JPWO2009113523A1 - アルカリ型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

液体燃料の水酸化物イオン濃度を容易に判別することが可能なアルカリ型燃料電池を提供する。アニオン交換膜と、アニオン交換膜の一方の面に接して配されたカソードと、他方の面に接して配されたアノードと、で形成された電極−電解質膜接合体が、カソード及びアノードにそれぞれ接して配されたカソード集電体41及びアノード集電体42とで挟持され、さらにアノードに接して設けられた、少なくとも一部が透明であるために外部から内部をみることができる燃料容器10を有する。その燃料容器10の内部に保持されるpH指示材70の色の変化によって、アルカリを含む前記液体燃料のpH変化を、外部から判別する。

Description

本発明は、アルカリを含む液体燃料を用いたアルカリ型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで挟持した構造の電極−電解質膜接合体(Membrane and Electrode Assembly。以下、MEAという。)を備えている。液体燃料をアノードに供給するタイプの燃料電池は、MEAに用いられる固体高分子電解質膜のイオン伝導種によって、反応メカニズムが異なり、その名称でも区別される。近年では、安価で取り扱いの容易な有機液体であるメタノールを燃料として直接利用するダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFC)の開発が盛んに行われてきた。
DMFCでは、プロトンである酸型燃料電池が一般的であるが、最近では、水酸化物イオンがイオン伝導種であるアルカリ型燃料電池にも注目が集まっている。
酸型燃料電池の場合、理想的には、アノードでは式(1)のような反応がおこり、カソードでは式(2)のような反応がおこると解釈されている。
CHOH + HO →CO + 6H+ + 6e- ・・・式(1)
6H+ + 6e- + 3/2O → 3HO ・・・式(2)
アルカリ型燃料電池の場合、理想的には、アノードでは式(3)のような反応がおこり、カソードでは式(4)のような反応がおこると解釈されている。
CHOH + 6OH- → 5HO + CO + 6e- ・・・式(3)
3/2O + 3HO + 6e- → 6OH- ・・・式(4)
ただし、カソードで生成した水酸化物イオンは、その全てが固体高分子電解質膜を通じてアノードに到達するわけではなく、電池反応を安定して継続させるためには、液体燃料中のアルカリから補う方が効率的に反応できる。そのため、アルカリ型燃料電池の液体燃料としては、純粋なメタノール水溶液ではなく、ある程度の濃度のアルカリを含ませる方がよい。ただし、液体燃料にアルカリを含むアルカリ型燃料電池では、精製したCOが即座に炭酸イオンCO 2−に変化し、燃料中に溶け込むため、COが気体として放出されにくく、見た目上では気体は発生しない。実際には、式(3)のようにCOが生成するのではなく、直接CO 2−が生成することも考えられるため、本件で示す内容に関しては、ここで示した反応式で起こる反応のみに限定はしない。
このような液体燃料を使用した固体高分子型燃料電池は、小型、軽量化が容易であるために、これまでにも携帯機器をはじめとした種々の電子機器用電源としての研究開発が活発に進められてきた。固体高分子燃料電池の発電部分は、MEAと呼ばれる発電最小ユニットを基本構成としてもち、さらに、燃料供給や電力の取り出しを行うための構造をもつ燃料電池セルにMEAを搭載することによって、初めて電源としての利用が可能となる。このような燃料電池を、携帯電話等の小型機器の電源や、外付け充電器として使用する場合、外出先で使用することが主用途になるため、より小型な燃料電池が求められている。
そのため、燃料電池システムを構成する燃料電池セルの出力密度を高めることが求められてきた。しかし、メタノールのみを燃料とするような酸型燃料電池では、燃料成分であるメタノールのクロスオーバーや、アノードで発生する一酸化炭素COが触媒金属である白金Ptに吸着被毒することに起因した過電圧の低下などの問題点が、出力密度の向上の妨げとなっている。また、反応で生じる酸に耐えうる触媒として、白金を用いることが必須であるが、白金価格の高騰によって、燃料電池の価格をある程度以下に抑えられないことなどのビジネス上の問題点も浮上してきた。
それに対し、アルカリ型燃料電池では、必ずしも白金などの貴金属を触媒として用いる必要はなく、比較的安い材料を触媒として用いることができ、さらに出力密度も酸型と同等以上である。このような背景から、アルカリ型燃料電池に関する関心も高まってきている。
ところが、アルカリ型燃料電池用途には、酸型燃料電池で使用されているナフィオンを代表とするような、高性能な燃料電池用の固体高分子形電解質が開発されていなかった。そのため、アルカリ型燃料電池では、酸型燃料電池のように、燃料極および酸化剤極と、これらの間に設けられた固体高分子電解質膜から構成されるMEAを基本とする燃料電池セルを、酸型燃料電池用と同様には作製することが難しかった。そのことにより、DMFCにおける酸型燃料電池ほど、携帯型小型機器においては、アルカリ型燃料電池の研究開発が発展していなかった。しかしながら、最近では、開発段階ながらも、酸型燃料電池の出力に匹敵するようなポテンシャルを持つアニオン交換膜も出回ってきており、アルカリ型燃料電池をMEAとして評価できる段階になってきた。
