JPWO2009133846A1 - 脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒 - Google Patents

脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒 Download PDF

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Abstract

アルカリ金属触媒を用いずに高収率で脂肪酸アルキルエステルを製造することができる脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒を提供する。トリグリセリドと、アルキルカーボネート又はアルコールを有機塩基炭酸塩の存在下で反応させて脂肪酸アルキルエステルを製造することを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び有機塩基炭酸塩を主成分とすることを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒である。

Description

本発明は、石鹸の製造原料や高級アルコールなどの合成原料などとして有用な脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒に関するものである。
脂肪酸アルキルエステルは、石鹸の製造原料、高級アルコール、界面活性剤などの合成原料、及び燃料などとして広く利用されており、例えば脂肪酸グリセリドとメタノールを水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートなどのアルカリ金属アルコラードなどのアルカリ金属触媒存在下でエステル交換反応を行うことによって製造することができる(特許文献1)。メタノールの代わりにアルキルカーボネートを用いる方法が知られており、前記アルカリ金属触媒存在下でエステル交換反応を行うことによって製造することができる(特許文献2及び3)。これらの方法で得られた脂肪酸メチルエステル、又は脂肪酸メチルエステルを含む混合物が燃料として使用できることも知られている。
特開昭56−120799号公報 WO93/09111 WO2004/052874
しかしながら、脂肪酸グリセリドとメタノールとのエステル交換反応によって脂肪酸アルキルエステルを製造する際にアルカリ金属触媒を用いる場合、生成された脂肪酸アルキルエステルを含む混合物に触媒として用いたアルカリ金属が溶解している。このアルカリ金属が残留した状態でディーゼルエンジンの燃料として使用した場合、燃料系部品の金属部分にデポジットとして蓄積され、燃料流量を低下させ、出力低下、排ガス悪化の原因となる。このため、アルカリ金属を除去するため数回の水洗工程を別途必要とし、廃水処理の問題や製造コストが高くなるという問題がある。また、通常金属触媒とアルキルカーボネートを用いるエステル交換反応は、アルカリ金属の触媒活性が低いため、高圧反応装置中でアルキルカーボネートの沸点以上の温度、大気圧より高い圧力で反応が行なう必要がある。さらに、特許文献3においては、脂肪酸アルキルカーボネートの脂肪酸エステルが多量に残存する。このため、燃料として使用した場合に燃料の流動性を低下させるおそれがある。
そこで、本発明は、アルカリ金属触媒を用いずに高収率で脂肪酸アルキルエステルを製造することができる脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒として、有機塩基炭酸塩触媒を用いることにより、アルカリ金属触媒を用いずに高収率で脂肪酸アルキルエステルを製造することができることを見出した。すなわち、本発明は、化7で表されるトリグリセリドと、化8で表されるアルキルカーボネート又は化9で表されるアルコールを有機塩基炭酸塩の存在下で反応させて脂肪酸アルキルエステルを製造することを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの製造方法である。
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また、本発明は、化7で表されるトリグリセリドと、化8で表されるアルキルカーボネート又は化9で表されるアルコールを反応させて脂肪酸アルキルエステルを製造する際に用いられる脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒において、有機塩基炭酸塩を主成分とすることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、アルカリ金属触媒を用いずに高収率で脂肪酸アルキルエステルを製造することができる脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒を提供することができる。より具体的には、アルコールを用いた場合は、アルカリ金属が溶解しないことから水洗工程を簡易化することができる。また、アルキルカーボネートを用いた場合では、常圧で反応を行うことが可能である。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒において、化7で表されるトリグリセリドは、R、R及びRが6乃至24個の炭素原子を含有するものであれば良く、R、R及びRは、飽和脂肪族であっても良いし、モノ、ジ、トリ不飽和脂肪族であってもよい。さらに、R、R及びRは、ヒドロキシ基を含むものであっても良い。
このようなトリグリセリドとしては、植物油や動物油等の天然油脂に含まれるものや化学的に合成されたものなど様々のものを用いることができ、特にバイオマスであることが好ましい。また、このトリグリセリドは、精製されたものであっても良く、未精製のもの、例えば植物油や動物油等を直接使用しても良い。植物油及び動物油としては、魚油、牛脂や豚脂等の獣油、サフラワー油、ひまわり油、アマニ油、大豆(ダイズ)油、菜種(なたね)油、綿実油、オリーブ油、パーム油、コーン油、ゴマ油、ヒマシ油、米油等の植物油等がある。これらの油脂は1種のみを使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。さらに、これらの油脂は天ぷら油等の廃油(廃食油)であっても良い。
化8で表されるアルキルカーボネートは、R及びRが炭素数1乃至24のアルキル基となるものであれば良く、R及びRの炭素数は同一であっても、異なっても良い。このようなアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート(炭酸ジメチル)、ジエチルカーボネート(炭酸ジエチル)、ジプロピルカーボネートなどの対称カーボネートやメチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネートのような非対称カーボネートなどを用いることが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
