JPWO2009130812A1 - 節水具 - Google Patents

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Abstract

【課題】供給側の水圧の高低、送水量の多寡にかかわらず、良好な使用感を得ることができる放水圧、放水量を実現し、なおかつ、単位時間あたりの使用水量を低減できる節水具。【解決手段】中空筒状体からなり、通水管に接続される節水具。通水管を通る上水の流動方向に直交して第一板体が中空筒状体内に配備されている。第一板体は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔を備えていると共に、第一板体の下流側の壁における各第一通水孔が形成されている位置に、各第一通水孔を介して下流側に流動する上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内する案内部材を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、洗面器の自動手洗い器などに取り付けて使用される節水具に関する。
上水道は、水道局より送水され各家庭や、店舗、等の厨房などにおける蛇口から放水されて使用される。
この際、供給側であるメーン送水口から送水され、蛇口を介して放水されるために必要以上の上水が蛇口から放水されるのが一般的である。
水圧が高い場合には多量の上水が放水され、その状態で使用が継続されると、1カ月、1年の間に累積されて非常に多くの上水が放水されることになる。
水圧の高い地域、多層階のホテル、マンションなどの低層階の場合には、水圧が高いので、更に多くの上水が放出される。
戸建住宅、マンション、寮、スポーツ施設、理美容院も同様で、使用頻度が高くまた規模の大きいものほど上水の放出は増大する。
水圧が低い場合には、蛇口からの上水の出が悪くなる。しかし、上水の出が悪い分、逆に、余分に放水されるのが現状である。
水圧の低い地域、多層階のホテル、マンションの中の高層階のフロアーなどのように水圧が低いときにこのような問題が生じる。
多層階で同一フロアの床面積が大きく、同一系統の給水管の使用者が同時間帯に使用した場合にもこのような問題が発生する。
個人住宅、マンション、寮、スポーツ施設も同様である。
従来の蛇口では供給される水圧、水量が供給側であるメーン送水口より上層の放水口を通して直接放水することになり構造上、必要以上に放水して使用量が大となり、経費が増大する。
このような問題を解決するため、蛇口に取り付けて節水を図る種々の提案がされている。例えば、特許文献1、2記載の発明では、通水管に取り付け、通水管を通過していく上水の流れに強制的な流動を生じさせることによって節水を図る提案がされている。
特開2007−186970号公報 実用新案登録第3014423号公報
本発明は、供給側の水圧が高い場合、低い場合、供給側からの送水量が多い場合、少ない場合のいずれであっても、良好な使用感を得ることができる放水圧、放水量を実現し、なおかつ、単位時間あたりの使用水量を低減できる節水具を提案することを目的にしている。
前記目的を達成するため、この発明が提案する節水具は、以下の通りのものである。
請求項1記載の発明は、
中空筒状体からなり、通水管に接続される節水具であって、
前記通水管に接続される側から下流側に向けて前記通水管を通る上水の流動方向に直交して第一板体が前記中空筒状体内に配備され、
前記第一板体は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔を備えていると共に、前記第一板体の下流側の壁における各第一通水孔が形成されている位置に、各第一通水孔を介して下流側に流動していく上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内する案内部材を備えている
ことを特徴とする節水具である。
この発明によれば、供給側の水圧が高い場合、低い場合、供給側からの送水量が多い場合、少ない場合のいずれであっても、良好な使用感を得ることができる放水圧、放水量を実現し、なおかつ、単位時間あたりの使用水量を低減できる節水具を提供できる。特に、この発明の節水具は、蛇口の下に手をかざすと自動的に蛇口から水が放出される形式の自動手洗い器に好ましく使用することができる。
本発明の節水具は、通水管を通過していく上水の流れに強制的な流動、すなわち、上流側から下流側に向けて渦巻き流のように、下側方向に斜めに向かいつつ、円周方向に流動する強制的な流れを生じさせることによって節水を図るものである。
