本発明は、無線通信装置に関し、特に、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)インターフェースを搭載した複数のAV(Audio and Visual)機器間で伝送される信号を無線信号に変換して伝送するための無線通信装置に関する。
複数のノード装置間で映像及び音声データを伝送する従来のシステムとしては、非特許文献1に規定されるHDMIを用いるシステムがあった。HDMIシステムにおいては、映像及び音声データの送信側ノード装置(例えば、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ等の映像音声再生装置である。)は、HDMIケーブルを介して接続された受信側ノード装置(例えばTV等)のEDID(Extended display identification data)を、DDC(Display Data Channel)を介して読み取ることにより、必要なフォーマット情報を取得する。このフォーマット情報には、受信側ノード装置がサポートする映像出力仕様及び音声出力仕様が含まれる。送信側ノード装置は、取得したフォーマット情報に基づいて、送信するデータの出力仕様を決定する。決定された映像出力仕様情報は、映像データと多重化して受信側ノード装置に伝送される。
ユーザが送信側ノード装置の再生ボタンを押したとき、送信側ノード装置が受信側ノード装置にアクティブソース(Active Source)メッセージを送信することにより受信側ノード装置の入力切替が行われ、送信側ノード装置で再生される映像を即座に表示することができる。
また、特許文献1には、表示装置と、上記表示装置に接続される複数の映像機器と、上記複数の映像機器の各々を制御するための該各映像機器に対応するリモートコントローラとで構成されるAVシステムにおいて、映像機器に対するリモートコントロール操作をディスプレイに向けて行うことが可能なAVシステムが開示されている。リモートコントローラは、その操作ボタンの押下に応じて、各映像機器に対応するメーカーコード及び機器コードの少なくとも一方を含むリモコンコードを表示装置に送信する。表示装置は、リモートコントローラにより送信されたリモコンコードに基づき、複数の映像機器のうちの上記リモコンに対応する映像機器を表示部に接続し、これにより表示装置の入力切替が行われる。
特開2004−208290号公報。
High−Definition Multimedia Interface Specification, Version 1.3a, HDMI Licensing, LLC, California in U.S.A., November 10,2006.
しかしながら、HDMIインターフェースを搭載した複数のAV機器間で伝送される映像及び音声データを無線信号に変換して伝送する場合は、映像及び音声データを伝送するための付加的な情報や制御データ等も無線で伝送する必要があり、それらによる伝送帯域の浪費や無線伝送による遅延を削減する必要があるという課題を有していた。
本発明の目的は上記従来の課題を解決し、HDMIインターフェースを搭載した複数のAV機器間で伝送される信号を無線信号に変換して、従来技術に比較して効率的に伝送することにより、AV機器を柔軟に配置することを可能とする無線通信方法、無線通信装置及び無線通信システムを提供することにある。
第1の発明に係る無線通信装置は、所定の映像出力仕様で生成された映像データ及び所定の音声出力仕様で生成された音声データのうちの少なくとも一方を含むコンテンツ信号を、少なくとも1つの有線送信装置から有線伝送路を介して受信して無線受信装置に無線送信する無線通信装置において、上記映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを上記有線送信装置から周期的に受信し、処理対象の上記パケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、上記処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、上記処理対象のパケットに含まれる異なる出力仕様を含む第1のメッセージ信号を生成して上記無線受信装置に無線送信する一方、上記処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、上記第1のメッセージ信号を無線送信することを禁止する制御手段を備えたことを特徴とする。
第2の発明に係る無線通信装置は、所定の映像出力仕様で生成された映像データ及び所定の音声出力仕様で生成された音声データのうちの少なくとも一方を含むコンテンツ信号を、無線送信装置から無線受信して有線伝送路を介して有線受信装置に出力する無線通信装置において、上記映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを上記有線受信装置に周期的に送信し、上記映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含む第1のメッセージ信号を上記無線装置から無線受信したとき、上記パケットに含まれる映像出力仕様を上記第1のメッセージ信号に含まれる映像出力仕様に変更し、上記パケットに含まれる音声出力仕様を上記第1のメッセージ信号に含まれる音声出力仕様に変更する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、上記無線通信装置において、上記制御手段は、HDMI規格に準拠したCEC(Consumer Electronics Control)メッセージを含む第2のメッセージ信号を上記有線伝送路から受信したとき、上記CECメッセージを複数のグループに分割して無線送信することを特徴とする。
さらに、上記無線通信装置において、上記制御手段は、上記分割された複数のグループのうち最初のグループのメッセージ長が最も長いメッセージ長となるように設定することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置において、上記制御手段は、HDMI規格に準拠したCECメッセージを含む第2のメッセージ信号を上記有線伝送路から受信したとき、上記CECメッセージのメッセージ長が6オクテット以下の場合は、上記CECメッセージを分割せずに無線送信し、上記CECメッセージのメッセージ長が7オクテット以上かつ11オクテット以下である場合は、上記CECメッセージを最初の6オクテットの部分を含むグループと、残りの部分を含むグループとに分割して無線送信し、上記CECメッセージのメッセージ長が12オクテット以上である場合は、上記CECメッセージを最初の6オクテットの部分を含むグループと、次の5オクテット部分を含むグループと、残りの部分を含むグループとに分割して無線送信することを特徴とする。
第1の発明に係る無線通信装置によれば、処理対象のパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、処理対象のパケットに含まれる異なる出力仕様を含む第1のメッセージ信号を生成して無線受信装置に無線送信する一方、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、第1のメッセージ信号を無線送信することを禁止する。また、第2の発明に係る無線通信装置によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを有線受信装置に周期的に送信し、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含む第1のメッセージ信号を無線装置から無線受信したとき、パケットに含まれる映像出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる映像出力仕様に変更し、パケットに含まれる音声出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる音声出力仕様に変更する。従って、無線伝送帯域を浪費せずに、従来技術に比較して効率的にコンテンツ信号を無線送信できる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図1のHDMIクラスタ80の構成を示すブロック図である。
図1のHDMIクラスタ90の構成を示すブロック図である。
図1の無線通信システムの装置能力交換処理のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムのパススルーコネクションの確立及びキャンセルのためのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて割り当てられる論理アドレス及び無線識別子の一例を示す説明図である。
図2の論理アドレステーブル36tの一例を示すテーブルである。
図3の論理アドレステーブル45tの一例を示すテーブルである。
図2の装置情報テーブル14tの一例を示すテーブルである。
図3の装置情報テーブル24tの一例を示すテーブルである。
図1の無線ノード装置20によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置20によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置20によって実行される装置情報通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10及び無線ノード装置20のどちらにおいても論理アドレスの重複が検知されない場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置20においてHDMI装置40からCECメッセージ190を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置10においてHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置10において無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置20において無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置20において、HDMI装置40の切断が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1のHDMI装置40がHDMI装置30のEDIDを取得するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおける、データアイランド通知メッセージ150−1,150−2の送信方法を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信し、16オクテットのCECメッセージ181をHDMI装置30から無線ノード装置10及び20を介してHDMI装置40に送信するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信するときに、無線ノード装置10においてHDMI装置30からのACK信号を受信できなかったときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて送受信されるCECメッセージ180,181,190,191のフォーマットの一例及び図1の無線通信システムにおいて無線送受信されるCEC通知メッセージ100及び101のフォーマットの一例を示す説明図である。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ送信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行される代理ACK処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCECルーティング処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10,20…無線ノード装置、
11,21,31,41…コントローラ、
12,22…無線通信回路、
13,23…アンテナ、
14,24…装置情報テーブルメモリ、
14t,24t…装置情報テーブル、
15,25…接続情報メモリ、
16,26,35,44…有線通信回路、
30,40…HDMI装置、
32,43…ユーザ入力装置、
33…音声出力装置、
34…映像出力装置、
36,45…論理アドレステーブルメモリ、
36t,46t…論理アドレステーブル、
42…映像音声再生装置、
50A…映像データ信号、
50B…音声データ信号、
50C,50D…制御データ信号、
60,70…HDMIケーブル、
65…装置能力要求メッセージ、
75…装置能力応答メッセージ、
80,90…HDMIクラスタ、
85…パススルー要求メッセージ、
95…パススルー応答メッセージ、
100,101…CEC通知メッセージ、
100−1〜100−3,101−1〜101−3…CEC通知サブメッセージ、
110,111…装置情報通知メッセージ、
120…HPD通知メッセージ、
130…EDID要求メッセージ、
140…EDID応答メッセージ、
150−1,150−2…データアイランド通知メッセージ、
160…CEC未到達メッセージ、
180,181,190,191…CECメッセージ、
200−1〜200−3,210−1〜210−3…データアイランドパケット。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図1において、無線ノード装置10,20及びHDMI装置30,40はそれぞれ、HDMI規格に準拠した信号を送受信する。HDMI装置40は有線インターフェースを有し、映像及び音声データを有線インターフェースに出力する。また、無線ノード装置20は、無線インターフェース及び有線インターフェースを有し、映像及び音声データを有線インターフェースから受信し、無線インターフェースに出力する。さらに無線ノード装置10は無線インターフェース及び有線インターフェースを有し、映像及び音声データを無線インターフェースから受信して有線インターフェースに出力する。そして、HDMI装置30は有線インターフェースを有し、映像及び音声データを有線インターフェースから受信する。
HDMI装置40と無線ノード装置20とは有線伝送路であるHDMIケーブル70を介して互いに有線接続され、HDMI装置30と無線ノード装置10とは有線伝送路であるHDMIケーブル60を介して互いに有線接続されている。ここで、HDMIケーブル60及び70はそれぞれ、HDMI規格に準拠したディジタルデータ伝送バスであり、3つのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャンネルと、DDCチャンネルと、CEC(Consumer Electronics Control)バスと、HPD(Hot Plug Detect)信号を伝送するためのHPD信号線とをそれぞれ含む。ここで、HPD信号は、HDMI規格において定義されており、映像及び音声データを送信するソース装置を初期化するために、映像及び音声データを受信するシンク装置からソース装置に伝送される初期化信号である。ソース装置は、HDMIケーブルのHPD信号線の電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化したことを検出することにより、HPD信号がアサートされたことを検出し、HDMIにおいて規定されている論理アドレス割当処理などの所定の初期化処理を実行する。以下、HPD信号線の電圧レベルをローレベルからハイレベルに変化させることを「HDP信号をアサートする」といい、HPD信号線の電圧レベルをハイレベルからローレベルに変化させることを「HDP信号をデアサートする」という。また、DDCチャンネルは、ソース装置とシンク装置との間で、EDID(Extended Display Identification Data)などを含むDDCデータの伝送及びHDCP(High−Bandwidth Digital Content Protection)認証処理及び定期的な暗号鍵の交換に使用される伝送路である。さらに、CECバスは、ソース装置とシンク装置との間で、HDMI規格で規定されているCECメッセージ(図22を参照して詳細後述する。)を伝送する伝送路である。
また、3つのTMDSチャンネルは、映像データを含むベースバンド映像信号と、音声データを含むディジタル音声信号と、映像信号の水平同期信号と、映像信号の垂直同期信号と、補助データとを含むコンテンツ信号であるTMDS信号をパケット伝送するための伝送路である。ここで、TMDS信号には、ディジタル音声信号及び補助データをパケット伝送するためのデータアイランド(Data Island)期間が周期的に設けられる。また、データアイランド期間において、ソース装置からの映像データの出力映像フォーマット情報(以下、映像出力仕様という。)を含むAVI(Auxiliary Video Information)インフォフレーム(InfoFrame)パケット及び音声データの出力音声フォーマット情報(以下、音声出力仕様という。)を含むオーディオインフォフレーム(Audio InfoFrame)パケットを含むデータアイランドパケットが送信される。ここで、映像出力仕様は、映像符号化方式(例えば、RGB方式、YCBCR4:4:4方式又はYCBCR4:2:2方式)、解像度、フィールド周波数、走査線数などを含む。また、音声出力仕様は、音声出力サンプリング周波数などを含む。
また、無線ノード装置10及び20は、アンテナ13及び23を介して互いに無線接続されている。無線ノード装置20は、HDMI装置40からHDMIケーブル70を介して受信したTMDS信号、DDCデータ及びCECメッセージ190に基づいて、映像データを含む映像データ信号50Aと、音声データを含む音声データ信号50Bと、制御データ信号50Cとを発生して、無線ノード装置10に無線送信する。さらに、無線ノード装置20は、無線ノード装置10からの制御データ信号50Dに基づいて、所定の処理を行う。一方、無線ノード装置10は、HDMI装置30からHDMIケーブル60を介して受信したDDCデータ及びCECメッセージ181に基づいて、制御データ信号50Dを発生して、無線ノード装置20に無線送信する。さらに、無線ノード装置10は、無線ノード装置20からの映像データ信号50A、音声データ信号50Bに基づいてTMDS信号を発生してHDMIケーブル60を介してHDMI装置30に出力し、制御データ信号50Cに基づいて所定の処理を行う。ここで、制御データ信号50Cは、詳細後述する装置能力要求メッセージ65、パススルー要求メッセージ85、CEC通知メッセージ100、装置情報通知メッセージ110、EDID要求メッセージ120、出力フォーマット通知パケットであるデータアイランド通知メッセージ150−1又はデータアイランド通知メッセージ150−2を含む。また、制御データ信号50Dは、詳細後述する装置能力応答メッセージ75、パススルー応答メッセージ95、CEC通知メッセージ101、装置情報通知メッセージ111、HPD通知メッセージ120、EDID応答メッセージ140又はCEC未到達メッセージ160を含む。なお、本明細書において、上述した各メッセージを含む信号を単にメッセージという。
図1において、HDMIクラスタ80は無線ノード装置10とHDMI装置30とを含むHDMIケーブル70を介して互いに有線接続された装置群であり、HDMIクラスタ90は無線ノード装置20とHDMI装置40を含むHDMIケーブル60を介して互いに有線接続された装置群である。
本実施形態において、無線ノード装置10は、無線ノード装置10,20及び図示されていない他の無線ノード装置を含む無線ネットワーク内の各無線ノード装置の認証を行うとともに、各無線ノード装置の無線ネットワークへの加入及び離脱等の管理を行う集中管理装置である。集中管理装置である無線ノード装置10は、上記無線ネットワーク内の無線ノード装置に対して無線ノード装置を識別するための無線識別子を割り当て、割り当てた無線識別子及び無線ノード装置の情報を含む装置リストを生成する。なお、本実施形態において集中管理装置は無線ノード装置10であるが、無線ノード装置20又は無線ネットワーク内の他の無線ノード装置であってもよい。
また、HDMI装置30及び40には、HDMIにおいて規定されている論理アドレス割り当て処理によって、HDMI装置30及び40を識別するための論理アドレスが割り当てられている。無線ノード装置10及び20並びにHDMI装置30及び40は、無線識別子及び論理アドレスを用いて、詳細後述するように互いに通信を行う。
図2は、図1のHDMIクラスタ80の構成を示すブロック図である。図2において、無線ノード装置10は、アンテナ13に接続され無線インターフェースとして動作する無線通信回路12と、HDMIに準拠した映像及び音声データ信号の伝送処理を行う有線インターフェースである有線通信回路16と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ11と、図6Dを参照して詳細後述する装置情報テーブル14tを格納する装置情報テーブルメモリ14と、無線ノード装置10との間でHDMIにおいて定義されているパススルーモード(pass−through mode。以下、HDMIパススルーモードという。)の接続が確立している無線ノード装置の無線識別子を格納する接続情報メモリ15とを備えて構成される。
ここで、コントローラ11は、以下の各処理を実行する。
(a)無線周波数帯域もしくは時間のリソースを予約し、予約した無線周波数帯域もしくは時間内に映像及び音声データを送受信する媒体アクセス制御処理。
(b)映像及び音声データを伝送するための無線周波数帯域もしくは時間に対するリソース管理処理。
(c)無線通信時に使用されるポート(すなわち、ソース装置に接続される無線ノード装置20の送信元ポートとシンク装置に接続される無線ノード装置10の宛先ポート。)の決定及び関連付け等を含むポート制御処理。
(d)他の無線ノード装置との接続を設定するための接続管理処理。
(e)ユーザ入力の処理等の上位レイヤの処理を含むアプリケーション制御処理。
また、無線通信回路12は、高速な伝送速度でデータを無線受信する高速データ伝送機能と、当該高速データ伝送機能における伝送速度に比較して低速な伝送速度でデータを無線送受信する低速データ伝送機能を有する。ここで、高速データ伝送機能で伝送されるデータは、非圧縮映像などの高速伝送が必要なデータ及び音声や制御コマンドなどの比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含み、低速データ伝送機能で伝送されるデータは、音声や制御コマンドなど比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含む。本実施形態において、映像データ信号50A及び制御データ信号50Cは高速データ伝送機能を用いて無線受信され、音声データ信号50B及び制御データ信号50Dは低速データ伝送機能を用いて無線送受信される。
さらに、図2において、無線ノード装置10にHDMIケーブル60を介して有線接続されたHDMI装置30は、有線通信回路35と、ディスプレイである映像出力装置34と、スピーカである音声出力装置33と、ユーザ入力装置32と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ31と、図6Bを参照して詳細後述する論理アドレステーブル36tを格納する論理アドレステーブルメモリ36とを備えて構成される。ユーザ入力装置32は、図示されていない操作ボタン及び指示信号受信回路を備え、映像及び音声データの再生及び停止などを指示するために、ユーザによって操作ボタンから入力された指示信号を受信し、又はリモートコントローラ(図示せず。)から送信された指示信号を指示信号受信回路を用いて受信して、受信された指示信号をコントローラ31に送る。映像出力装置34及び音声出力装置33は、無線ノード装置10から有線伝送された映像及び音声データをそれぞれ出力する。有線通信回路35は、無線ノード装置10の有線通信回路16と同様に構成される。本実施形態において、無線ノード装置10は、HDMI装置30に無線送受信機能を提供するためのアダプタ装置として動作する。
図3は、図1のHDMIクラスタ90の構成を示すブロック図である。図3において、無線ノード装置20は、アンテナ23に接続され無線インターフェースとして動作する無線通信回路22と、HDMIに準拠した映像及び音声データ信号の伝送処理を行う有線インターフェースである有線通信回路26と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ21と、図6Eを参照して詳細後述する装置情報テーブル24tを格納する装置情報テーブルメモリ24と、無線ノード装置20との間でHDMIにおいて定義されているパススルーモードの接続が確立している無線ノード装置の無線識別子を格納する接続情報メモリ25とを備えて構成される。