化9で表されるアルコールは、Rが炭素数1乃至24のアルキル基となるものであれば良い。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの1級アルコール、イソプロパノール、sec-ブタノールなどの2級アルコール及びtert−ブタノールなどの3級アルコールなどを用いることが好ましく、メタノール及びエタノールなどの1級アルコールが特に好ましい。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法において、化7で表されるトリグリセリドと化8で表されるアルキルカーボネートを反応させた場合、化10乃至15で表される脂肪酸アルキルエステルを得ることができ、化7で表されるトリグリセリドと化9で表されるアルコールを反応させた場合、化10乃至12で表される脂肪酸アルキルエステルを得ることができる。
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化10乃至15で表される脂肪酸アルキルエステルにおいて、R乃至Rは、化7乃至9と同じである。R及びRがこの範囲のものは、エステル交換反応によって得られる化10乃至化15で表される脂肪酸アルキルエステルを様々な用途として良好に使用することができる。R及びRがこれ以上になると、粘性が高くなり、揮発性が低くなるため好ましくない。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法において、エステル交換反応は、密閉・高温条件下等の条件でおこなうことができ、温度条件は50℃以上で行なわれることが好ましい。温度条件が50℃より過度に低いと、脂肪酸アルキルエステルの収率が低くなる。また、より好ましい温度範囲は、50乃至100℃である。このように、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法によれば、反応温度を低下させることができ、熱エネルギーを低下させることができる。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒において、有機塩基炭酸塩としては、有機塩基と炭酸からなるビス4級アンモニウム炭酸塩や有機塩基とモノアルキル炭酸からなる4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩である。有機塩基としては、アルキルアミン類、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類、アニリン、N,N−ジメチルアニリンなどのアニリン類、イミダゾール類、イミダゾリン類、ピラゾール類、ピラゾリン類、ピロール類、ピロリン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどがある。前記有機塩基炭酸塩としては、例えば化16に示されるビス4級アンモニウム炭酸塩や化17に示される4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩などがある。
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化16及び17において、R乃至Rは、各々独立した炭素数1乃至12の炭化水素基、あるいは水酸基を有した炭化水素基からなり、Rは、炭素数1乃至24、好ましくは炭素数1乃至18の飽和炭化水素基からなり、また、R乃至Rは、炭素数1乃至12の炭化水素基を含み、かつR乃至Rのうちのいずれか2個または3個が炭素、酸素又は窒素原子を介したヘテロ環を形成している。R乃至Rのうちの3個が炭素又は窒素原子を介したヘテロ環を形成している具体例としては、以下に示す化18や化19などが挙げられる。
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有機塩基炭酸塩としては、ビス4級アンモニウム炭酸塩及び、4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩が挙げられ、具体的には、ビストリエチルメチルアンモニウム炭酸塩、ビス(1−メチル−4−ジメチルアミノピリジニウム)炭酸塩、ビス(1,1−ジメチルピロリジニウム)炭酸塩、ビス(4,4−ジメチルモルホリジウム)炭酸塩、ビス(1−エチル−1−メチルピロリジニウム)炭酸塩、トリエチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、1−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムモノメチル炭酸塩、N,N−ジメチルモルフォリウムモノメチル炭酸塩、N,N−ジメチルアミノピペリジニウムモノメチル炭酸塩、テトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、ジエチルジメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、トリオクチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、トリエチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩、及びN−(2−ヒドロキシエチル)N,N,N−トリメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩などを用いることが好ましい。
ビス4級アンモニウム炭酸塩や4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩は、既知の方法によって得ることができる。例えば、ビス4級アンモニウム炭酸塩は、撹拌式オートクレーブで炭酸ジアルキル1モル、有機アミン1モル以上の混合液を反応温度100乃至180℃、反応圧力0.5乃至3MPaG(Gはゲージ圧を示す)、反応時間1時間以上で反応させることによって得ることができ、また、4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩は、炭酸ジアルキル1モル、有機アミン0.5モル以上、メタノール1モル以上の混合液を反応温度100乃至180℃、反応圧力0.5乃至3MPaG、反応時間1時間以上で反応させることによって得ることができる。
前記有機塩基炭酸塩としては、前記反応後、製造された脂肪酸アルキルエステル及び化2で表されるアルキルカーボネート又は化3で表されるアルコールから分離されたものを用いても良く、繰り返し使用することができる。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法において、製造される化10乃至15で表される脂肪酸アルキルエステルは、燃料、高品質の石鹸及び高級アルコールの原料など様々な用途として使用することができる。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造工程において、原料であるトリグリセリドとして、廃油等を用いる場合には、予めフィルタープレス等の既知の濾過機を用いて不純物を除去することが好ましい。この際、活性白土、珪藻土、ゼオライト、活性炭、酸性白土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、シリカ−アルミナ化合物、炭酸カルシウム、骨灰、パーライト、セルロース、マグネシア、アルミナ、石膏等の既知の濾材を用いることもできる。この濾材の量は、廃油の種類や廃油中に含有される不純物の量等に応じて適宜設定することができる。
