JP2010117334A - ボルト軸力測定方法およびボルト軸力測定機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボルト軸力と締付けトルクを現場で同時に、容易に正確に、迅速に、且つ経済的に測定できる測定方法と軸力測定機を提供する。
【解決手段】被締結体A,Bと締付けボルト2の頭部21の間、若しくは被締結体と締付けナット22の間にボルト軸力検出手段3を配設して軸力を測定する方法であって、ボルト軸力測定機はボルト回転防止手段、ボルト軸力検出手段、ナット締付け手段および計測処理手段で構成する。ボルト回転防止手段はボルトの頭部に嵌合するラチエットレンチ4など、ボルト軸力検出手段はひずみセンサーを内蔵するセンターホール型荷重計3など、ナット締付け手段はひずみセンサーを内蔵するトルクレンチ5など、計測処理手段は電線ケーブルなどでボルト軸力検出手段およびナット締付け手段と接続され、荷重計などのひずみセンサーからの電気信号を変換処理するセンサインタフェース6と計算ソフトを持つパソコン15で構成する。
【選択図】図1
【解決手段】被締結体A,Bと締付けボルト2の頭部21の間、若しくは被締結体と締付けナット22の間にボルト軸力検出手段3を配設して軸力を測定する方法であって、ボルト軸力測定機はボルト回転防止手段、ボルト軸力検出手段、ナット締付け手段および計測処理手段で構成する。ボルト回転防止手段はボルトの頭部に嵌合するラチエットレンチ4など、ボルト軸力検出手段はひずみセンサーを内蔵するセンターホール型荷重計3など、ナット締付け手段はひずみセンサーを内蔵するトルクレンチ5など、計測処理手段は電線ケーブルなどでボルト軸力検出手段およびナット締付け手段と接続され、荷重計などのひずみセンサーからの電気信号を変換処理するセンサインタフェース6と計算ソフトを持つパソコン15で構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボルト・ナットで構成された締結体のねじ締付け管理において、最も重要な因子である締付け力、即ちボルト締付け軸力の測定方法およびボルト締付け軸力の測定機に関するものである。
近年、ねじ締結体のねじ部のゆるみおよびボルトの破損に起因する事故が多発している。これらの大部分は作業現場におけるねじ締付け管理が的確に行なわれていないために起こった必然的なものと推測される。
従来からの現場における代表的なねじ締付け管理方法としては、締付け作業時にトルクレンチを用いてねじの締付けトルクを測定し、このトルク値を指標として被締結体のボルトの締付けを行なう締付けトルク法、被締結体のボルト頭部とナットとの相対回転角(締付け回転角という)に対する締付けトルクの関係をジャイロレンチなどで求めて後、規定トルク値を与える締付け回転角でボルトの締め付けを行なう締付け回転角法、および締付け回転角法と同様の方法で締付け回転角と締付けトルクの関係を求めて後、締付けトルクの微分変化率を算出し、得られた値を指標として締付けを行なうトルク勾配法がある。
このように、作業現場、特に高速道路、橋梁等の屋外におけるボルトの締付け管理は全てといえるほど測定が容易なトルク値を基準にして行なわれていた。本来ならば、正しくはトルク値ではなくボルトに作用する軸力値で管理すべきところであったが、屋外現場においては軸力を直接的にしかも正確に測定することが困難であったため、止むを得ずトルク値が用いられていた。中でも測定が最も容易となる締付けトルク法(以下、トルク法という)が多く採用されていた。
ところが、トルク法における締付けトルクはボルトのねじ部の摩擦によって生じるねじ部トルクと、ナットおよびボルトの座面と被締結体の表面との摩擦によって生じる座面トルクの合計であって、これらの摩擦力はねじ部品や座面の形状、表面状態、潤滑状態および使用条件の影響を強く受ける。このため、締付けトルクは作業状況によって大きく変動する。ねじ面摩擦係数および座面摩擦係数などの摩擦特性の管理が大変重要であるにも係わらず現場ではこれが不可能となっていた。しかもこのトルクの約90%は、上記摩擦に消費されると考えられ、締付け管理を一層不正確にする要因となっていた。