以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい実施形態に関していくつかの実施例に基づき説明する。
図1は本発明の節水具の好ましい実施形態を説明する一部を省略した断面図である。
本発明の節水具1は図1図示のように中空筒状体2からなるものであり、図1中、上側が上水の通水管(不図示)に接続されて使用される。
中空筒状体2内には、通水管に接続される側(図1中、上側)から下流側(図1中、下側)に向けて第一板体3、第二板体4が互いに平行に配備されている。第一板体3、第二板体4は、いずれも通水管を通る上水の流動方向(矢印100方向)に直交している。
第一板体3は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔8a、8b、8c、8d(以下、第一通水孔を総称して符号8で表すことがある)を備えている。また、第一板体3は、第一板体3の下流側の壁における各第一通水孔8が形成されている位置に案内部材15を備えている。この案内部材15は、各第一通水孔8を介して下流側に流動する上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内するものである。
図示の実施形態では、第一板体3の円周方向に90度ずつの間隔を空けて4個の第一通水孔8a、8b、8c、8dが形成されている。第一通水孔8a、8b、8c、8dを介して下流側に流動する上水の流れは、案内部材15によって、それぞれ、矢印102(図1)で示すように、斜め下方向に向かわせられつつ、矢印9(図2(a))で示すように、同一の円周方向に案内される。
図示していないが、円周方向に180度ずつ、120度ずつ、あるいは60度ずつの間隔を空けて2個、3個、あるいは6個の第一通水孔8が形成されている形態、等にすることができる。
図示の実施形態では、案内部材15は、案内側壁13と、案内底板14とを備えている。
案内側壁13は、図3(a)、(b)に図示するように、第一板体3における下流側の壁の、第一通水孔8aの径方向外側の辺及びこれに対向する径方向内側の辺の位置から下流側に向かって延びるものである。例えば、案内側壁13は、第一板体3における下流側の壁の、第一通水孔8aの径方向外側の辺及びこれに対向する径方向内側の辺の位置から下流側に向かって、通水管を通る上水の流動方向(矢印100方向)と平行に延びるようにすることができる。
図1、図2(a)図示の実施形態では、中空筒状体2の内周壁が、第一板体3における下流側の壁の、第一通水孔8の径方向外側の辺の位置から下流側に向かって延びる案内側壁13の役割を果たしている。
そこで、図1、図2(a)図示の実施形態では、第一板体3における下流側の壁の、第一通水孔8の径方向内側の辺の位置から下流側に向かって延びる案内側壁13のみが図示されている。
案内底板14は、図3(a)、(b)に図示するように、その径方向外側の辺及びこれに対向する径方向内側の辺がそれぞれ案内側壁13に接続されている。そして、案内底板14は、第一通水孔8aの案内部材15によって案内される上水の円周方向の流れの上流側に位置する辺から、これに対向する上水の円周方向の流れ方向の辺が位置する方向に向かって下り傾斜している。
図示の実施形態では、図1図示のように、第一通水孔8aの位置に配備されている案内部材15の案内底板14は、45度左下がりに傾斜している。これによって、第一通水孔8aの案内部材15によって案内される上水の円周方向の流れの上流側に位置する辺から、これに対向する上水の円周方向の流れ方向の辺が位置する方向に向かって下り傾斜している。
この下り傾斜する角度は、水圧、水量、節水具の大きさ等を考慮して適宜に定めることができる。
図1、図2(a)図示の実施形態では、案内底板14の径方向外側の辺は、案内側壁13の役割を果たす中空筒状体2の内周壁に接続され、案内底板14の径方向内側の辺は案内側壁13の径方向外側の面に接続されている。
これによって、矢印101(図1)のように第一通水孔8aに流入した上水は、案内底板14に案内されて矢印102のように斜め下方に向かって流動する。そして、中空筒状体2の内周壁と案内側壁13の径方向外側の面とに案内されて、矢印9(図2(a)で示すように、円周方向に案内される。
第一通水孔8b、8c、8dに配備されている案内部材15も、第一通水孔8aに配備されている案内部材15と同一であるので説明を省略する。
各第一通水孔8で前述したように矢印101(図1)のように流入した上水が、矢印102のように斜め下方に向かって流動すると共に、中空筒状体2の内周壁と案内側壁13の径方向外側の面とに案内されて、矢印9(図2(a)で示すように、円周方向に案内される。そこで、第一板体3の下流側である、第一板体3と第二板体4とで囲まれている部分6では、図1に矢印103a、103bで示すように、円周方向で下側に向かう上水の流れが生じる。