ここで、コントローラ21は、以下の各処理を実行する。
(a)無線周波数帯域もしくは時間のリソースを予約し、予約した無線周波数帯域もしくは時間内に映像及び音声データを送受信する媒体アクセス制御処理。
(b)映像及び音声データを伝送するための無線周波数帯域もしくは時間に対するリソース管理と、無線通信時に使用されるポート(すなわち、ソース装置に接続される無線ノード装置20の送信元ポートとシンク装置に接続される無線ノード装置10の宛先ポート。)の決定及び関連付け等を含むポート制御処理。
(c)他の無線ノード装置との接続を設定するための接続管理処理。
(d)ユーザ入力の処理等の上位レイヤの処理を含むアプリケーション制御処理。
また、無線通信回路22は、高速な伝送速度でデータを無線送信する高速データ伝送機能と、当該高速データ伝送機能における伝送速度に比較して低速な伝送速度でデータを無線送受信する低速データ伝送機能を有する。ここで、高速データ伝送機能で伝送されるデータは、非圧縮映像などの高速伝送が必要なデータ及び音声や制御コマンドなどの比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含み、低速データ伝送機能で伝送されるデータは、音声や制御コマンドなど比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含む。本実施形態において、映像データ信号50A及び制御データ信号50Cは高速データ伝送機能を用いて無線送信され、音声データ信号50B及び制御データ信号50Dは低速データ伝送機能を用いて無線送受信される。また、本実施形態において、無線ノード装置20は、HDMI装置40に無線送受信機能を提供するためのアダプタ装置として動作する。
さらに、図3において、無線ノード装置20にHDMIケーブル70を介して有線接続されたHDMI装置40は、有線通信回路44と、DVDプレーヤである映像音声再生装置42と、ユーザによって入力された信号及びデータを取得するユーザ入力装置43と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ41と、図6Cを参照して詳細後述する論理アドレステーブル45tを格納する論理アドレステーブルメモリ45とを備えて構成される。映像音声再生装置42は、DVD等の記録媒体からデータを読み出すことによって映像及び音声データを取得する。ユーザ入力装置43は、図示されていない操作ボタン及び指示信号受信回路を備え、映像及び音声データの再生及び停止などを指示するために、ユーザによって操作ボタンから入力された指示信号を受信し、又はリモートコントローラ(図示せず。)から送信された指示信号を指示信号受信回路を用いて受信して、受信された指示信号をコントローラ41に送る。なお、映像音声再生装置42は、遠隔の送信局から放送された放送信号を処理することによって映像及び音声データを取得するチューナなどのセットトップボックス(Set Top Box(STB))であってもよい。
なお、無線ノード装置10,20及びHDMI装置30,40の動作主体は各コントローラ11,21,31,41であるが、以下においてその記載を省略する。
次に、図1の無線通信システムの装置能力交換処理を説明する。図4は、図1の無線通信システムの装置能力交換処理のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。無線ノード装置20は、集中管理装置である無線ノード装置10との間で所定の認証処理を行った後、図1の無線ネットワーク内の各無線ノード装置の情報及び無線識別子を含む装置リストを無線ノード装置10から取得する。本実施形態において、取得した装置リストは無線ノード装置10の無線識別子を含む。無線ノード装置20は、取得した装置リスト内の全ての無線ノード装置(無線ノード装置10を含む。)に対して、無線ノード装置20の能力を示す情報を含む装置能力要求メッセージ65を無線送信する。装置能力要求メッセージ65を受信した無線ノード装置10は、装置能力要求メッセージ65に含まれる情報を装置情報テーブルメモリ14に記憶するとともに、装置能力要求メッセージ65の送信元の無線ノード装置20に無線ノード装置10の能力を示す情報を含む装置能力応答メッセージ75を無線送信する。装置能力応答メッセージ75を受信した無線ノード装置20は、装置能力応答メッセージ75に含まれる情報を装置情報テーブルメモリ24に記憶する。ここで、装置能力要求メッセージ65及び装置能力応答メッセージ75はそれぞれ、当該メッセージの送信元の無線ノード装置の装置種別情報、映像音声種別情報、無線種別情報及びその他のフラグ等を含む。装置種別情報は、無線ノード装置がテレビジョン放送受信機、DVDレコーダ、AVアンプ、セットトップボックスなどの装置のうちのどの装置であるかを示し、映像音声種別情報は、映像及び音声の入力及び出力が可能であるかを示し、無線種別情報は、高速及び低速の送信及び受信が可能であるかを示し、その他のフラグは、HDMIパススルーモードをサポートしているか否かを示すPT(Pass−Through)ビットを含む。
次に、HDMIパススルーモードでの接続(以下、パススルーコネクションという。)の確立及びキャンセルを説明する。図5は、図1の無線通信システムのパススルーコネクションの確立及びキャンセルのためのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
無線ノード装置20は図4の装置能力交換処理を行った後、装置情報テーブルメモリ24に格納された各無線ノード装置に対応するPTビットデータに基づいて、無線ノード装置10がHDMIパススルーモードをサポートしているか否かを認識する。通信相手の無線ノード装置10がHDMIパススルーモードをサポートしているとき(無線ノード装置10のPTビットがパススルーモードをサポートしていることを示すデータにセットされているとき。)、無線ノード装置20は無線ノード装置10にパススルーコネクションの確立を要求するパススルー要求メッセージ85を無線送信する。このとき、パススルー要求メッセージ85には、パススルーコネクションの確立を示すビットがセットされる。これに応答して、無線ノード装置10は、パススルーコネクションの確立の要求を受け入れるときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「成功」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信するとともに、接続情報メモリ15に無線ノード装置20の無線識別子を追加する。また、無線ノード装置10は、パススルーコネクションの確立の要求を受け入れないときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「失敗」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信する。「成功」を示す結果コードフィールドを含むパススルー応答メッセージ95に応答して、無線ノード装置20は、接続情報メモリ25に無線ノード装置10の無線識別子を追加する。
また、無線ノード装置20が他の無線ノード装置10にパススルーコネクションのキャンセルを要求するとき、無線ノード装置10にパススルーコネクションのキャンセルを要求するパススルー要求メッセージ85を送信する。このとき、パススルー要求メッセージ85には、パススルーコネクションのキャンセルを示すビットがセットされる。これに応答して、無線ノード装置10は、パススルーコネクションのキャンセルの要求を受け入れるときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「成功」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信するとともに、接続情報メモリ15から無線ノード装置20の無線識別子を削除する。また、無線ノード装置10は、パススルーコネクションのキャンセルの要求を受け入れないときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「失敗」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信する。「成功」を示す結果コードフィールドを含むパススルー応答メッセージ95に応答して、無線ノード装置20は、接続情報メモリ25から無線ノード装置10の無線識別子を削除する。
なお、無線ノード装置が無線ネットワークから離脱したとき、パススルーコネクションはキャンセルされる。無線ノード装置が無線ネットワークから離脱したことは、集中管理装置から無線送信されるビーコン信号に含まれる無線ノード装置の離脱を示す情報に基づいて検出される。もしくは、各無線ノード装置は、自装置との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置に定期的に所定のメッセージを送信することにより、通信相手の無線ノード装置が無線ネットワークに接続されているか否かを確認してもよい。
図6Aは、図1の無線通信システムにおいて割り当てられる論理アドレス及び無線識別子の一例を示す説明図である。また、図6Bは、図2の論理アドレステーブル36tの一例を示すテーブルであり、図6Cは、図3の論理アドレステーブル45tの一例を示すテーブルである。さらに、図6Dは、図2の装置情報テーブル14tの一例を示すテーブルであり、図6Eは、図3の装置情報テーブル24tの一例を示すテーブルである。
図6Aに示すように、本実施形態において、HDMI装置30及び40には論理アドレス3及び0がそれぞれ割り当てられており、無線ノード装置10及び20には、無線識別子2及び1が割り当てられている。このとき、図6B及び図6Cに示すように、論理アドレステーブル36t,45tは、図1の無線通信システム内のHDMI装置30及び40の論理アドレスを格納する。また、図6Dに示すように、装置情報テーブル14tは、図1の無線通信システム内の無線ノード装置10及び20の各無線識別子と、無線ノード装置10及び20にそれぞれ有線接続されているHDMI装置30及び40の各論理アドレスと、HDMI装置30及び40がHDMIクラスタ80に含まれるか否かを示す各有線接続フラグ(Wiredフラグ)とを対応づけて格納する。さらに、図6Eに示すように、装置情報テーブル24tは、図1の無線通信システム内の無線ノード装置10及び20の各無線識別子と、無線ノード装置10及び20に有線接続されているHDMI装置30及び40の各論理アドレスと、HDMI装置30及び40がHDMIクラスタ90に含まれるか否かを示す各有線接続フラグとを対応づけて格納する。なお、有線接続フラグは、HDMI装置が無線ノード装置と同一のHDMIクラスタに含まれるときに1にセットされ、含まれないときに0にセットされる。
次に、図1の無線通信システムにおいてHDMI装置30とHDMI装置40との間でCECメッセージを送受信する方法を説明する。
図22に、図1の無線通信システムにおいて送受信されるCECメッセージ180,181,190,191のフォーマットの一例を示す。HDMI装置40から無線ノード装置20に送信されるCECメッセージ190と、無線ノード装置20からHDMI装置40に送信されるCECメッセージ191と、無線ノード装置10からHDMI装置30に送信されるCECメッセージ180と、HDMI装置30から無線ノード装置10に送信されるCECメッセージ181とは、図22に示すフォーマットを有している。本明細書において、CECメッセージ180,181,190,191を互いに区別しない場合には、単に、CECメッセージと記載する。図22に示した例では、CECメッセージは、4ビットの送信元論理アドレスと4ビットの宛先論理アドレスとを含むヘッダブロックと、HDMIで規定されているセットデジタルタイマコマンド(Set Digital Timer)と、録画日(Day of Month)と、録画月(Month of Year)と、録画開始時刻(Start Time)と、録画時間(Duration)と、録画曜日(Recording Sequence)と、デジタルサービス識別子(Digital Service Identification)とを含み、16オクテットのメッセージ長を有する。なお、図22のCECメッセージのフォーマットのうちヘッダブロック以外の部分はHDMIにおいて規定されている様々な形式をとり、CECメッセージのメッセージ長は8ビット以上の任意の値をとる。
HDMI装置30及び40並びに無線ノード装置10及び20は、CECメッセージを生成し、生成されたCECメッセージを1オクテットのメッセージ長をそれぞれ有する少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対して当該データブロックがCECメッセージの最後のデータブロックか否かを示す1ビットのEOM(End Of Message)ビットと1ビットのACK(Acknowledge)ビットを付加してCECバスに出力する。ここで、EOMビットは、CECメッセージの最後のデータブロックであるときに1にセットされる。また、ACKビットは、受信側において正しく受信できたときに0にセットされる。一方、HDMI装置30及び40並びに無線ノード装置10及び20は、CECメッセージのデータブロックを正常に受信する毎に、CECバスを介してACK信号を返信する。
また、CECメッセージのうち、ヘッダブロックのみを含むものをポーリングメッセージという。ポーリングメッセージに付加されるEOMビットの値は1である。HDMI装置30及び40並びに無線ノード装置10及び20は、受信したデータブロックがヘッダブロックを含みかつ付加されているEOMビットの値が1であるときに、受信したデータブロックはポーリングメッセージであると判断する。
図7は、図1の無線ノード装置20によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS10において、無線ノード装置20はHDMI装置40からHDMIケーブル70のCECバスを介してCECメッセージ190を受信し、ステップS11において、受信したCECメッセージ190がポーリングメッセージであるか否かを判断する。ステップS11においてYESのときはステップS17に進む一方、NOのときはステップS12に進む。次いで、ステップS12において、受信したCECメッセージ190の送信元論理アドレスが装置情報テーブル24tに存在するか否かが判断される。ステップS12においてYESのときはステップS13に進む一方、NOのときはステップS15に進む。なお、ステップS12において、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレス(値は15である。)であるとき、もしくは、宛先論理アドレスが装置情報テーブル24tに含まれかつその宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるときにはACK信号が返信される。そして、ステップS13において、装置情報テーブル24tを参照して、送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS13においてYESのときはステップS14に進む一方、NOのときはステップS16に進む。
ここで、ステップS12及びS13は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ90において生成されたCECメッセージ190の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ80においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS12又はS13においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS13においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS14において、無線ノード装置20は、受信したCECメッセージに対してACK信号を返信することなくHDMIケーブル70のHPD信号線において、HPD信号を再アサートしてCECメッセージ受信処理を終了する。HPD信号が再アサートされると、HDMI装置40は、無線ノード装置20と再接続されたと判断し、HDMIにおいて規定されている論理アドレス割当処理を行う。論理アドレス割当処理においてHDMI装置40は、重複している論理アドレスを含むすべての論理アドレスの候補に対してポーリングメッセージを送信する。これに対して、無線ノード装置20はステップS18においてACK信号を返信することになる。HDMI装置40は、ACK信号が返信されなかった論理アドレスを選択する。従って、HDMI装置40の論理アドレスは変更され、論理アドレスの重複は解消される。
一方、ステップS15において無線ノード装置20は、装置情報テーブル24tにCECメッセージ190の送信元論理アドレスと自身の無線識別子と1の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS16に進む。論理アドレスの重複がないときには、ステップS16において、図20及び図23を参照して詳細後述するCEC通知メッセージ送信処理を行うことにより、CECメッセージ190に基づいてCEC通知メッセージ100を生成して無線ノード装置10に無線送信し、CECメッセージ受信処理を終了する。
一方、ポーリングメッセージが受信されたときは、ステップS17において、ポーリングメッセージの宛先論理アドレスが装置情報テーブル24tに存在し、かつ宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS17においてYESのときはステップS18においてポーリングメッセージの宛先論理アドレスを有する装置の代わりにACK信号を返信する一方、NOときはCECメッセージ受信処理を終了する。
図8は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS20において、無線ノード装置10はHDMI装置30からHDMIケーブル60のCECバスを介してCECメッセージ181を受信し、ステップS21において、受信したCECメッセージ181がポーリングメッセージであるか否かを判断する。ステップS21においてYESのときはステップS27に進む一方、NOのときはステップS22に進む。次いで、ステップS22において、受信したCECメッセージ181の送信元論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否かが判断される。ステップS22においてYESのときはステップS23に進む一方、NOのときはステップS25に進む。なお、ステップS22において、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレス(値は15である。)であるとき、もしくは、宛先論理アドレスが装置情報テーブル14tに含まれかつその宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるときにはACK信号が返信される。そして、ステップS23において、装置情報テーブル14tを参照して、送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS23においてYESのときはステップS24に進む一方、NOのときはステップS26に進む。
ここで、ステップS22及びS23は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ80において生成されたCECメッセージ181の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ90においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS22又はS23においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS23においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS24において、無線ノード装置10は、受信したCECメッセージに対してACK信号を返信することなく装置情報通知メッセージ送信処理を行い、CECメッセージ受信処理を終了する。装置情報通知メッセージ送信処理において、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tのデータを含む装置情報通知メッセージ111を生成して無線ノード装置20に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、図11を参照して詳細後述する装置情報通知メッセージ受信処理を行う。
一方、ステップS25において無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tにCECメッセージ181の送信元論理アドレスと自身の無線識別子と1の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS26に進む。論理アドレスの重複がないときには、ステップS26において、図20及び図23を参照して詳細後述するCEC通知メッセージ送信処理を行うことにより、CECメッセージ181に基づいてCEC通知メッセージ101を生成して無線ノード装置10に無線送信し、CECメッセージ受信処理を終了する。
一方、ステップS27において、ポーリングメッセージの宛先論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在し、かつ宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS27においてYESのときはステップS28においてポーリングメッセージの宛先論理アドレスを有する装置の代わりにACK信号を返信する一方、NOときはCECメッセージ受信処理を終了する。
図9は、図1の無線ノード装置20によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS30において、無線ノード装置20は無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を無線受信する。ここで、CEC通知メッセージ101は、図20,図22及び図23を参照して詳細後述するように、HDMI装置30からのCECメッセージ181に基づいて無線ノード装置10によって生成され、CEC通知サブメッセージ101−1,101−3,101−3を含む。CEC通知サブメッセージ101−1,101−3,101−3の各無線ヘッダ(図22参照。)は、CECメッセージ181の送信元であるHDMI装置30の論理アドレス及びCEC通知メッセージ101の送信元である無線ノード装置10の無線識別子を含む。ステップS31において、無線ノード装置10は、受信したCEC通知メッセージ101に含まれるCECメッセージ181の送信元論理アドレスが装置情報テーブル24tに含まれるか否かを判断する。ステップS31においてYESのときはステップS32に進む一方、NOのときはステップS34に進む。そして、ステップS32において、装置情報テーブル24tを参照して、CECメッセージ181の送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが1であるか否かが判断される。ステップS32においてYESのときはステップS33に進む一方、NOのときはステップS35に進む。一方、ステップS34において、装置情報テーブル24tに、CECメッセージ181の送信元論理アドレスとCEC通知メッセージ101の送信元無線ノード装置10の無線識別子と0の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS35に進む。
ここで、ステップS31及びS32は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ80において生成されたCECメッセージ181の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ90においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS31又はS32においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS32においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS33において、無線ノード装置20は、HDMIケーブル70のHPD信号線において、HPD信号を再アサートしてCEC通知メッセージ受信処理を終了する。これにより、図7のステップS14における処理と同様に、論理アドレスの重複は解消される。