反応後の後処理において必要であれば、活性白土、珪藻土、ゼオライト、活性炭、酸性白土、ベントナイト、シリカ系吸着剤、シリカ−アルミナ化合物、炭酸カルシウム、骨灰、パーライト、セルロース、マグネシア、アルミナ、石膏等の既知の濾材を用いてろ過を行う。この濾材の量は生成した燃料の状態により変わるが、生成した燃料の1−20質量%である。また、燐酸、亜燐酸、次燐酸、次亜燐酸、ピロ燐酸、メタ燐酸、硫酸、ピロ硫酸、炭酸ガス、塩酸、酢酸、シュウ酸からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の酸及び水を添加・混合し中和、洗浄工程を行う。洗浄水を静置分離後、有機層を減圧下で加熱することで、過剰のアルキルカーボネートと水分を留去する。
本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法及び脂肪酸アルキルエステル製造用触媒によれば、アルカリ金属触媒を用いていないので、アルカリ金属を除去するため数回の水洗工程を別途必要とせず、後処理行程としては、一度の水洗工程、あるいは活性白土処理などを用いたろ過工程だけで済み、廃水処理の問題や製造コストが高くなるという問題が生じることはない。
また、従来のアルカリ金属触媒を用い脂肪酸グリセリドとアルキルカーボネートのエステル交換反応によって脂肪酸アルキルエステルを製造する方法は、アルカリ金属の触媒活性が低いため、オートクレーブなどの高圧反応装置中でアルキルカーボネートの沸点以上の温度、大気圧より高い圧力で反応が行われる。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルが10乃至40質量%含まる。大気圧条件下でアルキルカーボネートの沸点付近で反応を行った場合、脂肪酸アルキルカーボネートの脂肪酸エステルが25.6質量%含まれる(特許文献3)。このため、反応物を燃料として使用した場合、燃料の流動性に問題が生じるおそれがあった。これに対して、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法によれば、有機塩基炭酸塩が高い触媒活性を有することで常圧で反応を行うことができ、かつグリセリンカーボネートの脂肪酸エステルの含量を可及的に少なくすることができる。例えば、脂肪酸アルキルカーボネートの脂肪酸エステルが5質量%以下に抑えることができる。特に、アルキルカーボネートを用いる場合、活性が高い有機塩基炭酸塩を用いることにより、従来のアルカリ金属触媒を用いる場合に比べてより低温、大気圧の温和な条件において反応を進行させることができ、さらに脂肪酸アルキルカーボネートの脂肪酸エステルの含量を低下させることができ大変有用である。さらに、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法によれば、触媒として有機塩基炭酸塩を用いることによって、酸価が小さく、色調が良好な脂肪酸アルキルエステルを得ることができる。
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステルの製造方法の実施例について説明する。本実施例に係る脂肪酸アルキルエステルにおいて、原料のトリグリセリドとしては、表1及び2に示す構成脂肪酸含有率からなる米油(築野食品工業(株)製、比重:0.917ml/g、ケン化価(分子量):898、酸価:0.36mg−KOH/g)、パーム油(不二製油(株)製、沃素価:51.3g/100−g、酸価:0.18mg−KOH/g)を用いた。また、実施例において用いられるダイズ油、なたね油及び廃食油の化学組成をそれぞれ表3乃至表5に示す。
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[ビストリエチルメチルアンモニウム炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、ビストリエチルメチルアンモニウム炭酸塩を製造した。すなわち、300mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に回転子を入れ、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)100g(1.1mol)及びトリエチルアミン(和光純薬製50.1g(0.5mol)を仕込み、反応温度130℃で8時間反応させた。下層を分離採取後、過剰の炭酸ジメチル、トリエチルアミンを減圧下留去した後、目的とするビストリエチルメチルアンモニウム炭酸塩34.5gを得た。このときの圧力は0.3MPaGであった。以下、これを触媒Aとした。触媒AのH−NMR、13C−NMR分析は表6の通りであった。
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[実施例1]
次に、実施例1として、触媒Aを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、メタノール(和光純薬社製)5.0g(137.0mmol)及び触媒A0.32g(1.1mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度60℃、大気圧で2時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステルを10.0g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)及びクロマトロッドIIIを用いたTLC−FID法(三菱化学ヤトロンMK−5型)を用いて定性及び定量分析を行った。
[ガスクロマトグラフィー]
数1に示す条件で行った。
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[クロマトロッドIIIを用いたTLC−FID法]
反応後の脂肪酸アルキルエステルの含有率は、イアトロスキャン(TLC−FID)((株)三菱化学ヤトロンMK−5型)によるシンクロマトグラフィーにより測定した。測定条件を表7に示す。尚、クロマロッドはSIIIシリカゲル焼結薄層棒、細孔径は60オングストローム、粒度は5μmである。
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脂肪酸メチルエステルの収率は、ステアリン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、リノレン酸メチル及びリノール酸メチルの合計量とした。ステアリン酸メチル、パルミチン酸メチル、オレイン酸メチル、リノレン酸メチル及びリノール酸メチルのピークの保持時間は、標準品で決定した(ステアリン酸メチル,パルミチン酸メチル:0.07乃至0.130min、オレイン酸メチル,リノレン酸メチル,リノール酸メチル:0.150乃至0.250min)。
その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、97.6質量%であった。また、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)により元素の定量分析を行った結果、Na、Kなどの金属イオンは検出されなかった。
[実施例2]
