JPWO2009110514A1 - 無機質中空粉体、その製造方法及びそれを用いた組成物 - Google Patents

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Abstract

微細化と共に高純度化・中空率の偏析の少ない無機質中空粉体と、その製造方法及び該無機質中空粉体を含有した樹脂組成物を提供する。中空率が60〜80体積%の中空粒子を60〜100質量%、及び中空率が0〜20体積%の中空粒子を5質量%以下(0質量%を含む)含有し、かつ、含有する中空粒子の最大粒子径が25μm以下、BET法により求めた比表面積が30m2/g以下、さらに平均球形度0.85以上である無機質中空粉体。また、細孔容積が0.1〜1.0ml/g、及び最大粒子径が10μm以下の無機質原料粉体を粉体濃度50〜500g/Nm3で、0.1〜2.0mmのスリット幅を有するドーナツ状構造の原料供給管より供給して、火炎で中空化する無機質中空粉体の製造方法。

Description

本発明は、無機質中空粉体、その製造方法及びそれを用いた樹脂組成物に関する。
無機質中空粉体の典型として微小中空ガラス球状体がある。一般に該微小中空ガラス球状体は、ガラスマイクロバルーンと呼ばれ、非中空無機質粉体と比較して比重が軽く、耐熱性、断熱性、耐衝撃性、耐圧性などの特徴を活かし、各種素材に添加することにより、軽量化、断熱性能、寸法安定性の付与のために使用されている。例えば軽量化目的のため、携帯電子機器や自動車などのモールディングコンパウンド等の樹脂成形部品、移動体用塗料、部材、各種建築材料などに用いられている。
一方で、高度情報化社会の時代を迎え、衛星放送や携帯電話などの通信機器は、デジタル化、信号の高速処理化の傾向にあり、これら通信機器に用いられる電線被覆材や基板、或いはそれらの周辺の樹脂部材には、低誘電率化、低誘電正接化が望まれている。
ところで、前記の微小中空ガラス球状体は、中空粒子という形態に起因した低誘電率化効果を有することから多層プリント基板や電線被覆材、半導体封止材などの低誘電率の材料ニーズがある分野での利用が期待される。
このように、微小中空ガラス球状体は広範な用途を有するが、近年、更なる中空ガラス球状粉末の微細化や、高純度な無機質酸化物中空粉体の出現等が強く要求されてきている。
また、低誘電率、低誘電正接が要求される高周波用配線基板では、回路パターンの伝送路上にインピーダンスの不連続点が存在すると、その場所で信号の反射による波形の乱れ、誤作動、動作効率の低下などが生じる。このため、配線基板の回路パターンを設計する上で、特性インピーダンスを整合することが重要になる。この特性インピーダンスは、例えばストリップラインの場合、ライン幅、絶縁層の誘電率と厚みなどにより決定される。
微小中空ガラス球状体の製造方法としては、シリカゲルにガラス形成成分および発泡剤成分を担持させた微粉末を炉内で焼成して、微小中空ガラス球状体を得る方法である(特許文献1参照)。この方法により得られた微小中空ガラス球状体の物性としては、粒子密度が0.3g/cm程度であり、また平均粒子径は70μm程度であることが示されている。しかしながら、このような製法で得られる微小中空ガラス球状体においては、軽量化効果や断熱効果等を付与するに十分な中空度は得られるものの、製造方法としては発泡剤成分が必須であり、また発泡剤成分が残存してしまうなど、純度が高まらない。また、平均粒子径としては70μm前後であり、低誘電率化用途などを含めた複合材料の厚さを規制される用途に対しては使用できない。
更なる微小無機質中空粉体の製造方法としては、比表面積の高いシリカ微粉末を炉内で焼成して、微小無機質中空粉体を得る方法である(特許文献2、及び特許文献3参照)。この方法により得られた微小無機質中空粉体の物性としては、平均中空率20〜85体積%程度であることが示されているが、中空粒子の中空率の分布は記載されておらず、配線基板に使用した際、中空率の高い粒子が偏析した積層板と中空率の低い粒子が偏析した積層板とでは絶縁層の誘電率に差が生じてしまう可能性があり、電気特性としての特性インピーダンスが不明確であった。
特公平4−37017号公報 特開2005−206436号公報 特開2006−62902号公報