現状のアルカリ型燃料電池に用いることができるアニオン交換膜では、いまだに液体燃料にアルカリを加えないと満足な出力密度を得ることはできない。そのため、液体燃料中にはアルカリが添加される必要がある。燃料中の水酸化物イオン濃度が薄くなってくると、出力低下にもつながるため、液体燃料中のメタノール濃度の管理のみならず、水酸化物イオン濃度をなんらかの形で管理できることが求められることになる。現段階ではアルカリ型燃料電池を、燃料電池セルとして評価している例も少ないため、水酸化物イオン濃度管理にまでは目を向けられていないという段階であるが、アルカリ型燃料電池を実用化する上では、今後、水酸化物イオン濃度の管理をリアルタイムで行う必要性が生じてくると考えられる。
水酸化物イオン濃度を測定する手段としては、pHを測定することが挙げられる。たとえば、特許文献1では、燃料電池のアノード燃料として用いる水素ガス濃度を、次亜塩素酸塩などを含む水溶液中に通し、pHの変化によって可視化して水素を検知する方法が提案されている。また、特許文献2では、水素ガスをアノードに供給するタイプの燃料電池であって、燃料電池スタック内部に凝縮した水のpHを何らかの手段によって検知し、燃料電池スタック内部の水量を制御する機構によってpHを制御することによって、燃料電池スタックの腐食を防止する方法が提案されている。
さらに、特許文献3では、燃料電池の燃料となる水素ガスのボンベを覆う形で、水素を触媒によってプロトン化する部分を設け、その内部にpHによって呈色する物質を導入し、そのpH変化を外部から観察することができる窓から色の変化によって水素の漏れを検出する方法が提案されている。このように、水素ガス検知や燃料電池スタック内部の水の酸性度を検知する手段として、pHを用いる方法としては、いくつかの提案がなされている。
特開2005−331284号公報 特開2006−40610号公報 特開2007−278994号公報
前述のように、現状の固体高分子電解質を用いたアルカリ型燃料電池では、液体燃料中の水酸化物イオン濃度をリアルタイムで観測する必要がある。例えば、特許文献1、2、3のように、pHを計測する手段を考慮しうるが、いずれも液体燃料のpHを直接測定する方法としての具体性には欠けていたり、携帯用小型装置には不向きであったりするため、液体燃料中のpHをリアルタイムで知る手段としては導入しがたいのが現状である。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、液体燃料の水酸化物イオン濃度を容易に判別することが可能なアルカリ型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、上記課題を解決するため、アニオン交換膜を電解質膜とするMEAからなる燃料電池セルにおいて、アノードに接して設けられた燃料容器の少なくとも一部が透明であり、燃料容器内部の液体燃料の水素イオン濃度によって呈色するpH指示材が導入されていることを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、pH指示部のpHを感受する領域が、pH8〜14、より好ましくはpH10〜14のアルカリ性領域にあることを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、pH指示材の初期形状は、粒状、板状もしくは棒状であること、さらには任意の形状であってもよく、燃料容器内部に納まり、発電に影響を与えない程度の大きさであることを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、pH指示材が移動しないように、上記燃料容器の内部で、専用の容器にいれることによって、外部化から観察できない位置に移動することを防止することを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、pH指示材に導入されたpHを感受して変色する物質を大量に入れる必要はないため、pH感受材が液体燃料中に溶解した場合でも、液体燃料の色の変化からpHを判別することを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、pH指示材は、基材に支持されたpH感受材を、液体燃料と触れないように、保護膜で被覆されており、液体燃料のpHを知りたいときに、外部からの操作によって保護膜を破ることによって、その時点におけるpHを観測することを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、上記構造をもつpH指示材が複数個搭載され、液体燃料のpHを知りたいときに、随時保護膜を破っていくことによって、複数回のpHを観測することを特徴とする。
本発明のアルカリ型燃料電池は、pH指示材は、燃料容器に燃料を供給するための燃料カートリッジ、もしくは燃料供給経路に保持されることを特徴とする。
