導アニオンと第二伝導カチオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第二伝導アニオンと第二伝導カチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとが所定の層数分積層された場合には(S47:YES)、第二伝導層形成工程は終了される。
第二伝導層形成工程の終了後(S47:YES)、形成された第二伝導層8に、第三伝導層10及びプライマー層9が表面に形成された状態のバイコールガラス11が貼付される(S49)。、バイコールガラス11は、第二伝導層8とプライマー層9とが面接する向きで貼付される。そして薄膜燃料電池製造工程は終了される。
以上説明した工程を経ることによって、欠損部がなく薄い電解質層6を備えた薄膜燃料電池100が製造される。本製造方法では、カチオン性物質とアニオン性物質とを積層させることによって電解質層6が形成される。これによって、電解質層6に欠損部が発生することが防止される。従って、アノード電極層5とカソード電極層7との短絡による電圧降下が抑制される。発電効率の高い薄膜燃料電池100を製造することが可能となる。カチオン性物質とアニオン性物質との間に働く静電気力によって、カチオン性物質とアニオン性物質とが強固に密着する。従って、電解質層6の剥離の発生を防止することが可能となる。安定で耐久性のある薄膜燃料電池100が製造される。電解質層6を薄くすることによって、電解質層6を構成する材料の使用量が抑制される。薄膜燃料電池100の低コスト化が可能となる。電解質層6を薄くすることによって、薄膜燃料電池100の積層方向の厚さが小さくなる。薄膜燃料電池100を小型化することが可能となる。具体的には、薄膜燃料電池100の厚さを100μm以下とすることが可能となる。
カチオン性物質とアニオン性物質とが積層されることによって、プライマー層3、第一伝導層4、アノード電極層5、カソード電極層7、第二伝導層8、及びプライマー層9が形成される。これによって、これらの層を薄くした場合であっても、欠損部の発生が防止される。層と層との短絡が防止される。燃料電池を小型化することが可能となる。カチオン性物質とアニオン性物質との間に働く静電気力によって、カチオン性物質とアニオン性物質が強固に密着する。従って、各層の剥離の発生を防止することが可能となる。安定で耐久性のある薄膜燃料電池100が製造される。各層を構成する材料の使用量が抑制される。これによって、薄膜燃料電池100の低コスト化が可能となる。
なお、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
薄膜燃料電池100では、第一伝導層4及び第二伝導層8を含む構成を有していた。本開示はこの構成に限定されず、第一伝導層4及び第二伝導層8を含まない構成であってもよい。第一伝導層4及び第二伝導層8を含まない構成であっても、薄膜燃料電池100は上述の説明と同様の原理にて駆動し、起電力を発生させる。この構成の場合、他の伝導層(第三伝導層2及び10)やアノード電極層5、カソード電極層7に電極21及び22が接続される。これによって、薄膜燃料電池100で発生した起電力を外部に取り出すことが可能となる。
薄膜燃料電池100では、プライマー層3及び9を含む構成を有していた。本開示はこの構成に限定されず、プライマー層3及び9を含まない構成であってもよい。プライマー層3及び9を含まない構成であっても、薄膜燃料電池100は上述の説明と同様の原理にて駆動し、起電力を発生させる。
薄膜燃料電池100のうちプライマー層3及び9を構成する材料として、電子伝導性を有する材料を使用する。プライマー層3及び9に電極21及び22接続することによって、薄膜燃料電池100で発生した起電力を外部に取り出すことが可能となる。
薄膜燃料電池100では、第三伝導層2及び10を含む構成を有していた。本開示はこの構成に限定されず、第三伝導層2及び10を含まない構成であってもよい。第三伝導層2及び10を含まない構成であっても、薄膜燃料電池100は上述の説明と同様の原理にて駆動し、起電力を発生させる。
薄膜燃料電池100では、バイコールガラス1及び11を含む構成を有していた。本開示はこの構成に限定されず、バイコールガラス1及び11を含まない構成であってもよい。バイコールガラス1及び11を含まない構成であっても、薄膜燃料電池100は上述の説明と同様の原理にて駆動し、起電力を発生させる。