本発明の目的は、従来の中空ガラス球状体よりも更に微細化された無機質中空粉体、特に微細化と共に高純度化・中空率の偏析の少ない無機質中空粉体と、その製造方法及びそれを含有した樹脂組成物を提供することである。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)中空率が60〜80体積%の中空粒子を60〜100質量%、及び中空率が0〜20体積%の中空粒子を5質量%以下(0質量%を含む)含有し、かつ、含有する中空粒子の最大粒子径が25μm以下、BET法により求めた比表面積が30m/g以下、さらに平均球形度が0.85以上である無機質中空粉体。
(2)無機質中空粉体が、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種を構成成分とする複合酸化物である前記(1)に記載の無機質中空粉体。
(3)無機質中空粉体が非晶質中空シリカであり、SiO含有量が99.0質量%以上である前記(1)又は(2)に記載の無機質中空粉体。
(4)表面処理剤で処理した前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の無機質中空粉体。
(5)表面処理剤の使用量が、無機質中空粉体100質量部に対して0.05〜5質量部である前記(4)に記載の無機質中空粉体。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の無機質中空粉体を含有する樹脂組成物。
(7)細孔容積が0.1〜1.0ml/g、及び最大粒子径が10μm以下の無機質原料粉体を粉体濃度50〜500g/Nmで、0.1〜2.0mmのスリット幅を有するドーナツ状構造の原料供給管より供給して、火炎で中空化する前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の無機質中空粉体の製造方法。
(8)前記火炎が、1700〜2200℃の高温火炎と1000〜1400℃の低温火炎である前記(7)に記載の無機質中空粉体の製造方法。
(9)細孔容積が0.1〜1.0ml/g、及び最大粒子径が10μm以下の無機質原料粉体を粉体濃度50〜500g/Nmで、0.1〜2.0mmのスリット幅を有するドーナツ状構造の原料供給管より供給して、1700〜2200℃の高温火炎と1000〜1400℃の低温火炎で中空化する無機質中空粉体の製造方法。
本発明によれば、従来の中空ガラス球状体よりも更に微細化された無機質中空粉体、特に微細化と共に高純度化・中空率の偏析の少ない無機質中空粉体を提供することができ、得られた該無機質中空粉体は電子部品、電線被覆材、半導体封止材、ワニスなどの製造に有用である。
本発明の無機質中空粉体は、粒子の中空率が60〜80体積%の中空粒子の粉末を60〜100質量%含有し、粒子の中空率が0〜20体積%の中空粒子の粉末を5質量%以下(0質量%を含む)含有するものである。中空率が80体積%を超えると粒子の殻厚が薄くなり粒子強度が弱くなり、粉体のハンドリング中やゴム又は樹脂との混練中に粒子が破壊する恐れがある。
また、インピーダンス特性において、粒子の中空率が60〜80体積%の中空粒子が60質量%未満であると、中空率ごとの中空粒子の偏析が起こった際、均一な樹脂成形体を製造することが難しくなる。粒子の中空率が0〜20体積%の中空粒子が5質量%を超えると、中空粒子の特徴である低誘電特性の効果を十分に発現しない。
本発明の無機質中空粉体は、粒子の中空率が60〜80体積%の中空粒子の粉末を70〜90質量%含有するのが好ましく、粒子の中空率が0〜20体積%の中空粒子の粉末を3質量%以下(0質量%を含む)含有するのが好ましい。
本発明の無機質中空粉体中の中空粒子は粒子の表層に殻を持ち、粒子内部が中空の構造になっているものである。基本的に単孔であり、多孔質の中空粒子とは、構造の異なるものである。多孔質の中空粒子では、本発明の中空粒子の特徴である低誘電特性の効果を十分に発現しない。
中空率は粒子中の独立気泡含有率と定義することができ、粒子の理論密度に対する粒子密度の実測値との比から算出することができる。
たとえば、シリカ中空粒子の密度の測定値(B)に対して、その非晶質シリカの理論密度(A)である場合、中空率(C)はC=(A−B)/A×100、から求めることができる。密度は、例えばセイシン企業社製ピクノメーター法自動粉粒体真比重測定器(商品名「オートトゥルーデンサーMAT−7000」)を用いて測定することができる。
中空粒子の中空の度合いは走査型電子顕微鏡による粒子と膜厚との関係からも測定することができる。
たとえば、粒子径8μm、中空率70体積%の球状シリカ中空粒子の場合は、独立気泡に相当する部分が70体積%であるから、その気泡部分の体積は187.56μm、半径は3.55μmとなる。したがって、独立気泡を含んでいる殻の厚さは、中空粒子の半径と独立気泡の半径との差から、0.45μmと算出される。