本発明によれば、アルカリ型燃料電池の発電による水酸化物イオン濃度の低下を、pH指示材を用いて、リアルタイムで視覚的に捕らえることが可能となるため、燃料交換のタイミングを的確に把握することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係るアルカリ型燃料電池について、図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明で例示した構造および構成は、その効果を発現させるための一例であり、その構造および構成は、これ以前および以降に示したものに限定されるわけではない。
(燃料電池セル)
図1は、本発明の実施形態に関連する燃料電池セル11の断面図を示したものである。燃料容器10には、液体燃料60を貯液できる構造となっている。燃料を注入するための燃料注入口21が、燃料容器10に設けられており、適時燃料を補充・交換できるようになっているが、燃料注入口21は、2つ以上設けられていることが望ましい。燃料容器10の上には、MEA30が集電体に挟まれてセットされている。具体的には、アノード32側にはアノード集電体42、カソード側31にはカソード集電体41が位置し、それらの集電体がMEA30を挟み込み、集電する構造となっている。MEA13は、アニオン交換膜を挟み込むように、カソード31とアノード32が対面する構造になっている(以下、本発明の実施形態においては、アニオン交換膜を、固体高分子電解質膜33と表記する)。
カソード31およびアノード32の固体高分子電解質膜33に接する面には、それぞれカソード触媒層、アノード触媒層が形成されている。また、集電体の間には、絶縁および液体の漏れをシールする目的でシール部材43が設けられている。これらの発電部分は、基本的には、ねじ止めなどの固定方法によって、燃料容器10に留められているが、必ずしもねじなどで固定する必要は無く、集電体によって集電することができ、かつ燃料の漏れがない構造でありさえすればよい。このような構造によって、燃料電池セル11が構成されている。
図1において、燃料容器10には液体燃料60が貯液されている。本実施形態においては、液体燃料60として、メタノール水溶液中にKOHなどのアルカリを溶解した液体燃料60を用いることを前提とする。燃料容器10内部には、液体燃料60をアノード電極32に効率よく供給させることを目的としたウィッキング材を用いてもよい。ウィッキング材とは、ウレタンなどの発泡素材に形成された連続空孔を通じ、主に毛管力などを駆動力とした燃料供給促進能をもつ。その結果、アノード電極32に燃料が安定して供給されることになる。
アルカリ型燃料電池においては、アルカリを液体燃料60中に含むため、耐アルカリ性を持つ素材を用いたウィッキング材を使用する必要がある。液体燃料60が消費されることによって形成された部分的な空間にKOHなどのアルカリが析出してしまうことも考えられ、その結果、ウィッキング材の連続空孔が塞がれ、発電に必要な液体燃料60がアノード電極32に供給されにくくなることも考えられる。このように、ウィッキング材は必須の要素ではないため、これ以降は省略する。
(燃料)
本発明の実施形態に係る燃料電池に関しては、前述の通り、メタノール水溶液などのアルコール水溶液にアルカリを溶解させた液体燃料60を用いる。アルカリとしては、KOHやNaOHなどを用いることが望ましいが、液体中への溶解やpHに限度があるものの、CaOHやアンモニアなども用いることができる。ただし、液体燃料60がアルカリ性になるのであれば、前述のようなもの以外の物質を用いることができる。本実施形態においては、液体燃料60としてメタノール水溶液を用いることを前提としているが、燃料の成分としては、必ずしもメタノールを基本成分としたものに限定されず、エタノールなどのアルコール系燃料、エーテル系燃料などにも適用可能であり、液体燃料60を用いる燃料電池であれば、燃料成分を限定することはない。また、液体燃料60は、燃料容器10からアノード電極32に何らかの形で供給されればよく、パッシブ型であっても、アクティブ型のような燃料循環供給型であってもよい。液体燃料60の供給形態に関しては、本発明において限定を加えることはない。
(MEA)
MEA30は、固体高分子電解質膜33をカソード31とアノード32とで挟持した構造からなるものである。固体高分子電解質膜33としては、アニオンすなわち水酸化物イオンの伝導性が高く、かつ、電子伝導性をもたない固体高分子電解質膜33が使用される。固体高分子電解質膜33の構成材料としては、塩基等の極性基を有するイオン交換樹脂が好ましいが、現在では、その材料を特定することはできない。また、固体高分子電解質膜33の膜厚は、その材質や燃料電池の用途等に応じて、5〜300μm程度の範囲内で適宜選定可能である。ただし、この膜厚に関しても、ここで示した値が絶対であるわけではない。
(電極)