しかも、節水具1は、図1中、上側が上水の通水管(不図示)に接続されて使用されるものであるので、第一通水孔8の全体の通水断面積は、通水管(不図示)の通水断面積より小さい。そこで、各第一通水孔8を通過する矢印102方向の上水の流れは、通水管(不図示)における矢印100方向の上水の流れよりも速い。
本発明の節水具1においては、前述したように、第一通水孔8全体の通水断面積が通水管(不図示)より小さいことにより、上水は、通水管(不図示)を流動していた時よりも流速が速められて第一通水孔8を通過する。そして、案内部材15によって斜め下方向(矢印102)に向かわせられつつ、同一の円周方向(矢印9)に案内される。
そこで、上水は、第一通水孔8を矢印102のように通過した際よりも、勢いをつけ、第一通水孔8に流入した際よりも速い流速で第一板体3の下流側に向かって流動する。
本発明の節水具1の特徴は、第一板体3の第一通水孔8を介して第一貯留室6に流入する上水が、案内部材15によって、斜め下方向(矢印102方向)に向かいつつ、同一の円周方向(矢印9方向)に流動するように案内される点にある。
これによって、斜め下方向(矢印102方向)に向かいつつ、同一の円周方向(矢印9方向)に流動するように案内された上水の流れは、その勢いを持続させ、第一板体3の下流側に向かって流動する。
前述した案内部材15は、図3(a)、(b)図示のように、案内側壁13及び案内底板14を含む筒状体からなり、第一通水孔8aを入口20aとし、筒状体の下流側に向かって延びる先端に出口20bを有する案内通路を構成し、入口20a側から出口20b側に向かって当該案内通路の通水断面積が次第に小さくなっている形態にすることができる。
案内部材15がこのように構成されている場合について、図3を参照して説明する。
この場合には、案内底板14に対向して案内上板14aが配備され、案内底板14、径方向外側の案内側壁13(あるいは、径方向外側の案内側壁13の役割を果たす中空筒状体2の内周壁)、案内上板14a、径方向内側の案内側壁13で囲まれて案内通路が形成される。案内上板14aは案内底板14に対して平行ではなく、図3(a)図示のように、左側の端の方が案内底板14に対し接近するように傾いていることにより、入口20a側から出口20b側に向かって案内通路の通水断面積が次第に小さくなっている。
図3(b)は、入口20aの通水断面積の方が、出口20bの通水断面積より大きくなっていることを説明する図である。
前述した案内部材15を図3図示のように構成することによって、第一通水孔8a(入口20a)に流入した上水は、出口20bから、第一通水孔8a(入口20a)に流入した際よりも速い速度で流出することになる。そこで、上水の流れを下流側に向けて、斜め下方向(矢印102)に向かわせつつ、同一の円周方向(矢印9)に流動させる案内部材15の役割を一層効果的に発揮させることができる。
なお、前述したような、案内底板14に対向する案内上板14aを使用せず、案内底板14、径方向外側の案内側壁13(あるいは、径方向外側の案内側壁13の役割を果たす中空筒状体2の内周壁)、第一板体3の下流側に向かう面、径方向内側の案内側壁13で囲んで案内通路を形成することもできる。この場合も、案内底板14や、径方向内側の案内側壁13の設置角度を調整することによって、案内通路の通水断面積を入口20aから出口20bに向かうに従って次第に小さくなるようにすることができる。
また、第一通水孔8、案内部材15を、実施例2に採用されている構造、形態のものにすることもできる。すなわち、案内部材15を、第一板体3において各第一通水孔8が形成される位置で、各第一通水孔8形成用の三角形状部分62を下流側に向けて下り傾斜に折り曲げ、中空筒状体2の内周壁側の面と、当該折り曲げられた三角形状部分62の表面との間により、上水の流れを斜め下方向(矢印102方向)に向かわせつつ、同一の円周方向(矢印9方向)に案内するものである。
これは、第一板体3において第一通水孔8を形成する位置の、図7(a)、図9で説明されているように、符号59、60で示されている箇所に切断線を設け、符号61で示されている破線の位置を折り曲げ線部として、三角形状部分62の頂点部63を下流側に向けて下り傾斜に折り曲げるものである。
これによって、筒状体2の内周壁側の面と、前記のように折り曲げられた三角形状部分62の表面との間により、上水を斜め下方向(矢印102方向)に向かわせつつ、同一の円周方向(矢印9方向)に案内するものである。