このような粒子と殻厚との関係は、本発明の無機質中空粉体を樹脂と混合・硬化して得られた樹脂成形物を切断・研磨し、研磨面に表出した無機質中空粒子の切断面を走査型電子顕微鏡にて撮影し、任意の500個の粒子について、殻厚を測定することによって求めることができる。
中空率分布の測定は、液比重1.3のショ糖水溶液に無機質中空粉体を攪拌分散・沈降分級し、浮遊物と沈降物を分集・洗浄・乾燥・計量し、40体積%以上と未満の分布を算出する。次に沈降物の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子径と膜厚から中空率を求め、20体積%以下の質量頻度を算出する。浮遊物は更に液比重0.9のアルコール水溶液に攪拌分散・沈降分級し、浮遊物と沈降物を分集・洗浄・乾燥・計量し、60体積%以上と未満の分布を算出する。更に、浮遊物の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子径と膜厚から中空率を求め、80体積%以下の質量頻度を算出する。
本発明の無機質中空粉体の最大粒子径は25μm以下、好ましくは20μm以下である。最大粒子径が25μmを超えると、たとえば樹脂成形体とした場合には、表面の平滑性が損なわれ、外観の悪化や凹凸部を起点とした劣化の原因となる。また、最大粒子径が25μmを超えると、多層基板用層間絶縁材料やレジスト材料用フィラーとして使用した場合には、所定の層厚中に収まりきれなくなり、導通部の短絡や断線等様々な不具合を招く恐れがある。最大粒子径は、たとえばベックマン・コールター社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(商品名「LS−230」)を用いて測定することができる。平均粒子径においては特に制約はないが、最大粒子径の1/5倍程度が好ましい。
本発明の無機質中空粉体の比表面積は30m/g以下、好ましくは20m/g以下である。比表面積が30m/g以上を超えると、たとえばワニス形成した際に増粘してしまい、高充填することが困難になる等、成形性が低下する恐れがある。また、比表面積の増大に伴い、吸水性も増大してしまい、樹脂成形した際に耐湿信頼性が低下する恐れがある。
本発明の無機質中空粉体の平均球形度は0.85以上である。平均球形度が0.85未満では、樹脂との混合性及び樹脂組成物の流動性が問題となる。特に好ましくは平均球形度は0.90以上である。
平均球形度は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、この粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)として算出される。100個の粒子について球形度を測定し、その平均値でもって平均球形度とする。
無機質中空粉体の材質には特に制限はなく、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等、更にこれらの少なくとも一成分を構成成分とする複合酸化物などを挙げることができる。なかでも、非晶質シリカは強度、低熱膨張性、低誘電特性に優れるので好ましい。非晶質シリカの純度は、二酸化ケイ素(SiO)の含有量が99.0質量%以上であることが好ましい。成分数が2以上の複合酸化物である場合は、複合酸化物を構成している成分は不純物とはしない。
SiO含有量は、例えばエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)、原子吸光光度計(AAS)、プラズマ発光分光分析装置(ICP)、蛍光X線分析装置(XRF)等によって測定する。本発明では、無機質中空粉体をフッ化水素と過塩素酸の混合溶液(20:1の体積比)で加熱溶解し、純水で希釈してから、原子吸光光度計(例えば、島津製作所社製)を用いて測定する。
本発明の無機質中空粉体が非晶質シリカの場合、非晶質率は、100〜99.0%であることが好ましい。非晶質シリカの非晶質率は、粉末X線回折装置(例えばRIGAKU社製(「モデルMini Flex」)を用い、CuKα線の2θが26°〜27.5°の範囲においてX線回折分析を行い、特定回折ピークの強度比から測定する。たとえば、シリカの場合、結晶質シリカは26.7°に主ピークがあるが、非晶質シリカではピークはない。非晶質シリカと結晶質シリカが混在する場合、結晶質シリカの割合に応じた26.7°のピーク高さが得られる。そこで、結晶質シリカの標準試料のX線強度に対応する試料のX線強度の比から、結晶質シリカの混在比を算出し、式、非晶質率(%)=(1−結晶質シリカ混在比)×100、から非晶質率を求める。