次に、実施例2として、触媒Aを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)10.0g(111.0mmol)及び触媒A0.32g(1.1mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度90℃、大気圧で1.5時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Aを分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を11.1g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)を用いて定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、89.6質量%であった。原料米油の転化率は、100%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは、検出されなかった。
[実施例3]
次に、実施例3として、触媒Aを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)10.0g(111.0mmol)を秤量して加えた。これに実施例2で分離回収した触媒Aを加え、窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度90℃、大気圧で2時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Aを分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を11.2g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)を用いて定性及び定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、89.1質量%であった。原料米油の転化率は、100%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは、検出されなかった。
[ビス(1−メチル−4−ジメチルアミノピリジニウム)炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、ビス(1−メチルジメチルアミノピリジニウム)を製造した。すなわち、300mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に回転子を入れ、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)100g(1.1mol)及び4−ジメチルアミノピリジン(和光純薬製25.0g(0.2mol)を仕込み、反応温度115℃で5時間反応させた。析出した固形物をろ過、30mlの炭酸ジメチルを用いて洗浄し、乾燥後、目的とするビス(1−メチル−4−ジメチルアミノピリジニウム)炭酸塩34gを得た。このときの圧力は0.19MPaGであった。以下、これを触媒Bとした。触媒BのH−NMR、13C−NMR分析は表8の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例4]
次に、実施例4として、触媒Bを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、メタノール(和光純薬社製)5.0g(137.0mmol)及び触媒B0.38g(1.17mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度60℃、大気圧で2時間反応を行った。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステルを9.9g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)及びクロマトロッドIIIを用いたTLC−FID法(三菱化学ヤトロンMK−5型)を用いて定性及び定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、96.9質量%であった。
[実施例5]
次に、実施例5として、触媒Bを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)12.3g(137.0mmol)及び触媒B0.38g(1.17mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度90℃、大気圧で4時間反応を行った。室温まで冷却後、触媒Bをろ別除去後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を10.9g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)を用いて定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、94.0質量%であった。原料米油の転化率は、100%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは、検出されなかった。
[ビス(1、1−ジメチルピロリジニウム)炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、ビス(1、1−ジメチルピロリジニウム)を製造した。50mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に回転子を入れ、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)20g(0.22mol)及びN−メチルピロリジン(アルドリッチ社製)5.0g(0.06mol)を仕込み、反応温度130℃で8時間反応させた。析出した固形物をろ過、10mlの炭酸ジメチルを用いて洗浄し、乾燥後、目的とするビス(1、1−ジメチルピロリジニウム)炭酸塩7.4gを得た。このときの圧力は0.3MPaGであった。以下、これを触媒Cとした。触媒CのH−NMR、13C−NMR分析は表9の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例6]
次に、実施例6として、触媒Cを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、メタノール(和光純薬社製)5.0g(137.0mmol)及び触媒C0.30g(1.17mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度60℃、大気圧で3時間反応を行った。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステルを9.9g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)及びクロマトロッドIIIを用いたTLC−FID法(三菱化学ヤトロンMK−5型)を用いて定性及び定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、98.2質量%であった。
[実施例7]