この場合、三角形状部分62の大きさは、水圧、水量、節水具の大きさ等を考慮して適宜に定めることができる。また、三角形状部分62を、破線61を折り線部として斜め下方に向かって折り曲げる角度も、水圧、水量、節水具の大きさ等を考慮して適宜に定めることができる。
本発明の節水具においては、前述した第一板体3、第一通水孔8、案内部材15の形状、構造により、下流側に向けて渦巻き流となる上水の流れが非常に強くなる。そこで、特に、第二板体4を設ける必要はない。
しかし、第一板体3の下流側に第一板体3と平行に第二板体4を設け、ここに、上水を下側方向(すなわち、下流側)に向けて吐出する複数の第二通水孔が形成されている形態にすることもできる。
この第二板体4、第二通水孔の存在によって、供給側の水圧が高い場合、低い場合、供給側からの送水量が多い場合、少ない場合のいずれであっても、より一層、良好な使用感を得ることができる放水圧、放水量を実現し、なおかつ、単位時間あたりの使用水量をより一層低減できる。
図1、図2図示の実施形態では、第二板体4は、図2(b)図示のように、その径方向外側に、円周方向に延び、それぞれ円周方向に所定の間隔を空けて形成されている内側第二通水孔17a、17b、17c、17d(明細書、図面中において符号17で総称することがある)を備えている。また、第二板体4は、同じく、その径方向外側に、内側第二通水孔17よりも径方向外側において円周方向に延び、それぞれ円周方向に所定の間隔を空けて形成されている外側第二通水孔18a、18b、18c、18d(明細書、図面中において符号18で総称することがある)を備えている。
図示の実施形態では、この内側第二通水孔17と、外側第二通水孔18とによって、第二板体4の径方向外側の部分において、円周方向に延び、円周方向に所定の間隔を空けて形成されている複数の第二通水孔が形成されている。
なお、第二板体4の径方向外側の部分において、円周方向に延びる複数の第二通水孔を、内側第二通水孔17のみ、あるいは、外側第二通水孔18のみによって形成することもできる。
第二通水孔全体の通水断面積(図示の実施形態では、内側第二通水孔17全体の通水断面積と、外側第二通水孔18全体の通水断面積とを合わせた通水断面積)は、第一通水孔8全体の通水断面積より小さくなっている。
第二通水孔全体の通水断面積が第一通水孔8全体の通水断面積より小さいので、第二通水孔を通過して、矢印106(図1)のように、本発明の節水具から下流に向けて吐出される上水の速度は一層大きいものになる。
また、第二板体4の径方向外側の部分において、円周方向に延びる複数の第二通水孔が形成されていることにより、単位時間当たりの矢印106方向への吐出量を少なくしつつ、良好な使用感を得ることができる。
図4、図5は、この実施例で説明している節水具1の他の形態・構造を説明するものである。図1、図2を用いて説明した節水具1と共通する部分には共通する符号を付けてその説明を省略する。
図4、図5図示の本発明の節水具1は、図1、図2を用いて説明した本発明の節水具を小型化したものである。
案内部材15における、第一板体3の下流側の壁の第一通水孔8の径方向外側の辺の位置から下流側に向かって延びる案内側壁として中空筒状体2の内周壁が利用されていない。すなわち、第一板体3の下流側の壁の第一通水孔8の径方向外側の辺の位置から下流側に向かって延びる案内側壁13も図示されている点が図1、図2を用いて説明した本発明の節水具と相違している。
また、通水管に接続される上端側にねじ山が設けられている点が図1、図2を用いて説明した本発明の節水具と相違している。図4図示の実施形態では、中空筒状体2の上端側内周にねじ山を形成している。
その他の点は図1、図2を用いて説明した本発明の節水具と同一であるので説明を省略する。
図6〜図9を用いて本発明の他の実施例を説明する。
図1〜図5を用いて説明した実施例1における構成要素と共通する部分には共通する符号を付け、その説明を省略する。
実施例1の節水具1においては、第二板体4に形成されている複数の第二通水孔17、18は、第二板体4の径方向外側の部分において、円周方向に延びるものであって、第二通水孔17、18全体の通水断面積が、第一通水孔8全体の通水断面積より小さくなっていた。
しかし、本発明の節水具は、この実施例2の節水具51のように、第二板体4に形成されている複数の第二通水孔が、上水を下側方向(矢印106)に向けて吐出するものであれば、それが形成されている箇所、通水断面積の大きさを問わずに、節水具としての機能を発揮することができる。
実施例2の節水具51も図6図示のように中空筒状体2からなり、図6中、上側が上水の通水管(不図示)に接続されて使用される。