このようなことから、従来のトルク法はねじ締付け管理方法としては極めて不適当であった。正しくは、締付け力、即ちボルトに作用する軸力を現場で被締結体について直接的にしかも正確に測定して、求めた軸力値を現場作業の締付け管理指標とすることである。今これが強く求められており、このための方法として、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載のボルトの軸力測定方法および軸力測定器が提案されている。
しかしながら、上記特開平6−347349号公報、および特開2005−91086号公報のボルト軸力測定器においては、被締結体の全てのボルトの軸中心部に、前者では軸力測定用のひずみゲージおよび温度センサーを埋め込むための直径数ミリ、深さ十数ミリ程度の穴を、そして後者においてはひずみゲージを内蔵するボルト軸力検出器を着脱自在に挿入・固着するための前者のそれよりは大きい装着孔を特別に設けなければならないという欠点があり、そのための加工に要する手間と費用は膨大なものであり、実用的ではなかった。また、再表2004/011839号公報のボルト軸力測定器においては、締結後のボルト頭部を叩打して得られる叩打音の周波数を解析して軸力に換算表示する方法であるが、ボルトの締付け具合を適宜把握する必要があることから締結過程で数回の叩打音測定を行なわねばならない。このため相当量の手間と時間を費やすこととなり数多くのボルトを有する被締結体に対しての採用は甚だ困難であった。また従来から、生産工場等においては大型締付け試験機を用いた軸力測定を行う締付け管理がなされているが、これを屋外の作業現場に適用することは極めて不可能な状況であった。
本発明は、従来のボルトの軸力測定器のかかる数々の問題解決を図るとともに、現場におけるボルトのゆるみと破損の防止に繋がるボルトの締付け管理方法に係わる優れた方式であって、屋内外を問わずいかなる現場においても特別の熟練度や高い技能を必要とせず、誰もが容易に実施できるボルトの軸力測定方法、および従来にない簡単な構造と機器構成であって、全てのボルトサイズに対して軸力を正確に、且つ迅速に、しかも大変経済的に測定できるボルト軸力測定機の提供を目的とするものである。
本発明は、長年に及ぶボルト締付け管理業務に従事している中、遭遇する現場での様々な問題解決の必要性に迫られ、鋭意工夫を行なった結果、得られたもので、上記目的を達成するために、第一に、軸力測定方法は、全てのボルトサイズに対してボルト軸力とこれに対応するトルク値を同時に現場にて直接的に正確、且つ迅速に測定する方法である必要のあること。第二には、ボルト軸力測定機は、ボルトに特別の加工を施すことなく、また、被締結体への取付けが容易であって、誰でもが簡単に取扱い操作でき、しかも安価である必要のあることに着目してなされたものである。
具体的には、ボルト軸力測定方法に係わる第一の発明は、作業現場にて、被締結体の締付けボルト・ナットに、当該締付けボルト・ナットにいかなる加工も施すことなく、直接的にボルト軸力測定機を装着して締付け試験を行い、連続的に締付け軸力と締付けトルクを同時に測定することであって、被締結体と締付けボルトの頭部の間に、若しくは被締結体と締付けナットの間にボルト軸力検出手段を挟むように配設して、締付け軸力とこれに対応する締付けトルクを同時に測定することを特定事項とするものである。
また、第一の発明を実施するためのボルト軸力測定機に係わる第二の発明は、当該ボルト軸力測定機はボルト回転防止手段、上記ボルト軸力検出手段、そして、ナット締付け手段および計測処理手段で構成されていることを特定事項とするものである。
また、上記ボルト回転防止手段は上記被締結体を貫通して配設された上記締付けボルト・ナットの当該ボルトの頭部に、上記ボルト軸力検出手段は上記被締結体と当該ボルトの頭部の間、若しくは被締結体と当該ナットの間に挟まれて、そして上記ナット締付け手段は当該ナットに、それぞれ配設されていること、および上記計測処理手段は電線ケーブル若しくは無線の電波送受信器を介して上記ボルト軸力検出手段および上記ナット締付け手段と電気的に接続されていること、を特定事項とするものである。
また、上記ボルト軸力検出手段は上記ボルト寸法に対応した大きさの穴を中央に有する円形若しくは多角形の盤状体であって、且つ複数個のひずみセンサーを内蔵するセンターホール型荷重計、上記回転防止手段は上記ボルト頭部に嵌合するラチエットレンチなど、そしてナットの上記締付け手段は複数個のひずみセンサーを内蔵するトルクレンチ若しくはジャイロレンチであることを特定事項とするものである。