次に、実施例7として、触媒Cを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)12.3g(137.0mmol)及び触媒C0.30g(1.17mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度90℃、大気圧で6時間反応を行った。室温まで冷却後、触媒Cをろ別除去後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Cを分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を10.8g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)を用いて定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は94.8質量%であった。原料米油の転化率は、100%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは、検出されなかった。
[実施例8]
次に、実施例8として、触媒Cを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)10.0g(111.0mmol)を秤量して加えた。これに実施例7で分離回収した触媒Cを加え、窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度90℃、大気圧で12時間反応を行った。室温まで冷却後、触媒Cをろ別除去後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Cを分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を10.8g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)を用いて定性及び定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、93.2質量%であった。原料米油の転化率は、100%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは、検出されなかった。
[ビス(4,4−ジメチルモルホリジウム)炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、ビス(4、4−ジメチルモルホリジウム)炭酸塩を製造した。50mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に回転子を入れ、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)20g(0.22mol)及びN−メチルモルフォリン(和光純薬製5.0g(0.05mol)を仕込み、反応温度130℃で8時間反応させた。析出した固形物をろ過、10mlの炭酸ジメチルを用いて洗浄し、乾燥後、目的とするビス(4,4−ジメチルモルホリジウム)炭酸塩7.1gを得た。このときの圧力は0.3MPaGであった。以下、これを触媒Dとした。触媒DのH−NMR、13C−NMR分析は表10の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例9]
次に、実施例9として、触媒Dを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、メタノール(和光純薬社製)5.0g(137.0mmol)及び触媒D0.34g(1.17mmol)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度60℃、大気圧で2時間反応を行った。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステルを9.9g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)及びクロマトロッドIIIを用いたTLC−FID法(三菱化学ヤトロンMK−5型)を用いて定性及び定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、97.7質量%であった。
[実施例10]
次に、実施例10として、触媒Dを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に米油10.0g(11.14mmol)、炭酸ジメチル(宇部興産(
株)製)12.3g(137.0mmol)並びに触媒D0.34g(1.17mmol
)を秤量して加えた。窒素気流下でマグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度90℃、大気圧で3時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Dを分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を10.8g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)を用いて定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は、92.9質量%であった。原料米油の転化率は、100%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは、検出されなかった。
[ビス(1−エチル−1−メチルピロリジニウム)炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、ビス(1−エチル、1−メチルピロリジニウム)炭酸塩を製造した。50mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に回転子を入れ、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)20g(0.22mol)及びN−エチルピロリジン(アルドリッチ社製)5.1g(0.06mol)を仕込み、反応温度130℃で8時間反応させた。析出した固形物をろ過、10mlの炭酸ジメチルを用いて洗浄し、乾燥後、目的とするビス(1−エチル、1−メチルピロリジニウム)炭酸塩7.5gを得た。このときの圧力は0.3MPaGであった。以下、これを触媒Eとした。触媒EのH−NMR、13C−NMR分析は表11の通りであった。
Figure 2009133846
[トリエチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、トリエチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩を製造した。200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)67.5g(0.75mol)、トリエチルアミン(和光純薬製75.0g(0.74mol)、及びメタノール(和光純薬製)48g(1.5mol)を仕込み、反応温度140℃で3時間反応させた。このときの圧力は2.0MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、トリエチルアミン、及びメタノールを減圧下留去した後、目的とするトリエチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩98.5gを得た。以下、これを触媒Fとした。触媒FのH−NMR、13C−NMR分析は表12の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例11]