本発明の無機質中空粉体は、例えばシランカップリング剤等の表面処理剤で処理されていることが好ましい。通常、無機質粉体の表面は親水性であるので、樹脂や有機溶剤などの疎水性分散媒への分散性が良くないので、表面処理剤で処理しておくと分散性が改善される。また、表面処理剤で処理しておくとゴム又は樹脂との密着性、ピール強度等も向上する。表面処理剤の使用量は、無機質中空粉体100質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
表面処理剤としては、シランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネートカップリング剤、Zrキレートなどを用いることができる。
シランカップリング剤を例示すれば、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン;メルカプトシランなどである。
本発明の無機質中空粉体の製造方法は、細孔容積0.1〜1.0ml/gの無機質原料粉体を、バーナーによって形成された高温火炎中と低温火炎中に粉体濃度50〜500g/Nmで供給して球状化・中空化させた後、捕集する方法である。
ここで、無機質原料粉体の細孔容積が1.0ml/gを超えると、球状化及び/又は中空化を達成することができず多孔化してしまい、細孔容積が0.1ml/g未満では中空化を達成することができず、中実化してしまう。好ましい細孔容積は0.2〜0.8ml/gである。
無機質原料粉体の最大粒子径は、10μm以下であり、10μmを超えると中空化した際の粒子径が25μmを越えてしまい、本発明の無機質中空粉体を製造することができない。好ましい最大粒子径は1.0〜8.0μmである。
無機質原料粉体を供給する際の粉体濃度が50g/Nm未満では部分的に過熱状態となり、中空化が不十分で中空粒子が形成されにくい。500g/Nm以上では分散が不十分で均一に加熱することができず、球状化・中空化が不十分で本発明の無機質中空粉体を製造することができない。無機質原料粉体の供給の粉体濃度は、好ましくは100〜300g/Nmである。
無機質原料粉体は、バーナーとは別の原料供給管より供給される。無機質原料粉体の担持ガスへの担持方法としては、例えば、テーブルフィーダーから切込まれた無機質原料粉体を担持ガスと共に原料供給管より供給する等の公知の方法で実施すれば良い。無機質原料粉体は、可燃性ガスと支燃性ガスのいずれか一方、あるいは両方に担持させることができる。本発明者らの検討の結果では、いずれか一方のガスに担持する方法においては、支燃性ガスに担持する方法が好ましく、本発明の目的を達成することが容易である。
本発明の原料供給管は、0.1〜2.0mmのスリット幅を有するドーナツ状構造である。ドーナツ状構造でない場合、供給管の壁面部分と中心部分において、噴出速度の分布が大きくなってしまう。供給管径を小さくすることによっても速度分布を抑制することができるが、圧力損失が大きく無機質原料粉体を噴出することが困難となる。スリット幅が0.1mm未満でも同様に圧力損失が大きく無機質原料粉体を噴出することが困難となる。スリット幅が2.0mmを超えると噴出速度分布が大きくなってしまい、均一に加熱することができず、球状化・中空化が不十分で本発明の無機質中空粉体を製造することができない。原料供給管は、好ましくは0.5〜1.5mmのスリット幅を有するドーナツ状構造である。
高温火炎と低温火炎は、各バーナーに可燃性ガス及び支燃性ガスを供給することによって形成される。各バーナーは原料供給管を囲むように内側から順に高温火炎バーナー群、低温火炎バーナー群を原料供給管側に角度を持たせて配置し、各バーナー群の角度を調整制御することによって、無機質原料粉体の火炎中の滞留時間を制御することができる。各バーナー群は2〜8本で構成される。バーナー群が1本では無機質原料粉体のすべてを均一に加熱することができない。バーナー群が9本以上では火炎温度制御が困難になる。好ましくは、各バーナー群は3〜6本である。
可燃性ガスとしては、例えばメタン、エタン、アセチレン、プロパン、ブタン、プロピレン等の炭化水素ガス及び水素ガスからなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合ガスが用いられる。支燃性ガスは、酸素を含むガスであればどのような成分組成のガスであっても使用可能である。
火炎温度の調整制御は、可燃性ガス量と支燃性ガス量との比を調整することによって制御することができる。また、支燃性ガス中の酸素濃度を調整制御することによっても可能である。