カソード電極31は、水と酸素の反応によって水酸化物イオンを生成する電極であり、例えば、触媒をカーボン等の担体に担持させた粒子(粉末を含む)又は担体を有さない触媒単体と、イオン伝導性をもつバインダから成る触媒層を、カーボンペーパー等の基材上に塗布等で形成することにより得ることができる。触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、モリブデン、ランタン、ストロンチウム、イットリウム等があげられる。触媒は、1種のみでも、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。触媒を担持する粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素系材料が例示される。粒子の大きさは、例えば炭素系材料が粒状物であるときには、0.01〜0.1μm程度の範囲内、好ましくは0.02〜0.06μm程度の範囲内で適宜選定される。粒子に触媒を担持させるには、例えば含浸法を適用することができる。
触媒層が形成される基材としては、固体高分子電解質膜33を用いることができる。また、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属等、導電性を有する多孔性物質を用いることもできる。カーボンペーパー等の基材を用いた場合には、基材上に触媒層を形成してカソード電極31を得た後に、ホットプレス等の方法によって、触媒層が固体高分子電解質膜33と接する向きでカソード電極31を固体高分子電解質膜33に接合することが好ましい。カソード電極31の単位面積当たりの触媒量は、触媒の種類や大きさ等に応じて、0.1mg/cm〜20mg/cm程度の範囲内で適宜選定可能であるが、求める出力密度によっては、この範囲外の量を塗布することも可能である。
アノード電極32は、メタノール水溶液と水酸化物イオンの反応から、水とCOと電子を生成する電極であり、上記のカソード電極31と同様にして構成される。アノード電極32を構成する触媒層や基材は、カソード触媒31を構成する触媒層や基材と同じであってもよいし、異なっていてもよい。アノード32の単位面積当たりの触媒量も、カソードの場合と同様、触媒の種類や大きさ等に応じて、0.1mg/cm〜20mg/cm 程度の範囲内で適宜選定可能であり、求める出力密度によっては、この範囲外の量を塗布することも可能である。また、カソード電極31、アノード電極32ともに、触媒層に燃料供給やイオン伝導性を向上させるため、疎水性のPTFEやアニオン交換樹脂などをバインダの補材として混入させることが好ましいが、水を媒介としたイオン伝導で十分な電池反応を得られるので、現状ではナフィオンなどのプロトン伝導体などを代用することが可能である。
(集電体)
カソード集電体41及びアノード集電体42は、カソード電極31及びアノード電極32上にそれぞれ接して配され、電子の取出効率及び電子の供給効率を高めるように作用する。これらの集電体41、42は、図2に示すように、MEA30の周縁部に接する枠形状のものであってもよいし、MEAの全面に接する平板状又はメッシュ状等のものであってもよい。その形状に関しては、設計上の都合などに合わせて決めることができる。これらの集電体41、42の材料としては、例えば、ステンレス鋼、焼結金属、発泡金属等、又はこれらの金属に高導電性金属材料をメッキ処理したものやカーボン材料などの導電体等を用いることができる。特に、耐アルカリ性が高い材料の方が好ましい。ただし、MEA構造自体に集電構造を含んでしまうような燃料電池スタック15に関しては、ここに示した通りではなく、かならずしも集電体を用いる集電方式でなくてもよい。
(シール部材)
本実施形態の燃料電池セル11には、シール機能を有するシール部材43が複数設けられている。例えば、図1〜5に示すように、固体高分子電解質膜33とカソード集電体41との間には、カソード電極31の厚さとほぼ同じ厚さからなるシール部材43がセル構造の周縁に枠状に設けられており、固体高分子電解質膜33とアノード集電体42との間には、アノード電極32の厚さとほぼ同じ厚さからなるシール部材43がセル構造の周縁に枠状に設けられている。アノード集電体42と燃料容器10との間には、任意の厚みをもつシール部材43が設けられている。なお、これらの各シール部材は、必要に応じて、シール性、絶縁性及び弾性を有するものが好ましく、通常はシール機能を有するゴムやプラスチックで形成されている。具体的には、PTFE、PET、PEEK、塩化ビニル等のプラスチック素材や、テフロン(登録商標)ゴム、シリコンゴム、ブチルゴム等のゴム素材で形成することができる。
ただし、集電体を必要としないで電気的な接続が可能となるような構造の場合、燃料が漏れないようにシールさえされていればよく、前述のシール部材43の全てが必須というわけではない。また、耐アルカリ性が高いほど、燃料電池の寿命が長くなるため、長期的な使用に関しては、耐アルカリ性の高い材質、例えばブチルゴムなどを用いることが好ましい。
(燃料容器)
燃料容器10には、燃料注入口21が設けられている。通常の使用時には、燃料注入口21には栓22をして、液体燃料60が漏れないようになっている。燃料注入口21は、1つでもよいが、燃料交換しやすいように、また、液体燃料60を循環供給できるように、複数の燃料注入口21もしくは放圧弁のようなものを設けてもよい。本実施形態において、燃料注入口21に関して具体的に制約を加えることはないが、注入した燃料が逆流しないような逆止弁を取り付けておくと、燃料の飛び出しなどが防げるため、より望ましい。