薄膜燃料電池製造方法では、バイコールガラス1の上側に、プライマー層3、第一伝導層4、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、第二伝導層8、プライマー層9、及びバイコールガラス11が順次積層されていた。本開示はこの製造方法に限定されない。バイコールガラス11の上側に、プライマー層9、第二伝導層8、カソード電極層7、電解質層6、アノード電極層5、第一伝導層4、プライマー層3、及びバイコールガラス1が順次積層される方法であってもかまわない。
本開示の薄膜燃料電池製造方法では、第三伝導層形成工程、プライマー層形成工程、第一伝導層形成工程、及び第二伝導層形成工程を省略した製造方法であってもよい。第三伝導層2及び10、プライマー層3、第一伝導層4、及び第二伝導層8を形成させない方法であってもよい。
薄膜燃料電池製造方法では、各工程(プライマー層形成工程、第一伝導層形成工程、アノード電極層形成工程、電解質層形成工程、カソード電極層形成工程、及び第二伝導層形成工程)において、カチオン性物質がはじめに積層され、次いで、アニオン性物質が積層されていた。しかしながら本開示はこの方法限定されない。下地層の帯電極性がプラスである場合には、マイナスの極性を有するアニオン性物質をはじめに積層してもかまわない。
薄膜燃料電池製造方法では、各工程(プライマー層形成工程、第一伝導層形成工程、アノード電極層形成工程、カソード電極層形成工程、及び第二伝導層形成工程)において、アニオン性物質を積層させた後、所定の層数分積層されたか否かが判断されていた。しかしながら本開示はこの判断方法に限定されない。カチオン性物質が積層された後も同様に、所定の層数分積層されたか否かが判断されてもよい。
薄膜燃料電池製造方法では、各工程(プライマー層形成工程、第一伝導層形成工程、アノード電極層形成工程、カソード電極層形成工程、及び第二伝導層形成工程)において、カチオン性物質とアニオン性物質とが交互に積層されることによって、各層が形成されていた。しかしながら本開示はこの積層方法に限定されない。従って、唯一の物質が積層されることによって、各層が形成されてもかまわない。
<実施例>
<実施例>
本開示の実施例について説明する。以下「1.薄膜燃料電池100の構成」「2.使用した材料について」「3.薄膜燃料電池100作成手順概略」「4.評価方法及び評価条件」「5.評価結果」の順に説明する。
1.薄膜燃料電池100の構成
1.薄膜燃料電池100の構成
作成した薄膜燃料電池100の構成について、図3を参照して説明する。図3における紙面上側を薄膜燃料電池100の上側と定義する。
図3に示すように、本実施例では、バイコールガラス1上に、第三伝導層2、プライマー層3、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、及び第二伝導層8が順に積層された。第一伝導層4、プライマー層9、第三伝導層10、及びバイコールガラス11は積層されていない。プライマー層3及び第二伝導層8にそれぞれ電極21及び22が接続された。
バイコールガラス1の下側より燃料(水素又はメタノール)が供給される。アノード電極層5、及びカソード電極層7にて電気化学反応を生じさせる。これによって、電極21及び電極22から電流が取り出される。電気化学反応時において必要な酸化剤(酸素)は、薄膜燃料電池100内へ強制的に供給されない。第二伝導層8の上側に空気を接触させることによって自然供給された。
2.使用した材料について
2.使用した材料について
バイコールガラス1として、USA Corning社製「7930」が使用された。バイコールガラス1は、2cm×3cmの大きさにカットされ使用された。プライマー層3は、プライマーカチオンとプライマーアニオンとが相互に積層されることによって形成された。アノード電極層5は、アノードカチオンとアノードアニオンとが相互に積層されることによって形成された。電解質層6は、電解質カチオンと電解質アニオンとが相互に積層されることによって形成された。カソード電極層7は、カソードカチオンとカソードアニオンとが相互に積層されることによって形成された。第二伝導層8は、第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとが交互に積層されることによって形成された。プライマーカチオンとプライマーアニオンとは4層ずつ積層された。アノードカチオンとアノードアニオンとは4層ずつ積層された。電解質カチオンと電解質アニオンとは20層ずつ積層された。カソードカチオンとカソードアニオンとは4層ずつ積層された。第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとは4層ずつ積層された。