また、上記ボルト軸力検出手段は、一個若しくは複数個のひずみセンサーを内蔵できる厚みを有するが外形には拘らないチップ、若しくはU字形板であって、上記被締結体と上記ボルトの頭部の間、若しくは被締結体と上記ナットの間に挟まれて配設することが可能な大きさのチップ型若しくはU字板型荷重計であることを特定事項とするものである。
また、上記計測処理手段は、上記荷重計および上記トルクレンチ若しくは上記ジャイロレンチに、それぞれ一個若しくは複数個内蔵されているひずみセンサーからの電気信号を変換処理するセンサインタフェースと、変換処理された計測データを計算処理するソフトを持つパソコンで構成されていることを特定事項とするものである。
以上、説明したように、本発明の上記ボルト軸力測定方法および上記ボルト軸力測定機によれば、ボルトに作用する軸力の測定がいかなる現場においても特別の熟練度や高い技能を必要とせず容易に実施でき、また全てのボルトに対していかなる加工も施すことなく、ボルトの軸力と対応するトルクを同時に、正確に、且つ迅速に、しかも大変経済的に測定できることから、従来にない的確な締付け管理が可能となるものである。
具体的には、作業現場にて、先ず被締結体の代表的なボルト・ナットを3組選択し、その場で、当該ボルト・ナットに本発明の上記ボルト軸力測定機を装着する。そして上記トルクレンチ若しくはジャイロレンチを用いて、当該ボルトに作用する軸力が当該ボルトの弾性域を経て降伏点を超え、さらには最大値を過ぎる点に至るまで、連続的に締付け試験を行なう。この試験によって締付けトルクに対する締付け軸力の関係、若しくは締付け回転角に対する締付け軸力の関係を示すグラフが得られる。この後、当該グラフに示された値を基に簡単な計算を行って、弾性域における目標締付け軸力値を与える目標締付けトルク値(トルク法という)、若しくは弾性限界の目標締付け軸力値を与える目標締付け回転角(トルク勾配法という)、或いは弾性域、塑性域のそれぞれにおける目標締付け軸力を与える目標締付け回転角(回転角法という)が算出される。これによって得られた目標締付けトルク値、若しくは目標締付け回転角を指標として当該被締結体の全ボルトの締付け作業を行なうものである。このため、従来にない現場におけるボルト軸力の正確な測定と被締結体の的確な締付けが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるボルト軸力測定機の全体構成を示したもので、1は本発明のボルト軸力測定機、A、Bは被締結体、2は被締結体A、Bを締め付けするボルト、21はボルト2の頭部、22はボルト2の締付けナット、3は軸力を測定するためのセンターホール型荷重計、31は荷重計3の電気的接続端子、4はボルト2の回転を止めるためのラチエットレンチなど、41はボルト頭部21に嵌合したラチエットレンチヘッド、5はトルクレンチ若しくはジャイロレンチ、51はトルクレンチ若しくはジャイロレンチ5の交換ヘッド、52はナット22と交換ヘッド51に嵌合するソケット、53はトルクレンチ若しくはジャイロレンチ5の電気的接続端子、6はセンサインタフェース、61、62はセンサインタフェースの接続端子、15はデータの処理と表示を行なうパソコン、32は荷重計の接続端子31とセンサインタフェースの接続端子61を繋ぐ電線ケーブル、54はトルクレンチ若しくはジャイロレンチの接続端子53とセンサインタフェースの接続端子62を繋ぐ電線ケーブル、151はセンサインタフェース6とパソコン15を繋ぐUSBケーブルである。
図2は、本発明の実施形態に係わるボルト軸力測定機1の上記センターホール型荷重計3であって、その一種類である断面H型の荷重計の断面図を示したもので、7は断面横H型の芯体部、70は芯体部7の中心部、71は芯体部7の上部端面、72は芯体部7の下部端面、73は芯体部70の中心部にあけられた貫通穴、74は芯体部7に応力集中を起こすための凹型くびれ部、75はくびれ部74の外側面、81、82、83、84(図示省略)はくびれ部外側面75に4等分の間隔で接着された4個のひずみゲージ、8a、8b、8c、8dは4個のひずみゲージそれぞれのゲージリード線、9は芯体部7を収納する円筒形、若しくは多角形の保護ケース、10は掴み具、11は掴み具10を保護ケース9の側面にねじ止めするための異径ニップル、12は保護ケース9と掴み具10の隙間を埋めるOリング、14は接続端子31を固定するブッシュ、3a、3b、3c、3dはゲージリード線8a、8b、8c、8dのそれぞれと結線された電線である。