また、燃料容器10の形状、大きさに制約は無いが、アノード32に対面する開口部分は、アノード電極表面積と同程度であることが望ましい。また、厚さ方向に関しても、特に制約は設けないが、燃料容器10の底とアノードまでの距離が離れすぎると、燃料容器10の底部分に燃料が溜まってしまう傾向が出るため、できれば1つの燃料電池セル11に対して、10mm程度の厚さに収まることが望ましい。また、本発明の実施形態における燃料容器60に関しては、少なくとも一部に透明な部分があり、外部からpH指示材70ならびに液体燃料60の色を確認できることを特徴とする。
(pH指示材)
図2、図3、図4、図5は、本発明の実施形態に係るpH指示材70を挿入した燃料電池セルの例を示す。図2では、pH指示材70は、液体燃料60のpHによって変色する物質を塗布または担持したものである。特に、pHが8〜14のアルカリ性の領域、より好ましくは、pHが10〜14の範囲内で変色することが望ましい。pH指示材70の担体、担持する物質に関しては、後述する。また、燃料容器10内部が目視できるように、燃料容器10の少なくとも一部は透明であり、pH指示材70を外部からみることができる。
図3には、pH指示材70の形状が粒状ではなく、板状であるものを示す。ただし、図2および図3に示したpH指示材の形状は一例であり、その形状は観察できる形状、大きさであれば限定されない。
図4は、pH指示材70が燃料容器10内部で転がらないように、位置を固定するためのpH指示材容器71に入れられている。pH指示材容器71は、燃料60がpH指示材70に触れることを妨げないように、網目状、繊維状、パッチ状などの開口部を持つことを特徴とする。
図5は、図3に示したpH指示材70が特定の場所に固定されている場合、その部位のみ、燃料容器10に透明な部分を持った指示材観察窓72を有することを特徴とする。このような部分的な透明部分に関しては、必ずしも図3のような構造に限定して設置するのではなく、図2〜図4に示したようにpH指示材70が可動である場合にも設けることができる。
図6は、図2に示した本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面構造を簡略化した図である。pH指示材70は、その全体がpH感受材であってもよいが、外部から見える部分のみが変色すればよいため、なんらかの基材73表面のみにpH感受材を塗布し、pH感受剤塗布部74が形成されていればよい。また、感受材自体が液体燃料に溶解するため、基材73が、pH感受材の溶解を遅延させる機能をもつことが望ましい。
基材73としては、液体燃料60のpHによる変色を見きわめやすくするため、白色、もしくは透明な材質のものがよく、かつ耐アルカリ性・耐アルコール性であることが望ましい。例えば、PTFE、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂材料、アルミナやチタニアなどのセラミックス材料などが適している。また、基材73を透過してpH指示材74の色を見る構造にする場合は、基材73が透明な材質であることが求められ、例えば耐アルカリ性をもつ硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルなどの材料を用いることができる。ただし、耐アルカリ性・耐アルコール性を持つ材料でありさえすれば、ここに記述した材料以外のものでも適用できる。
pH感受材としては、色素系の有機物を用いることができる。例えば、p-α-ナフトールフタレイン(pH7.0〜9.0で黄〜青)、クレゾールレッド(pH7.2〜8.8で黄〜赤)、チモールブルー(pH8.0〜9.6で黄〜青)、フェノールフタレイン(pH8.0〜10.0で無色〜赤紫、pH13.4以上では無色)、チモールフタレイン(pH9.4〜10.6で無色〜青)、アリザリンイエローR(pH10.1〜12.0で黄〜赤)、トロペオリンO(pH11.0〜13.0で黄〜橙褐)などが、pH8.0〜14.0のアルカリ領域に変色域をもつため、適している。
ただし、ここで示した変色域は、あくまでも水溶液中での挙動であるため、メタノール水溶液などでは呈色の程度などや変色域に多少の差がある。また、これらの有機物は、アルコール水溶液に溶解してしまうので、基材との親和性によっては、液体燃料60中に溶解してしまい、液体燃料60そのものの変色によって、pHを判断することになってしまうが、発電に支障がないかぎり問題はない。pH感受材としては、ここにあげたものに限らず、アルカリ性領域に変色域をもつ物質であれば特に限定することはない。
図7は、本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図(a)および斜視図(b)である。図8は、本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図である。図9は、本発明の実施形態に係るpH指示材70の外観図である。前述のpH感受材は、液体燃料60に溶解しやすいため、図7に示したように、指示材基材73にpH感受材を塗布したpH指示部74を設け、保護部材75で挟み込み、直接液体燃料60に触れないようにするとよい。その場合、指示材基材73もしくは保護部材75のいずれかもしくは両方が透明であり、いずれかの部材には、pH指示部74まで到達する穴を設け、その穴を保護膜76で封じ、適時保護膜76を破ることによって、そのときにおける液体燃料60のpHをモニターできるようにすることが望ましい。