論理アドレスの重複がないときには、ステップS35においてHDMI装置20は、CEC通知メッセージ101をHDMI装置30によって出力されたCECメッセージ181と同一のCECメッセージ191に変換して、HDMIケーブル70のCECバスを介してHDMI装置40に送信してCEC通知メッセージ受信処理を終了する。
図10は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS40において、無線ノード装置10は無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を無線受信する。ここで、CEC通知メッセージ100は、図20,図22及び図23を参照して詳細後述するように、HDMI装置40からのCECメッセージ190に基づいて無線ノード装置20によって生成され、CEC通知サブメッセージ100−1,100−2,100−3を含む。CEC通知サブメッセージ100−1,100−2,100−3の各無線ヘッダ(図22参照。)は、CECメッセージ190の送信元であるHDMI装置40の論理アドレス及びCEC通知メッセージ100の送信元である無線ノード装置20の無線識別子を含む。ステップS41において、無線ノード装置10は、受信したCEC通知メッセージ100に含まれるCECメッセージ190の送信元論理アドレスが装置情報テーブル14tに含まれるか否かを判断する。ステップS41においてYESのときはステップS42に進む一方、NOのときはステップS44に進む。そして、ステップS42において、装置情報テーブル14tを参照して、CECメッセージ90の送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが1であるか否かが判断される。ステップS42においてYESのときはステップS43に進む一方、NOのときはステップS45に進む。一方、ステップS44において、装置情報テーブル14tに、CECメッセージ190の送信元論理アドレスとCEC通知メッセージ100の送信元無線ノード装置20の無線識別子と0の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS45に進む。
ここで、ステップS41及びS42は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ90において生成されたCECメッセージ190の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ80においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS41又はS42においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS42においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS43において、装置情報通知メッセージ送信処理において、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tのデータを含む装置情報通知メッセージ111を生成して無線ノード装置20に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、図11を参照して詳細後述する装置情報通知メッセージ受信処理を行う。
論理アドレスの重複がないときには、ステップS45においてHDMI装置10は、CEC通知メッセージ100をHDMI装置40によって出力されたCECメッセージ190と同一のCECメッセージ180に変換して、HDMIケーブル60のCECバスを介してHDMI装置30に送信してCEC通知メッセージ受信処理を終了する。
図11は、図1の無線ノード装置20によって実行される装置情報通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。無線ノード装置20は、ステップS50において無線ノード装置10から装置情報通知メッセージ111を無線受信する。そして、ステップS51において、装置情報テーブル24tのデータを装置情報通知メッセージ111に含まれている装置情報テーブル14tのデータに更新する。さらに、ステップS52において、HDMIケーブル70のHDP信号線においてHPD信号を再アサートする。これにより、図7のステップS14における処理と同様に、論理アドレスの重複は解消される。
図12は、図1の無線ノード装置10及び無線ノード装置20のどちらにおいても論理アドレスの重複が検知されない場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図12において、無線ノード装置20は、図7のCECメッセージ受信処理において、HDMI装置40からCECメッセージ190を受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されなかったとき、ステップS15において装置情報テーブル24tが更新される。さらに、ステップS16においてCEC通知メッセージ100が生成されて無線ノード装置10に無線送信される。
無線ノード装置10は、図10のCEC通知メッセージ受信処理においてCEC通知メッセージ100を無線受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されなかったとき、ステップS44において装置情報テーブル14tが更新される。さらに、ステップS45において、CEC通知メッセージ100はCECメッセージ180に変換されてHDMI装置30に出力される。図12に示すように、無線ノード装置10及び20において論理アドレスの重複が検知されないときは、HDMI装置40によって生成されたCECメッセージ190は、無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信される。
図13は、図1の無線ノード装置20においてHDMI装置40からCECメッセージ190を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図13は、図12に比較して、無線ノード装置20において論理アドレスの重複が検知された点のみが異なる。図13において、無線ノード装置20において図7の論理アドレス重複検知処理によって論理アドレスの重複が検知されると、ステップS14において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図13に示すように、無線ノード装置20においてHDMI装置40からCECメッセージ190を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ190はHDMI装置30に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図14は、図1の無線ノード装置10においてHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図14において、無線ノード装置10は、図8のCECメッセージ受信処理において、HDMI装置30からCECメッセージ181を受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されたとき、装置情報通知メッセージ111が生成されて無線ノード装置20に無線送信される。図11の装置情報通知メッセージ受信処理によって装置情報通知メッセージ111は無線ノード装置20によって無線受信され、装置情報テーブル14tは更新される。さらに、ステップS52において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図14に示すように、無線ノード装置10においてHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ181はHDMI装置40に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図15は、図1の無線ノード装置10において無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。無線ノード装置10は、図10のCEC通知メッセージ受信処理においてCEC通知メッセージ100を無線受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されたとき、装置情報通知メッセージ111が生成されて無線ノード装置20に無線送信される。図11の装置情報通知メッセージ受信処理によって装置情報通知メッセージ111は無線ノード装置20によって無線受信され、装置情報テーブル14tは更新される。さらに、ステップS52において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図15に示すように、無線ノード装置10において無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を受信したときに論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ190はHDMI装置30に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図16は、図1の無線ノード装置20において無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図16において、無線ノード装置10は、図8のCECメッセージ受信処理において、HDMI装置30からCECメッセージ181を受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されなかったとき、ステップS25において装置情報テーブル14tが更新される。さらに、ステップS26においてCEC通知メッセージ101が生成されて無線ノード装置20に無線送信される。
無線ノード装置20は、図9のCEC通知メッセージ受信処理においてCEC通知メッセージ101を無線受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されたとき、ステップS33において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図16に示すように、無線ノード装置20において無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ181はHDMI装置40に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図17は、図1の無線ノード装置20において、HDMI装置40の切断が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。無線ノード装置20は、HDMIクラスタ90内のいずれかのHDMI装置がHDMIクラスタ90から切断されたか否かを、ポーリングメッセージに対するACK信号の返信があるか否かによって検知する。そして、切断を検知したときに、装置情報テーブル24tから、切断されたHDMI装置の論理アドレスを削除する装置情報テーブル更新処理を行う。さらに、削除後の装置情報テーブル24tのデータを含む装置情報通知メッセージ110を生成して、無線ノード装置10を含む他の無線ノード装置に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tのデータと受信した装置情報通知メッセージ110内の装置情報テーブル24tとを比較し、装置情報テーブル24tに含まれていない論理アドレスを自身の装置情報テーブル14tから削除する装置情報テーブル更新処理を行う。
同様に、無線ノード装置10は、HDMIクラスタ80内のいずれかのHDMI装置がHDMIクラスタ80から切断されたか否かを、ポーリングメッセージに対するACK信号の返信があるか否かによって検知する。そして、切断を検知したときに、装置情報テーブル14tから、切断されたHDMI装置の論理アドレスを削除する装置情報テーブル更新処理を行う。さらに、削除後の装置情報テーブル14tのデータを含む装置情報通知メッセージ111を生成して、無線ノード装置20を含む他の無線ノード装置に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、装置情報テーブル24tのデータと受信した装置情報通知メッセージ111内の装置情報テーブル14tとを比較し、装置情報テーブル14tに含まれていない論理アドレスを自身の装置情報テーブル24tから削除する装置情報テーブル更新処理を行う。
次に、HDMI装置40からHDMI装置30へのEDIDの送信方法を説明する。図18は、図1のHDMI装置40がHDMI装置30のEDIDを取得するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。ここで、EDIDは、HDMI装置30の少なくとも1つの映像出力仕様及び少なくとも1つの音声出力仕様を含む。
無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のHPD信号線においてHPD信号がアサートされたことを検出すると、HDMIにおいて規定されているEDID読み込み処理によって、HDMI装置30のEDIDを読み込む。そして、無線ノード装置10は、HPD信号のアサートが検出されたことを示すHPD通知メッセージ120を生成して、無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立している他の無線ノード装置20に無線送信する。なお、HPD通知メッセージ120はHPD信号のアサート又はデアサートが検出されたことを示すHビットのデータを含む。Hビットは、HPD信号のアサートが検出されたときに1にセットされ、HPD信号のデアサートが検出されたときに0にセットされる。また、無線ノード装置10は、接続情報メモリ15を参照して無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置を識別する。HPD信号のアサートが検出されたことを示すHPD通知メッセージ120に応答して、無線ノード装置20は、HPD通知メッセージ120の送信元である無線ノード装置10に対してEDIDの送信を要求するEDID要求メッセージ130を無線送信する。これに応答して、無線ノード装置10は、無線ノード装置20に、HDMI装置30から読み込んだEDIDを含むEDID応答メッセージ140を無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、無線ノード装置20のEDIDメモリ(図示せず。)にEDID応答メッセージ140に含まれるEDIDのデータを格納する。そして、無線ノード装置20は、EDIDの読み込み準備が完了しているとき、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号をアサートする。これに応答して、HDMI装置40は、HDMIにおいて規定されているEDID読み込み処理によって、無線ノード装置20のEDIDメモリに格納されているEDIDを読み込む。これにより、HDMI装置40に、HDMI装置30のEDIDが送信される。
一方、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のHPD信号線においてHPD信号がデアサートされたことを検出すると、HPD信号のデアサートが検出されたことを示す(Hビットを0にセットした。)HPD通知メッセージ120を、無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置20に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号をデアサートする。なお、HDCP関連のメッセージなどの他のDDCメッセージは無線ノード装置で終端され、無線区間には送信されない。
次に、HDMI装置40からHDMI装置30へのデータアイランドパケットの送信方法を説明する。図19は、図1の無線通信システムにおける、データアイランド通知メッセージ150−1,150−2の送信方法を示すシーケンス図である。
図19において、HDMI装置40は、所定の映像出力仕様で映像データを生成し、所定の音声出力仕様で音声データを生成する。このとき、映像出力仕様及び音声出力仕様は、例えば、図18のメッセージシーケンスによって取得されたHDMI装置30のEDIDに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様から選択される。また、HDMI装置40において、映像データを生成するための映像出力仕様及び音声データを生成するための音声出力仕様は、例えば、ユーザ入力装置43からの指示に応じて、時間変化する。HDMI装置40は、映像データ、音声データ、映像出力仕様及び音声出力仕様を含むTMDS信号を生成するときに、TMDS信号にデータアイランド期間を周期ΔT40で設ける。そして、映像出力仕様を含むAVIインフォフレームパケット及び音声出力仕様を含むオーディオインフォフレームパケットを含むデータアイランドパケット200−1,200−2,200−3,…が各データアイランド期間に挿入される。ここで、HDMI装置40における映像出力仕様及び音声出力仕様は、上述したように時間変化し、これに応じて、データアイランドパケット200−1,200−2,200−3,…に挿入されるAVIインフォフレーム及びオーディオインフォフレームは時間変化する。
無線ノード装置20は、HDMI装置40からTMDS信号を受信すると、TMDS信号から、データアイランドパケット200−1,200−2,200−3,…を順次取り出す。無線ノード装置20は、データアイランドパケット200−1を受信すると、処理対象のデータアイランドパケット200−1に含まれている映像出力仕様を、データアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた映像出力仕様と比較する。データアイランドパケット200−1に含まれている映像出力仕様がデータアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた映像出力仕様と異なるときは、データアイランド通知メッセージ150−1にデータアイランドパケット200−1に含まれるAVIインフォフレームパケットを挿入する。さらに、処理対象のデータアイランドパケット200−1に含まれている音声出力仕様を、データアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた音声出力仕様と比較する。そして、データアイランドパケット200−1に含まれている音声出力仕様がデータアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた音声出力仕様と異なるときは、データアイランド通知メッセージ150−1にデータアイランドパケット200−1に含まれるオーディオインフォフレームパケットを挿入する。そして、データアイランド通知メッセージ150−1を、無線ノード装置20との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置10に無線送信する。ここで、無線ノード装置10は、処理対象のデータアイランドパケット200−1に含まれている映像出力仕様及び音声出力仕様が処理対象のデータアイランドパケット200−1より前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときは、データアイランド通知メッセージ150−1の送信を禁止する。なお、無線ノード装置20は、接続情報メモリ25を参照して無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立しているか否かを判断する。
図19において、無線ノード装置10は、データアイランドパケット200−2の受信後に、データアイランドパケット200−2に含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様がデータアイランドパケット200−1に含まれていた映像出力仕様及び音声出力仕様から変化していないことを検出して、データアイランド通知メッセージを無線送信していない。一方、無線ノード装置10は、データアイランドパケット200−3の受信後に、データアイランドパケット200−3に含まれている映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、データアイランドパケット200−2に含まれていた映像出力仕様及び音声出力仕様から変化したことを検出して、データアイランド通知メッセージ150−2を無線送信している。
一方、無線ノード装置10は、HDMIにおいて規定されている方法に従って、無線ノード装置20からの映像データ及び音声データに基づいてTMDS信号を発生してHDMI装置30に出力する。このとき、TMDS信号に周期ΔT10でデータアイランド期間を設ける。そして、各データアイランド期間において、無線ノード装置20からの映像出力仕様を含むAVIインフォフレームパケット及び音声出力仕様を含むオーディオインフォフレームパケットを含むデータアイランドパケット210−1,210−2,210−3,…を周期ΔT10でHDMI装置30に送信する。無線ノード装置10は、データアイランド通知メッセージ150−1を無線受信すると、次に送信するデータアイランドパケット200−1に含まれるAVIインフォフレームパケット及びオーディオインフォフレームパケットを、データアイランド通知メッセージ150−1に含まれるAVIインフォフレームパケット及びオーディオインフォフレームパケットに変更する。このとき、データアイランドパケット200−1がAVIインフォフレームパケットのみを含むときは、次に送信するデータアイランドパケット200−1に含まれるオーディオインフォフレームパケットを変更せず、データアイランドパケット200−1がオーディオインフォフレームパケットのみを含むときは、次に送信するデータアイランドパケット200−1に含まれるAVIインフォフレームパケットを変更しない。さらに、無線ノード装置10は、データアイランド通知メッセージ150−2を無線受信すると、データアイランド通知メッセージ150−1の受信時と同様にデータアイランドパケット200−3を生成してHDMI装置30に送信する。
なお、HDMI装置40及び無線ノード装置10は、映像データの送信開始時及び映像出力仕様の変更時のみにAVIインフォフレームパケットをデータアイランドパケットに挿入してもよく、音声データの送信開始時及び音声出力仕様の変更時のみにオーディオインフォフレームパケットをデータアイランドパケットに挿入してもよい。このとき、無線ノード装置20は、AVIインフォフレームパケット及びオーディオインフォフレームのうちの少なくとも一方を含むデータアイランドパケットをHDMI装置40から周期ΔT40で受信する。そして、無線ノード装置20は、処理対象のデータアイランドパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、処理対象のデータアイランドパケットよりも前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、処理対象のデータアイランドパケットに含まれる異なる出力仕様に対応するインフォフレームパケットを含むデータアイランド通知メッセージを生成して無線ノード装置10に無線送信する一方、処理対象のデータアイランドパケットよりも前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、データアイランド通知メッセージを無線送信することを禁止する。
さらに、HDMI装置40及び無線ノード装置10は、映像出力仕様のデータを含むデータアイランドパケットと、音声出力仕様のデータを含むデータアイランドパケットとを、異なる周期で無線ノード装置20に出力してもよい。
なお、無線ノード装置20はAVIインフォフレームパケットもしくはオーディオインフォフレームパケット以外のデータアイランドパケットを受信したとき、受信したデータアイランドパケットを含むデータアイランド通知メッセージを無線ノード装置10に送信する。