図3は、本発明の実施形態に係わるボルト軸力測定機1の上記荷重計3の平面図を示したもので、81、82、83、84は芯体部7の外側面75に4等分の等間隔で接着された4個のひずみゲージである。
図4は、本発明の実施形態に係わるボルト軸力測定方法における一連の作業手順を示したブロック図である。ここではトルクを指標とするトルク法と、締付け回転角を指標とする回転角法およびトルク勾配法の二つに分類して示した。以下にこの概要を説明する。
締付け施工に際して先ずは、現場の被締結体について、ボルトサイズ・数量、暴露年月、表面状態および発注者側の要望などの状況を詳しく把握して締付け方式を選定する。ここで高い締付力を必要としない通常の被締結体の場合には締付け軸力を弾性域とするトルク法、若しくは弾性域回転角法を、高い締付け力を必要とする場合には締付け軸力を弾性限界とするトルク勾配法、若しくは塑性域回転角法を選定することになる。次いで、方式決定後には締付けする代表的なボルト・ナット1組を選定し、これに上記ボルト軸力測定機を設置して手動若しくは自動にて締付けを行う。
トルク法を選定した場合には締付けトルクに対する締付け軸力を測定する。このときの締め付けは、前述したように締付け軸力がボルトの弾性域を経て降伏点を超えるまで連続的に行なって、締付け軸力と締付けトルクの測定値をグラフ化する。ここで重要なことは、測定によって得られた当該グラフの曲線が正規の状態を示していることであって、これについては、JISB1083ねじの締付け通則に記載されている事項、および予め準備した標準データと比較して評価する。当該グラフが正規状態であると判断された場合には、当該グラフより弾性域内で上限締付け軸力と下限締付け軸力を算出して目標の締付け軸力に対応する目標締付けトルクを求める。当該目標締付けトルク値を指標として、ボルトの締付け作業を行なう。もしも当該グラフの変化が正規状態でないと判断された場合には、発注者側と協議の上、適正処置を施して再度計測を行なってグラフを求め、前記と同様の操作を行なう。
また、高締付け力を必要とするトルク勾配法を選定した場合には締付け回転角に対する締付け軸力を測定する。このときの締め付けは、上記トルク法とは異なり、締付け軸力がボルトの降伏点を超えて塑性域を経て最大値を過ぎる点まで連続的に測定を行なって、締付け軸力と締付け回転角の関係、および締付け軸力と締付け軸力の回転角に対する微分変化率(以下、軸力勾配という)の関係をグラフ化する。当該両グラフの曲線が正規状態であることを確認した後、トルク勾配法の場合には、目標締付け軸力(JISB1083ねじの締付け通則の5.4.2項に記載の決め方:降伏点であって最大軸力勾配値の2分の1から3分の1程度となる値)を与える締付け回転角を指標として、ボルトの締付け作業を行なう。なお、ここで、回転角法を選定した場合の目標締付け回転角の算出方法についての記述は省略する。
図5は、本発明の実施形態に係わるボルト軸力測定方法およびボルト軸力測定機に従い、締付け手段としてトルクレンチを用い、被締結体である厚み25mmの鋼板材を溶融亜鉛メッキM16サイズのボルト・ナットで締め付けした場合に得られた締付け軸力と締付けトルクの関係を示すグラフである。なお、ここには目標締付け軸力とこれに対応する目標締付けトルクの算出結果を一例として示した。
以下、本発明のボルト軸力測定方法およびボルト軸力測定機によって行なった締付け作業の方法と作用効果を、高い締付け力を必要としない通常の締め付けを行なうトルク法の場合について図1から図5に基づき説明する。
先ずは、現場の被締結体A,Bの表面状態を調べ、ほこり、水分等の異物があればこれらをウエスで軽く払拭する。次いで図1に示したように上記本発明のボルト軸力測定機1を前記被締結体A,Bのボルト2およびナット22に設置して計測の準備を行なう。この後、ラチエットレンチ4などにてボルト頭部21の回転を止めておき、ナット22をトルクレンチ5で徐々に締付けを行って締付けトルクを上昇させる。そうするとボルト2は徐々に締め付けられて内部には引張応力(即ち軸力)が発生する。この引張応力は反力となってボルト頭部21と被締結体Aの間に挟まれて設置された上記センターホール型荷重計3の上部端面71、下部端面72に圧縮力として作用する。