高温火炎の温度は1700〜2200℃である。1700℃未満では球状化することが困難である。高温火炎の温度は、好ましくは1800〜2000℃である。低温火炎の温度は1000〜1400℃である。1000℃未満では気泡膨張効果が得られず、本発明の無機質中空粉体を製造することができない。1400℃を超えると、無機質原料粉体の軟化温度に近い温度が継続することになり、気泡が脱泡し、中空化させることが困難となる。低温火炎の温度は、1100〜1300℃が好ましい。
火炎を形成させる炉は、縦型炉、横型炉などのいずれでも良いが、無機質中空粉体の炉体への付着抑制、火炎の安定性、操業安定性などの点から、上記バーナーを炉頂に配し、下部が捕集系に接続している縦型炉が好ましい。捕集系には集塵機が設置されており、製造された無機質中空粉体は、排気側に設けられたブロワーによって捕集系に吸引輸送捕集され、必要に応じ分級される。集塵機としては、例えばサイクロン、電気集塵機、バッグフィルター等がある。このような縦型炉の製造については、バーナー構造を除き、多くの公知例があるので、それを用いることができる。
無機質中空粉体の平均球形度は、主に高温火炎の温度制御によって調整制御することができる。
また、無機質中空粉体の最大粒子径、及び比表面積などは、主に無機質原料粉体の最大粒子径や、無機質原料粉体の供給時の粉体濃度によって調整制御することができる。
無機質中空粉体の中空率は、低温火炎の温度制御と無機質原料粉体の供給時の粉体濃度によって調整制御することができる。
具体的には、高温火炎バーナーの可燃性ガスの流量を多くすると、火炎温度が高くなり無機質原料粉体が十分に加熱されるため、平均球形度の高い無機質中空粉体が得られる。また、低温火炎バーナーの火炎温度を高くすると無機質原料粉体の膨張効果が高まり、中空率の大きい無機質中空粉体が得られるが、無機質原料粉体の供給時の粉体濃度が高すぎると加熱状態に分布が生じてしまい、中空率の小さい無機質中空粉体が発生してしまう。
本発明の樹脂組成物は、本発明の無機質中空粉体をゴム及び/又は樹脂に含有させたものである。無機質中空粉体の含有率は目的に応じて異なり、例示すると1〜97質量%、好ましくは5〜95質量%である。
本発明の樹脂組成物中のゴムを例示すれば、天然ゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物中の樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、不飽和エステル樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、BTレジン(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物中の多層基板用樹脂としては、例えば変性ポリイミド系樹脂などのポリイミド系樹脂;フッ素系樹脂;ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、BTレジンなどの低誘電率樹脂;ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、特に芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の良好な耐熱性と機械強度を有する樹脂;などを使用することができる。
本発明の樹脂組成物中の半導体封止材料用樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂が好ましい。その具体例を挙げれば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA 、ビスフェノールF 及びビスフェノールS などのグリシジルエーテル、フタル酸やダイマー酸などの多塩基酸とエポクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルエステル酸エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、アルキル変性多官能エポキシ樹脂、β−ナフトールノボラック型エオキシ樹脂、1,6−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性を付与するために臭素などのハロゲンを導入したエポキシ樹脂等である。中でも、耐湿性や耐ハンダリフロー性の点からは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。
樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を用いるが、硬化剤については、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されない。例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、クロロフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、イソプロピルフェノール、及びオクチルフェノールからなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンとともに酸化触媒下で反応させて得られるノボラック型樹脂;ポリパラヒドロキシスチレン樹脂;ビスフェノールA やビスフェノールS 等のビスフェノール化合物;ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類;無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン;等を挙げることができる。
本発明においては、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進させるために硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4 ,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、次の成分を必要に応じて配合することができる。
すなわち、低応力化剤としては、シリコーンゴム、ポリサルファイドゴム、アクリル系ゴム、ブタジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリマーや飽和型エラストマー等のゴム状物質、各種熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂状物質、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の一部又は全部をアミノシリコーン、エポキシシリコーン、アルコキシシリコーンなどで変性した樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等の疎水性シラン化合物;メルカプトシラン;などが挙げられる。
表面処理剤としては、Zrキレート、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。
難燃助剤としては、Sb、Sb、Sbなどが挙げられる。
難燃剤としては、ハロゲン化エポキシ樹脂、リン化合物などが挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、染料、顔料などが挙げられる。
更には、ワックス等の離型剤を添加することができる。その具体例を挙げれば、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸塩の金属塩、酸アミド類、エステル類、パラフィンなどである。
耐湿信頼性や高温放置安定性が要求される場合には、各種イオントラップ剤の添加が有効である。イオントラップ剤の具体例としては、協和化学社製(商品名;「DHF−4A」、「KW−2000」、「KW−2100」など)や東亜合成化学工業社製(商品名;「IXE−600」など)の製品が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、例えば上記各材料の所定量をブレンダーやヘンシェルミキサー等によりブレンドした後、加熱ロール、ニーダー、一軸又は二軸押し出し機等により混練したものを冷却後、粉砕することによって製造することができる。
多層プリント基板用途や塗料用途においては、上記各材料と有機溶剤とを混合してワニスとするが、これらの材料の混合には、らいかい機、ビーズミル、3本ロール、攪拌ミキサーなどの混合機が使用される。ワニスとした後は真空脱気によりワニス中の気泡を除去しておくことが好ましい。
消泡機能、破泡機能を持たせるために、例えばシリコーン系、アクリル系、フッ素系等の消泡剤の樹脂組成物中への添加は有効である。
以下、本発明の実施例によりさらに詳細に説明するが、これらに限定して解釈されるものではない。