プライマー層3を構成するプライマーカチオンとしてPDDAが使用された。プライマー層3を構成するプライマーアニオンとしてPSSが使用された。アノード電極層5を構成するアノードカチオンとしてPDDAが使用された。アノード電極層5を構成するアノードアニオンとして白金コロイドが使用された。電解質層6を構成する電解質カチオンとしてPAHが使用された。電解質層6を構成する電解質アニオンとしてNafionが使用された。カソード電極層7を構成するカソードカチオンとしてPDDAが使用された。カソード電極層7を構成するカソードアニオンとして白金コロイドが使用された。第二伝導層8を構成する第二伝導カチオンとしてPDDAが使用された。第二伝導層8を構成する第二伝導アニオンとしてBaytronが使用された。上述の内容をまとめて表1に示す。
PDDAとしてAldrich社製品が使用された。0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液がPDDAに加えられた。PDDAの含有量が1mg/mlとなるように濃度が調製された。PSSとしてAldrich社製品が使用された。PDDAと同様、0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液がPDDAに加えられた。PSSの含有量が1mg/mlとなるようにPDDAの濃度が調製され使用された。
1重量部のヘキサクロロ白金(IV)酸(6水和物)水溶液(「試薬A」という。)、メタノール(「試薬B」という。)、0.04mol/lのクエン酸3ナトリウム水溶液(「試薬C」という。)が使用された。試薬A(100μl)、試薬B(9000μl)、及び試薬C(200μl)が混合された後、紫外光(中心波長:365nm、強度:10mW/cm2)が10分間照射された。紫外線照射によって光還元法が生じ、白金ナノ粒子が分散したコロイド溶液が得られた。得られたコロイド溶液が白金コロイドとして使用された。
PAHとしてAldrich社製品が使用された。0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液がPAHに加えられた。PAHの含有量が1mg/mlとなるように濃度が調製された。Aldrich社製品Nafionが使用された。90体積%のメタノール水溶液が加えられ、Nafionの含有量が1mg/mlとなるように濃度が調製され使用された。
ティーエーケミカル株式会社製品Baytronが使用された。0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液が加えられ、Baytronの含有量が1mg/mlとなるように濃度が調製され使用された。
3.薄膜燃料電池100作成手順概略
3.薄膜燃料電池100作成手順概略
薄膜燃料電池100の作成手順の概略について、図4〜図7を参照して説明する。
図4を参照して、バイコールガラス1に対する前処理工程について説明する。図4に示すように、はじめに、バイコールガラス1の一部分にマスキングテープ31(日東電工社製熱剥離シート「リバアルファ」)が貼付された。マスキングテープ31は、電極22を接続する場合に、電極22が電極21と短絡してしまうことを防止するために貼付された。マスキングテープ31を貼付することによって、貼付部分に第三伝導層2が積層されないようにした。
図5を参照して、第三伝導層形成工程について説明する。図5に示すように、第三伝導層形成工程では、一部分にマスキングテープ31が貼付された状態のバイコールガラス1に、第三伝導層2が形成された。積層方法としてスパッタリング法が採用された。金からなる第三伝導層2がバイコールガラス1の表面に形成された。
次いで、前処理工程にて貼付されたマスキングテープ31が剥離された。次いで、形成された第三伝導層2に電極21を接続するため、第三伝導層2の一部分にマスキングテープ32(日東電工社製熱剥離シート「リバアルファ」)が貼付された。マスキングテープ32を貼付することによって、貼付部分に他の層が積層されないようにした。