このような構造の場合、必ずしも指示材基材73に高い耐アルカリ性・耐アルコール性は必要としないため、濾紙などにpH感受材を染み込ませた市販のpH試験紙などを用いることも可能である。また、保護膜76の素材としては、耐アルカリ性・耐アルコール性をもち、透明な樹脂性の膜などを用いることが望ましい。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。また、pH指示材70を図8のように複数個設けることによって、複数回にわたってpHをモニターすることが可能となる。
pH指示材70の保護膜76を破る方法としては、例えば、図10に示したように、燃料容器10の少なくとも一部に弾性を持つ部分(弾性膜78)を設け、その弾性膜78に設けた画鋲状突起物771を、適時保護膜76に押し込むことがあげられる。この際の燃料容器10としては、図5に示したような一部が透明である指示材観察窓72の部分が弾性膜78を兼ね、pH指示材70自体は、図3のように燃料容器10の内部に固定されていることが好ましい。
pH指示材70の保護膜76を破る他の方法としては、例えば、図11に示したように、垂直に安定して立てられる強磁性の台座をもったカッター772を搭載させ、燃料容器10外部から磁石付のスライダー79によって燃料容器10外部で操作し、保護膜76を破る方法があげられる。また、カッター772に磁石を配置し、スラーダーが強磁性材料からできていてもよい。ここで用いるpH指示材70としては、図12のように溝状の凹部分をもつものが好ましく、その凹みにカッター772の刃が並行に沿う形で並ぶように配置している。この際、pH指示材70自体は、図3のように燃料容器10の内部に固定されている。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る燃料電池セル11において、燃料容器10の外側から、pH指示材70ならびに貯液された液体燃料60を見ることができ、pH指示材70または液体燃料60の色の変化によって液体燃料のpHを確認することができるため、式(3)および式(4)に示した電池反応において必要となる水酸化物イオン濃度を確認できるため、電圧低下が起こる前に燃料交換を行うことが可能となる。また、外部負荷などを必要としないため、発電効率などにも影響がおよびにくいというメリットもある。また、pH指示材70に関しては、必ずしも燃料容器10内部に直接設置する必要はなく、燃料供給するためのカートリッジや、燃料供給流路内部などに設置することも可能であるため、アルカリ型燃料電池の使用の幅を広げることを可能とする。
以下、実施例を示すことにより、本発明の燃料電池の例について具体的に説明する。
(実施例1)
実施例で用いた燃料電池セルの構造について以下に説明する。先ず、炭素粒子(ライオン社製のケッチェンブラックEC600JD)に粒子径が3〜5nmの範囲内にある白金微粒子を重量比で50%担持させた触媒担持炭素微粒子を用意し、この触媒担持炭素微粒子1gにデュポン社製の5重量%ナフィオン溶液(商品名;DE521、「ナフィオン」はデュポン社の登録商標)を加え、攪拌して、触媒ペーストを得た。この触媒ペーストを基材としてのカーボンペーパー(東レ社製のTGPH−120)上に1〜8mg/cmの塗工量で塗布し、乾燥させて、4cm×4cmのカソード電極31およびアノード電極32を作製した。
次に、トクヤマ社製のアルカリ型高分子電解質膜(6cm×6cm×厚さ50μm)を固体高分子電解質膜33として用い、この膜の厚さ方向の一方の面に、上記カソード電極31を、触媒を塗布していない面が外側となる向きで配置し、他の面に上記アノード電極32のアノード触媒を塗布していない面が外側となる向きで同様に配置し、触媒を塗った電極面同士が固体高分子電解質膜33を介して対面するように、各カーボンペーパーの外側から圧力を印加してホットプレスした。このようにして、MEA13を作製した。
次に、カソード電極31とアノード電極32の上に、ステンレス鋼(SUS316)からなる外寸法5cm×5cm、内寸法3.8cm×3.8cm、厚さ1.0mmの矩形枠状の枠板からなるカソード集電体41およびアノード集電耐42を、カソード31側とアノード32側の両面に配置し、ねじ止めすることで燃料容器10に固定した。
燃料容器10は、前述の集電体と同じ外寸法をもち、その一部は図5に示したような透明な部分をもつ。全体の厚みは5mm、内側の燃料タンク部12の深さは3mmとし、図1に示したような断面構造をもつ。アノード32と燃料容器10の間には、ブチルゴム製のシール部材43を配置させ、液漏れを防いだ。燃料容器10内部には、図5に示したような指示材観察窓72近傍に、pH指示材70を配置し、燃料容器10内部でpH指示材70が転がったりしないように、pH指示材70をメッシュ状のpH指示材容器に入れた。pH指示材70には、pH感受材として、アルカリ性では赤色であり、pHが低下すると黄色に変色するアリザリンイエローRを、直径1mmの粒状多孔質アルミナ基材に塗布したものを用いた。
燃料容器10には、燃料注入口21から、KOHが3Mの濃度となる15vol%メタノール水溶液を満たしたのち、燃料が漏れないように栓22をした。