次に、無線ノード装置10及び20におけるCEC通知メッセージ送信処理を説明する。なお、無線ノード装置20におけるCEC通知メッセージ送信処理は、無線ノード装置10におけるCEC通知メッセージ送信処理と同様であるので、以下、無線ノード装置10におけるCEC通知メッセージ送信処理のみを説明する。無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージ181を受信したとき、次の3つのルールに従って、受信したCECメッセージ181から少なくとも1つのCEC通知サブメッセージを生成して無線送信する。
1.CECメッセージ181のメッセージ長が6オクテット以下の場合は、CECメッセージ181は分割されずに、詳細後述するCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信される。
2.CECメッセージ181のメッセージ長が7オクテット以上かつ11オクテット以下である場合は、CECメッセージ181は、最初の6オクテットの部分を含むグループと残りの部分を含むグループとに分割される。そして、分割されたCECメッセージ181はそれぞれ、詳細後述するCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信される。
3.CECメッセージ181のメッセージ長が12オクテット以上である場合は、CECメッセージ181は、最初の6オクテットの部分を含むグループ次の5オクテットの部分を含むグループと残りの部分を含むグループとに分割される。分割されたCECメッセージ181はそれぞれ、詳細後述するCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信される。
図23は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ送信処理を示すフローチャートである。ステップS60において、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージ181のデータブロックを受信する。そして、ステップS61において、受信されたデータブロックのEOMビットが1であるか否かが判断される。ステップS60においてYESのときはステップS62に進む一方、NOのときはステップS63に進む。さらに、ステップS63において、受信されたデータブロックが6ブロック目のデータブロックであるか否かが判断される。ステップS63においてYESのときはステップS64に進む一方、NOのときはステップS65に進む。次いで、ステップS65において、受信されたデータブロックが11ブロック目のデータブロックであるか否かが判断される。ステップS65においてYESのときはステップS64に進む一方、NOのときはステップS60に戻り次のデータブロックを待機する。
ステップS62では、それまでにCECバスから受信され、かつまだCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信されていないデータブロックに無線ヘッダが付加され、CEC通知サブメッセージに変換される。このとき、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tを参照して、CECメッセージ181の宛先のHDMI装置40の論理アドレスに有線接続されている無線ノード装置20の無線識別子を選択し、選択された無線識別子を、無線ヘッダの宛先アドレス領域にセットする。そして、生成されたCEC通知サブメッセージを宛先の無線ノード装置20に無線送信して、CEC通知メッセージ送信処理を終了する。ステップS64では、ステップS62と同様に、それまでにCECバスから受信され、かつまだCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信されていないデータブロックはCEC通知サブメッセージに変換されて無線ノード装置20に無線送信される。そして、ステップS60に戻り、次のデータブロックが待機される。
なお、無線ノード装置20は、無線ノード装置10と同様に、HDMIケーブル70のCECバスから受信されたCECメッセージ190に基づいて少なくとも1つのCEC通知サブメッセージを生成して無線ノード装置10に無線送信する。
図22は、図1の無線通信システムにおいて送受信されるCECメッセージ180,181,190,191のフォーマットの一例及び図1の無線通信システムにおいて無線送受信されるCEC通知メッセージ100及び101のフォーマットの一例を示す説明図である。図22に示すように、16オクテットのメッセージ長を有するCECメッセージ181は、先頭の6オクテットの部分のデータを含むグループと、次の5オクテットの部分のデータを含むグループと、最後の5オクテットの部分のデータを含むグループに分割され、各グループに対して無線ヘッダが付加されてCEC通知サブメッセージ101−1,101−2,101−3にそれぞれ変換される。
図20は、図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信し、16オクテットのCECメッセージ181をHDMI装置30から無線ノード装置10及び20を介してHDMI装置40に送信するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。はじめに、HDMI装置40によって生成されたCECメッセージ190は無線ノード装置20に受信される。無線ノード装置20は、CECメッセージ190のうち6オクテット目までを受信したとき、CECメッセージ190のうちの1オクテット目〜6オクテット目のデータを含むCEC通知サブメッセージ100−1を生成し、無線ノード装置10に無線送信する。無線ノード装置10はCEC通知サブメッセージ100−1を受信したとき、CEC通知サブメッセージ100−1をCECメッセージ180に変換してHDMI装置30に送信する。次に、無線ノード装置20はHDMI装置40からCECメッセージ190のうちの11オクテット目までを受信したとき、CECメッセージ190のうちの7オクテット目〜11オクテット目のデータを含むCEC通知サブメッセージ100−2を生成し、無線ノード装置10に無線送信する。無線ノード装置10はCEC通知サブメッセージ100−2を受信したとき、CEC通知サブメッセージ100−2をCECメッセージ180に変換し、CECメッセージ180の6オクテット目を送信した後に、引き続きHDMI装置30に送信する。次に、無線ノード装置20はHDMI装置40からCECメッセージ190のうちの16オクテット目までを受信したとき、無線ノード装置20は190のうちの12オクテット目〜16オクテット目のデータを含むCEC通知サブメッセージ100−3を生成し、無線ノード装置10に無線送信する。無線ノード装置10はCEC通知サブメッセージ100−3を受信したとき、CEC通知サブメッセージ100−3をCECメッセージ180に変換し、CECメッセージ180の11オクテット目を送信した後に、引き続きHDMI装置30に送信する。HDMI装置30はCECメッセージ180を受信すると、CECメッセージ180に従って所定の処理を行う。
無線ノード装置10は、無線ノード装置20と同様に、HDMI装置30からの16オクテットのメッセージ長を有するCECメッセージ181をCEC通知サブメッセージ101−1,101−2,101−3に分割して無線ノード装置20に無線送信する。さらに、無線ノード装置20は、無線ノード装置10と同様に、無線受信したCEC通知サブメッセージ101−1,101−2,101−3をCECメッセージ191に結合してHDMI装置40に送信する。
図21は、図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信するときに、無線ノード装置10においてHDMI装置30からのACK信号を受信できなかったときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図21において、無線ノード装置10は、無線ノード装置20から無線受信したCEC通知サブメッセージ100−2〜100−3をCECメッセージ180に変換する。次いで、CECメッセージ180は1オクテットのデータ長を有するデータブロックに分割されてHDMI装置30に送信される。HDMI装置30は、データブロックを正常に受信する毎にACK信号を無線ノード装置10に返信する。無線ノード装置10は、HDMI装置30からCECメッセージ180の各データブロックに対するACK信号を受信しなかった場合、CECメッセージ180をHDMI装置30に再送する。無線ノード装置10は、再送したCECメッセージ180に対するACK信号をHDMI装置30から受信しなかった場合、無線ノード装置20に、CECメッセージ180をHDMI装置30に送信できなかったことを示すCEC未到達メッセージ160を無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、装置情報テーブル24tからHDMI装置30に対応するデータを削除する。
なお、図21においては、無線ノード装置10におけるCECメッセージ180の最大の再送回数は2回に設定されているが、本発明はこれに限られず、再送を行わない、もしくは再送を3回以上行ってもよい。また、図21においては、HDMI装置40からHDMI装置30にCECメッセージ190を送信する場合について説明しているが、反対にHDMI装置30からHDMI装置40にCECメッセージ181を送信する場合も、無線ノード装置20は無線ノード装置10と同様にCEC未到達メッセージ160を生成する。
図24は、図1の無線ノード装置10によって実行される代理ACK処理を示すフローチャートである。ステップS70において、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージのデータブロックを受信する。次いで、ステップS71において、CECメッセージの宛先のHDMI装置の論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否かが判断される。ステップS71においてYESのときはステップS72に進む一方、NOのときはACK信号を返信せずに代理ACK処理を終了する。そして、ステップS72において、装置情報テーブル14tを参照して、宛先のHDMI装置の有線接続フラグがゼロであるか否かが判断され、YESのときはステップS73に進む一方、NOのときはACK信号を返信せずに代理ACK処理を終了する。さらに、ステップS73において、受信したデータブロックが最後のデータブロックであるか否かが判断される。ステップS73においてYESのときは、HDMI装置10は、ステップS76においてCECバスにACK信号を出力した後に、代理ACK処理を終了する。一方、ステップS73においてNOのときはステップS74に進む。そして、HDMI装置10は、ステップS74においてCECバスにACK信号を出力した後に、ステップS75においてCECバスから次のデータブロックを受信してステップS73に戻る。
図24の代理ACK処理によれば、無線ノード装置10は、無線ノード装置10と同一のHDMIクラスタ80に存在するHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したとき、CECメッセージ181の宛先論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否か、及びCECメッセージ181の宛先論理アドレスがHDMIクラスタ80に存在するか否か(すなわち、CECメッセージ181の宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが1にセットされているか否か。)を判断する。CECメッセージ181の宛先アドレスが装置情報テーブルメモリ14に存在し、かつCECメッセージ181の宛先アドレスを有するHDMI装置がHDMIクラスタ80に存在しない(すなわち、CECメッセージ181の宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0にセットされている。)場合、受信したデータブロックが最後のデータブロックか否かが判断される。そして、最後のデータブロックでない場合は、無線ノード装置10はCECメッセージ181の宛先のHDMI装置の変わりにCECメッセージにACK信号を返信した後、CECバスから次のデータブロックが入力されるまで待機する。最後のデータブロックを受信すると、無線ノード装置10はCECメッセージ181の宛先のHDMI装置の変わりにCECメッセージにACK信号を返信した後に、代理ACK処理を終了する。
無線ノード装置10は、受信したCECメッセージ181の宛先のHDMI装置の論理アドレスがHDMI80クラスタに存在しない(すなわち、CECメッセージ181の宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0にセットされている。)場合や、CECメッセージの宛先アドレスが装置情報テーブルメモリ14に存在しない場合は代理ACK処理を終了する。
なお、ここでは、無線ノード装置10が無線ノード装置10と同一のHDMIクラスタ80に存在するHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときの代理ACK処置を説明した。しかしながら、無線ノード装置10は、HDMIクラスタ80に存在するHDMI装置30以外のHDMI装置からCECメッセージを受信したときも同様の動作を行う。また、無線ノード装置20もまた、無線ノード装置10と同様に、図24の代理ACK処置を行う。
図25は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCECルーティング処理を示すフローチャートである。ステップS80において、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージのデータブロックを受信する。次いで、ステップS81において、CECメッセージの宛先のHDMI装置の論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否かが判断される。ステップS81においてYESのときはステップS82に進む一方、NOのときはCECルーティング処理を終了する。そして、ステップS82において、装置情報テーブル14tを参照して、宛先のHDMI装置の有線接続フラグがゼロであるか否かが判断され、YESのときはステップS83に進む一方、NOのときはCECルーティング処理を終了する。ステップS83において、HDMI装置10は、図23のCEC通知メッセージ送信処理を行ってCECルーティング処理を終了する。
図25のCECルーティング処理によれば、無線ノード装置10は、CECバスからCECメッセージを受信したとき、ステップS80及びS81において、CECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80と同一のHDMIクラスタ80に存在するか否かを判断する。そして、受信したCECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80に存在する場合(すなわち、有線接続フラグが1である場合。)、受信したCECメッセージは無線インターフェースに送信されない。そうでない場合は、受信したCECメッセージは無線インターフェースに送信される。
図25のCECルーティング処理によれば、無線ノード装置10は、CECバスからCECメッセージを受信したとき、ステップS80及びS81において、CECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80と同一のHDMIクラスタ80に存在するか否かを判断する。そして、受信したCECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80に存在しない場合(すなわち、有線接続フラグが0である場合。)、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレスであるか否かが判断される。宛先論理アドレスがブロードキャストアドレスではない場合は、受信したCECメッセージはHDMIクラスタ80に出力されない。受信したCECメッセージの宛先の装置HDMIクラスタ80に存在する、もしくは、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレスである場合は、受信したCECメッセージはHDMIクラスタ80に出力される。
ここでは、無線ノード装置10のCECルーティング処理について説明したが、無線ノード装置20もまた、無線ノード装置10と同様にCECルーティング処理を行う。
以上詳述したように、本実施形態に係る無線ノード装置20によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むデータアイランドパケットをHDMI装置40から周期ΔT40で受信する。そして、無線ノード装置20は、処理対象のデータアイランドパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様が、処理対象のデータアイランドパケットよりも前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、データアイランド通知メッセージを無線送信することを禁止する。従って、無線ノード装置10,20間の無線伝送帯域を浪費せずに、従来技術に比較して効率的に無線ノード装置10,20間で映像データ及び音声データを無線送信できる。
また、本実施形態に係る無線ノード装置10によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むデータアイランドパケットをHDMI装置30に周期的に送信し、映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むデータアイランド通知メッセージを上記無線装置から無線受信したとき、上記データアイランドパケットに含まれる映像出力仕様をデータアイランド通知メッセージに含まれる映像出力仕様に変更し、データアイランドパケットに含まれる音声出力仕様のデータをデータアイランド通知メッセージに含まれる音声出力仕様のデータに変更する。従って、無線ノード装置20とともに用いることにより、従来技術に比較して効率的に無線ノード装置10,20間で映像データ及び音声データを無線送信できる。
なお、上記実施形態において、HDMIクラスタ80は1つのHDMI装置40を含み、HDMIクラスタ90は1つのHDMI装置30を含むように構成された。しかしながら、本発明はこれに限られず、HDMIクラスタ80は、HDMI装置40にHDMIケーブルを用いて接続された他のHDMI装置及び無線ノード装置20にHDMIケーブルを用いて接続された別のHDMI装置などの複数のHDMI装置を含んでもよい。また、HDMIクラスタ90は、HDMI装置30にHDMIケーブルを用いて接続された他のHDMI装置及び無線ノード装置10にHDMIケーブルを用いて接続された別のHDMI装置などの複数のHDMI装置を含んでもよい。さらに、図1において、HDMIクラスタ80又は90と同様にそれぞれ構成された複数のHDMIクラスタを含むように無線通信システムを構成してもよい。
なお、本実施形態に係るCEC通知メッセージ送信処理(図23)では、16オクテットメッセージ長を有するCECメッセージを6オクテット、5オクテット、5オクテットのメッセージ長をそれぞれ有する3つのグループに分割した。しかしながら、本発明はこれに限られない。好ましくは、最初のグループのメッセージ長が最も長くなるように設定し、以降のグループのメッセージ長を直前のグループのメッセージ長以下に設定してCECメッセージを分割し、分割後の各CECメッセージをCEC通知サブメッセージに変換して無線送信する。これにより、受信側の無線ノード装置で最初のCEC通知サブメッセージを受信したときに、CECバスにCECメッセージの送信を開始することが可能となる。以上のようにCECメッセージを分割しない場合は、受信側の無線ノード装置で最初のCEC通知サブメッセージを受信したときに、所定の時間待機してからCECバスにCECメッセージを送信することも可能である。
また、上記実施形態において、HDMI装置40は、映像データ及び音声データを含むTMDS信号を無線ノード装置20に出力したが、本発明はこれに限られず、映像データ又は音声データを含むTMDS信号を無線ノード装置20に出力してもよい。
以上詳述したように、第1の発明に係る無線通信装置によれば、処理対象のパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、処理対象のパケットに含まれる異なる出力仕様を含む第1のメッセージ信号を生成して無線受信装置に無線送信する一方、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、第1のメッセージ信号を無線送信することを禁止する。また、第2の発明に係る無線通信装置によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを有線受信装置に周期的に送信し、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含む第1のメッセージ信号を無線装置から無線受信したとき、パケットに含まれる映像出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる映像出力仕様に変更し、パケットに含まれる音声出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる音声出力仕様に変更する。従って、無線伝送帯域を浪費せずに、従来技術に比較して効率的にコンテンツ信号を無線送信できる。
第1及び第2の発明に係る無線通信装置は、例えばDVDプレーヤ等のソース装置が再生して出力する映像信号等を非圧縮でテレビジョン受像機等のシンク装置に無線伝送するAVシステム等において用いられる無線ノード装置として有用である。
本発明は、無線通信装置に関し、特に、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)インターフェースを搭載した複数のAV(Audio and Visual)機器間で伝送される信号を無線信号に変換して伝送するための無線通信装置に関する。
複数のノード装置間で映像及び音声データを伝送する従来のシステムとしては、非特許文献1に規定されるHDMIを用いるシステムがあった。HDMIシステムにおいては、映像及び音声データの送信側ノード装置(例えば、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤ等の映像音声再生装置である。)は、HDMIケーブルを介して接続された受信側ノード装置(例えばTV等)のEDID(Extended display identification data)を、DDC(Display Data Channel)を介して読み取ることにより、必要なフォーマット情報を取得する。このフォーマット情報には、受信側ノード装置がサポートする映像出力仕様及び音声出力仕様が含まれる。送信側ノード装置は、取得したフォーマット情報に基づいて、送信するデータの出力仕様を決定する。決定された映像出力仕様情報は、映像データと多重化して受信側ノード装置に伝送される。
ユーザが送信側ノード装置の再生ボタンを押したとき、送信側ノード装置が受信側ノード装置にアクティブソース(Active Source)メッセージを送信することにより受信側ノード装置の入力切替が行われ、送信側ノード装置で再生される映像を即座に表示することができる。
また、特許文献1には、表示装置と、上記表示装置に接続される複数の映像機器と、上記複数の映像機器の各々を制御するための該各映像機器に対応するリモートコントローラとで構成されるAVシステムにおいて、映像機器に対するリモートコントロール操作をディスプレイに向けて行うことが可能なAVシステムが開示されている。リモートコントローラは、その操作ボタンの押下に応じて、各映像機器に対応するメーカーコード及び機器コードの少なくとも一方を含むリモコンコードを表示装置に送信する。表示装置は、リモートコントローラにより送信されたリモコンコードに基づき、複数の映像機器のうちの上記リモコンに対応する映像機器を表示部に接続し、これにより表示装置の入力切替が行われる。
High−Definition Multimedia Interface Specification, Version 1.3a, HDMI Licensing, LLC, California in U.S.A., November 10,2006.