次に、実施例11として、触媒Fを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Fを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行った。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステル14.9gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.5質量%であった。酸価は0.09mg−KOH/kgであった。
[実施例12]
次に、実施例12として、触媒Fを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、炭酸ジメチル7.0g(111.0mmol)並びに触媒Fを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度90℃で6時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Fを含む褐色層を分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物16.1gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は90.3質量%であった。原料ダイズ油の転化率は99.8%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは検出されなかった。
[1−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、1−メチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)9.0g(0.1mol)、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(和光純薬製12.2g(0.1mol)、及びメタノール(和光純薬製)6.4g(0.2mol)を仕込み、反応温度110℃で3時間反応させた。このときの圧力は2.1MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、アセトンを加え固体物をろ過した。アセトンで洗浄後、減圧下で乾燥して、目的とする1−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジニウムモノメチル炭酸塩17.0gを得た。以下、これを触媒Gとした。触媒GのH−NMR、13C−NMR分析は表13の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例13]
次に、実施例13として、触媒Gを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Gを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行った。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステル14.7gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.3質量%であった。酸価は0.04mg−KOH/kg、JIS K0071−1によるハーゼンナンバー(色調)は90であった。
[実施例14]
次に、実施例14として、触媒Gを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、炭酸ジメチル7.0g(111.0mmol)並びに触媒Gを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度90℃で6時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Gを含む褐色層を分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物を15.8g得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は90.8質量%であった。原料ダイズ油の転化率は99.7%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは検出されなかった。
[N,N−ジメチルモルフォリウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、N,N−ジメチルモルフォリウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)21.6g(0.24mol)、N−メチルモルフォリン(和光純薬製23.2g(0.23mol)、及びメタノール(和光純薬製)15.4g(0.48mol)を仕込み、反応温度120℃で3時間反応させた。このときの圧力は1.9MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、アセトンを加え固体物をろ過した。アセトンで洗浄後、減圧下で乾燥して、目的とするN,N−ジメチルモルフォリウムモノメチル炭酸塩40.3gを得た。以下、これを触媒Hとした。触媒HのH−NMR、13C−NMR分析は表14の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例15]
次に、実施例15として、触媒Hを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Hを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステル14.5gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.7質量%であった。
[実施例16]
次に、実施例16として、触媒Hを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、炭酸ジメチル7.0g(111.0mmol)並びに触媒Hを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度90℃で6時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Hを含む褐色層を分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物15.9gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は89.9質量%であった。原料ダイズ油の転化率は98.2%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは検出されなかった。
[N,N−ジメチルアミノピペリジニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、N,N−ジメチルアミノピペリジニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)19.8g(0.22mol)、N−メチルピペリジン(和光純薬製)20.9g(0.21mol)、及びメタノール(和光純薬製)14.1g(0.44mol)を仕込み、反応温度120℃で3時間反応させた。このときの圧力は1.9MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、アセトンを加え固体物をろ過した。アセトンで洗浄後、減圧下で乾燥して、目的とするN,N−ジメチルアミノピペリジニウムモノメチル炭酸塩40.3gを得た。以下、これを触媒Iとした。触媒IのH−NMR、13C−NMR分析は表15の通りであった。
Figure 2009133846
[実施例17]
次に、実施例17として、触媒Iを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Iを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステル14.8gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.4質量%であった。
[実施例18]
次に、実施例18として、触媒Iを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、炭酸ジメチル7.0g(111.0mmol)並びに触媒Iを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度90℃で6時間反応を行った。室温まで冷却後、炭酸ジメチルを減圧下で留去した。下層に溜った触媒Iを含む褐色層を分離除去し、脂肪酸メチルエステルを主成分とする混合物15.4gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は88.7質量%であった。原料ダイズ油の転化率は99.5%であった。また、グリセリンカーボネートの脂肪酸エステルは検出されなかった。
[テトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、テトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)26.0g(0.29mol)、及びジメチルアミン11%メタノール溶液(和光純薬製)66g(0.16mol)を仕込み、反応温度120℃で3時間反応させた。このときの圧力は1.8MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、固体物16.5gを得た。これを触媒Jとし、触媒Jは表16に示すH−NMR分析の結果からテトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩であった。
Figure 2009133846
[実施例19]
次に、実施例19として、触媒Jを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Jを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステル14.6gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.1質量%であった。
[ジエチルジメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、ジエチルジメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)15.8g(0.17mol)、ジエチルアミン(和光純薬製)12.6g(0.17mol)、及びメタノール(和光純薬製)11.2g(0.35mol)を仕込み、反応温度120℃で3時間反応させた。このときの圧力は1.7MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、得られた固体物にアセトンを加えろ過した。アセトンで洗浄後、減圧下で乾燥して、固体物10.2gを得た。これを触媒Kとし、触媒Kは表17に示すH−NMR、13C−NMR分析の結果からジエチルジメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩であった。
Figure 2009133846
[実施例20]
次に、実施例20として、触媒Kを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にダイズ油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Kを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を精製水5mlで洗浄した。下層の水層を分離除去後、水分を減圧下、70℃で留去し目的物とする脂肪酸メチルエステル14.8gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.3質量%であった。酸価は0.04mg−KOH/kg、JIS K0071−1によるハーゼンナンバー(色調)は80であった。
[トリオクチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、トリオクチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)5.8g(0.07mol)、トリオクチルアミン(和光純薬製)20.3g(0.065mol)、及びメタノール(和光純薬製)4.0g(0.014mol)を仕込み、反応温度130℃で6時間反応させた。このときの圧力は0.6MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、得られた固体物にヘキサンを加えろ過した。ヘキサンで洗浄後、減圧下で乾燥して、7.2gの粘調液体を得た。これを触媒Lとし、触媒Lは表18に示すH−NMRの結果からトリオクチルメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩であった。
Figure 2009133846
[実施例21]
次に、実施例21として、触媒Lを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器になたね油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Lを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で1時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。3時間静置後、下層のグリセリン層を分離除去し、目的物とする脂肪酸メチルエステル14.8gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.3質量%であった。