本発明の無機質中空粉体の製造に用いた装置は、原料供給管に対して20度傾けた高温火炎バーナー3本と、原料供給管に対して10度傾けた低温火炎バーナー3本とを縦型炉の炉頂部に設置し、炉の下部を捕集系(サイクロン、バッグフィルター)に接続したものである。
無機質中空粉体は燃焼排ガスと共にブロワーで吸引輸送し、サイクロン及びバッグフィルターで捕集した。
実施例1〜10及び比較例1〜8
原料供給管は0.1〜1.5mmスリット幅を有するものを用いた。高温火炎バーナー群は、バーナー一本あたりLPGを1〜4Nm/Hrと、酸素を3〜15Nm/Hrとを供給して高温火炎を形成した。また、低温火炎バーナー群は、バーナー一本あたりLPGを0.5〜3Nm/Hrと、酸素富化空気を1〜10Nm/Hrとを供給して低温火炎を形成した。
表1に示される無機質原料粉体(シリカ)を50〜500g/Nmの粉体濃度で原料供給管から供給し、高温火炎、及び低温火炎中に噴霧した。無機質原料粉体の特性と各バーナー群のLPG供給量、支燃ガス(酸素、酸素富化空気)供給量、及び無機質原料粉体の粉体濃度の違いに応じ、特性の異なる種々の無機質中空粉体(球状中空シリカ)がサイクロンから捕集された。
捕集した無機質中空粉体の粒子の中空率が60〜80体積%の中空粒子と粒子の中空率が0〜20体積%の中空粒子の含有量、最大粒子径、比表面積、平均球形度、及び純度を上記に従って測定した。それらの結果を表1に示す。
また、非晶質率を前記の方法により測定した結果、ピークはなく非晶質であることを確認した。
なお、シランカップリング剤で表面処理を施す場合は、無機質中空粉体100質量部に対し0.5質量部のビニルトリエトキシシランを用いた。混合にはヘンシェルミキサーを用い、混合時間を10分とした。
なお、表1及び表2のA中空粒子とは中空率60〜80体積%の中空粒子を、B中空粒子とは中空率0〜20体積%の中空粒子を意味するものである。
各種物性の測定方法は、以下のとおりである。
(1)細孔容積
細孔容積は自動比表面積/ 細孔分布測定装置( マイクロメリティックス社製、TriStar3000) を用いて7 8 K における窒素の吸着等温線を作成し、該吸着等温線から、B J H 法により細孔分布曲線を作成して求めた。
(2)最大粒子径
最大粒子径は、ベックマン・コールター社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(商品名「LS−230」)を用いて測定した。
(3)二酸化ケイ素(SiO)の含有量
無機質中空粉体中の二酸化ケイ素の含有量は前記の方法により、測定した。
(4)中空粒子の中空率
中空粒子の中空率は前記の方法により、粒子の理論密度に対する粒子の密度の実測値との比から算出した。粒子の密度は、セイシン企業社製ピクノメーター法自動粉粒体真比重測定器(商品名「オートトゥルーデンサーMAT−7000」)を用いて測定した。
(5)中空粒子の中空率分布
中空粒子の中空率分布は、前記の方法により、測定した。
(6)比表面積
比表面積は自動比表面積/ 細孔分布測定装置( マイクロメリティックス社製、TriStar3000)を用いてBET法による多点法比表面積を測定した。
(7)平均球形度
中空粒子の平均球形度は、前記の方法により、測定した。
得られた無機質中空粉体の特性を評価するため、臭素化ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂100質量部、ジシアンジアミド4質量部、及び2−エチル4−メチルイミダゾール0.2質量部をメチルエチルケトン200質量部に溶解した。その後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、及び無機質中空粉体を上記エポキシ樹脂100体積部に対して100体積部を加え、高速ミキサーで10分間攪拌してワニスを製造した。
ワニスの粘度を測定してから、ワニスをガラスクロスに含浸させ150℃の電気炉で5分間加熱した後、切断してプリプレグを得た。このプリプレグを必要な厚さになるように重ね、圧力(ゲージ圧)5.0MPa、温度180℃で200分の加熱成形プレスをして積層板を製造し、熱膨張係数と難燃性と比誘電率を測定した。その後、特性インピーダンスが50Ωになるようにマイクロストリップラインの配線基板を作製し、特性インピーダンスのバラツキを測定した。それらの結果を表1に示す。
なお、ワニスを積層板に用いる場合には、ワニス粘度が800mPa・s以下、特に700mPa・s以下であることが積層板を成形する点から好ましい。
各種物性の測定方法は、以下のとおりである。
(1)ワニス粘度:トキメック社製E型粘度計を用い、3°R14のコーンローター、温度30℃、ローター回転数2.5rpmの条件で測定した。