しかしながら、HDMIインターフェースを搭載した複数のAV機器間で伝送される映像及び音声データを無線信号に変換して伝送する場合は、映像及び音声データを伝送するための付加的な情報や制御データ等も無線で伝送する必要があり、それらによる伝送帯域の浪費や無線伝送による遅延を削減する必要があるという課題を有していた。
本発明の目的は上記従来の課題を解決し、HDMIインターフェースを搭載した複数のAV機器間で伝送される信号を無線信号に変換して、従来技術に比較して効率的に伝送することにより、AV機器を柔軟に配置することを可能とする無線通信方法、無線通信装置及び無線通信システムを提供することにある。
第1の発明に係る無線通信装置は、所定の映像出力仕様で生成された映像データ及び所定の音声出力仕様で生成された音声データのうちの少なくとも一方を含むコンテンツ信号を、少なくとも1つの有線送信装置から有線伝送路を介して受信して無線受信装置に無線送信する無線通信装置において、上記映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを上記有線送信装置から周期的に受信し、処理対象の上記パケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、上記処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、上記処理対象のパケットに含まれる異なる出力仕様を含む第1のメッセージ信号を生成して上記無線受信装置に無線送信する一方、上記処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、上記第1のメッセージ信号を無線送信することを禁止する制御手段を備えたことを特徴とする。
第2の発明に係る無線通信装置は、所定の映像出力仕様で生成された映像データ及び所定の音声出力仕様で生成された音声データのうちの少なくとも一方を含むコンテンツ信号を、無線送信装置から無線受信して有線伝送路を介して有線受信装置に出力する無線通信装置において、上記映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを上記有線受信装置に周期的に送信し、上記映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含む第1のメッセージ信号を上記無線装置から無線受信したとき、上記パケットに含まれる映像出力仕様を上記第1のメッセージ信号に含まれる映像出力仕様に変更し、上記パケットに含まれる音声出力仕様を上記第1のメッセージ信号に含まれる音声出力仕様に変更する制御手段を備えたことを特徴とする。
また、上記無線通信装置において、上記制御手段は、HDMI規格に準拠したCEC(Consumer Electronics Control)メッセージを含む第2のメッセージ信号を上記有線伝送路から受信したとき、上記CECメッセージを複数のグループに分割して無線送信することを特徴とする。
さらに、上記無線通信装置において、上記制御手段は、上記分割された複数のグループのうち最初のグループのメッセージ長が最も長いメッセージ長となるように設定することを特徴とする。
またさらに、上記無線通信装置において、上記制御手段は、HDMI規格に準拠したCECメッセージを含む第2のメッセージ信号を上記有線伝送路から受信したとき、上記CECメッセージのメッセージ長が6オクテット以下の場合は、上記CECメッセージを分割せずに無線送信し、上記CECメッセージのメッセージ長が7オクテット以上かつ11オクテット以下である場合は、上記CECメッセージを最初の6オクテットの部分を含むグループと、残りの部分を含むグループとに分割して無線送信し、上記CECメッセージのメッセージ長が12オクテット以上である場合は、上記CECメッセージを最初の6オクテットの部分を含むグループと、次の5オクテット部分を含むグループと、残りの部分を含むグループとに分割して無線送信することを特徴とする。
第1の発明に係る無線通信装置によれば、処理対象のパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、処理対象のパケットに含まれる異なる出力仕様を含む第1のメッセージ信号を生成して無線受信装置に無線送信する一方、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、第1のメッセージ信号を無線送信することを禁止する。また、第2の発明に係る無線通信装置によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを有線受信装置に周期的に送信し、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含む第1のメッセージ信号を無線装置から無線受信したとき、パケットに含まれる映像出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる映像出力仕様に変更し、パケットに含まれる音声出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる音声出力仕様に変更する。従って、無線伝送帯域を浪費せずに、従来技術に比較して効率的にコンテンツ信号を無線送信できる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図1のHDMIクラスタ80の構成を示すブロック図である。
図1のHDMIクラスタ90の構成を示すブロック図である。
図1の無線通信システムの装置能力交換処理のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムのパススルーコネクションの確立及びキャンセルのためのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて割り当てられる論理アドレス及び無線識別子の一例を示す説明図である。
図2の論理アドレステーブル36tの一例を示すテーブルである。
図3の論理アドレステーブル45tの一例を示すテーブルである。
図2の装置情報テーブル14tの一例を示すテーブルである。
図3の装置情報テーブル24tの一例を示すテーブルである。
図1の無線ノード装置20によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置20によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置20によって実行される装置情報通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10及び無線ノード装置20のどちらにおいても論理アドレスの重複が検知されない場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置20においてHDMI装置40からCECメッセージ190を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置10においてHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置10において無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置20において無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線ノード装置20において、HDMI装置40の切断が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1のHDMI装置40がHDMI装置30のEDIDを取得するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおける、データアイランド通知メッセージ150−1,150−2の送信方法を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信し、16オクテットのCECメッセージ181をHDMI装置30から無線ノード装置10及び20を介してHDMI装置40に送信するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信するときに、無線ノード装置10においてHDMI装置30からのACK信号を受信できなかったときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図1の無線通信システムにおいて送受信されるCECメッセージ180,181,190,191のフォーマットの一例及び図1の無線通信システムにおいて無線送受信されるCEC通知メッセージ100及び101のフォーマットの一例を示す説明図である。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ送信処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行される代理ACK処理を示すフローチャートである。
図1の無線ノード装置10によって実行されるCECルーティング処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示すブロック図である。図1において、無線ノード装置10,20及びHDMI装置30,40はそれぞれ、HDMI規格に準拠した信号を送受信する。HDMI装置40は有線インターフェースを有し、映像及び音声データを有線インターフェースに出力する。また、無線ノード装置20は、無線インターフェース及び有線インターフェースを有し、映像及び音声データを有線インターフェースから受信し、無線インターフェースに出力する。さらに無線ノード装置10は無線インターフェース及び有線インターフェースを有し、映像及び音声データを無線インターフェースから受信して有線インターフェースに出力する。そして、HDMI装置30は有線インターフェースを有し、映像及び音声データを有線インターフェースから受信する。
HDMI装置40と無線ノード装置20とは有線伝送路であるHDMIケーブル70を介して互いに有線接続され、HDMI装置30と無線ノード装置10とは有線伝送路であるHDMIケーブル60を介して互いに有線接続されている。ここで、HDMIケーブル60及び70はそれぞれ、HDMI規格に準拠したディジタルデータ伝送バスであり、3つのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャンネルと、DDCチャンネルと、CEC(Consumer Electronics Control)バスと、HPD(Hot Plug Detect)信号を伝送するためのHPD信号線とをそれぞれ含む。ここで、HPD信号は、HDMI規格において定義されており、映像及び音声データを送信するソース装置を初期化するために、映像及び音声データを受信するシンク装置からソース装置に伝送される初期化信号である。ソース装置は、HDMIケーブルのHPD信号線の電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化したことを検出することにより、HPD信号がアサートされたことを検出し、HDMIにおいて規定されている論理アドレス割当処理などの所定の初期化処理を実行する。以下、HPD信号線の電圧レベルをローレベルからハイレベルに変化させることを「HDP信号をアサートする」といい、HPD信号線の電圧レベルをハイレベルからローレベルに変化させることを「HDP信号をデアサートする」という。また、DDCチャンネルは、ソース装置とシンク装置との間で、EDID(Extended Display Identification Data)などを含むDDCデータの伝送及びHDCP(High−Bandwidth Digital Content Protection)認証処理及び定期的な暗号鍵の交換に使用される伝送路である。さらに、CECバスは、ソース装置とシンク装置との間で、HDMI規格で規定されているCECメッセージ(図22を参照して詳細後述する。)を伝送する伝送路である。
また、3つのTMDSチャンネルは、映像データを含むベースバンド映像信号と、音声データを含むディジタル音声信号と、映像信号の水平同期信号と、映像信号の垂直同期信号と、補助データとを含むコンテンツ信号であるTMDS信号をパケット伝送するための伝送路である。ここで、TMDS信号には、ディジタル音声信号及び補助データをパケット伝送するためのデータアイランド(Data Island)期間が周期的に設けられる。また、データアイランド期間において、ソース装置からの映像データの出力映像フォーマット情報(以下、映像出力仕様という。)を含むAVI(Auxiliary Video Information)インフォフレーム(InfoFrame)パケット及び音声データの出力音声フォーマット情報(以下、音声出力仕様という。)を含むオーディオインフォフレーム(Audio InfoFrame)パケットを含むデータアイランドパケットが送信される。ここで、映像出力仕様は、映像符号化方式(例えば、RGB方式、YCBCR4:4:4方式又はYCBCR4:2:2方式)、解像度、フィールド周波数、走査線数などを含む。また、音声出力仕様は、音声出力サンプリング周波数などを含む。
また、無線ノード装置10及び20は、アンテナ13及び23を介して互いに無線接続されている。無線ノード装置20は、HDMI装置40からHDMIケーブル70を介して受信したTMDS信号、DDCデータ及びCECメッセージ190に基づいて、映像データを含む映像データ信号50Aと、音声データを含む音声データ信号50Bと、制御データ信号50Cとを発生して、無線ノード装置10に無線送信する。さらに、無線ノード装置20は、無線ノード装置10からの制御データ信号50Dに基づいて、所定の処理を行う。一方、無線ノード装置10は、HDMI装置30からHDMIケーブル60を介して受信したDDCデータ及びCECメッセージ181に基づいて、制御データ信号50Dを発生して、無線ノード装置20に無線送信する。さらに、無線ノード装置10は、無線ノード装置20からの映像データ信号50A、音声データ信号50Bに基づいてTMDS信号を発生してHDMIケーブル60を介してHDMI装置30に出力し、制御データ信号50Cに基づいて所定の処理を行う。ここで、制御データ信号50Cは、詳細後述する装置能力要求メッセージ65、パススルー要求メッセージ85、CEC通知メッセージ100、装置情報通知メッセージ110、EDID要求メッセージ120、出力フォーマット通知パケットであるデータアイランド通知メッセージ150−1又はデータアイランド通知メッセージ150−2を含む。また、制御データ信号50Dは、詳細後述する装置能力応答メッセージ75、パススルー応答メッセージ95、CEC通知メッセージ101、装置情報通知メッセージ111、HPD通知メッセージ120、EDID応答メッセージ140又はCEC未到達メッセージ160を含む。なお、本明細書において、上述した各メッセージを含む信号を単にメッセージという。
図1において、HDMIクラスタ80は無線ノード装置10とHDMI装置30とを含むHDMIケーブル70を介して互いに有線接続された装置群であり、HDMIクラスタ90は無線ノード装置20とHDMI装置40を含むHDMIケーブル60を介して互いに有線接続された装置群である。
本実施形態において、無線ノード装置10は、無線ノード装置10,20及び図示されていない他の無線ノード装置を含む無線ネットワーク内の各無線ノード装置の認証を行うとともに、各無線ノード装置の無線ネットワークへの加入及び離脱等の管理を行う集中管理装置である。集中管理装置である無線ノード装置10は、上記無線ネットワーク内の無線ノード装置に対して無線ノード装置を識別するための無線識別子を割り当て、割り当てた無線識別子及び無線ノード装置の情報を含む装置リストを生成する。なお、本実施形態において集中管理装置は無線ノード装置10であるが、無線ノード装置20又は無線ネットワーク内の他の無線ノード装置であってもよい。
また、HDMI装置30及び40には、HDMIにおいて規定されている論理アドレス割り当て処理によって、HDMI装置30及び40を識別するための論理アドレスが割り当てられている。無線ノード装置10及び20並びにHDMI装置30及び40は、無線識別子及び論理アドレスを用いて、詳細後述するように互いに通信を行う。
図2は、図1のHDMIクラスタ80の構成を示すブロック図である。図2において、無線ノード装置10は、アンテナ13に接続され無線インターフェースとして動作する無線通信回路12と、HDMIに準拠した映像及び音声データ信号の伝送処理を行う有線インターフェースである有線通信回路16と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ11と、図6Dを参照して詳細後述する装置情報テーブル14tを格納する装置情報テーブルメモリ14と、無線ノード装置10との間でHDMIにおいて定義されているパススルーモード(pass−through mode。以下、HDMIパススルーモードという。)の接続が確立している無線ノード装置の無線識別子を格納する接続情報メモリ15とを備えて構成される。
ここで、コントローラ11は、以下の各処理を実行する。
(a)無線周波数帯域もしくは時間のリソースを予約し、予約した無線周波数帯域もしくは時間内に映像及び音声データを送受信する媒体アクセス制御処理。
(b)映像及び音声データを伝送するための無線周波数帯域もしくは時間に対するリソース管理処理。
(c)無線通信時に使用されるポート(すなわち、ソース装置に接続される無線ノード装置20の送信元ポートとシンク装置に接続される無線ノード装置10の宛先ポート。)の決定及び関連付け等を含むポート制御処理。
(d)他の無線ノード装置との接続を設定するための接続管理処理。
(e)ユーザ入力の処理等の上位レイヤの処理を含むアプリケーション制御処理。
また、無線通信回路12は、高速な伝送速度でデータを無線受信する高速データ伝送機能と、当該高速データ伝送機能における伝送速度に比較して低速な伝送速度でデータを無線送受信する低速データ伝送機能を有する。ここで、高速データ伝送機能で伝送されるデータは、非圧縮映像などの高速伝送が必要なデータ及び音声や制御コマンドなどの比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含み、低速データ伝送機能で伝送されるデータは、音声や制御コマンドなど比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含む。本実施形態において、映像データ信号50A及び制御データ信号50Cは高速データ伝送機能を用いて無線受信され、音声データ信号50B及び制御データ信号50Dは低速データ伝送機能を用いて無線送受信される。
さらに、図2において、無線ノード装置10にHDMIケーブル60を介して有線接続されたHDMI装置30は、有線通信回路35と、ディスプレイである映像出力装置34と、スピーカである音声出力装置33と、ユーザ入力装置32と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ31と、図6Bを参照して詳細後述する論理アドレステーブル36tを格納する論理アドレステーブルメモリ36とを備えて構成される。ユーザ入力装置32は、図示されていない操作ボタン及び指示信号受信回路を備え、映像及び音声データの再生及び停止などを指示するために、ユーザによって操作ボタンから入力された指示信号を受信し、又はリモートコントローラ(図示せず。)から送信された指示信号を指示信号受信回路を用いて受信して、受信された指示信号をコントローラ31に送る。映像出力装置34及び音声出力装置33は、無線ノード装置10から有線伝送された映像及び音声データをそれぞれ出力する。有線通信回路35は、無線ノード装置10の有線通信回路16と同様に構成される。本実施形態において、無線ノード装置10は、HDMI装置30に無線送受信機能を提供するためのアダプタ装置として動作する。
図3は、図1のHDMIクラスタ90の構成を示すブロック図である。図3において、無線ノード装置20は、アンテナ23に接続され無線インターフェースとして動作する無線通信回路22と、HDMIに準拠した映像及び音声データ信号の伝送処理を行う有線インターフェースである有線通信回路26と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ21と、図6Eを参照して詳細後述する装置情報テーブル24tを格納する装置情報テーブルメモリ24と、無線ノード装置20との間でHDMIにおいて定義されているパススルーモードの接続が確立している無線ノード装置の無線識別子を格納する接続情報メモリ25とを備えて構成される。
ここで、コントローラ21は、以下の各処理を実行する。
(a)無線周波数帯域もしくは時間のリソースを予約し、予約した無線周波数帯域もしくは時間内に映像及び音声データを送受信する媒体アクセス制御処理。
(b)映像及び音声データを伝送するための無線周波数帯域もしくは時間に対するリソース管理と、無線通信時に使用されるポート(すなわち、ソース装置に接続される無線ノード装置20の送信元ポートとシンク装置に接続される無線ノード装置10の宛先ポート。)の決定及び関連付け等を含むポート制御処理。
(c)他の無線ノード装置との接続を設定するための接続管理処理。
(d)ユーザ入力の処理等の上位レイヤの処理を含むアプリケーション制御処理。
また、無線通信回路22は、高速な伝送速度でデータを無線送信する高速データ伝送機能と、当該高速データ伝送機能における伝送速度に比較して低速な伝送速度でデータを無線送受信する低速データ伝送機能を有する。ここで、高速データ伝送機能で伝送されるデータは、非圧縮映像などの高速伝送が必要なデータ及び音声や制御コマンドなどの比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含み、低速データ伝送機能で伝送されるデータは、音声や制御コマンドなど比較的低速な伝送速度で伝送可能なデータを含む。本実施形態において、映像データ信号50A及び制御データ信号50Cは高速データ伝送機能を用いて無線送信され、音声データ信号50B及び制御データ信号50Dは低速データ伝送機能を用いて無線送受信される。また、本実施形態において、無線ノード装置20は、HDMI装置40に無線送受信機能を提供するためのアダプタ装置として動作する。
さらに、図3において、無線ノード装置20にHDMIケーブル70を介して有線接続されたHDMI装置40は、有線通信回路44と、DVDプレーヤである映像音声再生装置42と、ユーザによって入力された信号及びデータを取得するユーザ入力装置43と、これらの構成要素の各動作を制御するコントローラ41と、図6Cを参照して詳細後述する論理アドレステーブル45tを格納する論理アドレステーブルメモリ45とを備えて構成される。映像音声再生装置42は、DVD等の記録媒体からデータを読み出すことによって映像及び音声データを取得する。ユーザ入力装置43は、図示されていない操作ボタン及び指示信号受信回路を備え、映像及び音声データの再生及び停止などを指示するために、ユーザによって操作ボタンから入力された指示信号を受信し、又はリモートコントローラ(図示せず。)から送信された指示信号を指示信号受信回路を用いて受信して、受信された指示信号をコントローラ41に送る。なお、映像音声再生装置42は、遠隔の送信局から放送された放送信号を処理することによって映像及び音声データを取得するチューナなどのセットトップボックス(Set Top Box(STB))であってもよい。