[N−(2−ヒドロキシエチル)N,N,N−トリメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、N−(2−ヒドロキシエチル)N,N,N−トリメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)25g(0.28mol)、2−ジメチルアミノエタノール(和光純薬製)22.6g(0.25mol)、及びメタノール(和光純薬製)17.8g(0.55mol)を仕込み、反応温度125℃で3時間反応させた。このときの圧力は0.9MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、得られた固体物にトルエンを加えろ過した。トルエンで洗浄後、減圧下で乾燥して、38.3gの粘調液体を得た。これを触媒Mとし、触媒Mは表19に示すH−NMRの結果からN−(2−ヒドロキシエチル)N,N,N−トリメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩であった。
Figure 2009133846
[実施例22]
次に、実施例22として、触媒Mを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器になたね油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Mを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で1時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。3時間静置後、下層のグリセリン層を分離除去し、目的物とする脂肪酸メチルエステル14.9gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.1質量%であった。
[テトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩の製造]
次に、本発明に係る脂肪酸アルキルエステル製造用触媒の実施例として、テトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩を製造した。先ず、200mlのsus製オートクレーブ(耐圧硝子工業製)に、原料として炭酸ジメチル(宇部興産(株)製)36.0g(0.4mol)及びトリメチルアミン25%メタノール溶液(東京化成製)80g(0.34mol)を仕込み、反応温度120℃で3時間反応させた。このときの圧力は0.7MPaGであった。過剰の炭酸ジメチル、及びメタノールを減圧下留去した後、固体物48.5gを得た。これを触媒Nとし、触媒Nは表20に示すH−NMR分析の結果からテトラメチルアンモニウムモノメチル炭酸塩であった。
Figure 2009133846
[実施例23]
次に、実施例23として、触媒Nを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器になたね油15.0g(16.7mmol)、メタノール6.0g(187.5mmol)並びに触媒Nを0.32g(1.5mmol)を秤量して加えた。窒素気流下で、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。下層のグリセリン層を分離除去後、上層を2gの活性白土S1でろ過後、目的物とする脂肪酸メチルエステル14.1gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.4質量%であった。酸価は0.02mg−KOH/kg、JIS K0071−1によるハーゼンナンバー(色調)は50であった。
[実施例24]
次に、実施例24として、触媒Aを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器にパーム油15.0g(11.14mmol)、メタノール6.0g(137.0mmol)並びに触媒A0.32g(1.1mmol)を秤量して加えた。マグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。3時間静置後、下層のグリセリン層を分離除去し、目的物とする脂肪酸メチルエステル14.9gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.3質量%であった。酸価は0.02mg−KOH/kgであった。
[実施例25]
次に、実施例25として、触媒Aを用いて脂肪酸アルキルエステルを製造した。先ず、50ml反応容器に廃食油15.0g(11.14mmol)、メタノール6.0g(137.0mmol)並びに触媒A0.32g(1.1mmol)を秤量して加えた。マグネットスターラーによって回転子を回転させて、反応温度60℃で3時間反応を行なった。室温まで冷却後、メタノールを減圧下で留去した。3時間静置後、下層のグリセリン層を分離除去し、目的物とする脂肪酸メチルエステル14.8gを得た。
得られた目的物についてガスクロマトグラフィー(島津製作所製)定量分析を行った。その結果、脂肪酸メチルエステルの含量は99.1質量%であった。酸価は0.17mg−KOH/kgであった。

Claims (5)

  1. 化1で表されるトリグリセリドと、化2で表されるアルキルカーボネート又は化3で表されるアルコールを有機塩基炭酸塩の存在下で反応させて脂肪酸アルキルエステルを製造することを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
    Figure 2009133846
    Figure 2009133846
    Figure 2009133846
  2. 前記有機塩基炭酸塩は、ビス4級アンモニウム炭酸塩、及び4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩のいずれか一以上であることを特徴とする請求項1記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
  3. 前記有機塩基炭酸塩は、前記反応後、製造された脂肪酸アルキルエステル及び化2で表されるアルキルカーボネート又は化3で表されるアルコールから分離された有機塩基炭酸塩触媒であることを特徴とする請求項1又は2記載の脂肪酸アルキルエステルの製造方法。
  4. 化4で表されるトリグリセリドと、化5で表されるアルキルカーボネート又は化6で表されるアルコールを反応させて脂肪酸アルキルエステルを製造する際に用いられる脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒において、
    有機塩基炭酸塩を主成分とすることを特徴とする脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒。
    Figure 2009133846
    Figure 2009133846
    Figure 2009133846
  5. 前記有機塩基炭酸塩は、ビス4級アンモニウム炭酸塩、及び4級アンモニウムモノアルキル炭酸塩のいずれか一以上であることを特徴とする請求項4記載の脂肪酸アルキルエステルの製造用触媒。

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