そうするとこの圧縮力によって当該荷重計3の芯体部7のくびれ部74では応力集中が起こり、当該くびれ部74の外周面75に接着されたひずみゲージ81、82、83、84には微小変化が発生することになる。この微小変化は電気信号となってそれぞれのゲージリード線8a、8b、8c、8dおよび電線3a、3b、3c、3dと、電気接続端子31、電線ケーブル32および接続端子61を経てセンサインタフェース6に伝えられる。ここで電気信号は軸力値に変換処理されてUSBケーブルを経てパソコン15に保存される。同様に、締付けトルク値はトルクレンチ5に内蔵されたひずみゲージ(図示省略)で検出され、発生した電気信号は電気的接続端子53、電線ケーブル54および接続端子62を経てセンサインタフェース6に伝えられる。ここで変換処理されたトルク値はパソコン15に保存される。
パソコン51に連続的に保存された上記軸力値とトルク値は、図5に示したように、締付けトルク(N・m)に対応する締付け軸力(KN)を与える曲線としてパソコン画面にグラフ表示される。
ここで重要なことは、計測して得られた上記グラフの曲線が正規の状態を表していることであって、これについては予め準備された標準データと比較して評価する。当該グラフが正規状態であると判断された場合には、当該グラフよりボルトの耐力T点を求め、上限締付け軸力と下限締付け軸力を所定の計算法により算出して目標の締付け軸力とこれに対応する目標締付けトルクを求める。
最も簡単な計算方法の一例として、上限締付け軸力はボルト耐力の90%、下限締付け軸力はボルト耐力の70%として目標締付けトルクを求めることができる。この場合、上記図5のグラフより、ボルト耐力は26.3KNとなり、上限締付け軸力はこれの90%の23.7KN(これに対応する締付けトルクは140N・m)、下限締付け軸力は18.4KN(これに対応する締付けトルクは168N・m)となる。また、目標締付け軸力を上限締付け軸力と下限締付け軸力の算術平均値とすると、当該目標締付け軸力は21.1KNとなり、この軸力を与える当該目標締付けトルクは150N・mと求められる。なお、上・下限の締付け軸力、および目標締付け軸力の算出方法については、従来から種々の方法があって適宜選ばれるもので、ここで述べた前記方法に限定するものではない。
例えば上記目標締付けトルク値150N・mを最適な締付けトルクとするが、実際の締付け作業においては多少の変動が起こる。このため、140N・m〜168N・mを適正な締付けトルク範囲とすることができる。当該目標締付けトルクおよび適正締付けトルク範囲を指標として、ボルトの締付け作業を行なう。ここで用いる締付け工具の一例として、当該目標締付けトルク値を設定しておきこれに到達すれば締付け停止となる電動インパクトレンチなどを用いると効率よく作業を行なうことができる。なお、この締付け作業には現場にて都度望ましい方式が採用されるものである。
もしも当該グラフの変化が、被締結体および締付けボルトの著しい汚れ・錆などの影響で正規状態でないと判断された場合には、発注者側と鋭意協議の上、適正処置を施して再度計測を行なってグラフを求め、上記に示したと同様の操作を再び行なうことになる。
また、自動車関係および機械装置などのように高い締付け力を必要とする場合にはトルク勾配法、若しくは塑性域における回転角法が選ばれるが、この場合においても上記の測定を行なって目標締め付け軸力を与えるナットの締付け回転角を算出することができる。この場合の締付け手段はジャイロレンチなどが適当な工具となる。
また、本発明では、上記荷重計3の形状を中央に穴を有する盤状体、不定形のチップ、若しくはU字形板としたが、これに限定するものではなく、被締結体とボルト頭、若しくは被締結体とナットの間に装着できる形状であればいかなるものでもよいことは言うまでもない。
また、上記図4のブロック図に示した作業手順、および前述した目標締付け軸力、目標締付けトルクなどの算出方法は一例であって、これらに限定するものではなく、それぞれの現場、若しくは被締結体に応じて適宜、最適な方法が選定されるものである。
1 ・・・・・ボルト軸力測定機
2 ・・・・・締付けボルト
21 ・・・・ボルトの頭部
22 ・・・・締付けナット
3 ・・・・・センターホール型荷重計
4 ・・・・・ラチエットレンチなど
41 ・・・・ラチエットレンチヘッド