なお、無線ノード装置10,20及びHDMI装置30,40の動作主体は各コントローラ11,21,31,41であるが、以下においてその記載を省略する。
次に、図1の無線通信システムの装置能力交換処理を説明する。図4は、図1の無線通信システムの装置能力交換処理のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。無線ノード装置20は、集中管理装置である無線ノード装置10との間で所定の認証処理を行った後、図1の無線ネットワーク内の各無線ノード装置の情報及び無線識別子を含む装置リストを無線ノード装置10から取得する。本実施形態において、取得した装置リストは無線ノード装置10の無線識別子を含む。無線ノード装置20は、取得した装置リスト内の全ての無線ノード装置(無線ノード装置10を含む。)に対して、無線ノード装置20の能力を示す情報を含む装置能力要求メッセージ65を無線送信する。装置能力要求メッセージ65を受信した無線ノード装置10は、装置能力要求メッセージ65に含まれる情報を装置情報テーブルメモリ14に記憶するとともに、装置能力要求メッセージ65の送信元の無線ノード装置20に無線ノード装置10の能力を示す情報を含む装置能力応答メッセージ75を無線送信する。装置能力応答メッセージ75を受信した無線ノード装置20は、装置能力応答メッセージ75に含まれる情報を装置情報テーブルメモリ24に記憶する。ここで、装置能力要求メッセージ65及び装置能力応答メッセージ75はそれぞれ、当該メッセージの送信元の無線ノード装置の装置種別情報、映像音声種別情報、無線種別情報及びその他のフラグ等を含む。装置種別情報は、無線ノード装置がテレビジョン放送受信機、DVDレコーダ、AVアンプ、セットトップボックスなどの装置のうちのどの装置であるかを示し、映像音声種別情報は、映像及び音声の入力及び出力が可能であるかを示し、無線種別情報は、高速及び低速の送信及び受信が可能であるかを示し、その他のフラグは、HDMIパススルーモードをサポートしているか否かを示すPT(Pass−Through)ビットを含む。
次に、HDMIパススルーモードでの接続(以下、パススルーコネクションという。)の確立及びキャンセルを説明する。図5は、図1の無線通信システムのパススルーコネクションの確立及びキャンセルのためのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。
無線ノード装置20は図4の装置能力交換処理を行った後、装置情報テーブルメモリ24に格納された各無線ノード装置に対応するPTビットデータに基づいて、無線ノード装置10がHDMIパススルーモードをサポートしているか否かを認識する。通信相手の無線ノード装置10がHDMIパススルーモードをサポートしているとき(無線ノード装置10のPTビットがHDMIパススルーモードをサポートしていることを示すデータにセットされているとき。)、無線ノード装置20は無線ノード装置10にパススルーコネクションの確立を要求するパススルー要求メッセージ85を無線送信する。このとき、パススルー要求メッセージ85には、パススルーコネクションの確立を示すビットがセットされる。これに応答して、無線ノード装置10は、パススルーコネクションの確立の要求を受け入れるときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「成功」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信するとともに、接続情報メモリ15に無線ノード装置20の無線識別子を追加する。また、無線ノード装置10は、パススルーコネクションの確立の要求を受け入れないときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「失敗」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信する。「成功」を示す結果コードフィールドを含むパススルー応答メッセージ95に応答して、無線ノード装置20は、接続情報メモリ25に無線ノード装置10の無線識別子を追加する。
また、無線ノード装置20が他の無線ノード装置10にパススルーコネクションのキャンセルを要求するとき、無線ノード装置10にパススルーコネクションのキャンセルを要求するパススルー要求メッセージ85を送信する。このとき、パススルー要求メッセージ85には、パススルーコネクションのキャンセルを示すビットがセットされる。これに応答して、無線ノード装置10は、パススルーコネクションのキャンセルの要求を受け入れるときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「成功」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信するとともに、接続情報メモリ15から無線ノード装置20の無線識別子を削除する。また、無線ノード装置10は、パススルーコネクションのキャンセルの要求を受け入れないときには、パススルー応答メッセージ95に含まれる結果コードフィールドに「失敗」を示すデータをセットして、パススルー応答メッセージ95を無線ノード装置20に無線送信する。「成功」を示す結果コードフィールドを含むパススルー応答メッセージ95に応答して、無線ノード装置20は、接続情報メモリ25から無線ノード装置10の無線識別子を削除する。
なお、無線ノード装置が無線ネットワークから離脱したとき、パススルーコネクションはキャンセルされる。無線ノード装置が無線ネットワークから離脱したことは、集中管理装置から無線送信されるビーコン信号に含まれる無線ノード装置の離脱を示す情報に基づいて検出される。もしくは、各無線ノード装置は、自装置との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置に定期的に所定のメッセージを送信することにより、通信相手の無線ノード装置が無線ネットワークに接続されているか否かを確認してもよい。
図6Aは、図1の無線通信システムにおいて割り当てられる論理アドレス及び無線識別子の一例を示す説明図である。また、図6Bは、図2の論理アドレステーブル36tの一例を示すテーブルであり、図6Cは、図3の論理アドレステーブル45tの一例を示すテーブルである。さらに、図6Dは、図2の装置情報テーブル14tの一例を示すテーブルであり、図6Eは、図3の装置情報テーブル24tの一例を示すテーブルである。
図6Aに示すように、本実施形態において、HDMI装置30及び40には論理アドレス3及び0がそれぞれ割り当てられており、無線ノード装置10及び20には、無線識別子2及び1が割り当てられている。このとき、図6B及び図6Cに示すように、論理アドレステーブル36t,45tは、図1の無線通信システム内のHDMI装置30及び40の論理アドレスを格納する。また、図6Dに示すように、装置情報テーブル14tは、図1の無線通信システム内の無線ノード装置10及び20の各無線識別子と、無線ノード装置10及び20にそれぞれ有線接続されているHDMI装置30及び40の各論理アドレスと、HDMI装置30及び40がHDMIクラスタ80に含まれるか否かを示す各有線接続フラグ(Wiredフラグ)とを対応づけて格納する。さらに、図6Eに示すように、装置情報テーブル24tは、図1の無線通信システム内の無線ノード装置10及び20の各無線識別子と、無線ノード装置10及び20に有線接続されているHDMI装置30及び40の各論理アドレスと、HDMI装置30及び40がHDMIクラスタ90に含まれるか否かを示す各有線接続フラグとを対応づけて格納する。なお、有線接続フラグは、HDMI装置が無線ノード装置と同一のHDMIクラスタに含まれるときに1にセットされ、含まれないときに0にセットされる。
次に、図1の無線通信システムにおいてHDMI装置30とHDMI装置40との間でCECメッセージを送受信する方法を説明する。
図22に、図1の無線通信システムにおいて送受信されるCECメッセージ180,181,190,191のフォーマットの一例を示す。HDMI装置40から無線ノード装置20に送信されるCECメッセージ190と、無線ノード装置20からHDMI装置40に送信されるCECメッセージ191と、無線ノード装置10からHDMI装置30に送信されるCECメッセージ180と、HDMI装置30から無線ノード装置10に送信されるCECメッセージ181とは、図22に示すフォーマットを有している。本明細書において、CECメッセージ180,181,190,191を互いに区別しない場合には、単に、CECメッセージと記載する。図22に示した例では、CECメッセージは、4ビットの送信元論理アドレスと4ビットの宛先論理アドレスとを含むヘッダブロックと、HDMIで規定されているセットデジタルタイマコマンド(Set Digital Timer)と、録画日(Day of Month)と、録画月(Month of Year)と、録画開始時刻(Start Time)と、録画時間(Duration)と、録画曜日(Recording Sequence)と、デジタルサービス識別子(Digital Service Identification)とを含み、16オクテットのメッセージ長を有する。なお、図22のCECメッセージのフォーマットのうちヘッダブロック以外の部分はHDMIにおいて規定されている様々な形式をとり、CECメッセージのメッセージ長は8ビット以上の任意の値をとる。
HDMI装置30及び40並びに無線ノード装置10及び20は、CECメッセージを生成し、生成されたCECメッセージを1オクテットのメッセージ長をそれぞれ有する少なくとも1つのデータブロックに分割し、各データブロックに対して当該データブロックがCECメッセージの最後のデータブロックか否かを示す1ビットのEOM(End Of Message)ビットと1ビットのACK(Acknowledge)ビットを付加してCECバスに出力する。ここで、EOMビットは、CECメッセージの最後のデータブロックであるときに1にセットされる。また、ACKビットは、受信側において正しく受信できたときに0にセットされる。一方、HDMI装置30及び40並びに無線ノード装置10及び20は、CECメッセージのデータブロックを正常に受信する毎に、CECバスを介してACK信号を返信する。
また、CECメッセージのうち、ヘッダブロックのみを含むものをポーリングメッセージという。ポーリングメッセージに付加されるEOMビットの値は1である。HDMI装置30及び40並びに無線ノード装置10及び20は、受信したデータブロックがヘッダブロックを含みかつ付加されているEOMビットの値が1であるときに、受信したデータブロックはポーリングメッセージであると判断する。
図7は、図1の無線ノード装置20によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS10において、無線ノード装置20はHDMI装置40からHDMIケーブル70のCECバスを介してCECメッセージ190を受信し、ステップS11において、受信したCECメッセージ190がポーリングメッセージであるか否かを判断する。ステップS11においてYESのときはステップS17に進む一方、NOのときはステップS12に進む。次いで、ステップS12において、受信したCECメッセージ190の送信元論理アドレスが装置情報テーブル24tに存在するか否かが判断される。ステップS12においてYESのときはステップS13に進む一方、NOのときはステップS15に進む。なお、ステップS12において、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレス(値は15である。)であるとき、もしくは、宛先論理アドレスが装置情報テーブル24tに含まれかつその宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるときにはACK信号が返信される。そして、ステップS13において、装置情報テーブル24tを参照して、送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS13においてYESのときはステップS14に進む一方、NOのときはステップS16に進む。
ここで、ステップS12及びS13は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ90において生成されたCECメッセージ190の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ80においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS12又はS13においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS13においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS14において、無線ノード装置20は、受信したCECメッセージに対してACK信号を返信することなくHDMIケーブル70のHPD信号線において、HPD信号を再アサートしてCECメッセージ受信処理を終了する。HPD信号が再アサートされると、HDMI装置40は、無線ノード装置20と再接続されたと判断し、HDMIにおいて規定されている論理アドレス割当処理を行う。論理アドレス割当処理においてHDMI装置40は、重複している論理アドレスを含むすべての論理アドレスの候補に対してポーリングメッセージを送信する。これに対して、無線ノード装置20はステップS18においてACK信号を返信することになる。HDMI装置40は、ACK信号が返信されなかった論理アドレスを選択する。従って、HDMI装置40の論理アドレスは変更され、論理アドレスの重複は解消される。
一方、ステップS15において無線ノード装置20は、装置情報テーブル24tにCECメッセージ190の送信元論理アドレスと自身の無線識別子と1の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS16に進む。論理アドレスの重複がないときには、ステップS16において、図20及び図23を参照して詳細後述するCEC通知メッセージ送信処理を行うことにより、CECメッセージ190に基づいてCEC通知メッセージ100を生成して無線ノード装置10に無線送信し、CECメッセージ受信処理を終了する。
一方、ポーリングメッセージが受信されたときは、ステップS17において、ポーリングメッセージの宛先論理アドレスが装置情報テーブル24tに存在し、かつ宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS17においてYESのときはステップS18においてポーリングメッセージの宛先論理アドレスを有する装置の代わりにACK信号を返信する一方、NOときはCECメッセージ受信処理を終了する。
図8は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCECメッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS20において、無線ノード装置10はHDMI装置30からHDMIケーブル60のCECバスを介してCECメッセージ181を受信し、ステップS21において、受信したCECメッセージ181がポーリングメッセージであるか否かを判断する。ステップS21においてYESのときはステップS27に進む一方、NOのときはステップS22に進む。次いで、ステップS22において、受信したCECメッセージ181の送信元論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否かが判断される。ステップS22においてYESのときはステップS23に進む一方、NOのときはステップS25に進む。なお、ステップS22において、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレス(値は15である。)であるとき、もしくは、宛先論理アドレスが装置情報テーブル14tに含まれかつその宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるときにはACK信号が返信される。そして、ステップS23において、装置情報テーブル14tを参照して、送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS23においてYESのときはステップS24に進む一方、NOのときはステップS26に進む。
ここで、ステップS22及びS23は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ80において生成されたCECメッセージ181の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ90においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS22又はS23においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS23においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS24において、無線ノード装置10は、受信したCECメッセージに対してACK信号を返信することなく装置情報通知メッセージ送信処理を行い、CECメッセージ受信処理を終了する。装置情報通知メッセージ送信処理において、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tのデータを含む装置情報通知メッセージ111を生成して無線ノード装置20に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、図11を参照して詳細後述する装置情報通知メッセージ受信処理を行う。
一方、ステップS25において無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tにCECメッセージ181の送信元論理アドレスと自身の無線識別子と1の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS26に進む。論理アドレスの重複がないときには、ステップS26において、図20及び図23を参照して詳細後述するCEC通知メッセージ送信処理を行うことにより、CECメッセージ181に基づいてCEC通知メッセージ101を生成して無線ノード装置10に無線送信し、CECメッセージ受信処理を終了する。
一方、ステップS27において、ポーリングメッセージの宛先論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在し、かつ宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0であるか否かが判断される。ステップS27においてYESのときはステップS28においてポーリングメッセージの宛先論理アドレスを有する装置の代わりにACK信号を返信する一方、NOときはCECメッセージ受信処理を終了する。
図9は、図1の無線ノード装置20によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS30において、無線ノード装置20は無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を無線受信する。ここで、CEC通知メッセージ101は、図20,図22及び図23を参照して詳細後述するように、HDMI装置30からのCECメッセージ181に基づいて無線ノード装置10によって生成され、CEC通知サブメッセージ101−1,101−3,101−3を含む。CEC通知サブメッセージ101−1,101−3,101−3の各無線ヘッダ(図22参照。)は、CECメッセージ181の送信元であるHDMI装置30の論理アドレス及びCEC通知メッセージ101の送信元である無線ノード装置10の無線識別子を含む。ステップS31において、無線ノード装置10は、受信したCEC通知メッセージ101に含まれるCECメッセージ181の送信元論理アドレスが装置情報テーブル24tに含まれるか否かを判断する。ステップS31においてYESのときはステップS32に進む一方、NOのときはステップS34に進む。そして、ステップS32において、装置情報テーブル24tを参照して、CECメッセージ181の送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが1であるか否かが判断される。ステップS32においてYESのときはステップS33に進む一方、NOのときはステップS35に進む。一方、ステップS34において、装置情報テーブル24tに、CECメッセージ181の送信元論理アドレスとCEC通知メッセージ101の送信元無線ノード装置10の無線識別子と0の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS35に進む。
ここで、ステップS31及びS32は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ80において生成されたCECメッセージ181の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ90においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS31又はS32においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS32においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS33において、無線ノード装置20は、HDMIケーブル70のHPD信号線において、HPD信号を再アサートしてCEC通知メッセージ受信処理を終了する。これにより、図7のステップS14における処理と同様に、論理アドレスの重複は解消される。
論理アドレスの重複がないときには、ステップS35においてHDMI装置20は、CEC通知メッセージ101をHDMI装置30によって出力されたCECメッセージ181と同一のCECメッセージ191に変換して、HDMIケーブル70のCECバスを介してHDMI装置40に送信してCEC通知メッセージ受信処理を終了する。