図6を参照し、プライマー層3〜第二伝導層8を積層させる積層工程について説明する。図6に示すように、積層工程では、プライマー層3、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、及び第二伝導層8が、バイコールガラス1及び第三伝導層2の上側に順次積層された。
プライマー層3、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、及び第二伝導層8の積層方法として、スピンコート法が使用された。第三伝導層2が積層された状態のバイコールガラス1が、スピンコーターにセットされた。回転数が2000〜3000rpmに設定された。バイコールガラス1を回転させた状態で、上方から上述の調製試薬が順次滴下された。これによって、各層が形成された。
調製試薬の滴下は1滴ずつ行われた。滴下後、直ぐにイオン交換水が数滴滴下された。これによって余分な試薬が除去された。イオン交換水滴下後、直ぐに次層を構成する試薬が1滴滴下された。この工程が、所望の層数分繰り返された。これによって、プライマー層3、アノード電極層5、電解質層6、カソード電極層7、及び第二伝導層8が積層された。プライマー層3は、第一伝導カチオン(PDDA)と第一伝導アニオン(PSS)とが交互に4層ずつ積層されることによって形成された。アノード電極層5は、アノードカチオン(PDDA)とアノードアニオン(白金コロイド)とが交互に4層ずつ積層されることによって形成された。電解質層6は、電解質カチオン(PAH)と電解質アニオン(Nafion)とが交互に20層ずつ積層されることによって形成された。カソード電極層7は、カソードカチオン(PDDA)とカソードアニオン(白金コロイド)とが交互に4層ずつ積層されることによって形成された。第二伝導層8は、第二伝導カチオン(PDDA)と第二伝導アニオン(Baytron)とが交互に4層ずつ積層されることによって形成された。
上述のように、アニオン性物質及びカチオン性物質の組み合わせ、調製試薬におけるアニオン性物質及びカチオン性物質の濃度、塩化ナトリウムの濃度等が決定された。このことによって、カチオン性物質及びアニオン性物質からなる各層の厚さが、構成物質の1分子程度の大きさ(PDDA、PSS、PAH:約1nm、Nafion:約5〜10nm)程度である、透明な層が形成された。
各層の厚さは、ユーエスアイ社製水晶振動子微量天秤(QCM)(製品名:TYPE 7B)によって測定された。QCMは、水晶振動子の圧電効果を利用して、共振周波数の変化を重量に換算する。QCMは、気相および液相中においてナノグラムオーダーでの重量変化が測定可能である。測定は、例えば以下のようにして行われる。はじめに、QCM基板(金が電極として蒸着されているもの)の表面が洗浄され、乾燥後、周波数が測定される。この値が基準周波数(F0)となる。次いで、QCM基板上に既述の製膜方法で各々の層が形成される。層形成後、水でよく洗浄され、その後窒素ガスなどで乾燥される。その後周波数が測定される。基準周波数との差(ΔF)から、単位面積当たりに積層された層の重量がナノグラムオーダーの精度で求められる。QCMの周波数変化(ΔF)、及び高分子膜の密度(ρ)(単位:g/cm3)から、一層当たりの厚さ(d)(単位:nm)は次式により求められる。
d = (f×ΔF)/ρ
fは、装置や電極面積などで決まる定数である。
d = (f×ΔF)/ρ
fは、装置や電極面積などで決まる定数である。
Nafionの密度(1.64g/cm3)から、Nafion層の一層当たりの平均厚さは、pH8のPAH溶液を用いた場合に5nmとなることわかった。なお、Nafion層の一層当たりの平均厚さは、pH10のPAH溶液を用いた場合に14nmとなった。積層されるNafion層の厚さは、PAH溶液のpHに大きく依存することがわかった。他の物質(PDDA、PSS、PAH)が使用された場合の層についても同様に測定が行われた。層の厚さは、構成物質の1分子程度の大きさ程度となることが確認された。
図7を参照して、電極21及び22の接続工程について説明する。この工程では、図7に示すように、第三伝導層2上に貼付された状態のマスキングテープ32が剥離された。マスキングテープ32が剥離されることによって露になった第三伝導層2に銅製のワイヤーが銀ペーストによって固定された。固定されたワイヤーが電極21となる。また、最上層の第二伝導層8のうち、前処理工程においてマスキングテープ31(図3参照)を貼付した部分に相当する部分に、銅製のワイヤーが銀ペーストにより固定された。固定されたワイヤーが電極22となる。以上の工程を経て、薄膜燃料電池100が作成された。作成された薄膜燃料電池100のうちバイコールガラス1を除く部分の積層方向の厚さは、約200〜360nmであった。なお、バイコールガラス1の厚さは、数十μmである。