5 ・・・・・トルクレンチ若しくはジャイロレンチ
51 ・・・・トルクレンチ若しくはジャイロレンチの交換ヘッド
52 ・・・・ソケット
6・・・・・・センサインタフェース
61、62・・接続端子
7 ・・・・・荷重計の芯体部
73 ・・・・貫通穴
81、82、83、84 ・・・・ひずみゲージ
8a、8b、8c、8d ・・・・ゲージリード線
9 ・・・・・保護ケース
15 ・・・・パソコン
A、B ・・・被締結体
2 ・・・・・締付けボルト
21 ・・・・ボルトの頭部
22 ・・・・締付けナット
3 ・・・・・センターホール型荷重計
4 ・・・・・ラチエットレンチなど
41 ・・・・ラチエットレンチヘッド
5 ・・・・・トルクレンチ若しくはジャイロレンチ
51 ・・・・トルクレンチ若しくはジャイロレンチの交換ヘッド
52 ・・・・ソケット
6・・・・・・センサインタフェース
61、62・・接続端子
7 ・・・・・荷重計の芯体部
73 ・・・・貫通穴
81、82、83、84 ・・・・ひずみゲージ
8a、8b、8c、8d ・・・・ゲージリード線
9 ・・・・・保護ケース
15 ・・・・パソコン
A、B ・・・被締結体
Claims (4)
- 被締結体を貫通するボルト・ナットを用いた現場での締め付けにおいて、当該締付けボルト・ナットにいかなる加工も施すことなく、被締結体と当該ボルトの頭部の間、若しくは被締結体と当該ナットの間に挟むようにボルト軸力検出手段を、当該ナットにはナット締付け手段を、配設して締付け軸力と締付けトルクを同時測定することを特徴とするボルト軸力測定方法。
- 請求項1記載のボルト軸力測定方法を実施するためのボルト軸力測定機は、ボルト回転防止手段、上記ボルト軸力検出手段、上記ナット締付け手段、および計測処理手段で構成されており、当該ボルト回転防止手段は上記ボルトの頭部に、上記ボルト軸力検出手段は上記被締結体と上記ボルトの頭部の間、若しくは上記被締結体と上記ナットの間に挟むように、上記ナット締付け手段は上記ナットに、それぞれ配設され、そして当該計測処理手段は電線ケーブル、若しくは電波送受信器を介して上記ボルト軸力検出手段および上記ナット締付け手段と接続されていることを特徴とするボルト軸力測定機。
- 請求項2記載のボルト軸力測定機であって、上記ボルト軸力検出手段は、上記ボルト寸法に対応した大きさの貫通穴を中央に有し且つ複数個のひずみセンサーを内蔵する円形若しく多角形の盤状体であるセンターホール型荷重計、或いは一個若しくは複数個のひずみセンサーを内蔵できる厚みを有するチップ若しくはU字形板であるチップ型若しくはU字板型荷重計、とすることを特徴とするボルト軸力測定機。
- 請求項2記載のボルト軸力測定機であって、上記回転防止手段は上記ボルト頭部に嵌合するラチエットレンチ等、上記締付け手段は一個若しくは複数個のひずみセンサーを内蔵するトルクレンチ或いはジャイロレンチであり、上記計測処理手段はひずみセンサーの電気信号を変換処理するセンサインタフェースとパソコンであることを特徴とするボルト軸力測定機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008312691A JP2010117334A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | ボルト軸力測定方法およびボルト軸力測定機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008312691A JP2010117334A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | ボルト軸力測定方法およびボルト軸力測定機 |
Publications (1)
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---|---|
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JP2008312691A Pending JP2010117334A (ja) | 2008-11-11 | 2008-11-11 | ボルト軸力測定方法およびボルト軸力測定機 |
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