図10は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。ステップS40において、無線ノード装置10は無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を無線受信する。ここで、CEC通知メッセージ100は、図20,図22及び図23を参照して詳細後述するように、HDMI装置40からのCECメッセージ190に基づいて無線ノード装置20によって生成され、CEC通知サブメッセージ100−1,100−2,100−3を含む。CEC通知サブメッセージ100−1,100−2,100−3の各無線ヘッダ(図22参照。)は、CECメッセージ190の送信元であるHDMI装置40の論理アドレス及びCEC通知メッセージ100の送信元である無線ノード装置20の無線識別子を含む。ステップS41において、無線ノード装置10は、受信したCEC通知メッセージ100に含まれるCECメッセージ190の送信元論理アドレスが装置情報テーブル14tに含まれるか否かを判断する。ステップS41においてYESのときはステップS42に進む一方、NOのときはステップS44に進む。そして、ステップS42において、装置情報テーブル14tを参照して、CECメッセージ90の送信元論理アドレスに対応する有線接続フラグが1であるか否かが判断される。ステップS42においてYESのときはステップS43に進む一方、NOのときはステップS45に進む。一方、ステップS44において、装置情報テーブル14tに、CECメッセージ190の送信元論理アドレスとCEC通知メッセージ100の送信元無線ノード装置20の無線識別子と0の値を有する有線接続フラグを追加し、ステップS45に進む。
ここで、ステップS41及びS42は論理アドレス重複検知処理であって、HDMIクラスタ90において生成されたCECメッセージ190の送信元論理アドレスがHDMIクラスタ80においても重複して用いられているか否かが検知される。ステップS41又はS42においてNOのときは論理アドレスの重複がないと判断され、ステップS42においてYESのときは論理アドレスの重複があると判断される。論理アドレスの重複があるときは、ステップS43において、装置情報通知メッセージ送信処理において、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tのデータを含む装置情報通知メッセージ111を生成して無線ノード装置20に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、図11を参照して詳細後述する装置情報通知メッセージ受信処理を行う。
論理アドレスの重複がないときには、ステップS45において無線ノード装置10は、CEC通知メッセージ100をHDMI装置40によって出力されたCECメッセージ190と同一のCECメッセージ180に変換して、HDMIケーブル60のCECバスを介してHDMI装置30に送信してCEC通知メッセージ受信処理を終了する。
図11は、図1の無線ノード装置20によって実行される装置情報通知メッセージ受信処理を示すフローチャートである。無線ノード装置20は、ステップS50において無線ノード装置10から装置情報通知メッセージ111を無線受信する。そして、ステップS51において、装置情報テーブル24tのデータを装置情報通知メッセージ111に含まれている装置情報テーブル14tのデータに更新する。さらに、ステップS52において、HDMIケーブル70のHDP信号線においてHPD信号を再アサートする。これにより、図7のステップS14における処理と同様に、論理アドレスの重複は解消される。
図12は、図1の無線ノード装置10及び無線ノード装置20のどちらにおいても論理アドレスの重複が検知されない場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図12において、無線ノード装置20は、図7のCECメッセージ受信処理において、HDMI装置40からCECメッセージ190を受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されなかったとき、ステップS15において装置情報テーブル24tが更新される。さらに、ステップS16においてCEC通知メッセージ100が生成されて無線ノード装置10に無線送信される。
無線ノード装置10は、図10のCEC通知メッセージ受信処理においてCEC通知メッセージ100を無線受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されなかったとき、ステップS44において装置情報テーブル14tが更新される。さらに、ステップS45において、CEC通知メッセージ100はCECメッセージ180に変換されてHDMI装置30に出力される。図12に示すように、無線ノード装置10及び20において論理アドレスの重複が検知されないときは、HDMI装置40によって生成されたCECメッセージ190は、無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信される。
図13は、図1の無線ノード装置20においてHDMI装置40からCECメッセージ190を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図13は、図12に比較して、無線ノード装置20において論理アドレスの重複が検知された点のみが異なる。図13において、無線ノード装置20において図7の論理アドレス重複検知処理によって論理アドレスの重複が検知されると、ステップS14において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図13に示すように、無線ノード装置20においてHDMI装置40からCECメッセージ190を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ190はHDMI装置30に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図14は、図1の無線ノード装置10においてHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図14において、無線ノード装置10は、図8のCECメッセージ受信処理において、HDMI装置30からCECメッセージ181を受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されたとき、装置情報通知メッセージ111が生成されて無線ノード装置20に無線送信される。図11の装置情報通知メッセージ受信処理によって装置情報通知メッセージ111は無線ノード装置20によって無線受信され、装置情報テーブル14tは更新される。さらに、ステップS52において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図14に示すように、無線ノード装置10においてHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ181はHDMI装置40に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図15は、図1の無線ノード装置10において無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。無線ノード装置10は、図10のCEC通知メッセージ受信処理においてCEC通知メッセージ100を無線受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されたとき、装置情報通知メッセージ111が生成されて無線ノード装置20に無線送信される。図11の装置情報通知メッセージ受信処理によって装置情報通知メッセージ111は無線ノード装置20によって無線受信され、装置情報テーブル14tは更新される。さらに、ステップS52において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図15に示すように、無線ノード装置10において無線ノード装置20からCEC通知メッセージ100を受信したときに論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ190はHDMI装置30に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図16は、図1の無線ノード装置20において無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図16において、無線ノード装置10は、図8のCECメッセージ受信処理において、HDMI装置30からCECメッセージ181を受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されなかったとき、ステップS25において装置情報テーブル14tが更新される。さらに、ステップS26においてCEC通知メッセージ101が生成されて無線ノード装置20に無線送信される。
無線ノード装置20は、図9のCEC通知メッセージ受信処理においてCEC通知メッセージ101を無線受信し、論理アドレス重複検知処理を行う。そして、論理アドレス重複検知処理において論理アドレスの重複が検知されたとき、ステップS33において、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号が再アサートされる。図16に示すように、無線ノード装置20において無線ノード装置10からCEC通知メッセージ101を受信したときに、論理アドレスの重複が検知された場合は、CECメッセージ181はHDMI装置40に送信されない。さらに、HDMI装置40において論理アドレス割当処理が行われてHDMI装置40の論理アドレスが変更され、論理アドレスの重複は解消される。
図17は、図1の無線ノード装置20において、HDMI装置40の切断が検知された場合のメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。無線ノード装置20は、HDMIクラスタ90内のいずれかのHDMI装置がHDMIクラスタ90から切断されたか否かを、ポーリングメッセージに対するACK信号の返信があるか否かによって検知する。そして、切断を検知したときに、装置情報テーブル24tから、切断されたHDMI装置の論理アドレスを削除する装置情報テーブル更新処理を行う。さらに、削除後の装置情報テーブル24tのデータを含む装置情報通知メッセージ110を生成して、無線ノード装置10を含む他の無線ノード装置に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tのデータと受信した装置情報通知メッセージ110内の装置情報テーブル24tとを比較し、装置情報テーブル24tに含まれていない論理アドレスを自身の装置情報テーブル14tから削除する装置情報テーブル更新処理を行う。
同様に、無線ノード装置10は、HDMIクラスタ80内のいずれかのHDMI装置がHDMIクラスタ80から切断されたか否かを、ポーリングメッセージに対するACK信号の返信があるか否かによって検知する。そして、切断を検知したときに、装置情報テーブル14tから、切断されたHDMI装置の論理アドレスを削除する装置情報テーブル更新処理を行う。さらに、削除後の装置情報テーブル14tのデータを含む装置情報通知メッセージ111を生成して、無線ノード装置20を含む他の無線ノード装置に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、装置情報テーブル24tのデータと受信した装置情報通知メッセージ111内の装置情報テーブル14tとを比較し、装置情報テーブル14tに含まれていない論理アドレスを自身の装置情報テーブル24tから削除する装置情報テーブル更新処理を行う。
次に、HDMI装置30からHDMI装置40へのEDIDの送信方法を説明する。図18は、図1のHDMI装置40がHDMI装置30のEDIDを取得するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。ここで、EDIDは、HDMI装置30の少なくとも1つの映像出力仕様及び少なくとも1つの音声出力仕様を含む。
無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のHPD信号線においてHPD信号がアサートされたことを検出すると、HDMIにおいて規定されているEDID読み込み処理によって、HDMI装置30のEDIDを読み込む。そして、無線ノード装置10は、HPD信号のアサートが検出されたことを示すHPD通知メッセージ120を生成して、無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立している他の無線ノード装置20に無線送信する。なお、HPD通知メッセージ120はHPD信号のアサート又はデアサートが検出されたことを示すHビットのデータを含む。Hビットは、HPD信号のアサートが検出されたときに1にセットされ、HPD信号のデアサートが検出されたときに0にセットされる。また、無線ノード装置10は、接続情報メモリ15を参照して無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置を識別する。HPD信号のアサートが検出されたことを示すHPD通知メッセージ120に応答して、無線ノード装置20は、HPD通知メッセージ120の送信元である無線ノード装置10に対してEDIDの送信を要求するEDID要求メッセージ130を無線送信する。これに応答して、無線ノード装置10は、無線ノード装置20に、HDMI装置30から読み込んだEDIDを含むEDID応答メッセージ140を無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、無線ノード装置20のEDIDメモリ(図示せず。)にEDID応答メッセージ140に含まれるEDIDのデータを格納する。そして、無線ノード装置20は、EDIDの読み込み準備が完了しているとき、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号をアサートする。これに応答して、HDMI装置40は、HDMIにおいて規定されているEDID読み込み処理によって、無線ノード装置20のEDIDメモリに格納されているEDIDを読み込む。これにより、HDMI装置40に、HDMI装置30のEDIDが送信される。
一方、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のHPD信号線においてHPD信号がデアサートされたことを検出すると、HPD信号のデアサートが検出されたことを示す(Hビットを0にセットした。)HPD通知メッセージ120を、無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置20に無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、HDMIケーブル70のHPD信号線においてHPD信号をデアサートする。なお、HDCP関連のメッセージなどの他のDDCメッセージは無線ノード装置で終端され、無線区間には送信されない。
次に、HDMI装置40からHDMI装置30へのデータアイランドパケットの送信方法を説明する。図19は、図1の無線通信システムにおける、データアイランド通知メッセージ150−1,150−2の送信方法を示すシーケンス図である。
図19において、HDMI装置40は、所定の映像出力仕様で映像データを生成し、所定の音声出力仕様で音声データを生成する。このとき、映像出力仕様及び音声出力仕様は、例えば、図18のメッセージシーケンスによって取得されたHDMI装置30のEDIDに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様から選択される。また、HDMI装置40において、映像データを生成するための映像出力仕様及び音声データを生成するための音声出力仕様は、例えば、ユーザ入力装置43からの指示に応じて、時間変化する。HDMI装置40は、映像データ、音声データ、映像出力仕様及び音声出力仕様を含むTMDS信号を生成するときに、TMDS信号にデータアイランド期間を周期ΔT40で設ける。そして、映像出力仕様を含むAVIインフォフレームパケット及び音声出力仕様を含むオーディオインフォフレームパケットを含むデータアイランドパケット200−1,200−2,200−3,…が各データアイランド期間に挿入される。ここで、HDMI装置40における映像出力仕様及び音声出力仕様は、上述したように時間変化し、これに応じて、データアイランドパケット200−1,200−2,200−3,…に挿入されるAVIインフォフレーム及びオーディオインフォフレームは時間変化する。
無線ノード装置20は、HDMI装置40からTMDS信号を受信すると、TMDS信号から、データアイランドパケット200−1,200−2,200−3,…を順次取り出す。無線ノード装置20は、データアイランドパケット200−1を受信すると、処理対象のデータアイランドパケット200−1に含まれている映像出力仕様を、データアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた映像出力仕様と比較する。データアイランドパケット200−1に含まれている映像出力仕様がデータアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた映像出力仕様と異なるときは、データアイランド通知メッセージ150−1にデータアイランドパケット200−1に含まれるAVIインフォフレームパケットを挿入する。さらに、処理対象のデータアイランドパケット200−1に含まれている音声出力仕様を、データアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた音声出力仕様と比較する。そして、データアイランドパケット200−1に含まれている音声出力仕様がデータアイランドパケット200−1より前に受信したデータアイランドパケットに含まれていた音声出力仕様と異なるときは、データアイランド通知メッセージ150−1にデータアイランドパケット200−1に含まれるオーディオインフォフレームパケットを挿入する。そして、データアイランド通知メッセージ150−1を、無線ノード装置20との間でパススルーコネクションが確立している無線ノード装置10に無線送信する。ここで、無線ノード装置10は、処理対象のデータアイランドパケット200−1に含まれている映像出力仕様及び音声出力仕様が処理対象のデータアイランドパケット200−1より前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときは、データアイランド通知メッセージ150−1の送信を禁止する。なお、無線ノード装置20は、接続情報メモリ25を参照して無線ノード装置10との間でパススルーコネクションが確立しているか否かを判断する。
図19において、無線ノード装置10は、データアイランドパケット200−2の受信後に、データアイランドパケット200−2に含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様がデータアイランドパケット200−1に含まれていた映像出力仕様及び音声出力仕様から変化していないことを検出して、データアイランド通知メッセージを無線送信していない。一方、無線ノード装置10は、データアイランドパケット200−3の受信後に、データアイランドパケット200−3に含まれている映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、データアイランドパケット200−2に含まれていた映像出力仕様及び音声出力仕様から変化したことを検出して、データアイランド通知メッセージ150−2を無線送信している。
一方、無線ノード装置10は、HDMIにおいて規定されている方法に従って、無線ノード装置20からの映像データ及び音声データに基づいてTMDS信号を発生してHDMI装置30に出力する。このとき、TMDS信号に周期ΔT10でデータアイランド期間を設ける。そして、各データアイランド期間において、無線ノード装置20からの映像出力仕様を含むAVIインフォフレームパケット及び音声出力仕様を含むオーディオインフォフレームパケットを含むデータアイランドパケット210−1,210−2,210−3,…を周期ΔT10でHDMI装置30に送信する。無線ノード装置10は、データアイランド通知メッセージ150−1を無線受信すると、次に送信するデータアイランドパケット210−1に含まれるAVIインフォフレームパケット及びオーディオインフォフレームパケットを、データアイランド通知メッセージ150−1に含まれるAVIインフォフレームパケット及びオーディオインフォフレームパケットに変更する。このとき、データアイランドパケット210−1がAVIインフォフレームパケットのみを含むときは、次に送信するデータアイランドパケット210−1に含まれるオーディオインフォフレームパケットを変更せず、データアイランドパケット210−1がオーディオインフォフレームパケットのみを含むときは、次に送信するデータアイランドパケット210−1に含まれるAVIインフォフレームパケットを変更しない。さらに、無線ノード装置10は、データアイランド通知メッセージ150−2を無線受信すると、データアイランド通知メッセージ150−1の受信時と同様にデータアイランドパケット210−3を生成してHDMI装置30に送信する。
なお、HDMI装置40及び無線ノード装置10は、映像データの送信開始時及び映像出力仕様の変更時のみにAVIインフォフレームパケットをデータアイランドパケットに挿入してもよく、音声データの送信開始時及び音声出力仕様の変更時のみにオーディオインフォフレームパケットをデータアイランドパケットに挿入してもよい。このとき、無線ノード装置20は、AVIインフォフレームパケット及びオーディオインフォフレームのうちの少なくとも一方を含むデータアイランドパケットをHDMI装置40から周期ΔT40で受信する。そして、無線ノード装置20は、処理対象のデータアイランドパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、処理対象のデータアイランドパケットよりも前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、処理対象のデータアイランドパケットに含まれる異なる出力仕様に対応するインフォフレームパケットを含むデータアイランド通知メッセージを生成して無線ノード装置10に無線送信する一方、処理対象のデータアイランドパケットよりも前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、データアイランド通知メッセージを無線送信することを禁止する。
さらに、HDMI装置40及び無線ノード装置10は、映像出力仕様のデータを含むデータアイランドパケットと、音声出力仕様のデータを含むデータアイランドパケットとを、異なる周期で出力してもよい。
なお、無線ノード装置20はAVIインフォフレームパケットもしくはオーディオインフォフレームパケット以外のデータアイランドパケットを受信したとき、受信したデータアイランドパケットを含むデータアイランド通知メッセージを無線ノード装置10に送信する。
