JPWO2009153881A1 - ボルト螺合部の応力測定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、表示手段により、ボルトの締め付けトルクが一定以上である旨を表示させるようにしたものや、ボルトの内部に歪みセンサを埋設し、ボルトの締め付け時の内部応力を直接表示させるようにしたもの(例えば特許文献1参照)、あるいはボルトの先端に荷重センサを設けたもの(例えば特許文献2参照)等がある。
(1) ボルト螺合部の応力測定方法において、支持体に設けた雌ねじ孔に、ボルトの軸部の先端部に設けた雄ねじ部を螺合するとともに、前記ボルトにおける軸部の基端部に設けた拡径頭部と前記支持体との間に、スラスト転がり軸受と、このスラスト転がり軸受と当接する拡径フランジの裏面に歪みセンサを貼着した受圧体とを挟んで、前記ボルトを締め付け、そのときの前記歪みセンサにより検出した受圧体の拡径フランジの歪みに基づいて、前記ボルトの螺合部の内部応力を測定する。
特に、ボルトの拡径頭部と受圧体との間にスラスト転がり軸受を介在させて、ボルトを締め付けるので、ボルトのトルクが、受圧体に作用するのを防止することができ、歪みセンサの精度を高めることができる。
既存設備に対しても、使用されているボルトを外し、そのボルトか、または別のボルトに、スラスト転がり軸受と受圧体とを嵌合して、締め付け直すことにより、容易に適用することができる。
また、ボルトの締め付け量を変化させつつ、その間の歪みセンサの検出値の変動を測定することにより、ボルトの螺合部の状態の変化や、破壊限界を知ることができる。
さらに、実際のボルト締め付け部分にスラスト転がり軸受および受圧体を装着して、測定状態を継続することにより、ボルト締め付け部分の状態を経時的に監視することができ、万一、ボルトに緩みや脱落が生じた場合には、そのことを即座に知ることができる。
因みに、受圧体が、歪みセンサを貼着すべきテーパー部を有しない単なる筒状のものであって、この筒状部に歪みセンサが貼着されている場合には、切削加工等により、受圧体における歪みセンサ貼着部の厚さを簡単に変更させることはできない。
すなわち、介在させるシムの外径を大とすることにより、ボルトの締め付け時における受圧体の拡径フランジの曲げモーメントが大となり、歪みセンサによる検出感度を高めることができる。
図1は、本発明の装置の第1の実施形態を示す。
1は、雌ねじ孔2が設けられた支持体、3は、支持体1にボルト4をもって締着される被締付体である。
具体的には、支持体1としては、例えば機械装置のケース本体や台座、その他、被締付体3がボルト4をもって締着固定されるあらゆるものが含まれる。被締付体3としては、例えば支持体1としての機械装置のケース本体に締着される蓋体、その他、支持体1にボルト4をもって締着されるあらゆるものが含まれる。
被締付体3には、ボルト4の軸部4aを嵌合しうるボルト挿通孔5が設けられている。
信号処理装置9は、各歪みセンサ7からの出力信号である電気信号を増幅したり、A/D変換したりして、パソコンその他の情報処理装置10において処理し易い信号に変換するものである。
まず、支持体1に、被締付体3が既存のボルトをもって締着されている場合には、そのボルトを外し、そのボルトと同じ雄ねじ部4cを有する長寸のボルト4の軸部4aに、スラスト転がり軸受11と、受圧体6とを、受圧体6の起立縁6d内にスラスト転がり軸受11の一部が嵌合されるようにして、順次外嵌し、その状態で、ボルト4の軸部4aを被締付体3のボルト挿通孔5に挿通するとともに、雄ねじ部4cを、支持体1の雌ねじ孔2に螺合する。
また、被締付体3の厚さが、スラスト転がり軸受11の厚さと、受圧体6の厚さとの和に近い場合は、それまで締着していたボルト4を支持体1から一旦外し、そのボルトの軸部から被締付体3を外して、代わりにスラスト転がり軸受11と受圧体6とを軸部に嵌合した状態で、ボルト4を再度支持体1の雌ねじ孔2に螺合するようにしてもよい。
特に、ボルト4の拡径頭部4bと受圧体6との間に、スラスト転がり軸受11を介在させて、ボルト4を締め付けるので、ボルト4のトルクが、受圧体6に作用するのを防止することができ、歪みセンサ7の精度を高めることができる。
例えば、ボルト4を所要トルクで締め付けたにも拘わらず、ボルト螺合部の応力が予め定めた値に達しないときは、例えば支持体1の雌ねじ孔2の変形、雌ねじ孔2への異物の混入等の何らかの異常があることを知ることができる。