厚さは、以下のようにして試算された。PDDAが積層された場合の1層当たりの厚さを、PDDA1分子程度の大きさである1nmとした。PSSが積層された場合の1層当たりの厚さを、PSS1分子程度の大きさである1nmとした。白金コロイドが積層された場合の1層当たりの厚さを、5〜10nmとした。PAHが積層された場合の1層当たりの厚さを、PAH1分子程度の大きさである1nmとした。Nafionが積層された場合の1層当たりの厚さを、Nafion1分子程度の大きさである5〜10nmとした。Baytronが積層された場合の1層当たりの厚さを、5〜10nmとした。
そして各層の厚さを、積層数分乗算した。プライマー層3の厚さは(1nm(PDDA)+1nm(PSS))×4(層)=8nmとなった。アノード伝導層5の厚さは(1nm(PDDA)+5〜10nm(白金コロイド))×4(層)=24〜44nmとなった。電解質層6の厚さは(1nm(PAH)+5〜10nm(Nafion))×20(層)=120〜220nmとなった。カソード電極層7の厚さは(1nm(PDDA)+5〜10nm(白金コロイド))×4(層)=24nm〜44nmとなった。第二伝導層8の厚さは(1nm(PDDA)+5〜10nm(Baytron))×4(層)=24〜44nmとなった。これらを合計し、200〜360nmとなった。
このように、本実施例において数百nmのオーダーの薄膜燃料電池100を作成可能であることが明らかとなった。従来の燃料電池の積層方向の厚さは数百μmであることから、従来と比較して非常に薄い燃料電池を作成することが可能であることが明らかとなった。
なお、上述した各層の積層数は一例であって、本開示はこの積層数に限定されない。例えば、各層を2以上繰り返し積層しない構成としてもよい。この場合、薄膜燃料電池100の積層方向の厚さは、約26nmとなる。また、各層を上述の積層数の100倍積層した構成としてもよい。この場合、薄膜燃料電池100の積層方向の厚さは、約36μmとなる。従って、バイコールガラス1(厚さ数十μm)が使用される場合であっても、少なくとも約100μm以下の厚さを有する薄膜燃料電池100を作成することが可能であることが明らかとなった。
4.評価方法及び評価条件
4.評価方法及び評価条件
作成された薄膜燃料電池100の評価方法について説明する。作成された薄膜燃料電池100に対して、開回路電圧測定を行った。作成された薄膜燃料電池100に対して、負荷をかけていない状態での電極21と電極22との間の電圧が測定された。また、インピーダンス測定を行った。作成された薄膜燃料電池100に対して、電極21と電極22との間のインピーダンスが測定された。短絡発生の有無、及び電池特性の評価が行われた。
開回路電圧を測定する測定器としては、Solartron社製ポテンショ・ガルバノスタット「1287」が使用された。燃料として純水素が供給された条件と、メタノールが供給された条件とで、開回路電圧が測定された。電池電圧の測定結果から、薄膜燃料電池100の電池特性が評価された。燃料として純水素が供給された場合には、バイコールガラス1の下側より10ml/minの流速となるように純水素が供給された。燃料としてメタノールが供給される場合には、20体積%のメタノール水溶液が、シリンジを使用してバイコールガラス1の下側に供給された。
インピーダンス測定を行う測定器としては、Solartron社製ポテンショ・ガルバノスタット「1287」が使用された。振幅:1000mV、周波数:1〜100kHzの方形波が、電極21と電極22との間に印加された。方形波が印加された場合のインピーダンスが測定された。測定は、作成した薄膜燃料電池100を空気中に保持した条件と、燃料としてメタノールを供給した条件とで行われた。電極21と電極22との間の短絡の有無が確認され、電池特性が評価された。燃料としてメタノールが供給される場合には、開回路電圧測定時における供給条件と同一条件にてメタノール水溶液がバイコールガラス1に供給された。
5.評価結果
5.評価結果