(実施例2)
実施例2では、上記実施例1で用いたpH指示材70の変わりに、図7に示したようなpH指示材70を単独で用いた。燃料容器10としては、図5のように、一部に透明な弾性膜78を設けており、弾性膜78を通じて図8のような画鋲状突起物771を押し込むことによって、保護膜76を破き、そこから入り込んだ液体燃料60がpH指示部74に触れたことによる変色によって、pHを観測した。
(実施例3)
実施例3では、上記実施例2で用いたpH指示材70の変わりに、図10に示したように、pH指示材70を複数個並べたものを用いた。燃料容器10としては、図5のように、一部に透明な弾性膜78を設けており、弾性膜78を通じて図8のような画鋲状突起物771を押し込むことによって、保護膜76を破き、そこから入り込んだ液体燃料60がpH指示部74に触れたことによる変色によって、pHを観測した。観測時間は、発電開始から1時間おきにおこない、電圧低下が見られた時点では、適時観測を行った。
(実施例4)
実施例4では、実施例3で用いたpH指示材70の変わりに、図11に示したように、pH指示材70を複数個並べたものを用いた。ただし、pH指示材70の形状は、上述した図12に示すような形状にした。燃料容器10としては、図5のように、一部に透明な指示材観測窓72を設けたものを用いた。燃料容器10の内側には、容器内部で倒れることのないように、強磁性の台座の付いたカッター772をpH指示部70の溝に沿う形で設置し、外側には、磁石を搭載したスライダー79を設置し、カッター772とスライダー79が、燃料容器10の壁を挟んで引かれあうようにセットした。pHの観測を行うときには、スラーダー79を動かして、カッター772を移動させることによって保護膜76を破き、そこから入り込んだ液体燃料60がpH指示部74に触れたことによる変色によって、pHを観測した。観測時間は、発電開始から1時間おきにおこない、電圧低下が見られた時点では、適時観測を行った。
このように作製した燃料電池10について、1.0Aにおける定電流発電試験を行った。
実施例1では、30分ほどでpH指示材70から大部分のpH感受材が溶解し、液体燃料60が赤色に色づいた。3時間程度発電させたあたりから、液体燃料60の変色が始まり、3時間半では黄色くなった。その後10分ほどしてから、0.45Vほどで推移してきた電圧値がやや低下し始め、0.40Vを下回ってしまった。そこで、液体燃料60を即座に交換したところ、それまでの電圧値に近い値(0.44V)に戻ったことを確認できた。再現性をみるため、同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同様の結果となった。
実施例2では、3時間を越えたあたりで、それまで0.45V程度で推移してきた電圧値がやや低下し始め、0.40Vを下回ってしまった。そこで、pH指示材70の保護膜76を破ったところ、pH低下が観測された。その段階で液体燃料60を即座に交換したところ、それまでの電圧値は0.45Vに戻った。再現性をみるため、同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同様の結果となった。
実施例3および実施例4については、3時間まではpH指示部74はpHが十分高いことを示す色が観測されており、0.45V程度で電圧が安定して推移してきたが、3時間を越えてしばらくしてから0.40V以下まで電圧が低下してきたため、pH観測を行ったところ、pH低下が観測された。そのため、燃料交換を行った。その結果、電圧は元の0.45Vまで戻った。実施例1および実施例2では、一度燃料交換を行った後にpH観測できなくなるが、実施例3および実施例4に関しては、pH指示材70の全てがなくなるまで、pH観測を継続でき、pH低下に及んで燃料交換を繰り返すことによって、発電を継続することができた。
このように、本発明により、アルカリ型燃料電池における水酸化物イオン濃度低下による電圧低下を簡便に知ることができる。そのため、燃料交換のタイミングを適時に把握することができ、継続した安定発電が可能になる。本発明は、非常に簡便でありながら、連続使用が求められる携帯型小型機器などの使用時間を長くすることを可能にする技術である。
この出願は、2008年3月12日に出願された日本出願特願2008−062945を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明の実施形態に関連する燃料電池を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池の例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池の例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池の例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池の例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面の一例である。 本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図(a)および斜視図(b)である 本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図である。 本発明の実施形態に係るpH指示材70の外観図である。 本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図である。 本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図である。 本発明の実施形態に係るpH指示材70の断面図(a)および斜視図(b)である。