その第1の方法は、図1に示す受圧体6のテーパー部6cの内面を、受圧体6をボルト4の軸部4aに嵌合する前に、予め研削して、例えば図2に示すようにテーパー部6cの厚さを薄くする方法である。
このように、テーパー部6cの厚さを薄くすると、ボルト4の締め付け時に、テーパー部6cが弾性撓曲し易くなり、歪みセンサ7による検出感度を高めることができる。
この方法は、図4に示すように、支持体1と受圧体6との間にロードセル14を挟み、ロードセル14と信号処理装置9とを、リード線15をもって接続し、その状態でボルト4を締め付け、そのときの歪みセンサ7の検出値と、ロードセル14の検出値とを比較する方法である。
なお、支持体1とロードセル14との間に、被締付体3を介在させておいてもよい。
例えば、ボルト4の軸部4aの外周面にも歪みセンサを貼着するとともに、ボルト4の拡径頭部4bを、トルクレンチをもって回転させ、そのときのボルト4の軸部4aに発生するトルクと、歪みセンサ7(およびロードセル14)により検出されるボルト螺合部の応力との関係を測定しうるようにしてもよい。
さらに、ボルト4に代えて、スタッドボルトとナットとを用いることもできる。
例えば、基礎への構造物のボルト締め付け部分に適用した場合は、この部分に設けた歪みセンサーの検出値を長期に亘って監視することにより、耐久性を確認しうるとともに、地震発生時におけるボルト螺合部の応力の変動、それに基づくボルト折損等の異常を検出することができる。
Claims (9)
- 支持体に設けた雌ねじ孔に、ボルトの軸部の先端部に設けた雄ねじ部を螺合するとともに、前記ボルトにおける軸部の基端部に設けた拡径頭部と前記支持体との間に、スラスト転がり軸受と、このスラスト転がり軸受と当接する拡径フランジの裏面に歪みセンサを貼着した受圧体とを挟んで、前記ボルトを締め付け、そのときの前記歪みセンサにより検出した受圧体の拡径フランジの歪みに基づいて、前記ボルトの螺合部の内部応力を測定することを特徴とするボルト螺合部の応力測定方法。
- 支持体と受圧体との間に被締付体を挟んで、ボルトを締め付けることを特徴とする請求項1記載のボルト螺合部の応力測定方法。
- 支持体と受圧体との間にロードセルを挟んでボルトを締め付け、そのときの歪みセンサの検出値と、ロードセルの検出値とを比較することを特徴とする請求項1または2記載のボルト螺合部の応力測定方法。
- 受圧体における拡径フランジの中央部に、スラスト転がり軸受から離れる方向に向かって漸次縮径するテーパー部を設け、このテーパー部の外周面に、歪みセンサを貼着するとともに、このテーパー部の内面を研削することにより、テーパー部の厚さを所望のものとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のボルト螺合部の応力測定方法。
- スラスト転がり軸受と、受圧体の拡径フランジとの間に、外径の異なるシムを介在させることにより、受圧体の拡径フランジにおける受圧範囲を変更し、もって歪みセンサによる検出感度を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のボルト螺合部の応力測定方法。
- 軸部の基端部に拡径頭部を有し、かつ軸部の先端部に設けた雄ねじ部を、支持体に設けた雌ねじ孔に螺合するようにしたボルトと、
ボルトの拡径頭部と支持体との間において、ボルトの軸部に嵌合されたスラスト転がり軸受と、
このスラスト転がり軸受と支持体との間において、ボルトの軸部に嵌合され、かつ前記スラスト転がり軸受と当接する拡径フランジの裏面に歪みセンサが貼着された受圧体と、
前記歪みセンサに接続され、前記ボルトを締め付けたときの前記歪みセンサの検出出力を処理する信号処理手段
とを備えることを特徴とするボルト螺合部の応力測定装置。 - 受圧体における拡径フランジの中央部に、スラスト転がり軸受から離れる方向に向かって漸次縮径するテーパー部を設け、このテーパー部の外周面に、歪みセンサを貼着したことを特徴とする請求項6記載のボルト螺合部の応力測定装置。
- 支持体と受圧体との間に、ロードセルを介在させたことを特徴とする請求項6または7記載のボルト螺合部の応力測定装置。
- スラスト転がり軸受と、受圧体の拡径フランジとの間に、シムを介在させたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のボルト螺合部の応力測定装置。
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