開回路電圧の測定結果について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、燃料として純水素が供給された場合において、電極21と電極22との間に発生した開回路電圧の経時変化特性が示されている。図9は、燃料としてメタノールが供給された場合において、電極21と電極22との間に発生した開回路電圧の経時変化特性が示されている。
図8を参照して、燃料として純水素が使用された場合における開回路電圧の経時変化の測定結果について説明する。図8に示すように、純水素が燃料として使用された場合の開回路電圧は、純水素の供給が開始されてから約50秒経過した場合に、最大約約0.016Vとなった。しかしながらその後電圧は上昇せず、150秒経過後以降はほぼ0Vであった。この結果から、作成された薄膜燃料電池100に対し、燃料として純水素が供給された場合には、十分な起電力を得ることができないことがわかった。この原因は、素子の加湿が不十分であったためであると推察される。電解質層6を構成するNafionは、水を含んだ状態で良好なプロトン伝導性を有することが知られている。しかしながら本実施例では、特に、乾燥しやすいアノード電極層側において特段の水分管理を行わなかった。Nafionの加湿が不十分となってしまったことが原因であると推定される。
図9を参照し、燃料としてメタノールが使用された場合における開回路電圧の経時変化の測定結果について説明する。図9に示すように、メタノールが燃料として使用された場合の開回路電圧は、メタノールの供給が開始されてから約150秒経過した場合に、最大約0.2Vとなった。純水素が燃料として使用された場合と比較して飛躍的に大きな電圧を発生させることが可能であることがわかった。この結果から、作成された薄膜燃料電池100が電池として使用可能であることが明らかとなった。
インピーダンス測定の結果について、図10を参照して説明する。図10には、作成された薄膜燃料電池100が空気中に置かれた場合の、電極21と電極22との間のインピーダンス測定結果が示されている。また、燃料としてメタノールが供給された場合の、電極21と電極22との間のインピーダンス測定結果が示されている。曲線41が、薄膜燃料電池100が空気中に置かれた場合におけるインピーダンス測定結果である。曲線42が、薄膜燃料電池100に対してメタノールが供給された状態におけるインピーダンス測定結果である。
図10に示すように、インピーダンス測定の結果から、空気中に薄膜燃料電池100が置かれた場合(曲線41)と比較して、燃料としてメタノールが供給された場合(曲線42)の方が、インピーダンスが大きく低下することがわかった。理由は、メタノール燃料中に含まれる水分が電解質層6中に供給されたことによって、電解質層6が加湿され、プロトンがより動き易くなったためであることが推察される。また、周波数応答の結果から、空気中に薄膜燃料電池100が配置された場合(曲線41)、及び燃料としてメタノールが供給された場合(曲線42)において、入力された信号の周波数が100kHzから1Hzの条件にて、インピーダンスの複素数成分が0以下の値となっていることがわかった。電極21と電極22との間で短絡が生じている状態では、インピーダンスの複素成分は正の値をとる。このことから、作成した薄膜燃料電池100が超薄膜でありながら短絡していないことがわかった。従って、電解質層6に欠損部が存在していないことが明らかとなった。
【0019】
伝導アニオンの上側に第二伝導カチオンが積層される(S43)。第二伝導アニオンと第二伝導カチオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第二伝導アニオンと第二伝導カチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとが所定の層数分積層された場合には(S47:YES)、第二伝導層形成工程は終了される。
[0063]
第二伝導層形成工程の終了後(S47:YES)、形成された第二伝導層8に、第三伝導層10及びプライマー層9が表面に形成された状態のバイコールガラス11が貼付される(S49)。バイコールガラス11は、第二伝導層8とプライマー層9とが面接する向きで貼付される。そして薄膜燃料電池製造工程は終了される。
[0064]