(2)積層板の熱膨張係数:積層板から、直径5mm×高さ10mmのテストピースを作製し、島津製作所社製熱機械分析装置(TMA)を用い、JIS K7197規格に準じて測定した。
(3)積層板の難燃性:積層板から、12.7mm×127mm×1mmのテストピースを作製し、UL−94規格に準じて測定した。
(4)積層板の比誘電率:積層板から、直径100mm×厚み2mmのテストピースを作製し、ヒューレット・パッカード社製誘電率測定器を用いて、JIS K6911規格に準じて測定した。
(5)特性インピーダンス:特性インピーダンスが50Ωになるように、基板厚さ(h)0.1±0.02mm、導体厚さ(t)0.016±0.002mmとし、(4)で測定した比誘電率(εr)にあわせて導体幅(W)0.223〜0.181±0.015mmのマイクロストリップラインの配線板を作製し、ネットワークアナライザーを用いて測定した。
Figure 2009110514
Figure 2009110514
実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明の実施例によれば、熱膨張係数が30ppm以下、難燃性がV−0、比誘電率が3.3以下(25℃、1GHz)の積層板を製造することができる。さらに、特定インピーダンスを50Ωに設定した場合の特性インピーダンスのバラツキが5Ω以下である配線板を製造することができる。
本発明の無機質中空粉体は、自動車、携帯電子機器、家庭電化製品等のモールディングコンパウンドなどの樹脂成形部品、更にはパテ、シーリング材、軽量外壁材などの充填材として使用される。また、本発明の樹脂組成物は、ガラス織布、ガラス不織布、その他有機基材に含浸して硬化し、例えばプリント基板用プリプレグや、プリプレグの1枚又は複数枚を銅箔等と共に加熱成形された電子部品、更には電線被覆材、半導体封止材、ワニスなどの製造に使用される。

なお、2008年3月5日に出願された日本特許出願2008−054370号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. 中空率が60〜80体積%の中空粒子を60〜100質量%、及び中空率が0〜20体積%の中空粒子を5質量%以下(0質量%を含む)含有し、かつ、含有する中空粒子の最大粒子径が25μm以下、BET法により求めた比表面積が30m/g以下、平均球形度が0.85以上であることを特徴とする無機質中空粉体。
  2. 無機質中空粉体が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、及びチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種を構成成分とする複合酸化物である請求項1に記載の無機質中空粉体。
  3. 無機質中空粉体が非晶質中空シリカであり、SiO含有量が99.0質量%以上である請求項1又は2に記載の無機質中空粉体。
  4. 表面処理剤で処理した請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機質中空粉体。
  5. 表面処理剤の使用量が、無機質中空粉体100質量部に対して0.05〜5質量部である請求項4に記載の無機質中空粉体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の無機質中空粉体を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  7. 細孔容積が0.1〜1.0ml/g、及び最大粒子径が10μm以下の無機質原料粉体を粉体濃度50〜500g/Nmで、0.1〜2.0mmのスリット幅を有するドーナツ状構造の原料供給管より供給して、火炎で中空化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機質中空粉体の製造方法。
  8. 前記火炎が、1700〜2200℃の高温火炎と1000〜1400℃の低温火炎である請求項7に記載の無機質中空粉体の製造方法。
  9. 細孔容積が0.1〜1.0ml/g、及び最大粒子径が10μm以下の無機質原料粉体を粉体濃度50〜500g/Nmで、0.1〜2.0mmのスリット幅を有するドーナツ状構造の原料供給管より供給して、1700〜2200℃の高温火炎と1000〜1400℃の低温火炎で中空化することを特徴とする無機質中空粉体の製造方法。
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