次に、無線ノード装置10及び20におけるCEC通知メッセージ送信処理を説明する。なお、無線ノード装置20におけるCEC通知メッセージ送信処理は、無線ノード装置10におけるCEC通知メッセージ送信処理と同様であるので、以下、無線ノード装置10におけるCEC通知メッセージ送信処理のみを説明する。無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージ181を受信したとき、次の3つのルールに従って、受信したCECメッセージ181から少なくとも1つのCEC通知サブメッセージを生成して無線送信する。
1.CECメッセージ181のメッセージ長が6オクテット以下の場合は、CECメッセージ181は分割されずに、詳細後述するCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信される。
2.CECメッセージ181のメッセージ長が7オクテット以上かつ11オクテット以下である場合は、CECメッセージ181は、最初の6オクテットの部分を含むグループと残りの部分を含むグループとに分割される。そして、分割されたCECメッセージ181はそれぞれ、詳細後述するCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信される。
3.CECメッセージ181のメッセージ長が12オクテット以上である場合は、CECメッセージ181は、最初の6オクテットの部分を含むグループ次の5オクテットの部分を含むグループと残りの部分を含むグループとに分割される。分割されたCECメッセージ181はそれぞれ、詳細後述するCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信される。
図23は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCEC通知メッセージ送信処理を示すフローチャートである。ステップS60において、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージ181のデータブロックを受信する。そして、ステップS61において、受信されたデータブロックのEOMビットが1であるか否かが判断される。ステップS60においてYESのときはステップS62に進む一方、NOのときはステップS63に進む。さらに、ステップS63において、受信されたデータブロックが6ブロック目のデータブロックであるか否かが判断される。ステップS63においてYESのときはステップS64に進む一方、NOのときはステップS65に進む。次いで、ステップS65において、受信されたデータブロックが11ブロック目のデータブロックであるか否かが判断される。ステップS65においてYESのときはステップS64に進む一方、NOのときはステップS60に戻り次のデータブロックを待機する。
ステップS62では、それまでにCECバスから受信され、かつまだCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信されていないデータブロックに無線ヘッダが付加され、CEC通知サブメッセージに変換される。このとき、無線ノード装置10は、装置情報テーブル14tを参照して、CECメッセージ181の宛先のHDMI装置40の論理アドレスに有線接続されている無線ノード装置20の無線識別子を選択し、選択された無線識別子を、無線ヘッダの宛先アドレス領域にセットする。そして、生成されたCEC通知サブメッセージを宛先の無線ノード装置20に無線送信して、CEC通知メッセージ送信処理を終了する。ステップS64では、ステップS62と同様に、それまでにCECバスから受信され、かつまだCEC通知サブメッセージに変換されて無線送信されていないデータブロックはCEC通知サブメッセージに変換されて無線ノード装置20に無線送信される。そして、ステップS60に戻り、次のデータブロックが待機される。
なお、無線ノード装置20は、無線ノード装置10と同様に、HDMIケーブル70のCECバスから受信されたCECメッセージ190に基づいて少なくとも1つのCEC通知サブメッセージを生成して無線ノード装置10に無線送信する。
図22は、図1の無線通信システムにおいて送受信されるCECメッセージ180,181,190,191のフォーマットの一例及び図1の無線通信システムにおいて無線送受信されるCEC通知メッセージ100及び101のフォーマットの一例を示す説明図である。図22に示すように、16オクテットのメッセージ長を有するCECメッセージ181は、先頭の6オクテットの部分のデータを含むグループと、次の5オクテットの部分のデータを含むグループと、最後の5オクテットの部分のデータを含むグループに分割され、各グループに対して無線ヘッダが付加されてCEC通知サブメッセージ101−1,101−2,101−3にそれぞれ変換される。
図20は、図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信し、16オクテットのCECメッセージ181をHDMI装置30から無線ノード装置10及び20を介してHDMI装置40に送信するときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。はじめに、HDMI装置40によって生成されたCECメッセージ190は無線ノード装置20に受信される。無線ノード装置20は、CECメッセージ190のうち6オクテット目までを受信したとき、CECメッセージ190のうちの1オクテット目〜6オクテット目のデータを含むCEC通知サブメッセージ100−1を生成し、無線ノード装置10に無線送信する。無線ノード装置10はCEC通知サブメッセージ100−1を受信したとき、CEC通知サブメッセージ100−1をCECメッセージ180に変換してHDMI装置30に送信する。次に、無線ノード装置20はHDMI装置40からCECメッセージ190のうちの11オクテット目までを受信したとき、CECメッセージ190のうちの7オクテット目〜11オクテット目のデータを含むCEC通知サブメッセージ100−2を生成し、無線ノード装置10に無線送信する。無線ノード装置10はCEC通知サブメッセージ100−2を受信したとき、CEC通知サブメッセージ100−2をCECメッセージ180に変換し、CECメッセージ180の6オクテット目を送信した後に、引き続きHDMI装置30に送信する。次に、無線ノード装置20はHDMI装置40からCECメッセージ190のうちの16オクテット目までを受信したとき、無線ノード装置20は190のうちの12オクテット目〜16オクテット目のデータを含むCEC通知サブメッセージ100−3を生成し、無線ノード装置10に無線送信する。無線ノード装置10はCEC通知サブメッセージ100−3を受信したとき、CEC通知サブメッセージ100−3をCECメッセージ180に変換し、CECメッセージ180の11オクテット目を送信した後に、引き続きHDMI装置30に送信する。HDMI装置30はCECメッセージ180を受信すると、CECメッセージ180に従って所定の処理を行う。
無線ノード装置10は、無線ノード装置20と同様に、HDMI装置30からの16オクテットのメッセージ長を有するCECメッセージ181をCEC通知サブメッセージ101−1,101−2,101−3に分割して無線ノード装置20に無線送信する。さらに、無線ノード装置20は、無線ノード装置10と同様に、無線受信したCEC通知サブメッセージ101−1,101−2,101−3をCECメッセージ191に結合してHDMI装置40に送信する。
図21は、図1の無線通信システムにおいて、16オクテットのCECメッセージ190をHDMI装置40から無線ノード装置20及び10を介してHDMI装置30に送信するときに、無線ノード装置10においてHDMI装置30からのACK信号を受信できなかったときのメッセージシーケンスの一例を示すシーケンス図である。図21において、無線ノード装置10は、無線ノード装置20から無線受信したCEC通知サブメッセージ100−1〜100−3をCECメッセージ180に変換する。次いで、CECメッセージ180は1オクテットのデータ長を有するデータブロックに分割されてHDMI装置30に送信される。HDMI装置30は、データブロックを正常に受信する毎にACK信号を無線ノード装置10に返信する。無線ノード装置10は、HDMI装置30からCECメッセージ180の各データブロックに対するACK信号を受信しなかった場合、CECメッセージ180をHDMI装置30に再送する。無線ノード装置10は、再送したCECメッセージ180に対するACK信号をHDMI装置30から受信しなかった場合、無線ノード装置20に、CECメッセージ180をHDMI装置30に送信できなかったことを示すCEC未到達メッセージ160を無線送信する。これに応答して、無線ノード装置20は、装置情報テーブル24tからHDMI装置30に対応するデータを削除する。
なお、図21においては、無線ノード装置10におけるCECメッセージ180の最大の再送回数は2回に設定されているが、本発明はこれに限られず、再送を行わない、もしくは再送を3回以上行ってもよい。また、図21においては、HDMI装置40からHDMI装置30にCECメッセージ190を送信する場合について説明しているが、反対にHDMI装置30からHDMI装置40にCECメッセージ181を送信する場合も、無線ノード装置20は無線ノード装置10と同様にCEC未到達メッセージ160を生成する。
図24は、図1の無線ノード装置10によって実行される代理ACK処理を示すフローチャートである。ステップS70において、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージのデータブロックを受信する。次いで、ステップS71において、CECメッセージの宛先のHDMI装置の論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否かが判断される。ステップS71においてYESのときはステップS72に進む一方、NOのときはACK信号を返信せずに代理ACK処理を終了する。そして、ステップS72において、装置情報テーブル14tを参照して、宛先のHDMI装置の有線接続フラグがゼロであるか否かが判断され、YESのときはステップS73に進む一方、NOのときはACK信号を返信せずに代理ACK処理を終了する。さらに、ステップS73において、受信したデータブロックが最後のデータブロックであるか否かが判断される。ステップS73においてYESのときは、無線ノード装置10は、ステップS76においてCECバスにACK信号を出力した後に、代理ACK処理を終了する。一方、ステップS73においてNOのときはステップS74に進む。そして、無線ノード装置10は、ステップS74においてCECバスにACK信号を出力した後に、ステップS75においてCECバスから次のデータブロックを受信してステップS73に戻る。
図24の代理ACK処理によれば、無線ノード装置10は、無線ノード装置10と同一のHDMIクラスタ80に存在するHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したとき、CECメッセージ181の宛先論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否か、及びCECメッセージ181の宛先論理アドレスがHDMIクラスタ80に存在するか否か(すなわち、CECメッセージ181の宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが1にセットされているか否か。)を判断する。CECメッセージ181の宛先アドレスが装置情報テーブルメモリ14に存在し、かつCECメッセージ181の宛先アドレスを有するHDMI装置がHDMIクラスタ80に存在しない(すなわち、CECメッセージ181の宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0にセットされている。)場合、受信したデータブロックが最後のデータブロックか否かが判断される。そして、最後のデータブロックでない場合は、無線ノード装置10はCECメッセージ181の宛先のHDMI装置の変わりにCECメッセージにACK信号を返信した後、CECバスから次のデータブロックが入力されるまで待機する。最後のデータブロックを受信すると、無線ノード装置10はCECメッセージ181の宛先のHDMI装置の変わりにCECメッセージにACK信号を返信した後に、代理ACK処理を終了する。
無線ノード装置10は、受信したCECメッセージ181の宛先のHDMI装置の論理アドレスがHDMI80クラスタに存在しない(すなわち、CECメッセージ181の宛先論理アドレスに対応する有線接続フラグが0にセットされている。)場合や、CECメッセージの宛先アドレスが装置情報テーブルメモリ14に存在しない場合は代理ACK処理を終了する。
なお、ここでは、無線ノード装置10が無線ノード装置10と同一のHDMIクラスタ80に存在するHDMI装置30からCECメッセージ181を受信したときの代理ACK処置を説明した。しかしながら、無線ノード装置10は、HDMIクラスタ80に存在するHDMI装置30以外のHDMI装置からCECメッセージを受信したときも同様の動作を行う。また、無線ノード装置20もまた、無線ノード装置10と同様に、図24の代理ACK処置を行う。
図25は、図1の無線ノード装置10によって実行されるCECルーティング処理を示すフローチャートである。ステップS80において、無線ノード装置10は、HDMIケーブル60のCECバスからCECメッセージのデータブロックを受信する。次いで、ステップS81において、CECメッセージの宛先のHDMI装置の論理アドレスが装置情報テーブル14tに存在するか否かが判断される。ステップS81においてYESのときはステップS82に進む一方、NOのときはCECルーティング処理を終了する。そして、ステップS82において、装置情報テーブル14tを参照して、宛先のHDMI装置の有線接続フラグがゼロであるか否かが判断され、YESのときはステップS83に進む一方、NOのときはCECルーティング処理を終了する。ステップS83において、無線ノード装置10は、図23のCEC通知メッセージ送信処理を行ってCECルーティング処理を終了する。
図25のCECルーティング処理によれば、無線ノード装置10は、CECバスからCECメッセージを受信したとき、ステップS80及びS81において、CECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80と同一のHDMIクラスタ80に存在するか否かを判断する。そして、受信したCECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80に存在する場合(すなわち、有線接続フラグが1である場合。)、受信したCECメッセージは無線インターフェースに送信されない。そうでない場合は、受信したCECメッセージは無線インターフェースに送信される。
図25のCECルーティング処理によれば、無線ノード装置10は、CECバスからCECメッセージを受信したとき、ステップS80及びS81において、CECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80と同一のHDMIクラスタ80に存在するか否かを判断する。そして、受信したCECメッセージの宛先の装置が自身が含まれるHDMIクラスタ80に存在しない場合(すなわち、有線接続フラグが0である場合。)、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレスであるか否かが判断される。宛先論理アドレスがブロードキャストアドレスではない場合は、受信したCECメッセージはHDMIクラスタ80に出力されない。受信したCECメッセージの宛先の装置HDMIクラスタ80に存在する、もしくは、宛先論理アドレスがブロードキャストアドレスである場合は、受信したCECメッセージはHDMIクラスタ80に出力される。
ここでは、無線ノード装置10のCECルーティング処理について説明したが、無線ノード装置20もまた、無線ノード装置10と同様にCECルーティング処理を行う。
以上詳述したように、本実施形態に係る無線ノード装置20によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むデータアイランドパケットをHDMI装置40から周期ΔT40で受信する。そして、無線ノード装置20は、処理対象のデータアイランドパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様が、処理対象のデータアイランドパケットよりも前に受信されたデータアイランドパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、データアイランド通知メッセージを無線送信することを禁止する。従って、無線ノード装置10,20間の無線伝送帯域を浪費せずに、従来技術に比較して効率的に無線ノード装置10,20間で映像データ及び音声データを無線送信できる。
また、本実施形態に係る無線ノード装置10によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むデータアイランドパケットをHDMI装置30に周期的に送信し、映像出力仕様及び上記音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むデータアイランド通知メッセージを上記無線装置から無線受信したとき、上記データアイランドパケットに含まれる映像出力仕様をデータアイランド通知メッセージに含まれる映像出力仕様に変更し、データアイランドパケットに含まれる音声出力仕様のデータをデータアイランド通知メッセージに含まれる音声出力仕様のデータに変更する。従って、無線ノード装置20とともに用いることにより、従来技術に比較して効率的に無線ノード装置10,20間で映像データ及び音声データを無線送信できる。
なお、上記実施形態において、HDMIクラスタ80は1つのHDMI装置40を含み、HDMIクラスタ90は1つのHDMI装置30を含むように構成された。しかしながら、本発明はこれに限られず、HDMIクラスタ80は、HDMI装置40にHDMIケーブルを用いて接続された他のHDMI装置及び無線ノード装置20にHDMIケーブルを用いて接続された別のHDMI装置などの複数のHDMI装置を含んでもよい。また、HDMIクラスタ90は、HDMI装置30にHDMIケーブルを用いて接続された他のHDMI装置及び無線ノード装置10にHDMIケーブルを用いて接続された別のHDMI装置などの複数のHDMI装置を含んでもよい。さらに、図1において、HDMIクラスタ80又は90と同様にそれぞれ構成された複数のHDMIクラスタを含むように無線通信システムを構成してもよい。
なお、本実施形態に係るCEC通知メッセージ送信処理(図23)では、16オクテットメッセージ長を有するCECメッセージを6オクテット、5オクテット、5オクテットのメッセージ長をそれぞれ有する3つのグループに分割した。しかしながら、本発明はこれに限られない。好ましくは、最初のグループのメッセージ長が最も長くなるように設定し、以降のグループのメッセージ長を直前のグループのメッセージ長以下に設定してCECメッセージを分割し、分割後の各CECメッセージをCEC通知サブメッセージに変換して無線送信する。これにより、受信側の無線ノード装置で最初のCEC通知サブメッセージを受信したときに、CECバスにCECメッセージの送信を開始することが可能となる。以上のようにCECメッセージを分割しない場合は、受信側の無線ノード装置で最初のCEC通知サブメッセージを受信したときに、所定の時間待機してからCECバスにCECメッセージを送信することも可能である。
また、上記実施形態において、HDMI装置40は、映像データ及び音声データを含むTMDS信号を無線ノード装置20に出力したが、本発明はこれに限られず、映像データ又は音声データを含むTMDS信号を無線ノード装置20に出力してもよい。
以上詳述したように、第1の発明に係る無線通信装置によれば、処理対象のパケットに含まれる映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方が、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と異なるときに、処理対象のパケットに含まれる異なる出力仕様を含む第1のメッセージ信号を生成して無線受信装置に無線送信する一方、処理対象のパケットよりも前に受信されたパケットに含まれる対応する出力仕様と同一であるときに、第1のメッセージ信号を無線送信することを禁止する。また、第2の発明に係る無線通信装置によれば、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含むパケットを有線受信装置に周期的に送信し、映像出力仕様及び音声出力仕様のうちの少なくとも一方を含む第1のメッセージ信号を無線装置から無線受信したとき、パケットに含まれる映像出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる映像出力仕様に変更し、パケットに含まれる音声出力仕様を第1のメッセージ信号に含まれる音声出力仕様に変更する。従って、無線伝送帯域を浪費せずに、従来技術に比較して効率的にコンテンツ信号を無線送信できる。
第1及び第2の発明に係る無線通信装置は、例えばDVDプレーヤ等のソース装置が再生して出力する映像信号等を非圧縮でテレビジョン受像機等のシンク装置に無線伝送するAVシステム等において用いられる無線ノード装置として有用である。
10,20…無線ノード装置、
11,21,31,41…コントローラ、
12,22…無線通信回路、
13,23…アンテナ、
14,24…装置情報テーブルメモリ、
14t,24t…装置情報テーブル、
15,25…接続情報メモリ、
16,26,35,44…有線通信回路、
30,40…HDMI装置、
32,43…ユーザ入力装置、
33…音声出力装置、
34…映像出力装置、
36,45…論理アドレステーブルメモリ、
36t,46t…論理アドレステーブル、
42…映像音声再生装置、
50A…映像データ信号、
50B…音声データ信号、
50C,50D…制御データ信号、
60,70…HDMIケーブル、
65…装置能力要求メッセージ、
75…装置能力応答メッセージ、
80,90…HDMIクラスタ、
85…パススルー要求メッセージ、
95…パススルー応答メッセージ、
100,101…CEC通知メッセージ、
100−1〜100−3,101−1〜101−3…CEC通知サブメッセージ、
110,111…装置情報通知メッセージ、
120…HPD通知メッセージ、
130…EDID要求メッセージ、
140…EDID応答メッセージ、
150−1,150−2…データアイランド通知メッセージ、
160…CEC未到達メッセージ、
180,181,190,191…CECメッセージ、
200−1〜200−3,210−1〜210−3…データアイランドパケット。