図示の実施形態では、中空筒状体2の上側から平坦な円板状の第二板体4が装入され、中空筒状体2の内周壁の段部58に装着された後、円筒状のスペーサ56、平坦な円板状の第一板体3が順に中空筒状体2内に上側から装入されている。
第一板体3、第二板体4の径は同一であり、円筒状のスペーサ56を使用していることにより上下方向で同一の径になっている。
平坦な円板状である第一板体3に、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔8a、8b、8c、8d(以下、第一通水孔を総称して符号8で表すことがある)と、案内部材15とが配備されている点は実施例1の場合と同様である。また、これによって、第一通水孔8を介して下流側に流動する上水の流れが、案内部材15によって、それぞれ、矢印102(図6)で示すように、斜め下方向に向かわせられ、矢印9(図7(a))で示すように、同一の円周方向に案内される点も実施例1の場合と同様である。
実施例2の節水具51における案内部材15は、第一板体3において各第一通水孔8が形成される位置で、各第一通水孔8形成用の三角形状部分62を下流側に向けて下り傾斜に折り曲げ、中空筒状体2の内周壁側の面と、当該折り曲げられた三角形状部分62の表面との間により、上水の流れを斜め下方向(矢印102方向)に向かわせつつ、同一の円周方向(矢印9方向)に案内するものになっている。
実施例2の節水具51では案内部材15は第一板体3において実線59、実線60、破線61で囲まれている三角形状部分62を図8中、下側方向に折り曲げて形成している。第一板体3において、実線59、実線60の部分に切断線を入れる。そして、破線61を折れ線部とし、実線59と実線60とが交差する三角形状部分62の先端63を図6、図8中、下側方向に向けて折り曲げる。例えば、三角形状部分62が折れ線部にあたる破線61から水平な第一板体3に対して45度斜め下方向に傾斜するように折り曲げる。
このようにして第一通水孔8を形成すると、矢印100、101のように第一板体3に向かってきた上水の流れは、円筒状のスペーサ56の内周に沿って矢印9のように円周方向に向かいつつ、矢印102(図6)で示すように、斜め下方向に向かわせられる。
通水管(不図示)から矢印100(図6)で示すように圧送されてきた上水は各第一通水孔8を介して、斜め下方向に向かって傾斜する三角形状部分62に沿って、矢印102で示すように斜め下方に向かって下流側に流動する。同時に、スペーサ56の内周壁と、傾斜する三角形状部分62の表面との間に案内されて、矢印9で示すように円周方向に案内される。そこで、第一板体3の下流側では、図6に矢印103a、103bで示すように、円周方向で下側に向かう上水の流れが生起される。
しかも、節水具51は、図6中、上側が上水の通水管(不図示)に接続されて使用されるものであるので、第一通水孔8の全体の通水断面積は、通水管(不図示)の通水断面積より小さい。そこで、各第一通水孔8を通過する矢印102方向の上水の流れは、通水管(不図示)における矢印100方向の上水の流れよりも速い。
前記において、第一板体3で実線59、実線60、破線61で囲まれている三角形状部分62の大きさは、水圧、水量、節水具の大きさ等を考慮して適宜に定めることができる。また、三角形状部分62を、破線61を折り線部として斜め下方に向かって折り曲げる角度も、水圧、水量、節水具の大きさ等を考慮して適宜に定めることができる。
節水具51においては、前述したように、第一通水孔8全体の通水断面積が通水管(不図示)より小さいことにより、上水は、通水管(不図示)を流動していた時よりも流速が速められて第一通水孔8を通過する。そして、案内部材15によって斜め下方向(矢印102)に向かわせられつつ、同一の円周方向(矢印9)に案内される。
この実施例において第二板体4に形成されている複数の第二通水孔70は、上水を下側方向(矢印106)に向けて吐出するものであれば、それが形成されている箇所、通水断面積の大きさを問わない。
これは、前述した第一板体3、第一通水孔8、案内部材15の形態、構造によって、矢印103a、103bのように流動する上水の勢いが非常に強く、流速が非常に速いためである。
矢印103a、103bのように流動する上水の流速、勢いが大きいので、第二板体4とこれに形成されている複数の第二通水孔70は、節水具51が取り付けられている上水設備の用途に適した流速にまで上水の流速、勢いを抑える役割を果たすものになる。
たとえば、図7(b)図示のように、平板な円板状の第二板体4に複数の小径の第二通水孔70が形成されている形態にすることができる。これは、洗面器の自動手洗い器に取り付けて使用することに適している。