符号の説明
10 燃料容器
11 燃料電池セル
21 燃料注入口
22 栓
30 MEA
31 カソード電極
32 アノード電極
33 固体高分子電解質膜
41 カソード集電体
42 アノード集電体
43 シール部材
60 液体燃料
70 pH指示材
71 pH指示材容器
72 指示材観察窓
73 基材
74 pH指示部
75 保護部材
76 保護膜
78 弾性膜
79 スライダー
771 画鋲状突起物
772 カッター

Claims (15)

  1. アニオン交換膜と、前記アニオン交換膜の一方の面に接して配されたカソードと、他方の面に接して配されたアノードと、で形成された電極−電解質膜接合体が、前記カソード及び前記アノードにそれぞれ接して配されたカソード集電体及びアノード集電体とで挟持され、さらに前記アノードに接して設けられ、少なくとも一部が透明である燃料容器を有するアルカリ型燃料電池であって、
    前記燃料容器内部に保持されるpH指示材の色の変化によって、アルカリを含む前記液体燃料のpH変化を、外部から判別することを特徴とするアルカリ型燃料電池。
  2. 前記pH指示部のpHを感受する領域は、pH8〜14のアルカリ性領域にあることを特徴とする請求項1記載のアルカリ型燃料電池。
  3. 前記pH指示材は、基材とpH感受材の複合体であることを特徴とする請求項1又は2記載のアルカリ型燃料電池。
  4. 前記pH指示材の初期形状は、粒状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  5. 前記pH指示材の初期形状は、板状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  6. 前記pH指示材の初期形状は、棒状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  7. 前記pH指示材は、前記液体燃料に触れられる孔をもつ容器にいれられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  8. 前記pH指示材に導入されたpHを感受して変色する物質が、前記液体燃料中に溶解し、pHの判別は、前記液体燃料の色によって行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  9. 前記pH指示材は、前記基材に支持された前記pH感受材を、前記液体燃料と触れないように保護膜で被覆し、前記液体燃料のpHを知りたいときに、外部からの操作によって前記保護膜を破り、その時点におけるpHを観測することを特徴とする請求項3から8のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  10. 前記燃料容器の少なくとも一部が弾性を有し、前記弾性部分の前記燃料容器の内側に、先端の尖った部材を設け、外部から前記弾性部分を押すことにより、前記保護膜を破ることを特徴とする請求項9記載のアルカリ型燃料電池。
  11. 前記燃料容器の内側に、強磁性材料を構造中に有する先端の尖った部材を設け、前記燃料容器の外側には、磁石を構造中に有するスライダーを設け、前記スライダーを移動させることにより前記先端の尖った部材が前記燃料容器内部で移動し、前記保護膜を破ることを特徴とする請求項9記載のアルカリ型燃料電池。
  12. 前記燃料容器の内側に、磁石を構造中に有する先端の尖った部材を設け、前記燃料容器の外側には、強磁性の部材もしくは磁石を構造中に有するスライダーを設け、前記スライダーを移動させることにより前記先端の尖った部材が前記燃料容器内部で移動し、前記保護膜を破ることを特徴とする請求項9記載のアルカリ型燃料電池。
  13. 前記pH指示材を複数個設け、前記液体燃料のpHを知りたいときに、随時前記保護膜を破ることにより、複数回のpHの観測を行うことを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  14. 前記pH指示材は、前記燃料容器に燃料を供給するための燃料カートリッジに設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
  15. 前記pH指示材は、前記燃料容器に燃料を供給するための燃料供給経路に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアルカリ型燃料電池。
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