以上説明した工程を経ることによって、欠損部がなく薄い電解質層6を備えた薄膜燃料電池100が製造される。本製造方法では、カチオン性物質とアニオン性物質とを積層させることによって電解質層6が形成される。これによって、電解質層6に欠損部が発生することが防止される。従って、アノード電極層5とカソード電極層7との短絡による電圧降下が抑制される。発電効率の高い薄膜燃料電池100を製造することが可能となる。カチオン性物質とアニオン性物質との間に働く静電気力によって、カチオン性物質とアニオン性物質とが強固に密着する。従って、電解質層6の剥離の発生を防止することが可能となる。安定で耐久性のある薄膜燃料電池100が製造される。電解質層6を薄くすることによって、電解質層6を構成する材料の使用量が抑制される。薄膜燃料電池100の低コスト化が可能となる。電解質層6を薄くすることによって、薄膜燃料電池100の積層方向の厚さが小さくなる。薄膜燃料電池100を小型化することが可能となる。具体的には、薄膜燃料電池100の厚さを100μm以下とすることが可能となる。
[0065]
カチオン性物質とアニオン性物質とが積層されることによって、ブライマー層3、第一伝導層4、アノード電極層5、カソード電極層7、第二伝導層8、及びプライマー層9が形成される。これによって、これらの層を薄くし
伝導アニオンの上側に第二伝導カチオンが積層される(S43)。第二伝導アニオンと第二伝導カチオンとの間には、引き合う方向に静電気的な力が作用する。このため、第二伝導アニオンと第二伝導カチオンとは強固に密着する。そして上述の処理が繰り返される。一方、第二伝導カチオンと第二伝導アニオンとが所定の層数分積層された場合には(S47:YES)、第二伝導層形成工程は終了される。
[0063]
第二伝導層形成工程の終了後(S47:YES)、形成された第二伝導層8に、第三伝導層10及びプライマー層9が表面に形成された状態のバイコールガラス11が貼付される(S49)。バイコールガラス11は、第二伝導層8とプライマー層9とが面接する向きで貼付される。そして薄膜燃料電池製造工程は終了される。
[0064]
以上説明した工程を経ることによって、欠損部がなく薄い電解質層6を備えた薄膜燃料電池100が製造される。本製造方法では、カチオン性物質とアニオン性物質とを積層させることによって電解質層6が形成される。これによって、電解質層6に欠損部が発生することが防止される。従って、アノード電極層5とカソード電極層7との短絡による電圧降下が抑制される。発電効率の高い薄膜燃料電池100を製造することが可能となる。カチオン性物質とアニオン性物質との間に働く静電気力によって、カチオン性物質とアニオン性物質とが強固に密着する。従って、電解質層6の剥離の発生を防止することが可能となる。安定で耐久性のある薄膜燃料電池100が製造される。電解質層6を薄くすることによって、電解質層6を構成する材料の使用量が抑制される。薄膜燃料電池100の低コスト化が可能となる。電解質層6を薄くすることによって、薄膜燃料電池100の積層方向の厚さが小さくなる。薄膜燃料電池100を小型化することが可能となる。具体的には、薄膜燃料電池100の厚さを100μm以下とすることが可能となる。
[0065]
カチオン性物質とアニオン性物質とが積層されることによって、ブライマー層3、第一伝導層4、アノード電極層5、カソード電極層7、第二伝導層8、及びプライマー層9が形成される。これによって、これらの層を薄くし
Claims (17)
- アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層した構造を有する電解質層と、
前記電解質層を挟み対向して配置され積層されたアノード電極層とカソード電極層であって、前記アノード電極層と前記カソード電極層とのうち少なくとも一方が、アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層した構造を有している前記アノード電極層と前記カソード電極層と
を備えた薄膜燃料電池。 - 前記電解質層を構成するアニオン性物質は、スルホ基又はホスホ基を備えていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜燃料電池。
- 前記電解質層を構成する前記カチオン性物質は、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、及び第4級アンモニウム塩のうちいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜燃料電池。
- アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層した構造を有する前記アノード電極層及び前記カソード電極層のうち少なくとも一方は、アニオン性物質とカチオン性物質とが少なくとも2層以上積層していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の薄膜燃料電池。
- 多孔質性の基材基板を備え、
前記アノード電極層及び前記カソード電極層のうち少なくとも一方は、前記基材基板の表面側に積層されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薄膜燃料電池。 - 前記基材基板の表面に電子伝導層が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の薄膜燃料電池。
- 前記アノード電極層における前記電解質層と接する面の反対側の面に、電子伝導層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の薄膜燃料電池。
- 前記カソード電極層における前記電解質層と接する面の反対側の面に、電子伝導層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の薄膜燃料電池。
- 前記電極層に積層した前記電子伝導層は、アニオン性物質とカチオン性物質とが交互に積層した構造を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の薄膜燃料電池。
- 前記アノード電極層と前記カソード電極層とのうち少なくとも一方を構成するアニオン性物質は、白金コロイドであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の薄膜燃料電池。
- 前記電解質層のうち前記アノード電極層と接する部分の層の帯電極性と、前記アノード電極層のうち前記電解質層と接する部分の層の帯電極性とが反対極性であり、
前記電解質層のうち前記カソード電極層と接する部分の層の帯電極性と、前記カソード電極層のうち前記電解質層と接する部分の層の帯電極性とが反対極性であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の薄膜燃料電池。 - 前記薄膜燃料電池の厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の薄膜燃料電池。
- アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層させることにより、アノード電極層又はカソード電極層のうち一方の電極層を形成させる第一電極層形成工程と、
前記第一電極層形成工程にて形成された前記一方の電極層における一方の面に、アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層させることにより電解質層を形成させる電解質層形成工程と、
前記電解質層形成工程にて形成された前記電解質層における、前記一方の電極層と接する面の反対側の面に、アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層させることにより、アノード電極層又はカソード電極層のうち他方の電極層を形成させる第二電極層形成工程と
を備えた薄膜燃料電池製造方法。 - 前記第一電極層形成工程は、基材基板の表面側に前記カソード電極層又は前記アノード電極層を形成させることを特徴とする請求項13に記載の薄膜燃料電池製造方法。
- 前記基材基板の表面に電子伝導層が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の薄膜燃料電池製造方法。
- 前記第一電極層形成工程、及び、前記第二電極層形成工程のうち少なくとも一方は、前記電解質層と接する面の反対側の面に、電子伝導層を形成させる伝導層形成工程を備えたことを特徴とする請求項13乃至15に記載の薄膜燃料電池製造方法。
- 前記伝導層形成工程は、アニオン性物質とカチオン性物質とを交互に積層することにより前記電子伝導層を形成させることを特徴とする請求項16に記載の薄膜燃料電池製造方法。
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