図7(c)図示のように、平板な円板状の第二板体4の円周方向に所定の間隔を開けて円周方向に延びる複数個の第二通水孔71が形成されている形態にすることもできる。これは、図7(b)図示の形態よりも矢印106方向に吐出する勢いが強くなるので、厨房などで使用されている上水の蛇口に用いることができる。
図7(b)、図7(c)のいずれの形態を採用した場合でも、洗面器の自動手洗い器で手や指先を洗い流す、厨房などで食器などを洗浄する、等々の使用に適した勢いで上水を吐出させ、単位時間あたりの矢印106方向への吐出量を少なくしつつ、良好な使用感を得ることができる。
図7(b)図示の形態の第二板体4を備えているこの実施例の節水具51を洗面器の自動手洗い器に取り付けた場合と、節水具51を取り付けていない場合とで比較実験を行った。通水管の径:13mm(通水断面積=132.77mm)、4個の第一通水孔全体の通水断面積=14.08mm、29個の第二通水孔全体の通水断面積=11.15mm
節水具51を取り付けていない場合に比較して上水吐出量を70〜80%削減することができた。その一方、この洗面器の自動手洗い器で手や指先を洗い流す使用者からは良好な使用感であったとの感想を得ることができた。
このように、この実施例の節水具51でも、供給側の水圧が高い場合、低い場合、供給側からの送水量が多い場合、少ない場合のいずれであっても、良好な使用感を得ることができる放水圧、放水量を実現し、なおかつ、単位時間当たりの使用水量を低減でき、高い省エネルギー効果を上げることができる。
この実施例の節水具51では、通水管に接続される上端側(中空筒状体2の上端側内周)にねじ山が設けられている構造で説明した。しかし、実施例1の図1、図2を用いて説明した節水具1のように、上端側にねじ山が設けられていない構造にすることもできる。
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが、本発明はかかる実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
本発明の節水具の内部を上水が流動する状況を説明する一部を省略した縦断面図。 (a)、(b)は、それぞれ、図1図示の実施形態における、第一板体、第二板体の平面図。 案内部材が案内通路として構成されている例を説明する図であって、(a)は側面図、(b)は案内通路入口と出口の断面積の大きさを説明する図。 本発明の他の節水具の内部を上水が流動する状況を説明する一部を省略した縦断面図。 (a)、(b)は、それぞれ、図4図示の実施形態における、第一板体、第二板体の平面図。 本発明の更に他の節水具の内部を上水が流動する状況を説明する一部を省略した縦断面図。 (a)、(b)は、それぞれ、図6図示の実施形態における、第一板体の平面図及び、第二板体の底面図、(c)は第二板体の他の実施形態を説明する底面図。 図6の一部拡大図。 図7(a)の一部拡大図。
符号の説明
1 節水具
2 中空筒状体
3 第一板体
4 第二板体
8、8a、8b、8c、8d 第一通水孔
13 案内側壁
14 案内底板
15 案内部材
17、17a、17b、17c、17d 内側第二通水孔
18、18a、18b、18c、18d 外側第二通水孔
51 節水具
58 中空筒状体の内周壁の段部
56 円筒状のスペーサ
70、71 第二通水孔
請求項1記載の発明は、
中空筒状体からなり、通水管に接続される節水具であって、
前記通水管に接続される側から下流側に向けて前記通水管を通る上水の流動方向に直交して第一板体が前記中空筒状体内に配備され、
前記第一板体は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔を備えていると共に、前記第一板体の下流側の壁における各第一通水孔が形成されている位置に、各第一通水孔を介して下流側に流動していく上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内する案内部材を備えており、
前記案内部材は、前記第一板体において各第一通水孔が形成される位置で、各第一通水孔形成用の三角形状部分を下流側に向けて下り傾斜に折り曲げ、前記中空筒状体の内周壁側の面と、当該折り曲げられた三角形状部分の表面との間により、上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内するものであ
ことを特徴とする節水具であり、
請求項2記載の発明は、
中空筒状体からなり、通水管に接続される節水具であって、
前記通水管に接続される側から下流側に向けて前記通水管を通る上水の流動方向に直交して第一板体が前記中空筒状体内に配備され、
前記第一板体は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔を備えていると共に、前記第一板体の下流側の壁における各第一通水孔が形成されている位置に、各第一通水孔を介して下流側に流動していく上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内する案内部材を備えており、
前記中空筒状体内において前記第一板体が配備されている位置より下流側に第二板体が前記第一板体と平行に配備され、
当該第二板体は、前記第一通水孔を介して下流側に流動してくる上水を下側方向に向けて吐出する複数の第二通水孔を備えていると共に、
前記第二板体が備えている複数の第二通水孔は、当該第二通水孔全体の通水断面積が、前記第一通水孔全体の通水断面積より小さい
ことを特徴とする節水具であり、
請求項3記載の発明は、
中空筒状体からなり、通水管に接続される節水具であって、
前記通水管に接続される側から下流側に向けて前記通水管を通る上水の流動方向に直交して第一板体が前記中空筒状体内に配備され、
前記第一板体は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔を備えていると共に、前記第一板体の下流側の壁における各第一通水孔が形成されている位置に、各第一通水孔を介して下流側に流動していく上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内する案内部材を備えており、
前記中空筒状体内において前記第一板体が配備されている位置より下流側に第二板体が前記第一板体と平行に配備され、
当該第二板体は、前記第一通水孔を介して下流側に流動してくる上水を下側方向に向けて吐出する複数の第二通水孔を備えていると共に、
前記第二板体が備えている複数の第二通水孔は、当該第二板体の径方向外側の部分において、円周方向に所定の間隔を空けて円周方向に延びる複数の通水孔であって、当該第二通水孔全体の通水断面積が、前記第一通水孔全体の通水断面積より小さい
ことを特徴とする節水具である。

Claims (6)

  1. 中空筒状体からなり、通水管に接続される節水具であって、
    前記通水管に接続される側から下流側に向けて前記通水管を通る上水の流動方向に直交して第一板体が前記中空筒状体内に配備され、
    前記第一板体は、円周方向に所定の間隔を空けて複数の第一通水孔を備えていると共に、前記第一板体の下流側の壁における各第一通水孔が形成されている位置に、各第一通水孔を介して下流側に流動していく上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内する案内部材を備えている
    ことを特徴とする節水具。
  2. 前記中空筒状体内において前記第一板体が配備されている位置より下流側に第二板体が前記第一板体と平行に配備されており、
    当該第二板体は、前記第一通水孔を介して下流側に流動してくる上水を下側方向に向けて吐出する複数の第二通水孔を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の節水具。
  3. 前記第二板体が備えている複数の第二通水孔は、当該第二通水孔全体の通水断面積が、前記第一通水孔全体の通水断面積より小さい
    ことを特徴とする請求項2記載の節水具。
  4. 前記第二板体が備えている複数の第二通水孔は、当該第二板体の径方向外側の部分において、円周方向に所定の間隔を空けて円周方向に延びる複数の通水孔であって、当該第二通水孔全体の通水断面積が、前記第一通水孔全体の通水断面積より小さい
    ことを特徴とする請求項2記載の節水具。
  5. 前記案内部材は、前記第一板体において各第一通水孔が形成される位置で、各第一通水孔形成用の三角形状部分を下流側に向けて下り傾斜に折り曲げ、前記中空筒状体の内周壁側の面と、当該折り曲げられた三角形状部分の表面との間により、上水の流れを斜め下方向に向かわせつつ、同一の円周方向に案内するものである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の節水具。
  6. 前記中空筒状体の上側から平坦な円板状の前記第二板体が装入され、前記中空筒状体の内周壁の段部に装着された後、円筒状のスペーサ、平坦な円板状の前記第一板体が順に前記中空筒状体内に上側から装入されている
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項記載の節水具。
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